JP2014527028A - ゼラチンナノ粒子の連続フロー製造 - Google Patents

ゼラチンナノ粒子の連続フロー製造 Download PDF

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デン ブローク、セバスチャーン アントニウス マルティヌス ウォルサーウス ヴァン
ジョス ニューランド、ピーター
コーシュ、カスパー
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フューチャーケミストリー ホールディング ビー.ブイ.
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Abstract

【解決手段】 本発明は、混合要素をその中に含むプロセスチャネルを含む反応器におけるゼラチン系ナノ粒子の調製のための連続法に関し、前記方法は、A)ゼラチン水溶液を第1の速度で、そして水混和性有機溶媒を第2の速度で、前記反応器の前記プロセスチャネルに、その中で混合されるように別々に供給して、非架橋ゼラチン系ナノ粒子の懸濁液を形成する段階と、B)前記非架橋ゼラチン系ナノ粒子を架橋する段階とを含み、前記第1の速度と前記第2の速度の合計が、Villermaux/Dushman法により測定される前記反応器の混合効率が0.1〜1.5の間であるように選択され、前記ゼラチン水溶液が前記反応器に供給される時点から、前記ゼラチン水溶液および前記有機溶媒の混合物が前記混合要素に接触する時点までの期間が最大で15秒である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゼラチン系ナノ粒子の調製のための方法に関する。
近年、薬物送達のためのナノテクノロジーを開発するためにかなりの努力が向けられてきた。なぜならナノテクノロジーは、目的の組織への局所送達または標的化送達によって、低分子量の薬物、ならびにタンパク質、ペプチドまたは遺伝子などの高分子を送達する適切な手段を提供するためである。ナノテクノロジーは、ナノ粒子、ナノカプセル、ミセル系、およびコンジュゲート体などの生体適合性ナノコンポジット中に治療薬を処方することに焦点を合わせている。タンパク質ナノ粒子(BSA、HASおよびゼラチン)は、通常、サイズが20から500nmまで変動し、その他の薬物送達系よりも大きな貯蔵中の安定性、生体内安定性、非毒性、非抗原性および製造中のスケールアップの容易さなどの特定の利点を保持する。ゼラチンの一次構造は、化学修飾および薬物共有結合に、例えば、一般に薬物送達に、そして特に注射可能な薬物送達系として、多くの可能性を提供する。
一部の骨折は、骨折の複雑さのために、または患者が成長の遅延を有するために、ゆっくりとしか治癒しない。成長の加速に対する現在の方法は、組織、例えばコラーゲンと結合した増殖因子を利用している。この方法は、骨細胞を活性化させて成長を活性化させる。既存の方法は、天然もしくは合成資源由来の粒状材料で骨折部を満たすことに基づく。このことは、侵襲性の外科手術を必要とし、それは患者にとって厳しい要求である。
別のより好ましい選択肢は、注射可能な材料を使用することである。例えば、米国特許第5932245号は、ナノ粒子の放出をもたらす投薬製剤を開示する。それは、(a)少なくとも1つのナノ粒子化合物を含む内相;および(b)ゼラチン、コラーゲン加水分解物およびそれらの混合物からなる群から選択される化合物を含む外相を含む。好ましいナノ粒子サイズは、10〜800nmの範囲内である。グリベンクラミドが、糖尿病の治療のためのナノ粒子化合物として言及されている。
米国特許出願公開第2008/0003292号は、水性ゼラチンゲルから本質的になるナノ粒子を開示する。該ナノ粒子の平均径は最大で350nmであり、多分散指数は0.15以下である。ナノ粒子は、医療物質の担体系として使用される。この公報は、均一な放出および輸送挙動には欠点であるナノ粒子の広いサイズ分布の問題を扱う。実施例では、ゼラチンを水に溶解し、pH値を調整する。ゼラチンの脱溶媒和は、アセトンを1滴ずつ添加することによって実行される。グルタルアルデヒド水溶液が添加される。このようにして架橋されたナノ粒子を、溶液から分離する。
米国特許第5932245号明細書 米国特許出願公開第2008/0003292号明細書 米国特許出願公開第2006087048号明細書 米国特許出願公開第2005220915号明細書 国際公開第2004076056号パンフレット 米国特許第5560924号明細書 国際公開第2005/000265号パンフレット
S.Panic,S.Loebbecke,T.Tuercke,J.Antes,Experimental approaches to a better understanding of mixing performance of microfluidic devices,D.Boskovic,Chem.Eng.J.2004,101,409−419
ゼラチンナノ粒子を作製するための既知の方法は、制御が困難である。
本発明の目的は、上記および/またはその他の問題を克服するゼラチン系ナノ粒子を作製するための新規な方法を提供することである。
したがって、本発明は、混合要素をその中に含むプロセスチャネルを含む反応器におけるゼラチン系ナノ粒子の調製のための連続法を提供し、該方法は、
A)ゼラチン水溶液を第1の速度で、そして水混和性有機溶媒を第2の速度で、前記反応器の前記プロセスチャネルに、その中で混合されるように別々に供給して、非架橋ゼラチン系ナノ粒子の懸濁液を形成する段階と、
B)前記非架橋ゼラチン系ナノ粒子を架橋する段階とを含み、
前記第1の速度と前記第2の速度の合計が、Villermaux/Dushman法により測定される前記反応器の混合効率が0.1〜1.5の間であるように選択され、
前記ゼラチン水溶液が前記反応器に供給される時点から、前記ゼラチン水溶液および前記有機溶媒の混合物が前記混合要素に接触する時点までの期間が最大で15秒である。
本発明者らは、驚くことに、ゼラチン系ナノ粒子を連続法で作製することができることを見出した。好ましくは、該方法は、マイクロ反応器またはフロー反応器において実行される。連続法は、本明細書において、生成物が連続的に抽出され、反応体が連続的に補充される方法を意味すると理解される。
先行技術の回分法では、ゼラチンの脱溶媒和(de−solvation)は、アセトンを1滴ずつ添加することによって実施される。そのような方法では、混合物中のアセトンの濃度は、ゼラチンナノ粒子が生じ始める特定の時点まで徐々に増加する。アセトンを1工程で添加すると、相分離が起こり、結局大きな凝集体が形成されることになるので、一滴ずつ添加することが必要とされる。次に、2つの相をゆっくりと混合して均質な溶液とし、それとともにナノ粒子の代わりに大きな凝集体が形成される。当技術分野において、一滴ずつ添加することにより確保されるアセトン濃度の緩やかな増加という要件が、ゼラチン系ナノ粒子の調製のためには回分法を使用することを必要にすると考えられた。
本発明は、有機溶媒の濃度が十分に高い均質な混合物の形成は、脱溶媒和によりナノ粒子の形成をもたらし、そして、これが、回分法でのように少量の有機溶媒を大量のゼラチン溶液に接触させることよりもむしろ、少量のゼラチン溶液と少量の有機溶媒を連続的に接触させることにより、即座に達成できるという認識に基づくものである。ゼラチン溶液の流れおよび有機溶媒の流れを反応器の中に供給することは、大きな凝集体の形成を回避すると同時に、そのような均質な混合物の供給を可能にする。
反応器において連続法を使用することにより、狭い多分散指数を有するゼラチン系ナノ粒子が連続的に得られ、高い再現性をもつ効率的な方法が有利に得られる。結果が実験を実施する人間の専門的技術に依存する先行技術の回分法とは違って、本発明による方法は、ナノ粒子を確かな方法で提供する。
さらに、本発明による方法は、プロセスのパラメータに高度の自由を許容する。例えば、架橋剤が添加される時点を調節することが可能である。回分法では、架橋剤は非架橋ナノ粒子の形成が完了した後にバッチ全体に対して添加されなければならない。比較すると、架橋剤は、本発明の方法によれば、非架橋ナノ粒子が形成される時に添加することができる。
驚くことに、回分法により同じ出発化合物から得られるナノ粒子とは異なる、様々な制御されたサイズのナノ粒子を本発明の方法に従って得ることができることが見出された。特に、本発明による方法により、最大800nmの平均径を有するナノ粒子を得ることができることが見出された。
反応器の混合効率は、0.0319モル/L KI、0.0063モル/L KIO、0.0898モル/L HBO および0.0898モル/L NaOHの溶液を反応器の1つの入口から、そして0.015モル/L HSOの溶液を反応器の別の入口から1:1の容積比で供給すること、ならびに反応器の出口で286nmでの紫外線吸光度を測定することにより決定される。混合効率が低いほど、より多くの混合が反応器で行われたことを示す。この方法は、S.Panic,S.Loebbecke,T.Tuercke,J.Antes,Experimental approaches to a better understanding of mixing performance of microfluidic devices,D.Boskovic,Chem.Eng.J.2004,101,409−419によって詳細に記載されている。
本発明者らは、驚くことに、任意の反応器において、本発明の方法を実施するのに適切である第1の速度と第2の速度の合計の範囲を、上記の溶液を用いてVillermaux/Dushman法を実施することにより決定することができることを見出した。ゼラチン溶液と有機溶媒の流量合計の前記適切な範囲は、反応器中の上記溶液の混合効率が0.1〜1.5の間である範囲であることが見出された。そのため、任意の反応器が、ゼラチンナノ粒子の調製に適切であるかどうかを決定することができ、流量合計の適切な範囲を、ゼラチン溶液および有機溶媒を用いることなく決定することができる。
0.1〜1.5の混合効率を実現するために、反応器は、混合要素を有していなくてはならない。本発明で使用される反応器中の混合要素は、適した流量を選択することにより0.1〜1.5の混合効率が実現され得るような態様で、構成されている。
低すぎるかまたは高すぎる混合効率は、チャネルの詰まり(ナノ粒子の形成なし)か、または形成されたナノ粒子の高いPDI(多分散指数)をもたらすことが見出された。好ましくは、第1の速度と第2の速度の合計は、Villermaux/Dushman法により測定される反応器の混合効率が0.25〜1.3の間、より好ましくは0.5〜1.0の間であるように選択される。この場合、結果として得られるナノ粒子は小さく、低いPDIを有する。
また、ゼラチン溶液と有機溶媒が相互に接触した後に、できるだけ早く混合が開始されることが好ましいことも見出された。ゼラチン水溶液が反応器に供給される時点から、混合物が混合要素と接触する時点までの期間は、最大で15秒である。混合物が、混合要素によって分割されるよりも前にチャネル中に15秒を超えてとどまると、チャネルの詰まりが起こることが実験によって見出された。好ましくは、ゼラチン水溶液が反応器に供給される時点から、混合物が混合要素と接触する時点までの期間は、0.01〜10秒である。より好ましくは、この期間は0.1〜5秒である。
本明細書において、混合要素は、1つの流れを複数の流れに分割し、それらの流れを反応器中で再び合わせる要素である。複数の流れが、分割−再結合の混合段階の最中に、回転することが可能である。多くの種類の混合要素が既知である。混合要素は、一般に同じ構造を有する反復単位を有し、流れの分割は、一般に複数回起こる。混合物が混合要素に接触する時点は、混合物が最初に混合要素によって分割される時点を意味するものと理解される。
好ましくは、流れの分割は、少なくとも10回、少なくとも20回、少なくとも30回、少なくとも40回、少なくとも60回、または少なくとも80回起こる。好ましくは、流れの分割は、最大で300回、最大で250回、最大で200回、最大で150回、または最大で100回起こる。
必要な混合効率を提供するのに適した分割数は、例えば、流入物の流量および反応器のチャネルの断面によって決まる。
一部の好ましい実施形態では、混合要素は、少なくとも60分割を提供し、混合物は、最初の分割から最後の分割まで60秒〜15分の期間内に流れ、第1の速度と第2の速度の合計は、チャネルの断面(mm)あたり0.4〜4.0mL/分である。これらの実施形態は望ましいゼラチン系ナノ粒子を提供することが見出された。
本明細書において、用語「チャネルの断面」は、チャネルの外径の断面と理解される。好ましくは、チャネルの断面は、チャネル全体にわたって一定である、すなわち、分割前のチャネルは、Ammの断面を有し、分割後のチャネルの各々は、Ammの断面を有する。
チャネルの断面は、好ましくは0.1〜100mm、より好ましくは0.5〜5mm、より好ましくは1〜3mmである。
混合要素は、好ましくはチャネルに沿って均等に分割が起こるように構成される。
望ましい混合を実現するのに適した混合器および反応チャネルの具体的な寸法および構造は、例えば、ナノ粒子を作製するためのマイクロ反応器を記載する、米国特許出願公開第2006087048号明細書、同第2005220915号明細書、および国際公開第2004076056号パンフレットに記載されるように、当業者によって決定しうる。
懸濁液は、懸濁液が形成された直後に架橋剤の溶液と混合されてもよいし、さらなるナノ粒子が形成される相を通過してもよい(例えば、さらなるチャネルを通過することによる)。
脱溶媒和の完了後、ゼラチン系ナノ粒子の不安定な懸濁液がある。この懸濁液は、ナノ粒子を安定化させる架橋剤の溶液と混合される:ナノ粒子のゼラチン鎖内の遊離アミン基は、この架橋剤と反応する、よってナノ粒子中のゼラチン鎖を安定化させる。好ましくは、架橋剤は、架橋剤とゼラチンのアミン基との間で0.5:1〜2:1のモル比で懸濁液と混合される。より好ましくは、架橋剤は、粒子間架橋を防ぐためにわずかに過剰量で、例えば、架橋剤とゼラチンのアミン基との間で1.1:1〜1.3:1のモル比で添加される:大過剰の架橋剤が素早く添加された場合、架橋剤は2つの異なるナノ粒子のゼラチン鎖間で架橋しうる。懸濁液への架橋剤の連続的添加は、懸濁液が形成される反応器内で行われてもよいし、反応器の外部で行われてもよい。いずれの場合も、架橋剤の溶液は、粒子間架橋なく適切な架橋を可能にするよう選択される速度で供給される。架橋剤の制御された連続供給の後、結果として得られる混合物は混合器の外部で保持される。機械的相互作用は、粒子間凝集およびその後の粒子間架橋をもたらす可能性があるので、架橋反応の間、撹拌は用いられるべきではない点に注意されたい。
本発明による方法で使用されるゼラチン溶液は、好ましくは7.0未満のpH値を有する。好ましくは、ゼラチン溶液のpHは2〜4である。これは、より小さいナノ粒子をもたらす。
第1の速度と第2の速度との間の流量比は、反応器に供給される液体の濃度に応じて選択されるべきである。水に対しての有機溶媒の量は、粒子が形成するのに十分でなければならない。有機溶媒の量が少なすぎると、ナノ粒子の懸濁液の代わりに透明な溶液が得られることが見出された。好ましくは、第2の速度は、第1の速度よりも高い。したがって、第2の速度の第1の速度に対する比は、好ましくは2〜4の間である。この範囲は、結果として得られるナノ粒子に低いPDIをもたらすことが見出された。最も好ましくは、第2の速度の第1の速度に対する比は、2.75〜3.25または3前後である。驚くことに、有機溶媒と水との比がナノ粒子サイズを実質的に変えない回分法によるものとは異なり、ナノ粒子が連続フロー反応器中で形成された場合には、ナノ粒子サイズは第1の速度と第2の速度との比によって制御され得ることが見出された。
第1の速度と第2の速度の合計は、好ましくは、チャネルの断面(mm)あたり0.4〜4.0mL/分である。
第1の混合器に供給されるゼラチン水溶液は、例えば、0.1〜25%(w/v)のゼラチンを含みうる。高い濃度ほど、より大きな粒子サイズをもたらすことが見出された。好ましくは、ゼラチン水溶液は、0.1〜18%(w/v)、より好ましくは1〜15%(w/v)のゼラチンを含む。
反応温度は、ゼラチン溶液が溶液としてとどまることができる限り、大きな範囲で変動しうる。したがって、混合器は、例えば、37℃〜100℃または40℃〜70℃の温度で維持されうる。
架橋剤の溶液は、例えば、0.01〜1モル/L、好ましくは0.05〜0.2モル/Lの架橋剤を含みうる。この溶液の溶媒は水であってもよい。あるいは、混合器に添加される水と有機溶媒の混合物も、この溶液の溶媒として使用しうる。このことは、最終懸濁液中の有機溶媒の水に対する比を調節することを可能にする。有機溶媒の水に対する容積比は、例えば、1〜5または2〜4でありうる。
一部の実施形態では、系の官能基の比に基づいて架橋剤の溶液の供給量を決定することが重要でありうる。好ましくは、架橋剤の溶液は、段階B)において、ゼラチンのアミン基に対する架橋剤の比が0.5〜2.0、好ましくは1.1〜1.3であるように供給される。
架橋剤の流量の第1の速度に対する比は、例えば、反応器に供給される液体の濃度に応じて選択されうる。前記比は、例えば、0.05〜0.3または0.1〜0.2でありうる。
反応器に添加される有機溶媒は、好ましくは、メタノール、2−プロパノール、アセトニトリルおよびアセトンからなる群から選択される。有機溶媒として特に好ましいのはアセトンである。
架橋剤は、好ましくは、ジアルデヒド、ホルムアルデヒド、イソシアネート、ジイソシアネート、カルボジイミドおよびアルキルジハライドからなる群から選択される。架橋剤として特に好ましいものは、グルタルアルデヒドである。
薬学的に活性な化合物、例えば、増殖因子も系に添加してよい。そのため、本発明は、ゼラチン系ナノ粒子が薬学的に活性な化合物をさらに含む方法を提供する。骨の再成長のための活性成分に加えて、官能化されたゼラチンナノ粒子に対して多くのその他の用途がある(例えば、遺伝子療法のためのDNA薬物送達など)。さらに企図される用途は、腎臓および心臓への薬物送達である。薬学的に活性な化合物の例は、例えば、参照により本明細書に援用される、米国特許第5932245号明細書、同第5560924号明細書、国際公開第2005/000265号パンフレットに言及されている。例えば、国際公開第2005/000265号パンフレットでは、可能性のある化合物の長いリストが記載されている。つまり、薬学的に活性な化合物は、多様な既知の種類の薬物から選択することができ、それには、例えば、COX−2阻害剤、レチノイド、抗癌剤、NSAIDS、タンパク質、ペプチド、ヌクレオチド、抗肥満薬、機能性食品、栄養補助食品、カロテノイド、コルチコステロイド、エラスターゼ阻害剤、抗真菌薬、腫瘍学療法、制吐薬、鎮痛薬、心血管薬、抗炎症薬、駆虫薬、抗不整脈薬、抗生物質(ペニシリンを含む)、抗凝固薬、抗うつ薬、抗糖尿病薬、抗癲癇薬、抗ヒスタミン薬、抗高血圧薬、抗ムスカリン薬、抗マイコバクテリア薬、抗悪性腫瘍薬、免疫抑制剤、抗甲状腺薬、抗ウイルス薬、抗不安薬、鎮静薬(催眠薬および神経遮断薬)、収れん薬、βアドレナリン受容体遮断薬、血液製剤および代用血液、心臓変力作用剤、造影剤、コルチコステロイド、鎮咳剤(去痰薬および粘液溶解薬)、診断薬、画像診断剤、利尿薬、ドーパミン作用薬(抗パーキンソン病薬)、止血剤、免疫学的薬剤、脂質調節剤、筋弛緩薬、副交感神経刺激薬、副甲状腺カルシトニンおよびビホスホネート、プロスタグランジン、放射性医薬品、性ホルモン(ステロイドを含む)、抗アレルギー薬、刺激薬および食欲抑制剤、交感神経作用薬、甲状腺薬、血管拡張薬、キサンチン、α−ヒドロキシ製剤、嚢胞性線維症治療薬、喘息治療薬、気腫治療薬、呼吸窮迫症状群治療薬、慢性気管支炎治療薬、慢性閉塞性肺疾患治療薬、移植臓器拒絶反応治療薬、結核およびその他の肺の感染症のための治療薬、ならびに後天性免疫不全症状群に関連する呼吸器疾患治療薬が挙げられる。本発明において有用な代表的な活性薬剤の例としては、限定されるものではないが、アシクロビル、アルプラゾラム、アルトレタミン、アミロライド、アミオダロン、メシル酸ベンズトロピン、ブプロピオン、カベルゴリン、カンデサルタン、セリバスタチン、クロルプロマジン、シプロフロキサシン、シサプリド、クラリスロマイシン、クロニジン、クロピドグレル、シクロベンザプリン、シプロヘプタジン、デラビルジン、デスモプレシン、ジルチアゼム、ジピリダモール、ドラセトロン、マレイン酸エナラプリル、エナラプリラート、ファモチジン、フェロジピン、フラドリゾン、グリピジド、イルベサルタン、ケトコナゾール、ランソプラゾール、ロラタジン、ロキサピン、メベンダゾール、メルカプトプリン、乳酸ミルリノン、ミノサイクリン、ミトキサントロン、メシル酸ネルフィナビル、ニモジピン、ノルフロキサシン、オランザピン、オメプラゾール、ペンシクロビル、ピモジド、タコリムス(tacolimus)、クアゼパム、ラロキシフェン、リファブチン、リファンピン、リスペリドン、リザトリプタン、サキナビル、セルトラリン、シルデナフィル、アセチル−スルフィソキサゾール、テマゼパム、チアベンダゾール、チオグアニン、トランドラプリル、トリアムテレン、トリメトレキサート、トログリタゾン、トロバフロキサシン、ベラパミル、硫酸ビンブラスチン、ミコフェノール酸塩、アトバコン、アトバコン、プログアニル、セフタジジム、セフロキシム、エトポシド、テルビナフィン、サリドマイド、フルコナゾール、アムサクリン、ダカルバジン、テニポシド、およびアセチルサリチル酸塩が挙げられる。例となる機能性食品および栄養補助食品は、例えば、参照により具体的に組み込まれる、Roberts et al.,Nutraceuticals:The Complete Encyclopedia of Supplements,Herbs,Vitamins,and Healing Foods(American Nutraceutical Association,2001)に開示されている。機能性食品または栄養補助食品は、フィトケミカルまたは機能的な食品としても公知であり、通常、栄養補助食品、ビタミン、ミネラル、ハーブ、または身体に医学的もしくは薬学的効果を有するヒーリングフードの種類のいずれか1つである。例となる機能性食品または栄養補助食品としては、限定されるものではないが、ルテイン、葉酸、脂肪酸(例えば、DHAおよびARA)、果実および野菜抽出物、ビタミンおよびミネラルの補助栄養食品、ホスファチジルセリン、リポ酸、メラトニン、グルコサミン/コンドロイチン、アロエベラ、グッグル、グルタミン、アミノ酸(例えば、イソ−ロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニラニン(phenylanine)、トレオニン、トリプトファン、およびバリン)、緑茶、リコピン、自然食品、食品添加物、ハーブ、食物栄養素、抗酸化薬、果実のフラボノイド成分、マツヨイグサ油、亜麻仁、魚および海生動物油、ならびにプロバイオティクスが挙げられる。また、機能性食品および栄養補助食品には、「ファーマフーズ」としても公知の、望ましい特性を有するように生物工学によって製造された食品(bio−engineered foods)も含まれる。これらの種類の活性薬剤の説明および各々の種類の中の種のリストは、参照により具体的に組み込まれる、Martindale,The Extra Pharmacopoeia,Twenty−ninth Edition(The Pharmaceutical Press,London,1989)に見出すことができる。これらの活性薬剤は市販されており、かつ/または当技術分野で公知の技術によって調製することができる。
薬学的に活性な成分は、本方法の異なる段階で添加することができる。例えば、薬学的に活性な化合物は、ゼラチン水溶液および/または水混和性有機溶媒に添加されてもよい。この場合、化合物はナノ粒子が形成される時にナノ粒子の中に組み込まれる。そのため、本発明は、ゼラチン水溶液および/または水混和性有機溶媒が薬学的に活性な化合物を含む方法を提供する。
また、薬学的に活性な成分は、ゼラチン溶液および有機溶媒が混合された後で架橋剤が添加される前に添加されてもよい。そのため、本発明は、非架橋ゼラチン系ナノ粒子の懸濁液の形成後に、薬学的に活性な化合物が反応器に供給される方法を提供する。
また、薬学的に活性な成分は、架橋剤が添加された後に添加されてもよい。そのため、本発明は、反応器から収集された懸濁液に薬学的に活性な化合物が添加される方法を提供する。
液体媒体中の薬学的に活性な化合物を別々に非架橋ゼラチン系ナノ粒子が形成される反応器の部分に供給することが可能である。この場合、化合物はナノ粒子が形成される時にナノ粒子の中に組み込まれる。化合物を別々に供給することは、その流量をゼラチン水溶液および水混和性有機溶媒から独立して制御することができる点で有利である。
本発明は、本明細書に記載される特徴、特に特許請求の範囲において列挙される特徴のすべての可能性のある組合せに関する点に注意されたい。
本発明を、これから以下の図を参照して説明する。
本発明による方法において使用される反応器システムの一例の模式図である。 本発明による方法において使用される反応器システムの様々な例の模式図を示す図である。 本発明による方法において使用される反応器システムの様々な例の模式図を示す図である。 本発明による方法において使用される反応器システムの様々な例の模式図を示す図である。 本発明による方法において使用される反応器システムの様々な例の模式図を示す図である。 Villermaux/Dushman法の測定のための反応器の一例の模式図を示す図である。 本発明による方法において使用される混合要素の例の模式図を示す図である。
図1は、本発明の方法によってゼラチン系ナノ粒子を製造するための反応器システムの一例を示す。このシステムは、反応器100を含む。反応器100は、第1の混合器10、反応チャネル30および第2の混合器20を含む。反応器の温度は、温度調節器によって制御される。第1の混合器は、第1の入口11および第2の入口12を有する。ゼラチン水溶液は、制御された速度で第1の入口11に供給される。ゼラチン溶液は、ゼラチン溶液が液体のままでいる温度で維持される。有機溶媒は、制御された速度で第2の入口12に供給される。これらの液体は第1の混合器10で混合され、出口13から流れ出る。この混合物は、その反応チャネル入口31を通って反応チャネル30に入る。液体混合物が反応チャネル出口32に達するまでに、脱溶媒和プロセスが完了し、ゼラチン系ナノ粒子の懸濁液が反応チャネル出口32を流れる。第1の混合器10の出口13および反応チャネル入口31は、必ずしも明確に区別できなくてもよく、むしろ単一のチャネルを形成しうることは当然理解される。第1の混合器10は、図7に図示される構造を有しうる。
反応チャネル30からの懸濁液は、その反応チャネル出口32から出て、その第1の入口21を通って第2の混合器に入る。架橋剤溶液も、その第2の入口22を通って第2の混合器20に供給される。第1の入口21からの懸濁液および第2の入口22からの架橋剤溶液は、第2の混合器20において混合され、そこでナノ粒子の架橋が起こる。架橋されたナノ粒子は出口23から収集される。
この実施形態の多くの変形形態が可能である。一変形形態では、薬学的に活性な化合物の溶液または分散体がシステムに供給される。第1の混合器10または第2の混合器20は、薬学的に活性な化合物がそれを通じて供給されるさらなる入口を含んでもよい。マイクロ反応器10は、薬学的に活性な化合物が供給されるさらなる混合器を含んでもよく、そのさらなる混合器は、第1のマイクロ反応器、反応チャネル、または第2のマイクロ反応器からの液体をさらに供給されてもよい。このようにして、薬学的に活性な化合物を含むゼラチン系ナノ粒子を形成することができる。
図2は、本発明の方法によるゼラチン系ナノ粒子を製造するための反応器システムのさらなる例を示す。この例は、反応器100が反応チャネル30を含まないが、ナノ粒子を得るための長期の反応時間を確保するために混合器10が図1のものよりも大きいことを除いて、図1のものと同じである。
図3は、本発明の方法によるゼラチン系ナノ粒子を製造するための反応器システムのさらなる例を示す。この例は、反応器100が第2の混合器を含まないが、架橋剤の添加にT−スプリッタを使用していることを除いて、図1のものと同じである。
図4は、本発明の方法によるゼラチン系ナノ粒子を製造するための反応器システムのさらなる例を示す。この例は、反応器100が第2の混合器を含まないが、架橋剤の添加にT−スプリッタを使用していることを除いて、図2のものと同じである。
図5は、本発明の方法によるゼラチン系ナノ粒子を製造するための反応器システムのさらなる例を示す。この例は、反応器100が第2の混合器を含まず、架橋剤が反応器の外側で添加されることを除いて、図2のものと同じである。
図6は、Villermaux/Dushman法により混合効率を測定するための反応器の一例を示す。この図において、マイクロ反応器の出口は、UVセルに接続されており、UVセルはUV吸収を分析するためのコンピュータに連結されている。図1〜5に図示される反応器の混合効率は、流量Qをゼロに設定し、このように図6の構成を作製することにより決定することができる。
図7は、本発明による方法において使用される混合要素の2つの例を示す。図7の混合要素は、図1〜6中の第1の混合器10として使用することができる。
実験の項
実験は以下の溶液を用いて実施された:
溶液A(0.0165M):水中のブタ皮膚由来ゼラチンA(CAS:9000−70−8)(5% w/v)(pHは2.5に調整)
溶液B:アセトンp.a.
溶液Q(0.1M):水/アセトン(1:2.57 v/v)中グルタルアルデヒド(1% w/v)
注:溶液Qは、水中GTA(25% w/v)を水/アセトン(1:3 v/v)で希釈することにより作製した。
ゼラチンのアミン基に対する架橋剤の比は1.1であった。
実験1
図4に図示される反応器システムを使用した。第1の混合ユニットは、図7(a)に図示されるような構造を有した。
反応器容積は2.4mLであった。反応器中の分割の数は70であった。チャネルの断面は1.0mmであった。
溶液Aは、原液を恒温マントルで加熱し、40℃で維持することによって高温で保たれた。溶液A、BおよびQは、表1に示される流量でシステムに供給された。これらの流れが反応器の入口に供給される時点から、混合された流れが第1のスプリッタに接触する時点までの期間も表1に示される。
各々の実施例において、反応チャネルから出る液体混合物は、乳状の懸濁液であった。これは非架橋ゼラチン系ナノ粒子の懸濁液が得られたことを示す。しかし、実施例1〜5では、反応器は短い時間の後に詰まり始めた。
結果として得られるナノ粒子懸濁液を、16時間置いてGTA架橋反応を完了させた。3〜4滴の溶液を、約1mLのmQ水に希釈し、動的光散乱(DLS)で分析した。その後、約5ml(懸濁液とほぼ等容積)のグリシン溶液(100mM)を添加して未反応のGTAをブロックした。ナノ粒子懸濁液は、ナノ粒子の遠心分離およびミリQ水への再懸濁のサイクルを用いて3回洗浄した。3回目の遠心分離の後、ナノ粒子をアセトンとミリQ水の混合物(1:3)に再懸濁し、凍結乾燥して乾燥粉末とした。
すべての流量はmL/分で表される。実施例1〜6では、ゼラチンA(溶液A)は、ゼラチンB(ウシ皮膚(CAS:9000−70−8))と交換された。ゼラチンAからのナノ粒子の製造の手順は同一であった。
表2に示されるように、混合効率は、溶液XおよびYを用いるVillermaux/Dushman法に従って各々の実施例において使用されたA+Bの流量合計について求められた。
溶液XおよびYの仕様
溶液X(脱塩水中):0.0319モル/L KI
0.0063モル/L KIO
0.0898モル/L HBO
0.0898モル/L NaOH
溶液Y(脱塩水中):0.015モル/L HSO
溶液XおよびYを、表2に示されるように1:1の流量比で反応器の中にポンプで送り込んだ。反応器の温度は22℃であった。反応器の流出物を、直接ポンプでUVセル(商標:Avantes、仕様を参照)に送って286nm(ピーク高さ)でのUV吸収を測定した。反応器およびUVセルは、内径0.02″の1.0メートル管に接続されていた。測定された吸光度は、混合効率に等しい。
UVセルの仕様:
Avantes(Avalight DHcおよびAvaSpec−ULS3648)
UVセル技術データ

ソフトウェア
AvaSpec(AvaSoft 7.5.3)用Windows(登録商標)95/98/2000/NT/ME/XP/Vista用スペクトロメーター・ソフトウェア・ヴァージョン7
表2に示されるように、各々の流量合計に対し、混合効率を求めた。表1および2を比較することにより、0.21よりも大きい混合効率をもたらす8.00の流量合計が、ゼラチンナノ粒子の調製のための比較的不安定な方法をもたらすことを見出すことができる。そのため、流量合計は、好ましくは混合効率が0.21よりも大きい、例えば少なくとも0.25であるように選択される。
実験2
図4に図示される反応器システムを使用した。第1の混合ユニットは、図7(b)に図示されるような構造を有する。第2の混合ユニットは、流れの分割および再結合のための構造を有していなかった。
反応器容積は3.0mLであった。反応器中の分割の数は135であった。チャネルの断面は1.0mmであった。
反応器の形式(分割および反応器容積の様々な形式)を除いて、この実験は実験1と同じ方法で実施した。
各々の実施例において、反応チャネルから出てくる液体混合物は乳状の懸濁液であった。このことは、非架橋ゼラチン系ナノ粒子の懸濁液が得られたことを示す。30回目の分割の後にすでに、液体混合物は乳状の懸濁液であった。
結果として得られるナノ粒子溶液を実験1と同じ方法で処理し、分析した。結果を表3に示す。
ナノ粒子分散体は安定した方法によって得られた。表3に示される流量に対する、この実験において使用される反応器の混合効率は、0.1〜1.5の間であると予測される。
実験3:バッチ実験:1.25g
1.25gのゼラチンAを、25mLのミリQ水に50℃で溶解させた。次に、25mLのアセトンを一度に添加し、溶液を1時間、室温まで放冷した。上清を廃棄し、残留物を25mlのミリQ水に再び溶解した。1N HClの添加によりpHを3.0に調整した。この溶液を50℃に加熱し、600rpmで撹拌した。75mLのアセトンを、1.76mL/分の流量で添加した。アセトンの添加が完了した後、4.125mLのグルタルアルデヒド(Gluteraldehyde)を添加し、溶液をさらに16時間撹拌した。3〜4滴の溶液を、約1mLのmQ水に希釈し、動的光散乱(DLS)で分析した。
実験4:バッチ実験:12.5g
12.5gのゼラチンAを、250mLのミリQ水に50℃で溶解させた。次に、250mLのアセトンを一度に添加し、溶液を1時間、室温まで放冷した。上清を廃棄し、残留物を250mlのミリQ水に再び溶解した。1N HClの添加によりpHを3.0に調整した。この溶液を50℃に加熱し、600rpmで撹拌した。750mLのアセトンを、17.6mL/分の流量で添加した。アセトンの添加が完了した後、41.25mLのグルタルアルデヒド(Gluteraldehyde)を添加し、溶液をさらに16時間撹拌した。3〜4滴の溶液を、約1mLのmQ水に希釈し、動的光散乱(DLS)で分析した。
ゼラチンナノ粒子のサイズおよびPDIは、回分法の製造の規模に応じて実質的に異なることを見出すことができる。PDIが非常に高いことが分かる。
実験5
図4に図示される反応器システムを使用した。混合ユニットは、図7(a)に図示される構造を有する。
ゼラチン溶液の濃度を除いて、実験は実験1と同じ方法で実施された。ゼラチン溶液の濃度は、表6に示されるように様々であった。
各々の実施例において、反応チャネルから出てくる液体混合物は乳状の懸濁液であった。このことは、非架橋ゼラチン系ナノ粒子の懸濁液が得られたことを示す。
結果として得られるナノ粒子溶液を実験1と同じ方法で処理し、分析した。結果を表6に示す。
実施例6−2は実施例1−2と同一である。

Claims (15)

  1. 混合要素をその中に含むプロセスチャネルを含む反応器におけるゼラチン系ナノ粒子の調製のための連続法であって、当該方法が、
    A)ゼラチン水溶液を第1の速度で、そして水混和性有機溶媒を第2の速度で、前記反応器の前記プロセスチャネルに、その中で混合されるように別々に供給して、非架橋ゼラチン系ナノ粒子の懸濁液を形成する段階と、
    B)前記非架橋ゼラチン系ナノ粒子を架橋する段階とを含み、
    前記第1の速度と前記第2の速度の合計が、Villermaux/Dushman法により測定される前記反応器の混合効率が0.1〜1.5の間であるように選択され、
    前記ゼラチン水溶液が前記反応器に供給される時点から、前記ゼラチン水溶液および前記有機溶媒の混合物が前記混合要素に接触する時点までの期間が最大で15秒である、方法。
  2. 前記第1の速度と前記第2の速度の合計が、Villermaux/Dushman法により測定される前記反応器の混合効率が0.25〜1.3の間、より好ましくは0.5〜1.0の間であるように選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ゼラチン水溶液が前記反応器に供給される時点から、前記混合物が前記混合器と接触する時点までの期間が、0.01〜10秒である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ゼラチン水溶液が、0.1〜18%(w/v)の前記ゼラチンを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 架橋剤の溶液が、段階B)において、前記架橋剤の前記ゼラチンの前記アミン基に対する比が、0.5〜2.0、好ましくは1.1〜1.3であるように供給される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記第2の速度の前記第1の速度に対する比が、2〜4の間、好ましくは2.75〜3.25の間である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記プロセスチャネルの断面が、0.5〜5mm、より好ましくは1〜3mmである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記混合要素が、少なくとも10回の流れの分割を提供する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記第1の速度と前記第2の速度の合計が、前記チャネルの断面(mm)あたり0.4〜4.0mL/分である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記ゼラチン溶液のpHが2〜4である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記有機溶媒が、メタノール、2−プロパノール、アセトニトリルおよびアセトンからなる群から選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記架橋剤が、ジアルデヒド、ホルムアルデヒド、イソシアネート、ジイソシアネート、カルボジイミドおよびアルキルジハライドからなる群から選択される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記ゼラチン系ナノ粒子が、薬学的に活性な化合物をさらに含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記ゼラチン水溶液および/または前記水混和性有機溶媒が、前記薬学的に活性な化合物を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記薬学的に活性な化合物が、前記非架橋ゼラチン系ナノ粒子の懸濁液の形成後に前記反応器に供給される、請求項14に記載の方法。
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