JP2014522863A - 金属錯体 - Google Patents

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Abstract

本発明は新規金属錯体、その製造方法、およびその使用方法を提供する。二環性グアニジン部分、例えば限定はされないが1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デク−5−エン(TBD)が金属錯体につながれる場合、二環性グアニジン基の残りの二級アミン基は、ポリマ鎖と共有結合を形成し得るという可能性が提示される。本発明は、とりわけ、カチオン性二環性グアニジニウム基を含むメタロサレネート錯体を提供し、ここで、カチオン性二環性グアニジニウム基は遊離アミンを有さない。
【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2011年7月18に出願された米国仮特許出願第61/509,093号(その全内容は参照により本明細書に組み込まれる)に対し優先権を主張する。
政府支援
本発明はエネルギー省により授与された助成金DE−FE0002474号の下、一部米国政府支援でなされた。米国政府は本発明においてある権利を有している。
様々な異なる金属錯体が、脂肪族ポリカーボネート(APC)を形成するエポキシドおよび二酸化炭素の共重合を実施するのに有用性を示しており、亜鉛またはアルミニウム塩に基づく錯体、複金属シアン化物錯体、および最近では、遷移金属配位錯体に基づくもの(例えば、ポルフィリン錯体、サレン錯体、など)が挙げられる。後者の型は、いくつかの利点、例えば高カーボネート量を有するポリカーボネートの生成、より容易な触媒調製、および重合前の誘導時間の減少を提供する。しかしながら、これらの触媒のいくつかは、重合中にポリマ鎖に結合する傾向を有し、これにより、触媒のポリマ生成物からの分離が複雑になり得る。そのため、改善された反応および/または生成物純度特性を有する新規金属錯体の継続した開発が依然として必要とされている。
本発明は、とりわけ、カチオン性二環性グアニジニウム基を含むメタロサレネート錯体を提供し、ここで、カチオン性二環性グアニジニウム基は遊離アミンを有さない。いくつかの実施形態では、そのようなメタロサレネート錯体は式Iを有する:
Figure 2014522863
式中、R1a、R1a’、R、R4b、k、M、およびXの各々は本明細書で記載される通りである。
式Iの化合物のH−NMRスペクトルを示す図である。 中間化合物6のH−NMRスペクトルを示す図である。 実施例2に記載されるように、シリカゲルカラム上にポンピングされ、溶離された触媒Aからのシリカゲルクロマトグラフィーポリマドープの写真を示す図である。 実施例2に記載されるように、シリカゲルカラム上にポンピングされ、溶離された触媒Aからのシリカゲルクロマトグラフィーポリマドープの写真を示す図である。 シリカゲルクロマトグラフィーから回収された触媒A(ビス−BF 塩)のH−NMRスペクトルを示す図である。 実施例2に記載されるように、シリカゲルカラム上にポンピングされ、溶離された触媒Bからのシリカゲルクロマトグラフィーポリマドープの写真を示す図である。 実施例2に記載されるように、シリカゲルカラム上にポンピングされ、溶離された触媒Bからのシリカゲルクロマトグラフィーポリマドープの写真を示す図である。
定義
特定の官能基および化学用語の定義は下記でより詳細に記載される。この発明のために、化学元素は元素周期表、CASバージョン、Handbook of Chemistry and Physics、75th Ed. 、内表紙にしたがい同定され、特定の官能基は、その中で記載されるように一般に規定される。加えて、有機化学の一般原理、ならびに特定の官能部分および反応性はOrganic Chemistry, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito, 1999; Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2001; Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc., New York, 1989; Carruthers, Some Modern Methods of Organic Synthesis, 3rd Edition, Cambridge University Press, Cambridge, 1987(その各々の全内容は参照により本明細書に組み込まれる)において記載される。
本発明のある化合物は1つ以上の不斉中心を含むことができ、よって、様々な立体異性形態、例えば、鏡像異性体および/またはジアステレオマーで存在することができる。よって、発明の化合物およびその組成物は個々の鏡像異性体、ジアステレオマーまたは幾何異性体の形態で存在することができ、または立体異性体の混合物の形態で存在することができる。あるある実施形態では、本発明の化合物はエナンチオピュア化合物である。あるある実施形態では、鏡像異性体またはジアステレオマーの混合物が提供される。
さらに、本明細書で記載される化合物は、別記されない限り、ZまたはE異性体のいずれかとして存在することができる1つ以上の二重結合を有し得る。本発明は加えて、化合物を他の異性体を実質的に含まない個々の異性体として、または、様々な異性体の混合物、例えば、鏡像異性体のラセミ混合物として含む。上記化合物それ自体に加えて、この発明はまた、1つ以上の化合物を含む組成物を含む。
本明細書では、「異性体」という用語は、任意のおよび全ての幾何異性体および立体異性体を含む。例えば、「異性体」は、本発明の範囲内にある、cis−およびtrans−異性体、E−およびZ−異性体、R−およびS−鏡像異性体、ジアステレオマー、(d)−異性体、(l)−異性体、そのラセミ混合物、およびその他の混合物を含む。例えば、立体異性体は、いくつかの実施形態では、1つ以上の対応する立体異性体を実質的に含まずに提供することができ、「立体化学的にエンリッチ」とも呼ばれ得る。
特定の鏡像異性体が好ましい場合、いくつかの実施形態では、反対の鏡像異性体を実質的に含まずに提供することができ、「光学的にエンリッチ」とも呼ばれ得る。「光学的にエンリッチ」は本明細書では、化合物またはポリマが著しくより大きな割合の1つの鏡像異性体から構成されることを意味する。あるある実施形態では、化合物は少なくとも約90重量%の好ましい鏡像異性体から構成される。他の実施形態では化合物は、少なくとも約95%、98%、または99重量%の好ましい鏡像異性体から構成される。好ましい鏡像異性体は、ラセミ混合物から、当業者に知られている任意の方法、例えばキラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)およびキラル塩の形成および結晶化により単離することができ、または不斉合成により調製され得る。例えば、Jacques, et al., Enantiomers, Racemates and Resolutions (Wiley Interscience, New York, 1981); Wilen, S.H., et al., Tetrahedron 33:2725 (1977); Eliel, E.L. Stereochemistry of Carbon Compounds (McGraw−Hill, NY, 1962); Wilen, S.H. Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268 (E.L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN 1972)を参照されたい。
「エポキシド」という用語は、本明細書では、置換または非置換オキシランを示す。そのような置換オキシランとしては、一置換オキシラン、二置換オキシラン、三置換オキシラン、および四置換オキシランが挙げられる。そのようなエポキシドは本明細書で規定されるようにさらに任意で置換され得る。あるある実施形態では、エポキシドは単一のオキシラン部分を含む。あるある実施形態では、エポキシドは2つ以上のオキシラン部分を含む。
「ポリマ」という用語は、本明細書では、高い相対分子量の分子を示し、その構造は低い相対分子量の分子から実際にまたは概念的に誘導されるユニットの多数の繰り返しを含む。あるある実施形態では、ポリマは、COおよびエポキシドから誘導される実質的に交互のユニットから構成される(例えば、ポリ(エチレンカーボネート)。あるある実施形態では、本発明のポリマはコポリマ、ターポリマ、ヘテロポリマ、ブロックコポリマ、または2つ以上の異なるエポキシドモノマを組み込んだテーパードヘテロポリマである。
「ハロ」および「ハロゲン」という用語は、本明細書では、フッ素(フルオロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素(ブロモ、−Br)、およびヨウ素(ヨード、−I)から選択される原子を示す。
「脂肪族」または「脂肪族基」という用語は、本明細書では、直鎖(すなわち、非分枝)、分枝、または環状(縮合、架橋、およびスピロ縮合多環式を含む)であってもよく、完全に飽和されてもよく、または1つ以上の不飽和ユニットを含んでもよいが、芳香族ではない炭化水素部分を示す。別記されない限り、脂肪族基は1−40の炭素原子を含む。あるある実施形態では、脂肪族基は1−20の炭素原子を含む。あるある実施形態では、脂肪族基は3−20の炭素原子を含む。あるある実施形態では、脂肪族基は1−12の炭素原子を含む。あるある実施形態では、脂肪族基は1−8の炭素原子を含む。あるある実施形態では、脂肪族基は1−6の炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、脂肪族基は1−5の炭素原子を含み、いくつかの実施形態では、脂肪族基は1−4の炭素原子を含み、いくつかの実施形態では脂肪族基は1−3の炭素原子を含み、いくつかの実施形態では、脂肪族基は1または2の炭素原子を含む。好適な脂肪族基としては、直鎖または分枝、アルキル、アルケニル、およびアルキニル基、およびそれらの混成物、例えば(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキルまたは(シクロアルキル)アルケニルが挙げられるが、それらに限定されない。
「ヘテロ脂肪族」という用語は、本明細書では、1つ以上の炭素原子が酸素、硫黄、窒素、またはリンからなる群より選択される1つ以上の原子により独立して置換された脂肪族基を示す。あるある実施形態では、1〜6の炭素原子が1つ以上の酸素、硫黄、窒素、またはリンにより独立して置換される。ヘテロ脂肪族基は置換または非置換、分枝または非分枝、環状または非環状であってもよく、飽和、不飽和または部分不飽和基を含み得る。
「不飽和」という用語は、本明細書では、部分が1つ以上の二重または三重結合を有することを意味する。
「脂環式」、「炭素環」、または「炭素環式」という用語(単独で、またはより大きな部分の一部として使用される)は、本明細書で記載されるように、3〜12員を有する飽和または部分不飽和環状脂肪族単環式または多環式環系を示し、ここで、脂肪族環系は、上記で規定され、本明細書で記載されるように、任意で置換される。脂環式基としては、限定はされないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロオクチル、シクロオクテニル、ノルボルニル、アダマンチル、およびシクロオクタジエニルが挙げられる。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは3−6の炭素を有する。「脂環式」、「炭素環」または「炭素環式」という用語はまたは、1つ以上の芳香族または非芳香族環に縮合された脂肪族環を含み、例えばデカヒドロナフチルまたはテトラヒドロナフチルであり、ここで、ラジカルまたは付着点は脂肪族環上にある。あるある実施形態では、「3〜7員炭素環」という用語は、3〜7員飽和または部分不飽和単環式炭素環を示す。
「アルキル」という用語は、本明細書では、1〜6の炭素原子を含む脂肪族部分から、単一の水素原子の除去により誘導される飽和、直鎖または分枝鎖炭化水素ラジカルを示す。別記されない限り、アルキル基は1−12の炭素原子を含む。あるある実施形態では、アルキル基は1−8の炭素原子を含む。あるある実施形態では、アルキル基は1−6の炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、アルキル基は1−5の炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、アルキル基は1−4の炭素原子を含み、いくつかの実施形態では、アルキル基は1−3の炭素原子を含み、いくつかの実施形態では、アルキル基は1−2の炭素原子を含む。アルキルラジカルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、sec−ペンチル、イソペンチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ウンデシル、ドデシル、などが挙げられるが、それらに限定されない。
「アルケニル」という用語は、本明細書では、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分枝鎖脂肪族部分から、単一の水素原子の除去により誘導される一価基を示す。別記されない限り、アルケニル基は2−12の炭素原子を含む。あるある実施形態では、アルケニル基は2−8の炭素原子を含む。あるある実施形態では、アルケニル基は2−6の炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、アルケニル基は2−5の炭素原子を含み、いくつかの実施形態では、アルケニル基は2−4の炭素原子を含み、いくつかの実施形態では、アルケニル基は2−3の炭素原子を含み、いくつかの実施形態では、アルケニル基は2の炭素原子を含む。アルケニル基としては、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イル、などが挙げられる。
「アルキニル」という用語は、本明細書では、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分枝鎖脂肪族部分から、単一の水素原子の除去により誘導される一価基を示す。別記されない限り、アルキニル基は2−12の炭素原子を含む。あるある実施形態では、アルキニル基は2−8の炭素原子を含む。あるある実施形態では、アルキニル基は2−6の炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、アルキニル基は2−5の炭素原子を含み、いくつかの実施形態では、アルキニル基は2−4の炭素原子を含み、いくつかの実施形態ではアルキニル基は2−3の炭素原子を含み、いくつかの実施形態では、アルキニル基は2の炭素原子を含む。代表的なアルキニル基としては、エチニル、2−プロピニル(プロパルギル)、1−プロピニル、などが挙げられるが、それらに限定されない。
「アルコキシ」という用語は、本明細書では、親分子に酸素原子を介して付着された、前に規定されたアルキル基を示す。アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、ネオペントキシ、およびn−ヘキソキシが挙げられるが、それらに限定されない。
「アシル」という用語は、本明細書では、カルボニル含有官能基、例えば、−C(=O)Rを示し、式中、Rは水素または任意で置換された脂肪族、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール基であり、あるいは(例えば、水素または脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、またはヘテロアリール部分で)置換された酸素または窒素含有官能基(例えば、カルボン酸、エステル、またはアミド官能基を形成する)である。「アシルオキシ」という用語は、本明細書では、親分子に酸素原子を介して付着されたアシル基を示す。
「アリール」という用語(単独で、または、「アラルキル」、「アラルコキシ」、または「アリールオキシアルキル」におけるようにより大きな部分の一部として使用される)は、合計5〜20の環員を有する単環式および多環式環系を示し、ここで、系中の少なくとも1つの環は芳香族であり、系中の各環は3〜12の環員を含む。「アリール」という用語は、「アリール環」という用語と同じ意味で使用され得る。本発明のあるある実施形態では、「アリール」は、芳香族環系を示し、これは、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラシルなどを含むが、それらに限定されず、これらは1つ以上の置換基を有し得る。本明細書では、芳香環が1つ以上の追加の環に縮合されている基もまた「アリール」という用語の範囲内に含められ、例えばベンゾフラニル、インダニル、フタルイミジル、ナフチミジル、フェナントリイジニル(phenantriidinyl)、またはテトラヒドロナフチル、などである。あるある実施形態では、「6〜10員アリール」という用語は、フェニルまたは8〜10員多環式アリール環を示す。
「ヘテロアリール」および「ヘテロアル−」という用語(単独で、またはより大きな部分、例えば、「ヘテロアラルキル」、または「ヘテロアラルコキシ」の一部として使用される)は、5〜14の環原子、好ましくは5、6、または9の環原子を有し;環状アレイにおいて共有される6、10、または14のπ電子を有し;炭素原子に加えて、1〜5のヘテロ原子を有する基を示す。「ヘテロ原子」という用語は、窒素、酸素、または硫黄を示し、窒素または硫黄の任意の酸化形態、および塩基性窒素の任意の四級化形態を含む。ヘテロアリール基としては、限定はされないが、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、ベンゾフラニルおよびプテリジニルが挙げられる。「ヘテロアリール」および「ヘテロアル−」という用語はまた、本明細書では、芳香族複素環が1つ以上のアリール、脂環式、またはヘテロシクリル環に縮合された基を示し、ここでラジカルまたは付着点は芳香族複素環上にある。非制限的な例としては、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H−キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、およびピリド[2,3−b]−1,4−オキサジン−3(4H)−オンが挙げられる。ヘテロアリール基は単環または二環であり得る。「ヘテロアリール」という用語は、「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」、または「複素芳香族」という用語と同じ意味で使用することができ、これらの用語のいずれかは、任意で置換された環を含む。「ヘテロアラルキル」という用語は、ヘテロアリールにより置換されたアルキル基を示し、ここで、アルキルおよびヘテロアリール部分は独立して、任意で置換される。あるある実施形態では、「5〜12員ヘテロアリール」という用語は窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜3のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリール環、または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4のヘテロ原子を有する8〜12員二環式ヘテロアリール環を示す。
本明細書では、「ヘテロ環」、「ヘテロシクリル」、「複素環ラジカル」、および「複素環」という用語は同じ意味で使用され、飽和または部分不飽和され、炭素原子に加えて、1つ以上の、好ましくは1〜4の、上記で規定されるヘテロ原子を有する安定な5〜7員単環式または7−14員多環式複素環部分を示す。ヘテロ環の環原子に関連して使用される場合、「窒素」という用語は、置換された窒素を含む。一例として、酸素、硫黄または窒素から選択される0−3のヘテロ原子を有する飽和または部分不飽和環では、窒素はN(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルにおける場合)、NH(ピロリジニルにおける場合)、またはNR(N−置換ピロリジニルにおける場合)であってもよい。いくつかの実施形態では、「3〜7員複素環」という用語は、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜2のヘテロ原子を有する3〜7員飽和または部分不飽和単環式複素環を示す。
複素環は、安定な構造が得られる任意のヘテロ原子または炭素原子でそのペンダント基に付着させることができ、環原子のいずれも任意で置換させることができる。そのような飽和または部分不飽和複素環ラジカルの例としては、限定はされないが、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニル、およびキヌクリジニルが挙げられる。「ヘテロ環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環基」、「複素環部分」、および「複素環ラジカル」という用語は本明細書では同じ意味で使用され、これらはまたヘテロシクリル環が、1つ以上のアリール、ヘテロアリール、または脂環式環に縮合された基を含み、例えばインドリニル、3H−インドリル、クロマニル、フェナントリジニル、またはテトラヒドロキノリニルであり、ここで、ラジカルまたは付着点はヘテロシクリル環上にある。ヘテロシクリル基は単環または二環であってもよい。「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、ヘテロシクリルにより置換されたアルキル基を示し、ここで、アルキルおよびヘテロシクリル部分は独立して任意で置換される。
本明細書では、「部分不飽和」という用語は、少なくとも1つの二重または三重結合を含む環部分を示す。「部分不飽和」という用語は、複数の不飽和部位を有する環を含むことが意図されるが、しかし、本明細書で規定されるような、アリールまたはヘテロアリール部分を含むことは意図されない。
本明細書では、本発明の化合物は「任意で置換された」部分を含み得る。一般に、「置換された」という用語は、「任意で」という用語が前に付いていてもいなくても、指定された部分の1つ以上の水素が好適な置換基で置換されることを意味する。別記されない限り、「任意で置換された」基は好適な置換基を、基の各置換可能な位置に有してもよく、任意のある構造内の1を超える位置が、特定の基から選択される1を超える置換基で置換され得る場合、置換基は、全ての位置で同じかたまたは異なり得る。この発明により想定される置換基の組み合わせは、好ましくは安定なまたは化学的に実行可能な化合物が形成されるものである。「安定な」という用語は、本明細書では、本明細書で開示される1つ以上の目的のために、それらの生成、検出、および、あるある実施形態では、それらの回収、精製、および使用を可能にする条件に供せられても実質的に変化しない化合物を示す。
「任意で置換された」基の置換可能な炭素原子上の好適な一価置換基は独立してハロゲン;−(CH0−4;−(CH0−4OR;−O−(CH0−4C(O)OR°;−(CH0−4CH(OR;−(CH0−4SR;−(CH0−4Ph(R°で置換されてもよい);−(CH0−4O(CH0−1Ph(R°で置換されてもよい);−CH=CHPh(R°で置換されてもよい);−NO;−CN;−N;−(CH0−4N(R;−(CH0−4N(R)C(O)R;−N(R)C(S)R;−(CH0−4N(R)C(O)NR ;−N(R)C(S)NR ;−(CH0−4N(R)C(O)OR;−N(R)N(R)C(O)R;−N(R)N(R)C(O)NR ;−N(R)N(R)C(O)OR;−(CH0−4C(O)R;−C(S)R;−(CH0−4C(O)OR;−(CH0−4C(O)N(R;−(CH0−4C(O)SR;−(CH0−4C(O)OSiR ;−(CH0−4OC(O)R;−OC(O)(CH0−4SR−、SC(S)SR°;−(CH0−4SC(O)R;−(CH0−4C(O)NR ;−C(S)NR ;−C(S)SR°;−SC(S)SR°、−(CH0−4OC(O)NR ;−C(O)N(OR)R;−C(O)C(O)R;−C(O)CHC(O)R;−C(NOR)R;−(CH0−4SSR;−(CH0−4S(O);−(CH0−4S(O)OR;−(CH0−4OS(O);−S(O)NR ;−(CH0−4S(O)R;−N(R)S(O)NR ;−N(R)S(O);−N(OR)R;−C(NH)NR ;−P(O);−P(O)R ;−OP(O)R ;−OP(O)(OR;SiR ;−(C1−4直鎖または分枝アルキレン)O−N(R;または−(C1−4直鎖または分枝アルキレン)C(O)O−N(Rであり、ここで、各Rは下記で規定されるように置換されてもよく、独立して水素、C1−8脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Ph、または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0−4のヘテロ原子を有する5−6員飽和、部分不飽和もしくはアリール環、あるいは、上記定義にかかわらず、Rの2つの独立した事象が、それらの介在原子(複数可)と一緒になり、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0−4のヘテロ原子を有する3−12員飽和、部分不飽和、もしくはアリール単または多環式環を形成し、これらは下記で規定されるように置換されてもよい。
上(Rの2つの独立した事象をそれらの介在原子と一緒にすることにより形成される環上)の好適な一価置換基は独立してハロゲン、−(CH0−2、−(ハロR)、−(CH0−2OH、−(CH0−2OR、−(CH0−2CH(OR;−O(ハロR)、−CN、−N、−(CH0−2C(O)R、−(CH0−2C(O)OH、−(CH0−2C(O)OR、−(CH0−4C(O)N(R;−(CH0−2SR、−(CH0−2SH、−(CH0−2NH、−(CH0−2NHR、−(CH0−2NR 、−NO、−SiR 、−OSiR 、−C(O)SR −(C1−4直鎖または分枝アルキレン)C(O)OR、または−SSRであり、ここで、各Rは非置換であり、または「ハロ」が前に付いている場合、1つ以上のハロゲンでのみ置換され、C1−4脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Ph、または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0−4のヘテロ原子を有する5−6員飽和、部分不飽和、もしくはアリール環から独立して選択される。Rの飽和炭素原子上の好適な二価置換基としては=Oおよび=Sが挙げられる。
「任意で置換された」基の飽和炭素原子上の好適な二価置換基としては下記が挙げられ:=O、=S、=NNR 、=NNHC(O)R、=NNHC(O)OR、=NNHS(O)、=NR、=NOR、−O(C(R ))2−3O−、または−S(C(R ))2−3S−、ここで、Rの各々の独立した事象は水素、C1−6脂肪族(下記で規定されるように置換されてもよい)、または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0−4のヘテロ原子を有する非置換5−6員飽和、部分不飽和、もしくはアリール環から選択される。「任意で置換された」基の近接する置換可能な炭素に結合される好適な二価置換基としては下記が挙げられ:−O(CR 2−3O−、ここでRの各々独立した事象は水素、C1−6脂肪族(下記で規定されるように置換されてもよい)、または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0−4のヘテロ原子を有する非置換5−6員飽和、部分不飽和、もしくはアリール環から選択される。
の脂肪族基上の好適な置換基としては、ハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NR 、または−NOが挙げられ、ここで、各R非置換であり、または「ハロ」が前に付いている場合、1つ以上のハロゲンでのみ置換され、独立してC1−4脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Ph、または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0−4のヘテロ原子を有する5−6員飽和、部分不飽和、もしくはアリール環である。
「任意で置換された」基の置換可能な窒素上の好適な置換基としては−R、−NR 、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−S(O)、−S(O)NR 、−C(S)NR 、−C(NH)NR 、または−N(R)S(O)が挙げられ;ここで、各Rは独立して水素、C1−6脂肪族(下記で規定されるように置換されてもよい)、非置換−OPh、または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0−4のヘテロ原子を有する非置換5−6員飽和、部分不飽和、もしくはアリール環であり、あるいは、上記定義にかかわらず、Rの2つの独立した事象は、それらの介在原子(複数可)と一緒になり、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0−4のヘテロ原子を有する、非置換3−12員飽和、部分不飽和、もしくはアリール単環または二環を形成する。置換可能な窒素は3つのR置換基で置換されてもよく、荷電アンモニウム部分−N(Rを提供し、ここで、アンモニウム部分は、さらに好適な対イオンと複合体形成される。
の脂肪族基上の好適な置換基は、独立してハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NR 、または−NOであり、ここで、各Rは非置換であり、または「ハロ」が前に付いている場合、1つ以上のハロゲンでのみ置換され、独立してC1−4脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Ph、または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0−4のヘテロ原子を有する5−6員飽和、部分不飽和、もしくはアリール環である。
置換基が本明細書で記載される場合、「ラジカル」または「任意で置換されたラジカル」という用語が時として使用される。このような状況では、「ラジカル」は置換基が結合される構造への付着のために有効な位置を有する部分または官能基を意味する。一般に、付着点は、置換基が、置換基ではなく、独立した中性分子である場合、水素原子を有するであろう。「ラジカル」または「任意で置換されたラジカル」という用語はこのような状況では、よって、「基」または「任意で置換された基」と交換可能である。
本明細書では、物質および/または実体は、他の成分を実質的に含まない場合、「純粋」である。そのような成分の相対評価は、モル比、乾燥重量、体積、様々な分析技術(例えば、測光、分光法、分光光度法、分光測定)などにより決定することができる。いくつかの実施形態では、約75%超の特定の物質および/または実体を含む調製物は、純粋調製物であると考えられる。いくつかの実施形態では、物質および/または実体は少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%純粋である。
本明細書では、「単離された」という用語は、最初に生成された時に、関連していた成分の少なくともいくらかから分離された、物質または実体を示す(自然にか、実験的設定においてかに関係なく)。単離された物質および/または実体は、それらが最初に関連していた少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約99%以上の他の成分から分離され得る。いくつかの実施形態では、単離された薬剤は約80%超、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約99%超純粋である。
本明細書では、「触媒」という用語は、その存在は、化学反応の速度および/または程度を増加させるが、消費されず、またはそれ自体永久的な化学変化を受けない物質を示す。
発明を実施するための形態
本発明は、改善された反応および/または生成物純度特性を有する金属錯体が依然として必要とされているという認識を含む。本発明は、とりわけ、ポリマ生成物と永久的な共有結合を形成しない新しい金属錯体を提供する。よって、本発明は、ある一定の知られている金属錯体に比べ、重合生成物からより容易に分離される金属錯体を提供する。
サレン型リガンドおよびテザード二環性グアニジン基を有するあるある遷移金属錯体は、エポキシドおよび二酸化炭素の共重合のための優れた触媒であることが示されている(WO2010/022388号)。そのような錯体、またはその部分は、重合中にポリマ鎖と共有結合を形成する傾向を有し、ポリマ生成物の精製を複雑にすることが出願人達によって観察されている。いずれの特定の理論にも縛られることは望まないが、出願人は二環性グアニジン部分、例えば限定はされないが1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デク−5−エン(TBD)が金属錯体につながれる場合、二環性グアニジン基の残りの二級アミン基は、ポリマ鎖と共有結合を形成し得るという可能性を提示する。得られた共有結合錯体の1つの可能性は下記である:
Figure 2014522863
出願人はまた、ある重合プロセス(例えば、二級アミン基を有する金属錯体により触媒されるもの)を停止させ、スルホン酸イオン交換樹脂で処理すると、触媒断片はポリマ鎖に結合し得ることを観察した。そのような結合断片は、望ましくない特性をポリマ組成物に付与する可能性があり、例えば限定はされないが色の黄変である。いくつかの実施形態では、そのような結合断片は、金属錯体リガンドの部分である。そのような結合リガンド断片の1つの可能な描写は下記である:
Figure 2014522863
出願人は本明細書で、二級アミン基の置換は金属錯体(またはその断片リガンド)のポリマへの望ましくない共有結合を防止することを記載する。本発明はそのため、いくつかの実施形態では、前に知られていない問題の原因の同定を提供する。
本明細書で記載される教示の前に、当業者はテザードTBD部分を含む金属触媒は、ポリカーボネートの合成に対しある利点を提供したことを理解する。こうした状況を背景に、本開示は、ポリマへの共有結合が防止されるように、TBD部分、または他のカチオン性二環性グアニジニウム基を修飾する有用性および有効性の驚くべき証拠を提示する。
本発明は、とりわけ、エポキシドおよび二酸化炭素を、提供される金属錯体を用いて重合し、ポリカーボネートポリマ組成物を形成するための方法を提供し、ここで、ポリカーボネートポリマ組成物は、共有結合された金属錯体またはそのグアニジン含有部分を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィーを使用して、単離されたポリカーボネートポリマ組成物が得られる。いくつかの実施形態では、単離されたポリカーボネートポリマ組成物は、金属錯体またはそのグアニジン含有部分を実質的に含まない。
本発明は、本明細書で提供されるメタロサレネート錯体のポリマ結合バージョンは有用となり得るという認識を含む。いくつかの実施形態では、本発明は式Iのメタロサレネート錯体を提供し、ここで、メタロサレネート錯体は、グアニジン部分上の窒素原子を介してポリマ鎖に共有結合される。いくつかの実施形態では、そのようなメタロサレネート錯体は、固相触媒である。
本発明は、とりわけ、提供される金属錯体を用いたエポキシドおよび二酸化炭素の重合後、本発明の実質的に単離された、無傷の金属錯体を得るための方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明はカチオン性二環性グアニジニウム基を含むメタロサレネート錯体を提供し、ここで、カチオン性二環性グアニジニウム基は、遊離アミンを有さない。「遊離アミンを有さない」という用語は、本明細書では、任意の互変異性または共鳴形態の、水素を有する窒素原子を有さないグアニジニウム基を示す。いくつかの実施形態では、窒素原子を有さないグアニジニウム基は、それぞれが3つの非水素置換基を有する2つの窒素原子および4の非水素置換基への結合を有する第3の窒素原子を有する。いくつかの実施形態では、そのような非水素置換基は脂肪族置換基である。いくつかの実施形態では、遊離アミンを有さないグアニジニウム基は、遊離アミンを有する中性グアニジニウム基と比較して、カチオン性である。
グアニジニウムカチオンが本明細書で特定の様式で描かれる場合、全ての共鳴または互変異性形態が本開示により企図されかつ含まれることが認識されるであろう。例えば、基:
Figure 2014522863
はまた、
Figure 2014522863

Figure 2014522863
、または
Figure 2014522863
としても表され得る。
いくつかの実施形態では、本発明は、式Iのメタロサレネート錯体を提供し:
Figure 2014522863
式中、
1aおよびR1a’は、独立して水素、または下記からなる群より選択される任意で置換されたラジカルであり:C1−12脂肪族;C1−12ヘテロ脂肪族;フェニル;3〜8員飽和もしくは部分不飽和単環式炭素環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−4のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−3のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和複素環;
各Rは独立して−L−CG基、ハロゲン、−OR、−NR、−SR、−CN、−NO、−SOR、−SOR、−SONR;−CNO、−NRSOR、−NCO、−N、−SiR;または下記からなる群より選択される、任意で置換されたラジカルであり:C1―20脂肪族;C1―20ヘテロ脂肪族;フェニル;3〜8員飽和もしくは部分不飽和単環式炭素環、7〜14員飽和、部分不飽和もしくは芳香族多環式炭素環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−4のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−3のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和複素環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−5のヘテロ原子を有する6〜12員多環式飽和もしくは部分不飽和ヘテロ環;または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−5のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環;ここで、2つ以上のR基は介在原子と一緒になり任意で1つ以上のヘテロ原子を含む1つ以上の任意で置換された環を形成してもよく、ここでRの少なくとも1つの事象は−L−CG基であり;
各Lは独立して共有結合、または任意で置換された、飽和もしくは不飽和、直鎖もしくは分枝、二価C1−12炭化水素鎖であり、ここでLの1つ以上のメチレンユニットは、任意で、−Cy−、−CR−、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO−、−SON(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−OC(O)O−、−C(O)O−、−N(R)C(O)O−、−SiR−、−S−、−SO−、または−SO−により独立して置換され;
各CGは独立して遊離アミンを有さないカチオン性二環性グアニジニウム基であり;
各Cyは独立して、下記から選択される任意で置換された二価環であり:フェニレン、3−7員飽和もしくは部分不飽和カルボシクリレン、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−2のヘテロ原子を有する3−7員飽和もしくは部分不飽和単環式ヘテロシクリレン、または窒素、酸素から独立して選択される1−3のヘテロ原子を有する5−6員ヘテロアリーレン;
4bは下記からなる群より選択され:
Figure 2014522863
各事象におけるRは独立して水素、ハロゲン、−OR、−NR、−SR、−CN、−NO、−SOR、−SOR、−SONR;−CNO、−NRSOR、−NCO、−N、−SiR;または下記からなる群より選択される任意で置換されたラジカルであり:C1−20脂肪族;C1−20ヘテロ脂肪族;フェニル;3〜8員飽和もしくは部分不飽和単環式炭素環、7〜14員飽和、部分不飽和もしくは芳香族多環式炭素環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−4のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−3のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和複素環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−5のヘテロ原子を有する6〜12員多環式飽和もしくは部分不飽和ヘテロ環;または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−5のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環;ここで2つ以上のR基はこれらが付着された炭素原子および任意の介在原子と一緒になり1つ以上の任意で置換された環を形成してもよく;
各事象におけるRは、独立して水素、下記からなる群より選択される任意で置換されたラジカルであり:アシル;C1−20脂肪族;C1−20ヘテロ脂肪族;カルバモイル;アリールアルキル;フェニル;3〜8員飽和もしくは部分不飽和単環式炭素環、7〜14員飽和、部分不飽和もしくは芳香族多環式炭素環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−4のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−3のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和複素環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−5のヘテロ原子を有する6〜12員多環式飽和もしくは部分不飽和ヘテロ環;または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−5のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環;酸素保護基;および窒素保護基、ここで同じ窒素原子上の2つのR基は任意で一緒になり、任意で置換された3〜7員環を形成することができ;
Tは下記からなる群より選択される二価リンカーであり:−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)NR−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO−、−SiR−、−C(=S)−、−C(=NR)−、または−N=N−;ポリエーテル;C〜C置換または非置換炭素環;およびC〜C置換または非置換ヘテロ環;
Mは金属原子であり;
各Xは独立して好適な対イオンであり;
kは0〜2(両端を含む)であり;
mは0〜6(両端を含む)であり;
m’は0〜4(両端を含む)であり;
qは0〜4(両端を含む)であり;ならびに
xは0〜2(両端を含む)である。
あるある実施形態では、本発明は式IIのメタロサレネート錯体を提供し:
Figure 2014522863
式中、k、m、q、L、CG、R、R、M、およびXの各々は上記で規定される通りであり、本明細書でクラスおよびサブクラスにおいて、単独でおよび組み合わせての両方で、記載される。
あるある実施形態では、本発明は式II−aのメタロサレネート錯体を提供し:
Figure 2014522863
式中、k、m、q、L、CG、R、R、M、およびXの各々は上記で規定される通りであり、本明細書でクラスおよびサブクラスにおいて、単独でおよび組み合わせての両方で、記載される。
あるある実施形態では、本発明は式II−aa、II−bb、II−cc、II−dd、II−ee、II−ff、II−gg、またはII−hhのメタロサレネート錯体を提供し:
Figure 2014522863
式中、k、m、q、L、CG、R、R、M、およびXの各々は上記で規定される通りであり、本明細書でクラスおよびサブクラスにおいて、単独でおよび組み合わせての両方で、記載される。
あるある実施形態では、本発明は式IIIのメタロサレネート錯体を提供し:
Figure 2014522863
式中、k、M、およびXの各々は上記で規定される通りであり、本明細書でクラスおよびサブクラスにおいて、単独でおよび組み合わせての両方で、記載され;
は−S(O)R、−S(O)R、−COR、−C(O)R、−C(O)NR、−C(O)SR、またはRであり;
各Rは独立して、下記からなる群より選択される任意で置換された部分であり:C1−20脂肪族;C1−20ヘテロ脂肪族;3〜8員飽和もしくは部分不飽和単環式炭素環;7〜14員飽和、部分不飽和もしくは芳香族多環式炭素環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−4のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−3のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和複素環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−5のヘテロ原子を有する6〜12員多環式飽和もしくは部分不飽和ヘテロ環;または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−5のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環;酸素保護基;および窒素保護基、ここで、同じ窒素原子上の2つのR基は、任意で一緒になり任意で置換された3〜7員環を形成することができ;ならびに
Yは、存在する場合、好適な対イオンであり;
kが2である場合、Yは存在せず、およびXは2つの単座部分または単一の二座部分を含み、あるいはXおよびYは一緒になり好適なジアニオンを構成する。
いくつかの実施形態では、本発明は式III−aのメタロサレネート錯体を提供し:
Figure 2014522863
式中、k、M、X、Y、およびRの各々は上記で規定される通りであり、本明細書でクラスおよびサブクラスにおいて、単独でおよび組み合わせての両方で、記載される。
あるある実施形態では、本発明は式IVのメタロサレネート錯体を提供し:
Figure 2014522863
式中、k、M、X、Y、およびRの各々は上記で規定される通りであり、本明細書でクラスおよびサブクラスにおいて、単独でおよび組み合わせての両方で、記載される。
あるある実施形態では、本発明は式IV−aのメタロサレネート錯体を提供し:
Figure 2014522863
式中、k、M、X、Y、およびRの各々は上記で規定される通りであり、本明細書でクラスおよびサブクラスにおいて、単独でおよび組み合わせての両方で、記載される。
いくつかの実施形態では、金属原子、M、は周期表3−13(両端を含む)族から選択される。あるある実施形態では、Mは周期表5−12(両端を含む)族から選択される遷移金属である。いくつかの実施形態では、Mは周期表4−11(両端を含む)族から選択される遷移金属である。あるある実施形態では、Mは周期表5−10(両端を含む)族から選択される遷移金属である。あるある実施形態では、Mは周期表7−9族(両端を含む)から選択される遷移金属である。いくつかの実施形態では、MはCr、Mn、V、Fe、Co、Mo、W、Ru、Al、およびNiからなる群より選択される。いくつかの実施形態では、Mは、下記からなる群より選択される金属原子である:コバルト;クロム;アルミニウム;チタン;ルテニウム、およびマンガン。いくつかの実施形態では、Mはコバルトである。いくつかの実施形態では、Mはクロムである。いくつかの実施形態では、Mはアルミニウムである。メタロサレネート錯体がコバルト錯体である、あるある実施形態では、コバルト金属は、+3の酸化状態を有する(すなわち、Co(III))。他の実施形態では、コバルト金属は、+2の酸化状態を有する(すなわち、Co(II))。
いくつかの実施形態ではR1aおよびR1a’は水素である。
いくつかの実施形態では、Rの1つの事象は−L−CG基であり、任意の他のR基は任意で置換されたC1−20脂肪族基または任意で置換されたフェニル基である。
いくつかの実施形態では、Rの2つの事象は−L−CG基であり、任意の他のR基は任意で置換されたC1−20脂肪族基または任意で置換されたフェニル基である。あるある実施形態では、2つの−L−CG基は同じサリチルアルデヒドアリール環に付加される。あるある実施形態では、2つの−L−CG基は異なるサリチルアルデヒドアリール環に付加される。あるある実施形態では、2つの−L−CG基は異なるサリチルアルデヒドアリール環に付加され、そのため、得られた錯体はC2−対称である。いくつかの実施形態では、金属錯体が複数の−L−CG基を有する場合、各−L−CG基は同じである。いくつかの実施形態では、金属錯体が複数の−L−CG基を有する場合、少なくとも1つの−L−CG基は、他の−L−CG基とは異なる。
あるある実施形態では、−L−は任意で置換された、飽和もしくは不飽和、直鎖もしくは分枝、二価C1−12炭化水素鎖であり、ここで、Lの1、2、または3つのメチレンユニットは、任意で−Cy−、−CR−、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO−、−SON(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−OC(O)O−、−C(O)O−、−N(R)C(O)O−、−SiR−、−S−、−SO−、または−SO−により独立して置換される。あるある実施形態では、−L−は任意で置換された、飽和もしくは不飽和、直鎖もしくは分枝、二価C1−6炭化水素鎖であり、ここで、Lの1、2、または3つのメチレンユニットは任意で、−Cy−、−CR−、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO−、−SON(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−OC(O)O−、−C(O)O−、−N(R)C(O)O−、−SiR−、−S−、−SO−、または−SO−により独立して置換される。いくつかの実施形態では、−L−は任意で置換された、飽和もしくは不飽和、直鎖もしくは分枝、二価C1−6炭化水素鎖であり、ここで、Lの1または2つのメチレンユニットは任意で、−NR−、−O−、または−C(O)−により独立して置換される。
いくつかの実施形態では、−L−は直鎖もしくは分枝、飽和もしくは不飽和、二価C1−12炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、−L−は直鎖もしくは分枝、飽和もしくは不飽和、二価C1−6炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、−L−は−(CH−である。いくつかの実施形態では、−L−は−(CH−である。いくつかの実施形態では、−L−は−(CH−である。いくつかの実施形態では、−L−は−(CH−である。いくつかの実施形態では、−L−は−(CH−である。いくつかの実施形態では、−L−は−(CH)−である。
いくつかの実施形態では、−L−は下記からなる群より選択され:
Figure 2014522863
ここで、*はサレンリガンドへの付着部位を表し、各#は付着グアニジニウム基の部位を表し、ならびにRは−H、または下記からなる群より選択される任意で置換されたラジカルであり:C脂肪族、3〜7員複素環、フェニル、および8〜10員アリール。あるある実施形態では、Rは−H以外である。
いくつかの実施形態では、−L−は下記からなる群より選択され:
Figure 2014522863
式中、s、t、*、および#はそれぞれ、上記で規定される通りである。
あるある実施形態では、−CGは下記からなる群より選択され:
Figure 2014522863
式中、Rは上記で規定される通りであり、本明細書でクラスおよびサブクラスにおいて記載される。いくつかの実施形態では、Rはメチルであり、−CGは下記からなる群より選択される:
Figure 2014522863
あるある実施形態では、提供されるメタロサレネート錯体のリガンド部分は、下記からなる群より選択される部分構造を含み:
Figure 2014522863
式中、−L−CGは上記で規定される通りであり、本明細書でクラスおよびサブクラスにおいて記載される。
いくつかの実施形態では、RはRであり、ここで、Rは下記からなる群より選択される任意で置換された部分であり:C1−20脂肪族;C1−20ヘテロ脂肪族;3〜8員飽和もしくは部分不飽和単環式炭素環;7〜14員飽和、部分不飽和もしくは芳香族多環式炭素環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−4のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−3のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和複素環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−5のヘテロ原子を有する6〜12員多環式飽和もしくは部分不飽和ヘテロ環;または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−5のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環;酸素保護基;および窒素保護基、ここで、同じ窒素原子上の2つのR基は任意で一緒になり、任意で置換された3〜7員環を形成することができる。
いくつかの実施形態では、Rは下記からなる群より選択される任意で置換された部分である:C1−20脂肪族、C1−20ヘテロ脂肪族、3〜7員複素環、3〜7員炭素環、6〜10員アリール、および5〜12員ヘテロアリール。いくつかの実施形態では、Rは任意で置換されたC1−20脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは任意で置換されたC1−12脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは任意で置換されたC1−8脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは任意で置換されたC1−6脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは任意で置換されたC1−6アルキルである。いくつかの実施形態では、Rはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、およびネオヘキシルからなる群より選択される。いくつかの実施形態では、Rはメチルである。
あるある実施形態では、Rは1つ以上のフルオロ基で置換されたC1−20脂肪族である。いくつかの実施形態では、RはペルフルオロC1−20脂肪族基である。いくつかの実施形態では、RはペルフルオロC1−20アルキル基である。いくつかの実施形態では、Rは−C(2n+1)であり、ここでnは1〜40である。
いくつかの実施形態では、Rは−S(O)R、−S(O)R、−COR、−C(O)R、−C(O)NR、または−C(O)SRである。
いくつかの実施形態では、kは0である。いくつかの実施形態では、kは1である。いくつかの実施形態では、kは2である。
いくつかの実施形態では、XおよびYは独立して好適な対イオンである。そのような金属錯体のための好適な対イオンは当技術分野で知られており、電荷を均衡させるのに好適なアニオンまたはカチオンを示す。いくつかの実施形態では、好適な対イオンはアニオンである。いくつかの実施形態では、好適なアニオンは下記からなる群より選択される:ハロゲン化物、無機錯イオン(例えば、ペルクロラート)、ホウ酸、スルホン酸、硫酸、リン酸、フェノラート、炭酸、およびカルボン酸。いくつかの実施形態では、XおよびYは独立してハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸、硫酸、リン酸、−OR、−O(C=O)R、−O(C=O)OR、−O(C=O)N(R、−NC、−CN、−NO、−N、−O(SO)Rおよび−OP(Rであり、ここで、各Rは、独立して、水素、任意で置換された脂肪族、任意で置換されたヘテロ脂肪族、任意で置換されたアリールおよび任意で置換されたヘテロアリールから選択される。
場合によっては、メタロサレネート錯体は最初、XおよびY対イオンの両方を含むが、Y対イオンは後に二座X対イオンまたは第2の単座Xリガンドにより置換され、よって、メタロサレネート錯体上で適正な荷電平衡が維持されることが認識されるであろう。
いくつかの実施形態では、kは2であり、Xは2つの単座部分を含む。いくつかの実施形態では、kは2であり、Xは単一の二座部分を含む。いくつかの実施形態では、kは2であり、Yは存在せず、Xは単一の二座部分を含む。いくつかの実施形態では、Yは存在しない。いくつかの実施形態では、Xは炭酸である。
いくつかの実施形態では、XおよびYは一緒になり、ジアニオンを構成する。いくつかの実施形態では、XおよびYは一緒に二酸を形成する。いくつかの実施形態では、XおよびYは一緒にジカルボン酸を形成する。
いくつかの実施形態では、Yは、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸、硫酸、リン酸、硝酸、アルキルスルホン酸、およびアリールスルホン酸からなる群より選択される。
いくつかの実施形態では、XおよびYは独立してリン酸水素、硫酸、ハロゲン化物または炭酸である。いくつかの実施形態では、Xは炭酸である。いくつかの実施形態では、Yはクロロ、ブロモ、またはヨードである。いくつかの実施形態では、Yはクロロである。
いくつかの実施形態では、Mはコバルトであり、−L−は二価C1−6炭化水素鎖であり、−CGは下記からなる群より選択され:
Figure 2014522863
はメチルであり、Xは炭酸であり、kは2である。
式III−aの化合物のいくつかの実施形態では:
Mは金属原子であり;
は−S(O)R、−S(O)R、−COR、−C(O)R、−C(O)NR、−C(O)SR、ポリマ、または下記からなる群より選択される任意で置換された部分であり:C1−20脂肪族、C1−20ヘテロ脂肪族、3〜7員複素環、3〜7員炭素環、6〜10員アリール、および5〜12員ヘテロアリール;
各Rは独立して下記からなる群より選択される任意で置換された部分であり:C20脂肪族、C1−20ヘテロ脂肪族、3〜7員複素環、3〜7員炭素環、6〜10員アリール、および5〜12員ヘテロアリール
kは0−2であり;ならびに
XおよびYは独立して好適な対イオンであり、ここで、kが2である場合、Xは2つの単座部分または単一の二座部分を含み;あるいはXおよびYは一緒になり、好適なジアニオンを構成する。
あるある実施形態では、提供されるメタロサレネート錯体は下記構造を有する:
Figure 2014522863
上記のように、グアニジニウム基の遊離二級アミン基はポリマ鎖と共有結合を形成することが可能である。よって、そのような二級アミン基が遊離アミンとして残される場合、そのようなポリマ結合メタロサレネート錯体が形成し得る。そのため、本発明はポリマ結合されたそのようなメタロサレネート錯体を提供する。あるある実施形態では、本発明は、カチオン性二環性グアニジニウム基を含むメタロサレネート錯体を提供し、この場合、カチオン性二環性グアニジニウム基は遊離アミンを有さず、グアニジニウム基はポリマに共有結合される。いくつかの実施形態では、−CG基のR基はポリマであり、またはこれを含む。いくつかの実施形態では、好適なリンカーを使用してRをポリマ骨格に連結させてもよい。好適なポリマとしては、ポリエーテル、ポリオレフィン、およびポリスチレンが挙げられる。いくつかの実施形態では、ポリマは好適な溶媒中で可溶性である(溶液相)。いくつかの実施形態では、ポリマは固相である。あるある実施形態では、カチオン性二環性グアニジニウム基は下記からなる群より選択され:
Figure 2014522863
式中、Rはポリマである。あるある実施形態では、Rはポリカーボネートである。
提供される金属錯体は、エポキシドおよび二酸化炭素の重合を可能にし、一方、金属錯体のポリマへの共有結合を回避または低下させる。いくつかの実施形態では、本発明は、エポキシドおよび二酸化炭素を提供されるメタロサレネート錯体と接触させ、ポリカーボネートポリマ組成物を形成させる工程を含む方法を提供し、ここで、ポリカーボネートポリマ組成物は共有結合されたメタロサレネート錯体またはそのグアニジン含有部分を実質的に含まない。
あるある実施形態では、本発明は下記工程を含む方法を提供する:
i.エポキシドおよび二酸化炭素をメタロサレネート錯体と接触させポリカーボネートポリマ組成物を形成させる工程;および
ii.クロマトグラフィーを実施し、単離されたポリカーボネートポリマ組成物を得る工程。
いくつかの実施形態では、単離されたポリカーボネートポリマ組成物は純粋である。いくつかの実施形態では、単離されたポリカーボネートポリマ組成物は80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%純粋である。いくつかの実施形態では、単離されたポリカーボネートポリマ組成物は、メタロサレネート錯体またはそのグアニジン含有部分を実質的に含まない。
いくつかの実施形態では、本発明は下記工程を含む方法を提供する:
i.エポキシドおよび二酸化炭素をメタロサレネート錯体と接触させポリカーボネートポリマ組成物を形成させる工程;および
ii.クロマトグラフィーを実施し、実質的に単離された、無傷のメタロサレネート錯体を得る工程。
例示
実施例1
この実施例は触媒A(式IIIの化合物、式中、R=メチル)の合成を記載する。
Figure 2014522863
10wt%のアルデヒド6のエタノール溶液(6はWO2012/040454の実施例9に従い生成される)を、等モル量の公知のアンモニウム塩7(Chemical Communications (2010), 46(17), 2935−2937において記載される)と、NaOHの存在下で接触させ、リガンド8を提供する。リガンドを、酢酸コバルト(II)で処理し、コバルト(II)錯体を得、2当量の酢酸を遊離させる。この錯体を空気の存在下で酸化させ、所望の触媒を提供する。その炭酸塩へ変換させた後のこの触媒のH−NMRスペクトルを図1に示す。いずれの特定の理論にも縛られることは望まないが、触媒AのH−NMRスペクトルにおいて示される2つのメチル基は、化合物の異性体を表すと考えられる(図1、矢印を参照されたい)。そのような異性体はまた、化合物6のH−NMRにおいても見られ得る(図2、矢印を参照されたい)。
実施例2
この実施例は、触媒(B)および実施例1で記載される触媒(A)を用いて生成された粗ポリマ組成物の重合後加工性を比較する。
Figure 2014522863
i)重合手順
2つの300mLステンレス鋼圧力反応器を真空で、ホットプレート(120℃)を用いて乾燥させ、室温まで冷却させる。各反応器に、触媒を入れ、1つには触媒A、もう一方にはBを入れる(各々30mg、3.7x10−5mol)。反応器を15分排気し、その後、窒素で再充填し、この手順をもう2回繰り返す。窒素の正の流れ下にある間、酸化プロピレン(50mL、0.71mol)およびジプロピレングリコール(2.2g、0.015mol)を各反応容器に入れる。容器を、二酸化炭素を用いて300psiまで加圧し、50℃まで加熱する。
この温度で8時間撹拌した後、反応容器を周囲温度まで冷却し、通気させ、内容物を、アセトニトリル(100mL)の添加により希釈し、およそ30wt%のPPC(2900〜3100g/molのMn)を含む暗褐色ポリマ溶液を提供する。
ii)触媒除去:
各ポリマ溶液を、3ml/分の速度で、アセトニトリルで飽和された12gのシリカゲルで充填された別々の15mmx150mmカラム上にポンピングする。各ポリマ溶液の全体が各カラム上にポンピングされた時点で、50mLの追加のアセトニトリル、続いて100mLの0.1MNaBFを含むアセトニトリルを、1mL/分の速度でポンピングして通す。最初の充填および追加のアセトニトリルリンス由来の流出液をフラスコに回収し、一方、NaBF処理由来の溶離液を20mLずつ分割して回収する。
iii)結果:
触媒A由来のポリマドープを、シリカゲルカラム上にポンピングさせた場合、触媒の褐色バンドがカラム上部に保持され(図3を参照されたい)、カラムを出て行くポリマ溶液は透明で、ほぼ無色である。NaBF溶液をこのカラムを通してポンピングさせると、褐色バンドがシリカゲルから溶離し、20mL画分の暗褐色溶液が単離される(図4を参照されたい)。この画分のLCMSおよびNMRによる分析は、触媒Aのビス−BF 塩を含むことを示す。図5を参照されたい。およそ30mgの触媒が回収される。
触媒B由来のポリマドープを、シリカゲルカラム上にポンピングさせた場合、カラム全体が暗褐色に着色し、カラムを出て行くポリマ溶液もまた着色される(図6を参照されたい)。NaBF溶液によるその後の溶離は、触媒に富む同定可能な画分を溶離しない(図7を参照されたい)。NMRおよびLCMS分析は、この手順から回収された触媒残渣は、ポリ(プロピレンカーボネート)鎖に共有結合された触媒Bを含むことを明らかにする。
実施例3
この実施例は、サルシ(salcy)リガンドのアリール環上で別の置換パターンを有する、本発明の追加の触媒の合成を記載する。化合物3aから3nは、アリール環上で別の置換パターンを有するアンモニウム塩を、実施例1で使用される2,4−ジ−t−ブチル類似体7の代わりに使用することを除き、実施例1の条件に従い合成する。必要とされるアンモニウム塩は、ラセミtrans1,2シクロヘキサンジアミン一塩酸塩を2−および/または4−位に所望の置換基を有するサリクアルデヒド(salicaldehyde)類似体と縮合することにより得られる。各実施例では、触媒はその炭酸塩として単離される(すなわちXおよびYは一緒になり、CO 2−となる)。
Figure 2014522863
実施例4
この実施例は、サレンリガンドのイミン窒素原子間で別の架橋基を有する本発明の触媒の合成を記載する。触媒4aは、必要とされるリガンドを、2,4−ジ−tertブチルサリチルアルデヒドおよびアルデヒド6をイソブチレンジアミンに、3−オングストロームモレキュラーシーブの存在下で連続して添加することにより生成させることを除き、実施例1の方法に従い生成させる。
触媒4bおよび4cは、実施例1の方法に従い、アルデヒド6を、実施例1で使用される1,2シクロヘキサンジアミン誘導塩7に類似する適当な塩酸塩と縮合させることにより生成させる。必要とされる塩酸塩は、別の工程で、1当量のHCl、および1当量の2,4−ジ−tertブチルサリチルアルデヒドをエチレンジアミン(4b)または1,3ジアミノプロパン(4c)に連続して添加することにより生成させる。
Figure 2014522863
実施例5
触媒Aの別の合成を下記スキームで示す。
Figure 2014522863
他の実施形態
前記は、本発明のある一定の非制限的実施形態を記載したものである。したがって、本明細書で記載される本発明の実施形態は、本発明の原理の適用の例示にすぎないことが理解されるべきである。例示された実施形態の詳細への本明細書での言及は、特許請求の範囲を制限することを意図せず、特許請求の範囲自体は、本発明の本質と見なされるそれらの特徴を列挙する。

Claims (35)

  1. カチオン性二環性グアニジニウム基を含むメタロサレネート錯体であって、前記カチオン性二環性グアニジニウム基は遊離アミンを有さない、メタロサレネート錯体。
  2. 式Iを有する、請求項1に記載のメタロサレネート錯体:
    Figure 2014522863
    式中、
    1aおよびR1a’は、独立して水素、または下記からなる群より選択される任意で置換されたラジカルであり:C1−12脂肪族;C1−12ヘテロ脂肪族;フェニル;3〜8員飽和もしくは部分不飽和単環式炭素環、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−4のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−3のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和複素環;
    各Rは独立して−L−CG基、ハロゲン、−OR、−NR、−SR、−CN、−NO、−SOR、−SOR、−SONR;−CNO、−NRSOR、−NCO、−N、−SiR;または下記からなる群より選択される、任意で置換されたラジカルであり:C1―20脂肪族;C1―20ヘテロ脂肪族;フェニル;3〜8員飽和もしくは部分不飽和単環式炭素環、7〜14員飽和、部分不飽和もしくは芳香族多環式炭素環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−4のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−3のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和複素環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−5のヘテロ原子を有する6〜12員多環式飽和もしくは部分不飽和ヘテロ環;または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−5のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環;ここで、2つ以上のR基は介在原子と一緒になり任意で1つ以上のヘテロ原子を含む1つ以上の任意で置換された環を形成してもよく、ここでRの少なくとも1つの事象は−L−CG基であり;
    各Lは独立して共有結合、または任意で置換された、飽和もしくは不飽和、直鎖もしくは分枝、二価C1−12炭化水素鎖であり、ここでLの1つ以上のメチレンユニットは、任意で、−Cy−、−CR−、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO−、−SON(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−OC(O)O−、−C(O)O−、−N(R)C(O)O−、−SiR−、−S−、−SO−、または−SO−により独立して置換され;
    各CGは独立して遊離アミンを有さないカチオン性二環性グアニジニウム基であり;
    各Cyは独立して、下記から選択される任意で置換された二価環であり:フェニレン、3−7員飽和もしくは部分不飽和カルボシクリレン、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−2のヘテロ原子を有する3−7員飽和もしくは部分不飽和単環式ヘテロシクリレン、または窒素、酸素から独立して選択される1−3のヘテロ原子を有する5−6員ヘテロアリーレン;
    4bは下記からなる群より選択され:
    Figure 2014522863
    各事象におけるRは独立して水素、ハロゲン、−OR、−NR、−SR、−CN、−NO、−SOR、−SOR、−SONR;−CNO、−NRSOR、−NCO、−N、−SiR;または下記からなる群より選択される任意で置換されたラジカルであり:C1−20脂肪族;C1−20ヘテロ脂肪族;フェニル;3〜8員飽和もしくは部分不飽和単環式炭素環、7〜14員飽和、部分不飽和もしくは芳香族多環式炭素環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−4のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−3のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和複素環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−5のヘテロ原子を有する6〜12員多環式飽和もしくは部分不飽和ヘテロ環;または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−5のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環;ここで2つ以上のR基はこれらが付着された炭素原子および任意の介在原子と一緒になり1つ以上の任意で置換された環を形成してもよく;
    各事象におけるRは、独立して水素、下記からなる群より選択される任意で置換されたラジカルであり:アシル;C1−20脂肪族;C1−20ヘテロ脂肪族;カルバモイル;アリールアルキル;フェニル;3〜8員飽和もしくは部分不飽和単環式炭素環、7〜14員飽和、部分不飽和もしくは芳香族多環式炭素環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−4のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−3のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和複素環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−5のヘテロ原子を有する6〜12員多環式飽和もしくは部分不飽和ヘテロ環;または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−5のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環;酸素保護基;および窒素保護基、ここで同じ窒素原子上の2つのR基は任意で一緒になり、任意で置換された3〜7員環を形成することができ;
    Tは下記からなる群より選択される二価リンカーであり:−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)NR−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO−、−SiR−、−C(=S)−、−C(=NR)−、または−N=N−;ポリエーテル;C〜C置換または非置換炭素環;およびC〜C置換または非置換ヘテロ環;
    Mは金属原子であり;
    各Xは独立して好適な対イオンであり;
    kは0〜2(両端を含む)であり;
    mは0〜6(両端を含む)であり;
    m’は0〜4(両端を含む)であり;
    qは0〜4(両端を含む)であり;ならびに
    xは0〜2(両端を含む)である。
  3. 式IIまたはII−aを有する、請求項2に記載のメタロサレネート錯体:
    Figure 2014522863
  4. 式II−aa、II−bb、II−cc、II−dd、II−ee、II−ff、II−gg、またはII−hhを有する、請求項3に記載のメタロサレネート錯体:
    Figure 2014522863
  5. 1aおよびR1a’は水素である、請求項1に記載のメタロサレネート錯体。
  6. MはCr、Mn、V、Fe、Co、Mo、W、Ru、Al、およびNiからなる群より選択される、請求項2−4のいずれか一項に記載のメタロサレネート錯体。
  7. の1つの事象は−L−CG基であり、任意の他のR基は任意で置換されたC1−20脂肪族基または任意で置換されたフェニル基である、請求項6に記載のメタロサレネート錯体。
  8. −L−は任意で置換された、飽和もしくは不飽和、直鎖もしくは分枝、二価C1−6炭化水素鎖であり、ここで、Lの1、2、または3つのメチレンユニットは、任意で−Cy−、−CR−、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO−、−SON(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−OC(O)O−、−C(O)O−、−N(R)C(O)O−、−SiR−、−S−、−SO−、または−SO−により独立して置換される、請求項2−4のいずれか一項に記載のメタロサレネート錯体。
  9. −L−は任意で置換された、飽和もしくは不飽和、直鎖もしくは分枝、二価C1−6炭化水素鎖であり、ここで、Lの1または2つのメチレンユニットは任意で、−NR−、−O−、または−C(O)−により独立して置換される、請求項8に記載のメタロサレネート錯体。
  10. −L−は−(CH1−6−である、請求項9に記載のメタロサレネート錯体。
  11. −L−は下記からなる群より選択される、請求項2−4のいずれか一項に記載のメタロサレネート錯体:
    Figure 2014522863
    ここで、はサレンリガンドへの付着部位を表し、各#は付着グアニジニウム基の付着部位を表し、ならびにRは−H、または下記からなる群より選択される任意で置換されたラジカルであり:C脂肪族、3〜7員複素環、フェニル、および8〜10員アリール。
  12. CGは下記からなる群より選択される、請求項8に記載のメタロサレネート錯体:
    Figure 2014522863
    式中:
    は−S(O)R、−S(O)R、−COR、−C(O)R、−C(O)NR、−C(O)SRまたはRであり; ならびに
    各Rは独立して、下記からなる群より選択される任意で置換された部分であり:C20脂肪族;C1−20ヘテロ脂肪族;3〜8員飽和もしくは部分不飽和単環式炭素環;7〜14員飽和、部分不飽和もしくは芳香族多環式炭素環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−4のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−3のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和複素環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−5のヘテロ原子を有する6〜12員多環式飽和もしくは部分不飽和ヘテロ環;または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−5のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環;酸素保護基;および窒素保護基、ここで、同じ窒素原子上の2つのR基は任意で一緒になり、任意で置換された3〜7員環を形成することができる。
  13. CGは下記からなる群より選択される、請求項12に記載のメタロサレネート錯体:
    Figure 2014522863
  14. 前記金属錯体のリガンド部分は、下記からなる群より選択される部分構造を含む、請求項2−4のいずれか一項に記載のメタロサレネート錯体:
    Figure 2014522863
  15. 式IIIを有する、請求項2に記載のメタロサレネート錯体:
    Figure 2014522863
    式中:
    は−S(O)R、−S(O)R、−COR、−C(O)R、−C(O)NR、−C(O)SR、またはRであり;
    各Rは独立して、下記からなる群より選択される任意で置換された部分であり:C20脂肪族;C1−20ヘテロ脂肪族;3〜8員飽和もしくは部分不飽和単環式炭素環;7〜14員飽和、部分不飽和もしくは芳香族多環式炭素環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−4のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−3のヘテロ原子を有する3〜8員飽和もしくは部分不飽和複素環;窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−5のヘテロ原子を有する6〜12員多環式飽和もしくは部分不飽和ヘテロ環;または窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1−5のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環;酸素保護基;および窒素保護基、ここで、同じ窒素原子上の2つのR基は、任意で一緒になり、任意で置換された3〜7員環を形成することができ;ならびに
    各Xは独立して好適な対イオンであり;ならびに
    Yは、存在する場合、好適な対イオンであり;
    kが2である場合、Yは存在せず、およびXは2つの単座部分または単一の二座部分を含み、あるいはXおよびYは一緒になり好適なジアニオンを構成する。
  16. 式III−aを有する、請求項15に記載のメタロサレネート錯体:
    Figure 2014522863
  17. はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、およびネオヘキシルからなる群より選択される、請求項15に記載のメタロサレネート錯体。
  18. はメチルである、請求項17に記載のメタロサレネート錯体。
  19. Yはハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸、硫酸、リン酸、硝酸、アルキルスルホン酸、およびアリールスルホン酸からなる群より選択される、請求項15に記載のメタロサレネート錯体。
  20. Yはクロロ、ブロモ、またはヨードである、請求項19に記載のメタロサレネート錯体。
  21. Yはクロロである、請求項20に記載のメタロサレネート錯体。
  22. Xは−OR、−O(C=O)R、−O(C=O)OR、−O(C=O)N(R、−NC、−CN、−NO、ハロゲン、−N、−O(SO)Rおよび−OP(Rからなる群より選択され、ここで、各Rは、独立して、水素、任意で置換された脂肪族、任意で置換されたヘテロ脂肪族、任意で置換されたアリールおよび任意で置換されたヘテロアリールから選択される、請求項2−4または15のいずれか一項に記載のメタロサレネート錯体。
  23. kは1である、請求項2−4または15のいずれか一項に記載のメタロサレネート錯体。
  24. kは2である、請求項2−4または15のいずれか一項に記載のメタロサレネート錯体。
  25. Xは炭酸である、請求項24に記載のメタロサレネート錯体。
  26. はメチルであり、Xは炭酸であり、kは2である、請求項15に記載のメタロサレネート錯体。
  27. Mはコバルトである、請求項2−4または15のいずれか一項に記載のメタロサレネート錯体。
  28. 下記構造を有する、請求項15に記載のメタロサレネート錯体:
    Figure 2014522863
  29. カチオン性二環性グアニジニウム基を含むメタロサレネート錯体であって、前記カチオン性二環性グアニジニウム基は遊離アミンを有さず、前記グアニジニウム基はポリマに共有結合される、メタロサレネート錯体。
  30. カチオン性二環性グアニジニウム基は下記からなる群より選択される、請求項29に記載のメタロサレネート錯体:
    Figure 2014522863
    式中、Rはポリマである。
  31. エポキシドおよび二酸化炭素を請求項1−30のいずれか一項に記載のメタロサレネート錯体と接触させ、ポリカーボネートポリマ組成物を形成させる工程を含み、前記ポリカーボネートポリマ組成物は共有結合された金属錯体またはそのグアニジン含有部分を実質的に含まない、方法。
  32. 下記工程を含む方法:
    i.エポキシドおよび二酸化炭素を請求項1−30のいずれか一項に記載の金属錯体と接触させ、ポリカーボネートポリマ組成物を形成させる工程;および
    ii.クロマトグラフィーを実施し、単離されたポリカーボネートポリマ組成物をうる工程。
  33. 前記単離されたポリカーボネートポリマ組成物は純粋である、請求項32に記載の方法。
  34. 前記単離されたポリカーボネートポリマ組成物は、前記金属錯体またはそのグアニジン含有部分を実質的に含まない、請求項32に記載の方法。
  35. 下記工程を含む方法:
    i.エポキシドおよび二酸化炭素を請求項1−30のいずれか一項に記載の金属錯体と接触させ、ポリカーボネートポリマ組成物を形成させる工程;および
    ii.クロマトグラフィーを実施し、実質的に単離された、無傷の金属錯体を得る工程。
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