JP2014517042A - ベンダムスチンおよび/またはリツキシマブと共にピリドピリミジノンpi3k/mtor阻害剤を使用する、悪性血液疾患を治療するための併用療法 - Google Patents

ベンダムスチンおよび/またはリツキシマブと共にピリドピリミジノンpi3k/mtor阻害剤を使用する、悪性血液疾患を治療するための併用療法 Download PDF

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Abstract


本発明は、化学式Iの化合物:
Figure 2014517042

を、ベンダムスチンおよびリツキシマブのうちのひとつ、または両方との組み合わせで投与することを含む悪性血液疾患を含む癌を治療する方法を提示する。
【選択図】 なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は2011年6月15日に出願された米国仮特許出願第61/497,356号、2011年7月21日に出願された米国仮特許出願第61/510,324号、および2012年6月1日に出願された仏国特許出願第1255114号の優先権を主張し、それらのすべては参照により本明細書に援用される。
非ホジキンリンパ腫(NHL)は米国で年間59,000人が新たに発症する、5番目に多い癌であり、全体で41%もの高い死亡率となっており、NHLの患者の5年生存率、および10年生存率もそれぞれ65%と54%となっている。B細胞リンパ腫は最も普遍的にみられる形態であり、すべてのケースの約85%を占めており、侵攻性および緩慢性の、組織学的なサブタイプが含まれる。侵攻性B細胞リンパ腫には、びまん性大型B細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫およびバーキットリンパ腫が含まれる。濾胞性リンパ腫、辺縁性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫およびリンパ形質細胞性リンパ腫は、緩慢性B細胞リンパ腫とみなされている。NHLのすべてのサブタイプは、同様の方法で病気分類され、最も頻繁に使用される病気分類システムはAnn Arbor病気分類システムである(American Cancer Society, 2010)。
濾胞性リンパ腫(FL)は、新たにリンパ腫と診断されるすべての患者の約20〜25%を占める、最も普遍的な緩慢性リンパ腫である(Armitage et al, 1998; International Lymphoma Study Group, 1997)。FLのすべての患者に対する平均生存期間は、7〜10年である。過去10年の間に、10年生存率は52%から72%へと改善された(Pulte et al, 2008)。通常、FLはCD−10陽性に染まり、また、t(14;18)の結果として、BCL−2タンパク質をしばしば発現する。有害因子としては、4を超えるリンパ節転移、乳酸脱水素酵素の上昇、年齢が60歳超、進行期および12g/dL未満のヘモグロビンが挙げられる(Solal-Celigny et al, 2004)。Fcy/RIIIの多型は、リツキシマブへの応答と関連する可能性があり、微小環境中の宿主T細胞もまた、転帰に影響を与えうる(Relander et al, 2010)。
辺縁性リンパ腫(MZL)はまれであり、節外性MZL(MALTリンパ腫)、節性リンパ腫および脾臓MZLからなる異種の疾患群である(NCCN, 2010)。MALTリンパ腫はすべてのNHLの5〜7%を占め、胃または非胃部位に発生し、胃壁が最も多い部位である(ILSG, 1997; Morton et al, 2006)。リンパ形質細胞性リンパ腫(または、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症とも呼ばれる)は、骨髄における過剰なリンパ形質細胞、イムノグロブリンM(IgM)の過剰産生および肝臓および脾臓を含む、内臓への転移に特徴付けられる(NCCN, 2010)。
慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)は、成人の白血病の35%を占め、2〜20年という様々な生存期間の自然経過をたどる(ACS, 2010)。CLL/SLLは、骨髄、末梢血およびリンパ節において機能不全のリンパ球が進行性に蓄積することで特徴付けられる、B細胞モノクローナルな疾患である。CLL/SLL細胞の免疫表現型としては、CD19、CD5、CD20、CD23の発現、および細胞表面イムノグロブリンの低レベルが挙げられる。イムノグロブリン重鎖可変領域(IgVH)遺伝子における核型異常および体細胞超変異(SHM)が、患者の80%において、蛍光in situハイブリダイゼーション法(FISH)により検出され、疾患全体の転帰を最も予測できるマーカーである(NCCN, 2010)。最も多い細胞遺伝学的な異常は、del(13q)であり、疾患は比較的良性またはゆっくりと進行する。del(11q)の存在は、全生存期間の中央値が6〜7年の負の予測因子である。同様に、del(17p)も、非常に悪い予後不良の指標である。この亜群は、全生存期間の中央値がわずか2〜3年であり、最近の治療法の進歩により利益を得ているとは思われない。変異していないIgVH遺伝子を有する患者は、着実に進行する疾患を有し、2〜3年以内の治療を必要とする傾向にある。変異したIgVH遺伝子を有する患者は、消極的な治療、または治療を必要としない、より緩慢な疾患の経過をたどる(Hamblin et al, 1999; Sulda, 2010)。
悪性血液疾患の治療は、近年、進歩している。たとえば、緩慢性非ホジキンリンパ腫(iNHL)に対する、新たないくつかの治療選択肢がある(NCCN, 2010)。しかしながら、リンパ腫の一部のタイプ(たとえば、マントル細胞リンパ腫(MCL)およびびまん性大型B細胞リンパ腫(DLBCL))は、進行が速い侵攻性パターンを示し、依然として治療が困難である。同様に、特異的な遺伝子変異を標的とする、最も効果的な薬剤に対し、不適格となってしまう多くの対象を有する白血病の患者は、いまだに多いままである。さらに、再発および難治性(R/R)MCLの治療は、いまだに困難なものとなっている。
ゆえに、悪性血液疾患を治療するための、臨床的に有効な剤に対する必要性は、いまだに存在する。
従って、以下の化学式Iの化合物:
Figure 2014517042
またはその薬学的に許容可能な塩、または化学式Iの化合物の治療有効量を含有する医薬組成物の治療有効量を、リツキシマブおよびベンダムスチンのうちの一つ、または両方と組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む、癌の治療法であって、前記化学式Iの化合物が、
は、水素、任意選択的に置換アルキル、任意選択的に置換シクロアルキル、任意選択的に置換シクロアルキルアルキル、任意選択的に置換アリール、任意選択的に置換アリールアルキル、任意選択的に置換ヘテロシクロアルキル、任意選択的にヘテロシクロアルキルアルキル、任意選択的に置換ヘテロアリールまたは任意選択的に置換ヘテロアリールアルキル、
は、水素またはアルキルであって、アルキルは任意選択的に1、2、3、4または5つのR基と置換され、
Xは、−NR−、
は、水素、
は、任意選択的に置換アルキル、
は、水素、および、
は、フェニル、アシル、またはヘテロアリールであり、ここでフェニルおよびヘテロアリールは、任意選択的に1、2、3、4または5つのR基と置換され、
各Rは、存在した場合、独立して、ヒドロキシ、ハロ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノアルキル、またはアルコキシアルキルアミノであり、および、
各Rは、存在した場合、独立して、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニル、アミノアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールであり、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、およびヘテロアリール(それぞれが、単独またはR内の他の基の一部としてのいずれか)は、独立して、任意選択的に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される、1、2、3または4つの基と置換される、
方法を提示する。
一つの実施態様において、癌は、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫(FL)、辺縁性リンパ腫(MZL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)/小リンパ球性リンパ腫およびリンパ形質細胞性リンパ腫を含むB細胞リンパ種からなる群から選択される、悪性血液疾患である。
他の実施態様において、悪性血液疾患は、再発、または難治性の緩慢性B細胞非ホジキンリンパ腫および慢性リンパ球性白血病である。
他の実施態様において、化学式Iの化合物は、ベンダムスチンとの組み合わせで投与される。
他の実施態様において、化学式Iの化合物は、リツキシマブとの組み合わせで投与される。
他の実施態様において、化学式Iの化合物は、ベンダムスチンおよびリツキシマブとの組み合わせで投与される。
他の態様において、患者における悪性血液疾患を治療するための方法が提示され、当該方法には、患者に、(a)2−アミノ−8−エチル−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンまたはその薬学的に許容可能な塩の有効量、および(b)ベンダムスチンまたはその薬学的に許容可能な塩、または(c)リツキシマブ、または(d)ベンダムスチンまたはその薬学的に許容可能な塩およびリツキシマブの組み合わせ、のいずれかの治療有効量を患者に投与することを含み、ここで、当該方法には少なくとも1サイクルが含まれ、ここで、サイクルとは28日間であり、2−アミノ−8−エチル−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンまたはその薬学的に許容可能な塩は、約30mgBID〜約50mgBIDで投与され、およびベンダムスチンまたはその薬学的に許容可能な塩は、約70mg/m〜約90mg/mで投与され、およびリツキシマブは約375mg/m〜約500mg/mで投与され、悪性血液疾患は再発、もしくは難治性の緩慢性B細胞非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫または慢性リンパ球性白血病である。
他の態様において、悪性血液疾患の治療に用いるための組み合わせが提示され、当該組み合わせには、(a)2−アミノ−8−エチル−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンまたはその薬学的に許容可能な塩、および(b)ベンダムスチンまたはその薬学的に許容可能な塩、または(c)リツキシマブ、または(d)ベンダムスチンまたはその薬学的に許容可能な塩とリツキシマブの組み合わせ、のいずれかの治療有効量が含まれる。一つの例において、2−アミノ−8−エチル−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンまたはその薬学的に許容可能な塩は、約30mgBID〜約50mgBIDで投与され、およびベンダムスチンまたはその薬学的に許容可能な塩は、約70mg/m〜約90mg/mで投与され、およびリツキシマブは約375mg/m〜約500mg/mで投与され、悪性血液疾患は再発、もしくは難治性の緩慢性B細胞非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫または慢性リンパ球性白血病である。
図1は、ヒトWSU−DLCL2を担持したSCIDメスマウスに対する、ベンダムスチン(3.5および7mg/kg)との組み合わせでの、化合物A(20mg/kg)の抗腫瘍活性評価中の体重変化を示すプロット図である。 図2は、ヒトWSU−DLCL2を担持したSCIDメスマウスに対する、ベンダムスチン(3.5および7mg/kg)との組み合わせでの、化合物A(20mg/kg)の抗腫瘍活性を示すプロット図である。
略語および定義
以下の略語および用語は、本明細書全体を通じて、示される意味を有する。
Figure 2014517042
Figure 2014517042
「−」という記号は、一重結合を意味し、「=」という記号は、二重結合を意味し、「≡」は三重結合を意味し、
Figure 2014517042
は、一重結合または二重結合を意味する。
Figure 2014517042
という記号は、その記号が付着している二重結合の末端上のいずれかの位置を占める二重結合上の基を指す(すなわち、二重結合の配置(E−またはZ−)が不明瞭である)。基が、その元の化学式から除去されて表現されている場合、
Figure 2014517042
または
Figure 2014517042
という記号は、その元の構造式から基を分離するために理論上、開裂された結合の末端で用いられる。
化学構造が表現または記述される場合、他で明記されない限り、すべての炭素は4原子価に従うための水素置換を有するとみなされる。たとえば、下図の左側の構造において、9つの水素が暗黙的に存在する。その9つの水素は、右側の構造において明示される。時折、構造中の特定の原子が、置換(水素と明確に定義される)として水素または水素(複数)を有しているとして、たとえば−CHCH−のように、テキストでの化学式中に記述される。当業者であれば、前述の技法が化学分野において普遍的なものであり、他の複雑な構造の記述を簡潔かつ平易にするものであることが理解される。
Figure 2014517042
「R」基が環系で「浮動している」として描かれた場合(たとえば、下式):
Figure 2014517042
そして他で定義されない限り、置換基「R」は、環系中の任意の原子にあってもよく、安定構造が形成される限り、描写される、暗示される、または明確に定義される、環原子のうちの一つからの水素の交換が推測される。
「R」が縮環系で浮動しているとして描かれた場合(たとえば、下式):
Figure 2014517042
そして他で定義されない限り、置換基「R」は、縮環系中の任意の原子にあってもよく、安定構造が形成される限り、環原子のうちの一つからの、描写される水素(たとえば、上式中の−NH−)、暗示される水素(たとえば、上式中で、水素が示されていないが、存在すると理解されるところ)、または明確に定義される水素(たとえば、上式中で、「Z」は、=CH−に相当する)の交換が推測される。描写される例中で、「R」基は、縮環系の5員環または6員環のいずれかにあってもよい。上述の式中で、yがたとえば2である場合、その2つの「R」は、環系の任意の2つの原子上にあってもよく、それぞれが、環上の描写される、暗示される、または明確に定義される水素の交換が再び推測される。
「R」基が飽和炭素を含有する環系に存在すると描写される場合(たとえば、下式):
Figure 2014517042
この例において、「y」は、1つより多くてもよく、それぞれがこれまで描写されている、暗示されている、または明確に定義されている環上の水素を置換すると推測され、次いで、他で定義されない限り、得られた構造が安定しているところで、2つの「R」は同じ炭素上にあってもよい。シンプルな例としては、Rがメチル基の場合であり、描写される環(「輪状の」炭素)の炭素でジェミナルなジメチルが存在しうる。他の例においては、同一炭素上の2つのR(その炭素を含む)は、環を形成してもよく、ゆえに、たとえば下式に描写される環を伴うスピロ環状環(「スピロ環状」基)構造を形成する。
Figure 2014517042
「アシル」とは、−C(O)R基を意味し、本明細書に定義されるように、Rは、任意選択的に、置換アルキル、任意選択的に置換アルケニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルアルキル(たとえば、アセチル、トリフルオロメチルカルボニル、または2−メトキシエチルカルボニル等)である。
「アシルアミノ」とは、−NRR´基を意味し、本明細書に定義されるように、Rは水素、ヒドロキシ、アルキルまたはアルコキシであり、R´はアシルである。
「アシルオキシ」とは、−OR基を意味し、本明細書に定義されるように、Rは、アシル(たとえば、シアノメチルカルボニルオキシ等)である。
本発明の化合物に関連して、「投与」およびその異綴語(たとえば、化合物を「投与すること」)は、本化合物または本化合物のプロドラッグを、処置を必要としている動物の身体へ本化合物を導入することを意味する。本発明の化合物またはそのプロドラッグが、一つ以上の他の活性剤(たとえば、ベンダムスチンおよび/またはリツキシマブ)との組み合わせで提供される場合、「投与」およびその異綴語は、それぞれ、本化合物またはそのプロドラッグおよび他の剤が、同時に、および連続して導入されることが含まれることが理解される。
「アルケニル」とは、1〜6の炭素原子の直鎖状の一価の炭化水素基、または、3〜6炭素原子の分枝状の一価の炭化水素基を意味し、その基は少なくとも一つの二重結合を含有する(たとえば、エテニル、プロペニル、1−ブチル−3−エニル、および1−ペント−3−エニル等)。
「アルコキシ」とは、−OR基を意味し、Rは本明細書に定義されるように、アルキル基である。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ等が挙げられる。
「アルコキシアルキル」とは、本明細書に定義されるように、少なくとも1つ、好ましくは2つ、または3つの本明細書に定義される置換アルコキシ基と置換されるアルキル基を意味する。代表例としては、メトキシメチル等が挙げられる。
「アルコキシアルキルアミノ」とは、−NRR´基を意味し、本明細書に定義されるように、Rは水素、アルキル、またはアルコキシアルキルであり、R´はアルコキシアルキルである。
「アルコキシアルキルアミノアルキル」とは、本明細書に定義されるように、少なくとも一つ、特に1つまたは2つのアルコキシアルキルアミノ基(複数含む)と置換されたアルキル基を意味する。
「アルコキシカルボニル」とは、−C(O)R基を意味し、本明細書に定義されるように、Rは、アルコキシである。
「アルキル」とは、1〜6の炭素原子の、直鎖状の、飽和された一価の炭化水素基、または、3〜6の炭素原子の分枝状の、飽和された一価の炭化水素基を意味し、たとえば、メチル、エチル、プロピル、2−プロピル、ブチル(すべての等長体を含む)またはペンチル(すべての等長体を含む)等が挙げられる。
「アルキルアミノ」とは、−NHR基を意味し、Rは本明細書に定義されるように、アルキルである。
「アルキルアミノアルキル」とは、本明細書に定義されるように、一つまたは2つのアルキルアミノ基と置換されたアルキル基を意味する。
「アルキルアミノアルキルオキシ」とは、−OR基を意味し、Rは、本明細書に定義されるように、アルキルアミノアルキルである。
「アルキルカルボニル」とは、−C(O)R基を意味し、Rは、本明細書に定義されるように、アルキルである。
「アルキニル」とは、1〜6の炭素原子の、直鎖状の一価の炭素水素基、または、3〜6の炭素原子の、分枝状の一価の炭化水素基を意味し、その基には、少なくとも1つの三重結合が含有され、たとえば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチN−2−イル等が含まれる。
「アミノ」とは、−NHを意味する。
「アミノアルキル」とは、少なくとも1つ、特に1つ、2つ、または3つのアミノ基と置換されたアルキル基を意味する。
「アミノアルキルオキシ」とは、−OR基を意味し、Rは、本明細書に定義されるように、アミノアルキルである。
「アリール」とは、一価で6〜14員の、一炭素環式環または二炭素環式環を意味し、単環式環は芳香族であり、および、二環式環の環のうちの少なくとも一つは芳香族である。他で述べられない限り、基の原子価は、原子価規則が許容する、基内の任意の環の任意の原子で決定されうる。代表例としては、フェニル、ナフチル、およびインダニル等が挙げられる。
「アリールアルキル」は、本明細書に定義されるように、たとえばベンジルおよびフェネチル等のアリール基の一つまたは二つと置換されている、本明細書に定義されるアルキル基を意味する。
「アリールオキシ」は、−OR基を意味し、Rは本明細書に定義されるアリールである。
「カルボキシアルキル」は、本明細書に定義されるように、少なくとも一つ、特に一つまたは二つの−C(O)OH基(複数含む)と置換されているアルキル基を意味する。
「シクロアルキル」は、単環または縮合二環、飽和または部分的に不飽和(しかし芳香族ではない)、3〜10の炭素環原子の一価炭化水素基を意味する。縮合した二環炭化水素基には、架橋された環系が含まれる。他で述べられない限り、基の原子価は、原子価規則が許容する、基内の任意の環の任意の原子で決定されうる。一つまたは二つの環炭素は、−C(O)−、−C(S)−、または−C(=NH)−基により置換されうる。より具体的には、シクロアルキルという用語には、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシル、またはシクロヘキシ−3−エニル等が含まれる。
「シクロアルキルアルキル」は、少なくとも一つ、特に一つまたは二つの、本明細書に定義されるシクロアルキル基(複数含む)で置換されているアルキル基を意味する。
「ジアルキルアミノ」は、−NRR´基を意味し、RおよびR´は、本明細書で定義されるアルキル、またはN酸化物誘導体、またはその保護誘導体であり、たとえば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N、N−メチルプロピルアミノまたはN、N−メチルエチルアミノ等である。
「ジアルキルアミノアルキル」は、本明細書に定義されるジアルキルアミノ基の一つまたは二つで置換されたアルキル基を意味する。
「ジアルキルアミノアルキルオキシ」は、−OR基を意味し、Rは本明細書に定義されるジアルキルアミノアルキルである。代表例としては、2−(N,N−ジエチルアミノ)−エチルオキシ等が挙げられる。
「縮合された多環式」または「縮合環系」は、架橋された、または縮合された環を含有する多環系を意味する。すなわち、2つの環が、それらの環構造中に、一つより多い共有原子を有している。本出願において、縮合された多環式および縮合環系は、必ずしもすべてが芳香族環系である必要はない。典型ではあるが、たとえばナフタレンまたは1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレンのように、縮合された多環式は必ずしも隣接した原子セットを共有しているわけではない。スピロ環系は、この定義による縮合された多環式ではないが、本発明の縮合された多環式系は、それら自身、縮合された多環式の一つの環原子を介して、それらに付着されるスピロ環を有してもよい。一部の例において、当業者に認識されるように、芳香族系の2つの隣接する基は、共に縮合し、環構造を形成してもよい。縮合された環構造は、ヘテロ原子を有してもよく、および任意選択的に一つ以上の基と置換されてもよい。さらに、そのような縮合された基の飽和炭素(すなわち、飽和環構造)は、2つの置換基を含有することができることに留意すべきである。
「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を指す。
「ハロアルコキシ」は、−OR´基を意味し、R´は、本明細書に定義されるように、ハロアルキルであり、たとえばトリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシ等である。
「ハロアルキル」は、1つ以上のハロゲン、特に1〜5個のハロ原子で置換されたアルキル基を意味し、たとえばトリフルオロメチル、2−クロロエチルおよび2,2−ジフルオロエチル等である。
「ヘテロアリール」は、1つ以上の、特に1、2、3または4つの環ヘテロ原子(独立して、−O−、−S(O)N―(nは0、1または2)、−N−、−N(R)−から選択される)を含有し、残りの環原子は炭素である、単環式、縮合された二環式または縮合された三環式で、5〜14の環原子の一価の基を意味し、ここで、単環基を含有する環は芳香族であり、および、二環または三環基を含有する縮合環の少なくとも一つは芳香族である。二環または三環基を含有する任意の非芳香族環の一つまたは二つの環炭素原子は、−C(O)−、C(S)−、または−C(=NH)−基と置換されてもよい。Rは水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アシルまたはアルキルスルホニルである。縮合された二環基は、架橋された環系を含んでいる。他で述べられない限り、原子価は、原子価規則が許容する、ヘテロアリール基の任意の環の任意の原子で決定されうる。原子価の点が窒素で決定された場合、Rは不在である。より具体的には、ヘテロアリールという用語には、限定されないが、1,2,4−トリアゾリル、1,3,5−トリアゾリル、フタルイミジル、ピリジニル、ピロリル、イミダゾリル、チエニル、フラニル、インドリル、2,3−ジヒドロ−1H−インドリル(たとえば、2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−イルまたは2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル等が含まれる)、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、ベンジミダゾルイル、ベンゾジオキソール−4−イル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インドリジニル、ナフチリジン−3−イル、フタラジン−3−イル、フタラジン−4−イル、プテリジニル、プリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、テトラゾイル、ピラゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル(たとえば、テトラヒドロイソキノリン−4−イルまたはテトラヒドロイソキノリン−6−イル等を含む)、ピロロ[3,2−c]ピリジニル(たとえば、ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル、またはピロロ[3,2−c]ピリジン−7−イル等を含む)、ベンゾピラニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、およびそれらの誘導体、またはN−酸化物もしくはその保護された誘導体が含まれる。
「ヘテロアリールアルキル」は、本明細書に定義される、少なくとも一つ、特に一つまたは二つのヘテロアリール基(複数含む)で置換された、本明細書に定義されるアルキル基を意味する。
「ヘテロ原子」は、O、S、NまたはPを指す。
「ヘテロシクロアルキル」は、飽和した、もしくは部分的に不飽和な(しかし芳香族ではない)、3〜8環原子の一価の単環基、または、飽和した、もしくは部分的に不飽和な(しかし芳香族ではない)、5〜12環原子の一価の縮合された二環基(1つ以上、特に1つ,2つ,3つまたは4つの環ヘテロ原子が、独立して、O、S(O)(nは0、1または2)、N、N(R)(ここで、Rは水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アシルまたはアルキルスルホニルである)から選択され、残りの環原子は炭素である)、を意味する。1つ、または2つの環炭素原子は、−C(O)−、−C(S)−、または−C(=NH)−基で置換されてもよい。縮合された二環基は、架橋された環系を含む。他で述べられない限り、基の原子価は、原子価規則が許容する、基内の任意の環の任意の原子で決定されうる。原子価の点が窒素原子で決定される場合、Rは不在である。より具体的には、ヘテロシクロアルキルという用語には、限定されないが、アゼチジニル、ピロリジニル、2−オキソピロリジニル、2,5−ジヒドロ−1H−ピロリル、ピペリジニル、4−ピペリドニル、モルホリニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、テトラヒドロピラニル、2−オキソピペリジニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、ペルヒドロアゼピニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ジヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、キヌクリジニル、イソチアゾリジニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、デカヒドロイソキノリル、テトラヒドロフリル、およびテトラヒドロピラニル、およびその誘導体、およびN−酸化物またはその保護された誘導体が含まれる。
「ヘテロシクロアルキルアルキル」は、たとえばモルホリニルメチル、N−ピロリジニルエチルおよび3−(N−アゼチジニル)プロピル等の、本明細書に定義される、ヘテロシクロアルキル基の1つまたは2つと置換される、本明細書に定義される、アルキル基を意味する。
「ヘテロシクロアルキルアルキルオキシ」は、−OR基を意味し、ここでRは、本明細書に定義されるヘテロシクロアルキルアルキルである。
「飽和した、架橋された環系」とは、芳香族ではない二環または多環系を指す。そのような系には、単離された、または複合化された不飽和を含有してもよいが、そのコア構造中に、芳香族またはヘテロ芳香族は含有しない(しかし、それに芳香族置換を有してもよい)。たとえば、ヘキサヒドロ−フロ[3,2−b]フラン、2,3,3a、4,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−インデン、7−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、および1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−ナフタレンが、「飽和した、架橋された環系」の分類にすべて含まれる。
「スピロ環状」または「スピロ環状環」は、他の環の特定の環状の炭素から派生した環を指す。たとえば、以下に示すように、飽和した、架橋された環系(環BおよびB´)の環原子(しかし、橋頭ではない)、は、飽和した架橋された環系と、それに付着したスピロ環状(環A)の間で共有原子であることができる。スピロ環状は、炭素環またはヘテロ脂環式環でありうる。
Figure 2014517042
「任意選択の」または「任意選択的に」とは、引き続く、記述される事象または状況が発生してもしなくてもよく、その記述には、前記事象または状況が発生する例および発生しない例が含まれることを意味する。当業者であれば、一つ以上の任意の置換基を含有するとして記述される任意の分子について、立体構造的に現実的および/または合成的に実行可能な化合物のみが含まれることが意図されていることを理解する。「任意選択的に置換された」とは、用語中のすべての引き続く修飾因子を指す。たとえば、「任意選択的に置換されたアリールC1−8アルキル」という用語中に、任意の置換基は、その分子の「C1−8アルキル」部分および「アリール」部分の両方に発生してもよく、置換されてもされなくてもよい。例示的な任意の置換基の表は、「置換された」の定義において、以下に表す。
「任意選択的に置換されたアルコキシ」は、−OR基を意味し、Rは、任意選択的に、本明細書に定義される置換アルキルである。
「任意選択的に置換されたアルキル」は、任意選択的に1つ以上の基(複数含む)、特に1、2、3、4、または5個の基(独立して、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、シアノ、シアノアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキル−S(O)0−2−、アルケニル−S(O)0−2−、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニル−NR−(ここで、Rは水素、アルキル、任意選択的に置換されたアルケニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルケニルオキシ、またはシアノアルキルである)、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルキルアミノアルキルオキシ、ジアルキルアミノアルキルオキシ、アルコキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニルアミノ、ジアルキルアミノカルボニルアミノ、アルコキシアルキルオキシ、および−C(O)NR(ここで、RおよびRは、独立して、水素、アルキル、任意選択的に置換されたアルケニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルケニルオキシまたはシアノアルキルである)から選択される)で置換された、本明細書に定義されるアルキル基を意味する。
「任意選択的に置換されたアルケニル」は、任意選択的に1つ以上の基、特に1、2、3、4または5個の基(独立して、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、シアノ、シアノアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルキル−S(O)0−2−、アルケニル−S(O)0−2−、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニル−NR−(ここで、Rは水素、アルキル、任意選択的に置換されたアルケニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルケニルオキシ、またはシアノアルキルである)、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルキルアミノアルキルオキシ、ジアルキルアミノアルキルオキシ、アルコキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニルアミノ、ジアルキルアミノカルボニルアミノ、アルコキシアルキルオキシ、および−C(O)NR(ここで、RおよびRは、独立して、水素、アルキル、任意選択的に置換されたアルケニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルケニルオキシまたはシアノアルキルである)から選択される)で置換された、本明細書に定義されるアルキル基を意味する。
「任意選択的に置換されたアミノ」とは、−N(H)Rまたは−N(R)Rを指し、ここで、各Rは、独立して基(任意選択的に置換されたアルキル、任意選択的に置換されたアルコキシ、任意選択的に置換されたアリール、任意選択的に置換されたヘテロシクロアルキル、任意選択的に置換されたヘテロアリール、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、−S(O)−(任意選択的に置換されたアルキル)、−S(O)−(任意選択的に置換されたアリール)、−S(O)−(任意選択的に置換されたヘテロシクロアルキル)、−S(O)−(任意選択的に置換されたヘテロアリール)、および−S(O)−(任意選択的に置換されたヘテロアリール))から選択される。たとえば、「任意選択的に置換されたアミノ」には、ジエチルアミノ、メチルスルホニルアミノおよびフラニル−オキシ−スルホンアミノが含まれる。
「任意選択的に置換されたアミノアルキル」は、少なくとも1つ、特に1つまたは2つの任意選択的に置換された、本明細書に定義されるアミノ基(複数含む)で置換された、本明細書に定義されるアルキル基を意味する。
「任意選択的に置換されたアリール」は、独立して、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、任意選択的に置換されたアルキル、任意選択的に置換されたアルケニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、カルボキシ、シアノ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アミノアルコキシから選択される、1、2または3つの置換基で任意選択的に置換された、本明細書に定義されるアリール基、またはアリールはペンタフルオロフェニルであることを意味する。「アリール」上の任意選択的な置換基の中で、単独または他の基(たとえば、アルコキシカルボニルのアルキルを含む)の一部のいずれかである、アルキルおよびアルケニルは、独立して、任意選択的に、1、2、3、4、または5つのハロと置換される。
「任意選択的に置換されたアリールアルキル」は、本明細書に定義される置換アリールと任意選択的に置換される、本明細書に定義されるアルキル基を意味する。
「任意選択的に置換されたシクロアルキル」は、独立して、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、任意選択的に置換されたアルキル、任意選択的に置換されたアルケニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルコキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、ニトロ、アルコキシアルキルオキシ、アミノアルコキシ、アルキルアミノアルコキシ、ジアルキルアミノアルコキシ、カルボキシおよびシアノから選択される、1、2、または3つの基で置換される、本明細書に定義されるシクロアルキル基を意味する。「シクロアルキル」上の上記の任意の上記置換基の中で、単独またはシクロアルキル環上の他の置換基の一部のいずれかである、アルキルおよびアルケニルは、独立して、任意選択的に、1、2、3、4または5つのハロ(たとえば、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルケニルオキシまたはハロアルキルスルホニル)と置換される。
「任意選択的に置換されたシクロアルキルアルキル」は、本明細書に定義される、任意選択的に置換されたシクロアルキル基の少なくとも1つ、特に1つまたは2つと置換されたアルキル基を意味する。
「任意選択的に置換されたヘテロアリール」は、独立して、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、任意選択的に置換されたアルキル、任意選択的に置換されたアルケニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、カルボキシ、シアノ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アミノアルコキシ、アルキルアミノアルコキシおよびジアルキルアミノアルコキシから選択される置換基の1つ、2つまたは3つと任意選択的に置換されるヘテロアリール基を意味する。「ヘテロアリール」上の任意の置換基の中で、単独または他の基(たとえば、アルコキシカルボニル中のアルキルを含む)の一部のいずれかであるアルキルおよびアルケニルは、独立して、任意選択的に、1、2、3、4または5つのハロと置換される。
「任意選択的に置換されたヘテロアリールアルキル」は、本明細書に定義される任意選択的に置換されたヘテロアリール基(複数含む)の少なくとも1つ、特に1つまたは2つと置換される、本明細書に定義されるアルキル基を意味する。
「任意選択的に置換されたヘテロシクロアルキル」は、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、任意選択的に置換されたアルキル、任意選択的に置換されたアルケニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、カルボキシ、シアノ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アミノアルコキシから独立して選択される置換基の1、2、または3つと任意選択的に置換される本明細書に定義されるヘテロシクロアルキル基を意味する、またはアリールはペンタフルオロフェニルであることを意味する。「ヘテロシクロアルキル」上の任意の置換基の中で、単独または他の基(たとえば、アルコキシカルボニル中のアルキルを含む)の一部のいずれかであるアルキルおよびアルケニルは、独立して、任意選択的に、1、2、3、4または5つのハロと置換される。
「任意選択的に置換されたヘテロシクロアルキルアルキル」は、本明細書に定義される任意選択的に置換されたヘテロシクロアルキル基(複数含む)の少なくとも1つ、特に1つまたは2つと置換される、本明細書に定義されるアルキル基を意味する。
「悪性血液疾患」は、血液、骨髄およびリンパ節に影響を与える癌類である。悪性血液疾患には、限定されないが、侵攻性B細胞リンパ腫(びまん性大型B細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫およびバーキットリンパ腫)および、緩慢性B細胞リンパ腫(濾胞性リンパ腫、辺縁性リンパ腫);慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫およびリンパ形質細胞性リンパ腫;マントル細胞リンパ腫(MCL)、びまん性大型B細胞性リンパ腫(DLBCL);辺縁性リンパ腫(MZL)(節外性MZL(MALTリンパ腫)、節性MZLおよび脾臓MZLを含む)(NCCN,2010);およびリンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症とも呼ばれる))を含む非ホジキンリンパ腫(NHL)を含む。
本明細書において、「化合物A」は、2−アミノ−8−エチル−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンの名称で知られる、下記の化学式の構造を意味する。
Figure 2014517042
化合物Aは、WO07/044813において記載されており、参照により、本明細書にその全内容が援用される。
「ベンダムスチン」(CAS No.16506−27−7)は、化学名4−[5−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]−1−メチルベンジミダゾール−2−イル]ブタン酸、および、慢性リンパ球性白血病およびリンパ腫の治療のための、商標名RIBOMUSTINおよびTREANDAとして知られる化合物を意味する。
「リツキシマブ」は、リンパ腫、白血病ならびに一部の自己免疫障害および移植拒絶の治療に対する、商標名RITUXANおよびMABTHERAとして販売されている、キメラモノクローナル抗体を意味する。
「医薬組成物」には、1)化学式Iの化合物またはその単一異性体(任意選択的に薬学的に許容可能なその塩として、および追加として、任意選択的にその水和物として、および追加として、任意選択的にその溶媒和物として)、2)薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤、3)任意選択的に、本明細書に記載されるベンダムスチンおよびリツキシマブのうち一つまたは両方、を含有する。
本明細書に記載される反応のそれぞれに対する「収率(Yield)」は、理論的収量のパーセンテージとして表される。
本発明の目的に対する「患者」は、ヒトおよび他の動物、とくに哺乳類、および他の生物体を含む。ゆえに、本方法はヒトの治療および獣医学的な応用の両方に適用が可能である。好ましい実施態様において、患者は哺乳類であり、最も好ましい態様において、患者はヒトである。
「有効量」または「薬学的に有効な量」または「治療有効量」という用語は、所望する生物学的な、治療的な、および/または予防的な結果を得るのに十分な剤の量を指す。前記結果とは、疾患の兆候、症状もしくは原因の一つ以上の減少、改善、緩和、減少、遅延および/もしくは軽減、または他の任意の生物学的システムの所望する変化であってもよい。癌に関しては、有効量は、腫瘍を退縮させる、および/または腫瘍の成長率を減少させる(たとえば腫瘍増殖を抑制する)もしくは他の望ましくない細胞増殖を防止もしくは遅延させるために十分な量を含有する。一部の実施態様において、有効量は、進行を遅延させるのに十分な量である。一部の実施態様において、有効量は、再発を予防または遅延させるのに十分な量である。有効量は、1回以上の投与で、投与されることができる。薬物または組成物の有効量は、(i)癌細胞の数を減少させる、(ii)腫瘍サイズを減少させる、(iii)癌細胞の周辺器官への浸潤をある程度まで阻害する、妨害する、遅延させる、および好ましくは止める、(iv)腫瘍の転移を阻害する(すなわち、ある程度まで遅延および好ましくは止める)、(v)腫瘍増殖を阻害する、(vi)腫瘍の発生および/もしくは再発を予防もしくは遅延させる、ならびに/または、(vii)癌に伴う一つ以上の症状をある程度まで軽減する、ものであってもよい。たとえば、治療に用いられる「有効量」は、再発した、もしくは難治性の緩慢性B細胞非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫もしくは慢性リンパ球性白血病の臨床的に有意な減少、または難治性の緩慢性B細胞非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫もしくは慢性リンパ球性白血病の進行の遅延をもたらすために要求される、化合物A、またはその代謝物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、または化合物Aを含有する組成物、またはその代謝物、またはその薬学的に許容可能な塩の量である。
化合物の「薬学的に許容可能な塩」は、薬学的に許容可能であり、元の化合物の所望する薬理学的活性を保有する塩を意味する。薬学的に許容可能な塩は非毒性であると理解される。適切な薬学的に許容可能な塩に関するさらなる情報は、参照により本明細書に援用されるRemington’s Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA, 1985、またはS. M. Berge, et al., “Pharmaceutical Salts,” J. Pharm. Sci., 1977;66:1-19において見出すことができ、その両方は参照により本明細書に援用される。
薬学的に許容可能な酸付加塩の例としては、たとえば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、ならびに、たとえば酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、グルコヘプトン酸、4,4´−メチレンビス−(3−ヒドロキシ−2−エン−1−カルボン酸)、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸、p−トルエンスルホン酸、およびサリチル酸等の有機酸と形成されるものが挙げられる。
薬学的に許容可能な塩基付加塩の例としては、元の化合物中に存在する酸性プロトンが、たとえばナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム塩等の金属イオンにより置換される場合に形成されるものが挙げられる。好ましい塩は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩である。薬学的に許容可能な有機の非毒性塩基から誘導された塩としては、限定されないが、1級、2級および3級アミンの塩、自然発生した置換アミンを含む置換アミン、環状アミンおよび塩基性イオン交換レジンが挙げられる。有機塩基の例としては、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジン、トロメタミン、N−メチルグルカミン、ポリアミンレジン等が挙げられる。例示的な有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、およびカフェインである。
「プロドラッグ」とは、例えば血中での加水分解等、in vivoで変換され(典型的には急速に)、上述の化学式の元の化合物をもたらす化合物を指す。一般的な例としては、限定されないが、カルボン酸部分を担持する活性型を有する化合物のエステル型およびアミド型が含まれる。本発明の化合物の薬学的に許容可能なエステルの例としては、限定されないが、アルキル基が直鎖または分枝鎖である、アルキルエステル(たとえば、約1〜約6炭素の間の)が含まれる。許容可能なエステルとしてはまた、シクロアルキルエステルおよびアリールアルキルエステル(たとえば、限定されないが、ベンジル等)が含まれる。本発明の化合物の薬学的に許容可能なアミドの例としては、限定されないが、1級アミドならびに2級および3級アルキルアミド(たとえば、約1〜約6炭素の間の)が含まれる。本発明の化合物のアミドおよびエステルは、従来法に従い合成されてもよい。プロドラッグに関する詳細な議論については、T. Higuchi and V. Stella, “Pro-drugs as Novel Delivery Systems,” Vol 14 of the A.C.S. Symposium Series、および、Bioreversible Carriers in Drug Design, ed. Edward B. Roche, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987(それら両方が、全ての目的に対し、参照により本明細書に援用される)に提示されている。
「代謝物」とは、動物またはヒトの体内において、代謝もしくは生体内変化により産生される化合物、もしくはその塩の崩壊物、または最終生成物を指す。たとえば、酸化、還元、もしくは加水分解等による、さらなる極性分子への生体内変化、または共役への生体内変化がある(生体内変化に関する議論については、Goodman and Gilman, "The Pharmacological Basis of Therapeutics" 8.sup.th Ed., Pergamon Press, Gilman et al. (eds), 1990 を参照のこと)。本明細書で使用される、本発明の化合物またはその塩の代謝物は、生体内で、生物学的に活性のある化合物形態となってもよい。一つの例において、プロドラッグは、生物学的に活性のある形態(代謝物)が、in vivoでリリースされるように用いられてもよい。他の例において、生物学的に活性のある代謝物は、思いがけなく発見されたものであり、すなわち、プロドラッグ設計は、本質的に試みられていなかった。本発明の化合物の代謝物の活性に対する評価は、本開示を踏まえれば、当業者に公知である。
他で述べられない限り、本明細書において疾患、障害または症状を「治療すること(treating)」または「治療(treatment)」は、疾患、障害、または症状を阻害することを意味し、すなわち、疾患、障害または症状の退行をもたらすものであり、疾患、障害または症状の発現を止める、および緩和するものを意味する。当業者には公知であるように、治療との関連において、全身デリバリーに対して局所デリバリー、年齢、体重、一般健康状態、性別、食事、投与時間、薬物相互作用および疾患の重篤度に対する調節が必要であり、当業者による日常的な経験と共に確かめられる。
「予防」は、ヒトにおける疾患、障害または症状の発生を予防することを意味し、すなわち、疾患、障害または症状の兆候をまだ経験していない、または示していないが、疾患、障害または症状を顕在化するであろう、またはかかりやすくなるであろう動物において、疾患、障害または症状の臨床的兆候が発現しないようにすることである。
実施態様
以下の段落において、本発明の実行に用いられる多くの実施態様を提示する。各例において、本実施態様は、列挙された化合物ならびに個々の異性体および異性体の混合物の両方を含む。さらに、各例において、本実施態様は、列挙された化合物および任意の個々の異性体またはその異性体の混合物の薬学的に許容可能な塩、水和物および/または溶媒和物を含む。
一つの実施態様において、化学式Iの化合物、または、ベンダムスチンおよびリツキシマブのうちの一つまたは両方との組み合わせで化学式Iの化合物を含有する医薬組成物の有効量を患者に投与することを含む、癌の治療法を提示する。
他の実施態様において、化学式Iの化合物、または、ベンダムスチンおよびリツキシマブのうちの一つまたは両方との組み合わせで化学式Iの化合物を含有する医薬組成物の有効量を患者に投与することを含む、癌の治療法であって、癌が悪性血液疾患である、方法を提示する。一部の実施態様において、悪性血液疾患は、非ホジキンリンパ腫(NHL)、B細胞リンパ腫(びまん性大型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫(FL)、辺縁性リンパ腫(MZL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)/小リンパ球性リンパ腫およびリンパ形質細胞性リンパ腫を含む)である。他の実施態様において、悪性血液疾患は、再発した、もしくは難治性の緩慢性B細胞非ホジキンリンパ腫または慢性リンパ球性白血病である。
以下に記載される代表的な化合物を含む、任意の以下の実施態様は、本明細書に記載される任意の方法の実施に用いられうる。
化学式Iの化合物
本方法に用いられる化学式Iの化合物の一つの実施態様において、Rは、水素、任意選択的に置換されたアルキル、任意選択的に置換されたシクロアルキル、任意選択的に置換されたシクロアルキルアルキル、任意選択的に置換されたアリール、任意選択的に置換されたアリールアルキル、任意選択的に置換されたヘテロシクロアルキル、任意選択的に置換されたヘテロシクロアルキルアルキル、任意選択的に置換されたヘテロアリール、または任意選択的に置換されたヘテロアリールアルキルである。具体的には、Rは、水素、任意選択的に置換されたアルキル、任意選択的に置換されたシクロアルキル、任意選択的に置換されたアリールアルキル、または任意選択的に置換されたヘテロシクロアルキルアルキルである。さらに具体的には、Rは、水素、アルキル、1つまたは2つのヒドロキシと置換されたアルキル、アルコキシと置換されたアルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、またはヘテロシクロアルキルアルキルである。よりさらに具体的には、Rは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、2−エトキシエチル、3−メトキシプロピル、3−エトキシプロピル、3−イソプロポキシプロピル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル、または2−ピペリジン−1−イルエチルである。さらにより具体的には、Rは、エチル、イソプロピル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。さらにより具体的には、Rは、エチルである。
本方法に用いられる化学式Iの化合物の他の実施態様において、Rは、水素またはアルキルであり、当該アルキルは任意選択的に1、2、3、4または5つのR基と置換される。具体的には、Rは、水素またはアルキルであり、当該アルキルは、任意選択的に1つ、2つ、または3つのR基と置換される。より具体的には、Rは、水素またはアルキルであり、当該アルキルは任意選択的に1つ、2つ、または3つのR基と置換され、そして各Rは、もし存在する場合は、独立して、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノおよびハロから選択される。さらにより具体的には、Rは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、3−アミノプロピル、3−(N−メチルアミノ)−プロピル、3−(N、N−ジメチルアミノ)−プロピル、2−フルオロエチル、または2,2,2−トリフルオロエチルである。よりさらに具体的には、Rは、水素またはエチルである。よりさらに好ましくは、Rは、水素である。
他の実施態様において、Rは、水素である。
他の実施態様において、Rは、1、2、3、4または5つのR基と任意選択的に置換されたアルキルである。具体的には、Rは、アルキルであり、当該アルキルは、任意選択的に、1つ、2つ、または3つのR基と置換され、そして各Rは、もし存在すれば、独立して、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノおよびハロから選択される。さらにより具体的には、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、3−アミノプロピル、3−(N−メチルアミノ)−プロピル、3−(N、N−ジメチルアミノ)−プロピル、2−フルオロエチル、または2,2,2−トリフルオロエチルである。よりさらに具体的には、Rは、エチルである。
他の実施態様において、Rは、任意選択的に置換アルキルである。具体的には、Rは、メチルまたはエチルである。より具体的には、Rは、メチルである。
他の実施態様において、Rはアシル、である。より具体的には、Rは、アルキルカルボニルである。さらにより具体的には、Rは、アセチルである。
他の実施態様において、Rは、1、2、3、4または5つのR基と任意選択的に置換されたフェニルである。具体的には、1つまたは2つのR基と置換されたフェニルであり、各Rは、もし存在すれば、独立して、アリール、ハロ、アルコキシ、アリールオキシおよびハロアルキルから選択される。より具体的には、Rは、1つまたは2つのR基と置換されたフェニルであり、各Rは、もし存在すれば、独立して、フェニル、フルオロ、クロロ、メトキシ、フェニルオキシ、およびトリフルオロメチルから選択される。よりさらに具体的には、Rは、フェニル、フェニルと置換されたフェニル、フルオロフェニル、ジフルオロフェニル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、クロロと置換されたフェニル、およびフルオロ、メトキシフェニル、ジメトキシフェニル、フェニルオキシフェニルまたはトリフルオロメチルフェニルである。よりさらに具体的には、Rは、フェニル、2−フェニル−フェニル、3−フェニル−フェニル、4−フェニル−フェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2,3−ジフルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、3−クロロ−4−フルオロ−フェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2,3−ジメトキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、4−フェニルオキシフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、または4−トリフルオロメチルフェニルである。
他の実施態様において、Rは、1、2、3、4または5つのR基と置換されたフェニルである。
他の実施態様において、Rは、1、2、3、4または5つのR基と任意選択的に置換されたヘテロアリールである。
他の実施態様において、Rは、1つまたは2つのRと任意選択的に置換された6員ヘテロアリールである。さらに具体的には、Rは、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニルまたはピリダジニルであり、各々は、任意選択的に1つのRと置換され、ここでRは、もし存在した場合、ハロである。さらにより具体的には、Rは、ピリジN−2−イル、ピリジN−3−イル、ピリジN−4−イル、3−フルオロピリジN−4−イル、ピラジン−2−イル、ピラジン−3−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピリダジン−3−イル、またはピリダジン−4−イルであり、各々は任意選択的に、1つまたは2つのRと置換される。
他の実施態様において、Rは、ピラジニル、ピリミジニル、またはピリダジニルであり、各々は任意選択的に1つのRと置換され、ここでRは、もし存在した場合、ハロである。さらにより具体的には、Rは、ピラジン−2−イル、ピラジン−3−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピリダジン−3−イル、またはピリダジン−4−イルである。
他の実施態様において、Rは、1つまたは2つのRと任意選択的に置換された5員ヘテロアリールである。具体的には、Rは、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、フラニル、ピロリル、トリアゾリル、またはテトラゾリルであり、各々は任意選択的に1つのRと置換され、ここでRは、もし存在した場合、アルキル、アリールアルキル、シアノ、アリール、アルコキシカルボニル、またはハロである。より具体的には、Rは、ピラゾール−1−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、ピラゾール−5−イル、イミダゾール−1−イル、イミダゾール−2−イル、イミダゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、チエン−2−イル、チエン−3−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、イソキサゾール−3−イル、イソキサゾール−4−イル、イソキサゾール−5−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,2,3−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピロール−1−イル、ピロール−2−イル、ピロール−3−イル、トリアゾール−1−イル、トリアゾール−4−イル、トリアゾール−5−イル、テトラゾール−1−イル、またはテトラゾール−5−イルであり、各々は任意選択的に、1つのRと置換され、ここでRは、もし存在した場合、メチル、ベンジル、シアノ、フェニル、N−tert−ブトキシカルボニル、またはクロロである。さらにより具体的には、Rは、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、ピラゾール−5−イル、イミダゾール−2−イル、イミダゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、チエン−2−イル、チエン−3−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、イソキサゾール−3−イル、イソキサゾール−4−イル、イソキサゾール−5−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,2,3−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピロール−2−イル、ピロール−3−イル、トリアゾール−4−イル、トリアゾール−5−イル、またはテトラゾール−5−イルであり、各々は任意選択的に、1つのRと置換され、ここでRは、もし存在した場合、メチル、ベンジル、シアノ、フェニル、N−tert−ブトキシカルボニル、またはクロロである。
他の実施態様において、Rは、チエニル、ピロリル、フラニル、ピラゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、またはテトラゾリルであり、各々は任意選択的に、1つのRと置換され、ここでRは、もし存在した場合、メチル、ベンジル、シアノ、フェニル、N−tert−ブトキシカルボニル、またはクロロである。具体的には、Rは、チエン−2−イル、チエン−3−イル、ピロール−2−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、ピラゾール−5−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−5−イル、イソキサゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、トリアゾール−5−イル、テトラゾール−5−イルであり、各々は任意選択的に、1つのRと置換され、ここでRは、もし存在した場合、メチル、ベンジル、シアノ、フェニル、N−tert−ブトキシカルボニル、またはクロロである。より具体的には、Rは、チエン−2−イル、チエン−3−イル、5−シアノ−チエン−2−イル、4−メチル−チエン−2−イル、4−メチル−チエン−3−イル、5−クロロ−チエン−5−イル、5−フェニル−チエン−2−イル、ピロール−2−イル、N−tert−ブトキシカルボニル−ピロール−2−イル、N−メチル−ピロール−2−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、N−ベンジル−ピラゾール−4−イル、ピラゾール−5−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−5−イル、イソキサゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、トリアゾール−5−イル、テトラゾール−5−イルである。
他の実施態様において、Rは、チエン−2−イル、チエン−3−イル、ピロール−2−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、ピラゾール−5−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−5−イル、イソキサゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、トリアゾール−5−イル、またはテトラゾール−5−イルであり、各々は任意選択的に、1つのRと置換され、ここでRは、もし存在した場合、メチル、ベンジル、シアノ、フェニル、N−tert−ブトキシカルボニル、またはクロロである。
他の実施態様において、Rは、インドリル、ベンジミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾキサゾリル、またはベンゾイソキサゾリルであり、各々は、1、2、3、4または5R基と任意選択的に置換される。具体的には、Rは、インドール−2−イル、インドール−3−イル、インドール−4−イル、インドール−5−イル、インドール−6−イル、インドール−7−イル、ベンジミダゾール−2−イル、ベンジミダゾール−4−イル、ベンジミダゾール−5−イル、ベンジミダゾール−6−イル、ベンジミダゾール−7−イル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、ベンゾフラン−4−イル、ベンゾフラン−5−イル、ベンゾフラン−6−イル、ベンゾフラン−7−イル、ベンゾキサゾール−2−イル、ベンゾキサゾール−4−イル、ベンゾキサゾール−5−イル、ベンゾキサゾール−6−イル、ベンゾキサゾール−7−イル、ベンゾイソキサゾール−3−イル、ベンゾイソキサゾール−4−イル、ベンゾイソキサゾール−5−イル、ベンゾイソキサゾール−6−イル、またはベンゾイソキサゾール−7−イルであり、各々は任意選択的に、1、2、3、4または5つのR基と置換される。より具体的には、Rは、インドール−6−イルである。
他の実施態様において、Rは、水素、任意選択的に置換されたアルキル、任意選択的に置換されたシクロアルキル、任意選択的に置換されたヘテロシクロアルキルアルキル、または任意選択的に置換されたアリールアルキルであり、Xは−NH−であり、Rは水素またはアルキルであり、当該アルキルは任意選択的に1つまたは2つのR基と置換され、Rはアルキルであり、Rは水素であり、Rはフェニルまたはヘテロアリールであり、当該フェニルおよびヘテロアリールは任意選択的に1、2または3つのR基と置換され、各Rは、もし存在した場合、独立して、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノまたはハロであり、各Rは、もし存在した場合、独立して、アルキル、アリールアルキル、シアノ、アリール、アルコキシカルボニルまたはハロである。
他の実施態様において、Rは、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、ピラゾール−5−イル、イミダゾール−2−イル、イミダゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、チエン−2−イル、チエン−3−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、イソキサゾール−3−イル、イソキサゾール−4−イル、イソキサゾール−5−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,2,3−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピロール−2−イル、ピロール−3−イル、トリアゾール−4−イル、トリアゾール−5−イル、またはテトラゾール−5−イルであり、各々は任意選択的に、1、2、3、4または5つのR基と置換される。
他の実施態様において、Rは、アルキルまたはシクロアルキルであり、Rはメチルであり、そしてRは任意選択的に1つまたは2つのR基と置換されるヘテロアリールである。具体的には、各Rは、もし存在する場合、独立して、アルキル、アリールアルキル、シアノ、アリール、アルコキシカルボニル、またはハロである。具体的には、Rは、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、ピラゾール−5−イル、イミダゾール−2−イル、イミダゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、チエン−2−イル、チエン−3−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、イソキサゾール−3−イル、イソキサゾール−4−イル、イソキサゾール−5−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,2,3−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピロール−2−イル、ピロール−3−イル、トリアゾール−4−イル、トリアゾール−5−イル、またはテトラゾール−5−イルであり、各々は、任意選択的に1つのRと置換され、Rは、もし存在する場合、メチル、ベンジル、シアノ、フェニル、またはN−tert−ブトキシカルボニルである。
他の実施態様において、Rは水素である。
他の実施態様において、Rはメチルまたはエチルである。
他の実施態様において、Rはアルキルまたはシクロアルキルであり、Rはメチルであり、そしてRは任意選択的に1つまたは2つのR基と置換されるフェニルである。具体的には、各Rは、もし存在した場合、独立して、ハロ、アルコキシ、またはハロアルキルである。
他の実施態様において、Rは、アルキルまたはシクロアルキルであり、Rはメチルであり、そしてRは水素である。
他の実施態様において、Rは、アルキルまたはシクロアルキルであり、Rはメチルであり、そしてRは任意選択的に置換アルキルである。
化学式Iの代表的な化合物を以下に表示する。例は単なる図示であり、決して本発明の範囲を限定するものではない。本発明の化合物は、国際純正応用化学連合(IUPAC)、国際生化学・分子生物学連(IUBMB)およびChemical Abstracts Service(CAS)により認証された命名法の系統的な応用に従い命名される。名称は、software 8.00 release(8.08版)という名称のACD/Labsを用いて作製された。
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化学式IAの化合物
他の実施態様において、化学式Iの化合物は、化学式IAの化合物:
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または、その薬学的に許容可能な塩であって、
は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキル、
は、水素またはアルキル、
は、アルキル、
は、水素、
は、フェニル、アシルまたはヘテロアリールであって、当該フェニルおよびヘテロアリールは、任意選択的に、1、2、3、4または5つのR基と置換され、および、
各Rは、もし存在した場合、独立して、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニル、アミノアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールであり、当該シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロアリールは、それぞれ、単独またはR内の他の基の一部のいずれかであり、独立して、任意選択的に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される、1、2、3、または4つの基と置換される。
一つの実施態様において、Rはアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、またはアリールアルキルであり、Xは−NH−であり、Rは水素またはアルキルであり、Rはアルキルであり、Rは水素であり、Rはフェニルまたはヘテロアリールであり、当該フェニルおよびヘテロアリールは任意選択的に1、2または3つのR基と置換され、各Rは、もし存在した場合、独立して、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノまたはハロであり、各Rは、もし存在した場合、独立して、アルキル、アリールアルキル、シアノ、アリール、アルコキシカルボニルである。
他の実施態様において、Rは、メチルである。
他の実施態様において、Rは、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。
他の実施態様において、Rは、アルキルである。
他の実施態様において、Rは、任意選択的に1、2または3つのR基と置換されるヘテロアリールである。
他の実施態様において、各Rは、もし存在する場合、独立して、アルキル、アリールアルキル、シアノ、アリール、アルコキシカルボニル、またはハロである。
他の実施態様において、Rは、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、フラニル、ピロリル、トリアゾリル、またはテトラゾリルであり、各々は、任意選択的に1、2または3つのR基と置換される。
他の実施態様において、Rは、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、ピラゾール−5−イル、イミダゾール−2−イル、イミダゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、チエン−2−イル、チエン−3−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、イソキサゾール−3−イル、イソキサゾール−4−イル、イソキサゾール−5−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,2,3−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピロール−2−イル、ピロール−3−イル、トリアゾール−4−イル、トリアゾール−5−イル、またはテトラゾール−5−イルであり、各々は、任意選択的に1、2または3つのR基と置換される。
他の実施態様において、Rは、ピラジニル、ピリミジニルまたはピリダジニルであり、各々は、任意選択的に1、2または3つのR基と置換され、そしてRは、メチルである。
他の実施態様において、Rは、水素であり、Rは、メチルであり、Rは、任意選択的に置換アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、そしてRは、任意選択的に1、2または3つのR基と置換されるヘテロアリールである。
他の実施態様において、化学式IAの化合物は、以下の表から選択される。
Figure 2014517042
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他の実施態様において、化学式IAの化合物は、以下の表から選択される。
Figure 2014517042
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他の実施態様において、化学式IAの化合物は、以下の表から選択される。
Figure 2014517042
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他の実施態様において、化学式IAの化合物は、2−アミノ−8−エチル−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン(化合物A)またはその薬学的に許容可能な塩である。
投与の概略
一つの態様において、本発明は、化学式Iの、PI3KおよびmTOR阻害剤を含有し、任意選択的に本明細書に記載されるベンダムスチンおよびリツキシマブのうちの一つまたは両方、および薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤と組み合わされる、医薬組成物を提示する。他のある具体的な実施態様において、投与は、経口経路によるものである。化学式Iの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩の投与は、その物質のみで、または本明細書に記載されるベンダムスチンおよびリツキシマブのうちの一つまたは両方と組み合わせた適切な医薬組成物で、承認されている任意の投与形態を介して、または同様の有用性を供する剤を介して、実行することができる。ゆえに、化学式Iの化合物、ならびに、ベンダムスチンおよびリツキシマブのうちの一つまたは両方と共にある化学式Iの化合物は、同一の媒体または別々の媒体で投与することができる。たとえば、投与は、経口で、経鼻で、非経口で(経静脈、筋肉内、または皮下)、局所的に、経皮的に、膣内に、膀胱内に、大槽内(intracisternally)に、または直腸内に、固体、半固体、凍結乾燥粉末または液体の調剤形態で(たとえば、錠剤、座薬、丸薬、軟カプセル剤、硬ゼラチンカプセル、粉末、溶液、懸濁液またはエアロゾル等)で、特に正確な調剤のシンプルな投与に適した調剤形態ユニットでありうる。
組成物は、従来型の医薬担体または賦形剤、および特定の(the)/一つの(a)活性剤として化学式Iの化合物、任意選択的にベンダムスチンおよびリツキシマブのうちの一つまたは両方を含み、担体およびアジュバント等を含んでもよい。
アジュバントは、保存剤、湿潤剤、懸濁剤、甘味剤、香味剤、着香剤、乳化剤および分散剤を含む。微生物活動の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤(たとえば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等)により行うことができる。また、等張剤(たとえば、糖類、塩化ナトリウム等)を含むことが望ましい。吸収遅延剤(たとえば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン等)の使用により、注入医薬品形態の吸収延長がもたらされうる。
もし所望の場合、本発明の医薬組成物はまた、たとえば湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、抗酸化剤等(たとえば、クエン酸、ソルビタンラウリン酸モノエステル、トリエタノールアミンオレイン酸塩、ブチル化ヒドロキシトルエン等)の少量の補助物質を含有してもよい。
剤型の選択は、たとえば薬剤投与方法(たとえば、経口投与用であれば錠剤、丸薬またはカプセルの形態での製剤)、および薬剤物質の生体利用効率等の様々な要素に依存する。近年、表面積を増加させることにより(つまり、粒子サイズを減少させることにより)、生体利用効率を増加させることができるという原理にもとづき、乏しい生体利用効率を示す薬物に対する医薬組成物が特に開発されている。たとえば、米国特許第4,107,288号において、サイズが10〜1,000nmの範囲にある粒子を有する医薬組成物が記述され、その粒子中で、活性物質は高分子の架橋された基質上に担持される。米国特許第5,145,684号において、非常に高い生体利用効率を示す医薬組成物をもたらすために、表面改質剤の存在下で薬剤物質をナノ粒子にまで粉々にし(平均粒子サイズは400nm)、次いで液体培地中で分散される医薬組成物の製造が記述されている。
非経口注入に適した組成物は、生理学的に許容可能な滅菌水溶液もしくは非水系溶液、分散液、懸濁液または乳濁液、および滅菌注入溶液または分散液の再構成のための滅菌粉末を含んでもよい。適切な水系担体もしくは非水系担体、希釈液、溶媒または媒体の例としては、水、エタノール、ポリオール類(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール等)、それらの適切な組み合わせ、植物油(たとえばオリーブオイル)および、たとえばオレイン酸エチル等の注入可能な有機エステル類が挙げられる。適切な流動性が、たとえば、レシチン等のコーティング剤の使用により、分散液の場合においては要求される粒子サイズを維持することにより、および界面活性剤の使用により、維持される。
投与の具体的な一つの経路は、治療される疾患状態の重篤度に従い調製することができる簡便な1日投与量を用いた経口投与である。
経口投与のための固形の剤型としては、カプセル、錠剤、丸薬、粉末および顆粒が挙げられる。そのような固形剤型では、活性化合物は、少なくとも一つの不活性な常用賦形剤(または担体)(たとえばクエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム等)、または(a)充填剤または増量剤(たとえばスターチ、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸等)、(b)結合剤(たとえば、セルロース誘導体、スターチ、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよびアカシアゴム等)、(c)保湿剤(たとえば、グリセロール等)、(d)崩壊剤(たとえば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモスターチまたはタピオカスターチ、アルギン酸、クロスカルメロースナトリウム、複雑ケイ酸塩および炭酸ナトリウム等)、(e)凝結遅延剤溶液(たとえばパラフィン等)、(f)吸収促進剤(たとえば、4級アンモニウム化合物等)、(g)湿潤剤(たとえばセチルアルコールおよびグリセロールモノステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム等)、(h)吸着剤(たとえばカオリンおよびベントナイト等)、および(i)潤滑剤(たとえば、滑石、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)、またはそれらの組み合わせと混合される。カプセル、錠剤および丸薬の場合において、剤型は緩衝剤をまた含んでもよい。
上述の固形剤型は、コーティングおよび外殻(たとえば、腸溶コーティングおよび当分野で既知の他のもの)とともに合成される。それらは緩和剤(pacifying agents)を含んでもよく、また、遅延型の方式で消化管のある部分で活性化合物(複数含む)を放出するような組成物であってもよい。用いることができる、組み込まれる組成物の例には、重合物質およびワックスがある。活性化合物はまた、もし適切であれば、上述の賦形剤の一つ以上とともにマイクロカプセル化した形態であってもよい。
経口投与のための液体剤型には、薬学的に許容可能な乳濁液、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤が挙げられる。そのような剤型は、たとえば、本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、および任意の薬学的アジュバントを担体(たとえば、水、生理食塩水、水性デキストロース、グリセロール、エタノール等)、可溶化剤および乳化剤(たとえばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド)、油(特に綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブオイル、ヒマシ油およびゴマ油、ならびにグリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル)、これらの物質の混合物等中に溶解、分散等を行い、溶液または懸濁液を作製することにより合成される。
活性化合物に加えて、懸濁液は懸濁剤(たとえば、エトキシル化イソステアリルアルコール類、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、ならびに微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガント、またはこれらの物質の混合物等)を含んでもよい。
直腸投与のための組成物は、たとえば、本発明の化合物と、たとえば適切な非刺激性の賦形剤または担体(たとえばココアバター、ポリエチレングリコールまたは座薬ワックス(通常の温度で固形だが、体温で液体となり、適切な体腔内で溶け、その中で活性化合物を放出する))と混合することにより合成することができる座薬である。
本発明の化合物の局所投与のための剤型としては、軟膏、粉末、スプレーおよび吸入剤が挙げられる。活性化合物は、滅菌条件下で、生理学的に許容可能な担体および必要であれば任意の保存剤、緩衝剤または噴霧剤と混合される。眼用の組成物、眼軟膏、粉末および溶液もまた、本開示の範囲内であることが予期される。
圧縮ガスを、本発明の化合物をエアロゾル形態中に分散させるために用いてもよい。この目的に対して適切な不活性ガスは窒素、二酸化炭素等である。
一般に、投与の対象方法に依存し、薬学的に許容可能な組成物は、約1重量%〜約99重量%の本発明の化合物(複数含む)またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含み、99重量%〜1重量%の適切な薬学的な賦形剤を含む。一つの例において、組成物は、本発明の化合物(複数含む)、またはその薬学的に許容可能な塩が約5重量%〜約75重量%であり、残りは適切な薬学的な賦形剤である。
そのような剤型の実際の合成方法は、当業者に公知または明らかであり、たとえば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed., (Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1990)を参照のこと。投与される組成物は、いずれにしても、本発明の教示に従い、疾患状態の治療のために、本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の有効量を含む。
本明細書に開示される医薬組成物において、化学式Iの化合物またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、用いた具体的な化合物の活性、化合物の代謝安定性および活性期間の長さ、年齢、体重、一般健康状態、性別、食事、投与の方法および時間、排出率、薬剤の組み合わせ、特定の疾患状態の重篤度、ならびに受療者が受けた治療を含む様々な要素に依存し変化する有効量で投与される。化学式Iの化合物は、約0.1〜約1000mg/日の範囲の投与量レベルで患者に投与することができる。体重が約70キログラムの健康な大人に対しては、たとえば、約0.01〜約100mg/体重kg/日の範囲の投与量である。しかし、使用される具体的な投与量は、変化しうる。たとえば、投与量は、患者の要求、治療される疾患の重篤度、および使用される化合物の薬理学的活性を含む多くの要素に依存する。特定の患者に対する最適な投与量の決定は、当業者に公知である。もし固定された投与量として処方される場合、そのような組成物製品は、上述の投与量の範囲内の本発明の化合物、および承認された投与量の範囲内の他の薬学的に活性な剤(複数含む)を用いる。あるいは、化学式Iの化合物は、組み合わせ処方が適切ではない場合、既知の薬学的に許容可能な剤(複数含む)と、連続して用いてもよい。
一部の実施態様において、有効量は、腫瘍サイズの減少、転移の減少、完全寛解、部分的寛解、疾患状態の安定、全奏効率の増加、または病理学的完全奏功からなる群から選択される、少なくとも一つの治療効果を生じさせる。一部の実施態様において、有効量は、ベンダムスチンまたはリツキシマブ(化合物A投与無し)での治療と比較して、臨床的有用率(clinical benefit rate、CBR=CR(完全寛解)+PR(部分的寛解)+SD(疾患状態の安定)≧6か月)の改善を生じさせる。一部の実施態様において、臨床的有用率の改善は、約20%以上である。一部の実施態様において、臨床的有用率の改善は、少なくとも約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%かそれ以上である。一部の実施態様において、治療効果は、全奏効率における増加である。一部の実施態様において、全奏効率の増加は、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%かそれ以上である。
一部の実施態様において、同等臨床的有用率(comparable clinical benefit rate、CBR=CR(完全寛解)+PR(部分的寛解)+SD(疾患状態の安定)≧6サイクル)は、ベンダムスチンまたはその薬学的に許容可能な塩、リツキシマブ、またはベンダムスチンもしくはその薬学的に許容可能な塩およびリツキシマブの組み合わせ(化合物Aの投与無し)の治療と比較して、a)化合物Aまたはその薬学的に許容可能な塩、および、b)ベンダムスチンまたはその薬学的に許容可能な塩、c)リツキシマブ、またはd)ベンダムスチンもしくはその薬学的に許容可能な塩およびリツキシマブの組み合わせ、のいずれか、との治療で得られる。一部の実施態様において、臨床的有用率の改善は、少なくとも約20%である。一部の実施態様において、臨床的有用率の改善は、少なくとも約30%である。一部の実施態様において、臨床的有用率の改善は、少なくとも約40%である。一部の実施態様において、臨床的有用率の改善は、少なくとも約50%である。一部の実施態様において、臨床的有用率の改善は、少なくとも約60%である。一部の実施態様において、臨床的有用率の改善は、少なくとも約70%である。一部の実施態様において、臨床的有用率の改善は、少なくとも約80%である。
一部の実施態様において、同等臨床的有用率(comparable clinical benefit rate、CBR=CR(完全寛解)+PR(部分的寛解)+SD(疾患状態の安定)≧6か月)は、ベンダムスチンまたはその薬学的に許容可能な塩、リツキシマブ、またはベンダムスチンもしくはその薬学的に許容可能な塩およびリツキシマブの組み合わせ(化合物Aの投与無し)の治療と比較して、a)化合物Aまたはその薬学的に許容可能な塩、および、b)ベンダムスチンまたはその薬学的に許容可能な塩、c)リツキシマブ、またはd)ベンダムスチンもしくはその薬学的に許容可能な塩およびリツキシマブの組み合わせ、のいずれか、との治療で得られる。一部の実施態様において、臨床的有用率の改善は、少なくとも約20%である。一部の実施態様において、臨床的有用率の改善は、少なくとも約30%である。一部の実施態様において、臨床的有用率の改善は、少なくとも約40%である。一部の実施態様において、臨床的有用率の改善は、少なくとも約50%である。一部の実施態様において、臨床的有用率の改善は、少なくとも約60%である。一部の実施態様において、臨床的有用率の改善は、少なくとも約70%である。一部の実施態様において、臨床的有用率の改善は、少なくとも約80%である。
合成の概要
本発明の化合物は、以下の記述する合成方法により作製することができる。これらの化合物の調製に用いる開始材料および試薬は、たとえば、Aldrich Chemical Co. (Milwaukee, Wis.)、またはBachem (Torrance, Calif.)等の市販業者から、または当業者に公知の方法(たとえば、Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis, Volumes 1-17 (John Wiley and Sons, 1991); Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds, Volumes 1-5 and Supplementals (Elsevier Science Publishers, 1989); Organic Reactions, Volumes 1-40 (John Wiley and Sons, 1991), March’s Advanced Organic Chemistry, (John Wiley and Sons, 4th Edition)、および Larock’s Comprehensive Organic Transformations (VCH Publishers Inc., 1989)等の参考文献中に説明される、以下の手順)による調整のいずれかで入手可能である。これらのスキームは、本発明の化合物を合成する一部の方法の単なる図示であり、これらのスキームへの様々な改変が作製可能であり、本開示を参照する当業者に対し提案される。開始物質および反応中間体は、従来法(限定されないが、ろ過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィー等を含む)を用いて単離され、所望の場合には精製されうる。そのような材料は、従来手段(物理定数およびスペクトルデータを含む)を用いて特徴付けられる。
逆のことが明記されない限り、本明細書に記述される反応は、大気圧、および約−78℃〜約150℃の温度範囲(より具体的には、約0℃〜約125℃、さらに具体的には、およそ室温(または大気温度、たとえば、約20℃))にわたり、実施される。他で述べられない限り(水素添加の場合のように)、全ての反応は、窒素雰囲気下で実施される。
プロドラッグは、当業者に公知の技術により調製することができる。これらの技術は、多くの場合、所与の化合物中の適切な官能基を改変する。これらの改変された官能基は、日常的な操作またはin vivoにより、元々の官能基を再生させる。本発明の化合物のアミドおよびエステルが、従来法に従い調製されてもよい。プロドラッグに関する詳細な議論については、T. Higuchi and V. Stella, “Pro-drugs as Novel Delivery Systems,” Vol 14 of the A.C.S. Symposium Series、および、Bioreversible Carriers in Drug Design, ed. Edward B. Roche, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987(それら両方が、全ての目的に対し、参照により本明細書に援用される)に提示されている。
本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、非対称の炭素原子またはその構造中に4級化された窒素原子を有してもよい。本明細書に記述される合成を通じて調製されうる化学式Iの化合物は、立体異性体1種類のみとして、ラセミ化合物として、および光学異性体およびジアステレオマーの混合物として存在してもよい。化合物はまた、幾何異性体として存在してもよい。そのような単独の立体異性体、ラセミ化合物およびその混合物、および幾何異性体は、本発明の範囲内であることが意図される。本発明の化合物の一部は、互変異性体として存在してもよい。たとえば、ケトンまたはアルデヒドが存在する場合、その分子はエノール型で存在してもよく、アミドが存在している場合、その分子はイミド酸として存在してもよく、そしてエナミンが存在している場合、その分子はイミンとして存在してもよい。そのようなすべての互変異性体は、本発明の範囲内である。特に、イミダゾール−5−イルおよびピラゾール−5−イルはそれぞれ、各々の互変異性型のイミダゾール−4−イルおよびピラゾール−3−イルでも存在することができる。どのような構造またはどのような専門用語が用いられていようとも、各互変異性体は本発明の範囲内に含まれる。
本発明はまた、N−酸化物の誘導体、および化学式Iの化合物の保護された誘導体を含む。たとえば、化学式Iの化合物が酸化できる窒素原子を含有する場合、その窒素原子は、当分野に公知の方法でN−酸化物に転換することができる。化学式Iの化合物がたとえばヒドロキシ、カルボキシ、チオール等の基または窒素原子(複数含む)を含有する任意の基を含有する場合、これらの基は、適切な「保護基(protecting group)」または「保護基(protective group)」で保護することができる。適切な保護基に関する包括的なリストは、T.W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, Inc. 1991に見出すことができ、当該開示は、その全体が参照により本明細書に援用される。化学式Iの化合物の保護された誘導体は、当分野に公知の方法により調製することができる。
立体異性体のラセミ混合物または非ラセミ混合物から単一の立体異性体を調整および/または分離および単離する方法は、当分野に公知である。たとえば、光学活性化(R)−および(S)−異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬を用いて調製してもよく、または従来技術を用いて分割してもよい。光学異性体(R−およびS−異性体)は、当業者に公知の方法で分割されてもよく、たとえばジアステレオ異性体塩またはたとえば結晶化により分離されうる複合体の形成により、光学異性体特異的試薬(たとえば酵素的酸化または還元)を用いた1つの光学異性体の選択反応、次いで、改変された、および改変されていない光学異性体の分離により分離される、たとえば結晶化により分離されうるジアステレオ異性体誘導体の形成を介して、またはキラル環境中(たとえば、固定キラルリガンドを伴うシリカ等のキラル支持体、またはキラル溶媒の存在下)でのガス液体もしくは液体クロマトグラフィーによる。所望の光学異性体が、上述の分離手段の一つにより他の化学物質へ転換される場合、所望の鏡像異性形態を有利させるために、さらなる工程が必要とされうることが明らかである。あるいは、具体的な光学異性体は、光学活性化試薬、基質、触媒または溶媒を用いた非対称合成により、または光学異性体を非対称変換により他の光学異性体に転換することにより、合成されてもよい。特定の光学異性体を富化させた光学異性体の混合物に対し、再結晶化により、主成分である光学異性体をさらに富化させてもよい(収量の減損を伴う)。
さらに、本発明の化合物は、たとえば水、エタノール等の薬学的に許容可能な溶媒と共に、溶媒和されない形態、ならびに溶媒和された形態で存在することができる。概して、溶媒和された形態は、本発明の目的に対して、溶媒和されない形態と同等であるとみなされる。
本発明の化合物の調製に対する化学的構造は当業者に公知である。実際に、本発明の化合物を調整するプロセスは2つ以上存在しうる。具体的な例としては、M. Barvian et al. J. Med. Chem. 2000, 43, 4606-4616; S. N. VanderWei et al. J. Med. Chem. 2005, 48, 2371-2387; P. L. Toogood et al. J. Med. Chem. 2005, 48, 2388-2406; J. Kasparec et al. Tetrahedron Letters 2003, 44, 4567-4570およびそこに引用された参考文献を参照のこと。また、米国の特許付与前公報US2004/0009993A1(M. Angiolini et al.)(参照により本明細書に援用される)およびそこに引用された参考文献を参照のこと。以下の実施例は解説であり、本発明を限定するものではない。本明細書に引用されるすべての参考文献は、その全体が参照により援用される。
が任意選択的に置換アルキルであり、Rが水素または任意選択的に置換アルキル、Rがメチルまたはエチル、Rがフェニルまたはヘテロアリールであり、各々が任意選択的に1、2、3、4または5つのR基と置換される(発明の概要において記述されている)、およびRは水素である、本発明の化合物は、スキーム1に従い調製することができる。
Figure 2014517042
たとえば水等の溶媒にとかした市販の2−メチル−2−チオイソ尿素硫酸塩に、たとえば炭酸ナトリウム等の塩基、および化学式10の中間体を室温で加える。反応混合物を一晩以下、攪拌する。中性化した後、中間体11をろ過で収集し、次いで、真空下で乾燥させる。次いで、中間体POCLで処理し、反応を約2時間、加熱灌流し、次いで、真空乾燥させ濃縮する。中間体1は、さらなる精製無しで次の反応に直接用いることができる。
化学式2の中間体は、化学式1の中間体と1級アミンRNHをたとえば水等の溶媒中で加熱しながら反応させることにより作製する。中間体2を、次いで、たとえばメタノール等の溶媒中、約0℃で、一塩化ヨードで処置し、中間体3の形成が完了する反応の必要に応じて、およそ一晩以下、反応させる。完了後、残留物をアセトンで粉砕する。次いで、中間体3を、たとえばDMA等の溶媒中で、塩基(たとえばトリエチルアミン)の存在下、たとえばPd(OAc)等の触媒、および(+)BINAPの存在下で、アクリル酸エチルと反応させる。約100℃まで加熱して反応させ、中間体4の形成が完了する反応の必要に応じて、およそ一晩以下、反応させる。次いで、中間体4を、任意選択的に、カラムクロマトグラフィーにより精製する。
たとえばDIPEA等の塩基の存在下で、室温でDBUと中間体4を処置することにより、中間体5を作製する。次いで、反応混合物を加熱還流し、約15時間、反応させる。溶媒の蒸発後、残留物をアセトンで粉砕し、ろ過により収集し、5を得る。
たとえばDCM等の溶媒中で、室温で、たとえばBr等の臭素化剤と中間体5を反応させることにより、中間体6を作製する。次いで、反応混合物をおよそ一晩、攪拌する。得られた生成物をろ過し、次いで例えばDCM等の溶媒中に懸濁し、たとえばトリエチルアミン等の塩基で処理する。次いで、混合物を水で洗浄し、たとえばNaSO等の乾燥剤により乾燥させ、中間体6を得る。
次いで、たとえばトリエチルアミン等の塩基、たとえばPd(dpppf)等の触媒の存在下、たとえばDME−HO等の溶媒(複数含む)中で、化学式RB(OH)のボロン酸(またはエステル)と中間体6を用いて、室温で、スズキカップリングを実施する。反応混合物を約4時間、加熱灌流する。室温にまで冷却した後、反応混合物を水および酢酸エチルで分割する。分離後、有機層を例えばNaSO等の乾燥剤で乾燥させ、中間体7を得る。
次いで、中間体7のメチルチオ基をたとえばDCM等の溶媒中、室温でm−CPBAで酸化させ、約4時間、攪拌させた。減圧下で溶媒を除去し、生成物を、たとえばジオキサン等の溶媒中で、化学式RNHのアミンで処理し、室温でおよそ一晩、攪拌し、化学式Iの化合物を得る。
あるいは、Rが任意選択的に置換アルキルであり、Rがメチルまたはエチル、Rがフェニルまたはヘテロアリールであり、各々が任意選択的に1、2、3、4または5R基と置換される(発明の概要において記述されている)、およびRは水素である、化学式Iの化合物は、スキーム2に従い調製することができる。
Figure 2014517042
化学式9の中間体は、化学式8の中間体と、生のPOClを反応させ、加熱させることにより作製する。次いで、9を、たとえば水またはTHFおよびトリエチルアミン等の溶媒中、0℃で、1級アミンRNHで処理し、10を形成させる。減圧下で溶媒を除去後、中間体10を次いで、たとえばTHF等の溶媒中、0℃で、水酸化アルミニウムリチウムと反応させる。急冷および水相の作製後、溶媒を除去することにより、さらなる精製無く、結晶質11を得た。11を、たとえば塩化メチレンまたはクロロホルム等の溶媒中、室温で、二酸化マンガン(II)で処理し、アルデヒド12を、ろ過および溶媒除去で得た。アルデヒド12とのウィッティヒ反応を、還流THF中で、(カルベトキシメチレン)トリフェニルホスホランと実行し、共通の中間体4を得た。次いで、4を、スキーム1に記載の手順を用いた、化学式Iの化合物の調製に用いることができる。
が任意選択的に置換アルキルであり、Rがメチルまたはエチル、Rがフェニルまたはヘテロアリールであり、各々が任意選択的に1、2、3、4または5R基と置換され(発明の概要において記述されている)、およびRは水素である、本発明の化合物は、スキーム3に従い作製することができる。
Figure 2014517042
化学式14の中間体は、化学式13の中間体と1級アミンRNHを、たとえば水等の溶媒中、加熱しながら反応させることにより作製する。次いで、14を、たとえばメタノール等の溶媒中、約0℃で、一塩化ヨードで処置し、15の形成が完了する反応の必要に応じて、およそ一晩以下、反応させる。完了後、残留物をアセトンで粉砕する。次いで、中間体15を、たとえばDMA等の溶媒中、たとえばトリエチルアミン等の塩基の存在下、たとえばPd(OAc)等の触媒および(+)BINAPの存在下、アクリル酸エチルと反応させる。約100℃まで加熱し反応させ、16の形成が完了する反応の必要に応じて、およそ一晩以下、反応させる。次いで、16を、任意選択的にカラムクロマトグラフィーで精製する。次いで、化学式Iの化合物を、スキーム1に記載されたものと同じ反応条件を用いて、16から作製する(4から5の作製開始点)。
あるいは、Rが任意選択的に置換アルキルであり、Rがメチルまたはエチル、Rがフェニルまたはヘテロアリールであり、各々が任意選択的に1、2、3、4または5R基と置換され(発明の概要において記述されている)、およびRは水素である、本発明の化合物は、スキーム4に従い作製する。
Figure 2014517042
化学式20の中間体は、化学式19の中間体と、生のPOClを反応させ、加熱させることにより作製する。次いで、20を、たとえば水またはTHFおよびトリエチルアミン等の溶媒中、0℃で、1級アミンRNHで処理し、21を形成させる。減圧下で溶媒を除去後、中間体21を次いで、たとえばTHF等の溶媒中、0℃で、水酸化アルミニウムリチウムと反応させる。急冷および水性の作製後、溶媒を除去することにより、さらなる精製無く、結晶質22を得た。22を、たとえば塩化メチレンまたはクロロホルム等の溶媒中、室温で、二酸化マンガン(II)で処理し、アルデヒド23を、ろ過および溶媒除去で得た。プロトン性溶媒中の、たとえば炭酸カリウムまたは水酸化ナトリウム等の塩基の存在下で、23およびアリールアセトニトリルで、クネーフェナーゲル縮合を行い、環化イミン24を得る。加水分解の前に、無水酢酸でのイミンのアセチル化が必要であり、酸性水溶液の存在下で行い、加熱し、25を得る。その後、室温で、m−CPBAでスルホン相当に酸化し、アンモニウムを置換し、Iを得ることができる。
具体的な化合物の合成については、WO2007/0444813に記述されており、その全体が参照により本明細書に援用される。
実施例1 ベンダムスチンとの組み合わせにおける、化合物Aのin vivo評価
汎PI3K/mTOR二重阻害剤である化合物Aとの組み合わせにおけるベンダムスチンの抗腫瘍活性を評価するために、ヒトWSU−DLCL2異種移植片を担持したメスのSCIDマウスを用いて実験を実施した。本実験において、20mg/kgの化合物Aとの組み合わせで、3.5mg/kgおよび7mg/kgでベンダムスチンを試験した。
方法と材料
Charled River,USAから入手した系統由来の、CB17/lCR−Prkdc重症複合型免疫不全(SCID)/Crlマウス(8〜10週齢)を、Charled River France(Domaine des Oncins, 69210 L‘Arbresle, France)で繁殖させた。少なくとも5日間の馴化期間の後、処置の開始時点で、マウスは18g以上であった。マウスは自由に食物(UAR reference 113, Villemoisson, 91160 Epinay sur Orge, France)および滅菌水を飲食することができた。マウスは、12時間の明暗サイクルで飼育した。動物メンテナンス、室温(22℃±2℃)、相対湿度(55%±15%)および点灯時間を含む、環境条件は、実験動物の科学および福祉(LASW)の管理者により記録され、その記録は保管されている。
ヒトWSU−DLCL2腫瘍モデルは、小さな腫瘍断片を移植(SC)することにより確立し、連続継代を用いてメスのSCIDマウス中で維持された。
ベンダムスチン処方は、化合物を、pH3で、0.9%NaClへ組み入れることにより調製した。その調製物は、投与の前に毎日、調整した。IP投与のマウス1匹当たりの量は、10mL/kgであった。
注射のための化合物Aの処方は、1NのHClおよび水で調整され、最終pHは3であり、次いで、ボルテックスおよびソニケーションを5サイクル行った。ストック溶液は、4℃、暗所で7日間、化学的に安定であった。マウス1匹当たりのPO投与の量は、10mL/kgであった。
腫瘍細胞の皮下移植のために、マウスの脇腹の肌を、アルコールまたはBetadine(登録商標)溶液(Alcyon)を用いて滅菌し、腫瘍細胞の懸濁液を、23G針を用いて、0.2mLの体積より少なく、一方にSC接種した。
単剤または組み合わせで用いたベンダムスチンおよび化合物Aの投与の用量およびスケジュールは、結果において記述され、以下の表中に詳述される。
所与の実験を開始するために必要とされる動物は、0日目にプールされ、片方の脇腹に移植された。計測可能な腫瘍に、処置が投与された。固形腫瘍を、所望の体積範囲にまで成長させた(腫瘍が所望範囲に無い動物は除外された)。次いで、マウスをプールし、非選択的に様々な処置群および対照群に分配した。処置は、結果の項および各表に示されているように、WSU−DLCL2腫瘍断片移植の20日後に開始した。用量は、治療開始時点での体重に基づく、mg/kgで表される。マウスは毎日チェックされ、副作用を記録した。各群のマウスは、体重が一番少なくなるまで、日々常に全体として体重を計測された。次いで、実験が終了するまで、週に1度〜3度、群の体重を計測した。腫瘍は、サンプル採取のための最終殺処分時、腫瘍が2000mmに到達、または動物が死亡するまで(最初に発生するいずれか)、週に2〜3回、キャリパーを用いて計測された。固形腫瘍体積は、2次元腫瘍計測から推量され、以下の数式に従い算出された。
腫瘍の重さ(mg)=長さ(mm)×幅(mm)/2
死亡の日付は記録された。生き残ったマウスは殺処分され、胸腔および腹腔の肉眼検査が実施された。
3日連続(群平均)で15%の体重減少(BWL)をもたらす用量、1日で20%のBWLをもたらす用量、または10%以上の薬物死をもたらす用量は、過剰な毒性のある用量とみなした。動物の体重には、腫瘍の重量が含まれている。
主要有効性エンドポイントは、ΔT/ΔC、パーセントメジアン退縮(percent median regression)、部分的退縮および完全退縮(PRおよびCR)である。
処置群(T)および対照群(C)のそれぞれに対する腫瘍体積の変化は、特定の観察日での腫瘍体積から、最初の処置をした日(開始日)での腫瘍体積を差し引くことにより、それぞれの腫瘍に対して算出した。メジアンΔTは、処置群に対し算出され、メジアンΔCは、対照群に対して算出される。次いで、ΔT/ΔCの比率を算出し、パーセンテージとして表す。ΔT/ΔCが40%より低い場合に、その投与量は治療効果があるとみなし、ΔT/ΔCが10%より低い場合に、とても高い治療効果があるとみなす。もしΔT/ΔCが0であるか、0より低い場合、その投与量はより高い治療効果があるとみなす。
部分的退縮:腫瘍体積が、処置の開始時点での腫瘍体積の50%にまで減少した場合、部分的退縮と定義する。
完全退縮:腫瘍体積=0mmとなったときに、CRが達成される(腫瘍体積が記録できなくなった場合に、CRとみなす)。
「治療の相乗効果」という用語は、2つの製品が単独で同じ投与量であるとみなされるときの最も良い成績よりも、所与の投与量で2つの製品の組み合わせが、より効果的である場合に用いる。治療の相乗効果の実験のために、各組み合せを、腫瘍体積のパラメータに関する、繰り返し計測(時間要素)での2方向分散分析から得られた推定値を用いた、最も良い単剤と比較した。
統計分析は、SUN4に対する、EverstatV5ソフトウェアおよびSAS 9.2ソフトウェアを介し、SASシステム(8.2版)で実施された。5%未満(p<0.05)の確率を、有意であるとみなした。
結果
治療開始時点でのメジアン担持腫瘍体積は、150〜176mmであった。単剤として、化合物A(20mg/kg/adm)を、腫瘍移植後の20日〜31日に毎日投与し、ベンダムスチン(3.5および7mg/kg/adm)を、20日〜25日に毎日投与した。組み合わせ群における、化合物Aおよびベンダムスチンの投与量は、表2において示されるように、投与した。
単剤または組み合わせに用いられた化合物Aおよびベンダムスチンは、耐容性を示した(表2および図1)。表6において、1匹のマウスが28日および31日に本実験から除外された(腫瘍計測の信頼性の問題のため)。単剤として、これらの条件下、ベンダムスチン(3.5および7mg/kg)および化合物Aは効果が無かった(ΔT/ΔC>40)(表1および図2)。組み合わせにおいて、ベンダムスチン(7mg/kg)と化合物Aの処置は効果があり(ΔT/ΔC=33、31日目)、1PRを誘導し、表2に示されるように、治療の相乗効果が得られた(p=0.0018、網羅的解析)。表3もまた参照のこと。
表2 ヒトWSU−DLCL2担持SCIDメスマウスに対する、ベンダムスチンとの組み合わせにおける化合物Aの抗腫瘍活性
Figure 2014517042
治療開始時点での腫瘍サイズは、80〜270mm(群あたりのメジアン担持腫瘍体積は、150〜176mm)であった。ベンダムスチンに対する薬剤処方は、水に溶解した0.9%NaClからなり(pH3)、化合物Aに対する薬剤処方は、水から構成された(pH3)。ベンダムスチンに対する処置期間は、6日間、化合物Aに対する処置期間は12日間であった。処置群および対照群の間の、ベースラインメジアンからの腫瘍体積における変化率に対する、ΔT/ΔC((TV日−TV0)/(CV日−CV0)100)という略記を用いた。
表3 ヒトWSU−DLCL2担持SCIDメスマウスに対する、ベンダムスチンとの組み合わせにおける化合物Aの抗腫瘍活性:治療の相乗効果の測定。
Figure 2014517042
Figure 2014517042
表4
Figure 2014517042
実施例2 化合物Aでの悪性血液疾患の治療
化合物Aの、第I相b、多施設、オープンラベルでの用量漸増試験が実施され、再発した、もしくは難治性の緩慢性B細胞非ホジキンリンパ腫(iNHL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)または慢性リンパ球性白血病(CLL)の患者における、ベンダムスチンおよび/またはリツキシマブとの組み合わせにおける、化合物Aの安全性、耐容性および臨床的効果を評価した。
試験目的
本試験の第一の目的は、ベンダムスチンおよび/またはリツキシマブと組み合わせて投与された場合の化合物Aの最大耐容量(MTD)および推奨される第II相投与量を決定することである。第二の目的は、以下が挙げられる。
・ 緩慢性非ホジキンリンパ腫(iNHL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)または慢性リンパ球性白血病(CLL)の患者における、ベンダムスチンおよび/またはリツキシマブとの組み合わせにおける化合物Aの安全性および耐容性の測定
・ iNHL、MCLまたはCLLの患者における、組み合わせでの使用の場合の化合物A、ベンダムスチンおよびリツキシマブの薬物動態(PK)の測定
・ iNHL、MCLまたはCLLの患者における、ベンダムスチンおよび/またはリツキシマブとの組み合わせにおける化合物Aの薬力学的(PD)効果の測定
・ iNHL、MCLまたはCLLの患者における、ベンダムスチンおよび/またはリツキシマブとの組み合わせにおける化合物Aの抗腫瘍活性の測定
予備的な目的としては、従前より存在する、PI3K/mTORおよび他の経路(複数含む)に直接的、または間接的に関与する分子改変、およびiNHL、MCLまたはCLLの患者における、ベンダムスチンおよび/またはリツキシマブとの組み合わせにおける化合物Aに対する応答および/または耐性の間の相互関係を究明することである。
試験デザイン
これは第Ib相の試験デザインである。3つの治療群、用量漸増、非ランダム化、オープンラベルの、多施設試験である。
用量漸増フェーズ
治療群Aは、リツキシマブを固定された用量で、化合物Aを増加する用量で、投与される。
治療群B1およびB2は、ベンダムスチンおよびリツキシマブを固定された用量で、化合物Aを増加する用量で投与される。すべての患者は、サイクル1の1日目および2日目のために入院させ、患者の安全性、および適切なPKおよびPDサンプリングを確保する。治療群Aは、再発/難治性のiNHL、MCLまたはCLLの患者を登録する。治療群B1は、再発/難治性のiNHLまたはMCLの患者を登録する。治療群B2は、再発/難治性のCLLの患者を登録する。
各コホートは、各投薬レベルで3〜6人の患者を登録する。治療群A、B1およびB2は同時に登録する。化合物Aの開始投与量は、1日2回、30mg(BID)から、50mgBIDに漸増する(すなわち、単剤として投与される化合物AのMTD)。中間の化合物A投薬レベル(すなわち、40mgBID)または低投薬レベル(<30mgbid)は、観察された用量制限毒性(DLT)に基づき試験されてもよい。
投薬レベル
治療群A:化合物Aおよびリツキシマブ:iNHL、MCLまたはCLL
投薬レベル1:リツキシマブ375mg/m;化合物A 30mgBID
投薬レベル2:リツキシマブ375mg/m;化合物A 50mgBID
治療群B1:化合物A、ベンダムスチン、リツキシマブ:iNHLまたはMCL
投薬レベル1:リツキシマブ375mg/m;ベンダムスチン90mg/m;化合物A 30mgBID
投薬レベル2:リツキシマブ375mg/m;ベンダムスチン90mg/m;化合物A 50mgBID
治療群B2:化合物A、ベンダムスチン、リツキシマブ:CLL
投薬レベル1:リツキシマブ375mg/m;ベンダムスチン70mg/m;化合物A 30mgBID
投薬レベル2:リツキシマブ375mg/m;ベンダムスチン70mg/m;化合物A 50mgBID
最大耐用量拡大フェーズ
MTDは、治験薬(IMP)関連DLTを経験した6人の患者の最大が、1人を超えない最も高い投薬レベルとして、定義される。各治療群および腫瘍型コホートにおいて、最低でも6人の追加の患者が、予備的なMTDで処置され、リツキシマブまたはベンダムスチンとリツキシマブの組み合わせにおけるこの投薬量の安全性と耐容性をさらに評価する。最大で12人の患者が、治療群ごと、および腫瘍型ごとに、MTD投薬レベルで処置される。推奨される第II相の化合物Aの投薬量は、各処置群(A、B1、B2)に対して決定される。
主な試験対象患者基準
組織学的に、または細胞学的に、および表現型的にiNHL、MCLまたはCLLと確定診断された患者で、再発した、または少なくとも1つの標準的な治療法に対し難治性であった患者。難治性疾患は、標準的な治療法に対し反応性が無い、または標準的な治療法の完了から6か月以内での進行として定義される。
患者の総想定数は、用量漸増フェーズに対しては約18〜36人、最大耐用量拡大コホートに対しては約18〜27人(治療群ごとに6〜9人)である。
投与経路
化合物Aは、経口で投与され、経口投与のための10、30、40、および50mgの濃度でのカプセルの処方として供給される。リツキシマブは静脈内(IV)注射として投与される(3〜4時間の点滴。添付文書を参照のこと)。また、ベンダムスチンはIV注射として投与される(30〜60分の点滴。添付文書を参照のこと)。
用法/期間
すべての患者は、化合物A BID(朝と夜に。好ましい服用間の間隔は、12(±1)時間)を服用する。化合物Aは、一杯の水(約8オンス(240mL))と共に服用しなければならず、服用の少なくとも2時間前と1時間後は飲食してはならない。もし服用し損ねた場合には、通常の服用時間の4時間後までなら服用してもよい。4時間の時間帯を超えての服用はしてはならない、または次の時間に追加してはならない。もし患者がIMPを服用後に嘔吐した場合、追加の用量は投与してはならない。患者は、化合物Aを投与される同時刻に、水と共に他の併用薬を服用してもよい(胃のpH調整薬は除く)。
二重治療法としての化合物Aとリツキシマブの組み合わせ治療法、または3重治療法としての化合物A、ベンダムスチンおよびリツキシマブとの組み合わせ療法は、28日のサイクルによって投与される。化合物Aの開始用量は、30mg BIDである。
治療群A
・ すべての患者は、臨床的効果がある限り、経口、BIDで化合物Aを投与される。
・ 患者は、毎週、リツキシマブ375mg/mIVで、2サイクル投与される(28日サイクルの1、8、15および22日目)。
治療群B1
・ MCL/iNHLの患者は、リツキシマブ375mg/mIVを28日サイクルの1日目、8サイクルまで投与され、ベンダムスチン90mg/mIVを28日サイクルの1日目および2日目、8サイクルまで投与される。サイクル2完了後のリツキシマブの中止は、スポンサーとの論考の後、調査者の自由裁量で許可される。
治療群B2
・ CLLの患者は、サイクル1の1日目にリツキシマブ375mg/mを投与され、次いで、サイクル2の1日目に500mg/mを6サイクルまで投与され、28日サイクルの各1日目と2日目にベンダムスチン70mg/mIVを6サイクルまで投与される。サイクル2完了後のリツキシマブの中止は、スポンサーとの論考の後、調査者の自由裁量で許可される。
治療群B1およびB2のすべての患者は、サイクル1の間(C1D1の2日前および5日後)、経口アロプリノールでの腫瘍溶解症候群(TLS)予防を受けなければならず、そしてサイクル1の1日目および2日目は、水和反応およびモニタリングのために入院しなければならない。
主要エンドポイント
用量制限毒性
用量制限毒性は、最新の米国立がん研究所(NCI)の有害事象共有用語(CTCAE)基準(v4.03)を用いて、本試験治療のサイクル1の間に発生する以下の毒性のうちの任意の1つとして定義される。
血液毒性
・ 7日を超えて継続するグレード4の好中球減少(ANC<0.5×10/L)
・ >38.3℃の単一温度、または1時間を超える≧38度の持続温度を伴う、ANC<1.0×10/Lとして定義される、発熱性好中球減少症
・ 7日を超えて継続するグレード4の血小板減少症(血小板数<25.0×10/L)、またはグレード3を超える出血に付随する任意の期間のグレード4の血小板減少症
非血液毒性
・下痢、吐き気、嘔吐を除く、非血液性の任意のグレード3以上の毒性
−吐き気/嘔吐または下痢は、最適な予防および/または治療を受けているにもかかわらず、2日を超えて、グレード3以上を有する患者においてDLTとみなす。
−任意の期間のグレード4の下痢は、DLTとみなす。
・ ベンダムスチンとの組み合わせでの化合物Aの投与を受けている患者における、任意のグレード3の発疹で、28日までにグレード1以下の毒性へ回復しなかったもの
・ 2週をこえる治療の遅延をもたらす任意の毒性
・ 本試験委員会の意見において、さらなる用量漸増により患者を受容できないリスクにさらすような潜在的な臨床的意味があるとされた、治療により発生した有害事象(TEAE)
最大耐用量
MTDは、用量レベルコホートの6人の患者のうち、最大1人の患者(または、より多い患者で、33%を超える患者の用量レベル)が試験治療に関連したDLTを経験する、最大用量レベルである。
副次的エンドポイント
安全性
TEAEを経験している患者の数および割合。実験パラメータおよび/またはバイタルサインにおける、臨床的に意義のある変化を経験している患者の数および割合。
薬物動態学的パラメータ
化合物Aに対する血漿薬物動態学的(PK)パラメータとして、AUC0−12h、Cmaxおよびtmaxが、サイクル1および2の1日目における朝の投与に対し、分析される。ベンダムスチンおよびそのM3代謝物のPKパラメータ、AUC、AUClast、Ceoi、tmax、ClおよびVssが、サイクル1および2の1日目に分析される。リツキシマブのPKパラメータ、AUC0−7h、Ceoiおよびtmaxがサイクル1および2の1日目に分析される。
有効性
客観的奏効率(ORR)が、抗腫瘍活性を測定するために分析される。客観的奏効率は、悪性リンパ腫(1)およびCLL(2)に対する、国際作業部会(International Working Group、IWG)応答基準により定義される、完全応答/寛解(CR)または部分的応答/寛解(PR)を経験している患者の割合として定義される。
薬理学
力学的なマーカー(たとえば、pAKT)の変化により測定される、分子経路調節は、投与前、および投与後の血液および腫瘍組織を用いて測定される。増殖マーカーおよびアポトーシスマーカーもまた測定される。サンプリングの詳細は、フローチャートにおいて提示される(1.3項)
予備的エンドポイント
最も新しい記録または新鮮な腫瘍組織/細胞、およびベースラインの血液サンプルの分子学的特性化は、PI3K/mTORおよび/または他の経路(複数含む)ならびに処置転帰における、従前から存在する分子変化との相関関係を研究するために技術的に実行可能な場合に、実施される。
前述の発明は、明確性および理解を目的として、解説および例示により詳しく記述されている。本発明は、様々な具体的な実施態様および技術を参照として記述されている。しかしながら、多くの変更および改変が、本発明の主旨および範囲内にありながら作製されうることが理解されるであろう。当業者には、変更および改変が、添付のクレームの範囲内で実施されうることが明らかである。ゆえに、上記の記述は、解説を意図しており、制限ではないことが理解されるべきである。本発明の範囲は、ゆえに、上記の記述を参照にして決定されるべきではなく、以下の添付のクレームに対して権利付与される均等の全範囲とともに、そのようなクレームを参照にして決定されるべきである。本明細書に引用される、すべての特許、特許出願および公表文献は、各々の個別の特許、特許出願または公表文献が個別にそのように示されているのと同じ程度にまで、全ての目的に対し、その全体で参照により本明細書に援用される。

Claims (32)

  1. (a)化学式IAの化合物:
    Figure 2014517042
    またはその代謝物、またはその薬学的に許容可能な塩の有効量、および(b)ベンダムスチン、または(c)リツキシマブ、または(d)ベンダムスチンおよびリツキシマブの組み合わせ、のいずれかの有効量を患者に投与することを含む、患者の癌を治療する方法であって、
    ここで、化学式IAの化合物について、
    は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキル、
    は、水素またはアルキル、
    は、アルキル、
    は、水素、および、
    は、フェニル、アシルまたはヘテロアリールであって、前記フェニルおよびヘテロアリールは、任意選択的に、1、2、3、4または5つのR基と置換され、および、
    各Rは、もし存在した場合、独立して、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニル、アミノアルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールであり、前記シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロアリールは、それぞれ、単独またはR内の他の基の一部のいずれかであり、独立して、任意選択的に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノから選択される、1、2、3、または4つの基と置換される、方法。
  2. 前記化学式IAの化合物中のRが、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、またはアリールアルキルであり、Rは水素またはアルキルであり、Rはアルキルであり、Rは水素であり、Rはフェニルまたはヘテロアリールであり、前記フェニルおよびヘテロアリールは任意選択的に1、2または3つのR基と置換され、各Rは、もし存在した場合、独立して、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノまたはハロであり、および各Rは、もし存在した場合、独立して、アルキル、アリールアルキル、シアノ、アリール、アルコキシカルボニルである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記化学式IAの化合物中のRが、メチルである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記化学式IAの化合物中のRが、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記化学式IAの化合物中のRが、アルキルである、請求項1に記載の方法。
  6. 前記化学式IAの化合物中のRが、任意選択的に1、2、または3つのR基と置換されるヘテロアリールである、請求項1に記載の方法。
  7. 前記化学式IAの化合物中のRが、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、フラニル、ピロリル、トリアゾリル、またはテトラゾリルであり、各々は、任意選択的に1、2または3つのR基と置換される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記化学式IAの化合物中のRが、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、ピラゾール−5−イル、イミダゾール−2−イル、イミダゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、チエン−2−イル、チエン−3−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、イソキサゾール−3−イル、イソキサゾール−4−イル、イソキサゾール−5−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,2,3−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、ピロール−2−イル、ピロール−3−イル、トリアゾール−4−イル、トリアゾール−5−イル、またはテトラゾール−5−イルであり、各々は、任意選択的に1、2または3つのR基と置換される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記化学式IAの化合物中のRが水素であり、Rがメチルであり、Rが任意選択的に置換されるアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、およびRは、任意選択的に1、2または3つのR基と置換されるヘテロアリールである、請求項1に記載の方法。
  10. 前記化学式IAの化合物が、以下:
    Figure 2014517042
    Figure 2014517042
    から選択される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記化学式IAの化合物が、2−アミノ−8−エチル−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン、またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記癌が、非ホジキンリンパ腫(NHL)、および、びまん性大型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫(FL)、辺縁性リンパ腫(MZL)、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫、およびリンパ形質細胞性リンパ腫を含むB細胞リンパ腫からなる群から選択される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記癌が、再発した、または難治性の緩慢性B細胞非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、および慢性リンパ球性白血病からなる群から選択される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記化学式IAの化合物が、ベンダムスチンとの組み合わせで投与される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記化学式IAの化合物が、リツキシマブとの組み合わせで投与される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記化学式IAの化合物が、ベンダムスチンおよびリツキシマブとの組み合わせで投与される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. (a)2−アミノ−8−エチル−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン、またはその薬学的に許容可能な塩の有効量、および、
    (b)ベンダムスチンまたはその薬学的に許容可能な塩、または、
    (c)リツキシマブ、または、
    (d)ベンダムスチンもしくはその薬学的に許容可能な塩、およびリツキシマブの組み合わせ、
    のいずれかの有効量を、患者に投与することを含む、患者の悪性血液疾患を治療する方法であって、
    ここで、前記方法が、少なくとも1サイクルを含有し、前記サイクルは、28日の期間であり、2−アミノ−8−エチル−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンまたはその薬学的に許容可能な塩が、約30mgBID〜約50mgBIDで投与され、および、ベンダムスチンまたはその薬学的に許容可能な塩が、約70mg/m〜約90mg/mで投与され、および、リツキシマブが、約375mg/m〜約500mg/mで投与され、
    ここで、前記悪性血液疾患が、再発した、もしくは難治性の緩慢性B細胞非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、または慢性リンパ球性白血病である、方法。
  18. リツキシマブが、4〜8週間、毎週、経静脈投与される、請求項17に記載の方法。
  19. リツキシマブが、前記サイクルの1、8、15、および28日目に投与される、請求項18に記載の方法。
  20. ベンダムスチンまたはその薬学的に許容可能な塩が、8サイクルまでの間、前記サイクルの1日目および2日目に、約90mg/mで経静脈投与される、請求項17に記載の方法。
  21. ベンダムスチンまたはその薬学的に許容可能な塩が、6サイクルまでの間、前記サイクルの1日目および2日目に、約70mg/mで経静脈投与される、請求項17に記載の方法。
  22. リツキシマブが、8サイクルまでの間、前記サイクルの1日目に経静脈投与され、ベンダムスチンまたはその薬学的に許容可能な塩が、8サイクルまでの間、前記サイクルの1日目および2日目に、約90mg/mで経静脈投与される、請求項17に記載の方法。
  23. リツキシマブがサイクル1の1日目に約375mg/mで投与され、そしてサイクル2〜6の1日目に約500mg/mで投与され、ここで、ベンダムスチンまたはその薬学的に許容可能な塩が、6サイクルまでの間、前記サイクルの1日目および2日目に、約70mg/mで投与される、請求項17に記載の方法。
  24. 前記有効量が、腫瘍サイズの減少、転移の減少、完全寛解、部分的寛解、疾患状態の安定、全奏効率の増加、または病理学的完全奏功からなる群から選択される治療的効果の少なくとも一つをもたらす、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 悪性血液疾患の治療に用いる組み合わせであって、前記組み合わせが、(a)2−アミノ−8−エチル−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン、またはその薬学的に許容可能な塩の治療有効量、および、(b)ベンダムスチンまたはその薬学的に許容可能な塩、または、(c)リツキシマブ、または、(d)ベンダムスチンもしくはその薬学的に許容可能な塩、およびリツキシマブの組み合わせ、のいずれかの治療有効量を含む、組み合わせ。
  26. 2−アミノ−8−エチル−4−メチル−6−(1H−ピラゾール−5−イル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オンまたはその薬学的に許容可能な塩が、約30mgBID〜約50mgBIDで投与され、およびベンダムスチンまたはその薬学的に許容可能な塩が、約70mg/m〜約90mg/mで投与され、およびリツキシマブが、約375mg/m〜約500mg/mで投与され、ならびに前記悪性血液疾患が、再発した、または難治性の緩慢性B細胞非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、または慢性リンパ球性白血病である、請求項25に記載の組み合わせ。
    リツキシマブが、4〜8週間、毎週、経静脈投与される、請求項17に記載の方法。
  27. リツキシマブが、前記サイクルの1、8、15および28日目に投与される、請求項26に記載の組み合わせ。
  28. ベンダムスチンまたはその薬学的に許容可能な塩が、8サイクルまでの間、前記サイクルの1日目および2日目に、約90mg/mで経静脈投与される、請求項26に記載の組み合わせ。
  29. ベンダムスチンまたはその薬学的に許容可能な塩が、6サイクルまでの間、前記サイクルの1日目および2日目に、約70mg/mで経静脈投与される、請求項25〜28のいずれか1項に記載の組み合わせ。
  30. リツキシマブが、8サイクルまでの間、前記サイクルの1日目に経静脈投与され、およびベンダムスチンまたはその薬学的に許容可能な塩が、8サイクルまでの間、前記サイクルの1日目および2日目に、約90mg/mで経静脈投与される、請求項25〜29のいずれか1項に記載の組み合わせ。
  31. リツキシマブがサイクル1の1日目に約375mg/mで投与され、そしてサイクル2〜6の1日目に約500mg/mで投与され、ここで、ベンダムスチンまたはその薬学的に許容可能な塩が、6サイクルまでの間、前記サイクルの1日目および2日目に、約70mg/mで投与される、請求項25〜30のいずれか1項に記載の組み合わせ。
  32. 前記有効量が、腫瘍サイズの減少、転移の減少、完全寛解、部分的寛解、疾患状態の安定、全奏効率の増加、または病理学的完全奏功からなる群から選択される治療的効果の少なくとも一つをもたらす、請求項25〜31のいずれか1項に記載の方法。
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