JP2014508814A - リチウム組成物 - Google Patents

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Abstract

Li塩およびアミノ酸の2:1共結晶を熱水より結晶化し、四面体リチウムカチオンに基づく、水に安定なカチオン性ネット:二重層正方形格子、リチウムゼオライト有機金属材料(LiZMOM)およびいくつかのリチウムダイヤモンド型有機金属材料(LiDMOM)を与える。この組成物は、リチウムが脳血管関門を通過しCNSにおいて治療効果を発現することが必要な自殺やその他の疾患の治療に用いる医薬として使用できる。有利なことには、ここで記載する新規な共結晶は、脳内においてリチウムが治療濃度に達するために必要とされる経口の用量を低下させ、末梢における毒性を軽減し、従前のリチウム製剤と比べて治療指数を拡大できる可能性を有する。

Description

本発明は一般に、リチウム塩および中性の有機分子を化学量論比率において含む組成物に関する。そのような組成物は、医薬品の調製に(または医薬そのものとして)、またはグリーンケミストリー(ポリマー及び特殊化学品の合成)、殺虫剤/除草剤、火薬類/液体発泡剤および(または)電子的な材料などの商業的/工業的用途について用いることができる。
世界経済は、石油化学のクラッキング、硬水軟化及び精製としてのイオン交換、及びガス分離での応用に対して、結晶性細孔性合成無機ゼオライトを1年当たり数百万トン利用している。合成無機ゼオライトは、典型的には2:1の比率で四面体のアルミニウムまたはシリコン陽イオン(結節点)を連結する酸化物陰イオンからなる2)。ゼオライトで細孔の存在の鍵は、酸化物リンカーに角度があるということであり(M−OM角度は典型的には140〜165°にわたる)、その結果として、環、縮合環および多面体ケージに基づく広範囲のトポロジーの生成を促進する。どの特別のトポロジーが所与の化学組成について存在するかは、反応条件、対イオンおよび(または)構造規定剤3)(SDA)によって典型的にはコントロールされる。対イオン、SDAまたは線形のリンカーの使用の欠如は、最もゼオライト的なトポロジーと異なり、自由空間の生成を緩和するために互いに貫通し合うことができるダイヤモンド型(dia)のネット4,5)の形をしている四面体の結節点を典型的には表す。
したがって、ゼオライトでおよび/またはダイヤモンド型のネットを発生するための基本原則は自明である。そして、それらは四面体の結節点(例えばホスフェート6)、遷移金属カチオン7−9)、金属クラスター10))及びリンカー(配位結合11)または水素結合12−14)を生成する純粋な有機配位子を含む)の著しく多様な範囲を介して検証された。四面体の部分および角度があるか線形の有機配位子の多様性を開発する配位重合体は、今まででは達成し難いレベルの細孔率を持った新しいクラスのゼオライトの構造を含む新しいレベルの規模を最近与えた。そのようなゼオライトの有機金属材料は、ゼオライトのイミダゾラート骨格15−17)(ZIF)、ホウ素イミダゾラート骨格18)(BIF)およびゼオライト様の有機金属骨格19)(ZMOF)によって例証される。プロトタイプのZMOFは、8-配位金属(InおよびCd等)に配位するために、SDAの存在下、4,5-イミダゾール-ジカルボン酸20)およびピリミジンに基づいた配位子21,22)を用いる一方、ZIFは、約145°の角度を限定するイミダゾラート配位子に基づく。BIFは、それらが四面体のボロン原子に基づくので、本質的に低密度である。低密度が好ましい特性であることは、リチウム(周期律表で最も軽い金属)がいずれかゼオライトのネットまたはdiaネットの四面体の結節点として役立つ、特に魅力的な標的であることを意味する。更に、リチウムは多くの空気中および水中で安定した配位環境を生成する。そして、すべての既存のゼオライトの有機金属材料は水中で安定しているとは限らない。この文脈では、プロトタイプの構造はピンカートン(Pinkerton)らによって報告された。彼らは三次元のLi−Clジオキサンネットと記述されたものに埋め込まれたヘキサクロロタンタル陰イオンを持ったリチウムに基づいたゼオライトのABWネットを単離した23)。しかしながら、この化合物は湿気に非常に敏感である。ブー(Bu)及び協力者は、BIF−9−Li(RHOトポロジーを持った化合物)にイミダゾラートと共にリチウムおよびホウ素の両方を採用することにより、BIFにおける挑戦にエレガントに取り組んだ24)。リチウムに基づいた低密度多孔性物質への他のアプローチは下記を含む:ロビンソン(Robson)らは、正方形チャンネルを持った細孔性リチウムイソニコチナートを報告した25);ヘンダーソン(Henderson)及び協力者は、溶媒和されたリチウムアリールオキサイドを持った、柱のある二重層およびダイヤモンド形のネットを単離した26);パリス(Parise)らは、溶媒除去に際して細孔率を失うリチウムおよび2,5-ピリジンジカルボン酸に基づくMOFを報告した27)
本発明の様々な側面中で、リチウム塩および中性の有機分子を化学量論比において含んでいる組成物の提供、および、例えば、共結晶形成剤(アミノ酸双性イオンなど)がリチウム塩を持った共結晶を生成するときに形成される、Li-カルボキシレート-Li連結を開発することによるリチウムに基づいたゼオライトの有機金属材料(LiZMOM)およびリチウムに基づいたダイヤモンド型の有機金属材料(LiDMOM)のための方法が注目されてもよい。結果として生じる組成物は、塩化リチウムほど吸湿性でないリチウム含有医薬品の調製(または医薬品自体として)に用いられてもよい。
したがって簡単には、本発明の1つの態様は、式LiX・aMを有する共結晶、またはその溶媒和物もしくは水和物である。式中、Xはハロゲンイオンまたは酸素アニオンであり、Mは中性の有機分子であり、および、aは1または2である。但し、(i)Xが硝酸塩である場合、Mはグリシン以外であり、(ii)Xが塩素イオンで、aが1である場合、Mはプロリン以外であり、及び(iii)Xが臭素イオンで、aが1である場合、Mはアラニルグリシン以外である、という条件である。
本発明はさらに、式LiX・aMを有する組成物またはその溶媒和物または水和物を含んでなる医薬組成物に向けられる。式中、Xは薬学的に許容できる陰イオンであり、Mは中性の有機分子であり、そして、aは1または2である。そのようなひとつの実施態様において、Xはハロゲンイオンまたは薬学的に許容できる酸素アニオンである。
本発明はさらに、単位投与剤形に向けられ、該単位投与剤形は式LiX・aMを有する組成物またはその溶媒和物または水和物を含んでなる。式中、Xは薬学的に許容できる陰イオンであり、Mは中性の有機分子であり、そして、aは1または2である。そのようなひとつの実施態様において、Xはハロゲンイオンまたは薬学的に許容できる酸素アニオンである。
本発明は、リチウム塩および相補的な中性の有機化合物を化学量論比で含んでなる共結晶を調製する方法にさらに向けられる。方法は溶媒中にリチウム塩および相補的な中性の有機化合物を溶解し、および、溶媒を蒸発させるか、冷却することを含んでなる。ある実施態様に於いて、相補的な中性の有機化合物のリチウム塩に対する化学量論比は、それぞれ2:1である。ある実施態様に於いて、相補的な中性の有機化合物のリチウム塩に対する化学量論比は、それぞれ1:1である。
他の側面および発明の目的は部分的に明白になり、部分的に以下に指摘される。
図1は、カルボキシレート部分によって架橋されたリチウムカチオンを含んでいる結晶構造中にLi−C−Li角度の分布を表すグラフである(CSDバージョン5.311を用いて得られたデータ)。
図2は、リチウム塩を持ったアミノ酸の2:1共結晶によって生成したネットにおける構造多様性を表す模式図である:(a)正方形グリッド;(b)ダイヤモンド型のLiDMOMネット;(c)第1のLiZMOMにおけるゼオライトのABWトポロジー。水素原子及びカウンターアニオンは明確性のために省略してある。
図3は、プロトタイプのABWゼオライトと比較されたときにABW型LiZMOM LINPRO2におけるダイトピック(ditopic)なカルボキシレートリンカーのために生じる寸法の重要な拡大を表す概略図である。
図4は、実施例22により非常に詳しく記載されているように、LiClとの比較において、2、24および48時間でのLiCl−Leuの有効な吸収速度を表すグラフである。
図5は、実施例22により非常に詳しく記載されているように、LiClとの比較において、2、24および48時間での脳中のLiCl−Leuの濃度を表すグラフである。
以下の定義および方法は、よりよく本発明を規定し、かつ本発明の実施における当業者をガイドするために提供される。特記されない限り、用語は関連する技術における当業者によって慣例的用法によって理解されるべきである。
本明細書で使用される「アミノ酸」は、アミノ基、カルボン酸基、および異なるアミノ酸間で一様でない側鎖を含んでいる分子を指す。アミノ酸は、例えば、式HNCHRCOOHに対応するアミノ酸(それらのイオン化されていない形態における)を含み、ここで、Rは有機置換基である;アミノ酸の重要な要素は炭素、水素、酸素および窒素である。
本明細書で使用される「共結晶」は、それらの純粋形態にある場合、各々が周囲条件(つまり22℃、1気圧の雰囲気)の下の固体である化学量論比中に2つ以上の異なった化合物を含んでいる複合の成分結晶を指す。
本明細書で使用される「中性の」組成物は、随意にカチオン性及びアニオン性基の両方を持ち、0の正味電荷を有する、組成物(または部分)を指す。
本明細書で使用される「酸素アニオン」は、一般的な式AxOyz−を持った化学組成を指す(式中、Aは単体を表わし、Oは酸素原子を表わし、及び、x、yおよびzは0でない自然数である)。典型的な酸素アニオンは硝酸イオン、スルホン酸イオン、硫酸イオンおよび炭酸イオンを含む。
本明細書で使用される「双性イオン化合物」または「両性イオンの組成物」は、対応するカチオン性及びアニオン性基に互変異性化するカチオン性、アニオン性基、または酸性及び塩基性中心を持つ高分子、物質または部分を指す。典型的には、及び、好ましくは、本発明の文脈において、これらの帯電した基は平衡を保たれて、0のネット電荷を持った材料に帰着する。
本発明は、化学量論比における、少なくとも1つのリチウム塩および少なくとも1つの相補的な(つまり、リチウムを配位することができる)中性の共結晶形成剤を含んでなる組成物に一般に向けられている。そのような組成物の共結晶は医薬組成物の有効成分として(また、任意で薬学的に許容できる賦形剤、希釈剤、栄養補助食品およびここに別記されるような他の添加剤を任意にさらに含んで)、またはリチウムの適用が望まれる他の組成物において使用することができる。
一般的に本発明のリチウム塩共結晶は、2つ以上のユニークな(異なった)固体で構成された結晶質であって、それらは室温(つまり22℃)において単一結晶内で分子レベルでそれぞれ化学量論比で共結晶で共存することができ、そして各々が特徴的な物理的特性(構造、融点および融解熱)を包含している。さらにこの共結晶は結晶格子中に一以上の溶媒和物または水分子を含んでもよい。共結晶の水和物または溶媒和物は、あるいは溶媒、水、または室温で液体である水または化合物をさらに含む共結晶は本発明の組成物中に含まれていてもよいが、一つの固体とひとつ以上の液体(室温において)のみからなる結晶物質は本発明には含まれない。例えば、本発明のリチウム塩共結晶、またはそれの溶媒和物若しくは水和物は、一つの実施形態として式LiX・aM・bSで表され、ここでXはハロゲンイオンまたは酸素アニオン、Mは中性の有機分子、aは1または2、bは、0、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5または3.0、そして、Sは溶媒または水である。
薬学上の応用については、薬学的に許容できるリチウム塩と、周囲条件(つまり22℃、一気圧)において固体である、第2の薬学的に許容できる分子(共結晶形成剤/中性の有機分子)を含んでなる本発明の共結晶が、一般的には好ましい。
多数の共結晶が本発明の範囲内にあるが、薬学的に許容できるリチウム塩と、薬学的に許容できる中性の両性イオン化合物、フラボノイド、キサンチン、糖および(または)ポリフェノールとの共結晶がそのような共結晶の例である。
自殺及び自殺傾向は主たる、そして増えつつある公衆衛生問題であり、自殺は今や米国における死の11番目の主要原因に位置付けられるが、精神投薬及び自殺傾向の関係はよく検討されていない。これは、自殺傾向に対する脆弱性が気分障害に対する脆弱性から独立して継承されてもよいという証拠が増大する時である。これらの考察は、DSM Vにおいて「自殺病(Suicide Disorders)」に対して個別のカテゴリーの要請増加に導かれる。しかしながら、気分障害に有効な治療が自殺傾向に必ずしも有効だとは限らず、反対に自殺傾向に有効な治療が気分障害に有効とは限らないとの証拠が増大しつつある。逆説的に、抗うつ剤は4〜8週間うつ病を改善するが、自殺傾向を低下させるとは信じられていない。対照的に、リチウムは再発性単極の大うつ病障害および双極性うつ病において自殺傾向を低下させると思われるが、うつ病の短期的治療にはよくない。現在まで投薬は、米国食品医薬品局(FDA)、または世界の取り締まり機関のうちのいずれにおいても特別に承認されていない。しかしながら、自殺に対する関心が高まるにつれて、FDAは最近になり、自殺傾向が先験的な基礎的結果判定法であるなら、自殺傾向に対する効果を実証するかもしれない投薬の調査に対する関心を示した。しかし、塩化リチウム及び炭酸リチウムのような既存のリチウム医薬品は、慢性毒性と乏しい物理化学的性質および乏しい脳生体利用性に苦しんでいる。ここに記述されたリチウム塩の共結晶は、既存のリチウム剤型と比較して改善された物理化学的性質を提供し、したがって、抗自殺薬としてまたは他の気分障害に対する適用に向けて開発される可能性を有している。
非薬学的応用として、リチウム塩のいくつかの共結晶の構造および性質(特にリチウム塩に対する中性の相補的な有機化合物が2:1比率を持ったもの)はダイヤモンドまたはゼオライトに関連し、その正電荷は陰イオンにより平衡を保たなければならない。その構造および可変組成は、組成と分子認識の特徴において細部に調整可能なことを意味している。したがって、それらは、小分子(水素、メタンおよび二酸化炭素)のアニオン交換または隔離(貯蔵)に用いることができる。顕著なことに、リチウムは最も軽い金属である。そして、ここに記述されたリチウム塩の共結晶は本質的に安定した空気および水である。さらに、それらはアミノ酸のようなホモキラルな有機化合物を用いて調製することができる。したがってそれらは、ゼオライトおよび有機金属材料のような以前のクラスの多孔性物質に対する著しい利点を全体的に与える特性を持つユニークなセットを提供する。
実施態様において、非水性の非溶剤不純物が共結晶組成物の中にあってもよい。一般に、共結晶組成物の不純物は1重量%未満が好ましいが、不純物は25重量%まで含むことができる。ある実施形態においては、より高い純度が望まれるかもしれない;そのような場合、結晶質の不純物は0.5重量%未満が好ましいかもしれない。ある実施形態において、結晶質の不純物は0.1重量%が好まれるかもしれない。他の実施形態において、結晶質の不純物は0.01重量%未満が好まれるかもしれない。
リチウム塩
ひとつの実施態様においてリチウム塩は式LiXに対応し、ここでXは陰イオンである。ある実施態様において、陰イオンはハロゲンイオンまたは酸素アニオンである。薬学的な適用では、Xはハロゲンイオンまたは薬学的に許容できる酸素アニオンであることが一般的に好ましい。例えば、Xはフッ素イオン、塩素イオン、臭素イオンまたはヨードイオンかもしれない。代わりに、Xは硝酸イオン、硫酸イオン、スルホン酸イオンまたは炭酸イオンでもよい。
共結晶形成剤/中性有機分子
薬学上の応用については、共結晶形成剤がヒトに安全に投与されてもよいあらゆる中性の有機分子であることが一般に好まれる。そのような組成物は、アメリカ食品薬品局によって維持された、GRASリスト(または「一般に安全と認められている」リストとして知られている)またはEAFUSリスト(さらに「米国における食物に添加されるものすべて」リストとして知られている)上で、または薬学上の使用のために承認されたまたは賦形剤上で特定することができる。しかしながらより典型的には、共結晶形成剤/中性の有機分子は、薬学的に許容される両性イオンの化合物、糖、ポリフェノール化合物、キサンチンまたはフラボノイドになるだろう。
ひとつの実施態様においては、共結晶形成剤は中性の両性イオンの化合物である。典型的な両性イオンの化合物の例としては、ニコチン酸または天然の若しくは合成アミノ酸を含む。ひとつの実施態様において、例えば、共結晶形成剤は、真核生物の遺伝コードによってタンパク質合成のために直接エンコードされる21のアミノ酸の少なくとも1つを含んでなり、それらはすなわち、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、イソロイシン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セレノシステイン、セリン、タウリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンの少なくともひとつである。例えばひとつの実施態様において、共結晶形成剤は、他のアミノ酸と比較して脳へ優先的に輸送されるフェニルアラニン、ロイシン、チロシンまたは他のアミノ酸である。さらに次の実施態様の例として、アミノ酸は、L−フェニルアラニン、L−ロイシンまたはL−チロシンのようなL−アミノ酸である。他の実施態様において、アミノ酸は、D−フェニルアラニン、D-ロイシンまたはD-チロシンとしてのようにD−アミノ酸である。他の実施態様において、共結晶形成剤はベタインのような非タンパク質遺伝子的なアミノ酸を含んでなる。
ひとつの実施態様において、共結晶形成剤はキサンチンまたはその誘導体である。典型的なキサンチンとしてはカフェイン、パラキサンチン、テオフィリンおよびトレオブロミンが含まれる。
ひとつの実施形態において、共結晶形成剤はポリフェノールである。本発明の組成物において用いることができるポリフェノールは以下のカテゴリーに分類することができる:(1)フェノール酸、(2)フラボノイド、(3)スチルベノイド、(4)タンニン酸、(5) ヒドロキシチロソールまたはp-チロソールのようなモノフェノール、(6)カプサイシンおよび他のカプサイシノイドおよび(7)クルクミン。フェノール酸は種々の基を生成する。種々の基の例は(a)ヒドロキシ桂皮酸:例えばp-クマル酸、カフェイン酸およびフェルラ酸;(b)ヒドロキシ安息香酸:例えばp-ヒドロキシ安息香酸、没食子酸、エラグ酸;(c)ロスマリン酸。タンニン酸は赤ブドウ酒、茶およびナット中で見いだされた大きな分子である;この用語は、十分なヒドロキシル基および他の適切な基(カルボキシルのような)を含み、タンパク質および他の高分子と強力な複合体を形成するいずれの大きなポリフェノール化合物にも適用され、通常、加水分解型タンニンおよび縮合型タンニン(プロアントシアニジン)に分けられる。加水分解型タンニン分子の中心には、ポリオール炭水化物(通常ぶどう糖)があり、炭水化物の水酸基は、没食子酸(ガロタンニン酸)またはエラグ酸(エラジタンニン酸)のようなフェノール基により部分的にまたは完全にエステル化される。
フラボノイドは、長く周知の天然物であるが、栄養補助食品及び医薬品として注目を集めている。フラボノイドはカルコンと呼ばれる化合物の基に、典型的にはフラボンと呼ばれる3つの環構造を含有する。植物における代謝経路は、フラボノール、フラバン-3-オール類、タンニン酸および他のポリフェノールを含む多くの誘導体を与える。フラボノイドは植物中で合成され広く分配され、花における色素形成の他、微生物及び昆虫による攻撃からの保護を含んで多くの機能を満たしている。フラボノイドの広範囲の分布は、それらが動物によって相当な量において摂取されることを意味する。更に、それらの多様性、例えばアルカロイドと比較した低毒性、および生物活性(抗アレルギー、抗炎症、抗微生物、抗癌及び認知機能を改善効果等)により、消費者、食物製造業者および製薬会社が、それらの薬効成分としてのフラボノイド中に興味を持つようになった。実際のところ、確かに、果物、植物および茶の有益な効果の他、赤ブドウ酒の有用性でさえも、フラボノイド化合物に起因することが分かった。多くのフラボノイドは豊富で市販で入手可能であるが、それらは精製し結晶させるのが難しく、そして、溶解度は低い。
したがって一つの実施態様で、本発明は共結晶形成剤としてのフラボノイドを含んでなる共結晶に向けられる。この実施態様中、共結晶は例えばレスベラトロル、エピガロカテキン-3-ガリウム酸塩(EGCG)、ケルセチン、フェルラ酸、エラグ酸、ヘスペレテン、およびプロトカテク酸から成る群から選択されたフラボノイドを含んでよい。さらに次の例として、共結晶形成剤はEGCG、フェルラ酸、エラグ酸、ヘスペレテンおよびプロトカテク酸から成る群から選択されたフラボノイドでもよい。
一つの実施態様で、本発明は共結晶形成剤としての糖を含んでなる共結晶に向けられる。例示される糖は単糖類及び二糖類を含む。例えば一つの実施態様中共結晶形成剤はフルクトース、ガラクトース、グルコース、ラクチトール、乳糖、マルチトール、マルトース、マンニトール、メレジトース、ミオイノシトール、パラチニット、ラフィノース、スタキオース、スクロース、トレハロースおよびキシリトールから選択される。
別の好ましい実施態様において、栄養補助食品は、以前に言及されたフラボノイドの一つであってもよく、また生物学的活性を持つと考えられる栄養補助食品の群から選択されてもよい。この実施態様において、栄養補助食品は、ビタミンB2(リボフラビン)、グルコサミン・HCl、クロロゲン酸、リポ酸、カテキン水和物、クレアチン、アセチル-L-カルニチン・HCl、ビタミンB6、ピリドキシン、カフェイン酸、ナリンゲニン、ビタミンB1(チアミン・HCl)、バイカレイン、ルテオリン、ヘスペレディン、ロズマリン酸、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、ビタミンB9(葉酸)、ゲニステイン、メチルバニリン、エチルバニリン、シリビニン、ダイゼイン、メラトニン、ルチン水和物、ビタミンA、レチノール、ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)、ビタミンE(トコフェロール)、ジオスミン、メナジオン(K3)、ビタミンD3(コレカルシフェロール)、フロレチン、インドール−3−カルビノール、フィゼチン、グリシテイン、クリシン、ガロカテキン、ビタミンB4(アデニン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB7(ビオチン)、テオブロミン、レスベラトロール、エピガロカテキン−3−ガリウム酸塩(EGCG)、ケルセチン、フェルラ酸、エラグ酸、ヘスペレテンおよびプロトカテク酸よりなる群から選択される。さらに次の例として、栄養補助食品は、ビタミンB2(リボフラビン)、グルコサミン・HCl、クロロゲン酸、リポ酸、カテキン水和物、クレアチン、アセチル-L-カルニチン・HCl、ビタミンB6、ピリドキシン、カフェイン酸、ナリンゲニン、ビタミンB1(チアミン・HCl)、バイカレイン、ルテオリン、ヘスペレディン、ロズマリン酸、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、ビタミンB9(葉酸)、ゲニステイン、メチルバニリン、エチルバニリン、シリビニン、ダイゼイン、メラトニン、ルチン水和物、ビタミンA、レチノール、ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)、ビタミンE(トコフェロール)、ジオスミン、メナジオン(K3)、ビタミンD3(コレカルシフェロール)、フロレチン、インドール−3−カルビノール、フィゼチン、グリシテイン、クリシン、ガロカテキン、ビタミンB4(アデニン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB7(ビオチン)、テオブロミン、ケルセチン、フェルラ酸、エラグ酸、ヘスペレテンおよびプロトカテク酸よりなる群から選択される。
共結晶形成
一般に本発明の共結晶は、溶媒中にリチウム塩と相補的な中性有機化合物(共結晶形成剤)を溶解し、溶媒を留去するか溶液を冷却して得られる。一つの実施態様としてリチウム塩と相補的な中性有機化合物は水系溶媒に溶解する。必ずしも好ましくはないが、リチウム塩と相補的な中性有機化合物をアセトン、アセトニトリル、DMSOおよびアルコールのような極性有機溶媒中に溶解してもよい。一旦形成されたならば、溶液を好ましくは徐々に冷却するか、または、共結晶が生成されるまで、溶媒を徐々に留去する。結果として得られた組成物の共結晶構造は、粉末X線回折、単結晶X線結晶学、示差走査熱量法、フーリエ変換型赤外分光法および熱重量分析から成る群から選択された少なくとも2つの技術によって特徴付けられる。
ここに記述された戦略は、1つのリチウムカチオンおよび2つのカルボン酸陰イオンの化学量論比がある化合物の発生に基づく。カルボキシレート部分がダイヤモンド型の(「dia」)ネットを維持できることは、結節点に対するリンカーの2:1比率を当然必要とする、一連のギ酸二価金属塩中で例証される28,29)。確かに、そのような構造はさらにめったに遭遇しなかったイオントポロジーを示す場合がある30,31)。しかしながら、リチウムが1価であることは、リンカー対結節点の必要条件2:1比率をアニオン性リンカーで達成するのが非常に難しくなることを意味する。ひとつの実施態様において、アミノ酸、すなわち中性の両性イオンのカルボキシレート部分を用いて、2つのリチウムカチオンに架橋するために対処される;
ひとつの実施態様において、ここに記述された手法は新しいクラスの化合物:アミノ酸および無機リチウム塩の2:1共結晶を標的としている。アミノ酸の使用は多数の利点および機会を提供する:1)多くのアミノ酸が市販で入手可能である。そして、それらは典型的には廉価である;2)図1はリチウム-カルボキシレート-リチウムの角度が広範囲の拡張構造を発生させるのに必要な多様性を供することを明らかにした;3)リチウム-カルボキシレート結合は水が存在する状態においてさえ頑丈である;4)アミノ酸は官能化された側鎖を持ち、それは前合成法を通して結果として生じる構造の微調整を促進する;5)光学的に同質なアミノ酸の存在は、光学活性および大量の極性を持った光学的同質性のある結晶が保証されることを意味する;6)殆どのアミノ酸は水溶性であり、従ってグリーン合成を促進する;7)骨格がカチオン性であり必要な対イオンがアニオンであるからゼオライトと比較してネットの電荷は逆であり、つまりアニオン交換が可能である。Li-カルボキシレート-Li角度の著しい範囲は、部分的には内的配位または外的配位の架橋様式のいずれかを示す、カルボキシレート配位子の傾向から生じる。
原理的には、アミノ酸とリチウム塩との2:1共結晶はdiaまたはゼオライト的骨格形成の基準に適合する。しかしながら、ゼオライトの別の構造的特徴は一つ以上の環、典型的には4-、6-または8-員MnOn環の存在である。正方形格子ネットワーク(Li-C-Li角115.88°、117.83°)を示すグリシンおよび硝酸リチウムの2:1共結晶において、4-員のLi(カルボキシレート)環が先に観察された。ゼオライトおよび/またはdiaネットワークの自己集合のための構造的な前提として、2:1アミノ酸(サルコシン、SAR、N,N-ジメチルグリシン、DMG、ベタイン、BTNおよびL-プロリン、PRO)とリチウム塩(塩化リチウム、LIC;臭化リチウム、LIB;硝酸リチウム、LIN)の共結晶を調製した。望ましい化学量論の共結晶は、LIC、LIBまたはLINとアミノ酸2当量の水溶液を約80℃でゆっくり蒸発させることで調製した。これら共結晶は少なくとも175℃において安定で制限なく水に溶解した。生成物の結晶学的分析により、三つの明瞭なネットワークが観察された;4-員のLi(カルボキシレート)環のみによる正方形格子;Li(カルボキシレート)環のみによるダイヤモンドネットワーク;および4-員、6−員または8員−のLin(カルボキシレート)n環(n=4、6および8)によるゼオライトABWネットワークである。
図2(a)に示すように、LICSAR2およびLINBTN2には正方形格子が存在する。各リチウムカチオンは四つのカルボキシレートにより架橋され[1.905-1.966Å(LICSAR2)および1.931-1.937Å(LINBTN2)]、波状正方形格子を形成し、一方、アミノ酸の逆端部が二重層充填配置を確立するために正方形格子から離れて上方および下方に向かって配向する。塩素アニオンと硝酸アニオンは水素結合ドナーに囲まれ、それぞれ相互作用[NH・・Cl、3.1011(1)Å、3.1549(1)Å;CH・・O、3.192Å−3.490Å]するような環境に置かれる。これら正方形空洞はおよそ5.0x6.0Å(LICSAR2)および5.5x5.7Å(LINBTN2)であり、ほぼ覆い重なった波状シートを形成する。
図2(b)に示すように、リチウムを支持するLiDMOMのdiaネットは、LICDMG2、LIBDMG2、LICPRO2、LIBPRO2およびLINPRO2(dia)で例示される。各リチウムカチオンは四つのカルボキシレートにより架橋され[1.898Å、1.910Å(LICDMG2);1.908Å、1.942Å(LIBDMG2);1.934Å、1.954Å(LICPRO2);1.939Å、1.974Å(LIBPRO2);1.922Å−1.966Å(LINPRO2)]、10.1から12.6Åの直径を示す六角形チャネルを有するカチオン性diaネットを形成する。これらチャネルには対イオンが存在し、その直径はβ-クリストバライトのおよそ2倍である。それぞれのdiaネットにおいて、その骨格は一つのアミノ酸のカルボキシレートと隣接アミノ酸のアンモニウム基との間の強力な水素結合[2.742(2)、LICDMG2;2.747(2)、LIBDMG2;2.7404(15)、LICPRO2;2.737(2)、LIBPRO2;2.759(8)、2.765(7)、LINPRO2]により強固なものとなっている。diaネットは相互浸透の傾向があるが、対イオンの存在とアミノ酸置換基の嵩高さがここで報告するLiDMOMにおいて相互浸透を抑制している。
図2(c)に示すように、リチウム支持ゼオライトネット・LiZMOMの最初の例はABWとして存在するLINPRO2多形である。Li(カルボキシレート)環とLi(カルボキシレート)環の組み合わせにより結晶a軸に平行なチャネルが形成される。結晶c軸の下方を眺めるとLi(カルボキシレート)環の存在が明らかである。1.913Å-1.976Åの範囲のLi-O結合距離がLi(カルボキシレート)環とLi(カルボキシレート)環に存在し、一方1.920Å-1.976Åの範囲のLi-O結合距離が6員環では観察される。硝酸アニオンのペアが8員環チャネルを占有し、結晶学的にはN-H・・O水素結合[2.735(8)Å、2.885(8)Å、3.005(8)Å]を通じて相互作用が要求される。図3に示すように、最大の8員環チャネルの大きさはABWゼオライトのそれの約2倍である。1951年のバレル等(Barrel and White)の報告33)にあるように、ABWトポロジーは最初の合成ゼオライトのひとつで報告された。彼らは新規構造を記述するために述語「Li-A」を使用したが、この新しいトポロジーを定義するためにABWを作るとき、著者らのイニシャルがその後使用された。LINPRO2のABW構造は高温でも安定であるが周辺条件下母液を放置するとそのダイヤモンド型であるLINPRO2(dia)に変化する。PXRDで決定されたように、板状結晶LINPRO2(ABW)を紛体化してもまた、LINPRO2(dia)に変化する。面白いことに、無機ゼオライト合成の中間体34)としてはABWゼオライトが観察される。
ここで報告する構造中のLi-カルボキシレート結合距離は比較的狭い範囲であるが、Li-カルボキシレート-Li角度は117.78°[LICSAR2のLi(カルボキシレート)環]から180°[LINPRO2(ABW)のLi(カルボキシレート)環]の範囲であり、以下のTable 1に示す。多くの角度は150°、つまり直線および四面体形状の間の中間値の周辺であるが、ゼオライト構造の広い範囲を形成するため必要であることを考えると矛盾しない。
Figure 2014508814
ここで示すように、アミノ酸とリチウム塩との2:1共結晶は正方形格子、ダイヤモンドネットおよびABWトポロジーを示す、水で安定な最初のLiZMOMを発生させる。我々の研究方法は直ちに入手できる出発物質を用いる一工程の合成よりなり、化合物のモジュール性およびアミノ酸と対アニオンが簡単に入手可能なことから一般的である。
剤型
本発明の医薬組成物は、有効成分、即ち、リチウム塩および中性の有機化合物を化学量論比で含んでなる組成物を単独で含むか、またはその有効成分と適切な添加物、例えば薬学的に許容される担体、希釈剤、アジュバント、賦形剤または基剤、防腐剤、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味剤、香料、芳香剤、抗菌物質、抗黴剤、滑沢剤、および調合剤を、投与方法の性質および投与形態に依存して含むことができる。それぞれの担体は、他の製剤成分と互換性があり患者に有害でないとの意味において好ましく許容される。
本発明の組成物中で使用される賦形剤はそれらの固体、半固体、液体またはその組み合わせが使用できる。賦形剤は好ましくは固体である。賦形剤を含む本発明の組成物は、例えば賦形剤と共結晶を混合することを含む、いずれの既知の技術によっても調製することができる。本発明の医薬組成物は、1つの単位用量当たり有効成分の所望量を含んでいて、経口投与を意図するならば、錠剤、カプレット、ピル、硬もしくは軟カプセル剤、トローチ剤、カシェ剤、重要でない粉末(dispensable powder)、顆粒、懸濁液、エリキシル、分散剤その他そのような投与に適した任意の合理的な剤形とすることができる。もし非経口投与を意図すれば、例えば懸濁剤や経皮貼付剤とすることができる。もし直腸内適用を意図すれば、それは坐剤とすることができる。目下好ましいのは、錠剤やカプセル剤のように所定量の有効成分を含む個別の用量単位である経口単位用量形態である。現在、有効な剤(錠剤またはカプセル)の所定量を各々含んでいる離散性の単位用量である経口投薬形態が好ましい。
本発明の組成物は任意で一つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む。適切な担体または希釈剤としては、限定はされないが、個別にまたは組み合わせて、乳糖(無水乳糖および乳糖一水和物を含む)、デンプン[直接圧縮可能なデンプンおよび加水分解されたデンプンを含む;例えばCelutab(商標)、Emdex(商標)]、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、デキストロース[例えば、Cerelose(商標)2000]およびデキストロース一水和物、二塩基性リン酸カルシウム二水和物、スクロースに基づく希釈剤、粉砂糖、一塩基性硫酸カルシウム一水和物、硫酸カルシウム二水和物、粒状乳酸カルシウム三水和物、デキストレート、イノシトール、加水分解固形シリアル、アミロース、微結晶性セルロース・食用のα-およびアモルファスセルロース(例えばRexcel J)・粉末セルロース・ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含むセルロース、炭酸カルシウム、グリシン、ベントナイト、ブロックコポリマー、ポリビニルピロリドン等を説明的に含む。これら担体または希釈剤を加える場合、組成物全体の約5%から約99%、約10%から約85%、または約20%から約80%であってもよい。選択された単数若しくは複数の担体若しくは希釈剤は流動的性質、および錠剤が望まれる場合には圧縮性を有していてもよい。
本発明の組成物は任意で、特に錠剤の場合、一つまたはそれ以上の薬学的に許容される崩壊剤を賦形剤として含む。適切な崩壊剤としては、限定はされないが、個別にまたは組み合わせて、デンプングリコール酸ナトリウム[例えば、PenWest社のExprotab(商標)]およびα化トウモロコシデンプン[例えば、National Starch and Chemical CompanyのNational(商標)1551、National(商標)1550、Colorcorn(商標)1500]を含むデンプン、粘土[例えば、R.T.VanderbiltのVeegum(商標)HV]、精製セルロース・微結晶性セルロース・メチルセルロース・カルボキシメチルセルロース・カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース、クロスカルメロースナトリウム[例えば、FMCのAc-Di-Sol(商標)]、アルギン酸塩、クロスポビドン、寒天・グアー・ローカストビーン・カラヤ・ペクチン・トラガカントのようなガム類が含まれる。
崩壊剤は、組成物製造のいずれの工程において加えてもよいが、特に造粒前または圧縮前の滑沢化工程において加える。このような崩壊剤を加える場合、組成物全体の約0.2%から約30%、約0.2%から約10%、または約0.2%から約5%であってもよい。
本発明の組成物は任意で、特に錠剤の場合、一つまたはそれ以上の薬学的に許容される結合剤または粘着剤を賦形剤として含む。そのような結合剤または粘着剤は錠剤化される粉末に十分な粘着性を付与し、定寸、滑沢化、加圧およびパッケージ化といった通常の工程操作を可能とするが、さらに摂取後の錠剤の崩壊と組成物の吸収をも可能化する。そのような結合剤はまた、一度塩が溶解した後は本発明の共結晶の再結晶や結晶化を阻害または抑制することができる。結合剤または粘着剤の例としては、限定はされないが、個別にまたは組み合わせて、アカシア、トラガカント、スクロース、ゼラチン、グルコース、限定されないがα化デンプン[例えば、National(商標)1551、National(商標)1550]を含むデンプン、限定されないがメチルセルロースやカルメロースナトリウム[例えば、Tylose(商標)]を含むセルロース、アルギン酸塩およびアルギン酸、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、PEG、グアーガム、酸性多糖類、ベントナイト、例えばポビドンK-15、K-30、K-29/32のようなポビドン、ポリメタクリレート、HPMC、ヒドロキシプロピルメチルセルロース[例えば、Aqualon社のKlucel(商標)]、エチルセルロース[例えば、Dow Chemical CompanyのEthocel(商標)]を含む。このような結合剤および/または粘着剤を加える場合、組成物全体の約0.5%から約25%、約0.75%から約15%、または約1%から約10%であってもよい。
多くの結合剤はアミド、エステル、エーテルアルコールまたはケトン基を含む高分子であり、任意で本発明の組成物に含まれる。結合剤の例としては、ポビドンK-30のようなポリビニルピロリドンが含まれる。高分子結合剤は種々の分子量、架橋度および重合度を有する。高分子結合剤はまたエチレンオキシド単位とプロピレンオキシド単位の混合物を含むブロック共重合体のような共重合体でもよい。同じ高分子でも、これら単位の混合比の変化が性質および挙動に影響する。ブロック単位の組成物変化の共重合体の例としてPoloxamer 188およびPoloxamer 237[BASF Corporation]がある。
本発明の組成物は任意で、一つまたはそれ以上の薬学的に許容される湿潤剤を賦形剤として含む。そのような湿潤剤は水と密接に関連して、組成物の生物学的利用率向上の条件を維持するために選択される。そのような湿潤剤はまた結晶の可溶化若しくは溶解度を高めるために有用である。
本発明の組成物において湿潤剤として用い得る非制限的な例としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウムのような四級アンモニウム塩;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム;ノノキシノール9、ノノキシノール10、およびクトキシノール9(Ctoxynol 9)のようなポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;
ポロキサマー(ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンブロックコポリマー);
ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリドおよびオイル、例えばポリオキシエチレン(8)カプリル/カプリン酸モノおよびジグリセリド[例えば、Gattefosse社のLabrasol(商標)];ポリオキシエチレン(35)ヒマシ油およびポリオキシエチレン(40)水素化ヒマシ油;;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えばポリオキシエチレン(20)セトステアリルエーテル;ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、例えばポリオキシエチレン(40)ステアレート;ポリオキシエチレンソルビタンエステル、例えばポリソルベート20およびポリソルベート80(例えば、ICI社のTween(商標)80);プロピレングリコール脂肪酸エステル、例えばラウリン酸プロピレングリコール[例えば、Gattefosse社のLauroglycol(商標)];ラウリル硫酸ナトリウム、その脂肪酸および塩、例えばオレイン酸、オレイン酸ナトリウムおよびトリエタノールアミンオレエート;グリセリル脂肪酸エステル、例えばモノステアリン酸グリセリン;ソルビタンエステル、例えばモノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン;モノパルミチン酸ソルビタンソルビタンおよびモノステアリン酸ソルビタン;チロキサポール、およびその混合物等が挙げられる。このような湿潤剤を加える場合、医薬組成物の全重量の約0.25%〜約15%、約0.4%〜約10%、さらには約0.5%〜約5%であってもよい。
本発明の組成物は任意で、一つまたはそれ以上の薬学的に許容される滑沢剤(抗粘着剤および/または流動促進剤を含む)を賦形剤として含む。滑沢剤の非制限的な例としては、個別にまたは組み合わせて、グリセリンベハペート[例えば、Gattefosse社のCompritol(商標)888];ステアリン酸およびその塩、例えばマグネシウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩;水素化野菜油[例えば、Abitec社のSterotex(商標)];コロイドシリカ;タルク;ワックス;ホウ酸;安息香酸ナトリウム;酢酸ナトリウム;フマル酸ナトリウム;塩化ナトリウム;DL-ロイシン;PEG[例えば、Dow Chemical CompanyのCarbowax(商標)6000];オレイン酸ナトリウム;ラウリル硫酸ナトリウム塩;およびラウリル硫酸マグネシウム等が含まれる。このような滑沢剤を加える場合、医薬組成物の全重量の約0.1%〜約10%、約0.2%〜約8%、さらには約0.25%〜約5%であってもよい。
組成物は例えば、医薬組成物(薬剤)、食品、食品補助剤または飲料であってもよい。ここで「食品」、「食品補助剤」または「飲料」の用語はそれら用語の通常の意味であり、医薬製剤に限定されない。望まれる組成物の形態に従って、適切な薬学的または食用の成分を使用することができる。
本発明の医薬組成物は経口、直腸内、経鼻、局所(経皮、口腔内、舌下を含む)、経膣、非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内を含む)および肺内投与を包含する。製剤は便利的に単位投与形態で提供され、薬学分野でよく知られた任意の方法で製造される。そのような方法には、有効成分をひとつ若しくはそれ以上の補助的成分より構成される担体と組み合わせる工程が含まれる。一般的には、有効成分を適切な担体と均一にそして密接に組み合わせる。その担体には液体や細かく分離された固体またはその両方があり、必要に応じて生成物を成型する。経口投与に適した本発明の製剤はカプセル、カシェまたは錠剤のような個別の単位で提供され、それぞれ所定量の有効成分を含む;または水中油型若しくは油中水の液体乳化物として、あるいは水溶液(例えばお茶)中の補助成分として提供される。有効成分はまた、ボーラス投与剤、舐剤、ペーストとしても提供される。
口腔内の局所投与に適した製剤としては、ローゼンジが含まれる;有効成分を、通常スクロースやアカシア、トラガカンタで風味付けして含む。その他、有効成分を不活性成分、例えばゼラチン、グリセリン、スクロース、アカシア等と含むトローチ剤、適切な液体担体中に有効成分を含むマウスウォッシュ、有効成分を含むチョコレート剤等がある。
本発明の局所投与に適した製剤としては、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、パウダー、液剤、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾル、油剤等がある。または、有効成分と任意でひとつまたはそれ以上の賦形剤若しくは希釈剤を含浸させた粘着プラスターや包帯のような貼付剤若しくはドレッシングも含まれる。局所製剤は好ましくは、有効成分の経皮吸収と血中移行を促進するような化合物を含む。
経鼻投与に適した製剤は、担体が固体の場合、例えば粒子サイズ20〜500ミクロンの粗い紛体を含み、紛体の容器を鼻に近づけて素早い吸引により鼻腔を通じて呼気と一緒に吸い込むことで投与される。担体が液体でネブライザーによる投与のための適切な製剤は、薬物の油液または水溶液を包含する。製剤は任意で、有効成分の経皮吸収と血中移行を促進するような化合物を含んでよい。
非経口投与に適した製剤には、水性および非水性等張殺菌済み注射溶液が含まれ、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤および投与を受ける患者の血液と製剤を等張にするための溶質を含む;また水性および非水性殺菌済み懸濁液は懸濁剤、増粘剤、リポソーム若しくはその他の微粒子系を含み、化合物に対して血液成分またはその他の一つ以上の器官を標的化すべくデザインされていてもよい。製剤は単位用量で、若しくは複数回投用量で提供され、または例えばアンプルやバイアルのような容器で複数回投用量が提供されてもよく、そして凍結乾燥体で貯蔵し、使用直前に殺菌液体担体、例えば注射用精製水を加えるだけで済むようなことも可能である。即時調製注射溶液または懸濁液は前述の殺菌済み紛体、顆粒および錠剤から作ることができる。
本発明の製剤にはすでに個別に述べた成分に加えて、問題の製剤の種類に関して当該分野で慣用的なその他の成分を加えることもできると理解すべきである。例えば、経口投与に適した製剤には甘味料、増粘剤、香料等をさらに添加することもできる。また、本発明の医薬、組成物および方法はその他の組成物や療法と組み合わせてもよい。
当該分野では種々の薬物送達系が知られており、例えばリポソームへのカプセル化、微粒子製剤、微小カプセル、受容体を介するエンドサイトシス等を、本発明の組成物や治療薬の送達にも用いることができる。投与方法には、非経口、動脈内、筋肉内、静脈内、経鼻、経口投与等が含まれるが限定はされない。薬学的組成物は、錠剤、ローゼンジ、顆粒、カプセル、ピル、アンプル、坐剤、エアロゾル等の形態で提供され得る。薬学的組成物はまた、水性若しくは非水性希釈剤、シロップ、顆粒または紛体中、有効成分の懸濁液、溶液、乳化物の形態で提供され得る。
本発明の医薬組成物は他の薬物または生物活性薬と同時にまたは連続して投与することもできる。その他の薬物の例としては、例えば抗酸化剤、フリーラジカル除去剤、ペプチド、成長因子、抗生物質、静菌剤、免疫抑制剤、抗凝固剤、緩衝剤、抗炎症剤、解熱剤、持続放出型結合剤、麻酔剤、ステロイド、コルチコステロイド等が含まれるが、限定はされない。
好ましい単位用量製剤は、薬物の一日投与量または単位、一日分割用量、またはその適切な分割量を含む製剤である。治療に用いられる量は経験的に決定され、治療する症状、患者の状態、薬物の効力および毒性により変化する。同様に薬物の適切な投与用量製剤および投与方法は当該分野の専門家によって決定され得る。
本発明をさらに説明するために以下の非制限的な実施例を提供する。続く実施例に開示された技術は発明者がその発明の実施において十分に機能することを見出した研究方法を表し、実施例の実施の仕方の例を構成すると考えられると当業者は理解すべきである。しかしながら当業者はまた、開示された特別な実施態様中で多くの変更が可能であるが、発明の範囲と精神から逸脱することなく、同じ若しくは同様の結果が得られることも理解すべきである。
実施例1
LINPRO2・I型およびII型 LiNOとL-プロリンの1:2共結晶
Figure 2014508814
硝酸リチウム(98%無水、Flukaより入手して使用、413.4mg、6.0mmol)とL-プロリン(純度99%以上、Acros Organicsより入手して使用、1381.2mg、12.0mmol)を脱イオン水2.0mlに溶解した。熱溶液から結晶が現れるまで熱プレート上で保持した。無色の板状晶(I型、準安定型)を熱溶液より単離した。これは、熱プレートから一度下ろすと、やがて3Dの菱面体結晶(II型、603mg)に転移する。
融点:176.1℃(II型)
LINPRO2・I型およびII型の結晶は単結晶X線結晶学(Table 1a, 1b)により特徴づけられた。LINPRO2・II型の結晶はさらにFT-IR分光法、DSC、TGAおよび粉末X線回折により分析した。
単結晶X線構造解析により、LINPRO2・I型(準安定型)は二つのリチウムカチオン、二つの硝酸アニオンおよび四つのL-プロリンが不斉単位中に含まれることが明らかになった。それぞれのリチウムに四つの架橋カルボキシレートが配位し、全体の構造がゼオライトのABW骨格を形成する。
LINPRO2・II型はひとつのリチウムカチオン、ひとつの硝酸アニオン、および二つのL-プロリンを不斉単位中に含む。それぞれのリチウムに四つの架橋カルボキシレートが配位し、全体の構造がダイヤモンド骨格を形成する。I型およびII型の両方で、アンモニウムカチオン(RNH )が硝酸アニオンに水素結合し、水素結合が隣接するカルボキシレートに結合する。
Figure 2014508814
Figure 2014508814
実施例2
LIBPRO
Figure 2014508814
無水臭化リチウム(純度99%、Acros Organicsより入手して使用、1g、11.5mmol)とL-プロリン(純度99%以上、Aldrichより入手して使用、1.33g、11.5mmol)を熱脱イオン水2.0mlに溶解した。熱溶液から結晶が現れるまで熱プレート上で保持した。無色のブロック状結晶(1427mg)を得た。LIBPRO結晶はFT-IR分光法、DSC、TGA、粉末X線回折および単結晶X線結晶学(Table 2)により特徴付けした。
融点280℃
単結晶X線構造解析により、LIBPROでは四つのリチウムカチオン、四つの臭素アニオン、四つのL-プロリン分子および四つの水分子が単位格子中に含まれることが明らかになった。三つのカルボキシレートが一つのリチウムカチオンに架橋し、縮合六員環鎖を形成する。リチウムカチオンの四面体配位環境が三つの架橋カルボキシレートと水分子により達成された。臭素アニオンは二つの水分子および二つのアンモニウム基に対して水素結合アクセプターとして働く。
Figure 2014508814
実施例3
LIBPRO2
Figure 2014508814
臭化リチウム(純度99%以上、無水、Acros Organicsより入手して使用、0.50g、5.76mmol)とL-プロリン(純度99%以上、Aldrichより入手して使用、1.33g、11.5mmol)を熱脱イオン水2.0mlに溶解した。熱溶液から結晶が現れるまで熱プレート上で保持した。熱溶液から無色のブロック状結晶(861mg)を得た。LIBPRO2結晶はFT-IR分光法、DSC、TGA、粉末X線回折および単結晶X線結晶学(Table 3)により特徴付けした。
融点:257℃
単結晶X線構造解析により、LIBPROは四つのリチウムカチオン、四つの塩素アニオンおよび八つのL-プロリン分子を単位格子中に含むことが明らかになった。四つのカルボキシレートがそれぞれのリチウムカチオンに架橋し、10.2〜12.6Åの範囲の直径を有する六方晶系チャネル(臭素アニオンが占有)を有するカチオン性diaネットを形成している。骨格は、一つのアミノ酸のカルボキシレートと隣接アミノ酸のアンモニウム基との間の水素結合[N−H・・O、2.737(2)Å]によって強固なものとなっている。これら六方晶系チャネルに存在して隣接アンモニウム基と相互作用している臭素アニオンのペア[N−H・・Br、3.2769(15)Å]が相互浸透をできなくしている。
Figure 2014508814
実施例4
LIBDMG2
Figure 2014508814
臭化リチウム(99%、無水、Acros Organicsより入手して使用、0.5g、5.76mmol)とN、N−ジメチルグリシン(Alfa Aesarより入手して使用、1.19g、11.5mmol)を熱脱イオン水2.0mlに溶解した。熱溶液から結晶が現れるまで熱プレート上で保持した。熱溶液から無色のブロック状結晶(696mg)を得た。LIBDMG2結晶はFT-IR分光法、DSC、TGA、粉末X線回折および単結晶X線結晶学(Table 4)により特徴付けした。
融点:289℃
単結晶X線構造解析により、LIBDMG2は八つのリチウムカチオン、八つの臭素アニオンおよび16個のN、N−ジメチルグリシンを単位格子中に含むことが明らかになった。四つのカルボキシレートがそれぞれのリチウムカチオンに架橋し、10.7〜12.1Åの範囲の直径を有する六方晶系チャネル(臭素アニオンが占有)を有するカチオン性ダイヤモンドネットを形成している。骨格は、一つのアミノ酸のカルボキシレートと隣接アミノ酸のアンモニウム基との間の水素結合[N−H・・O、2.747(2)Å]によって強固なものとなっている。これら六方晶系チャネルに存在して隣接アンモニウム基と相互作用している臭素アニオンのペア[C−H・・Br、3.717Å、3.731Å、3.772Å]が相互浸透をできなくしている。
Figure 2014508814
実施例5
LINSER2
Figure 2014508814
硝酸リチウム(99%、無水、Acros Organicsより入手して使用、414mg、6.0mmol)とL-セリン(Acros Organicsより入手して使用、635.4mg、6.0mmol)を熱脱イオン水3.0mlに溶解した。熱溶液から結晶が現れるまで熱プレート上で保持した。熱溶液から無色の棒状晶を得た。LINSER2結晶はFT-IR分光法、DSC、TGA、粉末X線回折および単結晶X線結晶学(Table 5)により特徴付けした。
融点:204℃
単結晶X線構造解析により、LINSER2は硝酸リチウムとL-セリンの1:2共結晶であることが分かる。四つのカルボキシレートがそれぞれのリチウムカチオンに架橋し、波上の正方形格子を形成している。それぞれのアンモニウムカチオン(RNH)が二つの隣接するセリン分子および硝酸アニオンのOH官能基と水素結合している。
Figure 2014508814
実施例6
LINPRO
Figure 2014508814
硝酸リチウム(98%、無水、Flukaより入手して使用、413.4mg、6.0mmol)とL-プロリン(純度99%以上、Aldrichより入手して使用、690.0mg、0.599mmol)を熱脱イオン水1.5mlに溶解し、熱溶液から結晶が現れるまで熱プレート上で保持した。熱溶液から無色の板状晶(473.8mg)を得、分析に供した。LINPRO結晶はFT-IR分光法、DSC、TGA、粉末X線回折および単結晶X線結晶学(Table 6)により特徴付けした。
融点:232℃
単結晶X線構造解析により、LINPROは1:1共結晶であることが分かる。二つのカルボキシレートと二つの硝酸イオンがそれぞれのリチウムカチオンに架橋し、ダイアモンド状骨格を形成している。L-プロリンのそれぞれのアンモニウムカチオン(RNH)がひとつのカルボキシレートと硝酸アニオンに水素結合している。
Figure 2014508814
実施例7
LINPRO2・I型
Figure 2014508814
硝酸リチウム(98%、無水、Flukaより入手して使用、413.4mg、6.0mmol)とL-プロリン(純度99%以上、Acros Organicより入手して使用、1381.2mg、12.0mmol)を熱脱イオン水2.0mlに溶解した。熱溶液から結晶が現れるまで熱プレート上で保持した。熱溶液から無色の板状晶(I型、ABW、準安定型)を得たが、熱プレートから一度下ろすと、やがてこれは3Dの菱面体結晶(II型、dia、603mg)に転移する。LINPRO2のI型・II型結晶は、単結晶X線結晶学で特徴付けした。LINPRO2(II型、dia)結晶は、さらにFT-IR分光法、DSC、TGA、粉末X線回折で分析した。
融点:2176℃(II型、dia)
単結晶X線構造解析により、LINPRO2(II型、dia)はひとつのリチウムカチオン、ひとつの硝酸アニオンおよび二つのL-プロリンが不斉単位中に含まれることが明らかである。それぞれのリチウムに四つの架橋カルボキシレートが配位し、10.6〜12.3Åの範囲の直径を有する六方晶系チャネル(硝酸アニオンが占有)を有するカチオン性ダイヤモンド状ネットを形成する。骨格は、一つのアミノ酸のカルボキシレートと隣接アミノ酸のアンモニウム基との間の水素結合[N−H・・O、2.759(8)Å、2.765(7)Å]によって強固なものとなっている。これら六方晶系チャネルに存在して隣接アンモニウム基と相互作用している硝酸アニオンのペア[N−H・・O、2.735(8)Å、2.885(8)Å、3.005(8)Å]が相互浸透をできなくしている。LINPRO2(I型、ABM、準安定型)は結晶学的a軸の下方に4員環および8員環の組み合わせチャネルを示す。結晶学的c軸の下方から見ると6員環チャネルが観察される。硝酸アニオンのペアが8員環チャネルを占有しN-H・・O相互作用[2.735(8)Å、2.885(8)Å、3.005(8)Å]により支えられている。
Figure 2014508814
実施例8
LINSAR
Figure 2014508814
硝酸リチウム(98%、無水、Flukaより入手して使用、413.4mg、6.0mmol)とサルコシン(純度98%、Aldrichより入手して使用、534.5mg、6.0mmol)を脱イオン水1.0mlに溶解した。熱溶液から結晶が現れるまで熱プレート上で保持した。熱溶液から無色の結晶(368.4mg)を得たので、さらなる分析に供した。LINSAR結晶は、FT-IR分光法、DSC、TGA、粉末X線回折および単結晶X線結晶学(Table 8)で特徴付けした。
融点:208℃
単結晶X線構造解析により、LINSARが四つの化学式単位を単位格子中に含むことが明らかである。三つのカルボキシレートが二つのリチウムカチオンに架橋し縮合6員環鎖を形成している。リチウムカチオンの四面体配位環境は三つのカルボキシレートとひとつの硝酸アニオンの架橋により達成される。各アンモニウム基(RNH )が二つの硝酸アニオンに対して二つの水素結合を形成している。
Figure 2014508814
実施例9
LININA
Figure 2014508814
硝酸リチウム(98%、無水、Flukaより入手して使用、413.4mg、6.0mmol)とイソニコチン酸(純度98%、Aldrichより入手して使用、40mg、0.325mmol)を脱イオン水3.0mlに溶解した。熱溶液から結晶が現れるまで熱プレート上で保持した。熱溶液から無色の板状晶(368.4mg)を得たので、さらなる分析に供した。LININA結晶は、FT-IR分光法、DSC、TGA、粉末X線回折および単結晶X線結晶学(Table 9)で特徴付けした。
融点:208℃
単結晶X線構造解析により、LININAがLiNO3とイソニコチン酸の1:1共結晶であることが分かる。リチウムカチオンの四面体配位環境は三つの架橋カルボキシレートとひとつの硝酸アニオンにより達成されていた。各硝酸アニオンはアンモニウムカチオン(RNH )および隣接する硝酸アニオンとに分岐した水素結合を形成する。
Figure 2014508814
実施例10
LINDMG
Figure 2014508814
硝酸リチウム(98%、無水、Flukaより入手して使用、413.4mg、6.0mmol)とN、N-ジメチルグリシン(Alfa Aesarより入手して使用、618mg、6.0mmol)を熱脱イオン水3.0mlに溶解した。熱溶液から結晶が現れるまで熱プレート上で保持した。熱溶液から無色の板状晶(595mg)を得た。LINDMG結晶は、FT-IR分光法、DSC、TGA、粉末X線回折および単結晶X線結晶学(Table 10)で特徴付けした。
融点:202℃
単結晶X線構造解析により、LINDMGがリチウムカチオン、硝酸アニオンおよびヒメチルグリシン分子を不斉単位中に含む、1:1共結晶であることが分かる。三つのカルボキシレートが一つのリチウムカチオンに架橋して縮合6員環鎖を形成する。三つのカルボキシレートとひとつの硝酸アニオンが各リチウムカチオンに配位してリチウムの四面体環境を満たす。硝酸アニオンはジメチルグリシン分子のアンモニウム基と水素結合する。
Figure 2014508814
実施例11
LINBTN2
Figure 2014508814
硝酸リチウム(98%、無水、Flukaより入手して使用、413.4mg、6.0mmol)とベタイン(純度99%以上、Sigmaより入手して使用、1405.6mg、12.0mmol)を熱脱イオン水2.0mlに溶解した。熱溶液から結晶が現れるまで熱プレート上で保持した。熱溶液から無色の板状晶(357mg)を得、さらなる分析に供した。LINBTN2結晶は、FT-IR分光法、DSC、TGA、粉末X線回折および単結晶X線結晶学(Table 11)で特徴付けした。
融点:286℃
単結晶X線構造解析により、LINBTN2がひとつのリチウムカチオン、ひとつの硝酸イオンおよび二つのベタイン分子を不斉単位中に有する単斜晶系の空間群として結晶することが分かる。四つのカルボキシレートが各リチウムカチオンを架橋して波状の正方形格子を形成し、一方、アミノ酸の逆端部が二重層充填配置を設定するために正方形格子から離れて上方および下方に向かって配向している。硝酸アニオンはCH・・O(3.385Å〜3.607Åの範囲)相互作用により支えられたアンモニウム基のインターフェイスに存在する。これら正方形空洞は約5.5x5.7Åである。
Figure 2014508814
実施例12
LICSAR
Figure 2014508814
無水塩化リチウム(純度99%、Acros Organicsより入手して使用、100.0mg、2.36mmol)とサルコシン(純度98%、Aldrichより入手して使用、211.0mg、2.36mmol)を脱イオン水0.5mlに溶解し徐々に蒸発させた。三日後に無色の板状晶(200mg)を得た。
融点:245℃
LICSAR結晶はFT-IR分光法、DSC、TGA、粉末X線回折および単結晶X線結晶学(Table 12)および水中の溶解プロフィールで特徴付けした。
単結晶X線構造解析により、LICSARが四つのリチウムカチオン、四つの塩素アニオン、四つのサルコシン分子および四つの水分子を単位格子中に含むことが分かる。
Figure 2014508814
実施例13
LICSAR2
Figure 2014508814
無水塩化リチウム(純度99%、Acros Organicsより入手して使用、0.5g、11.8mmol)とサルコシン(純度98%、Aldrichより入手して使用、3.15mg、35.4mmol)を熱脱イオン水2mlに溶解した。熱溶液から結晶が現れるまで熱プレート上で保持した。熱溶液から無色のブロック状結晶(1213mg)を得た。
融点:247℃
LICSAR2結晶はFT-IR分光法、DSC、TGA、粉末X線回折および単結晶X線結晶学(Table 13)で特徴付けした。
単結晶X線構造解析により、LICSAR2が八つのリチウムカチオン、八つの塩素アニオンおよび16個のサルコシン分子を単位格子中に含むことが分かる。四つのカルボキシレートが各リチウムカチオンを架橋して波状の正方形格子を形成し、一方、アミノ酸の逆端部が二重層充填配置を設定するために正方形格子から離れて上方および下方に向かって配向している。塩素アニオンはNH・・Cl[3.1011(1)Å、3.1549(1)Å]相互作用により支えられたアンモニウム基のインターフェイスに存在する。これら正方形空洞は約5.0x6.0Åである。
Figure 2014508814
実施例14
LICPRO
Figure 2014508814
無水塩化リチウム(純度99%、Acros Organicsより入手して使用、200.0mg、4.72mmol)とL-プロリン(純度99%以上、Aldrichより入手して使用、544.0mg、4.72mmol)を脱イオン水0.75mlに溶解し、徐々に蒸発させた。三日後に無色の板状晶(609mg)を得た。
融点:281℃
LICPRO結晶はFT-IR分光法、DSC、TGA、粉末X線回折および単結晶X線結晶学(Table 14)および水中の溶解プロフィールで特徴付けした。単結晶X線構造分析により、LICPROは二つのリチウムカチオン、二つの塩素アニオン、二つのL-プロリン分子および二つの水分子を単位格子中に含むことが分かる。一つのリチウムカチオンが三つのカルボキシレートにより架橋され、縮合6員環鎖が形成されている。リチウムカチオンの四面体配位環境は三つの架橋カルボキシレート、および水分子により達成された。塩素アニオンは二つの水分子および二つのアンモニウム基に対して水素結合の受容体として働く。
単結晶X線構造分析により、LICPROは二つのリチウムカチオン、二つの塩素アニオン、二つのL-プロリン分子および二つの水分子を単位格子中に含むことが分かる。一つのリチウムカチオンが三つのカルボキシレートにより架橋され、縮合6員環鎖が形成されている。リチウムカチオンの四面体配位環境は三つの架橋カルボキシレート、および水分子により達成された。塩素アニオンは二つの水分子および二つのアンモニウム基に対して水素結合の受容体として働く。
Figure 2014508814
実施例15
LICPRO2
Figure 2014508814
無水塩化リチウム(純度99%、Acros Organicsより入手して使用、0.50g、11.8mmol)とL-プロリン(純度99%以上、Acros Organicsより入手して使用、2.72g、23.6mmol)を熱脱イオン水2.0mlに溶解した。熱溶液から結晶が現れるまで、熱プレート上で保持した。熱溶液から無色のブロック状結晶(1266mg)を得た。
融点250℃
LICPRO2結晶はFT-IR分光法、DSC、TGA、粉末X線回折および単結晶X線結晶学(Table 15)で特徴付けした。
単結晶X線構造分析により、LICPRO2は四つのリチウムカチオン、四つの塩素アニオンおよび八つのL-プロリン分子を単位格子中に含むことが分かる。各リチウムカチオンが四つのカルボキシレートにより架橋され、10.1Å〜12.5Åの範囲の直径を示す六方晶系チャネルを有し、塩素アニオンに占有されたカチオン性ダイヤモンドネットが形成されている。骨格は一つのアミノ酸のカルボキシレートと隣接アミノ酸との間の水素結合[NH・・O、2.7404(15)Å]により強固なものとなっている。この六方晶系チャネルにおいて隣接アンモニウム基と相互作用[NH・・Cl、3.1322(12)Å]する塩素アニオンのペアの存在が相互浸透をできなくしている。
Figure 2014508814
実施例16
LICDMG
Figure 2014508814
無水塩化リチウム(純度99%、Acros Organicsより入手して使用、50.0mg、1.18mmol)とN,N-ジメチルグリシン(純度97%、Acros Organicsより入手して使用、122.0mg、1.18mmol)を熱脱イオン水0.75mlに溶解した。放置して徐々に蒸発させた。1か月後、無色のブロック状結晶(101mg)を得た。
融点:272℃
LICDMG結晶はFT-IR分光法、DSC、TGA、粉末X線回折および単結晶X線結晶学(Table 16)で特徴付けした。
単結晶X線構造分析により、LICDMGは二つのリチウムカチオン、二つの塩素アニオン、二つのN,N-ジメチルグリシン分子および四つの水分子を単位格子中に含むことが分かる。二つのリチウムカチオンが二つのカルボキシレートにより架橋され、8員環が形成されている。二つの水分子が各リチウムカチオンに配位して、リチウムカチオンの四面体配位環境を満たしている。塩素アニオンは三つの水分子およびアンモニウム基に対して水素結合の受容体として働く。
Figure 2014508814
実施例17
LICDMG2
Figure 2014508814
無水塩化リチウム(純度99%、Acros Organicsより入手して使用、0.5g、11.8mmol)とN,N-ジメチルグリシン(Alfa Aesarより入手して使用、2.44g、23.6mmol)を熱脱イオン水3.0mlに溶解した。熱溶液から結晶が現れるまで、熱プレート上で保持した。熱溶液から無色のブロック状結晶(1488mg)を得た。
LICDMG2結晶はFT-IR分光法、粉末X線回折および単結晶X線結晶学(Table 17)で特徴付けした。
単結晶X線構造分析により、LICDMG2は八つのリチウムカチオン、八つの塩素アニオンおよび16個のN,N-ジメチルグリシン分子を単位格子中に含むことが分かる。各リチウムカチオンが四つのカルボキシレートにより架橋され、10.6Å〜12.0Åの範囲の直径を示す六方晶系チャネルを有し、塩素アニオンに占有されたカチオン性ダイヤモンドネットが形成されている。骨格は一つのアミノ酸のカルボキシレートと隣接アミノ酸との間の水素結合[NH・・O、2.742(2)Å]により強固なものとなっている。この六方晶系チャネルにおいて隣接メチル基と相互作用[CH・・Cl、3.628Å、3.633Å、3.635Å]する塩素アニオンのペアの存在が相互浸透をできなくしている。
Figure 2014508814
実施例18
LICBAL
Figure 2014508814
無水塩化リチウム(純度99%、Acros Organicsより入手して使用、1.00g、23.6mmol)とβ-アラニン(純度99%以上、Acros Organicsより入手して使用、2.11g、23.6mmol)を熱脱イオン水2.0mlに溶解した。熱溶液から結晶が現れるまで、熱プレート上で保持した。内容物を放冷した。母液を傾斜して0.5mlの脱イオン水を加えた。翌日、無色の板状晶(1910mg)を得た。
融点:252℃
LICBAL結晶はFT-IR分光法、DSC、TGA、粉末X線回折および単結晶X線結晶学(Table 18)で特徴付けした。
単結晶X線構造分析により、LICBALは四つのリチウムカチオン、四つの塩素アニオン、四つのβ-アラニン分子および四つの水分子を単位格子中に含むことが分かる。一つのリチウムカチオンが三つのカルボキシレートにより架橋され、縮合6員環鎖が形成されている。リチウムカチオンの四面体配位環境は三つの架橋カルボキシレート、および水分子により達成されている。各塩素アニオンは二つの水分子および二つのアンモニウム基(RNH )対して水素結合の受容体として働く。
Figure 2014508814
実施例19
LICBAL無水物
Figure 2014508814
無水塩化リチウム(純度99%、Acros Organicsより入手して使用、1.00g、23.6mmol)とβ-アラニン(純度99%以上、Acros Organicsより入手して使用、2.11g、23.6mmol)を熱脱イオン水2.0mlに溶解した。熱溶液から結晶が現れるまで、熱プレート上で保持した。熱溶液から無色の棒状結晶(2143mg)を得た。
融点:252℃
LICBAL無水物結晶はFT-IR分光法、DSC、TGA、粉末X線回折および単結晶X線結晶学(Table 19)で特徴付けした。
単結晶X線構造分析により、LICBAL無水物は四つのリチウムカチオン、四つの塩素アニオンおよび四つのβ-アラニン分子を単位格子中に含むことが分かる。二つのリチウムカチオンが二つのカルボキシレートにより架橋され、8員環が形成されている。隣接する8員環が架橋カルボキシレートとリチウムカチオンと結合して4員環を形成している。リチウムカチオンの四面体配位環境は三つの架橋カルボキシレート、および塩素分子により達成されている。各アンモニウム基(RNH )は二つの異なる塩素アニオンと水素結合し、さらに隣接カルボキシレートと水素結合する。
Figure 2014508814
実施例20
LICABA
Figure 2014508814
無水塩化リチウム(純度99%、Acros Organicsより入手して使用、1.00g、23.6mmol)と4-アミノ酪酸(純度99%、Acros Organicsより入手して使用、2.44g、23.6mmol)を熱脱イオン水2.0mlに溶解した。熱溶液から結晶が現れるまで、熱プレート上で保持した。熱溶液から無色の棒状結晶(2244mg)を得た。
融点:241℃
LICABA結晶はFT-IR分光法、DSC、TGA、粉末X線回折および単結晶X線結晶学(Table 20)で特徴付けした。
単結晶X線構造分析により、LICABAは四つのリチウムカチオン、四つの塩素アニオンおよび四つの4-アミノ酪酸分子を単位格子中に含むことが分かる。ひとつのリチウムカチオンが三つのカルボキシレートにより架橋され、6員環直鎖が形成されている。リチウムカチオンの四面体配位環境は三つの架橋カルボキシレート、および塩素分子により達成されている。各アンモニウム基(RNH )は二つの塩素アニオンと水素結合し、さらに隣接カルボキシレートと水素結合する。
Figure 2014508814
実施例21
LICPRO2・I型とII型
Figure 2014508814
硝酸リチウム(98%、無水、Flukaより入手して使用、413.4mg、6.0mmol)とL-プロリン(純度99%以上、Acros Organicsより入手して使用、1381.2mg、12.0mmol)を熱脱イオン水2.0mlに溶解した。熱溶液から結晶が現れるまで熱プレート上で保持した。無色の板状晶(I型、準安定型)を熱溶液より単離した。これは、熱プレートから一度下ろすと、やがて3Dの菱面体結晶(II型、603mg)に転移する。
融点:176.1℃(II型)
LINPRO2・I型およびII型の結晶は単結晶X線結晶学(Table 21a, 21b)により特徴づけられた。LINPRO2・II型の結晶はさらにFT-IR分光法、DSC、TGAおよび粉末X線回折により分析した。
単結晶X線構造解析により、LINPRO2・I型(準安定型)は二つのリチウムカチオン、二つの硝酸アニオンおよび四つのL-プロリンが不斉単位中に含まれることが分かる。それぞれのリチウムに四つの架橋カルボキシレートが配位し、全体の構造がゼオライトのABW骨格を形成する。
LINPRO2・II型はひとつのリチウムカチオン、ひとつの硝酸アニオン、および二つのL-プロリンを不斉単位中に含む。それぞれのリチウムに四つの架橋カルボキシレートが配位し、全体の構造がダイヤモンド骨格を形成する。I型およびII型の両方で、アンモニウムカチオン(RNH )が硝酸アニオンに水素結合し、水素結合が隣接するカルボキシレートに結合する。
Figure 2014508814
Figure 2014508814
実施例22
LiCl−ロイシン
LiCl-ロイシン共結晶を以下の工程で合成した;無水塩化リチウム、253.8mg(6.0mmol)とL−ロイシン、40mg(0.3mmol)を脱イオン水5mlに溶解し、熱溶液から針状晶が現れるまでホットプレート上で蒸発させた。結晶を別のバイアルに移して蓋をした。
検出力分析によると、n=4が統計的有意差を達成するのに十分と判断された。水性媒体中、LiClおよびLiCl−ロイシンについてリチウム4ミリ当量を、ラットに強制的に経口投薬した(時間点の製剤群当たりn=4)。ラットを2、24および48時間後に安楽死させた(図4)。心穿刺によりEDTA採血管に約3mlの血液を採取した。圧力灌流ポンプを用いて冷却生理食塩水で動物体を灌流した。灌流した脳を集めて−80℃で保存した。原子吸光分光法(AAS)により血漿および脳標本中のリチウム濃度を定量した。データ(図4および5)より、LiCl-ロイシンはLiClに比してGIからより効率的に吸収されたことが分かった。LiCl-ロイシンはLiClに比してGIからより効率的に吸収されたことが分かった。これはリチウムの高い血清濃度で証明される。この結果は全ての時間点で統計的に有意であった(P<0.0001)。さらには、脳内薬物動態データによって、脳内へ能動輸送されることが知られているアミノ酸を活性薬理成分(API)のBBB透過を改良する共結晶形成剤として利用し得るという、我々の仮説が支持された。等量の共結晶用量を投与した場合、脳内の高いリチウム濃度を測定することができた。このデータは48時間後においても統計的に有意であった(P<0.0001)。その結果、本発明の組成物を用いると脳内のリチウム治療濃度に到達するための経口投与量を軽減することができて、末梢の毒性を抑え、慣用的なリチウム剤と比較して治療指数を拡大できる可能性がある。
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Claims (29)

  1. リチウム塩と中性の有機分子を化学量論的比率で含むリチウム共結晶組成物、またはその溶媒和物若しくは水和物を含む医薬組成物。
  2. リチウム共結晶組成物またはその溶媒和物若しくは水和物が、
    式:LiX・aMまたはLiX・aM・bS
    (式中、Xはハロゲンイオンまたは薬学的に許容される酸素アニオン、Mは中性の有機分子、aは1または2、bは0、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5または3.0、Sは溶媒または水を表す。)
    で表される、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 該医薬組成物が薬学的に許容される担体または希釈剤を含む、請求項2に記載の医薬組成物。
  4. 医薬組成物が粉末、錠剤、カプセル、または液剤を含む、投与用量単位である、請求項2に記載の医薬組成物。
  5. Xがフッ素、塩素、臭素、硝酸イオン、硫酸イオン、または炭酸イオンである、請求項2に記載の医薬組成物。
  6. Mが中性の両性イオン化合物、キサンチン、ポリフェノール、またはフラボノイドである、請求項5に記載の医薬組成物。
  7. Mが中性の両性イオン化合物、キサンチン、ポリフェノール、またはフラボノイドである、請求項2に記載の医薬組成物。
  8. Mがニコチン酸またはアミノ酸である、請求項2に記載の医薬組成物。
  9. Mがアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、イソロイシン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セレノシステイン、セリン、タウリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンまたはバリンである、請求項2に記載の医薬組成物。
  10. MがロイシンでXが塩素である、請求項2に記載の医薬組成物。
  11. 中性の有機分子がカフェイン、パラキサンチン、テオフィリン、またはスレオブロミンである、請求項2に記載の医薬組成物。
  12. 中性の有機分子が、フェノール酸、フラボノイド、スチルベノイド、タンニン、モノフェノール、カプサイシノイド、およびクルクミンよりなる群から選択される、請求項2に記載の医薬組成物。
  13. リチウム共結晶組成物またはその溶媒和物若しくは水和物を含む医薬組成物の製造方法であって、リチウム塩と相補的中性有機分子を化学量論的な比率で溶媒中に溶解し、溶媒の蒸発または冷却によりリチウム共結晶組成物またはその溶媒和物若しくは水和物を形成させ、そのリチウム共結晶組成物またはその溶媒和物若しくは水和物を薬学的に許容される担体または希釈剤と組み合わせることを含む、製造方法。
  14. リチウム塩に対する相補的中性有機分子の化学量論的な比率が2:1または1:1である、請求項13に記載の製造方法。
  15. 式:LiX・aMで表される共結晶またはその溶媒和物若しくは水和物であって、
    式中Xはハロゲンイオンまたは酸素アニオン、Mは中性有機分子、aは1または2であり、ただし、(i)Xが硝酸イオンの場合、Mはグリシン以外、(ii)Xが塩素イオンであり、aが1の場合、Mはプロリン以外であり、(iii)Xが臭素イオンでaが1の場合、Mはアラニルグリシン以外である、共結晶またはその溶媒和物若しくは水和物。
  16. Mがアミノ酸である、請求項15に記載の共結晶またはその溶媒和物若しくは水和物。
  17. Mがロイシンである、請求項15に記載の共結晶またはその溶媒和物若しくは水和物。
  18. Mが中性の両性化合物、キサンチン、ポリフェノールまたはフラボノイドである、請求項15に記載の共結晶またはその溶媒和物若しくは水和物。
  19. Xがハロゲンイオン、炭酸イオン、硫酸イオン、スルホン酸イオンまたは硝酸イオンである、請求項15に記載の共結晶またはその溶媒和物若しくは水和物。
  20. Mがグリシン以外のアミノ酸であり、Xがハライド、カーボネート、スルファート、スルホナートまたは硝酸イオンである、請求項15に記載の共結晶またはその溶媒和物若しくは水和物。
  21. Mがフラボノイドである、請求項15に記載の共結晶またはその溶媒和物若しくは水和物。
  22. 共結晶の結晶構造が、粉末X線回折、単結晶X線結晶学、示差走査熱量測定、フーリエ変換赤外分光法および熱重量分析よりなる群から選択される少なくとも二つの技術により特徴付された、請求項15に記載の共結晶。
  23. 式:LiX・aM・bSで表される共結晶またはその溶媒和物若しくは水和物であって、
    式中Xはハロゲンイオンまたは酸素アニオン、Mは中性有機分子、aは1または2、bは0、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5または3.0、Sは溶媒または水であり、(i)Xが硝酸イオンの場合、Mはグリシン以外、(ii)Xが塩素であり、aが1の場合、Mはプロリン以外であり、(iii)Xが臭素でaが1の場合、Mはアラニルグリシン以外である、共結晶またはその溶媒和物若しくは水和物。
  24. Mがアミノ酸である、請求項23に記載の共結晶またはその溶媒和物若しくは水和物。
  25. Mがロイシンである、請求項23に記載の共結晶またはその溶媒和物若しくは水和物。
  26. Mが中性の両性化合物、キサンチン、ポリフェノールまたはフラボノイドである、請求項23に記載の共結晶またはその溶媒和物若しくは水和物。
  27. Xがハロゲンイオン、炭酸イオン、硫酸イオン、スルホン酸イオンまたは硝酸イオンである、請求項23に記載の共結晶またはその溶媒和物若しくは水和物。
  28. Mがフラボノイドである、請求項23に記載の共結晶またはその溶媒和物若しくは水和物。
  29. 共結晶の結晶構造が、粉末X線回折、単結晶X線結晶学、示差走査熱量測定、フーリエ変換赤外分光法および熱重量分析よりなる群から選択される少なくとも二つの技術により特徴付された、請求項23に記載の共結晶。
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