JP2014513021A - 回転式流体ディスペンサ - Google Patents

Abstract

【課題】容器のフォーマットに従って流体の吐出時間を調節可能であり、さらに構造的に単純であり、維持が容易な回転式流体ディスペンサを提供すること。
【解決手段】第一の端（Ａ）から第二の端（Ｂ）まで伸びた弓形窓（５）を有する少なくとも一つの固定部（３）と、前記供給ラインから供給される流体の複数の吐出口（６）を有する少なくとも一つの回転部（４）と、前記弓形窓（５）に含まれ、固定された始点（Ｃ）から、前記弓形窓（５）の第二の端によって決定される終点（Ｂ）まで弓状に伸びた処理領域と、前記弓形窓（５）の初期角度位置を所定の軸（Ｘ）に対して変化させて、処理領域の幅を変えるための手段（９）と、を有する回転式流体ディスペンサ。
【選択図】図２

Description

発明の詳細な説明

技術分野及び背景技術

本発明は、特にボトリング業界で使用するための回転式流体ディスペンサに関する。吐出される流体の機能は異なっていてもよく、例えば、瓶詰される飲料、あるいは容器やプリフォームの消毒剤であってもよい。

同軸に重ねられた固定部と回転部とを有する流体充填用回転式ディスペンサは、文献ＤＥ２０２００６０００３２５により既に公知である。吐出される流体は、固定部と回転部の中央に形成されたチャンネルを通過する。老朽化や摩耗により緩まないよう、固定部と回転部の間には、調節可能な引張要素が設けられている。

文献ＥＰ２０７０８６５には、流体運搬ラインにおいて漏出や汚染のおそれがあることを知らせるために、流体運搬ラインの密封要素の物理的状態を検知できるセンサーを有する回転式ディスペンサが開示されている。当該回転式ディスペンサは、容器に飲料を充填したり、液体または気体状の減菌剤を吐出するために用いられる。

複数の容器に飲料を吐出するための回転式ディスペンサの更なる例は、文献ＵＳ２０１０／００３７９８６及びＵＳ７４０９８０８に開示されている。

容器が通過しない「死角」として知られる部分による妨げにもかかわらず減菌剤等の浪費を避けるためには、流体は容器の通過範囲の全ての角度で吐出される必要がある。

回転式ディスペンサは、機械的にまたは空気圧により作動され、死角において流体の吐出を遮断できる適切なバルブを備えることが知られている。

しかし、このようなバルブの使用は、専門家による定期的なメンテナンスを要するだけでなく、回転式ディスペンサの全体のコストにも重大な影響を与える。

また、一つの接触要素が、所定の角度の処理領域にのみ流体を吐出することを可能とする弓状の貫通開口（またはスロット）を備えた吸引マニフォールドを有する。処理時間は、装置の最大生産速度に必要な寸法で形成されるスロットの角度範囲によって決まるため、一定である。

フォーマット変更により装置の生産速度を変化させる必要があるとき、スロットの角度幅は一定であるため、処理時間も変化する。例えば、装置があるフォーマットにおいてより低い定格速度で動作する場合は、処理時間は増加する。つまり、流体ディスペンサのノズルがスロットに沿って移動するのにより多くの時間を要する。

他方で、高温の過酸化水素蒸気を含むプリフォームの減菌剤の処理時間が所定の閾値を超えないようにすることで、プラスチック材料にダメージが生じ、プリフォームがブロー成形に不適となるのを回避する必要がある。

このような状況において、本発明の技術的課題は、上述の先行技術の欠点を克服した回転式流体ディスペンサを開示することである。

（発明の開示）
特に、本発明の目的は、容器のフォーマットに従って流体の吐出時間を調節可能な回転式流体ディスペンサを提供することである。

本発明の他の目的は、構造的に単純であり、維持が容易な回転式流体ディスペンサを提供することである。

上記した特定の技術的目的は、一または二以上の添付の請求項に明示された技術的特徴を有する回転式流体ディスペンサによって実質的に達成される。

本発明の更なる特徴と利点は、本明細書に記載され、または添付の図面に示された、回転式流体ディスペンサの好ましいが限定的でない実施例により完全に明らかになる。

図１は本発明による回転式流体ディスペンサの第一の実施例の概略断面図である（明確のため、いくつかの部位は取り除かれている。）。 図２は図１の回転式流体ディスペンサの上方斜視図である。 図３は弓形窓が異なる二つの初期角度位置にある図１の回転式流体ディスペンサの詳細（固定部）の上面図である。 図４は弓形窓が異なる二つの初期角度位置にある図１の回転式流体ディスペンサの詳細（固定部）の上面図である。 図５は回転式流体ディスペンサの第二の実施例の斜視図である。 図６は図５の回転式流体ディスペンサの断面図である。 図７は図５の回転式流体ディスペンサの分解図である。

本発明を実施するための最良の形態

図面を参照すれば、参照番号１は一つの供給ラインで構成される回転式流体ディスペンサを示す。例えば、回転式流体ディスペンサ１は複数の容器に飲料を吐出するために使用される。あるいは、回転式流体ディスペンサ１は容器やプリフォームに減菌剤（液体または気体）を吐出する。

回転式流体ディスペンサ１は、少なくとも一つの固定部３と、所定の軸Ｘを中心に回転する少なくとも一つの回転部４とを有する。

固定部３は、第一の端Ａから第二の端Ｂまで伸びた弓形窓５（またはスロット）を備える。特に、弓形窓５の伸び角度は３４０°以下である。好ましくは、伸び角度は１８０°と３４０°の間である。

回転部４は、供給ラインから供給される流体の複数の吐出口６を有する。回転式流体ディスペンサ１は、好ましくは複数のコック（図示されていない）を有する。例えば、一つの、あるいは複数のコックが各吐出口６に取り付けられる。各コックは、流体が吐出される開口状態と、流体の吐出が遮断される閉口状態とを構成することができる。

容器（またはプリフォーム）は、弓形窓５に含まれ、さらに弓状に伸びた処理領域において流体を受け取る。特に、処理領域は、固定された始点Ｃから、弓形窓５の第二の端によって決定される終点Ｂまで伸びている。

まず、回転式流体ディスペンサ１は、弓形窓５の初期角度位置を所定の軸Ｘに対して変化させて、処理領域の幅を変えるための手段９を有する。初期角度位置とは、回転式流体ディスペンサ１が動作を開始する前の弓形窓５により、所定の軸Ｘに対して決定される位置を指す。

固定部３は、供給ラインを支持する固定基部１０に固着されている。弓形窓５の初期角度位置を所定の軸Ｘに対して変化させる手段９は、ねじ１３と、固定部３を固定基部１０に締結するためのスロット１４とを有する。

回転式流体ディスペンサ１の内部には補償ばね（図示されていない）が設けられており、固定基部１０を固定部３、さらには回転部４の上に押圧することにより、それらの接触を維持している。

回転式流体ディスペンサ１の締結ねじ１２を緩めることで、弓形窓５の初期角度位置を調節することができる。

前記締結ねじ１２を緩めることで、補償ばねからの負荷は減り、また、初期角度位置を変化させる手段９のねじ１３を緩めることで、回転部４は接触していた部材から離れ、所定の軸Ｘを中心に回転することができ、弓形窓５の初期角度位置を変更することが可能となる。

回転部４は、弓形窓５の初期角度位置の微調整を可能にするための角度参照システム（図示されていない）を備える。

前記ねじ１２，１３を締めることで、弓形窓５は所望の初期角度位置に固定される。

第一の実施例においては、図１〜４に示されるように、固定部３と回転部４はそれぞれ、第一の円板３、第二の円板４により構成される。弓形窓５は第一の円板３の上面から下面に貫通した開口からなる。吐出口６は第二の円板４に設けられた孔からなる。

第一の円板３（固定部）は第二の円板４（回転部）の上に接触して配置されている。固定基部１０は第一の円板３（固定部）の上に接触して配置された第三の円板により形成されている。固定基部１０は供給ライン（図示されていない）から分岐した複数の導管２を有する。

第四の回転円板１１は第二の円板４（回転部）の下に接触して配置されている。吐出管１６は第四の円板１１から分離した吐出口６に接続されている。

第二の実施例では、図５〜７に示されるように、固定部３と回転部４は同軸同心である。特に、固定部３は中空円筒状であり、その側面に沿って弓形窓５が横断している。中空円筒３は基部１０を取り囲むとともに接触している。

また、回転部４は中空円筒状であり、その側面は流体吐出口を構成する孔６を有する。

本発明における回転式流体ディスペンサの動作について、第一の実施例に沿って以下で説明する。

まず、上述したように、回転式流体ディスペンサ１（図３に例示）の動作中固定される所定の軸Ｘに対する弓形窓５の初期角度位置が決定される。

そして、回転部４が軸Ｘの周りに回転し始め、吐出口６が定期的に処理領域を遮断するような所定の動作速度に達する。

各コックは、処理領域の初期角度位置Ｃに達すると、カム機構により、閉口状態から開口状態に移行し、流体の吐出を開始する。各コックは、処理領域の端点Ｂ、すなわち弓形窓５の第二の端Ｂに達するまで吐出を継続する。つまり、回転部４が前記所定の動作速度にあれば、吐出の継続時間は処理領域の幅によって決定される。

吐出の継続時間を変える必要があるときは、ねじ１３を調整してスロット１４を緩めることにより弓形窓５の初期角度位置を所定の軸Ｘに対して調節しなければならない。そうすることで、弓形窓５の第一の端Ａの角度位置と第二の端Ｂの角度位置が変わる。

処理領域の端点Ｂが弓形窓５の動きに合わせて移動する一方で、始点Ｃは固定されているため（実際はカム機構により決められる）、処理領域（図４参照）の幅を修正することが可能となる。

例えば、回転方向が時計回りの回転式流体ディスペンサ１を考える。吐出時間を減らすときは、一続きの図３、４に示されるように、弓形窓５を反時計回りに縮小すればよい。

上記のように、本発明における回転式流体ディスペンサの特徴は、それが提供する利点を実行することで明確に表れる。

特に、本発明における回転式流体ディスペンサの汎用性は、吐出の継続時間が弓形窓（またはスロット）の初期角度位置によって決まるという事実により確保される。

このように、弓形窓の位置を回転軸に対してずらすだけで、吐出時間を容器のフォーマットに合わせて容易に調節することができる。

さらに、本発明における回転式流体ディスペンサは、吐出時間の調節のために一部の機械システムしか必要としない（バルブは不要）ため、構造的に単純で、維持が容易である。

Claims (10)

1. 流体供給ラインと、
   第一の端（Ａ）から第二の端（Ｂ）まで伸びた弓形窓（５）を有する少なくとも一つの固定部（３）と、
   前記供給ラインから供給される流体の複数の吐出口（６）を有する少なくとも一つの回転部（４）と、
   前記弓形窓（５）に含まれ、固定された始点（Ｃ）から、前記弓形窓（５）の第二の端によって決定される終点（Ｂ）まで弓状に伸びた処理領域と、を有し、
   前記少なくとも一つの回転部（４）は、前記吐出口（６）が定期的に前記処理領域を遮断するように所定の軸（Ｘ）を中心に回転し、
   前記弓形窓（５）の初期角度位置を所定の軸（Ｘ）に対して変化させて、処理領域の幅を変えるための手段（９）をさらに有することを特徴とする回転式流体ディスペンサ。
2. 前記少なくとも一つの固定部（３）と前記少なくとも一つの回転部（４）は、それぞれ第一の円板（３）、第二の円板（４）で構成された請求項１に記載の回転式流体ディスペンサ。
3. 前記第一の円板（３）は前記第二の円板（４）の上に接触して配置された請求項２に記載の回転式流体ディスペンサ。
4. 前記弓形窓（５）は前記第一の円板（３）の上面から下面に貫通した開口からなる請求項２または３に記載の回転式流体ディスペンサ。
5. 前記少なくとも一つの回転部（４）と前記少なくとも一つの固定部（３）は同軸同心である請求項１に記載の回転式流体ディスペンサ。
6. 前記少なくとも一つの固定部（３）は中空円筒状であり、その側面に沿って弓形窓（５）が横断しており、また、前記少なくとも一つの回転部（４）は中空円筒状であり、その側面は流体吐出口を構成する孔（６）を有する請求項５に記載の回転式流体ディスペンサ。
7. 前記弓形窓（５）の伸び角度が３４０°以下である請求項１〜６のいずれかに記載の回転式流体ディスペンサ。
8. 前記弓形窓（５）の伸び角度が１８０°と３４０°の間である請求項７に記載の回転式流体ディスペンサ。
9. 前記供給ラインに接続された導管（２）を備える基部（１０）をさらに有し、
   前記弓形窓（５）の初期角度位置を変えるための手段（９）は、ねじ（１３）と、前記固定部（３）を前記基部（１０）に締結するためのスロット（１４）と、を有する請求項１〜８のいずれかに記載の回転式流体ディスペンサ。
10. 複数のコックをさらに有し、
    前記コックの各々は、前記吐出口（６）のうちの一つに取り付けられ、流体が吐出される開口状態と、流体の吐出が遮断される閉口状態とを構成することができ、
    前記各コックの閉口状態から開口状態への移行は、常に前記処理領域の始点（Ｃ）で起こり、カム機構により決定される請求項１〜９のいずれかに記載の
    回転式流体ディスペンサ。

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