JP2014526429A - 有機テンプレートを用いずにリサイクル母液を使用してゼオライト材料を合成する方法 - Google Patents

有機テンプレートを用いずにリサイクル母液を使用してゼオライト材料を合成する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、YOおよびXを含むゼオライト材料を製造するための、有機テンプレートを用いない方法であって、前記方法が、
(1)種晶、1種類以上のYO供給源、1種類以上のX供給源および1種類以上の溶媒を含む混合物を調製する工程;
(2)工程(1)で得られる混合物を結晶化して、YOおよびXを含むゼオライト材料を結晶化生成物として得る工程
を含み;
Yが四価の元素であり、Xが三価の元素であり、
工程(2)で得られる母液の少なくとも一部が、場合により母液の濃縮後に、YO供給源として工程(1)に循環される、方法に関する。

Description

本発明は、有機テンプレートを用いずにゼオライト材料を製造する合成方法、ならびに、そのような方法から得ることができる、有機テンプレートを伴わない合成ゼオライト材料に関する。さらに、本発明は、そのような有機テンプレートを用いないから得ることができるゼオライト材料の使用に関する。
ゼオライトおよびゼオライト材料は、化合物の最大の分類を構成し、その独特な微孔構造ゆえに幅広い適用範囲を有する。盛んに、かつ詳しく研究されているゼオライト材料の例は、例えば、βゼオライト、すなわち、その骨格内にSiOおよびAlを含有するBEA骨格構造を有するゼオライトであり、立体12員環(12MR)細孔/チャネル系を有する、最も重要なナノ細孔触媒の1つと考えられる。それ自体は、石油精製および精製化工業に広く使用されている。さらに注目すべき例は、レビナイトであり、70面体の空洞に特徴づけられるLEV型骨格を示し、これらのゼオライトは、大細孔の容積についてその構造の恩恵を受けているが、構造は、8員環(8MR)小細孔の大きさでしかない。レビナイトの骨格密度は、近似した骨格構造を有する菱沸石(CHA)およびエリオン沸石(ERI)のものと同等である。そのような小細孔ゼオライトは、触媒用途における反応物分子に対してゼオライト特有の限定的な形状選択性を呈するため、重要である。さらに、大細孔の容積を有するそのような小細孔ゼオライトは、その吸着能力の大きさゆえに誘引性である。
そのような微孔骨格を達成するために、典型的には、テンプレート剤の存在下でゼオライトを合成するが、通常、小有機分子が有機テンプレートを指す。例えば、βゼオライトの最初の合成は、米国特許第3,308,069号明細書に初めて記載されており、テトラエチルアンモニウムカチオンを構造指向剤として使用した。後に、他の構造指向剤、例えば、米国特許第4,554,145号明細書のジベンジル−1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、または米国特許第4,642,226号明細書のジベンジルメチルアンモニウムによりβゼオライトの合成における使用が見出された。一方、レビナイト型ゼオライトは、外来の有機テンプレート、例えば、キヌクリジンをベースとしたテンプレートを構造指向剤として使用して調製され、その結果、典型的には、その合成は高額のコストを伴っていた。より低いコストの代替法は、水酸化ジエチルジメチルアンモニウムを構造指向剤として使用し、ジエチルジメチルアンモニウムカチオンを、有機テンプレートとして作用させる。例えば、米国特許第7,264,789(B1)号明細書は、LEV型ゼオライトを調製する方法を開示し、代用としてコリンおよびジエチルジメチルアンモニウムを有機テンプレートとして使用する。最近は、LEV型ゼオライトであるRUB−50が、Yamamotoら、Micropor.Mesopor.Mater.2009年、Vol.128、150〜157頁で報告されており、ジエチルジメチルアンモニウムカチオンを有機テンプレートとして使用して合成された。
これらのゼオライト材料の合成における、有機テンプレート化合物の使用には、テトラアルキルアンモニウム塩およびそこに用いられる他の有機化合物が、高価な精製化学物質であるという重大な欠点がある。これに加えて、生じた生成物は、その周囲で作り出されるゼオライトの骨格に被包される有機テンプレートを必然的に含有し、その結果、実用化に向けて材料の細孔容積を拡張するために、除去工程が必要になる。
これらの難点に加えて、有機テンプレート化合物の完全な除去は、困難なことが多く、通常、200〜930℃またはさらにそれ以上の範囲の温度である高温での焼成でしか達成されない可能性がある。この手順は、プロセスにおいて有機テンプレートが破壊されるのでリサイクルできずに生成コストを大幅に上昇させるだけではなく、生成時間もさらに延長させ、過剰なエネルギー消費を引き起こし、有害ガスおよび他の望ましくない廃棄物を生成する。最終的には、激しい熱処理は、製造を熱的に安定なゼオライト材料、特に高シリカゼオライト材料に結局限られる。有機テンプレートを除去するための、環境に配慮した焼成の代替法として、イオン交換法が開発されているが、正しくリサイクルされるのは有機テンプレートの一部でしかない恐れがあり、残りは、除去するにはゼオライト骨格と強く相互反応し過ぎている。
しかし、最近は、βゼオライトおよびレビナイトも、これまで常に構造指向剤として使用されていた有機テンプレートなしで調製できることが発見されている。したがって、Xieら、Chem.Mater.2008年、20、4533〜4535頁において、βゼオライトを合成する方法が示されており、βゼオライト種晶を使用したアルミノケイ酸塩ゲルの結晶化が実行されている。国際公開第2010/146156(A)号パンフレットにおいて、BEA骨格構造を有するゼオライト材料の有機テンプレートを用いない、特に、βゼオライトの有機テンプレートを伴わない合成について記載されている。一方、Majanoら、Chem.Mater.2009年、21、4184〜4191頁において、Si:Al比わずか3.9のAlリッチβゼオライト材料について議論がなされており、これは、有機テンプレートなしで、シーディングを用いる反応から得ることができる。レビナイトに関しては、有機テンプレートなしのシーディング指向合成が、Xieら、Chem.Commun.2011年、47、3945〜3947頁に記載されている。
米国特許第3,308,069号明細書 米国特許第4,554,145号明細書 米国特許第4,642,226号明細書 米国特許第7,264,789(B1)号明細書 国際公開第2010/146156(A)号パンフレット
Yamamotoら、Micropor.Mesopor.Mater.2009年、Vol.128、150〜157頁 Xieら、Chem.Mater.2008年、20、4533〜4535頁 Majanoら、Chem.Mater.2009年、21、4184〜4191頁 Xieら、Chem.Commun.2011年、47、3945〜3947頁
シーディング合成は、有機テンプレートを用いるかつての経路と比較して、いくつかの利点をもたらすが、有機テンプレートを用いないは、後者と比較して、収率が明らかにより低くなる。有機テンプレートを伴わないβゼオライトの合成において収率を上昇させる手段として、Majanoらは、ナノサイズのβゼオライト種晶の使用について記載している。これには、収率をある程度改善すると報告されているが、それにも関わらず、テンプレート化合成方法論によって達成される収率は、上回るどころか実現しない恐れがある。したがって、改善は、ゼオライト材料の合成において、コストがかかる有機テンプレートの使用を避けることについて行われるが、環境に配慮することだけではなく、生成時間およびコストの両方に関してテンプレート化方法論と実際に競合し得ることにより、効率的なゼオライト材料の生成方法を見出す必要が継続的にある。
したがって、本発明の目的は、有機テンプレートを伴わないゼオライト材料の合成のために、特に、有機テンプレートを伴わない合成材料の収率について改善した方法を提供することである。前記問題に関して、驚くべきことに、有機テンプレートを用いない方法において得られる少なくとも一部の母液をリサイクルすることにより、収率、特に全収率を、生成プロセスにおいて空時収率を著しく減少させずに改善できることが見出されている。
したがって、有機テンプレートを用いない方法の具体例において、反応生成物に含有される母液は、廃棄物を構成するだけではなく、実際には、全収率を改善するための合成方法において、生成物の特徴、特に、達成され得る結晶化度を損なうことなく、非常に多く再使用できることが思いがけずに発見されている。より具体的には、2回以上の結晶化工程を伴う方法において、全体で用いられる同一の成分を同一の量でそれぞれ使用し、本発明による母液の少なくとも一部を途中でリサイクルする、有機テンプレートを伴わない従来のワンポット合成方法と比較して、本発明の方法は、同等の品質の生成物をかなり高い収率で得ることがまったく思いがけずに見出されている。結果として、驚くべきことに、既知の方法の欠点を避けた、有機テンプレートを用いない方法を提供し、その結果、効率的かつコスト効果が高い手段、例えば、製造コストの点で、テンプレート化合成方法論と実際に競合できることで、有機テンプレートを用いないからきわめて有用なゼオライト材料が得られるということが見出された。具体的には、テンプレート化合成方法論において達成される収率が不十分なことを考慮すると、有機テンプレートを用いないの、環境に配慮した効果を実現するためにこれは決定的に重要であり、この効果は、先の文献で議論され、現在までにかなり損なわれている。
したがって、本発明は、YOおよびXを含むゼオライト材料を製造するための、有機テンプレートを用いない方法であって、前記方法が、
(1)種晶、1種類以上のYO供給源、1種類以上のX供給源および1種類以上の溶媒を含む混合物を調製する工程;
(2)工程(1)で得られる混合物を結晶化して、YOおよびXを含むゼオライト材料を結晶化生成物として得る工程
を含み;
Yが四価元素であり、Xが三価元素であり、
工程(2)で得られる母液の少なくとも一部が、場合により母液の濃縮後に、YO供給源として工程(1)循環(リサイクル)される、方法に関する。
本発明の方法によれば、工程(1)で得られ、工程(2)で結晶化される混合物が、YOおよびXを含むゼオライト材料の合成に特に使用される有機構造指向剤、具体的には、特定のテトラアルキルアンモニウム塩および/または関連した有機テンプレートよりも多く不純物を含有することは決してなく、さらに具体的には、テトラエチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、および/またはジベンジルメチルアンモニウム塩、ジベンジル−1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1−メチル−1−アゾニア−4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン、および/またはN−メチルキヌクリジニウムカチオンよりも多く不純物を含有しない。そのような不純物は、例えば、本発明の方法に使用される種晶に依然として存在する有機構造指向剤により生じ得る。しかし、種晶材料に含有される有機テンプレートは、種晶骨格内に閉じ込められ、ひいては構造指向剤に作用しない可能性があるので、本発明の意義の範囲内において、結晶化プロセスに関与しない可能性がある。
本発明の意義の範囲内において、「有機テンプレートを伴わない」合成方法は、それに使用される材料が、有機テンプレート材料を実質的に含まない合成方法に関し、合成方法に使用される1種類以上の材料に含有される1種類以上の有機テンプレートの量について、本発明に用いられる「実質的に」は、1種類以上の有機テンプレートの0.001wt.%以下、好ましくは0.0005wt.%以下、より好ましくは0.00001wt.%以下、より好ましくは0.000005wt.%以下、さらに好ましくは0.000001wt.%以下、またはそれ以下の量を指し示す。1種類以上の有機テンプレートの前記量は、合成方法に使用される材料のいずれか1つが少しでも存在する場合は、本発明の意義の範囲内において「不純物」または「微量」としても示され得る。さらに、「有機テンプレート」という用語および「有機構造指向剤」は、同義で本出願に使用されることに留意されたい。
本出願に用いられる「有機テンプレート」という用語は、ゼオライト材料のテンプレート媒介合成に適切な、考えられる任意の有機材料、好ましくは、LEV、BEA、MFI、ERI、およびそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される骨格構造を有するゼオライト材料、より好ましくは、LEVおよび/またはBEA骨格構造を有するゼオライト材料、より好ましくはLEVまたはBEA骨格構造を有するゼオライト材料を指し、さらに好ましくは、本出願に用いられる有機テンプレートは、βゼオライトおよび、またはRUB−50のテンプレート媒介合成に適切な、考えられる任意の有機材料を指す。そのような有機テンプレートは、特定のテトラアルキルアンモニウム塩および/または関連した有機テンプレート、例えばテトラエチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウムおよび/またはジベンジルメチルアンモニウム塩を含むが、決してそれらに限定されず、それにより、有機テンプレートは、例としてジベンジル−1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1−メチル−1−アゾニア−4−アザビシクロ[2.2.2]オクタンおよびN−メチルキヌクリジニウムカチオンをさらに含む。
本発明において使用される「ゼオライト材料」という用語は、一般的に、ゼオライトを含有する任意の材料を指す。好ましい意義によれば、ゼオライト材料という用語は、1種類以上のゼオライトを指す。本発明の文脈に関連した「ゼオライト」は、微小孔を含有する整然としたチャネルまたは籠構造を有する結晶性化合物である。本発明の文脈に使用されている「微小孔」という表現は、”Pure Applied Chemistry”(1976年)、Vol.45、71頁ff.、特に79頁において示されている定義と一致する。この定義によれば、微小孔は、直径2nm未満の細孔を有する細孔である。このようなゼオライトの網状組織は、酸素の共有結合を介して架橋したYOおよびXO四面体で作られる。既知の構造の外観は、例えば、W.M.Meier und D.H.Olson、”Atlas of Zeolite Structure Types”、Elsevier、4th Ed.、London 1996年に見出すことができる。微小孔に加えて、本発明によれば、ゼオライト材料は、メソ細孔および/または大孔も同様に含有できる。本発明の特に好ましい意義によれば、「ゼオライト」という用語は、1種類以上のアルミノケイ酸塩化合物を指し、したがって「ゼオライト材料」という用語は、1種類以上のゼオライトを含有する材料を指し、より好ましくは、1種類以上のゼオライト自体を指す。
さらに、骨格構造により形成される細孔および/または空洞に存在でき、一般に、ゼオライト材料には典型的な非骨格元素と対照的に、本発明の方法により得ることができるゼオライト材料において、YOおよびXは、ゼオライト材料の骨格構造に、構造構築元素として含まれる。
本発明の意義の範囲内において、「母液」という用語は、工程(2)から得られる反応混合物の液相を指し、その中の固体材料、具体的には、YOおよびXを含むゼオライト材料が、固体残渣および/または懸濁粒子の形態で含有される。本発明の特に好ましい意義によれば、「母液」という用語は、工程(2)における結晶化直後に得られる反応混合物の液相を指し、いかなる処置も施されていない、または場合により、その少なくとも一部を工程(1)へとリサイクルする前に濃縮されている。具体的には、本発明の好ましい意義によれば、「母液の処理」は、液相のみを指し、母液と共に反応混合物に含有される固体を指さず、その結果、母液から反応混合物に含有される固体材料の少なくとも一部を分離する任意選択の工程は、好ましくは母液の処理自体を構成しない。より具体的には、本発明によれば、「母液」という用語は、工程(2)から得られる反応混合物の液相のみを指し、反応混合物に同様に含有されるいかなる固体物質も含まず、「固体物質」という用語は、固相の任意の物質、具体的には、反応混合物に含有される固体残渣および/または懸濁粒子を主に指すことが好ましい。
本発明によれば、工程(2)でゼオライト材料を結晶化する。前記材料はYOを含み、Yは、考えられる任意の四価元素を意味し、Yは1つまたはいくつかの四価元素を意味する。本発明によれば、好ましい四価元素には、Si、Sn、Ti、ZrおよびGe、ならびにそれらの2つ以上の組み合わせが含まれる。より好ましくは、Yは、Si、TiもしくはZr、または前記四価元素の任意の組み合わせ、さらに好ましくは、Siおよび/またはSnを意味する。本発明によれば、YはSiを意味することが特に好ましい。
したがって、本発明の好ましい実施形態によれば、Yは、Si、Sn、Ti、Zr、Ge、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、Yは、より好ましくはSiである。
さらに、本発明の方法によれば、工程(1)で、1種類以上のYO供給源を、考えられる任意の形態で得ることができるが、ただし、YOを含むゼオライト材料を、工程(2)で結晶化できることが条件である。好ましくは、YOは、それ自体として、および/もしくはYOを化学部分として含む化合物として、ならびに/または本発明のプロセス中にYOへと(部分的にまたは完全に)化学変換される化合物として得られる。
本発明の好ましい実施形態において、Yは、SiまたはSiと1種類以上のさらなる四価元素の組み合わせを意味し、好ましくは工程(1)で得られるSiOの供給源は、考えられる任意の供給源にすることができる。したがって、例えば、任意の種類のシリカおよび/またはシリケート、好ましくはヒュームドシリカ、シリカヒドロゾル、反応性非晶質固体シリカ、シリカゲル、ケイ酸、水ガラス、ナトリウムメタケイ酸水和物、セスキケイ酸塩もしくは二ケイ酸塩、コロイドシリカ、熱分解法シリカ、ケイ酸エステルもしくはテトラアルコキシシラン、またはこれらの化合物の少なくとも2つの混合物が使用できる。本発明の方法の特に好ましい実施形態によれば、1種類以上のSiO供給源は、シリカおよび/または水ガラス、より好ましくはヒュームドシリカ、ケイ酸ナトリウムおよび/またはケイ酸カリウムの1つまたは複数を含む。1種類以上のSiO供給源が、ヒュームドシリカおよび/またはケイ酸ナトリウムを含み、特に好ましい実施形態によれば、SiO供給源はシリカおよび/またはケイ酸ナトリウムであることがさらに好ましい。
したがって、本発明によれば、1種類以上のYO供給源は、1種類以上のシリカおよび/またはシリケート、より好ましくはシリカおよび/または水ガラス、より好ましくは、ヒュームドシリカ、ケイ酸ナトリウムおよび/またはケイ酸カリウム、より好ましくはヒュームドシリカおよび/またはケイ酸ナトリウムの1つまたは複数を含み、さらに好ましくは、YO供給源が、シリカおよび/またはケイ酸ナトリウムであることが好ましい。
本発明の方法の特に好ましい実施形態によれば、工程(1)による混合物は、1種類以上のSiO供給源を含み、前記供給源は、好ましくはシリカを含み、より好ましくはヒュームドシリカが好ましい。特に好ましいさらなる実施形態によれば、工程(1)で得られる1種類以上のSiO供給源は、シリカに加えて1種類以上のシリケート、好ましくは1種類以上のケイ酸アルカリ金属塩およびシリカ、より好ましくは水ガラスおよびコロイドシリカ、より好ましくはケイ酸ナトリウムおよび/またはケイ酸カリウムならびにコロイドシリカ、さらに好ましくはケイ酸ナトリウムおよびコロイドシリカを含む。
本発明によれば、工程(2)で結晶化されるゼオライト材料は、Xをさらに含み、Xは、考えられる任意の三価元素を意味し、Xは、1つまたはいくつかの三価元素を意味する。本発明による好ましい三価元素には、Al、B、InおよびGa、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。より好ましくは、Xが、Al、BもしくはInまたは前記三価元素の任意の組み合わせを意味し、さらに好ましくは、Alおよび/またはBを意味する。本発明によれば、XはAlを意味することが特に好ましい。
したがって、本発明の方法によれば、工程(1)で、1種類以上のX供給源も得られる。一般に、Xは、考えられる任意の形態で得ることができるが、ただし、Xを含むゼオライト材料が、工程(2)で結晶化できることが条件である。好ましくは、Xは、それ自体として、および/もしくは、Xを化学部分として含む化合物として、ならびに/または本発明のプロセス中にXへと(部分的にまたは完全に)化学変換する化合物として得られる。
本発明の好ましい実施形態において、Xは、AlまたはAlと1種類以上のさらなる三価元素の組み合わせを意味し、工程(1)で得られるAl供給源は、考えられる任意の供給源であってよい。例えば、任意の種類のアルミナおよびアルミン酸塩、アルミニウム塩、例えば、アルミン酸アルカリ金属塩、アルミニウムアルコレート、例えば、アルミニウムトリイソプロピレート、もしくはアルミナ水和物、例えば、アルミナ三水和物、またはそれらの混合物が使用できる。好ましくは、Al供給源は、アルミナおよびアルミン酸塩、好ましくはアルミン酸塩、より好ましくはアルカリ金属アルミン酸塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含み、さらに好ましくは、アルミン酸塩のアルカリ金属が、アルカリ金属Mの1つまたは複数を含む。好ましいアルカリ金属アルミン酸塩のうち、少なくとも1つの供給源が、好ましくはアルミン酸ナトリウムおよび/またはアルミン酸カリウム、より好ましくはアルミン酸ナトリウムを含む。本発明の特に好ましい実施形態において、Al供給源は、アルミン酸ナトリウムである。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、Xは、BまたはBと1種類以上のさらなる三価元素の組み合わせを意味し、工程(1)で得られるB供給源を、やはり、考えられる任意の供給源であってよい。例として、遊離ホウ酸および/もしくはホウ酸塩ならびに/またはホウ酸エステルは、B供給源、例えば、トリエチルホウ酸塩またはトリメチルホウ酸塩として得ることができる。
本発明の方法の特に好ましい実施形態によれば、工程(1)による混合物は、YO供給源として少なくとも1つのシリカを含み、X供給源として少なくとも1つのアルミン酸塩を含み、より好ましくは、少なくとも1つのヒュームドシリカおよび/または少なくとも1つのアルミン酸アルカリ金属塩を含み、前記好ましい実施形態のアルカリ金属は、好ましくは、ナトリウムおよび/またはカリウム、より好ましくはナトリウムを含み、アルカリ金属は、さらに好ましくはナトリウムである。本発明の方法の、特に好ましいさらなる実施形態によれば、工程(1)による混合物は、YO供給源として、1種類以上のシリケートに加えて1種類以上のシリカを含み、X供給源として少なくとも1つのアルミン酸塩を含み、好ましくは1種類以上のケイ酸アルカリ金属塩、シリカおよび1種類以上のアルミン酸アルカリ金属塩、より好ましくは、水ガラス、コロイドシリカならびにケイ酸ナトリウムおよび/またはケイ酸カリウム、より好ましくはケイ酸ナトリウムおよび/またはケイ酸カリウム、コロイドシリカならびにケイ酸ナトリウム、さらに好ましくはケイ酸ナトリウム、コロイドシリカおよびケイ酸ナトリウムを含む。
したがって、本発明によれば、1種類以上のX供給源は、1種類以上のアルミン酸塩、好ましくはアルミン酸ナトリウムおよび/またはアルミン酸カリウム、ならびに、より好ましくはアルミン酸ナトリウムを含み、さらに好ましくは、X供給源はアルミン酸ナトリウムであることが好ましい。
一般に、本発明によれば、工程(1)で得られる混合物のYO:Xモル比は、考えられる任意の値をとることができるが、ただし、YOおよびXの両方を含むゼオライト材料を、工程(2)で結晶化していることが条件である。一般的に、モル比は、0.5から300の任意の範囲である。しかし、本発明によれば、工程(1)で得られる混合物のYO:Xモル比は、1から200、より好ましくは5から150、より好ましくは10から120、さらに好ましくは15から100の範囲に含まれることが好ましい。本発明の方法によれば、工程(1)で得られる混合物のYO:Xモル比は、20から90の範囲に含まれることが特に好ましい。
したがって、本発明の好ましい実施形態によれば、工程(1)よる混合物のYO:Xモル比は、0.5から300、好ましくは1から200、より好ましくは5から150、より好ましくは10から120、より好ましくは15から100、さらに好ましくは20から90の範囲である。
本発明の特に好ましい実施形態によれば、工程(1)による混合物のYO:Xモル比は40から150、より好ましくは50から120、より好ましくは60から100、さらに好ましくは70から85の範囲に含まれる。あるいは、本発明の方法の、特に好ましいさらなる実施形態によれば、工程(1)よる混合物のYO:Xモル比は、5から65、より好ましくは10から50、より好ましくは15から40、より好ましくは20から30、さらに好ましくは23から25の範囲に含まれる。
本発明のさらに好ましい実施形態において、本発明の方法により、得られる、および/もしくは得ることができるゼオライト材料、ならびに/または本発明の材料自体は、少なくとも1つのアルカリ金属M、好ましくはナトリウムおよび/またはカリウム、より好ましくはナトリウムを含む。アルカリ金属は、本発明の方法の、考えられる任意の段階で加えることができ、好ましくは工程(1)でも加えられる。より好ましくは、工程(2)で得られるYOおよびXを含むゼオライト材料に含まれるアルカリ金属の全量が、本発明の方法の工程(1)で加えられる。本発明の方法の特に好ましい実施形態において、アルカリ金属は、部分的にまたは完全に、工程(1)で得られる1種類以上のYOおよび/またはX供給源、好ましくは少なくとも1つのX供給源に含有される。本発明の特に好ましい代替実施形態によれば、アルカリ金属、および好ましくはナトリウムが、1種類以上のYO供給源、および1種類以上のX供給源の両方に完全に含有される。
本発明の方法によれば、工程(1)で得られる混合物は、1種類以上の水酸化物アニオンOH供給源を含有できる。一般に、考えられる任意のOH供給源を使用でき、少なくとも1つの供給源が、好ましくは金属水酸化物、より好ましくはアルカリ金属Mの水酸化物、より好ましくは水酸化ナトリウムおよび/またはカリウム、さらに好ましくは水酸化ナトリウムを含む。本発明の方法の好ましい実施形態において、混合物は、YO供給源としてシリケートおよび/またはX供給源としてアルミン酸塩を含み、混合物は、OH供給源を含有せず、特に水酸化物、好ましくは金属水酸化物、より好ましくはアルカリ金属Mの水酸化物、より好ましくは水酸化ナトリウムおよび/またはカリウム、さらに好ましくは水酸化ナトリウムを含有しないことが特に好ましい。
本発明の方法によれば、種晶は工程(1)で得られ、前記種晶は、好ましくは1種類以上のゼオライト材料を含む。したがって、一般に、考えられる任意の種類の種晶を、本発明の方法の工程(1)で得ることができるが、ただし、YOおよびXを含むゼオライト材料が、結晶化生成物として工程(2)で得られることが条件である。本発明の特に好ましい実施形態によれば、工程(1)で得られる種晶は、ゼオライト材料、好ましくはYOおよびXを含むゼオライト材料を含み、より好ましくはYOおよびXを含むゼオライト材料は得ることができ、かつ/または得られ、好ましくは有機テンプレートを用いない方法から得られ、好ましくは本発明の方法により得られる。
したがって、本発明によれば、種晶は、YOおよびXを含む1種類以上のゼオライト材料を含み、得ることができ、かつ/または得られ、好ましくは有機テンプレートを用いない方法から得られることが好ましい。
本発明の好ましい実施形態によれば、種晶は、1種類以上のゼオライト材料を含み、含有され得るゼオライトの数および種類に関して、やはり一般的な制約はない。したがって、原則として、考えられる任意の種類のゼオライトの骨格構造を有するゼオライトは、種晶に含有される可能性があり、LEV、BEA、MFI、ERI、およびそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される骨格構造を有するゼオライトが好ましい。さらに好ましい実施形態によれば、種晶に含まれる1種類以上のゼオライト材料は、LEVおよび/またはBEA骨格構造を有し、種晶に含まれる1種類以上のゼオライト材料が、LEVまたはBEA骨格構造を有することが特に好ましい。
したがって、本発明の好ましい実施形態によれば、工程(1)で得られる種晶は、LEV、BEA、MFI、ERI、およびそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される骨格構造を有する1種類以上のゼオライト材料を含み、好ましくは、種晶に含まれる1種類以上のゼオライト材料は、LEVおよび/またはBEA骨格構造、より好ましくはLEVまたはBEA骨格構造を有する。
本発明のそのような好ましい実施形態によれば、種晶は、LEV骨格構造を有する1種類以上のゼオライト材料を含み、LEV骨格構造を有し、含有され得るゼオライト材料の数および種類に関して、細かい制約はないが、ただし、YOおよびXを結晶化生成物として含むゼオライト材料が、工程(2)で得ることができることが条件である。したがって、例として、種晶に含まれるLEV骨格構造を有する1種類以上のゼオライトは、レビナイト、LZ−132、NU−3、RUB−1、SAPO−35、ZK−20、ZSM−45、RUB−50およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択できる。それらの特に好ましい実施形態によれば、LEV骨格構造を有する1種類以上のゼオライト材料は、RUB−50を含み、さらに好ましくは、種晶に含まれるLEV骨格構造を有するゼオライト材料は、RUB−50である。
あるいは、本発明のそれらの好ましい実施形態によれば、種晶は、BEA骨格構造を有する1種類以上のゼオライト材料を含み、BEA骨格構造を有し、含有され得るゼオライト材料の数および種類に関して、やはり細かい制約はないが、ただし、YOおよびXを結晶化生成物として含むゼオライト材料を、工程(2)で得ることができることが条件である。したがって例として、種晶に含まれるBEA骨格構造を有する1種類以上のゼオライト材料は、βゼオライト、[B−Si−O]−BEA、[Ga−Si−O]−BEA、[Ti−Si−O]−BEA、Alリッチβ、CIT−6、ツァーニック沸石、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択できる。それらの特に好ましい実施形態によれば、BEA骨格構造を有する1種類以上のゼオライト材料は、βゼオライト、Alリッチβ、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1種類以上のゼオライトを含み、BEA骨格構造を有する1種類以上のゼオライト材料が、βゼオライトを含み、ゼオライト材料が、種晶に含まれるBEA骨格構造を有し、さらに好ましくはβゼオライトであることが好ましい。
本発明の方法によれば、任意の適切な量の種晶は、工程(1)による混合物において得ることができるが、ただし、YOおよびXを含むゼオライト材料を、工程(2)で結晶化することが条件である。したがって、例として、工程(1)による混合物に含有される種晶の量は、工程(1)で得られる、少なくとも1つのYO供給源に含有されるYO 100wt.%を基準として、0.01から30wt.%の任意の範囲であってよい。しかし、本発明によれば、工程(1)で得られる種晶の量は、少なくとも1つのYO供給源に含有されるYO 100wt.%を基準として、0.1から20wt.%の範囲であることが好ましく、より好ましくは、種晶の量は、0.5から10wt.%、より好ましくは1から8wt.%、より好ましくは2から6wt.%の範囲である。本発明の特に好ましい実施形態によれば、種晶の量は、3から5wt.%の範囲に含まれる。
したがって、本発明の方法によれば、工程(1)による混合物における種晶の量は、少なくとも1つのYO供給源におけるYO 100wt.%を基準として、0.01から30wt.%、好ましくは0.1から20wt.%、より好ましくは0.5から10wt.%、より好ましくは1から8wt.%、より好ましくは2から6wt.%、さらに好ましくは3から5wt.%の範囲であることが好ましい。
本発明による工程(1)において、混合物は、考えられる任意の手段により調製でき、かき混ぜ、好ましくは撹拌する手段による混合が好ましい。
本発明によれば、本発明の方法の工程(1)による混合物は、1種類以上の溶媒をさらに含む。この点において、考えられる任意の溶媒を、考えられる任意の量で使用できるが、ただし、YOおよびXを含むゼオライト材料を、工程(2)で結晶化できることが条件である。好ましくは、1種類以上の使用される溶媒は、水、より好ましくは蒸留水を含む。特に好ましい実施形態によれば、1種類以上の溶媒は、1種類以上の有機溶媒、好ましくは1種類以上のアルコール、より好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール、およびそれらの混合物からなる群から選択される1種類以上のアルコール、より好ましくはメタノールおよび/またはエタノール、さらに好ましくはエタノールに加えて、水、好ましくは蒸留水を含む。特に好ましい前記実施形態によれば、水、および溶媒に含まれる1種類以上の有機溶媒成分100wt.%を基準として、前記水性混合物が、1種類以上の有機溶媒0.05から50wt.%、好ましくは0.1から25wt.%、より好ましくは0.5から10wt.%、より好ましくは1から5wt.%、さらに好ましくは2から4wt.%含有することがさらに好ましい。特に好ましい代替実施形態によれば、水のみ、および好ましくは蒸留水のみが、工程(1)による混合物に溶媒として含有される。
したがって、本発明の好ましい実施形態によれば、工程(1)による混合物における1種類以上の溶媒は、水、好ましくは蒸留水を含み、場合により、1種類以上の有機溶媒、好ましくは1種類以上のアルコール、より好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノールおよびそれらの混合物からなる群から選択される1種類以上のアルコール、より好ましくはメタノールおよび/またはエタノール、さらに好ましくはエタノールへの添加を含む。
工程(1)による混合物において得られる1種類以上の溶媒に関しては、任意の適切な量で混合物に使用できるが、ただし、YOおよびXを含むゼオライト材料を、工程(2)で結晶化できることが条件である。したがって、例として、工程(1)で得られる混合物のHO:YO、YOモル比は、工程(1)で得られる少なくとも1つのYO供給源に含有されるYOのモル量を意味し、5から200の任意の範囲であってよい。しかし、本発明によれば、混合物のHO:YOモル比は、10から100の範囲であることが好ましく、より好ましくは、モル比は、15から50の範囲に含まれる。特に好ましい実施形態によれば、工程(1)で得られる混合物のHO:YOモル比は、20から40の範囲である。
したがって、本発明の方法において、工程(1)による混合物のHO:YOモル比は、5から200、好ましくは10から100、より好ましくは15から50、さらに好ましくは20から40の範囲であることが好ましい。
本発明の好ましい実施形態のうち、工程(1)で得られる混合物のHO:YOモル比は、25から50、好ましくは30から40、さらに好ましくは33から37の範囲に含まれることがさらに好ましい。あるいは、本発明の方法によれば、混合物のHO:YOモル比は、15から30、好ましくは17から25、さらに好ましくは20から22の範囲に含まれることがさらに好ましい。
本発明の方法の好ましい実施形態において、工程(1)による混合物は、工程(2)で結晶化したゼオライト材料の骨格構造において、Y原子および/またはX原子の少なくとも一部を同形置換するために適切な1種類以上の元素の、1種類以上の供給源をさらに含む。一般に、考えられる任意の元素を使用できるが、ただし、元素が、同形置換を経て、ゼオライトの骨格構造に効率的に置換されることが条件である。好ましい実施形態において、1種類以上の元素は、B、Fe、Ti、Sn、Ga、Ge、Zr、V、Nb、Cu、Co、Cr、Ni、Zn、Li、Beおよびそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択され、1種類以上の元素は、Ti、Cu、Feおよびそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択されることがさらに好ましい。特に好ましい実施形態によれば、工程(1)による混合物は、同形置換に適切な1種類以上の元素を含み、前記1種類以上の元素はFeおよび/またはCuを含み、好ましくは1種類以上の元素はFeおよび/またはCuである。
したがって、本発明は、有機テンプレートを伴わずYOおよびXを含むゼオライト材料を調製するためのワンポット合成手順も提供し、好ましくは、有機テンプレートを伴わないゼオライト材料は、同形置換されるが、前記同形置換は、存在する骨格の合成後の処理を伴う従来の方法によっては達成されず、骨格元素は処理され、その結果、他の原子と置き換えられ、次いで生じた骨格構造に含有される。具体的には、本発明の方法によれば、同形置換した骨格構造を生成するために、存在する骨格原子を除去する必要はない。
一般に、本発明の方法の工程(1)によれば、YOのモル比において、YOは、工程(1)で得られる少なくとも1つのYO供給源に含有されるYOのモル量を意味し、考えられる任意の値をとることができる、同形置換に適切な元素、または1つもしくは複数の元素の合計を指し、好ましくは、モル比は、3から300、好ましくは10から200、より好ましくは30から150、より好ましくは40から100、さらに好ましくは50から90の範囲である。
一般に、本発明の方法による工程(1)の混合物を得るための単一成分は、任意の順番で加えることができるが、ただし、工程(2)で、YOおよびXを含むゼオライト材料を、工程(1)の混合物から結晶化することが条件である。これは、例えば、溶媒、および少なくとも1つのX供給源の添加、続いて、少なくとも1つのYO供給源の添加に伴うことができ、その後、種晶が混合物に加えられるのみである。あるいは、溶媒および少なくとも1つのX供給源の添加は、最初であり、続いて種晶が添加され、その後は、少なくとも1つのYO供給源が加えられるのみである。同形置換に適切な少なくとも1つの元素の少なくとも1つの供給源は、場合により工程(1)で得られた混合物に存在し、いずれの時点で加えることもできるが、ただし、Yに対して、および/またはXに対して同形置換した骨格構造を有するゼオライト材料が、工程(2)で、混合物から結晶化されることが条件である。
一般に、本発明の方法による工程(2)は、考えられる任意の手段で実行できるが、ただし、YOおよびXを含むゼオライト材料を、工程(1)による混合物から結晶化することが条件である。混合物は、任意の種類の容器において結晶化され、かき混ぜる手段が場合により用いられ、好ましくは容器の回転および/または撹拌、ならびにより好ましくは混合物の撹拌による手段が用いられる。本発明の方法によれば、工程(2)の結晶化も、静止状態下で実行できる。
本発明の方法によれば、混合物は、好ましくは、工程(2)の結晶化プロセスの少なくとも一部の間に加熱される。一般に、考えられる任意の結晶化の温度で混合物を加熱できるが、ただし、YOおよびXを含むゼオライト材料を、混合物から結晶化することが条件である。したがって、例として、工程(2)の混合物を、80から250℃の範囲の任意の温度である温度に加熱できる。しかし、本発明によれば、温度は、90から180℃、より好ましくは100から160℃の範囲に含まれることが好ましい。特に好ましい実施形態によれば、工程(2)の結晶化プロセスは、混合物を、110から150℃の範囲に含まれる温度に加熱することを伴う。
したがって、本発明の方法によれば、工程(2)の結晶化は、好ましくは80から250℃、より好ましくは90から180℃、より好ましくは100から160℃、さらに好ましくは110から150℃の範囲の温度で、混合物の加熱を伴うことが好ましい。
本発明の方法の工程(2)における好ましい加熱は、YOおよびXを含むゼオライト材料の結晶化に適切な、考えられる任意の手段で実行できる。一般に、加熱は、結晶化する所定の温度で実行できる、または異なる温度の間で変動させることができる。好ましくは、結晶化の温度に到達するためにヒートランプを使用し、加熱率は、好ましくは、10から100℃/h、より好ましくは20から70℃/h、より好ましくは25から60℃/h、より好ましくは30から50℃/h、さらに好ましくは35から45℃/hの範囲である。
本発明の好ましい実施形態において、工程(2)で、工程(1)による混合物に、通常の圧力に対して上昇した圧力をかける。本発明の文脈に使用されている「通常の圧力」という用語は、理想的な事例において、101,325Paの圧力に関する。しかし、この圧力は、当業者に既知の境界内で変動し得る。例として、この圧力は、95,000から106,000、または96,000から105,000、または97,000から104,000、または98,000から103,000、または99,000から102,000Paの範囲になり得る。
本発明の方法において、溶媒は、工程(1)による混合物に存在し、工程(2)における加熱は、ソルボサーマル条件下で実行されることが好ましく、例えば、ソルボサーマル条件を発生させるのに適したオートクレーブまたは他の結晶化容器において、加熱を実行することにより使用される溶媒の自己圧力下で混合物を結晶化することを意味する。特に好ましい実施形態において、溶媒は水、好ましくは蒸留水を含み、したがって工程(2)における加熱は、好ましくは、熱水条件下で実行される。
したがって、本発明による好ましい実施形態において、工程(2)における結晶化は、ソルボサーマル条件下、好ましくは熱水条件下で実行される。
結晶化のために、本発明において使用できる装置は、特に制約されていないが、ただし、結晶化プロセスに望ましいパラメータを、特に、細かい結晶化条件を必要とする好ましい実施形態に対して実現できることが条件である。ソルボサーマル条件下で実行される好ましい実施形態において、任意の種類のオートクレーブまたは分解容器を使用でき、テフロン(登録商標)引きの装置が好ましい。
一般に、本発明の方法の工程(2)における結晶化プロセスの継続期間は、特に限定されないが、ただし、YOおよびXを含むゼオライト材料が、結晶化生成物として工程(2)で得ることができることが条件である。工程(1)による混合物の加熱を伴う好ましい実施形態において、前記結晶化プロセスは、好ましくは、5から200hの範囲の期間にわたり実行され、より好ましくは、加熱の継続期間は、20から160h、より好ましくは60から140h、さらに好ましくは100から130hの範囲である。あるいは、本発明の特に好ましい実施形態によれば、特に、本発明の詳細な、および好ましい実施形態によれば、工程(1)で得られる種晶に含まれる1種類以上のゼオライト材料は、BEA骨格構造を有し、工程(2)における加熱の継続期間は、好ましくは12から30h、より好ましくは15から25h、さらに好ましくは18から20時間の範囲である。特に好ましい前記実施形態において、種晶は、BEA骨格構造を有する1種類以上のゼオライト材料を含み、混合物の加熱は、125から160℃、より好ましくは130から150℃、さらに好ましくは135から145℃の範囲に含まれる温度で実行されることがさらに好ましい。
本発明の好ましい実施形態によれば、混合物は工程(2)で加熱され、前記加熱は、全体またはその1つまたは複数部分のみの結晶化プロセス中に実行できるが、ただし、YOおよびXを含むゼオライト材料を結晶化することが条件である。好ましくは、全体の結晶化の継続期間中に、加熱を実行する。
一般に、本発明の方法は、場合により、工程(1)で得られた混合物から、工程(2)で結晶化されるYOおよびXを含むゼオライト材料の、詳細調査ならびに/または物理および/もしくは化学変換のためのさらなる工程を含むことができる。結晶化した材料は、例えば、任意の順序の単離および/または洗浄手順および/または乾燥手順および/または焼成手順および/またはイオン交換処理を施すことができ、工程(2)の結晶化から得られるゼオライト材料に、好ましくは、少なくとも1回の単離および少なくとも1回の洗浄手順を施す。本発明の意義の範囲内において、「単離」という用語は、ゼオライト材料の分離を指し、したがって、本発明で定義した「分離」または「分離する」工程を指す。
したがって、本発明によれば、本発明の方法は、
(3)工程(2)で得られる母液からゼオライト材料の少なくとも一部を分離する工程
の1つまたは複数をさらに含むことが好ましい。
本発明の方法の好ましい実施形態の工程(3)において、考えられる任意の手段により、母液からゼオライト材料を分離でき、例として濾過、限外濾過、血液透析濾過、遠心分離および/またはデカンテーション法の任意の手段を、それらの2つ以上の組み合わせを含めて用いることができる。さらに、濾過方法は、吸引および/または圧力濾過工程を伴うことがある。本発明の特に好ましい実施形態によれば、工程(3)における分離は、単一または複数の濾過工程を含み、より好ましくは、濾過により、工程(3)で分離が達成される。
したがって、工程(2)における母液からゼオライト材料の少なくとも一部を分離する工程(3)をさらに含む、本発明の好ましい実施形態によれば、ゼオライト材料またはその一部は、濾過、遠心分離および/またはデカンテーション法の単一または複数の工程により、好ましくは単一または複数の濾過工程により母液から分離することがさらに好ましい。
単一または複数の任意選択の洗浄手順に対して、考えられる任意の溶媒を使用できる。使用できる洗浄剤は、例えば、水、アルコール、例えばメタノール、エタノールもしくはプロパノール、またはそれらの2つ以上の混合物である。混合物の例は、2つ以上のアルコールの混合物、例えば、メタノールおよびエタノール、またはメタノールおよびプロパノール、またはエタノールおよびプロパノール、またはメタノールおよびエタノールおよびプロパノール、または水および少なくとも1つのアルコールの混合物、例えば、水およびメタノール、または水およびエタノール、または水およびプロパノール、または水およびメタノールおよびエタノール、または水およびメタノールおよびプロパノール、または水およびエタノールおよびプロパノール、または水およびメタノールおよびエタノールおよびプロパノールである。水、または水および少なくとも1つのアルコール、好ましくは水およびエタノールの混合物が好ましく、蒸留水は、洗浄剤としてのみ、特に好ましい。
好ましくは、標準的なガラス電極を用いて測定して、洗浄剤、好ましくは洗浄水のpHが6から8、好ましくは6.5から7.5の範囲になるまで、分離したゼオライト材料を洗浄する。
さらに、本発明の方法は、場合により、単一または複数の乾燥させる工程を含むことができる。一般に、考えられる任意の乾燥手段を使用できる。好ましくは、乾燥手順は、YOおよびXを含むゼオライト材料の加熱および/または真空適用を含む。想定される本発明の実施形態において、単一または複数の乾燥工程は、ゼオライト材料の噴霧乾燥、好ましくは噴霧造粒を伴うことができる。
少なくとも1つの乾燥工程を含む実施形態において、乾燥温度は、好ましくは25℃から150℃、より好ましくは60から140℃、より好ましくは70から130℃の範囲であり、さらに好ましくは75から125℃の範囲である。乾燥の継続期間は、好ましくは、2から60h、より好ましくは6から48時間の範囲であり、さらに好ましくは12から24hの範囲である。
本発明の方法によれば、工程(2)で結晶化したゼオライト材料を、場合により、少なくとも1つのイオン交換手順の工程を施すことができ、本発明による「イオン交換」という用語は、一般的には、ゼオライト材料に含有される非骨格イオン元素および/または分子を指す。好ましくは、非骨格イオン元素は、工程(2)から得られるYOおよびXを含むゼオライト材料に好ましくは含まれる、単一または複数のアルカリ金属Mの1つまたは複数を含む。
YOおよびXを含むゼオライト材料の合成に特に使用される有機構造指向剤、特に、特定のテトラアルキルアンモニウム塩および/または関連する有機テンプレート、さらに具体的には、テトラエチルアンモニウム、チエチルジメチルアンモニウムおよび/またはジベンジルメチルアンモニウム塩、ジベンジル−1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1−メチル−1−アゾニア−4−アザビシクロ[2.2.2]オクタンおよび/またはN−メチルキヌクリジニウムカチオンよりも多く不純物を含有しない有機構造指向剤以外にも、一般に、あらゆる可能なイオン元素および/または分子を用いた、考えられる任意のイオン交換手順を、ゼオライト材料に実行することができる。好ましくはH、NH 、Sr、Zr、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ru、Rh、Pd、Ag、Os、Ir、Pt、Auおよびそれらの2つ以上の混合物からなる群から、より好ましくはH、NH4、Sr、Cr、Fe、Co、Ni、Cuおよびそれらの2つ以上の混合物からなる群から、さらに好ましくは、H、NH 、Fe、Cuおよびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される、少なくとも1つのカチオンおよび/またはカチオン元素を、イオン元素として用いる。好ましくは、ゼオライト材料は、最初にHおよび/またはNH と、より好ましくはNH とイオン交換し、その後さらなるイオン交換手順を施し、より好ましくは、Sr、Zr、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ru、Rh、Pd、Ag、Os、Ir、Pt、Auおよびそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から、より好ましくはSr、Cr、Fe、Co、Ni、Cuおよびそれらの2つ以上の混合物から選択される少なくとも1つのカチオンおよび/またはカチオン元素とのイオン交換を施し、さらに好ましくは、少なくとも1つのカチオンおよび/またはカチオン元素が、Cuおよび/またはFeを含む、またはそれらからなる。
一般に、本発明の方法に含まれる、任意選択の分離および/または洗浄および/または乾燥および/または焼成および/またはイオン交換手順が、考えられる任意の順番で実行でき、1回または複数回繰り返すことができる。
したがって、本発明の好ましい実施形態によれば、ゼオライト材料の少なくとも一部を工程(2)における母液から分離する工程(3)をさらに含み、本発明の方法は、好ましくは、
(4)ゼオライト材料を洗浄する工程、
および/または
(5)ゼオライト材料を乾燥および/または焼成する工程、
および/または
(6)ゼオライト材料に単一または複数のイオン交換処理を施す工程
の1または複数をさらに含み、
工程(4)および/または(5)および/または(6)を任意の順番で実行することができ、
1つまたは複数の前記工程が、好ましくは、1回または複数回繰り返される。
好ましくは、本発明の方法は、母液から、工程(2)により結晶化したゼオライト材料の少なくとも一部を、より好ましくは濾過により分離する少なくとも1つの工程(3)を含む。本発明の方法によれば、少なくとも1つの単離工程の後で、ゼオライト材料に少なくとも1つの乾燥工程を施し、より好ましくは、少なくとも1つの乾燥工程の前に、ゼオライト材料に、少なくとも1つの洗浄工程を施すことがさらに好ましい。特に好ましい実施形態において、工程(2)により結晶化したゼオライト材料に、母液からゼオライト材料の少なくとも一部を分離する、少なくとも1つの分離工程(3)を施して、続いて少なくとも1つの洗浄工程を施し、次いで、少なくとも1つの乾燥工程を施す。
本発明の方法の、代替実施形態として好ましいさらなる実施形態によれば、事前にゼオライト材料に単離、洗浄、または乾燥工程を施さずに、工程(2)で結晶化したゼオライト材料の少なくとも一部に、少なくとも1つの乾燥工程、好ましくは噴霧乾燥および/または噴霧造粒工程を直接施す。本発明の方法単一またはの工程(2)から得られた混合物の少なくとも一部に、噴霧乾燥または噴霧造粒段階を直接施すことには、単一段階で単離および乾燥が実行されるという利点がある。結果として、本発明のこの実施形態により、さらに好ましい方法が提供され、合成後の詳細調査の工程数が最小限に留められ、その結果、有機テンプレートを伴わずYOおよびXを含むゼオライト材料を、高度に簡素化されたプロセスから得ることができる。しかし、さらに好ましい実施形態によれば、事前にゼオライト材料に単離、洗浄、または乾燥工程を施さずに、工程(2)で得られる反応混合物全体に、少なくとも1つの乾燥工程を、好ましくは噴霧乾燥または噴霧造粒を直接施し、詳細な前記実施形態は、工程(1)による混合物を得て、本発明の方法の工程(2)により、工程(1)で得られた混合物を結晶化する、単一または複数の先述した順序の工程を好ましくは含み、前記1つまたは複数の先述した工程(2)で得られた母液の少なくとも一部を、工程(1)へとリサイクルすることが理解されるであろう。
さらなる本発明の実施形態によれば、工程(2)における結晶化から得られるゼオライト材料に、少なくとも1つのイオン交換処理を施す前に、少なくとも1つの単離工程を施し、好ましくは、少なくとも1つのイオン交換処理を施す前に、少なくとも1つの単離工程、続いて、少なくとも1つの洗浄工程、ならびにより好ましくは、少なくとも1つの単離工程、続いて、少なくとも1つの洗浄工程、続いて少なくとも1つの乾燥工程を施す。
本発明の方法において、焼成工程は用いられないことが好ましい。一般に、焼成工程は、工程(2)により結晶化したゼオライト材料を、500℃より高い温度に加熱することを伴う。より好ましくは、YOおよびXを含むゼオライト材料を製造するための、本発明による方法は、焼成工程を指すプロセスを含まず、後続の工程において、工程(2)により結晶化したゼオライト材料に、450℃、より好ましくは350℃、より好ましくは300℃、より好ましくは250℃、より好ましくは200℃、さらに好ましくは150℃を上回る温度を施さない。本発明によれば、本発明の方法の工程(2)が完了した後、結晶化したゼオライト材料が周囲温度とし、続いて前記材料に、有機テンプレートを除去するために通常、または適切に実行されるいかなる加熱プロセスも施さず、YOおよびXを含むゼオライト材料を形成することが特に好ましい。本発明の意義の範囲内において、「非焼成」であるゼオライト材料は、前述の焼成手順を1つも施されていない材料である。
一般に、本発明の方法により得られるゼオライト材料は、YOおよびXを含む、考えられる任意のゼオライトにすることができる。好ましい実施形態によれば、工程(2)で形成された、YOおよびXを含むゼオライト材料は、LEV、BEA、MFI、ERI、およびそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される骨格構造を有し、好ましくは、ゼオライト材料は、LEVおよび/またはBEA骨格構造を有し、さらに好ましくはLEVまたはBEA骨格構造を有する1種類以上のゼオライトを含む。
本発明の好ましい実施形態によれば、工程(2)で形成されたYOおよびXを含むゼオライト材料は、LEV骨格構造を有する1種類以上のゼオライトを含み、LEV骨格構造を有し、含有され得るゼオライト材料の数および種類に関して、細かい制約はない。したがって、例として、工程(2)で形成されたゼオライト材料に含まれるLEV骨格構造を有する1種類以上のゼオライトは、レビナイト、LZ−132、NU−3、RUB−1、SAPO−35、ZK−20、ZSM−45、RUB−50およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択できる。それらの特に好ましい実施形態によれば、工程(2)で形成されるゼオライト材料に含まれるLEV骨格構造を有する、1種類以上のゼオライト材料は、RUB−50を含み、さらに好ましくは、工程(2)で形成されたゼオライト材料は、RUB−50である。
あるいは、本発明の好ましい実施形態によれば、工程(2)で形成されたYOおよびXを含むゼオライト材料は、BEA骨格構造を有する1種類以上のゼオライトを含み、BEA骨格構造を有し、含有され得るゼオライト材料の数および種類に関して、細かい制約はやはりない。したがって、例として、工程(2)で形成されたゼオライト材料に含まれるBEA骨格構造を有する1種類以上のゼオライトは、βゼオライト、[B−Si−O]−BEA、[Ga−Si−O]−BEA、[Ti−Si−O]−BEA、Alリッチβ、CIT−6、ツァーニック沸石、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択できる。それらの特に好ましい実施形態によれば、工程(2)で形成されるゼオライト材料に含まれるBEA骨格構造を有する、1種類以上のゼオライト材料は、βゼオライト、Alリッチβおよびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1種類以上のゼオライトを含み、BEA骨格構造を有する1種類以上のゼオライト材料は、βゼオライトを含み、工程(2)で形成されたゼオライト材料は、さらに好ましくはβゼオライトであることが好ましい。
本発明の方法によれば、工程(2)で得られた母液の少なくとも一部を、YO供給源として工程(1)へとリサイクルする。したがって、前述のように、驚くべきことに、YOおよびXを含むゼオライト材料を製造するための、有機テンプレートを用いない方法は、工程(2)から得られた母液の少なくとも一部を、工程(1)のYO供給源としてリサイクルすることにより、特に全収率について、著しく改善できることが見出され、ひいては、工程(1)および(2)は、その後少なくとも1回繰り返される。これは、工程(2)で得られる母液の質は、繰り返しの回数によって決まり、その結果、母液を実際にリサイクルでき、ひいてはYOおよびXを含むゼオライト材料を製造する、有機テンプレートを用いない方法に再使用できるというまったくの想定外の発見に基づいている。
本発明の意義の範囲内において、「全収率」という用語は、一般的に、それぞれ工程(1)で得られる1種類以上のYO供給源に含有されるYOの量を基準とした、有機テンプレートを伴わないゼオライト材料の収率に関する。特に、本発明による「全収率」という用語は、好ましくは、1回または複数回繰り返される工程(1)および(2)の順序を指し、その結果、工程(2)で得られる母液の少なくとも一部が工程(1)へとリサイクルされ、ひいては、後続の前記工程(1)で得られる1種類以上のYO供給源のうちに含まれる。
さらに、本発明の意義の範囲内において、「リサイクルする」という用語は、工程(2)で得られた母液の少なくとも一部が、本発明の方法の工程(1)および(2)により、ゼオライト材料を製造するための有機テンプレートを用いない方法に使用または再使用されることによる、任意の手段を指す。この点において、前記用語は、使用または再使用される母液の状態または組成物に対して、それ自体が細かい制約を意味することはない。
したがって、本発明の方法によれば、工程(2)で得られた母液は、部分的に、または完全に、YOおよびXを含むゼオライト材料を製造するための、有機テンプレートを用いない方法の工程(1)へとリサイクルでき、母液に、工程(2)で得られたゼオライト材料の少なくとも一部をそこから分離する単一または複数の工程(3)を施すことができ、かつ/または工程(1)へとリサイクルする前に、母液を濃縮できる。本発明の詳細な実施形態によれば、分離工程(3)および濃縮工程の両方が実行され、前記工程の数および/または順番に関して、細かい制約はないが、ただし、工程(1)へとリサイクルした母液が、前記工程(1)で得られる混合物に使用される場合、YOおよびXを含むゼオライト材料の結晶化に適していることが条件である。したがって、工程(2)で得られた反応混合物を、最初に濃縮し、続いて、工程(1)へとリサイクルする前に、1つまたは複数の分離工程(3)を施すことができる。あるいは、工程(2)で得られた反応混合物、最初に1つまたは複数の分離工程(3)を施してもよく、その後、この方法で分離される母液を、1つまたは複数の濃縮工程で濃縮する。したがって詳細な前記実施形態によれば、分離工程(3)および濃縮工程は、任意の順番で実行でき、1つまたは両方の前記工程を、1回または複数回繰り返すことができる。
工程(2)で得られた母液を、工程(1)へとリサイクルする前に濃縮する工程を含む本発明方法の特に好ましい実施形態に関しては、主に、任意の適切な濃縮方法を用いることができるが、ただし、母液における溶質、特に、そこに溶解している1種類以上のYO供給源の濃度を高める効果があることが条件である。したがって、原則として任意の濃縮方法を用いることができるが、ただし、母液に含有される1種類以上の溶媒の少なくとも一部を除去する効果があることが条件である。例として、望ましい等級の濃度を達成するために、母液の加熱および/または真空適用を場合により伴う、任意の適切な蒸留プロセスを用いることができ、前記蒸留プロセスは、単一または複数の個々の蒸留工程を含むことができる。
本発明によれば、母液またはその一部以外に、工程(2)で得られたゼオライト材料の少なくとも一部も、種晶として使用または再使用するために、YOおよびXを含むゼオライト材料を製造するための、有機テンプレートを用いない方法の工程(1)へとリサイクルされることが好ましい。母液のリサイクルに関して、「リサイクルする」という用語は、本発明の意義の範囲内において、ゼオライト材料の少なくとも一部をリサイクルすることに対して使用されており、工程(2)で得られるゼオライト材料の少なくとも一部が、発明の方法の工程(1)および(2)による、ゼオライト材料を製造するための有機テンプレートを用いない方法に使用または再使用されることによる、任意の手段を指す。ゼオライト材料が工程(1)へとリサイクルされる手段に関しては、本発明による細かい制約は適用されないが、ただし、工程(1)による混合物を調製するために、リサイクルしたゼオライト材料を種晶として保存でき、そこから、工程(2)によりYOおよびXを含むゼオライト材料を、結晶化できることが条件である。したがって、詳細な実施形態により、工程(2)で得られたゼオライト材料を、それらのさらなる工程または処理も一切なしで、工程(1)へと直接リサイクルできる。
したがって、本発明の方法の好ましい実施形態によれば、工程(2)で得られたゼオライト材料またはその一部を、種晶として、工程(1)へと直接リサイクルし、好ましくは、工程(2)で得られたゼオライト材料またはその一部を、種晶として、工程(1)へと直接リサイクルする。
あるいは、リサイクルされるゼオライト材料は、最初に、工程(2)で得られた母液からゼオライト材料の少なくとも一部を分離する工程(3)の1つまたは複数を施すことができる。具体的には、工程(1)で得られた混合物に由来する、工程(2)で結晶化されたYOおよびXを含むゼオライト材料の後処理ならびに/またはさらなる物理および/もしくは化学変換について上で大まかに記載したように、同一の好ましい、特に好ましい実施形態が、工程(1)へとリサイクルされるゼオライト材料に対して実行される工程(3)に対して適用される。
したがって、本発明のさらに好ましい実施形態によれば、工程(2)で得られたゼオライト材料またはその一部は、
(3)工程(2)で得られた母液からゼオライト材料の少なくとも一部を分離する工程、
(4)ゼオライト材料を洗浄する工程
および/または
(5)ゼオライト材料を乾燥および/または焼成する工程
の単一または複数の工程の後で、種晶として工程(1)へとリサイクルされ、
好ましくは、ゼオライト材料は、工程(3)を施した後で種晶としてリサイクルされ、続いて工程(4)および/または(5)を施し、より好ましくは、工程(4)および(5)を施し、さらに好ましくは工程(4)を施す。
工程(1)で得られた混合物に由来する、工程(2)で結晶化されたYOおよびXを含むゼオライト材料の後処理ならびに/またはさらなる物理および/もしくは化学変換について上で大まかに記載したように、好ましくは、工程(1)へとリサイクルされるゼオライト材料に対して実行される分離工程(3)に関しては、同一の好ましい、特に好ましい実施形態も、単一または複数の工程(4)および/または(5)に適用される。したがって、さらに好ましい実施形態によれば、母液からリサイクルされるゼオライト材料を分離した後、分離した前記ゼオライト材料に、1つまたは複数の洗浄工程を施し、さらに1つまたは複数の乾燥工程および/または焼成工程、好ましくは、1つまたは複数の洗浄工程および1つまたは複数の乾燥工程を施し、さらに好ましくは、リサイクルされる分離したゼオライト材料に、母液から分離した後、種晶として工程(1)へとリサイクルする前に、1つまたは複数の洗浄工程を施す。特に、本発明によれば、母液から、工程(2)で得られるゼオライト材料の少なくとも一部を分離した後で、分離したゼオライト材料またはその一部に、単一または複数の工程(4)および/または(5)を施し、より好ましくは単一または複数の工程(4)および(5)、より好ましくは単一または複数の工程(4)を施してから種晶として工程(1)へとリサイクルすることがさらに好ましい。
あるいは、本発明のさらに好ましい実施形態によれば、工程(2)で得られた反応混合物またはその一部を、工程(1)へと直接リサイクルでき、前記反応混合物は、工程(2)の結晶化から得られるゼオライト材料ならびに母液両方を含む。
好ましい実施形態において、工程(2)で得られた反応混合物の一部のみが工程(1)へとリサイクルされるが、工程(1)へとリサイクルされる反応混合物の一部に含有される母液およびゼオライト材料の量について、細かい制約はない。したがって、工程(1)へとリサイクルされる反応混合物の一部における、ゼオライト材料対母液の成分の質量比またはモル比は、工程(2)で得られる反応混合物と本質的に同一である可能性があり、そこから前記一部が採取される。あるいは、工程(1)へとリサイクルされる反応混合物の一部の質量比またはモル比は、工程(2)で得られた反応混合物の一部を工程(1)へとリサイクルする前の、工程(2)で得られた母液からゼオライト材料の一部を分離する単一または複数の工程(3)、および/または1つまたは複数の母液を濃縮する工程のために、工程(2)で得られる反応混合物と異なる可能性がある。
あるいは、反応混合物全体を、YOおよびXを含むゼオライト材料を製造するための有機テンプレートを用いない方法の工程(1)へと直接リサイクルでき、場合によりその前に反応混合物を濃縮できる。工程(2)で得られる反応混合物全体を直接リサイクルすることを伴う、特に好ましい前記実施形態によれば、リサイクルの工程は、好ましくは、種晶、1つまたは複数のYO供給源、1つまたは複数のX供給源、および本発明の方法の工程(1)による1つまたは複数の溶媒を含む混合物を調製するために、1つまたは複数のX供給源を、工程(2)で得られる反応混合物に供給することからなる。あるいは、1つまたは複数のX供給源を、工程(2)で得られる反応混合物に供給することに加えて、反応混合物全体を、YOおよびXを含むゼオライト材料を製造するための有機テンプレートを用いない方法の工程(1)へと直接リサイクルすることは、工程(1)による反応混合物を得て、そこから、YOおよびXを含むゼオライト材料を、工程(2)で得られる結晶化生成物として得るために、場合により1つまたは複数のさらなる種晶供給源、および/もしくは場合により1つまたは複数のさらなるYO供給源、ならびに/または場合により1つまたは複数の溶媒を工程(2)で得られる反応混合物に加えることを好ましくは含む。
したがって、本発明のさらに好ましい実施形態によれば、工程(2)における結晶化から得られる反応混合物の少なくとも一部は、種晶として、およびYO供給源として、工程(1)へとリサイクルされる。
したがって、本発明の特に好ましい実施形態によれば、本発明の方法は、工程(1)により混合物を得て、工程(2)により結晶化するために、上で定義した、本発明の任意の詳細な、または好ましい実施形態による合成混合物を調製し、続いて、結晶化させる工程(1)および(2)の順序を含み、1つまたは複数のX供給源を、工程(2)で得られる反応混合物に加え、場合により、1つまたは複数のさらなる種晶供給源、および/もしくは場合により、1つまたは複数のさらなるYO供給源、ならびに/または場合により、1つまたは複数の溶媒をそこに加える。具体的には、驚くべきことに、本発明の方法の工程(2)により工程(1)で得られた合成混合物を結晶化することにより、前記結晶化工程から得られる反応混合物に、少なくとも1つまたは複数のX供給源が補充され、および、場合により1つまたは複数の種晶供給源、および/もしくは1つまたは複数のYO供給源、および/もしくは1つまたは複数のX供給源、ならびに/または1つまたは複数の溶媒が補充されることが見出され、先述の結晶化工程(2)に由来する、少なくともリサイクルした母液を含む、工程(1)による新しい合成混合物を得て、続いて工程(2)による前記新しい合成混合物を結晶化し、母液のリサイクル後に工程(1)および(2)の繰り返しから得られる、YOおよびXを含むゼオライト材料の全収率は、具体的には、本発明の方法の全体で個々に用いられるものと同量の同一成分を使用したワンポット合成方法と比較して、著しく改善できる。
本発明によれば、工程(2)で得られる母液に含有され得る、wt.%のXの量に関して細かい制約はない。しかし、本発明において、工程(2)で得られる母液に含有されるwt.%のXの量は、工程(1)で得られ、工程(2)で結晶化された混合物hに含有される1つまたは複数のX供給源に由来する、wt.%のXの量50%以下に等しいことが好ましい。この点において、工程(2)で得られた母液に含有されるwt.%のXの量は、100wt.%の母液を基準とする。さらに、工程(2)で結晶化される工程(1)の混合物に含有される1つまたは複数のX供給源に由来するwt.%のXの量は、工程(1)で得られる100wt.%の前記合成混合物に基づく。好ましい前記実施形態によれば、工程(2)で得られる母液に含有されるwt.%のXの量は、工程(1)で得られ、工程(2)で結晶化された混合物に含有される1つまたは複数のX供給源に由来するwt.%のXの量の30%以下に等しく、より好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下、より好ましくは7%以下に等しいことがさらに好ましい。それらの特に好ましい実施形態によれば、工程(2)で得られる母液に含有されるwt.%のXの量は、工程(1)で得られる混合物に含有される1つまたは複数のX供給源に由来するwt.%のXの量の、6%以下に等しい。
したがって、本発明の好ましい実施形態によれば、工程(2)で得られる母液に含有されるwt.%のXの量は、母液100wt.%を基準として、工程(1)で得られる混合物に含有される1つまたは複数のX供給源に由来するwt.%のXの量の50%以下に等しく、工程(2)で結晶化された前記混合物100wt.%を基準として、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下、より好ましくは7%以下、さらに好ましくは6%以下の量である。
さらに、工程(2)で得られる母液の組成物に関しては、本発明の方法によれば、示されるY:Xにモル比関して細かい制約はない。しかし、工程(1)で得られ、工程(2)で結晶化した混合物に含有される、1つまたは複数のYO供給源および1つまたは複数のX供給源のY:Xモル比と比較して、母液のY:Xモル比は、半分の高さまたはそれ未満にすぎないことが好ましい。したがって、工程(2)で得られる母液のY:Xモル比と、工程(1)で得られる混合物に含有される1つまたは複数のYO供給源および1つまたは複数のX供給源のY:Xモル比の比は、2以上であり、より好ましくは、前記比は、3以上、より好ましくは5以上、より好ましくは10以上であることが好ましい。特に好ましい本発明のさらなる実施形態によれば、工程(2)で得られる母液のY:Xモル比と、工程(1)で得られる混合物に含有される1つまたは複数のYO供給源および1つまたは複数のX供給源のY:Xモル比の比は、15以上である。
本発明によれば、有機テンプレートを用いないのための合成混合物を結晶化し、前記合成から得られる母液を、後続の結晶化工程のために、新しい合成混合物へとリサイクルできる回数に関して、細かい制約はない。したがって、連続する工程(1)および(2)を繰り返すことができる回数に関して細かい限定はなく、1回または複数回繰り返す前に、工程(2)から得られた母液をリサイクルできる。本発明によれば、連続する工程(1)および(2)の繰り返しは、工程(1)および(2)を実行し、その後、前記連続する工程において、工程(2)から得られる母液の少なくとも一部をさらに工程(1)へとリサイクルし、その後、さらに工程(2)を実行し、その結果、前記例により、工程(1)および(2)の繰り返しを1回遂行することを指し示す。最初に実行し、続いて1回または複数回繰り返す工程(1)および(2)については、最初の、または先述した連続工程の工程(2)に由来する母液の少なくとも一部をそれぞれ使用するが、本発明による、具体的には上で定義した詳細な、および好ましい実施形態による工程(1)および(2)に対する実施形態に関して、特に制約はなく、最初の、ならびに/または1回または複数の連続する工程(1)および(2)に用いられ得る、連続工程のための詳細な、または好ましい任意の実施形態の組み合わせにも制約はない。本発明の方法により、繰り返すことができる連続する工程(1)および(2)の回数に関しては、例として、連続する前記工程を、1から100回以上の任意の回数で繰り返すことができ、好ましくは連続する工程(1)および(2)を3回以上、より好ましくは5回以上、より好ましくは10回以上、より好ましくは15回以上、より好ましくは20回以上、より好ましくは50回以上、さらに好ましくは100回以上繰り返す。
したがって、本発明の好ましい実施形態によれば、本発明の方法の工程(1)および(2)を、1回または複数回、好ましくは3回以上、より好ましくは5回以上、より好ましくは10回以上、より好ましくは15回以上、より好ましくは20回以上、より好ましくは50回以上、さらに好ましくは100回以上繰り返す。
さらに好ましい本発明の詳細な実施形態によれば、連続工程を2から100回、より好ましくは2から50回、より好ましくは2から20回、より好ましくは2から15回、より好ましくは2から10回、より好ましくは2から5回、さらに好ましくは2から3回繰り返す。特に好ましいさらなる実施形態によれば、本発明の方法の連続工程(1)および(2)を3から50回、より好ましくは3から20回、より好ましくは3から15回、より好ましくは3から10回、さらに好ましくは3から5回繰り返す。さらに好ましい実施形態は、連続工程(1)および(2)の繰り返しを5から50回、より好ましくは5から20回、より好ましくは5から15回、さらに好ましくは5から10回伴う。これらの実施形態に加えて、10から50回、より好ましくは15から20回の繰り返しを伴うことがさらにとりわけ好ましく、さらに好ましい実施形態によれば、本発明の方法の連続工程(1)および(2)を15から50回繰り返す。
本発明は、合成有機テンプレートを伴わずYOおよびXを含むゼオライト材料にさらに関し、本発明による方法によっても、本発明の方法により得ることができるYOおよびXを含むゼオライト材料をもたらす、考えられる任意の方法によっても得られる。特に好ましい実施形態によれば、合成有機テンプレートを伴わずYOおよびXを含むゼオライト材料は、非焼成ゼオライト材料であり、本発明による方法によっても、本発明の方法により得ることができるYOおよびXを含むゼオライト材料をもたらす、考えられる任意の方法によっても得られる。本発明の意義の範囲内において、「合成」材料を指す材料は、指される材料自体が、本質的に、自然に発生し得るものではないことを表さない。具体的には、「合成」材料は、人工を示すだけではなく、材料自体が自然に発生し得ることを決して排除しない。したがって、例として、本発明は、合成レビナイトにも関する。この点において、本発明の意義の範囲内において、「有機テンプレートを伴わないゼオライト材料」という用語は、「合成有機テンプレートを伴わないゼオライト材料」と同義であることにさらに留意されたい。
したがって、本発明は、本発明の方法により得ることができる、かつ/または得られる、合成有機テンプレートを伴わずYOおよびXを含むゼオライト材料にも関する。
本発明の材料は、その用途の具体的な要求に応じて、それ自体を、上記分離技術、例えば、デカンテーション、濾過、遠心分離または噴霧から得られる粉末、噴霧粉末または噴霧造粒の形状のように用いることができる。
多くの産業用途において、使用者の一部には、ゼオライト材料を粉末または噴霧材料として用いないことが望ましいことが多く、すなわち、材料をその母液から分離することにより得られたゼオライト材料を、場合により洗浄し、乾燥させ、続いて焼成することを含むが、さらに加工されて成形されるゼオライト材料は除外される。そのような成形は、多くの工業プロセス、例えば、本発明のゼオライト材料が触媒または吸着剤として用いられる多くのプロセスに特に必要とされる。
したがって、本発明は、本発明のゼオライト材料を含む成形にも関する。
一般に、粉末または噴霧材料は、他の任意の化合物なしで形作ることができ、例えば、適切な圧縮により、望ましい形状、例えば、平板形、円筒形、半球形の成形品を得る。
好ましくは、粉末または噴霧材料を、適切な難溶性結合剤と混ぜる、またはそれによりコーティングする。一般に、適切な結合剤は、ゼオライト材料の粒子間において、結合剤なしで存在できる物理吸着を上回る接着および/または凝集をもたらして、結合させるすべての化合物である。そのような結合剤の例は、金属酸化物、例えば、SiO、Al、TiO、ZrOもしくはMgOもしくは粘土、またはこれらの化合物の2つ以上の混合物である。用いることができる、自然に発生する粘土は、モンモリロナイトおよびカオリンファミリーを含み、そのファミリーは、サブベントナイト、および、一般的に、Dixie、McNamee、GeorgiaおよびFlorida claysとして既知であるカオリン、または他のものを含み、主なミネラル構成成分は、ハロイサイト、カオリナイト、ジッカイト、ナクライトまたはアノーキサイトである。そのような粘土は、採掘したままの手を加えない状態で、または最初に焼成、酸処理もしくは化学修飾を施して使用できる。さらに、本発明によるゼオライト材料は、多孔質マトリックス材料、例えば、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、シリカ−トリア、シリカ−ベリリアおよびシリカ−チタニア、ならびに三成分組成物、例えば、シリカ−アルミナ−トリア、シリカ−アルミナ−ジルコニア、シリカ−アルミナ−マグネシアおよびシリカ−マグネシア−ジルコニアで組成できる。
したがって、本発明のゼオライト材料は、粒子状触媒の充填層として、または皿、サドル、チューブなどの形状片として使用するために、押出物、ペレット、平板または粒子、または他の任意の適切な形状の形態でも提供できる。
好ましくは、粉末または噴霧材料も、場合により上記の適切な難溶性結合剤と混ぜた後、またはそれによりコーティングした後で、例えば水と共にスラリーへと形成され、適切な難溶性担体に沈着する。スラリーは、他の化合物、例えば、安定剤、脱泡剤、促進剤も含む。典型的には、担体は部材を含み、「ハニカム」担体と呼ばれることが多く、1つまたは複数の難溶性物質を含み、担体中に行き渡っている、複数の微細な平行の気体流経路を有する。そのような担体は、当業界でよく知られており、任意の適切な材料、例えばコーディエライトで作ることができる。
一般に、上で記載されているゼオライト材料は、分子ふるい、吸着剤、触媒、触媒担体またはそれらの結合剤として使用できる。例えば、ゼオライト材料は、乾燥ガスまたは液体に対する分子ふるいとして使用でき、選択的分子分離、例えば、炭化水素またはアミドの分離のために;イオン交換体として;化学担体として;吸着剤として使用でき、特に、炭化水素またはアミドの分離のための吸着剤として;または触媒として使用できる。最も好ましくは、本発明によるゼオライト材料は、触媒および/または触媒担体として使用される。
本発明の好ましい実施形態によれば、本発明の有機テンプレートを伴わないゼオライト材料は、触媒プロセスに使用され、好ましくは触媒および/または触媒担体として、ならびにより好ましくは触媒として使用される。一般に、本発明のゼオライト材料は、考えられる任意の触媒プロセスにおいて、触媒および/または触媒担体として使用でき、少なくとも1つの有機化合物の変換を伴うプロセスが好ましく、少なくとも1つの炭素−炭素および/または炭素−酸素および/または炭素−窒素結合を含む有機化合物がより好ましく、少なくとも1つの炭素−炭素および/または炭素−酸素結合を含む有機化合物がより好ましく、少なくとも1つの炭素−炭素結合を含む有機化合物がさらに好ましい。本発明の特に好ましい実施形態において、ゼオライト材料は、流動接触分解(FCC)プロセスでの触媒および/または触媒担体として使用される。
本発明のさらなる実施形態によれば、本発明のゼオライト材料は、好ましくは、少なくとも1つの窒素−酸素結合を含む少なくとも1つの化合物の変換を伴う触媒プロセスに使用される。本発明によれば、選択的触媒還元(SCR)プロセスにおいて、窒素酸化物NOの選択的還元のため;NHの酸化、特にディーゼル系に加えられるNHの酸化のため;NOの分解のために、YOおよびXを含むゼオライト材料を、触媒および/または触媒担体として使用することが特に好ましい。本発明の文脈に使用されている、窒素酸化物であるNOという用語は、窒素の酸化物を指し、特に、二窒素酸化物(NO)、一酸化窒素(NO)、三酸化二窒素(N)、二酸化窒素(NO)、四酸化二窒素(N)、五酸化二窒素(N)、過酸化窒素(NO)を指す。本発明の特に好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの窒素−酸素結合を含む少なくとも1つの化合物の変換を伴う触媒プロセスに使用される、有機テンプレートを伴わないゼオライト材料は、Cuおよび/またはFe、ならびにより好ましくはCuを含む。
したがって、本発明は、適切な還元条件下で、NOを含有する流れを、本発明によるYOおよびXを含むゼオライト材料を含有する触媒と接触させることにより、窒素酸化物NOを選択的に還元する方法;適切な酸化条件下で、NHを含有する流れを、本発明によるYOおよびXを含むゼオライト材料を含有する触媒と接触させることにより、NHを酸化させる方法、特に、ディーゼル系に加えられるNHを酸化させる方法;適切な分解条件下で、NOを含有する流れを、本発明によるYOおよびXを含むゼオライト材料を含有する触媒と接触させることによりNOを分解する方法;適切な条件下で、排出流を本発明によるYOおよびXを含むゼオライト材料を含有する触媒と接触させることにより、最新式の排出系、例えば、予混合圧縮着火(HCCl)エンジンにおける排出を管理する方法;本発明によるYOおよびXを含むゼオライト材料が、添加剤として用いられる流動接触分解、すなわちFCCプロセス;適切な変換条件下で、前記化合物を本発明によるYOおよびXを含むゼオライト材料を含有する触媒と接触させることにより、有機化合物を変換する方法;本発明によるYOおよびXを含むゼオライト材料を含有する触媒が用いられる「固定供給源」プロセスにも関する。
したがって、本発明は、窒素酸化物であるNOを選択的に還元する方法にも関し、窒素酸化物であるNOを含有し、好ましくはアンモニアおよび/尿素も含有する気体流を、本発明によるゼオライト材料、または本発明により得ることができる、または得られるゼオライト材料と、好ましくは、成形触媒の形態で、さらにより好ましくは、ゼオライト材料が、適切な難溶性担体、さらにより好ましくは「ハニカム」担体に沈着する成形触媒として接触させる。
本発明によるゼオライト材料、または本発明により得ることができる、または得られるゼオライト材料を含有する触媒を使用して還元される窒素酸化物は、任意のプロセスにより、例えば排気流として得ることができる。とりわけ、アジピン酸、硝酸、ヒドロキシルアミン誘導体、カプロラクタム、グリオキサル、メチル−グリオキサル、グリオキシル酸を生成するプロセス、または窒素物質を燃焼させるプロセスで得られる排気流が挙げられる。
最も好ましくは、本発明によるゼオライト材料、または本発明により得ることができる、または得られるゼオライト材料は、窒素酸化物であるNOの選択的還元、すなわち窒素酸化物の選択的触媒還元のために、成形触媒として使用され、さらにより好ましくは、ゼオライト材料が適切な難溶性担体に、さらにより好ましくは「ハニカム」担体に沈着した成形触媒として使用される。特に、本発明によるゼオライト材料が触媒活性材料として用いられる、窒素酸化物の選択的還元は、アンモニアまたは尿素の存在下で実施される。アンモニアは、固定動力源に対する最適な還元剤であるが、尿素は可動型SCRシステムに最適な還元剤である。典型的には、SCR系は、エンジンおよび車両設計に組み込まれ、典型的には、以下の主な構成部品も含有する:本発明によるゼオライト材料を含有するSCR触媒;尿素貯蔵タンク;尿素ポンプ;尿素供給システム;尿素インジェクタ/ノズル;および各制御ユニット。
さらに、本発明によれば、有機テンプレートを伴わないゼオライト材料は、有機化合物に対する分子トラップとして使用されることが好ましい。一般に、任意の種類の有機化合物をゼオライト材料に閉じ込めることができ、化合物を可逆的に閉じ込め、その結果、化合物を、ゼオライト材料から遅れて放出させることができることが好ましく、好ましくは、有機化合物は、好ましくはその変換を伴わずに、温度の上昇および/または圧力の低下により放出される。さらに、ゼオライト材料は、分子構造の微孔系を通る寸法の有機化合物を閉じ込めるために使用されることが好ましい。本発明のさらなる実施形態によれば、閉じ込めた化合物は、それらの化学誘導体および/または分解生成物、好ましくはそれらの熱分解生成物へと少なくとも部分的に変換する条件で放出することが好ましい。
様々な目的のために、特定の触媒組成物または組成物を調製する場合、YOおよびXを含む本発明によるゼオライト材料と、少なくとも1つの他の触媒活性材料または意図した目的に対して活性である材料とを配合することも考えられる。YO:X比、好ましくは、SiO:Al比において、ならびに/または1つまたは複数のさらなる金属、例えば、1つまたは複数の遷移金属、および/もしくは特定の量のさらなる金属、例えば遷移金属の有無において差があり得る、少なくとも2つの異なる本発明の材料を配合することもでき、特に好ましい実施形態によれば、1つまたは複数の遷移金属は、Cuおよび/またはFe、より好ましくはCuを含む。少なくとも2つの異なる発明の材料と、少なくとも1つの他の触媒活性材料または意図した目的に対して活性である材料とを配合することもできる。
また、触媒は基板上で処理される。基板は、触媒の調製に典型的に使用される任意の材料にすることができ、通常は、セラミックまたは金属のハニカム構造を含むであろう。適切な任意の基板、例えば、基板の流入口または流出口面から行き渡っている、微細な平行の気体流経路を有する型のモノリシック基板を用いることができ、その結果、経路は、そこを通る流体の流れを受け入れる(ハニカム流動基板と呼ばれる)。流体の流入口から流体の流出口へと基本的に直線で通る経路は、壁によって定められており、そこで触媒材料が薄め塗膜として処理されて、経路を流れる気体が触媒材料に接触する。モノリシック基板の流れの経路は、薄壁チャネルであり、任意の適切な断面形状、例えば、台形、長方形、正方形、正弦、六角形、楕円形、円形およびサイズにすることができる。そのような構造は、断面の平方インチ(2.54cm×2.54cm)当たり約60から約400以上の気流入口の開口部(すなわち格子)を含有できる。
基板は、壁面流フィルター基板にもでき、チャネルは交互に遮断され、気流をある方向(流入口方向)からチャネルに入れ、チャネル壁を流れさせ、他方向(流出口方向)でチャネルから出す。触媒組成物は、流動または壁面流フィルターをコーティングできる。壁面流基板が利用される場合、生じた系により、気体状汚染物質と共に粒子状物質を除去できるであろう。壁面流フィルター基板は、当業界で一般的に既知の材料、例えば、コーディエライト、チタン酸アルミニウムまたは炭化ケイ素から作ることができる。触媒組成物を壁面流基板に供給することは、基板の特性、例えば気孔率および壁の厚さに左右されることになり、典型的には流動基板への供給よりも少なくなることが理解されるであろう。
セラミック基板は、任意の適切な難溶性材料、例えば、コーディエライト、コーディエライト−アルミナ、シリコン窒化物、ジルコンムライト、リシア輝石、アルミナ−シリカマグネシア、ジルコンシリケート、シリマナイト、ケイ酸マグネシウム、ジルコン、ペタル石、α−アルミナ、アルミノケイ酸塩で作ることができる。
本発明の実施形態の触媒に有用な基板は、本質的に金属性にすることもでき、1つまたは複数の金属または金属合金からなる。金属基板を様々な形状、例えば、波板またはモノリシック形態で用いることができる。適切な金属担体は、加熱耐性金属および金属合金、例えば、チタン、および鉄が実質的または主要な成分であるステンレス鋼ならびに他の合金を含む。そのような合金は、ニッケル、クロムおよび/またはアルミニウムの1つまたは複数を含有することができ、これらの金属の総量は、好都合に、少なくとも15wt.%の合金、例えば、10〜25wt.%のクロム、3〜8wt.%のアルミニウムおよび最大20wt.%のニッケルを含むことができる。合金は、少量または微量の、1つまたは複数の他の金属、例えば、マンガン、銅、バナジウム、チタンも含有できる。表面または金属基板は、高温、例えば、1000℃以上の高い温度で酸化される可能性があり、基板の表面に酸化物層を形成することにより、合金の腐食に対する耐性を改善する。そのような高温により誘導される酸化により、難溶性金属酸化物担体、および触媒促進金属成分の基板への付着が向上する可能性がある。
代替実施形態において、本発明による、YOおよびXを含むゼオライト材料は、連続気泡基板に沈着できる。そのような基板は、当業界でよく知られており、典型的には、難溶性セラミックまたは金属性材料で形成される。
内燃エンジン、特に、化学量論的燃焼、すなわち希薄燃焼に必要とされるものより過量の空気を有する燃焼条件で作動するディーゼルエンジンの燃焼排気から窒素酸化物であるNOを除去するために、本発明によるゼオライト材料、または本発明により得ることができる、または得られるゼオライト材料を含有する触媒の使用が特に好ましい。
したがって本発明は、内燃エンジン、特に、化学量論的燃焼、すなわち希薄燃焼条件に必要とされるものより過量の空気を有する燃焼条件で作動するディーゼルエンジンの燃焼排気から窒素酸化物であるNOを除去する方法にも関し、本発明によるゼオライト材料、または本発明により得ることができる、または得られるゼオライト材料を含有する触媒が、触媒活性材料として用いられる。
したがって、本発明は、特に、触媒および/または燃焼排気処理の分野における、本発明の有機テンプレートを伴わないゼオライト材料の使用に関し、前記燃焼排気処理は、工業および自動車の燃焼排気処理を含む。これらの、および他の用途において、本発明のゼオライト材料は、例として、分子ふるい、触媒、および/または触媒担体として使用できる。
燃焼排気処理における、本発明のゼオライト材料の使用を伴う本発明の実施形態では、ゼオライト材料は、好ましくは、工業または自動車の燃焼排気の処理に使用され、より好ましくは、分子ふるいとして前記用途に使用される。特に好ましい実施形態において、燃焼排気処理に使用されるゼオライト材料は、炭化水素トラップに含まれる。
図で示されている粉末X線回折パターンは、単色CuKα−1線を用いて、Bruker−AXS D8 Advance Series 2X線回折装置で記録された。回折データは、SOL−XEエネルギー分散X線型検出器を使用して収集された。図において、横軸に沿って°で角度2Θが示され、縦軸に沿って強度が描かれている。
実施例1で使用されるRUB−50という種晶のX線回折パターンを示す図である。 実施例1において、最初のシーディング指向合成から得られる結晶性材料のX線回折パターンを示す図である。 実施例1において、リサイクルした母液を使用して、シーディング指向合成から得られる結晶性材料のX線回折パターンを示す図である。 実施例2において、最初のシーディング指向合成から得られる結晶性材料のX線回折パターンを示す図である。 実施例2において、リサイクルした母液を使用して、シーディング指向合成から得られる結晶性材料のX線回折パターンを示す図である。
実施例1:
RUB−50種晶の調製
20.62wt%の水酸化ジエチルジメチルアンモニウムを有する、プラスチック容器内の水溶液13.09kgを、その容器内で溶解されているナトリウム水酸化物91.4gと共に撹拌下で秤量した。次いで、水酸化アルミニウム356.7gを撹拌下で加え、生じた混合物をさらに10分間撹拌して、かすかに濁った溶液を得た。次いで、Aerosil 200 2.74kgを混合物に少しずつ加え、次いで、さらに1時間撹拌し、その結果、乳状懸濁液16.278kgを得る。
次いで、混合物をオートクレーブに移し、そこで水6.3kgを温度105℃で蒸留し、その後、濃縮した混合物に、150℃で120時間(5日間)熱水条件を施した。生じた懸濁液を遠心分離し、200μS/cm未満の洗浄溶液の伝導率が達成されるまで、固体生成物を蒸留水で洗浄した。次いで、生じた固体を、陶製容器に移し、次いで、120℃で16時間、そこで乾燥させ、その結果、白い粉末807.6gを得た。
元素分析:
Si:33g/100g
Al:3.3g/100g
Na:0.5g/100g
C:10.8g/100g
したがって、筆者らの元素分析によれば、生成物のSiO:Al:Na比は、約19.32:1:0.36である。さらに、元素分析から、生じたゼオライト材料が、被包されている有機テンプレートを内部に含有することは明らかである。合成したRUB−50の種晶材料を使用して得られた窒素等温線は、微孔固体(DIN66135を参照されたい)のI型吸着等温線の階段状曲線を得られず、有機テンプレート材料を内部に被包しているため、ゼオライトは開放した微小孔を有さないことが指し示された。データの評価により、ラングミュア法により68.55m/gに相当する表面積、および50.20m/gのBET表面積が得られた。
図1Aにおいて、LEV型ゼオライト骨格構造の典型的なパターンを示す、RUB−50の種晶材料のXRDを表す。
LEV型ゼオライトのシーディング指向合成
プラスチックビーカー内で、蒸留水1392.8gをNaOH57.5gおよびNaAlO9.1gと共に秤量した。次いで、混合物を30分間撹拌して、透明な溶液を得た。次いで、ヒュームドシリカ(Aerosil 200)132.7gを撹拌しながら少しずつ加えた。次いで、エタノール101.3gを加え、混合物を5時間撹拌し、SiO:Al:Na:HO:EtOHモル比が40:1:28:1407:40であるアルミナシリケートゲルを得た。次いで、RUB−50の種晶6.6gを混合物に加え、さらに5分撹拌して、反応混合物として、pH13.5を有する粘度の高いスラリーを得た。
次いで、ゲル混合物をオートクレーブに移し、120℃で120時間(5日間)にわたり結晶化させた。反応混合物を室温に冷却してから、ガラスフリットで濾過した。母液の元素分析により以下の値が得られた:
Si:3.1g/100g
Al:<0.01g/100g
Na:1.9g/100g
C:2.4g/100g
したがって、結晶化プロセスから得られた母液は、実質量のアルミニウムを含有せず、アルミニウムは結晶化プロセス中に激減した。より具体的には、0.176wt.%のアルミニウムを、Al供給源として使用されるアルミン酸ナトリウムの形状で含有している合成混合物と比較して、母液は、0.01wt%未満のアルミニウムを含有し、合成混合物においてAl供給源として得られるアルミニウムの元の量の5.7%未満になる。比較では、合成混合物は、SiO供給源として使用されるヒュームドシリカの形態で3.64wt.%のケイ素を含有し、その結果、母液が3.1wt.%のSi含有量を示したので、前記ケイ素の85%は依然として母液に存在していた。
母液における、299超になるSi:Alモル比と、ヒュームドシリカおよびアルミン酸ナトリウムにそれぞれ含有されるSiおよびAlの量に基づいて約20と算出された、合成混合物に含有されているSi:Alモル比とを比較すると、結果的に母液におけるSi:Alモル比は、元の合成混合物のSi:Alモル比の約15倍超の割合である。
母液から分離した固体残渣を、蒸留水4lで洗浄した。次いで、固体生成物を、陶製容器に移し、120℃で16時間にわたりそこで乾燥させ、その結果、結晶化度96%を有する白い粉末32.2gを得て、微結晶性生成物は、平均直径89nmの結晶子を示した。
図1Bは、有機テンプレートを用いないから得られた結晶性生成物を示す。具体的には、微結晶性生成物を反映したXRDのパターンにより、LEV型ゼオライト骨格構造が明らかになる。
結晶化から得られる反応混合物に対する固体含有量1.89wt.%に基づいて、空時収率は3.8kg−3*−1になった。
母液のリサイクル
蒸留水522.5gを、NaOH41.0gおよびNaAlO9.0gと共にプラスチックビーカー内で秤量した。次いで、30分間にわたり混合物を撹拌して、透明な溶液を得た。次いで、シーディング指向合成から得られた母液982.1gを加え、黄色がかった溶液を5分間撹拌した。次いで、ヒュームドシリカ(Aerosil 200)86.7gを撹拌しながら少しずつ加えた。次いで、エタノール54.3gを加え、5時間にわたり混合物を撹拌してアルミナシリケートゲルを得た。次いで、RUB−50の種晶6.6gを混合物に加え、さらに5分間撹拌して、反応混合物として、pH13.3を有する粘度の高いスラリーを得た。
次いで、ゲル混合物をオートクレーブに移し、120℃で120時間(5日間)にわたり結晶化させた。反応混合物を室温に冷却してから、ガラスフリットで濾過し、蒸留水5.5lで固体残渣を洗浄した。次いで、固体生成物を陶製容器に移し、120℃で16時間にわたりそこで乾燥させ、白い結晶性粉末30.2gを得た。
図1Cは、リサイクル母液を用いる、有機テンプレートを用いないから得られる結晶性生成物を示す。具体的には、微結晶性生成物を反映したXRDのパターンにより、LEV型ゼオライト骨格構造が明らかになる。
結晶化から得られた反応混合物に対する固体含有量1.78wt.%に基づいて、空時収率は3.6kg−3*−1になった。
したがって、母液のリサイクルにより、第1のシーディング指向合成で得られたゼオライト材料と同等の空時収率に加えて、明らかに同等の結晶化度を有するゼオライト材料をさらに合成できた。したがって、有機テンプレートを用いない方法において、収率を増やすために、具体的には、ゼオライト生成物に含有されるSiO供給源として使用されるシリカの全量に基づいて、方法の効率も、結晶化から得られるゼオライト材料の品質も著しく低下させることなく、母液を効率的にリサイクルできることが示される。
実施例2:
BEA型ゼオライトのシーディング指向合成
蒸留水88.89gを、250mlのTeflon(登録商標)オートクレーブ容器に入れ、次いで、その中でNaAlO4.11gを溶解した。Al−βゼオライトの種晶(Zeolyst InternationalのCP814Cβゼオライト)0.9gを加え、その後、ナトリウム−水ガラス溶液88.23g(26wt.%のSiOおよび8wt.%のNaO;Woellner GmbH&Co.KG)を少しずつ加えた。最終的に、Ludox(登録商標)AS−40コロイドシリカ(40wt.%)17.91gを加え、オートクレーブ容器を各オートクレーブに配置し、次いで、そこで、120℃で120時間にわたり混合物を結晶化させた。
反応混合物を室温に冷却してから、ガラスフリットで濾過した。母液の元素分析により以下の値が得られた:
Si:4.7g/100g
Al:0.042g/100g
Na:2.9g/100g
したがって、結晶化プロセスから得られた母液は、実質量のアルミニウムを含有せず、アルミニウムは結晶化プロセス中に激減した。より具体的には、0.675wt.%のアルミニウムを、Al供給源として使用されるアルミン酸ナトリウムの形状で含有している合成混合物と比較して、母液は、アルミニウムを0.042wt%しか含有せず、合成混合物においてAl供給源として得られるアルミニウムの元の量の6.2%になる。比較では、合成混合物は、SiO供給源として使用される水ガラスおよびコロイドシリカの形状で7.02wt.%のケイ素を含有し、その結果、母液がSi含有量4.7wt.%を示したので、前記ケイ素の67%は依然として母液に存在していた。
母液における、約108になるSi:Alモル比と、水ガラス、コロイドシリカ、およびアルミン酸ナトリウムにそれぞれ含有されるSiおよびAlの量に基づいて約10と算出された、合成混合物に含有されているSi:Alモル比とを比較すると、結果的に母液におけるモル比Si:Alは、元の合成混合物のSi:Alモル比の約11倍の割合である。
母液から分離した固体残渣を、洗浄水のpHが中性になるまで、蒸留水で繰り返し洗浄し、その後、120℃で16時間にわたり乾燥させ、その結果、白い結晶性生成物17.2gを得た。生成物は、合成に使用されるAl−βゼオライト種晶と比較して、102%の結晶化度を示した。
図2Aにおいて、熱水合成から得られる、洗浄し、乾燥させた結晶性生成物のXRDが示される。具体的には、該XRDパターンはBEA骨格構造に対して典型的である。
結晶化から得られる反応混合物に対する固体含有量に基づいて、空時収率は20.24kg−3*−1になった。
母液のリサイクル
シーディング指向合成から得られた母液119.56gを、250mlのTeflon(登録商標)オートクレーブ容器に入れ、そこへAl−βゼオライトの種晶(Zeolyst InternationalのCP814Cβゼオライト)0.9gを撹拌した。次いで、蒸留水19.82gに溶解したNaAlO4.09gを混合物に加え、その後ナトリウム−水ガラス溶液30.65g(26wt.%のSiOおよび8wt.%のNaO;Woellner GmbH&Co.KG)を、撹拌しながら混合物に少しずつ加えた。最終的に、Ludox(登録商標)AS−40コロイドシリカ(40wt.%)25.35gを加え、オートクレーブ容器を各オートクレーブ内に配置し。次いで、そこで、120℃で120時間にわたり混合物を結晶化した。
反応混合物を室温に冷却してから、ガラスフリットで濾過し、固体残渣を、洗浄水のpHが中性になるまで蒸留水で繰り返し洗浄し、その後、120℃で16時間にわたり乾燥させ、その結果、白い結晶性生成物16.0gを得た。生成物は、合成に使用されるAl−βゼオライト種晶と比較して、97%の結晶化度を示した。
図2Bにおいて、熱水合成から得られる、洗浄し、乾燥させた結晶性生成物のXRDを示す。具体的には、該XRDパターンは、BEA骨格構造に対して典型的である。
結晶化から得られる反応混合物に対する固体含有量に基づいて、空時収率は18.82kg−3*−1になった。
したがって、実施例2で得られたゼオライト材料の品質、およびそれぞれ達成された空時収率を考慮すると、ゼオライトを生成するための、有機テンプレートを用いない方法の母液は、全収率を高めるために、具体的には、ゼオライト生成物に含有されるSiO供給源として使用されるシリカの全量に基づき、効果的にリサイクルできることが再度立証される。

Claims (29)

  1. YOおよびXを含むゼオライト材料を製造するための、有機テンプレートを用いない方法であって、前記方法が、
    (1)種晶、1種類以上のYO供給源、1種類以上のX供給源および1種類以上の溶媒を含む混合物を調製する工程;
    (2)工程(1)で得られる混合物を結晶化して、YOおよびXを含むゼオライト材料を結晶化生成物として得る工程
    を含み;
    Yが四価の元素であり、Xが三価の元素であり、
    工程(2)で得られる母液の少なくとも一部が、場合により母液の濃縮後に、YO供給源として工程(1)へとリサイクルされる方法。
  2. (3)工程(2)で得られた母液からゼオライト材料の少なくとも一部を分離する単一または複数の工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
  3. 工程(3)において、ゼオライト材料またはその一部が、濾過、遠心分離および/またはデカンテーション法の単一または複数の工程により、好ましくは単一または複数の濾過工程により母液から分離される請求項2に記載の方法。
  4. (4)ゼオライト材料を洗浄する工程、および/または
    (5)ゼオライト材料を乾燥および/または焼成する工程、および/または
    (6)ゼオライト材料に単一または複数のイオン交換処理を施す工程
    の単一または複数の工程をさらに含み、
    工程(4)および/または(5)および/または(6)を任意の順番で実行することができ、
    前記単一または複数の工程が、好ましくは1回または複数回繰り返される請求項2または3に記載の方法。
  5. 工程(2)で得られたゼオライト材料の少なくとも一部が、種晶として工程(1)循環される請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 工程(2)で得られたゼオライト材料またはその一部が、
    (3)工程(2)で得られた母液からゼオライト材料の少なくとも一部を分離する工程、
    (4)ゼオライト材料を洗浄する工程、および/または
    (5)ゼオライト材料を乾燥および/または焼成する工程
    の単一または複数の工程の後で、種晶として工程(1)に循環され、
    好ましくは、工程(3)の後に、工程(4)および/または(5)、より好ましくは工程(4)および(5)、さらに好ましくは工程(4)を施してから、ゼオライト材料が種晶として循環される請求項5に記載の方法。
  7. 工程(2)で得られるゼオライト材料またはその一部が、種晶として工程(1)へと直接循環される、請求項5に記載の方法。
  8. 工程(2)の結晶化から得られる反応混合物の少なくとも一部が、種晶として、YO供給源として工程(1)に循環される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 母液100質量%に対して、工程(2)で得られる母液に含有される質量割合によるXの量が、混合物100質量%に対して、工程(1)で得られ、工程(2)で結晶化される前記混合物に含有される1種類以上のX供給源のXの量(質量基準)の50%以下、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下、より好ましくは7%以下、さらに好ましくは6%以下に等しい、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 工程(2)で得られる母液のYとXのモル比と、工程(1)で得られ、工程(2)で結晶化される混合物中に含有される1種類以上のYO供給源および1種類以上のX供給源のYとXのモル比の比が、2以上、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、より好ましくは10以上、さらに好ましくはより好ましくは15以上である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 種晶が、有機テンプレートを用いない方法により得ることができ、かつ/または得られ、好ましくは得られるYOおよびXを含む1種類以上のゼオライト材料を含み、Yが四価の元素であり、Xが三価の元素である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 工程(1)で得られる種晶が、LEV、BEA、MFI、ERI、およびそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される骨格構造を有する1種類以上のゼオライト材料を含み、好ましくは、種晶に含まれる1種類以上のゼオライト材料が、LEVおよび/またはBEA骨格構造、より好ましくはLEVまたはBEA骨格構造を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. LEV骨格構造を有する種晶に含まれる1種類以上のゼオライト材料が、レビナイト、LZ−132、NU−3、RUB−1、SAPO−35、ZK−20、ZSM−45、RUB−50、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1種類以上のゼオライトを含み、より好ましくは1種類以上のゼオライト材料が、RUB−50を含むLEV骨格構造を有し、さらに好ましくは、ゼオライト材料が、RUB−50である種晶に含まれるLEV骨格構造を有する、請求項12に記載の方法。
  14. BEA骨格構造を有する種晶に含まれる1種類以上のゼオライト材料が、βゼオライト、[B−Si−O]−BEA、[Ga−Si−O]−BEA、[Ti−Si−O]−BEA、Alリッチβ、CIT−6、ツァーニック沸石、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1種類以上のゼオライト、好ましくは、βゼオライト、Alリッチβおよびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される1種類以上のゼオライトを含み、より好ましくは、BEA骨格構造を有する1種類以上のゼオライト材料がβゼオライトを含み、さらに好ましくは、種晶に含まれる、BEA骨格構造を有するゼオライト材料がβゼオライトである、請求項12に記載のいずれか一項の方法。
  15. 工程(1)および(2)が、1回または複数回、好ましくは3回以上、より好ましくは5回以上、より好ましくは10回以上、より好ましくは15回以上、より好ましくは20回以上、より好ましくは50回以上、さらに好ましくは100回以上繰り返される、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. Yが、Si、Sn、Ti、Zr、Ge、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、Yが、好ましくはSiである、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. Xが、Al、B、In、Ga、およびそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、Xが、好ましくはAlおよび/またはBであり、より好ましくはAlである、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 1種類以上のYO供給源が、1種類以上のシリカおよび/またはシリケート、好ましくはシリカおよび/または水ガラス、より好ましくはヒュームドシリカ、ケイ酸ナトリウムおよび/またはケイ酸カリウムの1種類以上、より好ましくはヒュームドシリカおよび/またはケイ酸ナトリウムを含み、さらに好ましくは、YO供給源がシリカおよび/またはケイ酸ナトリウムである、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 1種類以上のX供給源が、1種類以上のアルミン酸塩、好ましくはアルミン酸ナトリウムおよび/またはアルミン酸カリウム、より好ましくはアルミン酸ナトリウムを含み、さらに好ましくは、X供給源がアルミン酸ナトリウムである、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 工程(1)による混合物のYO:Xモル比が0.5から300、好ましくは1から200、より好ましくは5から150、より好ましくは10から120、より好ましくは15から100、さらに好ましくは20から90の範囲である、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 工程(1)による混合物における種晶の量が、少なくとも1つのYO供給源におけるYO100質量%に対して、0.01から30質量%、好ましくは0.1から20質量%、より好ましくは0.5から10質量%、より好ましくは1から8質量%、より好ましくは2から6質量%、さらに好ましくは3から5質量%の範囲である、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 工程(1)による混合物における1種類以上の溶媒が、水、好ましくは 蒸留水、場合により、1種類以上の有機溶媒、好ましくは1種類以上のアルコール、より好ましくはメタノール、エタノール、プロパノールおよびそれらの混合物からなる群から選択される1種類以上のアルコール、より好ましくはメタノールおよび/またはエタノール、さらに好ましくはエタノールへの添加を含む、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 工程(1)による混合物のHO:YOモル比が、5から200、好ましくは10から100、より好ましくは15から50、さらに好ましくは20から40の範囲である、請求項22に記載の方法。
  24. 工程(2)における結晶化が、好ましくは80から250℃、より好ましくは90から180℃、より好ましくは100から160℃、さらに好ましくは110から150℃の範囲の温度での混合物の加熱を伴う、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 工程(2)における結晶化が、ソルボサーマル条件下で、好ましくは熱水条件下で実行される、請求項24に記載の方法。
  26. 工程(2)における結晶化が、5から200時間、より好ましくは20から160時間、より好ましくは60から140時間、さらに好ましくは100から130時間にわたる混合物の加熱を伴う、請求項24または25に記載の方法。
  27. 工程(2)における結晶化が、混合物を、好ましくは撹拌することにより、かき混ぜることを伴う、請求項1から26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 請求項1から27のいずれか一項に記載の方法により得ることができ、かつ/または得られ、好ましくは得られる、合成有機テンプレートを伴わないゼオライト材料。
  29. 触媒、触媒担体および/または吸着剤としての、請求項28に記載の、有機テンプレートを伴わないゼオライト材料の分子ふるいとしての使用法であって、好ましくは、有機化合物に対する分子トラップとして、触媒として、および/または触媒担体としての有機テンプレートを伴わないゼオライト材料の使用法。
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