JP2014529451A - 3d根管治療計画立案のための方法及びシステム - Google Patents

3d根管治療計画立案のための方法及びシステム Download PDF

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Abstract

歯髄室及び根管を含む、患者の歯の3次元コンピュータモデルが、治療されるべき患者の歯として、歯の少なくとも一つの2Dグレイ値画像及び/又は歯の口腔内可視部分の少なく一部の表面情報と、各タイプの歯の統計的な数値化された形状モデル(上下の切歯、犬歯、小臼歯、及び臼歯)と組み合わせることによって作られる。【選択図】図1

Description

本発明は、3D根管治療計画立案のための方法及びシステム、並びに、かかる方法を実施するためのソフトウエアに関する。
根管治療法は、感染を除去し、除染した歯を将来の感染から保護し、かつ、必要であれば、ポストを使用して、又は使用せずに、歯冠レベルで歯を修復する、歯を保存する治療方法である。この治療中、神経組織及び血管を主に内包する根管は、洗浄され、成形され、除染され、かつ、続いて、グッタペルカのような、内部充填剤で充填される。残されている歯の構造が、歯冠の適当な修復物を支持するのに不十分である場合には、補綴修復物(例えば、歯冠)のために保持力を支持かつ提供するために、金属又はグラフィファイバのポストが一つの歯根に配置され、強化された芯が作り出される。
根管治療は、幾つかの理由のために、例えば、歯冠の不十分な洗浄、歯冠の不完全な充填、開業医によって見落とされたために治療されない根管、歯根の成形中の歯根貫通又はファイル破砕、歯根破砕などのために、失敗し、或いは合併症を招くことがある。
文献によれば、3D歯評価は、歯根治療中の合併症の危険性を減ずることができる。コーンビーム断層撮影法(cone beam computed tomography:CBCT)が、例えば歯内治療学的な問題の処理に、すなわち、歯根尖端周囲の真の寸法、大きさ、性質及び位置、吸収性病変の評価に、根管の解剖学的な組織、根管の破砕、及び歯の周囲の歯槽骨の構造の性質の評価に、又は口腔内の手術の計画立案に使用することができる。(New dimensions endndodonic imaging: Part 2. Cone beam computed tomography. International Endodonic Journal, 42, 463-75, 2009 参照。)コーンビーム断層撮影法は、口腔内のX線撮影と比較されたより分かりやすい診断データを提供するので、より正確な診断及びモニタという結果となり、それ故、口腔内の問題の治療を改善する。
X線マイクロトモグラフィー(Micro-computed tomography:μCT)は、3次元修復のために抜かれた歯、及び、口腔内検査目的のための歯及び根管組織の評価で、学術的な場面で使用されてきた。(An application framework of three-dimensional reconstruction and measurement for endodontic research, Yuan Gao, Ove A. Peters, Hongkun Wu, Xuedong Zhou, J Endod 2009;35;269-274 参照。)歯の内側及び外側の解剖学的構造(組織)が修復され、かつ、根管及び歯根象牙質の寸法が定量化された。最初に根管中心線を定義し、次いで、その中心線から根管表面までの距離を計算することによって、根管の寸法が計算される。これらの距離は、根管表面の色分けによって続いて可視化される。歯根の外側表面から根管表面までの最小距離も計算され、色分けされて可視化された。ついで、歯の調製(前処理)前後の画像を記録することによって、根管の評価が行われる。画像の組の両方において、根管は、歯冠調製中の歯冠形状の変化、即ち、象牙質の除去量の図形的な比較のために、分けられて3Dで可視化される。さらに、破折器具の除去中の貫通の危険性を分析することができた。コンピュータ上のユーザの指定したトレパン/トレフィンによって、前記破折器具の除去を仮想的にシミュレーションした後、歯根貫通の危険性を定量化する手段として、残存している歯根についての厚さ分析が実行される。
英国特許出願第1108002号、歯科治療学的な治療における咬合性アクセス空洞を確立するための方法及び装置、には、根管治療に先だって、歯根に対する咬合アクセス空洞の最適な形状及び構造を規定するために、歯髄室及び根管を有する歯の3次元コンピュータモデルの使用が記載されている。
3Dコンピュータ画像及びモデルの使用は、根管治療の調製に関して報告されているが、入手可能な先行技術では、日々の臨床実務において有用な方法を提供できていない。根管が、しばしば画像中のノイズからほとんど全く区別できないから、現行のCBCT技術は、根管治療の計画を可能にする所望の画像を提供していない。根管が見分けられる場合であっても、例えば管の寸法に関して、画像上で実施される測定は、臨床学的な介入を計画するとき、更なる価値を提供するのには不十分である。さらに、CBCT撮像のために要求される放射線量は、従来のX線のそれを激烈に超えることがあり、潜在的に患者に危険性を加え、その技術を、大抵の歯内治療学的な適応症に関して現在不適切な技術にしている。μCT撮像は、いわんや適切ではない、即ち、現在、患者についてのμCT画像を獲得するための市販の設備はない、というのは、この技術に関しては、視野が制限され過ぎ、要求される放射線量が高過ぎ、データ獲得時間が長すぎからである。μCT撮像は、現在、研究目的のための特定の装置において、抜歯した歯についてのみ役立っている。
本発明の目的は、3D根管治療計画立案のための方法及びシステムを提供することである。本発明の実施形態は、上述の問題の一つ以上を克服すること、及び最初の根管治療及び/又は根管再治療をより的確に計画するために歯科医又は歯科専門医を手助けする方法及びシステムを提供することを目指す。本発明の側面は、危険性に関連した治療の定性的及び/又は定量的な評価を提供するシミュレーションの用途である。
本発明の実施形態の著しい利点は、病人又は患者の特別な計画立案が、3D撮像のために、歯の解剖学的な特徴を依然として提供しながら、患者を従来のX線の放射線量よりも高い放射線量に曝すことを必要とすることなく、3Dで実施することができることである。
本発明の別の側面は、歯髄室及び根管を含む、患者の歯の3次元コンピュータモデルが、治療されるべき患者の歯としての、前記歯の少なくとも一つの2Dグレイ値画像、及び/又は口腔内の歯の可視部分の少なくとも一部についての表面情報と、歯の各タイプ(上下の切歯、犬歯、小臼歯、及び臼歯)の統計的な数値化された形状モデルとを組み合わせることによって、作り出されることである。
本発明の更に別の側面は、方法及びシステムが、患者の歯の3Dコンピュータモデル上での一つ以上の根管治療の計画立案及び/又はシミュレーションを可能にすることと、提案された又はユーザ選択歯内治療学的ツールを用いて根管治療を行うことに関連した危険性を適正に分析することを手助けするために、歯科医及び/又は歯科専門医がシステムによって定性的及び/又は定量的な情報を与えられることである。
したがって、本発明が、治療それ自身に先立って、根管治療の実行のための最適なツールを選択することにおいて、歯科医又は歯科専門医を手助けすることが、本発明の著しい利点である。
本発明のこれらの及び更なる目的、特徴、及び利点は、添付の図面中の数字を参照する、以下の詳細な説明より明らかになるであろう。
図1は、本発明の実施形態による3D根管治療計画立案のための方法の入寮及び異なるステップを視覚化するフローチャートを示す。 図2は、本発明の実施形態による3D根管治療計画立案のためのシステム及びソフトウエアを示す。 図3は、患者の歯の2Dグレイ値画像の例を示す。 図4は、患者の歯列の石膏模型を光学的に走査することによって得られた、口腔内の歯の可視部分の少なくとも一部についての3D表面情報の例を示す。 図5は、歯髄室及び根管を含む患者の歯の3Dモデルの例を示す。
本発明は、特定の実施形態に関連して、かつ、図面を参照して説明されるが、本発明はそれに限定されるものではなく、特許請求の範囲のみによって限定される。
本発明の実施形態によれば、根管治療シミュレーションのための方法による第1のステップは、歯髄室及び根管を含む患者の歯の3次元モデルを生成しかつ可視化することである。したがって、システムは、3次元モデルを可視化するための方法と共に利用することができるコンピュータプログラムを含む少なくとも一つのコンピュータからなる。
図3〜図5を参照すると、一つの実施形態によれば、歯髄室及び根管を含む歯の3Dモデルが、歯冠の3D撮像データと、一つ以上の歯の2D放射線写真との組み合わせに基づいて生成される。したがって、それぞれの歯の3D歯冠情報が数値化される。これは、異なる方法を使用して行うことができる。第1の方法は、患者の歯の従来の印象を使用する。陰型印象は、例えば、石膏又は他の好適な材料を使用してモデルを鋳込むことによって、陽型印象を形成するために使用され、次いで、例えば、光学的に、又はCT技術(例えば、μCTスキャナ、CBCTスキャナ・・・)のいずれかによって走査され、その3D表面が獲得されて数値化される。変形例として、例えば、印象がスキャンされ、陰型印象それ自身が3D表面の詳細を得るために使用される。第2の方法において、歯の歯冠が、それぞれの歯の口腔内スキャンをとることによって、数値化される。第3の方法において、CBCTスキャナ検査のような、体積スキャン中に収集された3D撮像データが使用される。
数値化歯冠情報は、歯髄室及び根管を含む歯の3Dモデルを構成するために、エキスパートシステムによって2D放射線写真と組み合わされる。エキスパートシステムは、3D歯冠と組み合わされた2D放射線写真データに基づいて合理的にできるだけ精密に歯の3Dモデルを計算するために、好ましくは、統計形状モデルを有する。統計形状モデルは、好ましくは、歯の各タイプについて別々に生成される。それは、数値化された2D放射線写真に関連して潜在的に拡張された、少なくとも歯の3D(体積又は表面)表示を有する。3D表示内の分散は、数値化された2D放射線写真内の関連した分散と連動する。かかる変動の例は、歯の形態、犬歯の数の変化、歯髄室の寸法及び形状の変化、歯根及び根管の数、根管の寸法及び形状の変化等である。患者の特定の3Dモデルを計算するために一つ以上の2D画像を統計形状モデルと組み合わせるのに使用した技術は、例えば、2D画像の投射面に一致すると評価された平面内の性的な形状モデルの投射輪郭(例えば、2D曲線)であるのがよい。2D画像において、(例えば、縁検出アルゴリズムによって、)歯の縁が計算される。次いで、3D静的形状モデルは、3Dモデルと2D画像上の計算された縁とが(予め定義された特徴に従って)合うまで、その間ずっと輪郭を再評価しながら、(前述のパラメータ値を使用して)修正され、かつ、2D画像によって定義された座標系に対して再配置される。結果として生じる修正された3D統計形状モデルは、次いで、特定の事例のための3Dモデルとして使用される。
変形例として、統計形状モデルと、その対応する数値化された2Dの放射線写真との間の鏡分散が既知ならば、その分散を規定するパラメータ値を変更することによって、統計形状モデルに関連した2D放射線写真を修正して、所望の対応する歯の3Dモデル(即ち、歯髄室及び歯根の外径、形状及び配置)を直接獲得するために、患者の口中で得られた2D放射線写真を合わせるのに十分である。
上述の方法は、最初の根管治療又は再治療のいずれかのために個々の歯の精密な3Dモデルを生成するために適用することができる。
一旦歯及び根管が可視化されると、3D根管治療計画立案のための方法に従って次のステップを開始することができる、即ち、根管治療の計画立案及び/又はシミュレーション、及び治療について進むべき最適な方法決定を目指すフィードバックの計算を開始することができる。これら次のステップは、任意の順序で実施することができ、また、以下の実施例によって限定されない。
第1の例示の実施例によれば、本システムは、根管をリーミング(孔ぐり)するための最適なファイルシーケンス(即ち、ファイル(やすり)の直径、及びそれらの作業長)を決定することによって、根管治療を計画立案することができる。したがって、本システムは、手動又は(半)自動のいずれかで、根管の中心線を定義することができる。手動法では、ユーザは、(軸線の、頬舌の、又は近遠心の)平行な2D画像の端から端までスクロールしなければならず、かつ、2D断面画像内の根管の次の中心点を手動で指示することによって、線又は曲線(例えば、多項又はスプライン)をひかなければならない。半自動法では、ユーザは、例えば、根管の頂端及び咬合端を指示することによって、又は、根管の表面をマーキングすることによって、又は、他のあらゆる方法によって、根管を選択することから開始する。続いて、アルゴリズムを、根管の輪郭線(即ち、根管表面と前記断面を定義する2D平面との交差曲線)が計算される(例えば、軸線の、頬舌の、又は近遠心の)等距離の平行な断面の距離、並びに、この輪郭線の中心点を定義する。中心点は、異なる方法で、即ち、根管の輪郭線によって描かれた表面の重心として、又は、根管輪郭線の最大内接円の中心として、又は、根管輪郭線の最小外接円の中心として、又は、根管輪郭線の最適楕円/円の中心として、又は、更に別の方法によって、計算することができる。これらの中心点を通る曲線を計算すると、根管についての正中線となる。別の方法によれば、正中線は、多直交断面内の根管の輪郭線及びそれらの中心点を決定することによって、及び、結果として生じる全ての中心点を通る最適曲線を決定することによって、改良することができる。更に別の方法によれば、(例えば、平行な等距離2D断面による)上述の方法の一つに基づいて決定された正中線は、この正中線に沿って等距離に、この正中線に垂直な断面を定義することによって、根管の輪郭線、及びこれら新しい2D断面におけるその中点を決定することによって、及びこれら新しい中心点を通る新しい曲線を定義することによって、繰り返し改良することができる。この方法は、根管の正中線の精密な作図を得るために、数回繰り返すことができる。
各根管についての正中線に基づいて、この正中線に垂直で、この正中線に沿って等距離に、新しい断面画像を生成して可視化することができる。これら2D断面内では、根管の輪郭線に外接する最小円が自動的に計算され、かつ、随意に所定の計数値で増加する、その直径は、その断面内の根管をリーミングするために必要とされるファイルの最小径を決定するのに使用される。根管に沿ったこの直径値の遷移に基づいて、個々の根管をリーミングするために最も適当なファイルシーケンスが決定される。第1の方法は、直線に沿ってそれぞれの断面の距離で、遷移する断面のためのファイルについての最小直径値の輪郭を描くことによって、これら直径値に外接する最小円錐を計算している。ライブラリを通じて入手可能な、ファイルの組が、最大深度で(即ち、ファイルが円錐と接触するまで)、この円錐に嵌め込まれる。次いで、この円錐の体積と、全てのファイルを組み合わせることによる全体積との差が、このファイルのシーケンスを使用することによる根管のリーミングを定量化するために、計算される。各ファイルについての深さ位置の増加は、固定された所定距離か、又は、最小の更なる体積除去で、外接した円錐体積を完全にカバーするように計算されるか、又は、ファイルの所定の限定されたシーケンスで、外接した円錐の体積を完全にカバーするように計算されるか、いずれかにすることができる。その結果は、各ファイルを使用しなければならない対応する深さ(作業長)を有するフィルのシーケンスである。第2の方法によれば、ファイルは、その3D CAD/CAM情報を使用して形作られ、根管の3D曲線に対応するファイルの必要な屈曲をシミュレーションし、ファイルの寸法及び根管の寸法に依存する、最大深度まで、根管内に嵌め込まれる。このはめ込み動作は、増加する直径を有するファイルについて繰り返され、その結果、ファイルのシーケンス及びそれらの作業長が、根管のリーミングのために、決定される。第1の方法と同様に、ファイルの最大深度はまた、所定の固定値か、又は根管のリーミングを最適化するように、又は根管をリーミングするために必要なフィルの数を限定するように計算されるかのいずれかによって増大する。この3D法では、根管リーミングの最適化は、ファイルシーケンスによって広げられた体積と、実際の根管の体積とを比較することによって行われる。根管体積が、更なる歯根材料の最小のリーミングで、完全に広げられれば、リーミングは最適である。好ましい実施によれば、歯内治療器具(例えば、ファイル)の材料特性は、屈曲のシミュレーション中、器具破断の危険性を計算して、(例えば、カラーコード、緑色=低、橙色=中、赤=高、によって)視覚化するのに使用される。
本発明の好ましいステップによれば、本システムは、根管治療を実施するノン胃関連した危険性を適切に分析するのを手助けするために、定量的及び/又は定性的フィードバックを可能にする。
第1の実施例として、本システムは、根管に沿って歯根の肉厚を視覚化することを可能にして、根管治療中、例えば、歯根破断又は歯根貫通の危険性に関するフィードバックを提供する。したがって、根管の表面と、歯/歯根の外面との間の距離が計算される。三角形に分けられた表面表示が、異なる解剖学的構造(歯冠、歯根、根管、歯髄室等)を可視化するのに使用されるとすると、その距離を、異なる方法で決定することができる。第1の方法は、歯根外面上の三角形の各ノードと、根管表面の最も近い点との間の距離を計算することによる。第2の方法は、根管表面上の各ノードと、歯根外面上の最も近い点との間の距離を計算することによる。第3の方法は、歯根表面の放線に沿って歯根表面の各ノードから根管表面までの距離を計算することによる。距離計算のために他のあらゆる方法を使用することができる。これらの数値は、根管に沿った歯根の肉厚に関して必要な図示的なフィードバックをユーザに提供するために、例えば、3Dモデル上、又は2D断面上のカラーコードによって可視化することができる。数値を可視化するための他の方法は、3D表面上か、2D断面内のいずれかの等値線、又はラベリングなどである。
別の重要なパラメータは、根管の正中線に垂直な平面内での対応する半径方向に沿って計算された、根管表面の各点から歯根外面までの距離である。この値、又は、最低限の所望の残存する歯根肉厚を指定する安全値で減じたこの値が、根管治療のためのファイル直径の最大限に可能な増加量に関してフィードバックをユーザに与える。これらの値はまた、歯模型上にカラーコードによって示される。もし、最小肉厚について安全値が指定されれば、より薄い肉厚を有する歯根の部分をもマークすることができる。
ユーザに重要なフィードバックを与える更に別のパラメータは、根管の曲率である、というのは、これにより、治療中のファイルの必要な屈曲、及び、その結果の器具破断の危険性を判断するからである。根管の曲率は、根管の各点に於ける根管の正中線の曲率を計算することによって、決定される。その上、この値は、根管に沿ってカラーコードによって可視化することができる。この値は、治療中に使用されるであろうファイルの最大可能屈曲と比較することができ、その結果の危険領域(即ち、歯内治療用ファイルの最大可能屈曲を超える屈曲によるファイルの破断の危険性を有する領域)をユーザのためにマークすることができる。
本発明の別のステップによれば、本システムは、根管治療をシミュレートすることができる。
根管治療シミュレーションの例は、根管のクリーニング(即ち、最初の根管治療か、再治療のいずれか)である。これは、本システムによって提案され、又はユーザによって指定されたたファイルシーケンスが、それぞれの根管に適用され、かつ、ファイルによって除去された材料が、歯形から除去される、ことを意味する。その結果、治療後の歯の3Dモデルが生成される。この治療後モデルは、治療前モデルと比較することができ、かつ、除去された材料を、3Dモデルか、2Dスライスのいずれかにおいて、視覚的にマークすることができる。さらに、削る必要がある体積を定量化し、その結果、根管治療中、必要とされた削られる材料の必要な定量のための測定を提供するために、リーミングされた根管の体積を計算することができる。本発明の別の特徴は、多数の異なる治療法をシミュレートすることができ、かつ、これらの治療法の間の相違を、治療前と治療後との相違と同様に、可視化することができることである。これは、特定の症例に関して、最適なクリーニング処理を選択する手助けとなるであろう
根管治療シミュレーションの別の例は、芯を保持するのに十分な残存歯構造がない場合に、補綴修復のために保持物を提供するための歯内治療用ポストの計画立案である。第1の方法では、ユーザは、(ガラスファイバ又は金属の)ポストのライブラリからポストを選択して、根管内に仮想的に配置することができる。別の方法によれば、ポストは、以下の基準の一つ(又は組み合わせ)に基づいて、ポストのライブラリから自動的に選択される:リーミングした根管の寸法に最も合う寸法を有するポストか、ポストの周りの最小歯根壁肉厚を確保する寸法を有するポストか、歯の破砕の危険性を制限する寸法を有するポストか、など。
ポストを配置した後で、もしあれば、ポストと3D歯モデルとの間の交差を決定することによって、貫通を決定することができる。これらの交差は、歯モデルの外側にあるポストの表面の部分をマークする色か、又はポストと歯モデルとの間の交差線をマークする色によって、可視化することができる。ポストを仮想的に位置決めした後で、(ポストの作成による歯根の脆弱化の結果としての)歯根の貫通の危険性又は破砕の危険性に関連するフィードバックをユーザに与えるために、ポストの周りの歯根肉厚を可視化することもできる。根管に沿った歯根の肉厚を計算するために説明したものと同じ技術的方法を、ポストの周りの歯根の肉厚を計算するために使用することができる。貫通の危険性を、臨床学的に容認された歯根の肉厚のための閾値に基づいて、定量化することができる。貫通の危険性を定量化する別の方法は、一方で、ポストの周りの歯根肉厚と、他方で、ポスト用キャビティの作成における臨床学的な偏差(即ち、ポストの計画された位置及び配向と実際の位置及び配向との間の偏差)とを考慮に入れることによるものである。これら偏差の主な原因は、計画を患者に適用する際のオペレータの制約であり、それはまた、使用される器具の制約による。貫通の危険性を定量化する別の方法は、貫通する場合としない場合を含むポストの設定のための多数の歯根調製(前処理)を回顧的(レトロスペクティブ)に分析することによって得られる統計モデルを使用することによるものである。破砕の危険性は、調製した歯根の機械的強度分析(例えば、簡単化した機械的モデル、又は有限要素法)を含めることによって定量化することができる。破砕の危険性を定量化する別方法は、統計モデルを適用することによるものである。かかる統計モデルは、ポストの周りの歯根の肉厚の他に、破砕の危険性を予測するための、咬合力、性別、歯のタイプ又は寸法等のような多数の他のパラメータを含むであろう。
更に別の実施形態によれば、計画立案ソフトウエアはまた、歯を補強して破損を防止するために、失われている歯の材料を置き換える芯の補強の寸法形状を決定する手助けとなる。したがって、エキスパートシステムが、理想的な芯補強を提案するようにセットアップされるか、或いは、芯の補強を手で作って、例えば、出来た歯の強度、成功した歯冠補綴に関する出来事を検証するための分析を実行させるためのツールがユーザに提供される。後者について、計画立案ソフトウエアはまた、蝋形成をインポート(移入、受け入れ)することによって、又は、歯冠のライブラリから歯冠を選び、位置決めし、必要ならば、適合させることによって、又は、患者の反対側の歯冠と鏡写しにすることによって、又は、隣り合っている歯との間に歯冠をはめるための統計モデルを使用することによって、又は、他のあらゆる可能な方法によって、ユーザが歯冠修復を作ることを可能にする。次いで、歯冠の破砕の危険性又は歯冠貫通の可能性を評価するために、修復歯冠のために使用可能な肉厚に関して、フィードバックがユーザに与えられる。その結果、患者内部での臨床学的な危険性又は失敗を減ずるために、ポストの選択及び位置決め、及び芯補強を、根管治療に先立って、最適化することができる。別の好ましい実施形態では、歯/歯根の残存情報は、関連する歯のタイプの数値化された3D統計モデルと比較される。歯の統計モデルは、歯/歯根の前記残存部分と最も良く合うことによって、整列され、かつ修正される。補綴修復を行うために必要な、失われている情報(例えば、歯冠の情報)は、残存している歯と修正された統計モデルとの間の相違として与えられる。
理想的なポストも、ライブラリから自動的に選択され、かつ、歯の3Dモデル中に自動的に位置決めされる。したがって、個々の場合についてポストに関する臨床学的に関連する寸法及び位置を提案するために、あらゆる必要なパラメータ(例えば、歯根解剖、修復歯冠、ポストを有する歯の強度)を考慮するエキスパートシステムがセットアップされる。このエキスパートシステムは、一組の臨床学的に適用された規則からなるか、成功したケースの回顧的な分析又はあらゆるタイプの発見的方法(ヒューリスティック)によって生成された統計モデルか、であることができる。
本発明の実施形態による全ての方法、及び本は積み得によるシステムは、本発明の方法を実施するようになっているコンピュータ装置30上で実施することができる。そのような、プロセッサ32及びメモリを有するコンピュータ31と、好ましくはディスプレイとを有するコンピュータ装置30の概略図を図2に示す。かかる方法は、3Dモデル、例えば、治療すべき歯の歯髄室及び根管を生成し可視化するための手段を有するコンピュータ31に基づくことができる。かかる方法は、コンピュータ上で走るときに少なくとも一辺の歯の特定のデジタル情報、例えば、モデル41によって得られた各歯のタイプの統計的な、数値化された形状モデルと、患者の歯35の2Dグレイ値画像、及び/又は患者の歯36の3D表面情報とを組み合わせることを可能にするソフトウエアを提供することによって、コンピュータ31上で実施することができる。歯のタイプは、上下の切歯、犬歯、小臼歯、及び臼歯であることがある。これを達成するために、入力デバイスが、例えば、CD−ROMのような記憶装置から、又は、固体記憶装置から、又は、例えば、LAN又はWANのような、ネットワークリンクを介して、3Dモデルのためのデータを入力するために提供される。
本方法は、コンピュータ上で走るときに、歯の生成された3Dモデル上で根管治療を計画し及び又はシミュレートすることを可能にする、モデル36のようなソフトウエア33を提供することによって、コンピュータ31上で実施することができる。そのソフトウエアは、コンピュータ上で走るときに、3Dモデル上で計画され/シミュレートされた治療の効果に関連した定性的な及び/又は定量的なフィードバックを提供することを可能にする宇モデル43を有するようになっている。ソフトウエアはまた、例えば、根管治療の最良の方法のような方法の選択又は決定を可能にする。コンピュータシステムは、芯補強のような、理想的な治療法を提供するようにセットアップされたエキスパートシステムを有することがあり、又は、ツール42が、芯補強を手で作り出して治療法を評価するための分析を実施することを可能にするために、ユーザに提供される。
コンピュータ31は、プロセッサ32と、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、説明した方法を実施させる機械可読の命令(上述したようなソフトウエア)が記憶されたメモリ30、40と、を有することがある。本発明の方法と共に利用することができるコンピュータシステムは、ベルギーのMaterialise N.V.によって提供されるような、3−matic(商標)のようなコンピュータプログラムを走らせるのがよい。コンピュータは、ビデオディスプレイ端子と、キーボードのようなデータ入力手段と、マウスのようなグラフィックユーザインタフェース指示手段とを有するのがよい。コンピュータは、例えばUNIX(登録商標)ワークステーション又はパーソナルコンピュータのような、汎用コンピュータとして実現されてもよい。
コンピュータ31は、典型的には、米国のインテル社によって供給されるPentium(登録商標) プロセッサの在来のマイクロプロセッサのような、中央演算ユニット(Central Processing Unit:CPU)と、バスシステムによって相互連結された多数の他のユニットと、を有する。バスシステムは、あらゆる適当なバスシステムであってもよい。コンピュータは、少なくとも一つのメモリを有する。メモリは、ランダムアクセスメモリ(random-access memory:RAM)、読出し専用記憶装置(read0only memory:ROM)、及び、当業者に知られたハードディスクのような不揮発性読出し/書込みメモリのような、当業者に知られたあらゆる種々のデータ記憶装置を含むことができる。例えば、コンピュータは、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び読出し専用記憶装置(ROM)、並びに、システムバスをビデオディスプレイ端子に接続するためのディスプレイアダプタ、及び、周辺機器(例えば、ディス婦及びテープ駆動機構)をシステムバスに接続するための光学入力/出力(I/O)アダプタを更に有してもよい。ビデオディスプレイ端子は、コンピュータの視覚出力であることがあり、かつ、コンピュータハードウエアの分野で周知の、ブラウン管ビデオ表示装置のような、あらゆる適当なディスプレイデバイスであることもある。しかしながら、デスクトップコンピュータ、ポータブル又はノートブックコンピュータでは、ビデオディスプレイ端子は、液晶表示又はガスプラズマのフラットパネルディスプレイに置き換えることができる。コンピュータは、キーボード、マウス、及び自由選択のスピーカを接続するためのユーザインタフェースアダプタを更に有する。
コンピュータはまた、コンピュータの作動を命令する、機械可読媒体内に常駐するグラフィカルユーザインタフェースを含むことができる。あらゆる適当な機械可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用記憶装置(ROM)、磁気ディスケット、磁気テープ、又は光学ディスク(最後の3つは、ディスク又はテープ駆動機構内に配置されている)のような、グラフィカルユーザインタフェースを保持するとよい。あらゆる適当なオペレーティングシステム及び関連するグラフィカルユーザシステム(例えば、マイクロソフトウインドウズ(Microsoft Windows(登録商標))、リナックス(Linux)(登録商標))がCPUに命令するとよい。さらに、コンピュータは、コンピュータメモリ記憶装置内に常駐する制御プログラムを有する。制御プログラムは、CPU上で実行されるときに、コンピュータが本発明のあらゆる方法に関して記載されたオペレーションを実行させる指示を含む。
グラフィカルユーザインタフェースは、治療すべき歯の、歯髄室及び根管を含む3Dモデルを可視化してきた。それはまた、歯の3Dモデル上で根管治療法を計画し及び/又はシミュレートするためにも使用される。それはまた、3Dモデル上で計画/シミュレートされた治療法の効果に関する定性的/定量的フィードバックを可視化するためにも使用することができ、かつ、それはまた、根管治療の方法の選択又は決定を、又は、根管治療の最良の方法を可視化するためにも使用することができる。
当業者は、光ディスクメディア、オーディオアダプタのような、又は、コンピュータハードウエアの分野で周知のPAL又はEPROMプログラミング装置のようなチッププログラミング装置等のような、周辺機器が、既に説明したハードウエアに加えて、又はその代わりに、利用できることを認識するであろう。
本発明の方法を実行するためのコンピュータプログラム製品は、あらゆる適当なメモリに常駐することができ、本発明は、コンピュータプログラム製品を実際に格納するのに使用されるメディアを担う信号の特定のタイプにかかわらず、等しく適用される。コンピュータ可読な信号が担うメディアの例は、フロッピー(登録商標)ディスク及びCD ROMのような記録可能型メディア、固体記憶装置、テープ記憶装置、磁気ディスクである。
したがって、本発明はまた、適当なコンピューティング装置上で実行されるとき、本発明のあらゆる方法を実施するソフトウエア製品を含む。適当なソフトウエアは、C言語のような適当な高級言語でプログラムされて、対象となるコンピュータプロセッサのために適当なコンパイラ上でコンパイルされることによって、得ることができる。かかる方法を今説明する。
本方法のステップ100によれば、2Dグレイ値画像が患者の歯から得られ、患者の歯の口腔内可視部分の3D表面情報がデジタル化され、それぞれの歯(例えば、切歯、犬歯、小臼歯及び臼歯)の統計的、数値化形状が利用可能となる。
ステップ101では、全データが、コンピュータ31のような、コンピュータへロードされる。コンピュータ31は、本発明のどんな方法でも実行するようになっている。
ステップ102では、専用ソフトウエアアプリケーションによって、即ち、コンピュータ31上で走る際に、患者の歯の2D及び3D情報と、統計的、数値化された形状モデルとが組み合わされる。ソフトウエアアプリケーションは、完全に自動的に、又は、(アルゴリズムのはっきり定義されたステップでユーザの入力を要求する)半自動的に作動することができる。2Dグレイ値画像又は3D表面情報と組み合わされた(アクティブ形状モデルとしても知られる)統計的、数値化形状モデルの使用は知られており、種々の用途のための文献に記載されている(Nonrigid 3-D/2-D regisration of images using statistical models. In: MICCAI. Volumes LNCS 1679, 138-147,1999; Biogeneric tooth: a new mathematical representation for tooth morphology in lower first molars. Eur J Oral Sci 113, 3330340, 2005; Refistration alogrithm for statistical bone shape reconstruction from radiographs - an accuracy study, proceedings of the 29th Annual International Conference of the IEEEE Enggineeringin Medicine and Biology Society, 6375-6378, 2007; Evaluation and enhancement of a procedure for generating 3D bone model using radiographs, Advances in Medical Engineering, Proceedings in Physics 114, 163-168, 2007; 2D/3D deformable registration using a hybrid atlas. In: MICCAI. Volume LNCS 3750, 223-230,2005)。内部形態(即ち、歯髄室及び根管)を含む歯の数値化された統計的形状モデルは、以下のようにして得られる。
或るタイプの歯(切歯、犬歯、小臼歯、又は臼歯)の自然の人間の歯の多数の組が、外形(歯冠及び歯根)及び内部形状(歯髄室及び根管)の両方の3次元記述を得るために、デジタル化される。これらの歯の内側形状及び外側形状のデジタル3次元記述を生成するために、これらの歯をデジタル化することは、例えば、ベルギーの、Materialise Dental, Leuvenによって供給されるSimPlant(商標)のような、ソフトウエアプログラムによって、次いで処理される、歯のμCTスキャンをとることによって行われる。歯の3次元記述は、表面モデル、歯の形状を特徴付ける解剖学的標識/点の組、体積モデル、又は歯の内側及び外側形状を詳述するあらゆる更なる他の3D表現であることができる。自然な人間の歯の選択された組は、そのために数値化された統計形状モデルが使用される母集団の代表サンプルでなければならない。かくして、自然な人間の歯のこの組は、対象とする母集団内の人間の歯のタイプの外側及び内側3次元形状の自然な変化を反映するはずである。
まず、全ての歯の配列のために、デジタル化された自然な歯の組について座標基準が確立され、これは、位置効果、スケール効果及び回転効果が分離されることを意味する。今、自然な歯の組についてのこの座標基準内での形状の変化を、分析し、かつ記述することができる。形状の変化を記述する一例は、主成分の手段によるものである。したがって、主成分分析は、配列した自然な人間の歯の組で実施され、これは、実際には、固有ベクトル及び固有値に期する統計的分析である。固有ベクトル(又は主成分)は、形状の変化を記述する無相間の変数/パラメータである。固有ベクトルは、その固有値によって、最高から最低へ、順序づけられて、優位性の順に成分を与える。最高固有値を有する固有ベクトルは、形状の最大変化を記述する。(内部の歯髄室及び根管を含む)歯の3次元形状の数値化された統計的なモデル/記述は、実際には、これら全ての固有ベクトルか、これら固有ベクトルの組かのいずれかの線形結合である(即ち、より小さい優位性を除外すると、かくして、低い固有値を有する)。
統計的モデルにおいてパラメータ値(即ち、固有ベクトルが掛け合わされる値)を変形することは、その3次元形状を変えて、統計的形状モデルが全ての固有ベクトルに基づく場合に、統計的モデルを作るのに使用した初期解析において使用したあらゆる歯の3D記述とともに、精密な対応に適合することを可能にする。固有ベクトルの部分集合を使用するだけでは、対応は正確ではないが、良い近似が得られる、というのは、小さい方の優位性の固有ベクトルのみは、統計的形状モデルに追加されないからである。さらに、パラメータは、統計的モデルを同じタイプのあらゆる歯に対する近似対応の適合に使用することができるが、統計モデルを作るのに使用された当初の歯の組には適しない。数値化された統計的モデルを作るのに使用された自然な人間の歯の組は、人間の歯の全ての形状の変形をより良く反映するほど、統計的形状モデルは、より精密に、かかる歯のあらゆる新しい例への対応に適合することができる。
本発明の実施形態による方法では、数値化した統計的モデルは、患者の歯の3D歯冠表面情報(即ち、口腔内可視部分)及び一つ以上の2Dグレイ値画像と組み合わせて使用される。その目的は、結果としての近似、その上、患者の口の中に存在するようにできるだけ本物の歯の解剖学的な構造になるように、患者の特定の情報を、数値化された統計的形状モデルと組み合わせることによって、この患者の歯の3次元表示を作ることである。したがって、まず、患者の特定の歯の情報(3D歯冠表面画像及び2Dグレイ値画像)が、数値化した統計的形状モデルと共に配列され、それは、全ての入手可能なデータが、同じ座標系に配置されることを意味する。次いで、統計的形状モデルのパラメータ値は、その形状及び外形を変更するために、一方で3D歯冠情報と、他方で2Dグレイ値画像と整合するために、繰り返し変更され、そして、これは、予め定義された基準に従う。3D歯冠情報上での適合のための基準は、歯冠高さでの統計的形状モデルと、3D歯冠情報との間の距離を最小化することができる。2Dグレイ値画像上での適合のための基準は、2Dグレイ値画像の投射面に対応する評価された面における統計形状モデルの歯の内側形状と外側形状との投射輪郭の間の距離を最小化することができる。これらの基準は、十分な詳細さ及び正確さを有する内側形状及び外側形状に反映された患者の歯の最も適合する3D記述を得るために、組み合わされなければならない。
内部形態(即ち、歯髄室及び根管)を含む歯の数値化統計モデルを得るための、本発明の実施形態による別の方法は、以下の通りである。(上述のものと同じ)3D記述を得るために、自然な人間の歯の組をデジタル化するのに加えて、2Dグレイ値画像が、これらの歯からとられてデジタル化される。その組内の各歯の組み合わされた2D及び3Dデータは、3D形状モデル及び関連した数値化された2Dグレイ値画像を含む数値化された形状モデルを得るために、統計的に分析することができ、形状モデルの或る要素/パラメータは、2Dグレイ値画像のパラメータに直接リンクする。その結果、統計的形状モデルと、それに対応する数値化された2Dグレイ値画像との間の頬分散は既知である。この数値化された統計形状モデルを患者の歯の2Dグレイ値画像に適合することは、数値化された2Dグレイ値画像のパラメータを繰り返し変更することによって行うことが出来、良い一致が得られるまで、3D形状モデルの対応する変更という結果となる。これは、数値化された統計的形状モデルを患者の歯の3D歯冠情報とマッチングさせることと更に組み合わせることができる。その結果、歯髄室及び根管の外形、形状及び位置を含む、患者の歯の3Dモデルが得られる。
その結果は、歯髄室及び根管の3D表示を有する患者の歯の詳細な3Dモデルであり、これは、ステップ103で可視化される。例えば、3D表面レンダリング、断面画像、透明モード、体積レンダリング等のような、別の可視化モードを、歯科医師又は歯科専門家が、根管及び歯髄室の3次元の複雑さを完全に評価することができるように、ソフトウエアアプリケーションにより利用することができる。
ステップ104では、根管治療法の計画立案及び/又はシミュレーションは、ソフトウエアアプリケーションによって行われる。このステップは、根管治療ツール(例えば、歯内治療学的なファイル、歯内治療学的なポスト)のデジタルライブラリと共同して、ソフトウエアツールの使用を含んでもよい。
ステップ105では、根管治療法についての定性的及び/又は定量的な情報が、歯科医師又は歯科専門家に提供される。例えば、等値線、カラーバンド、ヒストグラム等のような別の可視化モードが、定性的及び/又は定量的なフィードバックを歯科医師又は歯科専門家に明確に与えるために、ソフトウエアアプリケーションに含まれてもよい。これは、歯科医師又は歯科専門家が、シミュレートされた根管治療法に関する危険性を分析することを可能にする。
ステップ106では、最適なツール又は根管治療法が選択される。

Claims (18)

  1. 根管治療の3D計画立案のための方法であって、
    少なくとも一つの歯の固有のデジタル情報と、各タイプの歯の統計的な数値化された形状モデルとを組み合わせることによって、治療すべき歯の3Dモデルを生成しかつ可視化するステップと、
    前記歯の前記生成された3Dモデルで根管治療を計画及び/又はシミュレートするステップと、
    前記3Dモデルで計画/シミュレートされた治療の効果について定性的及び/又は定量的なフィードバックを提供するステップと、
    前記根管治療の最良の方法を選択又は決定するステップと、
    を含む、方法。
  2. 前記3Dモデルは、根管に歯髄室を有する、請求項1記載の方法。
  3. 前記歯のタイプは、上側又は下側の、門歯、犬歯、小臼歯又は臼歯を含む、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記3Dモデルは、患者の歯の2D濃淡値画像と、患者の歯の口腔内可視部分の3D表面情報とから得られる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記2D濃淡値画像、3D表面情報、及び各タイプの歯の統計的な数値化された形状モデルは、コンピュータにロードされる、請求項4記載の方法。
  6. 根管治療の3D計画立案のためのシステムであって、
    少なくとも一つの歯固有のデジタル情報と、歯の各タイプの統計的な数値化された形状モデルとを組み合わせることによって、治療されるべき歯の、根管に歯髄室を有する3Dモデルを生成かつ可視化し、
    前記歯の前記生成された3Dモデル上で、根管治療を計画及び/又はシミュレートさせ、
    前記3Dモデル上で計画/シミュレートされた治療の効果に関して定性的及び/又は定量的なフィードバックを提供し、かつ、
    前記根管治療の最良の方法を選択又は決定させる、
    ためのコンピュータプログラムを含むコンピュータシステムを少なくとも有する、システム。
  7. 前記3Dモデルは、根管に歯髄室を有する、請求項6記載のシステム。
  8. 前記歯のタイプは、上側又は下側の、門歯、犬歯、小臼歯又は臼歯を含む、請求項6又は7記載のシステム。
  9. 前記3Dモデルは、患者の歯の2D濃淡値画像と、患者の歯の口腔内可視部分の3D表面情報とから得るための手段を更に有する、請求項6〜8のいずれか一項に記載のシステム。
  10. 前記2D濃淡値画像、3D表面情報、及び各タイプの歯の統計的な数値化された形状モデルをコンピュータにロードするための手段を更に有する、請求項9記載のシステム。
  11. 根管治療の3D計画立案のためのシステムであって、
    少なくとも一つの歯固有のデジタル情報と、各タイプの歯の統計的な数値化された形状モデルとを組み合わせることによって、治療されるべき歯の3Dモデルを生成しかつ可視化し、
    蝋形成をインポートすることによって、又は、歯冠のライブラリからの歯冠を選択し、配置し、かつ、必要ならば、適合させることによって、又は、前記患者の対側性の歯冠を再現することによって、又は、隣接する歯の間に歯冠をはめるための統計的なモデルを使用することによって、又は、あらゆる他の可能な方法によって、前記歯の前記3Dモデルに統合することができるシミュレートした歯の修復を生成かつ可視化し、
    ライブラリから最適なポストを、(自動的に又は非自動的に)選択させ、かつ、前記歯の前記3Dモデルに(自動的に又は非自動的に)配置させ、
    歯冠の破砕の危険性又は他の臨床上の危険性を評価するために、修復した歯についての有効な厚さについて、及び、あらゆる他の関連する解剖学上の特徴について、定量的なフィードバックを提供する、
    ためのコンピュータプログラムを含むコンピュータシステムを少なくとも有する、システム。
  12. 個々の場合に、前記ポストについて、臨床的に関連する寸法及び配置を提案するために、全ての必要なパラメータを考慮するエキスパートシステムを更に有する、請求項11記載の方法。
  13. 前記パラメータは、歯根のあらゆる解剖学的構造、修復した歯冠、ポストを有する歯の強度を含む、請求項12記載の方法。
  14. 歯のタイプは、上側又は下側の、門歯、犬歯、小臼歯及び臼歯を含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記エキスパートシステムは、一組の臨床学的に適用されたルールを有し、また、成功例の回顧的な分析によって生成された統計的なモデル、又は、あらゆるタイプの発見的方法を含むことができる、請求項12又は13又は14記載の方法。
  16. 根管治療の3D計画立案のための方法であって、
    蝋形成をインポートすることによって、又は、歯冠のライブラリからの歯冠を選択し、配置し、かつ、必要ならば適合させることによって、又は、前記患者の対側性の歯冠を再現することによって、又は、隣接する歯の間に歯冠をはめるための統計的なモデルを使用することによって、又は、あらゆる他の可能な方法によって、前記歯の前記3Dモデルに統合することができるシミュレートした歯の修復を生成しかつ可視化し、
    ライブラリから最適なポストを、(自動的に又は非自動的に)選択させ、かつ、前記歯の前記3Dモデルに(自動的に又は非自動的に)配置させ、
    歯冠の破砕の危険性又は他の臨床上の危険性を評価するために、修復した歯についての有効な厚さについて、及び、あらゆる他の関連する解剖学上の特徴について、定量的なフィードバックを提供する、
    ことを特徴とする、方法。
  17. 請求項1〜10記載のシステム又は請求項11〜15記載の方法のコンピュータ実装品のような、演算エンジンで実行されるコードを有する
    ことを特徴とする、コンピュータプログラム。
  18. 請求項17記載のコンピュータプログラムを記憶すること特徴とする、非一時的記憶媒体。
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