JP2014508165A - 乳癌の治療のためのエリブリンおよびファーレツズマブの共投与 - Google Patents

乳癌の治療のためのエリブリンおよびファーレツズマブの共投与 Download PDF

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Abstract

本発明は、(a)エリブリンまたはその医薬として許容される塩および(b)ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントを投与することによる、乳癌を有する対象の治療方法を提供する。

Description

本発明は乳癌の治療のためのエリブリンおよびファーレツズマブの共投与に関する。
乳癌は女性における癌による第2位の死亡原因であり、これを上回るのは肺癌だけである。乳癌が女性の死亡を招く確率は約36分の1(約3%)である。American Cancer Societyは、米国で2012年に約39,510人の女性が乳癌で死亡し、約226,870の新たな浸潤性乳癌症例が女性において診断されると見積もっている。
乳癌治療は、現在、細胞タンパク質発現に応じて適合化されている。エストロゲン受容体/プロゲステロン受容体(ER/PR)を発現する乳癌は内分泌療法で治療され、ヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)を過剰発現する乳癌は、抗HER2物質を含む療法で治療される。これらのマーカーを欠く癌は、現在のところ、予後不良を示し、典型的に、伝統的な細胞毒性化学療法で尚も治療されている。したがって、前記マーカーの1以上を欠いている可能性のある乳癌(例えば、「トリプルネガティブ」乳癌)を含む乳癌に対する新規かつ有効な療法が必要とされている。
本発明は、乳癌を有する対象(患者)の治療方法を提供する。該方法は、治療的有効量の(a)エリブリン(eribulin)またはその医薬として許容される塩、および(b)ファーレツズマブ(farletuzumab)またはその抗原結合性フラグメントを、乳癌に罹患している対象に投与することを含む。
乳癌は、腺癌、炎症性乳癌、転移性乳癌、葉酸受容体アルファ発現または過剰発現乳癌、HER2陽性乳癌またはHER2陰性乳癌でありうる。
幾つかの実施形態においては、乳癌はエストロゲン受容体(ER)陰性およびプロゲステロン受容体(PR)陰性、ER陰性およびPR陽性、ER陽性およびPR陽性、またはER陽性およびPR陰性である。
幾つかの実施形態においては、乳癌はトリプルネガティブ、すなわち、HER2陰性、ER陰性およびPR陰性である。
幾つかの実施形態においては、乳癌は、タモキシフェンまたはアロマターゼインヒビターのようなホルモン療法に対して治療抵抗性である。
幾つかの実施形態においては、乳癌はER陰性およびPR陽性、ER陽性およびPR陽性、またはER陽性およびPR陰性であり、ホルモン療法に対して治療抵抗性である。
本発明の幾つかの実施形態においては、乳癌は転移性乳癌であり、対象は転移性疾患の治療のために少なくとも1つの化学療法を事前に受けている。
本発明の幾つかの実施形態においては、乳癌は転移性乳癌であり、対象は転移性疾患の治療のための少なくとも2つの化学療法を事前に受けている。
本発明の他の実施形態においては、対象は、アントラサイクリンまたはタキサンまたはそれらの両方の投与を含む化学療法を事前に受けている。
幾つかの実施形態においては、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは中間に投与されうる。
本発明の種々の実施形態においては、エリブリンまたはその医薬として許容される塩およびファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは、相乗的抗癌作用を得るのに有効な量で投与される。
ある実施形態においては、対象における腫瘍成長が抑制される。
本発明の他の実施形態においては、エリブリンまたはその医薬として許容される塩およびファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントの投与は対象における腫瘍退縮をもたらす。本発明の他の実施形態においては、エリブリンまたはその医薬として許容される塩およびファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは対象における完全な腫瘍退縮をもたらす。
幾つかの実施形態においては、エリブリンまたはその医薬として許容される塩は約14〜35日ごとに1〜3回、または21〜28日ごとに約1回、対象に投与されうる。1つの実施形態においては、エリブリンまたはその医薬として許容される塩は21〜28日周期の第1日および第8日に対象に投与される。幾つかの実施形態においては、エリブリンまたはその医薬として許容される塩は28日周期の第1日および第8日に対象に投与される。
幾つかの実施形態においては、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは、約7〜28日ごとに1〜4回、対象に投与されうる。幾つかの実施形態においては、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは21〜28日周期中に1回投与される。幾つかの実施形態においては、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは21〜28日周期の第1日に対象に投与されうる。幾つかの実施形態においては、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは28日周期の第1日または21日周期の第1日に対象に投与されうる。
本発明の幾つかの実施形態においては、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントはエリブリンまたはその医薬として許容される塩の投与の直後に対象に投与される。
本発明の幾つかの実施形態においては、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは週1回、対象に投与される。
エリブリンまたはその医薬として許容される塩は、約0.5mg/m〜約3.0mg/mの量、約1.0mg/m〜約2.0mg/mの量、約1.4mg/mの量、または約1.1mg/mの量で対象に投与されうる。
1つの実施形態においては、対象は軽度または中等度の肝障害を有し、エリブリンまたはその医薬として許容される塩は、それぞれ1.1mg/mまたは0.7mg/mの量で対象に投与される。
1つの実施形態においては、エリブリンまたはその医薬として許容される塩はリポソーム製剤中に製剤化される。ある実施形態においては、リポソーム製剤は更に、アンモニウム塩を含む。
幾つかの実施形態においては、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは、約1.00mg/kg〜約4.0mg/kgの量で週1回、約1.0mg/kg〜約3.0mg/kgの量で週1回、約2.5mg/kgの量で週1回、または約3.00mg/kgの〜約9.00mg/kgの量で3週間ごとに、対象に投与されうる。
他の実施形態においては、ファーレツズマブまたはその抗原結合性部分は約7.0mg/kg、約7.5mg/kg、約8.0mg/kgまたは約8.5mg/kgの量で投与される。
エリブリンまたはその医薬として許容される塩、およびファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは対象に静脈内投与されうる。
本発明の1つの実施形態においては、エリブリンの医薬として許容される塩はメシル酸エリブリンである。
本発明の1つの実施形態においては、エリブリンまたはその医薬として許容される塩、およびファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは癌に対する第二線級またはそれ以降の療法として対象に投与されうる。
もう1つの態様においては、本発明は、乳癌に罹患している対象の治療方法を提供する。該方法は、(a)エリブリンまたはその医薬として許容される塩を21〜28日周期の第1日および第8日に、ならびに(b)ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントを同じ21〜28日周期の第1日に、対象に投与することを含む。幾つかの実施形態においては、エリブリンまたはその医薬として許容される塩を21日周期の第1日および第8日に、ならびにファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントを同じ21日周期の第1日に投与する。幾つかの実施形態においては、エリブリンまたはその医薬として許容される塩を28日周期の第1日および第8日に投与し、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントを同じ28日周期の第1日に投与する。
本発明の方法は、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントの負荷(ローディング)用量を投与することを含みうる。例えば、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントの、少なくとも1つの負荷用量を、最初の21〜28日周期中に投与することが可能である。幾つかの実施形態においては、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントを最初の周期の第1日および第8日に投与する。例えば、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントを最初の21日周期の第1日および第8日ならびに後続の21日周期の第1日に投与することが可能である。
もう1つの態様においては、本発明は、乳癌に罹患している対象の治療方法を提供する。該方法は、エリブリンまたはその医薬として許容される塩を21〜28日周期の第1日および第8日に対象に投与、例えば静脈内投与すること、ならびにファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントを最初の21〜28日周期の第1日および第8日ならびに後続の21〜28日周期の第1日に対象に投与、例えば静脈内投与することを含む。幾つかの実施形態においては、該周期は21日周期である。
(発明の詳細な説明)
本発明は乳癌の治療方法を提供する。本発明の方法は、一般に、治療的有効量の(a)エリブリンまたはその医薬として許容される塩、および(b)ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントを、乳癌に罹患している対象に投与することを含む。
幾つかの実施形態においては、エリブリンまたはその医薬として許容される塩、およびファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは、相乗的抗癌作用を得るのに有効な量で投与される。
本明細書中で用いる「相乗的抗癌作用」なる語は、腫瘍成長の抑制が、それぞれの単独療法のみの投与と比較して相加的な場合を超えるような、本明細書に記載されている療法の投与の際の腫瘍の成長の抑制を意味する。例えば、幾つかの実施形態においては、相乗的抗癌作用は癌の成長の相違により測定されうる。他の実施形態においては、相乗的抗癌作用は腫瘍成長および/または腫瘍退縮の抑制の相違により測定されうる。相乗的作用は、減少した量の(a)エリブリンもしくはその医薬として許容される塩、および/または(b)ファーレツズマブもしくはその抗原結合性フラグメントの使用を可能にしうる。
エリブリンは非タキサン微小管動力学インヒビターである。エリブリンは、海生海綿ハリコンドリア・オカダイ(Halichondria okadai)から単離された産物であるハリコンドリンBの合成類似体である。エリブリンの化学名は11,15:18,21:24,28−トリエポキシ−7,9−エタノ−12,15−メタノ−9H,15H−フロ[3,2−i]フロ[2’,3’:5,6]ピラノ[4,3b][1,4]ジオキサシクロペンタコシン−5(4H)−オン、2−[(2S)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル]ヘキサコサヒドロ−3−メトキシ−26−メチル−20,27−ビス(メチレン)−、(2R,3R,3aS,7R,8aS,9S,10aR,11S,12R,13aR,13bS,15S,18S,21S,24S,26R,28R,29aS)である。それは遊離塩基では729.9、そしてメシル酸塩では826.0の分子量を有する。エリブリンは式Iの構造を有し、メシル酸エリブリンは式IIの構造を有する。
Figure 2014508165
メシル酸エリブリンは、転移性乳癌の治療のために少なくとも2つの化学療法を事前に受けている転移性乳癌を有する患者の治療に関して承認されている。
本明細書中で用いる「ファーレツズマブ」または「MORAb−003」なる語は、FRαに結合する抗体を意味し、マウスLK26重鎖および軽鎖由来の以下のCDRを含む:CDRH1としての配列番号1(GFTFSGYGLS)、CDRH2としての配列番号2(MISSGGSYTYYADSVKG)、CDRH3としての配列番号3(HGDDPAWFAY)、CDRL1としての配列番号4(SVSSSISSNNLH)、CDRL2としての配列番号5(GTSNLAS)およびCDRL3としての配列番号6(QQWSSYPYMYT)。ファーレツズマブは、本明細書に添付されている図3の配列番号7および配列番号8に示されているアミノ酸配列を有する。ファーレツズマブならびにその製造方法および使用方法は米国特許第5,646,253号(その内容を参照により本明細書に組み入れることとする)に記載されている。米国特許第5,646,253号(その内容を参照により本明細書に組み入れることとする)に教示されているフレームワーク領域内の突然変異を含むものを含む追加的な抗FRα抗体が、対象における乳癌を治療するために、エリブリンまたはその医薬として許容される塩と共に使用されうる。
本明細書中で用いる「抗体」なる語は、ジスルフィド結合により互いに連結された4本のポリペプチド鎖、すなわち、2本の重(H)鎖および2本の軽(L)鎖、ならびにIg分子の必須エピトープ結合特性を保有するそのいずれかの機能性(すなわち、抗原結合性)フラグメント、突然変異体、変異体または誘導体を含む。そのような突然変異体、変異体または誘導体抗体形態は当技術分野で公知であり、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)フラグメント、Fdフラグメント、Fabcフラグメント、Sc抗体(一本鎖抗体)、ジアボディ、個々の抗体軽鎖、個々の抗体重鎖、抗体鎖間のキメラ融合体などのような分子を含む。免疫グロブリン分子は、任意のクラス(例えば、IgG、IgE、IgM、IgDおよびIgA)またはサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)のものでありうる。
各重鎖は重鎖可変領域(本明細書においてはHCRVまたはVHと略される)および重鎖定常領域から構成される。IgG、IgDおよびIgAの重鎖定常領域は3つのドメインCH1、CH2およびCH3から構成される。IgMおよびIgEの重鎖定常領域は4つのドメインCH1、CH2、CH3およびCH4を含む。各軽鎖は軽鎖可変領域(本明細書においてはLCVRまたはVLと略される)および軽鎖定常領域から構成される。軽鎖定常領域は1つのドメインCLから構成される。VIIおよびVL領域は、相補性決定領域(CDR)と称される、超可変性の領域に更に細分されることが可能であり、それらのCDRの間には、フレームワーク領域(FR)と称される、より保存的な領域が介在している。各VHおよびVLは3つのCDRおよび4つのFRから構成され、これらはアミノ末端からカルボキシ末端へと以下の順序で配置されている:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。軽鎖はカッパまたはラムダのいずれかとして分類される。重鎖はガンマ、ミュー、アルファ、デルタまたはイプシロンとして分類され、それぞれIgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEとして抗体のイソタイプ(すなわち、クラス)を定める。
重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含有する。抗体の定常領域は、免疫系の種々の細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典的補体系の第1成分(C1q)を含む宿主組織または因子への免疫グロブリンの結合を媒介しうる。
本明細書中で用いる、抗体の「抗原結合性部分またはフラグメント」なる語は、抗原に特異的に結合する能力を保有する、抗体の1以上のフラグメント(例えば、細胞結合FRα、細胞に結合していないFRα)を意味する。抗体の抗原結合機能は完全長抗体のフラグメントにより果たされうることが示されている。「抗原結合性部分またはフラグメント」なる語に含まれる結合性フラグメントの例には、(i)V、V、CLおよびCH1ドメインからなる1価フラグメントであるFabフラグメント;(ii)ヒンジ領域におけるジスルフィド架橋により連結された2つのFabフラグメントを含む2価フラグメントであるF(ab’)フラグメント;(iii)VおよびCH1ドメインからなるFdフラグメント;(iv)抗体の単一アームのVおよびVドメインからなるFvフラグメント;(v)VHおよびVLドメインを含むdAb;(vi)VドメインからなるdAbフラグメント(Wardら(1989)Nature 341,544−546));(vii)VHまたはVLドメインからなるdAb;ならびに(viii)単離された相補性決定領域(CDR)または(ix)合成リンカーにより連結されていてもよい2以上の単離されたCDRの組合せが含まれる。更に、Fvフラグメントの、2つのドメイン、すなわち、VおよびVは、別々の遺伝子によりコードされているが、それらは、VおよびV領域がペアになって1価分子(一本鎖Fv(scFv)として公知である;例えば、Birdら(1988)Science 242,423−426;およびHustonら(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85,5879−5883を参照されたい)を形成する単一タンパク質鎖にそれらがなることを可能にする合成リンカーにより、組換え法を用いて連結されうる。そのような一本鎖抗体は抗体の「抗原結合性部分またはフラグメント」なる語に含まれると意図される。これらの抗体フラグメントは、当業者に公知の通常の技術を用いて得られ、該フラグメントは、完全抗体と同様にして有用性に関してスクリーニングされる。抗原結合性部分は、組換えDNA技術により、または完全免疫グロブリンの酵素的もしくは化学的切断により製造されうる。
1つの実施形態においては、ファーレツズマブの抗原結合性部分、フラグメントまたは誘導体は、前記に挙げられているCDR(配列番号1〜6)の1以上を含むことが可能であり、あるいはLK26HuVK(米国特許第5,646,253号の配列番号13)、LK26HuVKY(米国特許第5,646,253号の配列番号14)、LK26HuVKPW(米国特許第5,646,253号の配列番号15)およびLK26HuVKPW,Y(米国特許第5,646,253号の配列番号16)からなる群から選択される可変領域軽鎖、および/またはLK26HuVH(米国特許第5,646,253号の配列番号17)、LK26HuVH FAIS,N(米国特許第5,646,253号の配列番号18)、LK26HuVH SLF(米国特許第5,646,253号の配列番号19)、LK26HuVH I,I(米国特許第5,646,253号の配列番号20)、およびLK26KOLHuVH(米国特許第5,646,253号の配列番号21)からなる群から選択される可変領域重鎖を含むことが可能である。米国特許第5,646,253号および米国特許第6,124,106号を参照されたい。もう1つの実施形態においては、ファーレツズマブの抗原結合性部分、フラグメントまたは誘導体は、重鎖可変領域LK26KOLHuVH(米国特許第5,646,253号の配列番号21)および軽鎖可変領域LK26HuVKPW,Y(米国特許第5,646,253号の配列番号16)、重鎖可変領域LK26HuVH SLF(米国特許第5,646,253号の配列番号19)および軽鎖可変領域LK26HuVKPW,Y(米国特許第5,646,253号の配列番号16)、または重鎖可変領域LK26HuVH FAIS,N(米国特許第5,646,253号の配列番号18)および軽鎖可変領域LK26HuVKPW,Y(米国特許第5,646,253号の配列番号16)を含みうる。
本明細書中で用いる「抗体」なる語は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、マウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体およびヒト抗体、ならびに天然に存在する抗体または当技術分野でよく知られた方法により組換え製造された抗体を含む。
種々の実施形態においては、本発明の抗体、例えばファーレツズマブは、免疫エフェクター活性を更に示しうる。本明細書中で用いる「免疫エフェクター活性」なる語は、抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)または補体依存性細胞傷害(CDC)により細胞を殺す本発明の抗体の能力を意味する。当技術分野でよく知られているとおり、ADCCは、エフェクター細胞(例えば、ナチュラルキラー細胞、好中球および好酸球)活性が、体液性応答の一部として抗体(例えば、ファーレツズマブ)が結合した標的細胞を細胞溶解する、細胞性免疫のメカニズムを意味する。同様に、CDCは、直接的な細胞傷害を招く、補体への抗体の結合を意味する。
本明細書中で用いる「対象」なる語は、哺乳類、例えば霊長類(例えば、ヒト、サル、チンパンジー)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなどを含む。幾つかの実施形態においては、対象はヒトである。
本発明の1つの態様においては、治療方法は、2以上の治療用物質(例えば、(a)エリブリンまたはその医薬として許容される塩、および(b)ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメント)の投与を含むことを特徴とする。
幾つかの実施形態においては、乳癌は腺癌、炎症性乳癌および/または転移性乳癌である。幾つかの実施形態においては、乳癌はHER2陽性またはHER2陰性乳癌である。他の実施形態においては、乳癌はHER2陰性、ER陰性およびPR陰性癌(すなわち、トリプルネガティブ乳癌)である。更に他の実施形態においては、乳癌はHER2陰性、ER陰性およびPR陽性癌である。更に他の実施形態においては、乳癌はHER2陰性、ER陽性およびPR陽性癌である。更に他の実施形態においては、乳癌はHER2陰性、ER陽性およびPR陰性癌である。更に他の実施形態においては、乳癌はERα発現トリプルネガティブ乳癌である。FRα発現は、種々の方法により、例えば、実施例4に記載されているとおりに評価されうる。ER、PRおよびHER2状態を決定するために、標準的な方法が用いられうる。
本明細書中で用いる「HER2」は、Neu、ErbB−2、CD340(分化340のクラスター)またはp185としても公知であり、上皮増殖因子受容体(EGFR/ErbB)ファミリーのメンバーであるタンパク質である。ヒトにおいては、HER2はERBB2遺伝子によりコードされている。
幾つかの実施形態においては、乳癌は内分泌不応性またはホルモン不応性である。「内分泌不応性」および「ホルモン不応性」なる語は、ホルモン療法、例えばアロマターゼインヒビターまたはタモキシフェンでの治療に抵抗性である癌を意味する。
幾つかの実施形態においては、乳癌は、葉酸受容体−αを発現または過剰発現する癌である。本明細書中で用いる「葉酸受容体アルファ」(FRα、FR−アルファ、FOLR−1、FOLR1またはFRAとも称される)なる語は葉酸の高アフィニティ受容体のアルファアイソフォームを意味する。膜結合FRαはグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーにより細胞表面に結合し、細胞外区画とエンドサイトーシス区画との間を再循環し、葉酸を細胞内に輸送しうる。FRαは、雌生殖管、胎盤、乳房、腎近位尿細管、脈絡叢、肺および唾液腺の上皮組織を含む種々の上皮組織において発現される。FRαの可溶性形態は膜固定葉酸受容体に対するプロテアーゼまたはホスホリパーゼの作用により誘導されうる。
本明細書中で用いる「細胞に結合していないFRα」または「可溶性FRα」なる語は、癌細胞のような細胞の細胞膜に固定されていないFRαを意味する。特定の実施形態においては、細胞に結合していないFRαはいずれの細胞にも結合せず、生物学的流体(例えば、尿または血清)中で自由に浮遊し又は可溶化される。例えば、FRαは、正常または癌細胞から、例えば、癌細胞の表面から、生物学的流体中へ放出され、分泌され、または輸出されうる。
FRαを発現または過剰発現する癌である乳癌は、被験者(対象)由来のサンプル中のFRα、例えば可溶性FRαのレベルを測定することにより特定されうる。本明細書中で用いる「サンプル」なる語は、被験者から単離された類似した細胞または組織、ならびに被験者における組織、細胞および流体の集合体を意味する。「サンプル」なる語は、被験者からのいずれかの体液(例えば、血漿、血液、リンパ、婦人科学的流体、嚢胞性流体、尿、眼液、腹水、ならびに気管支洗浄および/または腹膜洗浄により集められた流体)または組織または細胞を含む。1つの実施形態においては、組織または細胞は被験者から摘出される。もう1つの実施形態においては、組織または細胞は被験者内に存在する。他の被験者サンプルは涙滴、血清、脳脊髄液、便、喀痰および細胞抽出物を含む。1つの実施形態においては、生物学的サンプルは被験者からのタンパク質分子を含有する。もう1つの実施形態においては、生物学的サンプルは被験者からのmRNA分子または被験者からのゲノムDNA分子を含有しうる。
拡散またはタンパク質レベルでのFRαの発現のレベルを検出するのに適した実質的にあらゆる技術的手段が、FRαのレベルを検出するために用いられうる、と当業者により容易に理解されるであろう。
例えば、被験者から得たサンプルからmRNAを抽出し、標準的な分子生物学的技術、例えばPCR分析を用いて、サンプル中のFRαをコードするmRNAの発現を検出し、および/または定量することが可能である。例えば、酸フェノール/グアニジンイソチオシアナート抽出(RNAzol B;Biogenesis)、RNeasy RNA調製キット(Qiagen)またはPAXgene(PreAnalytix,Switzerland)を使用することを含むRNA抽出技術を用いて、RNAを細胞から抽出することが可能である。例えば、マイクロアレイ分析、核ラン・オン(nuclear run−on)アッセイ、RNアーゼ保護アッセイ(例えば、Meltonら,Nuc.Acids Res.12:7035を参照されたい)、in situハイブリダイゼーション、膜ブロット技術(例えば、ノーザン、サザン、ドットなどのようなハイブリダイゼーション分析において使用されるもの)を用いて、またはマイクロウェル、サンプルチューブ、ゲル、ビーズもしくは繊維(または結合核酸を含むいずれかの固体支持体)における検出により、RNAをアッセイすることが可能である。
本発明の1つの実施形態においては、FRαの発現のレベルを検出するために、マイクロアレイが用いられる。マイクロアレイは、異なる実験における再現性ゆえに、この目的に特に適している。マイクロアレイは多数の遺伝子の発現レベルの同時測定のための1つの方法を提供する。各アレイは、固体支持体に結合した捕捉プローブの、再現可能なパターンからなる。標識RNAまたはDNAをアレイ上の相補的プローブにハイブリダイズさせ、ついでレーザースキャニングにより検出する。アレイ上の各プローブのハイブリダイゼーション強度を決定し、相対遺伝子発現レベルを表す定量値に変換する。米国特許第6,040,138号、第5,800,992号および第6,020,135号、第6,033,860号および第6,344,316号(これらを参照により本明細書に組み入れることとする)を参照されたい。サンプルにおける多数のRNAの遺伝子発現プロファイルを決定するためには、高密度オリゴヌクレオチドアレイが特に有用である。
幾つかの実施形態においては、サンプルにおけるFRαの発現のレベルを決定するための方法は、例えばRT−PCR(Mullis,1987,米国特許第4,683,202号に記載されている実験的実施形態)、リガーゼ連鎖反応(Barany(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:189−193)、セルフ・サステインド(self sustained)配列複製(Guatelliら(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1874−1878)、転写増幅系(Kwohら(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:1173−1177)、Q−ベータ・レプリカーゼ(Lizardiら(1988)Bio/Technology 6:1197)、ローリングサークル複製(Lizardiら,米国特許第5,854,033号)またはいずれかの他の核酸増幅法による核酸増幅および/または(cDNAを調製するための)例えばサンプル中のmRNAの逆転写、ならびにそれに続く、本明細書に記載されている技術および/または当業者に公知の他の技術を用いる、増幅された分子の検出の過程を含む。これらの検出法は、核酸分子が非常に少数で存在する場合の核酸分子の検出に特に有用である。本発明の特定の態様においては、FRαの発現のレベルは定量的発蛍光RT−PCR(すなわち、TaqManTM System)により決定される。
FRαのレベルは、例えば、タンパク質レベルの測定のための当技術分野で公知のいずれかの方法を用いることによっても決定されうる。そのような方法には、例えば、電気泳動、毛管電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、超拡散クロマトグラフィー、流体またはゲル沈降素反応、吸収分光法、比色アッセイ、分光光度アッセイ、フローサイトメトリー、免疫拡散法(単純または二重)、免疫電気泳動、ウエスタンブロット法、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)、免疫蛍光アッセイ、および電気化学発光イムノアッセイ(後記に例示)などが含まれる。好ましい実施形態においては、該レベルは、抗体に基づく技術を用いて決定される。そのような方法は、2010年11月5日付け出願の米国仮特許出願第61/410,497号(発明の名称「Folate receptor alpha as a diagnostic and prognostic marker for folate receptor alpha−expressing cancers」)(その全内容を参照により本明細書に組み入れることとする)に記載されている。もう1つの実施形態においては、該レベルは、例えばKalliら,“Folate receptor alpha as a tumor target in epithelial ovarian cancer”,Gynecol Oncol.2008 March;108(3):619−626(これを参照により本明細書に組み入れることとする)に記載されているような免疫組織化学的技術を用いることにより決定される。
FRαの検出のための、抗体に基づく技術には、限定的なものではないが、ELISA、RIA、フローサイトメトリー、免疫細胞化学的方法、組織免疫化学的方法、ウエスタンブロットおよび免疫沈降が含まれる。これらの技術において使用される抗FRα抗体またはその抗原結合性部分はFRαのインビトロまたはインビボ検出のために製造可能であり、あるいは商業的入手元から入手可能である。更に、FRαは、生物学的サンプルを抗FRα抗体またはその抗原結合性部分と接触させ、結合した抗体またはその抗原結合性部分を検出することにより検出されうる。抗FRα抗体またはその抗原結合性部分は、検出可能な標識で直接的に標識されることが可能であり、あるいは未標識体でありうる。未標識抗体が使用される場合には、該抗FRα抗体に結合しうる標識された二次抗体または他の分子が、FRαに結合した抗体を検出するために使用される。当業者によく知られているとおり、一次抗体の特定の種およびクラスに特異的に結合しうる二次抗体が選択される。例えば、抗FRα抗体がヒトIgGを含む場合には、二次抗体は、標識された抗ヒトIgG抗体でありうる。抗体に結合しうる他の分子には、限定的なものではないが、共に例えばPierce Chemical Coから商業的に入手可能であるプロテインAおよびプロテインGが含まれる。抗体または二次分子のための適切な標識には、種々の酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質、磁性物質および放射活性物質が含まれる。適切な酵素の例にはホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、O−ガラクトシダーゼまたはアセチルコリンエステラーゼが含まれ、適切な補欠分子族複合体の例にはストレプトアビジンおよびアビジン/ビオチンが含まれ、適切な蛍光物質の例にはウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアナート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリドまたはフィコエリトリンが含まれ、発光物質の例にはルミノールが含まれ、磁性物質の例にはガドリニウムが含まれ、適切な放射活性物質の例には125I、131I、35SまたはHが含まれる。
抗FRα抗体またはその抗原結合性部分は、生物学的サンプル中のFRαの存在、レベルおよび/または局在を決定することにより、FRαを発現または過剰発現する癌である乳癌を検出するために使用されうる。抗FRα抗体またはそのような抗体の抗原結合性部分は、例えば組織内または細胞の表面上のFRαを検出、定量および/または局在化するために使用されうる。FRαの存在および/または局在化、例えば細胞表面レベルを決定するための好ましいイムノアッセイは、免疫組織化学(IHC)/免疫細胞化学(ICC)アッセイである。免疫組織化学的および免疫細胞化学的方法は当技術分野でよく知られている。試験される組織または細胞は、リン酸バッファー中のパラホルムアルデヒド、過ヨウ素酸/リシン/リン酸バッファー中のパラホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド(透過型電子顕微鏡用)または冷アセトンもしくはアルコール(凍結サンプル用)の存在下のパラホルムアルデヒド(これらに限定されるものではない)を含む種々の固定条件のいずれかを用いて固定されうる。また、組織はIHC用の包埋媒体内に包埋されうる。免疫組織化学実験用の包埋媒体には、限定的なものではないが、パラフィンロウ、またはいずれかの形態のクリオマトリックス(凍結サンプル用)が含まれうる。三次元イメージを得るために、ホールマウント調製物を使用して免疫組織化学実験を行うことも可能でありうる。
FRα発現を検出するために用いられうる適切なIHCアッセイには、例えば実施例4に記載されているものが含まれる。FRα発現を検出するためにIHCを用いる場合、幾つかの実施形態においては、陽性サンプルは、腫瘍細胞の5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、>55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%がいずれかの強度で染色(例えば、膜染色)されるものである。
FRαを検出するために使用されうる典型的な抗体は抗体26B3(26B3.F2とも称される)であり、これは2011年5月19日付けでPTA−11885としてAmerican Type Culture Collection(Manassas,VA)に寄託されている。この抗体は、2011年7月15日付け出願の米国仮出願第61/508,444号、2012年2月28日付け出願の第61/604,412号、および2012年2月29日付け出願の第61/604,954号に記載されている。前記出願のそれぞれの全内容を参照により本明細書に組み入れることとする。
抗原の回収は、必要に応じて、熱誘発性エピトープ回収(HIER)またはタンパク質分解誘発性エピトープ回収(PIER)またはそれらの組合せにより達成されうる。IHC/ICCのための細胞または組織の抗体浸透は、必要に応じて、Triton X−100、サポニンまたは水素化ホウ素ナトリウム(これらに限定されるものではない)を含む種々の試薬を使用して達成されうる。ブロッキング処理は、必要に応じて、血清アルブミン(これに限定されるものではない)を含む種々のブロッキング試薬で細胞または組織を処理することにより行われうる。組織または細胞サンプルにおけるFRαの検出方法は多種多様であり、限定的なものではないが、直接抗体検出、間接抗体検出、ペルオキシダーゼ・抗ペルオキシダーゼ法、アビジン−ビオチン複合体法、標識ストレプトアビジン・ビオチン法または種々の重合体シグナル増幅法のいずれかのものを包含しうる。他の検出方法には、例えば、核酸に基づく検出方法、または葉酸に基づく検出方法(例えば、Muller,C.ら,J.Nucl Med.2008 Feb;49(2):310−317(イメージング剤としての放射性医薬品の使用)を参照されたい)が含まれる。
幾つかの実施形態においては、エリブリンまたはその医薬として許容される塩と、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントとは、同時、間欠的、連続的または随伴的に投与される。本明細書中で用いる「同時」なる語は、2つの活性物質の投与の少なくとも一部が同時に行われる、そのような2つの活性物質の投与に関するものである。本明細書中で用いる「連続的」なる語は、一方の活性物質の投与が他方の活性物質の投与の終了から約1日以内に行われる、そのような2つの活性物質の投与に関するものである。本明細書中で用いる「随伴的」なる語は、一方の活性物質の投与が他方の活性物質の投与計画中の或る時点で行われる、そのような2つの活性物質の投与に関するものである。本明細書中で用いる「間欠的」なる語は、2つの活性物質の投与が概ね同じ時期(例えば、30日にわたって)に行われるが必ずしも同時に行われるのではない、そのような2つの活性物質の投与に関するものである。幾つかの実施形態においては、エリブリンまたはその医薬として許容される塩と、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントとは、間欠的、連続的または随伴的に投与される。幾つかの実施形態においては、エリブリンまたはその医薬として許容される塩と、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントとは、間欠的に投与される。それらの薬物は任意の順序で投与されうる、と前記から理解されるであろう。
本明細書中で用いる、エリブリンまたはその医薬として許容される塩およびファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントの「治療的有効量」なる語は、所望の治療結果を達成するのに、必要な投与および期間において、有効な量を意味する。治療的有効量は、例えば、個体の病態、年齢、性別および体重ならびにエリブリンまたはその医薬として許容される塩とファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントとの組合せが所望の応答を個体において惹起する能力のような要因に応じて変動しうる。
幾つかの実施形態においては、エリブリンまたはその医薬として許容される塩は約10〜40日ごとに1〜5回、例えば、約14〜35日ごとに1〜3回投与される。幾つかの実施形態においては、エリブリンまたはその医薬として許容される塩は21〜28日ごとに約1回投与される。他の実施形態においては、エリブリンまたはその医薬として許容される塩は21〜28日ごとに約2回投与される。幾つかの実施形態においては、エリブリンまたはその医薬として許容される塩は21〜28日周期の第1日および第8日に投与される。
幾つかの実施形態においては、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは週1回投与される。他の実施形態においては、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは3週間ごとに投与される。幾つかの実施形態においては、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは約7〜28日ごとに1〜4回投与される。幾つかの実施形態においては、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは21〜28日周期中に1回投与される。他の実施形態においては、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは21〜28日周期の第1日に投与される。幾つかの実施形態においては、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは、その後、毎週投与される。幾つかの実施形態においては、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントはエリブリンまたはその医薬として許容される塩の投与の直後に投与される。
幾つかの実施形態においては、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントの負荷用量が使用される。例えば、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは、21〜28日周期の第1日および第8日ならびに後続周期の第1日に投与されうる。
本発明の方法の幾つかの実施形態においては、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは、エリブリンまたはその医薬として許容される塩の前、例えば、エリブリンの投与の前に投与される。1つのそのような実施形態は後記の実施例5に記載されている。あるいは、エリブリンまたはその医薬として許容される塩が、最初に、例えば、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントの投与の前に投与されうる。
例えば、エリブリンまたはその医薬として許容される塩は21日周期の第1日および第8日に静脈内投与され、ファーレツズマブまたは抗原結合性フラグメントは同じ21周期の第1日に、例えば、エリブリンまたはその医薬として許容される塩の静脈内投与の直前または直後に投与される。この21日周期は、示されているとおりに対象において反復されうる。例えば、それは1〜2、2〜5、10またはそれ以上の周期にわたって反復されうる。幾つかの実施形態においては、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントの負荷用量が使用される。例えば、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは最初の21日周期の第1日および第8日ならびに後続周期の第1日に静脈内投与されうる。
幾つかの実施形態においては、エリブリンまたはその医薬として許容される塩の投与およびファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントの投与は重複しない。例えば、投与は21日周期を含み、ここで、エリブリンまたはその医薬として許容される塩は該周期の第1日に投与され、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは該周期の第2〜16日のいずれかにおいて1回投与される。幾つかの実施形態においては、投与は28日周期を含み、ここで、エリブリンまたはその医薬として許容される塩は該周期の第1日および第8日に投与され、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは該周期の第15〜28日のいずれかにおいて1回投与される。
幾つかの実施形態においては、対象は、約2〜約50治療周期、例えば約3〜約30治療周期を受ける。幾つかの実施形態においては、対象は約4〜約6治療周期の投与を受ける。
幾つかの実施形態においては、エリブリンまたはその医薬として許容される塩は約0.1mg/m〜約5.0mg/m、例えば、約0.2mg/m〜約4.0mg/mの量で投与される。例えば、エリブリンまたはその医薬として許容される塩は約0.5mg/m〜約3.0mg/m、例えば、約0.5mg/m、約0.7mg/m、約1.0mg/m、約1.1mg/m、約1.2mg/m、約1.3mg/m、約1.4mg/m、約1.5mg/m、約2.0mg/m、約2.5mg/m、または約3.0mg/mの量で投与される。1つの実施形態においては、用量は、21日周期の第1日および第8日に2〜5分間にわたって静脈内投与される1.4mg/mである。もう1つの実施形態においては、対象は軽度の肝障害を有し、量は、21日周期の第1日および第8日に2〜5分間にわたって静脈内投与される1.1mg/mである。もう1つの実施形態においては、対象は中等度の肝障害を有し、量は、21日周期の第1日および第8日に2〜5分間にわたって静脈内投与される0.7mg/mである。更にもう1つの実施形態においては、対象は中等度の腎障害(30〜50mL/分のクレアチニンクリアランス)を有し、量は、21日周期の第1日および第8日に2〜5分間にわたって静脈内投与される1.1mg/mである。
幾つかの実施形態においては、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは約0.5mg/kg〜約4.00mg/kgの量で毎週投与される。幾つかの実施形態においては、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは約1.00〜約3.00mg/kgの量で毎週、例えば、約1.00mg/kg、1.25mg/kg、1.5mg/kg、1.75mg/kg、2.00mg/kg、2.25mg/kg、2.50mg/kg、2.75mg/kgまたは3.00mg/kgの量で毎週投与される。
幾つかの実施形態においては、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは、約3.00mg/kg〜約9.00mg/kgの量で3週間ごとに、すなわち、3週間に1回投与される。例えば、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは、例えば、約3.00mg/kg、3.25mg/kg、3.5mg/kg、3.75mg/kg、4.00mg/kg、4.25mg/kg、4.50mg/kg、4.75mg/kg、5.0mg/kg、5.25mg/kg、5.50mg/kg、5.75mg/kg、6.00mg/kg、6.25mg/kg、6.50mg/kg、6.85mg/kg、7.00mg/kg、7.25mg/kg、7.50mg/kg、7.75mg/kg、8.00mg/kg、8.25mg/kg、8.50mg/kg、8.75mg/kgまたは約9.00mg/kgの量で、3週間ごとに投与される。
幾つかの実施形態においては、エリブリンまたはその医薬として許容される塩はリポソーム製剤中に製剤化される。例えば、幾つかの実施形態においては、リポソーム製剤は更に、アンモニウム塩を含む。例えば、WO 2010/113984を参照されたい。
幾つかの実施形態においては、対象における腫瘍成長は、適切な対照と比較して少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%または約100%抑制される。幾つかの実施形態においては、エリブリンまたはその医薬として許容される塩とファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントとの投与は対象における腫瘍退縮をもたらす。幾つかの実施形態においては、エリブリンまたはその医薬として許容される塩とファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントとの投与は対象における完全な腫瘍退縮をもたらす。本明細書中で用いる「腫瘍退縮」なる語は腫瘍サイズの減少を意味する。退縮は完全または部分的でありうる。腫瘍成長または腫瘍退縮の抑制は原発性および/または転移性腫瘍において観察されうる。
本発明の方法の幾つかの実施形態においては、エリブリンまたはその医薬として許容される塩とファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントとの投与は、進行を伴わない生存における改善をもたらす。本発明の方法の他の実施形態においては、エリブリンまたはその医薬として許容される塩とファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントとの投与は、1以上の臨床結果変数、例えば、客観的応答率(ORR):完全応答および部分応答(CR+PR);応答までの時間(TTR);応答の持続時間(DoR);疾患制御率(DCR;CR+PR+安定疾患[SD]);臨床利益率(CBR:CR+PR+持続性安定疾患[dSD,SD12週の持続期間])における改善をもたらす。該改善は、いずれかの適切な対照との比較として、例えば、対照個体または対照群、例えば、エリブリンまたはその医薬として許容される塩(例えば、メシル酸エリブリン)および場合によってはプラセボで治療された群と比較された場合の治療個体における又は治療個体群における改善として観察されうる。
幾つかの実施形態においては、本発明の方法は更に、エリブリンまたはその医薬として許容される塩またはファーレツズマブまたは抗原結合性フラグメントまたはそれらの両方での維持療法を含む。
抗癌薬を投与するための多数のアプローチが当技術分野で公知であり、エリブリンまたはその医薬として許容される塩およびファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントでの本発明における使用に容易に適合化されうる。例えば、それらの薬物は、一緒に、単一組成物として、または別々に、総合的治療計画の一部として、および任意の順序で投与されうる。全身投与の場合、該薬物は、例えば静脈内注入(連続的またはボーラス)により投与されうる。投与方式はそれぞれの投与薬物によって様々となりうる。そのような投与の適切な計画および用量は、例えば、動物における前臨床研究およびヒトにおける臨床研究(例えば、第I相研究)に基づいて、当業者により容易に決定されうる。また、当技術分野で十分に理解されているとおり、患者における血球数(例えば、好中球および血小板数)およびバイタルサインのようなモニター因子が用いられうる。
幾つかの実施形態においては、本発明の方法により治療される対象はエリブリンまたはその医薬として許容される塩および/またはファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントの投与の前に前投薬されていることが可能である。例えば、対象は、ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントの注入の前に、例えばアセトアミノフェン、例えば約650〜1000mgのアセトアミノフェンまたは臨床的等価体で前投薬されていることが可能である。また、対象は過敏症および注入関連反応に対する一次予防の形態(例えば、抗ヒスタミン剤、解熱薬、全身ステロイドおよび必要に応じて使用される追加的援助手段の組合せ)の随伴的な前投薬を受けていることが可能である。また、対象は抗悪心薬で前投薬を受けていることが可能である。対象は、本発明の方法の治療を受けながら、定期的に又は必要に応じて、抗悪心薬で治療されうる。
本発明はまた、場合によっては追加的な治療用物質と組合された、(a)エリブリンまたはその医薬として許容される塩と、(b)ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントとを含む組成物(例えば、医薬として許容される担体を含む医薬組成物)を含む。これらの組成物中の薬物は、好ましくは、患者への投与のために配合され、あるいは投与前に更なる加工を要する形態でありうる。例えば、該組成物は、凍結乾燥形態または希釈を要する濃縮形態の薬物を含みうる。化学療法に使用される薬物の製剤化は、当技術分野における標準的な方法を用いて行われうる(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(18th edition),A.Gennaro編,1990,Mack Publishing Co.,Easton,PAを参照されたい)。
また、エリブリンまたはその医薬として許容される塩とファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントとを含むキットも本発明に含まれる。エリブリンまたはその医薬として許容される塩およびファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントは、例えばバイアルのような単一容器内に存在することが可能であり、あるいは別々の容器内に存在することが可能である。更に、そのまま投与される形態または更なる処方を要する形態(例えば、凍結乾燥形態)で、異なる物質が存在しうる。該キットは、該物質用の希釈剤、該物質の投与のための説明、該キットの内容物を一覧している1以上のラベル、および/または物質の投与において使用される装置をも含みうる。
細胞表面上のFRαの発現レベルを決定するための乳癌細胞系CAL51、T47D、HCC−1954およびBT474のフローサイトメトリー分析の結果を示す。BT474以外の全ての系はFRα陽性であることが判明した。 乳癌細胞系T47D、CAL51、IGROV(陽性対照として使用した卵巣癌細胞系)およびHCC1954に対するファーレツズマブ媒介性ADCCを示す一連のグラフを示す。 ファーレツズマブ(MORAb−003)の配列を示す。 ファーレツズマブ(MORAb−003)の配列を示す。 ファーレツズマブ(MORAb−003)の配列を示す。 ファーレツズマブ(MORAb−003)の配列を示す。
本発明は更に、以下の実施例により例示される。該実施例は、更に限定するものであると解釈されるべきではない。本出願の全体にわたって引用されている全ての図面および全ての参考文献、特許ならびに公開特許出願の内容の全体を参照により明示的に本明細書に組み入れることとする。
[実施例1]:乳癌細胞系上の葉酸受容体アルファ(FRα)の発現
4つの乳癌細胞系上のFRα発現状態およびメシル酸エリブリンIC50値を決定した。IGROV−1細胞(卵巣腫瘍細胞系)をFRαに関する陽性対照として使用した。該細胞を集め、洗浄し(1200RPMで5分間遠心分離し)、FACSバッファー(冷PBS+2% FBS)に懸濁させた。該細胞を、Cellometer AutoT4を使用して計数し、96ウェルU底プレートに(50,000細胞/ウェルで)加え、1200RPMで5分間遠心分離した。該バッファーを除去した。FACSバッファー中で希釈されたファーレツズマブ(10μg/mLまたは1μg/mL)を該ウェルに加え(希釈されたファーレツズマブの100μL/ウェルを加え)、氷上のインキュベーションを1時間行った。該プレートを200μL/ウェルのFACSバッファーで3回洗浄した。FACSバッファー中で希釈された二次抗体(SouthernBiotechから入手した1:100のヤギ抗ヒトIg−FITC)100μL/ウェルを加えた。氷上のインキュベーションを1時間行った。該プレートを200μL/ウェルのFACSバッファーで3回洗浄した。200μLのFACSバッファーを各ウェルに加え、BD FACS CANTO IIフローサイトメータ(BD Biosciences)を使用して、FACS分析を行った。結果を表1に示す。
Figure 2014508165
また、FACSを使用する第2の実験において、該細胞系を分析し、これらの細胞系のFRα発現状態を確認した。2mM L−グルタミン、非必須アミノ酸、ピルビン酸ナトリウム、抗生物質および10% 熱不活性化FBSを含有するRPMI 1640培地(Invitrogen)からなる完全RPMIにおいて細胞を増殖させた。TrypLE(Invitrogen)を使用して該細胞を集め、1mlの集めた細胞をViCell(Bekman Coulter)で計数した。5E4細胞を、100μl/ウェルまで、PBS+2% FBS(FACSバッファー)中のFACS染色のために、96ウェルU底アッセイプレート内にピペッティングした。ファーレツズマブおよびイソタイプ対照抗体を、10μg/mLで、細胞を含有する各ウェル(細胞のみ以外)に加え、穏やかに混合した。60分間のインキュベーション時間の後、細胞を追加的な150μlのFACSバッファーで2回洗浄した。ついで細胞を、FITC結合ヤギ抗ヒト抗体(Southern Biotech ロット# F7006−QF20B)と共に〜100μlのFACSバッファーに再懸濁させ、氷上で30分間インキュベートした。FACSバッファー中での2時間の洗浄の後、該細胞を200μLのFACSバッファーに再懸濁させ、EasyCyte Flow Cytometer(Guava Technologies)で分析した。図1は、FRαが乳癌細胞系CAL51、T47DおよびHCC−1954細胞上では発現されたが、BT474細胞上では発現されなかったことを示している。
[実施例2]:ファーレツズマブ媒介性の抗体依存性細胞性細胞傷害
ファーレツズマブが単独で前記乳癌細胞系(BT474、HCC−1954、T47DおよびCAL51)に対してADCCを引き起こすかどうかを評価するために、xCelligenceプラットフォーム(Roche)を使用した。IGROV−1細胞系を陽性対照として使用した。TrypLE(Invitrogen)で集めた細胞を計数し、細胞型(HCC−1954、IGROV−1、T47D、BT474は40,000細胞/mL、CAL51は25,000細胞/mL)に基づく所定の最適細胞密度で再懸濁させた。100μLの完全RPMIをEplate 96(Roche)の各ウェルに加え、バックグラウンドの読取りをxCelligenceで行った。100μLの細胞を該プレート上の各専用ウェルに加えた。ついで該プレートを室温で30分間インキュベートして、該細胞を適切に沈殿させた。該プレートをxCelligence内に配置し、夜通し10分ごとに読取りを行った。同時に、実証されたドナー(AllCells)からのヒトPBMC(「PBMC」)を、2ng/mL IL−2(Peprotech)で補足された完全RPMI中で一晩培養した。翌日、該ウェルの底の細胞単層を損なうことなく、100μLの培地を各ウェルから除去した。RPMI中の50μLの希釈抗体を、望まれる最終濃度の4倍(4×)の濃度で該ウェルに加えた。該プレート(細胞+抗体)をxCelligence内に配置し、(10分ごとに読取りを行いながら)1時間インキュベートした。この時間中、PBMCを掻き集め、計数した。該PBMCを遠心沈降させ、50μL/ウェルで、それらが細胞型に応じて20:1または10:1の比(PBMC:標的細胞)で加えられるように、RPMIに再懸濁させた。該PBMCを該プレートに加えた後、それをxCelligenceに戻し、読取りを連続的に一晩行った。細胞傷害性率(%)を以下のとおりに計算した:%殺傷=(1−(細胞指数ファーレツズマブウェル/細胞指数補体単独ウェル))100。
ADCC活性を測定するために、細胞を所望の密度でE−プレート上にプレーティングし、一晩付着させた。翌日、精製ファーレツズマブを、図2に示されている最終濃度で加え(HCC1954細胞の場合、ファーレツズマブを10μg/mLで使用した)、30分間インキュベートした。ついで健常ドナーからのIL−2(2ng/mL)活性化PBMCを20:1のエフェクター:標的比で加えた。ADCC活性を15分ごとにモニターした。xCELLigence系(Roche)を使用して、読取りを行った。図2は該ADCCアッセイの結果を示す。ファーレツズマブは中等度の及び力価測定可能なADCC活性をT47DおよびCAL51細胞にもたらした。10μg/mLのファーレツズマブはHCC1954細胞の〜50%をADCCにより殺すことが可能であった。ファーレツズマブは、FRα陰性BT474細胞には、測定可能なADCC活性をもたらさなかった(データ非表示)。これらの結果は、単独で投与されたファーレツズマブがFRα発現乳癌細胞系においてADCCを媒介しうることを示している。
[実施例3]:メシル酸エリブリンとファーレツズマブとの組合せ効果
メシル酸エリブリン(E7389)およびファーレツズマブ媒介性ADCCの組合せ効果を評価するために、HCC−1954またはCAL51細胞を組織培養フラスコ内で4日間にわたって2つの濃度のメシル酸エリブリン(E7389)で前処理した(後記の表2および3を参照されたい)。前処理された細胞を第4日に集め、染色し、計数し、メシル酸エリブリンの細胞傷害性の比率を以下のとおりに計算した:%細胞傷害性=(1−(エリブリン存在下の細胞数/エリブリン非存在下の細胞数))×100。ついで懸濁液中の細胞を、10μg/mLの1つの一定濃度のファーレツズマブおよび対照抗体と共に、通常のADCCアッセイの場合と同様に、Eplate 96(Roche)内に播いた。該ADCCアッセイを前記と同様にして行い、ファーレツズマブの細胞傷害性の比率を以下のとおりに計算した:%細胞傷害性=(1−(細胞指数ファーレツズマブウェル/細胞指数補体単独ウェル))×100。4+2日間のアッセイ期間の経過中のエリブリンおよびファーレツズマブの組合せ効果は以下のとおりに計算される:%全細胞傷害性=(1−(エリブリン存在下の細胞数/エリブリン非存在下の細胞数)×(細胞指数ファーレツズマブウェル/細胞指数補体単独ウェル))×100。
表2は、ファーレツズマブADCC活性が単独でHCC−1954細胞の52%を殺したことを示している。同じ細胞を2つの用量のメシル酸エリブリンで4日間にわたって前処理した場合には、細胞成長はそれぞれ34%および51%抑制された。ファーレツズマブ媒介性ADCCは、後の2日間で、それらの前処理細胞のそれぞれ64%および57%を殺した。総合すると、全細胞傷害性は、それらの2つの用量のエリブリン処理の場合、それぞれ77%および79%と計算されることが可能であった。一方、イソタイプ対照抗体はエリブリン処理細胞に最小限の傷害性を加えたに過ぎなかった。
同様に、表3は、ファーレツズマブADCC活性が単独でCAL51細胞の38%を殺したことを示している。同じ細胞を2つの用量のメシル酸エリブリンで4日間にわたって前処理した場合には、細胞成長はそれぞれ18%および29%抑制された。ファーレツズマブ媒介性ADCCは、後の2日間で、それらの前処理細胞のそれぞれ54%および51%を殺した。総合すると、全細胞傷害性は、それらの2つの用量のメシル酸エリブリン処理の場合、それぞれ62%および65%と計算されることが可能であった。一方、イソタイプ対照抗体はメシル酸エリブリン処理細胞に最小限の傷害性を加えたに過ぎなかった。
Figure 2014508165
Figure 2014508165
前記結果により示されるとおり、エリブリンおよびファーレツズマブはFRα発現乳癌細胞に対して少なくとも相加的細胞傷害性をもたらした。
[実施例4]:葉酸受容体アルファ発現および乳癌のトリプルネガティブ形態との関連性
乳癌組織サンプルによるFRαの発現を評価するために、免疫組織化学的研究を行った。FRαに対する一次マウスモノクローナル抗体(26B3)で染色されたホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織学的サンプルおよび組織マイクロアレイ(TMA)サンプルを使用して(O’Shannessyら,Oncotarget 2(12):1227−43(2011))、分析を行った。
免疫組織化学
TMAサンプル(US Biomax,Inc.,カタログ#BR1503a;72ケース,二重コア)またはFFPE試料(Genzyme Geneticsのアーカイブから入手)およびMACH4汎用HRP−重合体検出キット(Biocare Medical,Concord,CA)を使用して、免疫組織化学的研究を行った。FFPE試料を5μmで正荷電ガラススライド上に切片化し、60℃で約60分間加熱した。スライドをそれぞれ3分間の3回の連続的なキシレン浴において脱パラフィン化し、それぞれ3分間の3回の連続的な100%アルコール浴に移し、ついでそれぞれ3分間の3回の連続的な95%アルコール浴に付し、ついで脱イオン(DI)水で5分間洗浄した。ついでスライドを、DI水中で1:10希釈されたDiva熱誘発性エピトープ回収溶液(Biocare Medical)中で前処理し、500mLのDI水で既に満たされた加圧脱離室内に配置した。抗原回収のために、30秒間にわたって加圧インキュベーションが16PSIにおいて最高125℃に達する脱離室内でスライドを15分間インキュベートし、ついで95℃まで15分間冷却した。室温に冷却した後、スライドをそれぞれ3分間の3回の連続的なTris緩衝食塩水/0.1% Tween−20(登録商標)洗浄バッファー(TBST)浴において洗浄し、ついでペルオキシダーゼ(Peroxidase)−1(Biocare Medical)ブロッキング溶液中に室温で5分間配置した。前記のとおりにTBST中で洗浄した後、Background Sniper(Biocare Medical)無血清汎用ブロッキング試薬を室温で10分間適用した。染色のために、サンプルを、抗体希釈剤(Antibody Diluent)(Dako North America,Inc.,Carpinteria,CA)中で希釈された2.5μg/mLの精製抗体26B3もしくは抗体BN3.2(Leica Microsystems,Buffalo Grove,IL)または汎用陰性対照(Universal Negative Control)(そのまま使用されるマウス陰性対照抗体(Dako,陰性イソタイプ組織用))と共に室温で60分間インキュベートした。洗浄後、スライドをMACH4マウスプローブ一次抗体増強剤(Mouse Probe Primary Antibody Enhancer)と共に15分間、ついで重合体(Polymer)−HRP試薬と共に20分間インキュベートし、3,3’−ジアミノベンジジンテトラヒドロクロリド(DAB)溶液(Dako)で5分間現像し、ヘマトキシリン(Dako)で5分間、対比染色し、ここで、全てのインキュベーションは室温で行った。当該部局により認められた1人の病理学者により、強度に関する通常の評価および各強度における染色腫瘍の比率を用いて、染色の評価が行われた。
統計分析
全ての統計分析は、GraphPad(Prizm)を使用して行った。
TMAサンプルの陽性染色結果および棄却
該評価病理学者により膜染色に関して陽性だとみなされた腫瘍面積の比率が任意の強度において5%以上であった場合に、サンプル(TMAコアまたはFFPE試料)はFRα発現に関して陽性とみなされた。TMAコアが完全に欠落している(空コア)、壊死組織から構成される、または正常組織を表すとみなされる、と該評価病理学者が判定した場合には、TMAコアは棄却され、したがって該分析に含まれなかった。コアの組織病理学的診断は該評価病理学者により行われた。
Mスコア−半定量的染色アルゴリズム
各サンプルの染色に関する測定基準を以下のとおりに定義した。
Figure 2014508165
該式において、xijは、患者iに関して強度jで染色された腫瘍の百分率であり、wは強度の絶対値である。該測定基準はゼロ(陽性染色無し)から50(100% 3+)までの理論的範囲を有する。したがって、Mスコアは、FRα陽性細胞の比率と染色強度との両方をとらえるFRα IHC腫瘍細胞膜染色の加重スコアである。
適切な場合には、各患者/サンプルのMスコアを二重TMAコアまたはFFPE試料にわたって平均した。決定(コア)が結果を欠いていた(すなわち、腫瘍または壊死組織が存在しなかった)場合には、該Mスコアを非空(non−void)決定に割り当てた。
Mスコアに関する前記式の実際の適用を以下に示す。
Figure 2014508165
ここで、x=強度3+で染色された腫瘍の%;y=強度2+で染色された腫瘍の%;z=強度1+で染色された腫瘍の%。
FRα発現に関する陽性率を、陽性結果(5%腫瘍細胞膜染色)の定義に従い陽性に染色された腫瘍の比率として計算した。この手法を特定の組織学的亜群にも適用した。全体的な第1種の過誤を制御する事後検定を伴う一元配置ANOVAまたはフィッシャー正確確率検定を用いて、平均値の差を決定した。
実験結果
抗体26B3は、乳房を含む種々の組織のFFPE切片上のFRαを認識することが示された。びまん性細胞質染色も観察されたが、26B3によるFRαの染色パターンは膜局在に合致した。細胞質染色は膜染色の非存在下では観察されなかった。
乳癌TMA上に存在する組織構造の分布を表4に示す。示されている症例の大多数は浸潤性導管癌(IDC)として特定された。TMAは2つの正常乳房サンプルを含んでおり、これは、抗体26B3での染色による判定で、FRα発現に関して陽性であった。正常乳房における染色は、内腔および膜染色を伴う導管細胞に限局していた。3例中2例の繊維腺腫の症例(67%)、0/2の細胞肉腫の症例(0%)および1/6の上皮内導管癌の症例(17%)がFRαに関して陽性であった。1つの浸潤性上皮内小葉性癌(ILC)がFRα染色に関して陰性であった。59個のIDCサンプルのうち、18個(31%)がFRαに関して陽性であった。このTMAにおける少数の陽性症例を考慮すると、病期または等級に関するFRα発現の妥当な分析は可能でなかったが、サンプルの大多数がT1またはT2であったことは注目されるべきである。FRα発現は、ER/PR陽性腫瘍と比較してER/PR陰性腫瘍に(p=0.012)、およびトリプルネガティブ乳癌(TNBC)に関連していることが示された(ER/PR+またはHer2+対ER/PR/Her2−,p<0.0001)。
Figure 2014508165
18例のFRα陽性IDC症例のうち、2例(11%)がHer2陽性であった。このことは、大多数(89%)がHer2陰性であったことを意味する。これらのデータは、FRα陽性が、Her2陰性に、より厳密に一致することを示唆している。更に、18例のFRα陽性のIDC症例のうち、3例がエストロゲン受容体(ER)陽性であり、4例がプロゲステロン受容体(PR)陽性であったが、全てのER/PR陽性/FRα陽性症例はHer2陰性であった。また、FRα陽性IDC症例の12/18(67%)がトリプルネガティブ乳癌(TNBC)であり、このことは、FRαが非常に不良な予後のTNBC分子亜型のマーカーおよび標的でありうることを示唆している。TMAを全体として見ると、全Her2陽性症例の2/13(15%)はFRαに関しても陽性であり、一方、Her2陰性症例の16/46(35%)はFRα陽性でもあり、これらのことは、FRα発現がHer2発現に負に相関するという示唆を支持している。更に、FRα発現は乳癌の新規分子亜型(FRα+)を特定するようである。
前記のTMAは主として早期段階の乳癌から構成されていた[病期I,6/60(10%)、病期II,44/60(73%)、病期III,10/60(17%)]。したがって、該TMAにおいて得られた結果を証明し拡張するために、0〜100%陽性の範囲の既知ER/PR発現を有する病期IV(T4)Her2陰性乳癌からの61個のFFPE組織ブロックを評価した。これらのサンプルの全61個は原発性腫瘍ではなく転移性腫瘍からのものであった。
これらの患者の22/61(36%)においてFRα発現が検出された。このことは、早期段階の疾患で決定されたFRα陽性試料/腫瘍の比率が、Her2陰性集団において、後期段階の転移性疾患で保持されていることを示している(TMA陽性=35%;病期IV転移性疾患=36%)。22名のFRα陽性の病期IV転移性患者のうち、3名(14%)のみがER/PRに関する陽性を示し、そのような陽性は低い範囲(30%まで)に傾いていた。したがって、19/22(86%)のFRα陽性患者はトリプルネガティブ分子亜型のものであった。これらのデータ(表5)は、全FRα陽性患者の67%がトリプルネガティブ亜型を示した該TMAにおける早期段階の疾患において得られたデータと比べて優れている。
病期IV転移性疾患からのサンプルは、リンパ節、皮膚および肝臓を含む幾つかの転移部位から得たもの、ならびに主として胸膜および穿刺術から得た流体および細針吸引物(FNA)サンプルであった。これらの「流体生検物」の幾つかはFRαに関して染色されたが、このことは、記載されているIHC法の、多数のサンプル型に対する汎用的な適用性の可能性を示唆している。
Figure 2014508165
[実施例5]:HER2陰性転移性乳癌のメシル酸エリブリンとファーレツズマブとの組合せ治療の効力および安全性
メシル酸エリブリンとファーレツズマブとの組合せ治療の効力および安全性を判定するために、多施設ランダム化二重盲検並行群研究を行う。HER2陰性転移性乳癌を有する被験者を、(i)メシル酸エリブリンおよびファーレツズマブ(Arm A)または(ii)メシル酸エリブリンおよびプラセボ(Arm B)の組合せのいずれかの投与を受ける2つの治療群にランダム化する。以下の層別要因を考慮する:i)転移性疾患に対する過去の治療(第一線級または第二線級);ii)ホルモン受容体表現型(陽性対陰性)。
被験者
以下のものを含む選択基準および除外基準に基づいて被験者を選択する。
選択基準
被験者は参加前に書面のインフォームドコンセントを提出しなければならない。被験者はインフォームドコンセントの時点で18歳以上の女性または男性でなければならない。
被験者は、National Comprehensive Cancer Network(NCCN)ver.1.2012によるHER2陰性転移性乳癌(MBC)を有さなければならない。彼女らはFRαの陽性発現および測定可能な疾患を示さなければならない。
除外基準
HER2陽性MBC(NCCN ver.1.2012による)を有する被験者を除外する。
治療
被験者を、ファーレツズマブと組合されたメシル酸エリブリン(arm A)またはプラセボと組合されたメシル酸エリブリン(arm B)の投与を受けるようにランダムに割り当てる。
エリブリン治療
メシル酸エリブリンを各21日周期の第1日および第8日に2〜5分間にわたるIV注入として1.4mg/mの用量で投与する。以下の説明に従い、エリブリン関連毒性による用量の減少および中断を行う。
各周期の第1日における用量変更
以下の事象の発生の際には、周期の第1日にメシル酸エリブリンを1.1mg/mに減少させる:(i)前周期において14日以内に等級2に回復した、および以下のものからなる等級3または4の血液学的毒性:7日を超える等級4の好中球減少症、等級3もしくは4の熱性好中球減少症ならびに/または抗生物質および/もしくは増殖因子での治療を要する感染、等級4の血小板減少症、あるいは血小板または血液またはそれらの両方の輸血を要する等級3の血小板減少症;(ii)最大限の援助ケアを伴う又は伴わない7日以内に等級2に回復した等級3または4の非血液学的毒性;(iii)毒性のために前周期の第8日のエリブリンの投与が不可能。
等級3または4の血液学的毒性が14日以内に等級2に回復しない場合、あるいは非血液学的な等級3または4の毒性が7日以内に等級2に回復しない場合には、被験者に対するエリブリンでの治療を中断する。しかし、被験者が臨床的利益を有するとみなされる場合には、エリブリンが継続されうる。
各周期の第8日における用量変更:
血液学的毒性(ANC<1.0×109/L(1,000/mm3)または血小板数<75×109/L(75,000/mm3))または非血液学的毒性(不適切に治療された悪心および/または嘔吐を除く、いずれかの等級2を超える毒性)が第8日(投与前)に生じた場合には、前記の血液値への、および非血液学的毒性においては等級2以下への回復まで、エリブリンでの治療を延期する。回復が第15日またはその前に生じた場合には、メシル酸エリブリンを1.1mg/mの低減用量で再開し、これが新たな第8日となる。
毒性が第15日に前記値まで回復していない場合には、該周期におけるエリブリンの第2投与を省略する。前記値までの回復が生じたら、メシル酸エリブリンを、1.1mg/mの低減用量で、および次周期の第1日に計画されたとおりに再開する。
等級3または4の血液学的毒性が14日以内に等級2まで回復しない場合、あるいは非血液学的な等級3または4の毒性が7日以内に等級2まで回復しない場合には、被験者に対するエリブリンでの治療を中断する。しかし、被験者が臨床的利益を有するとみなされる場合には、エリブリンが継続されうる。
後続の用量変更
1.1mg/mへの用量低減および造血増殖因子の使用にもかかわらず血清学的毒性(ANC<1.0×109/L(1,000/mm3)または血小板数<75×109/L(75,000/mm))が再発生した場合には、メシル酸エリブリンの用量は0.7mg/mへと更に低減される。1.1mg/mへの用量低減にもかかわらず等級3または4の非血液学的毒性が再発生した場合には、メシル酸エリブリン用量は0.7mg/mへと低減される。
0.7mg/m2への用量低減の後に等級3または4の血液学的毒性が14日以内に等級2まで、あるいは非血液学的な等級3または4の毒性が7日以内に等級2まで回復しない場合には、被験者に対するエリブリンでの治療を中断する。しかし、被験者が臨床的利益を有するとみなされる場合には、エリブリンの継続が考慮されうる。
ファーレツズマブ治療
ファーレツズマブ7.5mg/Kgを各3週間周期の第1日にi.v.注入として投与する。しかし、第1周期だけは、第1日および第8日に7.5mg/Kgのファーレツズマブを投与する。治療の遅延の場合には、毎週q/3の投与の再開まで、2.5mg/kgの用量が適度なファーレツズマブレベルを維持する。
ファーレツズマブまたはプラセボは、直列の低タンパク質または非タンパク質結合性0.20または0.22ミクロンフィルターを使用して、静脈内投与される。被験者には最初は0.4mL/分のファーレツズマブまたはプラセボの静脈内投与を行うべきであり、許容されるにつれて速度を2mL/分まで上げるべきである。推奨される増加率は5分当たり0.4mL/分である。2mL/分が十分に許容されれば、後続の注入はその速度で開始されうる。注入に関連した有害効果が生じた場合には、注入速度を少なくとも50%減少させ、十分に許容される最高速度に戻す。
ファーレツズマブの許容できない毒性の場合には、被験者への投与は中断されうる。エリブリン投与の1週間の遅れの場合、2.5mg.kgの補足的ファーレツズマブ用量が、治療の再開まで、ファーレツズマブレベルを維持する。
ファーレツズマブはメシル酸エリブリンの投与の前に投与される。留置静脈アクセス装置を使用する場合には、可能であれば採血に用いたのとは異なる内腔(ルーメン)を介してファーレツズマブまたはプラセボを投与する。可能であれば、薬物レベル分析を複雑化する可能性を軽減するために、多ルーメンカテーテルの最も遠位の内腔を介してファーレツズマブまたはプラセボを投与する。
プラセボ治療
正常食塩水をプラセボとして使用する。プラセボは、arm Aにおける被験者にファーレツズマブが投与されたのと全く同様にして、arm Bにおける被験者に投与される。
随伴的薬物/療法
抗悪心/嘔吐投薬が許容される。ファーレツズマブ(またはプラセボ)注入の前に経口経路または臨床的慣例に従う臨床的に等価な経路によりアセトアミノフェン650〜1000mgを全被験者に前投薬する。被験者は、過敏症および注入関連反応の一次予防の形態で、抗ヒスタミン剤、解熱剤、全身ステロイドおよび必要に応じて使用される追加的援助手段の組合せからなりうる随伴的前投薬を受けることも可能である。
試験物(ファーレツズマブまたはプラセボ)注入に関連すると考えられる薬物過敏反応の場合には、流体停留および/または過敏反応の頻度/重症度を軽減するために、後続注入のために、臨床的慣例に従い解熱剤またはヒスタミン受容体遮断薬(例えば、ジフェンヒドラミンなど)が被験者に前投薬されうる。アレルギー反応の場合には、研究者は、医学的に適切な治療手段を実施する。
評価法
研究的治療の開始の前の28日以内にスクリーニングを行う。陽性サンプルは、5%以上の腫瘍細胞が免疫組織化学法(IHC)によりいずれかの強度で染色されていることと定義される。FRα発現に関してIHC(FFPEまたはFNA)により被験者をスクリーニングする。該治験はスクリーニングのための新たな生検の収集を要求していないため、過去の又は新たに得られた組織サンプルがFRαの特徴づけに使用されうる。
腫瘍評価は、既知の又は疑われる疾患の、胸部、腹部、骨盤、脳および他の領域の放射線撮影評価からなる。プロトコールイメージング基準を満たす標準的なケアスキャンは、ランダム化の前の28日以内に行われていれば、スクリーニング/ベースラインスキャンとして用いられる。過去の骨スキャンは、ランダム化の前の6週間(42日)以内に行われていれば、用いられうる。
効力評価
腫瘍評価は、RECIST 1.1に基づいて行われる。効力分析は研究者の評価に基づく。
応答評価(コンピュータ断層撮影[CT]/磁気共鳴イメージング[MRI])は(部位放射線専門医と共に)研究者により評価され、適切な症例報告書(CRF)に入力される。全ての腫瘍評価スキャンは、独立した精査のために中央イメージング中核的研究所に送られる。
研究エンドポイント
研究エンドポイントには以下のものが含まれうる:進行を伴わない生存(PFS)(ランダム化の日から、疾患進行の最初の独立して確認された客観的実証の日または死亡日のうちの早いほうの日までの時間として定義される);客観的応答率(完全な応答[CR]または部分的応答[PR]の最良の客観的応答を示す被験者の比率);疾患抑制率(完全な応答[CR]または部分的応答[PR]または安定疾患[SD]の最良の客観的応答を示す被験者の比率);臨床的利益率(CR+PR+dSD[dSD,SD12週間の持続期間]最良の客観的応答を示す被験者の比率);全体的生存(ランダム化の日から、いずれかの原因による死亡の日までに測定されたもの;追跡不能になった被験者、およびデータカットオフの日に生存している被験者は、被験者の生存が最後に知られた日においてセンサリングされる);応答の持続期間(実証されている応答から、進行の証拠の時までの期間);応答までの時間(ランダム化の日から、最初に実証された確認された応答までの期間)。該研究エンドポイントは、適切な分析の組合せ、および統計方法を用いて分析される。
均等物
当業者は、単なる通常の実験を用いて、本明細書に記載されている本発明の具体的な実施形態に対する多数の均等物を認識し、または確認しうるであろう。そのような均等物は以下の特許請求の範囲に含まれると意図される。

Claims (51)

  1. (a)治療的有効量のエリブリンまたはその医薬として許容される塩および(b)ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントを対象に投与することを含む、乳癌に罹患している対象の治療方法。
  2. 乳癌が腺癌である、請求項1に記載の方法。
  3. 乳癌が炎症性乳癌である、請求項1に記載の方法。
  4. 乳癌が転移性乳癌である、請求項1に記載の方法。
  5. 対象が転移性乳癌の治療のために少なくとも1つの化学療法を事前に受けている、請求項4に記載の方法。
  6. 対象が転移性乳癌の治療のために少なくとも2つの化学療法を事前に受けている、請求項4に記載の方法。
  7. 被験者が、アントラサイクリンまたはタキサンまたはそれらの両方の投与を含む1以上の化学療法を事前に受けている、請求項6に記載の方法。
  8. 乳癌が葉酸受容体アルファ発現または過剰発現乳癌である、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 乳癌がHER2陰性乳癌である、請求項1または請求項8に記載の方法。
  10. 乳癌がHER2陽性乳癌である、請求項1または請求項8に記載の方法。
  11. 乳癌がER陰性およびPR陰性である、請求項9に記載の方法。
  12. 乳癌がER陰性およびPR陽性、ER陽性およびPR陽性、またはER陽性およびPR陰性である、請求項9に記載の方法。
  13. 乳癌がER陰性、PR陰性およびHER2陰性乳癌である、請求項8に記載の方法。
  14. 乳癌がホルモン療法に対して治療抵抗性である、請求項11または請求項12に記載の方法。
  15. 乳癌がER陰性およびPR陽性、ER陽性およびPR陽性、またはER陽性およびPR陰性であり、ホルモン療法に対して治療抵抗性である、請求項9または請求項10に記載の方法。
  16. ホルモン療法がタモキシフェンまたはアロマターゼインヒビターでの療法である、請求項14または請求項15に記載の方法。
  17. エリブリンまたはその医薬として許容される塩およびファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントを交互に投与する、請求項1に記載の方法。
  18. 対象における腫瘍成長が抑制される、請求項1に記載の方法。
  19. エリブリンまたはその医薬として許容される塩およびファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントの投与が対象における腫瘍退縮をもたらす、請求項1に記載の方法。
  20. エリブリンまたはその医薬として許容される塩およびファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントが対象における完全な腫瘍退縮をもたらす、請求項1に記載の方法。
  21. エリブリンまたはその医薬として許容される塩を約14〜35日ごとに1〜3回、対象に投与する、請求項1に記載の方法。
  22. エリブリンまたはその医薬として許容される塩を21〜28日ごとに少なくとも1回、対象に投与する、請求項1に記載の方法。
  23. エリブリンまたはその医薬として許容される塩を21〜28日周期の第1日および第8日に対象に投与する、請求項22に記載の方法。
  24. ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントを21〜28日周期の第1日に対象に投与する、請求項23に記載の方法。
  25. エリブリンまたはその医薬として許容される塩を21日周期の第1日および第8日に対象に投与する、請求項22に記載の方法。
  26. ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントを21日周期の第1日に投与する、請求項25に記載の方法。
  27. ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントをエリブリンまたはその医薬として許容される塩の投与の直後に対象に投与する、請求項26に記載の方法。
  28. エリブリンまたはその医薬として許容される塩を第1日にファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントの投与の後で対象に投与する、請求項26に記載の方法。
  29. ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントを週1回、対象に投与する、請求項23に記載の方法。
  30. エリブリンまたはその医薬として許容される塩を約0.5mg/m〜約3.0mg/mの量で対象に投与する、請求項1に記載の方法。
  31. エリブリンまたはその医薬として許容される塩を約0.7mg/m〜約2.0mg/mの量で対象に投与する、請求項20に記載の方法。
  32. エリブリンまたはその医薬として許容される塩を1.4mg/mの量で対象に投与する、請求項23から請求項25のいずれか1項に記載の方法。
  33. 対象が軽度の肝障害を有し、エリブリンまたはその医薬として許容される塩を1.1mg/mの量で対象に投与する、請求項23に記載の方法。
  34. 対象が中等度の肝障害を有し、エリブリンまたはその医薬として許容される塩を0.7mg/mの量で対象に投与する、請求項23に記載の方法。
  35. エリブリンまたはその医薬として許容される塩を対象に静脈内投与する、請求項1に記載の方法。
  36. ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントを約0.5mg/kg〜約4.0mg/kgの量で週1回、対象に投与する、請求項1に記載の方法。
  37. ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントを約1.0mg/kg〜約3.0mg/kgの量で週1回、対象に投与する、請求項36に記載の方法。
  38. ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントを約2.5mg/kgの量で週1回、対象に投与する、請求項36に記載の方法。
  39. ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントを約3.00mg/kg〜約9.00mg/kgの量で3週間ごとに対象に投与する、請求項1に記載の方法。
  40. ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントを約7.50mg/kgの量で対象に投与する、請求項39に記載の方法。
  41. エリブリンまたはその医薬として許容される塩およびファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントを対象に静脈内投与する、請求項1に記載の方法。
  42. エリブリンまたはその医薬として許容される塩がメシル酸エリブリンである、請求項1に記載の方法。
  43. ファーレツズマブを投与する、請求項1に記載の方法。
  44. エリブリンまたはその医薬として許容される塩およびファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントを癌に対する第二線級またはそれ以降の療法として対象に投与する、請求項1に記載の方法。
  45. (a)エリブリンまたはその医薬として許容される塩を21〜28日周期の第1日および第8日に、ならびに(b)ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントを同じ21〜28日周期の第1日に、対象に投与することを含む、乳癌に罹患している対象の治療方法。
  46. ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントの、少なくとも1つの負荷用量を、最初の21〜28日周期中に対象に投与することを更に含む、請求項45に記載の方法。
  47. ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントを最初の周期の第1日および第8日に投与する、請求項46に記載の方法。
  48. (a)エリブリンまたはその医薬として許容される塩を21〜28日周期の第1日および第8日に、ならびに
    (b)ファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントを
    (i)最初の21〜28日周期の第1日および第8日、および
    (ii)それぞれの後続の21〜28日周期の第1日に対象に投与することを含む、乳癌に罹患している対象の治療方法。
  49. 周期が21日周期である、請求項45から請求項48のいずれか1項に記載の方法。
  50. エリブリンまたはその医薬として許容される塩およびファーレツズマブまたはその抗原結合性フラグメントを静脈内投与する、請求項45から請求項48のいずれか1項に記載の方法。
  51. メシル酸エリブリンである、エリブリンの医薬として許容される塩を投与する、請求項1から請求項50のいずれか1項に記載の方法。
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