JP2014514384A - グリシジルエステルを含まない精製された植物性油 - Google Patents

グリシジルエステルを含まない精製された植物性油 Download PDF

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Abstract

本発明は一般に、油精製の分野に関する。特に、本発明は、例えば、グリシジルエステルなどの夾雑物を実質的に含まない精製油を製造するための方法の分野に関する。本発明によれば、油精製方法においてジアシルグリセロール(DAG)の最高レベルが3重量%である植物性油又は植物性油画分を用いることにより、グリシジルエステルを含まないこのような精製された植物性油を得ることができる。
【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
本発明は一般に、油精製の分野に関する。特に、本発明は、例えば、グリシジルエステルなど、夾雑物を実質的に含まない精製油を製造する方法の分野に関する。本発明によれば、油精製方法においてジアシルグリセロール(DAG)の最高レベルが3重量%である植物性油(plant oil)又は植物性油画分を用いることにより、グリシジルエステルを含まないこのような精製された植物性油を得ることができる。
グリシジルエステル(GE)とは、例えば、油が真空下(3〜7ミリバール)で最高240〜270℃に加熱されうる、可食油精製の脱臭ステップの間に発生しうるプロセス夾雑物である。
グリシジルエステルは、ヒトへの曝露を結果としてもたらす食品中で生じていることが記載されている。何らかの健康上の有害作用を示す証拠は得られないが、食物中にそれらが存在することから懸念が生じている(Schilterら、Eur.J.Lipid Sci.Technol.2011年、113、309〜313)。
過度の高温で処理すると、植物性油によっては、検出可能なレベルのGEが発生する場合がある。
現在のところ、非常な高温で長時間にわたる油の処理を回避することにより、GEの発生が回避されている。
しかし、当技術分野では、油を高温で長時間にわたり処理してもなおGEの発生を回避する油精製方法が必要とされている。
本発明者らは、この必要に取り組んできた。
結果として、本発明の目的は、当技術分野に、高温処理時におけるGE発生の危険性を消失させる植物性油の精製方法を提供することであった。
本発明者らは、請求項1に記載の対象によってこの目的を達成しうることがわかって驚嘆した。従属請求項の対象は、本発明の理念をさらに展開する。
特に、本発明者らは、GEが、DAGに富む油を高温で処理した後に発生しうることを見出した。
例えば、パーム油は、それが高量のDAG(油100g当たり4〜12g)を含有し、トリアシルグリセロール([TAG]、88〜96%)がその全グリセリドの大部分を占めるという点で固有である。パーム油中のDAGレベルは、以下の2つの主要な因子に帰することができる:ヤシ果実を収穫したときの成熟度、及び収穫と粗製パーム油(CPO)の生成との間の期間。
本発明者の観察は、GE形成が大部分、MCPDエステルの形成に関与する反応経路には依存しないことを示唆した。これらの考察に基づき、GEは、油中のDAGレベルを低減することにより有効に最小化しうることが結論された。
図1において提起される通り、GEは主に、200℃超の温度では定量的に重要な反応であるDAGの熱分解により形成される。
DAG含量及び脱臭温度の、精製されたパーム油中のGEの発生に対する効果について探索した。脱臭実験により、GEのDAGからの形成は、230℃超の温度で重要であることが確認された。
本発明者らの実験データは、DAGがグリシジルエステル及び遊離脂肪酸と高温で反応し、この反応により、230℃超の温度におけるグリシジルエステルの発生の指数関数的な増大がもたらされることを示す(図1)。
したがって、夾雑物量の低減を確保するために、植物油(vegetable oil)精製時において使用される温度は、230℃を超えないことが好ましい。
粗製パーム油(CPO)中の遊離脂肪酸(FFA)レベルを、完全に精製されたパーム油のDAG含量と直接的に相関させる予測モデルを開発したところ、精製されたパーム油中3%のDAGは、初期のCPO中1.2〜1.3%のFFAと同等となる。
本発明者らは、例えば、パーム油などの植物油中のDAG含量、結果として植物油中のFFAは、熱条件下におけるGEの形成に大きな影響を及ぼす可能性があることを見出した。
それを超えるとGEが大量に発生するDAGの臨界値が存在するかどうかをよりよく理解するために、実験を実施した。この目的で、DAGが低量(<1%)の綿実油を、反応媒体として用いるために得た。純粋なジヘプタデカノイン(C17:0−DAG)を、油全体の1〜5%の範囲の多様な量でこの油に添加した。得られた混合物を、密封型ガラス製アンプル内、235℃で2時間にわたり加熱した。
ヘプタデカン酸グリシジルのジヘプタデカノインからの形成は、ULC−MS/MSでモニタリングした。
GEのDAGからの形成は、DAG含量と正比例しないことが判明した。3%超のレベルのDAGでは、GEの形成が特に優勢になる。
結果として、本発明は、GEを実質的に含まない精製された植物性油を生成する精製方法におけるFFAの最高レベルが1.3重量%である粗製植物性油又は植物性油画分の使用に関する。
本発明においては、植物性油が圧搾後のいかなる処理にもかけられていない場合に、これを「粗製」と考える。
GEの「を実質的に含まない」とは、精製油が1ppm未満のGE、例えば、0.5ppm未満のGE、好ましくは0.3ppm未満のグリシジルエステルを含有することを意味する。
当技術分野では、植物性油の精製はよく知られており、今日では標準的な産業手順となっている。
最新の植物性油、例えば、植物油の加工は今日、図1にまとめられる2つの主要な方法である、化学的精製及び物理的精製からなる。
持続可能性の増大を目的とする試みにおいて、油精製業者は、過去数十年間、エネルギー消費を最小化し、無駄を削減するためにそれらの植物油加工ラインを改造した(エコノマイザー)が、しかし、これらの2つの精製方法のステップは、依然として本質的に同じものであった。
物理的精製とは本質的に、化学的精製の簡略形態であり、パーム油の精製の好ましい方法として1973年に導入された。物理的精製は、3ステップの連続的な操作であって、投入される粗製油を酸で前処理(脱ガム)し、吸着性漂白粘土中に通過させることにより洗浄し、次いで、蒸気蒸留にかける操作であるという点で固有である。この方法は、その後の脱酸化、脱臭、及びパーム油に固有なカロテノイドの分解(すなわち、粗製油の色は、他の植物油と異なり深紅である)を可能とする。物理的精製における中和ステップの欠如を踏まえると、物理的精油所から生成する精製され漂白された(RB)油は、粗製油中に見出されるのとほぼ同じレベルのFFAを含有する。
化学的精油所に由来する中和され漂白された(NB)油は、NB油中0.15(RBD/NBD完全精製油中0.10)%の限界を規定する。NBパーム油及びRBパーム油は、他のあらゆる側面で極めて同等な予備脱臭物である。
結果として、本発明の精製方法は、前処理ステップ、漂白ステップ、及び脱臭ステップを備えうる。
前処理ステップは、酸による粗製油の前処理工程を含むことが可能であり、漂白ステップは、油の加熱工程及び油を吸着性漂白粘土中に流過させることにより油を浄化する工程を含むことが可能であり、脱臭ステップは、蒸気蒸留工程を含みうる。
明らかに、粗製油中の遊離脂肪酸の含量が低量であるほど、精製時におけるGE形成の可能性は低下する。
したがって、粗製植物性油又は植物性油画分のFFAの最高レベルが2重量%であるか、なお又はFFAの最高レベルが1.3重量%であれば、特に好ましい。
粗製植物油中のFFA量は、例えば、脱臭前の精製されたパーム油のDAG含量と連関しているので、グリシジルエステルの発生を回避するためには、油中のDAG含量が低量であることが好ましい。
結果として、本発明に従い、脱臭前の植物性油又は植物性油画分のDAGの最高レベルは、3.5重量%でありうる。例えば、脱臭前の植物性油又は植物性油画分のDAGの最高レベルは、3.3重量%、好ましくは3重量%でありうる。
例えば、パーム油の製造において、DAGは、ヤシ果実の成熟期における、TAGのリパーゼによる酵素的加水分解の結果である。この反応は、果実が過剰成熟し、植物体から地面へと落下する場合に特に重要である。接触と同時に、果実は傷を受け、これは、脂肪分解性酵素と新たに分泌される油との接触の増大を結果としてもたらす。
結果として、パーム油中のDAGレベルを統御する最重要のパラメータは、成熟度のほか、新鮮な果実の収穫と粗製パーム油(CPO)の生成との間の時間でもある。
結果として、新鮮なヤシ果実を、不必要な遅延なしに、パーム油を製造するのに用いることが好ましい。
本発明の一実施形態では、植物物質の収穫から精製油の生成までの期間が、1週間未満、好ましくは24時間未満であり、好ましくは12時間未満である。
高温はGEの形成を指数関数的に助長するので、脱臭ステップは、240℃未満、好ましくは230℃未満、なおより好ましくは220℃未満で実施すれば好ましい可能性がある。
本発明に従い、任意の植物性油を精製することができる。
油は、ヒト又は動物による摂取を意図することが好ましい。例えば、植物性油は、パーム油、大豆油、ナタネ油、キャノーラ油、ヒマワリ油、ココナッツ油、パーム核油、綿実油、ピーナッツ油、グラウンドナッツ油、又はこれらの組合せからなる群から選択することができる。
本発明の特に好ましい実施形態では、植物性油又は植物性油画分は、パーム油又はパーム油画分である。
本発明の使用は、精製された植物性油中のGEを顕著に低減するか又は消失させることを可能とする。
結果として、精製された植物性油は、1ppm未満、好ましくは0.3ppm未満のグリシジルエステルを含みうる。例えば、精製植物性油は、GEを含まないことが可能である。
当業者には、開示される本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、本発明の特色を自由に組み合わせうることが明らかである。
本発明のさらなる利点及び特色は、以下の図及び例から明らかである。
植物油の化学的精製方法及び物理的精製方法についての概略を示す図である。 高温におけるGEのDAGからの形成について提起される機構を示す図である。 脱臭温度の、精製漂白されたパーム油におけるGEのDAGからの形成に対する影響を示す図である。上記のデータは、ラウリン酸グリシジル、リノール酸グリシジル、リノレン酸グリシジル、ミリスチン酸グリシジル、オレイン酸グリシジル、パルミチン酸グリシジル、及びステアリン酸グリシジルの総和である。 DAGレベルの、GEの形成に対する影響を示す図である(結果は、5%のDAGを伴う試料中に見出されるGEレベルに照らして標準化した)。
実施例1.脱臭温度のGE形成に対する影響
1.熱反応実験
ジヘプタデカノインは、Nu−Chek−Prep(Elysian、MN、USA)から得た。DAG含量を<1%とする、天然の完全に精製された(すなわち、精製され、漂白され、脱臭された(Refined bleached deodorized)又はRBD)綿実油は、ADM(Archer Daniels Midland Company、Decatur、IL、USA)から得た。ジヘプタデカノインは、綿実油中1〜5%の範囲の濃度で希釈した。ガスクロマトグラフ内の窒素下、235℃の密封型ガラス製アンプル内で2時間にわたり、in vitroの熱反応実験を実施した。
2.ULC−ToF MSによる解析
2.1.基準溶液
油試料からの抽出法を最適化するほか、LC−ToF−MSによる検出のために、純粋なグリシジルオレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、及びリノレン酸(Wako Chemicals GmbH、Neuss、Germany)を解析用基準物質として用いた。グリシジルステアリン酸は、自社内で合成及び精製した。これらの基準物質はまた、標準的な付加法により、パーム油試料中のグリシジルエステルの定量化を実施するのにも用いた。
2.2.試料の調製
グリシジルエステルを、n−ヘキサン中で希釈し(10mLのn−ヘキサン中に1gの油)、次いで、2mLを、ビーカー内の1gのC18樹脂(ベイカーボンドオクタデシル40μmプレップLCパッキング(Bakerbond Octadecyl 40μm Prep LC Packing)、J.T.Baker)へと添加した。試料と混合した固相を窒素流下で乾燥させ、次いで、2gのC18 SPEカートリッジ(ベイカーボンドSPEオクタデシル(Bakerbond SPE Octadecyl)、J.T.Baker)の上部へと移した。グリシジルエステルは15mLのMeOHにより溶出させ、溶出物は窒素下で乾燥させ、400μLのアセトニトリル中で再懸濁させてから、LC−ToF−MSシステムへと注入した。
2.3.ULC−ToF MSのシステム及び条件
クロマトグラフィー条件は、上述の基準溶液を用いて最適化した。付録の表3に示されるメタノール:水(75:25、10mMのギ酸アンモニウム、0.1%のギ酸)及びイソプロパノール(10mMのギ酸アンモニウム、0.1%のギ酸)による勾配を用いて解析物を分離するのに、逆相カラム(ウォーターズアクィティHSS T3(Waters Acquity HSS T3)、1.7μm;2.1×50mm)を用いた。
質量分析による検出は、正モードで作動するエレクトロスプレーイオン化(ESI)源を伴う、Agilent製のLC−QToFウルトラハイデフィニション(LC−QToF Ultra High Definition)6540により実施した。これらの条件内で、質量精度を2ppm未満として、異なる付加物(H+、NH4+、Na+、及びK+)を検出した。
3.結果:温度のGE形成に対する影響
この例において、本発明者らは、GE形成反応の活性化エネルギーが、可食油の脱臭時において使用される高真空圧など、高真空圧により影響されるかどうかを決定することに着手した。この可能性を解明するため、ベンチトップ型の蒸気蒸留装置を用いて、精製され漂白された(RB)パーム油を多様な温度で脱臭した。これらの実験から発生する総グリシジルエステルレベルをまとめたものを図3に示す。これらの結果は、220〜230℃の範囲を超える温度で、顕著なGE形成が生じることを裏付ける。したがって、GE量の低減を確保するために、パーム油の精製時に使用される脱臭温度は、220〜230℃を超えるべきではない。この温度範囲未満では、GEの形成が最小限である。
実施例2.DAGレベルのGE形成に対する影響
1.熱反応実験
持続可能(sustainable)な精製され漂白された(RB)パーム油は、AarhusKarlshamn Sweden AB(AAK、Karlshamn、Sweden)から得た。総容量500mLのベンチトップ型ガラス製蒸気蒸留装置を、in vitroにおけるパーム油脱臭実験に使用した。この装置は、熱制御型加熱マントル、500mLの油容器、熱調節型水気泡生成器、蒸留物トラップを伴う蒸留アーム(イソプロパノール中に浸漬させたドライアイスと共に約−60℃に保つ)、並びに圧力制御装置及び安全トラップを伴う高真空ポンプ(液体窒素と共に約−60℃に保つ)を装備した。
RBパーム油試料は、対流オーブン内、80℃で短時間にわたり加熱して、均一性を確保した。脱臭実験のため、容量200mLのRBパーム油を、前述の装置内、2ミリバールの定圧を伴う180〜240℃の範囲の温度で2時間にわたり脱臭した。
2.ULC−MS/MSによる解析
2.1.基準溶液
メタノール中5nMの濃度の純粋なグリシジルパルミチン酸を、解析用基準物質として用いて、LC−MS/MSシステムを最適化した。1:4(v/v)のメタノール:アセトン中100μg/mLの13C3−Sn1−パルミトイル−Sn2−ステアリル−MCPD溶液を、正イオンモードにおける測定のための内部基準物質として用いた。
2.2.試料の調製
全ての試料を、対流オーブン内、80℃で短時間にわたり加熱して、均一性を確保した。全ての試行で、20μLの試料アリコートを、1:1(v/v)のアセトン:n−ヘキサン970μLへと添加した。次いで、10μLの内部基準溶液(1μgと同等な1mg/10mL)を添加した。次に、容量100μLのこの溶液を、900μLのアセトンへと移した。次いで、この溶液の100μLのアリコートを、900μLのメタノールへと移した。最後に、この溶液に由来する25μLを、ULC−MS/MSシステムへと注入した。
2.3.ULC−MS/MSのシステム及び条件
サーモフィッシャーアクセラ(ThermoFisher Accela)1250システムを用いて、超高速液体クロマトグラフィーを実施した。シリカベースのオクタデシル相(ウォーターズアクィティHSS C18、1.7μm;2.1×150mm)は、緩衝処理されたメタノール−イソプロパノール勾配であって、表1(付録を参照されたい)に示される勾配を用いる解析物の分離に適正であることが見出された。
グリシジルエステルの相対的定量化のためには、サーモフィッシャーTSQクォンタムアクセスMax(ThermoFisher TSQ Quantum Access Max)質量分析計を用いた。正イオンモードのエレクトロスプレーイオン化の後、三連の四重極ベースのタンデム質量分析を用いて、グリシジルエステルを検出した。選択反応モニタリング(SRM)実験に適用された遷移を、表2(付録を参照されたい)に示す。全ての遷移では、150ミリ秒の滞留時間及び0.2m/zのスパンを用いた。
3.結果:DAG含量のGE形成に対する影響
それを超えるとGEが大量に発生するDAGの臨界値が存在するかどうかをよりよく理解するために、本実験を実施した。この目的で、DAGが低量(<1%)の綿実油を、反応媒体として用いるために得た。純粋なジヘプタデカノイン(C17:0−DAG)を、油全体の1〜5%の範囲の多様な量でこの油に添加した。得られた混合物を、密封型ガラス製アンプル内、235℃で2時間にわたり加熱した。ヘプタデカン酸グリシジルのジヘプタデカノインからの形成は、ULC−MS/MSでモニタリングした。これらのin vitroにおける実験の結果を図4に示す。この例は、GEのDAGからの形成が、DAG含量と正比例しないことを示す。3%超のレベルのDAGでは、GEの形成が特に優勢になる。

Claims (10)

  1. グリシジルエステルを実質的に含まない精製された植物性油を製造するための精製方法における、遊離脂肪酸の最高レベルが1.5重量%である粗製植物性油又は植物性油画分の使用。
  2. 前記精製方法が、前処理ステップと漂白ステップと脱臭ステップとを備える、請求項1に記載の使用。
  3. 前記粗製植物性油又は前記植物性油画分の遊離脂肪酸の最高レベルが1.4重量%、好ましくは遊離脂肪酸の最高レベルが1.3重量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の使用。
  4. 脱臭前の前記植物性油又は前記植物性油画分のDAGの最高レベルが3.5重量%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 脱臭前の前記植物性油又は前記植物性油画分のDAGの最高レベルが3.3重量%、好ましくは3重量%である、請求項3に記載の使用。
  6. 前記前処理ステップが、粗製油を酸で前処理する工程を含み、
    前記漂白ステップが、油を加熱する工程と、前記油を吸着性漂白粘土中に通過させることによって油を洗浄する工程と、を含み、
    前記脱臭ステップが、蒸気蒸留工程を含む、請求項5に記載の使用。
  7. 前記脱臭ステップを、240℃未満、好ましくは230℃未満、さらに好ましくは220℃未満で実施する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用。
  8. 前記植物性油が、パーム油、大豆油、ナタネ油、キャノーラ油、ヒマワリ油、ココナッツ油、パーム核油、綿実油、ピーナッツ油、グラウンドナッツ油、又はこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用。
  9. 前記植物性油又は植物性油画分が、パーム油又はパーム油画分である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用。
  10. 前記精製された植物性油が、1ppm未満、好ましくは0.3ppm未満のグリシジルエステルを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用。
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