JP2014509607A - 前立腺癌を治療するための、抗クラステリンオリゴヌクレオチドとアンドロゲン受容体アンタゴニストとの併用 - Google Patents

前立腺癌を治療するための、抗クラステリンオリゴヌクレオチドとアンドロゲン受容体アンタゴニストとの併用 Download PDF

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Abstract

前立腺癌に罹患した哺乳動物対象を治療するための方法であって、i)クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチドおよびii)構造(I)を有するアンドロゲン受容体アンタゴニストまたは薬学的に許容されるその塩を、各々もう一方と併用するときに前記哺乳動物対象を治療するのに有効な量で前記哺乳動物対象に投与することを含む方法。

Description

本出願は、2011年3月14日に出願の米国特許仮出願第61/452,583号、2011年3月16日に出願の米国特許仮出願第61/453,309号、2011年3月17日に出願の米国特許仮出願第61/453,885号、および2011年6月3日に出願の米国特許仮出願第61/493,336号の優先権を主張し、その内容を参照により本明細書に組み込む。
本出願の全体にわたり、括弧内に参照したものを含めて様々な刊行物が参照される。括弧内に参照した刊行物のすべての引用は、明細書の末尾、請求項の直前にアルファベット順に列挙されている。この発明に関連する技術水準についてより完全に記載するために、参照したすべての刊行物の開示をその全体として、参照により本出願中の本明細書に組み込む。
発明の分野
主たる発明は、前立腺癌を治療するための併用療法に関する。
発明の背景
前立腺癌は、男性が罹患する最も一般的な癌であり、西欧諸国男性では癌死亡の2番目の主要因である。前立腺癌はアンドロゲン感受性腫瘍なので、アンドロゲン除去(たとえば去勢による)が、進行性前立腺癌患者のいくつかの治療レジメンに利用される。アンドロゲン除去により、前立腺腫瘍に大量のアポトーシスが起こり、このため疾患の退行が起こる。しかし、去勢誘発性アポトーシスは完全ではなく、最終的には、生存している腫瘍細胞がアンドロゲン非依存性へと進行する。この進行は、生存および生活の質を改善するのに主な障壁となり、アンドロゲン非依存性に変化する前と後の両方で、前立腺癌を治療できる療法が必要とされている。
アンドロゲン除去後に、前立腺腫瘍細胞により、多数のタンパク質が多量に発現されることが観察されてきた。これらのタンパク質の少なくともいくつかは、アポトーシス細胞死(アンドロゲン除去により観察される)に関連すると考えられる(Raffoら、1995;Krajewskaら、1996;McDonnellら、1992)。しかし、多くのタンパク質の機能は、十分に理解されていない。クラステリン(別名硫酸化糖タンパク質−2(SGP−2)またはTRPM−2)は、この後者の範疇にある。

クラステリン
クラステリンは、細胞の生存を促進し、癌治療に対して広域スペクトル抵抗性を付与する細胞保護性シャペロンタンパク質である(Chiら2005)。Sensibarら、Cancer Research 55:2431〜2437頁、1995において、著者は、クラステリンをコードする遺伝子でトランスフェクトされたLNCaP細胞を報告しており、このタンパク質の発現が、クラステリンに対して非常に感受性がある腫瘍壊死因子α(TNFα)の効果を変更するかどうか確かめるために観察した。トランスフェクトしたLNCaP細胞をTNFαで処理することにより、数時間にわたってクラステリンレベルの一過的な上昇がもたらされることが示されたが、このレベルは細胞死に先立つDNAの断片化が観察される時間までに消失した。
米国特許第7,534,773号に記載のとおり(その内容を参照により組み込む)、去勢誘導性腫瘍の細胞死の増大および、アンドロゲン感受性癌細胞のアンドロゲン非依存性への進行の遅延は、細胞によるクラステリン発現を阻害することによって実現できる。

クストリセン
クストリセンは、クラステリン発現を阻害する第二世代のアンチセンスオリゴヌクレオチドである。クストリセンはクラステリンmRNAの一部に結合して、クラステリンタンパク質の産生を阻害するように特異的に設計されている。クストリセンの構造は、たとえば、米国特許第6,900,187号(その内容を参照により本明細書に組み込む)にて入手可能である。広範な研究により、クストリセンは強力に、クラステリンの発現を調節し、アポトーシスを助長し、癌性ヒト前立腺、乳腺、卵巣、肺、腎臓、膀胱、および黒色腫細胞の化学療法に対する感受性を高めることが明らかにされた(Miyakeら、2005)、米国特許出願公開第2008/0119425号A1も参照のこと。アンドロゲン依存的前立腺癌に対する臨床試験において、薬物であるフルタミドおよびブセレリンはクストリセンと併用すると、前立腺癌細胞のアポトーシスを増加させた(Chiら、2004;Chiら、2005)。

アンドロゲン受容体アンタゴニスト
アンドロゲン受容体(AR)アンタゴニストは、アンドロゲン−AR結合、ARの転写活性、またはARの細胞輸送(たとえば、細胞質から核への移行)を含めたARの機能を撹乱または低下させることによって、アンドロゲンによる前立腺癌細胞の刺激を減少させる。クストリセンは、ARアンタゴニストではない。クストリセンは、クラステリンの抗アポトーシス効果を低下させることによって、前立腺癌のアンドロゲン非依存性への進行を阻害するが、アンドロゲンシグナル伝達経路には影響を及ぼさないと考えられている。

併用療法
特定の状態、たとえば前立腺癌を治療するための2種の薬物の投与は、いくつか潜在的な問題を引き起こす。2種の薬物間のin vivo相互作用は複雑である。どの単剤の効果も、その吸収、分布および排出と関係している。2種の薬物が身体に導入された場合、各薬物はもう一方の薬物の吸収、分布および排出に影響を及ぼす可能性があり、したがって、もう一方の薬物の効果を変更する可能性がある。たとえば、一方の薬物が、もう一方の薬物の排出に関する代謝経路に関連する酵素の産生を阻害、活性化、または誘導する場合がある(Guidance for Industry.In vivo drug metabolism/drug interaction studies−study design、data analysis、and recommendation for dosing and labeling)。したがって、同じ状態を治療するために2種の薬物が投与されたときに、各々が、ヒト対象においてもう一方の薬物の治療活性を補足するのか、影響が無いのか、または妨害するのかを予測できない。
2種の薬物間の相互作用は、各薬物の意図した治療活性に影響を及ぼす可能性があるだけでなく、その相互作用が、毒性代謝物のレベルを増加させる可能性もある(Guidance for Industry.In vivo drug metabolism/drug interaction studies−study design、data analysis、and recommendation for dosing and labeling)。相互作用は、各薬物の副作用を強めるまたは弱める可能性もある。したがって、疾患を治療するために2種の薬物を投与することによって各薬物のプロファイルにどんな変化が起こるかは予測できない。
加えて、2種の薬物間の相互作用の影響がいつ現れるかを正確に予測することは困難である。たとえば、薬物間の代謝的相互作用は、第2の薬物の初回投与時、2種が定常状態の濃度に達した後、または薬物の一方を中断したときに明らかになる場合がある(Guidance for Industry.In vivo drug metabolism/drug interaction studies−study design、data analysis、and recommendation for dosing and labeling)。
したがって、in vitroモデル、動物モデル、またはヒトにおける1種の薬物もしくは各薬物単独での成功は、両方の薬物がヒトに投与される際の有効性とは相関しない場合がある。
本発明は、前立腺癌に罹患した哺乳動物対象を治療するための方法であって、i)クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチドおよびii)次の構造を有するアンドロゲン受容体アンタゴニスト
または薬学的に許容されるその塩を、各々もう一方と併用するときに哺乳動物対象を治療するのに有効な量で哺乳動物対象に投与することを含む方法に関する。
本発明のいくつかの態様は、アンドロゲン非依存的前立腺癌に罹病した哺乳動物対象の治療方法であって、i)クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチド、およびii)アンドロゲン受容体アンタゴニストを、各々もう一方と併用するときに哺乳動物対象を治療するのに有効な量で対象に投与することからなる方法を提供する。
本発明の一局面は、クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチド、およびアンドロゲン受容体アンタゴニストを、アンドロゲン非依存的前立腺癌に罹病した哺乳動物対象の治療に使用する量で含む、医薬組成物を提供する。
本発明の一局面は、アンドロゲン非依存的前立腺癌に罹患した哺乳動物対象の治療において、アンドロゲン受容体アンタゴニストと併用して使用する、クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチドを提供する。
本発明の一局面は、前立腺癌に罹患した哺乳動物対象を治療するための組成物であって、i)クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチドおよびii)次の構造を有するアンドロゲン受容体アンタゴニスト
または薬学的に許容されるその塩を含む組成物を提供する。
1μMのAR1およびクラステリン(CLU)を標的とする10nMのsiRNAまたは10nMのSCRを用いた処理によるLNCaP細胞増殖の抑制を示す図。SCRは、スクランブル配列siRNA対照である。(A)、FBS条件は、FBSを添加した培地である。(B)、CSS条件は、活性炭血清ストリップ培地である。 1μMのAR1および500nMのクスチルセンまたは500nMのSCRBを用いた処理によるLNCaP細胞増殖の抑制を示す図。SCRBは、スクランブル配列アンチセンスオリゴヌクレオチド対照である。(A)、FBS条件は、FBSを添加した培地である。(B)、CSS条件は、活性炭血清ストリップ培地である。 1μMのAR1および500nMのクスチルセンまたは500nMのSCRBを用いた処理によるC4−2細胞増殖の抑制を示す図。(A)、FBS条件は、FBSを添加した培地である。(B)、CSS条件は、活性炭血清ストリップ培地である。 1μMのAR1およびクラステリンを標的とする10nMのsiRNAまたは10nMのSCRを用いた処理によるPC−3(AR陰性)細胞増殖を示す図(A)。1μMのAR1および500nMのクスチルセンまたは500nMのSCRBを用いた処理によるPC−3(AR陰性)細胞増殖を示す図(B)。 AR1およびクラステリンを標的とする10nMのsiRNAまたは10nMのSCRを用いた処理によるLNCaP細胞における細胞毒性を示す図(A)。1μMのAR1および500nMのクスチルセンまたは500nMのSCRBを用いた処理によるLNCaP細胞における細胞毒性を示す図(B)。細胞は、FBSを添加した培地中で成長した。X軸は、AR1濃度である。 LNCaP細胞におけるAR1およびクスチルセン併用療法の有効性を示す図。(A)、クリスタルバイオレットアッセイによる各薬物または併用療法の後の細胞成長阻害を示す図。X軸は、[AR1/クスチルセン]である。P値はフリードマン検定により算出した。(B)、各療法の用量効果曲線を示す図。(C)、いくつかの有効量における併用指数(CI)を示す図。CI=1、相加効果;CI<1、併用効果;CI<1、拮抗効果。 LNCaP細胞におけるAR1、クラステリンを標的とするsiRNA、またはそれらの併用の投与後の細胞周期分布を示す図。OTRは、クスチルセンまたはsiRNAの非存在下において、オリゴフェクタミントランスフェクション試薬(Invitrogen Life Technologies,Inc.)で処理した細胞を意味する。 LNCaP細胞におけるAR1、クスチルセン、またはそれらの併用の投与後の細胞周期分布のFACS解析を示す図。 LNCaP細胞におけるARおよびクラステリンタンパク質発現に対するAR1投与の効果を示す図。(A)、10μM AR1。(B)、表示濃度でのAR1投与の48時間後。 LNCaP細胞におけるAKTおよびERKリン酸化およびタンパク質レベルに対するAR1処理の効果を示す図。(A)、10μM AR1。(B)、表示濃度でのAR1投与の48時間後。(C)、AR1による処理後のAKTまたはERKの発現レベルの用量依存的変化を示す図。(D)、AR1による処理後のAKTまたはERKの発現レベルの用量依存的変化を示す図。 (続葉) LNCaP細胞におけるARおよびクラステリンmRNA発現に対するAR1処理の効果を示す図。(A)、各濃度のAR1の添加の48時間後のAR mRNA発現を示す図。(B)、10μM AR1の添加後の表示時点におけるAR mRNA発現を示す図。(C)、各濃度のAR1の添加の48時間後のクラステリンmRNA発現を示す図。(D)、10μM AR1の添加後の表示時点におけるクラステリンmRNA発現を示す図。 クラステリンを標的とするsiRNA、クスチルセンまたは表示対照の処理後のLNCaP細胞におけるタンパク質発現の変化を示す図(AおよびC)。(B)、ビカルタミドおよびAR1によるクラステリン上方制御の比較を示す図。(D)、AR1およびクスチルセン(ASO)を用いた処理によるARコシャペロンの発現を示す図。 (続葉) (続葉) (続葉) LNCaP細胞におけるPSA(A)またはAR mRNA発現(B)に対する10μMのAR1およびクラステリンを標的とする10nMのsiRNAの効果を示す図。 AR(A)またはPSA mRNA発現(B)に対する10μMのAR1および500nMのクスチルセンの併用療法の効果を示す図。 AR1およびクラステリンを標的とする10nMのsiRNAによるLNCaP細胞の処理後のタンパク質発現およびPARP切断のウェスタンブロット分析を示す図。FBS条件は、FBSを添加した培地である。CSS条件は、活性炭血清ストリップ培地である。 LNCaP細胞におけるアンドロゲン刺激時のタンパク質レベルに対する、AR1およびクラステリンを標的とする10μMのsiRNAの効果を示す図。R1881は、メトリボロンとしても公知である強力なアンドロゲンである。 AR1およびクスチルセンまたは対照によるLNCaP細胞の処理によるタンパク質発現およびPARP切断のウェスタンブロット分析を示す図。細胞(1X106)は、5%FBSを含むRPMI培地を含む10cm皿に播種した。翌日、細胞に500nMクスチルセンまたは対照を48時間にわたってトランスフェクトした。次いで、ウェスタンブロット分析のために採取する前に、10μMのAR1を細胞に48時間にわたって加えた。ARおよびPSA発現は、クスチルセンおよびAR1併用療法により高度に抑制された。 AR1およびクラステリンを標的とする10nMのsiRNAまたは対照を用いたLNCaP細胞の処理による、タンパク質発現およびリン酸化のウェスタンブロット分析を示す図。ホスホ−AKTおよびホスホ−ERKはAR1の投与により活性化される。しかし、AR1およびClu siRNA併用療法は、リン酸化AKTおよびERKタンパク質のレベルを低下させる。併用療法は、単独療法より強力にAKT−mTOR−p70S6K経路を抑制する。 AR1およびクスチルセンまたはクラステリンを標的とするsiRNAを併用して用いたLNCaP細胞の処理によるARプロテアソーム分解のウェスタンブロット分析を示す図。MG132は、プロテアソーム阻害剤であり、CHXは、タンパク質生合成の阻害剤であるシクロヘキシミドである。ARタンパク質の分解は、AR1およびクスチルセン併用療法により強力に増加する。 AR転写活性に対するAR1およびクスチルセン併用療法の影響を示す図。デュアルルシフェラーゼアッセイ:LNCaP細胞にCSS中500nMクスチルセンを2日間トランスフェクトした。次いで、分析のために採取する前に、R1881(1nM)の存在下または非存在下でAR1(1μM)またはDMSOを24時間にわたって加えた。 単独療法と比較した、クラステリンを標的とする10nMのsiRNAと10μMのAR1との併用による、細胞質から核へのAR転位の阻害の増大を示す図。LNCaP細胞を用いた。 単独療法と比較した、クラステリンを標的とする10nMのsiRNAと10μMのAR1との併用による、細胞質から核へのAR転位の阻害の増大を示す図。LNCaP細胞を用いた。 単独療法と比較した、10μMのAR1およびクラステリンを標的とする10nMのsiRNAの併用療法による、ARとユビキチンとの結合の増大を示す図(A)。MG132の存在下での10μMのAR1およびクラステリンを標的とする10nMのsiRNAまたは対照の併用療法による、ARとユビキチンとの結合を示す図(B)。LNCaP細胞を用いた。 LNCaP細胞における、クスチルセン(ASO)または対照と併用したビカルタミドまたはAR1の処理間のクラステリンノックダウンの比較を示す図。 LNCaP細胞における、AR分解およびクラステリンノックダウンに対する(FKBP52)過剰発現の影響を示す図。 マウスにおけるAR1およびクスチルセンの併用投与による、去勢抵抗性前立腺癌腫瘍成長の低下および生存率の増加を示す図。雄無胸腺ヌードマウスの2部位に、マトリゲル中LNCaP細胞を皮下(s.c.)注射した。腫瘍が150mm3に達するか、またはPSAレベルが50ng/mL超まで増加した時点に、マウスを去勢した。腫瘍が去勢抵抗性に進行した(PSAレベルが去勢前と同じレベルに増加)ら、10匹のマウスをAR1+スクランブルアンチセンスオリゴヌクレオチド(SCRB)またはAR1+クスチルセンのそれぞれに、無作為に割り付けた。クスチルセン(10mg/kg/各投与)またはSCRB(10mg/kg/各投与)を最初の週は1日1回、その後は週3回腹腔内(i.p.)注射した。AR1(10mg/kg/各投与)は、8〜12週間にわたり週7日、1日1回(朝)経口投与した。 マウスにおける、AR1およびクスチルセンの併用投与による生存率の増加を示す図。雄無胸腺ヌードマウスの2部位に、マトリゲル中LNCaP細胞をs.c.注射した。腫瘍が150mm3に達するか、またはPSAレベルが50ng/mL超まで増加した時点に、マウスを去勢した。腫瘍が去勢抵抗性に進行した(PSAレベルが去勢前と同じレベルに増加)ら、10匹のマウスをAR1+スクランブルアンチセンスオリゴヌクレオチド(SCRB)またはAR1+クスチルセンのそれぞれに、無作為に割り付けた。クスチルセン(10mg/kg/各投与)またはSCRB(10mg/kg/各投与)を最初の週は1日1回、その後は週3回腹腔内(i.p.)注射した。AR1(10mg/kg/各投与)は、8〜12週間にわたり週7日、1日1回(朝)経口投与した。 マウスにおける、AR1およびクスチルセンの併用投与によるPSAタンパク質発現の低下を示す図。雄無胸腺ヌードマウスの2部位に、マトリゲル中LNCaP細胞を皮下(s.c.)注射した。腫瘍が150mm3に達するか、またはPSAレベルが50ng/mL超まで増加した時点に、マウスを去勢した。腫瘍が去勢抵抗性に進行した(PSAレベルが去勢前と同じレベルに増加)ら、10匹のマウスをAR1+スクランブルアンチセンスオリゴヌクレオチド(SCRB)またはAR1+クスチルセンのそれぞれに、無作為に割り付けた。クスチルセン(10mg/kg/各投与)またはSCRB(10mg/kg/各投与)を最初の週は1日1回、その後は週3回腹腔内(i.p.)注射した。AR1(10mg/kg/各投与)は、8〜12週間にわたり週7日、1日1回(朝)経口投与した。 マウスにおける、AR1およびクスチルセンの併用投与によるPSAタンパク質発現の低下を示す図。雄無胸腺ヌードマウスの2部位に、マトリゲル中LNCaP細胞を皮下(s.c.)注射した。腫瘍が150mm3に達するか、またはPSAレベルが50ng/mL超まで増加した時点に、マウスを去勢した。腫瘍が去勢抵抗性に進行した(PSAレベルが去勢前と同じレベルに増加)ら、10匹のマウスをAR1+スクランブルアンチセンスオリゴヌクレオチド(SCRB)またはAR1+クスチルセンのそれぞれに、無作為に割り付けた。クスチルセン(10mg/kg/各投与)またはSCRB(10mg/kg/各投与)を最初の週は1日1回、その後は週3回腹腔内(i.p.)注射した。AR1(10mg/kg/各投与)は、8〜12週間にわたり週7日、1日1回(朝)経口投与した。 クラステリン発現が、AR1抵抗性腫瘍において誘導されることを示す図。(A)AR1の投与後のクラステリン発現の増大を示す図。(B)AR1抵抗性腫瘍におけるAR1の投与後のクラステリン発現の増大を示す図。(C)ウェスタンブロット分析により測定されたときに、AR1投与後にクラステリン発現が時間および用量依存的に上方制御されることを示す図。 クスチルセンおよびAR1の併用療法が、CRPC LNCaP異種移植片においてクスチルセンまたはAR1単独療法より有効であることを示す図。AR1+クスチルセン療法がCRPC異種移植片におけるARおよびPSA発現を低下させた。 クラステリンノックダウンがAR転写活性およびAR依存性遺伝子の発現を低下させることを示す図。貫膜プロテアーゼセリン2(TMPRSS2)mRNAレベルは、AR1投与、クラステリンノックダウン、およびAR1投与+クラステリンノックダウンの後に低下した。 クラステリンノックダウンが、AR1と併用したときARタンパク質レベルを低下させることを示す図。熱ショックタンパク質27(Hsp27)とARとの可能な相互作用がAR転写活性、PSA発現および細胞の生存に寄与することが示されている。 クラステリンノックダウンが、熱ショック因子タンパク質1(HSF−1)転写活性および熱ショックタンパク質の発現を低下させることを示す図。 クラステリン過剰発現が、HSF−1活性を増大させることを示す図。 腫瘍細胞における、AR1療法+クスチルセン療法の可能な作用機序を示す図。 クラステリンおよび自食作用が、ストレスおよび癌において役割を果たし得ることを示す図。小胞体(ER)ストレス、化学ストレスおよびアンドロゲン除去後のクラステリン発現の増大が示されている。 AR1療法が、LNCaP細胞における自食作用を誘導することを示す図。 治療ストレッサーが、アグリソーム中にLC3Bと共局在するクラステリンを誘導することを示す図。 ERストレス誘導性自食作用が、クラステリンサイレンシングによって抑制されることを示す図。 CLUがAR1抵抗性細胞においてAR1により誘導され、高度に発現することを示す図。C、CLUの用量および時間依存的誘導を示す図。D、CLUがARノックダウンによってもAR1抵抗性細胞において誘導されることを示す図。AR ASOもいくつかのAR1抵抗性MR49F細胞においてCLUを誘導する。CLUは、AR1抵抗性細胞、たとえば、MR49Fにおいて高い。 (続葉) (続葉) ストレス応答(ER、UB−1)ならびにpAKTとMAPKのクロストークの誘導を示す図。 (続葉) (続葉) (続葉) ARトランス活性化および転位に対する併用療法の効果を示す図。A、AR1の投与と併用したクスチルセンが、クスチルセンまたはAR1単独療法よりもARトランス活性化を低下させることを示す図。LNCaP細胞に500nmol/LのクスチルセンまたはSCRB対照を2日間、連日トランスフェクトし、2日目に1μgのPSA−ルシフェラーゼおよびレニラ−ルシフェラーゼを一過性にコトランスフェクトした。翌日、細胞を10μmol/LのAR1で処理し、次いで、1nmol/LのR1881または媒体を24時間にわたって加えた。細胞を採取し、ルシフェラーゼ活性を測定した。カラムは、3連で行った少なくとも3回の独立した実験の平均を表す。PSA活性化は、標準化されたレニラ−ルシフェラーゼ活性であった。B、併用療法によるAR転位への効果を示す図。10nmol/LのCLU siRNAまたはSCR siRNA対照によるトランスフェクションの24時間後に、LNCaP細胞をDMSO、10μmol/LのAR1および1nmol/LのR1881で30分間処理し、抗AR抗体による免疫蛍光染色のためにメタノール/アセトン中で固定した。核をDAPIで染色した。AR1は、細胞質から核へのARの転位を阻害した。AR1と併用したCLUノックダウンは、AR転位の阻害の効果の増大を示している。
発明の詳細な説明
本発明は、前立腺癌に罹患した哺乳動物対象を治療するための方法であって、i)クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチドおよびii)次の構造を有するアンドロゲン受容体アンタゴニスト
または薬学的に許容されるその塩を、各々もう一方と併用するときに哺乳動物対象を治療するのに有効な量で哺乳動物対象に投与することを含む方法を提供する。
本発明のいくつかの態様において、癌は、アンドロゲン非依存的前立腺癌である。
いくつかの態様において、合わせて投与したときのオリゴヌクレオチドの量とアンドロゲン受容体アンタゴニストまたは薬学的に許容されるその塩の量は、各薬剤を単独投与したときよりも対象を治療するのに有効である。
いくつかの態様において、アンドロゲン受容体アンタゴニストまたは薬学的に許容されるその塩の量と併用するオリゴヌクレオチドの量は、単独投与時に臨床的に有効な量より少ない。
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの量と併用するアンドロゲン受容体アンタゴニストまたは薬学的に許容されるその塩の量は、単独投与時に臨床的に有効な量より少ない。
いくつかの態様において、合わせて投与したときのオリゴヌクレオチドの量とアンドロゲン受容体アンタゴニストまたは薬学的に許容されるその塩の量は、対象において前立腺癌の臨床症状を軽減させるのに有効である。
いくつかの態様において、哺乳動物対象は、ヒトである。
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドはアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、クラステリンをコードするmRNAの翻訳開始部位または終結部位のいずれかにまたがっている。
いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドを改変して、同じ配列の無改変のオリゴヌクレオチドと比較してin vivo安定性を強化する。
いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは本質的に、配列番号1〜11からなる群から選択されるオリゴヌクレオチドからなる。
いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは本質的に、配列番号3からなるオリゴヌクレオチドからなる。
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、クストリセンである。
いくつかの態様において、クストリセンの量は、640mg未満である。
いくつかの態様において、クストリセンの量は、480mg未満である。
いくつかの態様において、クストリセンの量は、7日間に1回、静脈内投与される。
いくつかの態様において、アンドロゲン受容体アンタゴニストの量は、240mg未満である。
いくつかの態様において、アンドロゲン受容体アンタゴニストの量は、150mg〜240mgである。
いくつかの態様において、アンドロゲン受容体アンタゴニストの量は、30mg〜150mgである。
いくつかの態様において、アンドロゲン受容体アンタゴニストの量は、80mgである。
いくつかの態様において、アンドロゲン受容体アンタゴニストの量は、1日に1回経口投与される。
本発明のいくつかの態様は、アンドロゲン非依存的前立腺癌に罹病した哺乳動物対象の治療方法であって、i)アンドロゲン受容体アンタゴニストおよびii)クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチドを、各々もう一方と併用するときに哺乳動物対象を治療するのに有効な量で対象に投与することからなる方法を提供する。
いくつかの態様において、アンドロゲン受容体アンタゴニストは、非ステロイド性抗アンドロゲンである。
いくつかの態様において、アンドロゲン受容体アンタゴニストは、AR1である。
いくつかの態様において、アンドロゲン非依存的前立腺癌は、AR1抵抗性である。
いくつかの態様において、アンドロゲン受容体アンタゴニストとオリゴヌクレオチドの併用は、腫瘍細胞の細胞質から核へのアンドロゲン受容体の移行を減少させるのに有効である。
いくつかの態様において、アンドロゲン受容体アンタゴニストとオリゴヌクレオチドの併用は、腫瘍細胞においてアンドロゲン受容体タンパク質のプロテアソーム分解を高めるのに有効である。
いくつかの態様において、アンドロゲン受容体アンタゴニストとオリゴヌクレオチドの併用は、腫瘍細胞においてアンドロゲン受容体の転写活性を低下させるのに有効である。
いくつかの態様において、アンドロゲン受容体アンタゴニストとオリゴヌクレオチドの併用は、腫瘍細胞においてリン酸化AKTの量を低下させるのに有効である。
いくつかの態様において、アンドロゲン受容体アンタゴニストとオリゴヌクレオチドの併用は、腫瘍細胞においてリン酸化ERKの量を低下させるのに有効である。
いくつかの態様において、アンドロゲン受容体アンタゴニストとオリゴヌクレオチドの併用は、前立腺癌細胞の増殖を阻害するのに有効である。
本発明のいくつかの態様は、クストリセンとの併用治療によって、AR1抵抗性前立腺癌細胞がAR1に感作される方法を提供する。
本発明のいくつかの態様は、クストリセンを用いてAR1抵抗性前立腺癌細胞を治療することを含む、AR1に対するAR1抵抗性前立腺癌細胞の感受性を高める方法を提供する。
本発明のいくつかの態様は、AR1に抵抗性がある前立腺癌に罹病した哺乳動物対象の治療方法であって、i)AR1およびii)クストリセンを、各々もう一方と併用するときに哺乳動物対象を治療するのに有効な量で対象に投与することを含む方法を提供し、クストリセンは、AR1に対する前立腺癌の感受性を高める。
本発明の一局面は、クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチドおよびアンドロゲン受容体アンタゴニストを、アンドロゲン非依存的前立腺癌に罹病した哺乳動物対象の治療に使用する量で含む医薬組成物を提供する。
本発明の一局面は、アンドロゲン非依存的前立腺癌に罹病した哺乳動物対象の治療において、アンドロゲン受容体アンタゴニストと併用して使用する、クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチドを提供する。
本発明の一局面は、前立腺癌に罹病した哺乳動物対象を治療するための組成物であって、i)クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチドおよびii)次の構造を有するアンドロゲン受容体アンタゴニスト
または薬学的に許容されるその塩を含む組成物を提供する。
本発明の局面は、前立腺癌の治療において、オリゴヌクレオチドまたはARアンタゴニストの単独療法と比較して、クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチドとARアンタゴニストの併用が増大させる効力に関する。効力の増大には、それだけには限らないが、前立腺癌細胞の増殖低下、癌細胞のアポトーシスの増加、細胞質から核へのARの移行の減少、ARの転写活性の低下、PARP切断の増加、AKTのリン酸化の低下、ERKのリン酸化の低下、およびARタンパク質の分解の増加が含まれる。AKTおよび/またはERKのリン酸化が低下する態様において、AKTおよびERKのすべてのアイソフォームが想定される。これには、AKT1、AKT2、AKT3、ERK1、およびERK2が含まれるが、これに限定されない。いくつかの態様において、ARのプロテアソーム分解の増加は、ARとユビキチンとの結合の増加と関係する。
本明細書に開示された各態様は、他の開示された態様の各々に適用できるように意図されている。したがって、本明細書に記載の様々な要素の組合せのすべてが、本発明の範囲内にある。
パラメータ範囲が提供されている場合、その範囲内のすべての整数およびその10分の1も本発明によって提供されることを理解されたい。たとえば、「0.2〜5mg/kg/日」は、0.2mg/kg/日、0.3mg/kg/日、0.4mg/kg/日、0.5mg/kg/日、0.6mg/kg/日など5.0mg/kg/日までを含む。

用語
本明細書では、特に明記しない限り、次の用語の各々は以下に述べる定義を有するものとする。
本明細書では、数値または範囲の文脈において「約」とは、詳述または請求される数値または範囲の±10%を意味する。
本出願の明細書および特許請求の範囲では、用語「クラステリン」とは、ヒトを含めた哺乳動物に存在する糖タンパク質のことを指し、ヒトにおいてそのように命名された。数多くのクラステリン種の配列が知られている。たとえば、ヒトクラステリンの配列は、Wongら、Eur.J.Biochem.221(3)917〜925頁(1994)、およびNCBI配列受託番号NM_001831(配列番号43)に記載されている。このヒト配列において、コード配列は、塩基48〜1397にまたがっている。
本明細書では、「クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチド」とは、細胞においてクラステリン発現を低下させるのに有効な配列を持つオリゴヌクレオチドである。クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチドは、たとえば、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはRNA干渉誘導分子であってよい。
本明細書では、「アンチセンスオリゴヌクレオチド」とは、クラステリン発現を低下させ、クラステリンmRNAに相補的な配列を有する非RNAiオリゴヌクレオチドのことを指す。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)であってよい。本発明においてアンチセンス分子として使用し得る典型的な配列は、PCT特許公開WO00/49937、米国特許公開US−2002−0128220A1および米国特許第6,383,808号に開示されており、そのすべてを参照により本明細書に組み込む。具体的なアンチセンス配列は、配列番号1〜18として本出願に記載されており、表1に見ることができる。
使用されるODNは、in vivoにおけるODNの安定性を高めるために改変させてよい。たとえば、ODNは、ヌクレアーゼ消化に対する抵抗性を高めたホスホロチオエート誘導体(非架橋ホスホリル酸素原子を硫黄原子と置きかえた)として使用されてよい。MOE(2’−O−(2−メトキシエチル))修飾(ISIS主鎖)も、有効である。そのような改変ODNの構築については、米国特許第6,900,187号B2に詳述されており、その内容を参照により組み込む。いくつかの態様において、ODNは、クストリセンである。
本明細書では、「クストリセン」とは、配列CAGCAGCAGAGTCTTCATCAT(配列番号3)を有し、クラステリン発現を低下させるアンチセンスオリゴヌクレオチドのことを差し、この抗クラステリンオリゴヌクレオチドは、全体にわたってホスホロチオエート主鎖を有し、2’−O−メトキシエチル修飾を持つヌクレオチド1〜4および18〜21の糖部分を有し、2’デオキシヌクレオチドであるヌクレオチド5〜17を有し、またヌクレオチド1、4および19に5−メチルシトシンを有する。クストリセンは、別名TV−1011、OGX−011、ISIS 112989およびクストリセンナトリウムとして知られている。
本明細書では、「RNA干渉誘導分子」とは、クラステリン発現のRNA干渉または「RNAi」を誘導可能な分子のことを差す。RNAiはmRNA分解に関係するが、この干渉の根底にある生化学的機序の多くは不明である。RNAiの使用は、Fireら、1998、Carthewら、2001、およびElbashirら、2001に記載されており、その内容を参照により本明細書に組み込む。
単離されたRNA分子は、RNAiを媒介することができる。すなわち、本発明の単離されたRNA分子は、遺伝子の転写産物であるmRNA(標的遺伝子とも呼ばれる)の分解を媒介し、または発現を抑止する。便宜上、本明細書において、そのようなmRNAを分解されるmRNAと称することもできる。用語RNA、RNA分子、RNAセグメントおよびRNA断片は、RNA干渉を媒介するRNAのことを指して互換的に使用できる。これらの用語は、二本鎖RNA、低分子干渉RNA(siRNA)、ヘアピンRNA、一本鎖RNA、単離したRNA(部分精製したRNA、基本的に純粋なRNA、合成RNA、組み換え的に作製したRNA)、ならびに1個以上のヌクレオチドの付加、削除、置換および/または変更により天然に存在するRNAとは異なる改変されたRNAを含む。そのような変更は、たとえばRNAの末端(複数可)または内部(そのRNAの1か所以上のヌクレオチドで)への非ヌクレオチド材料の付加を含むことができる。本発明のRNA分子中のヌクレオチドは、天然に存在しないヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドを含めた標準的ではないヌクレオチドを含むこともできる。全体として、そのような変更されたRNAi分子のすべては、類似体または天然に存在するRNAの類似体のことを指す。本発明のRNAは、RNAiを媒介する能力を有する天然のRNAに十分に類似していさえすれば十分である。
本明細書では、成句「RNAiを媒介する」とは、どのmRNA分子がRNAi機構または工程による影響を受けることになるかを区別する能力のことを差し、また示している。RNAiを媒介するRNAは、機構を特定のmRNAを分解、さもなければ標的タンパク質の発現を低下に導くように、RNAi機構と相互作用する。一態様において、本発明は、その配列に一致する特定のmRNAの切断を指示するRNA分子に関する。配列の完全一致が必要とは限らないが、その一致は、RNAが標的mRNAの切断または発現の抑止によってRNAi阻害を指示できるのに十分でなければならない。
上記したように、本発明のRNA分子は一般に、RNA部分といくつかの付加的な部分、たとえばデオキシリボヌクレオチド部分を含む。RNA分子中のヌクレオチドの総数は、最適には、RNAiの有効な媒体であるための数より少ない。好ましいRNA分子において、ヌクレオチドの数は、16〜29個、より好ましくは18〜23個、および最も好ましくは21〜23個である。適切な配列は、配列番号19〜42として本出願に記載されている(表2)。
本発明のsiRNA分子を、ヒト患者を含めた癌または標的タンパク質の発現の阻害によって治療的有用性が得られる他の種類の疾患を有する患者を治療するための療法において使用する。本発明のsiRNA分子は、標的とされるmRNAおよびタンパク質の調節に適切な血漿および組織濃度に達するように、1回以上の連日注射(静脈内、皮下または髄腔内)によって、または1回以上の治療サイクルでの連続的な静脈内もしくは髄腔内投与によって患者に投与される。
本明細書では、「前立腺癌に罹患した哺乳動物対象」とは、前立腺癌を有すると肯定的に診断された哺乳動物対象を意味する。
本明細書では、「アンドロゲン非依存的前立腺癌」とは、アンドロゲン依存的でない(アンドロゲン感受性でない)細胞、およびアンドロゲン依存的でない(アンドロゲン感受性でない)細胞を主に含有する腫瘍を包含する。アンドロゲン依存的な細胞はしばしば、アンドロゲン依存的からアンドロゲン非依存的に変化する。加えて、いくつかの態様において、アンドロゲン非依存的前立腺癌は、その全体が増殖に関してアンドロゲン依存的とは限らない(アンドロゲン感受性とは限らない)腫瘍を包含してよい。いくつかの態様において、アンドロゲン非依存的前立腺癌は、ホルモン除去療法の投与および/またはARアンタゴニストの投与(ホルモン遮断療法として)後に進行した。いくつかの態様において、アンドロゲン非依存的でない前立腺癌と比較して、アンドロゲン非依存的前立腺癌においてAR発現は増加している。
本明細書では、「去勢抵抗性前立腺癌」とは、ホルモン除去療法またはホルモン遮断療法に抵抗性がある任意のアンドロゲン非依存的前立腺癌を包含する。いくつかの態様において、去勢抵抗性前立腺癌は、ホルモン除去および/またはホルモン遮断療法の投与後に変化した。いくつかの態様において、去勢抵抗性でない前立腺癌と比較して、去勢抵抗性前立腺癌においてAR発現は増加している。
本明細書では、「アンドロゲン除去」とは、前立腺癌に罹病した患者におけるアンドロゲンレベルの低減を包含する。
本明細書では、「ホルモン遮断療法」とは、アンドロゲンに応答する受容体または細胞経路の機能低下を意味する。ホルモン遮断療法の非限定的な例は、ARアンタゴニストである。
本明細書では、「アンドロゲン除去療法」とは、前立腺癌に罹病した哺乳動物対象においてアンドロゲン除去をもたらすことが可能な任意の療法である。アンドロゲン除去療法と同義である本明細書において使用される用語は、「アンドロゲン除去」および「ホルモン除去療法」である。アンドロゲン除去療法の非限定的な例としては、外科的(両方の睾丸の除去)去勢と内科的(テストステロンまたはテストステロン誘導性シグナル伝達の薬物誘発抑制)去勢の両方がある。内科的去勢は、LHRH薬剤、および腺(たとえば副腎)からのアンドロゲン発現を低下させる薬剤を含むがこれに限らない様々な治療レジメンによって達成できる(Gleaveら、1999;Gleaveら、1998)。
本明細書では、「ARアンタゴニスト」とは、アンドロゲン結合、ARシグナル伝達、ARの細胞輸送(たとえば、細胞質から核への移行)、ARタンパク質レベル、またはARタンパク質発現を含めたARの機能を撹乱または低下させる薬剤のことを指す。
ARアンタゴニストには、それだけには限らないが、AR特異的モノクロナール抗体、AR発現標的オリゴヌクレオチド(たとえば、AR標的アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはRNA誘導分子)、ARに特異的なペプチド薬剤、およびARに特異的な小分子阻害剤が含まれる。ARアンタゴニストは、非ステロイド性の抗アンドロゲン、たとえばAR1、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、RD162、およびZD4054でよい。
AR1は、次の構造を有する本発明のARアンタゴニストである。
AR1の合成方法は、米国特許第7,709,517号B2に記載されており、その内容を参照により本明細書に組み込む。その代りに、AR1は、Medivation Inc.(San Francisco、California、USA)から入手できる。AR1のCAS登録番号は、915087−33−1であり、そのPubChem番号は15951529である。AR1は、化学式C2116442Sを有し、別名MDV3100および4−(3−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−5,5−ジメチル−4−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドである。AR1は、ARに対するアンドロゲンの結合を遮断し、細胞質からのARの核移行を妨げ、AR−DNA結合を阻害することによって作用する第二世代の経口投与可能なARアンタゴニストである(Tranら、2009)。AR1は、進行性前立腺癌の治療用として臨床試験において現在評価されている(Scherら、2010)。
本明細書では、「転写活性」とは、細胞内のDNA部分に結合するまたは別の方法で直接的または間接的に関連し、1個以上の遺伝子の発現レベルに影響をもたらすタンパク質の能力のことを指す。
クラステリン発現の阻害は、一過性であってよく、アンドロゲン除去療法またはARアンタゴニストの投与との併用で起こってもよい。アンドロゲン非依存的でない前立腺癌のヒトにおいて、このことは、発現の阻害が、アンドロゲン除去もしくはARアンタゴニストを投与して1日または2日以内に有効になるべきであり、その後約3〜6ヵ月に及んで有効であるべきことを意味している。これを達成するには、複数回投与を必要とする場合がある。しかし、その時間帯はさらに引き延ばされてもよく、本発明の範囲から逸脱することなく、去勢の前に開始し、その後に実質的な時間を延長してよいことは言うまでもない。
本発明の局面は、アンドロゲン非依存的前立腺癌の治療に、または前立腺癌がアンドロゲン非依存的になることを防止するために適用できる。
本発明の局面は、去勢抵抗性前立腺癌の治療に、または前立腺癌が去勢抵抗性になることを防止するために適用できる。
「併用」とは、1回の治療計画の一環として、クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチドと同じ時点および頻度、またはより一般的には、異なる時間および頻度のいずれかであることを意味する。本発明の局面は、ARアンタゴニストを投与する前、後、および/またはその間にオリゴヌクレオチドを投与することを含む。したがって、ARアンタゴニストは、本発明によるオリゴヌクレオチドと併用して使用されてよいが、クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチドとは異なる時間、異なる用量および異なる頻度で投与されてもよい。
本明細書では、ミリグラムで測定されるオリゴヌクレオチドの「量」または「用量」とは、製剤の形に関係なく製剤中に存在するオリゴヌクレオチドのミリグラムのことを指す。
本明細書では、クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチド、ARアンタゴニストまたはその任意の組合せの量のことを指す場合、「有効」とは、本発明の方法で使用した際に、合理的な利益/危険比に相応した過度の副作用(たとえば毒性、刺激またはアレルギー反応)無しに所望の治療的応答を得るのに十分なオリゴヌクレオチド、ARアンタゴニストまたはそれらの任意の組合せの分量のことを指す。
本明細書では、「治療する」とは、たとえば、前立腺癌の進行の阻害、退縮または停止を包含する。治療するとは、任意の症状もしくは前立腺癌の症状の予防または改善も包含する。
本明細書では、対象における疾患の進行または合併症の「阻害」とは、対象における疾患の進行および/または合併症を防ぐまたは減少させることを意味する。
本明細書では、前立腺癌と関連した「症状」とは、前立腺癌と関連した任意の臨床的または臨床検査的徴候を含み、対象が感知するまたは気づくものに限られない。
本明細書では、「薬学的に許容される担体」とは、合理的な利益/危険比に相応した過度の副作用(たとえば毒性、刺激およびアレルギー反応)が無い、ヒトおよび/または動物での使用に適切な担体もしくは賦形剤のことを指す。それは、本化合物および/または組合せを対象に送達するための、薬学的に許容される溶媒、懸濁化剤または賦形剤であってよい。

単位用量
クラステリン発現を標的にするオリゴヌクレオチドの投与は、むき出しでの投与および薬学的に許容される脂質担体中での投与を含めた当技術分野において公知の様々な機序を使用して実施できる。たとえば、アンチセンス送達用の脂質担体は、米国特許第5,855,911号および第5,417,978号に開示されており、これを参照により本明細書に組み込む。一般に、オリゴヌクレオチドは、静脈内(i.v.)、腹腔内(i.p.)、皮下(s.c.)もしくは経口経路、または直接的な局所腫瘍注入によって投与される。好ましい態様において、クラステリン発現を標的にしているオリゴヌクレオチドは、静脈内(i.v.)注入によって投与される。いくつかの態様において、投与されるオリゴヌクレオチドの量は、640mgである。
オリゴヌクレオチドの投与量は、前立腺細胞においてクラステリンの発現を阻害するのに有効な量である。この量が、使用されるオリゴヌクレオチドの有効性と、使用される任意の担体の性質の両方によって変化することは言うまでもない。
クラステリン発現を標的にしているアンチセンスオリゴヌクレオチドの投与量は、40〜640mgまたは300〜640mgであってよい。アンチセンスオリゴヌクレオチドの投与は、7日間に1回、1週間に3回、より具体的には、7日間のうちの1、3、5日目もしくは3、5、7日目であってよい。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドの投与は、7日間に1回より低頻度である。用量は、患者の体重によって算出されてよく、したがって、約1〜20mg/kg、もしくは約2〜10mg/kg、または約3〜7mg/kg、もしくは約3〜4mg/kgの用量範囲が使用され得る。この用量は、必要に応じて間隔をおいて繰り返される。1つの臨床的概念は、治療の第1週中に、1週間に1回、3回の初期用量で投与することである。投与されるアンチセンスオリゴヌクレオチドの量は、ヒト患者において癌細胞中のクラステリンの発現を阻害するのに有効であることが実証された量である。
本発明のいくつかの態様において、前立腺癌の治療に必要とされるクラステリンの発現を標的にしているオリゴヌクレオチドの量は、オリゴヌクレオチド単独療法で必要となる量より、ARアンタゴニストとの併用において少なくなる。
クストリセンは、IV投与用として等張のリン酸塩緩衝食塩水溶液として20mg/mLの濃度で処方されてよく、1本のバイアル中にクストリセンナトリウム160mgを含有する8mLの溶液として提供され得る。
クストリセンは、0.9%塩化ナトリウム(生理食塩水)250mLに加えることができる。投薬は、2時間以上の点滴として、末梢または中心留置カテーテルのいずれかを使用して静脈内に投与されてよい。追加的に、点滴ポンプを使用してよい。
ARアンタゴニストの投与は、経口、経鼻、肺、非経口、静脈内(i.v.)、腹腔内(i.p.)、関節内、経皮、皮内、皮下(s.c.)、局所、筋肉内、直腸、髄腔内、眼内および口腔内であってよい。AR1の好ましい投与経路は経口である。ARアンタゴニストの経口投与では静脈内(i.v.)注入より高用量が必要になる可能性があることは、当業者は認識する。
ARアンタゴニストの用量は、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、150mg、240mg、360mg、480mgまたは600mgでよい。いくつかの態様において、ARアンタゴニストの用量は、30mg未満である。これらの態様において、用量は、25mg、20mg、15mg、10mg、5mg以下まで低くてよい。いくつかの態様において、ARアンタゴニストの用量は、毎日投与される。いくつかの態様において、その用量は経口投与される。
クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチドおよびARアンタゴニストの単位用量は、各々単独の用量またはそれらの混合物を含んでよい。クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチドとAR1との併用は、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ、懸濁剤、シロップ剤および乳剤として経口剤形で投与することができる。クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチドおよび/またはARアンタゴニストは、静脈内(急速投与(bolus)または点滴)、腹膜内、皮下もしくは筋肉内の形で投与されても、またはたとえば注入もしくは他の方法によって前立腺癌病変の中にもしくは上に直接導入されてもよく、使用するすべての剤形は製薬の当業者に周知である。
クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチドおよび/または本発明のARアンタゴニストは、意図する投与形態に関しておよび従来の医薬慣行と整合するように最適に選択された適切な医薬希釈剤、増量剤、賦形剤または担体(本明細書において一括して薬学的に許容される担体と称する)との混合物で投与することができる。単位は、経口、直腸、局所、静脈もしくは直接注入、または非経口投与に適した形態になる。クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチドおよび/またはARアンタゴニストは、単独で投与されても薬学的に許容される担体と混合されてもよい。この担体は固体または液体であってもよく、担体の種類は一般に、使用する投与の種類に基づいて選択される。カプセル剤または錠剤は、容易に処方でき、嚥下または咀嚼しやすくすることができる。他の固形剤としては、顆粒剤、およびバルク散剤がある。錠剤は、適当な結合剤、潤滑剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、賦香剤、流動化剤および融解剤を含有してよい。適当な液状剤形の例としては、水溶液もしくは水懸濁液、薬学的に許容される油脂、アルコールもしくはエステルを含めた他の有機溶媒、乳液、シロップまたはエリキシル剤、懸濁液、非発泡性顆粒から再溶解した液剤および/または懸濁剤、および発泡性顆粒から再溶解した発泡性処方が含まれる。そのような液状剤形は、たとえば、適切な溶媒、保存剤、乳化剤、懸濁化剤、希釈剤、甘味剤、増粘剤および融解剤を含有してよい。経口剤形は、任意に賦香剤および着色剤を含有する。非経口および静脈内の形は、注入の種類または選択した送達システムに適合させるために、ミネラルおよび他の材料を含んでもよい。
クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチドおよび/またはARアンタゴニストは、リポソーム送達システムの形態、たとえば小型単層小胞、大型単層小胞および多層小胞で投与することもできる。リポソームは、様々なリン脂質、たとえばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンから形成することができる。化合物は、組織標的乳液の成分として投与されてよい。
液体剤形で経口投与するには、AR1は、任意の経口用の無毒性で薬学的に許容される不活性担体、たとえばエタノール、グリセリン、水、などと組み合わせられてよい。適当な液状剤形の例には、水溶液もしくは水懸濁液、薬学的に許容される油脂、アルコールもしくはエステルを含めた他の有機溶媒、乳液、シロップまたはエリキシル剤、懸濁液、非発泡性顆粒から再溶解した液剤および/または懸濁剤、および発泡性顆粒から再溶解した発泡性処方が含まれる。そのような液状剤形は、たとえば、適切な溶媒、保存剤、乳化剤、懸濁化剤、希釈剤、甘味剤、増粘剤および融解剤を含有してよい。
本発明のいくつかの態様において、前立腺癌の治療に必要とされるARアンタゴニストの量は、ARアンタゴニスト単独療法で必要となる量より、クラステリンの発現を標的にしているオリゴヌクレオチドとの併用において少なくなる。
単位用量は、単一化合物または化合物の混合物を含んでよい。単位用量は、経口または注入剤形として調製することができる。
本発明の一局面によると、単位用量形に包装されたクラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチドを含有する医薬組成物が提供され、各単位用量中のオリゴヌクレオチドの量は640mg以下である。前記医薬組成物はARアンタゴニストを含んでよく、注射可能な溶液または懸濁液であってよく、さらにナトリウムイオンを含有していてもよい。
本発明の別の局面では、クラステリン発現を標的にしているオリゴヌクレオチドおよびARアンタゴニストの使用を提供し、癌治療用の薬剤の製造において、薬剤は640mg以下の用量のオリゴヌクレオチドが患者に送達されるように処方される。薬剤は、ナトリウムイオンを含有してよく、および/または注射可能な溶液の形態でもよい。
本発明において有用な剤形を作製するための一般的な技術および組成物は、以下の参照文献に記載されている:7 Modern Pharmaceutics、第9章および第10章(BankerおよびRhodes編、1979);Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets(Liebermanら、1981);Ansel,Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms第2版(1976);Remington’s Pharmaceutical Sciences、第17版(Mack Publishing Company、Easton、Pa.、1985);Advances in Pharmaceutical Sciences(David Ganderton、Trevor Jones編、1992);Advances Pharmaceutical Sciences 第7巻(David Ganderton、Trevor Jones、James McGinity編、1995);Aqueous Polymeric Coatings for Pharmaceutical Dosage Forms(Drugs and Pharmaceutical Sciences、Series36(James McGinity編、1989);Pharmaceutical Particulate Carriers:Therapeutic Applications:Drugs and the Pharmaceutical Sciences、第61巻(Alain Rolland編、1993);Drug Delivery to the Gastrointestinal Tract(Ellis Horwood Books in the Biological Sciences.Series in Pharmaceutical Technology;J.G.Hardy、S.S.Davis、Clive G.Wilson編);Modern Pharmaceutics Drugs and the Pharmaceutical Sciences、第40巻(Gilbert S.Banker、Christopher T.Rhodes編)。これらの参照はその全体を、本出願に参照により本明細書に組み込む。
この発明は、以下の実験の詳細を参照することによってよりよく理解されることになるが、その後に続く特許請求の範囲においてより完全に記載されるように、詳述した具体的な実験は本発明の単なる例示であるということを、当業者なら容易に理解されよう。

実験の詳細
例1.クラステリン阻害剤クスチルセンならびにARアンタゴニストAR1は去勢抵抗性前立腺癌モデルにおける強力な併用療法である。

序および目的
ARおよび腫瘍内アンドロゲン合成は、腫瘍細胞の生存の促進および去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)の発生に関与している。AR1は、前臨床および臨床試験において活性を示した。以前の試験で、アンドロゲン除去療法がクラステリンの上方制御および去勢抵抗性と関連づけられている。アンチセンス阻害剤であるクスチルセンは、前立腺癌(CaP)モデルにおいて去勢または化学療法と併用するとき、細胞死を増加させる。以下において、去勢抵抗性LNCaPモデルにおける進行を遅延させる、クスチルセンおよびAR1併用療法の能力を試験した。

方法
AR陽性LNCaP細胞増殖(図1〜4および6〜7)および生存率(図5)ならびにタンパク質(図9、11および13〜15)および遺伝子発現(図13および14)に対する個別対併用AR1およびクスチルセン療法の効果は、それぞれクリスタルバイオレットアッセイ、フローサイトメトリー、ウェスタンブロッティングおよびRT−PCRを用いて解析した。AR転写活性は、PSA−ルシフェラーゼリポーターアッセイにより測定し、一方、AR分解は、シクロヘキシミド追跡アッセイにより評価した。実験に用いたLNCaP細胞系は、AR陽性であった。
去勢抵抗性LNCaP腫瘍成長に対する併用療法の効果は、去勢雄無胸腺ヌードマウスにおいて評価した。雄無胸腺ヌードマウスのマウス側腹部病変の2部位に、マトリゲル中LNCaP細胞を播種した。腫瘍が150mm3に達するか、またはPSAレベルが50ng/mL超まで増加した時点に、マウスを去勢した。腫瘍が去勢抵抗性に進行した(PSAレベルが去勢前と同じレベルに増加)ら、10匹のマウスをAR1+スクランブルアンチセンスオリゴヌクレオチド(SCRB)またはAR1+クスチルセン治療群のそれぞれに、無作為に割り付けた。クスチルセン(10mg/kg/各投与)またはSCRB(10mg/kg/各投与)を最初の週は1日1回、その後は週3回腹腔内(i.p.)注射した。AR1(10mg/kg/各投与)は、8〜12週間にわたり週7日、1日1回(朝)経口投与した。腫瘍体積は、週1回測定した。血清PSAは、週1回測定した。PSA倍加時間(PSAdt)および速度は、対数勾配法(PSAt−PSAinitialxemt)により計算した。すべての動物に対する処置は、カナダ動物管理協会(Canadian Council on Animal Care)のガイドラインおよび適切な施設認証に従って実施した。

結果
クスチルセンおよびAR1の併用は、クスチルセンまたはAR1単独療法と比較してLNCaP細胞成長速度を、用量および時間依存的に、より強力に抑制した(図1〜8)。驚くべきことに、PARP切断(図15)、サブG0/G1アポトーシスの割合(図7および8)およびAKTリン酸化の抑制(図10および18)が、併用療法によって最も増加した。さらに、クスチルセンは、AR1との併用でARの分解を促進し(図15〜19および22)、AR転写活性を抑制した(図20〜22)。in vivoで、クスチルセンおよびAR1の併用は、スクランブルオリゴヌクレオチド対照およびAR1と比較して、去勢抵抗性LNCaP腫瘍の進行およびPSAの進行を有意に遅延させた(図26〜29、それぞれ12週目にp<0.05およびp<0.05)。

結論
AR1と併用したクスチルセンは、in vitroおよびin vivoでARレベルおよび活性を下方制御し、去勢抵抗性LNCaP細胞成長を抑制したことから、これが、CRPCにおけるAR標的療法に対する有望なアプローチとしての、前臨床段階での原理の実証となっている。

例2. 材料および方法
前立腺癌細胞系および試薬
LNCaP細胞は、Dr. Leland W.K. Chung(1992、MDACC、Houston Tx)により好意により提供されたものであり、2009年7月にIllumina Genome Analyzer IIxプラットフォームで全ゲノムおよび全トランスクリプトーム配列決定によって試験され、認証された。LNCap細胞は、5%ウシ胎児血清および2mmol/LのL−グルタミンを添加した、RPMI 1640(Invitrogen Life Technologies,Inc.)中で維持した。細胞を加湿5%CO2/空気雰囲気中で37℃で培養した。シクロヘキシミドおよびMG−132は、Calbiochemから購入し、R1881(Perkin−Elmer)、AR1(MDV−3100;Haoyuan Chemexpress Co.,Limited)。抗体:抗GRP78、抗CREB2(ATF4)、CLU C−18、AR N−20、AR441、PSA C−19、ユビキチン、pERK、β−チューブリンおよびビンクリンは、Santa Cruz Biotechnologyから、抗ホスホ−eIF2αは、Invitogen Life Technologiesから、抗ATF6は、Imgenex Corpから、Atg3、LC3、pAkt/Akt、pmTOR/mTOR、pp70S6K/p70S6K、ポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ(PARP)は、Cell Signaling Technologyから、抗ビンクリンおよび抗β−アクチンは、Sigma−Aldrichから購入した。

CLU siRNAおよびアンチセンス処理
siRNAsは、Dharmacon Research,Inc.から購入し、以前に述べたように(Lamourexら、2011)、エクソン2におけるヒトCLU開始部位に対応するsiRNA配列およびスクランブル対照を用いた。第二世代アンチセンス(クスチルセン)および2’−O−(2−メトキシ)エチル修飾を有するスクランブル(ScrB)オリゴヌクレオチドは、OncoGenex Pharmaceuticalsにより供給された。クスチルセン配列(5’−CAGCAGCAGAGTCTTCATCAT−3;配列番号3)は、ヒトCLUのエクソンIIにおける開始部位に対応する。ScrB対照配列は、5’−CAGCGCTGACAACAGTTTCAT−3’(配列番号44)である。前立腺細胞は、以前に記載されたプロトコール(Lamourexら、2011)を用いてsiRNAまたはオリゴヌクレオチドで処理した。

ウェスタンブロッティング分析および免疫沈降
総タンパク質は、我々が以前に記載したように(Zoubeidiら、2007)、RIPA緩衝液(50nMトリス、pH7.2、1%NP−40、0.1%デオキシコール酸塩、0.1%SDS、100mM NaCl、Roche完全プロテアーゼ阻害剤カクテル)を用いて抽出し、ウェスタンブロットにかけた。免疫沈降のために、総タンパク質(500μg)をプロテインGセファロース(Invitogen Life Technologies)で4℃で1時間、前浄化し、2μgの抗ARまたは対照としての免疫グロブリンG(IgG)で4℃で一夜沈降させた。免疫複合体をプロテインGセファロースで2時間にわたって回収し、次いで、放射免疫沈降アッセイ緩衝液(RIPA)で少なくとも3回洗浄し、遠心分離し、SDS−PAGEに、続いてウェスタンブロッティングにかけた。

定量的逆転写PCR
TRIzol試薬(Invitrogen Life Technologies,Inc.)を用いた48時間の処理後に、培養細胞から全RNAを抽出した。2μgの全RNAを、Transcriptor First Strand cDNA Synthesis Kit(Roche Applied Science)を用いて逆転写した。相補的DNA(cDNA)のPCR増幅の実時間モニタリングは、SYBR PCR Master Mix(Applied Biosystems)を含むABI PRISM 7900 HT Sequence Detection System(Applied Biosystems)上で、DNAプライマー(追加の表)を用いて実施した。標的遺伝子発現5’−TACCAGCTCACCAAGCTCCT−3’(フォワード;配列番号45)または5’−GCTTCACTGGGTGTGGAAAT−3’(リバース;配列番号46)(ヒトARを標的とする)、5’−CACAGCCTGTTTCATCCTGA−3’(フォワード;配列番号47)または5’−AGGTCCATGACCTTCACAGC−3’(リバース;配列番号48)(ヒトPSAを標的とする)は、内部標準としての5’−AAATCTGGCACCACACCTTC−3’(フォワード;配列番号49)または5’−AGCACTGTGTTGGCGTACAG−3’(リバース;配列番号50)を用いてb−アクチンレベルに対して標準化し、比較サイクル閾値(Ct)法を用いて、標的mRNAsの相対的定量化を計算した。各アッセイは、3連で行った。

免疫蛍光
LNCaP細胞をカバーガラス上で増殖させ、CLU siRNAまたは対照をトランスフェクトした。トランスフェクションの48時間後に、細胞を10μMのAR1±1nM R1881で6時間処理した。処理後、細胞を氷冷メタノールで固定し、−20℃で10分間かけて3%アセトンで完結した。細胞をPBSで3回洗浄し、0.2%Triton/PBSとともに10分間インキュベートし、その後洗浄し、AR(1:250)を検出するために抗体を一夜加える前に3%無脂肪乳中で30分ブロッキングした。抗原は、FITCと結合させた抗マウス抗体(1:500;30分)を用いて視覚化した。Zeiss Axioplan II蛍光顕微鏡を用いて光学顕微鏡写真を20倍の拡大倍率で撮影した後、イメージングソフトウエア(Northern Eclipse、Empix Imaging,Inc.)を用いて解析した。

AR転写活性
LNCaP細胞を5×104の密度で12ウェルプレートに播種し、翌日クスチルセンまたはSCRBでトランスフェクトした。翌日、以前に記載されたように(Soweryら、2008)、リポフェクチン試薬(ウェル当たり1.5μL;Invitrogen)を用いて、細胞にクスチルセンまたはSCRBならびにPSA−ルシフェラーゼ(PSA−Luc)リポーター(−6,100〜+12)およびレニラルシフェラーゼプラスミドをトランスフェクトした。24時間後に、培地を、1nmol/LのR1881またはエタノール媒体および10μmol/LのAR1またはDMSOを添加した5%活性炭ストリップ血清(CSS)を含むRPMI(Invitrogen)で、48時間かけて置換した。細胞を採取し、前のように(Soweryら、2008)、ルシフェラーゼ活性を測定した。リポーターアッセイをレニラに対して標準化し、ルシフェラーゼ活性を任意光単位のホタル対レニラ比により表した。すべての実験は、三連ウェルで行い、プラスミドの異なる調製物を用いて5回反復した。

細胞増殖および細胞周期アッセイ
培養細胞にCLUまたはSCR siRNA、クスチルセンまたはSCRBをトランスフェクトし、次いで、トランスフェクションの24時間後にAR1またはDMSOで処理した。経時的曝露の後、以前に記載されたように(Gleaveら、2005)、クリスタルバイオレットアッセイにより細胞増殖を測定した。アポトーシス細胞周期集団の検出および定量は、以前に記載されたように(Lamoureuxら、2011)、2Nおよび4N DNA含量に基づいてフローサイトメトリー(Beckman Coulter Epics Elite;Beckman,Inc.)により分析した。CSS条件については、LNCaP細胞を5%FBSを含むRPMI中で平板培養し、翌日CSSに切り替え、FBS条件と同じ処理を開始した。各アッセイは、三連で3回行った。

タンパク質の安定性および分解
ARタンパク質の安定性に対する併用療法の影響を評価するために、クスチルセンまたはSCRBで処理したLNCaP細胞を、48時間後に10μmol/Lのシクロヘキシミドおよび10μmol/LのAR1を含むRPMI+5%血清に交換して37℃で2〜6または16時間インキュベートし、ARおよびビンクリン抗体を用いてウェスタンブロットを行った。分解は、siRNAまたはASOトランスフェクションの24時間後に10μmol/LのMG132および10μmol/LのAR1を含むRPMI+5%血清培地とともに6時間インキュベートすることによってLNCaP細胞において試験した。ARおよびビンクリン抗体を用いてウェスタンブロットを行った。

併用療法の有効性の増大の判断
各単一薬物またはそれらの併用の細胞増殖阻害を分析するために、クリスタルバイオレットアッセイを適用した。LNCaP細胞を、漸増用量のAR1および500nmol/LのクスチルセンまたはSCRBとも併用して10nmol/LのCLU siRNAまたはSCR siRNAで処理した。次に、細胞を用量漸増クスチルセンまたはオリゴフェクタミン(oligofectamime)のみで2日間連日処理し、1日後に表示濃度のAR1またはDMSOで48時間処理した。データをCalcuSyn(商標)ソフトウエアにインプットし、用量効果曲線を各処理ごとに描いて、いくつかの有効量における併用指数(CI)を計算した(CI=1:相加効果、CI<1:併用効果、CI>1:拮抗効果)。

動物の治療
雄無胸腺マウス(Harlan Sprague−Dawley,Inc.)に1×106個のLNCaP細胞を皮下()注射した。腫瘍が150mm3に成長し、血清PSAが>50ng/mLとなったとき、マウスを去勢した。腫瘍が去勢抵抗性に進行した時点で、マウスをAR1+10mg/kgクスチルセンまたはSCRBに無作為に割り付けた。投与は腹腔内(i.p.)に7日間にわたり1日1回、その後週3回行われた。各実験群は、13匹のマウスからなっていた。同時に、マウスにAR1を1日1回経口(p.o.)で10mg/kg/各投与で週7日投与した。腫瘍体積および血清PSAを以前に記載されたように(Soweryら、2008)測定した。すべての動物に対する処置は、カナダ動物管理協会(Canadian Council on Animal Care)のガイドラインに従って実施した。異種移植片を有する3匹のマウスを治療開始後7日目に屠殺し、試験の終了時に残りを採取し、液体窒素で急速冷凍した。プロテアーゼ阻害剤を含むRIPA緩衝液中で腫瘍を固化すること(soliciting)により、タンパク質の抽出を行い、全細胞溶解物を用いて、異種移植片内のARおよびクラステリン発現を評価し、ウェスタンブロッティングに関する項で述べたようにβ−チューブリンを参照した。

統計解析
すべての結果を平均値±SEとして表す。両側t検定、一元配置ANOVAまたはWilcoxonマッチドペア検定を統計解析に用いた。併用効果は、CalcuSynソフトウエアにより計算した。単独療法と併用療法との差は、フリードマン(Freidman)検定により解析され、JMP version 4を用いて行った。*P<0.05、**P<0.01および***P<0.001を有意とした。

例3. CLUはAR1抵抗性細胞および異種移植片において高度に発現する
AR1は、AR LBDに結合し、去勢抵抗性異種移植片の成長を抑制する新規な抗アンドロゲンである(Tranら、2009)。第IIおよびIII相試験からのデータは、AR1が、化学療法による治療前および治療後の両方の患者において活性であり、PSAのレベルおよび循環腫瘍細胞を減少させることを示している(Scherら、2010)(Scher、GU−ASCO、2012)。残念なことに、第一選択ホルモン療法と同様に、CRPC−LNCaP異種移植片は、去勢へのAR1の追加の後に抵抗性のメカニズムを発生する。CLUは、媒体処理腫瘍と比較してAR1抵抗性腫瘍において上方制御されることがウェスタンブロット(図41A、左パネル)および免疫組織化学(図41A、右パネル、図30A)によって見いだされた。これにより、AR1療法が、去勢感受性腫瘍において去勢によって認められるものと同様な、CRPC腫瘍におけるストレス活性化分子シャペロンCLUを誘導することが示唆される。AR1再発のメカニズムの研究を促進するために、AR1に対して抵抗性であったAR1療法のもとで維持された異種移植片腫瘍から異なる細胞系を創製したところ、これらのAR1抵抗性細胞もCRPC腫瘍と比較してより高いレベルのCLUを発現したことが認められた(図30B).これらのデータから、CLUの増加がAR1再発表現型の発生に関連していることがわかる。

例4. AR経路阻害がCLUを誘導する
両AR1アンチセンスアプローチを用いて、CLUがAR経路阻害によって誘導されるかどうかを確認した。ビカルタミドおよびCSSを用いたアンドロゲン除去と比較して、PSA発現の低下によって示されるARの活性化の低下と並行して、AR1が時間および用量依存的にCLUを誘導する。CLUのAR1誘導がAR依存的であるかどうかをさらに評価したところ、CLUの誘導と並行して、ARにおける第1エクソンを標的とする2種のアンチセンス配列がLNCaP細胞におけるARを用量依存的かつ配列特異的に強力に下方制御した(図41C)。総合すると、これらのデータから、アンドロゲン除去、AR LBD拮抗作用またはアンチセンスノックダウンによるAR経路阻害が、おそらく適応ストレス応答の一部として、CLUを誘導することが示唆される。
クラステリン発現は、AR1の投与によって上方制御される。クラステリン発現は、AR1の投与後に時間および用量依存的に上方制御される。LNCaP細胞を、各種継続時間にわたり、5%FBSを含むRPMI1640培地中各種濃度のAR1で処理する。細胞を採取し、ウェスタンブロット分析を実施する。クラステリンタンパク質発現は、時間および用量依存的に上方制御される。アンドロゲン除去処理は、とりわけAR1でクラステリン発現を増大させる。LNCaP細胞を、5%FBSまたは5%CSS(活性炭ストリップ血清;テストステロン欠乏培地)を含むRPMI1640培地中で、10μmol/LのビカルタミドまたはAR1で、48時間かけて処理する。クラステリン発現は、抗アンドロゲン療法またはCSS条件により高度に誘導される。さらに、クラステリンタンパク質発現は、ウェスタンブロット分析において、ビカルタミド療法と比較してAR1療法で高度に増大する。AR1およびクスチルセンの併用は、ビカルタミドおよびクスチルセンの併用より、前立腺癌細胞増殖を減少させるのに有効である。

例5. AR1はERストレスを誘発する
CLUのような分子シャペロンは、誤って折りたたまれたタンパク質および小胞体(ER)ストレス応答を調節するのに重要であり(Nizardら、2007)、多くの抗癌薬は、ERストレスを誘発することが公知であるので、AR1がCLUの増加によりERストレスを誘発するかどうかを評価した。ERストレスは、ユビキチン−プロテアソームシステム(UPS)によりタンパク質の翻訳を阻害し、ER関連タンパク質分解を促進することによりタンパク質恒常性(プロテオスタシス)を再確立するように調整される、小胞体ストレス応答(unfolded protein response)(UPR)と呼ばれる複雑細胞内シグナル伝達経路を活性化する。AR1は、ERストレスおよびUPR活性化と一致して、GRP78、ATF4、IRE1、CHOPおよび切断ATF6などのERストレスマーカーの上方制御と同時に、CLU発現を誘導することがわかる。

例6. AR1誘導性CLUはp90Rsk−YB−1シグナル伝達経路によって媒介される
YB−1は、CLUプロモーターに結合して、ERストレス後のCLU発現の増大をもたらす(Shiotaら、2011)。AR1は、AtkおよびErkシグナル伝達を活性化することができる(Carverら、2011)ので、Akt(Evdokimovaら、2006)およびErk(Stratfordら、2008)経路のAR1媒介性活性化は、CLUの上方制御およびストレス誘導性アポトーシスの抑制により、YB−1のホスホ活性化および核転位をもたらす(Evdilomovaら、2006)と推測された。図42Bは、AR1投与が、ホスホ−YB−1レベルの増加とともに、Aktおよびp90Rskリン酸化を増加させることを確認するものである(図42B)。AR1投与と併用したsiRNAを用いたYB−1ノックダウンによって、タンパク質およびmRNAレベルの両方でCLUがAR1により誘導されず(図42C)、AR1誘導CLUがYB−1によって媒介されることが示唆される。
YB−1は、Aktおよびp90Rskの両方によりリン酸化することができる(Evdilomovaら、2006)(Stratfordら、2008)ので、CLUのAR1誘導性上方制御を媒介する主要な経路をさらに明らかにするために、LY294002を用いてAktを阻害し、SL0101を用いてp90Rskを阻害した。Aktの阻害は、CLUのAR1誘導性上方制御に影響を及ぼさなかった(図42D)。これと対照的に、SL101を用いたp90Rskの阻害は、AR1によるCLUの誘導を抑制した(図42E)。科学的理論に拘束されることを望むものではないが、総合すると、これらのデータは、AR1がCLU発現を誘導するにはp90Rsk−YB−1経路が必要であることを示すものである。

例7. CLU阻害とAR1の併用はCLU阻害またはAR1単独療法と比較してLNCaP細胞増殖の抑制を増大させる
AR1(図30および41)のような抗AR薬物(Julyら、2002)が治療抵抗性のメディエーターとしてCLUおよびCLU機能の上方制御を誘導する(Zoubeidiら、2010b、Gleaveら、2005)ことから、CLUノックダウンがAR1の抗癌活性を増強するかどうかを評価した。LNCaP細胞をクスチルセンで処理し、その後、表示濃度のAR1で処理した。クスチルセンは、対照ScrB+AR1と比較して、時間(図43A左パネル)および用量(図43A右パネル)依存的にAR1活性を有意に増大させ、細胞の生存率を低下させた。この効果が相加的であったか、または併用効果であったかを判断するために、一定比率デザインによる用量依存的効果およびCI値をChouおよびTalalayのメディアンエフェクトプリンシパル(median effect principal)(Chouら、1984)に従って計算した。図6Bに用量反応曲線(クスチルセンまたはAR1による併用または単独療法)をCIプロットとともに示す。これにより、クスチルセンとAR1との併用が腫瘍細胞増殖に対する高い効果を有する(図6C、右パネル)ことがわかる。クスチルセンおよびAR1の併用は、AR1またはクスチルセン単独療法と比較して、AR陽性去勢抵抗性C4−2およびクスチルセン抵抗性細胞の生存率を低下させる高い効果も有していたが、AR陰性PC3細胞においてはそうでなかった。
フローサイトメトリー分析で、クスチルセンは、AR1(30%)と併用したとき、対照SCrB(15.2%)、クスチルセン(20%)、対照SCrB+AR1(18.3%)と比較してAR1誘導性アポトーシス(サブG1画分)を有意に増加させる(P<0.001)ことが示されている(図43C)。さらに、クスチルセン+AR1の併用は、切断PARPおよびカスパーゼ3活性によって示されるように、AR1またはクスチルセン単独療法と比較してカスパーゼ依存性アポトーシスを増加させる。総合すると、これらのデータから、クスチルセンおよびAR1の併用は、クスチルセンまたはAR1単独療法よりアポトーシスを高度に誘導したことがわかる。

例8. AR1療法と併用したクラステリンノックダウンはAR陽性LNCaP細胞における細胞増殖阻害およびアポトーシスを概して増大させる
LNCaP細胞を5%FBSまたは5%CSS含有RPMI培地とともに、ウェル当たり5x104細胞で12ウェル培養プレートに播種する。翌日、細胞に10nmol/LのCLU siRNAまたはSCR siRNA対照を直ちに、また500nmol/LのクスチルセンまたはSCRB対照を2日間にわたり毎日トランスフェクトする。siRNAまたはアンチセンスオリゴによるトランスフェクト後の翌日、LNCaP細胞を10μmol/LのAR1で処理し、0、1、2、3、4日目にクリスタルバイオレットアッセイにより細胞増殖アッセイを実施する(AR1処理当日を100%と定義する)。CLUノックダウン+AR1併用処理が細胞増殖を最も有意に抑制する。10μmol/LのAR1を10nmol/LのCLU siRNAと併用し、10μmol/LのAR1を500nmol/Lのクスチルセンと併用する。
併用処理は、フローサイトメトリー分析においてLNCaPアポトーシスを増加させる。細胞を10nmol/LのCLU siRNAまたはSCR siRNA対照で直ちに、また500nmol/LのクスチルセンまたはSCRB対照で5%FBS含有RPMI培地中で2日間にわたり毎日処理する。siRNAまたはアンチセンスオリゴのトランスフェクト後の翌日、LNCaP細胞を10μmol/LのAR1で処理し、48時間の処理の後にFACS分析を実施する。サブG0、G0〜G1、S、G2〜Mにある細胞の割合をヨウ化プロピジウム染色により決定する。併用処理により、LNCaP細胞のサブG0/1アポトーシス画分のアポトーシス(apoptotic fraction apoptosis)が増加する。オリゴフェクタミンおよびDMSOと比較して、CLU siRNAとAR1の併用でp<0.01、クスチルセンとAR1の併用でp<0.001である。P値は、処理群とそれらの各対照との間の*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001(Wilcoxonのマッチドペア検定)を表す。
併用処理は、アポトーシスを促進する。LNCaP細胞は、CLUまたはSCR siRNAおよびクスチルセンまたはSCRB対照による処理の前に10μmol/LのAR1で48時間、前処理する。PARP切断発現レベルは、ウェスタンブロットにより測定する。すべての実験を少なくとも3回反復する。

例9. クスチルセンとAR1療法の併用は、クスチルセンまたはAR1単独療法と比較して高い有効性を示す
in vitroでAR1と併用してCLU siRNAまたはクスチルセンで処理したLNCaP細胞に、増殖の抑制が認められる。細胞に10nmol/LのCLU siRNAまたはSCR siRNA対照を直ちに、また500nmol/LのクスチルセンまたはSCRB対照を5%FBS RPMI培地中で2日間にわたり毎日トランスフェクトする。siRNAまたはアンチセンスオリゴによるトランスフェクト後の翌日、LNCaP細胞を種々の濃度のAR1で処理する。処理の3日後に、クリスタルバイオレットアッセイにより細胞生存率を測定する。生存細胞密度をDMSO対照で処理した細胞の密度に対して標準化する(AR1化合物をDMSOに溶解し、表示濃度に調整する)。クスチルセンとAR1との併用は、クスチルセンまたはAR1単独療法と比較して細胞生存率を低下させる高い効果を示す。テータポイントは、3連分析の平均値である。P値は、処理群とそれらの各対照との間の*p<0.05、**p<0.01(Studentのt検定)を表す。
細胞増殖の抑制は、各単一薬物またはそれらの併用について、クリスタルバイオレットアッセイにより評価する。LNCaP細胞を可変濃度のAR1またはクスチルセンで処理する。各単剤処理と併用処理との間に有意な差がある。P値は、フリードマン(Friedman)検定により計算する。データを入力し、CalcuSyn software(登録商標)によりいくつかの有効量における下図の併用指数(CI)を計算する。CI=1;相加効果、CI<1;併用効果、CI>1;拮抗効果。これらのデータは、併用療法における併用効果を示している。

例10. 併用療法におけるARおよびPSA発現
ARタンパク質発現は、AR1とクスチルセンを併用して用いたCLUノックダウンの後に低下する。LNCaP細胞に10nmol/LのCLU siRNAまたはSCR siRNA対照を直ちに、また500nmol/LのクスチルセンまたはSCRB対照を5%FBS RPMI培地中で2日間にわたり毎日トランスフェクトする。siRNAまたはアンチセンスオリゴによるトランスフェクト後の翌日、LNCaP細胞を10μmol/LのAR1で処理する。48時間後に、細胞をタンパク質およびmRNAを得るために採取する。タンパク質発現は、ウェスタンブロットにより分析する。AR1療法と併用したCLUノックダウンは、単独療法と比較してAR発現を低下させる高い効果を有する。AR発現は、AR1と併用したCLUノックダウンにより高度に抑制される。細胞は、10μmol/LのAR1またはビカルタミドと併用して10nmol/LのCLU siRNAまたはSCR siRNAで処理する。AR発現は、ウェスタンブロットにより検出する。併用療法は、AR mRNAレベルに影響を及ぼさない。mRNA発現は、定量的RT−PCRにより分析し、ARおよびPSAレベルをβ−アクチンmRNAのレベルに対して標準化し、平均値±SEとして表す。**p<0.01、***p<0.001(Wilcoxonのマッチドペア検定)。「OTR」は、オリゴフェクタミンのみで処理した細胞を意味する。OTRおよびDMSO処理細胞を100%と定義した。

例11. AR1とクスチルセンの併用はCRPC LNCaP腫瘍の成長を遅延させる高い効果を有する
クスチルセンとAR1を併用して用いてARおよびストレス応答を同時標的とするin vivo効果を評価した。LNCaP異種移植片を有する雄ヌードマウスを、血清PSAが75ng/mlに達したときに去勢し、血清PSAおよび腫瘍成長速度が増加して、去勢抵抗性への進行を示す、去勢前のレベルに戻るまで追跡した。次いで、マウスをAR1+対照ScrB(n=10)またはクスチルセン(n=10)による治療に無作為に割り付けた。ベースラインにおいて、平均LNCaP腫瘍体積および血清PSAレベルは、両群で同様であった。クスチルセンは、対照ScrBと比較してAR1の抗腫瘍効果を有意に増強し、12週目までに平均腫瘍体積を1600mm3から650mm3に低下させた(**;p≦0.05)(図44A)。全生存期間(体重の10%を超える腫瘍体積のための安楽死と定義される)は、AR1+クスチルセンの併用によりAR1+ScrB対照と比較して有意に延長した(それぞれ16週目に90%対30%;*;p≦0.05)。AR1対照群と比較してクスチルセン+AR1群(***、p<0.001)において血清PSAレベルも有意に低く(〜4倍)(図44C)、PAS倍加時間は、有意に延長する(*、p<0.05)。標的タンパク質レベルに対する併用療法の薬力学効果を評価するために、腫瘍組織(それぞれ3匹の動物)のウェスタンブロット分析をAR、PSAおよびCLUについて実施した。図44DはARおよびCLU発現レベルが、AR1対照と比較して併用療法腫瘍組織において低下したことを示す。総合すると、これらのデータは、ARおよび結果として起こるCLU調節ストレス応答を同時標的とすることによって、ヒトCRPC異種移植片モデルにおけるAR1の効果が増強されることを示すものである。
CRPC異種移植片モデルにおけるクスチルセンおよびAR1併用療法の有効性は、AR1またはクスチルセン単独療法と比較して向上している。図44A〜Bに、併用療法による腫瘍体積および血清PSAレベルに対する効果を示す。

例12. AR1+クスチルセン併用はCRPC異種移植片モデルにおいて高い有効性を有する
LNCaP細胞を無胸腺ヌードマウスに皮下(s.c.)播種する。異種移植片が約500mm3に成長するか、またはPSAが>50ng/mlとなったとき、マウスを去勢する。PSAレベルが去勢前のレベルに増加したとき、治療を開始する。クスチルセンまたはSCRBを1週間にわたり1日1回、その後は3回/週で腹腔(i.p.)注射する。AR1は、1日1回投与する。AR1と併用したクスチルセンまたはSCRBの投与の後に(群当たり3匹のマウス)総LNCaP異種移植片タンパク質をRIPA緩衝液で抽出し、AR、PSAおよびCLU抗体を用いてウェスタンブロットを行う。ビンクリンを負荷対照として用いる。AR/チューブリン比を計算する。AR1+クスチルセンの併用は、CRPC異種移植片モデルにおける生存期間を延長する高い効果を有する。

例13. AR1とCLUサイレンシングの併用は、AR1またはCLUサイレンシング単独療法より効果的にAR核転位および転写活性を低下させる
図44におけるin vivo試験で、AR1と併用したクスチルセンは、腫瘍の体積の変化が明らかになる前にPSAの速やかな低下をもたらすことが示されている。さらに、ARタンパク質レベルは、AR1単独で治療した腫瘍と比較して併用治療腫瘍において低いと思われ、CLUノックダウンがAR標的化を強化し、ARシグナル伝達経路を調節する可能性があることが示唆される。アンドロゲン誘導性AR媒介性遺伝子活性化に対する併用療法の効果を評価した。LNCaP細胞をAR1もしくはクスチルセン単独で、または併用で処理し、R1881刺激性PSAトランス活性化の変化について評価した(図45A)。予想通り、AR1は、PSAルシフェラーゼトランス活性化アッセイにより測定したとき、R1881誘導性AR転写活性を95%低下させた。興味深いことに、クスチルセンもAR活性化を90%低下させ、この効果は、AR1との併用で増大したことから、CLUノックダウンがAR活性のAR1阻害を増強することが示唆される。CLUがAR転写活性にどのように作用することができるかを明らかにするために、リガンド誘導性AR核転位に対するCLUノックダウン±AR1の効果を評価した。予想通り、AR核転位がAR1により低下したが、AR1と併用したCLUノックダウンは、R1881誘導性AR核転位を最大限に阻害した(図45B)。この同時標的化阻害効果も、AR1と併用したCLUの標的化がR1881誘導性核ARレベルを抑制する(図45C)ことを示す画分アッセイによって確認された。

例14. AR1療法と併用したCLUノックダウンは、プロテアソーム経路によるAR分解を促進する
併用療法後のARの運命を検討するために、ARの発現に対するAR1と併用したCLUノックダウンの効果をタンパク質およびmRNAレベルの両方で評価した。siRNA(図46A右上パネル)またはクスチルセン(図46A左上パネル)を用いたCLUサイレンシングは、ARタンパク質の減少をもたらしたが、AR1との併用においてのみmRNAレベルはそうでなく(図46下パネル)、AR1と併用したCLUノックダウンがARの安定性に影響を及ぼし得ることが示唆される。次にARタンパク質の安定性を、タンパク質合成を阻害するシクロヘキシミドを用いて評価した。ARタンパク質レベルは、AR1と併用したクスチルセン誘導性CLUノックダウンの後の速やかな分解により有意に低下し(図46B)、CLUノックダウンが、AR1と複合させた場合にARの不安定性をもたらすことが示唆される。
ARは、Hsp90とヘテロ二量体複合体を形成して、リガンド非結合ARに安定性をもたらす。実際、Hsp90結合がない場合、折りたたみ不正タンパク質(unfolded protein)は、ユビキチン−プロテアソームシステムにより認識され、分解される(Solitら、2003;Zoubeidiら、2010c)。AR1がHsp90へのARの結合に影響を及ぼすかどうか、およびCLUサイレンシングと併用した場合の後の効果を最初に評価した。AR1療法は、実際にAR−Hsp90相互作用を増大させる。これは、AR1がARを細胞質内に隔離するという以前の報告と一致する。興味深いことに、AR1と併用したCLUノックダウンは、図46Cに示すように、ARとHsp90との間の結合を減弱させる。科学的理論により拘束されることを望むものでないが、これらのデータは、AR1−AR−Hsp90ヘテロ複合体がCLUサイレンシングの条件下で分解をより受けやすい状態になるという見解と一致している。これらの条件下でのARの分解がユビキチン−プロテアソームシステムに関係するかどうかを評価するために、ユビキチン化ARのレベルを単独療法または併用療法後の条件下で測定したところ、図46Dに示すように、ARのユビキチン化レベルは、同時標的併用条件下で最も高かった。次に、プロテアソームの役割を明らかにするためにプロテアソーム阻害剤(MG132)の存在下または非存在下でARタンパク質レベルを評価したところ、MG132がCLUノックダウン+AR1の条件下でAR分解を無効にすることが見いだされ、これは、プロテアソームによるARの分解を意味するものであった(図46E)。科学的理論に拘束されることを望むものではないが、総合すると、これらのデータは、ARをAR1に結合させるとき、CLUノックダウンがプロテアソーム媒介性経路を介してAR分解を優先的に促進することを示唆するものである。

例15. AR分解速度は併用療法により加速される
併用療法により、AR発現が速やかに低下する。LNCaP細胞を500nmol/LのクスチルセンまたはSCRB対照で処理し、次いで、10μmol/LのAR1および10μmol/Lのシクロヘキシミドで種々の時間にわたり処理する。ARタンパク質レベルは、ウェスタンブロット分析により測定する。DMSOを対照として用いる。AR1と併用したCLUノックダウンは、ARのプロテアソーム分解を促進する。LNCaP細胞をCLU siRNAまたはSCR siRNAおよびクスチルセンまたはSCRB対照で処理し、次いで、10μmol/LのAR1および10μmol/LのMG−132で6時間、処理する。DMSOを対照として用いる。ARタンパク質レベルは、ウェスタンブロット分析により測定する。

例16. 併用治療は、ARのユビキチン化に影響を与える。
LNCaP細胞を、FBS存在下で、10nmol/LのCLU siRNAまたはSCR siRNA対照で処理し、次いで10μmol/LのAR1および10μmol/LのMG−132で処理する。抗AR抗体(N−20)を使用して免疫沈降を行い、抗AR抗体(441)または抗ユビキチン抗体を使用してウェスタンブロット分析を行う。投入物を、AR(N−20)抗体でブロットする。いかなる科学理論に束縛されるものでもないが、併用治療は、ARのユビキチン化によるARのプロテアソーム分解を促進する。

例17. CLUノックダウンは、AR安定性に関係するコシャペロン分子のレベルを低下させる
いかなる科学理論に束縛されるものでもないが、本明細書のデータは、AR1単独療法が細胞質中のAR−Hsp90複合体を分離するが、CLUノックダウンと組み合わせたとき、AR−Hsp90−AR1ヘテロ複合体が不安定になり、ARのユビキチン化および分解がもたらされ、ARの核輸送および活性が低下することを示している。1つの説明は、CLUの阻害が、HSF−1調節に及ぼす影響によって、Hsp90レベルが低下する可能性があるということである(Lamoureaxら、2011);しかし、併用療法は、Hsp90レベルを有意に低下させず、図42に例示したデータは、AR1を媒介する重要なストレス活性化型転写因子であるYB−1がCLUの増加に関わっていることを意味している。Hsp90は、コシャペロンと協同で機能して、クライアントタンパク質に安定性を付与するので、先入観を伴わない手法を最初に使用して、CLU発現に影響を及ぼすHsp90コシャペロンを同定した。対照および本明細書に開示したCLU siRNAで処理したLNCaP細胞ならびにPC−3の遺伝子プロファイリング分析は、CLU発現がHsp90コシャペロンFKBP52(Hsp56)と相関することを示す。CLUノックダウンによりFKBP52は低下するが、FKBP51またはHsp90タンパク質のレベルは低下しないことを、ウェスタンブロッティングを使用して確認した(図47A)。AR1処理およびCLUサイレンシング条件でのAR安定性に対するFKBP52の役割を確認するために、CLUノックダウン後にFKBP52を過剰発現させ、AR発現を評価した。図7Bは、FKBP52が、CLUノックダウンおよびAR1処理によって誘導される分解からARを救済することを示している。FKBP52の過剰発現が、PSAの発現も部分的に回復させることは、CLUノックダウン条件下でFKBP52レベルが回復されるとき、AR活性が増加することを示している。これらのデータは、AR1との併用でCLUノックダウンが、FKBP52レベルおよびAR−コシャペロン複合体の安定性に影響を及ぼすことによってARの分解を誘導することを示唆している。
さらに、AR1誘導ストレス条件で、CLUがどのようにFKBP52レベルを調節するかを明らかにするために公開データベースを調査し、高密度タイリングアレイ(ChIP on ChIP)分析において、12の高ストリンジェンシー(high stringency of 12)でYB−1がFKBP52に結合することを支持する情報を得た。YB−1ノックダウンは、FKBP52発現レベルを低下させることをウェスタンブロッティングで確認した(図47C)。AR1処理は、YB−1によるCLUのトランス活性化、ならびにAktおよびp90rsk活性の増大を含めたストレス応答を活性化する(図42)。YB−1ノックダウンは、CLUとFKBP52両方のレベルを低下させ、CLUは、p−AKT活性を増進することもできるので、AR1処理条件で、CLUノックダウンがどのようにYB−1、AKTおよびp90rsk間の相互作用に作用して、FKBP52レベルに影響を及ぼすかを次に調査した。興味深いことに、これまでの報告と同様に、CLUはAKTのリン酸化を増進することができ、CLUノックダウンが、YB−1およびp90RskのAR1誘導性リン酸化を排除することもわかった(図47D)。いかなる科学理論に束縛されるものでもないが、p90Rsk−YB−1経路は、AR1誘導性CLU発現に重要な調節因子なので(図42)、総合すると、これらのデータは、AR安定性、核移行および活性化に対して、pYB−1、p90rsk、CLUおよびARコシャペロンFKBP52を含むAR1処理誘導性フィードフォワードループを同定する。

例18. 併用治療は、Akt/mTORシグナル伝達経路を阻害する。
AR1は、AktおよびERKのリン酸化を活性化する。5%FBSを含む培地中で、様々な時間および用量で、LNCaP細胞をAR1で処理する。リン酸化Akt、リン酸化ERK、AktおよびERK抗体を使用して、ウェスタンブロット分析を行う。CLUノックダウンは、AR1処理によりリン酸化Aktの活性化を阻害することによって、Akt/mTORシグナル伝達経路を減衰させる。LNCaP細胞を、FBS存在下で10nmol/L CLU siRNAまたはSCR siRNA対照で処理し、次いで10μmol/LのAR1で処理する。処理48時間後に、リン酸化Akt、リン酸化ERK、リン酸化mTOR、リン酸化P70S6K、Akt、ERK、mTORおよびP70S6K抗体を使用してウェスタンブロット解析を行う。

例19. AR陽性状態に対するクラステリンノックダウンとAR1間の併用効果の考え得る説明
ARに結合したアンドロゲンは、細胞質から核への迅速に移行し、これがAR調節遺伝子の活性化を増進する。クラステリンは、AKT/mTOR経路を上方制御し、これが細胞生存、細胞増殖および細胞成長をもたらす。クストリセン誘導性クラステリンノックダウンは、AKTのリン酸化を抑制し、メガリン発現を抑制することによって細胞表面からのアンドロゲン輸送を減衰させる。AR1は、ARと強固に結合し、ARの核への移行を阻害する。いかなる科学理論に束縛されるものでもないが、これらの結果によれば、ARのプロテアソーム分解を加速し、mTORシグナル伝達経路を下方制御することになる。

例20. クラステリンノックダウンとAR1処理との併用は、殆どの場合、C4−2細胞において細胞成長の阻害およびアポトーシスを増進するが、AR陰性PC−3細胞においては併用効果がない。
併用処理によって、C4−2細胞成長を評価する。C4−2細胞を、12ウェル培養プレート中の5%FBSまたは5%CSSを含有するRPMI培地にウェル当たり3x104個の細胞を播種する。翌日、細胞に、10nmol/LのCLU siRNAまたはSCR siRNA対照をトランスフェクトする。siRNAでトランスフェクトした翌日、C4−2細胞を10μmol/LのAR1で処理し、0、1、2、3、4日目にクリスタルバイオレットアッセイによって細胞成長アッセイを実施した。(AR1で処理した日を100%と規定した)。CLUノックダウンとAR1の併用処理が、最も有意に細胞成長を抑制する。併用処理によって、PC−3細胞成長を評価する。PC−3細胞を、12ウェル培養プレート中の5%FBSを含有するDMEM培地にウェル当たり3x104個の細胞を播種する。翌日、細胞に、10nmol/LのCLU siRNAまたはSCR siRNA対照を、同時にまた毎日、500nmol/LのクストリセンまたはSCRB対照を2日間トランスフェクトする。siRNAまたはアンチセンスオリゴでトランスフェクトした翌日、PC−3細胞を10μmol/LのAR1で処理し、0、1、2、3日目にクリスタルバイオレットアッセイによって細胞成長アッセイを実施する。(AR1で処理した日を100%と規定した)。フローサイトメトリ分析では、併用処理はLNCaPアポトーシスを増進する。細胞を、5%FBS含有RPMI培地中で、10nmol/LのCLU siRNAまたはSCR siRNA対照で、同時にまた毎日、500nmol/LのクストリセンまたはSCRB対照で2日間処理する。siRNAまたはアンチセンスオリゴでトランスフェクトした翌日、LNCaP細胞を、10μmol/LのAR1で処理し、処理の48時間後に、FACS分析を実施した。sub−G0、G0−G1、S、G2−M期にある細胞の比率を、ヨウ化プロピジウム染色によって決定した。併用処理は、LNCaP細胞においてSub−G0/1アポトーシス画分のアポトーシス(apoptotic fraction apoptosis)を増加させる。1Ca:CLU siRNAと併用、1Cb:クストリセンと併用。

例21. クラステリンおよびAR mRNAの発現は、AR1処理後に時間および用量依存的様式で上方制御される
LNCaP細胞を、5%FBSを含むRPMI1640培地中で、異なる時間および異なる濃度のAR1で処理する。AR1は、様々な濃度および曝露時間で処理される。細胞を回収し、定量的RT−PCRによってmRNAレベルを分析する。ARおよびCLUレベルを、β−アクチンmRNAレベルに対して標準化し、平均±SDとして表示する。AR1曝露時間0時間および用量0μmol/Lを、100%と規定した。*P<0.05 **P<0.01 ***p<0.001(ウィルコクソンの符号付順位和検定)。
アンドロゲン枯渇した細胞とアンドロゲン刺激した細胞の両方において、CLUノックダウンとAR1との併用後にARタンパク質の発現は低下する。5%CSS含有RPMI培地中に1nmol/LのR1881の有り無しで、LNCaP細胞に10nmol/LのCLU siRNAまたはSCR siRNA対照をトランスフェクトする。siRNAでトランスフェクトした翌日、LNCaP細胞を10μmol/LのAR1で処理する。48時間後、タンパク質用として細胞を回収する。ウェスタンブロットによって、タンパク質発現を分析する。CLUノックダウンとAR1処理との併用は、CLUノックダウン単独またはAR1単独療法より高い有効性でAR発現を低下させる。

考察
前立腺癌において、アンドロゲン受容体(AR)は、去勢後も去勢抵抗性進行を推進し続ける。新しいAR経路阻害剤、たとえばAR1は、CRPCにおける生存を延長する一方、抵抗性は速やかに生じ、しばしばARシグナル伝達の再活性化および細胞保護性シャペロン(クラステリン(CLU))の誘導を伴う。治療によって活性化されるストレス適応経路は、獲得した治療抵抗性の発症を促進できるので、AR阻害によって活性化され、CLUによって媒介されるストレス応答を共標的化することによって、条件致死性を生じ、結果を改善する可能性がある。本明細書のデータは、AR1とクストリセンを併用することによってARとストレス誘導性CLUを共標的化し、去勢抵抗性LNCaPモデルを使用して併用活性の機序を明らかにしたことを示している。
AR1は、ERストレスマーカーおよびCLUならびにAKTおよびMAPKシグナロソームを含めたシャペロンタンパク質のマーカーを誘導した。このストレス応答は、p−YB−1、p90rskおよびCLUを含むフィードフォワードループによって協調された。AR1を加えたCLUノックダウンの併用は、AR1またはクストリセン単独療法で見られる速度を超えてアポトーシスの速度を増進することにより、LNCaP細胞の成長速度を抑制した。in vivoにおいて、併用したクストリセン+AR1は、去勢抵抗性LNCaP腫瘍の進行およびPSAの進行を有意に遅延させた。機構的に、AR1誘導性のAKTおよびMAPK経路のARクロストークの活性化は、併用療法で抑制された。興味深いことに、AR1と併用したとき、HSF−1およびYB−1に調節されたARコシャペロンFKBP52の発現を含む機序によって、CLUノックダウンはAR分解を加速させ、AR転写活性を抑制した。
AR経路阻害剤によって活性化され、CLUによって媒介されるストレス適応性経路を共標的化することによって条件致死性が生じ、生物学的に合理的な組合せ臨床試験設計を導くための、機構的で前臨床的な原理証明が得られる。
前立腺癌は、最も一般的な固形悪性腫瘍であり、西欧諸国男性に共通する癌死亡の2番目の主要因である(Siegelら、2011)。疾患の初期の段階は、治療的外科手術または放射線療法で治療されるが、局所進行性、再発性または転移性前立腺癌に対する治療の中心はアンドロゲン除去療法であり、この療法は血清テストステロンを去勢レベルに低下させ、アンドロゲン受容体(AR)活性を抑制する。アンドロゲン除去後の速い初期応答速度にも関わらず、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)への進行は、3年以内に起こる(Gleaveら、2001;Bruchovskyら、2000;Goldenbergら、1999;Goldenbergら、1996;Gleaveら、1998;Bruchovskyら、2006)。80%以上のCRPC標本がARおよびアンドロゲン応答性遺伝子を発現していることは(Chenら、2004)、去勢したにもかかわらず、AR軸が活性化状態を維持していることを示している。したがって、ARはCRPCの重要な駆動力であり、治療活性化型成長因子シグナル伝達経路(Miyakeら、2000)、生存遺伝子(Miyakeら、1999)および細胞保護性シャペロンネットワーク(Rocchiら、2004)によって支持されている。ドセタキセル化学療法(Petrylakら、2004)はCRPCにおける生存を引き延ばすための最初の療法であり、化学療法前後の段階に治療の展望を重層化した。最近では、2つの新しいAR経路阻害剤である、CYP17阻害剤アビラテロン(de Bonoら、2011)およびARアンタゴニストAR1(Tranら、2009)が有望な延命をもたらし、CRPCの展望を急速に変えている。有意な応答にもかかわらず(Tranら、2009;Harrisら、2009;Scherら、2010)、アビラテロンおよびAR1は、治療抵抗性および再発性CRPCの進行を適応的に推進する冗長生存経路を活性化する。これら新規なAR経路阻害剤の可能性を最大限に実現するには、これらのストレス活性化型生存応答の特徴づけ、およびそれらを排除するように設計された合理的な組合せ共標的化戦略が必要になる。
分子シャペロンは、タンパク質ホメオスタシスを維持することによってストレス応答における中心的役割を果たし、シグナル伝達および転写調節ネットワークにおいて大きな役割を果たす。クラステリン(CLU)は、「テストステロン抑制前立腺メッセージ2」(TRPM−2)(Montpetitら、1986)として、去勢後退行しているラット前立腺から最初にクローニングされたストレス活性化型シャペロンであるが、その後、アンドロゲン抑制遺伝子ではなくストレス活性化型アポトーシス関連遺伝子と規定された(Cochraneら、2007)。CLUは、HSF1(Lamoureuxら、2011)およびYB−1(Shiotaら、2011)によって転写調節されており、タンパク質凝集、(Poonら、2002)、p53活性化ストレスシグナル(Trougakosら、2009)、および高次構造が変化したBax(Zhangら、2005;Trougakosら、2009)を抑制することによってストレス誘導性アポトーシスを阻害し、一方でAktのリン酸化(Ammarら、2008)ならびにNF−κBおよびHSF−1のトランス活性化(Lamoureuxら、2011;Shiotaら、2011;Poonら、2002;Trougakosら、2009;Zhangら、2005;Ammarら、2008;Zoubeidiら、2010a)を増進する。CLUは、前立腺を含めた多くのヒト癌において発現され(Yomら、2009;Krugerら、2007;Zhangら、2006)、前立腺では去勢後に増加し、CRPCにおいて高発現するようになる(Julyら、2002)。CLU過剰発現は、治療抵抗性を付与し(Miyakeら、2000)、一方CLU阻害は、多くの臨床前モデルにおいて大部分の抗癌療法の活性を増強する(Miyakeら、2005;Soweryら、2008;Gleaveら、2005;Zoubeidiら、2010b)。ドセタキセル化学療法と併用したとき、全生存が7カ月増加し、死亡率が50%低下した(HR=0.50)と報告されたCRPCにおけるランダム化第2相試験の後、CLU阻害剤であるOGX−011(クストリセン、OncoGenex Pharmaceuticals)は、現在第3相臨床試験にある(Chiら、2010)。
CLUは、去勢を含めた治療ストレスによって誘導され、ストレス応答の重要な媒介物質として機能するので、AR1治療がストレス応答およびCLUを誘導するという本明細書の仮説、ならびにARと、CLUによって媒介されるストレス応答経路とを共標的化することによって条件致死性が生じ、癌管理を改善できるという仮説が試験された。本明細書に記載のデータは、AR1治療ストレスとCLU誘導を伴う抵抗性とを相関させ、CLUの活性化を調節している経路を同定し、CRPCにおいてCLU阻害が抗AR療法を増強する機序を明らかにすることを目指す。
癌細胞を殺すために使用される多くの戦略は、生存および治療抵抗性の出現を助長するストレス性および冗長性生存応答を誘導し、それが大部分の癌死亡の根本原理である。この治療的抵抗性は、治療の選択圧によって活性化される自然および獲得生存経路のダーウィン相互作用に起因する。前立腺癌において、アンドロゲン除去は、大部分の患者において腫瘍細胞のアポトーシスおよび臨床応答を誘導するが、2〜3年以内に去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)への変化も引き起こす(Gleaveら、2001;Bruchovskyら、2000;Goldenbergら、1999;Goldenbergら、1996;Gleaveら、1998)。実験的に、CRPC進行は、AR軸の再活性化に起因しており(Miyakeら、2000;Miyakeら、1999)増殖因子(Miyakeら、2000;Culigら、2004;Craftら、1999)および生存遺伝子(Miyakeら、1999;Gleaveら、1999;Miayakeら、2000;Rocchiら、2004;Miyakeら、2000)のネットワークによって支持されている。最近、新しいAR経路阻害剤、たとえばアビラテロンおよびAR1(Rocchiら、2004)が、生存を引き延ばすことが示され、ARをCRPCの主要な駆動力であると臨床的に実証した(Miyakeら、2000;Miyakeら、1999)。すべての患者がこれらの阻害剤に応答するとは限らず、多くの初期応答者において抵抗性が発症し(Petrylakら、2004);さらに、疾患進行頻度はPSAレベルの上昇と相関しているので、継続的なARシグナル伝達を示しており、CRPCにおける治療抵抗性の分子基盤を標的にする新たな療法の必要性を強調している。ARと冗長生存経路との相互作用を明らかにすることによって変化を管理し、予後を改善する新しい組合せ戦略を構築できるようになる。
ARの増幅ならびに低レベルのDHTおよび他のステロイドに対する感受性を高める変異(Miyakeら、2000;Miyakeら、1999;Zoubeidiら、2007)、または構成的に活性があり、LBDを欠いている不完全な受容体を駆動するARスプライスバリアント(Nizardら、2007;Carverら、2011;Evdokimovaら、2006)によって、CRPCにおける持続的なARシグナル伝達が起こると仮定される。他のAR関連機序としては、AR活性化補助因子もしくはコシャペロン(hsp27)のレベル変化、活性型srcによるARのリン酸化またはチロシンキナーゼ受容体(たとえばEGFR)がある(Chiら、2010)。より動的な別の機序は、ARとPI3K経路間の相互的なフィードバック調節を含み、その際、AKTホスファターゼPHLPPのレベルを低下させることによってAR阻害はAKTシグナル伝達を活性化し、HERキナーゼのフィードバック阻害を軽減することによってPI3K阻害はARシグナル伝達を活性化し;一方の阻害が他方を活性化し、それによって生存を増進する。これらの機構的見識は、ヒストン脱アセチル化酵素(de Bonoら、2011)、src、AKT、ならびにARシャペロン熱ショックタンパク質(Hsp)−90およびHsp27に対する阻害剤を用いて、AR経路を共標的化する組合せ治療レジメンの設計の指針になっている。
AR経路阻害剤によって活性化されるストレス応答の阻害は、別の組合せ共標的化戦略である。多くの抗癌薬は、ERストレスを誘導し(Rutkowskiら、2007)、このストレスは複雑な細胞内シグナル伝達経路を活性化する。この経路は小胞体ストレス応答(UPR)と呼ばれ、タンパク質翻訳を阻害しユビキチン−プロテアソーム系(UPS)を刺激してER関連タンパク質分解(ERAD)を増進することによってタンパク質ホメオスタシスを回復するように調整されている(Hardingら、2002)。シャペロン、たとえばCLUは、ERストレス応答の重要な媒介物質である。AR経路阻害が、AKTの相互的な経路活性化と共にERストレスおよびCLUを誘導することは公知であり、そのすべてが去勢抵抗性に関わる。これら従来の報告と整合して、本明細書のデータは、AR1がERストレスおよびUPRを誘導することを示し、続いて増進されたAKTおよびMAPKシグナル伝達と並行して、ストレス誘導性YB−1活性からCLU活性化の間のフィードフォワードリンクを明確にしている。総合すると、これは、AR1治療条件下でARの安定性および活性を支持している。YB−1とCLUは両方とも、抗癌治療抵抗性と機能的に関連するストレス活性化型の生存シャペロンタンパク質である(Poonら、2002)(Zoubeidiら、2007)。ストレス条件下で、YB−1は、AKT(Evdokimovaら、2006)およびp90RSK(Gleaveら、2005)によってリン酸化活性化され、その核移行を刺激し、標的プロモーターと結合する。CLUは、ストレス誘導性YB−1活性およびパクリタキセル抵抗性の重要な下流媒介物質によって転写され、それとして機能を果たす(Shiota)。YB−1は、特定のストレス関連転写産物の翻訳を調節するmRNAシャペロンタンパク質として機能することもできる(Lawら、2010;Evdokimovaら、2009)。異なるプラットフォーム技術を用いたマイクロアレイにハイブリダイズしたYB1 RNA−IPを使用して、YB1が、CLU mRNAに結合することが判明した。本明細書に開示したデータは、YB1が、AR1誘導性ERストレスの後にCLU mRNAに優先的に結合することを示しており、異なるポリソーム画分においてYB1がCLU mRNAと結合することが判明した。ポリソーム画分は、リボソームまたは翻訳機構の他の要素に結合された翻訳活性があるmRNAを表し、ポリソーム後のmRNAはリボソームを使い果たし、したがって翻訳的に不活性なので(Evdokimovaら、2009;Evdokimovaら、2006a)、これらの画分からCLU mRNAを増幅できる。これらのデータは、YB−1が、AR1誘導性ERストレスに応じてCLUの転写だけでなく翻訳誘導も媒介することを示す。
CLUは、治療抵抗性および癌の進行と密接に連関したストレス活性化型分子シャペロンであり(Miyakeら、2000;GleaveおよびMiyake、2005;TrougakosおよびGonos、2009b)、その過剰発現は、広域スペクトル治療抵抗性を付与する(Tranら、2009;Yomら、2009)。去勢および他の治療ストレス要因と同様に、AR1は、CLU発現レベルを増加させ;さらに、CRPCにおいて未去勢癌と比較したように、CLUレベルはAR1抵抗性腫瘍において高い。CLUは、HSF−1によって転写調節されるだけでなく、フィードフォワード様式で、HSF−1媒介転写活性も増進する(Lamoureaxら、2011)。CLUは、ARを含めた生存促進経路、ならびにIL−6(JAK/statを介する)およびIGF−1R(Src−MEK−ERK−Erg−1を介する)シグナル伝達経路の下流によっても活性化される。CLUは、タンパク質凝集、p53活性化ストレスシグナルおよび高次構造が変化したBaxを阻害することによって、ストレス誘導性アポトーシスを抑制し(Zhangら、2005;Trougakosら、2009)一方でAktのリン酸化(Soweryら、2008;Chouら、1984)ならびにNF−κBおよびHSF−1のトランス活性化を増進する。
CLUに対するこのストレス活性化型抗アポトーシス機能は、多くの抗癌療法に対して広域スペクトル抵抗性をもたらし、潜在的な抗癌標的としてこれを同定する。多くの癌前臨床モデルにおいて、CLUアンチセンス阻害剤(クストリセン)は、治療的ストレス要因との併用で癌細胞死を増進する。実際、クストリセンをドセタキセルに添加したときに、有意な延命効果が報告されたランダム化第2相試験の後、クストリセンを加えたドセタキセル併用第3相臨床試験がCRPCにおいて進行中である(Zoubeidiら、2010b;Culigら、2004)。CLU阻害は、アンドロゲン依存的異種移植片において去勢を増進し、CRPCへの時間を遅延させることが報告されてきたが、CRPCモデルにおけるin vitroおよびin vivo治療応答において、純粋なARアンタゴニストであるAR1によって、AR経路阻害およびCLUの効果の検査が直ちに可能になる。本明細書に開示したデータは、AR1感受性および抵抗性LNCaP細胞において、CLUがそれぞれAR1およびARノックダウンの後に誘導され、大部分のAR1抵抗性LNCaP異種移植片および細胞系において、CLUが高発現状態を維持することを立証した。クストリセンを加えたAR1を使用するARとCLUの共標的化は、単独療法を超えてアポトーシス速度を増進した。機構的に、AR1誘導性の、AKTおよびMAPK経路のクロストークの活性化は併用療法で抑制された。予想外にも、AR1をCLUノックダウンと併用したとき、ARのユビキチン化およびプロテアソーム媒介性分解の速度が加速されることが判明した。AR1単独ではAR安定性を変化させないが、CLUが阻害されるとき、YB−1およびMAPKのストレス活性化は鈍化し、YB−1に活性化される、ARコシャペロンHsp56(FKBP52)およびHsp90の発現が低下し、これがARのユビキチン化およびプロテアソーム分解をもたらすので、AR1抵抗性細胞系においてさえ、AR1単独療法で観察された以上にAR転写活性が低下する。
Hsp90阻害後にHsp70およびHsp27のHSF−1媒介性トランス活性化を増進する能力と同様に、これらの結果は、状況依存的ストレス条件下でCLUが他の分子シャペロンのYB−1媒介性発現の支持に果たす役割を強調している(Lamoureaxら、2011)。CLUに加えて、HSF−1およびYB−1は、ARおよび他のステロイド受容体の折りたたみ、輸送ならびに転写活性化工程に関係する他の分子シャペロンの発現を統制する。リガンドが存在しないとき、ARは主に細胞質内にあり不活性だが、Hsp90およびHsp70からなる大きな動的ヘテロ複合体ならびにコシャペロン、たとえばHsp56によって高応答性状態に維持されている。これらのHsp ARコシャペロンは、ARの安定性および活性化に重要な役割を果たす(Cheung−Flynnら、2005;Yangら、2006)。リガンド結合により、ARに立体構造変化が起こり、巨大Hsp複合体から解離して、Hsp27と結合し、それによって核輸送および標的遺伝子の転写活性化がもたらされる(Zoubeidiら、2006;Abdulら、2001)。第1の世代ARアンタゴニストであるビカルタミド(これはARの核輸送を阻害しない)と比較して、AR1に結合したARは細胞質内に残り、HspシャペロンであるHsp90およびFKBP52と複合体形成することが示される。Hspコシャペロンと複合したARのこの細胞質内での限局は、ERストレスおよびシャペロン抑制の条件下で、分解に対する感受性を高めることができる。
いかなる科学理論に束縛されるものでもないが、本明細書のデータは、AR経路阻害の後に活性化されるMAPKおよびAktシグナル伝達経路の抑制を通して、CLU阻害が抗AR療法を増強する別の機序を同定する。本明細書のデータは、AR1がAktリン酸化を誘導するというこれまでの報告を確認し、MAPKおよびp90rskがAR1によって活性化されて、YB−1のリン酸化を媒介することも示している。本明細書の結果は、CLUノックダウンとAR1との併用が、Aktとp90rsk両方の活性化を抑制することを実証している。
いかなる科学理論に束縛されるものでもないが、本明細書のデータは、CLUが、生存促進性AKTおよびp90rskシグナル伝達、YB−1のリン酸化活性化、ならびにAR1治療条件下でARを安定化するARコシャペロンの発現を促進する状態で、CLUのAR1誘導性YB−1トランス活性化を含むストレス誘導性フィードフォワードループを明らかにする。AR経路阻害剤によって活性化され、CLUを通じて媒介されるストレス適応性経路を共標的化することによって、ARの発現レベルおよび活性、ならびにAR1に誘導されるAktおよびMAPKシグナル伝達経路の活性化を低下させることにより、抗AR活性が増強される。これらの結果から、AR1とクストリセンとの組合せ臨床試験を支持する機構的で前臨床的な原理証明が得られる。
本発明の局面は、クラステリン発現を標的にするオリゴヌクレオチド、たとえばクストリセンを、併用剤としてARアンタゴニストと合わせるとき、前立腺癌治療用のいずれかの薬剤の単独療法よりも強力であるという予想外の発見に関する。この有効性の増加は、癌細胞死の増加に加えて、癌細胞の増殖低下、細胞質から核へのARの移行の減少、ARの転写活性の低下、PARP切断の増加、AKTリン酸化の低下、ERKリン酸化の低下、およびARタンパク質分解の増加を含む。図30は、AR1抵抗性前立腺癌腫瘍が、クラステリン発現を増加させたことを示す。いかなる科学理論に束縛されるものでもないが、本明細書のデータは、AR1に対するこれら腫瘍の抵抗性がクラステリン発現の増加による可能性があり、したがって、クラステリン発現の低下がAR1治療に対するAR1抵抗性腫瘍の感受性を高めることを反映している可能性がある。したがって、AR1抵抗性前立腺癌細胞は、クストリセンとの併用治療によってAR1に感作される。
AR1は、前立腺癌細胞において自己消化を誘導し(図38)、クラステリンサイレンシングは、ERストレス誘導性自己消化を阻害することができる。自己消化は、ストレス耐性を付与し、有害条件下でも細胞生存率を持続することを可能にする細胞内消化のためのよく保存されたリソソーム分解経路である。いかなる科学理論に束縛されるものでもないが、AR1治療後に続く自己消化の増大は前立腺癌細胞の生存を増進することができ、クラステリン発現の阻害はこの自己消化の増大を阻害し、それによって、癌細胞生存の低下およびAR1活性の増進がもたらされ得る。
いかなる科学理論に束縛されるものでもないが、クラステリン発現の低下は、ARコシャペロン(たとえばFKBP52およびHsp27)のHSF−1媒介性調節の抑制を介してAR安定性を低下させることにより、AR1の活性を増進することができる。
いかなる科学理論に束縛されるものでもないが、クラステリン発現の低下は、AR1治療の後に続くAKTレベルおよび/またはリン酸化の誘導を低下させることにより、AR1の活性を増進することができる。
AR1単独療法は、ヒト去勢抵抗性前立腺癌を治療することができる;しかし、どのモデル系においても、アンドロゲン非依存に進行した後では、クストリセン単独療法が前立腺癌の進行を阻害することは示されなかった。したがって、AR1とクストリセンの併用治療が、AR1単独での治療より強力になったことは意外である。さらに、AR1とクストリセンの併用療法は驚くほど強力であり、in vitroで前立腺癌細胞の成長を停止できるが、いずれかの薬剤を単独で投与した細胞は、4日間に200%以上増殖する(図2B)。また驚くべきことに、クストリセンとAR1の併用は、ARタンパク質の発現を80%以上低下させることができるが、クストリセン単独では効果が無く、AR1単独ではわずか約40%しか発現を低下させない(図17)。最終的に、クストリセンとAR1の併用は、去勢抵抗性前立腺癌に罹病し治療されたマウスの生存を、AR1単独の約40%と比較して、治療開始から16週間で約90%に高める。
加えて、哺乳動物における腫瘍成長を低下させるには、ビカルタミドとクストリセンの併用より、AR1とクストリセンの併用が有効である。哺乳動物における腫瘍成長を低下させるには、フルタミドとクストリセンの併用より、AR1とクストリセンの併用が有効である。癌細胞増殖を低下させるには、ビカルタミドとクストリセンの併用より、AR1とクストリセンの併用が有効である。癌細胞増殖を低下させるには、フルタミドとクストリセンの併用より、AR1とクストリセンの併用が有効である。癌細胞のアポトーシスを増大させるには、ビカルタミドとクストリセンの併用より、AR1とクストリセンの併用が有効である。癌細胞のアポトーシスを増大させるには、フルタミドとクストリセンの併用より、AR1とクストリセンの併用が有効である。
抗腫瘍効力の増大に加えて、併用療法は、毒性を減らすための用量減少戦略を可能にする場合もある。たとえば、AR1は、副作用(たとえば疲労)を誘導することが公知であり、240mg/日の最大耐量が有る(Scherら、2010)。しかし、本発明は、マウスにおいてクストリセンとの併用で10mg/kg/日という少ないAR1用量が、腫瘍サイズを減少させ生存を引き伸ばすのに有効であることを開示する。NIHは、マウス試験において使用した用量をヒトでの使用に適当な用量に変換する指針を、Equivalent Surface Area Dosage Conversion Factorsに基づいて提供している(NIH Equivalent Surface Area Dosage Conversion Factors Guidance、2007年8月掲載;Freidreichら、1966)。NIH変換率表によれば、本明細書に記載のマウスで使用する10mg/kg/日の用量は、60kgのヒトなら.83mg/kg/日に相当し、60kgのヒトに対しては約49.8mg/日、または100kgのヒトに対しては約83mg/日の用量に等しい。これらの用量は、ヒトにおける第3相臨床試験に推奨される240mg/kgの用量よりかなり低い(Scherら、2009)。したがって、本発明の一局面は、抗クラステリンオリゴヌクレオチドと前立腺癌を治療するのに有効なARアンタゴニストとの併用を提供し、この併用におけるARアンタゴニストの量は、単独療法において使用される有効量より少ない。クラステリンレベルを低下させるオリゴヌクレオチドとARアンタゴニストを含む併用療法の驚くべき効力を使用して、ヒトにおいて一方または両方の薬剤の用量を低減することができ、より少ない副作用での治療的利益を可能にする。

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1μMのAR1およびクラステリン(CLU)を標的とする10nMのsiRNAまたは10nMのSCRを用いた処理によるLNCaP細胞増殖の抑制を示す図。SCRは、スクランブル配列siRNA対照である。(A)、FBS条件は、FBSを添加した培地である。(B)、CSS条件は、活性炭血清ストリップ培地である。 1μMのAR1および500nMのクスチルセンまたは500nMのSCRBを用いた処理によるLNCaP細胞増殖の抑制を示す図。SCRBは、スクランブル配列アンチセンスオリゴヌクレオチド対照である。(A)、FBS条件は、FBSを添加した培地である。(B)、CSS条件は、活性炭血清ストリップ培地である。 1μMのAR1および500nMのクスチルセンまたは500nMのSCRBを用いた処理によるC4−2細胞増殖の抑制を示す図。(A)、FBS条件は、FBSを添加した培地である。(B)、CSS条件は、活性炭血清ストリップ培地である。 1μMのAR1およびクラステリンを標的とする10nMのsiRNAまたは10nMのSCRを用いた処理によるPC−3(AR陰性)細胞増殖を示す図(A)。1μMのAR1および500nMのクスチルセンまたは500nMのSCRBを用いた処理によるPC−3(AR陰性)細胞増殖を示す図(B)。 AR1およびクラステリンを標的とする10nMのsiRNAまたは10nMのSCRを用いた処理によるLNCaP細胞における細胞毒性を示す図(A)。1μMのAR1および500nMのクスチルセンまたは500nMのSCRBを用いた処理によるLNCaP細胞における細胞毒性を示す図(B)。細胞は、FBSを添加した培地中で成長した。X軸は、AR1濃度である。 LNCaP細胞におけるAR1およびクスチルセン併用療法の有効性を示す図。(A)、クリスタルバイオレットアッセイによる各薬物または併用療法の後の細胞成長阻害を示す図。X軸は、[AR1/クスチルセン]である。P値はフリードマン検定により算出した。(B)、各療法の用量効果曲線を示す図。(C)、いくつかの有効量における併用指数(CI)を示す図。CI=1、相加効果;CI<1、併用効果;CI<1、拮抗効果。 LNCaP細胞におけるAR1、クラステリンを標的とするsiRNA、またはそれらの併用の投与後の細胞周期分布を示す図。OTRは、クスチルセンまたはsiRNAの非存在下において、オリゴフェクタミントランスフェクション試薬(Invitrogen Life Technologies,Inc.)で処理した細胞を意味する。 LNCaP細胞におけるAR1、クスチルセン、またはそれらの併用の投与後の細胞周期分布のFACS解析を示す図。 LNCaP細胞におけるARおよびクラステリンタンパク質発現に対するAR1投与の効果を示す図。(A)、10μM AR1。(B)、表示濃度でのAR1投与の48時間後。 LNCaP細胞におけるAKTおよびERKリン酸化およびタンパク質レベルに対するAR1処理の効果を示す図。(A)、10μM AR1。(B)、表示濃度でのAR1投与の48時間後。(C)、AR1による処理後のAKTまたはERKの発現レベルの用量依存的変化を示す図。(D)、AR1による処理後のAKTまたはERKの発現レベルの用量依存的変化を示す図。 (続葉) LNCaP細胞におけるARおよびクラステリンmRNA発現に対するAR1処理の効果を示す図。(A)、各濃度のAR1の添加の48時間後のAR mRNA発現を示す図。(B)、10μM AR1の添加後の表示時点におけるAR mRNA発現を示す図。(C)、各濃度のAR1の添加の48時間後のクラステリンmRNA発現を示す図。(D)、10μM AR1の添加後の表示時点におけるクラステリンmRNA発現を示す図。 クラステリンを標的とするsiRNA、クスチルセンまたは表示対照の処理後のLNCaP細胞におけるタンパク質発現の変化を示す図(AおよびC)。(B)、ビカルタミドおよびAR1によるクラステリン上方制御の比較を示す図。(D)、AR1およびクスチルセン(ASO)を用いた処理によるARコシャペロンの発現を示す図。 (続葉) (続葉) (続葉) LNCaP細胞におけるPSA(A)またはAR mRNA発現(B)に対する10μMのAR1およびクラステリンを標的とする10nMのsiRNAの効果を示す図。 AR(A)またはPSA mRNA発現(B)に対する10μMのAR1および500nMのクスチルセンの併用療法の効果を示す図。 AR1およびクラステリンを標的とする10nMのsiRNAによるLNCaP細胞の処理後のタンパク質発現およびPARP切断のウェスタンブロット分析を示す図。FBS条件は、FBSを添加した培地である。CSS条件は、活性炭血清ストリップ培地である。 LNCaP細胞におけるアンドロゲン刺激時のタンパク質レベルに対する、AR1およびクラステリンを標的とする10μMのsiRNAの効果を示す図。R1881は、メトリボロンとしても公知である強力なアンドロゲンである。 AR1およびクスチルセンまたは対照によるLNCaP細胞の処理によるタンパク質発現およびPARP切断のウェスタンブロット分析を示す図。細胞(1X106)は、5%FBSを含むRPMI培地を含む10cm皿に播種した。翌日、細胞に500nMクスチルセンまたは対照を48時間にわたってトランスフェクトした。次いで、ウェスタンブロット分析のために採取する前に、10μMのAR1を細胞に48時間にわたって加えた。ARおよびPSA発現は、クスチルセンおよびAR1併用療法により高度に抑制された。 AR1およびクラステリンを標的とする10nMのsiRNAまたは対照を用いたLNCaP細胞の処理による、タンパク質発現およびリン酸化のウェスタンブロット分析を示す図。ホスホ−AKTおよびホスホ−ERKはAR1の投与により活性化される。しかし、AR1およびClu siRNA併用療法は、リン酸化AKTおよびERKタンパク質のレベルを低下させる。併用療法は、単独療法より強力にAKT−mTOR−p70S6K経路を抑制する。 AR1およびクスチルセンまたはクラステリンを標的とするsiRNAを併用して用いたLNCaP細胞の処理によるARプロテアソーム分解のウェスタンブロット分析を示す図。MG132は、プロテアソーム阻害剤であり、CHXは、タンパク質生合成の阻害剤であるシクロヘキシミドである。ARタンパク質の分解は、AR1およびクスチルセン併用療法により強力に増加する。 AR転写活性に対するAR1およびクスチルセン併用療法の影響を示す図。デュアルルシフェラーゼアッセイ:LNCaP細胞にCSS中500nMクスチルセンを2日間トランスフェクトした。次いで、分析のために採取する前に、R1881(1nM)の存在下または非存在下でAR1(1μM)またはDMSOを24時間にわたって加えた。 単独療法と比較した、クラステリンを標的とする10nMのsiRNAと10μMのAR1との併用による、細胞質から核へのAR転位の阻害の増大を示す図。LNCaP細胞を用いた。 単独療法と比較した、クラステリンを標的とする10nMのsiRNAと10μMのAR1との併用による、細胞質から核へのAR転位の阻害の増大を示す図。LNCaP細胞を用いた。 単独療法と比較した、10μMのAR1およびクラステリンを標的とする10nMのsiRNAの併用療法による、ARとユビキチンとの結合の増大を示す図(A)。MG132の存在下での10μMのAR1およびクラステリンを標的とする10nMのsiRNAまたは対照の併用療法による、ARとユビキチンとの結合を示す図(B)。LNCaP細胞を用いた。 LNCaP細胞における、クスチルセン(ASO)または対照と併用したビカルタミドまたはAR1の処理間のクラステリンノックダウンの比較を示す図。 LNCaP細胞における、AR分解およびクラステリンノックダウンに対する(FKBP52)過剰発現の影響を示す図。 マウスにおけるAR1およびクスチルセンの併用投与による、去勢抵抗性前立腺癌腫瘍成長の低下および生存率の増加を示す図。雄無胸腺ヌードマウスの2部位に、マトリゲル中LNCaP細胞を皮下(s.c.)注射した。腫瘍が150mm3に達するか、またはPSAレベルが50ng/mL超まで増加した時点に、マウスを去勢した。腫瘍が去勢抵抗性に進行した(PSAレベルが去勢前と同じレベルに増加)ら、10匹のマウスをAR1+スクランブルアンチセンスオリゴヌクレオチド(SCRB)またはAR1+クスチルセンのそれぞれに、無作為に割り付けた。クスチルセン(10mg/kg/各投与)またはSCRB(10mg/kg/各投与)を最初の週は1日1回、その後は週3回腹腔内(i.p.)注射した。AR1(10mg/kg/各投与)は、8〜12週間にわたり週7日、1日1回(朝)経口投与した。 マウスにおける、AR1およびクスチルセンの併用投与による生存率の増加を示す図。雄無胸腺ヌードマウスの2部位に、マトリゲル中LNCaP細胞をs.c.注射した。腫瘍が150mm3に達するか、またはPSAレベルが50ng/mL超まで増加した時点に、マウスを去勢した。腫瘍が去勢抵抗性に進行した(PSAレベルが去勢前と同じレベルに増加)ら、10匹のマウスをAR1+スクランブルアンチセンスオリゴヌクレオチド(SCRB)またはAR1+クスチルセンのそれぞれに、無作為に割り付けた。クスチルセン(10mg/kg/各投与)またはSCRB(10mg/kg/各投与)を最初の週は1日1回、その後は週3回腹腔内(i.p.)注射した。AR1(10mg/kg/各投与)は、8〜12週間にわたり週7日、1日1回(朝)経口投与した。 マウスにおける、AR1およびクスチルセンの併用投与によるPSAタンパク質発現の低下を示す図。雄無胸腺ヌードマウスの2部位に、マトリゲル中LNCaP細胞を皮下(s.c.)注射した。腫瘍が150mm3に達するか、またはPSAレベルが50ng/mL超まで増加した時点に、マウスを去勢した。腫瘍が去勢抵抗性に進行した(PSAレベルが去勢前と同じレベルに増加)ら、10匹のマウスをAR1+スクランブルアンチセンスオリゴヌクレオチド(SCRB)またはAR1+クスチルセンのそれぞれに、無作為に割り付けた。クスチルセン(10mg/kg/各投与)またはSCRB(10mg/kg/各投与)を最初の週は1日1回、その後は週3回腹腔内(i.p.)注射した。AR1(10mg/kg/各投与)は、8〜12週間にわたり週7日、1日1回(朝)経口投与した。 マウスにおける、AR1およびクスチルセンの併用投与によるPSAタンパク質発現の低下を示す図。雄無胸腺ヌードマウスの2部位に、マトリゲル中LNCaP細胞を皮下(s.c.)注射した。腫瘍が150mm3に達するか、またはPSAレベルが50ng/mL超まで増加した時点に、マウスを去勢した。腫瘍が去勢抵抗性に進行した(PSAレベルが去勢前と同じレベルに増加)ら、10匹のマウスをAR1+スクランブルアンチセンスオリゴヌクレオチド(SCRB)またはAR1+クスチルセンのそれぞれに、無作為に割り付けた。クスチルセン(10mg/kg/各投与)またはSCRB(10mg/kg/各投与)を最初の週は1日1回、その後は週3回腹腔内(i.p.)注射した。AR1(10mg/kg/各投与)は、8〜12週間にわたり週7日、1日1回(朝)経口投与した。 クラステリン発現が、AR1抵抗性腫瘍において誘導されることを示す図。(A)AR1の投与後のクラステリン発現の増大を示す図。(B)AR1抵抗性腫瘍におけるAR1の投与後のクラステリン発現の増大を示す図。(C)ウェスタンブロット分析により測定されたときに、AR1投与後にクラステリン発現が時間および用量依存的に上方制御されることを示す図。 クスチルセンおよびAR1の併用療法が、CRPC LNCaP異種移植片においてクスチルセンまたはAR1単独療法より有効であることを示す図。AR1+クスチルセン療法がCRPC異種移植片におけるARおよびPSA発現を低下させた。 クラステリンノックダウンがAR転写活性およびAR依存性遺伝子の発現を低下させることを示す図。貫膜プロテアーゼセリン2(TMPRSS2)mRNAレベルは、AR1投与、クラステリンノックダウン、およびAR1投与+クラステリンノックダウンの後に低下した。 クラステリンノックダウンが、AR1と併用したときARタンパク質レベルを低下させることを示す図。熱ショックタンパク質27(Hsp27)とARとの可能な相互作用がAR転写活性、PSA発現および細胞の生存に寄与することが示されている。 クラステリンノックダウンが、熱ショック因子タンパク質1(HSF−1)転写活性および熱ショックタンパク質の発現を低下させることを示す図。 クラステリン過剰発現が、HSF−1活性を増大させることを示す図。 腫瘍細胞における、AR1療法+クスチルセン療法の可能な作用機序を示す図。 クラステリンおよび自食作用が、ストレスおよび癌において役割を果たし得ることを示す図。小胞体(ER)ストレス、化学ストレスおよびアンドロゲン除去後のクラステリン発現の増大が示されている。 AR1療法が、LNCaP細胞における自食作用を誘導することを示す図。 治療ストレッサーが、アグリソーム中にLC3Bと共局在するクラステリンを誘導することを示す図。 ERストレス誘導性自食作用が、クラステリンサイレンシングによって抑制されることを示す図。 CLUがAR1抵抗性細胞においてAR1により誘導され、高度に発現することを示す図。C、CLUの用量および時間依存的誘導を示す図。D、CLUがARノックダウンによってもAR1抵抗性細胞において誘導されることを示す図。AR ASOもいくつかのAR1抵抗性MR49F細胞においてCLUを誘導する。CLUは、AR1抵抗性細胞、たとえば、MR49Fにおいて高い。 (続葉) (続葉) ストレス応答(ER、UB−1)ならびにpAKTとMAPKのクロストークの誘導を示す図。 (続葉) (続葉) (続葉) CLU阻害とAR1の併用がCLU阻害またはAR1単独療法と比較してLNCaP細胞増殖の抑制を増大させることを示す図。 (続葉) 腫瘍体積および血清PSAレベルに対する併用療法の効果を示す図。 ARトランス活性化および転位に対する併用療法の効果を示す図。A、AR1の投与と併用したクスチルセンが、クスチルセンまたはAR1単独療法よりもARトランス活性化を低下させることを示す図。LNCaP細胞に500nmol/LのクスチルセンまたはSCRB対照を2日間、連日トランスフェクトし、2日目に1μgのPSA−ルシフェラーゼおよびレニラ−ルシフェラーゼを一過性にコトランスフェクトした。翌日、細胞を10μmol/LのAR1で処理し、次いで、1nmol/LのR1881または媒体を24時間にわたって加えた。細胞を採取し、ルシフェラーゼ活性を測定した。カラムは、3連で行った少なくとも3回の独立した実験の平均を表す。PSA活性化は、標準化されたレニラ−ルシフェラーゼ活性であった。B、併用療法によるAR転位への効果を示す図。10nmol/LのCLU siRNAまたはSCR siRNA対照によるトランスフェクションの24時間後に、LNCaP細胞をDMSO、10μmol/LのAR1および1nmol/LのR1881で30分間処理し、抗AR抗体による免疫蛍光染色のためにメタノール/アセトン中で固定した。核をDAPIで染色した。AR1は、細胞質から核へのARの転位を阻害した。AR1と併用したCLUノックダウンは、AR転位の阻害の効果の増大を示している。 ARの発現に対するAR1と併用したCLUノックダウンの効果を示す図。 CLUノックダウン後のウェスタンブロット解析を示す図。

Claims (34)

  1. 前立腺癌に罹患した哺乳動物対象を治療するための方法であって、i)クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチドおよびii)次の構造を有するアンドロゲン受容体アンタゴニスト
    または薬学的に許容されるその塩を、各々もう一方と併用するときに前記哺乳動物対象を治療するのに有効な量で前記哺乳動物対象に投与することを含む方法。
  2. 前記癌が、アンドロゲン非依存的前立腺癌である、請求項1に記載の方法。
  3. 合わせて投与したときの前記オリゴヌクレオチドの前記量と前記アンドロゲン受容体アンタゴニストまたは薬学的に許容されるその塩の前記量が、各薬剤を単独投与したときよりも、前記対象を治療するのに有効である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記アンドロゲン受容体アンタゴニストまたは薬学的に許容されるその塩の前記量と併用する前記オリゴヌクレオチドの前記量が、単独投与時に臨床的に有効な量より少ない、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記オリゴヌクレオチドの前記量と併用する前記アンドロゲン受容体アンタゴニストまたは薬学的に許容されるその塩の前記量が、単独投与時に臨床的に有効な量より少ない、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 合わせて投与したときの前記オリゴヌクレオチドの前記量と前記アンドロゲン受容体アンタゴニストまたは薬学的に許容されるその塩の前記量が、前記対象における前立腺癌の臨床症状を軽減するのに有効である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記哺乳動物対象がヒトである、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記オリゴヌクレオチドがアンチセンスオリゴヌクレオチドである、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、クラステリンをコードするmRNAの翻訳開始部位または終結部位のいずれかにまたがっている、請求項8に記載の方法。
  10. 前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、配列番号1〜11に記載の配列のヌクレオチドを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、配列番号3に記載の配列のヌクレオチドを含む、請求項9に記載の方法。
  12. 前記アンチセンスオリゴヌクレオチドを改変して、同じ配列の無改変のオリゴヌクレオチドと比較してin vivo安定性を強化する、請求項10または11に記載の方法。
  13. 前記オリゴヌクレオチドが、クストリセンである、請求項12に記載の方法。
  14. 前記クストリセンの前記量が、640mg未満である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記クストリセンの前記量が、480mg未満である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記クストリセンの前記量が、7日間に1回、静脈内投与される、請求項13から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記アンドロゲン受容体アンタゴニストの前記量が、240mg未満である、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記アンドロゲン受容体アンタゴニストの前記量が、150mg〜240mgである、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記アンドロゲン受容体アンタゴニストの前記量が、30mg〜150mgである、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記アンドロゲン受容体アンタゴニストの前記量が、80mgである、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記アンドロゲン受容体アンタゴニストの前記量が、1日に1回経口投与される、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. アンドロゲン非依存的前立腺癌に罹病した哺乳動物対象の治療方法であって、i)クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチドおよびii)アンドロゲン受容体アンタゴニストを、各々もう一方と併用するときに前記哺乳動物対象を治療するのに有効な量で前記対象に投与することからなる方法。
  23. 前記アンドロゲン受容体アンタゴニストが、非ステロイド性抗アンドロゲンである、請求項22に記載の方法。
  24. 前記アンドロゲン受容体アンタゴニストが、AR1である、請求項22または23に記載の方法。
  25. 前記オリゴヌクレオチドと前記アンドロゲン受容体アンタゴニストの併用が、腫瘍細胞の細胞質から核へのアンドロゲン受容体の移行を減少させるのに有効である、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記オリゴヌクレオチドと前記アンドロゲン受容体アンタゴニストの併用が、腫瘍細胞においてアンドロゲン受容体タンパク質のプロテアソーム分解を高めるのに有効である、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記オリゴヌクレオチドと前記アンドロゲン受容体アンタゴニストの併用が、前記腫瘍細胞においてアンドロゲン受容体の転写活性を低下させるのに有効である、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記オリゴヌクレオチドと前記アンドロゲン受容体アンタゴニストの併用が、前記腫瘍細胞においてリン酸化AKT量を低下させるのに有効である、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記オリゴヌクレオチドと前記アンドロゲン受容体アンタゴニストの併用が、前記腫瘍細胞においてリン酸化ERK量を低下させるのに有効である、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記オリゴヌクレオチドと前記アンドロゲン受容体アンタゴニストの併用が、前立腺癌細胞の増殖を阻害するのに有効である、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
  31. クストリセンを用いてAR1抵抗性前立腺癌細胞を治療することを含む、AR1に対するAR1抵抗性前立腺癌細胞の感受性を高める方法。
  32. クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチド、およびアンドロゲン受容体アンタゴニストを、アンドロゲン非依存的前立腺癌に罹病した哺乳動物対象の治療に使用する量で含む、医薬組成物。
  33. アンドロゲン非依存的前立腺癌に罹病した哺乳動物対象の治療において、アンドロゲン受容体アンタゴニストと併用して使用する、クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチド。
  34. 前立腺癌に罹病した哺乳動物対象を治療するための組成物であって、i)クラステリン発現を低下させるオリゴヌクレオチドおよびii)次の構造を有するアンドロゲン受容体アンタゴニスト
    または薬学的に許容されるその塩を含む組成物。
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