JP2014528953A - スルファミド誘導体の調製プロセス - Google Patents
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Abstract
本発明は、スルファミド誘導体の調製プロセスを目的とする。
Description
(関連出願の相互参照)
本出願は、2011年9月29日出願の米国仮特許出願第61/540,649号の利益を請求するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2011年9月29日出願の米国仮特許出願第61/540,649号の利益を請求するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
(発明の分野)
本発明は、スルファミド誘導体の調製プロセスを目的とする。
本発明は、スルファミド誘導体の調製プロセスを目的とする。
2006年2月23日に公開されたMcComsey,D.らの米国特許出願公開第2006/00410008(A1)号は、以下の式のスルファミド誘導体を開示しており、
Abdel−Magid,A.らの米国特許出願公開第2009/0247617(A1)号(2009年9月26日)は、以下に示すようにスルファミド誘導体の調製プロセスを開示しており、
Ballentine,s.らの米国特許出願公開第2009/0247618(A1)号(2009年9月26日)は、以下に示すようにスルファミド誘導体の調製プロセスを開示しており、
以下で定義されるように、式(I)の化合物、より詳しくは、式(I−S)の化合物の調製において、大規模な製造及び/又は低温及び同位体標識化の両方における化合物の調製に好適なプロセスへの必要性が依然として存在している。
本発明は、式(I)の化合物
1つの実施形態では、本発明は、式(I−S)の化合物
1つの実施形態では、本発明は、本明細書で定義されるように、式(I−S)の化合物の調製プロセスを目的とし、この調製プロセスは、
(a)有機溶媒又は有機溶媒の混合物中、式(VII−S)の化合物と、好ましくはナトリウム塩基であって、より好ましくは非求核ナトリウム塩基である塩基とを反応させて、対応する式(VII−S)の化合物の塩を生じさせ、
(b)式(VII−S)の化合物の塩を、好ましくは固体として単離し、
(c)有機溶媒中、単離した式(VII−S)の化合物の塩と酸とを反応させて、対応する式(VII−S)の化合物を生じさせることを更に含む。
(a)有機溶媒又は有機溶媒の混合物中、式(VII−S)の化合物と、好ましくはナトリウム塩基であって、より好ましくは非求核ナトリウム塩基である塩基とを反応させて、対応する式(VII−S)の化合物の塩を生じさせ、
(b)式(VII−S)の化合物の塩を、好ましくは固体として単離し、
(c)有機溶媒中、単離した式(VII−S)の化合物の塩と酸とを反応させて、対応する式(VII−S)の化合物を生じさせることを更に含む。
本発明は、本明細書に記載のプロセスに従って調製される製品を更に目的とする。
本発明の実例は、薬理学的に許容される担体を含む医薬組成物、及び本明細書に記載のプロセスに従って調製される製品である。本発明の実例は、本明細書に記載のプロセスに従って調製される製品と、薬理学的に許容される担体とを混合することにより調製される医薬組成物である。本発明の実例は、本明細書に記載のプロセスに従って調製される製品と、薬理学的に許容される担体とを混合することを含む、医薬組成物の作製プロセスである。
本発明の代表例は、癲癇又は関連障害の治療方法であって、治療有効量の上述の任意の化合物又は医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む。本発明の他の例は、治療を必要とする患者において、癲癇又は関連障害を治療するための薬剤の調製における、本明細書に記載の任意の化合物の使用である。他の例では、本発明は、治療を必要とする患者において、癲癇又は関連障害の治療方法において使用するための、本発明のプロセスに従って調製される化合物を目的とする。
本発明は、式(I)の化合物の改善された調製プロセスを目的とし、
本発明のプロセスは、大規模な製造において特に有利である。より詳しくは、本発明のプロセスは、高い製品収量及び改善された製品の純度をもたらす。また、本発明のプロセスは再現可能であり、製造規模に左右されない。
1つの実施形態において、本発明は、式(I−A)の化合物
1つの実施形態では、本発明は、式(I)の化合物の調製プロセスを目的とし、式中、R1は、水素及びメチルからなる群から選択される。他の実施形態では、式(I)の化合物の調製プロセスを目的とし、式中、R2は、水素及びメチルからなる群から選択される。更に他の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物の調製プロセスを目的とし、式中、R1及びR2は、各々は水素であるか、又はR1及びR2は、各々はメチルである。
1つの実施形態では、本発明は、式(I)の化合物の調製プロセスを目的とし、式中、−(CH2)a−は、−CH2−及び−CH2−CH2−からなる群から選択される。他の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物の調製プロセスを目的とし、式中、−(CH2)a−は、−CH2−である。
1つの実施形態では、本発明は、式(I)の化合物の調製プロセスを目的とし、式中、aは1である。
1つの実施形態では、本発明は、式(I)の化合物の調製プロセスを目的とし、式中、bは0〜2の整数である。他の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物の調製プロセスを目的とし、式中、bは0〜1の整数である。
他の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物の調製プロセスを目的とし、式中、
他の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物の調製プロセスを目的とし、式中、
他の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物の調製プロセスを目的とし、式中、
1つの実施形態では、本発明は、式(I)の化合物の調製プロセスを目的とし、式中、R5は、クロロ、フルオロ、ブロモ及びメチルから選択され、好ましくはR5はクロロである。
1つの実施形態では、本発明は、式(I)の化合物の調製プロセスを目的とし、式中、式(I)の化合物の立体中心はS−立体配置である。他の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物の調製プロセスを目的とし、式中、式(I)の化合物の立体中心はR−立体配置である。
1つの実施形態では、本発明は、式(I)の化合物(好ましくは式(I−S)の化合物)の調製プロセスを目的とし、式中、式(I)の化合物は、エナンチオマー濃縮された混合物として存在し、エナンチオ濃縮(%ee)は、約75%超であり、好ましくは約90%超であり、より好ましくは約95%超であり、最も好ましくは98%超である。1つの実施形態では、本発明は、式(I−S)の化合物の調製プロセスを目的とし、式中、式(I−S)の化合物は、エナンチオマー濃縮された混合物として存在し、エナンチオ濃縮(%ee)は、約75%超であり、好ましくは約90%超であり、より好ましくは約95%超であり、最も好ましくは98%超である。
他の実施形態では、本発明は、以下の表1で列挙される任意の代表的な化合物の調製プロセスを目的とする。以下の表1において、「立体」という見出しの列は、星印の付された結合に付着した
本発明のプロセスは、更に、式(I)の同位体標識化合物の合成に有用である。
1つの実施形態では、本発明は、同位体標識された、好ましくは2H(重水素)、3H(三重水素)、13C、14C又は15N同位体標識された式(I−A)の化合物の調製プロセスを目的とする。更に他の実施形態では、本発明は、同位体標識された、好ましくは2H(重水素)、3H(三重水素)、13C、14C及び/又は15N同位体標識された式(I−S)の化合物の調製プロセスを目的とする。好ましくは、式(I−A)の化合物又は式(I−S)の化合物は、1〜8個の2H(重水素)原子(ここで、重水素原子は、好ましくは、炭素原子と結合し、非交換性である)、より好ましくは5個の2H(重水素)で同位体標識され、及び/又は1個の3H(三重水素)原子で同位体標識され、及び/又は1個の13C原子で同位体標識され、及び/又は1個の14C原子で同位体標識され、及び/又は1個の15N原子、で同位体標識される。
他の実施形態では、本発明は、式(I−A)の化合物、式(I−S)の化合物、式(I−S)の2H同位体標識された化合物、式(I−S)の3H同位体標識された化合物、式(I−S)の14C同位体標識された化合物、式(I−S)の15N同位体標識された化合物、及び/又は、前述の同位体標識された又は同位体標識されていない化合物のいずれかの薬理学的に許容される塩の合成プロセスを目的とする。
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「ハロゲン」は塩素、臭素、フッ素、及びヨウ素を意味する。
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「アルキル」は、単独で又は置換基の一部として使用される、直鎖及び分枝鎖を含むものである。例えば、アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチルなどを含む。特に断りがない限り、「低級」は、アルキルと共に使用される場合、1〜4個の炭素原子の炭素鎖構成を意味する。
本明細書で使用するとき、表記「*」は、不斉中心の存在を示すものとする。
特定の基が「置換された」場合(例えば、アルキル、アリールなど)、その基は、置換基のリストから独立して選択される1個以上の置換基、好ましくは1〜5個の置換基、より好ましくは1〜3個の置換基、最も好ましくは1〜2個の置換基を有してよい。
置換基に関連して、用語「独立して」は、複数のかかる置換基が可能な場合、そのような置換基は同一でも、又は互いに異なっていてもよいことを意味する。
本開示全体で使用される標準的な命名法の下では、指定される側鎖の末端部が最初に記載され、結合点に向かって隣接する官能基性が続く。したがって、例えば、「フェニルC1〜C6アルキルアミノカルボニルC1〜C6アルキル」置換基は、以下の式の基を指す。
明細書、特にスキーム及び実施例で使用される略語は、以下の通りである。
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「単離された形態」は、化合物が、他の化合物との任意の固体混合物、溶媒系又は生物学的環境から分離された形態で存在することを意味するものとする。1つの実施形態では、本発明はプロセスを目的とし、ここで、式(I)の化合物は単離された形態で調製される。他の実施形態では、本発明はプロセスを目的とし、ここで式(I−A)の化合物は単離された形態で調製される。他の実施形態では、本発明はプロセスを目的とし、ここで式(I−S)の化合物は単離された形態で調製される。
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「実質的に純粋な化合物」は、単離された化合物中の不純物のモルパーセントが、約5モルパーセント未満、好ましくは約2モルパーセント未満、より好ましくは約0.5モルパーセント未満、最も好ましくは約0.1モルパーセント未満であることを意味するものとする。1つの実施形態では、本発明はプロセスを目的とし、ここで式(I)の化合物は実質的に純粋な化合物として調製される。他の実施形態では、本発明はプロセスを目的とし、ここで式(I−A)の化合物は実質的に純粋な化合物として調製される。他の実施形態では、本発明はプロセスを目的として、ここで式(I−S)の化合物は実質的に純粋な化合物として調製される。
他の実施形態では、本発明は、本明細書に記載の任意のプロセスに従って調製される製品(好ましくは、製品は式(I−S)の化合物である)を目的とし、ここで、製品は実質的に純粋である。他の実施形態では、本発明は製品を目的とする。
本明細書で使用するとき、別途記載のない限り、式(I)の化合物を説明するために用いる際、用語「対応する塩形態を実質的に含まない」は、式(I)の単離された化合物中の対応する塩形態のモルパーセントが、約5モルパーセント未満、好ましくは約2モルパーセント未満、より好ましくは約0.5モルパーセント未満、最も好ましくは約0.1モルパーセント未満であることを意味するものとする。1つの実施形態では、本発明はプロセスを目的とし、ここで、式(I)の化合物は、対応する塩形態を実質的に含まない形態で調製される。他の実施形態では、本発明はプロセスを目的とし、ここで式(I−A)の化合物は、対応する塩形態を実質的に含まない形態で調製される。他の実施形態では、本発明はプロセスを目的とし、ここで式(I−S)の化合物は、対応する塩形態を実質的に含まない形態で調製される。
式(I)の化合物は、以下の刊行物に開示されるように、多くの障害の治療及び/又は予防に有用であるベンゾ縮合スルファミド誘導体である:2006年2月23日公開の米国特許出願公開第2006−0041008(A1)号は、癲癇及び関連障害の治療に有用なベンゾ縮合スルファミド誘導体を開示し、2008年11月18日公開の同第2007−0293441(A1)号は、ベンゾ縮合スルファミド誘導体と1つ以上の抗痙攣剤及び/又は抗癲癇剤の投与を含む、癲癇及び関連障害の治療のための併用療法を開示し、2001年10月1日に公開の同第2009−0247616(A1)号は、不安及び関連障害の治療におけるベンゾ縮合スルファミド誘導体の使用を開示し、2007年7月5日公開の同第2007−0155826(A1)号は、双極性鬱病及び躁病の治療におけるベンゾ縮合スルファミド誘導体の使用を開示し、2007年7月5日公開の同第2007−0155827(A1)号は、鬱病の治療におけるベンゾ縮合スルファミド誘導体の使用を開示し、2007年7月5日公開の同第2007−0155824(A1)号は、癲癇発生の治療におけるベンゾ縮合スルファミド誘導体の使用を開示し、2007年7月5日公開の同第2007−0155821(A1)号は、グルコース関連障害の治療、及び脂質関連疾患の治療におけるベンゾ縮合スルファミド誘導体の使用を開示し、2007年8月16日公開の同第2007−0191474(A1)号は、片頭痛の治療におけるベンゾ縮合スルファミド誘導体の使用を開示し、2007年7月5日公開の同第2007−015823(A1)号は、神経保護におけるベンゾ縮合スルファミド誘導体の使用を開示し、2008年1月31日公開の同第2008−0027131(A1)号は、肥満症の治療におけるベンゾ縮合スルファミド誘導体の使用を開示し、2007年7月5日公開の同第2007−0155822(A1)号は、疼痛の治療におけるベンゾ縮合スルファミド誘導体の使用を開示し、2007年7月5日公開の同第2007−0155825(A1)号は、薬物乱用及び/薬物中毒の治療におけるベンゾ縮合スルファミド誘導体の使用を開示し、これらは参照としてその全体が本明細書に組み込まれる。
1つの実施形態では、(a)癲癇及び関連障害(好ましくは、癲癇、本態性振戦又はむずむず足症候群)、(b)不安及び関連障害、(c)双極性障害、(d)躁病、(e)鬱病(好ましくは、大鬱病性障害、単極性鬱病又は治療抵抗性鬱病)、(f)癲癇発生、(g)グルコース関連障害、(h)脂質関連障害、(i)片頭痛、(j)肥満、(k)疼痛、(l)薬物乱用及び/又は薬物中毒(好ましくは、アルコール乱用及び/又はアルコール嗜癖)からなる群から選択される障害の発症を治療及び/又は予防する方法、又は(m)神経保護をする方法を目的とし、この方法は、本明細書に記載される任意のプロセスに従って調製される治療有効量の製品を、それを必要とする患者に投与することを含む。他の実施形態では、本発明は、癲癇及び関連障害の治療方法を目的とし、この方法は、本明細書に記載される任意のプロセスに従って調製される治療有効量の製品を、それを必要とする患者に投与することを含む。他の実施形態では、本発明は、鬱病(好ましくは、大鬱病性障害、単極性鬱病又は治療抵抗性鬱病)の治療方法を目的とし、この方法は、本明細書に記載される任意のプロセスに従って調製される治療有効量の製品を、それを必要とする患者に投与することを含む。
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「不安及び関連障害」は、全般性不安障害、急性ストレス障害、心的外傷後ストレス障害、強迫神経障害、社会恐怖症(社会不安障害としても知られる)、特定恐怖症、広場恐怖症を伴う又は伴わないパニック障害、パニック障害歴を伴わない広場恐怖症、一般的な医学的な病状による不安障害、薬物乱用誘発性不安障害、及び特定不能の不安障害を含めた、不安及び関連障害を含むように定義されるものとする(それらの病状は、参照として本明細書に組み込まれる、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,4th Edition,Text Revision,American Psychiatric Association,2000に記載の、それらの診断基準によって説明される)。好ましくは、不安及び関連障害は、全般性不安障害、急性ストレス障害、心的外傷後ストレス障害、及び強迫神経障害よりなる群から選択される。より好ましくは、不安及び関連障害は、全般性不安障害である。
双極性障害は、躁(又は軽躁)から鬱への予測不能な気分変動によって特徴付けられる精神障害である。本明細書で使用するとき、用語「双極性障害」は、双極性I型障害、双極性II型障害、循環性障害、及び特定不能の双極性障害を含むものとする。好ましくは、双極性障害は、鬱病相と躁病相(又は軽躁病相)とによって特徴付けられ、これらの相は循環する。好ましくは、双極性障害は、双極性I型障害又は双極性II型障害である。
本明細書で使用するとき、用語「双極性鬱病」は、双極性障害の特性又は症状に関連した鬱病を意味するものとする。したがって、双極性鬱病を治療する本発明の方法は、鬱病及び/又は双極性障害の鬱病相を治療する方法を目的とする。
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「循環」又は「双極性循環」は、双極性障害の鬱病相と躁病相の特性間の気分の交互変化を指すものとする。したがって、本発明は、限定されるものではないが、循環の頻度の減少、並びに/又は、躁病相及び/若しくは鬱病相の規模の減少が含まれる、この循環の安定化のための方法を含む。
本明細書で使用するとき、用語「躁病」は、根本にある原因に関わらず、躁病又は躁状態の相を含むものとする。本明細書で使用するとき、用語「双極性躁病」は、双極性障害の特性又は症状に関連した躁病を意味するものとする。したがって、双極性躁病を治療する本発明の方法は、躁病及び/又は双極性障害の躁病相を治療する方法を目的とする。
本明細書で使用するとき、用語「鬱病」は、大鬱病性障害(単発性及び再発性のものを含む)、単極性鬱病、難治性鬱病、治療抵抗性鬱病、不安鬱病、及び気分変調症(気分変調性障害とも称する)を含むように定義されるものとする。更に、用語「鬱病」は、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,4th Edition,Text Revision,American Psychiatric Association,2000に記載の診断基準によって定義される、いずれの大鬱病性障害、気分変調性障害、及び特定不能の鬱病性障害を含むものとする。好ましくは、鬱病は、大鬱病性障害、単極性鬱病、難治性鬱病、治療抵抗性鬱病、又は不安鬱病である。より好ましくは、鬱病は、大鬱病性障害である。
本明細書で使用するとき、特に明記しない限り、用語「癲癇及び関連傷害」は、患者(好ましくはヒトの成人、小児又は乳児)が1回以上の発作及び/又は振戦を経験する任意の障害を意味する。好適な例としては、癲癇(局在関連癲癇、全身癲癇、全身化及び局所的発作の両方が起こる癲癇などが挙げられるが、これらに限定されない)、疾患又は病状の合併としての発作(脳障害、フェニルケトン尿、若年性ゴーシェ病、ルントボルク進行性間代性筋痙攣癲癇、脳卒中、頭部外傷、ストレス、ホルモン変化、薬物使用又は離脱、アルコール使用又は離脱、睡眠遮断などに伴う発作など)、本態性振戦、むずむず足症候群などが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、障害は、癲癇(型、根本にある原因、又は起源に関わらず)、本態性振戦、又はむずむず足症候群から選択され、より好ましくは、障害は癲癇(型、根本にある原因又は起源に関わらず)又は本態性振戦である。
本明細書で使用するとき、用語「癲癇発生」は、中枢神経系(CNS)を含めた神経組織を、再発性で自発的な発作が起こりやすくさせる、生化学的、遺伝的、組織学的又は他の構造的若しくは機能的なプロセスあるいは変化を意味するものとする。加えて、用語「癲癇発生」は、限定するわけではないが、障害及びその症状の悪化若しくは進行、又は「薬剤抵抗性」(ここで障害は、薬剤感度の低下又は非発作傾向神経組織の癲癇発生のプロセスによる漸増加をもたらす、神経生物学的変化の結果として、更に治療し難くなる)の発生を含めた、癲癇又は他の発作障害あるいは類似の発作関連障害の罹病者において観察される臨床的進行に寄与する変化及び/又はプロセスを指すために、本明細書では、より広い意味でも使用する。更に用語「癲癇発生」は、本明細書では、明らかに非癲癇性障害の兆候及び症状を経時的に進行して悪化させる類似現象を指すために、可能な限り広い意味で使用し、そのような障害には精神医学的障害が含まれ、その病因は発作に関連していると思われる。
癲癇発生は2段階プロセスであり、「第1段階の癲癇発生」は、第1癲癇発作又は類似の発作関連障害の症状に先立つ、癲癇発生プロセスの開始であり、ある種の脳への損傷又は外傷、すなわち脳卒中、疾患(例えば、脳膜炎のような感染)、又は頭部への偶発的衝撃若しくは脳に施された外科的処置のような外傷の結果であることが多い。「第2段階の癲癇発生」は、癲癇発作又は類似の発作関連障害の発作関連現象を既に起こしやすくなっている脳組織が、頻度及び/又は重症度の増大した発作を一層起こしやすくなり、及び/又は治療への反応性が小さくなる間のプロセスを指す。
本明細書で使用するとき、用語「グルコース関連障害」は、高血糖値によって特徴付けられるいずれの障害として定義されるものとする。グルコース関連障害としては、高血糖値、前糖尿病、耐経口グルコース能異常、血糖コントロールの不良、II型糖尿病、X症候群(代謝症候群としても知られる)、妊娠糖尿病、インスリン抵抗性、高血糖症、及び高血糖症の結果としての筋量の損失(悪液質)を含む。
グルコース関連障害の治療は、血糖値の低下、血糖コントロールの改善、インスリン抵抗性の減少、及び/又はグルコース関連障害の発現の予防(例えば、耐経口グルコース能異常又はグルコース高値の罹病者をII型糖尿病から予防する)を含み得る。
本明細書で使用するとき、用語「脂質関連障害」は、非正常の脂質値によって特徴付けられる任意の障害として定義されるものとする。脂質関連障害は、高トリグリセリド値、低HDLコレステロール及び脂質異常症を含み、好ましくは高トリグリセリド値、低HDLコレステロール値を含む。脂肪関連障害の治療は、トリグリセリドの低下、HDLコレステロールの上昇及び/又はトリグリセリド/HDLの比率の改善を含み得る。
本明細書で使用するとき、用語「片頭痛」は、4〜72時間持続する、中程度から重度の拍動性片側性頭痛の存在により診断される、慢性、突発性、及び衰弱性の病態を意味し、前兆を伴わない片頭痛と前兆を伴う片頭痛とを含むものとする。
本明細書で使用するとき、「前兆を伴わない片頭痛」は、次の(a)頭痛発作が、片側位置、拍動特性、日常生活動作に直接影響する中程度から重度の強度、及び階段上昇若しくは類似の日常活動による悪化の特徴のうちの少なくとも2つを有したまま4〜72時間持続すること、(b)頭痛の間、悪心及び/又は嘔吐、並びに光恐怖及び音恐怖、のうち少なくとも1つが発生すること、という規準を満たす、少なくとも5回の発作を意味するものとする。
本明細書で使用するとき、「前兆を伴う片頭痛」は、次の(a)1回以上の完全可逆性前兆症状、(b)4分超にわたり段階的に発現する少なくとも1回の前兆症状、又は連続して発生する2回以上の症状、(c)60分を超えて持続する前兆症状ではないこと、(d)前兆と頭痛との間の無症状期が約60分未満で、頭痛が前兆より前、同時、又は続いて発生すること、という4つの特徴のうちの少なくとも3つを伴う、少なくとも2回の発作を意味するものとする。
本明細書で使用するとき、用語「予防」は、片頭痛発作(頭痛)の予防、片頭痛発作(頭痛)の頻度の減少、片頭痛発作(頭痛)の重症度の減少、及び/又は片頭痛発作(頭痛)の持続時間の減少を含むものとする。
本明細書で使用するとき、用語「肥満症」は、約25以上の体格指数(BMI)、好ましくは約30以上のBMIとして定義されるものとする。したがって、本明細書で使用するとき、用語「肥満症」は、過剰体重の患者/患者と、臨床的肥満の患者/罹病者との双方を含むものとする。
本明細書で使用するとき、用語「疼痛」は、急性、慢性、炎症性、及び神経障害性疼痛(好ましくは糖尿病性神経障害)を含むように定義されるものとする。更に、疼痛は、中枢媒介疼痛、末梢媒介疼痛、構造的組織損傷による疼痛、軟組織損傷による疼痛、又は進行性疾患による疼痛であってよい。中枢媒介、末梢媒介、構造的組織損傷、軟組織損傷、又は進行性疾患に関するいずれの疼痛も、急性又は慢性であり得る。
本明細書で使用するとき、特に断りのない限り、疼痛は、炎症性疼痛、中枢媒介疼痛、末梢媒介疼痛、内臓痛、構造的関連疼痛、癌性疼痛、軟組織損傷関連疼痛、進行性疾患関連疼痛、神経障害性疼痛、急性損傷による急性疼痛、外傷による急性疼痛、外科手術による急性疼痛、頭痛、歯痛、背部痛(好ましくは腰痛)、神経障害性の病状による慢性疼痛、及び脳卒中後の病状による慢性疼痛を含むものとする。
本発明の1つの実施形態では、疼痛の治療方法であり、疼痛は急性疼痛である。本発明の他の実施形態では、疼痛の治療方法であり、疼痛は慢性疼痛である。本発明の他の実施形態は、疼痛が神経障害性疼痛であり、好ましくは糖尿病性神経症である場合の疼痛の治療方法である。本発明の更に他の実施形態では、疼痛の治療方法であり、疼痛は炎症性疼痛である。
1つの実施形態では、疼痛は、変形性関節症、関節リウマチ、線維筋症、頭痛、歯痛、火傷、日焼け、動物咬傷(イヌ咬傷、ネコ咬傷、ヘビ咬傷、クモ咬傷、昆虫刺傷など)、神経障害性膀胱障害、前立腺肥大、間質性膀胱炎、鼻炎、接触性皮膚炎/過敏症、痒み、湿疹、咽頭炎、粘膜炎、腸炎、セルライト、カウザルギー、坐骨神経炎、舌咽神経痛、末梢神経炎、多発神経炎、断端痛、幻想肢痛、術後腸閉塞、胆嚢炎、乳房切除後疼痛症候群、口腔神経因性疼痛、シャルコー疼痛、反射性交感神経性ジストロフィー、ギラン・バレー症候群、知覚異常性大腿神経痛、口腔内灼熱症候群、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、末梢神経障害、両側性末梢神経障害、糖尿病性神経障害、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、視神経炎、発熱後の神経炎、遊走性神経炎、分節性神経炎、ゴンボール神経炎、ニューロン炎、頚上腕神経痛、頭部神経痛、膝神経痛、舌咽神経痛、片頭痛神経痛、特発性神経痛、肋間神経痛、乳房神経痛、モートン神経痛、鼻毛様体神経痛、後頭神経痛、紅神経痛、スラダー神経痛、蝶口蓋神経痛、眼窩上神経痛、ヴィディアン神経痛、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、陣痛、出産、月経性痙攣、癌、背部痛、腰痛、及び手根管症候群の疼痛よりなる群から選択される。
急性疼痛は、急性損傷、外傷、疾病、又は外科手術(例えば、開胸手術(心臓切開又はバイパス手術を含む))に起因する疼痛を含む。急性疼痛としては、頭痛、術後の疼痛、腎臓結石の疼痛、胆嚢痛、胆石の疼痛、陣痛、リウマチの疼痛、歯痛又はスポーツ医学傷害に起因する疼痛、手根管症候群、火傷、筋骨格の捻挫及び挫傷、筋腱の挫傷、頚腕痛症候群、消化不良、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、月経困難、又は子宮内膜症もまた挙げられるが、これらに限定されない。
慢性疼痛には、炎症性病状、変形性関節症、関節リウマチに起因する疼痛、あるいは疾患後遺症として、急性損傷若しくは外傷に起因する疼痛が挙げられる。慢性疼痛にはまた、頭痛、上背部痛若しくは腰痛(系統的、領域的又は原発的脊椎疾患(神経根症から選択される)から生じる背痛から選択される)、骨痛(変形性関節症、骨粗鬆症、骨転移又は未知の理由に起因する骨痛から選択される)、骨盤痛、脊髄損傷関連の疼痛、心臓性胸痛、非心臓性胸痛、中心部卒中後痛、筋膜疼痛、癌性疼痛、AIDS性疼痛、鎌状赤血球疼痛、老人病性疼痛、又は、頭痛、片頭痛、三叉神経痛、顎関節症候群、線維筋痛症候群、変形性関節症、関節リウマチ、痛風、線維筋痛症又は胸郭出口症候群から生じる疼痛、が挙げられるが、これらに限定されない。
神経障害性疼痛は、慢性若しくは衰弱性の病状又は障害から生じる疼痛を含む。神経障害性疼痛につながり得る慢性又は消耗性の、症状又は疾患には、有痛性の糖尿病性末梢神経疾患、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、卒中後痛、多発性硬化症関連の疼痛、神経系関連疼痛、例えば、特発性若しくは外傷後の神経痛及び単神経炎、HIV関連神経因性疼痛、癌関連神経因性疼痛、手根管関連神経因性疼痛、脊髄損傷関連疼痛、複合領域疼痛症候群、線維筋痛関連神経因性疼痛、腰痛及び頸痛、反射性交感神経性ジストロフィー、幻肢症候群及び他の慢性及び消耗性病状関連疼痛症候群が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき、用語「薬物乱用の治療」は、物質の乱用又は嗜癖の治療を含むものとし、自傷行為、離脱、及び他の嗜癖若しくは乱用の症状の治療を含むが、これらに限定されない。本明細書で使用するとき、特に断りのない限り、用語「物質」は、乱用及び/又は嗜癖する物質を指す場合、患者又は罹病者が嗜癖を発症する合法あるいは非合法のいずれの物質をも含むものとする。好適な例としては、アルコール、コカイン、ヘロイン、メタンフェタミン、ケタミン、エクスタシー、ニコチン、オキシコンチン/オキシコドン、コデイン、モルヒネなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき、用語「神経保護」は、脳、中枢神経系、又は末梢神経系内のニューロン(好ましくは脳又は脊髄内のニューロン)を、死滅及び/又は損傷から保護することを意味するものとする。好ましくは、ニューロンは、酸化的ストレス、例えば酸素ラジカルを起因とする死滅又は損傷から保護される。
本発明の方法に含まれる「急性神経変性障害」には、脳血管不全、限局性脳外傷、瀰漫性脳損傷及び脊髄損傷、すなわち、塞栓性閉塞又は血栓性閉塞、再潅流後急性虚血、周産期低酸素性虚血性損傷、心停止、並びに、任意のタイプの頭蓋内出血(硬膜外、硬膜下、クモ膜下及び脳内)及び、頭蓋内及び脊椎内の疾患部位(挫傷、貫通、剪断、圧縮及び裂傷が挙げられるがこれらに限定されない)及び、むち打ち症揺さぶられっ子症候群といった脳虚血、脳梗塞などのニューロン死又は損傷に関連する種々のタイプの急性神経変性障害が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、急性神経変性障害は、脳卒中、急性虚血損傷、頭部損傷、又は脊柱損傷である。
本発明の方法の範囲内に含まれる「慢性神経変性障害」としては、非限定的に、アルツハイマー病、ピック病、びまん性レヴィ小体病、進行性核上性麻痺(スチール−リチャードソン症候群)、多系統変性症(シャイ−ドレーガー症候群)、神経変性関連の慢性癲癇病状、筋萎縮性側策硬化症を含む運動ニューロン疾患、変性運動失調症、大脳皮質基底核変性症、グアムのALS−パーキンソン−痴呆複合症、亜急性硬化性全脳炎、ハンチングトン病、パーキンソン病、シヌクレイン病(多系統萎縮症を含む)、原発性進行性失語症、線条体黒質変性症、マシャド−ジョセフ病/脊髄小脳失調症3型及びオリーブ橋小脳変性症、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット病、球麻痺及び偽性球麻痺、球脊髄性筋萎縮症、(ケネディー病)、多発性硬化症、原発性側索硬化症、家族性痙性対麻痺、ウェルドニッヒ−ホフマン病、クーゲルベルク−ヴェランダー病、テイ−サックス病、サンドホフ病、家族性痙性病、ウォルファルト−クーゲルベルク−ヴェランダー病、痙攣性不全対麻痺、進行性多巣性白質脳症、家族性自律神経障害(ライリー−デイ症候群)、並びにプリオン病(クロイツフェルト−ヤコブ病、ゲルストマン−シュトロイスラー−シャインカ−病、クールー及び致死性家族性不眠症が挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられる。これらに限定されない。好ましくは、慢性神経変性障害は、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、又は脳性麻痺から選択される。
ニューロンの死滅又は損傷を顕症し、したがって本発明の方法の範囲内に含まれるものとする他の障害としては、根本にある病因に関わらず、加齢性痴呆と、アルツハイマー病関連の痴呆、血管性痴呆、びまん性白質疾患(ビンスヴァンガー病)、内分泌又は代謝起源の痴呆、頭部外傷及びびまん性脳損傷の痴呆、拳闘家痴呆、並びに前頭葉痴呆を含めた記憶喪失を伴う他の痴呆及び症状とを含む痴呆が挙げられる。
脳、中枢神経系、又は末梢神経系への損傷後の神経保護(すなわち、ニューロンの死滅及び/又は損傷の予防方法)もまた本発明の範囲内に含まれ、この損傷は、化学的、毒性、感染性、放射線、及び/又は外傷性の損傷から生じる。好ましくは、本発明の方法は、原因に関わらない、脳、頭部、及び/又は脊髄の外傷あるいは損傷後の、ニューロンの死滅又は損傷の予防を目的とする。
本明細書で使用するとき、別途記載のない限り、「治療する」、「治療」などの用語は、疾患、病状、又は障害への対処を目的とする、患者又は罹病者(好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒト)の管理及びケアを含み、並びに症状若しくは合併症の発現の予防、症状若しくは合併症の緩和、又は疾患、病状、若しくは障害の除去のための、本発明の化合物の投与を含むものとする。
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「予防する」及び「予防」などは、(a)1つ以上の症状の頻度の低減、(b)1つ以上の症状の重篤度の低下、(c)更なる症状の発現の遅延又は回避、及び/又は(d)障害又は病状の発現の遅延又は回避を含むものとする。
本発明が予防方法を目的とする場合、この方法を必要とする患者(すなわち、予防を必要とする患者)が、予防されるべき障害、疾患、若しくは病状のうち少なくとも1つの症状を経験又は示しているいずれの患者あるいは罹病者(好ましくは哺乳類、より好ましくはヒト)をも含むことを、当業者は理解するであろう。更に、この方法を必要とする患者は加えて、予防されるべき障害、疾患又は病状のいずれの症状も示していないが、それらの障害、疾患又は病状の発現のリスクがあると医師、臨床医、又は他の医療専門家によって見なされている患者(好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒト)であってもよい。例えば、限定されるものではないが、家族暦、個体素因、合併(併発)障害又は合併(併発)病状、遺伝子検査などを含めた、患者の診療歴の結果として、患者は、障害、疾患、又は病状の発現のリスクがあると(及びそれゆえ、予防又は予防治療の必要があると)見なされる場合がある。
本明細書で使用するとき、用語「患者」は、治療、観察若しくは実験の対象であるか又はこれらの対象であった、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを指す。
本明細書で使用するとき、用語「治療有効量」は、研究者、獣医、医師又は他の臨床医により求められている、治療されている疾病又は疾患の症状の緩和を含む生体学的反応又は医薬反応を組織系、動物又はヒトにおいて引き出す活性化合物又は薬剤の量を意味する。
本明細書で使用するとき、用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む製品、及び特定の成分の特定の量での組み合わせから直接又は間接的に生じる任意の製品を含むことを意図する。
本発明による化合物が少なくとも1つのキラル中心を有する場合、この化合物はしたがってエナンチオマーとして存在し得る。化合物が2つ以上のキラル中心を持つ場合、この化合物はジアステレオマーとして更に存在し得る。このような異性体全て及びこれらの混合物が本発明の範囲内に包括されることが理解されるであろう。更に、化合物の結晶形の一部は、多形体として存在してよく、それらも本発明に含まれることが意図される。加えて、化合物の一部は、水(即ち、水和物)又は一般的な有機溶媒と溶媒和物を形成してよく、かかる溶媒和物も本発明の範囲内に含まれることが意図される。
本発明による化合物の調製プロセスが、立体異性体の混合物を生じる場合、これらの異性体は、例えば分取クロマトグラフィーなどの従来の技術により分離することができる。化合物はラセミ体で調製されてもよく、又は個々のエナンチオマーをエナンチオ選択的合成、又は分割のいずれかにより調製することができる。化合物は、例えば、(−)−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸及び/又は(+)−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸などの光学活性酸を用いて塩を形成させた後に、分別結晶化を行い、遊離塩基を再生させることによりジアステレオマー対を形成させるなどの標準的技術により、それら化合物の成分であるエナンチオマーに分割することもできる。化合物はまた、ジアステレオマーエステル又はアミドを形成させた後に、クロマトグラフィー分離を行い、キラル補助基を除去することによっても分割されてよい。代替的に、化合物は、キラルHPLCカラムを使用して分割されてもよい。
本発明の化合物の任意の調製プロセス中、関与する任意の分子の感受性又は反応性基を保護することが必要及び/又は望ましいと思われる。これは、Protective Groups in Organic Chemistry,ed.J.F.W.McOmie,Plenum Press,1973、及びT.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,1991で記載されるものなどの従来の保護基によって得られる。保護基は、続く都合のよい段階で、当技術分野にて公知の方法を用いて除去されうる。
更に、標準物質に対するキラルHPLCを用いて、エナンチオマー過剰率(%ee)を決定することができる。エナンチオマー過剰率は、以下のように算出することができる:
[(Rモル−Sモル)/(Rモル+Sモル)]×100%
式中、Rモル及びSモルは、Rモル+Sモル=1となるような、混合物中のR及びSモル分率である。あるいは、エナンチオマー過剰率は、以下のように、所望のエナンチオマー及び調製された混合物の旋光度から算出することもできる:
ee=([α−obs]/[α−max])×100
[(Rモル−Sモル)/(Rモル+Sモル)]×100%
式中、Rモル及びSモルは、Rモル+Sモル=1となるような、混合物中のR及びSモル分率である。あるいは、エナンチオマー過剰率は、以下のように、所望のエナンチオマー及び調製された混合物の旋光度から算出することもできる:
ee=([α−obs]/[α−max])×100
本明細書においてより詳しく記述されるように、例えば「反応性」及び「反応した」などの用語は、本明細書において、(a)そのような化学的実体の実際に記述されている形態、及び(b)その化合物が名称付けられる際にあると見なされる媒質内でのそのような化学的実体の任意の形態のうち、任意の1つである化学的実態を指す。
当業者は、特に指示がない限り、反応工程は、好適な条件下で、公知の方法に従って行われて、所望の製品を提供することを認識するであろう。当業者は、更に、本明細書に提示された明細書及び特許請求の範囲において、試薬又は試薬のクラス/種類(例えば、塩基、溶媒など)がプロセスの複数の工程に引用されている場合、個々の試薬は、各反応工程に関して独立して選択され、同一であっても又は互いに異なっていてもよいことを認識するであろう。例えば、プロセスの2つの工程が、試薬として有機又は無機塩基を挙げている場合、第1工程に関して選択される有機又は無機塩基は、第2工程の有機又は無機塩基と同一でも又は異なっていてもよい。更に、当業者は、本発明の反応工程を、様々な溶媒又は溶媒系中で行うことができ、前記反応工程はまた、好適な溶媒又は溶媒系の混合物中でも行うことができることを認識するであろう。当業者は、2つの連続反応又はプロセス工程が、中間生成物(すなわち、2つの連続反応又はプロセス工程の最初の生成物)を単離することなく実行される場合、第1及び第2の反応又はプロセス工程が、同じ溶媒又は溶媒系で実行され得る、又は溶媒交換後に異なる溶媒又は溶媒系で実行され得、これらは既知の方法に従って完了し得ることを更に理解する。
より簡潔な説明を提供するために、本発明に提供されるいくつかの量的表現は、用語「約」により修飾されていない。用語「約」が明白に使用されていても、又はされていなくとも、本明細書に提供されるあらゆる量は、実際の提供される値を指すことを意味し、また、そのような所定の値に関する実験条件及び/又は測定条件による近似値を含む、当業者に基づき合理的に推測されるそのような所定の値の近似値を指すことも意味することが理解される。
より簡潔な説明を提供するために、本明細書の定量的表現の一部は、約Xの量〜約Yの量の範囲として記載される。範囲が記載されている箇所では、範囲は、記載されている上限及び下限に制限されるものではなく、むしろ、約Xの量から約Yの量の全範囲又はその中の任意の範囲を含むものであることが理解される。
好適な溶媒、塩基、反応温度、並びに他の反応パラメータ及び成分の例は、本明細書で以下に詳細に説明される。当業者は、上記例の列挙が、以後の特許請求の範囲に記載される発明を決して限定する意図はなく、そのように解釈すべきではないことを認識する。
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「非プロトン性溶媒」は、プロトンを生成しない任意の溶媒を意味するものとする。好適な例としてはDMF、1,4−ジオキサン、THF、アセトニトリル、ピリジン、ジクロロエタン、ジクロロメタン、MTBE、トルエン、アセトンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明は、その範囲内に本発明の化合物のプロドラッグを含む。概してそのようなプロドラッグは、必要な化合物に容易にインビボで変換され得る化合物の機能的誘導体である。すなわち、本発明の治療法では、用語「投与」は、記載する種々の障害の、具体的に開示する化合物を用いた、又は具体的には開示しなくともよいが、罹病者に投与された後にインビボで特定の化合物に転換する化合物を用いた治療を含むべきである。好適なプロドラッグ誘導体の選択及び調製に関する通常の手順は、例えば、「Design of Prodrugs」,ed.H.Bundgaard,Elsevier,1985に述べられている。
薬剤で使用するために、本発明の化合物の塩は非毒性の「薬理学的に許容される塩」を指す。しかし他の塩も本発明による化合物又はそれらの薬理学的に許容される塩の調製に有用となり得る。化合物の好適な薬理学的に許容される塩としては、例えば、化合物の溶液を、薬理学的に許容される酸、例えば塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸又はリン酸などの薬理学的に許容される酸の溶液と共に混合して形成され得る酸付加塩が挙げられる。更に、本発明の化合物が酸性部分を有する場合、その好適な薬理学的に許容される塩としては、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩又はマグネシウム塩など)、及び好適な有機リガンドで形成された塩(例えば、第四級アンモニウム塩など)が挙げられ得る。したがって、代表的な、薬理学的に許容される塩には以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、硼酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストラート、エシラート、フマル酸塩、グリセプテート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコーリルアルサニレート、ヘキシルレゾルシネート、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフタレン酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、ムコ酸塩、ナプシレート、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、パモ酸塩(エンボネート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクレート、トシル酸塩、トリエチオジド及び吉草酸塩。
薬理学的に許容される塩の調製に使用され得る代表的な酸としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、(+)−カンファー酸、カンファースルホン酸、(+)−(1S)−カンファー−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルコロン酸、L−グルタミン酸、α−オキソ−グルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸及びウンデシレン酸。
薬理学的に許容される塩の調製に使用され得る代表的な塩基には、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:アンモニア、L−アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−グルカミン、ヒドラバミン、1H−イミダゾール、L−リシン、水酸化マグネシウム、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリジン、第二級アミン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミン、及び水酸化亜鉛。
本発明は、以下のスキーム1で概要を詳述するように、式(I)の化合物の調製プロセスを目的とする。
結果的に、式(V)の好適な置換化合物、既知の化合物又は既知の方法に従って調製された化合物は、式(VI)の好適な置換化合物、既知の化合物又は既知の方法に従って調製された化合物と反応し、式中、A1は、Boc(t−ブチル−OC(O)−)、メチル−OC(O)−、エチル−OC(O)−、Teoc(TMS−CH2CH2−OC(O)−)、Cbz(ベンジル−OC(O)−)、Fmoc(9−フルオレニルメチル−OC(O)−)、メチル−CO−、Cl3C−CO−、フェニル−CO−などの活性化基であって、好ましくは,Boc、メチル−OC(O)−、エチル−OC(O)−、Teoc、Cbz、Fmocなどの活性化基から好適に選択され、より好ましくはBocであり、ここで、式(VI)の化合物は、好ましくは(式(V)の化合物のモルに対して)約1.0〜約3.0モル当量の範囲の量、より好ましくは、約1.0〜約2.0モル当量の範囲の量、より好ましくは約1.2〜約1.4モル当量の範囲の量で存在し、
DIAD、DEAD、ADDPなどであって、好ましくはDIADである好適に選択されたカップリング剤を含む好適に選択されたカップリング系、及びPPh3、PBu3などであって、好ましくはPPh3である好適に選択されたホスフィン配位子の存在下で、ここで、カップリング剤は、好ましくは、(式(V)の化合物のモルに対して)約1.0〜約2.0モル当量の範囲の量、より好ましくは、約1.0〜約1.5モル当量の範囲の量、より好ましくは約1.1モル当量の量で存在し、ホスフィン配位子は、好ましくは、(式(V)の化合物のモルに対して)約1.0〜約2.0モル当量の範囲の量、より好ましくは、約1.0〜約1.5モル当量の範囲の量、より好ましくは約1.2モル当量の量で存在し、
酢酸エチル、THF、MTBE、トルエンなどであって、好ましくは酢酸エチル又はMTBEである好適に選択された有機溶媒中であって、好ましくは、約0℃〜約50℃の範囲の温度であって、より好ましくは、約15℃〜約35℃の範囲の温度であって、より好ましくは約室温の温度で、対応する式(VII)の化合物を生じる。
DIAD、DEAD、ADDPなどであって、好ましくはDIADである好適に選択されたカップリング剤を含む好適に選択されたカップリング系、及びPPh3、PBu3などであって、好ましくはPPh3である好適に選択されたホスフィン配位子の存在下で、ここで、カップリング剤は、好ましくは、(式(V)の化合物のモルに対して)約1.0〜約2.0モル当量の範囲の量、より好ましくは、約1.0〜約1.5モル当量の範囲の量、より好ましくは約1.1モル当量の量で存在し、ホスフィン配位子は、好ましくは、(式(V)の化合物のモルに対して)約1.0〜約2.0モル当量の範囲の量、より好ましくは、約1.0〜約1.5モル当量の範囲の量、より好ましくは約1.2モル当量の量で存在し、
酢酸エチル、THF、MTBE、トルエンなどであって、好ましくは酢酸エチル又はMTBEである好適に選択された有機溶媒中であって、好ましくは、約0℃〜約50℃の範囲の温度であって、より好ましくは、約15℃〜約35℃の範囲の温度であって、より好ましくは約室温の温度で、対応する式(VII)の化合物を生じる。
当業者は、式(V)の化合物と式(VI)の化合物との反応において、より詳細には、式(VI)の化合物の定義において、Boc、Teoc、Cbz、Fmoc、及び「A1活性化基」として列挙される他の基は、窒素保護基としても使用し得ることを認識する。当業者は、本発明のプロセスにおいて、式(V)の化合物のカップリングにおいて、上述の基が窒素保護基として機能せずに式(VI)のスルファマート化合物を活性化することを更に認識する。
式(VII)の化合物におけるA1活性化基は、既知の方法に従って除去され、対応する式(I)の化合物が生じる。例えば、式中、A1はBocであり、式(VII)の化合物におけるA1基は、DCMなどの好適に選択された溶媒中、20% TFAなどの酸と反応させるか、酢酸エチル、トルエンなどの好適に選択された溶媒中、HClなどの酸と反応させることで除去され;式中、A1基は、メチル−OCO−又はエチル−OCO−であり、A1活性化基は、メタノールなどの好適に選択された溶媒中、NaOHなどの塩基と反応させるか、AcOHなどの好適に選択された溶媒中、HBrなどの酸と反応させることで除去され;式中、A1基はTeocであり、A1活性化基は、DCMなどの好適に選択された溶媒中、TFAなどの酸と反応させるか、THFなどの好適に選択された溶媒中、TBAF(Bu4NF)と反応させることで除去され;式中、A1基はCbzであり、A1活性化基は、Pd−Cなどの触媒の存在下でH2(気体)と反応させることで除去され、又はメタノールなどの好適に選択された溶媒中、KOHなどの塩基と反応させることで除去され;式中、A1基はFmocであり、A1活性化基は、ピペリジン又はモルホリンなどの有機塩基と反応させることで除去され;対応する式(I)の化合物が生じる。他の実施例では、式中、A1基はメチル−CO−であり、A1活性化基は、1N HClなどの酸と反応させるか、又はヒドラジンと反応させることで除去され;式中、A1基は、Cl3C−CO−であって、A1活性化基は、DMFなどの好適に選択された溶媒中、炭酸セシウムなどの塩基と反応させることで除去され;式中、A1基は、フェニル−CO−であって、A1活性化基は、AcOHなどの好適に選択された溶媒中、6N HClなどの酸と反応させるか、又はHBrなどの酸と反応させることで除去され;対応する式(I)の化合物を生じる。
好ましくは、式(I)の化合物は、既知の方法に従って更に単離及び/又は精製される。一例では、式(I)の化合物は、濾過によって単離される。他の実施例では、式(I)の化合物は、好ましくは種晶添加を用いて、再結晶によって精製される。
1つの実施形態では、本発明は、以下のスキーム2でより詳細に概説されるように、式(I−S)の化合物の調製プロセスを目的とする。
結果的に、式(V−S)の好適な置換化合物、既知の化合物又は既知の方法に従って調製された化合物は、式(VI−S)の好適な置換化合物、既知の化合物又は既知の方法に従って調製された化合物と反応し、式中、A1は、Boc(t−ブチル−OC(O)−)、メチル−OC(O)−、エチル−OC(O)−、Teoc(TMS−CH2CH2−OC(O)−)、Cbz(ベンジル−OC(O)−)、Fmoc(9−フルオレニルメチル−OC(O)−)、メチル−CO−、Cl3C−CO−、フェニル−CO−などの活性化基であって、好ましくは、Boc、メチル−OC(O)−、エチル−OC(O)−、Teoc、Cbz、Fmocなどの活性化基から好適に選択され、より好ましくはBocであり、ここで、式(VI−S)の化合物は、好ましくは(式(V−S)の化合物のモルに対して)約1.0〜約3.0モル当量の範囲の量、より好ましくは、約1.0〜約2.0モル当量の範囲の量、より好ましくは約1.2〜約1.4モル当量の範囲の量で存在し、
DIAD、DEAD、ADDPなどであって、好ましくはDIADである好適に選択されたカップリング剤を含む好適に選択されたカップリング系、及びPPh3、PBu3などであって、好ましくはPPh3である好適に選択されたホスフィン配位子の存在下で、ここで、カップリング剤は、好ましくは、(式(V−S)の化合物のモルに対して)約1.0〜約2.0モル当量の範囲の量、より好ましくは、約1.0〜約1.5モル当量の範囲の量、より好ましくは約1.1モル当量の量で存在し、ホスフィン配位子は、好ましくは、(式(V−S)の化合物のモルに対して)約1.0〜約2.0モル当量の範囲の量、より好ましくは、約1.0〜約1.5モル当量の範囲の量、より好ましくは約1.2モル当量の量で存在し、
酢酸エチル、THF、MTBE、トルエンなどであって、好ましくは酢酸エチル又はMTBEである好適に選択された有機溶媒中で、好ましくは、約0℃〜約50℃の範囲の温度であって、より好ましくは、約15℃〜約35℃の範囲の温度で、より好ましくは約室温の温度で、対応する式(VII−S)の化合物が生じる。
DIAD、DEAD、ADDPなどであって、好ましくはDIADである好適に選択されたカップリング剤を含む好適に選択されたカップリング系、及びPPh3、PBu3などであって、好ましくはPPh3である好適に選択されたホスフィン配位子の存在下で、ここで、カップリング剤は、好ましくは、(式(V−S)の化合物のモルに対して)約1.0〜約2.0モル当量の範囲の量、より好ましくは、約1.0〜約1.5モル当量の範囲の量、より好ましくは約1.1モル当量の量で存在し、ホスフィン配位子は、好ましくは、(式(V−S)の化合物のモルに対して)約1.0〜約2.0モル当量の範囲の量、より好ましくは、約1.0〜約1.5モル当量の範囲の量、より好ましくは約1.2モル当量の量で存在し、
酢酸エチル、THF、MTBE、トルエンなどであって、好ましくは酢酸エチル又はMTBEである好適に選択された有機溶媒中で、好ましくは、約0℃〜約50℃の範囲の温度であって、より好ましくは、約15℃〜約35℃の範囲の温度で、より好ましくは約室温の温度で、対応する式(VII−S)の化合物が生じる。
当業者は、式(V−S)の化合物と式(VI−S)の化合物との反応において、より詳細には、式(VI−S)の化合物の定義において、Boc、Teoc、Cbz、Fmoc、及び「A1活性化基」として列挙される他の基は、窒素保護基としても使用し得ることを認識する。当業者は、本発明のプロセスにおいて、上述の基が窒素保護基として機能せずに、式(V−S)の化合物のカップリングにおいて式(VI−S)のスルファマート化合物を活性化することを更に認識する。
式(VII−S)の化合物におけるA1活性化基は、既知の方法に従って除去され、対応する式(I−S)の化合物が生じる。例えば、式中、A1はBocであり、式(VII−S)の化合物におけるA1基は、DCMなどの好適に選択された溶媒中、20% TFAなどの酸と反応させるか、又は酢酸エチル、トルエンなどの好適に選択された溶媒中、HClなどの酸と反応させることで除去され;式中、A1基は、メチル−OCO−又はエチル−OCO−であり、A1活性化基は、メタノールなどの好適に選択された溶媒中、NaOHなどの塩基と反応させるか、又はAcOHなどの好適に選択された溶媒中、HBrなどの酸と反応させることで除去され;式中、A1基はTeocであり、A1活性化基は、DCMなどの好適に選択された溶媒中、TFAなどの酸と反応させるか、又はTHFなどの好適に選択された溶媒中、TBAF(Bu4NF)と反応させることで除去され;式中、A1基はCbzであり、A1活性化基は、Pd−Cなどの触媒の存在下でH2(気体)と反応させることで除去され、又はメタノールなどの好適に選択された溶媒中、KOHなどの塩基と反応させることで除去され;式中、A1基はFmocであり、A1活性化基は、ピペリジン又はモルホリンなどの有機塩基と反応させることで除去され;対応する式(I−S)の化合物が生じる。他の実施例では、A1基はメチル−CO−であり、A1活性化基は、1N HClなどの酸と反応させるか、又はヒドラジンと反応させることで除去され;式中、A1基は、Cl3C−CO−であって、A1活性化基は、DMFなどの好適に選択された溶媒中、炭酸セシウムなどの塩基と反応させることで除去され;式中、A1基は、フェニル−CO−であって、A1活性化基は、AcOHなどの好適に選択された溶媒中、6N HClなどの酸と反応させるか、又はHBrなどの酸反応させることで除去され;対応する式(I−S)の化合物が生じる。
好ましくは、式(I−S)の化合物は、既知の方法に従って更に単離及び/又は精製される。一例では、式(I−S)の化合物は、ナノ濾過によって単離及び/又は精製される。他の例では、式(I−S)の化合物は、抽出によって単離及び/又は精製される。他の例では、式(I−S)の化合物は、連続向流抽出によって単離及び/又は精製される。他の例では、式(I−S)の化合物は、シリカクロマトグラフィーによって単離及び/又は精製される。他の例では、式(I−S)の化合物は、好ましくは種晶添加用いて、再結晶によって単離及び/又は精製される。
1つの実施形態では、本発明は、式(VII−S)の化合物の改善された後処理又は単離を目的とし、この改善された後処理又は単離によって、最終製品である式(I−S)の化合物の収率が向上する。より詳細には、改善された後処理又は単離において、式(VII−S)の化合物は反応して、その対応する塩であって、好ましくは対応するナトリウム塩が生じる。次に、式(VII−S)の化合物の塩を、好適に選択された有機溶媒又は有機溶媒の混合物中で、例えば、濾過によって、任意で再スラリー化することで好ましくは固体として単離され、次に、好適に選択された酸と反応させて、対応する遊離酸として式(VII−S)の化合物を生じる。次に、式(VII−S)の化合物(対応する遊離酸として)は、本明細書に記載されるように、更に反応してA1活性化基を除去し、所望の式(I−S)の化合物が生じる。
本発明のプロセスは、式(VII−S)の化合物は、その対応する塩(好ましくはその対応するナトリウム塩)に転換し、固体として単離され、次に、酸性化されて式(VII−S)の化合物を放出し、次に、この式(VII−S)の化合物を反応させて対応する式(I−S)の化合物を生じるものであり、以前の水性の洗浄液を使用した後処理/単離よりも、予想外に容積集約がより低く、かつ収量がより高くなることが分かった。このようにして、本発明の改善された後処理又は単離(そのためには低容量である必要があり、それによって高収量がもたらされる)は、大規模製造又は商用製造において有利であるか、又は好ましい。
本発明をいかなる限定をもしないが、その対応する塩(好ましくはナトリウム塩)としての式(VII−S)の化合物を単離し、続けて任意で再スラリー化し、次に酸性化することで、低濃度OPPh3を含有する最終製品混合物が生じることが理論化される。本明細書、以下の実施例12に示されるように、OPPh3は、共溶媒の効果によって、式(I−S)の化合物である最終製品の溶解度を増加させる。したがって、最終製品混合物におけるOPPh3の濃度が下がると、最終製品の沈殿、及び、それに対応して観察される容積及び収量における有効性が増加する。
より詳細には、本発明の改善された後処理又は単離において、上述のようにして調製された式(VII−S)の化合物は、例えば、好適に選択されたナトリウム、カリウム又はリチウム塩基であって、好ましくは好適に選択されたNaOH(例えば、30%水溶液、50%水溶液)、NaOCH3(例えば、30%メタノール溶液)、NaOCH2CH3(例えば、エタノール溶液)、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−アミレート、ナトリウム3,7−ジメチル−3−オクチレート、NaHMDSなどの好適に選択されたナトリウム塩基、好ましくは非求核性塩基、より好ましくは、ナトリウムtert−ブチルアミレート、ナトリウム3,7−ジメチル−3−オクチレート、NaHMDSなどの好適に選択された非求核性ナトリウム塩基、より好ましくは、ナトリウムtert−ブチルアミレートのような好適に選択された塩基と反応し、ここで、塩基は、好ましくは、(式(VII−S)の化合物のモルに対して)約1.0〜2.0モル当量の範囲の量、好ましくは約1.05〜約1.5モル当量の範囲の量、より好ましくは約1.1〜約1.3モル当量の範囲の量、である例えば約1.25モル当量の量で存在し、
トルエン、イソプロパノール、MTBE、アセトン、MTBE−トルエン混合物、MTBE−アセトン混合物、イソプロパノール−トルエン混合物などであって、好ましくは、トルエン−イソプロパノールの混合物である好適に選択された有機溶媒中、好ましくは、約0℃〜約室温の範囲の温度の下、対応する式(VII−S)の化合物の塩であって、好ましくは式(VII−S)の化合物の対応するナトリウム塩を生じ、これは好ましくは、例えば濾過によって、好ましくは固体として単離される。
トルエン、イソプロパノール、MTBE、アセトン、MTBE−トルエン混合物、MTBE−アセトン混合物、イソプロパノール−トルエン混合物などであって、好ましくは、トルエン−イソプロパノールの混合物である好適に選択された有機溶媒中、好ましくは、約0℃〜約室温の範囲の温度の下、対応する式(VII−S)の化合物の塩であって、好ましくは式(VII−S)の化合物の対応するナトリウム塩を生じ、これは好ましくは、例えば濾過によって、好ましくは固体として単離される。
式(VII−S)の化合物の塩は、好適に選択された酸であって(ここで、好適に選択された酸は、式(VII−S)の化合物におけるA1活性化基を除去することなく化合物(VII−S)の遊離酸を放出することが可能である)、好ましくは酢酸水溶液、クエン酸、ギ酸、リン酸などであって、好ましくは酢酸水溶液(例えば、20%水溶液)である好適に選択される酸と反応し、ここで、酸は、好ましくは、(式(VII−S)の化合物のモルに対して)約1.0〜約5.0モル当量の範囲の量、好ましくは約2.0〜約4.0モル当量の範囲の量、より好ましくは約3.0モル当量の量で存在し、
水、トルエンなどであって好ましくはトルエンである好適に選択された溶媒又は溶媒の混合物中、好ましくは、約室温〜約40℃の範囲の温度の下、遊離酸として、対応する式(VII−S)の化合物が生じる。
水、トルエンなどであって好ましくはトルエンである好適に選択された溶媒又は溶媒の混合物中、好ましくは、約室温〜約40℃の範囲の温度の下、遊離酸として、対応する式(VII−S)の化合物が生じる。
好ましくは、式(VII−S)の化合物の塩と反応する好適に選択された酸は、(a)遊離酸及び例えば、(キャリーオーバーを防ぐための)対応するNa−塩のような対応する塩の両方として水に溶けやすく、(b)約3〜約6の範囲のpKを有する。
当業者は、上述するように、式(VII−S)の化合物の塩と好適に選択された酸とを反応させることで、二相性混合物を生じることを認識する。好ましくは、二相性混合物の水層は、有機層(式(VII−S)の化合物を含有する)から分離されている。有機層は、既知の方法に従って、更に濃縮され、次の工程で直接使用される。
次に、上記スキーム2に詳細が記載されているように、好ましくは、上述された有機層中の混合物として、式(VII−S)の化合物を反応させてA1活性化基を除去し、対応する式(I−S)の化合物が生じる。
当業者は、式(I)の同位体標識化合物、及びより詳細には、式(I−S)の同位体標識化合物(例えば、式(I)の化合物であり、式中、1個以上の1H原子は、2H原子又は3H原子で置換され、及び/又は式中、1個以上の12C原子は14C原子で置換され、及び/又は式中1個以上の14N原子は、15N原子で置換される)は、好適に選択された同位体標識反応物質(例えば、式(V)の好適に選択された同位体標識化合物又は式(VI)の好適に選択された同位体標識化合物)を対応する非標識反応物質の代わりに用いることで、本明細者に記載されるようなプロセスに従って同様に調製され得る。
本発明は、更に、薬理学的に許容される担体と共に、本明細書に記載のプロセスに従って調製される1個以上の式(I)の化合物を含有する医薬組成物を含む。本明細書に記載した本発明の化合物のうち1つ以上を活性成分として含有する医薬組成物は、従来の医薬配合技術に従って、化合物又は医薬担体を伴う化合物を均質に混合することによって調製することができる。担体は、所望の投与経路(例えば、経口、非経口)に応じて様々な形態をとることができる。したがって、縣濁剤、エリキシル剤及び溶液のような液体経口製剤では、好適な担体及び添加剤としては、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存剤、安定剤、着色剤などが挙げられ、粉末、カプセル剤及び錠剤のような固体経口製剤では、好適な担体及び添加剤としては、デンプン、糖、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などが挙げられる。固体経口製剤は、例えば糖などの物質でコーティングされてもよく、又は主要な吸収部位に関し調製するために腸溶コーティングされてもよい。非経口投与のための担体は通常無菌水からなり、また他の成分を加えて溶解度又は保存性を向上させてもよい。注射用の懸濁液又は溶液は、水性担体を適切な添加剤と共に用いて調製されてもよい。
本発明の医薬組成物を調製するために、活性成分としての1つ以上の本発明の化合物を、従来の医薬配合技術に従って、医薬担体と共に均質に混合するが、この担体は、例えば経口又は筋内などの非経口投与に所望される製剤の形態に応じて様々な形態をとることができる。経口剤形における組成物の調製には、任意の通常の医薬媒体を用いることができる。したがって、例えば、懸濁剤、エリキシル剤及び液剤などの経口液体製剤のための好適な担体及び添加剤は、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存剤、着色剤及び同様物を含み、粉末、カプセル剤、カプレット剤、ジェルカップ及び錠剤などの経口固形製剤のための好適な担体及び添加剤は、澱粉、糖、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、錠剤崩壊剤及び同様物を含む。投与における容易性により、錠剤及びカプセル剤は最も有利な経口用量単位形態であり、その場合、固体医薬担体が明らかに使用される。所望であれば、錠剤は、標準的な技術により、糖コーティング又は腸溶コーティングされてもよい。非経口のための担体は、通常、無菌水を含むが、例えば溶解性を助けるなどの目的のため、又は保存のために他の成分を含んでもよい。注射用の懸濁液も調製することができ、その場合、適切な液体担体、懸濁化剤などを使用することができる。本明細書の医薬組成物は、単位用量当たり、例えば錠剤、カプセル剤、粉末、注射液、茶さじ一杯など当たり、上述した有効用量を送達するのに必要な量の活性成分を含むであろう。本明細書の医薬組成物は、調剤単位(例えば、錠剤、カプセル、粉末、注射液、坐剤、茶さじなど)当たり約0.01〜約1,000mg又はこの範囲の任意の量若しくは範囲で含有し、1日当たり約0.01mg/kg体重〜約100mg/kg体重、又はこの範囲の任意の量若しくは範囲、好ましくは1日当たり約0.1mg/kg体重〜約50.0mg/kg体重、又はこの範囲の任意の量若しくは範囲、好ましくは1日当たり約0.1〜約15.0mg/kg体重、又はこの範囲の任意の量若しくは範囲、好ましくは1日当たり約0.5mg/kg体重〜約7.5mg/kg体重、又はこの範囲の任意の量若しくは範囲の投薬量で与えてよい。しかしながら、投与量は、罹病者の要求量、治療されている病状の重症度、及び使用される化合物に応じて変動し得る。連日投与又は周期後(post-periodic)投与の使用のいずれかを用いることができる。
好ましくは、これらの組成物は、経口、非経口、鼻腔内、舌下又は直腸投与、又は吸入若しくは送気による投与のための、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤、粉末、顆粒、無菌非経口溶液又は懸濁液、定量エアゾル又は液体噴霧剤、ドロップ、アンプル、自動注入装置又は坐薬などの単位剤調剤の形態である。代替的に、組成物は、週1回又は月1回投与に好適な形態で存在することができ、例えば、活性化合物の不溶性塩、例えばデカン酸塩は、筋内注入のためのデポー製剤を提供するよう適合され得る。錠剤などの固形組成物の調製に関しては、主要活性成分を、医薬担体、例えば従来の打錠調製成分、例えばトウモロコシデンプン、乳糖、ショ糖、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、又はゴム及び他の医薬希釈剤、例えば水と混合して、本発明の化合物又はその薬理学的に許容される塩の均質混合物を含む固形事前配合組成物を形成する。これらの事前配合組成物を均質と称する場合、これは、活性成分が組成物全体にむらなく分散し、それゆえに、この組成物を、同等に効果的な、錠剤、丸剤及びカプセル剤などの剤形に容易に分割できることを意味する。この固体事前処方組成物は、次に0.01〜約1,000mg(又はその中の任意の量若しくは範囲)の本発明の活性成分を含有する、上述したタイプの単位剤形に再分割される。新規な組成物の錠剤又は丸剤は、長期間作用の利点を付与する剤形を提供するためにコーティングすることができ、又は別様に配合することができる。例えば、錠剤又は丸剤は、内側投与成分及び外側投与成分を含むことができ、後者は前者の外皮の形態である。2つの成分は、胃での崩壊を阻止し、また内側成分を無傷で十二指腸内まで通過させる、又は放出を遅延させることができる腸溶性の層により分離されることができる。このような腸溶性層又はコーティング用には様々な材料を使用することができ、そのような材料には、セラック、セチルアルコール及び酢酸セルロースのような材料を伴う多数のポリマー酸が挙げられる。
経口投与又は注射により本発明の新規組成物を組み込み得る液体形としては、水性液剤、好適に香味付けされたシロップ剤、水性又は油性縣濁剤、及び綿実油、ゴマ油、ヤシ油又はピーナッツ油のような食用油を含む香味付けされたエマルション、並びにエリキシル剤及び同様の医薬賦形剤が挙げられる。水性懸濁剤のための好適な分散剤又は懸濁化剤には、合成及び天然ゴム、例えばトラガカント、アカシア、アルギン酸塩、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニル−ピロリドン又はゼラチンが挙げられる。
本発明に記載の癲癇及び関連障害の治療方法は、本明細書で定義する任意の化合物及び薬理学的に許容される担体を含む医薬組成物を使用することでも行うことができる。医薬組成物は、約0.01mg〜約1,000mg、又はこの中の任意の量若しくは範囲の化合物、好ましくは約10〜500mg、又はこの中の任意の量若しくは範囲の化合物を含有してよく、選択される投与様式に好適な任意の形態に構成することができる。担体には、結合剤、懸濁化剤、滑沢剤、着香剤、甘味剤、保存剤、染料、及びコーティングが挙げられるがこれらに限定されない必要かつ不活性な医薬賦形剤を含む。経口投与用に好適な組成物としては、丸剤、錠剤、カプレット剤、カプセル剤(それぞれ、迅速放出、時限放出及び持続放出製剤を含む)、顆粒、及び粉末のような固体形、並びに液剤、シロップ剤、エリキシル剤、及び縣濁剤のような液体形が挙げられる。非経口投与用に有用な形態は、無菌溶液、乳液及び懸濁液を含む。
有利なことに、本発明の化合物は、単一の1日用量で投与されてもよく、又は全1日用量を1日2回、3回又は4回に分割して投与されてもよい。更に、本発明のための化合物は、当業者に周知の、好適な鼻腔内ビヒクルの局所使用による鼻腔内剤形で、又は経皮皮膚パッチを介して投与されてもよい。経皮送達システム形態で投与するために、用量の投与は、勿論、投与計画全体において断続的ではなく連続的であろう。
例えば、錠剤又はカプセル剤の形態で経口投与するためには、有効薬剤成分を、エタノール、グリセロール、水などの毒性のない薬理学的に許容される経口不活性担体と加え合わせることができる。更に、所望又は必要であれば、好適な結合剤、潤滑剤、錠剤崩壊剤及び着色剤を混合物中に組み込むこともできる。好適な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、グルコース又はβ−乳糖などの天然糖、トウモロコシ甘味剤、アカシア、トラガカントなどの天然及び合成ゴム、又はオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。崩壊剤としては、これらに限定されるものではないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられる。
液体は、合成及び天然ゴム、例えばトラガカント、アカシア、メチル−セルロースなどの好適に香味付けされた懸濁化剤又は分散剤の形態をとる。非経口投与用には、無菌懸濁液及び溶液が望ましい。静脈内投与が所望される場合、適当な防腐剤を一般に含有する等張製剤を用いる。
本発明の医薬組成物を調製するには、活性成分として本明細書に記載するようなプロセスに従って調製される式(I)の化合物を、従来の医薬配合技術に従って、医薬担体とともに均質に混合するが、その担体は、投与(例えば、経口又は非経口)される製剤の形態に応じて、非常に様々な形態をとることができる。薬理学的に許容される好適な担体は、当該技術分野において周知である。その薬理学的に許容される担体のいくつかの説明は、米国薬剤師会(American Pharmaceutical Association)及び英国薬剤師会(Pharmaceutical Society of Great Britain)により出版されたThe Handbook of Pharmaceutical Excipientsに見出すことができる。
医薬組成物の配合方法は、例えば、Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Second Edition,Revised and Expanded,Volumes 1〜3,Liebermanら編、Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications,Volumes 1〜2,Avisら編、及びPharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems,Volumes 1〜2,Liebermanら編、(Marcel Dekker,Inc.により出版。)など、数多くの出版物に記述されている。
本発明の化合物は、前述のいずれの組成物中で、当該技術分野において確立した投与計画に従い、不安及び関連障害、双極性鬱病及び躁病、鬱病、癲癇及び関連障害、癲癇発生、グルコース関連障害、脂質関連障害、片頭痛、肥満症、疼痛、薬物乱用の治療、又は神経保護が必要とされる場合には常に、投与することができる。
製品の1日用量は、ヒト成人につき1日当たり1.0〜10,000mg又はその中の任意の範囲の幅広い範囲で変動し得る。経口投与用に、組成物は、治療されるべき罹病者の用量の症状による調整のために、好ましくは0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、150、200、250及び500ミリグラムの活性成分を含む錠剤形態で提供される。薬物の有効量は、通常、1日当たり約0.01mg/kg体重〜約1000mg/kg体重、又はその中の任意の範囲の用量レベルで供給される。好ましくは、この範囲は、1日当たり約0.5〜約500mg/kg体重、又はその中の任意の範囲である。より好ましくは、1日当たり約1.0〜約250mg/kg体重、又はその中の任意の範囲である。より好ましくは、1日当たり約0.1〜約100mg/kg体重、又はその中の任意の範囲である。一例では、この範囲は、1日当たり約0.1〜約50.0mg/kg体重、又はその中の任意の範囲であってよい。他の別の実施例では、この範囲は、1日当たり約0.1〜約15.0mg/kg体重、又はその中の任意の範囲であってよい。更に別の実施例では、この範囲は、1日当たり約0.5〜約7.5mg/kg体重、又はその中の任意の範囲であってよい。化合物は、1日当たり1〜4回の投薬計画で投与されてもよい。
投与するべき最適用量は、当業者により容易に決定することができ、また使用される特定の化合物、投与モード、製剤の強度、投与モード、及び疾患病状の進行により変動するであろう。加えて、罹病者の年齢、体重、食事及び投与時間などの、治療されている特定の罹病者に関連した因子も、用量の調整に必要となるであろう。
当業者は、公知の及び一般に認められた好適な細胞及び/又は動物モデルを使用したインビボ及びインビトロの両方での試験により、所定の疾患を治療又は予防する試験化合物の能力を予測できることを認識するであろう。
当業者は更に、健康な受診者及び/又は上記障害に罹患している罹病者を対象としたヒト初回投与(first-in-human)、用量範囲及び効力試験を含むヒトの臨床試験を、臨床及び医学分野で周知な方法に従い実施できることを認識するであろう。
以下の実施例は、本発明の理解を補助するよう示され、その後に続く特許請求の範囲に示される本発明を如何様にも限定するよう意図されるものではなく、また限定するよう解釈されるべきではない。
以下の実施例において、いくつかの合成製品は、残留物として単離されたものとして列挙されている。当業者は、用語「残留物」が、製品が単離された物理的状態に限定するものではなく、例えば、固体、油、泡状体、ゴム、シロップなどを含み得ることを理解するであろう。
(実施例1)
N−(t−ブトキシカルボニル)スルファミド
N−(t−ブトキシカルボニル)スルファミド
−10℃(氷/メタノール浴)で、トルエン(38mL)中のクロロスルホニルイソシアネート(2.45mL、28mmol)にt−ブチルアルコール(2.66mL、28mmol)を滴下した。生じた溶液を、0℃(氷浴)で20分間撹拌した。−15℃〜−10℃の氷/メタノール浴を用いて、ピリジン(5.0mL、62mmol)を滴下した。生じた混合物を0℃の氷浴で40分間撹拌した。次に、−10℃の氷/メタノール浴を用いて、水酸化アンモニウム(28%、10mL、163mmol)を滴下し、続けて、H2O(3mL)を滴下した。生じた混合物を0℃の氷浴で2.5時間撹拌した。生じた2層を分離した。水層をトルエン(15mL)で洗浄した。組み合わせたトルエン層をH2O(13mL)で抽出した。組み合わせた水層を、24%のH2SO4でpH 2に酸性化した。生じた沈殿物を濾過し、H2Oで洗浄し(2×13mL)、乾燥させて、白色固体として表題の化合物が生じた。
(実施例2)
N−[[(2S)−6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]メチル]−N−[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]−スルファミド
N−[[(2S)−6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]メチル]−N−[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]−スルファミド
酢酸エチル(0.5mL)中の、(6−クロロ−2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)メタノール(9.5mg、0.042mmol)、PPh3(17mg、0.066mmol)及びN−(t−ブトキシカルボニル)スルファミド(16mg、0.083mmol)に、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD、0.013mL、0.066mmol)を滴下した。生じた混合物を室温で2時間撹拌し(40%酢酸エチル−ヘプタンを用いるTLC及びLC−MSでモニタリングし)、次に、濃縮して残留物とした。残留物をCH2Cl2中で12gのISCOシリカカラムに担持させ、0〜30%の酢酸エチル/ヘプタンで溶出させてガムとして表題の化合物を得て、これを更に生成することなく次の工程で使用した。
(実施例3)
N−[[(2S)−6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]メチル]−スルファミド
N−[[(2S)−6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]メチル]−スルファミド
上述の実施例2のようにして調製したガム(<0.042mmol)を、20% TFA/CH2Cl2(v/v、0.5mL)中に溶解させ、室温で4時間撹拌した(50%酢酸エチル−ヘプタンを用いるTLC及びLC−MSでモニタリングした)。次に、生じた混合物を濃縮して残留物とした。残留物をCH2Cl2中で12gのISCOシリカカラムに担持させ、0〜50%の酢酸エチル/ヘプタンで溶出させて白色固体として表題の化合物を得た。
(実施例4)
[D5](±)N−[[6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル]メチル]−スルファミド
[D5](±)N−[[6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル]メチル]−スルファミド
工程A:[D5](±)(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メタノール
DMF(20mL)中で、4−クロロカテコール(1.55g、10.8mmol)、エピクロロヒドリン−d5(0.88g、9.0mmol、99.4原子%D(CDN Isotopes,Inc.製))、及びK2CO3(1.49g、10.8mmol)の混合物を80℃の油浴中で18時間加熱した。次に、溶媒を除去した。残留物をH2O(20mL)で処理し、DCMで抽出(2×10mL)した。組み合わせたDCM層を濃縮した。生じた残留物をISCO(40gシリカゲルカラム;2回注入;0〜30% EtOAc/ヘプタン)で精製した。単離した画分を測定して、所望の領域と微小の領域との異なった比率の位置異性体の両方を収容した。純度の高い/後画分からは、所望の表題化合物の方を5:1となる比率で含む2つ位置異性体を有する白色固体が生じた。
工程B:[D5](±)N−[[6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]メチル]−N−[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]−スルファミド
EtOAc(12mL)中で、上述の工程Aのようにして調製した[D5](±)(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル)−メタノール(0.300g、1.46mmol、上述の純度の高い画分)、PPh3(0.46g、1.75mmol)及びN−(t−ブトキシカルボニル)スルファミド(0.43g、2.2mmol)の混合物に、EtOAc(0.5mL)中のジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD、0.344mL、1.75mmol)を滴下した。生じた混合物を室温で2時間撹拌した後、H2O(3mL)でクエンチした。EtOAc層を分離し、濃縮して残留物とした。残留物をDCM(3mL)中に溶解させ、0〜30%のEtOAc/ヘプタンでISCO(40gカラム)に通して、ガムとして、[D5](±)N−[[6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾキシン−2−イル]メチル]−N−[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]−スルファミドを得た。
工程C:D5](±)N−[[6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]メチル]−スルファミド
上述の工程Bのようにして調製した[D5](±)N−[[6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]メチル]−N−[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]−スルファミドガム(<1.46mmol)を20%のTFA/CH2Cl2(v/v、5mL)中に溶解し、室温で3時間撹拌した。生じた濁った混合物を濃縮乾固させた。生じた白色固体をCH2Cl2(2mL)中に懸濁させ、濾過し、CH2Cl2で洗浄(2×1mL)した。生じた残留物(0.16g)をMeOH(4mL)中で処理/溶解させ、HPLCで(Gilson、8×0.50mL注入、流速20mL/分、30〜50% MeCN/H2O及び0.05%TFAで20分かけて)精製した。製品画分を濃縮し、白色固体(114mg)として表題化合物を得た。
(実施例5)
14C標識(±)N−[[6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]メチル]−スルファミド
14C標識(±)N−[[6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]メチル]−スルファミド
工程A:14C標識(±)N−[[6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]メチル]−N−[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]−スルファミド
14C標識(6−クロロ−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−2−イル)メタノール(0.6mmol、1109MBq)及びt−ブチルスルファモイルカルバメート(1.2mmol、235mg)を酢酸エチル(4.5mL)中で溶解させた。次に、生じた溶液に、トリフェニルホスフィン(0.96mmol、252mg)及びイソプロピルアゾジカルボキシレート(0.96mmol、0.19mL)を加えた。生じた混合物を室温で5時間撹拌した。減圧下における溶媒の除去後、生じた混合物をカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:ジクロロメタン/メタノール=100/0〜98/2)で精製し、58%の放射化学的純度を有する表題の化合物(901.5MBq)を得た。更に精製することなく、単離した残留物を次の工程で使用した。
工程B:14C標識(±)N−[[6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]メチル]−スルファミド
上述の工程Aのようにして調製された14C標識t−ブチル(6−クロロ−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−2−イル)メチル(スルファモイル)カルバメート(901.5MBq、58%放射化学的純度)をジクロロメタン(9mL)及びトリフルオロ酢酸(2.5mL)中で溶解した。生じた混合物を室温で3時間撹拌した。減圧下における溶媒の除去後、生じた混合物をカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:ジクロロメタン/メタノール=98/2)で精製し、92%の放射化学的純度を有する表題の化合物(395MBq)を得た。
本明細書中、以下の実施例6及び7では、表題化合物の合成におけるバッチ配合又は手順が記載され、この配合/手順は、それぞれ、mg(研究室)及びkg(実験工場)スケールで適用した。ここで、配合/手順は、時間、温度又は他の反応パラメータにおける範囲を列挙しており、手順は、この時間、温度又を他の反応パラメータを列挙された範囲で維持できるように適用した。
(実施例6)
(2S)−(−)−N−[(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾキシン−2−イル)メチル]−スルファミド
(2S)−(−)−N−[(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾキシン−2−イル)メチル]−スルファミド
工程A:(S)−tert−ブチル(6−クロロ−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−2−イル)メチル(スルファモイル)カルバメート
(S)−(6−クロロ−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−2−イル)メタノール(20.0g、100.0mmol、1.0当量)、tert−ブトキシカルボニルスルファミド(27.4g、140.0mmol、1.4当量)及びトリフェニルホスフィン(3.9g、118.0mmol、1.2当量)をMTBE(140g)に溶解し、生じた混合物を撹拌下で27〜32℃の範囲の温度まで温めた。反応混合物の温度を約27〜32℃の範囲に維持しながら、約60〜120分かけて、ジイソプロピル−アゾジカルボキシレート(22.6g、111.0mmol、1.11当量)をMTBE(18g)に滴下した。次に、生じた混合物を2〜6時間撹拌し、約15〜20℃の範囲の温度まで冷却した。次に、生じた混合物をトリフェニルホスフィンオキシド及びビス−1,2−(イソプロポキシ−カルボニル)−ヒドラジン(事前に調製したバッチから得た)で種晶添加し、更に1時間撹拌した。
(S)−(6−クロロ−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−2−イル)メタノール(20.0g、100.0mmol、1.0当量)、tert−ブトキシカルボニルスルファミド(27.4g、140.0mmol、1.4当量)及びトリフェニルホスフィン(3.9g、118.0mmol、1.2当量)をMTBE(140g)に溶解し、生じた混合物を撹拌下で27〜32℃の範囲の温度まで温めた。反応混合物の温度を約27〜32℃の範囲に維持しながら、約60〜120分かけて、ジイソプロピル−アゾジカルボキシレート(22.6g、111.0mmol、1.11当量)をMTBE(18g)に滴下した。次に、生じた混合物を2〜6時間撹拌し、約15〜20℃の範囲の温度まで冷却した。次に、生じた混合物をトリフェニルホスフィンオキシド及びビス−1,2−(イソプロポキシ−カルボニル)−ヒドラジン(事前に調製したバッチから得た)で種晶添加し、更に1時間撹拌した。
結晶化の開始を確認した後、約45〜60分かけてn−ヘキサン(80g)を加え、その後、約15〜20℃の温度で、生じた懸濁液を更に120分間撹拌した。次に、生じた混合物を−15℃〜−10℃の範囲の温度まで冷却し、約4〜6時間撹拌した。生じたオフホワイト色の固体を濾過し、MTBE(20g)及びn−ヘキサン(10g)で洗浄した。50℃及び約45〜40kPa(450〜400ミリバール)の圧力で、生じた濾過物から総量で240gの溶媒を留去した。生じた濃縮残留物に、トルエン(100g)及びn−ヘキサン(15g)を加えた。約22〜27℃の温度で、メタノール(40g)及び水(60g)の混合物で生じた溶液を洗浄した。次に、この工程を2回(2×)繰り返した。約45℃の温度及び約25〜10kPa(250〜100ミリバール)の圧力で、約90gの溶媒を留去して、所望の製品を含有する濃縮残留物が生じた。
工程B:(2S)−(−)−N−[(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル)メチル]−スルファミド
上述の工程Aで調製した濃縮残留物に、塩酸36/38%(40.5g、400mmol、4.0当量)を加え、生じた二相性溶液を約2〜4時間撹拌した。水(70g)及びイソブチル−メチルケトン(60g)を加えた。水相を除去し、有機層を塩化ナトリウム(3.5g)の水溶液(66.5g)で洗浄した。次に、トルエン(80g)及びNaOH30%濃度(8.7g、65mmol)水溶液(91.3g)(0.65モルNaOH)に有機層を加え、生じた混合物を撹拌して約40℃まで加熱した。生じた層を分離して、有機層を廃棄した。水層において抽出工程を繰り返し、有機層を再び廃棄した。約20〜30℃の範囲の温度で、組み合わせた水層にトルエン(25g)を加えた。次に、生じた混合物を塩酸36/38%(ca 11g、110mmol)で処理し、約4〜5の値になるまで溶液のpHを調整した。MTBE(120g)を加え、水層を除去した。次に、有機層を水(50g)で洗浄した。約50℃の温度及び約40kPa(400ミリバール)の圧力で、120gの溶媒を留去した。生じた残留物にトルエン(120g)を加え、約50℃の温度及び約40〜12kPa(400〜120ミリバール)の圧力で更に70gの溶媒を除去した。トルエン(70g)を加え、生じた懸濁液を約40〜45℃の温度で10分間撹拌した。結晶化が見られない場合には、溶液に種晶添加し、更に30分撹拌した。
上述の工程Aで調製した濃縮残留物に、塩酸36/38%(40.5g、400mmol、4.0当量)を加え、生じた二相性溶液を約2〜4時間撹拌した。水(70g)及びイソブチル−メチルケトン(60g)を加えた。水相を除去し、有機層を塩化ナトリウム(3.5g)の水溶液(66.5g)で洗浄した。次に、トルエン(80g)及びNaOH30%濃度(8.7g、65mmol)水溶液(91.3g)(0.65モルNaOH)に有機層を加え、生じた混合物を撹拌して約40℃まで加熱した。生じた層を分離して、有機層を廃棄した。水層において抽出工程を繰り返し、有機層を再び廃棄した。約20〜30℃の範囲の温度で、組み合わせた水層にトルエン(25g)を加えた。次に、生じた混合物を塩酸36/38%(ca 11g、110mmol)で処理し、約4〜5の値になるまで溶液のpHを調整した。MTBE(120g)を加え、水層を除去した。次に、有機層を水(50g)で洗浄した。約50℃の温度及び約40kPa(400ミリバール)の圧力で、120gの溶媒を留去した。生じた残留物にトルエン(120g)を加え、約50℃の温度及び約40〜12kPa(400〜120ミリバール)の圧力で更に70gの溶媒を除去した。トルエン(70g)を加え、生じた懸濁液を約40〜45℃の温度で10分間撹拌した。結晶化が見られない場合には、溶液に種晶添加し、更に30分撹拌した。
n−ヘキサン(50g)を約30分かけて加え、生じた混合物を更に30分撹拌した。次に、生じた懸濁液を約4〜6時間かけて約0〜5℃の温度まで冷却した後、この温度で更に2時間撹拌した。生じた結晶を濾過によって単離し、濾過ケークを冷トルエン(20g)で洗浄し、約40℃の温度及び完全真空で湿った製品を乾燥させて、白色粉末として表題化合物を得た。
HPLC純度>99.0面積%
HPLC純度>99.0面積%
(実施例7)
(2S)−(−)−N−[(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル)メチル]−スルファミド
(2S)−(−)−N−[(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル)メチル]−スルファミド
工程A:(S)−tert−ブチル(6−クロロ−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−2−イル)メチル(スルファモイル)カルバメート
(S)−(6−クロロ−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−2−イル)メタノール(20.0kg、100.0kmol、1.0当量)、tert−ブトキシカルボニルスルファミド(27.5kg、140.0mol、1.4当量)及びトリフェニルホスフィン(31.2kg、120.0mol、1.2当量)をMTBE(120kg)に溶解し、生じた混合物を、撹拌下で27〜32℃の範囲の温度まで温めた。反応混合物の温度を約27〜32℃の範囲に維持しながら、90分以内でジイソプロピル−アゾジカルボキシレート(22.6kg、111.8mol、1.11当量)をMTBE(18kg)に滴下した。投与容器を別のMTBE(20kg)で濯いだ。次に、生じた混合物を30℃で4時間撹拌し、約16〜19℃の範囲の温度まで冷却した。次に、生じた混合物をトリフェニルホスフィンオキシド及びビス−1,2−(イソプロポキシ−カルボニル)−ヒドラジン(事前に調製したバッチから得た)で種晶添加し、更に1時間撹拌した。
(S)−(6−クロロ−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−2−イル)メタノール(20.0kg、100.0kmol、1.0当量)、tert−ブトキシカルボニルスルファミド(27.5kg、140.0mol、1.4当量)及びトリフェニルホスフィン(31.2kg、120.0mol、1.2当量)をMTBE(120kg)に溶解し、生じた混合物を、撹拌下で27〜32℃の範囲の温度まで温めた。反応混合物の温度を約27〜32℃の範囲に維持しながら、90分以内でジイソプロピル−アゾジカルボキシレート(22.6kg、111.8mol、1.11当量)をMTBE(18kg)に滴下した。投与容器を別のMTBE(20kg)で濯いだ。次に、生じた混合物を30℃で4時間撹拌し、約16〜19℃の範囲の温度まで冷却した。次に、生じた混合物をトリフェニルホスフィンオキシド及びビス−1,2−(イソプロポキシ−カルボニル)−ヒドラジン(事前に調製したバッチから得た)で種晶添加し、更に1時間撹拌した。
結晶化の開始を確認した後、約75分以内でn−ヘキサン(80.2g)を加え、その後、約16〜19℃の温度で、生じた懸濁液を更に120分間撹拌した。次に、生じた混合物を−15℃〜−11℃の範囲の温度まで冷却し、約5.5時間撹拌した。生じたオフホワイト色の固体を濾過し、濾過し、MTBE(30kg)及びn−ヘキサン(15kg)の冷混合物(0〜5℃)で洗浄した。生じたろ液から、42〜50℃及び約45〜5kPa(450〜50ミリバール)の圧力で、総量で245gの溶媒を留去した。生じた濃縮残留物に、トルエン(100kg)及びn−ヘキサン(15kg)を加えた。生じた溶液を、約22〜27℃の温度で、メタノール(40kg)及び水(60kg)の混合物で洗浄した。次に、この工程を2回(2×)繰り返した。約35℃の温度及び約20〜5kPa(200〜50ミリバール)の圧力で、約100kgの溶媒を留去して、(S)−tert−ブチル(6−クロロ−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−2−イル)メチル(スルファモイル)カルバメートを含有する濃縮残留物を得た。
工程B:(2S)−(−)−N−[(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル)メチル]−スルファミド
上述の工程Aで調製した濃縮残留物に、塩酸36/38%(40.7g、413mol、4.1当量)を加え、生じた二相性溶液を3時間撹拌した。水(70kg)及びイソブチル−メチルケトン(60kg)を加えた。水層を除去し、有機層を重炭酸ナトリウム(1.0kg)水溶液(19kg)で洗浄した。次に、トルエン(80kg)及びNaOH30%濃度(6.6kg、50mol)水溶液(93.6kg)(0.5モルNaOH)を有機層に加え、生じた混合物を撹拌して約40℃まで加熱した。生じた層を分離した。上述と同じ量及び濃度のNaOH溶液で、有機層の抽出工程を繰り返した。1.0モルNaOH溶液(NaOH 30%濃度(4.0kg)水溶液(27.2kg)で最終抽出を行った後、有機層を廃棄した。約20〜30℃の範囲の温度で、組み合わせた水層にトルエン(25kg)を加えた。次に、生じた混合物を塩酸36/38%(c 12kg、118mmol)で処理し、約4.5未満の値になるまで溶液のpHを調整した。MTBE(120kg)を加えて、水層を除去した。次に、有機層を水(50kg)で洗浄した。約30〜50℃の温度及び40〜13kPa(400〜130ミリバール)の圧力で、123kgの溶媒を留去した。生じた残留物にトルエン(120kg)を加え、約30〜50℃の温度及び約40〜13kPa(400〜130ミリバール)の圧力で、更に80kgの溶媒を除去した。トルエン(80kg)を加え、約40〜45℃の温度で20分間生じた懸濁液を撹拌し、その後、結晶化が開始するのを観察した。
上述の工程Aで調製した濃縮残留物に、塩酸36/38%(40.7g、413mol、4.1当量)を加え、生じた二相性溶液を3時間撹拌した。水(70kg)及びイソブチル−メチルケトン(60kg)を加えた。水層を除去し、有機層を重炭酸ナトリウム(1.0kg)水溶液(19kg)で洗浄した。次に、トルエン(80kg)及びNaOH30%濃度(6.6kg、50mol)水溶液(93.6kg)(0.5モルNaOH)を有機層に加え、生じた混合物を撹拌して約40℃まで加熱した。生じた層を分離した。上述と同じ量及び濃度のNaOH溶液で、有機層の抽出工程を繰り返した。1.0モルNaOH溶液(NaOH 30%濃度(4.0kg)水溶液(27.2kg)で最終抽出を行った後、有機層を廃棄した。約20〜30℃の範囲の温度で、組み合わせた水層にトルエン(25kg)を加えた。次に、生じた混合物を塩酸36/38%(c 12kg、118mmol)で処理し、約4.5未満の値になるまで溶液のpHを調整した。MTBE(120kg)を加えて、水層を除去した。次に、有機層を水(50kg)で洗浄した。約30〜50℃の温度及び40〜13kPa(400〜130ミリバール)の圧力で、123kgの溶媒を留去した。生じた残留物にトルエン(120kg)を加え、約30〜50℃の温度及び約40〜13kPa(400〜130ミリバール)の圧力で、更に80kgの溶媒を除去した。トルエン(80kg)を加え、約40〜45℃の温度で20分間生じた懸濁液を撹拌し、その後、結晶化が開始するのを観察した。
約35分かけてn−ヘキサン(50kg)を加え、生じた混合物を44〜45℃で更に45分撹拌した。次に、約5時間かけて生じた懸濁液を約0〜5℃の温度まで冷却した後、この温度で更に2時間維持した。濾過によって生じた結晶を単離し、濾過ケークを冷トルエンで洗浄し、約40℃の温度及び完全真空で湿った製品を乾燥させて、白色粉末(19.8kg)として表題化合物を得た。
HPLC純度>99.0面積%
HPLC純度>99.0面積%
(実施例8)
イソプロパノール/n−ヘプタンからの再結晶
以下の実施例は、バッチ配合又は手順、及びこれに続けて式(I−S)の化合物の再結晶が記載されている。ここで、配合/手順は、時間、温度又は他の反応パラメータにおける範囲を列挙しており、上述の時間、温度又は他の反応パラメータが列挙された範囲で維持できるように手順を適用した。
イソプロパノール/n−ヘプタンからの再結晶
以下の実施例は、バッチ配合又は手順、及びこれに続けて式(I−S)の化合物の再結晶が記載されている。ここで、配合/手順は、時間、温度又は他の反応パラメータにおける範囲を列挙しており、上述の時間、温度又は他の反応パラメータが列挙された範囲で維持できるように手順を適用した。
式(I−S)の化合物(上述のように調製)の2分割である、(3.80kg、13.6mol)及び(5.50kg、19.8mol)を反応器に加えた。次に、イソプロパノール(15.5kg)及びn−ヘプタン(15.4kg)を加えた。生じた懸濁液を加熱して還流(内部温度75℃)させ、15〜25分間撹拌を続けた。内部温度を70〜72℃に調整し、生じた溶液を第2反応器に濾過して入れた。濾過パッドを熱(74℃)イソプロパノール(1.7kg)及びn−ヘプタン(1.7kg)で濯いだ。濾過物の内部温度を約50〜54℃に調整し、溶液を式(I−S)の化合物の多形体VI(0.02kg)で種晶添加した(式(I−S)の化合物の多形体VI、及び式(I−S)の化合物の調製方法は、2010年12月19日に公開された米国特許出願公開第2009−0318544(A1)号に記載される)。この温度で45〜50分間、生じた混合物を撹拌した。次に、約10〜30分かけてn−ヘプタン(14.4kg)加えた。生じた懸濁液を50分かけて3℃まで冷却し、生じた混合物を60〜180分間更に撹拌した。生じた懸濁液を遠心分離し、湿った濾過ケークをn−ヘプタン(18.7kg)で洗浄し、生じた湿った固体(8.6kg、86%)を真空下で50℃〜60℃で乾燥させ、白色の結晶固体として表題の化合物を得た。
HPLCによる純度:99.95面積%
HPLCによる純度:99.95面積%
(実施例9)
プロセスの不純物に関するHPLC法
式(IMP−1)、(IMP−2)、(IMP−3)、(IMP−4)、(IMP−5)、(IMP−6)及び(IMP−7)の合成プロセスの不純物のアッセイ測定に、Agilent HP1100等価物、DAD検出器又は等価物及びWaters Empower 2又は等価物を使用して、以下のHPLC法を使用した。計器パラメータは以下の通りであった。
プロセスの不純物に関するHPLC法
式(IMP−1)、(IMP−2)、(IMP−3)、(IMP−4)、(IMP−5)、(IMP−6)及び(IMP−7)の合成プロセスの不純物のアッセイ測定に、Agilent HP1100等価物、DAD検出器又は等価物及びWaters Empower 2又は等価物を使用して、以下のHPLC法を使用した。計器パラメータは以下の通りであった。
使用した試薬は以下の通りであった:ミリQ水又は等価物;酢酸アンモニウム、Scharlau HPLC等級(商品番号:AM0255)又は等価物;酢酸100%、Merck p.a.(商品番号:1.00063.1000)又は等価物;及びアセトニトリル、Scharlau勾配HPLC等級(商品番号:AC0331)又は等価物。
全容1Lで、水中(950mL)に酢酸アンモニウム(77.08mg)を溶解し、次に、氷酢酸(0.1mL)及びアセトニトリル(50mL)を加え、次によく混合して生じた混合物を脱ガス処理することで移動相Aを調製した。全容1Lで、水中(950mL)に酢酸アンモニウム(77.08mg)を溶解し、次に、氷酢酸(0.1mL)及びアセトニトリル(950mL)を加え、次によく混合して生じた混合物を脱ガス処理することで移動相Bを調製した。
使用した溶媒は、アセトニトリル/水=1:1(v:v)の混合物であった。50mLのメスフラスコに式(I−S)の化合物を測り入れることで(約50mg±5mg)、標準原液を調製した。次に、フラスコの標線まで溶媒を充填し、よく混合することで材料を溶解した。100mLのメスフラスコに標準溶液(2.0mL)をピペッティングした後、溶媒(5%溶液)を標線まで充填することで感度溶液(0.05%)を調製した。次に、希釈溶液(2.5mL)を100mLのメスフラスコにピペッティングした後、溶媒を標線まで充填して0.05%の感度溶液を生じさせた。50mLのメスフラスコにサンプル材料(50.0mg±2.0mg)を測り入れることで特定溶液を調製した。次に、そのフラスコに試験されるべき不純物を含む溶液を加えた(0.1mg/mLの不純物を含む溶液を0.5mL)。次に、フラスコの標線まで材料を充填し、よく混合することで溶解した。50mLのメスフラスコにサンプル物質(50.0mg±2.0mg)を測り入れることでサンプル溶液を調製した。次に、フラスコの標線まで溶媒を充填し、よく混合することで材料を溶解した。
様々な不純物における典型的な保持時間を以下の表2に列挙した。
(実施例10)
生成物の不純物プロファイル測定
生成物の不純物プロファイル測定
本発明の手順に従って、式(I−S)の化合物のバッチをいくつか調製した後、上述の実施例9に記載されるように、イソプロパノール/n−ヘプタンの混合物から再結晶化した。
再結晶化前に単離されたサンプル(以下で「粗」と区別される)及び再結晶化後に単離されたサンプル(以下で「再結晶」と区別される)を、上述の実施例8に記載されるような方法を適用することで、HPLCによって分析し、任意の不純物の量を決定し、及び同定した。以下の表3には、サンプルにおける測定された不純物(面積%)を列挙した。表記「nd」は、不純物が検出されなかったことを示している。当業者は、このような表記は、不純物が存在しないか、若しくは存在するとしても、HPLC法の検出限界未満の量で存在することを示すということを認識している。
当業者は、上表2で示されているように、式(IMP−4)、式(IMP−5)及び式(IMP−6)の不純物は、2006年2月23日に公開されたMcComsey,D.らの米国特許出願公開第2006/00410008(A1)号、2009年9月26日に公開されたAbdel−Magid,A.,らの米国特許出願公開第2009/0247617(A1)号及び2009年9月26日に公開されたBallentine,s.,らの米国特許出願公開第2009/0247618(A1)号に記載される式(I−S)の化合物の作成プロセスによって形成されないことを更に認識するであろう。
(実施例10)
不純物(IMP−8)に関するHPLC法
当業者は、本発明のプロセスに従って調製された単離した材料中に存在し得る更なる不純物は、以下の構造式の化合物(IMP−8)であることを認識するであろう:
不純物(IMP−8)に関するHPLC法
当業者は、本発明のプロセスに従って調製された単離した材料中に存在し得る更なる不純物は、以下の構造式の化合物(IMP−8)であることを認識するであろう:
100μL注入ループ又は等価物を備えるAgilent HP1200;DAD検出器又は等価物及びWaters Empower 2又は等価物を使用して、式(IMP−8)の化合物のアッセイ測定において、以下のHPLC法を開発及び使用した。計器パラメータは以下の通りであった:
使用した溶媒は、アセトニトリル/水=1:1(v:v)の混合物であった。100mLのメスフラスコに式(IMP−8)の化合物を測り入れることで(約50mg±5mg)、標準原液を調製した。次に、フラスコの標線まで溶媒を充填し、よく混合することで材料を溶解した。50mLのメスフラスコ中に標準希釈溶液(5.0mL)をピペッティングすることで標準希釈溶液を調製した。次に、フラスコの標線まで溶媒を充填し、よく混合することで材料を溶解した。20mLのメスフラスコにサンプル材料(1000mg±50mg)を測り入れることで標準サンプル溶液を調製した。次に、フラスコの標線まで溶媒を充填し、よく混合することで材料を溶解した。
式(IMP−8)の化合物における典型的な保持時間は、5.4分であった。標準的な方法に従って、面積%での純度を算出した。
上述の実施例6及び実施例7に記載されるように調製され、上述の実施例8に記載するように再結晶化された、式(I−S)の再結晶化されたサンプルの分析において、不純物(IMP−8)は検出されなかった(検出レベル<0.05面積%)。
以下の実施例11は、表題の化合物の合成における配合/手順を示す。当業者は、温度、撹拌又は反応時間、及び他の変数又はパラメータは、必要又は希望に応じて(及び当業者に認識されるであろうように)調整し、反応条件を最適化し、所望の製品の調製のためにし反応を進めることができることを認識するであろう。
実施例11に記載されるような手順を、最初は、工程Aに記載された種晶添加無しに行った。種晶添加を使用せずに結晶化された工程Aの所望の化合物を単離し、工程Bに記載されるように更に反応させて表題の化合物を得た。
実施例11の表題化合物のいくつかの更なるバッチを、以下で記載される配合/手順に従って、工程Aで記載されたような種晶添加を行って調製した。以下の実施例11の合成に関する記載の最後に列挙される物理的特性は、調製された代表的な化合物で測定される物理的特性のリストである。
(実施例11)
(2S)−(−)−N−[(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾキシン−2−イル)メチル]−スルファミド
(2S)−(−)−N−[(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾキシン−2−イル)メチル]−スルファミド
工程A:(S)−tert−ブチルN−((6−クロロ−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−2−イル)メチル)スルファモイルカルバメートナトリウム塩
(S)−(6−クロロ−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−2−イル)メタノール(41.58g、200.0mmol、1.0当量)、tert−ブトキシカルボニルスルファミド(47.33g、240.0mmol、1.2当量)及びトリフェニルホスフィン(59.35g、224.0mmol、1.12当量)をMTBE(200g)に溶解し、生じた混合物を撹拌下で24〜27℃の範囲の温度まで温めた。その反応混合物の温度を約24〜27℃の範囲に維持しながら、約120〜180分かけて、MTBE(116g)中のジイソプロピル−アゾジカルボキシレート(43.66g、216.0mmol、1.08当量)を加えた。次に、生じた混合物を3〜6時間撹拌し、約15〜20℃の範囲の温度まで冷却した。次に、生じた混合物をトリフェニルホスフィンオキシド及びビス−1,2−(イソプロポキシ−カルボニル)−ヒドラジン(事前に調製したバッチから得た)で種晶添加し、更に1時間撹拌した。
(S)−(6−クロロ−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−2−イル)メタノール(41.58g、200.0mmol、1.0当量)、tert−ブトキシカルボニルスルファミド(47.33g、240.0mmol、1.2当量)及びトリフェニルホスフィン(59.35g、224.0mmol、1.12当量)をMTBE(200g)に溶解し、生じた混合物を撹拌下で24〜27℃の範囲の温度まで温めた。その反応混合物の温度を約24〜27℃の範囲に維持しながら、約120〜180分かけて、MTBE(116g)中のジイソプロピル−アゾジカルボキシレート(43.66g、216.0mmol、1.08当量)を加えた。次に、生じた混合物を3〜6時間撹拌し、約15〜20℃の範囲の温度まで冷却した。次に、生じた混合物をトリフェニルホスフィンオキシド及びビス−1,2−(イソプロポキシ−カルボニル)−ヒドラジン(事前に調製したバッチから得た)で種晶添加し、更に1時間撹拌した。
結晶化の開始を確認した後、生じた懸濁液を−10℃の温度まで冷却し、約2〜3時間撹拌した。生じたオフホワイト色の固体を濾過し、MTBE(50g)で洗浄した。生じたろ液から、50℃及び約45〜40kPa(450〜400ミリバール)の圧力で、総量で250gの溶媒を留去した。生じた濃縮残留物にトルエン(45g)を加え、再び蒸留して別に80gの溶媒を除去した。イソプロパノール(157g)を加え、生じた溶液を5℃まで冷却した。ナトリウムtert−アミレート(27.53g、250mmol、1.25当量)のトルエン溶液(130g)を加え、生じた溶液を、好ましくは0.1gの所望の中間体のナトリウム塩で種晶添加した。5〜25℃で6〜12時間撹拌を続けた。更に6時間撹拌しながら別のトルエン(157g)を加えた。生じた懸濁液を−5℃〜−10℃まで冷却し、2時間撹拌し、濾過し、トルエン(100g)で洗浄して195gの湿った製品を得て、これを乾燥させずに次の工程で使用した。
工程B:(2S)−(−)−N−[(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル)メチル]−スルファミド
上述の工程Aで調製された生成物をトルエン(173g)中でスラリー化した。次に、撹拌下で酢酸(20%水溶液を180g、36g、3当量)を加えた。全ての固体を溶解した後、撹拌装置の電源を切り、水層を除去した。トルエン層を水(90)で洗浄した。生じた混合物を40℃まで加熱し、10〜6kPa(100〜60ミリバール)の減圧下でトルエン(70g)を留去した。25℃で、生じた濃縮溶液に36/38%の塩酸(121.7g、1200mmol、6.0当量)を加え、生じた二相性溶液を25℃で撹拌した。30分後、生じた混合物に0.1gの製品で種晶添加した。3〜4時間撹拌を続けた。次に、生じた懸濁液を0〜5℃まで冷却し、1時間撹拌した。次に、生じた固体を濾過し、トルエン(40g)、水(100g)及びトルエン(40g)で洗浄し、完全真空で約40℃の温度で乾燥させて、白色粉末として表題の化合物が生じた。
種晶添加による典型的な収量:45.1〜47.8g(81〜86%);
HPLC純度>99.0面積%
上述の工程Aで調製された生成物をトルエン(173g)中でスラリー化した。次に、撹拌下で酢酸(20%水溶液を180g、36g、3当量)を加えた。全ての固体を溶解した後、撹拌装置の電源を切り、水層を除去した。トルエン層を水(90)で洗浄した。生じた混合物を40℃まで加熱し、10〜6kPa(100〜60ミリバール)の減圧下でトルエン(70g)を留去した。25℃で、生じた濃縮溶液に36/38%の塩酸(121.7g、1200mmol、6.0当量)を加え、生じた二相性溶液を25℃で撹拌した。30分後、生じた混合物に0.1gの製品で種晶添加した。3〜4時間撹拌を続けた。次に、生じた懸濁液を0〜5℃まで冷却し、1時間撹拌した。次に、生じた固体を濾過し、トルエン(40g)、水(100g)及びトルエン(40g)で洗浄し、完全真空で約40℃の温度で乾燥させて、白色粉末として表題の化合物が生じた。
種晶添加による典型的な収量:45.1〜47.8g(81〜86%);
HPLC純度>99.0面積%
実施例12:OPPh3濃度の関数としての式(I−S)の化合物の溶解度
21℃におけるトルエン中の式(I−S)の化合物の溶解度は、OPPh3の濃度(又は量)の関数として測定され、その結果を以下の表4に示した。
21℃におけるトルエン中の式(I−S)の化合物の溶解度は、OPPh3の濃度(又は量)の関数として測定され、その結果を以下の表4に示した。
上述のデータは、式(I−S)の化合物の溶解度は、OPPh3濃度の増加と共に上昇することを示している。したがって、トルエン、OPPh3及び式(I−S)の化合物を含む混合物中、所定のOPPh3モル量において、式(I−S)の化合物の溶解度は、トルエン容量の増加と共に減少した。反対に、トルエンの容量が減少すると(大規模製造にとっては好ましい)、式(I−S)の化合物の溶解度の急激な上昇が生じ、これによって式(I−S)の化合物の収量が減少し、及び/又は単離がより難しく、複雑になる。
配合実施例1
固形経口投与製剤−理論的実施例
経口組成物の特定の実施形態として、実施例3で調製した化合物100mgを、十分な微粉乳糖と共に配合して、580〜590mgの合計量を得て、サイズOの硬質ゲルカプセル剤に充填した。
固形経口投与製剤−理論的実施例
経口組成物の特定の実施形態として、実施例3で調製した化合物100mgを、十分な微粉乳糖と共に配合して、580〜590mgの合計量を得て、サイズOの硬質ゲルカプセル剤に充填した。
上記の明細書は説明を目的として与えられる実施例と共に本発明の原理を教示するものであるが、本発明の実施には、以下の特許請求の範囲及びその等価物の範囲に含まれる全ての通常の変形例、適合例及び/又は改変例が含まれる点は理解されるであろう。
Claims (39)
- 式(I)の化合物及びその薬理学的に許容される塩を調製するプロセスであって、式(I)の化合物は、以下の式
R1及びR2は、各々独立して水素及び低級アルキルからなる群から選択され、
aは1〜2の整数であり;
式中、bは0〜4の整数であり、各R5は、ハロゲン、低級アルキル及びニトロからなる群から独立して選択される、化合物であり、
前記プロセスは、
- A1は、Boc、メチル−OC(O)−、エチル−OC(O)−、Teoc、Cbz及びFmocからなる群から選択される、請求項1に記載のプロセス。
- A1はBocである、請求項2に記載のプロセス。
- 前記カップリング系は、カップリング剤とホスフィン配位子との混合物であり、前記カップリング剤はDIAD、DEAD及びADDPからなる群から選択され、前記ホスフィン配位子はPPh3及びPBu3からなる群から選択される、請求項1に記載のプロセス。
- 前記カップリング剤はDIADであり、前記ホスフィン配位子はPPh3である、請求項4に記載のプロセス。
- 前記式(I)の化合物は、N−[[(2S)−6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]メチル]−スルファミド及び薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される、請求項1に記載のプロセス。
- 前記式(I)の化合物は、(D5)重水素化された又は14C同位体標識されたN−[[(2S)−6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−2−イル]メチル]−スルファミド又はその薬理学的に許容される塩である、請求項1に記載のプロセス。
- 請求項1のプロセスに従って調製される製品。
- A1は、Boc、メチル−OC(O)−、エチル−OC(O)−、Teoc、Cbz及びFmocからなる群から選択される、請求項10に記載のプロセス。
- A1はBocである、請求項11に記載のプロセス。
- 前記カップリング系は、カップリング剤とホスフィン配位子との混合物であり、前記カップリング剤はDIAD、DEAD及びADDPからなる群から選択され、前記ホスフィン配位子はPPh3及びPBu3からなる群から選択される、請求項10に記載のプロセス。
- 前記カップリング剤はDIADであり、前記ホスフィン配位子はPPh3である、請求項13に記載のプロセス。
- 前記有機溶媒は、酢酸エチル及びMTBEからなる群から選択される、請求項10に記載のプロセス。
- 前記A1活性化基は、前記式(VII−S)の化合物と酸とを反応させることで除去される、請求項12に記載のプロセス。
- 前記酸は、TFA及びHClからなる群から選択される、請求項16に記載のプロセス。
- (a)前記式(VII−S)の化合物の前記対応する塩を生じさせるために、有機溶媒又は有機溶媒の混合物中で、前記式(VII−S)の化合物と塩基とを反応させる工程、
(b)固体として、前記式(VII−S)の化合物の前記塩を単離する工程、
(c)前記対応する式(VII−S)の化合物を生じさせるために、有機溶媒中で、前記式(VII−S)の化合物の前記単離した塩と酸とを反応させる工程を更に含む、請求項10に記載のプロセス。 - 前記塩基は、非求核ナトリウム塩基である請求項18に記載のプロセス。
- 前記非求核ナトリウム塩は、ナトリウムtert−アミレートである、請求項19に記載のプロセス。
- 前記塩基は、約1.05〜約1.5モル当量の範囲の量で存在する、請求項18に記載のプロセス。
- 工程(a)で、前記塩基はナトリウムtert−アミレートであり、前記ナトリウムtert−アミレートは約1.25モル当量の量で存在し、前記有機溶媒又は有機溶媒の混合物は、トルエン及びイソプロパノールの混合物である、請求項18に記載のプロセス。
- 前記酸は、酢酸水溶液である、請求項18に記載のプロセス。
- 前記酸は、約2.0〜約4.0モル当量の範囲の量で存在する、請求項18に記載のプロセス。
- 工程(c)で、前記酸は20%酢酸水溶液であり、前記酢酸水溶液は、約3.0モル当量の量で存在し、前記有機溶媒はトルエンである、請求項18に記載のプロセス。
- 請求項10に記載のプロセスに従って調製される製品。
- 前記式(IMP−1)の化合物は、約0.01面積%の量で存在し、
前記式(IMP−3)の化合物は、約0.02面積%〜約0.04面積%の範囲の量で存在し、
面積%における、前記式(IMP−1)の化合物の前記量及び前記式(IMP−3)の化合物の前記量は、HPLCによって測定される、請求項27に記載の製品。 - 前記式(IMP−1)の化合物は、約0.01面積%の量で存在し、
前記式(IMP−3)の化合物は、約0.02面積%〜約0.04面積%の範囲の量で存在し、
面積%における、前記式(IMP−1)の化合物及び前記式(IMP−3)の化合物の前記量は、Supelcosil,Ascentis RP−Amide、3μm、4.6×150mmカラムを55℃で使用し、UV 235nmで検出し、
移動相A及び移動相Bで溶出するHPLCによって測定され、ここで、移動相Aは、1mM酢酸アンモニウム及び0.01%酢酸(水/アセトニトル=95:5(v/v)中)であり、移動相Bは、1mM酢酸アンモニウム及び0.01%酢酸(アセトニトリル/水=95:5(v/v)中)であり、位相勾配は、
- 前記式(IMP−1)の化合物は、約0.02面積%の量で存在し、
前記式(IMP−3)の化合物は、約0.03面積%の量で存在し、
前記式(IMP−4)の化合物は、約0.03面積%〜約0.05面積%の範囲の量で存在し、
前記式(IMP−6)の化合物は、約0.03面積%の量で存在し、
面積%における前記式(IMP−1)の化合物、前記式(IMP−3)の化合物の量、前記式(IMP−4)の化合物及び前記式(IMP−6)の化合物の量は、HPLCによって測定される、請求項30に記載の製品。 - 前記式(IMP−1)の化合物は、約0.02面積%の量で存在し、
前記式(IMP−3)の化合物は、約0.03面積%の量で存在し、
前記式(IMP−4)の化合物は、約0.03面積%〜約0.05面積%の範囲の量で存在し、
前記式(IMP−6)の化合物は、約0.03面積%の量で存在し、
面積%における、前記式(IMP−1)の化合物、前記式(IMP−3)の化合物、前記式(IMP−4)の化合物及び前記式(IMP−6)の化合物の量は、Supelcosil,Ascentis RP−Amide、3μm、4.6×150mmカラムを55℃で使用し、UV 235nmで検出し、
移動相A及び移動相Bで溶出するHPLCによって測定され、ここで、移動相Aは、1mM酢酸アンモニウム及び0.01%酢酸(水/アセトニトル=95:5(v/v)中)であり、移動相Bは、1mM酢酸アンモニウム及び0.01%酢酸(アセトニトリル/水=95:5(v/v)中)であり、位相勾配は、
- 薬理学的に許容される担体及び、請求項26に記載の化合物を含む、医薬組成物。
- 請求項26に記載の化合物及び、薬理学的に許容される担体を混合することで作成される、医薬組成物。
- 請求項26に記載の化合物及び、薬理学的に許容される担体を混合することを含む、医薬組成物の作製プロセス。
- 不安及び関連障害、双極性障害及び躁病、鬱病、
癲癇及び関連障害、癲癇発生、グルコース関連障害、脂質関連障害、片頭痛、肥満、疼痛並びに薬物乱用からなる群から選択される障害の治療方法、又は神経保護をする方法であって、治療を必要とする患者に、治療有効量の請求項26に記載の化合物を投与することを含む、方法。 - 前記障害が、鬱病、癲癇及び関連障害、並びに、グルコース関連障害からなる群から選択される、請求項36に記載の方法。
- 前記障害が鬱病である請求項36に記載の方法。
- 不安及び関連障害、双極性障害及び躁病、鬱病、癲癇及び関連障害、癲癇発生、グルコース関連障害、脂質関連障害、片頭痛、肥満、疼痛及び薬物乱用からなる群から選択される障害において、治療を必要とする患者を治療するための薬剤の調製における請求項26に記載の化合物の使用。
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