JP2014522097A - 増加したピーク電力を有する光パルス源 - Google Patents

増加したピーク電力を有する光パルス源 Download PDF

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Abstract

少なくとも1つの実施形態では時間分離されたパルス対が発生され、その後に増幅されて利用可能なピークおよび/または平均電力が増加される。パルスは、入力パルス幅を超える時間的分離、および互いに異なる偏光状態によって特徴付けられる。時間および偏光の識別は、増幅後のパルスの容易な抽出を可能にする。一部の実施形態では偏波保持(PM)ファイバおよび/または増幅器が利用され、それによりコンパクトな構成がもたらされる。少なくとも1つの実装形態は、時間遅延され偏光分割されたパルスを用い、増幅器出力にて時間分離されたパルスを再結合することができる、固体増幅器または大型コアファイバ増幅器のシーディングをもたらす。様々な実装形態では、バルク光学系およびファイバの適切な組み合わせを利用することができる。一部の実装形態では波長変換されたパルス列が発生される。本発明の方法およびシステムは、複数のビーム経路を利用した時間領域の用途、たとえば分光法に用いることができる。

Description

本発明は、高い平均電力または高いピーク電力を有するレーザパルスを発生するための方法およびシステムに関し、特にポンプ・プローブまたはテラヘルツ測定などの時間領域分光法に応用することができ、そこではパルス列を運ぶ複数のビームが利用され、または望ましくない非線形効果なしに平均電力および/またはパルスエネルギーをもたらすことができる。
パルスレーザ源の利用は、工業および科学用途において増してきている。具体的には計測学、撮像、および材料処理用途において、ここ数年に超短レーザ技術の応用が増加している。ファイバベースの超短システムは今では数多くの用途向けに定着しており、特に低パルスエネルギーから中パルスエネルギーでの高反復率の用途に適している。しかし受動または利得ファイバのいずれにおいても非線形効果、たとえばラマンシフトによって引き起こされるパルス歪みおよび利得スペクトルの外への信号シフトにより、増幅されたパルスのピーク電力は制約される。チャープパルス増幅は、ファイバシステムの能力を大幅に拡大するためにしばしば用いられる。パルスは時間的に引き延ばされ、それによってピーク電力を低くし、次いで増幅され再圧縮される。このような制約はパルスエネルギーが拡大するのに従って、他の光媒体たとえばNdベースのバルク光増幅器にも当てはまる。
以下の特許、公開された特許出願、および出版物は、少なくとも部分的にファイバレーザおよび増幅器、超短レーザ材料処理、光測定技術、および/またはレーザパルスの群を発生するための様々な構成に関する:米国特許第6,339,602号、米国特許第6,664,498号、米国特許第6,954,575号、米国特許第7,088,878号、米国特許第7,580,432号、米国特許出願第2002/0167581号、米国特許出願第2003/0151053号、米国特許出願第2005/0218122号、米国特許出願第2010/0272137号、国際特許公開第2009146671号、StricklandおよびG.Mourou、Opt.Commun.56,219(1985),H.Hoferら、Opt.Lett.23,1840(1998)、M.E.Fermannら、Phys.Rev.Lett.84,2000(2010)。
様々な用途は、複数のビームまたはパルス列を必要とする。このような用途では複数のビーム内のパルスは明確な相対時間間隔を有することができ、一定のレベルの同期を必要とする。時間領域測定は1つの例である。より具体的には光時間ゲーティングまたは相関技術を用いて、第1のビームは試料との光相互作用のために用いられ、第2のビームは時間ゲーティングまたは相関関数のために用いられる。特に超短測定の場合は、所望の時間分解能を得るために同期が必要である。テラヘルツ分光法、光ポンプ・プローブ分光法、および超短パルスレーザを利用した他の時間ゲート型撮像プロセスは、この用途の範疇に含まれる。
このような用途に用いられる従来のレーザベースのシステムは、しばしば十分に高いエネルギーのパルスを生成し、その後に応用システム内でビームを複数のビーム経路に分割するように設計される。
光ファイバおよび他の利得媒体、たとえば再生増幅器における高い強度の光パルスの増幅は、最終的には非線形性に対する考慮が必要になる。パルスエネルギーの制約の結果として、しばしば平均電力が制限される。パルスエネルギーの損失なしに平均電力を増加させることは、高ピーク電力のパルスレーザシステムに対する有用な改良となり得る。
したがってファイバベースのシステム、再生増幅器、薄ディスクレーザ(thin disk laser)などを含む、パルスレーザ源のピーク電力能力を拡大する必要性がある。
米国特許第6,339,602号 米国特許第6,664,498号 米国特許第6,954,575号 米国特許第7,088,878号 米国特許第7,580,432号 米国特許出願第2002/0167581号 米国特許出願第2003/0151053号 米国特許出願第2005/0218122号 米国特許出願第2010/0272137号 国際特許公開第2009146671号 米国特許第7,414,780号
StricklandおよびG.Mourou、Opt.Commun.56,219(1985) H.Hoferら、Opt.Lett.23,1840(1998) M.E.Fermannら、Phys.Rev.Lett.84,2000(2010)
一態様では本発明は、非線形パルス歪みを低減し、パルスレーザ源の利用可能な平均電力を増加させる方法を特色とする。
時間領域に分散されたパルスを増幅することにより、そうでない場合に高いピーク電力によって誘起され得る非線形効果が低減される。時間的に分散されたパルスが異なる偏光状態をもてば、パルスは容易に分離することができる。
様々な実施形態では、増幅の前にまたは増幅時に、パルスは互いに異なる偏光状態に分割される。結果としての分割されたパルスの部分は、直交する直線偏光を有することができる。互いに異なる偏光状態により、比較的簡単な偏光感度を有するデバイスを利用して、同期したパルス列を複数のビームに容易に抽出することが可能になる。光媒体内での伝播時に、パルス対の間にパルス幅より大きな時間的分離を導入することができる。
一部の実施形態では、時間遅延を補償するように反対方向にビームを伝播することによって、偏光分割され時間分離された2つのパルスを再結合するために、第2の分割ユニットを用いることができる。一部の実装形態では第2の分割ユニットは、第1のユニットと同じ光学部品を含むことができる。
様々な実施形態では、望ましくない非線形効果が生じる閾値までパルスが増幅される前に、偏光分割され時間分離されたパルスが能動媒体内で発生される。
少なくとも1つの実施形態ではパルスは、1つまたは複数増幅器段によって増幅する前に、時間的に分割される。
少なくとも1つの実施形態では、偏光分割および遅延発生の両方は全てファイバの構成で実施され、これは能動または受動偏波保持(polarization maintaining:PM)ファイバを含むことができる。たとえばPM光ファイバを用いて、偏光スプリッタおよび遅延発生器は能動/受動PMファイバ媒体と一体とすることができ、別個の構成部品を不要とすることができる。
ファイバレーザ構成においては発振器出力は、2つ以上のビームに分離することができ、各ビーム経路用に任意選択の遅延段を有し、その後に結合され増幅器ファイバに注入される。パルスのパルス幅より大きな十分な遅延が与えられた場合は、パルスは干渉せずに増幅され、それによって各パルスの持続時間は保存される。
様々な実施形態では直線偏光したパルスを利用して、分割されたビームは、偏光が直線であるが直交する偏光状態を有するように処理することができる。利得媒体での増幅の後に、後続の動作のために、偏光感度を有するデバイスが容易にパルスを分離することができる。様々な実施形態では、偏波保持ファイバを有するファイバレーザを利用して、時間における分割および偏光は、ファイバ内での直交的に直線偏光した2つのパルスの群速度の差を利用することによってさらに簡単にすることができる。この例ではPMファイバへの入力偏光は、低速および高速軸偏光が同時に励起されるように設定される。ファイバ内での十分な伝播距離の後に、2つの偏光構成部品内のパルスは、好ましくは入力パルスのパルス幅よりも大きく分離されることになる。次いで偏光構成部品によって、少なくとも2つの増幅されたパルス列を抽出することができる。
少なくとも1つの実施形態では、2つのレーザパルスは、少なくとも1つの媒体の非線形閾値よりも高いピーク電力出力を有する単一のレーザパルスを発生するように、コヒーレントにまたは非コヒーレントに結合することができる。
少なくとも1つの実施形態では、両方の偏光状態または1つの偏光状態にあるレーザパルス列は、第1の波長を第2の波長に変換するために光学的非線形デバイスに入力することができる。
1つの用途ではレーザ出力は2つの物理的なビームを備え、対応するパルス列は同期される。用途の非限定的な例は、偏光をベースとする材料改変および処理、時間領域分光法、および時間領域の情報に基づく撮像などを含む。
結果としてパルス歪みを生じる、媒体内の従来のパルス伝播を概略的に示す図である。 媒体内で異なる偏光状態を有する時間分離されたパルス、ならびにより高い電力またはパルスエネルギーおよび無視できる歪みを有する単一の出力ビームに結合されるパルスを概略的に示す図である。 PMファイバを利用したパルスレーザ源の一例を概略的に示す図である。 偏光分割ユニットまたは結合ユニットの一例を概略的に示す図である。 制御可能な遅延を有する遅延発生器の一例を概略的に示す図である。 偏光スプリッタまたは相互的なコンバイナの他の例を概略的に示す図である。 遅延発生器の2つの例を概略的に示す図である。 2つの時間分離され増幅されたパルスに対応する、測定された自己相関関数(autocorrelation function:ACF)を示すグラフである。 時間領域の情報を得るために、2つのビームおよび2つの別々のパルスが用いられる応用例に対する例示のシステムを示す図である。 複数の光路において時間分離され、偏光分割されたパルス、および1つまたは複数のパルスの波長変換と、所定の時間的分離が同期をもたらす様子とを概略的に示す図である。
少なくとも1つの実施形態では、パルスエネルギーの大幅な増加なしに、増幅器の利用可能な平均出力電力が増加される。
少なくとも1つの実施形態では1つのパルスは、それぞれが異なる偏光状態を有する1対のパルスに分割される。偏光分割されたパルスの間の相対的遅延が発生され、媒体、たとえば受動光学材料または能動の増幅利得媒体内での伝播時にパルスを時間的に分離する。一部の実施形態ではパルスは、少なくとも部分的に、利得媒体内での増幅時に分離することができる。
PMファイバを利用したファイバレーザ増幅器などの一部のパルスレーザ源は、偏光状態を保存する。励起が十分であるときは、各偏光状態はレーザ源内を独立に伝播することができる。
例として図1aおよび1bは、従来のレーザシステムの媒体内のパルス伝播110と、本発明の一実装形態による時間分離されたパルスの伝播120とを比較している。図1aは、利得媒体または受動媒体とすることができる媒体101の一部分を伝播するレーザパルス105aを示す。この例は、媒体内の非線形効果によって誘起される出力パルス歪み105−bを示す。このような効果は、パルス分裂、ノイズ、および他の歪みとして現れ得る。上述のように非線形効果によって引き起こされる歪みのレベルは、様々なレーザをベースとする用途の場合に達成できるピーク電力を制約する。ラマンシフトおよび/または自己位相変調は、ガウス状の入力パルスを、たとえば105−bと同様なかなりひずんだ時間的パルス形状に変え得ることが知られている。たとえば自己位相変調の増加を用いて出力パルス品質が改善された米国特許第7,414,780号で開示されるように、非線形効果はパルス品質を改善するために活用されてきている。それでもなおこのようなシステムにおいて利用可能ピーク電力をさらに増加させることは、出力パルス品質の大幅な劣化が観察されるときの電力レベルおいて有益である。
図1bは、どのようにして直交する偏光を有するレーザパルス115−aを用いて、パルスレーザシステムにおける利用可能な出力最大パルスエネルギーを倍増できるかを概略的に示す。図1aおよび1bに概略的に示されるように、増加されたピーク電力を有する出力パルス115−bは、たとえば入力(シード)パルスが歪む時点および場所の前にシード源によって発生されたパルス105−aの時間的形状と同様のパルス時間的形状を有することができる。媒体101内を伝播する前にまたは伝播時に、直交する偏光を有する2つのレーザパルスが時間的に分離されれば、各パルスは別々に、非線形効果が始まる前に媒体によって支持される最大パルスエネルギーに達することができる。所定のビーム・プロファイルおよびパルス形状により、最大パルスエネルギーを決定することができる。媒体101の後の任意選択のコンバイナは、これら2つのパルスの間の時間的遅延を補償し、2つのパルスを単一パルスに結合する。結果としてのパルス115−bは、(パルス対に分離する前の)単一パルスの最大エネルギーの2倍を有する。
図2は、例示のファイバベースのレーザシステムの偏光分割および結合動作の一例を示す。この例ではレーザ源はシード・レーザを含み、これはPMファイバに結合されたモードロック・レーザ発振器を含むことができる。この構成ではシードは、縦の矢印で表される純粋な直線偏光出力を有する。シード・レーザは、超短パルスを有するレーザパルス列を生じるように構成される。パルス列は、やはりPMファイバをベースとする、利得媒体としてドーピングされた利得ファイバを有するレーザ増幅器220によって増幅される。
各シード・パルスを2つの直交する偏光状態に分割する1つの効率的なやり方は、シード源と増幅器220の間のPMファイバの2つの区間210、215を、角度シフトを有して接続することによってPMファイバを構成することである。概略断面図210−a、215−aは、PMファイバ偏光軸の相対角度偏位を示す。諸軸は少なくとも部分的に、ファイバコアを部分的に取り囲むファイバ・クラッド内に配置された複屈折材料によって決まる。このような接続は、市販の接続マシンおよびソフトウェアを用いて自動的に行うことができる。
シード・レーザの偏光が入力ファイバの低速軸と並行であると仮定する。そうすると角度シフトがθでは、出力ファイバの高速軸および低速軸における電力は、それぞれIcosθおよびIsinθとなる。この特定の例では、これら2つの偏光状態の間の時間的遅延は、パルスレーザシステムの増幅器部分においてPMファイバによって加えられる。PMファイバは、その高速および低速軸の間に、10−4程度の複屈折性を有する。この結果として、PMファイバの1メートルごとに数百フェムト秒(fs)から約1ピコ秒(ps)までの時間的遅延を生じる。増幅器部分が数メートルのPMファイバの長さを有する場合は、結果として数psの時間的遅延を生じる。この時間的遅延は通常は、2つの超短パルスを分離するのに十分となる。
特にこの例では、パルス対のパルス間の時間的遅延は、レーザ増幅器220内で変化し、増幅器の端部部分近くでは2つのパルスは完全に分離する。この変化する遅延は、分離と共に伝播時にレーザ電力が増加するので有害とはならない。したがってパルスは、増幅器に注入されると直ちに時間的に分離されないが、両方のパルスは減少されたパルスエネルギーを有するので各パルスの合計電力は依然として最大ピーク電力より低く、パルス電力の合計が非線形効果に対する閾値を超える前にパルスは分離する。最大パルス分離は、増幅器の出力端でまたはその近くで得られることになり、そこでは偏光分割され時間遅延され増幅されたパルス230は最大エネルギーを有する。
図2は、多くの可能な実装形態の1つを示すことに留意されたい。たとえばシード・レーザは直線偏光されなくてもよく、円偏光、楕円偏光、さらには非偏光、偏光解消、または部分偏光などの他の偏光状態とすることができる。様々な実施形態では、増幅器内で2つの直交する偏光状態の間の比率を制御するために、純粋な偏光状態でのシード・パルスがより望ましく、増幅後のコヒーレントな結合のためにより適している。必要な時間的分離はレーザ増幅器内で生じなくてもよい。分離は、受動媒体、レーザ発振器、および/または増幅器内で加えることもできる。
様々な実装形態では偏光分割は、ファイバ接続ではなく自由空間結合を用いて行うことができる。偏光スプリッタは、偏光をさらに制御し整列させるように、ファイバまたは波長板の相対的回転のための機構を含むことができる。遅延はまた、図3および図4に関連して以下で述べるようなバルク光学部品を用いて設定することもできる。さらに遅延は固定でなく可変とすることができる。
さらに増幅器はファイバ増幅器でなくてもよい。媒体は、受動または能動の任意の適切な媒体とすることができ、最大パルスエネルギーはそれによって制限され、レーザ源自体の外側に配置してもよい。
図3aは、例示の偏光分割ユニット(または逆のビームを有する相互的な結合ユニット)を示す。パルスを分割するため、または偏光分割され時間分離されたパルス対を結合するために、2つの直交する偏光状態に対して異なる屈折率(n、n)を有する複屈折性結晶のスラブ310を用いることができる。たとえばLiNbOは、通常および異常偏光状態の間で、δn=0.085を有する。LiNbOの3.5mmの厚さの部分は、パルス対の間に約1psの時間的遅延を生じることができる。図3bに示されるようにそれぞれがプリズム形状を有する結晶330−a、330−bは、光路長を変化させることができ、したがって一方または両方の結晶を並行移動させることによって時間的遅延を制御することができる。
図4aは、他の例の偏光分割ユニット400(または相互的な結合ユニット)を示す。レーザパルスを異なる偏光状態に分離し、それらを異なる経路(アーム)に沿って導くために、偏光ビーム・スプリッタ(polarized beam splitter)PBSが用いられる。遅延発生ユニット410−a、410−bは、1対のパルスの間の時間的関係を制御するように構成される。
図4bは、遅延発生に適したデバイスの2つの例を示す。一方は直線遅延線420であり、他方は図3bに示された構成要素と同様な、光路長を制御するために用いることができる2つのプリズム430−a、430−bを備えたものである。このようなデバイスは単独または組み合わせて用いることができる。また2つのパルスを用いてピーク電力の2倍の増加を得ることができるが、追加の経路を用いて、所望の時間系列で2つより多い時間分離されたパルスを形成し、それによって出力ピーク電力のさらなる増加をもたらすこともできる。
次いでパルスはコンバイナにおいて再結合することができ、コンバイナはたとえば図3〜4に概略的に示されるようなバルクおよびファイバ光学系の任意の適当な組み合わせを備えることができる。また上述のように図4aにおいて、逆の経路を用いてパルスを結合することができる。
例として出力パルスは適当なビーム状態調節光学系によって、下流側のバルク固体利得媒体、実質的に基本モード出力を生じることができる大モード・マルチモード増幅器ファイバ(large mode multimode amplifier fiber:MMFA)、大型コア漏洩チャネル増幅器ファイバ(leakage channel amplifier fiber)(LCF設計)、フォトニック結晶増幅器ファイバ(photonic crystal amplifier fiber)(PCF設計)、高電力コヒーレント増幅器アレイ、および/または他の高ピーク電力利得媒体の1つまたは複数への入力として用いることができる。下流側の利得媒体の出力においてバルク光学系を備えたコンバイナを備えることによって、増加されたピーク電力を有する単一のパルスを形成することができる(個別には図示せず)。同様に様々な実施形態では、MMFA、LCF、またはPCFはPMファイバを備えることができ、分割および遅延発生の少なくとも一部分をもたらすことができる。
さらに、光媒体のピークおよび/平均出力電力能力を改善するために、偏光分割され時間遅延されたパルス対が有利となり得る、任意の用途に対して上記の構成要素および構成の様々な組み合わせを利用することができる。
テラヘルツ分光法またはポンプ・プローブ分光法などの時間領域測定技術では、異なるビームおよびパルス列を用いることができる。図6には、時間領域測定システム600の概略図が示される。上述のようにレーザ源605は2つのビームおよびパルス列を供給し、一方のパルス列は遅延線610を用いて、他方のパルス列に対して時間的にさらに遅延させることができる。試料1 620は第1のパルス列と相互作用し、他方のパルス列は試料2 630内で第1のパルス列と相互作用する。
例として試料1はテラヘルツ放射体であり、試料2は時間遅延されたゲートパルスと相互作用するテラヘルツ波の時間ゲート素子である。ポンプ・プローブまたは同様の光相関技術は同様な動作原理を共有し、そこでは光信号の時間ゲートが試料内で誘起される。
一部の実施形態では、一方または両方のパルス列を波長変換することができる。例として高調波変換器、ラマンシフタ、または光パラメトリック増幅器(optical parametric amplifier:OPA)を波長変換のために用いることができる。結果としての出力は結合し、時間同期し、または別々に処理することができる。波長変換器は、ビーム・コンバイナの前または後に配置することができる。
図7は、偏光分割され時間分離された2つのパルスの他の応用例を概略的に示す。この例では入力は、上述のように偏光分割され時間分離されたパルスを供給する。パルスは別々の光路に導かれる。第1の光路ではパルスは、第2高調波発生器(second harmonic generator:SHG)によって周波数が2倍にされる。第2の光路内を伝播する第2のパルスは、所定の遅延を有することができ、したがって周波数変換されたパルスと時間同期させることができる。たとえば第2の光路における波長変換、結合など多くの変形形態が可能である。
1つの実験では、図2に示されるものと同様な構成においてラマン・ソリトンレーザ増幅器が用いられた。モードロック・ファイバレーザ発振器は、約1560nmの中心波長を発生し、PMファイバ・ピグテールを用いて構成された。出力レーザ偏光は、低速軸と整列された。シード・パルスは、出力PMピグテールをPM利得ファイバに接続することによって、レーザ増幅器に注入された。接続時に45°のシフトが加えられた。それによりレーザ増幅器内で等しい電力が高速および低速軸に分割された。利得ファイバはレーザダイオードによってポンピングされた。この例では、増幅時にラマン・ソリトンが形成された。出力ラマン・ソリトンのパルス持続時間は約100fsであった。1つの偏光シードのみで、ラマン・ソリトン・パルスエネルギーは最大パルスエネルギーで飽和した。2つの偏光シードで、各偏光はラマン・ソリトンを生じ、最大パルスエネルギーで飽和した。結果として合計のラマン・ソリトン電力は2倍となった。
図5は、増幅されたレーザ出力の測定された自己相関関数(ACF)を示す。ACFは1.7psの分離を有する二重パルス構造をはっきり示し、これはパルス対を完全に分離する。実験でラマン・ソリトンが用いられなければ、ラマン発生プロセスに関連する各偏光軸の群速度分散の差により、時間的分離はわずかに異なるものとなり得た。しかしこのような変化は、PMファイバ内の伝播時のパルスの時間的分離の実証において重要ではない。
このように、いくつかの実施形態において本発明について述べてきた。実施形態は互いに排他的ではなく、1つの実施形態に関連して述べられた要素は、所望の設計目的を達成するのに適したやり方で他の実施形態と組み合わせる、または他の実施形態から削除することができることを理解されたい。
少なくとも1つの実施形態は、パルスレーザシステムを含む。システムは、パルスを発生するためのシード源を含む。偏光スプリッタは、シード源からのパルスを異なる偏光状態に分割し、それによって偏光分割されたパルスを形成する。遅延発生器は、偏光分割されたパルスを受け取り、時間分離されたパルスを発生し、各パルスは異なる偏光状態を有する。システムは、異なる偏光状態を有する時間分離されたパルスが伝播する媒体を含み、時間分離されたパルスのそれぞれのピーク電力およびエネルギーは個々に、媒体からのパルス出力のかなりの歪みを避けるために十分に低い。時間分離されたパルスの電力は、媒体内で結合されたならば媒体の非線形閾値を超えることになる。コンバイナは、媒体から時間分離されたパルスを受け取り、時間分離されたパルスを実質的に再結合して、増加されたピーク電力を有する出力パルスを形成する。
いずれかまたはすべての実施形態では、媒体は偏光スプリッタを含むことができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、媒体はファイバ利得媒体を含むことができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、媒体は偏波保持(PM)増幅器ファイバを含むことができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、シード源は直線偏光したパルスを発生することができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、シード源は、モードロック・ファイバ発振器を含むことができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、偏光スプリッタの少なくとも一部分は、偏光感度を有するバルク光学系を含むことができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、遅延発生器と偏光スプリッタとを光ファイバによって結合することができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、遅延発生器は少なくとも一部分は能動または受動PMファイバを含むことができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、シード源は、少なくとも1つの偏波保持(PM)ファイバを有するモードロック・ファイバ発振器を含むことができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、偏光スプリッタまたはコンバイナは、各偏光状態を有するレーザパルスを別々のアーム内に分割する少なくとも1つの偏光ビーム・スプリッタと、少なくとも1つのアーム内に配置された遅延発生器とを含むことができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、シード源によって発生されるパルス幅は、隣接する時間分離されたパルスの間の時間的距離より短くすることができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、媒体は、少なくとも1つの能動PMファイバを含む複数のPMファイバを含むことができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、能動ファイバは、実質的に基本モード出力を供給することができるマルチモード増幅器ファイバ、漏洩チャネル増幅器ファイバ、フォトニック結晶増幅器ファイバ、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、能動ファイバは、複数の偏光状態を有してラマン・ソリトンを発生することができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、シード源の波長またはラマン・ソリトン波長は異常分散領域にあるものとすることができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、媒体はバルク、固体、または再生増幅器利得媒体を含むことができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、偏光スプリッタは、偏光スプリッタへの入力ビームがPMファイバの高速および低速軸の両方に結合されるように構成されたPMファイバを含むことができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、入力ビームは、ファイバ接続を通じてPMファイバに結合することができ、偏光分割は接続部における角度オフセットによって制御することができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、偏光スプリッタは、ファイバまたは波長板の相対的回転を用いて制御可能とすることができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、シード・パルスまたは出力パルスは、fsからpsの領域内のパルス幅を有することができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、媒体は増幅器ファイバを含むことができ、シードビームは少なくとも1つのバルク光学素子および自由空間結合を用いて増幅器ファイバ内に結合することができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、媒体は増幅器ファイバを含むことができ、シードビームは融着接続を用いて増幅器ファイバ内に結合することができ、偏光分割は接続の角度オフセットによって制御することができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、媒体は利得媒体を含むことができ、異なる偏光状態にあるパルスの間の遅延は利得媒体におけるパルス持続時間と同程度以上とすることができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、媒体は増幅器ファイバを含むことができ、レーザパルスの間の遅延はレーザ増幅器の少なくとも1つの部分でのレーザパルス幅より長くすることができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、PMファイバは遅延発生器として構成することができ、PMファイバは能動および受動ファイバの1つまたは両方を備える。
いずれかまたはすべての実施形態では、媒体は直交する偏光状態を有するレーザパルス列を増幅することができ、偏光状態によってラマンシフトを発生することができる。
いずれかまたはすべての実施形態では任意選択で、レーザ増幅器内で、直交する偏光状態によってラマン・ソリトンを発生することができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、シード・レーザは、少なくとも数nmの対応するスペクトル帯域幅を有して、約100fsから数psの範囲のパルス幅を生じることができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、媒体の少なくとも一部分は、少なくとも約15μmのコア直径を有するYb/Er共添加ダブルクラッド・ファイバを備えた大モード面積ファイバを含むことができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、偏光スプリッタおよび遅延発生器は、媒体内のパルス持続時間より大きな遅延を導入することができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、コンバイナの少なくとも一部分は、相互的動作のために偏光スプリッタおよび遅延発生器の同一の構成要素を用いて構成することができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、増加されたピーク電力を有する出力パルスは、シード源によって発生されたパルスの時間的形状と同様なパルスの時間的形状を有することができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、時間分離されたパルスのそれぞれのピーク電力およびエネルギーは、媒体内の伝播時および媒体から出力されたときにパルスのかなりの歪みを避けるために十分に低くすることができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、遅延発生器によって1対の時間分離されたパルスを発生することができる。
少なくとも1つの実施形態は、パルスレーザシステムを含む。システムは、パルスを発生するためのシード源を含む。偏光スプリッタは、シード源からのパルスを異なる偏光状態に分割し、それによって偏光分割されたパルスを形成する。遅延発生器は、偏光分割されたパルスを受け取り、時間分離されたパルスを発生し、各パルスは異なる偏光状態を有する。システムは、異なる偏光状態を有する時間分離されたパルスが伝播する媒体を含み、時間分離されたパルスのそれぞれのピーク電力およびエネルギーは媒体からのパルス出力のかなりの歪みを避けるために十分に低い。時間分離されたパルスの電力は、媒体内で結合されたならば媒体の非線形閾値を超えることになる。媒体の下流側に配置されたバルク、固体増幅器は、それから時間分離されたパルスを受け取り、増幅された時間分離されたパルスを発生する。システムは、バルク、固体増幅器から増幅された時間分離されたパルスを受け取り、増幅された時間分離されたパルスを実質的に再結合して、増加されたピーク電力を有する出力パルスを形成するコンバイナを含む。
いずれかまたはすべての実施形態では、偏光スプリッタおよび遅延発生器の両方を、PM保持ファイバを用いて構成することができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、媒体はPM光ファイバを含むことができ、偏光スプリッタおよび遅延発生器は媒体と一体とすることができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、媒体は少なくとも1つの増幅器ファイバを含むことができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、少なくとも1つの増幅器ファイバは、単一モードの、偏波保存ファイバを含むことができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、少なくとも1つの増幅器ファイバは、実質的に基本モード出力を供給することができるマルチモード増幅器ファイバ、漏洩チャネル増幅器ファイバ、フォトニック結晶増幅器ファイバ、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、少なくとも1つの増幅器ファイバは、ラマン・ソリトンを発生することができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、偏光スプリッタ、遅延発生器、および媒体は、バルク光学部品を含まず、光ファイバを含むことができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、遅延発生器によって1対の時間分離されたパルスを発生することができる。
少なくとも1つの実施形態は、パルスレーザシステムを含む。システムは、パルスを発生するためのシード源を含む。偏光スプリッタは、シード源からのパルスを異なる偏光状態に分割し、それによって偏光分割されたパルスを形成する。遅延発生器は、偏光分割されたパルスを受け取り、時間分離されたパルスを発生し、各パルスは異なる偏光状態を有する。システムは、異なる偏光状態を有する時間分離されたパルスが伝播する光増幅器を含み、時間分離されたパルスのそれぞれのピーク電力およびエネルギーは光増幅器からのパルス出力のかなりの歪みを避けるために十分に低い。時間分離されたパルスの電力は、光増幅器内で結合されたならば光増幅器の利得媒体の非線形閾値を超えることになる。光増幅器は増幅器出力として、増幅された時間分離されたパルスを発生する。システムは、光増幅器から増幅された時間分離されたパルスを受け取り、増幅された時間分離されたパルスを実質的に再結合して、増加されたピーク電力を有する出力パルスを形成するコンバイナを含む。
いずれかまたはすべての実施形態では、光増幅器は少なくとも1つのファイバ増幅器を含むことができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、光増幅器は、実質的に基本モード出力を供給することができるマルチモード・ファイバ増幅器(MMFA)、漏洩チャネル・ファイバ増幅器(LCF)、フォトニック結晶ファイバ増幅器(PCF)、またはそれらの組み合わせの1つまたは複数として構成された大型コア増幅器を含むことができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、光増幅器とコンバイナの間にバルク固体増幅器を配置することができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、増加されたピーク電力を有する出力パルスは、シード源によって発生されたパルスの時間的形状と同様なパルスの時間的形状を有することができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、それぞれの時間分離されたパルスのピーク電力およびエネルギーは、媒体内の伝播時および媒体から出力されたときにパルスのかなりの歪みを避けるために十分に低くすることができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、遅延発生器によって1対の時間分離されたパルスを発生することができる。
少なくとも1つの実施形態は、パルスレーザシステムを含む。システムは、時間分離されたパルスを供給する入力を含み、各パルスは異なる偏光状態を有する。システムは、時間分離されたパルスが伝播する媒体を含み、時間分離されたパルスのそれぞれのピーク電力およびエネルギーは媒体からのパルス出力のかなりの歪みを避けるために十分に低い。システムはさらに、時間分離されたパルスが別々の光路を伝播しそれによって時間分離されたパルスの同期をもたらすように構成される。
いずれかまたはすべての実施形態では、第1の光路内に波長変換器を配置することができ、媒体から第1のパルスを受け取り、媒体からの第1のパルスの波長を第1の変換された波長に変換する。
いずれかまたはすべての実施形態では、第2の光路内に第2の波長変換器を配置することができ、媒体から第2のパルスを受け取り、媒体からの第2のパルスの波長を第2の変換された波長に変換する。
いずれかまたはすべての実施形態では、入力は、利得媒体内にほぼすべてファイバの構成部品を備えバルク光学部品を備えない利得媒体を含むことができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、入力は遅延発生器を含むことができ、遅延発生器の少なくとも一部分はバルク光学系を含むことができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、バルク光学系は1対のプリズム形状の複屈折性結晶を含むことができ、プリズム形状の結晶の一方または両方の厚さおよび/または相対位置が調整可能な遅延をもたらす。
少なくとも1つの実施形態は、パルスレーザシステムを含む。システムは、時間分離されたパルスを発生する手段を含み、各パルスは異なる偏光状態を有する。システムは、複数の時間分離されたパルスが伝播する媒体を含み、時間分離されたパルスのそれぞれのピーク電力およびエネルギーは媒体からのパルス出力のかなりの歪みを避けるために十分に低く、システムは時間分離されたパルスが別々の光路を伝播しそれによって時間分離されたパルスの同期をもたらすように構成される。
いずれかまたはすべての実施形態では、発生する手段および、媒体の少なくとも一部分は、光ファイバを含むことができ、バルク光学部品を含まない。
いずれかまたはすべての実施形態では、時間分離されたパルスの電力は、媒体内で結合されたならば、媒体の非線形閾値を超え得る。
いずれかまたはすべての実施形態では、増加されたピーク電力を有する出力パルスは、シード源によって発生されたパルスの時間的形状と同様なパルスの時間的形状を有することができる。
いずれかまたはすべての実施形態では、それぞれの時間分離されたパルスのピーク電力およびエネルギーは、媒体内の伝播時および媒体から出力されたときにパルスのかなりの歪みを避けるために十分に低くすることができる。
このように、本明細書ではいくつかの実施形態のみについて具体的に述べてきたが、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに、それらに数多くの変更を行えることが明らかであろう。さらに頭字語の使用は、単に本明細書および特許請求の範囲を読みやすくするためである。これらの頭字語は用語の一般性を減じることを意図するものでないことが理解されるべきであり、請求項の範囲をそれらに記載された実施形態に限定するものと解釈されるべきではない。

Claims (53)

  1. パルスを発生するシード源と、
    前記パルスを異なる偏光状態に分割し、それによって偏光分割されたパルスを形成するための偏光スプリッタと、
    前記偏光分割されたパルスを受け取り、時間分離されたパルスを発生する遅延発生器であって、各パルスは異なる偏光状態を有する、遅延発生器と、
    前記異なる偏光状態を有する前記時間分離されたパルスが伝播する媒体であって、前記時間分離されたパルスのそれぞれのピーク電力およびエネルギーは前記媒体からのパルス出力のかなりの歪みを避けるために十分に低く、前記時間分離されたパルスの電力は前記媒体内で結合されたならば前記媒体の非線形閾値を超えることになる、媒体と、
    前記媒体から前記時間分離されたパルスを受け取り、前記時間分離されたパルスを実質的に再結合して、増加されたピーク電力を有する出力パルスを形成するコンバイナと、
    を備える、パルスレーザシステム。
  2. 前記媒体が前記偏光スプリッタを備える、請求項1に記載のパルスレーザシステム。
  3. 前記媒体がファイバ利得媒体を備える、請求項1に記載のパルスレーザシステム。
  4. 前記媒体が偏波保持(PM)増幅器ファイバを備える、請求項1に記載のパルスレーザシステム。
  5. 前記シード源が直線偏光したパルスを発生する、請求項1に記載のパルスレーザシステム。
  6. 前記シード源がモードロック・ファイバ発振器を備える、請求項1に記載のパルスレーザシステム。
  7. 前記偏光スプリッタの少なくとも一部分が偏光感度を有するバルク光学系を備える、請求項1に記載のパルスレーザシステム。
  8. 前記遅延発生器と前記偏光スプリッタが光ファイバによって結合された、請求項1に記載のパルスレーザシステム。
  9. 前記遅延発生器の少なくとも一部分が能動または受動PMファイバを備える、請求項8に記載のパルスレーザシステム。
  10. 前記シード源が、少なくとも1つの偏波保持(PM)ファイバを有するモードロック・ファイバ発振器を備える、請求項1に記載のパルスレーザシステム。
  11. 前記偏光スプリッタまたはコンバイナが、各偏光状態を有するレーザパルスを別々のアーム内に分割する少なくとも1つの偏光ビーム・スプリッタと、少なくとも1つのアーム内に配置された遅延発生器とを備える、請求項1に記載のパルスレーザシステム。
  12. 前記シード源によって発生されるパルス幅が、隣接する時間分離されたパルスの間の時間的距離より短い、請求項1に記載のパルスレーザシステム。
  13. 前記媒体が、少なくとも1つの能動PMファイバを含む複数のPMファイバを備える、請求項1に記載のパルスレーザシステム。
  14. 前記能動ファイバが、実質的に基本モード出力を供給することができるマルチモード増幅器ファイバ、漏洩チャネル増幅器ファイバ、フォトニック結晶増幅器ファイバ、またはそれらの組み合わせを備える、請求項13に記載のパルスレーザシステム。
  15. 前記能動ファイバが、複数の偏光状態によってラマン・ソリトンを発生することができる、請求項13に記載のパルスレーザシステム。
  16. 前記シード源の波長またはラマン・ソリトン波長が異常分散領域にある、請求項1に記載のパルスレーザシステム。
  17. 前記媒体が、バルク、固体、または再生増幅器利得媒体を備える、請求項1に記載のパルスレーザシステム。
  18. 前記偏光スプリッタは、前記偏光スプリッタへの入力ビームがPMファイバの高速および低速軸の両方に結合されるように構成された前記PMファイバを備える、請求項1に記載のパルスレーザシステム。
  19. 前記入力ビームはファイバ接続を通じて前記PMファイバに結合され、前記偏光分割は前記接続部における角度オフセットによって制御される、請求項18に記載のパルスレーザシステム。
  20. 前記偏光スプリッタが、ファイバまたは波長板の相対的回転を用いて制御可能である、請求項18に記載のパルスレーザシステム。
  21. シード・パルスまたは出力パルスは、fsからpsの領域内のパルス幅を有する、請求項1に記載のパルスレーザシステム。
  22. 前記媒体が増幅器ファイバを備え、シードビームは少なくとも1つのバルク光学素子および自由空間結合を用いて増幅器ファイバ内に結合される、請求項1に記載のパルスレーザシステム。
  23. 前記媒体が増幅器ファイバを備え、シードビームは融着接続を用いて前記増幅器ファイバ内に結合され、偏光分割は接続の角度オフセットによって制御される、請求項1に記載のパルスレーザシステム。
  24. 前記媒体が利得媒体を備え、異なる偏光状態にあるパルスの間の遅延は前記利得媒体におけるパルス持続時間と同程度以上である、請求項1に記載のパルスレーザシステム。
  25. 前記媒体が増幅器ファイバを備え、レーザパルスの間の遅延は前記レーザ増幅器の少なくとも1つの部分でのレーザパルス幅より長い、請求項1に記載のパルスレーザシステム。
  26. PMファイバが遅延発生器として構成され、前記PMファイバは能動および受動ファイバの1つまたは両方を備える、請求項1に記載のパルスレーザシステム。
  27. 前記媒体が、直交する偏光状態を有するレーザパルス列を増幅することができ、直交する偏光状態によってラマンシフトを発生することができる、請求項1に記載のパルスレーザシステム。
  28. 任意選択でレーザ増幅器内で、直交する偏光状態によってラマン・ソリトンを発生することができる、請求項1に記載のパルスレーザシステム。
  29. 前記シード・レーザが、少なくとも数nmの対応するスペクトル帯域幅を有して、約100fsから数psの範囲のパルス幅を生じる、請求項1に記載のパルスレーザシステム。
  30. 前記媒体の少なくとも一部分が、少なくとも約15μmのコア直径を有するYb/Er共添加ダブルクラッド・ファイバを備えた大モード面積ファイバを備える、請求項1に記載のパルスレーザシステム。
  31. 前記偏光スプリッタおよび前記遅延発生器が、前記媒体内のパルス持続時間より大きな遅延を導入する、請求項1に記載のパルスレーザシステム。
  32. 前記コンバイナの少なくとも一部分が、相互的動作のために前記偏光スプリッタおよび前記遅延発生器の同一の構成要素を用いて構成される、請求項1に記載のパルスレーザシステム。
  33. パルスを発生するシード源と、
    前記パルスを異なる偏光状態に分割し、それによって偏光分割されたパルスを形成するための偏光スプリッタと、
    前記偏光分割されたパルスを受け取り、時間分離されたパルスを発生する遅延発生器であって、各パルスは異なる偏光状態を有する、遅延発生器と、
    前記異なる偏光状態を有する前記時間分離されたパルスが伝播する媒体であって、前記時間分離されたパルスのそれぞれのピーク電力およびエネルギーは前記媒体からのパルス出力のかなりの歪みを避けるために十分に低く、前記時間分離されたパルスの電力は前記媒体内で結合されたならば前記媒体の非線形閾値を超えることになる、媒体と、
    前記媒体の下流側に配置され、それから前記時間分離されたパルスを受け取り、増幅された時間分離されたパルスを発生するバルク、固体増幅器と、
    前記バルク、固体増幅器から前記増幅された時間分離されたパルスを受け取り、前記バルク、固体増幅器からの前記増幅された時間分離されたパルスを実質的に再結合して、増加されたピーク電力を有する出力パルスを形成するコンバイナと、
    を備える、パルスレーザシステム。
  34. 前記偏光スプリッタおよび前記遅延発生器の両方が、PM保持ファイバを用いて構成される、請求項33に記載のパルスレーザシステム。
  35. 前記媒体がPM光ファイバを備え、前記偏光スプリッタおよび前記遅延発生器は前記第1の媒体と一体である、請求項34に記載のパルスレーザシステム。
  36. 前記媒体が少なくとも1つの増幅器ファイバを備える、請求項33に記載のパルスレーザシステム。
  37. 前記少なくとも1つの増幅器ファイバが、単一モードの、偏波保存ファイバを備える、請求項36に記載のパルスレーザシステム。
  38. 前記少なくとも1つの増幅器ファイバが、実質的に基本モード出力を供給することができるマルチモード増幅器ファイバ、漏洩チャネル増幅器ファイバ、フォトニック結晶増幅器ファイバ、またはそれらの組み合わせを備える、請求項36に記載のパルスレーザシステム。
  39. 前記少なくとも1つの増幅器ファイバが、ラマン・ソリトンを発生することができる、請求項36に記載のパルスレーザシステム。
  40. 前記偏光スプリッタ、前記遅延発生器、および前記媒体が光ファイバを備え、バルク光学部品を備えない、請求項33に記載のパルスレーザシステム。
  41. パルスを発生するシード源と、
    前記パルスを異なる偏光状態に分割し、それによって偏光分割されたパルスを形成するための偏光スプリッタと、
    前記偏光分割されたパルスを受け取り、時間分離されたパルスを発生する遅延発生器であって、各パルスは異なる偏光状態を有する、遅延発生器と、
    前記異なる偏光状態を有する前記時間分離されたパルスが伝播する光増幅器であって、前記時間分離されたパルスのそれぞれのピーク電力およびエネルギーは前記光増幅器からのパルス出力のかなりの歪みを避けるために十分に低く、前記時間分離されたパルスの電力は前記光増幅器内で結合されたならば前記光増幅器の利得媒体の非線形閾値を超えることになり、前記増幅器は増幅器出力として、増幅された時間分離されたパルスを発生する、光増幅器と、
    前記光増幅器から前記増幅された時間分離されたパルスを受け取り、前記増幅器からの前記増幅された時間分離されたパルスを実質的に再結合して、増加されたピーク電力を有する出力パルスを形成するコンバイナと、
    を備える、パルスレーザシステム。
  42. 前記光増幅器が、少なくとも1つのファイバ増幅器を備える、請求項41に記載のパルスレーザシステム。
  43. 前記光増幅器が、実質的に基本モード出力を供給することができるマルチモード・ファイバ増幅器(MMFA)、漏洩チャネル・ファイバ増幅器(LCF)、フォトニック結晶ファイバ増幅器(PCF)、またはそれらの組み合わせの1つまたは複数として構成された大型コア増幅器を備える、請求項41に記載のパルスレーザシステム。
  44. 前記光増幅器と前記コンバイナの間に配置された、バルク固体増幅器をさらに備える、請求項41に記載のパルスレーザシステム。
  45. パルスレーザシステムであって、
    時間分離されたパルスを供給する入力であって、各パルスは異なる偏光状態を有する、入力と、
    前記時間分離されたパルスが伝播する媒体であって、各パルスのピーク電力およびエネルギーは前記媒体からのパルス出力のかなりの歪みを避けるために十分に低く、前記システムは、前記時間分離されたパルスが別々の光路を伝播しそれによって時間分離されたパルスの同期をもたらすように構成される、媒体と
    を備える、パルスレーザシステム。
  46. 第1の光路内に配置され前記媒体から第1のパルスを受け取り、前記媒体からの前記第1のパルスの波長を第1の変換された波長に変換する波長変換器を備える、請求項45に記載のパルスレーザシステム。
  47. 前記システムが、前記媒体から第2のパルスを受け取り、前記媒体からの前記第2のパルスの波長を第2の変換された波長に変換する第2の波長変換器を第2の光路内に備える、請求項46に記載のパルスレーザシステム。
  48. 前記入力が、利得媒体内にほぼすべてファイバの構成部品を備えバルク光学部品を備えない利得媒体を備える、請求項45に記載のパルスレーザシステム。
  49. 前記入力が遅延発生器を備え、前記遅延発生器の少なくとも一部分はバルク光学系を備える、請求項48に記載のパルスレーザシステム。
  50. 前記バルク光学系が1対のプリズム形状の複屈折性結晶を備え、プリズム形状の結晶の一方または両方の厚さおよび/または相対位置が調整可能な遅延をもたらす、請求項49に記載のパルスレーザシステム。
  51. パルスレーザシステムであって、
    時間分離されたパルスを発生する手段であって、各パルスは異なる偏光状態を有する、手段と、
    前記時間分離されたパルスが伝播する媒体であって、各パルスのピーク電力およびエネルギーは前記媒体からのパルス出力のかなりの歪みを避けるために十分に低く、前記システムは、前記時間分離されたパルスが別々の光路を伝播しそれによって時間分離されたパルスの同期をもたらすように構成される、媒体と
    を備える、パルスレーザシステム。
  52. 前記手段および、前記媒体の少なくとも一部分が、光ファイバを備えバルク光学部品を備えない、請求項51に記載のパルスレーザシステム。
  53. 前記時間分離されたパルスの電力が、前記媒体内で結合されたならば前記媒体の非線形閾値を超えることになる、請求項51に記載のパルスレーザシステム。
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