JP2014528780A - 携帯型薬剤ディスペンサー - Google Patents

Abstract

本発明は、複数の別々に含有された製剤を保持するためのチャンバーと、薬剤の１種または複数を分配するための分配機構と、分配機構の各起動の時間を決定し、決定された起動時間をディスペンサーから離れて位置するコンピュータに伝送するよう構成された処理装置とを含む携帯型薬剤ディスペンサーに関する。該ディスペンサーは薬剤を保持する１つ以上のチャンバーを有する。【選択図】図1

Description

本出願は、２０１１年８月２７日出願の特許文献１に基づく優先権を請求するものである。

本発明は、携帯型薬剤分配装置、特に１種または複数の薬剤を保持するための１つまたは複数のチャンバーと、薬剤を分配するための分配機構と、分配の起動時間、機構を決定するためのおよび任意選択により使用者の属性（すなわち、位置、バイタルサインおよび身体化学）を含む、分配の周囲の他の種々の属性および変数を決定または記録、測定するための処理装置と、ディスペンサーから離れた１個または複数のコンピュータと通信する能力とを有する携帯型薬剤ディスペンサーに関する。本発明は、特に患者のコンプライアンスを決定、監視および／または保証するための有用性ならびに投薬時期および用量を変調および調節するのを助ける能力を有し、他の有用性も熟慮されるが、前記有用性に関連して記載されるだろう。

現代医学は、疾患および症状を予防、治療および回復するための医薬品に高度に依存している。このような医薬品は、栄養素およびビタミン、ならびに他のサプリメントから、予防的市販医薬品（アスピリンおよびＨ２遮断薬など）、疾患（高血圧、糖尿病および心血管疾患など）を治療するための医薬品にまで及ぶ。

多くの人（サプリメント、ビタミンまたは予防的医薬品を通して健康およびウェルネスを増進しようとしているかどうかによらず）ならびに急性または慢性疾患に悩まされている患者は、１日当たり種々の形態の１種または複数の医薬品を服用している。

処方された医薬品レジメンに対するコンプライアンス（通常「アドヒアランス」と呼ばれる）は通常極めて低く、例えば、多くの場合５０％以下の低さである。アメリカ人の約２５％が慢性疾患に冒されているが、アメリカ人のコンプライアンスまたはアドヒアランスは全体として通常５０％未満である。さらに、多くの場合、新たな慢性医薬品（すなわち、高血圧、高コレステロール用）が処方された６か月後に、半数未満しか再補充されていない。

この低いコンプライアンス率は、疾病負荷の増加、入院率の増加および米国で１年に１８００億ドルと推定される、介護費用の数十億の追加ドルをもたらし、推定２０００万を超える予防可能な病気日数をもたらす。

さらに、新規薬剤および組み合わせを開発するために要する臨床試験および安全性、有効性測定は、通常大規模で、厳密で高価な段階的臨床試験を要する。被験者が実際に試験薬物／プラセボまたは他の医学成分を実際に服用している保証が、臨床試験の正確な評価および潜在的成功に極めて重要である。臨床試験中のコンプライアンスを追跡するより良い手段は、市場に入るより安全でより有効な薬剤につながるだろう。

社会が直面している最大の課題の１つは、巨大な「末端価格」を有するヒドロコドンおよびオキシコドンなどの規制物質の売買である。特別に包装された安全なカートリッジは、強固にすることができ、オピオイド受容体拮抗薬ナロキソンを含有することもできるだろう。カートリッジが破られたら、疼痛医薬品は粘着性ナロキソンによりコーティングすることにより役に立たなくされるだろう。さらに、携帯型ディスペンサーは、疼痛医薬品が放出される頻度を制御することができるので、非医学目的または過剰投与目的で丸剤を直ちに分配することはできないだろう。さらに、電子式、印刷または他の手段により適当に標識された医薬品を含有するカートリッジを使用して、含有された医薬品が偽造でない、または意図したものでないことを確認することができるだろう。カートリッジ上の任意の情報は、別のまたは内部のデータベースと通信して製造業者、薬剤含量、有効期限、および中に含有される薬剤の妥当性などの属性を確認することができるだろう。

疼痛医薬品使用を管理し、これらが意図した患者によってのみ受け取られていることを保証するための別の安全対策は、指紋リーダー、あるいは装置に組み込まれるまたは電子的連結もしくはテザースマートフォンおよび類似の器具に連結される現在利用可能な個人を識別するための他の手段（声、顔認識など）を組み込むことである。

特に、疼痛医薬品については、疼痛医薬品（例えば、バイコジン）のタイミングおよび投与は、年齢、遺伝的性質、体重および他の属性に基づいて患者により非常に異なる。疼痛レベルを記録し、「必要に応じて／ＰＲＮ」用量を送達することを可能にするディスペンサー装置を介した任意の入力を用いて、患者に定期的投与間隔を思い出させて疼痛（例えば、外科手術後）を制御することができるディスペンサーは、一般的に静脈内疼痛医薬品（硫酸モルヒネなど）がプログラムされた基底割合（例えば、５ｍｇ／時間）で送達され、患者が押しボタンにより時間窓内の所定の最大量まで（例えば、最大３、１ｍｇボーラス／時間まで）追加の小用量（例えば、１ｍｇボーラス）を与えることができる病院ベースの「患者管理鎮痛法」（ＰＣＡ）に類似の特徴を可能にするだろう。同様に、疼痛医薬品を含有するパーソナルディスペンサーのために、装置を（臨床医、薬剤師または適当な地域の認可を有する者により遠隔的に）種々の方法でプログラムして、患者が定期的用量（例えば、４時間毎にバイコジン丸剤１錠）を服用し、疼痛のために必要に応じて追加の用量（例えば、３０分毎に最大１錠までの余分なバイコジン丸剤、６時間の期間に３個の追加の用量を超えない）を服用することを可能にすることができるだろう。装置は、疼痛レベルおよび他の尺度を記録するためのタッチスクリーンまたは他の方法（例えば、スマートフォンインターフェースを介した）を介した入力を含むことができるだろう。疼痛レベルが十分に制御されなければ、ディスペンサーは、提供者により遠隔でまたは処方された事前設定プロトコルに基づいて、投与スケジュールおよびＰＲＮ設定を変えることができるだろう。さらに、患者が疼痛または他の医薬品から離れるにつれて、勾配をディスペンサーにプログラムすることができるだろう。

ディスペンサーはまた、それだけに限らないが、心拍数の測定（例えば、光／カメラ源を使用して）、カメラ（非接触法で心拍数を測定することができる）ならびに潜在的付属品を含む、またはそれだけに限らないが、血糖計およびＩＮＲ（血液凝固について）などの血液実験室値の他の手段を含むことができる構成要素を含む、任意の数の方法で患者を測定および／または監視することができる種々のセンサーの組み込みを含むこともできるだろう。装置を身に着けている個人の運動／位置および使用時の位置を追跡するための加速度計および／またはＧＰＳなどの追加のセンサーを含ませて医薬品分配の位置およびタイミングを追跡することを助けることができる。種々の属性の測定および処方臨床医との通信、あるいは変化する用量、タイミングおよび他の属性の所定のまたは他の手段との統合。

医薬品分配の別の課題は、液体医薬品の適当な用量を取り扱うことおよび測定することである（通常は子供または丸剤を飲み込むことができない者のため）。タイレノールおよびイブプロフェン、ステロイドおよび抗生物質などの医薬品は、通常、不正確なカップ（計量スプーン）により、またはシリンジもしくはスプーンによりボトルから投与される。これが、不正確さおよび過小もしくは過剰投与の可能性につながる。

正確な投与は、ステロイド、免疫抑制剤（シクロスポリンなど）ならびに投与および得られる血中濃度が極めて重大な化学療法などのより強力な医薬品に特に重大である。これらの薬剤の多くは、病院または診療所設定の外で患者または他の介護者により与えられる。

米国仮特許出願第６１／５２８，２２５号明細書 米国特許出願公開第２０１２／００４１７７８号明細書（米国特許出願第１３／２１０，３３３号） 米国特許出願公開第２００８／０２８４５９９号明細書

特に慎重に投与し送達しなければならない薬剤のために、より優れた、より簡便な、統合された方法が必要である。

個人による医薬品のコンプライアンスを増進し、医薬品を記録および測定するためのより優れた手段が必要である。これは、「ゲーミフィケーション」、例えば、インセンティブポイント報酬または医薬品を使用しコンプライアンスを有する患者に「報酬を与える」のを助ける他の類似の手段を含むことができる。これは、携帯電話ならびにディスプレイおよびレコードの種々の手段に接続されたディスペンサー上に示すことができる。さらに、分配装置を、種々の手段により、コンプライアンス追跡、ゲーミフィケーションまたは任意の数の状態のために医薬品使用を統合する他の手段を組み込む任意の数のモバイル健康「アプリ」に接続することができるだろう。

本開示は、先行技術の上記および他の欠点を克服する装置に関する。簡潔に記載すると、本開示は、１種または複数の製剤を保持することができる携帯型薬剤ディスペンサーを提供する。

１つの態様では、本開示は、複数の別々に含有された製剤を保持するための１つまたは複数のチャンバーと、分配機構の起動時に複数の別々に含有された薬剤の１種または複数を分配するための分配機構と、分配機構の各起動の時間、ならびに例えば、位置、バイタルサイン、使用者のデータ入力（例えば、疼痛スコア）などの潜在的な他の情報を決定し、決定された起動時間を、ディスペンサーから離れて位置する、任意選択により患者を管理する臨床医による読出しのための同様に装置に保管されたコンピュータに伝送するよう構成された処理装置とを含む携帯型薬剤ディスペンサーを提供する。

別の態様では、本開示は、複数の第１の種類の別々に含有された製剤を保持するための第１のチャンバーと、複数の１種または複数の種類の別々に含有された製剤をそれぞれ保持するための１つまたは複数の追加のチャンバーと、分配機構の起動時に複数の別々に含有された薬剤の１種または複数を分配するための分配機構とを含む携帯型薬剤ディスペンサーを提供する。

論じてきた特徴、機能および利点は、本開示の種々の実施形態で独立に達成することができる。または以下の説明および図面を参照してそのさらなる詳細を見ることができ、なお他の実施形態で組み合わせることができる。

分配装置に充填するための種々の他の医薬品カートリッジ機構などの本開示の他のシステム、方法、特徴および利点を、患者、提供者、薬剤師により、および／または他の制御機構（すなわち、Ｐｙｘｉｓ医薬品型システム）を有する装置により手動で挿入することができる、あるいはディスペンサーを接続することができる、すなわち、集中型または他の形態の医薬品容器のための可能な充填機構を統合するための他の統合プラットフォームは、以下の図面および詳細な説明を調査すると当業者に明らかである、または明らかになるだろう。この説明に含まれる全てのこのような追加のシステム、方法、特徴および利点は、本開示の範囲内にあり、付随する特許請求の範囲により保護されることが意図されている。

本発明のさらなる特徴および利点は、付随する図面（ここでは、同様の数字は同様の部品を示す）とあわせた以下の詳細な説明から分かるだろう。

本開示のある実施形態による、携帯型薬剤ディスペンサーのブロック図である。 本開示のある実施形態による、携帯型薬剤ディスペンサーに使用され得るカートリッジのブロック図である。 本開示のある実施形態による、製剤を保持するための２つのチャンバーを有する携帯型薬剤ディスペンサーのブロック図である。

種々の潜在的要素、制御機構との統合ならびにディスペンサーの用途および例示形態を示すアペンディクスが含まれる。これらは単なる例であり、記載する発明および実施形態の説明または幅を限定しない。

以下の説明では、この一部を形成し、実例として、本開示の種々の実施形態が示される付随する図面を参照する。他の実施形態を利用することができ、本開示の範囲から逸脱することなく変更を行うことができることが理解される。

本発明の多くの実施形態は、プログラム可能なコンピュータにより実行されるアルゴリズム（中に含有されるまたは遠隔の（例えば、クラウドベースのアルゴリズムおよびコンピュータを介して））を含む、コンピュータ実行可能命令の形をとり得る。当業者であれば、本発明を他のコンピュータシステム構成により同様に実施することができることを認識するだろう。本発明の特定の態様は、以下に記載されるコンピュータ実行可能アルゴリズムの１つまたは複数を行うよう具体的にプログラムされ、構成されまたは構築された専用コンピュータまたはデータ処理装置に具体化することができる。したがって、本明細書で一般的に使用する「コンピュータ」という用語は、任意のデータ処理装置を指し、インタ−ネットアプライアンス、ハンドヘルド装置、パームトップコンピュータ、埋込型およびウェアラブルコンピュータ、携帯電話、マルチプロセッサシステム、処理装置に基づくまたはプログラム可能な大衆消費電子製品、ネットワークコンピュータ、ミニコンピュータなどを含む。

本発明はまた、タスクまたはモジュールが、通信ネットワークを通して連結された遠隔処理装置により行われる分散コンピューティング環境で実施することもできる。さらに、本発明は、共有資源、ソフトウェアおよび情報をオンデマンドでコンピュータおよび他の装置に提供することができるインターネットベースまたはクラウドコンピューティング環境で実施することができる。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールまたはサブルーチンをローカルおよびリモートメモリ記憶装置の両方に配置することができる。以下に記載する本発明の態様は、磁気および任意選択により読取可能なリムーバブルコンピュータディスク、固定磁気ディスク、フロッピー（登録商標）ディスクドライブ、光ディスクドライブ、光磁気ディスクドライブ、磁気テープ、ハードディスクドライブ（ＨＤＤ）、ソリッドステートドライブ（ＳＳＤ）、コンパクトフラッシュ（登録商標）または不揮発性メモリを含むコンピュータ読取可能媒体上に保管または分散、ならびにネットワーク上に電子的に分散させることができる。データ構造およびデータの特に本発明の態様への伝送も本発明の範囲に包含される。本明細書で提供する装置と構成要素との間の通信は、ローカルエリアネットワーク（ＬＡＮ）、ワイドエリアネットワーク（ＷＡＮ）、インターネット、無線ＬＡＮ、Ｗｉ−Ｆｉ、モバイルデバイスネットワーク、ＩＥＥＥ８０２．１１、ＧＳＭ（登録商標）、ＧＰＲＳ、ＵＭＴＳ、ＷＭＡＮ、ＢＷＡ（ＬＭＤＳ、ＷｉＭＡＸ、ＡＩＤＡＡＳおよびＨｉｐｅｒＭＡＮ）、３Ｇおよび４Ｇ通信プロトコル、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ(登録商標)、あるいは当業者に既知の任意の他のネットワーク配置および／またはプロトコルを含む、装置間の通信を可能にする任意の有線または無線ネットワーク上で達成することができる。データ伝送およびプライバシーの安全／プライバシー面の先進手段の種々の標準を組み込むことができる。

本開示の全体にわたって使用する「薬剤」という用語は、任意の形態の医薬品、栄養素、サプリメント、ビタミン、ミネラルなどを含む。

また、「患者」という用語は、ヒト患者とヒト以外の動物患者の両方を含み得る。

図１に示すように、携帯型薬剤ディスペンサー１０００は、複数の別々に含有された製剤１００５を保持するためのチャンバー１０１０を含む。別々に含有された製剤１００５は、組み合わせもしくは配合製剤であってもよく、または任意の他の製剤であってもよい。製剤１００５は、例えば、丸剤、錠剤およびカプセル剤形態を含む任意の既知の形態であり得る。別々に含有された製剤１００５は、粉末、液体、ゲル、クリームおよび／または固形形態で含有量の薬剤を含有することができ、機能性食品（例えば、マルチビタミン剤）、市販薬（例えば、アスピリン）および処方薬（例えば、それだけに限らないが、血圧医薬品、経口避妊薬、抗生物質、アヘン剤等）を含む任意の薬剤を含有することができる。製剤１００５は、チャンバー１０１０に直接充填することができる。あるいは、製剤１００５は、チャンバー１０１０に挿入することができるカートリッジ１１００（図２参照）に充填することができる。ディスペンサー１０００は、製剤１００５を分配する前に開くことができるヒンジ蓋１００２を含むことができる。

ディスペンサー１０００は、製剤１００５の１種または複数を分配するための分配機構１０２０を含む。分配機構１０２０は、例えば、ボタンに連結したばね充填機構を含むことができる。使用者がボタンを押すと、ばねが起動し、ディスペンサー１０００が単一薬剤１０２０を（例えば、スタックの最上部から）分配する。別の例では、分配機構１０２０を、使用者がディスペンサー１０００の蓋１００２を引いて分配機構１０２０を起動し、製剤１００５を分配することができるように蓋１００２に連結させることができる。追加の薬剤１００５をその後の起動により送達することができる。別の実施形態では、分配機構１０２０は、ディスペンサー１０００上のスイッチまたはボタンを作動させることにより起動することができる電池式モーターを含むことができる。電池は、手動で交換することができる、あるいはディスペンサー１０００をドッキングすることによりまたは電源コードもしくは携帯型装置を再充電するための他の一般的な手段（例えば、ＵＳＢ型ケーブルなどのコードを介することを含む、携帯電話）を介して再充電することができる。

ディスペンサー１０００は、プログラム可能な処理装置であってもよい処理装置１０３０をさらに含むことができる。

１種または複数の製剤１００５を、ディスペンサー１０００に充填することができる。例えば、ディスペンサー１０００に、毎日のアスピリンまたはマルチビタミン剤または経口避妊薬を充填することができる。これらの薬剤１００５は、ディスペンサー１０００のチャンバー１０１０に挿入することができる（および任意選択によりチャンバーから取り出すことができる）カートリッジ１１００、または他の形態の保持容器に、所望であれば規則正しい順序で充填することができるだろう。最終使用者（例えば、患者または介護者）は、単一または複数（１種または複数）種類の製剤１００５を装置に入れることができる。別の実施形態では、薬剤１００５を、ブリスターパックまたは任意の所望の型および数の医薬品を保持することができる他の容器を含む、事前充填カートリッジ１１００に用意することができるだろう。所望であれば、カートリッジは、新しいカートリッジを取り付けるたびに新しい電池が取り付けられるように電池を含むことができる。

例：個人は１日２回血圧丸剤を服用している。朝の丸剤（丸剤Ａ）は晩の丸剤（丸剤Ｂ）とは異なる。丸剤は、ディスペンサー１０００のチャンバー１０１０、またはカートリッジ１１００、または丸剤を所望の位置に保持する任意の形態に充填することができるだろう。朝の丸剤を晩の丸剤と交互にすることができるだろう。

１つの例では、医薬品の１週間分の供給量（合計１４錠の丸剤、朝７錠および晩７錠の丸剤）をカートリッジ１１００に充填することができる（これは、薬剤師、患者自身、介護者が行うことができるだろう、または事前充填カートリッジとして交互の丸剤としてこの形態に処方することができるだろう）。各カートリッジ１１００は、任意選択により、患者識別を含むことができる機械読取可能印１１２０で、および／または種々の手段のＱＲもしくは「バーコード」で標識することができる。また、電子的に検出されるＲＦＩＤ型要素を含有することもできる。

ディスペンサー１０００は、カートリッジ上の機械読取可能印１１２０を「読み取る」ためのスキャン要素またはリーダー１０４０をさらに含むことができる。リーダー１０４０は、処理装置１０３０と通信することができ、内部データベースを通してまたはインターネット／クラウドベースのデータベースを介して出所を明らかにされ、処理装置１０３０は、それだけに限らないが、１種または複数の薬剤の各々の使用についての指示および命令、その用量、有効期限等１００５を含む、カートリッジの構成要素を識別することができる。

制御放出を、手動で、プログラムされたコンピュータにより、患者のバイタルサインまたは他の測定値（すなわち、血糖値、血圧、気分、疼痛レベル、活動レベルなど）に基づく指定で緩和することができるだろう。

分配する各製剤１００５を記録し、ディスペンサー１０００中に電子的に記録として保存または離れたコンピュータ１０５０に伝送することができる。ディスペンサー１０００は、薬剤１００５の分配に関する情報を、無線ネットワーク１０５１上でまたは有線ネットワークを通して、例えば、装置の「ドッキング」またはプラグイン後に、コンピュータまたはネットワークに（すなわち、ＵＳＢプラグを介してコンピュータに）伝送することができる。製剤１００５を分配するたびに、処理装置１０３０は分配の時間および位置を記録することができる。すなわち、処理装置１０３０は、分配機構１０２０の起動時にタイムスタンプおよび位置情報を提供することができる。ディスペンサー１０００は、薬剤１００５を分配した場合にディスペンサーの位置を決定するために、ＧＰＳ受信機１０６０を含む、または位置および追跡の任意の他の既知のシステムを利用することができる。

装置は、使用者／患者が１種または複数の薬剤１００５を服用することにより、使用者／患者に警報を発するまたは別の方法で示すことができる。例えば、ディスペンサー１０００は、可聴、視覚または物理指示器であり得る警報指示器１０７０を含むことができる。例えば、指示器は、スピーカー、１つまたは複数の光または振動要素を含むことができる。指示器１０７０は、可聴音（例えば、チャイム、ベル、アラームまたは任意の他の種類の電子もしくは類似発生音）を提供することにより警報を提供することができる。装置は、固定電話もしくは携帯電話接続を介して使用者／患者に、またＳＭＳ／Ｔｅｘｔメッセージまたは任意の数のモバイルもしくは他のアプリケーションを介した「プッシュ」警報の種々の手段を介して警報を発することができる。装置は、家族または医療提供者と通信して処方された医療レジメンへの適当なアドヒアランスを文書化する、ならびに意図しない受取人への直接分配を防ぐ（これは習慣性の可能性がある医薬品にとって特に重要である）ことができる。

ディスペンサー１０００は、任意選択により、患者の変数／バイタルを示す、または患者、環境もしくは他の供給源からの複数の測定値を統合し示す一体型スクリーンまたはディスプレイ１０８０を含むことができる。ディスプレイ１０８０は、複数のタッチコントロールを有する「タッチ」スクリーンであってもよく、さらに使用者に臨床医、患者および／または介護者の希望および必要に応じて適当に種々のアプリケーション（「アプリ」）をロードする能力を提供することができる。

制御は、それだけに限らないが、「分配」制御、薬局および／または医師からの「再補充」を自動的に再注文または要求する「再補充」ボタンを含むことができる。これらの制御は、手動で作動させることができる、または処理装置１０３０により制御することができる。

ディスペンサー１０００により得られるデータは、（例えば、データを臨床医がアクセスすることができるコンピュータ１０５０に提供することにより）薬剤を処方した臨床医ならびに患者、家族または指定介護者および臨床医に戻すことができる。ウェブまたは対応ダッシュボード（先行技術であるような適当な安全およびプライバシー手段を有するものを含む）は、種々の時間窓にわたってコンプライアンスおよびディスペンサー１０００からの投与のタイミングを示すことができる。「ダッシュボード」は、任意選択によりディスペンサー上に示すことができる。

データおよび情報を、任意選択により、装置を介して臨床医または他の介護者により「押し」戻して種々の処方を最適化、変更または取り消しすることができる。例えば、メトプロールを１日２回投与されている患者の心拍数を示すデータを受け取った臨床医が、相対的徐脈に気付いて、装置／通信を介して、晩の投与／分配を保留することを示すことができるだろう。別の例では、患者の疼痛を管理する臨床医が、患者から疼痛レベルについての情報を受け取り（ディスペンサーまたは他の機構を介して通信）、疼痛医薬品のタイミングおよび用量を変更することができるだろう。

アドヒアランス／コンプライアンスの追跡は、ポイント／バッジまたは他のフィードバックを個人に与えることにより活用することができ、また任意選択によりＦａｃｅＢｏｏｋなどのソーシャルネットワークと統合することができ、またはＺｙｎｇａなどにより作られたものなどのソーシャルゲームに統合することができるだろう。装置は、例えば、適当な医薬品がディスペンサーを介して服用された場合にのみ、Ｆａｃｅｂｏｏｋまたは種々のゲーム型アプリケーションなどの「ボーナス」フィーチャを使用することを可能にするよう携帯電話と通信することができるだろう。

個々の患者の測定基準を測定する任意の構成要素の組み込みも、ディスペンサーに組み込むことができるだろう。非限定的例として、装置をデジタルおよび接続歩数計としても機能することができるようにする加速度計をディスペンサーに組み込むことができるだろう。これは、生物物理学的尺度、例えば、患者の心拍数を測定することができるＥＫＧ導出および特定の薬剤を定期的またはＰＲＮ（必要に応じて）基準で分配するかどうかを決定するのに役立つＥＫＧ変数（すなわち、ＱＴ持続時間．．．いくつかの薬剤または条件によりもたらされる尺度）の測定に関する要素を含有することができるだろう。追加の可能な組み込み構成要素は、血糖計および血液バイオマーカーの他の尺度（例えば、カリウム、および他の電解質、および血液試料採取により一般的に得られる他の尺度）を含むことができるだろう。

改善したコンプライアンスおよび自身の健康についての責任は、慢性疾患および予防のより良好な結果をもたらす。使用者インセンティブプログラムは一般的であり、予防薬（すなわち、コレステロール低下剤）および急性から慢性の疾患医薬品に対するコンプライアンスを追跡および奨励するためにディスペンサー１０００を活用することができるだろう。例えば、ディスペンサー１０００からの患者のコンプライアンスデータ（分配の時間および位置など）を、患者の保険提供者または使用者が患者の処方された医薬品の服用についてのコンプライアンスを検証することができるように、ディスペンサー１０００から当該保険提供者または使用者がアクセスできるコンピュータ１０５０に伝送することができる。

インセンティブは、それだけに限らないが、賞金、保険料の減額、または任意の数の種々の報酬、賞もしくは手当とすることができるだろう。

ディスペンサー１０００は、ｉＰｈｏｎｅ、Ａｎｄｒｏｉｄもしくは他の携帯電話／ｉＰｏｄタッチおよびＢｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）を介した類似品などの任意のモバイル装置、直接接続（ライン）または装置／装置もしくは装置とネットワークの通信の他の標準的方法を含むことができる任意のコンピュータ１０５０と通信することができる。情報は、往復で伝送することができ、例えば、ディスペンサー１０００からのコンテンツは、丸剤を服用した時間、数、タイムスタンプおよび位置（例えば、電話またはディスペンサー１０００上のＧＰＳ統合から）のレポートを含むことができる。データを、電話を介してまたはＷｉＦｉ、セルラーネットワークもしくは共用の他の標準的データストリームを直接介して、介護者、処方者もしくはソフトウェアからの新たな安全警告、備忘録、アップデート、スケジュール変更、およびクラウドに基づくソフトウェアに埋め込まれたフィードバックアルゴリズムを含めるために、ディスペンサー１０００に情報をアップロードするための安全なまたは安全でない方法で、患者のおよび／または所有者のディスペンサー１０００に、あるいはそのモバイル装置を介してアップロードすることができる。

ディスペンサー１０００は、任意選択により２種以上の製剤１００５を含有することができる。例えば、主要な丸剤を、毎日のアスピリン、個別化ポリピル（ｐｏｌｙｐｉｌｌ）（または２０１１年８月１５日出願の同時係属特許文献２に提供されるような薬剤組み合わせ）、抗生物質、あるいは定期的スケジュール基準で、すなわち、高血圧、糖尿病もしくは他の障害のため、または予防的ウェルネス理由のために服用される他の医薬品とすることができる。必要に応じた「ＰＲＮ」用量の鎮痛剤が存在する、または例えば、片頭痛が存在する場合、第２のリポジトリのＰＲＮ薬剤、例えば、パーコセットまたはバイコジンなどのアヘン剤にアクセスして分配することができるだろう。図３に示すように、ディスペンサー１１００は、２つのチャンバーを含むことができる。図１に関して記載されている第１のチャンバー１０１０、ならびに第２のチャンバー１２１０も同様に含まれている。図３のディスペンサー１２００は、図１に示すディスペンサー１０００に関する上記と同じ要素および機能性の全てを含むことができる。３つ以上のチャンバーも含めることができるだろう。

ＰＲＮ医薬品の頻度およびタイミングを、望まれる時間窓および仕様（例えば、２時間当たり１錠）外の追加の余分な用量が許可されないように制限および制御することができる。例えば、処理装置１０３０は、特定の薬剤（例えば、ＰＲＮ薬剤）の分配数を数えることができ、所定量の時間（例えば、２時間）にわたるその薬剤の分配の数が所定の閾値（例えば、２時間当たり１錠）に一致する、またはこれを超えた場合、一定量の時間が経過するまで処理装置が分配機構１０２０をロックし、そして分配機構１０２０が起動してその薬剤を分配するのを可能にする。これは、疼痛を治療するために通常使用されるアヘン剤医薬品などの、乱用の可能性を有する薬剤に特に適用可能であるだろう。ディスペンサーは、静脈内に投与される疼痛医薬品の量を設定するために入院セッティングに一般的に使用され、患者が誘因することができる限られた数のボーラス用量を有する静脈内患者管理鎮痛法（ＰＣＡ）に類似の手段で機能することができるだろう。厳格な管理から利益を得る薬剤／医薬品（例えば、アヘン剤、乱用および／または嗜癖または過剰投与の可能性を受けやすい特定の医薬品）のカートリッジは、カートリッジがディスペンサーにより媒介または追跡されない任意の方法で破られた／開かれた場合、カートリッジおよび含まれる医薬品を使用できなく、または分配できなくする「タンパー防止」または耐タンパーカートリッジを含むことができるだろう。

薬剤１００５は、ディスペンサー１０００にはまる「カートリッジ」１１００に事前構成することができる。朝、午後および晩の丸剤を適当な順序で、例えば、ちょうどＡＭおよびＰＭの投与に入れることができるだろう。さらに、本出願人の２０１１年８月１５日出願の同時係属特許文献２の教示にしたがって、単一錠剤に組み込まれた複数の患者の医薬品を含む個別化ポリピル（または任意の組み合わせもしくは配合薬剤）を製造し、カートリッジ型に入れることができるだろう。したがって、種々の丸剤サイズおよび形状をディスペンサー１０００中に含有させることができるだろう。一実施形態では、例えば、血圧、糖尿病および片頭痛のための丸剤を含有するディスペンサー１０００により、２種以上の丸剤型を分配することができるだろう。最初の２種（血圧および糖尿病）は、規則的設定スケジュール（または患者のリアルタイム測定データに基づいて変更したもの）で分配され、必要に応じて片頭痛治療丸剤が、ＰＲＮ基準でディスペンサー１０００を介して分配されるだけであるだろう。ＰＲＮ医薬品は、一定期間内の用量、タイミング、ロックアウト、総用量のプログラミングを可能にする一般的に使用される疼痛制御用のＰＣＡ装置に類似のロックアウトおよび投与制限（処理装置１０３０により制御することができる）により制御および制限することができるだろう。

他の実用も可能である。例えば、世界中の製薬会社および医薬品開発業務受託機関は、新規薬剤、組み合わせ、投与および指示についての冗長で費用のかかる臨床試験を行っている。試験の重要な構成要素は、薬剤（またはプラセボまたは代替処理／薬剤群）が実際に服用されたという保証である。ディスペンサー１０００を使用すると、タイムスタンプが付され、検証された医薬品の服用が、記録され、種々の方法で、ディスペンサー１０００を介して任意の薬剤試験を実験および分析している者に伝送され得る。ディスペンサー１０００は、任意の副作用、症状（良好および不良）または他の注釈を注記および記録するための試験参加者用のボイスレコーダーをさらに含むことができる。ディスペンサー１０００は、任意の副作用、症状（良好および不良）または他の注釈を注記および記録するための試験参加者用のタッチスクリーンをさらに含むことができる。ディスペンサーは、それだけに限らないが、生理学データ（例えば、心拍数モニター、歩数計、血糖計、尿、血液または他の流体分析からの）を含む、種々の生理学または他の測定を記録および統合することができる。２０１１年８月１５日出願の同時係属特許文献２に記載されているように、ディスペンサーおよび含まれるもしくは遠隔的にアクセスされるコンピュータは、薬剤用量、組み合わせ、タイミングならびに処置レジメンの他の修正、最適化および変更を通知するために個人に関する種々の情報およびデータを統合することができるだろう。例として、血圧医薬品を挙げることができるだろう。血圧値を、一体型指血圧カフ、または外部装置から記録することができ、傾向およびＢＰ値が決定されるので、事前設定アルゴリズムが、一定用量の降圧剤を送達または「保留／スキップ」するようディスペンサーに通知することができるだろう。例えば、患者血圧が低い場合、ディスペンサーは晩の用量を「保留する」。

臨床試験または日常使用では、可視および／または可聴警報および／または振動警報さらに携帯電話、ポケットベル、ウェブサイトまたは任意のディスプレイのような他のモダリティを介したリマインダ情報の伝送が、医薬品を服用する時間になったら患者または介護者に思い出させることができる。

さらなる実施形態では、含有製剤１００５は、食用ＲＦＩＤ様または他の識別追跡可能チップ（カリフォルニアのＲｅｄｗｏｏｄｃｉｔｙのＰｒｏｔｅｕｓ Ｂｉｏｍｅｄｉｃａｌ，Ｉｎｃ．により開発された「レーズン」技術など）で、また例えば、特許文献３に記載されているように標識することができる。

ディスペンサー１０００はまた、任意選択によりリーダー１０４０を通して各丸剤を読み取ることもでき、リーダー１０４０は各丸剤がＲＦＩＤまたは他の包埋情報に及ぶ任意のマーカーを有する場合に、各丸剤のバーコード、ＱＲコード（登録商標）、実際のテキスト、色または他の属性を読み取り、記録するための多くの多様なカメラまたはリーダーなどの使用するための光学または他の手段を含むことができる。こうして、各分配丸剤の極めて詳細な記録が、コンプライアンス、臨床試験、患者用の自己申告に使用するために記録され、分配される各丸剤／医薬品の安全性およびタイミングを増大することができるだろう。さらに、ディスペンサー１０００は、分配医薬品の写真を撮影し、任意選択により保存および伝送することができるカメラを含有することができる。

ディスペンサー１０００は、音により患者と通信することができる（例えば、異なるビープまたは警報音またはバズパターンは異なる医薬品およびタイミング、または「今医薬品を服用する時間です．．．口の上に配置し、「分配」ボタンを押してください」などの記録されたメッセージさえ示すことができる）。

ＬＣＤまたは他の型の一般的なスクリーンまたはディスプレイ１０８０（例えば、ＰＤＡの電話、デジタル時計等に使用されるような）は、情報を使用者に示すことができ、中に含有された薬剤／丸剤のスケジュールを設定する方法などの入力を含むこともできる。

ディスペンサー１０００は、タッチベースのユーザーインターフェースを介したスクリーンを介して直接または１個もしくは複数のボタンを用いて（メニューを制御する１個のボタンおよび時間、日付、データウィンドウ等を設定する追加のボタン（複数可）などのデジタル時計またはタイマーまたは多くの他の電子デバイスをプログラムする方法に類似）プログラムすることができる。

（オンボードコンピュータ中のソフトウェアにより、または携帯電話を介して、またはウェブもしくは他のネットワークインターフェースを介して実行される）音声認識を任意選択により含むための音声インターフェースは、警報のタイミングおよび治療もしくは副作用を記録することなどの他の特徴を設定するようディスペンサー１０００を同様にプログラムすることができるだろう。

ディスペンサー１０００は、潜在的にデータ入力と接続され、患者のためにいつ投与するか／投与するかどうかを決定するのを助ける小型オンボード電池式コンピュータ（例えば、処理装置１０３０）を含有することができる。

使用者からのデータ入力は、バイタルサイン（例えば、心拍数、血圧および／または活動を測定する患者の装着可能な装置を含むことができ、任意の組込み型加速度計または使用者の携帯電話もしくはディスペンサー１０００と通信する他のネットワーク装置中のセンサーから得られたデータをさらに含むことができる、外部測定装置１０９０により測定されるような）を含むことができるだろう。

例として、使用者は糖尿病患者とすることができ、使用者上のセンサーは血糖レベルを検出し、血糖が一定の事前設定閾値に到達した場合に患者に血糖症医薬品（グリブリドまたはメトホルミンなど）を服用させることができる。または、同様に、高血圧の患者に、血圧が一定の測定値に達した場合にディスペンサー１０００中の医薬品を服用するよう警告することができ、または血圧の読みが正常または低い範囲になった場合には実際に医薬品を保留させることができるだろう（すなわち、装置は分配をしないまたは患者に服用するように警告しないだろう）。

本発明によると、（医薬品を分配すべきかどうかおよびいつ分配すべきかを最適化するのを助けるために）ディスペンサー１０００と相互作用して処方者（医師等）から処方されたアルゴリズムおよびガイドラインに基づいて変更するために、患者データを検出し、このデータを利用するための多くのアプリケーションが存在する。

使用者に特異的な複数の医薬品（配合医薬品）、および個々の「ポリピル」もしくは組み合わせ製剤（例えば、個人のために処方された２種以上の医薬品を含有する個々に製造された丸剤）を含有する「設計者」または個別化医薬品／丸剤／製剤１００５の作成は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、２０１１年８月１５日出願の本出願人の特許文献２に記載されている。このような製剤に、患者の名前、バーコード、ＱＲコード（登録商標）または他の識別標識を印刷することもできる。さらに、このような組み合わせまたは配合製剤を、ディスペンサー１０００に特異的に適合する丸剤／カプセル剤に製造されるよう設計することができる。ディスペンサー１０００は、記載されるようにその使用を記録することができる、または単に含有し、手動で分配することができる。

一実施形態では、個別化丸剤または組み合わせ薬剤は、「印刷」されていてもよく、ディスペンサー１０００にはまるよう設計されたカートリッジ１１００に添加されてもよいだろう。「朝」および「晩」の丸剤を、各分配でＡＭ／ＰＭ丸剤が交互に分配されるようにすることができるだろう。

ディスペンサー１０００は、含有された医薬品の再補充を注文するために起動することができるボタンまたは他の起動機構（低レベルの薬剤に基づいて、手動と、潜在的に自動またはプログラムによる両方の）をさらに含むことができる。さらに、処理装置１０３０を、チャンバー１０１０またはカートリッジ１１００がどれくらいいっぱいであるかを数えるまたは決定し、チャンバー１０１０またはカートリッジ１１００が低い場合に使用者が再補充を注文するよう警告するよう構成することができる。あるいは、またはさらに、処理装置１０３０は、信号を薬局または臨床医のオフィスに配置されたコンピュータに伝送して再補充を自動的に注文することができる。

別の実施形態では、ディスペンサー１０００は、介護者（複数可）（医師、ＥＭＳ／９１１、友人および家族等に及ぶ）に合図／電話／警告するための非常用ボタンを含むことができる。これにより、携帯電話および／またはインターネット（Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）もしくはＷｉＦｉ対応装置）を介した統合通信を介して警告することができ、（ＧＰＳまたは他の位置マーカーを介して）患者／使用者の位置を伝達することもできる。別の実施形態では、ディスペンサーは、「落下検出装置」として機能するようプログラムされた組込み型加速度計からの測定を含み、使用者が転倒した場合に合図／電話／警告の自動的な起動を可能にすることができる。組込み型ＧＰＳまたは位置を同定するための他の構成要素と共に、この情報を、家族、ＥＭＳ／９１１、コールセンターなどへの警報通知に利用することができるだろう。

さらに、ディスペンサー１０００は、例えば、指紋リーダー、音声認識要素、顔認識、網膜検出もしくは一体型カメラを介した顔の認識、またキーパッドコードを含む、使用者を承認するための任意の既知の要素であり得る患者承認要素を含むことができる。

別の実施形態では、患者／使用者による実際の摂取につながる医薬品分配のコンプライアンスおよび追跡の検出および保証を増加させる手段に関し、この実施形態では、丸剤を提示のマウスピースに分配する動作は、丸剤を放出させることと、動作を記録することの両方のために、患者にその唇を湿らせ、低電流導通を作り出すことを要する。リチウムコイン型電池または付属の携帯電話もしくは類似の器具からのオプションを含む類似の電力源は、この単純な回路を駆動するだろう。代替実施形態は、おそらくはマウスピースに組み込まれたプロテオミクスチップによる、唾液アミラーゼまたは類似のマーカーの検出などの種々の手段による唾液の検出を組み込むことであるだろう。

麻薬物質または他の丸剤の不正利用を防ぐのを助けるための実施形態では、丸剤がディスペンサー制御以外の任意の手段でカートリッジから取り出された場合、例えば、丸剤が唾液と接触した場合に、急速に色（または白）が変化する着色フィルム（例えば、セルロース）でコーティングすることができるだろう。そうすると、丸剤が転売のためにディスペンサーから不適切に抜き取られた場合に視覚的に検出することが容易になるだろう。ディスペンサーは、装置が「タンパリング」された、すなわち、カートリッジもしくはディスペンサーが破られた、および／または医薬品が示されていない者に分配されたことが表示された場合に、種々の手段により医師／処方者／家族のメンバーなどと通信することができるだろう。

一実施形態では、ディスペンサーはまた、液体またはゲル形態（小児科学においてよくあることであるが、経口製剤は液体またはゲルまたはクリーム形態でのみ利用可能となり得る）の医薬品薬剤またはサプリメントの事前設定された、もしくは調節可能な、および処方された単位体積（使用者／患者または処方者により指定される）を支給することもできるだろう。調節された体積／用量を、ディスペンサー上の入力を介して直接または種々のパラメータにより示されるように任意選択により遠隔で調節することができるだろう。

さらなる実施形態では、種々のコーヒーおよび茶を分配するために一般的に使用されるコーヒーカートリッジ（例えば、会社Ｋｅｕｒｉｇによる）のものと類似のカートリッジフォーマットの薬剤が個人の毎日の医薬品を含有することができるだろう。分配薬剤は、体重、血圧、血糖、ＩＮＲおよび他の因子などの側面を含む、分配時の患者の属性およびニーズに依存し得る。例えば、患者の液体重が増加し、ラシックスなどの利尿薬を服用している場合、カートリッジは２〜１０ｍｇ用量のラシックスを含有する。患者体重が所望よりも重い場合、余分の丸剤（標準的１０ｍｇ用量よりも多い）を分配することができるだろう。同様に、種々のクマジン用量（カートリッジ中１ｍｇの丸剤から）を分配することができ、血液（ＩＮＲ）レベルまたは他の方法により測定される必要とされる抗凝固の程度に基づいて調節することができるだろう。

本発明のさらなる詳細および実施形態は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、アペンディクスＡに見られる。

本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明において種々の変更を行うことができる。本携帯型薬剤ディスペンサーの上記実施形態は実施の単なる可能な例であり、本発明の原理を明確に理解するために示されているに過ぎないことが強調されるべきである。本明細書に記載する携帯型薬剤ディスペンサーの多くの異なる実施形態を、本発明の精神および範囲から逸脱することなく設計する、および／または組み立てることができる。これら、および他のこのような修正および変形の全てが、本明細書において本開示の範囲に含まれ、以下の特許請求の範囲により保護されることが意図される。そのため、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に示される以外に限定されることを意図されていない。

添付書類

アペンディクス
・医薬品ディスペンサーに関して：ＩｎｔｅｌｌｉＳｐｅｎｃｅｒ、ＭｅｄＳｐｅｎｓｅｒまたは類似のものと呼ばれる
・多機能性薬剤ディスペンサーならびにそれだけに限らないが、分配のため収容された複数の医薬品、会話型スクリーン、音、振動または使用者と会話するための他の機構、および臨床医、介護チーム（家族などを含む）と通信するための手段を含むことができる特徴の使用に関する例。ローカルでまたはリモートでのデータの保存。
・使用者／患者が装着した装置、および他の測定センサー（バイタル、体重、位置（例えば、ＧＰＳ））を通したフィードバック機構との相互作用。
・再補充、用量修正（すなわち、疼痛もしくは他の医薬品の勾配または調節）を起動するために通信するための手段
・ＥＭＲ／ＰＨＲ臨床介護チームとの安全、プライバシー対応通信。
・装置／ディスペンサーと通信し、処方されていない者に分配しようとされた場合、または装置が任意の数の方法で破壊もしくはタンパリングされた場合に示すことができる薬剤カートリッジを含む任意のタンパー防止要素。

Claims (17)

1. 複数の別々に含有された製剤を保持するためのチャンバーと；
   分配機構の起動時に前記複数の別々に含有された薬剤の１種または複数を分配するための分配機構と；
   分配機構の各起動の時間を決定し、決定された起動時間をディスペンサーから離れて位置するコンピュータに伝送するよう構成された処理装置と
   を含む携帯型薬剤ディスペンサー。
2. 前記チャンバーが複数の別々に含有された製剤で充填されたカートリッジを保持するよう構成され、任意選択により前記カートリッジが好ましくはカートリッジ中に含有された製剤の種類を識別するための機械読取可能印を含み、前記ディスペンサーが前記印を読み取るためのリーダーをさらに含み、前記機械読取可能印が任意選択により好ましくは製剤が治療する特定の人をさらに識別する、および／または前記機械読取可能印が任意選択により好ましくはＲＦＩＤタグもしくはバーコードを含む、請求項１に記載の薬剤ディスペンサー。
3. 以下の特徴の１つまたは複数をさらに特徴とする、請求項１または２に記載の薬剤ディスペンサー：
   （ａ）処理装置が、製剤が治療する特定の人に関する情報を受け取り、前記受け取った情報に基づいて分配機構の起動を制御するようさらに構成されており、任意選択により前記情報が好ましくは患者の健康の指標を測定するための１つまたは複数の測定装置から受け取られる；
   （ｂ）処理装置が分配機構の各起動時にディスペンサーの位置を決定し、決定された起動の時間および位置をディスペンサーから離れて位置するコンピュータに伝送するようさらに構成されており、任意選択により処理装置がＧＰＳ受信機から受け取った情報に基づいてディスペンサーの位置を決定する；
   （ｃ）処理装置が分配機構を起動するためにディスペンサーの使用者に警告するようさらに構成されており、前記薬剤ディスペンサーが任意選択により、警報が好ましくは可聴警報、視覚警報および物理警報の少なくとも１つを含むことをさらに特徴とし、さらに任意選択により処理装置が保存された分配スケジュールに基づいて警報を発する；
   （ｄ）ディスプレイをさらに含む；
   （ｅ）処理装置が、ディスペンサーの充満レベルを決定するようさらに構成されており、任意選択により処理装置が好ましくは、処理装置がディスペンサーまたはディスペンサー中のカートリッジの充満レベルが所定の閾値未満であることを決定した場合に、薬局に処方薬を再補充する要求を伝送するようさらに構成されている；および
   （ｆ）使用者を認証するための使用者認証要素をさらに含み、前記認証要素が処理装置と通信するよう構成されており、処理装置が、使用者が認証された後にのみ分配機構を起動することを可能にするよう構成されており、任意選択により認証要素が好ましくは指紋リーダー、音声認識装置、顔認識、およびキーパッド入力の配列の少なくとも１つを含む。
4. 複数の第１の種類の別々に含有された製剤を保持するための第１のチャンバーと；
   複数の第２の種類の別々に含有された製剤を保持するための第２のチャンバーと；
   分配機構の起動時に前記複数の別々に含有された薬剤の１種または複数を分配するための分配機構と
   を含む携帯型薬剤ディスペンサー。
5. 前記第１のチャンバーが複数の第１の種類の別々に含有された製剤で充填された第１のカートリッジを保持するよう構成されており、前記第２のチャンバーが複数の第２の種類の別々に含有された製剤で充填された第２のカートリッジを保持するよう構成されている、請求項４に記載の薬剤ディスペンサー。
6. 前記第１および第２のカートリッジがカートリッジ中に含有された製剤の種類を識別するための機械読取可能印を含み、前記印を読み取るためのリーダーをさらに含む、請求項５に記載の薬剤ディスペンサー。
7. 前記機械読取可能印が、薬剤製品が治療する特定の人をさらに識別し、任意選択により前記機械読取可能印が好ましくはＲＦＩＤタグまたはバーコードを含む、請求項６に記載の薬剤ディスペンサー。
8. 分配機構の各起動の時間を決定するよう構成された処理装置をさらに含む請求項４乃至７のいずれかに記載の薬剤ディスペンサーであって、任意選択により処理装置が好ましくは決定された起動の時間をディスペンサーから離れて位置するコンピュータに伝送するようさらに構成されている、および／または処理装置が、製剤が治療する特定の人に関する情報を受け取り、前記受け取った情報に基づいて分配機構の起動を制御するようさらに構成されており、任意選択により前記情報が好ましくは患者の健康の指標を測定するための１つまたは複数の測定装置から受け取られる薬剤ディスペンサー。
9. 分配機構の各起動の時間を決定するよう構成された処理装置をさらに含む請求項４に記載の薬剤ディスペンサーであって、処理装置が分配機構の各起動時にディスペンサーの位置を決定し、決定された起動の時間および位置をディスペンサーから離れて位置するコンピュータに伝送するようさらに構成されており、任意選択により処理装置が好ましくはＧＰＳ受信機から受け取った情報に基づいてディスペンサーの位置を決定する薬剤ディスペンサー。
10. 処理装置が分配機構を起動するためにディスペンサーの使用者に警告するようさらに構成されており、警報が好ましくは可聴警報、視覚警報および物理警報の少なくとも１つを含む、および／または処理装置が保存された分配スケジュールに基づいて警報を発する、請求項８に記載の薬剤ディスペンサー。
11. ディスプレイをさらに含む、請求項４乃至１０のいずれかに記載の薬剤ディスペンサーであって、処理装置が、任意選択により好ましくはディスペンサーの充満レベルを決定するようさらに構成されており、任意選択により処理装置が、処理装置がディスペンサーの充満レベルが所定の閾値未満であることを決定した場合に、薬局に処方薬を再補充する要求を伝送するようさらに構成されている薬剤ディスペンサー。
12. 使用者を認証するための使用者認証要素をさらに含む、請求項８に記載の薬剤ディスペンサーであって、前記認証要素が処理装置と通信するよう構成されており、処理装置が、使用者が認証された後にのみ分配機構を起動することを可能にするよう構成されており、さらに好ましくは認証要素が指紋リーダー、顔認識、音声認識装置、およびキーパッド入力の配列の少なくとも１つを含む薬剤ディスペンサー。
13. 前記処理装置が、第１の種類または第２の種類の製剤の１つが所定の時間にわたって分配された回数を決定し、前記第１の種類または第２の種類の製剤のそれぞれ１つが所定の時間にわたって分配された前記回数が所定の閾値を超えた場合に第１の種類または第２の種類の製剤の前記１つのさらなる分配を防ぐよう構成されている、請求項８乃至１２のいずれかに記載の薬剤ディスペンサー。
14. 唾液を検出することにより薬剤が使用者の口の中に分配されたかどうかを検出するためのセンサー、またはカメラの使用により薬剤が使用者の手もしくは口に分配されたかどうかを検出するセンサーを含有する薬剤ディスペンサー。
15. 設定量の液体医薬品を分配するようプログラムすることができる薬剤ディスペンサー。
16. 液体医薬品が、設定液体体積を分配することができる個別要素に含有されている、請求項１５に記載の薬剤ディスペンサー。
17. 唾液、位置または他の手段の検出によりディスペンサーが分配中に使用者の口の中に配置されているかどうかを決定する薬剤ディスペンサー。

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