JPH1191881A - 回転式液体充填装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転式液体充填装置において各充填バルブ体
が計量した充填液を充填工程中の弁作用で漏洩しないよ
うにして計量した所定量の充填液を高精度で容器に充填
するようにする。 【解決手段】 ベントステム３６を設けた回動する充填
バルブ体１１に上下部に夫々弁座４０′・４０″を、側
部を調節自在の計量室３９に連結した充填ポート４０を
形成し、前記ベントステム３６には前記弁座４０′・４
０″を夫々開閉を計量弁４１と充填弁４２とをクッショ
ンスプリング４３で互いに外方に付勢するように嵌着す
ると共にベントステム３６には更に前記計量弁４１と充
填弁４２を互いに他方の弁が閉じてから解放作動するよ
うに夫々作動ストッパー４４・４４′を設けて、充填ポ
ート４０の上部から液入する充填液を下部に計量充填す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は回転式液体充填装
置、特にビール、炭酸飲料等の発泡飲料の充填に好適な
充填装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】回転式液体充填装置において計量された
所定量の液量を容器に充填する手段として、上部に液体
流過口を、下部に液体流出口を夫々形成する共通の弁体
により前記液体液過口と液体流出口とを交互に開閉する
ようにすると共に切換え運動中の液体の流過を一定に制
限する絞り区間と傾倒部材の引張りバネの引張力によっ
て弁体の切換工程を常に同じ速度に維持させて流過量を
一定量に保持することが特開平４−２４２５９１号公報
でしられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記方式
は引張りバネのへたり（疲れ変形）状態が各充填バルブ
全部が同一になるとは限られないため、各充填機構間に
バラ付きが生じて液体の流過量にバラ付きが出たり、貯
蔵容器内の液体のへッド圧が変動した場合も流過量にバ
ラ付きが出る等の配量精度が低下する問題点があり、し
かもこの配量精度の低下は、配量室の液体の回転中の遠
心力による液面傾斜によって上部のガスが抜け切れずガ
ス溜りとなることが原因となっても発生すると共に配量
室の内部を簡易に洗浄できない衛生上の問題点があった
り、配量空域の配量容量の変更に多数の充填機構を迅速
容易に操作するのが困難である等作業性において種々の
問題点がある。

【０００４】本発明はこのような欠陥を改善して、充填
バルブ体の充填液導入ポートと充填通路との間に形成し
た充填ポートに計量弁と充填弁とを別個に独立して設け
ると共にこの両弁を互いに他方の弁が閉じてから開放す
るようにしたことによって、弁切換操作中における両弁
間の連通を確実に阻止して弁切換え時の液体の漏洩を防
止することと、更には充填液の計量室の改良とによって
高精度の計量充填ができるようにした回転式液体充填装
置を提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、ベントステムを有する充填バルブ体の上部
に形成した充填液導入ポートと下部に形成した充填通路
との間に上下部に弁座を有しかつ側部を計量室に連結し
た充填ポートを形成し、前記充填ポートの上部弁座には
計量弁を下部弁座には充填弁を夫々ベントステムに可動
可能にかつクッションスプリングで互いに外方に弾発す
るように嵌着すると共にベントステムには前記計量弁及
び充填弁を互いに他方の弁が閉じてから開放作動する作
動ストッパーを夫々設けて計量工程では充填弁が閉じて
から計量弁を開き、充填工程では計量弁が閉じてから充
填弁を開くようにしたことを特徴とするものであり、前
記計量室を昇降自在の上部計量ケースと下部計量とで形
成することにより、充填液量の調節と計量室の分解洗浄
とを容易にでき、更に上部計量ケースの内側天井部を円
錐状に形成し、その頂部にフロート弁を有する切欠開口
部を形成したときは充填バルブ体の回転中における計量
室内におけるガス溜りを防止でき高精度の充填を行うこ
とができる。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を実施例の図
面について説明すると、回転式液体充填装置の近傍に設
置固定された充填タンク１は、充填液２を所定液面レベ
ル３まで入れて充填するためのヘッド圧を保持するよう
に加圧ガス源４からの加圧ガス導入管５が上部に設けら
れると共に主液弁６を有する給液主管７及び給液ロータ
リージョイント８を介して回転式充填装置のデストリビ
ューター９に供給された後、給液分配管１０により回転
式充填装置の周囲に環状に配置された充填バルブ体１１
の上部に形成された充填機構１２の充填液導入ポート１
３に分配されるように構成されている。

【０００７】前記充填タンク１の上部気相部に設けられ
た加圧ガス供給主管１４は下段ロータリージョイント１
５、ガス弁１６を有する加圧ガス分岐管１７を介して加
圧ガスデストリビューター１８に連結され、、該加圧ガ
スデストリビューター１８に設けられたベント分配管１
９は前記充填バルブ体１１の各充填機構１２に対応して
設けられた計量機構２０の計量ベント管２１と充填機構
１２のガス切換機構２２のベントバルブ２３に夫々連結
されている。

【０００８】また前記加圧ガス源４に設けられたカウン
ターガスライン２４は、上部ロータリージョイント２５
を介してガス弁２６を有するカウンターガス分岐管２７
でカウンターガスデストリビューター２８に連結された
後、分配管２９によって前記ガス切換機構２２のカウン
ターバルブ３０に連結され、更に前記ガス切換機構２２
に設けられたスニフトバルブ３１はスニフトチェンバー
３２に接続されている。

【０００９】前記各充填バルブ体１１は、回転基台３３
に支持されており、下端にスプレッダー３４と中心部に
前記ベントバルブ２３に連結するベントチューブ３４′
を夫々有しかつステムスプリング３５で上方に付勢され
たベントステム３６と、上部に形成された充填液導入ポ
ート１３と、充填通路３７を有する下部のバルブケース
３８と、これらの間に形成されかつ側部を計量機構２０
の計量室３９に接続された充填ポート４０とで構成され
ると共に前記充填ポート４０の上下部に夫々形成された
弁座４０′・４０″には計量弁４１と充填弁４２とがク
ッションスプリング４３で互いに上下両外方に付勢され
ながらベントステム３６に可動可能に嵌着され、更にベ
ントステム３６には前記計量弁４１と充填弁４２にはそ
の何れか一方が閉じてから他方が開放するように夫々作
動ストッパー４４・４４′が設けられている。

【００１０】また前記充填バルブ体１１の上部には前記
ベントステム３６の上端に当接する旋回カム４５が軸支
され、該旋回カム４５は計量カム４６及び充填カム４７
で作動する旋回レバー４８によってベントステム３６を
押圧作動するように構成されている。

【００１１】前記バルブケース３８には公知のように前
記ガス切換機構２２のカウンターバルブ３０に連通する
カウンターガス導管４９とスニフトバルブ３１に連通す
るスニフトガス導管５０が設けられると共にその外側部
には容器Ａの口縁に当接するスライドケース５１が公知
のキャリーレバー機構５２で昇降自在に嵌装されてい
る。

【００１２】前記計量機構２０の計量室３９は回転基台
３３に支持された円筒状の下部計量ケース５３とこれに
嵌着した内側天井部を円錐状に形成した上部計量ケース
５４とからなり、上部計量ケース５４の円錐状頂部には
前記ベント分配管１９に接続された計量ベント管２１が
突設され、該計量ベント管２１の基部に形成された切欠
開口部５５には該切欠開口部５５を開閉できるようにフ
ロート弁５６が設けられると共に更に上部計量ケース５
４は回転基台３３に設置された昇降モーター５７により
昇降螺杆５８、環状枠５９、保持アーム６０を介して下
部計量ケース５３に対して昇降自在に形成されている。

【００１３】本発明の実施例は上記のように構成されて
いるので、予めフログラマブルコントローラー６１に計
量値、充填液の比重、液温等を入力することにより上部
計量室５４の上昇位置が演算され、前記フログラマブル
コントローラー６１の駆動指令で計量機構２０の上部計
量ケース５４は昇降モーター５７により昇降し計量室３
９を所定大きさに設定する。

【００１４】しかして充填作用は先ず各充填バルブ体１
１の回動により充填機構１２の上部の旋回レバー４８が
充填カム４６で作動され、旋回カム４５がベントステム
３６を押し下げると、充填弁４２がクッションスプリン
グ４３で下方に付勢されながら弁座４０″に当接閉じた
後、クッションスプリング４３で上方に付勢されていて
今まで閉じていた計量弁４１が作動ストッパー４４で下
方に押し下げられて計量弁４１が弁座４０′を開放す
る。すると充填タンク１内の充填液はデストリビュータ
ー９から充填液導入ポート１３に流れ弁座４０′、充填
ポート４０を経て計量室３９内に入り該計量室３９の上
部ガスは切欠開口部５６から計量ベント管２１に排除さ
れると共に上昇液面は円錐状面に沿って絞られながらフ
ロート弁５６を上昇して計量ベント管２１を閉じ計量室
３９内に所定の液量が計量される。

【００１５】次に容器Ａの口部にスライドケース５１が
キャリーレバー機構５２で圧接してからカウンターバル
ブ３０が開いてカウンターガスを容器Ａ内に導入して容
器Ａ内を同圧にしてカウンターバルブ３０は閉じ、次い
でベントバルブ２３を開き、旋回カム４５の作動により
容器Ａのガスをベントチューブ３４′を介して逃すこと
により、ベントステム３６はスラムスプリング３５で上
方に持ち上げられると共に計量弁４１がクッションスプ
リング４３で上方に付勢された状態で上昇しその弁座４
０′に圧接した後、更にベントステム３６が上昇して作
動ストッパー４４′が充填弁４２の弁座４０″を開放す
るので、計量室３９内の計量されていた充填液は充填ポ
ート４０を通ってバルブケース３８の充填通路３７、ス
プレッダー３４を介して容器Ａ内に充填される。

【００１６】充填後はベントバルブ２３を閉じてから充
填弁４２を閉じて計量工程に切換え次いでスニフトバル
ブ３１を開いて容器Ａ内を大気圧力に解放してからキャ
リーレバー機構３２でスライドケース５１を上昇せしめ
て充填作用は終了するものである。

【００１７】

【発明の効果】本発明の回転式液体充填装置は充填バル
ブ体に形成された側部を計量室に連結した充填ポートの
上下部に夫々計量弁と充填弁とを設け両弁をクッション
スプリング及び夫々の作動ストッパーによって互いに一
方の弁が閉じてから他方の弁が開くように規制して弁の
切換え作用中に計量弁と充填弁の弁座が連通することを
防止しながら充填液の計量及び充填作用を行うようにし
たので、充填工程中の充填液の漏洩を確実に防止し計量
室で計量した充填液を高精度で容器に充填することがで
きる。

【００１８】また本発明の計量室は、下部計量ケースに
上部計量ケースを昇降自在の調節可能に嵌着形成したこ
とにより、充填液の液量調節が自在かつ容易にできると
共にその内部洗浄も簡易にできる。更にこの場合上部計
量室の内側天井部を円錐状に形成し、該円錐状頂部にフ
ロート弁で開閉される切欠開口部を設けるときは充填機
の回転による遠心力によって液面傾斜が生じてあっても
充填液面の上昇につれて円錐状面でガスを絞り込むよう
にして切欠開口部から押し出し排出してガス溜りを確実
に防止することができ、一層正確な高精度充填ができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の全体説明図。

【図２】本発明要部の断面図。

【図３】本発明の計量工程始期の説明図。

【図４】本発明の計量工程終期の説明図。

【図５】本発明のベントステムのカム作用説明図。

【符号の説明】 １１ 充填バルブ体 １３ 充填液導入ポート ３６ ベントステム ３７ 充填通路 ３９ 計量室 ４０ 充填ポート ４０′・４０″ 弁座 ４１ 計量弁 ４２ 充填弁 ４３ クッションスプリング ４４・４４′ 作動ストッパー ５３ 下部計量ケース ５４ 上部計量ケース ５５ 切欠開口部 ５６ フロート弁

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベントステムを有する充填バルブ体の上
   部に形成した充填液導入ポートと下部に形成した充填通
   路との間に上下部に弁座を有しかつ側部を計量室に連結
   した充填ポートを形成し、前記充填ポートの上部弁座に
   は計量弁を下部弁座には充填弁を夫々ベントステムに可
   動可能にかつクッションスプリングで互いに外方に弾発
   するように嵌着すると共にベントステムには前記計量弁
   及び充填弁を互いに他方の弁が閉じてから開放作動する
   作動ストッパーを夫々設けて計量工程では充填弁が閉じ
   てから計量弁を開き、充填工程では計量弁が閉じてから
   充填弁を開くようにしたことを特徴とする回転式液体充
   填装置。
2. 【請求項２】 計量室を昇降自在の上部計量ケースと下
   部計量ケースによって液量を調節可能に形成したことを
   特徴とする請求項１記載の回転式液体充填装置。
3. 【請求項３】 計量室の上部計量ケースの内側天井部を
   円錐状に形成し、該円錐状頂部にフロート弁を有する切
   欠開口部を設けたことを特徴とする請求項２記載の回転
   式液体充填装置。