JP2014521327A - レビー小体型認知症の診断のための遺伝子マーカー - Google Patents

レビー小体型認知症の診断のための遺伝子マーカー Download PDF

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Abstract

患者がレビー小体型認知症(DLB)に罹患しているか否かを決定することを可能とし、アルツハイマー病と判別することも可能とする、BChE遺伝子における特異的多型が見出された。本発明は、DLBの診断のためのインビトロ方法を提供し、この方法は、対象由来の生物学的サンプルにおいて、ブチリルコリンエステラーゼ(BChE)遺伝子の以下の多型:NCBI受託番号NG_009031(すなわち、配列番号1)中の3687位における多型部位、配列番号1中の4206位における多型部位、配列番号1中の4443位における多型部位、ならびにNCBI受託番号NG_009031中の68974位(すなわち、配列番号26中の934位)における多型部位、の遺伝子型を決定することを含む。

Description

本発明は、医薬、特に神経変性障害の分野に関する。本発明は、具体的には、レビー小体型認知症の診断のためのマーカーに関する。
レビー小体疾患は、レビー小体(LB)と呼ばれるタンパク質性ニューロン封入体の存在を特徴とする障害の群を含む。臨床的には、2つの障害:パーキンソン病(PD)およびレビー小体型認知症(DLB)が判別され得る。PDが、老人における最も一般的な進行性の運動障害である一方で、DLBは、アルツハイマー病(AD)に次いで二番目に多い認知症の原因である。事実上あらゆる脳領域におけるLBの広範な分布は、DLBの代表的な特徴であるが、PDにおいては黒質が最も影響を受ける。
最初に記述されたとき、DLBは稀な障害であると考えられたが、長年にわたる熱心な研究により、検死例の10〜15%にのぼることが明らかになった。主なDLBの症状は、変動の大きな認知障害、再発性の幻視およびパーキンソン症候群であるが、それにもかかわらず、ADと重なる多くの症状が、DLBの高頻度な誤診をもたらす。ADの患者とDLBの患者とは、薬物治療に対する応答および進行の点で異なり得るので、DLBの診断における正確性を改善することが重要である。
DLBとADとの間のより良い臨床的な判別を達成するために、種々の縦断的研究および比較研究が、過去数年の間に実施された。レビー小体(LB)病変のみを有する患者は、比較的重度の障害を示すことは少ないが、ADのみを有する患者もしくはAD/LB混合の病変を有する患者よりも、よりはっきりした実行機能および注意力の悪化を示す。さらに、DLB患者は、認知記憶のよりゆっくりした低下を示すが、ADを有する患者より多くの精神症状を有し、この種の総体的症状は、疾患のより後期において観察される。最後に、初期認知症における幻視の存在は、DLBについて最も特徴的であることが分かっている。臨床診断の高い特異性(別個の研究において、90〜99%の範囲に及ぶ)が達成されていても、感度は比較的低い(18〜83%)ままであるということは、言及すべき点である。したがって、1996年に確立されたDLBの蓋然性およびDLBの可能性の臨床診断のための第1の合意ガイドラインが、DLB診断の感度を改善するために改訂されているが、それにもかかわらず、ADと重なる多くの症状が、40〜80%の間の事例でDLBの高頻度な誤診を引き起こしている。
DLBについての低い臨床感度の主因は、LBに関連する病変に加えてADの特徴が変化する事例の割合が高いことに起因する。この種の混合病変を評価するために、第3のDLBコンソーシアムが、LB病変の関連において、AD関連病変を置くモデルを提唱した。AD型病変のステージがより高くなるほど、DLBの正確な診断を達成するための感度は低くなる。したがって、近年の報告は、AD関連の病変が増えるに従ってDLBの誤診が増えることを確認したが、そうであっても、AD関連病変が低いステージにおいても、患者の約52%しかDLBの正確な診断を受けていない。
DLBの処置は対症的であり、限られた数の臨床試験およびADにおける試験結果の拡張に基づく。現時点で、AD処置は、コリンエステラーゼ阻害剤を用いて、アセチルコリンの脳内濃度を上げるか、アセチルコリンに対する神経細胞の応答方法を増強することによって、アセチルコリンの有効性を改善することからなる。さらに、神経遮断薬剤が使用され、疾患の経過の間に通常存在する精神病症状を軽減する。対照的に、DLB処置のためには、神経遮断薬の使用は、DLB患者の約50%において有害反応をもたらし得、死の原因となり得る。
したがって、ADとDLBとを特異的に診断するための能力は、処置される個々の患者のためのみならず、公共保険制度の経済的負担の観点でも、非常な利益となるであろう。しかし、現在、ADとDLBとの正確な弁別は、脳組織の検死解析によってのみ可能である。
今日、DLBの診断は、DLB International Workshopにおけるコンソーシアムによって確立されたガイドライン(I.G. McKeith、「Consensus guidelines for the clinical and pathologic diagnosis of dementia with Lewy bodies (DLB): report of the Consortium on DLB International Workshop」、J. Alzheimer's Dis. 2006年、第9巻、417〜23頁)に従う、症状および特性の臨床的評価に基づくが、上で説明されたように、これは、DLBの誤診をもたらす。ポジトロントモグラフィー(PET)および単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)などの画像化方法が利用可能であるが、これらの感度はあまり高いとはいえず、そして日常的な臨床用途のためには非常に高価である。初期の明確な診断は、疾患進行を軽減または停止するための治療上の余裕を与えるであろう。
DLBの患者を正確に同定するための遺伝子マーカーを探索する努力において、いくつかの試みがなされてきた。日常的な臨床診療におけるDLBの死亡前診断において、遺伝子試験は、非常に有用な手段であり、かつ実施が容易である。この意味において、DLBとの関連性を探索するために研究された幾つかのタンパク質および遺伝子は、α-7ニコチン性アセチルコリンレセプターサブユニット、オステオポンチン、一酸化窒素シンターゼ、ユビキチンカルボキシ末端ヒドロラーゼL1遺伝子、BDNF遺伝子またはβ-シヌクレイン遺伝子である。これらの多くは、実験室レベルで脳サンプルにおいて研究されており、患者の脳の生検試料を得ることが困難であるために、実際の臨床診断においては有用ではない。
ブチリルコリンエステラーゼ(BChE)は、肝臓で生成される糖タンパク質酵素である。ヒトの脳において、主にグリアにおいて、特に皮質構造および皮質下構造において見出されているが、なかでもニューロンにおいても見出されており、これらは認知機能に関与する。AD患者において、BChEは、アミロイド斑および神経原繊維濃縮体において見出される。この酵素は、有機リンおよびカルバメート化合物の解毒酵素として作用し、サクシニルコリン、アスピリンおよびコカインを加水分解する。ヒトの脳におけるBChEの機能は、十分に分かってはいないが、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)が減少しているか、または存在しない場合に、アセチルコリン(ACh)を加水分解することが知られている。これは、無呼吸罹患性(apnea susceptibility)を決定するためのマーカーである。現在までに、第3染色体上(3q26.1-q26.2)に位置しているBChE遺伝子において65の変異体が同定されている(例えば、F. Parmo-Folloniら、「Two new mutations of the human BCHE gene (IVS3-14T>C and L574fsX576)」Chemico-Biological Interactions 2008年、第175巻、135〜7頁)。
BChE遺伝子のエキソン4における突然変異A539Tの存在は、Werner KalowにちなんでK変異体と名付けられている。K変異体は、DNA配列(NCBI受託番号NG_009031)における68974位に対応するmRNAにおけるヌクレオチド1615における、グアニンからアデニンへのDNA変化に関連し、これは、アラニン539からトレオニンへのアミノ酸変更を生じる。
K変異体は、タンパク質のC末端に位置し、一方でその四量体化を担い、他方でβ-アミロイド原繊維の減衰を担う。血清中で、BChE K変異体は、血清BChE活性レベルを3分の1に低下させる。脳における主なBChEの機能は未知であるが、K変異体は、β-アミロイド原繊維形成の減衰の速度を低下させ、AD進行を加速すると考えられる。対照的に、τタンパク質は、AD患者においてリン酸化されにくく、少なくとも1つのKアリルを保有し、ADのための保護的メカニズムを表す。
多くの研究が、BChE遺伝子、特にBChE K変異体とADとの間の潜在的な関連性を調査してきた。ADについての主要な既知の遺伝子リスク因子であるアポリポタンパク質E遺伝子のε4アリル(ApoE4)とBChE遺伝子変異体との同時発現は、AD病理学に影響することが議論されている。いくつかの報告は、BChE野生型とApoE4遺伝子型との組み合わせを有する対象における、ADについてのリスクの増大を示す。他には、BChE KとApoE4との組み合わせは、ADについてのリスクを増大させたことが見出された。ADにおける認知低下の進行は、BChE遺伝子型によって影響を受けることが示されている。しかし、ADについてのリスク因子としても、進行マーカーとしても、BChE K変異体の役割についての決定的な結論は存在しない。
BChE遺伝子型とDLBとの潜在的な関連性もまた、研究されている。Singletonら(A.B. Singletonら、「Butyrylcholinesterase K: an association with dementia with Lewy bodies」、Lancet 1998年、第351巻、1818頁)は、対照と比較した、DLBにおけるホモ接合性BChE Kキャリアの出現頻度の増大を報告した。近年の研究は、PDD患者と比較した、DLB患者におけるBChE KおよびApoE4の出現頻度の増大を報告した(R. Laneら、「BuChE-K and APOE epsilon4 allele frequencies in Lewy body dementias, and influence of genotype and hyperhomocysteinemia on cognitive decline」、Mov. Disord. 2009年、第24巻、392〜400頁)。PDD対象よりもより高い割合のDLBが、さらなるAD型病変を有し、そしてさらなるAD型病変が、より早い認知低下をもたらすという仮説に基づき、著者は、この遺伝子型は、認知症の発症およびLBDにおける進行において重要であり得ると結論した。しかし、近年の研究は、BChE変異体と痴呆のDLB表現型との間には有為な関連性はないことを示す(例えば、W. Maetzlerら、「No differences of butyrylcholinesterase protein activity and allele frequency in Lewy body diseases」Neurobiol. Dis. 2009年、第35巻、296〜301頁)。
I.G. McKeith、「Consensus guidelines for the clinical and pathologic diagnosis of dementia with Lewy bodies (DLB): report of the Consortium on DLB International Workshop」、J. Alzheimer's Dis. 2006年、第9巻、417〜23頁 F. Parmo-Folloniら、「Two new mutations of the human BCHE gene (IVS3- 14T>C and L574fsX576)」Chemico-Biological Interactions 2008年、第175巻、135〜7頁 A.B. Singletonら、「Butyrylcholinesterase K: an association with dementia with Lewy bodies」、Lancet 1998年、第351巻、1818頁 R. Laneら、「BuChE-K and APOE epsilon4 allele frequencies in Lewy body dementias, and influence of genotype and hyperhomocysteinemia on cognitive decline」、Mov. Disord. 2009年、第24巻、392〜400頁 W. Maetzlerら、「No differences of butyrylcholinesterase protein activity and allele frequency in Lewy body diseases」Neurobiol. Dis. 2009年、第35巻、296〜301頁 M. Barrachinaら、「TaqMan PCR assay in the control of RNA normalization in human post-mortem brain tissue」、Neurochem Int 2006年、第49巻、276〜84頁 T.D. Schmittgenら、「Analyzing real-time PCR data by the comparative C(T) method」、Nat Protoc 2008年、第3巻、1101〜8頁
したがって、レビー小体の認知症を患う患者の正確な同定およびアルツハイマー病からの判別のための、一般的な臨床診療において使用される手段を提供する必要がある。
本発明者らは、レビー小体型認知症に罹患している患者であるか否かを決定し、そしてこれをアルツハイマー病と判別することを可能にする、BChE遺伝子における特異的な多型を見出した。
BChE K変異体とDLBとの間の関連性を見出すことを意図した、現行技術水準の文献が存在するが、以下で説明されるように、近年の研究は、有意な関連性は存在しないと考えている(例えば、W. Maetzlerら、前出)。驚くべきことに、本発明の発明者らは、K変異体の遺伝子型と、同時に発現するBChE遺伝子におけるさらなる3つの多型とから、DLBの診断についての具体的な情報が得られることを見出した。したがって、これらの遺伝子型の決定は、ADからDLBを判別するために有用であり、これらの2つの遺伝子型は、DLBについての特異的な遺伝子マーカーを構成する。
したがって、本発明者らは、遺伝子型の組み合わせは、DLBに罹患している患者のグループの同定およびADと判別をもたらすことを観察した。この組み合わせは、NCBI受託番号NG_009031中の3687位、4206位および4443位(すなわち、それぞれ配列番号1中の3687位、4206位および4443位)における多型部位、ならびに、NCBI受託番号NG_009031中の68974位(すなわち、配列番号26中の934位)における多型部位の遺伝子型によって形成される。
BChEヌクレオチド配列中の多型の位置は、プロモーターおよび遺伝子に対応するNCBI受託番号NG_009031のヌクレオチド配列から得られる。この配列は、2010年1月31日に公開された。
多型部位3687位、4206位、4443位は、プロモーター領域にある。これらの部位について、NCBIにおけるBChEの完全配列のヌクレオチド1〜ヌクレオチド5040由来の配列に対応する、配列番号1に対しても言及される。時に使用されるヌクレオチドの可能な番号付けは、転写開始を1位としてとり、したがって、この位置よりも上流のヌクレオチドは、負の位置である。転写開始位置1は、NG_0090031中の5001位に対応する。この記載と「負」の記載とにおいて使用される番号付けの間の対応は、ここで、以下の通りである:
A3687Gは、A-1314Gに対応し、
A4206Gは、A-795Gに対応し、
C4443Tは、C-558Tに対応する。
68974位における多型部位は、NG_009031のコード領域中にある。NG_009031の68041位から70020位までの領域は、配列番号26に含まれる。この領域のみを取り出して、ヌクレオチドは再度番号付けされ、結果として、完全遺伝子配列における68974位は、配列番号26における934位となる。この多型は、K変異体を生じるBChEのエキソン4におけるアミノ酸の変化に関連する。この位置はまた、この多型は異なる配列番号付け(シグナルペプチドを除いた成熟BChEタンパク質についてコードするmRNAの配列を言及する)によって1615であるという文献においても使用される。
以下の実施例において記載されるように、独立して評価されたBChE遺伝子における4つの多型それぞれとDLBとの間に何ら特別な関連性は見出されていない;しかし、驚くべきことに、これらの多型は、組み合せて、DLBについての特別な情報を与える。
したがって、本発明の1つの態様は、DLBの診断のためのインビトロの方法を提供し、この方法は、対象からの生物学的サンプルにおいて、ブチリルコリンエステラーゼ(BChE)遺伝子における以下の多型:NCBI受託番号NG_009031(すなわち、配列番号1)中の3687位における多型部位、配列番号1中の4206位における多型部位、配列番号1中の4443位における多型部位、NCBI受託番号NG_009031中の68974位(すなわち、配列番号26中の934位)における多型部位、の遺伝子型を決定することを含む。
以下の実施例において示されるように、AD(n=26)、純粋なDLB(n=12)、一般的なDLB(n=24)および対照(n=23)の死後サンプルを分析し、ならびに臨床的に診断したサンプルを、223のAD対象および160の対照である対象から得た。結果として、2つの関連のある遺伝子型組み合わせが記載される。
遺伝子マーカーの1つは、遺伝子型組み合わせ、AAAGCCK+である。これは、3687位(両アレルは、この位置においてアデニンを含む)、4206位(1つのアレルはアデニンを含み、他方はグアニンを含む)、4443位(両アレルは、シトシンを含む)、および68974位(2つのアレルのうち少なくとも1つは、アデニンを含む)における多型部位の特異的な遺伝子型によって構成される。痴呆患者におけるこの遺伝子型組み合わせの決定は、DLBの臨床診断を提供する特異的診断マーカーとして寄与するが、また、無症候性の個体におけるDLBについての初期診断マーカーとしても寄与し得る。
別の実施形態において、本発明は、遺伝子型組み合わせ、AAAAC+KWである遺伝子マーカーに関連する。これは、3687位(両アレルは、この位置においてアデニンを含む)、4206位(両アレルは、この位置においてアデニンを含む)、4443位(2つのアレルのうちの少なくとも1つは、この位置においてシトシンを含む)、および68974位(1つのアレルがアデニンを含み、他方はグアニンを含む)における多型部位の特異的遺伝子型によって構成される。痴呆患者におけるこの遺伝子型組み合わせの決定は、DLBの臨床診断を提供する特異的診断マーカーとして寄与するが、また、無症候性の個体におけるDLBについての初期診断マーカーとしても寄与し得る。
有利にも、DLBの大きな不均一性において、そして実施例に従い、本発明の方法は、さもなければADと診断されるであろうDLBの症例の30〜60%を特異的に検出することを可能にする。この患者の割合は、臨床診療において診断することは困難であり、疾患の開始から正確な診断を受ける。疾患の特異性は、96.8%である。これは、DLBについての第1の特異的マーカーを表す。
これまで、現行の技術水準において利用可能な手段は、臨床診療におけるDLBの特異的な同定を可能にしなかった。この方法において、対象がADと診断されている場合、対象は、神経遮断薬剤による治療を施される。この治療は、ADにおける精神病症状のために最も適した処置であるが、50%を超えるDLB患者は、この種の処置に対し副反応を示して、多くの症例において死を招く。本発明の方法は、DLBを患う患者に対し、不正確な治療のリスクなしに、医学界が適切な処置を適用することを可能にするので、重要である。したがって、本発明の方法を適用することにより、DLBについての診断特異性が上昇し、神経遮断薬剤による処置の副反応によって生じる死が低減される。
さらに、本発明の方法がDLBを有する患者を特異的に診断することを可能にするので、患者の所定の群を、臨床試験に含めることが可能である。
医学において「診断」とは、その見た目の徴候、症状および基礎的な生理学的/生化学的原因による、疾患または状態の認識の行動または過程を意味する。
この明細書において「遺伝子型の決定」とは、所定の位置におけるヌクレオチドを同定することを意味する。
この明細書において、「1つのアレルにおける所定のヌクレオチド」は、この遺伝子におけるヌクレオチドについて、ヘテロ接合性であることを意味し、「両アレルにおいて」は、このヌクレオチドがホモ接合性であることを意味する。
本発明に従い、この方法は、BChE遺伝子において示される多型の決定を含むが、また、同じ情報を与えるであろうこの多型による連鎖不平衡における多型をも決定する。集団遺伝学において、連鎖不平衡は2つ以上の遺伝子座におけるアレルの非ランダム結合であり、同一染色体上にある必要はない。
本発明の診断方法に従って、DLBの分析は、以下の通りである:認知症の発症が疑われる患者および/または最終的でない臨床家族評価を有する患者を、上述のBChE遺伝子の多型を決定する遺伝子試験によって診断する。DLB特異的遺伝子型を検出する場合、DLBを正確に診断するために、さらなる検査または試験の必要はない。遺伝子型決定を直接適用することは、日常的な臨床診療における費用の重要な節約を表す。
本発明の方法は、以下の疑いのある診断において有用である:ADの蓋然性対DLBの可能性;ADの可能性対DLBの蓋然性;ADの可能性対DLBの可能性;ADの蓋然性対DLB蓋然性;ADの蓋然性対ADの可能性;DLBの可能性;およびDLBの蓋然性。臨床医は、個人医療歴および家族医療歴を含む全患者の問診に基づき、行われた何らかの神経学的試験、精神医学的試験および研究室試験の結果と組み合せて、ADの可能性を診断する。医師は、患者が記憶低下の段階的進行を訴える場合、および記憶喪失と説明し得る何らかの他の状態を見出し得る場合、ADを予測しがちである。医師は、鬱または甲状腺機能低下症、卒中によって生じた神経損傷、または記憶の喪失を起こし得る何らかの投薬などの障害を探す。何らかの原因となる病気を明らかにすることができないことは、ADの可能性があることの決定を導く。ADの蓋然的がある者とは、アルツハイマーの可能性があることを超えた次の段階であり、医師が、この患者が疾患を有することを「比較的に確信する」ことを意味する。
有利にも、本発明の方法は、生検(この場合、脳組織ミクロ生検である)などの侵襲性の方法によってサンプルを得る必要なく、DLBの診断を可能にする。本発明の方法である遺伝子試験は、対象から採取された何らかの生物学的サンプルにおいて実施されるが、身体の任意の細胞型に適用可能である。詳細には、血液、上皮細胞および当該分野で公知の任意の他の可能性のある細胞供給源が、本発明の方法の範囲内でサンプルとして使用され得る。
別の実施形態において、遺伝子型の決定は、プライマー特異的多重PCRおよびそれに続く検出、多重アレル特異的プライマー伸長、マイクロアレイに基づく方法、および動的アレル特異的ハイブリダイゼーションからなる群より選択される技術の1つによって実施される。詳細な実施形態において、これは、プライマー特異的多重PCRおよびそれに続く検出によって実施される。あるいは、個々のPCR増幅反応は、異なる多型部位およびK変異体の遺伝子型の増幅のために実施されてもよい。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、核酸のインビトロ増幅のために、最も広範に使用される方法である。PCRは、リアルタイムPCRであってもよく、ここでは、標識されたプローブによる標的遺伝子型の存在の検出が、最も即時的な増幅である。
標的多型の増幅は、多重のプライマー特異的PCR、およびその後のポリアクリルアミド電気泳動による検出、遺伝子分析器による分析、または特異的プローブによるハイブリダイゼーションによって、実施され得る。あるいは、種々のPCR反応が実施され得、続いてアガロースゲル電気泳動、配列決定または特異的プローブを用いてハイブリダイゼーションされる。好ましくは、特異的プローブは、マイクロアレイに固定化され得る。
遺伝子型の決定は、アレル特異的プライマー伸長(ASPE)によって実施され得る。これは、1本のチューブ内で多数のSNPをアッセイするために使用され得る配列特異的酵素反応技術である。ASPE方法は、2相を含み、標的遺伝子型を決定する酵素的反応および、それに続く検出のための固体ミクロスフェア表面上の捕捉である。溶液相動態学の利点をとり、この技術は、配列標識されたミクロスフェアを新たなテンプレートを検出するために使用することを可能にする。これは、アレル特異的オリゴヌクレオチドに結合した適切な捕捉配列の助けにより、なされる。
必要に応じて、検出は、任意のメカニズムによって堆積したオリゴヌクレオチドによって作製されたDNAバイオチップ/マイクロアレイによって実施され得、このDNAバイオチップは、写真平版または任意の他のメカニズムによってインサイチュで合成されたオリゴヌクレオチドによって作製される。標的増幅または複雑性の軽減を必要としない、全ヒトゲノムDNAにおける多重SNP遺伝子型決定を可能にするマイクロアレイに基づく方法もまた、BChE多型の遺伝子型決定のために使用され得る。この直接的SNP遺伝子型決定の方法論は、酵素を必要とせず、金ナノ粒子プローブの高い感度に依存する。特異性は、アレル特異的表面固定化捕捉プローブおよび遺伝子特異的オリゴヌクレオチド官能性付与金ナノ粒子プローブに対する、二連のオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションに由来する。このアッセイ様式は、「ポイントオブケア」における多重SNPプロファイリングへの適合をねらった、単純、迅速かつ強固な検査である。
さらに、遺伝子型の決定は、いくつかの実験室におけるスループットSNP遺伝子型決定の基礎を表す、動的アレル特異的ハイブリダイゼーション(DASH)によって実施され得る。DASHの主要な中枢的反応は、DNA変性の過程におけるアレル特異的相違のリアルタイム(動的)追跡である。これを達成するために、オリゴヌクレオチドプローブは、まず、全てのゲノタイピング方法の必然的な必須構成要素である、標的DNAに対してハイブリダイズされる。標的DNAは、固相表面上に固定化されたPCR産物の1本鎖を含み、そして標的アレルの1つに相補的な1本のプローブが、使用される。このアッセイ概念は、非常に正確である(99.9%を超える正確性)ことが示された。
第2の態様において、本発明は、上で定義された方法を実施するためのキットを提供し、このキットは、BChE遺伝子における多型の遺伝子型を決定するために適切な手段を含む。
詳細には、このキットは、アンプリコンを生成可能なプライマーを含み、このアンプリコンは、配列番号1の3687位、4206位および4443位における多型、および配列番号26の934位における多型を含む。より詳細には、プライマーは、実施例において記載されるように、配列番号8〜19からなる(Table 2(表2))。これらのプライマーを用い、キャピラリー電気泳動によって大きさで分離され得る4つのアンプリコンが得られる。
詳細な実施形態において、このキットは、プライマー特異的多重PCR増幅を実施するための適切な手段を含む。プライマーは、異なるフルオロフォアで標識され、これは、生成された4つのアンプリコンの同定を可能にする。
本発明によって提供されるキットは、DLBに罹患している患者を同定し、それによって、前記患者をADに罹患している他の患者と判別するために、慣用的な臨床診療において使用され得る。本発明のキットにより、臨床医は、DLBに罹患している患者に対し、より個体に合わせリスクに適応した処置戦略を適用することが可能になる。
別の態様において、本発明は、DLBの診断のための、上述のキットの使用に関する。
本発明はまた、BChE遺伝子における上述の多型の遺伝子型を分析することによって、対象が神経遮断薬剤による処置に対して応答するか否かを決定する方法をも言及する。この方法が、患者がDLBまたはADのいずれに罹患しているかを決定することを可能にするため、適切な処置を施すことができる。
BChE過剰発現が、DLBにおいて予測されるので、通常の処置は、コリンエステラーゼインヒビターの投与である。高いBChEレベルを有する患者において、この処置は、成功するであろう。対照的に、AAAGCCK+またはAAAAC+KWの遺伝子型組み合わせを保有する患者は、この処置には応答しないであろう。
本明細書および特許請求の範囲を通して、語「含む(comprise)」およびこの語の変形、例えば「含んでいる(comprising)」は、他の技術的特徴、付加物、構成要素または工程を除外することを意図しない。本発明のさらなる目的、利点および特徴は、本明細書の試験の際に当業者に明らかになるか、または、本発明の実施によって学ばれ得る。さらに、本発明は、ここで記載される特定のおよび好ましい実施形態の全ての可能な組み合わせを含む。以下の実施例および図面は、説明のために提供され、本発明を制限することを意図しない。
図1は、DLBサンプルの前頭皮質におけるBChE発現レベルを示す。1に近い発現レベル(EL)は、遺伝子型組み合わせAAAGCCK+が観察される対照における発現レベルに類似する。遺伝子型組み合わせAAAAC+KWの一部である、KW遺伝子型を有するDLB脳は、前頭皮質においてなお低いBChE発現レベルを示す。遺伝子型組み合わせAAAGCCK+も遺伝子型組み合わせAAAAC+KWも有さない全てのDLB脳は、前頭皮質においてBChEを過剰発現する。
実施例
死後サンプル
その臨床学的および神経病理学的な診断を伴う死後前頭皮質サンプルを、地域の倫理委員会の確立された規則に従って、University of Barcelona Neurological Tissue Bankおよびthe Bellvitge Institute of Neuropathology Brain Bank (BrainNet Europe)によって得た。これらは、24の脳が一般的レビー小体疾患(cLBD)と関連付けられ(死亡年齢: 79.9歳、年齢範囲64歳から90歳まで;女性:男性比は1.5:1)、12の脳が純粋なレビー小体型認知症(pDLB)と関連付けられ(死亡年齢: 74.4歳、年齢範囲60歳から80歳まで;女性:男性比は1:2)、26がAD脳であり(死亡年齢: 78.1歳、年齢範囲61歳から95歳まで;女性:男性比は1:1.1)および23が対照脳であった(死亡年齢: 68.5歳、年齢範囲54歳から83歳まで;女性:男性比は1:1.1)。
神経病理学的試験は、全てのAD脳は、AD Braakを示し、BraakステージVIであったことを明らかにした。BraakおよびBraakは、脳におけるADを評価し、定量するステージ決定である。アミロイド斑および神経原繊維濃縮体の密度を評価するために、神経病理学者によって使用されている。BraakおよびBraakに従うADステージI〜VI:神経原繊維濃縮体;A〜C:アミロイド斑である。cLBDサンプルの2つがBraakおよびBraakステージIIIに相当し、3がBraakおよびBraakステージIVに相当し、残る19のサンプルは、ステージVおよびVIであった。pDLB脳において、BraakおよびBraakステージ0〜IIが検出され、対照サンプルにおいては、AD関連の変化はなかった。したがって、AD脳も対照脳も、PD関連の病理学を示さず、全てのpDLBならびにcLBDサンプルは、BraakおよびBraakに従う分類に従うPD関連の変化に相当するステージ5および6を示した。
臨床診断サンプル
血液サンプルを、我々のHospital Germans Trias i Pujolのthe Department of NeurologyにおいてNINCDS-ADRDAおよびDSM-IV基準に従って診断された、223のAD患者から得た(年齢:71.1歳;年齢範囲49歳から86歳まで;女性:男性比、1:1.6)。さらに、59人の年齢が合致した対照である対象(年齢:68.8歳;年齢範囲46歳から91歳まで;女性:男性比、1:1.5)。
さらなる実験において、160人の年齢が合致した対照である対象のサンプル(年齢:68.8歳;年齢範囲46歳から91歳まで;女性:男性比、1:1.5)を取った。この病院からの倫理委員会の認可および署名したインフォームドコンセントを得た後、研究を実施した。
DNA抽出
凍結脳サンプル由来のDNAを、TRI試薬の使用により、製造業者の指示に従って抽出した。TRI試薬溶液は、フェノールとグアニジンチオシアネートとを合わせた単層溶液であり、これは、同じサンプルからのRNA、DNAおよびタンパク質の連続的抽出のために使用される。
純度および濃度の分光光度計決定の後、DNAサンプルを、使用まで4℃で保存した。血液からのDNA抽出を、ガラスフィルター膜上のDNA結合に基づき、標準的手順によって実施した。
BChEプロモーター配列決定
BChEプロモーター配列は、約5000bpによって構成されるため、3つの重複するPCR断片を、その配列分析のために増幅した。PCR1(プライマーBChEprom1UAおよびBChEprom1L;Table 1(表1))は、838bp断片は、-1869位から-1031位までに及ぶ。PCR2(プライマーBChEprom2UAおよびBChEpromS6;Table 1(表1))において、837bp断片は、-1152位から-315位におよび、PCR3(プライマーBChEprom2UBおよびBChEprom2L;Table 1(表1))において、688bp断片は、-473位から+231位までで得られた。最終容量15μlのPCR反応は、1.7mM MgCl2、200μMの各dNTP(Ecogen)、2pmolの各プライマー、1単位のEcoTaq DNAポリメラーゼ(Ecogen)および約300ngのDNAを含んでいた。PCR1についてのアニーリング温度58℃およびPCR2および3についてのアニーリング温度60℃の標準的PCRプログラムを、PCR1について30サイクルおよびPCR2および3について35サイクル続けた。
PCR産物を、ExoSap-ITキット(GE Healthcare)の使用によって精製した。配列決定反応を、BigDye(BigDyeTM Terminator対1.1 Cycle Sequencing Kit、Perkin Elmer)、それぞれ10pmol/μlのプライマーおよび3.5μlの精製PCR産物によって実施した。サイクル配列決定およびDNA析出の後、配列を、ABI PRISMTM3100(Perkin Elmer)上で得た。
BChEプロモーター多型の分析
4つの新規な多型を、BChE遺伝子のプロモーター領域において見出した。これらのうち3つならびに周知のK変異体多型を、突然変異特異的PCR(MS-PCR): A3687G、A4206G、C4443TおよびBChE-Kを用いて研究した。最終容量15μlの各PCR反応は、1.7mM MgCl2、200μMの各dNTP(Ecogen)、それぞれ2pmolの3つのプライマー(Table 2(表2))、1単位のEcoTaq DNAポリメラーゼ(Ecogen)および300ngのDNAを含んでいた。A3687G、BChE-Kの場合に62℃のアニーリング温度、およびA4206G、C4443Tの場合に57℃のアニーリング温度で35サイクルの、標準的PCRプログラムで、増幅を実施した。得られたPCR断片を、高分解能アガロースゲル上で分離した。BChE A3687G多型のAアレルを、153bp断片により、Gアレルを133bp断片により、表した。Kアレルを、149bp断片によって表し、K変異体多型由来のアレルに対応する野生型を、169bpのバンドによって表した。BChE A4206G多型のAアレルは、124bpの長さであり、Gアレルは、104bpの長さであった。最後に、C4443T多型の場合において、Tアレルは145bp断片に相当し、Cアレルは125bp断片に相当した。
統計学的分析
対応分析(CORRESPONDENCE、Version 1.1、Data Theory Scaling System Group (DTSS)、Faculty of Social and Behavioral Sciences, Leiden University、The Netherlands)は、神経病理学的に診断された患者群の場合において、対応表の取得を可能にした。両患者群(神経病理学的に診断された群および臨床的に診断された群)を、SSPS version 11.0によって計算した。
臨床診断と神経病理学的診断との合致
臨床的診断と神経病理学的診断との両者の間の合致を、the Neurological Tissue Bankから得られたサンプルにおいてまず分析した。したがって、AD患者の100%で、その臨床診断および神経病理学的診断が一致したが、DLBの診断を受けたpDLBの患者の42%がDLBであるとの診断を受け、cDLB患者の17%のみが、DLBであると臨床的に診断された。さもなくば、患者の62%が、ADであると診断されており、21%が他の認知症関連障害に対応していると診断された。この観察は、cDLBについての診断基準の欠如と完全に相関している。
結果
BChE K変異体に関連する特徴および疾患
BChE K変異体は、68974位におけるgからaへの1ヌクレオチド置換からなり、ここで、gアレルは、W(野生型)と呼ばれ、aアレルは、K(変異型)と呼ばれる。この分析の興味深い知見は、対照と比較した場合の、cLBD、ならびにまたpDLDおよびADにおける遺伝子型を有するKアレルの過剰抑制であった(cLBDにおいて0.62、pDLBにおいて0.42、およびADにおいて0.38、対して対象において0.13、それぞれp<0.001、p=0.090およびp=0.058)。さらなる遺伝子型分析は、KW遺伝子型がADおよび対照において類似の頻度を示し、pDLBにおいて僅かに高いが、cLBDサンプルの約3分の1がKW遺伝子型キャリアであったことを明らかにした(Table 3(表3))。H変異体もJ変異体も研究したサンプル中に存在しなかったが、A変異体保有遺伝子型は、種々の疾患において非常に低い頻度で見出された(cLBDにおいて0.04、pDLBにおいて0.08、およびADにおいて0.04、対して対照において0;それぞれ、p=1、p=0.34およびp=1)。
BChEプロモーター多型に関連する特徴および疾患
3つのBChEプロモーター多型は、1ヌクレオチド変化であった:3687位において、Aは、Gに変わり;4206位において、Aは、Gに置換され、そして4443位において、CからTに置換された。
この多型が、疾患特異的関連性を示すことを確かめるために、このプロモーター多型についてのアレル頻度および遺伝子型頻度を、神経病理学的に診断された脳サンプル(cLBD、pDLB、ADおよび対照を含む)において決定した。最初に、この多型を、独立に分析し、次いで、遺伝子型組み合わせの存在もまた、試験した。
A3687G多型の研究は、cLBD、pDLBおよび対照と比較した場合に、ADにおけるAA遺伝子型の約3倍の増大を明らかにした(ADにおいて0.54、対してcLBDにおいて0.21、p=0.152; pDLBにおいて0.16、p=0.298および対照において0.13、p<0.001)。対照的に、A4206G多型に対応するGアレル保有遺伝子型は、対照と比較して、cLBD、pDLBならびにADにおいて蓄積した(cLBDにおいて0.33、pDLBにおいて0.17、およびADにおいて0.23、対して対照において0.04、それぞれp=0.023、p=0.262およびp=0.105)。Gアレル保有遺伝子型の蓄積は、疾患特異的ではなかったが、対照においてGアレル保有遺伝子型はほとんど存在しなかったので、この蓄積は、何らか重要であると考えられる。C4443T多型に対応するCC遺伝子型は、cLBDおよび対照と比較した場合に、pDLBにおいて非常に低い頻度で存在する。逆に言えば、TC遺伝子型の頻度は、ADと比較してpDLBおよびcLBDの両方においてほぼ2倍高く、また、対照よりも有意に高かった。
遺伝子型組み合わせの分析
対応分析
3つのBChEプロモーター多型から得られた遺伝子型組み合わせ(GenComb):(1)3687位における1314AA(多型:A3687G)、(2)4206位における795AG(多型:A4206G)、(3)4443位における558CC(多型:C4443T)、およびBChE-K(68974位におけるKWまたはKK(エキソン4における一般的多型KW)を、対応分析によって研究した。対応表(Table 4(表4))における結果の表示は、疾患特異的遺伝子型組み合わせの容易な検出を可能にする。
一般的遺伝子型組み合わせ
まず、全体分析は、27の異なるGenCombの存在を明らかにした(Table 3(表3))。これらのほとんど(59%)は、1または2のサンプルのみに存在したが、その頻度は、非常に低かった(0.01および0.02)。最も高頻度な両GenComb(18番および24番)は、全サンプルの32.9%を表し、全ての群において類似の頻度で存在した。
疾患特異的遺伝子型組み合わせ
疾患によって分析した場合、2つの重要な疾患特異的GenCombが、検出される。一方で、GenComb AAAATTWWは、ADサンプルのみにおいて、比較的高い頻度である0.19で存在する。
遺伝子型組み合わせ9および10を合わせ、これらを一般的GenComb AAAGCCK+として定義する場合、このGenCombは、LBDにおいて見出される最も高頻度な(0.17)疾患特異的GenCombである。
臨床サンプルにおける遺伝子型組み合わせの分析
死後サンプルの研究によって得られたデータを確認するために、223のAD患者の群および160の対照個体の群からなる臨床サンプルもまた研究した。AD患者は、1998〜2002年の間に診断されているが、臨床的DLB診断についての最新のガイドラインは、2005年に確立されたため、これらのAD患者の20〜40%は、誤診されたDLB患者であると予測され得る。
対応分析
得られたGenCombの分布を、対応表に示す(Table 5(表5))。GenCombは、4つの多型によって構成されることを考慮すると、非常に驚くべきことに、383個体によって構成されたサンプル中に、わずか25の異なるGenCombしか見出されなかった(Table 5(表5 ))。検出された全GenCombの63.6%が、両サンプルにおいて一致した。
一般的遺伝子型組み合わせ
4つの最も高頻度なGenCombのうち3つは、両サンプルにおいて一緒であった:0.33の頻度を有するのに対し、死後サンプルにおいて0.16であった組み合わせ25(Table 4(表4)における24)、0.15の頻度を有するのに対し、死後サンプルにおいて0.16であった組み合わせ19(Table 4(表4)における18)、0.11の頻度を有するのに対し、死後サンプルにおいて0.11であった17(Table 4(表4)における16)、ならびに0.13の頻度を有するのに対し、死後サンプルにおいて0.03であった組み合わせ16(Table 4(表4)における15)(Table 5(表5))。
疾患特異的遺伝子型組み合わせ
死後サンプルにおいてDLB特異的およびAD特異的であると認められたGenCombの分布を分析した時、GenComb AAAATTWWを、AD患者の2%のみにおいて検出しただけでなく、対照個体の3.1%においても検出した(Table 5(表5))。これらの頻度は、AAAATTWWが、疾患マーカーと考えるには好適ではないことを示した。
GenComb AAAGCCK+を、ADにおいて0.05の頻度で、そして対照群において0.02の頻度で見出した(Table 5(表5))。
AD患者が約8年前(DLB診断についての新たなガイドラインの確立のずっと前)に臨床的に診断されていることを考慮し、GenComb AAAGCCK+を有する11人の患者の臨床歴を見直した。11人全てが、DLBに当てはまる少なくとも1つの徴候を示し、AAAGCCK+がDLBの可能性のマーカーであることを実証した。
さらに、AD患者群の20〜40%がDLB患者と誤診され得たことを考慮した場合、AAAGCCK+の疾患特異的頻度は増大し、15〜30%の範囲であろう。AAAGCCK+の特異性は、98.1%であり、感受性が15〜30%である。
相対的BChE発現に依存する遺伝子型組み合わせ
DLB-AAAGCCK+キャリアについての潜在的な特異的特性を検出するため、22のDLBサンプルの前頭皮質におけるBChE発現レベルを、13のADサンプルおよび12の対照サンプルと比較して決定した。
RNA単離および逆転写
TRI試薬(MRC、Cincinnati、USA)を用いて、製造業者の指示に従い、RNA単離を行った。簡潔に言えば、100mgの組織サンプルを、1.0mlのTRI試薬中に滅菌ピストンを入れた1.5mlチューブ中でホモジナイズした。ホモ接合体を室温で5分間インキュベートし、次いで12,000gで10分間で4℃にて遠心分離して、不溶性材料および高分子量のDNAをペレット化した。相分離後、RNAをイソプロパノールで析出させ、適切な容量のDEPC処理水中に再懸濁した。RNA量を、A260における分光光度計で決定し、RNA純度を260nmおよび280nmにおける光学密度比から確認した。RNAインテグリティ(RNA integrity)を、the Agilent 2100 Bioanalyzer(Agilent Technologies、Santa Clara、USA)の使用によって確認した。6よりも高いRIN値を有するサンプルのみを、-80℃にて使用まで保存した。
第1鎖cDNA合成を、Ready-to-goTM You-Prime First-Strand Beads(Amersham Pharmacia Biotech、Uppsala、Sweden)を用いて実施した。2mgのRNAを、ランダムヘキサマーおよび第1鎖ビーズと共に、37℃で1時間にわたりインキュベートした。得られたcDNAは、PCRのために直ちに使用されるか、または-20℃にて使用まで保存されるかのいずれかであった。
リアルタイムPCR
BChE mRNAの相対的発現を、Rotor-Gene 6000(Corbett Life Science、Sydney、Australia)を用いて決定した。QuantiTect SYBR Green PCR Kit(QiaGen、Hilden、Germany)を使用し、プライマー-ダイマー含量を最小化した。15mlの反応液は、さらに、16pmolの各プライマー(BChE 2U GAGTAGATCCATAGTGAAACGG、配列番号20およびBChE 6LRNA CAGCGATGGAATCCTGCTTT、配列番号21)および1mlのcDNAを含んでいた。相対BChE量を研究するために、2つのハウスキーピング遺伝子もまた、分析した:βアクチン(プライマー:β-アクチンU2 TCTACAATGAGCTGCGTGTG、配列番号22およびβ-アクチンL3 TAGATGGGCACAGTGTGGGT、配列番号23)ならびにβグルクロニダーゼ(GUS;プライマー:GUS-U1 ATGTGGTTGGAGAGCTCATT、配列番号24およびGUS-L2 TGTCTCTGCCGAGTGAAGAT、配列番号25)(M. Barrachinaら、「TaqMan PCR assay in the control of RNA normalization in human post-mortem brain tissue」、Neurochem Int 2006年、第49巻、276〜84頁)。
15分間の変性工程の後、BChE、GUSおよびβ-アクチンの全てについて30秒間の56℃でのアニーリングを行い、標準的72℃の伸長の間の蛍光データを得た。最終的な融解分析を、全ての産物について行い、特異的増幅を決定した。相対的発現データを、相対的遺伝子発現を分析するための類似のPCR効率の推定に基づき、deltadelta Ct方法によって達成した(T.D. Schmittgenら、「Analyzing real-time PCR data by the comparative C(T) method」、Nat Protoc 2008年、第3巻、1101〜8頁)。したがって、各遺伝子についての異なるプライマー対およびイソ型を試験し、類似の効率で増幅される100〜150塩基対の長さを有する断片を得た。PCR効率は、各ランにおいて変動し得るので、標準曲線を、最初のランにおいてのみではなく、各回に含めた。正しい標準曲線と類似の効率を有するランのみ(R>0.99およびR^2>0.99)が、さらなる分析のために好適であった。標準曲線を、同じ連続的に希釈したcDNA対照サンプルを増幅することによって、作成した。全てのアッセイを2回、独立して実施し、各ランにおいてさらに陰性対照を含めて、再現性および起こり得るエラーの最小化を保証した。
結果
主な相対的発現分析は、対照と比較した、DLBにおける僅かな有意ではないBChE発現の増大:1.53(1.13〜2.07)を明らかにしたが、ADにおいては認められなかった:1.26(1.17〜1.36)。特に、DLBの症例は、広範な分散推定量を示した。BChE発現をGenCombに依存して分析した場合、DLB-AAAGCCK+-キャリア(n=3)および対照サンプルは、類似のBChE発現レベルを示したことを見出した(FIG. 1)。KW遺伝子型を有するDLBサンプル(n=7)もまた、対照と類似したBChE発現レベルを示した。
対照的に、残りの全てのDLBサンプル(n=12)は、顕著なBChE過剰発現を示した(FIG. 1)。分散推定量の範囲は、DLB群、AAAGCCK+-キャリアの群およびKW-キャリアの群の3つ全てならびに残りのサンプルの群において、非常に低かったことに言及することが、重要である。
DLBは、ADより高いコリン作動性欠損によって特徴付けられることが記載されているので、BChE発現は、DLBにおいて特に増大されることが予測される。実際、本研究は、全てのDLB患者の約60%が、3倍を超えるBChE過剰発現を示すことを明らかにする。代わりに、患者の残りは、BChE遺伝子型組み合わせ/低BChE発現レベルに関連する遺伝子型のキャリアである(FIG.1)。
第2のDLB特異的BChE遺伝子型組み合わせの同定
BChE発現分析の結果に基づき、全ての遺伝子型組み合わせを、臨床サンプルにおいて再分析した。KW遺伝子型のキャリアを、AD群および対照群の両方において類似した頻度で見出した。代わりに、GenComb AAAAC+KWは、AD群の11人の患者(0.05の頻度)、および対照群の2個体(0.012の頻度)において存在した。臨床歴の見直しはまた、それら全てにおいて、DLBに合致する症状を明らかにした。
GenComb AAAGCCK+と同様に、AD群の20〜40%であることを考慮すると、実際のDLB患者は、AAAAC+KW-頻度が15〜30%の範囲であろう。AAAAC+77KWの特異性は98.7%であり、その感受性は15〜30%の間である。
次いで、両GenCombを合わせた場合、BChE遺伝子型組み合わせAAAGCCK+およびAAAAC+KWの試験は、DLB症例の30〜60%の検出を、96.8%の特異性で可能にする。

Claims (14)

  1. レビー小体型認知症の診断のためのインビトロ方法であって、対象由来の生物学的サンプルにおいて、ブチリルコリンエステラーゼ(BChE)遺伝子における以下の多型:
    NCBI受託番号NG_009031(すなわち、配列番号1)中の3687位における多型部位、
    配列番号1中の4206位における多型部位、
    配列番号1中の4443位における多型部位、および
    NCBI受託番号NG_009031中の68974位(すなわち、配列番号26中の934位)における多型部位
    の遺伝子型を決定するステップを含む、方法。
  2. 前記遺伝子型が、
    3687位において両アレルはアデニンであり、
    4206位において1つのアレルはアデニン、他方のアレルはグアニンであり、
    4443位において両アレルはシトシンであり、
    68974位において1つのアレルはアデニンであり、
    この遺伝子型が、レビー小体型認知症の指標であり、アルツハイマー病と判別する指標である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記遺伝子型が、
    3687位において両アレルはアデニンであり、
    4206位において両アレルはアデニンであり、
    4443位において1つのアレルはシトシンであり、
    68974位において1つのアレルはアデニン、他方のアレルはグアニンであり、
    この遺伝子型が、レビー小体型認知症の指標であり、アルツハイマー病と判別する指標である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記遺伝子型の決定が、個々のPCR増幅反応、プライマー特異的多重PCRおよびその後の検出、多重アレル特異的プライマー伸長、マイクロアレイに基づく方法、および動的アレル特異的ハイブリダイゼーションからなる群より選択される技術の1つによって実施される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記決定が、プライマー特異的多重PCRによる増幅およびその後の検出によって実施される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記検出が、特異的プローブによるハイブリダイゼーションによって実施される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記特異的プローブが、マイクロアレイに固定される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記生物学的サンプルが、血液サンプルである、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記生物学的サンプルが、上皮細胞サンプルである、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を実施するためのキットであって、BChE遺伝子における多型の遺伝子型を決定するための適切な手段を含む、キット。
  11. アンプリコンを生成することが可能であるプライマーを含み、前記アンプリコンが、配列番号1の3687位、4206位および4443位における多型、ならびに配列番号26の934位における多型を含む、請求項8に記載のキット。
  12. 前記プライマーが、配列番号8〜19からなる、請求項11に記載のキット。
  13. 前記プライマーが、フルオロフォアによって標識され、前記キットが、プライマー特異的多重PCRを実施するための試薬を含む、請求項10から12のいずれか一項に記載のキット。
  14. 請求項10から13のいずれか一項に記載のキットの、レビー小体型認知症の診断のための使用。
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