JP2014510783A - 化粧用薬剤を持続放出するためのシステム - Google Patents

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Abstract

本発明は、少なくとも1つのリン脂質、ヒアルロン酸又はその誘導体、及び陽イオン性ポリウレタン誘導体を含む、化粧用薬剤を放出するためのシステムに関するものである。本発明のシステムは、表皮又は人体のケラチン構造体への化粧用薬剤又は活性物質の持続放出を得ると共に、適用の頻度を減少させるため、化粧品調製物の処方で使用できる。

Description

本発明は、化粧用物質を持続放出するためのシステムに関するものである。
本発明は、化粧品分野に由来し、具体的には毛髪及び皮膚の美容的処置用の薬剤を放出するためのシステムの分野に由来するものである。
特に、本発明は、毛髪及び皮膚等の人体におけるケラチン構造体に化粧用薬剤又は活性物質を持続放出するためのシステム及びリン脂質系組成物に関するものである。
パーソナルケア及び身繕いのための化粧品及び化粧品調製物は、人体の外側組織の、具体的には皮膚、毛髪及び爪等のケラチン構造体の、美容上の及び美的な性質を改善するのに適した薬剤又は物質を含有する。
一般に、化粧品は、人体のケラチン構造体に持続して結合しておらず、水を用いた毎回の洗浄によって容易に落される。
その結果として、これらの化粧品は、望ましい美容上の作用を発揮し続けるため、人体のケラチン構造体への頻繁な適用を必要とする。
水を用いた洗浄を受けても洗い落とされないヘアケア化粧品は、現在、市場で入手でき、また同様に、人体のケラチン構造体に、特には毛髪に、長期に亘って結合し、それらの構造体への化粧用薬剤の放出を長引かせることを目的とする添加物も知られている。
これら物質の中には、タンパク質由来のものもあり、タンパク質に基づいた他の構造体に、特には人体のケラチン構造体に、結合する傾向がある単一鎖の又は枝分れしたペプチドが含まれる。
しかしながら、化粧品調製物の処方におけるこれらペプチドの使用は、個々のペプチドの結合力が適当な結合効果を保証するのに必ずしも十分とは限らず、その上、多くの場合、これらの製品は高価であるか又は調製が困難であるため、幅広い応用が見出されていなかった。
同様に、ヘアケアの分野においては持続時間及び化粧品調製物の放出を増加させることを目的とする結合剤をその処方中に含む毛髪処置用の調製物が知られている。
これらの薬剤は、通常、毛髪若しくは頭皮のタンパク質成分に対する親和性によって又は静電結合の形成を介して結合する。
毛髪用化粧品製剤においては、遊離の陽イオン性基を持つ結合剤も使用されており、例えば、特定の陽イオン性界面活性剤及び陽イオン性ポリマー等がある。
しかしながら、毛髪処置用の化粧品調製物における陽イオン性ポリマーの使用は、これら薬剤が髪を重くする傾向にあり、洗浄時間を短縮させるが、結果として化粧品を洗い落とすことになるため、完全に満足できるものではない。
その上、美容上活性のある物質の毛髪上での堆積は、pHによって非常に影響を受ける。pH値が低いと、多くのヘアケア用調製物の場合と同様に、陽イオン性ポリマーの結合能力は大きく減少し、それにより、このような状況下で、これらの薬剤は結合効果をもはや発揮できず、化粧用薬剤は、作用部位から容易に落される。
また、化粧品分野、特にはヘアケア部門においては、その両親媒性の特徴によってケラチン構造体に付着することが可能な物質であるリン脂質の組み込みによって、持続的美容作用を持つ製剤を調製しようとする試みも知られている。しかしながら、この場合も同様に、ヘアケア用化粧品調製物中へのこれらの組み込みは、毛髪をより急速に脂っぽくさせる傾向があり、また、空気中に存在する埃のような物質を縛り付け、適用後ほんの短い期間であっても、毛髪を重く粘り気のあるものにする傾向があると観察された。
この場合も同様に、結果として、洗浄の頻度が多くなり、適用された化粧品は洗い落とされる。
それ故、現在では、人体のケラチン構造体に適用されたときに元の位置で持続的にとどまり、含まれる薬剤の美容作用を長引かせる化粧品調製物又はシステムを提供する必要性が感じられる。
また、例えば毛髪の茎等の人体のケラチン構造体に強固に結合し、特定の条件下では、前述の構造体の水によるその後の洗浄であっても残る化粧品システムを提供する必要もある。
本発明の出願人は、リン脂質成分をヒアルロン酸又はその誘導体及び陽イオン性ポリウレタンと組み合わせることによって、皮膚のケラチン構造体に強固に結合し、化粧用薬剤の持続放出を可能にするリン脂質系システムが得られることを見出した。
それ故に、本発明の第1の態様に従うと、
i)少なくとも1つのリン脂質(リン脂質成分)、
ii)ヒアルロン酸又はその誘導体、
iii)陽イオン性ポリウレタン誘導体
を美容上容認できる量で含むことを特徴とする化粧用薬剤を放出するためのシステムが提供される。
特定の実施態様において、本発明のシステムは、リン脂質系システムであり、複数のリン脂質を互いに様々な割合で含む。
特定の実施態様において、本発明のリン脂質システムは、植物又は動物原料から得られるリン脂質を含む。
特定の実施態様において、上記システムは、1種以上のレシチンを含み、ここで、前述のレシチンは、例えばグリシンマックスL.(Glycine max L.)、ヘリアンサス・アンヌス(Helianthus annuus)、ブラシカ・カリナタ(Brassica carinata)等の植物原料、又は例えば卵黄等の動物原料から得られる。
特定の実施態様において、リン脂質は、ジアシルグリセリド構造(グリセロリン脂質)を有するか又はスフィンゴリン脂質若しくはその混合物である。
特定の実施態様において、本発明のシステムは、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ジパルミトイルホスファチジルコリン、リゾリン脂質、双性イオンリン脂質、スフィンゴミエリン、スフィンゴ脂質、グリセロリン脂質、スフィンゴ糖脂質又はそれらの混合物から選択されるリン脂質成分を含む。
ヒアルロン酸又はその誘導体は、本発明のリン脂質系システムの別の重要な成分である。
典型的に、本発明の範囲において使用されるヒアルロン酸は、グルクロン酸とN−アセチルグルコサミン又はその誘導体との交互単位によって形成される多糖である。
特定の実施態様において、使用されるヒアルロン酸は、ヒアルロン酸誘導体であり、具体的には、2−ヒドロキシ−3−3(N,N,N−トリメチルアンモニウム)プロピルクロリド誘導体である。
この誘導体は、ヒアルロン酸の基本的な特性、即ち、多数の水分子に配位し、これら高分子量親水性ポリマーに特有の表面水和機能を十分に果たす能力を維持する。
本発明のシステムの他の重要な成分は、陽イオン性ポリウレタン誘導体又は陽イオン性ポリウレタンである。
本発明の特定の態様に従うと、陽イオン性ポリウレタンの用語は、少なくとも1つの四級窒素原子及び/又は四級化/プロトン化できる少なくとも1つの窒素原子を含有するポリウレタンを意味する。
特定の実施態様に従うと、上記誘導体/陽イオン性ポリウレタンは、ペルフルオロポリエーテル−ポリウレタン(PFPE−PU)コポリマーを含む。
典型的に、前述のペルフルオロポリエーテル−ポリウレタン(PFPE−PU)は、一連の線状鎖として体系化でき、その構造は、特徴が相互で非常に異なり、それ故に、本発明のシステムの溶液中に存在する物質との異なる相互作用を安定させる2種類の「鎖」を交互にする。典型的には、非フッ素化親水性部分が、コポリマーに有意な撥水性を与えるフッ素化疎水性部分と交互になる。広域の鎖間スペースが、隣接鎖上のフッ素化部分で発揮される反発によって形成され、これが水蒸気除去経路を示す「広域メッシュ」を生じさせ、コポリマーに著しい非閉塞特性を与える。親水性部分は、皮膚及び毛髪への固着を媒介する正電荷を有する。
第2の態様において、本発明は、表皮又は人体のケラチン構造体への化粧用薬剤の放出プロファイルを変更するため、先に記載した種類のシステムを使用することに関する。
本発明の範囲内において、表皮への化粧用薬剤の放出プロファイルを変更するための又は変更するのに適したシステムの用語は、化粧品組成物内に含まれる化粧用薬剤の放出時間を、同一の処方であるが前述のシステムがない組成物と比較して、修正又は延長し、ケラチン構造体、例えば皮膚、毛髪又は頭皮への付着を増加させるシステムを意味する。このケラチン構造体への付着の増加は、本発明のシステムを含有する化粧品組成物をすすぎ洗いする行動に対する抵抗を、それがないものと比べて、増加させる。
本発明の第3の態様に従うと、先に記載した種類のシステムと、少なくとも1種の美容上有効な成分と、一種以上の賦形剤とを含む化粧品組成物が提供される。
特定の実施態様に従うと、本発明の化粧品組成物は、リンスがいらない(non-rinse)又は付けたままにしておく(leave-on)組成物として用いるための組成物であり、毛髪及び/又は頭皮への適用に適している。
本発明のシステムを含有する化粧品組成物は、美容のための処置の頻度を減少させ、その結果、化粧品製剤に通常使用される添加剤、保存料、香料及び増強剤への暴露を減少させ、化粧品の安全性プロファイルを改善する。
以下に、図を参照しながら、本発明を詳細に説明する。
例7の比較臨床研究における産毛の百分率を示す。 例7で報告された臨床研究に基づきT0と比較した百分率変化を示す。 本発明の組成物と陰性対照の吸光度スペクトルの比較を示す。 本発明の組成物と、陰性対照と、同一の処方であるが本発明のシステム及び対照のない対応組成物の吸光度スペクトルの比較を示す。 本発明のシステムを様々な量で用いた組成物(溶液1及び2)からと該システムのない溶液からのパントテン酸カルシウムの放出についての試験結果を図式的に示す。 A及びBは、本発明のシステムを様々な量で用いた組成物(溶液1及び2)からと該システムのない溶液からのパントテン酸カルシウムの合計放出百分率と毛髪上での残量を示す。
出願人は、先に記載した成分i)〜iii)を関連付けることによって、化粧用薬剤を持続放出するためのシステムが得られ、適用後も元の位置にとどまる化粧品の調製に適用できることを見出した。
特に、本発明のリン脂質系システムは、該システムが加えられる化粧用薬剤又は機能性物質の放出動態を調節し、美容のための有効性を長引かせる。
特定の実施態様においては、本発明のシステムに1種以上の化粧用薬剤が加えられ、得られる製剤は化粧用途に使用される。
他の実施態様においては、1種以上の化粧用薬剤と化粧品製剤に適した賦形剤とを含む化粧品組成物中に本発明のシステムを組み込む(共同して使用する)。
リン脂質システムを含有する化粧品組成物の適用を受けて、該組成物中に含まれる1種又は複数種の溶媒の蒸発が起こり、複合ポリマーマトリクスフィルム又はゲルを形成し、該組成物中に存在する美容上活性のある物質又は機能性物質の放出動態を変化させる。このフィルムは、処置されたケラチン表面に付着したままであり、水の洗い流し行為に対してある程度の抵抗を持つ。
特定の実施態様においては、頭皮及び/又は毛髪への適用のための化粧品組成物中に本発明のシステムを組み込む。この場合、該システムの存在は、化粧品組成物が毛髪の茎等のケラチン構造体に固定又は付着したままであることを可能にし、その構造体を重くせずに、その洗浄に対する抵抗を増加させ、美容のための効果を長引かせる。
典型的に、本発明のシステムにおいては、リン脂質成分が、皮脂の脂質との結合と、表皮の表面層の細胞膜中のリン脂質との結合又は皮膚若しくは毛髪ケラチンの脂溶性ドメインとの結合とを確立しており、それが加えられた化粧品組成物の皮膚及び皮膚に関する部分に対する親和性を増加させる。
本発明の一の態様に従えば、記載したシステムの使用が提供され、化粧用薬剤を表皮又は人体のケラチン構造体に付着させる。
本発明の他の態様に従えば、記載した又はクレームしたシステムの使用が提供され、皮膚及び毛髪等のケラチン構造体に適用された化粧品組成物の、水を用いたすすぎ洗い(洗い流し)に対する抵抗を増加させる。特に、本発明のシステムを含有する化粧品組成物は、同一の処方であるが前述のシステムがない組成物と比べて、水を用いた洗浄に対する抵抗が大きい。
特定の実施態様において、本発明のシステムのリン脂質成分は、大豆レシチン及び/又はそのリン脂質画分を含むか又は本質的に構成されている。例えば、大豆種子から抽出された油状画分からゴムを除去することによって得られるリン脂質混合物を用いてもよい。典型的に、このリン脂質混合物は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジン酸等のsn−グリセロール−3−ホスファートのグリセロリン脂質を含む。
特定の実施態様においては、大豆レシチンを使用するが、それは、以下に示すリン脂質成分を含む:
70〜85% 3−sn−ホスファチジルコリン
3〜10% 3−sn−リゾホスファチジルコリン
3〜10% ホスファチジルエタノールアミン
3〜10% ホスファチジン酸
他の実施態様においては、ホスファチジルコリン含有量が90%以上であり、リゾホスファチジルコリンがわずか6%である大豆レシチンを使用する。
更なる実施態様に従うと、ホスファチジルコリン含有量が94〜102%以上であり、リゾホスファチジルコリンがわずか4%である大豆レシチンを使用する。
特定の実施態様に従うと、本発明のシステムにおいて、リン脂質は、該システムの全重量に対して0.005〜5重量%の量で存在する。
本発明のシステムのポリマー成分は、リン脂質と一緒に、化粧用薬剤の放出動態を変更させるように寄与し、同時に、皮膚及び毛髪付着性を増加させ、洗浄後の上記システム又は組み込まれた化粧品組成物の除去を遅らせる。
特定の実施態様において、上記システムのポリマー成分の一つは、ヒアルロン酸、特には陽イオン性タイプのヒアルロン酸である。
特に、出願人は、ヒアルロン酸2−ヒドロキシ−3−3(N,N,Nトリメチルアンモニウム)プロピルクロリド誘導体が、ヒアルロン酸の基本的な特性、即ち多数の水分子に配位して表面水和機能を果たす能力を維持しているにもかかわらず、付着性が高いことを見出した。化学分析に関して、この誘導体は、2種の基礎モノマーであるグルクロン酸とN−アセチルグルコサミンからなるヘテロ多糖である。このポリマー中におけるプラスに帯電した基の存在は、皮膚及び毛髪付着性を与え、その洗浄後の除去をより困難なものにする。
次に、特定の試験により、ヒアルロン酸2−ヒドロキシ−3−3(N,N,Nトリメチルアンモニウム)プロピルクロリド誘導体は、その正電荷のおかげで、同一分子量のヒアルロン酸の場合と比べてかなり強くそれ自体を皮膚及び毛髪に固定できることが実証された。
本発明のリン脂質系システムの特定の実施態様に従うと、ヒアルロン酸又は先に特定されたその誘導体は、該システムの全重量に対して0.002〜0.5重量%に含まれる量で存在する。
本発明のシステムにおけるポリウレタン成分の存在は、ヒアルロン酸又はその誘導体が皮膚又はケラチン構造体に付着する能力を相乗的に増加させる。
特定の実施態様に従うと、陽イオン性ポリウレタン誘導体は、線状構造のペルフルオロポリエーテルジアルコール(OH−CH−Rf−CH−OH)をイソホロンイソシアネートと反応させることによって得られるが、例えば、過剰のイソホロンイソシアネートを用いて作業し、それは、次いで、溶媒、例えばヘキサンと反応させ、その後、アルコール基、典型的にはC〜Cを含有する第3級アミンと反応させ、酢酸で中和させることによって、除去される。
特定の実施態様に従うと、ペルフルオロポリエーテルジアルコールは、例えば、テトラフルオロエチレンの光酸化(UV放射によって活性化した酸素との反応)によって得られ、以下に示す構造:
−(CF−CFO)−(CFO)−(ここで、p/q=0.5〜3.0)
を持ち、分子量が好ましくは500〜4000に含まれ、更に好ましくは1000〜2000に含まれ、より一層好ましくは1400〜1600に含まれるペルフルオロポリエーテル(Rf)鎖を含有する。
例えば、Solvay Solexisが販売するPFPE−PUコポリマーのペルフルオロポリエーテル(PFPE)は、25%固体水分散体として、「ポリウレタン26」というINCI名で、技術的応用(Fluorolink)及び化粧用途(Fomblin HC/PU−CAT5)に適している。
特定の実施態様においては、使用される陽イオン性ポリウレタンが、ペルフルオロポリエーテル−陽イオン性ポリウレタン(ポリウレタン−26)である。
特定の実施態様に従うと、本発明のシステムは、上記陽イオン性ポリウレタン誘導体成分を、該システムの全重量に対して0.004〜4重量%の量で含む。
特定の実施態様においては、リンスがいらない(付けたままにしておく)組成物又は製品の処方で、例えば、
・溶液又は水性コロイド分散体等の水性ローション
・ヒドロアルコールローション若しくは溶液又はヒドロアルコールコロイド分散体
・流体エマルション、水中油エマルション
・親水性ゲル、ポリマー(例えば、Carbopol等のアクリルポリマー又は高分子量ポリエチレングリコール等)の溶媒への添加によって形成されるゲル化した水性又はヒドロアルコール溶液
・セラム
の形態で毛髪及び頭皮に適用される調製物として、本発明のシステムを組み込んでもよい。
他の実施態様においては、
・界面活性剤を含有するシャンプー又は洗浄システム
・バルサム、典型的には、陽イオン性物質(ポリクオタニウム、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ドコシルトリメチルアンモニウムメチルスルファート等)及び高融点アルコール又は脂肪酸を含有し、シャンプーの前後に濡れた(又は乾いた)毛髪に適用され、次いですすぎ洗いされるもの
・マスク、典型的には、陽イオン性物質を含有し、ゲルの形態のもの
の形態で毛髪及び頭皮に適用される調製物等、水で洗い流せる組成物又は製品の処方で、本発明のシステムを組み込んでもよい。
特定の実施態様に従うと、上記リン脂質システムは、以下のものを含む。
・0.002〜0.50%w/w ヒドロキシプロピルトリモニウムヒアルロナート
・0.004〜4.0%w/w ポリウレタン−26
・0.005〜5.0%w/w レシチン
皮膚又はケラチン構造体への上記システムの適用は、疎水性と膜形成性を持つ複合フィルムの形成をもたらす。
次いで、本発明の実施態様の一つに従うリン脂質システムを含有する化粧品組成物又は調製物の使用は、そこに含まれる機能性物質又は化粧用薬剤の放出動態に作用することによって、同じ有効性に関し、適用頻度の低下を可能にし、それ故にその調製物に対する利用者順守を改善するため、特に有益である。
一の態様において、本発明は、更に、請求項1〜9のいずれか一項に記載のシステムと、組成物又は化粧用薬剤との同時の又は別々の使用であって、毛髪、表皮及び頭皮を含めた人体のケラチン構造体を水ですすぎ洗いすることによる又はすすぎ洗いした後の該人体のケラチン構造体からの前述の組成物又は化粧用薬剤の除去を防ぎ、回避し又は実質的に減少させるための使用を提供する。
これから、以下に示す例を参照しながら、本発明を説明するが、純粋に、本発明の限定されない説明を行う目的で提供される。
例1
大豆レシチンを用いたアンドロゲン性脱毛症の治療のためのシャンプー
成分(INCI名)・・・量w/w(%)
ラウレススルホコハク酸ジナトリウム・・・1.00〜5.00
ヒドロキシプロピルトリモニウムヒアルロナート・・・0.005〜0.50
ポリウレタン−26・・・0.004〜4.0
レシチン(Glycine max L.)・・・0.005〜5.0
ラウレス硫酸マグネシウム・・・5.00〜9.00
ヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリル・・・0.50〜1.00
コカミドMIPA・・・0.50〜2.00
水添パーム油脂肪酸PEG−200グリセリル・・・0.50〜2.00
ポリクオタニウム−10・・・0.10〜0.50
ラウロイルサルコシンナトリウム・・・1.00〜4.00
EDTAテトラナトリウム・・・0.05〜0.20
BHA・・・0.005〜0.015
スペルミジンHCl・・・0.001〜0.15
ビオチン・・・0.01〜0.10
パントテン酸カルシウム・・・0.01〜3.0
ウンデシレノイルコムギタンパクカリウム・・・0.50〜1.00
ラウレス−4・・・0.01〜0.80
パルファム・・・0.10〜0.80
ジステアリン酸グリコール・・・0.50〜1.00
ラウレス−7・・・0.50〜0.80
ココアンホ酢酸ナトリウム・・・0.05〜3.00
コカミドプロピルベタイン・・・0.01〜2.00
ラウレス硫酸ナトリウム・・・0.01〜3.00
ヒドロキシメチルグリシンナトリウム・・・0.20〜0.45
安息香酸・・・0.005〜0.10
水酸化ナトリウム・・・必要量
クエン酸・・・必要量
水・・・100.00までの必要量
使用したレシチンは、植物由来であり、Glycine max.L.から得られ、以下に示す内容物を備えたリン脂質成分を含有した:
80重量% 3−sn−ホスファチジルコリン
10重量% 3−sn−リゾホスファチジルコリン
5重量% ホスファチジルエタノールアミン
5重量% ホスファチジン酸
使用したレシチンは、エチルアルコール中に溶解して供給され、約4℃で保存された。
例2
大豆レシチンを用いたアンドロゲン性脱毛症の治療のためのローション
成分(INCI名)・・・量w/v(%)
水・・・100mlまでの必要量
ヒドロキシプロピルトリモニウムヒアルロナート・・・0.005〜0.50
ポリウレタン−26・・・0.004〜4.0
レシチン(Glycine max L.)・・・0.005〜5.0
変性アルコール・・・15.0〜20.0
スペルミジンHCl・・・0.005〜0.15
ビオチン・・・0.01〜0.10
パントテン酸カルシウム・・・0.1〜3.0
ルチン・・・0.001〜0.05
PEG−40水添ヒマシ油・・・0.5〜2.0
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロケイ皮酸オクタデシル・・・0.05
パルファム・・・0.20
ゼアキサンチン・・・0.002〜0.01
ヘリアンサス・アンヌス種子油・・・0.001〜0.01
乳酸・・・pH5.0までの必要量
例3
グリチルリチン酸ジカリウム及びアンモニウムを用いたボディウォッシュ
成分(INCI名)・・・量w/w(%)
水・・・100gまでの必要量
・・・
ラウレス硫酸ナトリウムアクア・・・9〜15%
ラウレス硫酸アンモニウム・・・1〜3%
ココアンホジ酢酸ジナトリウム・・・3〜5%
ココイルグルタミン酸ナトリウム・・・3〜6%
グリチルリチン酸モノアンモニウム・・・1.8%
グリチルリチン酸ジカリウム・・・0.2%
ヒドロキシプロピルトリモニウムヒアルロナート・・・0.005〜0.50
ポリウレタン−26・・・0.004〜4.0
レシチン(Glycine max L.)・・・0.005〜5.0
テトラステアリン酸PEG−150ペンタエリスリチル・・・1〜3%
(カプリル酸/カプリン酸)PEG−6グリセリズ・・・0.5〜3%
乳酸・・・pH6.0までの必要量
メチルパラベン・・・0.05〜0.2
プロピルパラベン・・・0.05〜0.2
フェノキシエタノール・・・0.5〜0.8%
パルファム(アレルゲンフリー)
例4
レシチンを用いたアンドロゲン性脱毛症の治療のためのローション
成分(INCI名)・・・量w/v(%)
水・・・100mlまでの必要量
ヒドロキシプロピルトリモニウムヒアルロナート・・・0.005〜0.50
ポリウレタン−26・・・0.004〜4.0
レシチン(LECITHIN 2)・・・0.005〜5.0
変性アルコール・・・15.0〜20.0
スペルミジンHCl・・・0.005〜0.15
ビオチン・・・0.001〜0.10
PEG−40水添ヒマシ油・・・0.5〜2.0
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロケイ皮酸オクタデシル・・・0.05
パルファム・・・0.20
ヘリアンサス・アンヌス種子油・・・0.001〜0.01
乳酸・・・pH5.0までの必要量
使用した大豆レシチンは、内容物が94重量%のホスファチジルコリンと6重量%のリゾホスファチジルコリンであった。
例5
ヘアケアセラム
成分(INCI名)・・・量w/v(%)
水・・・100mlまでの必要量
ヒドロキシプロピルトリモニウムヒアルロナート・・・0.005〜0.50
ポリウレタン−26・・・0.004〜4.0
レシチン(Glycine max L.)・・・0.005〜5.0
変性アルコール・・・15.0〜20.0
スペルミジンHCl・・・0.005〜0.15
オクタトリエン酸カリウム・・・0.001〜0.20
ビオチン・・・0.01〜0.10
パントテン酸カルシウム・・・0.1〜3.0
アジュガ・レプタンス葉エキス・・・0.001〜0.1
発酵大豆(Glycine max L.)・・・0.001〜0.5
水添ヒマシ油・・・0.50〜0.9
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロケイ皮酸オクタデシル・・・0.05
パルファム・・・
エトキシジグリコール・・・0.05〜1.0
ヒドロキシプロピルグアー・・・0.1〜0.8
乳酸・・・pH5.0までの必要量
例6
レシチンを用いたコンディショニングバルサム
成分(INCI名)・・・量w/w(%)
水・・・100gまでの必要量
・・・
セテアリルアルコール・・・0.5〜4.0
ヒドロキシプロピルトリモニウムヒアルロナート・・・0.005〜0.50
ポリウレタン−26・・・0.004〜4.0
レシチン(Glycine max L.)・・・0.005〜5.0
パルミチン酸・・・0.5〜4.0
ミリスチン酸・・・0.5〜4.0
加水分解コムギタンパク・・・0.05〜1.00
塩化セトリモニウム・・・1.0〜3.0
ベヘントリモニウムメトスルファート・・・0.5〜3.0
パンテノール・・・0.5〜3.0
ペンチレングリコール・・・5.0
スペルミジンHCl・・・0.005〜0.15
フェノキシエタノール・・・1.0
パルファム・・・必要量
使用したレシチンは、ホスファチジルコリン含有量が96重量%であり、リゾホスファチジルコリン含有量が4重量%であった。
例7
無作為に選ばれた二重盲検臨床研究を行い、例2の修正された放出システムを用いたヘアケアローションの有効性を評価した。
被験者の頭皮にローションを週2回適用し、同一の組成であるが本発明のリン脂質システムがないローションの毎日の適用と比較した。
休止期脱毛を患う男女120人の被験者が研究に参加しており、3つのグループに分けて、以下のものを用いた処置を受けた:
1.新しい放出のローション、週2回(グループ1)
2.放出技術のないローション、毎日適用(グループ2)
3.プラセボローション(機能的な活性物質がなく、放出技術もない)(グループ3)
客観的な機器による皮膚科学的な評価が、上記研究中(T0)、処置の1月後(T30)、処置の2月後(T60)及び処置の3月後(T90)の被験者の包含に対して行われた。
採用された被験者は、研究前3ヶ月において脱毛の全身的又は局所的治療を受けるべきでない。皮膚科学的又は全身的病変を患うか又は特定の医薬品を用いた治療を受ける被験者も除外した。
以下に、ローションの有効性データを集約する。
具体的には、産毛の%を評価した。
一方、T0と比較した%変化を以下の表に集約する。
得られた予備データは、抗脱毛ローションに適用された新しい技術の有効性を強調させることができた。観察された効果は、新しい技術のないローションについて得られたものより大きかった。
2012年4月14日付けのイタリア特許出願MI2011A000644の内容をここに主張し、本明細書においてその全体が統合される。
例8
本発明の化粧用薬剤を放出するためのシステムの使用から生じる有効性を検証する研究手順を作り、実験室で、該システムを含有する化粧品組成物を用いた処置をシミュレートし、繰り返される洗浄サイクルに対する抵抗を、同じ処方であるが前述のシステムのない化粧品組成物(コンパレータ)と比較して、検証した。
1.材料
1.1.試験された製剤
以下に報告される製剤を調製した:
上述の製剤の放出を分光光度法で検出するため、試験した全ての製剤を、同一百分率(1.67%)のパントテン酸カルシウムで補った(190〜200nmの間に吸光度ピークがある)。
このようにして、洗浄を受けた製剤の放出の相対定量化を得ることが可能となった。
1.2.陽性対照(システム1及び2)
本発明のシステム(1及び2)を含有する製剤の他の構成からのどんな吸光度も排除するため、以下に示す処方に従い、並行して、パントテン酸カルシウムを含まない同一製剤を調製した。
1.3.陰性対照(上記技術のない溶液)
それぞれが水及びエタノール又は水、エタノール及びパントテン酸カルシウムを含有する2つの製剤を上記実験の陰性対照として調製した(本発明のシステムがない)。
1.4.研究モデル
未処置ドナーの毛髪6房を、同じ重量(約2.9g)を持つ房に整えた。
2.実験手順
2.1. 1日目:異なる製剤と陽性及び陰性対照とを用いた毛の房の処置
1.6人の未処置ドナーの髪の房サンプルを、それぞれ約2.9gの房に、調製した。
2.各製剤30mLと対応する陽性及び陰性対照とを、適切にラベルが貼られたファルコン管に調剤した。
3.鉗子を用いて対応する製剤及び対照中に髪の房を浸漬させた。その房を製剤中で3分間完全に浸漬させた。
4.3分終了時にインキュベートした。上記房をファルコン管から(鉗子を用いて)除去し、ファルコン管中におおざっぱにドリップさせ、つるして2分間乾燥させた。
5.温風ヘアドライヤーを用いて乾燥した髪の房を15分間処理し、その後、室温にて一晩置き、乾燥を完了させた。
2.2. 2〜3日目:髪の房の洗浄と分光学的読み取り
今乾燥させた髪の房は、以下に記載の手順に従い、蒸留水で4回の連続洗浄を受けた。
1.各製剤と、対応する陽性及び陰性対照について、蒸留水30mLを含有する4つのファルコン管を用意し、洗浄のため適切にラベルが貼られた。
2.第1の洗浄用ファルコン管中に(鉗子を用いて)各髪の房を1分間完全に浸漬させた。
3.蒸留水中でのインキュベーションが完了して、髪の房を垂直に保持し、しずくが落ちるのが終わるまで、同一の洗浄用ファルコン管中でドリップさせた。
4.次いで、先に記載したのと同じ方法に従って、その後の洗浄中に、髪の房を浸漬させた。
5.3回目及び4回目の洗浄についても、上記手順を繰り返し行った。
6.ドリップ乾燥させるように髪の房をもう一度設置した。
7.洗浄流体は、分光学的分析を受けた。
・JascoモデルV−530分光光度計を用いて分光学的読み取りを行った。
・190〜280nmに等しい波長範囲、200nm/min、読み取り間隔0.1nmの条件に従い、石英キュベットを用いて、読み取りを行った。
・2mLに等しい最終キュベット体積において、読み取った各溶液を蒸留水で50倍に希釈した。
・各読み取りを2回行った。
・製剤の最大吸光度ピークを得、その後、各洗浄を受けて放出されるパントテン酸カルシウムの%を決定するため、製剤(同一希釈)と陽性及び陰性対照の予備読み取りを髪の房の浸漬前に行った。
2.3.データ処理
分光学的読み取りが完了して、ソフトウェアパッケージ「Essential eFTIR」を用いて、得られた吸光度スペクトルを処理した。
2.3.1.使用した実験方法の検証
1.ありのままの製剤及びパントテン酸カルシウムを含有する陰性対照の吸光度スペクトルを、前述の物質が含まれない対応する製剤及び対照と比較した。
2.各比較については、パントテン酸カルシウムの吸光度に対応する最大ピークを選んだ。
2.3.2.パントテン酸カルシウム放出の評価
3.ありのままの製剤とパントテン酸カルシウムを含有する陽性及び陰性対照の吸光度スペクトルを、対応する洗浄(4回の洗浄)の吸光度スペクトルと比較した。
4.ありのままの製剤と対応する洗浄についてのパントテン酸カルシウムの吸光度に対応する最大ピークをそれぞれの比較に選んだ。
3.結果
3.1.1.使用した実験方法の検証
パントテン酸カルシウムを含有する陰性の吸光度スペクトルと、前述の物質が含まれない対応する対照との比較は、使用した実験方法の妥当性を決定することを可能にする。
図1において明らかに見えるように、その吸光度ピークは、パントテン酸カルシウムを含有する対照の場合のみ、約200nmで記録されるだけである。
現在のデータに基づき、パントテン酸カルシウムを含有するありのままの製剤の吸光度スペクトルを、前述の物質が含まれない対応する製剤及び対照と比較した。
この場合も同様に、吸光度ピークは、パントテン酸カルシウムを含有する製剤の場合のみ、約200nmで記録されるだけであった。
それ故に、記載された実験手順を用い、各種製剤で処置された髪の房から蒸留水での連続洗浄を受けて放出される製剤の量の明確な決定を得ることが可能になる。前述の量は、放出されたパントテン酸カルシウムの%の観点から表現できる。
図3は、ありのままの製剤、パントテン酸カルシウムを含有する陰性対照、並びに前述の物質が含まれない対応する製剤及び対照の吸光度スペクトルの比較結果を強調する。(A)陰性対照;(B)製剤システム1;(C)製剤システム2である。
3.1.2.パントテン酸カルシウムの放出評価
ありのままの製剤及びパントテン酸カルシウムを含有する陰性対照の吸光度スペクトルを対応する洗浄(4回の洗浄)の吸光度スペクトルと比較した。
ありのままの製剤と対応する洗浄についてのパントテン酸カルシウムの吸光度に対応する最大ピークをそれぞれの比較に選んだ(図4)。
具体的に、図4は、ありのままの製剤、パントテン酸カルシウムを含有する陰性対照、及び対応する洗浄の吸光度スペクトルの比較を示す。(A)陰性対照;(B)製剤システム1;(C)製剤システム2である。
対応する洗浄の分光学的ピークを(髪の房を浸漬させる前の)ありのままの製剤のピークと比較した分析から、パントテン酸カルシウムの%放出の間接分析によって洗浄に対する抵抗を定量化することができた(図5/パントテン酸カルシウムの放出試験)。
具体的に、図5は、上記システムが含まれない溶液と、システム1が含まれる溶液と、システム2が含まれる溶液とから放出されたパントテン酸カルシウムの百分率を4回の連続洗浄について示す。そのデータは、髪の房浸漬前の製剤中におけるパントテン酸カルシウムに対し、平均%±SDとして表される。各実験を2回行った。試験された製剤について、4回の洗浄後の%全放出の結果を図6A及びBに報告する。
具体的に、図6Aは、上記システムが含まれない溶液、システム1が含まれる溶液、及びシステム2が含まれる溶液それぞれから放出された、4回の連続洗浄後の、パントテン酸カルシウムの合計百分率を示す。図6Bは、上記システムが含まれない溶液、システム1が含まれる溶液、及びシステム2が含まれる溶液それぞれを用いて処理された、4回の連続洗浄後の、髪の房における残留パントテン酸カルシウムの合計百分率を示す。
そのデータは、髪の房浸漬前の製剤中におけるパントテン酸カルシウムに対し、平均%±SDとして表される。各実験を2回行った。
そのデータは、システム1が含まれる製剤と、システム2が含まれる製剤とを用いた洗い流しにおいて顕著な違いを示す。
結論として、以下のことが観察された。
・すすぎ洗いを受けて、上記システムが含まれない化粧品組成物は、活性全体(パントテン酸カルシウム)の90%以上を失う。
・システム1を含有する化粧品組成物は、活性全体の37%だけを失う。
・システム2を含有する化粧品組成物は、活性全体の72%だけを失う。

Claims (10)

  1. i)少なくとも1つのリン脂質、
    ii)ヒアルロン酸又はその誘導体、
    iii)ペルフルオロポリエーテル−ポリウレタン(PFPE−PU)コポリマーに基づいた陽イオン性ポリウレタン誘導体
    を美容上容認できる量で含むことを特徴とする、化粧用薬剤を放出するためのシステム。
  2. 前記リン脂質が、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ジパルミトイルホスファチジルコリン、リゾリン脂質、双性イオンリン脂質、スフィンゴミエリン、スフィンゴ脂質、グリセロリン脂質、スフィンゴ糖脂質又はそれらの混合物から選択されるリン脂質画分を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  3. 前記ヒアルロン酸の誘導体が、グルクロン酸とN−アセチルグルコサミンの交互単位を含有するエーテル−多糖であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  4. 前記ヒアルロン酸の誘導体が、2−ヒドロキシ−3−3(N,N,N−トリメチルアンモニウム)プロピルクロリド誘導体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム。
  5. 前記ペルフルオロポリエーテル−ポリウレタンコポリマーが、構造:
    −(CF2−CF2O)p−(CF2O)q−(ここで、p/q=0.5〜3.0)
    を有するペルフルオロポリエーテル(Rf)鎖を含み、
    前記ペルフルオロポリエーテル(Rf)鎖は、分子量が500〜4000、好ましくは1000〜2000、更に好ましくは1400〜1600であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  6. 少なくとも1種の美容上有効な成分と、一種以上の賦形剤又はキャリヤーと、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシステムとを含む化粧品組成物。
  7. ・水性ローション、
    ・ヒドロアルコールローション、
    ・流体エマルション、
    ・親水性ゲル
    ・セラム
    から選択される毛髪及び頭皮用のリンスがいらない(付けたままにしておく)組成物としての、請求項6に記載の化粧品組成物の使用。
  8. ・前記水性ローションが、溶液又は水性コロイド分散体から選択され、
    ・前記ヒドロアルコールローションが、溶液又はヒドロアルコールコロイド分散体であり、
    ・前記流体エマルションが、水中油又は油中水のエマルションであり、
    ・前記親水性ゲルが、ポリマーの溶媒への添加によって形成されるゲル化した水性又はヒドロアルコール溶液であり、
    ・前記セラムが、アルコール又はヒドロアルコールの漿液状溶液であることを特徴とする請求項7に記載の化粧品組成物の使用。
  9. 表皮又は人体のケラチン構造体に薬剤又は化粧品組成物を付着させるための、i)少なくとも1つのリン脂質、ii)ヒアルロン酸又はその誘導体、iii)陽イオン性ポリウレタンを含むシステムの使用。
  10. i)少なくとも1つのリン脂質、ii)ヒアルロン酸又はその誘導体、iii)陽イオン性ポリウレタンを含むシステムと、薬剤又は化粧品組成物との同時の又は別々の使用であって、人体のケラチン構造体を水ですすぎ洗いすることによる前記ケラチン構造体から前記薬剤又は化粧品組成物の除去を防ぎ、回避し又は実質的に減少させるための使用。
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