JP2014525045A - 下降管アニュラス内で作動する原子炉冷却材ポンプを有する加圧水型原子炉 - Google Patents

下降管アニュラス内で作動する原子炉冷却材ポンプを有する加圧水型原子炉 Download PDF

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Abstract

加圧水型原子炉(PWR)は、垂直な円筒状圧力容器と、下方側容器部分内に配置された原子炉心を含む。圧力容器の内部には、中空の円筒状中央ライザーが同軸配置される。中央ライザーと圧力容器との間には、下降管アニュラスが画定される。原子炉冷却材ポンプ(RCP)は、(i)原子炉心上に配置されるとともに、下降管アニュラスと流体連通されて一次冷却材を下降管アニュラスを通して下向きに推進させるインペラー、(ii)圧力容器の外部に配置されるポンプモーター、及び、(iii)ポンプモーターをインペラーに動作可能に連結する駆動軸を含む。PWRは、下降管アニュラス内に内部蒸気発生器を含み、インペラーは、蒸気発生器の下方側に配置される。インペラーは、下降管アニュラス内に配置することができる。RCPは、インペラーとともに遠心式ポンプを規定するポンプ・ケーシングを更に備える。

Description

以下は、原子炉技術、発電技術、原子炉制御技術、原子力発電制御技術、熱管理技術及び、その関連技術に関するものである。
加圧水型原子炉(PWR)式の原子炉の設計において、放射性原子炉心は、圧力容器の近傍もしくは底部で、一次冷却材中に浸漬される。そのような一次冷却材は、圧縮され、もしくはサブクールされた液相内に保たれて、圧力容器から外部蒸気発生器に注がれるか、又は、これに代えて、内部蒸気発生器が圧力容器内に配置される(これは「インテグラルPWR」設計と称されることがある)。いずれの設計においても、加熱された一次冷却水は、上記の蒸気発生器内の二次冷却水を熱し、蒸気を発生させる。かかるPWR設計の利点は、蒸気が、放射性原子炉心に晒されていない二次冷却材を備えることにある。
典型的なインテグラルPWR設計の構成では、一次冷却材流れの循環は、一般に直立に(すなわち、円筒軸が垂直に配向されて)取り付けられた円筒状圧力容器と、その圧力容器の内部に同軸配置された中空の円筒状中央ライザーとで規定される。一次冷却材は、加熱された原子炉心を通って上向きに流れ、そして、上記の中央ライザーを通って上昇し、その中央ライザーの上端から排出されるとともに、原子炉心に戻る下向きの流れに反転し、圧力容器と中央ライザーとの間に画定される下降管アニュラスを通る。これは通常の自然な流れの循環であり、原子炉心の上方に、また原子炉心から離れて流れて、原子炉心によりもたらされる加熱、及び、一次冷却材の冷却によって動作される。しかしながら、高電力原子炉では、自然な対流を、電気機械的な原子炉冷却材ポンプによりもたらされる動力により補完もしくは置換することが必要であり、また、これが利点である。
最も生産されているPWRシステムは、外部蒸気発生器を採用する。そのようなシステムでは、一次冷却水は、PWR圧力容器と外部蒸気発生器との間の外部配管に連結された外部ポンプによって圧送される。このことは、ポンプが、圧力容器内の部分を含む全ての一次冷却材流れの循環を駆動させるので、一次冷却水を圧力容器内で循環させる動力をもたらす。
一部では、内部蒸気発生器を採用する「インテグラル」式のPWRシステムが生産されている。既存のPWR設計では、沸騰水型原子炉(BWR)設計を用いる「グランドレス」タイプの原子炉冷却材ポンプが、インテグラル式PWR内での使用に適用されている。そのようなポンプは通常、圧力容器内で、BWRの構成と類似して該圧力容器の底部の原子炉心の近傍に、又は該容器の上端に連結される。いずれの構成においても問題がある。容器の底部に連結することは、低い高さでの容器貫通部を招き、これは、それらの接続を含む冷却材喪失事故(LOCA)の場合に問題となり得る。容器の上端に連結することは、その領域が一般に、外部制御棒駆動機構(CRDM)ユニットによって、また、内部加圧器又は、外部加圧器との溶接接続によって、さらには、様々な機器フィードスルー等によって既に占有されているので問題である。
ここでは、以下を読んだ上で当業者に明らかになるであろう様々な利点をもたらす改良を開示する。
この開示の一の側面では、装置は加圧水型原子炉(PWR)を備え、該加圧水型原子炉は、ともに固定された上方側及び下方側容器部分を備える垂直に配向された円筒状圧力容器を含む。この円筒状圧力容器は、垂直に配向された円筒軸を有する。下方側容器部分には、原子炉心が配置される。円筒状圧力容器の内部には、それと同軸に、中空の円筒状中央ライザーが配置される。中空の円筒状中央ライザーと円筒状圧力容器との間には、下降管アニュラスが画定される。原子炉冷却材ポンプ(RCP)は、(i)原子炉心上に配置されるとともに、下降管アニュラスに流体連通されて一次冷却材を下降管アニュラスを通って下向きに推進させるインペラー、(ii)圧力容器の外部に配置されたポンプモーター、及び、(iii)ポンプモーターをインペラーに動作可能に連結する駆動軸を含む。いくつかの実施形態では、RCPは、下方側容器部分に固定される。いくつかの実施形態では、PWRは、下降管アニュラス内に配置された内部蒸気発生器を更に含み、RCPのインペラーは、内部蒸気発生器の下方側に配置される。いくつかの実施形態では、インペラーは、圧力容器の内部で、下降管アニュラス内に配置されて、一次冷却材を、下降管アニュラスを通して下向きに推進させる。たとえば、インペラーは、ポンプモーター及び駆動軸とともに、圧力容器の内部で、その圧力容器の突出部の上方側に配置することができ、ここでは、ポンプモーターは、圧力容器の外部で前記突出部の下方側に配置され、また駆動軸は、垂直に配向するとともに突出部の下方側のポンプモーターを突出部の上方側のインペラーに動作可能に連結するものとする。いくつかの実施形態では、RCPは、ポンプ流入口及び流出口を下降管アニュラスに連結する流入及び流出フランジを更に含み、PWRは、中空の円筒状中央ライザーと圧力容器との間に延びて下降管アニュラスを上方側及び下方側部分に分離させるアニュラス・セパレーターを更に備える。ここでは、上方側下降管アニュラス部分は、流入フランジを介してポンプ流入口に連結され、また、下方側下降管アニュラス部分は、流出フランジを介してポンプ流出口に連結される。いくつかの実施形態では、インペラーは、圧力容器の内部で下降管アニュラス内に配置されて、一次冷却材を、下降管アニュラスを通して下向きに推進させ、また、原子炉冷却材ポンプは、インペラーを含むポンプ・ケーシングを更に備え、ここでは、ポンプ・ケーシングもまた、圧力容器の内部で下降管アニュラス内に配置されるとともに、ポンプ・ケーシングとインペラーとが、遠心式ポンプを規定する。
この開示の他の側面では、装置は加圧水型原子炉(PWR)を備え、該加圧水型原子炉が、上方側及び下方側容器部分を備えるとともに垂直に配向された円筒状圧力容器と、円筒状圧力容器の内部でそれと同軸に配置された中空の円筒状中央ライザーであって、該中空の円筒状中央ライザーと円筒状圧力容器との間に下降管アニュラスが画定される中空の円筒状中央ライザーと、下方側容器部分内に配置された原子炉心と、中空の円筒状中央ライザーの周囲から離れて位置し、下方側容器部分に固定される複数の原子炉冷却材ポンプ(RCPs)であって、それぞれの原子炉冷却材ポンプが、(i)圧力容器の内部で下降管アニュラス内に配置されたインペラー、(ii)圧力容器の外部に配置されたポンプモーター、及び、(iii)ポンプモーターをインペラーに動作可能に連結する駆動軸を含む原子炉冷却材ポンプとを含む。いくつかの実施形態では、複数のインペラーに最も近接する下降管アニュラスは、複数の回転インペラーと協働して一次冷却材を下降管アニュラスを通して下向きに推進させる複数のインペラー用の共通の環状のポンプ・ケーシングを画定する形状をなす。いくつかの実施形態では、RCPは、圧力容器の内部で下降管アニュラス内に配置されてインペラーとともに遠心式ポンプを規定するケーシングを更に備える。いくつかの実施形態では、PWRは、下降管アニュラス内に配置された蒸気発生器を更に備え、インペラーは、その蒸気発生器の下方側で原子炉心に上方側に配置される。
この開示の他の側面では、装置は加圧水型原子炉(PWR)を備え、該加圧水型原子炉は、上方側及び下方側容器部分を備えるとともに垂直に配向された円筒状圧力容器と、下方側容器部分内に配置された原子炉心と、円筒状圧力容器の内部でそれと同軸に配置された中空の円筒状中央ライザーであって、該中空の円筒状中央ライザーと円筒状圧力容器との間に、下降管アニュラスが画定される中空の円筒状中央ライザーと、下降管アニュラスを上方側部分と下方側部分に分けて互いに流体分離させるアニュラス・セパレーターと、中空の円筒状中央ライザーの周囲から離隔する複数の原子炉冷却材ポンプ(RCPs)であって、各RCPの流入口が、流入フランジによって、上方側下降管アニュラス部分に連結されるとともに、各RCPの流出口が、流出フランジによって、下方側下降管アニュラス部分に連結されて、RCPが、一次冷却材を、上方側下降管アニュラス部分から下方側下降管アニュラス部分へと推進させる原子炉冷却材ポンプとを含む。いくつかの実施形態では、各RCPは、それの流入フランジ、それの流出フランジ、又は、それの流入フランジ及び流出フランジの両方によって支持され、また、各RCPは、RCPの残部の下方側に垂直に垂下されるポンプモーターを含む。
原子炉冷却材ポンプ(RCPs)を有する加圧水型原子炉(PWR)の側方断面図を示す。 RCPsを含む図1のPWRの下方側容器の斜視図を示す。 断面視のRCPを含む図1のPWRの下方側容器の拡大した部分の側方断面図を示す。 独立して鋳造されるフランジを含まない他の実施形態のRCPsを含むPWRの下方側容器の他の実施形態の側方断面図を示す。 独立して鋳造されるフランジを含まない他の実施形態のRCPsを含むPWRの下方側容器の他の実施形態の斜視図を示す。 断面視の二個のRCPsを含む図4及び5の実施形態のPWRの中間フランジ領域の側方断面図を示す。 遠心式ポンプ構造及び水平設置モーターを有するRCPsの他の実施形態を含むPWRの下方側容器の他の実施形態の側方断面図を示す。 遠心式ポンプ構造及び水平設置モーターを有するRCPsの他の実施形態を含むPWRの下方側容器の他の実施形態の斜視図を示す。 断面視のRCPを含む図7及び8のPWRの下方側容器の拡大した部分の側方断面図を示す。
本発明は、様々な構成要素及び、構成要素の配置、並びに、様々な処理動作及び、処理動作の配列における形態を採用することができる。図面は、単に好適な実施形態を示すためのものであり、発明を限定すると解釈されるものではない。
図1〜3を参照するに、加圧水型原子炉(PWR)は、円筒状圧力容器10を含むものである。ここでいう「円筒状圧力容器」との用語は、当該圧力容器が一般に円筒形状を有するものであるが、いくつかの実施形態では、数学的に完全な円筒から外れることがあることを意味する。たとえば、図示の円筒状圧力容器10は、円筒の長さに沿って径が変化する円形断面を有するとともに、丸みを帯びた端部を有し、また、様々な容器貫通部及び、容器部分のフランジ連結等を含む。かかる円筒状圧力容器10は、直立部に取り付けられ、上方側容器部分10U及び下方側容器部分10Lを有するものであり、それらはともに、当該下方側容器部分10Lに形成された下方側フランジ12L及び、上方側容器部分10Uに形成された上方側フランジ12Lを有する中間フランジ領域12で固定されている。図示の中間フランジ領域12は更に、介在中間フランジ要素12Mを含むものであり、そして、下方側及び上方側フランジ12L、12Uは、その中間フランジ要素12Mに、又はそれを介して(たとえばロングシャンクボルトで)連結されている。このことに代えて、中間フランジ要素を省略し、下方側及び上方側フランジ12L、12Uをともに、中間フランジ領域で直接連結することもできる。圧力容器10は直立状態にあるが、この直立位置を、円筒軸の正確な垂直配向から外れるものとすることも考えられる。たとえば、PWRが海事の容器に内に配置される場合は、それが直立状態であっても、水上もしくは水中の当該海事の容器の動きにより、時間に伴い変化していくらか傾斜することがある。
上記のPWRは、下方側容器部分10L内に配置された図示の放射性原子炉心16を更に含む。この炉心16は、核分裂性235U同位体が濃縮された酸化ウラン(UO2)を含有する物質のような核分裂性物質の塊を有し、これは、下方側容器部分10Lの適切な取付けブラケット又は保持機構(図示しない炉心取付け構造)に取り付けるべく構成される燃料バスケット又はその他の支持アセンブリ内に配置した燃料棒束等を構成する。反応度制御は、通常は制御棒のアセンブリを有する図示の制御棒システム18により与えられ、かかる制御棒は、連結棒、スパイダ又はその他の支持要素上に取り付けられる。そのような制御棒は、中性子吸収物質を有するものである。制御棒は中性子吸収材を備え、制御棒アセンブリ(CRAs)は、制御棒駆動機構(CRDM)ユニットに動作可能に連結されており、この制御棒駆動機構(CRDM)ユニットは、制御棒を制御可能に、炉心16内に挿入し、又は炉心16から引き抜いて、連鎖反応を制御し、又は停止させる。炉心16と同様に、制御棒システム18は図示し、個々の制御棒、連結棒、スパイダ及びCRDMユニットのような個々の要素は図示していない。図示の制御棒システムは、圧力容器10の内部でCRDMユニットが配置された内部システムである。内部制御棒システム設計のいくつかの実例は、2010年12月16日発行のStambaugh et alによる「原子炉用の制御棒駆動機構」(US2010/0316177A1)及び、2010年12月16日発行のStambaugh et alによる「原子炉用の制御棒駆動機構」(WO2010/144563A1)に含まれている。ここでは、それらの全体を参照により組み込むものとする。あるいは、外部CRDMユニットを用いることもできる。但し、外部CRDMユニットは、制御棒に連結するため、圧力容器10の上面から底面に至る機械的貫通部を必要とする。
作動状態では、PWRの圧力容器10には、一次冷却材としての機能及び、中性子を熱運動化させる減速材物質としての機能を果たす一次冷却水が含まれる。図示のPWRは、蒸気泡、並びに、ヒーター、スパージャー又は、該蒸気泡を加熱もしくは冷却する他の装置を有する上方側容器部分10Lの上端領域を備える内部加圧器20を含むものである。上記の内部加圧器は、バッフルプレート22により、圧力容器容積の残部から切り離されており、このバッフルプレート22は、(加圧器ヒーター及び/又はスパージャーでなされる調整を含む)蒸気泡の圧力を、圧力容器の前記残部に伝達して、その圧力を制御する。図示の内部加圧器20に代えて、別個の外部加圧器を設けることができ、これは、適切な導管によって圧力容器10に連結される。
PWR内では、一次冷却水はサブクール状態に維持される。例として、いくつかの意図される実施形態では、圧力容器10の密閉容積内の一次冷却材圧力は、約2000psiaの圧力で、約300〜320℃の温度である。これは単なる例に過ぎず、他のサブクールPWRの作動圧力及び温度の様々な範囲もまた考慮される。炉心16が一次冷却水中に浸漬され、この一次冷却水は、原子炉心内に生じる放射性連鎖反応によって加熱される。一次冷却材流れの循環は、円筒状圧力容器10の内部で、それと同軸配置された円筒状中央ライザー30によって規定される。加熱された一次冷却水は、中央ライザー30を通って、そのライザーの上端に達するまで上方側に上昇し、そして、その上端位置で流れを反転させて、円筒状中央ライザー30と円筒状圧力容器10との間に画定される下降管アニュラス32を通って降下する。下降管アニュラス32の底部では、一次冷却水流れが再び反転するとともに、原子炉心16を通って上方側に逆流し、循環が達成される。
いくつかの実施形態では、内部蒸気発生器36が、下降管アニュラス32内に配置される。二次冷却水は、下降管アニュラス32内の直前の一次冷却材によって加熱された内部蒸気発生器36を通って、選択的に吸水プレナムを緩和させた後に、吸水口を介して蒸気発生器36内に流れ込んで、蒸気に変換され、また選択的に蒸気プレナムを緩和させた後に、蒸気流出口から流出する(吸水口等の当該蒸気発生器の詳細、蒸気流出口及び、プレナム緩和は図1に示していない)。生成蒸気は、電力を発生させるためのタービンの駆動又は、その他の使用に用いることができる(外部プラント構造は図示しない)。内部蒸気発生器を有するPWRは、たとえば、2010年12月16日発行のThome et al.による「インテグラル式ヘリカルコイル加圧水型原子炉」(US2010/0316181A1)に示されているように、インテグラル式PWRと称されることがあり、これの全体は参照によりここに組み込む。この公報には、螺旋形の蒸気発生器管を採用する蒸気発生器が開示されているが、直線(たとえば鉛直)のワンススルー型蒸気発生器管を含む他の管形状や、再循環型蒸気発生器又はU字管発生器等もまた考えられる。
ここに開示する実施形態では、原子炉冷却材ポンプ(RCPs)40は、一次冷却水の循環を補助し、又は駆動する。特に図3を参照すると、図1〜3の実施形態の各原子炉冷却材ポンプ(RCPs)40は、ポンプ・ケーシング44内に配置されたインペラー42、圧力容器10の外部に配置されたポンプモーター46、及び、ポンプモーター46をインペラー42に動作可能に連結する駆動軸48を含むものである。図1〜3の実施形態の各RCP40は更に、中間フランジ領域12内の下降管アニュラス32とともに、独立して鋳造されたポンプ流入口と流出口とを連結する流入及び流出フランジ50、52のそれぞれを含む。環状セパレーター54は、中空の円筒状中央ライザー30と圧力容器10との間に延びて、下降管アニュラス32を上方側部分と下方側部分とに分ける。流入フランジ50は、RCP40の流入口を上方側下降管アニュラス部分に連結し、この一方で、流出フランジ52は、RCP40の流出口を下方側下降管アニュラス部分に連結する。それにより、RCP40は、一次冷却材を、上方側下降管アニュラス部分から下方側下降管アニュラス部分内へと促す。そのような他の方法では、上方側及び下方側の下降管アニュラス部分は、フランジ50、52及びポンプ・ケーシングの経由を除いて、互いに流れが分離している。通常の作動においては、停電又は、その他の障害により能動的な冷却が遮断される場合であっても、RCP40は、一次冷却材流れを、下降管アニュラスを通って下方側に推進させ、それにより、一次冷却材は、流入フランジ50、ポンプ・ケーシング44及び、流出フランジ52を含む経路を通る通常の循環に供され続ける。
より一般的には、ここに図示する実施形態では、RCPsは、中間フランジ領域12内(たとえば、存在する場合は通常、原子炉心16の上方で内部蒸気発生器36の下方に)配置されて、下降管アニュラス32を通って流れる一次冷却材を圧送し、そして、外部に位置するポンプモーター44を有する。すなわち、ポンプモーター44は、圧力容器10の外部に配置される。この中間フランジ位置には明白な利点がある。中間フランジの配置は、LOCAへの緊急応答の観点から、容器の底部でRCPsに取り付けることが好ましい。RCPsのこの中間フランジ配置はまた、RCPsを圧力容器10の上面から相対的に離して配置し、それにより、中間フランジRCPsが、内部加圧器20のような他の要素とスペースを共有するために競合しないので、スペース問題が緩和される。中間フランジRCPsはまた、圧力容器10の底部に存在する炉心16に流入する一次冷却材から相対的に離れて位置する。この距離は、RCPsが圧力容器に該容器の底部で連結されるPWRシステムと比較して、原子炉心16への流入が均一なものに改善されるように、RCPsの作動によってもたらされる流れの不均一性を消失させることができる。さらに、圧力容器は、中間フランジ領域12で、フランジ12L、12U及び、選択的な介在中間フランジ要素12Mを介して分けられるように設計される。このことは、メンテナンス目的でのRCPsへの素速いアクセスをもたらす。
しかしながら、中間フランジ領域12でのRCPsの配置には、多くの課題がある。中間フランジ領域には、外部ポンプモーター44に利用可能な支持構造がない。また、RCPsの中間フランジ配置は、下降管アニュラス32内の下向きの一次冷却材流れを妨げることもあり、それにより、停電の場合には、圧力容器内での受動的な通常の循環に依存する緊急冷却安全システムを妨げることがある。インテグラル式PWRの場合、下降管アニュラス32の少なくとも上方側部分もまた、内部蒸気発生器36によって占有される。
図1〜3の実施形態では、これらの課題は次のように解決される。ポンプ40の支持は、中間フランジ領域12内の下降管アニュラス32とともに、ポンプ流入口及び流出口にそれぞれ連結される、独立して構成された流入及び流出フランジ50、52によりもたらされる。このように支持することで、両フランジ50、52の最大支持及び安定性に有利であるが、一方で、このことは、それらのフランジの一つだけを主に又は全て使用するRCPを支持するようにも意図されている。図示の実施形態では、フランジ50、52及びケーシング44は、駆動軸48が垂直に配向され、またポンプモーター46が垂直に配向されるように(すなわち、ポンプモーター46のローターが、垂直軸の周りに回転するように)形成される。そのような垂直配向は、回転要素(たとえば、ポンプモーター46及び駆動軸48のローター)を支持するベアリング上の摩耗を軽減させる。また、垂直に配向されたポンプモーター46は、占有スペースの大きさを減少させる圧力容器10から離れて延びない。下方側容器部分10Lを、上方側容器部分10Uよりも小径にすることにより、下方側容器部分10Lが効果的に、ポンプモーター46のためのスペースをもたらす「窪み」となって、上記のスペース占有を更に低減することができる。RCPs50の作動障害の場合における通常の循環は、流入フランジ50、ポンプ・ケーシング44及び流出フランジ52を有する経路によって維持される。この通常の循環経路は、十分に径が大きいフランジ50、52を用いること、並びに/又は、RCPsを多数とすること、並びに、ポンプ・ケーシング44及びインペラー42を構築することによる高い流体コンダクタンスによって得ることができ、それにより、インペラー42が回転していないときに、低い流体流動抵抗となる。
ポンプモーター46は、圧力容器10の外部にあることにより、PWR環境での相対的に高い温度(たとえば、いくつかの実施形態では、それよりも高い又は低いPWR作動温度もまた意図されているが300〜320℃)を経験しない。それでもなお、いくらかの熱は、フランジ50、52及びポンプ・ケーシング44を介する伝達により、並びに/又は、圧力容器10からの対流もしくは放射、並びに/又は、一次冷却材によってRCP40に伝わる熱により、ポンプモーター46に伝わることがある。従って、いくつかの実施形態では、ポンプモーター46の熱管理を行うこととし、たとえば、図示の実施形態では、熱交換器56を設けている。
図1〜3の実施形態では、中央ライザー30の周囲から離隔するRCPs40がNである場合(たとえば360°/Nの間隔の場合)、容器貫通部は2Nである。ここで、Nの貫通部は流入フランジ50のためであり、Nの貫通部は流出フランジ52のためである。これらの貫通部は、下方側容器部分10Lの複雑さを増大させ、また、2Nの更なる要素(たとえば、Nの流入フランジ50及びNの流出フランジ52)を導入させるとともに、冷却材喪失事故(LOCA)が生じる可能性のある部位を招く。図1〜3の実施形態のように、RCPs40を圧力容器10から離隔させて配置することは、メンテナンスのためにRCPsにアクセスすることを簡単なものにする。
図4〜6を参照すると、他の実施形態では、下降管アニュラス32内の圧力容器の内側に、インペラーを配置することにより、流入及び流出フランジ50、52の使用を不要にしている。図4及び5には、図示のこの実施形態の下方側容器110Lのみが示されている。この下方側容器110Lは、フランジ12U(及び/又は、選択的な介在中間フランジ要素12M)と結合するような大きさの中間フランジ領域112のフランジ112Lを介して、図1と同様の上方側容器10Uに連結できるものとしている。フランジ112Lは、圧力容器、より詳細には下方側容器110Lの突出部114を画定するべく形成される。原子炉冷却材ポンプ(RCP)140は、図1〜3の実施形態のように、熱交換器56によって冷却されるポンプモーター46及び、駆動軸48を含む。しかしながら、図1〜3の実施形態の専用のポンプ・ケーシング44は、図4〜6の実施形態では省略されており、その代わりに、下降管アニュラス132には、インペラー142が配置されている。インペラー142に最も近接する下降管アニュラス132の一部は、インペラー142との共働によって下降管アニュラス132を通る一次冷却材の下降をもたらすポンプ・ケーシング132Hを画定する形状をなす。斜視図として、図6には、内部蒸気発生器36の最底部を示し、ここでは、原子炉心16(図4参照)の上方側、かつ、当該蒸気発生器36(図6参照)の下方側へのインペラー142の位置決めを示す。図4〜6の図示の実施形態では、下降管アニュラス132は、上方側容器部分内で相対的に小さな内径を有し(この内径は、上方側容器部分内に位置する蒸気発生器36の内径と実質的に一致し、該蒸気発生器は下方側容器部分110L内には存在しない。その移行領域を示す図5参照)、下方側容器部分110L内で相対的に大きな内径を有する。RCP140のインペラー142は、圧力容器の内部(より詳細には下方側容器部分110L内)に、下降管アニュラス132の移行領域内で配置される。ここでは、この移行領域を超えて、下降管アニュラス132の内径が、相対的に小さな内径から相対的に大きな内径へと移行する。図示の実施形態では、この移行領域はまた、下方側容器フランジ112Lに形成された拡径部分を含み、これは、下降管アニュラス132のポンプ・ケーシング部分132Hを画定することに役立つ。全体では、インペラー142に最も近接する下降管アニュラス132の構造は、下向きの一次冷却材流れを、インペラー142に向けて流し込み、又は、ポンプ効率を向上させるべく、その流れをコントロールし、それにより、ポンプ・ケーシングとして機能する。
図4〜6の実施形態は、NのRCPs140のためのNだけの容器貫通部を有する点、すなわち、RCP140につき1の容器貫通部である点で有利である。この容器貫通部は、駆動軸48が突出部114を通過することを可能にする。いくつかの実施形態では、当該容器貫通部は、RCPフランジによって密閉される圧力容器内の開口部の形態をなすものであり、当該RCPフランジ上に、RCP140が取り付けられる。そのような実施形態では、RCP140は、一ユニットとして設置され、下方側容器部分110L上に設置される前に既に組立済みのポンプモーター46、駆動軸48及びインペラー142を有する。これらの実施形態では、RCP140が設置される圧力容器内の当該開口部は、インペラー142にとって、通過するために十分に大きくなければならない。
代替的な実施形態では、RCP140が設置される圧力容器内の上記開口部は、インペラー142にとって、通過するに十分な大きさではなく、むしろ、駆動軸48が通過できるくらいの大きさである。そのような実施形態では、圧力容器開口部は、該開口部での駆動軸48の密閉及び支持をもたらすための自己潤滑性グラファロイ・ベアリングを含む。このアプローチによれば、圧力容器開口部は、小さく(すなわち、駆動軸48の径よりも若干大きく)形成され、それにより、これらの開口部での冷却材喪失事故(LOCA)の可能性及び程度を最小化することができる。いくつかの意図される実施形態では、上記の開口部は、径を3インチ(7.62cm)とし、又は、さらに小さくすることができる。ポンプモーター46が固定される取付けフランジ141は、金属ガスケット、Oリング、又は、他のシール要素を含むものとし、それにより、先述のグラファロイ・ベアリングによるシールに加えて、更なるシールを与える。そのような実施形態では、インペラー142は、駆動軸48が通過する前記開口部を通って設置されない。代わりに、インペラー142は、上方側及び下方側容器部分10U、110Lを分けることによりアクセス可能とし、そしてここでは、駆動軸48、ポンプモーター46及び取付けフランジ141を含むアセンブリを、下方側圧力容器部分110Lの開口部に設置した後に、インペラー142が、かかるアクセスによって設置される。
図1〜3と図4〜6に図示する両実施形態では、上方側容器部分10Uは、下方側容器部分10L、110Lよりも大きな径を有する。このことは、図1〜3の実施形態では、流入フランジ50のためのスペースを画定することに役立ち、また、図4〜6の実施形態では、突出部114を画定するフランジ112L内の円滑な形状をもたらす。いずれの場合でも、上方側容器部分10Uから下方側容器部分10L、110Lへと径を狭めることは、一次冷却材流れが、RCP40、140によって効果的にポンプされることに役立つ。しかしながら、上方側及び下方側容器が、中間フランジ領域12、112を横断して均一な(又はより均一な)径を有するものとすることができることもまた意図される。図1〜3のような、流入及び流出フランジを設けた実施形態の場合、中間フランジ領域を横断する円滑(より円滑)な径は、流入及び流出フランジの形状を適切に調整することによって適合させることができる。図4〜6のような実施形態では、中間フランジ領域を横切る円滑(より円滑)な径は、下降管アニュラス内の圧力容器の内部に配置されたインペラーに最も近接する下降管アニュラス内に画定されるポンプ・ケーシングの適切な形成によって適合させることができる。
図1〜3と図4〜6に図示する両実施形態では、駆動軸48は、垂直に配向されており、また、ポンプモーター46もまた、垂直に向けて、インペラー42、142の下方側に配置されている(又は「垂下されている」)。重力に対して対称なこの位置は、駆動軸48及びポンプモーター・ベアリングの摩耗を軽減させる点で有利である。またここでは、設置されたRCPs40、140に、圧力容器用のロープロファイル(a low profile)を設け、メンテナンスのためのポンプモーターの除去を容易にする。ポンプモーター46の垂直配向はまた、垂直ポンプ配向が従来より行われている沸騰水型原子炉(BWR)をポンピングするための商業的に入手可能な既存の原子炉冷却材ポンプモーターを用いることを容易にする。
図1〜3及び4〜6の実施形態では、インペラー42、142は、ケーシングの機能を果たす形状をなす最も近接する下降管アニュラス以外のケーシングなしに、下降管アニュラス32、132の内部の流動経路内に位置している。それにより、RCPs40、140の停電又は他の障害の場合、下降管アニュラス32、132を通って下降する一次冷却材の通常の循環は、RCPs40、140によっては実質的に妨げられない。このことは、RCPs40、140を駆動するための電力の喪失の場合における通常の循環に依存する様々な受動的な緊急冷却システムの実行を容易にする。さらに、RCPs40、140はまた、原子炉心16から離れており、それにより、炉心16内で流れの乱流を招く可能性が(その結果としての温度変動の可能性とともに)低い。
図7〜9を参照するに、他の実施形態では、RCP240は、ポンプ・ケーシング244内に配置されたインペラー242を含み、それらはいずれも、下方側容器部分210Lの下降管アニュラス232内に、中間フランジ領域212の下方側フランジ210Lで配置されている。図7及び8では、この実施形態の下方側容器210Lだけが示されており、この下方側容器210Lは、図1と同様の上方側容器10Uに、フランジ12U(及び/又は、選択的な介在中間フランジ要素12M)に一致するような大きさのフランジ212Lを介して連結することができる。
それぞれのRCP240は更に、圧力容器10の外側に配置された(選択的に、熱交換器56又は他の熱管理サブシステムによって冷却される)ポンプモーター46、及び、ポンプモーター46をインペラー242に動作可能に連結する駆動軸48を含む。しかしながら、図7〜9の実施形態では、ポンプモーター46及び駆動軸48はいずれも、図1〜3及び4〜6の実施形態のような垂直ではなく、水平に配向されている。インペラー242及びポンプ・ケーシング244は、共働して遠心式ポンプをなす。このポンプ・ケーシング244は、流入口250及び流出口252を含み、螺旋状チャンバー254を画定する。インペラー242は、螺旋状チャンバー254内で作動し、一次冷却材を、流入口250から螺旋状チャンバー254を通って流出口252へと推進させる。
図7〜9の実施形態は、下降管アニュラス232の内部に配置されたポンプ・ケーシング244を含むことから、下降管アニュラス232の最近接領域を特別に形成してケーシングを画定することを要しない。図示の実施形態では、下降管アニュラス232の内径は、上方側容器部分10U内の小さな内径を、ポンプ・ケーシング244の位置で、下方側容器部分210L内の大きな内径へと移行させる。この移行は、中央ライザー30の内部における、制御棒システム18及び原子炉心16のためのより大きなスペースをもたらし、また、下降管アニュラス232内の下向きの一時冷却材流れを、ポンプ効率を向上させる遠心式ポンプの流入口250に向けて流し込むという有利な効果がある。
ポンプモーター46及び駆動軸48は、図7〜9の実施形態では水平に取り付けられている。従って、圧力容器内の(より詳細には、下方側圧力容器部分210L内でフランジ212Lにおける)開口部は、図4〜6の実施形態のように突出部114の下部に位置するのではなく、水平開口部である。図7〜9の実施形態は、鋳造フランジ212Lによってもたらされる突出部を含むが、この突出部は、図7〜9の実施形態の下降管アニュラス232の整合構造を有しない。いくつかの実施形態(図示せず)では、RCPs240は、(取付けフランジに固定されるポンプモーター46に既に固定された駆動軸48上に既に取り付けられた螺旋状ポンプ242、244を含む)取付け前に、完全に組立て済みであり、そして、組立て済みのRCPは、取付けフランジを介して、ポンプ・ケーシング244が通過するに十分大きな下方側容器部分の開口部で取り付けられる。
あるいは、図示の実施形態のように、当該開口部は駆動軸48が辛うじて通過できるが、ポンプ・ケーシング244は通過できないほどの小さい寸法とすることができる。これらの(図示の)実施形態では、(螺旋状ポンプ242、244は含まないが、)取付けフランジ141に固定されるポンプモーター46に取り付けられた駆動軸48を含むアセンブリは、下方側容器部分210L内の開口部で取り付けられる。上記の開口部は適切には、開口部での駆動軸48のシール及び支持をもたらすグラファロイ・ベアリングを含む。このアプローチでは、圧力容器開口部は、(駆動軸48の径より僅かに大きい程度に)小さく形成され、それにより、それらの開口部での冷却材喪失事故(LОCA)の可能性及び程度を最小限にすることができる。いくつかの意図される実施形態では、開口部は、径が3インチ(7.62cm)とし、又はさらに小さくすることができる。ポンプモーター46が固定される取付けフランジ241は適切には、金属ガスケット、Оリング、又はその他のシール要素を含み、それにより、グラファロイ・ベアリングによるシールに加えて、更なるシールを与える。そのような実施形態では、螺旋状ポンプ242、244は、駆動軸48が通過する開口部を通って設置されない。代わりに、螺旋状ポンプ242、244は、上方側及び下方側容器部分10U、210Lを分けることによってアクセス可能となり、そして、駆動軸48、ポンプ46及び取付けフランジ241を含むアセンブリを、下方側圧力容器210Lの開口部で設置した後、螺旋状ポンプ242、244を、上記のアクセスによって設置する。
それぞれの図示の実施形態の更なる例を、以下に説明する。
図1〜3の実施形態の例は適切には、組立PWRに望ましい最大径(たとえば、いくつかの実施形態では、これよりも大きな又は小さなエンベロープも意図されるが13フィートエンベロープ)に従い、ポンプモーター46を、中間フランジ領域12内でインペラー42の下方側に垂下させることが可能な構成で、従来の商用の沸騰水型原子炉式(BWR)ポンプを用いる。この構成は、ポンプ流動機器が、BWR内に位置していたであろう方法と同様の従来のやり方に位置することを可能にする。下方側容器部分10Lは、上方側容器部分10Uと比較して減少された径を有し、ポンプ流入口に一致するとともにフランジ50、52を解放するものから突出する多数の鋳造フランジを含む。鋳造フランジの総数は、ポンプ40の総数の二倍である。それぞれのRCP40は、分離した鋳造ハウジングないしケーシング44を含むとともに、ポンプ流動機器(たとえばインペラー42)、ポンプモーター46及び拡散器を含む。この分離して鋳造されたハウジングないしケーシング44は、作動しているPWRが位置する構造部位で、下方側容器鋳造物10Lにボルト固定される。図1〜3に図示する実施形態では、12のRCPs40があるが、これよりも多いもしくは少ないRCPsも意図される。
図4〜6の実施形態の例は、組立PWRに望ましい最大径(たとえば、いくつかの実施形態では、これよりも大きな又は小さなエンベロープも意図されるが13フィートエンベロープ)を超えることなしに、ポンプモーター46を、中間フランジ領域112内でインペラー142の下方側に垂下させることが可能な構成で、従来のBWR式ポンプを用いる。この構成は、ポンプ流動機器が、沸騰水型原子炉内に位置していたであろう方法と同様の従来のやり方に位置することを可能にする。下方側容器部分110Lは、上方側容器部分10Uと比較して減少された径を有し、これは、下降管アニュラス132の内部の突出部114の上方側のインペラー142及び突出部114の下方側のポンプモーター46によって、下方側容器フランジ112Lの下方側に画定される突出部114に、RCPs140を位置させることを可能にする。図4〜6に図示する実施形態では、12のRCPsがあるが、これよりも多い又は少ないRCPsも意図される。
図7〜9の実施形態の例は、ポンプモーター46が、中間フランジ領域212内の水平位置内に位置することを可能にする構成で、従来のBWR式ポンプを用いている。この構成は、遠心式ポンプ流動機器を利用し、それは、ポンプモーター46をポンプインペラー242に連結しつつ、該ポンプ流動機器を圧力容器の内部に位置させることを可能にする。図4〜6に図示する実施形態では、12のRCPs240があるが、これよりも多い又は少ないRCPsも意図される。
好適な実施形態を示して説明した。先述した詳細な説明を読んで理解した上で、改変及び変更が生じ得ることは明らかである。本発明は、そのような改変及び変更の全てが、添付の特許請求の範囲ないし、それの均等物の範囲内にある限りにおいて含まれるものとして解釈されることが意図される。

Claims (27)

  1. 加圧水型原子炉(PWR)を備える装置であり、
    前記加圧水型原子炉が、
    垂直に配向された円筒状圧力容器であって、ともに固定された上方側容器部分及び下方側容器部分を備えるとともに、垂直に配向された該円筒状圧力容器の円筒軸を有する円筒状圧力容器と、
    前記下方側容器部分に配置された原子炉心と、
    前記円筒状圧力容器の内部に同軸配置された中空の円筒状中央ライザーであって、該中空の円筒状中央ライザーと前記円筒状圧力容器との間に、下降管アニュラスが画定される中空の円筒状中央ライザーと、
    (i)前記原子炉心上に配置されるとともに、前記下降管アニュラスに流体連通されて一次冷却材を前記下降管アニュラスを通して下向きに推進させるインペラー、(ii)前記圧力容器の外部に配置されたポンプモーター、及び、(iii)前記ポンプモーターを前記インペラーに動作可能に連結する駆動軸を含む原子炉冷却材ポンプと
    を含む、装置。
  2. 前記原子炉冷却材ポンプが前記下方側容器部分に固定される、請求項1に記載の装置。
  3. 前記上方側容器部分が、前記下方側容器部分より大きな径を有する、請求項2に記載の装置。
  4. 前記下降管アニュラスが、前記上方側容器部分内で相対的小さな内径を有するとともに、下方側容器部分内で相対的に大きな内径を有し、前記圧力容器の内部で、該下降管アニュラスの内径が相対的に小さな内径から相対的に大きな内径へと移行する前記下降管アニュラスの移行領域内に、前記原子炉冷却材ポンプの前記インペラーが配置される、請求項2に記載の装置。
  5. 前記下方側容器部分が突出部を含み、該突出部で、前記原子炉冷却材ポンプが、(I)前記圧力容器の内部において前記下降管アニュラス内で前記突出部上に配置された前記インペラー、及び、(II)前記圧力容器の外部において前記突出部の下方側に配置された前記ポンプモーターで固定される、請求項2に記載の装置。
  6. 前記駆動軸が垂直に配向される、請求項5に記載の装置。
  7. 前記下方側容器部分が、該下方側容器部分が前記上方側容器部分で固定されるフランジを含み、前記フランジが、前記下方側容器部分の残部より大きい径を有し、前記原子炉冷却材ポンプが固定される前記突出部を画定する、請求項5に記載の装置。
  8. 前記原子炉冷却材ポンプが、ポンプ流入口及びポンプ流出口を前記下降管アニュラスに連結する流入フランジ及び流出フランジを更に備え、前記PWRが、
    前記中空の円筒状中央ライザーと前記圧力容器との間に延びて、前記下降管アニュラスを上方側部分と下方側部分とに分けるアニュラス・セパレーターを更に備え、
    当該上方側下降管アニュラス部分が、前記流入フランジを介して前記ポンプ流入口に連結されるとともに、前記下方側下降管アニュラス部分が、前記流出フランジを介して前記ポンプ流出口に連結される、請求項2に記載の装置。
  9. 前記インペラーが前記ポンプモーター上に配置されており、前記駆動軸が垂直に配向される、請求項8に記載の装置。
  10. 前記インペラーが、前記圧力容器の内部で前記下降管アニュラス内に配置されて、一次冷却材を、前記下降管アニュラスを通して下向きに推進させる、請求項1に記載の装置。
  11. 前記インペラーが、前記圧力容器の内部で、前記圧力容器の突出部の上方側に配置されており、前記ポンプモーターが、前記圧力容器の外部で、前記圧力容器の前記突出部の下方側に配置されており、前記駆動軸が、垂直に配向されるとともに、前記突出部の下方側の前記ポンプモーターを、前記突出部の上方側の前記インペラーに連結する、請求項10に記載の装置。
  12. 前記インペラーに最も近接する前記下降管アニュラスが、前記インペラーと協働して一次冷却材を前記下降管アニュラスを通して下向きに推進させるポンプ・ケーシングを画定する形状をなす、請求項10に記載の装置。
  13. 前記原子炉冷却材ポンプが、複数の原子炉冷却材ポンプを備え、該複数の原子炉冷却材ポンプが、下降管アニュラス内に配置されて前記中空の円筒状中央ライザーの周囲から離隔する対応の複数のインペラーを含み、
    前記複数のインペラーに最も近接する前記下降管アニュラスが、前記複数のインペラーと協働して一次冷却材を前記下降管アニュラスを通して下向きに推進させる環状のポンプ・ケーシングを画定する形状をなす、請求項10に記載の装置。
  14. 前記原子炉冷却材ポンプが、インペラーを含むポンプ・ケーシングを更に備え、該ポンプ・ケーシングもまた、前記圧力容器の内部で前記下降管アニュラス内に配置されており、前記ポンプ・ケーシング及び前記インペラーが、協働して遠心式ポンプを規定する、請求項10に記載の装置。
  15. 前記駆動軸が水平に配向される、請求項14に記載の装置。
  16. 前記原子炉冷却材ポンプが、前記下方側容器部分に固定される、請求項14に記載の装置。
  17. 前記上方側容器部分と下方側容器部分とを分けることにより、前記インペラーをアクセス可能なものとした、請求項10に記載の装置。
  18. 前記PWRが、
    前記下降管アニュラス内に配置された内部蒸気発生器、前記内部蒸気発生器の下方側に配置される前記原子炉冷却材ポンプのインペラー
    を更に含む、請求項1に記載の装置。
  19. 前記インペラーが、前記圧力容器の内部で前記下降管アニュラス内かつ前記内部蒸気発生器の下方側に配置され、前記内部蒸気発生器から放出される一次冷却材を、前記下降管アニュラスを通して下向きに推進させる、請求項18に記載の装置。
  20. 前記内部蒸気発生器が、前記下方側容器部分内に配置される該内部蒸気発生器の部分なしに完全に、前記上方側容器部分内に配置される、請求項18に記載の装置。
  21. 加圧水型原子炉(PWR)を備える装置であり、
    該加圧水型原子炉が、
    上方側容器部分及び下方側容器部分を備えるとともに、垂直に配向された円筒状圧力容器と、
    前記円筒状圧力容器の内部に同軸配置される中空の円筒状中央ライザーであって、該中空の円筒状中央ライザーと前記円筒状圧力容器との間に、下降管アニュラスが画定される中空の円筒状中央ライザーと、
    前記下方側容器部分内に配置される原子炉心と、
    前記中空の円筒状中央ライザーの周囲から離隔するとともに、前記下方側容器部分に固定される複数の原子炉冷却材ポンプであって、それぞれの該原子炉冷却材ポンプが、(i)前記圧力容器の内部で前記下降管アニュラス内に配置されるインペラー、(ii)前記圧力容器の外部に配置されるポンプモーター、及び、(iii)前記ポンプモーターを前記インペラーに動作可能に連結する駆動軸を含む原子炉冷却材ポンプと、
    を含む、装置。
  22. 複数のインペラーに最も近接する前記下降管アニュラスが、それらの複数のインペラーのための共通の環状のポンプ・ケーシングを画定する形状をなし、該ポンプ・ケーシングが、回転する複数のインペラーと協働して、一次冷却材を、下降管アニュラスを通して下向きに推進させる、請求項21に記載の装置。
  23. 前記圧力容器が突出部を含み、前記原子炉冷却材ポンプの前記インペラーが、前記圧力容器の内部で前記突出部の上方側に配置されており、前記原子炉冷却材ポンプの前記ポンプモーターが、前記圧力容器の外部で前記突出部の下方側に配置されており、前記原子炉冷却材ポンプの前記駆動軸が、垂直に配向される、請求項22に記載の装置。
  24. 各原子炉冷却材ポンプが、前記圧力容器の内部で前記下降管アニュラス内に配置されて前記インペラーと協働して遠心式ポンプを規定するケーシングを備える、請求項21に記載の装置。
  25. 前記下降管アニュラス内に配置された蒸気発生器を更に備え、
    前記インペラーが、前記蒸気発生器の下方側で前記原子炉心の上方側に配置される、請求項21に記載の装置。
  26. 加圧水型原子炉(PWR)を備える装置であり、
    該加圧水型原子炉が、
    上方側圧力部分及び下方側圧力部分を備えるとともに、垂直に配向された円筒状圧力容器と、
    前記下方側容器部分に配置された原子炉心と、
    前記円筒状圧力容器の内部に同軸配置された中空の円筒状中央ライザーであって、該中空の円筒状中央ライザーと前記円筒状圧力容器との間に、下降管アニュラスが画定される中空の円筒状中央ライザーと、
    前記下降管アニュラスを上方側部分と下方側部分とに分けて、互いに流体分離させるアニュラス・セパレーターと、
    前記中空の円筒状中央ライザーの周囲から離隔する複数の原子炉冷却材ポンプであって、それぞれの原子炉冷却材ポンプの流入口が、流入フランジにより、当該上方側下降管部分に連結されており、それぞれの原子炉冷却材ポンプの流出口が、流出フランジにより、当該下方側下降管部分に連結され、それにより、前記原子炉冷却材ポンプが、一次冷却材を、該上方側下降管アニュラス部分から該下方側下降管アニュラス部分内に推進させる原子炉冷却材ポンプと、
    を含む、装置。
  27. それぞれの原子炉冷却材ポンプが、その流入フランジ、その流出フランジ、又は、それらの流入フランジ及び流出フランジの両方により支持されており、
    それぞれの原子炉冷却材ポンプが、該原子炉冷却材ポンプの残部の下方側に垂直に垂下されたポンプモーターを含む、請求項26に記載の装置。
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