JP2014526151A - ドーパント注入層 - Google Patents

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Abstract

本発明は、電子デバイスのための等電位ソース層を使用し、ソース層は電子デバイスの活性層へ優先的に注入される電荷のイオンを供給し、注入されたイオンの電荷が等電位ソース層に印加される相対的バイアスの符号と同じ符号を有するようにする。ソース層はイオンのための比較的高い拡散性を有する少なくとも1つの成分を有する複合イオンドーパント注入層を含んでいてもよい。複合イオンドーパント注入層は金属導電粒子およびイオン担持マトリックスを含んでいてもよい。また、複合イオンドーパント注入層は連続的な金属導電ネットワークおよびイオン担持マトリックスを含んでいてもよい。金属ネットワークは金属ナノワイヤーまたは導電ナノチューブを含む。イオン担持マトリックスは導電ポリマーを含んでいてもよい。
【選択図】 図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、「ドーパント注入層」と題された、2011年8月2日に出願された米国仮出願第61/514,425号の優先権を主張し、その全体は、参照によりここに組み込まれる。
発明の分野
本発明は、電子デバイスにおける改善された性能のための、イオンを注入するためのソース層の使用に関する。
背景
発光電気化学セルは、共役ポリマー系発光デバイスへの電子および正孔の注入の障壁を狭めるために可動イオンを利用する。Peiらに対する米国特許第5,682,043号は、そのような例のデバイスを示している。これらのデバイスは、カソードとして、低仕事関数の金属を使用する必要がない。これらのデバイスは、適度に高いデバイス効率および低い動作電圧を達成することができる。しかしながら、米国特許第5,682,043号に記載されているように、これらのデバイスのターンオン速度は、比較的遅い。さらに、デバイスは、等しいカチオンおよびアニオン濃度を有し本質的に電荷中性であるが、等しいカチオンおよびアニオン濃度の存在は、最適でないであろう。
電荷注入促進層を有する多層デバイスの使用は、デバイス効率および寿命を改善するための、潜在的な手段である。いくつかの文献は、ポリマーおよび低分子有機発光ダイオードの改善のための導電ポリマー正孔注入層からなる多層デバイスを記載している。従来のポリマーOLED多層デバイス構造においては、ポリマードープされた共役有機薄膜が正孔注入層として使用されてきた。しかしながら、これらの場合において、共役種(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−PEDTまたはPEDOT)からなる、ポリスチレンスルホン酸(PSS)でドープされた導電ポリマーは、可動イオンを意図的には含んでいるわけではない。事実、ドーピングポリマーであるPSSは、典型的に共役セグメントよりもはるかに高い分子量を有し、固体膜の大部分を形成し、可動ドーパントと比較して本質的に不動性である。共役PEDOT対PSSの比が、典型的には比較的低いことに気づくことも興味深い。電気的な絶縁、従って、低い横方向のPEDOT:PSS導電率を確保するための特別な対策を必要とする、帯電防止コーティングからディスクリートOLEDおよびパッシブマトリックスOLEDまでの多くのPEDOT:PSS用途についての関心の範囲において、PSSの含有量はPEDOTの含有量よりも高く、PSS含有量が増加するに連れて導電が低下する。PEDOT:PSSのより高い導電率グレードは、従来のOLEDデバイスについて典型的に求められているわけではない。
PEDOT:PSSは、LECとして知られている発光電気化学セルには、それほど使用されてこなかった。LEC動作原理は、アノードにおいて、ドープされた界面を生成する発光層中の可動イオン性ドーパントの使用を含む。これは、正孔注入促進層、例えばPEDOT:PSSの必要性を低減する。LECのドープされた界面が既にこの目的を果たすためである。ドープされたPEDOT:PSS層は、デバイスの活性層からこれらの層を通して伝播する光の一部を吸収することに留意されたい。これは、外部効率を低下させ、従って、他の理由のために必要でない限り、典型的なPEDOT:PSSを望ましくなくする。既知の技術およびLECモデルの単純な考察に基づいて、ドープされた共役ポリマー注入層は、LECに含めることについて有利ではなく、高いドーピングレベルも高い吸収損失およびリーク電流のために有利ではないことが推測されるであろう。さらに、従来のOLEDにおいて、イオン種の存在、特に、デバイスの活性層中へドリフトまたは拡散するであろう可動イオンの存在は、望ましくないと一般的に考えられている。これらの不純物が効率損失およびデバイスの劣化をもたらしうるためである。
近年、有機発光デバイス構造として、別の種類のドーピング多層体が提案されている。この場合、固有のドリフト移動速度がLEC類似デバイスにおけるドーパントの流れを制御して有利な効果を引き起こすような多層体が提案されている。極端な場合には、ドーパント対イオンでさえ、共有結合によって固定されるであろう。また、対イオン層から供給されたイオンを固定するためのイオン受容体の使用が、"Polymer light-emitting diode with an ion receptor layer"と題された、Meijerらに対する米国特許第7,868,537号において提案されている。米国特許第7,868,537号はまた、順方向バイアス下でカチオン受容体に向かって流れる可能性がある可動カチオンの供給源として、PEDOT:PSS層を使用するデバイスの例示および説明を含む。しかしながら、米国特許第7,868,537号は、EDOT:PSS中のカチオン供給源をNa+に帰しているが、これはかなりの量で意図的に存在するわけではなく、一般的にデバイスにおけるバイアスストレス劣化の原因とされている。さらに、米国特許第7,868,537号は、アニオンの固定化を、そのポリマー的性質に帰している。
米国特許第7,868,537号は、ゼロ電界がPEDOT:PSS内およびPEDOT:PSS界面でのイオンの動きを抑制するというPEDOT:PSSの金属的性質が、アニオンのサイズに関係なく、PEDOT:PSSへの正のバイアス下で、優先的にカチオンのみを注入するであろうという事実を記載していない。キャリア濃度の高い導電注入層(PEDOT:PSSなど)内で、カチオンおよびアニオンの再分配は、拡散により推進される。順方向バイアス(正のPEDOT:PSS)において、可動カチオンの注入は、活性層の界面で、急速にPEDOT:PSS内の領域を空乏化させる。界面領域に拡散してカチオンの供給を維持することができる、PEDOT:PSS全体に分布した多量の可動イオンがなければ、ドーパント注入効果が抑制されるであろう。これらのドーパントは、本出願において後に記載したように、意図的な外部ドーパントとして導入しなければならないであろう。
概要
本発明は、電子デバイスのための等電位ソース層を使用し、ここで前記ソース層は電子デバイスの活性層中に優先的に注入される電荷のイオンを供給し、前記注入されるイオンの電荷は前記等電位ソース層に印加される相対的なバイアスの符号と同じ符号を有するようになっている。前記ソース層はイオンのための比較的高い拡散性を有する少なくとも1つの成分を有する複合イオンドーパント注入層を含んでいてもよい。前記複合イオンドーパント注入層は金属導電粒子およびイオン担持マトリックスを含んでいてもよい。前記複合イオンドーパント注入層は連続的な金属導電ネットワークおよびイオン担持マトリックスを含んでいてもよい。前記金属ネットワークは金属ナノワイヤーまたは導電ナノチューブを含む。イオン担持マトリックスは導電ポリマーを含んでいてもよい。
一実施形態において、前記デバイスは、透明なアノード、前記活性層に隣接した追加の可動イオンドーパントをもち、前記透明アノードに接触している導電ポリマー層を含んでいてもよい。
別の実施形態において、前記デバイスは透明なカソードおよびドープされたアノードを含み、前記ドープされたアノードは電気的に連続した金属元素のネットワークとイオン担持マトリックスとの複合体であってもよい。
本発明のこれらのおよび他の実施形態および態様は、詳細な説明および添付の図面を考慮して、当業者に明らかであろう。
図1A〜図1Bは、特定の「ソルティな(solty)」Ag配合物でドープされたカソードの、経時的な定電流デバイスの輝度および電圧性能への影響を示す、印刷されたデバイスの定電流試験による初期「ターンオン」のデータを、ドープされていないカソード対照に対して示す。 図2は、対照(標準的なAg配合物を用いたカソードを有するドープされていないデバイス)および2つの異なる「ソルティな」Ag配合物を用いたドープしたカソードデバイスの、製造直後に撮影したEL画像を示す。全てのデバイスはスクリーン印刷されたLEPを含む。上段の画像は、標準的なAg配合物10−243−1Agを用いた2つのデバイスからのものである。中段の画像は、ソルティなAg配合物10−243−1−イオン1を用いた2つのデバイスからのものである。下段の画像は、後により詳細に記載するように、10−243−1−イオン1の2倍の高濃度にドープされた、ソルティなAg配合物10−243−1−イオン2を用いた2つのデバイスからのものである。ドープされたデバイスの悪い効率および、より高濃度にドープされたカソードのより悪い効率は、対照と比較した写真から明らかである。 図3は、実験データセットのグラフ表示を示し、各セットについて、対照データに対して、正規化され指数関数的にフィットされている。フィットにおけるピーク値は、約17重量%BMP/PEDOT:PSS固体のドーピングレベルを示す。 図4A〜4Cは、さらに後述するが、異なる時点における、等しいアニオンおよびカチオン移動度を有する、均質に可動イオンをドープした発光デバイス(LEC型)の場合についての、ドーパント濃度(上段のグラフ)およびイオン分布(下段のデバイス模式図)を示す。この均質なドーピング状態においては、全てのイオンの等しい拡散性を仮定している。デバイス模式図において、一方の電極は、滑らかなITO(要素402)であることが示されており、他方の電極404は、顆粒状または粒子状であることが示されている。しかしながら、当業者は、特定の材料、特性および電極の構成は、所望の状況に合わせて、本発明の範囲内で変更できることを理解するであろう。2つの電極間の発光材料406は、正および負のイオンを有する。
図4A〜4Cは、経時的な、ドーパント分布の予期される推移状況を示す。具体的には、左から右への3つの例は、以下の通りである:バイアス前(図4A)、バイアス後初期(図4B)およびバイアス下長時間後(図4C)。カソード付近のドーピングの減少は、カソードへのドーパントの浸出によるものであることに留意されたい。
図5A〜5Cは、カソードに隣接するより高いドーピング濃度層およびアノード付近のより低いドーピング濃度層を含む活性層を有するデバイスの場合についてのイオン分布を示し、等しいアニオンおよびカチオン移動度で、予期される経時的なドーパント分布の推移を示す。一実施形態において、アノードに隣接する高濃度にドープされた層は、カソードに隣接する比較的低濃度にドープされた層と比較して、2倍高濃度にドープされてもよい。カソードおよびアノードの間に、複数(2つ以上)の別の層があってもよく、それぞれ独自のドーピング濃度レベルを有する。傾斜的な濃度差も可能である。具体的には、図5において、左から右への3つの例は、以下の通りである:バイアス前(図5A)、バイアス後初期(図5B)、およびバイアス下で長時間後(図5C)。バイアス前のイオンに関して、デバイスは最初に電荷中立であることに留意されたい。図4A〜4Cの場合のように、全てのイオンの等しい拡散性を仮定している。 図6A〜6Cは、ドープされたカソード層とともに均質にドープされた(堆積されたままの)活性層を有するデバイスの場合についてのイオン分布を示し、等しいアニオンおよびカチオン移動度で、予期される経時的なドーパント分布の推移を示す。具体的には、左から右への3つの例は、以下の通りである:バイアス前(図6A)、バイアス後初期(図6B)、およびバイアス下で長時間後(図6C)。カソード付近のドーピングにおける少しの増加は、ドープされたカソードからの拡散および相互混合によるものと予想され得る。図4A〜4Cおよび5A〜5Cの場合のように、全てのイオンの等しい拡散性を仮定している。 図7A〜7Cは、ドープされた導電アノードドーパント注入層とともに均質にドープされた(堆積されたままの)活性層を有するデバイスの場合についてのイオン分布を示し、等しいアニオンおよびカチオンの移動度で、経時的なドーパント分布の予期される推移を示す。具体的には、左から右への3つの例は、以下の通りである:バイアス前(図7A)、バイアス後初期(図7B)、およびバイアス下で長時間後(図7C)。アノード付近のドーピングにおけるわずかな増加は、ドープされた層からの拡散および相互混合によるものと予想され得る。時間とともに、これはデバイスの活性層において高いカチオン濃度を生成し、電子注入が制限されたデバイスにおける正孔バランスを改善し、一方で過剰なアニオン消光を最小にする。図4A〜4C、5A〜5Cおよび6A〜6Cの場合のように、全てのイオンの等しい拡散性を仮定している。
詳細な説明
いくつかの活性層半導体について、例えば、カソード界面近傍の高いカチオン濃度を有するカソードからの注入を優先的に促進し、アニオン濃度を制限することがより有利であり得る。このことは、優先的に電子注入を促進し、より良いe/hバランスを作って、デバイスの量子効率を増大させ、一方で消光、および不必要に高いアニオン濃度のような過剰ドーパントイオンによる他の寿命劣化効果を最小にすることができる。
本発明の実施形態は、電場が本質的にゼロであるソース層のドーピングが、有機電子デバイスへの組み込みに非常に効果的な単一イオン注入層を生成することを実証している。ソース層は、非半導体、金属または半金属であってもよい。ソース層は、実効的にゼロの内部電場を有する導電および非導電要素の複合体ネットワークを含む。
これらのゼロ電場の単一のイオン注入層は、追加の小さな可動イオンドーパントを含むポリマー共役導電体(PEDOT:PSSなど)を含んでいてもよい、または、それらは不均質な金属/有機複合電極(有機バインダーを有する金属粒子層をプリントされたものなど)を含んでいてもよく、バインダーは、イオン錯化、電解またはイオン貯蔵機能の内の1つ以上を含むがそれらに限定されない、様々な機能を有していてもよい。説明において使用される例示の発光ポリマー配合物は、メルク/コビオンスーパーイエローポリフェニレンビニレンに基づき、これは、電子注入に対して、比較的低い正孔注入への障壁を有する有機半導体である。このデバイスについて、最高占有分子軌道(HOMO)=5.2eV、最低非占有分子軌道(LUMO)=2.8eVである。目的の安定した電極金属、例えばAlまたはAgは、約4.3eVの仕事関数を有し、ITOは、処理条件に応じて4.3eV〜5.2eVの範囲の仕事関数を有することに留意されたい。典型的な発光デバイスの調製は、ITO表面への酸素プラズマまたはUVオゾン処理(本発明のデバイス例におけるUVオゾン)を含み、これは、5〜5.2eVの仕事関数の範囲内の表面電位をもたらすことが予期される。この場合において、SYベースの半導体活性層へのITOアノードからの正孔注入への障壁はほとんどまたは全くなく、一方で所望の安定な金属、例えばAlまたはAgからのSY LUMOレベルへの電子注入のために、正孔注入(約1.5eV)への実質的な障壁が存在する。しかしながら、正孔注入が限定である、高いLUMOおよびHOMOレベル活性層半導体のような事情があってもよい。
一般化された有機発光デバイスの外部量子効率は、以下の式で記述することができる:
ηext = ηphηint = ηphγΦηex
ここで、
ηext = 外部効率
ηph = 光子のアウトカップリング効率
ηint = 内部効率
γ = 電子対正孔の比、典型的には≦1。この不均衡のためにエネルギー損失がある。
Φ = エミッターの発光再結合の量子効率。
ηex = スピン統計に基づく、発光励起の割合。
上記の式から分かるように、電子/正孔比(「電子正孔バランス」とも呼ばれる)は、重要なパラメータである。このパラメータは、2つのデバイス構造および材料の状況:電荷注入および電荷輸送によって影響を受ける。電荷注入障壁が低い場合、電荷キャリア電流、従って電子/正孔バランスは、空間電荷制限された輸送効果により支配されうる。これらの空間電荷効果は、輸送距離およびキャリア移動度に依存する。しかしながら、ここで関心の場合、高仕事関数、安定な電極材料、典型的には電荷注入がより重要な因子である。透明で高仕事関数のアノードおよび比較的安定した(この場合>4eV)金属カソードを有するSYベースの発光デバイス構造の場合、デバイス効率のための支配的な因子は電子注入である。この場合、カチオン注入源として、外的にドープされた金属導電ポリマー、PEDOT:PSSを使用することが好都合であった。しかしながら、透明なカソードデバイスおよび不透明なドーパント注入層アノードについての逆の構成においては、アノードとして、ドーパントをマトリックスに受け入れることができる金属粒子複合材料などのアノードを使用することができる。さらに、上述したように、正孔注入が制限されたデバイスは、ドープされた共役ポリマーなどのドープされた均質な導電体材料または不均質な金属複合体のいずれかによる、カソード層ドーピングによる恩恵を受ける。金属複合体は、例えばスクリーン印刷、ステンシル印刷、フレキソグラフ印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷、エアゾールスプレーコーティング、計量分配などの手段により容易に印刷可能であるため、金属複合体は特に重要である。
本発明は、ドーピング注入層に関し、これは「LEP多層体」用途で議論された多層体とは異なる。ここにおけるコンセプトは、イオンが隣接する導電または非半導体層を通してデバイスの活性領域に注入され、それにより単独で帯電したイオンをその対イオンなしで注入できることである(対イオンは、隣接する電極との接触を確立している層の電位により導電層中に保持される)。これは、印加されたバイアス定常状態下で、より高いカチオン濃度をデバイス中に注入することができる状況を可能にし、これは多くの場合OLEDデバイスの制限因子であるカソード注入を優先的に促進し得る。これは高仕事関数の印刷されたカソードデバイスへ特に当てはまる。これらの場合において、良好なe/hバランスおよびより長い寿命のデバイスにより、増大したカソード注入がより高いEQEをもたらしうる。イオンの追加供給も、カソードへドリフトする失われたドーパントの補充により、寿命による電圧上昇を減少させるであろう。
導電または導電複合層における実効ゼロ電場のために、電極様荷電イオンの動きが抑制され、その対イオンはバイアス下の定常状態において、デバイスの半導体活性層内へより高い補償されないレベルで注入することができる。例えば、中性有機イオン液体のような塩でドープされた導電層は、デバイスのアノードに電気的に接触しており、導電層界面からの活性層へ優先的にカチオンを注入し、一方でアニオン注入を抑制するであろう。このことは比較的高濃度のカチオンを生じさせ、これは、アニオン増強の正孔注入の対応する増大なしに、多量のカチオンがカソードからの電子注入を増加させ、従って電気注入制限デバイスにおける量子効率を増加させるかもしれない場合、特に重要であろう。これは、実効的にイオン移動度から独立であり、従って本産業で知られてきたものと根本的に異なる。
本発明において提案した実施形態を試験するためには、ドープされた印刷カソードペーストの配合の容易さおよび標準活性層インクの入手性によって、カソードへドーパントを添加することがより高い割合のアニオンのデバイスへの注入をもたらし、電子/正孔バランスに負に影響し、余分な消光部位を導入するので、SYデバイスのための導電カソードにドーパントを含ませることが、電子注入制限デバイスの効率を低下させるという、反対仮説を試験することが、最初は最も適切であった。カソードドーピングの場合には、印刷された複合材料自体の内部に導電ネットワークを構築するバルク金属粒子にドーパントが可溶でないため、実際にはドーパントはバインダーに溶解される。
以下に示した基本レシピに従って、グラビア印刷された約500nm厚のドープされたLEP活性層(SY LEP+PEO+イオンドーパント)を有するフレキシブルPET基板上のパターン化されたITO層を含むデバイス構造に基づいて実験を試みた。
約3.3%のドーパント対有機バインダー比を有する配合物(10−243−1−イオン1)を用いたスクリーン印刷のためのドープされたカソードインクを、活性発光層上に印刷し、乾燥させて、3〜4ミクロン厚さの上部電極を形成し、デバイス積層体を完成させた。ほぼ同じ厚さの対照カソード混合物10−243−1を用いた対応するセットのデバイスも同時に作製した。10−243−1−イオン1と呼ぶ、例のドープされたカソードインク配合物は、非限定的な説明的な例としてのみに開示され、以下の属性を有する:
・100g Agロット10−243−1(AG752(Add−Vision/導電化合物Agペースト配合 約70%のAg量、約8%のマトリックス固体、残部の溶媒および揮発性物質を有する非フレークAg粒子をベースとする)
・200mgのガンマ ブチロラクトン溶媒
・200mgのBMPYRTFSI(イオン液体ブチルメチルピロロジニウムトリフレートスルフィミド)
・70mgのTBATFSI(テトラブチルアンモニウムトリフレートスルフィミド)
この配合物では、Agバインダーに対して約3.3%のイオン濃度を使用する(重量で)。これらの配合物について測定された粘度は、標準的なAg配合物10−243−1については193,750cPであり、特定の「ソルティな」Ag配合物10−243−1−イオン1については197,500cPである。
対照のドープされていないカソード配合物(即ち、標準的なAg配合物)を用いて作られた対照デバイスと共に、ドープされたカソード「ソルティな」Ag配合物を用いたデバイスに関して、4mA/cm2での定電流バイアス試験を窒素中で行った。これらのデバイスからの例示のデータは、図1A〜1Bに示されている。図1A〜1Bにおいて、グラビア印刷LEPを使用した。図1Aは、標準的なAg配合物を使用した対照デバイスからの結果を示し、これは15V以下になるまでに4.3秒を必要とした。図1Bは、ソルティなAg配合物を用いたデバイスからの結果を示し、15V以下になるまでに、0.29秒未満を必要とした。駆動電流は、4.0mAであった。ドープされたカソードデバイスは、デバイス動作の初期ターンオン段階において、対照と比較して動作電圧および効率が同時に減少することを明確に示す。この挙動は、正孔電流注入をさらに増加させる、アノード隣接デバイス領域の促進されたドーピングと整合しており、それによって、定電流を供給するために必要な電圧は下がるが、さらに低い割当量へと向かう電子/正孔バランスの有害な低下(正孔が支配的になる)によってデバイス効率を低下させる。表2は、輝度半減寿命までの時間、ピーク効率および電圧遷移挙動だけではなくカソードについての粘度データを含む、試験データの要約を示す。粘度データは、インク粘度の現在の実質的な変化を示す(ドーパントの添加による陽性の増加は、測定の誤差の範囲内である)。
この表において、10−243−1は標準的なAg配合物を示し、10−243−1−イオン1は特定の「ソルティな」Ag配合物を示す。
印刷された、ドープされたLEPデバイス上のカソードドーピングについて見られる初期の劇的な負の結果に基づいて、厚いドープされたカソードにより導入された多量の総ドーパント量の分だけ、デバイスが過剰ドープされた可能性があったので、カソード中の低減されたドーピングレベルを用いて実験の第2ラウンドを行った。これは、第1のドープされたカソード配合物10−243−イオン1から、2倍(10−243−イオン2)および10倍(10−243−イオン3)だけ低減されたカソードドーピング濃度を含んでいた。
実験データは、カソードドーピングレベルの低下が、(10−243−イオン1を用いた)第1のドープされたカソード試験よりもデバイス性能を向上させたことを示す。しかしながら、効率および寿命は、ドープされていないカソード対照について観察されたものよりも依然として劣っており、より低濃度にドープされたカソードについての電圧は、より高濃度にドープされたカソードを有するデバイスおよびドープされていないカソードを有する対照デバイスと比較して中間であった。約0.3%ドーパント/バインダーに対する、
約10倍だけのカソードドーピング濃度のさらなる低減は、以前として、対照に対してデバイスへの悪影響を示した(図示せず)。バイアスされ、ドープされたカソードデバイスにおけるイオン分布の一般化された図を図5A〜5Cに示す。これらの結果は、以下の仮説をサポートしている:
(a)アニオンのより高い濃度は、アノード/LEP注入障壁を低下させ、デバイスへの正孔注入を増加させる。これは、定電流動作の下でより低いバイアス電圧をもたらす。より低い印加電圧において、今や大きい正孔電流が可能なためである。多くのOLEDデバイスは既に電子不足であるため、特に活性層HOMOレベル(価電子帯)に対して良好なアノード仕事関数を有する印刷されたカソードデバイスは、より高い相対正孔電流での定電流駆動下で、e/hバランスはさらに正孔リッチへと押し動かされ、効率、従って輝度寿命が減少する。
(b)より有利な状況は、カチオン濃度を増加させるカチオン注入アノード層を作り、よりバランスの取れた状態へe/h比を押し動かし、それにより電圧を低減しながらEQEおよび寿命を増加させることであろう。
これらの仮説は、"Scientific importance, properties and growing applications of poly(3,4-ethylenedioxythiophene)"と題された、文献Kirchmeyer, S., and Reuter, K, J. Mater. Chem., 2005, 15, 2077-2088(Kirchmeyer文献と呼ぶ)に記載されたLEP配合物に基づくデバイス(しかしこれはまた、アノードに隣接したイオン液体ドープされたPEDOT層を含む)を作ることによって試験された。市販のClevios PEDOT:PSS配合物を、適切なアノード注入層ベースとして選択した。OLEDにおける高い導電グレードの使用は、一般的に、劣った従来のOLEDデバイス寿命の結果を生じさせる。ここで用いられた、印刷されドープされたLEPデバイス構造(キルヒマイヤー文献におけるような、ドープされたLEP配合物に従うLEC型)において、PEDOT:PSSの標準OLEDグレード、例えばAI4083は、それほどデバイス性能を向上させないことを繰り返し示してきた。これは、ここで用いた、ドープされたSY LEPデバイスが、好適な電極/活性層の仕事関数マッチおよび活性層ドーパントからの効果的なドーピングの存在により、正孔注入を増加させる試みにより利益を得ることが期待されないという事実と一致している。
我々が高度に導電性のドーパント注入層の利益を予測している、これらの実施形態に記載された印刷されたデバイス構造において、我々は、基準のテトラアルキルアンモニウムカチオンよりも高速なデバイス速度により実証されるように、より高い移動性のカチオンを有するイオン液体ブチルメチルピロロジニウムトリフレートスルフィミド(BMPYRTfSi)でドープされたClevios PH500層に基づくアノードドーパント注入層について良好な結果、および結晶化への低い傾向を認識した。ここでドープされたアノードの実験で使用したアノード積層体の電気的特性を表3に示す。予想されたように、ITO+PEDOT:PSS積層体のシート抵抗は、より高い導電性のITOにより支配される。PH500およびPH100についてのここにおける抵抗は、既存の文献で遭遇する値よりも高く、おそらく溶液濾過および熱的調製における相違による。しかしながら、2つの間の抵抗率における予期された傾向が観察された。ドープされたPH500/ITO積層体のほとんどの範囲について、導電性のドープされたPEDOT:PSS層の存在による、全体的な対応するシート抵抗においていくらかの減少が観察された。積層体抵抗率がITOのみの積層体のシート抵抗率(CPFilmsにより堆積したOC50ITO/Melinex ST504 PET)とほぼ同じまで上昇するサンプルID#3のITO+PEDOT:PSS,BMPの積層体のデータから判るように、非常に高度にBMP−(ブチルメチルピロリジニウムトリフレートスルフィミド)でドープされたPH500の抵抗率が結局は落ちる(roll off)ことに気づくことは興味深い。この場合、ドーパント含有量は、その層の全「固形分」濃度の50%に近づいている。この点で、PEDOT電荷キャリア種の実効導電率が、希釈、アイランド形成または浸出の損失のためにブレークダウンしている可能性がある。相対的なドーパント濃度を、AV−L1231Y配合ドーパントレベルに対するドーパントレベル倍数である、サンプル名の前に記した「#X」として表3中に示している。例えば、PH500_BMPX2は、PH500_BMPX1が有するであろうアノード層ドーパント濃度の2倍を有する。これらのデバイスについて、基準ドーパントレベルは、ドーパント全アノード層固体の4.3%である。
2つの実験による定電流データ下でのデバイス寿命(半減ピーク輝度までの時間)およびピーク効率データは、基準層の4倍までのアノード層中でのイオン液体濃度すなわち約12%重量の追加ドーパントにより、効率および寿命における正の傾向を示している。(10−234−1カソード配合物中のように)カソードがドープされずアノード層が導入されたことを除き、これらのデバイスは前述のドープされたカソードデバイスと構造および配合において類似していた。
さらなる実験を、2倍から16倍まで変化するドーパント濃度のより広い範囲を有するアノードドーパント注入層を有するデバイスを用いて行った。この実験によるデータを表4に示す。このデータは、最高のドーピングレベルで性能の減衰を示している。より低い移動度のカチオンを含む混合ドーパントのより劣った性能は、カチオンの拡散性が重要らしいことを示している。
図3は、その対照に対して各セットを正規化することにより、複数の実験データセットを組み合わせた図形的な結果を示す。デバイスの輝度寿命対ドーピングレベルの2つの指数関数フィットは、導電アノード総重量の約17%の最適ドーピングレベルを示している。当業者は、ここでは指数関数フィットを用いたが、他の種類の数学的なフィッティング機構も使用できることを理解するであろう。
図4A〜4Cは、印刷されたカソードを有する、「典型的な」単一LEPインク組成物PLEDについて、左(作ったまま、バイアスなし)から始めて、中央(バイアス印加後の初期条件)、右(典型的な条件の下での数十時間の初期バーンイン段階後)のデバイスの寿命全体にわたるイオンドーピング状況を示し、PLEDは独占権下にある材料、例えば、スコッツバレー、カリフォルニア州に拠点を置く、以前はAdd−Vision,Inc.(AVI)として知られていた会社により市販された組成物でドープされている。初めはアニオンおよびカチオンの電荷中性半均質分布を仮定しているが、一部の電解質は、カソード堆積および処理の間に、カソード中へ浸出し得る可能性がある(図4A)。バイアス下でのイオンの動きは、カチオンをカソードへ、アニオンをアノードへ移動させる。電極からLEPへイオン補助トンネリング速度が上昇するにつれて電荷注入は高まる(図4B)。イオンドリフトが継続するにつれて、デバイス内部のイオン濃度は低下し、それが放射効率を高め得る。
図5A〜5Cは、例えば印刷により、デバイス中の後続の活性層へ異なるドーピングレベルが導入される、ドープされた活性多層デバイスについて、バイアス下でのイオンの推移を示す。この手法は、デバイスバイアスの初期段階において、(図4A〜4Cのように)均質にドープされたデバイスと比較して、カソード付近の比較的高いカチオンドーピング濃度をもたらすことができる。これは、均質にドープされた、カソード注入が制限されたデバイスに対していくつかの利点を有する。しかしながら、このデバイス構成は、デバイス内のアニオンおよびカチオン濃度が等しい(これは電子および正孔注入の点で本来的にバランスされている典型的なデバイスにとって最適ではない)という事実によって制限される。これは、デバイスの活性半導体層内の不要な対イオンの最適濃度よりも高い濃度をもたらし、消光、オーバードーピングおよびパフォーマンスロスをもたらし得る。
本発明の実施形態におけるイオンドナー層がかなり導電性であることが重要であるという点で、既存のLEP多層構造(例えば、LEP/+正孔注入層構造)と本出願のドーパント注入層との間にかなりの相違があることに留意されたい。前述したように、金属導電体が、その層のバルク内に実質的にゼロの電界を有し(導電性ポリマーを含む有限キャリア濃度金属には、非ゼロ電場のいくつかの薄い領域があるであろう)、特定のバイアスで維持される点で、ドーパント注入層が導電性であることが重要である。このことは、隣接する活性層中へ対イオンを駆動しながら、この層中にカチオンまたはアニオンのいずれか(カチオン注入ドーパントドナー層の場合にはアニオン)を保持するのに役立つ。この固定化は、構造誘起のイオン移動度とは無関係であることに留意されたい。導電における電場保持イオン(ここでのドープされたアノード層の例においては、アニオン)の位置はデバイスの寿命全体にわたって比較的一定であろうが、これは寿命全体にわたってアノード界面へ高濃度イオンドリフトを駆動する傾向がある有限電場を有する非導電体から異なっており、これはオーバードーピングおよびスクリーニング効果による劣化および電圧上昇の追加の原因となり得る。導電性の、イオン担持ドナー層の場合には、デバイスの活性層からこの層へ駆動されるイオンは、固定化され、制限された影響を有し、おそらく、金属ドナー層において既に高い電荷キャリア濃度にいくつかの小さな増加を引き起こすであろう。この種のデバイスは、図4A〜4Bの均質にドープされたデバイスと比較して、しばしば、早期のe−注入開始およびより高い電子注入およびより高い電子/正孔比をもたらす。
図6A〜6Cは、ドープされたカソードおよび均質なLEPインク組成物を用いて作られたデバイスについてのデバイスの寿命全体にわたる、イオンドーピング状況を示す。左側の図6Aは作られたままでバイアスされていないデバイスを示し、中央の図6Bはバイアスを印加した後の初期状態を示し、右側の図6Cは初期のバーンイン後、例えば典型的な条件下で数十時間後の状態を示す。カソード中のゼロ電場および順方向バイアス条件下でカソードにかかった負のバイアスは、カソード自身の内部にカチオンを保持し、優先的にアニオンを注入するであろう。順方向バイアス下での定常状態条件下で、デバイスの活性層内に正味のより高いアニオン濃度があり、これはバイアスを除去した後に緩和するであろう。具体的には、図6Bはドープされていないカソードに対してデバイス中において高いアニオン濃度が見られることを示している。カチオンは、負にバイアスされたカソード中に留まる傾向がある。図6Cは、カソード中の低い拡散および大きな供給容積(より厚いカソード)のために、アニオンがカソードからドリフトし続けるであろうことを示している。高いアニオン濃度は、促進された正孔注入によって、電子/正孔バランスをさらなる正孔優位へ偏らせる可能性がある。
図7A〜7Cは、ドープされたアノード層および「典型的な」単一LEPインク組成物で作られたデバイス、印刷されたカソードを有するAVIドープトPLEDについて、デバイスの寿命全体にわたるイオンドーピング状況を示す。左側の図7Aは作られたままでバイアスされていないデバイスを示し、中央の図7Bはバイアスを印加した後の初期状態を示し、右側の図7Cは初期のバーンイン段階後、例えば典型的な条件下での数十時間後の状態を示す。カソード/カチオンドーピングをもたらすことを増加させる可能な経路は、ドープされたアノードを有すると想定されるであろう。それは、アノードから活性領域への遊離イオンの動きが従来のOLEDの場合において望ましくなく意図的に抑制されているという意味において、非−LECの、ドープされていない従来のOLED/PLEDにおけるPEDOT使用とは異なっている。具体的には、図7Cは、カソードにおける低い拡散および大きな供給容積(より厚いカソード)により、アニオンがカソードからドリフトし続けるであろうことを示している。高いアニオン濃度は、促進された正孔注入によって、電子/正孔バランスをさらなる正孔優位へ偏らせるであろう。LEPにおける定常状態のカチオン濃度はアニオン濃度よりも高い。
本発明の他の可能な実施形態は、導電性の機構のネットワーク、例えばAgナノワイヤーメッシュ、導電ナノチューブメッシュまたは意図的にパターン化した導電体メッシュにより形成された金属または半金属ドーパント注入層を含む。注入複合体の追加成分は、イオン供給源として機能し、平坦化能力を有しているかもしれない、イオン担持材料および/または電解質形成剤でありうる。このような複合体は、アノードまたはカソードのドーパント注入層として使用することができ、(必要ならば)透明で、柔軟であるという利点を有することができ、潜在的には、高価なまたは堆積が困難な、酸化インジウムスズのような層の必要性をなくすことができる。
本発明を例示する目的のために特定の代表的な実施形態および詳細を示してきたが、当業者には、添付の特許請求の範囲において画定される本発明の範囲から逸脱することなく、ここに開示されている方法および装置における様々な変更を行うことができることが明らかであろう。さらに、本明細書中で述べた材料の市販名は読者の理解を容易にするために使用されており、本発明がここに述べた特定のデバイスの構成および材料のみに限定されるといういかなる示唆もない。

Claims (8)

  1. 電子デバイスのための等電位ソース層であって、前記ソース層は前記電子デバイスの活性層へ優先的に注入される電荷のイオンを供給し、前記注入されるイオンの電荷は前記等電位ソース層に印加される相対的なバイアスの符号と同じ符号を有する、等電位ソース層。
  2. 請求項1の等電位ソース層を含む電子デバイスであって、前記ソース層はイオンのための比較的高い拡散性を有する少なくとも1つの成分を有する複合イオンドーパント注入層を含む、デバイス。
  3. 請求項2のデバイスであって、前記複合イオンドーパント注入層は金属導電粒子およびイオン担持マトリックスを含む、デバイス。
  4. 請求項2のデバイスであって、前記複合イオンドーパント注入層は連続的な金属導電ネットワークおよびイオン担持マトリックスを含む、デバイス。
  5. 請求項4のデバイスであって、前記金属ネットワークは金属ナノワイヤーまたは導電ナノチューブを含む、デバイス。
  6. 請求項3または4のデバイスであって、前記イオン担持マトリックスは導電ポリマーを含む、デバイス。
  7. 請求項2〜6のいずれかのデバイスであって、前記デバイスは、透明なアノード、前記活性層に隣接した追加の可動イオンドーパントをもち、前記透明アノードに接触している導電ポリマー層を含む、デバイス。
  8. 請求項2〜7のいずれかのデバイスであって、前記デバイスは透明なカソードおよびドープされたアノードを含み、前記ドープされたアノードは電気的に連続した金属元素のネットワークとイオン担持マトリックスとの複合体である、デバイス。
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