JP2014516347A - テトラブチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミドおよび関連する塩の改良された合成 - Google Patents

テトラブチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミドおよび関連する塩の改良された合成 Download PDF

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Abstract

フッ化スルフリル溶液にアンモニアを加えて、大量生産に充分適した条件下でビス(フルオロスルホニル)アミンのアニオンを形成する方法。製造されたビス(フルオロスルホニル)アミンは、従来技術の方法で単離され、又は、例えばアルキルアンモニウムの固形物の塩のような有機イオン対としてまたはイオン性液体として単離できる。これらの条件を用いて、精製された生成物は、テトラブチルアンモニウム塩[BuN][(FSON]として95%の収率で単離できる。気体NHが、SOの撹拌溶液の上部空間に注入され及び/又は溶媒中のNHの溶液として徐々に加えられる。代替的に、塩基がSO溶液中に存在する又は別に溶液に加えられる場合、NHはアンモニウム塩として加えられる。これらの液体を加える実施形態では、反応器の壁上の固形堆積物の蓄積がNHの表面下への導入によって軽減できる、という相当な利点が得られる。

Description

本発明は、テトラブチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、[BuN][(FSON]、および関連する塩、の調製における非自明な改良に関する。
関連出願の参照
本出願は、2011年3月21日付けで出願された米国仮出願第61/465647号の出願日の利益を主張する。ここでその全体を参照により組み込む。
ビス(フルオロスルホニル)イミド(bis(fluorosulfonyl)imide) [(FSON]を含有する化合物は、例えば、ルイス酸触媒、イオン輸送剤として、有機化合物の合成、電解質、等の分野において、有用である。
ビス(フルオロスルホニル)アミンおよび関連する化合物を合成する種々の方法が提案されてきた(Ruff, Inorg. Chem. 4(10): 1446 (1965);Ruff, Inorg. Synth. XI:138 (William, ed., McGraw-Hill Book Co., 1968);Vij et al, Coord. Chem. Rev. 158:413 (1997);Krumm et al., Inorg. Chem. 37:6295 (1998);Beran et al, Z. Anorg. Allg. Chem. 631:55 (2005);米国特許第5,723,664号;及び米国特許第5,874,616号;独国特許第1 199 244号参照)。しかし、これらの方法は工業規模の生産に適さない可能性がある。その理由は、その方法によって、低い収率しか得られず、危険な中間体の形成を必要し、および/または、腐食性および/または高価な出発原料を必要とするからである。
米国特許第5,874,616号には、−30℃でSO/EtNに4倍過剰なFCSONHを加えてFCSONHSOFを55%の収率で生成することが記載されている。また、この特許には、また、ペルフルオロアルキルスルホンアミドにNHをゆっくり加える例において、FSOF/EtNに無水NHを加えてFSONHを生成すること、が記載されている。また、温度90℃に加熱した後、CF(CF32FおよびNH/EtNから[CF(CFSONHを合成すること、同様にペルフルオロ類似体(perfluoro analog)が得られたこと、も記載されている。
米国特許第5723664号 米国特許第5874616号 独国特許第1199244号 米国特許出願公開第2012/0028067号
Ruff, Inorg. Chem. 4(10):1446 (1965) Ruff, Inorg. Synth. XI:138 (William, ed., McGraw-Hill Book Co., 1968) Vij et al, Coord. Chem. Rev. 158:413 (1997) Krumm et al., Inorg. Chem. 37:6295 (1998) Beran et al, Z. Anorg. Allg. Chem. 631:55 (2005)
[(FSON]およびその塩の生成における重要な進歩が、森中氏(米国特許出願公開第2012/0028067号A1)に開示されている。ここで、この文献全体を参照により組み込む。森中氏は、有機塩基の存在下で、SOのアセトニトリル溶液をアンモニアで処理して、種々の金属塩として高い単離収率で[(FSON]を得た。森中氏は、高圧条件で、SOを封じ込め、それによって高濃度のアンモニアと反応させることができた。この分野の専門家であれば、森中氏の例1〜4では3気圧を超えた反応器圧力が用いられる、と認識するであろう。森中氏によって記載された高圧条件は、[(FSON]塩の商業的規模での合成では、問題がある。その理由は、大規模な合成には大きい加圧容器が必要となるであろうからである。しかし、大きい加圧反応器は、大気圧以下での使用に設計された反応器よりもかなり高価である。さらに、SOは、非常に有毒で、感覚ではまたは一般的測定形態では完全に検出不可能なものなので、SOの取り扱いから生じる安全性の問題がある。漏出は、操作者にとって致命的となり得る。また、この分野の専門家であれば、森中氏の記載した例が、粗ポット液(crude pot liquor:未精製の容器液))中にかなりの量の固形物を投入し、それにはそのプロセスに水性の廃棄流の導入が必要となる、と認識するであろう。[(FSON]塩の工業規模での生産のためには、大気圧以下で全液ポット液(all-liquid pot liquor)を与える条件での操業が、はるかに好ましい。
発明の概要
私(発明者)は、フッ化スルフリル(SO)の溶液にアンモニア(NH)を加えることが、周囲圧力以下で行え、1重量モル濃度(molal)を超える反応器充填量(load:処理量、投入量、負荷)で、生成物の非常に良好な収率が得られること、を見出した。これらの条件を用いて、精製された生成物が、テトラブチルアンモニウム塩(tetrabutylammonium salt)、[BuN][(FSON]として、95%の収率で単離することができる。
本発明の一実施形態では、気体(ガス)のNHが、撹拌されたSOの溶液の上のヘッドスペース内に注入または供給され、および/または溶媒中にNHの溶液としてゆっくりと加えられる。代替形態として、塩基がSO溶液中に存在しまたはその溶液に別に加えられる場合に、NHはアンモニウム塩として加えることができる。例えば、アンモニウム塩は、固形物、溶解固形物、イオン液、および/または溶解イオン液として加えることができる。これらの液体を加える実施形態では、反応器の壁上の固形堆積物の蓄積が、NHの表面下の導入(subsurface introduction)によって軽減することができるという点で、かなりの利点が得られる。
SOの完全な消費がその反応の終点(終了時点)であることが好ましく、その反応の終点は、溶媒系の蒸気圧に近づく値への反応器圧力の低下によって決定することができる。しかし、その反応は任意の時間に停止してもよく、必要に応じて、未反応のSOが放出され回収されてもよい。また、大気圧に近い反応器圧力を維持するために、1種以上の試薬を加えること(添加、付加)が完了した後で、空気または不活性ガスが容器に導入されてもよい。
アセトニトリルは好ましい溶媒であり、以下で説明するように希薄噴射が使用される場合にはプロピオニトリルも好ましい。また、第3級アミド(tertiary amides)は幾つかの実施形態において好ましい。
大気圧および準大気圧での操業のために好ましい2種の有機塩基:テトラメチルエチレンジアミン(“TMEDA”)(N,N,N’,N’−テトラメチル1,2−エタンジアミン)およびテトラメチルプロピレンジアミン(“TMPDA”)(N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン)が存在する。これらの2種の塩基は、最大の反応器充填物を提供し、単相ポット液を生成し、加温時に水溶性となる濃縮液を与え、アセトニトリル(acetonitrile)およびプロピオニトリル(propionitrile)の蒸気圧より低い蒸気圧を有する。また、それらは、脱プロトン化(deprotonation)後の離脱または除去を可能にする適度な沸点を有する。また、高級ペルアルキル化ポリアミン(higher peralkylated polyamines:高級過アルキル化ポリアミン)を有利に用いててもよい。
反応器の内容物は激しく混合または攪拌されて、副生成物の形成を防止するようにされる。
特定の反応器圧力を維持するために、SOガスが反応器によって消費されるにしたがって、圧力依存の形態で(“圧力ゲート”で)SOガスを導入することによって、高い反応器負荷の充填量または処理量(loads)を達成することができる。
アセトニトリルおよびTMPDAをそれぞれ溶媒および塩基として用いて、1.1重量モル濃度の反応器充填物が、約95%の単離収率で、達成できる。より多い充填物を用いることもできるが、不純物が約1.1重量モル濃度より高い濃度を形成し始める。
NHは、気体(ガス)として導入される場合、液体の上のヘッドスペース内に導入することができる。NHガスは、ゆっくりと、2時間以上の時間の期間をかけて、激しく撹拌しながら、導入されなければならない。
NHが気体(ガス)としてヘッドスペース内に導入される場合、固形物がヘッドスペースに蓄積することがあり、その結果として収率が低減することがある。これは、ポット液を用いて、反応器の内面(内部表面)全体を連続的な洗浄もしくは注水または濡らすこと(irrigation or wetting)によって防止することができる。
気体NHが、(反応器内容物の上のヘッドスペースから)精製されたSOで、(精製されたSOと共に)注入される前に、約2.5%p/p(分圧)(即ち、760Torr圧力で行われた反応におけるNHの分圧約19Torr)以下の比率に希釈される場合、気体NHは液体反応器内容物中に直接深く注入してもよい。これによって、反応器の内面上の固形物の蓄積を、大幅に減らすまたは完全になくすことができる。
本発明は、テトラブチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、[Bu[(FSON]の調整における自明でない改善に関する。大気圧またはそれより少し低い反応器圧力が好ましいが、大気圧より充分に低い反応器圧力も、同様に、本発明の範囲内で用いることができる。実際には、大気圧より充分に低い反応器圧力では、結果として、SOの濃度が低減し、副生成物の増加および/またはより長い供給(添加、付加)時間(addition time)が形成される。本発明の範囲内で、反応器は、全ての他の気体(ガス)が除去されて反応器がSOで飽和状態になるまで、反応器にSOを散布しまたは分散させることによって、SOを充填してもよい。この方法では、その気体SOが排出物として収集される必要はあるが、反応の開始時に減じられた圧力を使用しないという利点を有する。(全ての試薬が加えられた後で)反応終了時に大気圧を維持するために不活性ガスが導入される場合、反応全体は大気圧で行われてもよい。
SOおよび/またはNH導入の精密制御は、例えば、質量流量制御器(mass flow controllers)、キャリパー・ゲージ(caliper gauges)等を用いて維持することができる。幾つかの実施形態では、NHを加える(および/またはSOを加える)速度(rate)は、反応器内部圧力、反応器温度、またはその他の変数の(可変)条件(variable conditions)によって制御される。
SOは、高い毒性、完全な無臭、および無色のものである。従って、この物質を取り扱うときにかなりの用心が必要である。全ての反応は、充分な換気性を有する領域で行われるべきである。実験室規模では、これは、全ての反応が、ドラフト(fume hood)内で行われ、並びに生成物の反応後の操作が行われなければならないこと、を意味する。工業的規模では、適切な換気が設計されて、その後で適切な安全対策が講じられるべきである。本発明の主な利点は、プロセス(方法、過程、工程)の安全性が増大することである。
NHのSO溶液との反応は、高い発熱性があり、非常に急速であり、NHを加える速度は注意深く制御されるべきである。好ましい実施形態では、NHは、激しく撹拌されたSO溶液に少なくとも90分、または2時間またはそれより長い時間にわたって徐々に加えられる。加える速度は、典型的には、開始温度より高い温度の上昇によって調整される。幾つかの実施形態では、静的な開始温度からの温度上昇は、NHを加える期間中、±5℃またはそれより小さく(±5℃以内)、より好ましくは±2℃またはそれより小さく(±2℃以内)に維持される。反応器の効果的な冷却が、反応の熱を除去するのに必要である。これは、大きい規模では特に重要である。
SOの溶解は、(SO/溶媒混合物の)反応器内の静的蒸気圧を、純粋なSOの静的蒸気圧と、同じ条件下で比較することによって、測定することができる。さらに、その溶媒は、SOとの発熱性混合を示し得る。
SOに対するNH(NH対SO)の理論的なモル比は1:2である。実際には、1.008:2のモル比を用いて、95%の収率が得られた。より大きいモル比を用いることもできるが、全く利点が得られず、副生成物形成の可能性(見込み)が増大する。
NHおよびSOを加える順序および速度は、限度(limits)内で変えることができる。反応器内には常に大きくモル過剰のSOが存在しなければならない。例えば、NHは、SOが充填された反応器に760Torrまで連続的な速度(流量)で加えることができ、追加的なSOは、例えばゲート型(gated)バルブを用いて、圧力依存の形態で(圧力に応じて)少しずつ加えることができる。好ましい実施形態では、両方の試薬は、2ガロン反応器に対して、例えば2乃至4時間にわたって、制御された速度で同時に導入される。例えば、反応器圧力が例えば760torrより低く低下したとき、追加のSOを加えることができる。
NHを加える速度は、反応器内容物の攪拌の度合の関数として変えることができる。即ち、反応器内でよく混合すればするほど、NHを加える速度をより速くすることができる。NHを加える速度は、副生成物の形成を低減するように制御されるべきである。2ガロン反応器において、最大の撹拌では、90%以上の収率を得るために、2時間の加える(供給する)時間で充分であった。それにもかかわらず、本発明の範囲内で、同様の条件下で、1時間にわたって一定の速度でNHを加えると、結果として、収率が減少し、より多量の不溶性副生成物が形成された。
塩基(“B”)は第3級アルキルアミンとすることができる。アミン塩基は、複数の成分(即ち、[BHx+([(FSON]および BH。ここで、x、mおよびnは互いに独立に1〜4の整数である)と共に塩として非プロトン性極性溶媒(aprotic polar solvent)中に溶解した状態を維持することができることが、好ましい。本発明で使用するのに適した例示的な非反応性塩基は、主に、森中氏によって概説された(トリエチルアミン(triethylamine)、トリプロピルアミン(tripropylamine)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(4-N,N-dimethylaminopyridine)、 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン(l,8-diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene)(“DBU”)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(l,5-diazabicyclo[4.3.0]non-5-ene)(“DBN”) 、TMEDA、 TMPDA(森中氏によって言及されていない)、より高い(高度の)ペルアルキル化ポリアミン(higher peralkylated polyamines)、およびそれらの組合せ)。また、ピリジンは、塩基としても用いられるが、収率がより低い(例えば、約20% )。最も好ましくは、塩基は、TMEDAまたはTMPDAのいずれか、またはそれらの組み合わせである。これら2種の塩基は、最高の反応器の充填量を可能にし、安価であり、処理廃棄物からリサイクルまたは再利用することができる。特に、TMPDAでは単相ポット液(monophasic pot liquor)が得られて、反応器の内容物からの固形物の分離の問題が発生しないようになる。さらに、これらの塩基は、水混和性(water miscible)であり(従って、水を分離剤としてに用いるとき、生じる問題がより少なく)、それらの沸点は、幾つかの溶媒(即ちアセトニトリル)についてより高く、(従って、終点反応器圧力は影響を受けない。但し、これは、より低い沸点を有するトリメチルアミンのような塩基の場合には当てはまらない)。TMPDAおよびTMEDAは、プロセス塩基として、濃縮物を生成する。それらの濃縮物は、加温時に水溶性であり、低い融点を有する。また、これら2種の塩基は、脱プロトン化の後、それらの除去を可能にする適度な沸点を有する。
許容可能な溶媒は、エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、等)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル、ブチロニトリル、等)、エステル類(例えば、酢酸エチル、等)、ハロカーボン類(例えば、ジクロロメタン、等)、および第3級アミド類(例えば、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリジノン(N-methylpyrrolidinone)(NMP)、テトラメチル尿素(TMU)(テトラメチルユリア)、ジメチルプロピレン尿素(DMPU)(ジメチルプロピレンユリア)、等)である。例えばジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類は避けるべきであり、それらのSOとの組合せは非常に危険である。より高い極性を有する溶媒がより好ましい。室内の温度および圧力で、約0.4モルのSO濃度は、アセトニトリル/TMPDA中で容易に達成することができる。SO濃度は、反応の過程において、例えば圧力ゲートによって加える(供給する)ことによって維持することができ、それによって反応器充填量が増大する。SOは、液体の上のヘッドスペース(上部空間)に加えてもよく、または、より好ましくは、分散器(disperser:分散剤)を有する浸漬管(dip tube)を介して液体中に加えてもよい。
理論的には、SOに対する塩基(塩基対SO)の当量比は3:2以上である。実際には、私は、TMPDAを用いて、1.03:1のモル比(当量比2.06:1または約4:2)で95%の収率が得らることを発見した。この比は、TMPDA中の2つの窒素原子の場合のように(と同様に)、その塩基がNHより強い場合に、収率に実質的に影響を与えることなく、理論的なレベルに接近するレベルまで低減することができる。
必要な溶媒の量は、溶媒中の生成物(特に、フッ化物)の溶解度の関数である。低極性溶媒では、反応器において固形物の堆積なしで1重量モル濃度の反応器充填量を実現することができず、たいていの場合、遙かに低い充填量が得られる。より多くの極性溶媒では、1重量モル濃度を超える反応器充填量を実現することができる。アセトニトリルおよびTMPDAをそれぞれ溶媒および塩基として用いて、1.1重量モル濃度の反応器充填量が、固形物の形成なしで、95%の単離収率で、達成された。より高い負荷または充填量を用いたが、不純物が、この溶剤/塩基の組合せで約1.1重量モル濃度より高い濃度を形成し始めた。DMA、NMP、TMU、DMPUおよびその他のアミド含有溶媒系では、さらにより高い充填量を実現することができる。
−10℃乃至+40℃の任意の温度が許容可能であるが、0℃より高い温度が好ましく、より好ましくは20℃乃至40℃の温度、最も好ましくは23℃乃至28℃の温度である。温度を低下させると生成物の形成の速度が減少し、一方、温度を上昇させると反応器における分解ガスの濃度が減少し、副生成物の形成が増大する。さらに、反応器の溶液は、約35℃より高い温度で変色する。
反応器の内面上の固形物堆積は、アセトニトリル溶媒中で頻繁に観察されたが、望ましくない。この問題は、より多くの揮発性塩基で、特に深刻である。内面が液体で濡れていない限りどこにでも固形物が形成される。固体形成を防止する1つの方法は、反応器内面を常に洗浄または注水状態にすることである。これは、最大限の攪拌および満杯状態の反応器によって、達成され得る。従って、幾つかの実施形態において、反応器は、その容積または体積の少なくとも90%まで、その容積の少なくとも95%まで、またはその容積の少なくとも98%まで、充填される。ほぼ全容量または最大能力の機能は、反応器の充填量を増大させるだけでなく、反応器の内面の洗浄または注水を実現する。本発明の範囲内で、反応器内面の洗浄または注水の他の形態(即ち、スプレイ噴射、等)を、より低い充填レベルで用いてもよい。適切な混合および洗浄もしくは注水を維持するために、複数の攪拌パドル(へら)を利用することもでき、例えば、反応器攪拌パドル中の1つを表面(内面)近傍に配置して、できるだけ速く攪拌することもできる。固形物の堆積または被着を防止するための充分な攪拌および/または洗浄もしくは注水によって、生成物の収率にかなり影響を与えることができる。例えば、約65%乃至約80%の範囲の収率が、幾分かの固形物形成と共に得られた。適切な撹拌および洗浄もしくは注水を用いて、固形物の形成をなくしたとき、単離された収率は95%まで増大した。
また、反応器の内面上の固形物堆積は、反応器の液体内容物中にNHガスを直接注入することによって抑制または軽減することができる。しかし、純粋なNHの注入は、副生成物の顕著な形成を生じさせ得る。これは、反応器のヘッドスペースから精製SOでNHの希釈を行うこと(“希薄噴射”)によって、回避できる。希釈係数(dilution factors)は、約90%p/pより大きいことが好ましく、より好ましくは約95%p/pより大きく、最も好ましくは約97.5%p/pより大きい。約97.5%p/pの希釈は、760Torrで行われる反応に関して19TorrのNH分圧に対応する。希釈係数は、例えば赤外線分光法(spectroscopy)によって測定でき、例えば質量流量調整器(mass flow regulators)またはキャリパ・バルブ(caliper valves)によって制御できる。本発明のこの実施形態では、注入ガスは充分微細な気泡中に分散されて、それ(気泡)に含まれるNHが、液面の上のヘッドスペースに到達する前に、溶解SOと完全に反応する。
希薄注入には、SO希釈剤の精製が必要となり得る。反応器のヘッドスペースは、支配的なSO蒸気に加えて、溶媒および有機塩基蒸気を含むことができる。溶媒蒸気と有機塩基蒸気の双方は、NHの導入の前に、希釈ガスから取り除か(“スクラブ”(scrub:不純物除去し))なければならない。任意の形態のSOの溶媒和(solvation:溶媒化)がNHとの反応を生じ、一方、遊離ガスは周囲の条件では反応しない。
スクラブは凝縮器(condenser)を用いて達成できる。本発明のこの実施形態では、より低い揮発性の有機塩基が、より好ましい。より高い沸点を有する溶媒が、同様により好ましい。本発明のこの実施形態では、第3級アミド溶媒(例えば、NMP、TMU、およびDMPU)、およびTMEDAおよびTMPDA塩基が、それらのより低い蒸気圧のために、アセトニトリル、プロピオニトリル、および低級アルキルアミン塩基、例えばトリエチルアミンおよびトリメチルアミン、と比較して、特にスクラブに良く適している。より高い沸点の溶媒および塩基の使用によって、より高い凝縮器温度を用いることができ、希釈ガスはより完全にスクラブすることができる。
スクラブ温度は充分に低温でなければならない。例えば、アセトニトリル溶媒が使用される場合、凝縮器温度は、アセトニトリルの凝固点(−48℃)より少し高い−47℃程度の低温とすることができる。この温度では、アセトニトリルの蒸気圧は、約0.5Torrか、または750Torrの動作圧力では0.07%p/pである。凝縮器を通るガス流量は、出口で熱力学的平衡に到達するのに、即ちスクラブが完了するのに、充分低く(少なく)なければならない。絶対的なガス流量は、反応の規模に依存する。次いで、スクラブされたSOは、希釈導入の前に、例えば、NHの沸点より高い温度まで、加熱することができる。
上術した改良によって、最小のコストと最大の安全性で、メートル法のトン(t)レベルへの大規模化が達成できる。
適切に行われた場合、上述の各方法では、なんら固形物が得られることなく、明確な主要な(一次の)液が得られる。次いで、主要な液は、以下の説明のように処理することができる。
プロダクト(生成)イオン(product ion)[(FSON](“FSI”)は、森中氏の方法によって幾種かの金属塩の中の1種として単離することができ、または代替的に、揮発性溶媒および未反応塩基を除去することによって、濃縮された主要な液が得られ、その後で広汎な種々の有機カチオン種[A](即ち、対イオン)を用いてFSI含有生成物が単離される。幾つかの実施形態では、C〜Cのテトラアルキルアンモニウムハロゲン化物塩、特にテトラブチルアンモニウムブロミドが用いられる。生成物[BuN][FSI]は、その固形物を周囲の条件下で扱うことが可能な融点97〜99℃を有し、水に不溶であり、低温のメタノールに僅かに可溶であり、高温のメタノールに非常に可溶である。FSIアニオンの最大の回収率は、再結晶化によって達成でき、それによって、高純度でハロゲン非含有の生成物が得られる。さらに、濃縮された主要な液がBuNBrのメタノール溶液で直接的に処理され、次いで冷却されて濾過された場合、濾液廃棄物(filtrate waste)は直接燃焼させるのに充分な可燃性がある。これは、大規模または大量生産では大幅なコストの節約となる。別の対称テトラアルキルアンモニウム生成物[MeN][FSI](これは[MeN][Cl]を用いて形成される)によって、反応器からの単離の後で10〜17ppmの塩化物を有する生成物が得られ、蒸留水からの第2の再結晶化の後で検出不可能な量の塩化物(10ppm未満、イオンクロマトグラフィーによる)が得られる。しかし、MeNFSIとしてのFSIの回収率は、BuNFSIの場合よりも約10%低い。この方法によって得られる対称アルキルアンモニウム塩は、非常に高い純度であり、非常に低い水のレベルになるまで乾燥することができる。
多数のその他の有機種[A]を用いて、塩としてのFSIアニオンを単離することができる。ここで使用する場合、“塩”は1つ以上の正に荷電された種および1つ以上の負に荷電された種の会合(association)または錯体(complex)を表す。幾つかの実施形態において、塩はイオン対である。任意の可溶性イオン対([A]x+([X]y−(ここで、x、y、mおよびnは、互いに独立に1乃至4の整数である)は、粗生成物に加えられて(添加、付加されて)、新しいイオン対(例えば、[A][FSI])が形成されるようにすることができ、これ(イオン対)は、水に“僅かに可溶”(またはそれに満たない)(即ち、1%w/vまたはそれ未満の可溶性)であるか、または有機溶媒(例えば、ジクロロメタンおよび酢酸エチル、等)に“可溶”であるか、のいずれかである。対イオン[X]は重要でなく、唯一の要件は、(対イオンの)塩([BH]x+([X]y−が、[A][FSI]よりも水に可溶な対アニオンであることである。ここで、x、y、mおよびnは互いに独立に1〜4の整数である。(例えば、[X]y−=ハロゲン化物、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、等。ここで、[BH]は、プロトン化された無反応性塩基Bである。)
カチオン種[A]x+(ここで、xは1乃至4の整数である)は、本発明の実施形態においてFSIアニオンを単離するときに使用するのに適したものであり、次のものを含む。
非対称直鎖状または分枝状アルキルアンモニウム種(例えば、ブチルトリメチルアンモニウム(butyltrimethylammonium)、ジメチルエチルブチルアンモニウム(dimethylethylbutylammonium)、トリメチル(3−メチルペンチル)アンモニウム(trimethyl(3-methylpentyl)ammonium)、およびそのアルキルおよびアルコキシル同族体);
対称および非対称ピロリジニウム種(例えば、スピロビピロリジニウム(spirobipyrrolidinium)、N−メチル−N−ブチルピロリジニウム(N-methyl-N-butylpyrrolidinium)、N−メチル−N−(2−メトキシエチル)ピロリジニウム(N-methyl-N-(2-methoxyethyl)pyrrolidinium)、およびそのアルキルおよびアルコキシル同族体);
対称および非対称ピペリジニウム種(例えば、スピロビピペリジニウム(spirobipiperidinium)、N−メチル−N−ブチルピペリジニウム(N-methyl-N-butylpiperidinium)、N−メチル−N−(2−メトキシエチル)ピペリジニウム(N-methyl-N-(2-methoxyethyl)piperidinium)、およびこれらのアルキルおよびアルコキシル同族体);
対称および非対称モルホリニウム種(例えば、スピロビモルホリニウム(spirobimorpholinium)、N−メチル−N−ブチルモルホリニウム(N-methyl-N-butylmorpholinium)、N−メチル−N−(2−メトキシエチル)モルホリニウム(N-methyl-N-(2-methoxyethyl) morpholinium)、およびそのアルキルおよびアルコキシル同族体);
対称および非対称アゼピニウム種(例えば、スピロビアゼピニウム(spirobiazepinium)、N−メチル−N−ブチルアゼピニウム(N-methyl-N-butylazepinium)、N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アゼピニウム(N-methyl-N-(2-methoxyethyl) azepinium)、およびそのアルキルおよびアルコキシル同族体);
二環式アンモニウム種(例えば、N−ブチル−l−アザビシクロオクタン(N-butyl-l-azabicyclooctane)、およびそのアルキルおよびアルコキシ同族体)、およびその他の二環式アンモニウム化合物のアルキルおよびアルコキシル同族体;
対称および非対称スルホニウム種(例えば、トリエチルスルホニウム(triethylsulfonium)、プロピルジメチルスルホニウム(propyldimethylsulfonium)、およびそのアルキルおよびそのアルコキシル同族体);
ピリジニウム種(例えば、N−ブチルピリジニウム(N-butylpyridinium)、およびそのアルキルおよびアルコキシル同族体);
イミダゾリウム種(例えば、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム(l-methyl-3-propylimidazolium)、1−メチル−3−(2−メトキシエチル)イミダゾリウム(l-methyl-3-(2-methoxyethyl)imidazolium)、およびそのアルキルおよびアルコキシル同族体);
バイイミダゾリウム(biimidazolium)、ピラゾリウム(pyrazolium)、トリアゾリウム(triazolium)、キノリニウム(quinolinium)種、等;
対称および非対称ホスホニウム種(例えば、テトラメチルホスホニウム(tetramethylphosphonium)、および対称の、非対称の、およびその全体的または部分的に脂環式の同族体)。これらは、以上で概要を説明した種に類似しているが、荷電原子として窒素の代わりのリン(燐)を含むものである;
上述の種のいずれかの部分的にまたは完全にフッ素化された誘導体;
上述の種のいずれかのポリカチオン同族体、例えば、[(CHN(CH)N(CH2+
対カチオンの多数の上述の選択肢の結果として、イオン液体生成物が得られる。イオン液体は、大規模の調整および単離に良く適している。それは、(分離精製の)一連の手順(workup)全体が全て液体で行われ、固形中間体を単離する必要がないからである。FSIイオン液体は、例外的に低い粘度を有し、それによって、例えば、電気化学的二層キャパシタ、バッテリにおける良好な電解質(neat electrolytes)として、および潤滑剤として、幾つかの適用例に適したものとなる。

例1
圧力測定およびガス導入用の幾つかの入口部、撹拌アセンブリ(組立体)および真空計を備えた、600mLの圧力反応器(パー インストゥルメント社(Parr Instrument Company)製)に、乾燥アセトニトリル(300mL)および乾燥トリエチルアミン(125g、1.23モル)が充填された(入れられた)。その反応器は、密閉または封止されて、撹拌しながら−46℃に冷却され、1torrの圧力まで真空引された。フッ化スルフリル(スルフリルフルロリド)(SO、18.1g、 0.178モル)が、反応器内に導入されて、水/氷槽で反応器内容物を攪拌して0℃まで加温して、609torrの静内圧(static internal pressure)を形成した。NHガス(2.65g、0.0587モル)が、徐々に一定の速度で、撹拌された反応器内容物の上の空間(void)に、90分の期間にわたって、温度を常に2 ℃未満に維持して、導入された。この時間の期間において、その内圧は609torrから51torrに低下した。その供給(添加、付加)は、90分の期間において、45分および65分の時点で2回、それぞれ15分間中断されて、静内圧が形成されて、導入されたNHがSOによって消費されるようにされた。これらの静的チェック(検査)によって、10torrのNH分圧がその加える(供給)期間において用いられたことが、決定(測定)された。NHを加えることが完了した後、反応器が10時間撹拌され、すると、温度が+4℃に上昇して、圧力が60torrに上昇した。
反応器が開かれて、その内容物が1リットル(l)の丸底フラスコに移された。揮発性成分が、55℃/17torrで回転蒸発によって除去され、その結果として150mLの水で希釈された液体が得られた。二相液体が生成が生成された。上層がデカントされ(静かに移され)(decanted off)、下層が、再び150mLの水で洗浄されて、デカントされた。デカントされた各水性洗浄液(aqueous washes)が、混合された(combined:合わされた)。未溶解液体、黄色の重質油が、150mLのビーカに移されて、ホットプレート撹拌器上に配置され、50mLの水で希釈され、磁気的に(磁石で)攪拌された。塩化テトラメチルアンモニウム([MeN][Cl]、13g、0.12モル)が、撹拌されたビーカ内容物に加えられ、これが70℃に温度調整されて、透明な黄色の溶液が生成された。氷中での冷却、濾過、水洗浄、および真空状態80℃での乾燥の後、生成物が、白色の固形物として、6.6g、融点(m.p.)289°乃至291℃(文献の(lit.)融点286℃乃至288℃)のものとして、単離された。この最初(1回目)の収穫物(crop)からの濾液が、混合されたデカントされた水性洗浄液に加えられて、結果として得られた400mLの懸濁液(suspension)から大量の沈殿物が生成された。これが氷中で冷却されて、濾過によって収集されて、水で洗浄され、真空状態80℃で乾燥されて、2回目の収穫物、6.5g、融点285〜290℃のものが、得られた。合わせた生成物(yield)は、13.1g(0.059モル、に基づいて(基準として)66%)であった。
例2
2ガロン(7.57L)のステンレス鋼製の高圧反応器(パーインストゥルメント社(Parr Instrument Company)、米国イリノイ州モリーン)に、アセトニトリル(3.72kg)およびテトラメチル−1,3−プロパンジアミン(TMPDA、1.50kg、11.5モル)が充填された。10℃で43〜45torrの静的な真空が少なくとも10分間持続するまで、反応器は、媒体を攪拌しながら真空引きされた。760Torrの設定点圧力が達成されるまで、フッ化スルフリル(SO)が圧力ゲート型の浸漬管を介して反応器に導入された。その供給(添加、付加)の終了時点では、それまでに合計で227.5gのSOが加えられたこととなり、反応温度は11℃から14℃に上昇した。次いで、撹拌速度を最大値の80%に設定して、NHガス(96g、5.63モル)が3時間の期間にわたって一定の速度で加えられて、温度を23℃から25℃に上昇させて、次いで必要に応じて冷却して、この温度範囲を維持するようにした。設定点圧力でSOを加えることは、この時間を通して連続的に行われた。NHを加えることが完了した後、理論的重量(1.14kg、11.2モル)が加えられたこととなるまで、SOを加えることが継続された。次いで、反応器が、減じられた速度で10時間だけ撹拌されて、この時間の間に、圧力が760torrから123torrに低下し、温度が25℃から15℃にへ低下した。
反応器の内容物である透明で淡黄色の液体が、浸漬管を通して減圧下で大型のロータリ・エバポレータ(回転蒸発器)に移送されて、密閉反応器が再び浸漬管を介して1kgのアセトニトリルで洗浄された。60C/150torr乃至60C/80torrでの混合液の濃度によって、2.886kgの粘性の液体残留物が得られ、これが、暖かい(31℃)の水(10kg)中のテトラブチルアンモニウムブロマミド(tetrabutylammonium bromide)(2kg、6.2モル)の激しく撹拌された水溶液に、14分にわたって一定の速度で加えられた。ガラス製の容器(receptacles)が3×25mLのメタノールで洗浄されて、攪拌されたポットに加えられた。そのポットは追加的に20分間撹拌された。このようにして得られた固形物が、吸引濾過によって回収されて、ラバー・ダム(rubber dam)で圧縮または圧搾された。湿った固形物(3.245kg)が、暖かいメタノール(4.93kg)中で取り上げられて、ポリッシュ・フィルタで(粒子除去)濾過され、−20℃に冷却された。結晶生成物が濾過によって収集され、その固形物(ケーキ)が冷たいメタノールで2回洗浄され、一定の重量になるまで動的な真空中で45℃で乾燥された。生成物は、1.992kg(4.71モル、84.4%)の白色の結晶生成物、融点=97℃乃至99℃であった。
2回目の収穫物(208.2g、0.49モル、8.8%)、融点=97℃乃至99℃が、濾液の濃縮によって得られた。残りの濾液が、生成物の初期の単離による水性残渣と混合されて、さらに60℃でロータリ・エバポレータで減圧蒸留された。その結果得られた固形分質量が、前のようにメタノールから、分離されて、再結晶化されて、3回目の収穫物(44.6g、0.1モル、1.9%)、融点97℃乃至99℃が生成された。合計の収量は、2.245kg(5.31モル、95.1%)であった。
結論
これらの例は、本発明の可能な実施形態を例示している。以上で本発明の種々の実施形態を説明したが、これらは単なる例として提示されたもので、限定ではない、と理解されるべきである。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細について種々の変更を行うことができることは、関連分野の専門家には明らかであろう。従って、本発明の幅および範囲は、上述の例示された実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、特許請求の範囲およびその均等物によってのみ規定されるべきである。
ここで挙げた全ての文書は、雑誌論文または要約、公開されたまたは対応する米国または外国特許出願、発行されたまたは外国の特許、または任意のその他の文書を含めて、それぞれ、挙げた文書中の全てのデータ、表、図面、文字を含めて、ここで参照によりそれぞれの全体を組み込む。

Claims (10)

  1. 大気圧以下で有機塩基の存在下で、密封された反応器内でSO溶液にNHを加えて、溶解[(FSON]アニオンおよび溶解フッ化物アニオンを形成し、
    任意に、溶媒を留去し、
    前記[(FSON]アニオンを含有する塩を単離すること、を含む方法。
  2. 前記NHは、SOに対して1:2乃至1.1:2のモル比で前記SO溶液に加えられるものであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. −10℃乃至40℃の温度で前記SO溶液を攪拌すること含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記反応器の内面が、前記反応器の液体内容物で連続的に洗浄されまたは湿らせられる、請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記NHは、加える前に前記反応器のヘッドスペースから精製ガスと混合されて、前記反応器の内容物の液体部分に注入されるものであることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記SO溶液は、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、テトラメチル尿素、ジメチルプロピレン尿素、およびこれらの組合せから選択された溶媒を含むものである、請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記有機塩基は、N,N,N’,N’−テトラメチル1,2−エタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、およびこれらの組み合わせである、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記単離は、塩([A]x+([(FSON]を形成する有機カチオン[A]x+を含む有機塩の溶液を加えることを含み、ここで、xは1乃至4の整数であり、mおよびnは互いに独立に1乃至4の整数である、請求項1乃至7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記塩([A]x+([(FSON](x、mおよびnは互いに独立に1乃至4の整数)は、固形物として沈殿し、濾過によって収集されるものである、請求項8に記載の方法。
  10. 前記有機塩は、二相性形成溶媒に溶解され、前記塩([A]x+([(FSON]y−は、結果的に得られる二相性液体の1つの層を形成するものである、請求項8に記載の方法。
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