JP2014523917A - 低酸素模倣剤としての化合物の安定な多形体、およびその使用 - Google Patents
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Abstract
式Iの化合物の多形体、中間体の調製を含めたその調製、その医薬組成物、および疾患、障害または病状を治療するための薬剤の製造における上記多形の使用が開示される。
Description
本発明は、新規な化合物の多形体、およびプロリルヒドロキシラーゼ活性の阻害へのその使用に関する。本発明は、その多形の少なくとも一種を、対象のHIFレベルまたは活性を調節し、HIFレベルまたは活性の上昇または低下に伴う疾患、障害または病状を治療するために使用する方法にも関する。
細胞転写因子HIF(低酸素誘導因子)は、広範囲に及ぶ生命体の酸素恒常性において中心的な位置を占め、低酸素に対する反応の主要な調節因子である。HIF転写活性によって調節される遺伝子は、血管新生、赤血球生成、ヘモグロビンF産生、エネルギー代謝、炎症、血管運動機能、アポトーシス、および細胞増殖において重要な役割を果たすことができる。HIFは、通常はそれが上方に調節されるがん、ならびに虚血および低酸素に対する病態生理学的反応においても、役割を果たすことができる。
HIF転写複合体は、ヘテロ二量体(HIFαβ)を含む。HIFは、酸素調節型HIFサブユニットと二量体になる構成核タンパク質である。酸素調節はHIFサブユニットのヒドロキシル化を通じて起こり、このサブユニットはその後プロテアソームによって速やかに破壊される。酸素処理細胞では、フォンヒッペルリンダウ腫瘍抑制タンパク質(pVHL)がヒドロキシル化されたHIF−サブユニットに結合することによって、そのユビキチン依存性タンパク質分解を促進する。この過程は、低酸素条件下では抑制され、HIFを安定化させてHIF複合体による転写活性化を促進する。
HIF−サブユニットのヒドロキシル化は、プロリン残基およびアスパラギン残基上で起こり得るものであり、2−オキソグルタル酸依存性酵素のファミリーの媒介作用を受け得る。このファミリーには、ヒトHIF1のPro402およびPro564をヒドロキシル化するHIFプロリルヒドロキシラーゼアイソザイム(PHD)に加え、ヒトHIF1のAsn803をヒドロキシル化するHIF阻害因子(FIH)が含まれる。FIHまたはPHDの阻害は、HIFの安定化ならびに転写活性化をもたらす。
PHDの阻害はHIFの安定化をもたらしてHIF複合体による転写活性化も促進するため、虚血または貧血に対する有望な治療法となる可能性がある。WO2004108681、WO2007070359およびWO2011006355など、有望なPHD阻害剤の化学構造設計を包含する特許がこれまでにも多数存在している。
本発明は、ほぼ純粋な結晶多形であって、式Iの化合物の多形に関する。
本発明の式Iの化合物は、一つまたは複数の結晶形で存在し得る。
本発明は、式Iの化合物、N−[(4−ヒドロキシ−2−オキソ−8−(3−メチル−フェニル)−2H−3−コロルアルケニル)カルボニル]グリシンの結晶多形を提供する。
本発明は、7.1°、12.4°および20.2°の回折角2θに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを呈する、好ましい結晶多形の結晶形Iを提供する。
本発明は更に、この結晶形Iの好適な実施形態を提供する。
好ましくは、X線粉末回折パターンは、面間距離によって表した場合、12.4Å、7.2Åおよび4.4Åに特性ピークを有する。
好ましくは、X線粉末回折パターンは、7.1°、10.4°、12.4°、17.0°および20.2°の回折角2θに特性ピークを有する。
好ましくは、X線粉末回折パターンは、面間距離によって表した場合、12.4Å、8.5Å、7.2Å、5.2Åおよび4.4Åに特性ピークを有する。
好ましくは、X線粉末回折パターンは、7.1°、8.4°、10.4°、12.4°、13.3°、17.0°、20.2°および27.6°の回折角2θに特性ピークを有する。
好ましくは、X線粉末回折パターンは、面間距離によって表した場合、12.4Å、10.6Å、8.5Å、7.2Å、6.7Å、5.2Å、4.4Åおよび3.2Åに特性ピークを有する。
好ましくは、結晶形IのX線粉末回折パターンは、図1のように示される。
図1に示すX線回折パターンを表Aに要約する。
好ましくは、結晶形Iは融点が190〜193℃である。
好ましくは、結晶形Iは純度が85%以上である。
好ましくは、結晶形Iは純度が95%以上である。
好ましくは、結晶形Iは純度が99%以上である。
更には、本発明は、結晶形Iを調製する方法であって、
式Iの化合物を室温で溶媒に溶解させた後に自然沈降させるステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含み、溶媒が、アセトン、酢酸エチル、イソプロパノール、またはアセトン/メタノール、アセトン/ヘプタン、アセトン/イソプロパノール、アセトン/IPAc、THF/メタノール、THF/EtOAc、THF/ヘプタン、THF/アセトニトリル、THF/イソプロパノール、THF/MTBEもしくはTHF/CH2Cl2の混合溶媒から選択される方法、
あるいは、式Iの化合物の過剰量を、CH2Cl2中またはH2O/THFもしくはH2O/アセトンの混合溶媒中で室温にて少なくとも48時間、または、ヘプタン、メタノールまたはH2O/THFの混合溶媒中で50℃にて少なくとも48時間スラリー化するステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含む方法を提供する。
式Iの化合物を室温で溶媒に溶解させた後に自然沈降させるステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含み、溶媒が、アセトン、酢酸エチル、イソプロパノール、またはアセトン/メタノール、アセトン/ヘプタン、アセトン/イソプロパノール、アセトン/IPAc、THF/メタノール、THF/EtOAc、THF/ヘプタン、THF/アセトニトリル、THF/イソプロパノール、THF/MTBEもしくはTHF/CH2Cl2の混合溶媒から選択される方法、
あるいは、式Iの化合物の過剰量を、CH2Cl2中またはH2O/THFもしくはH2O/アセトンの混合溶媒中で室温にて少なくとも48時間、または、ヘプタン、メタノールまたはH2O/THFの混合溶媒中で50℃にて少なくとも48時間スラリー化するステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含む方法を提供する。
本発明は、6.5°、11.2°および18.4°の回折角2θに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを呈する好ましい結晶多形の結晶形IIを提供する。
更には、本発明は、結晶形IIの好適な実施形態を提供する。
好ましくは、X線粉末回折パターンは、面間距離によって表した場合、13.6Å、7.9Åおよび4.8Åに特性ピークを有する。
好ましくは、X線粉末回折パターンは、6.5°、9.3°、11.2°、15.4°および18.4°の回折角2θに特性ピークを有する。
好ましくは、X線粉末回折パターンは、面間距離によって表した場合、13.6Å、9.5Å、7.9Å、5.8Åおよび4.8Åに特性ピークを有する。
好ましくは、X線粉末回折パターンは、6.5°、9.3°、11.2°、13.0°、14.1°、15.4°、18.4°および24.6°の回折角2θに特性ピークを有する。
好ましくは、X線粉末回折パターンは、面間距離によって表した場合、13.6Å、9.5Å、7.9Å、6.8Å、6.3Å、5.8Å、4.8Åおよび3.6Åに特性ピークを有する。
好ましくは、結晶多形の結晶形IIのX線粉末回折パターンは、図2のように示される。
図2に示すX線回折パターンを表Bに要約する。
好ましくは、結晶形IIは融点が129〜132℃である。
好ましくは、結晶形IIは純度が85%以上である。
好ましくは、結晶形IIは純度が95%以上である。
好ましくは、結晶形IIは純度が99%以上である。
本発明は、結晶形IIを調製する方法であって、式Iの化合物を溶媒に溶解させた後に自然沈降させるステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含み、溶媒がジメチルホルムアミドまたはTHF/ジメチルホルムアミドの混合溶媒から選択される方法を更に提供する。
更には、本発明は、12.3°、16.6°および25.4°の回折角2θに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを呈する式Iの化合物の好ましい結晶多形の結晶形IIIを提供する。
更には、本発明は、結晶形IIIの好適な実施形態を提供する。
好ましくは、X線粉末回折パターンは、面間距離によって表した場合、7.2Å、5.3Åおよび3.5Åに特性ピークを有する。
好ましくは、X線粉末回折パターンは、12.3°、16.6°、21.8°、25.4°および29.2°の回折角2θに特性ピークを有する。
好ましくは、X線粉末回折パターンは、面間距離によって表した場合、7.2Å、5.3Å、4.1Å、3.5Åおよび3.1Åに特性ピークを有する。
好ましくは、X線粉末回折パターンは、12.3°、13.0°、16.6°、18.6°、21.8°、25.4°、26.9°および29.2°の回折角2θに特性ピークを有する。
好ましくは、X線粉末回折パターンは、面間距離によって表した場合、7.2Å、6.8Å、5.3Å、4.8Å、4.1Å、3.5Å、3.3Åおよび3.1Åに特性ピークを有する。
好ましくは、結晶形IIIのX線粉末回折パターンは、図3のように示される。
図3に示すX線回折パターンを表Cに要約する。
好ましくは、結晶形IIIは融点が196〜199℃である。
好ましくは、結晶形IIIは純度が85%以上である。
好ましくは、結晶形IIIは純度が95%以上である。
好ましくは、結晶形IIIは純度が99%以上である。
本発明は、結晶形IIIを調製する方法であって、
式Iの化合物を酢酸イソプロピル(IPAc)に溶解させた後に自然沈降させるステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含む方法、
あるいは、式Iの化合物の過剰量を、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、IPAcまたはEtOAcから選択される溶媒中で少なくとも48時間スラリー化するステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含み、スラリー化する温度が好ましくは20℃〜50℃である方法、
あるいは、式Iの化合物の過剰量を、アセトン/H2Oの混合溶媒中で室温にて少なくとも48時間、またはEtOAc/THFの混合溶媒中で50℃にて少なくとも48時間スラリー化するステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含み、EtOAc/THFの体積比が3:1であり、アセトン/H2Oの体積比が1:1である方法、
あるいは、式Iの化合物を不活性ガス下で195℃に加熱し、次いで室温まで冷却するステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含む方法、
あるいは、式Iの化合物を溶媒に溶解させるステップ、結晶形IIIを種晶として添加した後に自然沈降させるステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含み、溶媒が、MTBE,IPAc、またはEtOAcを含むがこれに限定されない方法、
あるいは、式Iの化合物を混合溶媒に溶解させるステップ、結晶形IIIを種晶として添加した後に自然沈降させるステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含み、混合溶媒が、EtOAc、THF、アセトンまたは水を含む混合溶媒、好ましくは、EtOAc/THFまたはアセトン/H2Oの混合溶媒を含むがこれに限定されない方法、
あるいは、式Iの化合物を溶媒中で加熱して溶解させ、溶液を形成するステップ、結晶形IIIを種晶として添加しながら冷却するステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含み、溶媒が、イソプロパノール(IPA)、4−メチル−2−ペンタノン、酢酸プロピル、MTBE、IPAcまたはEtOAcを含むがこれに限定されない方法、
あるいは、式Iの化合物を混合溶媒中で加熱して溶解させ、溶液を形成するステップ、結晶形IIIを種晶として添加するステップ、冷却するステップ、結晶化させるステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含み、混合溶媒が、EtOAc、THF、アセトンまたは水、好ましくは、IPA/H2O、EtOAc/THF、IPAc/THF、MTBE/THFまたはアセトン/H2Oの混合溶媒を含有する混合溶媒を含むがこれに限定されない方法を更に提供する。
式Iの化合物を酢酸イソプロピル(IPAc)に溶解させた後に自然沈降させるステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含む方法、
あるいは、式Iの化合物の過剰量を、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、IPAcまたはEtOAcから選択される溶媒中で少なくとも48時間スラリー化するステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含み、スラリー化する温度が好ましくは20℃〜50℃である方法、
あるいは、式Iの化合物の過剰量を、アセトン/H2Oの混合溶媒中で室温にて少なくとも48時間、またはEtOAc/THFの混合溶媒中で50℃にて少なくとも48時間スラリー化するステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含み、EtOAc/THFの体積比が3:1であり、アセトン/H2Oの体積比が1:1である方法、
あるいは、式Iの化合物を不活性ガス下で195℃に加熱し、次いで室温まで冷却するステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含む方法、
あるいは、式Iの化合物を溶媒に溶解させるステップ、結晶形IIIを種晶として添加した後に自然沈降させるステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含み、溶媒が、MTBE,IPAc、またはEtOAcを含むがこれに限定されない方法、
あるいは、式Iの化合物を混合溶媒に溶解させるステップ、結晶形IIIを種晶として添加した後に自然沈降させるステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含み、混合溶媒が、EtOAc、THF、アセトンまたは水を含む混合溶媒、好ましくは、EtOAc/THFまたはアセトン/H2Oの混合溶媒を含むがこれに限定されない方法、
あるいは、式Iの化合物を溶媒中で加熱して溶解させ、溶液を形成するステップ、結晶形IIIを種晶として添加しながら冷却するステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含み、溶媒が、イソプロパノール(IPA)、4−メチル−2−ペンタノン、酢酸プロピル、MTBE、IPAcまたはEtOAcを含むがこれに限定されない方法、
あるいは、式Iの化合物を混合溶媒中で加熱して溶解させ、溶液を形成するステップ、結晶形IIIを種晶として添加するステップ、冷却するステップ、結晶化させるステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含み、混合溶媒が、EtOAc、THF、アセトンまたは水、好ましくは、IPA/H2O、EtOAc/THF、IPAc/THF、MTBE/THFまたはアセトン/H2Oの混合溶媒を含有する混合溶媒を含むがこれに限定されない方法を更に提供する。
更には、本発明は、12.5°、17.0°および22.3°の回折角2θに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを呈する式Iの化合物の好ましい結晶多形の結晶形IVを提供する。
更には、本発明は、結晶形IVの好適な実施形態を提供する。
好ましくは、X線粉末回折パターンは、面間距離によって表した場合、7.1Å、5.2Åおよび4.0Åに特性ピークを有する。
好ましくは、X線粉末回折パターンは、8.4°、12.5°、17.0°、18.1°および22.3°の回折角2θに特性ピークを有する。
好ましくは、X線粉末回折パターンは、面間距離によって表した場合、10.5Å、7.1Å、5.2Å、4.9Åおよび4.0Åに特性ピークを有する。
好ましくは、X線粉末回折パターンは、8.4°、9.0°、11.3°、12.5°、17.0°、18.1°、22.3°および28.2°の回折角2θに特性ピークを有する。
好ましくは、X線粉末回折パターンは、面間距離によって表した場合、10.5Å、9.8Å、7.9Å、7.1Å、5.2Å、4.9Å、4.0Åおよび3.2Åに特性ピークを有する。
好ましくは、結晶形IVのX線粉末回折パターンは、図4のように示される。
図4に示すX線回折パターンを表Dに要約する。
好ましくは、結晶形IVは融点が189〜193℃である。
好ましくは、結晶形IVは純度が85%以上である。
好ましくは、結晶形IVは純度が95%以上である。
好ましくは、結晶形IVは純度が99%以上である。
本発明は、結晶形IVを調製する方法であって、
結晶形Iを50℃に加熱し、次いで室温まで冷却するステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含む方法、
あるいは、式Iの化合物をTHFに溶解させた後に自然沈降させるステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含む方法を更に提供する。
結晶形Iを50℃に加熱し、次いで室温まで冷却するステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含む方法、
あるいは、式Iの化合物をTHFに溶解させた後に自然沈降させるステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含む方法を更に提供する。
本発明は、12.3°、21.8°および27.6°の回折角2θに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを呈する好ましい結晶多形の結晶形Vを提供する。
更には、本発明は、結晶形Vの好適な実施形態を提供する。
好ましくは、X線粉末回折パターンは、面間距離によって表した場合、7.2Å、4.1Åおよび3.2Åに特性ピークを有する。
好ましくは、X線粉末回折パターンは、12.3°、16.8°、17.9°、21.8°および27.6°の回折角2θに特性ピークを有する。
好ましくは、X線粉末回折パターンは、面間距離によって表した場合、7.2Å、5.3Å、5.0Å、4.1Åおよび3.2Åに特性ピークを有する。
好ましくは、X線粉末回折パターンは、11.1°、12.3°、16.8°、17.9°、21.2°、21.8°、23.0°および27.6°の回折角2θに特性ピークを有する。
好ましくは、X線粉末回折パターンは、面間距離によって表した場合、8.0Å、7.2Å、5.3Å、5.0Å、4.2Å、4.1Å、3.9Åおよび3.2Åに特性ピークを有する。
好ましくは、結晶形VのX線粉末回折パターンは、図5のように示される。
図5に示すX線回折パターンを表Eに要約する。
好ましくは、結晶形Vは融点が192〜195℃である。
好ましくは、結晶形Vは純度が85%以上である。
好ましくは、結晶形Vは純度が95%以上である。
好ましくは、結晶形Vは純度が99%以上である。
本発明は、結晶形Vを調製する方法であって、結晶形IVを不活性ガス下で175℃に加熱するステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含む方法を更に提供する。
本発明は、式Iの化合物を調製する方法であって、下記のステップを含む方法を更に提供する。
(a)化合物2の合成
化合物1を酢酸に溶解させ、撹拌し、75℃〜85℃に加熱した。液体臭素をゆっくりと滴加し、TLCによって反応の完了が確認されるまで7〜9時間反応させた。室温まで冷却した。反応液を飽和重亜硫酸ナトリウム(NaHSO3)溶液4000mLに注いだ。生成した沈殿物をろ過し、水で洗浄し、真空中で60℃未満にて乾燥させ、化合物2を得た;
(b)化合物3の合成
不活性ガス中で、化合物2、4−メチルフェニルボロン酸、Pd(PPh3)4、N,N−ジメチルホルムアミドおよびNa2CO3水溶液を混合し、75℃〜85℃にて10〜14時間反応させた。TLCによって反応の完了が確認された後、反応液を室温まで冷却した。水と酢酸エチルとを添加した。酢酸エチルを用いて水相を三回更に抽出した。有機相を合わせ、飽和塩水で二回洗浄し、無水硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させ、真空中で蒸留して酢酸エチルを除去した結果、粗生成物を得た。粗生成物をメタノール中で再結晶化させ、化合物3を得た;
(c)化合物4の合成
化合物3を水に添加した。次いでギ酸アンモニウムとPd/C(5%)とを添加し、約1.5〜2.5時間還流させた。冷却してPd/Cを除去した後、酢酸エチルを用いて反応混合物を二回抽出した。有機相を合わせ、水と飽和塩水とで洗浄し、無水硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸留して溶媒を除去し、化合物4を得た;
(d)化合物5の合成
化合物4、無水酢酸およびリン酸を45℃〜55℃にて完全に反応させ、次いで室温まで冷却した。水を添加し、加水分解が完了するまで45℃〜55℃にて撹拌した。反応混合物を冷却し、ろ過した。生成した固体を乾燥させ、化合物5を得た;
(e)化合物6の合成
化合物5と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)とをTHFに溶解させ、0℃未満に冷却した。ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を複数回に分けて添加し、10℃未満にて10〜14時間撹拌し、ろ過してろ液を取り置いた。
マロン酸ジメチルをTHFに溶解させた。まずNaH(70%油分散体)を添加した後に、上記で得たろ液を撹拌しながら添加し、混合物を1〜3時間反応させた。真空蒸留によってTHFを除去した。次いでメタノールと10%HClとを添加し、室温にて一晩撹拌した。沈殿物をろ過してメタノールで洗浄し、化合物6を得た;
(f)化合物7の合成
tert−ブチルグリシナート塩酸塩とナトリウムメトキシドをメタノールに添加し、撹拌した後に蒸留してメタノールを除去した。THFと化合物6を添加し、55℃〜65℃にて一晩反応させた。
反応混合物を真空中で蒸留してTHFを除去した。次いでメタノールを添加し、1.5〜2.5時間撹拌し、ろ過して化合物7を得た;
(g)化合物8、すなわち式Iの化合物の合成
化合物7、CH2Cl2、およびトリフルオロ酢酸(TFA)を混合し、撹拌し、3.5〜4.5時間反応させた。CH2Cl2とTFAとを蒸留によって除去し、残渣をメタノール中で再結晶化させ、化合物8を得た。
化合物1を酢酸に溶解させ、撹拌し、75℃〜85℃に加熱した。液体臭素をゆっくりと滴加し、TLCによって反応の完了が確認されるまで7〜9時間反応させた。室温まで冷却した。反応液を飽和重亜硫酸ナトリウム(NaHSO3)溶液4000mLに注いだ。生成した沈殿物をろ過し、水で洗浄し、真空中で60℃未満にて乾燥させ、化合物2を得た;
(b)化合物3の合成
不活性ガス中で、化合物2、4−メチルフェニルボロン酸、Pd(PPh3)4、N,N−ジメチルホルムアミドおよびNa2CO3水溶液を混合し、75℃〜85℃にて10〜14時間反応させた。TLCによって反応の完了が確認された後、反応液を室温まで冷却した。水と酢酸エチルとを添加した。酢酸エチルを用いて水相を三回更に抽出した。有機相を合わせ、飽和塩水で二回洗浄し、無水硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させ、真空中で蒸留して酢酸エチルを除去した結果、粗生成物を得た。粗生成物をメタノール中で再結晶化させ、化合物3を得た;
(c)化合物4の合成
化合物3を水に添加した。次いでギ酸アンモニウムとPd/C(5%)とを添加し、約1.5〜2.5時間還流させた。冷却してPd/Cを除去した後、酢酸エチルを用いて反応混合物を二回抽出した。有機相を合わせ、水と飽和塩水とで洗浄し、無水硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸留して溶媒を除去し、化合物4を得た;
(d)化合物5の合成
化合物4、無水酢酸およびリン酸を45℃〜55℃にて完全に反応させ、次いで室温まで冷却した。水を添加し、加水分解が完了するまで45℃〜55℃にて撹拌した。反応混合物を冷却し、ろ過した。生成した固体を乾燥させ、化合物5を得た;
(e)化合物6の合成
化合物5と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)とをTHFに溶解させ、0℃未満に冷却した。ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を複数回に分けて添加し、10℃未満にて10〜14時間撹拌し、ろ過してろ液を取り置いた。
マロン酸ジメチルをTHFに溶解させた。まずNaH(70%油分散体)を添加した後に、上記で得たろ液を撹拌しながら添加し、混合物を1〜3時間反応させた。真空蒸留によってTHFを除去した。次いでメタノールと10%HClとを添加し、室温にて一晩撹拌した。沈殿物をろ過してメタノールで洗浄し、化合物6を得た;
(f)化合物7の合成
tert−ブチルグリシナート塩酸塩とナトリウムメトキシドをメタノールに添加し、撹拌した後に蒸留してメタノールを除去した。THFと化合物6を添加し、55℃〜65℃にて一晩反応させた。
反応混合物を真空中で蒸留してTHFを除去した。次いでメタノールを添加し、1.5〜2.5時間撹拌し、ろ過して化合物7を得た;
(g)化合物8、すなわち式Iの化合物の合成
化合物7、CH2Cl2、およびトリフルオロ酢酸(TFA)を混合し、撹拌し、3.5〜4.5時間反応させた。CH2Cl2とTFAとを蒸留によって除去し、残渣をメタノール中で再結晶化させ、化合物8を得た。
更には、本発明は、上記結晶多形のいずれか一種の有効量、および薬学的に許容される添加物、補助薬または担体を含む組成物を提供する。
本発明は更に、医薬組成物の好ましい実施形態を提供する。
好ましくは、医薬組成物は、本発明の結晶多形の治療有効量を少なくとも一種の追加の活性成分と組み合わせて含む。
好ましくは、医薬組成物は経口投与で使用される。
好ましくは、医薬組成物は錠剤またはカプセルに入れて使用される。
好ましくは、医薬組成物は、本発明の結晶多形を1wt%〜99wt%含む。
好ましくは、医薬組成物は、本発明の結晶多形を1wt%〜70wt%含む。
好ましくは、医薬組成物は、本発明の結晶多形を10wt%〜30wt%含む。
本発明は、HIFレベルまたはHIF活性を調節するための薬剤の製造における上記結晶多形のいずれか一種の使用を更に提供する。
本発明は更に、結晶多形の使用の好ましい実施形態を提供する。
好ましくは、本発明の結晶多形は、HIFレベルまたはHIF活性に関係する疾患、障害または病状の治療のための薬剤の製造に使用することができる。
好ましくは、本発明の結晶多形は、虚血、貧血、または虚血もしくは貧血に伴う疾患、障害、もしくは病状の治療のための薬剤の製造に使用することができる。
好ましくは、本発明の結晶多形は、対象の虚血、貧血、創傷治癒、自己移植、同種移植、異種移植、全身性高血圧、サラセミア、糖尿病、がんもしくは炎症性障害、またはこれらの二種以上の組み合わせから選択される疾患、障害もしくは病状の治療のための薬剤の製造に使用することができる。
更に本発明の結晶多形の一種を対象に投与することによって、対象のHIFレベルまたは活性を調節する方法が提供される。
更には、本発明の結晶多形の一種を対象に投与することによって、対象のHIFレベルまたはHIF活性に関係する疾患、障害、または病状を治療する方法が提供される。
加えて、本発明の結晶多形の一種を対象に投与することによって、対象の虚血、貧血、または虚血もしくは貧血に伴う疾患、障害もしくは病状を治療する方法が提供される。
更に加えて、本発明の結晶多形の一種を対象に投与することによって、対象の虚血、貧血、創傷治癒、自己移植、同種移植、異種移植、全身性高血圧、サラセミア、糖尿病、がんもしくは炎症性障害、またはこれらの二種以上の組み合わせから選択される疾患、障害もしくは病状を治療する治療する方法が提供される。
本発明の結晶多形は全て、ほぼ純粋である。
「ほぼ純粋」という用語は、本明細書で使用する場合、本発明の式Iの化合物、N−[(4−ヒドロキシ−2−オキソ−8−(3−メチル−フェニル)−2H−3−コロルアルケニル)カルボニル]グリシン、の少なくとも85wt%、好ましくは少なくとも95wt%、より好ましくは少なくとも99wt%が結晶形、特に本発明の結晶形にあることを指示する。
上記結晶多形において記載される主ピークは、再現可能なものであり、誤差限界(規定値±0.2)の範囲内にある。
本発明において、「図1のように示されるX線粉末回折パターン」とは、図1にあるように、主なピークを示すX線粉末回折パターンを意味する。ただし、主なピークとは、図1において、相対強度が最高ピークに対して(最高ピークの相対強度を100%とした場合)10%を超える、好ましくは30%を超えるピークを意味する。同様に、本発明において、図2、3、4または5に表示されるX線粉末回折パターンとは、図2、3、4または5にあるような主なピークを示すX線粉末回折パターンを意味する。ただし、主なピークとは、図2、3、4または5それぞれにおいて、相対強度が最高ピークに対して(最高ピークの相対強度を100%とした場合)10%を超える、好ましくは30%を超えるピークを意味する。
結晶化は、本発明の化合物を結晶化させるのに適した種晶を使用して達成することも、使用せずに達成することもできる。
本発明における結晶化は、ある一定条件下での様々な結晶形間の動力学と平衡に関連している。従って、当業者は、得られる結晶形が結晶化過程の反応速度と熱力学次第であることを認識されよう。ある一定条件(溶媒系、温度、圧力、および本発明の化合物の濃度)の下では、ある結晶形は、別の結晶形よりも安定になり得る(または、実際には他のいかなる結晶形よりも安定になり得る)。しかしながら、熱力学的により安定性の低い多形が反応速度上は好都合な場合もある。結晶形は、反応速度以外の要因、例えば、時間、不純物分布、撹拌、種晶の有無によって影響を受けることもある。
「治療有効量」という用語は、本明細書において使用された場合、疾患または疾患もしくは障害の臨床症状の少なくとも一種を治療するために対象に投与された場合にその疾患、障害または症状の治療に影響を及ぼすのに十分な化合物の量を意味する。「治療有効量」は、化合物、疾患、障害、および/または疾患もしくは障害の症状、疾患、障害、および/または疾患もしくは障害の症状の重症度、治療を受ける対象の年齢、および/または治療を受ける対象の体重によって変わり得る。任意の特定の事例における適切な量は、当業者には明らかであり、あるいは、日常的な実験によって決定することができる。併用療法の場合、「治療有効量」は、疾患、障害または病状の効果的な治療のために組み合わせた活性成分の総量を指す。
本発明の化合物を含む医薬組成物は、治療が必要な対象に経口投与、吸入投与、直腸投与、非経口投与または局所投与によって投与することができる。経口投与の場合、医薬組成物は、例えば錠剤、粉末、顆粒、カプセルなどの通常の固体製剤、水懸濁液もしくは油懸濁液などの液体製剤、またはシロップ、溶液、懸濁液といった他の液体製剤でもよい。非経口投与の場合、医薬組成物は、溶液、水溶液、油懸濁液濃縮物、凍結乾燥粉末などとしてもよい。好ましくは、医薬組成物の製剤は、錠剤、コーティングされた錠剤、カプセル、座薬、鼻腔用スプレーまたは注射から、より好ましくは錠剤またはカプセルから選択される。医薬組成物は、正確な投薬量を用いた単一単位投与の単位用量とすることもできる。加えて、医薬組成物は追加の活性成分を更に含んでもよい。
本発明の医薬組成物の製剤は全て、医薬分野における従来の方法によって製造することができる。例えば、活性成分は、一つまたは複数の添加物と混合してから望ましい製剤とすることができる。例えば、活性成分を一つまたは複数の添加物と混合し、その混合物を目的とする製剤にすることができる。
「薬学的に許容される担体」とは、望ましい医薬製剤に適した従来の医薬用担体であり、例えば、希釈剤、水や各種有機溶媒などの媒体、デンプンやスクロースなどの充填剤;セルロース誘導体、アルギン酸塩、ゼラチンおよびポリビニルピロリドンなどの結合剤;グリセロールなどの湿潤剤;寒天、炭酸カルシウムおよび重炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;第四級アンモニウムなどの吸収促進剤;ヘキサデカノールなどの界面活性剤;カオリンおよびソープクレイなどの吸収担体;タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコールなどの滑剤、などを意味する。加えて、医薬組成物は、他の薬学的に許容される添加物、例えば、分散剤、安定剤、増粘剤、錯化剤、緩衝剤、拡散促進剤、ポリマー、芳香剤、甘味料、および色素を更に含む。添加物は、望ましい製剤および投与形態に適していることが好ましい。
「疾患」または「障害」という用語は、任意の疾患、不快症状、不健康、症状または兆候を意味する。
図1、2、3、4および5に示すX線粉末回折(XRPD)パターンは、Empyreanコンソールを有するPANalyticalX線回折システム上で生成された。回折ピーク位置は、2シータ(2θ)値が28.443度である単結晶ケイ素によって較正された。光源としてEmpyrean Cu LEF X線チューブのK−アルファ線が使用された。
本発明を例示する以下の実施例によって本発明を更に実証するが、本発明はそれに限られるものではない。本発明の実施例において、技術または方法は、特に断らない限り、本技術分野における従来の技術または方法である。
N−[(4−ヒドロキシ−2−オキソ−8−(3−メチル−フェニル)−2H−3−コロルアルケニル)カルボニル]グリシン、すなわち化合物8(式Iの化合物)の合成
(a)化合物2の合成
5Lの三つ口フラスコ中で化合物1(200g)を酢酸3000mLに溶解させ、撹拌し、80℃に加熱した。液体臭素をゆっくりと滴加し、TLCによって反応の完了が確認されるまで8時間反応させた。室温まで冷却した。反応液を飽和重亜硫酸ナトリウム(NaHSO3)溶液4000mLに注いだ。生成した沈殿物をろ過し、水で洗浄し、真空中で60℃未満にて乾燥させ、純度が98%を超える白色固体(化合物2)を204.6g得た。
5Lの三つ口フラスコ中で化合物1(200g)を酢酸3000mLに溶解させ、撹拌し、80℃に加熱した。液体臭素をゆっくりと滴加し、TLCによって反応の完了が確認されるまで8時間反応させた。室温まで冷却した。反応液を飽和重亜硫酸ナトリウム(NaHSO3)溶液4000mLに注いだ。生成した沈殿物をろ過し、水で洗浄し、真空中で60℃未満にて乾燥させ、純度が98%を超える白色固体(化合物2)を204.6g得た。
(b)化合物3の合成
不活性ガス(N2)下で3−ブロモ−5−クロロサリチル酸(化合物2)15g、4−メチルフェニルボロン酸8.16g、Pd(PPh3)42g、N,N−ジメチルホルムアミド120mL、および2mol/LのNa2CO3水溶液30mLを混合し、80℃に加熱して12時間反応させた。TLCによって反応の完了が確認された後、反応液を室温まで冷却し、水500mLと酢酸エチル300mLを添加した。酢酸エチル200mlを用いて水相を三回更に抽出した。有機相を合わせ、飽和塩水300mlで二回洗浄し、無水硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させ、真空中で蒸留して酢酸エチルを除去した結果、粗生成物21.6gを得た。粗生成物をメタノール中で再結晶化させ、化合物3を18.2g得た。
不活性ガス(N2)下で3−ブロモ−5−クロロサリチル酸(化合物2)15g、4−メチルフェニルボロン酸8.16g、Pd(PPh3)42g、N,N−ジメチルホルムアミド120mL、および2mol/LのNa2CO3水溶液30mLを混合し、80℃に加熱して12時間反応させた。TLCによって反応の完了が確認された後、反応液を室温まで冷却し、水500mLと酢酸エチル300mLを添加した。酢酸エチル200mlを用いて水相を三回更に抽出した。有機相を合わせ、飽和塩水300mlで二回洗浄し、無水硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させ、真空中で蒸留して酢酸エチルを除去した結果、粗生成物21.6gを得た。粗生成物をメタノール中で再結晶化させ、化合物3を18.2g得た。
(c)化合物4の合成
化合物3(27g)を水250mLに添加した。ギ酸アンモニウム5gとPd/C(5%)8.7gとを添加し、約2時間還流させた。冷却してPd/Cを除去した後、酢酸エチル100mLを用いて反応混合物を二回抽出した。有機相を合わせ、水と飽和塩水とで洗浄し、無水硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸留して溶媒を除去し、化合物4を得た。
化合物3(27g)を水250mLに添加した。ギ酸アンモニウム5gとPd/C(5%)8.7gとを添加し、約2時間還流させた。冷却してPd/Cを除去した後、酢酸エチル100mLを用いて反応混合物を二回抽出した。有機相を合わせ、水と飽和塩水とで洗浄し、無水硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸留して溶媒を除去し、化合物4を得た。
(d)化合物5の合成
化合物4(27g)、無水酢酸(130mL)およびリン酸(1mL)の混合物を50℃にて反応が完了するまで反応させた。反応液を室温まで冷却し、水500mLを添加し、撹拌し、50℃にて完全に加水分解させた。溶液を0℃まで冷却して固体を沈殿させ、固体を乾燥して化合物5を24.4g得た。
化合物4(27g)、無水酢酸(130mL)およびリン酸(1mL)の混合物を50℃にて反応が完了するまで反応させた。反応液を室温まで冷却し、水500mLを添加し、撹拌し、50℃にて完全に加水分解させた。溶液を0℃まで冷却して固体を沈殿させ、固体を乾燥して化合物5を24.4g得た。
(e)化合物6の合成
化合物5を13gと1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を6.8g、THFに溶解させ、0℃未満まで冷却した。ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)10.4gを複数回に分けて添加し、10℃未満にて約12時間撹拌し、ろ過してろ液を取り置いた。
マロン酸ジメチル6.6gをTHF400mLに溶解させた。まずNaH(70%油分散体)3.8gを添加し、次に上記で得たろ液を撹拌しながら添加し、混合物を2時間反応させた。真空蒸留によってTHFを除去した。メタノール200mLと10%のHCl200mLとを添加し、室温にて一晩撹拌した。沈殿物をろ過してメタノール200mLで洗浄し、化合物6を6g得た。
化合物5を13gと1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を6.8g、THFに溶解させ、0℃未満まで冷却した。ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)10.4gを複数回に分けて添加し、10℃未満にて約12時間撹拌し、ろ過してろ液を取り置いた。
マロン酸ジメチル6.6gをTHF400mLに溶解させた。まずNaH(70%油分散体)3.8gを添加し、次に上記で得たろ液を撹拌しながら添加し、混合物を2時間反応させた。真空蒸留によってTHFを除去した。メタノール200mLと10%のHCl200mLとを添加し、室温にて一晩撹拌した。沈殿物をろ過してメタノール200mLで洗浄し、化合物6を6g得た。
(f)化合物7の合成
tert−ブチルグリシナート塩酸塩(13.5g)とナトリウムメトキシド(4.4g)をメタノール200mLに添加し、撹拌した後に蒸留してメタノールを除去した。THF200mLと化合物6(6.0g)とを添加し、60℃にて一晩反応させた。
反応混合物を真空中で蒸留してTHFを除去した。次いでメタノール400mLを添加し、2時間撹拌し、ろ過して白色固体(化合物7)を3.5g得た。
tert−ブチルグリシナート塩酸塩(13.5g)とナトリウムメトキシド(4.4g)をメタノール200mLに添加し、撹拌した後に蒸留してメタノールを除去した。THF200mLと化合物6(6.0g)とを添加し、60℃にて一晩反応させた。
反応混合物を真空中で蒸留してTHFを除去した。次いでメタノール400mLを添加し、2時間撹拌し、ろ過して白色固体(化合物7)を3.5g得た。
(g)化合物8の合成
化合物7(0.5g)、CH2Cl25mL、およびトリフルオロ酢酸(5mL)を100mLの三つ口フラスコに添加し、撹拌し、約4時間反応させた。反応混合物を蒸留してCH2Cl2とトリフルオロ酢酸とを除去し、残渣をメタノール中で再結晶化させて化合物8(式Iの化合物)を得た。
化合物7(0.5g)、CH2Cl25mL、およびトリフルオロ酢酸(5mL)を100mLの三つ口フラスコに添加し、撹拌し、約4時間反応させた。反応混合物を蒸留してCH2Cl2とトリフルオロ酢酸とを除去し、残渣をメタノール中で再結晶化させて化合物8(式Iの化合物)を得た。
結晶形Iの調製
実施例1で調製した式Iの化合物を、アセトン、酢酸エチル(EtOAc)、イソプロパノール、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、またはアセトン/メタノール、アセトン/ヘプタン、アセトン/イソプロパノール、アセトン/酢酸イソプロピル(IPAc)、THF/メタノール、THF/EtOAc、THF/ヘプタン、THF/アセトニトリル、THF/イソプロパノール、THF/MTBEもしくはTHF/CH2Cl2の混合溶媒に溶解させた後に自然沈降させ、融点が190〜193℃の望ましい結晶形Iを得た。
実施例1で調製した式Iの化合物を、アセトン、酢酸エチル(EtOAc)、イソプロパノール、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、またはアセトン/メタノール、アセトン/ヘプタン、アセトン/イソプロパノール、アセトン/酢酸イソプロピル(IPAc)、THF/メタノール、THF/EtOAc、THF/ヘプタン、THF/アセトニトリル、THF/イソプロパノール、THF/MTBEもしくはTHF/CH2Cl2の混合溶媒に溶解させた後に自然沈降させ、融点が190〜193℃の望ましい結晶形Iを得た。
結晶形Iの調製
実施例1と同様に調製した式Iの化合物の過剰量のスラリー懸濁物を、ジクロロメタン(CH2Cl2)中、またはH2O/THFもしくはH2O/アセトンの混合溶媒中で室温にて少なくとも48時間撹拌し、望ましい結晶形Iを得た。
実施例1と同様に調製した式Iの化合物の過剰量のスラリー懸濁物を、ジクロロメタン(CH2Cl2)中、またはH2O/THFもしくはH2O/アセトンの混合溶媒中で室温にて少なくとも48時間撹拌し、望ましい結晶形Iを得た。
結晶形Iの調製
実施例1と同様に調製した式Iの化合物の過剰量のスラリー懸濁物を、ヘプタン、メタノール、またはH2O/THFの混合溶媒中で50℃にて48時間または72時間撹拌し、望ましい結晶形Iを得た。
実施例1と同様に調製した式Iの化合物の過剰量のスラリー懸濁物を、ヘプタン、メタノール、またはH2O/THFの混合溶媒中で50℃にて48時間または72時間撹拌し、望ましい結晶形Iを得た。
結晶形IIの調製
実施例1と同様に調製した式Iの化合物を、THF/ジメチルホルムアミドの混合溶媒またはジメチルホルムアミドに溶解させた後に自然沈降させ、融点が129〜132℃の望ましい結晶形IIを得た。
実施例1と同様に調製した式Iの化合物を、THF/ジメチルホルムアミドの混合溶媒またはジメチルホルムアミドに溶解させた後に自然沈降させ、融点が129〜132℃の望ましい結晶形IIを得た。
結晶形IIIの調製
実施例1と同様に調製した式Iの化合物を、IPAcに溶解させた後に自然沈降させ、融点が196〜199℃の望ましい結晶形IIIを得た。
実施例1と同様に調製した式Iの化合物を、IPAcに溶解させた後に自然沈降させ、融点が196〜199℃の望ましい結晶形IIIを得た。
結晶形IIIの調製
実施例1と同様に調製した式Iの化合物の過剰量のスラリー懸濁物を、MTBE、IPAcまたはEtOAc中で室温にて少なくとも48時間撹拌し、望ましい結晶形IIIを得た。
実施例1と同様に調製した式Iの化合物の過剰量のスラリー懸濁物を、MTBE、IPAcまたはEtOAc中で室温にて少なくとも48時間撹拌し、望ましい結晶形IIIを得た。
結晶形IIIの調製
実施例1と同様に調製した式Iの化合物の過剰量のスラリー懸濁物を、メチルMTBE、IPAcまたはEtOAc中で50℃にて少なくとも48時間撹拌し、望ましい結晶形IIIを得た。
実施例1と同様に調製した式Iの化合物の過剰量のスラリー懸濁物を、メチルMTBE、IPAcまたはEtOAc中で50℃にて少なくとも48時間撹拌し、望ましい結晶形IIIを得た。
結晶形IIIの調製
実施例1と同様に調製した式Iの化合物の過剰量のスラリー懸濁物を、アセトン/H2O(1:1)の混合溶媒中で室温にて少なくとも48時間撹拌し、望ましい結晶形IIIを得た。
実施例1と同様に調製した式Iの化合物の過剰量のスラリー懸濁物を、アセトン/H2O(1:1)の混合溶媒中で室温にて少なくとも48時間撹拌し、望ましい結晶形IIIを得た。
結晶形IIIの調製
実施例1と同様に調製した式Iの化合物の過剰量のスラリー懸濁物を、EtOAc/THF(3:1)の混合溶媒中で50℃にて少なくとも48時間撹拌し、望ましい結晶形IIIを得た。
実施例1と同様に調製した式Iの化合物の過剰量のスラリー懸濁物を、EtOAc/THF(3:1)の混合溶媒中で50℃にて少なくとも48時間撹拌し、望ましい結晶形IIIを得た。
結晶形IIIの調製
実施例1と同様に調製した式Iの化合物を、MTBE、IPAc、EtOAc、またはEtOAc/THFもしくはアセトン/H2Oの混合溶媒に溶解させ、実施例6〜8のいずれか一つと同様に調製した結晶形IIIを種晶として添加した後に自然沈降させ、望ましい結晶形IIIを得た。
実施例1と同様に調製した式Iの化合物を、MTBE、IPAc、EtOAc、またはEtOAc/THFもしくはアセトン/H2Oの混合溶媒に溶解させ、実施例6〜8のいずれか一つと同様に調製した結晶形IIIを種晶として添加した後に自然沈降させ、望ましい結晶形IIIを得た。
結晶形IIIの調製
実施例1と同様に調製した式Iの化合物を、イソプロパノール(IPA)、4−メチル−2−ペンタノン、酢酸プロピル、MTBE、IPAc、EtOAc、またはEtOAc/THF、アセトン/H2OもしくはIPA/H2O(9:1)の混合溶媒から選択される溶媒中で加熱して溶解させ、溶液を冷却する際に実施例6〜8のいずれか一つと同様に調製した結晶形IIIを種晶として添加して結晶化させ、結晶形IIIを得た。
実施例1と同様に調製した式Iの化合物を、イソプロパノール(IPA)、4−メチル−2−ペンタノン、酢酸プロピル、MTBE、IPAc、EtOAc、またはEtOAc/THF、アセトン/H2OもしくはIPA/H2O(9:1)の混合溶媒から選択される溶媒中で加熱して溶解させ、溶液を冷却する際に実施例6〜8のいずれか一つと同様に調製した結晶形IIIを種晶として添加して結晶化させ、結晶形IIIを得た。
結晶形IIIの調製
実施例1と同様に調製した式Iの化合物を、不活性ガス(N2またはHe)下で195℃に加熱し、次いで室温まで冷却して結晶形IIIを得た。
実施例1と同様に調製した式Iの化合物を、不活性ガス(N2またはHe)下で195℃に加熱し、次いで室温まで冷却して結晶形IIIを得た。
結晶形IVの調製
実施例2〜4のいずれか一つと同様に調製した結晶形Iを50℃に加熱し、融点が189〜193℃の結晶形IVを得た。
実施例2〜4のいずれか一つと同様に調製した結晶形Iを50℃に加熱し、融点が189〜193℃の結晶形IVを得た。
結晶形IVの調製
実施例1と同様に調製した式Iの化合物を、THFに溶解させた後に自然沈降させ、結晶形IVを得た。
実施例1と同様に調製した式Iの化合物を、THFに溶解させた後に自然沈降させ、結晶形IVを得た。
結晶形IVの調製
実施例1で調製した式Iの化合物を、50℃にて少なくとも48時間、H2O/アセトンに懸濁させて撹拌し、結晶形IVを得た。
実施例1で調製した式Iの化合物を、50℃にて少なくとも48時間、H2O/アセトンに懸濁させて撹拌し、結晶形IVを得た。
結晶形Vの調製
実施例14〜16のいずれか一つと同様に調製した結晶形IVを175℃に加熱し、融点が192〜195℃の結晶形Vを得た。
実施例14〜16のいずれか一つと同様に調製した結晶形IVを175℃に加熱し、融点が192〜195℃の結晶形Vを得た。
HIF−PHD2酵素活性のアッセイ
均一TR−FRET技術(米国特許出願第2008/004817号;Dao JHら、Anal Biochem.2009、384:213〜23も参照)を用いてHIF−PHD2活性を測定した。1/2面積の96ウェルプレートの各ウェルに、試験化合物の2μL DMSO溶液と600nMの全長PHD2を含有するアッセイ緩衝液(50mMのTris PH7.4/0.01%のTween−20/0.1mg/mlのBSA/1mMのアスコルビン酸ナトリウム/20μg/mlのカタラーゼ/10μMのFeSO4)40μLとを添加した。30分の室温での前保温後、基質8μL(0.2μMの2−オキソグルタル酸および0.5μM HIF−1αペプチドビオチニル−DLDLEMLAPYIPMDDDFQLの各最終濃度)を添加することによって酵素反応を開始させた。室温で2時間経過後、1mMのオルトフェナントロリン最終濃度、0.1mM EDTA、0.5nM抗(His)6LANCE試薬、100nM AF647標識ストレプトアビジン、および30nM (His)6−VHL−エロンギンB−エロンギンC複合体に失活/検出混合液50μLを添加することによって反応を停止させ、シグナルを発生させた。665nmと620nmでの時間分解蛍光シグナルの比を決定し、並行して実施した非阻害対照サンプルに対して、阻害率(%)を計算した。上記実施例1に開示した方法で調製した式Iの化合物の場合、IC50は150nM前後であると判定した。
均一TR−FRET技術(米国特許出願第2008/004817号;Dao JHら、Anal Biochem.2009、384:213〜23も参照)を用いてHIF−PHD2活性を測定した。1/2面積の96ウェルプレートの各ウェルに、試験化合物の2μL DMSO溶液と600nMの全長PHD2を含有するアッセイ緩衝液(50mMのTris PH7.4/0.01%のTween−20/0.1mg/mlのBSA/1mMのアスコルビン酸ナトリウム/20μg/mlのカタラーゼ/10μMのFeSO4)40μLとを添加した。30分の室温での前保温後、基質8μL(0.2μMの2−オキソグルタル酸および0.5μM HIF−1αペプチドビオチニル−DLDLEMLAPYIPMDDDFQLの各最終濃度)を添加することによって酵素反応を開始させた。室温で2時間経過後、1mMのオルトフェナントロリン最終濃度、0.1mM EDTA、0.5nM抗(His)6LANCE試薬、100nM AF647標識ストレプトアビジン、および30nM (His)6−VHL−エロンギンB−エロンギンC複合体に失活/検出混合液50μLを添加することによって反応を停止させ、シグナルを発生させた。665nmと620nmでの時間分解蛍光シグナルの比を決定し、並行して実施した非阻害対照サンプルに対して、阻害率(%)を計算した。上記実施例1に開示した方法で調製した式Iの化合物の場合、IC50は150nM前後であると判定した。
正常マウスにおけるエリスロポエチン(EPO)誘導の判定
8週齢のオスのC57BL/6マウスに、化合物の一結晶形の0.5%CMC中懸濁液を、20、60および100mg/kgで経口投与した。投与6時間後、眼窩静脈叢から血液サンプルを得て、血清を採集した(Robinson Aら、Gastroenterology.2008、134:145〜55;Hsieh MMら、Blood.2007、110:2140〜7も参照)。製造元の指示書に従い、電気化学発光に基づく免疫測定(MSD)によってサンプルをEPOについて分析した。懸濁液に本発明における結晶形IIIを使用した場合に誘導されたEPOは、60mg/kgの投薬量で、誘導を行わなかった媒体群の35倍超であると判定した。
8週齢のオスのC57BL/6マウスに、化合物の一結晶形の0.5%CMC中懸濁液を、20、60および100mg/kgで経口投与した。投与6時間後、眼窩静脈叢から血液サンプルを得て、血清を採集した(Robinson Aら、Gastroenterology.2008、134:145〜55;Hsieh MMら、Blood.2007、110:2140〜7も参照)。製造元の指示書に従い、電気化学発光に基づく免疫測定(MSD)によってサンプルをEPOについて分析した。懸濁液に本発明における結晶形IIIを使用した場合に誘導されたEPOは、60mg/kgの投薬量で、誘導を行わなかった媒体群の35倍超であると判定した。
結晶形の安定性判定
上記実施例1に開示した方法で調製した式Iの化合物100mg(混合結晶形)を酢酸エチル2mLに添加し、室温で72時間撹拌した。遠心分離し、乾燥した後、生じた結晶形は、XRPDによって純粋に結晶形IIIであると判定した。従って、結晶形IIIは、実施例1において室温で調製された混合結晶形よりも熱力学的に安定した結晶形であることが実証された。
上記実施例1に開示した方法で調製した式Iの化合物100mg(混合結晶形)を酢酸エチル2mLに添加し、室温で72時間撹拌した。遠心分離し、乾燥した後、生じた結晶形は、XRPDによって純粋に結晶形IIIであると判定した。従って、結晶形IIIは、実施例1において室温で調製された混合結晶形よりも熱力学的に安定した結晶形であることが実証された。
結晶形の安定性判定
上記実施例1に開示した方法によって調製した式Iの化合物(混合結晶形)50mgを酢酸エチル1mLに添加し、50℃にて72時間撹拌した。遠心分離し、乾燥させた後、生成した結晶形は、XRPDによって純粋に結晶形IIIであると判定された。従って、結晶形IIIは、実施例1に示すように50℃で調製された混合結晶形よりも熱力学的に安定した結晶形であることが実証された。
上記実施例1に開示した方法によって調製した式Iの化合物(混合結晶形)50mgを酢酸エチル1mLに添加し、50℃にて72時間撹拌した。遠心分離し、乾燥させた後、生成した結晶形は、XRPDによって純粋に結晶形IIIであると判定された。従って、結晶形IIIは、実施例1に示すように50℃で調製された混合結晶形よりも熱力学的に安定した結晶形であることが実証された。
アデニン誘発腎性貧血ラットにおける有効性研究
6週齢のオスのウィスターラットを対照群と複数の治療群とに分けた。標準的な餌を10日間与えた後、対照群には標準的な餌を与え続ける一方、治療群にはアデニンを0.75%添加した標準的な餌を30日間与え、その時点で治療群は貧血を発症した。次いで、全ての群を標準的な餌に戻し、治療群には媒体または化合物の一結晶形の0.5%CMC−Na中懸濁液を、20、40または80mg/kgで1日1回、4週間経口投与した。0日目、5日目、12日目、19日目および27日目に眼窩静脈叢から血液サンプルを採取した。自動血液分析機MEK−6318Kを使用して血液学的パラメーター、例えば、赤血球数(RBC)、ヘモグロビン濃度(HGB)、ヘマトクリット値(HCT)を決定した。HGB測定の結果を表Iに示した。化合物の結晶形IIIの投与がこれらの動物のHGBレベルを改善し、正常値に向けて正すことがはっきりと示された。
6週齢のオスのウィスターラットを対照群と複数の治療群とに分けた。標準的な餌を10日間与えた後、対照群には標準的な餌を与え続ける一方、治療群にはアデニンを0.75%添加した標準的な餌を30日間与え、その時点で治療群は貧血を発症した。次いで、全ての群を標準的な餌に戻し、治療群には媒体または化合物の一結晶形の0.5%CMC−Na中懸濁液を、20、40または80mg/kgで1日1回、4週間経口投与した。0日目、5日目、12日目、19日目および27日目に眼窩静脈叢から血液サンプルを採取した。自動血液分析機MEK−6318Kを使用して血液学的パラメーター、例えば、赤血球数(RBC)、ヘモグロビン濃度(HGB)、ヘマトクリット値(HCT)を決定した。HGB測定の結果を表Iに示した。化合物の結晶形IIIの投与がこれらの動物のHGBレベルを改善し、正常値に向けて正すことがはっきりと示された。
本発明をある種の好ましい形態に関してかなり詳細に説明してきたが、これ以外の形態も可能である。従って、本発明の精神と範囲は、本明細書に記載された好ましい形態の説明に限定すべきではない。本明細書に記載された変形形態に加え、本発明の様々な変形態様が、上記の説明から当業者には明らかとなろう。こうした変形形態も、添付の請求項の範囲に含まれることを意図している。
Claims (95)
- 7.1°、12.4°および20.2°の回折角2θに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項1に記載の多形。
- 面間距離によって表した場合、12.4Å、7.2Åおよび4.4Åに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項2に記載の多形。
- 7.1°、10.4°、12.4°、17.0°および20.2°の回折角2θに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項2に記載の多形。
- 面間距離によって表した場合、12.4Å、8.5Å、7.2Å、5.2Å、4.4Åおよび3.3Åに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項4に記載の多形。
- 7.1°、8.4°、10.4°、12.4°、13.3°、17.0°、20.2°および27.6°の回折角2θに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項2に記載の多形。
- 面間距離によって表した場合、12.4Å、10.6Å、8.5Å、7.2Å、6.7Å、5.2Å、4.4Åおよび3.2Åに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項6に記載の多形。
- 図1のように示されるX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項1に記載の式Iの化合物の多形。
- 190〜193℃の融点を特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の多形。
- 85%以上の純度を特徴とする、請求項2から9のいずれか一項に記載の多形。
- 95%以上の純度を特徴とする、請求項10に記載の多形。
- 99%以上の純度を特徴とする、請求項11に記載の多形。
- 6.5°、11.2°および18.4°の回折角2θに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項1に記載の式Iの化合物の多形。
- 面間距離によって表した場合、13.6Å、7.9Åおよび4.8Åに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項13に記載の多形。
- 6.5°、9.3°、11.2°、15.4°および18.4°の回折角2θに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項13に記載の多形。
- 面間距離によって表した場合、13.6Å、9.5Å、7.9Å、5.8Åおよび4.8Åに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項15に記載の多形。
- 6.5°、9.3°、11.2°、13.0°、14.1°、15.4°、18.4°および24.6°の回折角2θに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項13に記載の多形。
- 面間距離によって表した場合、13.6Å、9.5Å、7.9Å、6.8Å、6.3Å、5.8Å、4.8Åおよび3.6Åに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項17に記載の多形。
- 図2のように示されるX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項1に記載の式Iの化合物の多形。
- 129〜132℃の融点を特徴とする、請求項1または13から19のいずれか一項に記載の多形。
- 85%以上の純度を特徴とする、請求項13から20のいずれか一項に記載の多形。
- 95%以上の純度を特徴とする、請求項21に記載の多形。
- 99%以上の純度を特徴とする、請求項22に記載の多形。
- 12.3°、16.6°および25.4°の回折角2θに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項1に記載の式Iの化合物の多形。
- 面間距離によって表した場合、7.2Å、5.3Åおよび3.5Åに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項24に記載の多形。
- 12.3°、16.6°、21.8°、25.4°および29.2°の回折角2θに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項24に記載の多形。
- 面間距離によって表した場合、7.2Å、5.3Å、4.1Å、3.5Åおよび3.1Åに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項26に記載の多形。
- 12.3°、13.0°、16.6°、18.6°、21.8°、25.4°、26.9°および29.2°の回折角2θに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項24に記載の多形。
- 面間距離によって表した場合、7.2Å、6.8Å、5.3Å、4.8Å、4.1Å、3.5Å、3.3Åおよび3.1Åに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項28に記載の多形。
- 図3のように示されるX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項1に記載の式Iの化合物の多形。
- 196〜199℃の融点を特徴とする、請求項1または24から30のいずれか一項に記載の多形。
- 85%以上の純度を特徴とする、請求項24から31のいずれか一項に記載の多形。
- 95%以上の純度を特徴とする、請求項32に記載の多形。
- 99%以上の純度を特徴とする、請求項33に記載の多形。
- 12.5°、17.0°および22.3°の回折角2θに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項1に記載の式Iの化合物の多形。
- 面間距離によって表した場合、7.1Å、5.2Åおよび4.0Åに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項35に記載の多形。
- 8.4°、12.5°、17.0°、18.1°および22.3°の回折角2θに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項35に記載の多形。
- 面間距離によって表した場合、10.5Å、7.1Å、5.2Å、4.9Åおよび4.0Åに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項37に記載の多形。
- 8.4°、9.0°、11.3°、12.5°、17.0°、18.1°、22.3°および28.2°の回折角2θに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項35に記載の多形。
- 面間距離によって表した場合、10.5Å、9.8Å、7.9Å、7.1Å、5.2Å、4.9Å、4.0Åおよび3.2Åに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項39に記載の多形。
- 図4のように示されるX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項1に記載の式Iの化合物の多形。
- 189〜193℃の融点を特徴とする、請求項1または35から41のいずれか一項に記載の多形。
- 85%以上の純度を特徴とする、請求項35から42のいずれか一項に記載の多形。
- 95%以上の純度を特徴とする、請求項43に記載の多形。
- 99%以上の純度を特徴とする、請求項44に記載の多形。
- 12.3°、21.8°および27.6°の回折角2θに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項1に記載の式Iの化合物の多形。
- 面間距離によって表した場合、7.2Å、4.1Åおよび3.2Åに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項46に記載の多形。
- 12.3°、16.8°、17.9°、21.8°および27.6°の回折角2θに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項46に記載の多形。
- 面間距離によって表した場合、7.2Å、5.3Å、5.0Å、4.1Åおよび3.2Åに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項48に記載の多形。
- 11.1°、12.3°、16.8°、17.9°、21.2°、21.8°、23.0°および27.6°の回折角2θに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項46に記載の多形。
- 面間距離によって表した場合、8.0Å、7.2Å、5.3Å、5.0Å、4.2Å、4.1Å、3.9Åおよび3.2Åに特性ピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項50に記載の多形。
- 図5のように示されるX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項1に記載の式Iの化合物の多形。
- 192〜195℃の融点を特徴とする、請求項1または46から52のいずれか一項に記載の多形。
- 85%以上の純度を特徴とする、請求項46から53のいずれか一項に記載の多形。
- 95%以上の純度を特徴とする、請求項54に記載の多形。
- 99%以上の純度を特徴とする、請求項55に記載の多形。
- 式Iの化合物を調製する方法であって、
(a)化合物2の合成
化合物1を酢酸に溶解させ、撹拌し、75℃〜85℃に加熱した。液体臭素をゆっくりと滴加し、TLCによって反応の完了が確認されるまで7〜9時間反応させた。室温まで冷却した。反応液を飽和重亜硫酸ナトリウム(NaHSO3)溶液4000mLに注いだ。生成した沈殿物をろ過し、水で洗浄し、真空中で60℃未満にて乾燥させ、化合物2を得た;
(b)化合物3の合成
不活性ガス中で化合物2、4−メチルフェニルボロン酸、Pd(PPh3)4、N,N−ジメチルホルムアミドおよびNa2CO3水溶液を混合し、75℃〜85℃にて10〜14時間反応させた。TLCによって反応の完了が確認された後、反応液を室温まで冷却した。水と酢酸エチルとを添加した。酢酸エチルを用いて水相を三回更に抽出した。有機相を合わせ、飽和塩水で二回洗浄し、無水硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させ、真空中で蒸留して酢酸エチルを除去した結果、粗生成物を得た。粗生成物をメタノール中で再結晶化させ、化合物3を得た;
(c)化合物4の合成
化合物3を水に添加した。次いでギ酸アンモニウムとPd/C(5%)とを添加し、約1.5〜2.5時間還流させた。冷却してPd/Cを除去した後、酢酸エチルを用いて反応混合物を二回抽出した。有機相を合わせ、水と飽和塩水とで洗浄し、無水硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸留して溶媒を除去し、化合物4を得た;
(d)化合物5の合成
化合物4、無水酢酸およびリン酸を45℃〜55℃にて完全に反応させ、次いで室温まで冷却した。水を添加し、加水分解が完了するまで45℃〜55℃にて撹拌した。反応混合物を冷却し、ろ過した。生成した固体を乾燥させ、化合物5を得た;
(e)化合物6の合成
化合物5と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)をTHFに溶解させ、0℃未満に冷却した。ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を複数回に分けて添加し、10℃未満にて10〜14時間撹拌し、ろ過してろ液を取り置いた。
マロン酸ジメチルをTHFに溶解させた。まずNaH(70%油分散体)を添加した後に、上記で得たろ液を撹拌しながら添加し、混合物を1〜3時間反応させた。真空蒸留によってTHFを除去した。次いでメタノールと10%HClとを添加し、室温にて一晩撹拌した。沈殿物をろ過してメタノールで洗浄し、化合物6を得た;
(f)化合物7の合成
tert−ブチルグリシナート塩酸塩とナトリウムメトキシドをメタノールに添加し、撹拌した後に蒸留してメタノールを除去した。THFと化合物6を添加し、55℃〜65℃にて一晩反応させた。
反応混合物を真空中で蒸留してTHFを除去した。次いでメタノールを添加し、1.5〜2.5時間撹拌し、ろ過して化合物7を得た;
(g)化合物8、すなわち式Iの化合物の合成
化合物7、CH2Cl2、およびトリフルオロ酢酸(TFA)を混合し、撹拌し、3.5〜4.5時間反応させた。CH2Cl2とTFAを蒸留によって除去し、残渣をメタノール中で再結晶化させ、化合物8を得た
という各ステップを含む方法。 - 式Iの化合物を溶媒に溶解させた後に自然沈降させるステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含み、溶媒が、アセトン、酢酸エチル(EtOAc)、イソプロパノール、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、またはアセトン/メタノール、アセトン/ヘプタン、アセトン/イソプロパノール、アセトン/酢酸イソプロピル、アセトン/MTBE、THF/メタノール、THF/EtOAc、THF/ヘプタン、THF/アセトニトリル、THF/イソプロパノール、THF/MTBEもしくはTHF/CH2Cl2の混合溶媒から選択される、請求項1から12のいずれか一項に記載の多形を調製する方法。
- 式Iの化合物の過剰量を、CH2Cl2中またはH2O/THFもしくはH2O/アセトンの混合溶媒中で室温にて少なくとも48時間、または、ヘプタン、メタノールまたはH2O/THFの混合溶媒中で50℃にて少なくとも48時間スラリー化するステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の多形を調製する方法。
- 式Iの化合物を溶媒に溶解させた後に自然沈降させるステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含み、溶媒がジメチルホルムアミドまたはTHF/ジメチルホルムアミドの混合溶媒から選択される、請求項1または13から23のいずれか一項に記載の多形を調製する方法。
- 式Iの化合物を酢酸イソプロピルに溶解させた後に自然沈降させるステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含む、請求項1または24から23のいずれか一項に記載の多形を調製する方法。
- 式Iの化合物の過剰量を溶媒中で少なくとも48時間スラリー化するステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含み、溶媒がメチルtert−ブチルエーテル、酢酸イソプロピルまたはEtOAcから選択される、請求項1または24から34のいずれか一項に記載の多形を調製する方法。
- スラリー化する温度が20℃〜50℃である、請求項62に記載の方法。
- 式Iの化合物の過剰量をアセトン/H2Oの混合溶媒中で室温にて少なくとも48時間、またはEtOAc/THFの混合溶媒中で50℃にて少なくとも48時間スラリー化するステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含む、請求項1または24から34のいずれか一項に記載の多形を調製する方法。
- EtOAc/THFの体積比が3:1であり、アセトン/H2Oの体積比が1:1である、請求項64に記載の方法。
- 式Iの化合物を不活性ガス下で195℃に加熱し、次いで室温まで冷却するステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含む、請求項1または24から34のいずれか一項に記載の多形を調製する方法。
- 式Iの化合物を溶媒に溶解させるステップ、請求項61から66のいずれか一項と同様に調製した結晶多形を種晶として添加した後に自然沈降させるステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含み、溶媒がメチルtert−ブチルエーテル、酢酸イソプロピル、またはEtOAcを含む、請求項1または24から34のいずれか一項に記載の多形を調製する方法。
- 溶媒が、メチルtert−ブチルエーテル、酢酸イソプロピル、またはEtOAcから選択される、請求項67に記載の方法。
- 式Iの化合物を混合溶媒に溶解させるステップ、請求項61から68のいずれか一項と同様に調製した結晶多形を種晶として添加した後に自然沈降させるステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含み、混合溶媒がEtOAc、THF、アセトンまたは水を含有する、請求項1または24から34のいずれか一項に記載の多形を調製する方法。
- 混合溶媒がEtOAc/THFまたはアセトン/H2Oの混合溶媒を含む、請求項69に記載の方法。
- 混合溶媒が、EtOAc/THFまたはアセトン/H2Oの混合溶媒から選択される、請求項69に記載の方法。
- 式Iの化合物を溶媒中で加熱して溶解させるステップ、冷却時に請求項61から63のいずれか一項と同様に調製した結晶多形を種晶として添加するステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含み、溶媒がイソプロパノール、4−メチル−2−ペンタノン、酢酸プロピル、メチルtert−ブチルエーテル、酢酸イソプロピルまたはEtOAcを含む、請求項1または24から34のいずれか一項に記載の多形を調製する方法。
- 溶媒が、イソプロパノール、4−メチル−2−ペンタノン、酢酸プロピル、メチルtert−ブチルエーテル、酢酸イソプロピルまたはEtOAcから選択される、請求項72に記載の方法。
- 式Iの化合物を混合溶媒中で加熱して溶解させるステップ、冷却時に請求項61から63のいずれか一項と同様に調製した結晶多形を種晶として添加するステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含み、混合溶媒が、イソプロパノール、EtOAc、酢酸イソプロピル、メチルtert−ブチルエーテル、THF、アセトンまたは水を含有する、請求項1または24から34のいずれか一項に記載の多形を調製する方法。
- 混合溶媒が、イソプロパノール/H2O、EtOAc/THF、酢酸イソプロピル/THF、メチルtert−ブチルエーテル/THFまたはアセトン/H2Oの混合溶媒を含む、請求項74に記載の方法。
- 混合溶媒が、イソプロピル/H2O(9:1)、EtOAc/THF、酢酸イソプロピル/THF、メチルtert−ブチルエーテル/THF、またはアセトン/H2Oの混合溶媒から選択される、請求項74に記載の方法。
- 請求項58または59と同様に調製した結晶多形を不活性ガス下で50℃に加熱し、次いで室温まで冷却するステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含む、請求項1または35から45のいずれか一項に記載の多形を調製する方法。
- 式Iの化合物をTHFに溶解させた後に自然沈降させるステップ、および生成した結晶多形を回収するステップを含む、請求項1または35から45のいずれか一項に記載の多形を調製する方法。
- 請求項1または35から45のいずれか一項に記載の多形を調製する方法であって、式Iの化合物の過剰量をアセトン/H2O中で50℃にて少なくとも48時間スラリー化するステップ、および生じる結晶多形を回収するステップを含む方法。
- 請求項77〜79と同様に調製した結晶多形を不活性ガス下で175℃に加熱して、結晶多形を得るステップを含む、請求項1または46から56のいずれか一項に記載の多形を調製する方法。
- 請求項1から56のいずれか一項に記載の結晶多形の有効量、および薬学的に許容される添加物、補助薬または担体を含む、組成物。
- 請求項1から56のいずれか一項に記載の結晶多形の有効量を少なくとも一種の追加の活性成分と組み合わせて含む、組成物。
- 経口投与で使用される、請求項81または82のいずれか一項に記載の組成物。
- 錠剤またはカプセルに入れて使用される、請求項83に記載の組成物。
- 請求項1から56のいずれか一項に記載の結晶多形を1wt%〜99wt%含む、請求項81から84のいずれか一項に記載の組成物。
- 請求項1から56のいずれか一項に記載の結晶多形を1wt%〜70wt%含む、請求項85に記載の組成物。
- 請求項1から56のいずれか一項に記載の結晶多形を10wt%〜30wt%含む、請求項86に記載の組成物。
- HIFレベルまたはHIF活性を調節するための薬剤の製造における、請求項1から56のいずれか一項に記載の結晶多形の使用。
- HIFレベルまたはHIF活性に関係する疾患、障害、または病状の治療のための薬剤の製造における、請求項1から56のいずれか一項に記載の結晶多形の使用。
- 虚血、貧血、または虚血もしくは貧血に伴う疾患、障害もしくは病状の治療のための薬剤の製造における請求項1から56のいずれか一項に記載の結晶多形の使用。
- 虚血、貧血、創傷治癒、自己移植、同種移植、異種移植、全身性高血圧、サラセミア、糖尿病、がんもしくは炎症性障害、またはこれらの二種以上の組み合わせから選択される疾患、障害もしくは病状の治療のための薬剤の製造における請求項1から56のいずれか一項に記載の結晶多形の使用。
- 請求項1から56のいずれか一項に記載の結晶多形を対象に投与することによって、対象のHIFレベルまたは活性を調節する方法。
- 請求項1から56のいずれか一項に記載の結晶多形を対象に投与することによって、対象のHIFレベルまたはHIF活性に関係する疾患、障害、または病状を治療する方法。
- 請求項1から56のいずれか一項に記載の結晶多形を対象に投与することによって、対象の虚血、貧血、または虚血もしくは貧血に伴う疾患、障害または病状を治療する方法。
- 請求項1から56のいずれか一項に記載の結晶多形を対象に投与することによって、対象の虚血、貧血、創傷治癒、自己移植、同種移植、異種移植、全身性高血圧、サラセミア、糖尿病、がんもしくは炎症性障害、またはこれらの二種以上の組み合わせから選択される疾患、障害または病状を治療する方法。
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