機械対機械(M2M)通信の1つの重要な特徴は、関連デバイスの位置が実質的に固定であることを研究は示す。モノのインターネット(マシン・タイプ通信(MTC))の現在予見できる一般的な適用例の大多数は、スマートメーターであり、デバイスは実質的に屋内で固定されている。したがって、デバイスの物理的位置が実質的に固定であるため、概して、デバイスとeNBの間のチャネル状態もまた、実質的に固定である。この低い可動性の特徴により、アクセス・パラメータは、相応して最適化され得る。基本的発想は、eNBがより少ないリソース使用で特定のPDCCHフォーマットを使用することができるように、eNBに関連MTCデバイスの実質的に固定のチャネル状態を指示することである。構成は、経路損失に基づく、またはeNBへの距離に単純に基づくものとすることができる。PDCCHは、ブラインド復号によって受信されるので、任意のPDCCHフォーマットを受信する上での問題は存在しない。
MTCアクセス中のボトルネックであるメッセージ2
コンテンション・ベースのアクセス中、eNBからUEに送信されるメッセージ2およびメッセージ4には、PDCCHが送信を指示することが必要である。特にメッセージ2では、eNBがRACHプリアンブルに従ってチャネル状態を推定することは困難である。アクセス中、各UEは低い送信電力で始動し、eNBからの応答がない場合、送信電力は徐々に増やされる。したがって、eNBは、いくつかの試みの後にプリアンブルを検出することができる。したがって、より遠い距離にあるUEはより何度も電力を増やすことになるので、これは、通常は、各UEによって受信されるSNRはその位置にかかわらず同じまたは同様であることを意味する。そのような機構は、別のセルへの干渉を制御するために重要である。eNBは、最悪のチャネル状態を満足させることができるものを使用する必要がある。eNBについて、PDCCHの送信のために使用可能なリソースの総量は固定であるので、過度のリソースが1つのUEのPDCCHに使用された場合、サポートされ得るPDCCHの数は、一般に、減らされる。
PDCCHは、リソース認可、ランダム・アクセス応答(RAR)メッセージ指示情報および他の信号伝達を送信するために使用される。eNBがランダム・アクセス無線ネットワーク一時識別子(RA−RNTI)指示を送信するのに十分なPDCCHリソースを見つけることができない場合、いくつかのRARメッセージは時間内に送信することができない。以下の表2は、アクセス成功率へのRARメッセージの平均数の影響を示す。したがって、より多くの使用可能なPDCCHリソースが存在する場合、MTCデバイスおよび通常のUEはその利益を得ることになる。
所定のリソース、たとえばランダム・アクセス中に使用されるプリアンブル・リソースの使用の前述の分析を考慮して、本発明の実施形態が、図1から図5を参照して以下に詳述される。
図1は、本発明のいくつかの実施形態による方法および装置に適用可能なUE10とeNB20の間の物理的位置関係を示し、ここで、UE10はMTCデバイスである。UE10がeNB20までより遠い距離にあるエリアA2内に置かれた場合、概して、UE10とeNB20の間のチャネル状態はより悪くなるので、次いで、UE10がeNB20に対して中程度の距離にあるエリアA1内に置かれた場合、UE10とeNB20の間のチャネル状態は中程度のレベルにあることになり、一方、UE10がeNB20に対してより短い距離にあるエリアA0内に置かれた場合、UE10とeNB20の間のチャネル状態はよりよくなる。
図2は、本発明の一実施形態によるアクセスする方法の流れ図である。本方法は、一般に、ランダム・アクセスを実行するステップS202と、応答を受信するステップS203とを含む。
ステップS202で、UE10は、ユーザー機器のチャネル状態による所定のリソースでランダム・アクセスを実行し、所定のリソース、たとえばアクセスに使用されるプリアンブル・リソースは、UE10のチャネル状態に関連付けられている。
次いで、UE10が、PDCCHで、eNB20からランダム・アクセスへの応答を受信する。
図3は、本方法の一実施形態によるユーザー機器のアクセスに応答する方法の流れ図である。本方法は、所定のリソースを決定するステップS301と、ランダム・アクセスに応答するステップS302とを含む。
ステップS301で、eNB20が、ユーザー機器のランダム・アクセスに従ってUE10によって使用される所定のリソースを決定する。
ステップS302で、eNB20は、所定のリソースと関連付けられたPDCCHフォーマットでユーザー機器のランダム・アクセスに応答する。
プリアンブル・プランニング方式
表1で前に示したように、セル内で使用可能な4つのPDCCHフォーマットが存在する。
図4は、本発明のいくつかの実施形態によるRACHアクセス・プロセス中に適用可能な所定のタイムスロット・リソースの割当て図であり、前述のPDCCHフォーマット0からPDCCHフォーマット3の時間領域RACH機会が、それぞれ時間領域内に概略的に示される。
図5は、本発明のいくつかの実施形態によるRACHアクセス・プロセス中に適用可能な所定の周波数リソースの割当て図であり、前述のPDCCHフォーマット0からPDCCHフォーマット3の周波数領域RACH機会が、それぞれ周波数領域内に概略的に示される。
任意選択で、時間リソースは構成指標であり、チャネル状態は信号対雑音比である。
地理的位置とチャネル状態の関係の前述の分析を考慮して、PDCCHフォーマットが、本発明のいくつかの前述の実施形態においてUEの位置によって決定される原理の下で特定のUEについて選択され得る。もちろん、本発明の前述の実施形態は、代替方法として、MTCなどの静的端末ではあまり変化しないチャネル状態のみに従って実装され得る。したがって、3つのMTC群は、図1の3つのエリアA0、A1およびA2に定義され得る。3つのMTC群は、たとえば、それぞれ[−5dB,+3dB]、[−10dB,−5dB]および[−20dB,−10dB]の信号対雑音比を有する、3つの異なるチャネル状態にそれぞれ対応する。
任意選択で、ランダム・アクセスを実行するステップS202は、以下のステップ:信号対雑音比が第1の区間の値内にある場合、第1の区間の値と関連付けられた第1の構成指標、たとえばプリアンブル位置でランダム・アクセスを実行するステップをさらに含み得る。エリアA2内のUE10は、ランダム・アクセス中に−15dBのその信号対雑音比を検出し、これは、[−20dB,−10dB]の信号対雑音比値域に属する。[−5dB,+3dB]、[−10dB,−5dB]および[−20dB,−10dB]の前述の3つの信号対雑音比値域は、3つのRACH機会、すなわち「フォーマット0のRACH機会」、「フォーマット1のRACH機会」および「フォーマット2のRACH機会」に対応する構成指標とそれぞれ関連付けられると仮定される。すなわち、UE10に対応する[−20dB,−10dB]の信号対雑音比値域と関連付けられたプリアンブル・リソースは、図4に示すように「フォーマット2のRACH機会」として事前設定される。したがって、ステップS202で、UE10は、たとえばメッセージ1を送信するためなどに、フォーマット2のRACH機会でアクセスを実行することを選択することができる。
もちろん、UE10はエリアA2内に置かれるが、場合によっては、UE10の信号対雑音比はまた[−10dB,−5dB]の値域に属し得る。したがって、UE10は、UE10の信号対雑音比値域とプリアンブル・リソースとの間の前述の所定の関連付けに従ってフォーマット1のRACH機会でアクセスを実行することを選択することができる。
次に、相応して、ステップS301は、「ユーザー機器が所定の第1の構成指標でアクセスを実行した場合に、第1の構成指標と関連付けられたPDCCHフォーマットでユーザー機器のランダム・アクセスに応答する」ステップをさらに含み得る。たとえば、eNB20は、UE10によって使用される所定のリソースが、「フォーマット2のRACH機会」であること、および、UE10のランダム・アクセス動作によるその構成指標を決定する。「フォーマット0のRACH機会」、「フォーマット1のRACH機会」および「フォーマット2のRACH機会」によって表される3つの構成指標は、表1の「PDCCHフォーマット0」、「PDCCHフォーマット1」および「PDCCHフォーマット2」とそれぞれ関連付けられると仮定される。したがって、UE10のアクセスのための所定のリソースと関連付けられたPDCCHフォーマットは、表1の第3の項目の「PDCCHフォーマット2」である。したがって、ステップS301で、eNB20は、「PDCCHフォーマット2」でユーザー機器10のランダム・アクセスに応答する。
その後、UE10は、PDCCHで、eNB20から「PDCCHフォーマット2」でのUE10のランダム・アクセスへの応答を受信する。
前述の実施形態で、エリアA2内のユーザー機器、たとえばUE10については、eNB20は、PDCCHフォーマット2でUEのランダム・アクセスに応答することができ、エリアA0およびA1(図示せず)内のユーザー機器については、eNB20は、それぞれPDCCHフォーマット0およびPDCCHフォーマット1で対応するUEのランダム・アクセスに応答することができ、eNB20に対してより遠い距離にあるエリアA2の外側のユーザー機器(図示せず)については、eNB20は、対応するUEのランダム・アクセスにPDCCHフォーマット3で応答することができる、などである。この解決策で、eNB20がアクセスするUEのチャネル品質による適切なPDCCHリソースでUE10のアクセスに適応的に応答することができるように、eNB20は、間接的に、UE10の信号対雑音比を取得することができる。したがって、より多くの使用可能なCCEリソースが節約されて、別のUEのアクセスに応答するまたは別のUEをスケジュールすることができる。
技術的に、eNBは、異なるRACH機会を使用して、前述の実施形態におけるランダム・アクセス中に、ある程度、MTCデバイスと通常のUEを、または異なる地理的位置にあるMTCデバイスを区別することができる。
もちろん、任意選択で、所定のリソースは、図4に示された時間リソース、または図5に示された周波数リソースでもよい。
ユーザー機器UE10がMTCデバイスであるシナリオが前述の実施形態では説明されていることに留意されたい。実際には、この実施形態による本方法はまた、いくつかの適用シナリオで通常のH2Hユーザー機器、たとえば、地理的位置が長期間変更されていない家庭用の一部のハンドヘルドの移動式電話にも適用可能であり得る。もちろん、MTCアクセスのための追加のリソースが、MTCデバイスで前述の方法を実行する間に、時間または周波数によって多重化され得る。ここで、H2HタイプのUEの信号伝達およびリソース割当ては、互換性のために従来技術でのそれと同じままであるが、前述の方法はMTCデバイスで実行することができることに留意されたい。すなわち、各RACH機会について、すべてのプリアンブルは、H2HタイプのUEによって使用され得る。
ここで、任意選択で、UE10は、UE10がRARメッセージを受信しないときに、代替方法として、異なるアクセス・タイムスロットを選択し、アクセスを再度実行することになる。たとえば、図2に示す実施形態による本方法は、復号および決定するステップS204と、再びアクセスを実行するステップS205とをさらに含み得る。ステップS204で、エラーが、応答を受信するステップS203におけるPDCCHの復号で生じた場合、次いで、ランダム・アクセスが、この実施形態による本方法のステップS205において第2の所定のリソースで実行され、そこで、第2の所定のリソースと関連付けられたチャネル状態、たとえば[−30dB,−20dB]は、ユーザー機器のチャネル状態[−20dB,−10dB]よりも悪い。次いで、eNB20の側で、eNB20は、より保守的なアクセス機会を使用し、構成された関連付けに従ってより多くのCCEリソースを選択して、UE10に応答するためのPDCCHチャネルをセットアップすることができる。この手続きは、eNBが最も使用可能なPDCCHリソースで、すなわちPDCCHフォーマット3で、UE10のランダム・アクセスに応答するまで、繰り返されることになる。
任意選択で、ランダム・アクセスを実行するステップS202の前に、前述の実施形態による本方法は、所定の確率に従って第1のセットのタイムスロットにランダム・アクセスを割り当てるステップをさらに含む。第1のセットのタイムスロットは、図4のタイムスロットのセットSG_1によって指示されるように複数のタイムスロットを含み、好ましくは、そのセットは、連続するタイムスロットから成るように定義/構成される。
たとえば、所定の確率は、UE10モジュロ2Nの国際移動電話加入者識別コードのモジュロ演算、たとえば512、から導出することができ、但し、Nは正の整数である。別の言い方をすれば、UE10の国際移動電話加入者識別コードは「512」によってモジュロ分割され、UE10は、たとえば、「1/512」の確率を有するRACH機会SL_1に対応する。機会SL_1はタイムスロットのセットSG_1に属し、その場合、UE10のアクセスはタイムスロットのセットSG_1内に割り当てられることになる、すなわち、UE10は、「4/512」の確率を有するタイムスロットのセットSG_lに割り当てられる、またはそれに対応する。ユーザー機器のアクセス・トラフィックの確率を割り当てる本手法で、アクセス・トラフィックは分散することができ、システムの通信負荷は低減され得る。一方、[−30dB,−20dB]、[−20dB,−10dB]、[−5dB,+3dB]および[−10dB,−5dB]の信号対雑音比値域は、タイムスロットのセットSG_l内の数字「9」、「0」、「1」および「2」の位置にある構成指標とそれぞれ関連付けられる。UE10が[−5dB,+3dB]の範囲に属する0dBのその信号対雑音比を検出した場合、次いで、UE10は、相応して、第1のセットのタイムスロットSG_1に属する所定のリソース、すなわち、ランダム・アクセスを実行するステップS202においてタイムスロットのセットSG_l内の数字「1」の位置にあるRACH機会でランダム・アクセスを実行する。
eNB20の側で、関連するPDCCHフォーマットが、第1のセットのタイムスロット内の所定のリソースの位置に従って決定され、所定のリソースは、ステップS302で位置付けられる。たとえば、タイムスロットのセットSG_1内の数字「9」、「0」、「1」および「2」の位置にあるRACH機会または構成指標は、表1の「PDCCHフォーマット3」、「PDCCHフォーマット2」、「PDCCHフォーマット1」および「PDCCHフォーマット0」とそれぞれ関連付けられると仮定される。次いで、ステップS301で、UE10によって使用されるRACH機会はタイムスロットのセットSG_1内の数字「1」の位置にある構成指標に対応すると決定されるので、eNB20は、数字「1」の位置にある所定のリソースの構成指標と関連付けられた「PDCCHフォーマット1」でUE10のランダム・アクセスに応答する。
前述のいくつかの実施形態で、eNBが、メッセージを送信するためにCCEが特定のMTCデバイスのためにいくつ必要とされるかを知り、かつUEが、前述の様々な関連付け情報を知るように、いくつかの構成および所望の信号伝達がさらに提供され得る。たとえば、ステップS301の前に、eNB20はさらに、UE10に第1のブロードキャスト・メッセージを送信することができ、ユーザー機器10のチャネル状態、たとえば信号対雑音比と、RACHアクセス中にUE10に使用されることになる所定のリソースとの間の関連付けを指示する。もちろん、UE10が前述の第1のブロードキャスト・メッセージで関連付けを通知されない場合、何らかの事前設定「システム構成」を使用することによって、UE10は代替方法として、たとえばUEの電源が入るときに、「システム構成」から前述の関連付け情報を取得することが当業者には理解されよう。これらの代替方法の繰返しの説明はここでは省略される。
相応して、UE10側で、ランダム・アクセスを実行するステップS202の前に、本方法は、チャネル状態とRACHアクセス中にUEに使用されることになる所定のリソースとの間の関連付けを指示する、eNB20からの第1のブロードキャスト・メッセージを受信するステップをさらに含み得る。
図6は、本発明の一実施形態によるアクセスするための装置の構造図である。装置300は、概して、ユーザー機器、たとえばUE10内で構成可能であり、装置300は、ランダム・アクセス・デバイス301および応答受信デバイス302を備える。
ランダム・アクセス・デバイス301は、ユーザー機器のチャネル状態による所定のリソースでランダム・アクセスを実行するように構成され、所定のリソースは、チャネル状態と関連付けられている。
応答受信デバイス302は、PDCCHで、eNBからランダム・アクセスへの応答を受信するように構成される。
図7は、本発明の一実施形態によるユーザー機器のアクセスに応答するための装置の構造図である。装置400は、概して、eNB、たとえばeNB20内で構成され得る。本装置は、リソース決定デバイス401、およびアクセス応答デバイス402を備える。
リソース決定デバイス401は、ユーザー機器のランダム・アクセスに従ってユーザー機器によって使用される所定のリソースを決定するように構成される。
アクセス応答デバイス402は、所定のリソースと関連付けられたPDCCHフォーマットでユーザー機器のランダム・アクセスに応答するように構成される。
任意選択で、装置400は、ユーザー機器のチャネル状態と所定のリソースとの間の関連付けを指示する第1のブロードキャスト・メッセージをユーザー機器に送信するように構成されたブロードキャスト・メッセージ送信デバイスをさらに備える。
任意選択で、前述の実施形態におけるチャネル状態は、信号対雑音比である。
さらに、本発明の実施形態は、ソフトウェアで、ハードウェアで、またはソフトウェアとハードウェアの組合せで、実装され得る。ハードウェア内の一部は、専用ロジックで実装することができ、ソフトウェア内の一部は、メモリで格納することができ、適切な命令実行システム、たとえば、マイクロプロセッサまたは特別に設計されたハードウェアによって実行され得る。前述の方法およびシステムは、コンピュータ実行可能命令を使用することおよび/またはプロセッサの制御コードに含まれることを介して実装可能であり、そのようなコードは、キャリア媒体、たとえばディスク、CDもしくはDVD−ROM、プログラマブルメモリ、たとえば読取り専用メモリ(ファームウェア)、または、データ・キャリア、たとえば光もしくは電気信号キャリアで提供されることが当業者には理解されよう。実施形態によるシステムおよびその構成要素は、ハードウェア回路、たとえば、超大規模集積回路もしくはゲート・アレイ、半導体(たとえば、ロジック・チップ、トランジスタなど)、またはプログラマブル・ハードウェア・デバイス(たとえば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、プログラマブル・ロジック・デバイスなど)で、様々なタイプのプロセッサによって実行されるソフトウェアで、あるいは前述のハードウェア回路とソフトウェアの組合せで実装され得る。
本発明は、現在想像される実施形態を参照して説明されているが、本発明はそれらの開示された実施形態に限定されないことが理解されよう。そうではなくて、本発明は、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲に該当する様々な修正形態および等価な構成を包含するものであることが意図される。添付の特許請求の範囲は、すべてのこれらの修正形態および等価な構成を包含するように広義で理解されることになる。