JP2014506230A - トリプタミン誘導体、その製造方法および胃疾患についての使用 - Google Patents

トリプタミン誘導体、その製造方法および胃疾患についての使用 Download PDF

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Abstract

本発明は様々なトリプタミン誘導体の合成法及び胃保護効果の評価に関する。当該誘導体は、公知抗酸化分子のアミド又はエステルとして合成され、良好な抗酸化性を示す。セロトニンと没食子酸から生成されるSEGA(3a)は、他の合成化合物よりも抗酸化性が強い。当該誘導体は、NSAIDsが誘発した胃疾患に対し胃保護能力を示し、治癒を加速させ、NSAIDsが誘発したミトコンドリア酸化ストレスを防ぐ。当該誘導体は、カスパーゼ9及びカスパーゼ3の活性化を防ぎ、NSAIDが誘発したミトコンドリア酸化ストレスを介したアポトーシスを妨げ、NSAIDsが媒介したミトコンドリア膜電位や脱水素酵素活性の衰弱を回復させる。当該誘導体は、ミトコンドリア内ROS補足剤や鉄キレート剤として重要であり、従って、有力な抗酸化抗アポトーシス分子であり、NSAIDsが誘発した胃疾患及びストレスやアルコールが媒介した胃損傷を効果的に防ぐ。

Description

本発明は一般式(1)で表される化合物に関する。
Figure 2014506230
式中、R1は−OH、または−H、または−OMe、または以下の式である。
Figure 2014506230
2はH、−COMe、または以下の式である。
Figure 2014506230
本発明はさらに、数種類の公知抗酸化分子を用いたアミドまたはエステルを形成することにより合成された、一般式(1)で表されるトリプタミン誘導体に関する。当該抗酸化剤としては、たとえば、没食子酸(ガリック酸)、クマル酸(4−ヒドロキシシンナミック酸)、およびインドール−3−酢酸がある。
本発明はさらに、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)、ストレスまたはエタノールにより誘発される胃疾患/胃粘膜損傷を防ぐ、抗酸化効果および抗アポトーシス効果が有用である一般式(1)で表されるトリプタミン誘導体に関する。
非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)は、痛み、リュウマチ性疾患、炎症および変形性関節症の治療に、世界中で最も有用な薬である(Harth M、et al.、“Br Med J”、1966、1、5479、80−83)。
NSAIDsは解熱効果を有しており、熱の治療に用いられている(Koeberle A、et al.、“Curr Med Chem”、2009、16、32、4274−96)。よって、NSAIDsを用いた治療を避けることはできないが、NSAIDs治療に伴う主な限界は、大量出血や消化不良を伴う深刻な胃疾患や胃粘膜損傷が発生することである。NSAIDに関する上部消化管の副作用により、アメリカにおいて年103000件の入院および16500件の死亡が生じていると推定される(Green G.A.、“Clin Cornerstone”、2001、3、5、50−60)。NSAIDsは吐き気/嘔吐、下痢の原因でもある(Simone Rossi、ed.、“Australian medhicines handbook 2006”、Adelaide、Australian Medicines Handbook Pty Ltd、2006)。
雑誌「Maity P、et al.、“J Biol Chem”、2008、283、21、14391−14401」を参照すると、当該雑誌において、NSAIDが誘発する胃疾患の主な原因は、活性酸素種(ROS)の過剰生成の結果、胃粘膜に酸化ストレスが発生することであるとわかっている。
ROSは、ミトコンドリアおよびデスレセプターの両方の誘導を経緯し、胃粘膜細胞のアポトーシス経路を介する、胃疾患を誘発すると記載されている(Maity P、et al.、“J Pineal Res”、2009、46、3、314−323)。事実、NSAIDsはミトコンドリア症状(mitochondrial pathology)を引き起こす。当該症状は、ミトコンドリア内のROS、例えば酸化ストレスを引き起こすO2 ・-、H22およびOH、の発生が増加することに関連する。O2 ・-は、ミトコンドリアアコニターゼに最も効果的に損傷を与え、鉄−硫黄クラスターから鉄を遊離する原因となる。遊離された鉄は、ミトコンドリア内のH22と作用し、OHを形成する。興味深いことに、ミトコンドリア内でOHが発生することは、インドメタシンが原因の、ミトコンドリア症状の発生およびミトコンドリア死経路の活性化に対し、重要である(Maity P.、et al.、“J.Biol.Chem.”、2009、284、3058−3068)。
デスフェリオキサミンを用いた遊離鉄のキレート化、あるいは胃粘膜の酸化ストレスの妨害、により、胃粘膜損傷を防ぐことができる(Bandyopadhyay et al.、“Life Sci.”、2002 Nov 1、71、24、2845−65)。NSAIDにより誘発される胃粘膜損傷において、胃粘膜中のセロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)が遊離し関与していることも(Ogihara Y、et al.、“Jpn J Pharmacol”、1993、61、2、123−131)、明白である。セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)は生体アミンであり神経伝達物質として知られている(Kushnir IH、et al.、“Fiziol Zh”、2009、55、3、125−127)。
セロトニンは血管収縮により胃粘膜血流(GMBF)を減少させ、その結果、局所貧血が促進されることによってROSが発生し、急性胃損傷が引き起こされることは述べておくべきことである(Wong S.H、et al.、“Digestion”、1990、45、1、52−60、 Yoneda M、et al.、“Am J Physiol”、1995、269、1 Pt 2、R1−6、Khan M、et al.、“J Pharmacol Exp Ther”、2007、323、3、813−821)。セロトニンは、粘膜細胞の分泌機能を減少させて胃粘膜の防衛機能に不利に作用し、上皮および血管の保全性を弱める。好中球が活性化することは、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性の上昇を経緯し、5−HTの有害な効果の原因の一部であると思われる(Ko J、et al.、“Free Radic Biol Med”、1998、24、6、1007−1014)。
インドメタシン、[非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)]、エタノール(Wong S.H、et al.、“Digestion”、1990、45、1、52−60)、ストレスにより誘発される胃潰瘍(Debnath S、et al.、“Indian J Exp Biol”、2007、45、8、726−731)において、セロトニンが重大な役割を果たすことは、述べる価値がある。セロトニンは、ROS発生を経て酸化ストレスを引き起こすことができる(Bianchi P、et al.、“FASEB J”、2005、19、6、641−643)。セロトニンは炎症に反応して遊離され(Yoneda M、et al.、“Am J Physiol”、1995、269、1 Pt 2、R1−6)、セロトニンにより誘発される粘膜中のXO活性種が増加することにより、フリーラジカル生成物が誘発され、潰瘍発生過程を調整出来る可能性がある(Ko J、et al.、“Free Radic Biol Med”、1998、24、6、1007−1014)。セロトニンは、受容体非依存性および受容体依存性メカニズムによって、ROSを発生させる(Bianchi P、et al.、“FASEB J”、2005、19、6、641−643)。胃潰瘍あるいは胃疾患は、胃粘膜の炎症疾患の一種である(Mierzwa G、et al.、“Med Wieku Rozwoj”、2005、9、4、647−654)。
よって、ROSやキレート化合物から遊離された鉄を除去でき、同時にNSAIDが誘発した胃疾患や関連障害と戦うためにセロトニンと対応受容体の相互作用を防ぐことができる、分子を合成することには大きな利点がある。
鉄キレート剤である没食子酸(GA)は、胃を保護する化合物であり、NSAIDが誘発した胃粘膜損傷を効率的に防ぐ(Pal C、et al.、“Free Radic Biol Med”、2010、49、2、258−267)。機構研究によって、GAは、NSAIDにより誘発されたミトコンドリア酸化ストレスおよび胃粘膜細胞アポトーシスを防ぐことにより胃の保護効果を提供し、さらにNSAIDにより誘発されたミトコンドリア機能不全を防ぐことが、明らかになった(Pal C、et al.、“Free Radic Biol Med”、2010、49、2、258−267)。
本発明は、GAと結合しアミドまたはエステルを形成する様々なトリプタミン(セロトニンに似た分子)誘導体、およびGAを他の公知抗酸化剤、例えばクマル酸、3−インドール酢酸、に置き換えた他の構造のトリプタミン誘導体を提供する。セロトニンの主な欠点は毒性である。他方、GAの限界は生物学的利用能(bioavailability)が低いことである(Shahrzad S、et al.、“J Nutr”、2001、131、4、1207−1210)。薬物動態学および生物学的利用能の研究により、GAは4−O−メチル没食子酸に非常に早く代謝され、血漿中の生物学的利用能が低いことが示されている。GA摂取量の38%が尿に排泄された(Shahrzad S、et al.、“J Nutr”、2001、131、4、1207−1210、 Manach C、et al.、“Am J Clin Nutr”、2005、81、1 Suppl、230S−242S)。インドール−3−酢酸およびクマル酸は、フリーラジカルを除去することにより重要な抗酸化剤活性を示す(Cano A、et al、“Anal Bioanal Chem”、2003、376、33−37、 Kylli P、“Anal Bioanal Chem”、2003、376、33−37)。セロトニン誘導体(本研究の化合物2b)は、セロトニンN−ヒドロキシシンナモイル転移酵素(SHT)により、セロトニンとクマル酸の結合によって生合成されることが報告されている(Kiyoon Kang et al、“Appl Microbiol Biotechnol”、2009、83、27−34)。当該化合物はセントーレアモンタナ(Centaurea montana、キク科)の種から単離されたものであり、試験管内でCaCo2大腸癌細胞に対して細胞障害活性を示す(Mohammad Shoeb et al、“Tetrahedron”、2006、62、11172−11177)。
現存する胃保護化合物、例えばプロトンポンプインヒビター(オメプラゾール、ランソプラゾールなど)、H2受容体遮断薬(ラニチジン、シメチジンなど)、には限界がある。当該現存化合物は、NSAIDにより生じた胃疾患に対し、非常に少量の投与量で効果を有するが、下痢(Mukherjee S.、“J Gastroenterol Hepatol”、2003、18、5、602−603)、線形粘膜欠陥、粘膜の脆弱化といった副作用を有する。当該症状は、コラーゲン形成大腸炎、ライジッヒ細胞腫、亜急性皮膚エリテマトーデス、多発筋炎を含む筋障害、急性腎炎およびアナフィラキシー反応に関連する(Mukherjee S.、“J Gastroenterol Hepatol”、2003、18、5、602−603、Clark D.W、et al.、“Fundam Appl Toxicol”、1995、26、2、191−202)。プロトンポンプインヒビターは、細菌感染症および関連障害の増加リスクと関連することが報告されている(Dial S、et al.、“JAMA”、2004、292、16、1955−1960)。
本発明により合成された誘導体はいくつか利点を有する。当該誘導体は、試験管内で、遊離鉄をキレート化し、ROSを除去することにより酸化ストレスを防ぎ、同時に抗アポトーシス効果を提供できる。当該誘導体は、生体内でROSの除去をするだけでなく、鉄が媒介するOHの形成を妨げる能力も有する。当該誘導体は、NSAIDsにより誘発される、ROSが媒介した胃粘膜細胞アポトーシスの活性化を妨げることによって、胃粘膜酸化ストレスおよび胃疾患を防ぐことができる。
本発明の主な目的は、一般式(1)で表される化合物を提供することにある。本発明の他の目的は、ストレスはもちろん、NSAIDs、エタノールにより誘発された胃疾患治療のための新しいスキャフォールドを提供することにある。
本発明の別の目的は、セニトロン分子のアミノ基を保護することによって、セロトニンの毒性を減らすことにある。
本発明のさらに別の目的は、セニトロン受容体アンタゴニストを形成することによって、セニトロンが誘発した疾患の治療用分子を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、抗酸化剤分子を、生体内はもちろん、試験管内でも提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、抗アポトーシス分子を、生体内はもちろん、試験管内でも提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、NSAIDsにより誘発された、ミトコンドリア機能障害はもちろん、ミトコンドリア酸化ストレスも防ぐ分子を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、ミトコンドリア内ROS(活性酸素種)の捕捉はもちろん、ミトコンドリア鉄キレート化を、促進させることにある。
従って、本発明は一般式(1)の化合物を提供する。
Figure 2014506230
式中、R1はOH、H、OMe、または以下の式であり、
Figure 2014506230
2はH、−COMe、
Figure 2014506230
Figure 2014506230
Figure 2014506230
または
Figure 2014506230
である。
本発明の一実施態様では、前記化合物は:
3,4,5−トリヒドロキシ−N−(2−(5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル)エチル)ベンズアミド;SEGA(3a);
N−(2−(1H−インドール−3−イル)エチル)−3,4,5−トリヒドロキシベンズアミド TRGA(3b);
3,4,5−トリヒドロキシ−N−(2−(5−メトキシ−1H−インドール−3−イル)エチル)ベンズアミド MEGA(3c);
(E)−N−(2−(5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル)エチル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド 2b;
(E)−N−(2−(1H−インドール−3−イル)エチル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド 2e;
(E)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−N−(2−(5−メトキシ−1H−インドール−3−イル)エチル)アクリルアミド 2h;
N−(2−(5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル)エチル)−2−(1H−インドール−3−イル)アセトアミド 2c;
N−(2−(1H−インドール−3−イル)エチル)−2−(1H−インドール−3−イル)アセトアミド 2f;
2−(1H−インドール−3−イル)−N−(2−(5−メトキシ−1H−インドール−3−イル)エチル)アセトアミド;2i;
3−(2−アミノエチル)−1H−インドール−5−イル 3,4,5−トリヒドロキシベンゾエート GASA(4d);
3−(2−アミノエチル)−1H−インドール−5−イル 5−(2−(5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル)エチルアミノ)−5−オキソペンタノエート 6c;または
N−(2−(5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル)エチル)アセトアミド 5aである。
本発明の別の実施態様は、前記化合物の構造式は以下の式で表される化合物である:
Figure 2014506230
本発明のさらに別の実施態様は、前記化合物は胃疾患の治療に有用である。
本発明のさらに別の実施態様は、前記化合物は試験管内で抗酸化性を示す。
本発明のさらに別の実施態様は、6分、65分における鉄還元抗酸化力(FRAP)値、および2、2−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジル(DPPH)アッセイにおける吸光度変化値は、それぞれ1.65±0.06〜39.51±2.7、1.83±0.29〜60.61±7.3および0.107±0.02〜0.449±0.08の範囲にある。
本発明のさらに別の実施態様は、構造式SEGA、GASA、TRGAおよびMEGAの化合物が示す潰瘍指数(ulcer index)が、30±3〜61±3の範囲の値にある。
本発明のさらに別の実施態様は、医薬組成物は、薬学的に許容可能なキャリアとともに一般式(1)で表される少なくとも1種の化合物を含有する。
本発明のさらに別の実施態様は、動物の胃疾患の治療方法において、一般式(1)で表される少なくとも1種の化合物が有効量投与されることを含む。
本発明のさらに別の実施態様は、前記胃疾患は非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)、エタノールおよび寒冷拘束ストレス(cold‐immobilized stress)が原因であり、ミトコンドリア酸化ストレスの発生およびその後の胃粘膜細胞アポトーシス誘導を経緯している。
本発明のさらに別の実施態様は、一般式(1)の化合物の有効量は1mgkg-1〜50mgkg-1の範囲にある。
本発明のさらに別の実施態様は、一般式(1)の化合物が腹腔内に投与される。
本発明のさらに別の実施態様は、化合物SEGA(3a)のED50値は6〜8mgkg-1である。
本発明のさらに別の実施態様は、構造式SEGA(3a)の化合物は、3[4,5−ジメチルチアゾール−2−イル]−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT)還元アッセイを用いて確立される、非毒性分子である。
本発明のさらに別の実施態様は、一般式(1)で表される少なくとも1種の化合物を有効量投与することにより、培養された胃粘膜細胞の試験管内における損傷を防ぐ方法である。
本発明のさらに別の実施態様は、請求項2に記載の構造式SEGA(3a)、2b、2c、TRGA(3b)、2e、2f、MEGA(3c)、2h、2i、4dの化合物の製造方法であり、次の工程を含む:
i. トリプタミン誘導体および置換された酸を1:1.2〜1:2の比の範囲で1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カーボジイミドヒドロクロライド(EDCヒドロクロライド)を用いて縮合し、次いで構造式2a−I、4b、6bの化合物を得るために2〜3%メタノール含有クロロホルムへ溶出させて分離する工程、
ii. 構造式3a、3b、3c、4cの化合物を得るために、構造式2a、2d、2dの化合物を水素添加する工程、
iii. 工程(i)で得た6bまたは工程(ii)で得た4cを、10〜20%CH2Cl2およびギ酸に、0〜1℃の温度範囲で混合し、次いで25〜27℃の温度範囲で50〜80分間撹拌し、6c、4dをそれぞれ得る工程。
本発明のさらに別の実施態様は、トリプタミン誘導体は、セロトニンハイドロクロライド(5−ヒドロキシトリプタミンハイドロクロライド)、トリプタミンハイドロクロライド、5−メトキシトリプタミン、tertブチル2−(5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル)エチルカルバメートからなる群から選択される。
本発明のさらに別の実施態様は、置換された酸は、3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)安息香酸、クマル酸、インドール−3−酢酸、セロトニンハイドロクロライド(5−ヒドロキシトリプタミンハイドロクロライド)からなる群から選択される。
本発明のさらに別の実施態様は、化合物SEGA(3a)は、生体内でNSAIDが誘発したカスパーゼ−3活性を妨害するだけでなく、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼUTPニック末端標識(TUNEL)アッセイを行うことによって、NSAIDが誘発した胃粘膜アポトーシスを減少させる。
本発明のさらに別の実施態様は、化合物SEGA(3a)はミトコンドリアのアポトーシス経路を、NSAIDが誘発したカスパーゼ−9活性を妨害することによって保護する。
本発明のさらに別の実施態様は、化合物SEGA(3a)はNSAIDsが誘発したミトコンドリアのタンパク質のカルボニル形成を妨げる。
本発明のさらに別の実施態様は、化合物SEGA(3a)はNSAIDsが誘発したミトコンドリアの脂質過酸化反応を保護する。
本発明のさらに別の実施態様は、化合物SEGA(3a)はNSAIDsが誘発したミトコンドリアの全チオールの枯渇を妨げる。
本発明のさらに別の実施態様は、前記化合物SEGA(3a)は、細胞内活性酸素種(ROS)の発生を防ぐために、培養された細胞内の遊離鉄を除去する。
本発明のさらに別の実施態様は、前記化合物SEGA(3a)は、NSAIDsが誘発したミトコンドリアの脱水酵素活性抑制を妨げる。
SEGA(3a)、2b、2cの合成スキームを表す。当該スキームにおいて、試薬および条件は、(i)ベンジルクロライド、K2CO3、Bu4+-、アセトン4時間還流、80%;(ii)20%KOH、エタノール、3時間還流、84%;(iii)セロトニンハイドロクロライド、RCOOH、EDC−HCl、Et3N、DMF、室温一晩;(iv)10%Pd−C、メタノール rt(室温、27℃)、2h、である。 TRGA(3b)、MEGA(3c)、2e、2f、2h、および2iの合成スキームを表す。当該スキームにおいて、試薬および条件は、(i)R1NH2、R2COOH、EDC−HCl、Et3N、DMF、12時間、rt(室温、27℃)、(iv)10%Pd−C、メタノール rt(室温、27℃)、30分、である。 GASA(4d)の合成スキームを表す。当該スキームにおいて、試薬および条件は、(i)NaHCO3、NaCl、H2O、(BOC)2O、CHCl3、3時間還流、95%;(ii)1b、EDC−HCl、DMAP、DMF、rt(室温、27℃)、12時間、(iii)10%Pd−C、メタノール rt、2h、(iv)CH2Cl2、96%HCOOH、30%NH3水溶液、rt(室温、27℃)、3h、81%である。 5cの合成スキームを表す。当該スキームにおいて、試薬および条件は、(i)BBr3、DCM、−78℃、rt(室温、27℃)一晩、45%である。 6cの合成スキームを表す。当該スキームにおいて、試薬および条件は、(i)グルタル酸無水物、DMAP、Et3N、THF、還流4時間、74%;(ii)セロトニンハイドロクロライド、EDC−HCl、Et3N、DMF、(室温、27℃)、12時間、56%;(iii)CH2Cl2、96%HCOOH、30%NH3水溶液、rt 3h、81%である。 試験管内で抗酸化性を示したトリプタミン誘導体を表す。(A)様々な時間間隔で、様々な構造のトリプタミン誘導体の存在下、鉄還元抗酸化力(FRAP)アッセイにより、595nmにおける吸光度変化を測定した。当該値は3セットの平均±標準誤差(SEM)である。(B)様々な時間間隔で、トリプタミン誘導体と数種類の公知抗酸化剤との、抗酸化活性の比較分析である。当該値は3セットの平均±標準誤差(SEM)である。 FRAPアッセイを用い、様々な濃度において、SEGA(3a)と数種類の公知抗酸化剤との、抗酸化活性の比較分析を表す。 様々な濃度における、様々なトリプタミン誘導体の、2,2−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジル(DPPH)フリーラジカルの除去活性を表す。 (A)潰瘍指数の測定により、様々な投与量でSEGA(3a)が、インドメタシンが誘発した胃粘膜損傷を保護することを表す。(B)「物質と方法」に記載の通り潰瘍指数を測定し、SEGA(3a)が、ジクロフェナクが誘発した胃疾患を防ぐ。データは平均±標準誤差(SEM)を表す。(###はインドメタシンまたはジクロフェナクに対しp<0.001、n=6)。 動物(ラット)モデルを用い、エタノール、ストレスが誘発した胃粘膜損傷におけるSEGA(3a)の効果を示す。(***はコントロールに対しp<0.001、###はエタノールまたはストレスに対しp<0.001、n=5)。 コントロール、インドメタシン処理、およびSEGA(3a)前処理後インドメタシン処理、のラットから得た、胃粘膜切片のヘマトキシリン−エオシン染色を表す。 潰瘍指数により測定されているように、インドメタシンが誘発した胃粘膜損傷の治癒を、SEGA(3a)が加速していることを表す。データは平均値±標準誤差(SEM)を表した(###はインドメタシンに対しp<0.001、n=4)。 SEGA(3a)が、生体内で非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)が誘発したミトコンドリア酸化ストレスを防ぐことを表す。SEGA(3a)はインドメタシン、ジクロフェナクが誘発したミトコンドリア内タンパク質のカルボニル形成やミトコンドリアの脂質の過酸化を防ぎ、インドメタシン、ジクロフェナクが誘発したミトコンドリア内チオール濃度の減少を防ぐ。データは平均値±標準誤差(SEM)を表した(***はコントロールに対しp<0.001、###はインドメタシンに対しp<0.001、n=5)。 SEGA(3a)が、インドメタシンが誘発したアポトーシスを生体内で防ぐことを表す。(A)SEGAは、投与量に依存して、インドメタシンが誘発したカスパーゼ−3活性を防ぐ。データは平均値±標準誤差(SEM)を表した(***はコントロールに対しp<0.001、###はインドメタシンに対しp<0.001、n=6)。(B)ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼdUTPニック末端標識(TUNEL)アッセイ(矢印で示される、濃茶染色部はアポトーシス性DNAフラグメンテーションを示唆する)により、インドメタシンは胃粘膜細胞アポトーシスを引き起こし、SEGA(3a)はインドメタシンが誘発した胃粘膜アポトーシスをブロックすることが示される。 SEGA(3a)が、生体内において、インドメタシンが誘発したミトコンドリアのアポトーシス経路を防ぐことを表す。SEGAはインドメタシンが誘発したカスパーゼ−9活性を防ぐ。データは平均値±標準誤差(SEM)を表した(***はコントロールに対しp<0.001、###はインドメタシンに対しp<0.001、n=6)。 SEGA(3a)が、試験管内で、インドメタシンが誘発した胃粘膜細胞アポトーシスを防ぐことを表す。TUNELアッセイは、GAが一次培養胃上皮細胞のアポトーシスを妨げることを示す。第1列はヨウ化プロピジウム(PI)によって染色された核を示し、第2列はアレキサフルオール(Alexa Flour)488により染色されたアポトーシス性DNAフラグメンテーションを示し、第3列は第1(PI)および第2(アレキサフルオール488)列の写真を合成したものを示す。 SEGA(3a)が、NSIADsが誘発したミトコンドリア機能障害を防ぐことを表す。(A)下記「物質と方法」の記載通り、MTTアッセイにより測定されるように、SEGAは、ミトコンドリア機能障害を回復させる。(B)SEGAは、インドメタシン、ジクロフェナクが誘発した膜電位(ΔΨm)の減少を防ぐ。当該電位はJC−1吸収に示される。 試験管内で、SEGA(3a)が、NSAIDによって発生されたミトコンドリア内過酸化物(O2 ・-)を除去することを表す。ミトソックスレッド(MitoSOX Red)により検出されるミトコンドリア内のO2 ・-の発生により、細胞が染色される。当該細胞は、コントロール、インドメタシン処理およびSEGA前処理した、胃粘膜培養細胞である。 試験管内で、SEGA(3a)の遊離鉄キレート特性を表す。遊離鉄の発生は、フェングリーンSK(Phen Green SK)によって検出され、細胞が染色される。当該細胞は、コントロール、インドメタシン処理およびSEGA前処理した胃粘膜培養細胞である。
本発明において、トリプタミン誘導体SEGA(3a)、TRGA(3b)、MEGA(3c)、GASA(4d)、2b、2c、2e、2f、2h、2i、5cおよび6cを、セロトニン、トリプタミン、5−メトキシトリプタミンと、数種類の公知抗酸化剤、例えば没食子酸(ガリック酸)、クマル酸(4−ヒドロキシシンナミック酸)、インドール−3−酢酸など、を縮合することにより合成した。全ての当該誘導体の中で、セロトニンと没食子酸の結合により生成された化合物SEGA(3a)は、試験管内で、他の誘導体と比べて特に抗酸化性を示す。
セロトニンの一級アミノ基は、例えばN−ガリル(SEGA)3a、N−シンナミル2bおよびN―インドールアセチル2cのような、種々のアミド誘導体にそれぞれ誘導体化される。当該誘導体は、図1に概要を示すように、セロトニンとベンジル化された没食子酸、クマル酸、インドール−3−酢酸をそれぞれ、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC.HCl)およびヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)の存在下、それぞれ縮合し、次いで10%Pd−C/H2存在下で水素化分解する(3aを得るために)ことにより合成された。様々な構造のアミンを用いた没食子酸誘導体合成のため、炭酸カリウムおよび触媒テトラn−ブチルヨウ化アンモニウムの存在下、没食子酸を塩化ベンジルとともに処理し、ベンジル3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾエイト(1a)を得た。その後、20%KOHエタノール溶液中還流して加水分解し、3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)安息香酸(1b)を得た(図1)。インドール環5位に存在するセロトニンのフリーのヒドロキシル基の重要性を評価するため、さらに5−デオキシ誘導体TRGA(3b)や5−メトキシ誘導体3cを、トリプタミンハイドロクロライドおよび5−メトキシトリプタミンをそれぞれ用いて合成した。前記と同様の手法を用いて、クマル酸、インドール−3−酢酸、4,5−トリス(ベンジルオキシ)安息香酸(1b)とアミンを縮合、最終的なアミン誘導体(図2)2e、2f、2h、2i、3bおよび3cをそれぞれ高収率で得た。セロトニン−没食子酸結合体(没食子酸がセロトニンの一級アミノ基を攻撃しN−ガリアミドとなるか、または、没食子酸がセロトニンのフリーのヒドロキシル基を攻撃しo−ガリエステルとなるか)の置換基としての没食子酸の効果を理解するために、加えてセロトニン−没食子酸結合体中のフリーアミノ基の効果を確認するために、さらにo−ガリエステルGASA(4d)(図3)を合成した。o−ガリエステル(4d)合成に備えて、一級アミノ基をジ−tert−ブチルオキシカルボニル無水物を用いBocにより保護し、tert−ブチル2−(5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル)エチルカルバメート(4a)を得た(Breitinger H.G、et al.、“Biochemistry”、2000、39、18、5500−5508)。Bocによって保護されたセロトニン4aを、3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)安息香酸(1b)とともに縮合し、エステル4bを得た。その後、10%Pd−C/H2を用いて水素化分解し、次いで96%ギ酸の存在下Boc基の脱保護をして、必要な化合物GASA(4d)を得た(図3)。インドール環5位に存在するメラトニンのフリーメトキシ基の重要性をみるために、図3に示すようにメラトニンをBBr3とともに−78℃で取り扱い、収率45%で5−ヒドロキシ誘導体5cを同様に合成した(Srivastava V、et al.、“Bioorg Med Chem”、2007、15、1、518−525)。最後に、構造活性相関研究(SAR)のために、図4に示すように、セロトニンから二量化セロトニン誘導体6cを合成した。あくまでも、Bocにより保護されたセロトニン4aを、カルボン酸誘導体6aに転換したものであり、トリメチルアミンおよびN,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)の存在下、グルタル酸無水物とともに扱った(Shi W、et al.、“Org Lett”、2007、9、26、5461−5464)。EDCの存在下、6aを他のセロトニン分子と縮合し6bが得られ、その後当該化合物を96%ギ酸を用いて処理し、必要なセロトニン二量体6cが得られた(図4)。
全ての当該誘導体は、試験管内で鉄還元抗酸化力アッセイ(FRAPアッセイ)においてFe(III)をFe(II)へ還元し、さらにDPPHアッセイにおいてDPPHフリーラジカルを除去し、重要な抗酸化性を示す。当該試験は、市販の公知抗酸化剤の存在下、行った。SEGA(3a)は、公知抗酸化剤よりも大きな抗酸化力を示す。
当該誘導体は、NSAIDs(インドメタシン、ジクロフェナク)が誘発した胃粘膜損傷から、投与量に依存して、胃粘膜を保護する。当該誘導体は、ストレスやエタノールが誘発した損傷からも胃粘膜を保護する。
SEGA(3a)はNSAIDs(インドメタシン、ジクロフェナク)が誘発した胃疾患において、投与量に依存して胃保護効果を示し、当該誘導体はエタノール、ストレスが誘発した胃疾患も妨げる。
SEGA(3a)は、NSAIDsが媒介したミトコンドリアのタンパク質のカルボニル形成、ミトコンドリアのタンパク質の過酸化、およびミトコンドリア内全チオールの枯渇を妨げることによって、NSAIDsが誘発したミトコンドリアの酸化ストレスを防ぐ。
SEGA(3a)は、生体内で、TUNELアッセイにより明らかであるように、インドメタシンが誘発したカスパーゼ−3活性を妨げることにより、インドメタシンが誘発した胃粘膜のアポトーシスを保護する。当該化合物は、TUNELアッセイにより明らかであるように、試験管内で、培養胃粘膜のアポトーシスも保護する。SEGA(3a)は、インドメタシンが誘発したカスパーゼ−9活性を妨げることによって、ミトコンドリアのアポトーシス経路を保護する。
SEGA(3a)は、NSAIDsが誘発したミトコンドリア機能障害を妨げ、NSAIDsが誘発したミトコンドリア膜電位低下を回復させ、インドメタシンが誘発したミトコンドリアの脱水素酵素活性低下をチェックし、かつミトコンドリア内の過酸化物を除去する。当該化合物は、ミトコンドリア内のROS、すなわち過酸化物、の除去剤としてだけでなく、ミトコンドリア内の鉄キレート剤として重要な役割を果たす。
Figure 2014506230
値は、少なくとも3検体の平均値±標準誤差(SEM)である。
Figure 2014506230
Figure 2014506230
Figure 2014506230
値は、少なくとも6検体の平均値±標準誤差(SEM)である。
(生物学的効果)
様々な構造を有するトリプタミン誘導体の抗酸化性を評価し、公知抗酸化剤の効力と比較した。種々の異なる合成化合物、ならびに公知の抗酸化剤、ケルセチン、アスコルビン酸および没食子酸について、FRAPアッセイによって分析した。FRAPアッセイは当該物質のFe3+をFe2+に還元する能力の測定に基づいており、還元力が大きい程抗酸化性が大きくなる。抗酸化剤はFe3+−TPIZを青色のFe2+−TPIZ錯体に還元し、その結果、FRAP値を与える595nmの吸光度が増加する。高いFRAP値ほど、化合物がより還元能力(すなわち、抗酸化性)を有していることを示す。595nmの様々な化合物の存在下、6分における様々な濃度の吸光度変化(図7)だけでなく様々な時間間隔における吸光度変化(図6)も測定した。6分および65分におけるFRAP値は、異なるトリプタミン誘導体および公知の抗酸化剤から計算した(表1)。セロトニン−没食子酸結合体SEGA(3a)は、公知の抗酸化剤(没食子酸、ケルセチン、およびアスコルビン酸)だけでなく他のトリプタミン誘導体と比較しても、(Fe3+をFe2+への)大きな還元能力を有することが、当該結果より明らかである。セロトニンは抗酸化性を殆ど有さず、二量化後もセロトニン固有の抗酸化性をごく僅かに示すだけで、抗酸化性は増加しない。当該合成誘導体の抗酸化性を、DPPHアッセイを用いてさらに測定した。DPPHアッセイはDPPHフリーラジカルの抗酸化分子の除去力に基づいている。除去力が高いほど抗酸化性が高くなる。当該結果は、全誘導体中SEGA(3a)が高い除去力を有することを示す(図8)(表2および表3)。当該アッセイを数種類の公知抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸、ケルセチンおよび没食子酸の存在下でも、行った。当該測定結果より、SEGA(3a)は当該公知酸化剤と同程度の抗酸化力を示すことが分かる(データは示していない)。
SEGA(3a)(0.05N水酸化ナトリウムに溶解)は、投与量に依存し(ED50 6.9mgkg-1)インドメタシンが誘発した胃粘膜損傷を妨げる。50、20、10、5、3および1mgkg-1それぞれの投与量において、SEGA(3a)は、インドメタシンが誘発した胃粘膜損傷の場合94%、82%、62%、45%、28%および17%、ジクロフェナクが誘発した潰瘍の場合82%、72%、57%、42%、25%および22%保護している(図9)。SEGA(3a)はNSAIDsが誘発した胃疾患について胃保護効果を示すだけでなく、エタノール、ストレスが誘発した胃疾患についても胃粘膜を保護する(図10)。コントロール、インドメタシン処理およびSEGA(3a)を用いて前処理したインドメタシン処理サンプルについて、胃粘膜細胞を顕微鏡で観察して組織の変化を観察するために、組織学的な研究を行った(図11)。SEGA(3a)が、インドメタシンが誘発した胃粘膜細胞損傷の増加や表面粘膜中の損傷悪化を引き起こす細胞の剥がれから、胃粘膜を保護できることが、当該研究によりさらに示された。インドメタシンが誘発した胃疾患に対する、他のトリプタミン誘導体の効果を見るために、全てのトリプタミン誘導体TRGA(3b)、MEGA(3c)、GASA(4d)(0.05N水酸化ナトリウム溶液に溶解)を、SEGA(3a)のED50量、すなわち6.9mgkg-1、腹腔内に投与した。当該結果は、当該誘導体は、SEGA(3a)よりも胃保護効果が低いことを示す(表4)。セロトニンのみの胃疾患への効果を知るためにセロトニン二量体(6c)を合成した。当該化合物を注射したラットは全て20分以内に死亡した。当該実験より、セロトニンは毒性を有する分子であることが明らかである。当該結果をクロスチェックするために、50mgkg-1および25mgkg-1のセロトニンを投与したところ、再度全ラットの死亡が確認された。よって、セロトニンは毒性を有する化合物であるが、それに対し、セロトニン誘導体SEGA(3a)は非毒性である、と結論づけることが出来る。当該実験より、セロトニンのアミノ基を没食子酸でブロックすることにより、セロトニン分子を解毒すると結論付けることが出来る。当該化合物はNSAIDsが誘発した既に損傷を受けた胃粘膜を治癒することも可能であり、すなわち当該化合物は治癒過程を加速している(図12)。
化合物SEGA(3a)は、特にNSAIDs(インドメタシン、ジクロフェナク)が誘発したミトコンドリアの酸化ストレスを防いだ。当該化合物は、ミトコンドリアのタンパク質の酸化(タンパク質のカルボニル化)、ミトコンドリアのチオールの枯渇、およびミトコンドリアの脂質の過酸化を防ぐ。当該結果は、胃粘膜上、タンパク質のカルボニル化、ミトコンドリア脂質の過酸化およびミトコンドリアのチオールの枯渇が増加した場合でも、化合物SEGA(3a)を用いて前処理すると、NSAIDs(インドメタシン、ジクロフェナク)が誘発したミトコンドリア酸化ストレスを防いだことを示す(図13)。よって、当該研究から、化合物SEGAは生体内で重要な抗酸化役割を果たすと言える。
SEGA(3a)は、潰瘍形成過程において、酸化ストレスにより生じた胃粘膜アポトーシスを妨げる。インドメタシンは、ROSの発生やその後の酸化ストレス誘発を経緯して、胃粘膜アポトーシスを誘発する。従って、化合物SEGA(3a)の胃保護効果を有する抗酸化剤をさらに調べると、化合物SEGA(3a)の存在または不存在にかかわらず、インドメタシンによるカスパーゼ活性化(アポトーシス指標)が観測された。当該結果は、化合物SEGA(3a)は、投与量に依存して、インドメタシンが誘発したカスパーゼ−3の活性化を妨げることを示す(図14A)。
興味深いことに、化合物SEGA(3a)は、インドメタシン処理の間のカスパーゼ−9の活性化も妨げる(図15)。カスパーゼ−9の活性化は、ミトコンドリアのアポトーシス経路の稼働を示し、当該経路においてはミトコンドリア酸化ストレスの発生が重要な役割を果たす。化合物SEGA(3a)は生体内で本質的に抗酸化剤であり、カスパーゼ−9の活性化を妨げることより、当該化合物は、抗アポトーシス効果を提供するミトコンドリアの酸化ストレスを、妨げることを示す。TUNELアッセイを行うことにより、SEGA(3a)は、試験管内で培養された胃粘膜(図16)だけでなく、生体内でも(図14B)インドメタシンが誘発したアポトーシスを妨げると結論づけることが出来る。
SEGA(3a)は、ミトコンドリア膜電位や脱水素酵素活性を測定することにより確認される、インドメタシンが誘発したミトコンドリア機能障害を回復させ、ミトコンドリア中の過酸化物を減少させる。NSAIDs(インドメタシン、ジクロフェナク)は、590nm(JC−1集合体)および530nm(JC−1単体)の蛍光値比率によって測定されるミトコンドリア膜電位(図17)、MTT還元アッセイにより測定されるミトコンドリア脱水素酵素活性(図17)を増加させる。また、NSAIDsは、ミトソックス(mitoSOX)により測定される過酸化物も増加させる(図18)が、SEGA(3a)前処理を行うことにより、NSAIDsが誘発したミトコンドリア機能障害が全て回復する。SEGA(3a)は、また、試験管内において培養された細胞のミトコンドリア中の鉄をキレート化し、当該キレートはフェングリーンSK(Phen Green SK)により測定される(図19)。
以下の実施例は本発明において例示した方法により得られるが、これらは本発明を限定解釈するものではない。
(実施例1:エステルやアミド形状を形成する一般的なEDCカップリング方法)
3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)安息香酸/クマル酸/インドール−3−酢酸(1当量、12mmol)、アミン類(ハイドロクロライド)/アルコール(1.2当量、14.4mmol)、HOBT(1当量、12mmol、アミンの場合)、Et3N(6当量、72mmol、アミンの場合)/DMAP(1当量、12mmol、アルコールの場合)のDMF溶液に、EDCハイドロクロライド(1.2当量、14.4mmol)を0℃において加えた。その後、反応物の混合体を室温下、TLCでモニターして、反応終了まで一晩攪拌した。その後、混合物に氷冷H2Oを加えて反応を停止し、エチルアセテートにより抽出した。合わせた有機相を塩水で洗浄し、N2SO4を用いて乾燥した。
その後、当該有機相を真空下で濃縮した。濃縮したエチルアセテート抽出物は、シリカゲルカラムを通してクロマトグラフィーによって分離した。
(実施例2:脱ベンジル化反応(水素化分解)の一般的方法)
メタノール−クロロホルム混合溶媒(5:1)(10mL)中、化合物と10%Pd/C(触媒)の混合物を、40psiで2h水素化分解し、溶液をシーライトを通して濾過し、触媒を除去した後、濾過液を真空下蒸発乾固させ、生成物を得た。
(実施例3:SEGA(3a)の生成プロセス)
ベンジル3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾネート(1a)
アセトン(50ml)溶媒中、没食子酸(4g、21.27mmol)、ベンジルクロライド(19.5ml、0.170mol)、tert−ブチルヨウ化アンモニウム(触媒)およびK2CO3(14.67g、106mmol)混合物を6時間還流した。当該混合物を濾過し、濾過ケーキをアセトンでよく洗浄した。濾過液と洗浄液を合わせ、真空下蒸発乾固させた。乾燥後の残留物をエチルアセテート(50mL)に溶解させ、H2O(20×2mL)および塩水(30mL)で洗浄し、Na2SO4下蒸発乾固させた。粗残留物を、溶離液として5%エチルアセテート含有ヘキサンを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製、白色固体の高純度1a(9.01g、80%)を得た。
f0.512(15%エチルアセテート含有ヘキサン);IR(neat)νmax 2963.98、1707.17、1595.70;1H NMR(300MHz、CDCl3)δ5.12(s、6H)、5.32(s、2H)、7.25−7.42(m、22H);MS(ESI)m/z C35305の計算値:530.20;測定値:553.01[M+Na]+
3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)安息香酸(1b)
1a(4gm、7.54mmol)のエタノール溶液(40mL)に、20%KOH溶液(10mL)を添加した。反応物の混合体を2h還流した。エタノールを真空下蒸発させ、6N HClで中和させた。当該混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出し、塩溶液で洗浄した(20mL)。当該有機層をNa2SO4で乾燥させ、蒸発乾固した。祖残留物を、溶離液として30%エチルアセテート含有ヘキサンを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、白色固体の高純度3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)安息香酸(1b)(2.78g、84%)を得た。Rf=0.515(50%エチルアセテート含有ヘキサン)。
IR(neat)νmax 2958.05、1686.66、1596.47;1H NMR(300MHz、CDCl3)δ5.15(s、6H)、7.25−7.44(m、17H);MS(ESI)m/z C28245の計算値:440.16;測定値:463.23[M+Na]+
3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)−N−(2−(5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル)エチル)ベンズアミド(2a)
2aは、標準的なEDCカップリング法を用いて、3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)安息香酸(860mg、1.95mmol)および5−ヒドロキシトリプタミンハイドロクロライド(496mg、2.34mmol)を縮合することにより、合成された。当該化合物は、2%メタノール含有クロロホルムを用いて溶出され、白色固体(874mg、75%)として分離された。Rf:0.470(5%メタノール含有クロロホルム)。
1H NMR(300MHz、CD3OD)δ3.01(t、J=6.9Hz、2H)、3.64(t、J=7.05Hz、2H)、5.03(s、2H)、5.07(s、2H)、6.67(d、J=7.6Hz、1H)、6.99(s、1H)、7.05(s、1H)、7.17(s、2H)、7.19−7.46(m、16H);13C NMR(75MHz、CDCl3)δ24.66、40.61、71.76(2C)、74.79、102.59、106.14(2C)、111.78、123.02、126.95、127.26(6C)、127.57、127.83、128.08、128.18、128.18(6C)、129.58、131.06、136.35、137.12、137.83、140.25、140.84、149.99、152.25(2C)、167.31; MS(ESI)m/zC383425の計算値:598.24;測定値:621.02[M+Na]+
3,4,5−トリヒドロキシ−N−(2−(5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル)エチル)ベンズアミド(3a)
3aは、2aに水素添加することにより形成され、少し赤味を帯びた固体として分離された(83%)。Rf:0.512(エチルアセテート);mp:225−228℃。
IR(neat)νmax3409.91、3365.55、3197.76、1577.66、1527.52、1444.58;1H NMR(300MHz、CD3OD)δ2.97(t、J=7.05Hz、2H)、3.60(t、J=6.9Hz、2H)、6.68(d、J=8.7Hz、1H)、6.85(s、2H)、7.01(s、1H)、7.04(s、1H)、7.17(d、J=8.7Hz、1H);13C NMR(75MHz、CD3OD)δ26.42、41.78、103.60、107.75(2C)、112.38、112.62、112.66、124.26、126.33、129.42、133.10、138.07、146.65(2C)、151.08、170.49;HRMS(ESI)m/z(M+Na)+ 171625Naの計算値351.0957;測定値:351.0948。
(実施例4:2bの生成プロセス)
(E)−N−(2−(5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル)エチル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド(2b)は、標準的なEDC合成法を用いて、クマル酸(150mg、0.914mmol)および5−ヒドロキシトリプタミンハイドロクロライド(232mg、1.09mmol)を縮合することにより、合成された。2bは55%エチルアセテート含有ヘキサンを用いて溶出し、赤味かかった半固体として分離された(182mg、62%)。Rf:0.58(エチルアセテート);
1H NMR(300MHz、CD3OD)δ2.93(t、J=7.35Hz、2H)、3.58(t、J=7.35Hz、2H)、6.41(d、J=15.9Hz、1H)、6.68(dd、J=8.7Hz、2.24Hz、1H)、6.80(d、J=8.7Hz、2H)、6.83(d、J=2.1Hz、1H)、7.04(s、1H)、7.17(d、J=8.7Hz、1H)、7.41(d、J=8.7Hz、2H)、7.47(d、J=15.6Hz、1H);13C NMR(75MHz、CD3OD)δ26.41、41.65、101.15、112.52、112.69、113.12、116.26(2C)、118.52、124.48、127.52、129.15、130.42(2C)、133.57、141.62、154.54、160.16、169.60;MS(ESI)m/z C191823の計算値:322.13;測定値345.07[M+Na]+
(実施例5:2cの生成プロセス)
3−((2−((1H−インドール−3−イル)メチルアミノ)エチル)−1H−インドール−5−オル(2c)は、標準的なEDCカップリング法を用いて、5−ヒドロキシトリプタミンハイドロクロライド(50、0.235mmol)およびインドール−3−酢酸(293mg、1.67mmol)を縮合することにより、合成され、60%エチルアセテート含有ヘキサンを用いて溶出し、黄味を帯びた半固体として分離された(301mg、62%)。
f:0.512(エチルアセテート);1H NMR(300MHz、CD3OD)δ2.80(t、J=6.9Hz、2H)、3.43(t、J=7.05Hz、2H)、3.64(s、2H)、6.66(dd、J=8.7Hz、J=2.1、1H)、6.70(s、1H)、6.90(s、1H)、7.00(t、J=7.35Hz、1H)、7.09−7.16(m、3H)、7.37(d、J=7.8Hz、1H)、7.47(d、J=7.8Hz、1H);13C NMR(75MHz、CD3OD)δ26.07、34.12、41.26、101.22、109.33、112.37、112.55、112.67、112.89、119.35、120.13、122.62、124.24、125.03、128.45、128.91、133.26、138.04、154.85、174.75;MS(ESI)m/z C201932の計算値:333.14;測定値356.19[M+Na]+
(実施例6:TRGA(3b)の合成方法)
1. 化合物N−(2−(1H−インドール−3−イル)エチル)−3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンズアミド(2d)
2dは、標準的なEDCカップリング法を用いて、3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)安息香酸(480mg、1.09mmol)およびトリプタミンハイドロクロライド(256mg、1.308mmol)を縮合することにより、合成された。2dは、0.5%メタノール含有クロロホルムを用いて溶出され、白色固体として分離された(482mg、76%)。Rf:0.538(1.5%メタノール含有クロロホルム);mp:105−107℃;IR(neat)νmax 3413.77、1637.45、1579.59、1496.66;1H NMR(300MHz、CDCl3)δ2.96(t、J=6.14Hz、2H)、3.63(t、J=6.2Hz、2H)、4.89(s、4H)、4.96(s、2H)、6.08(bs、1H)、6.85(s、3H)、6.87−7.25(m、18H)、7.54(d、J=7.5Hz、1H)、8.21(bs、1H);13C NMR(75MHz、CDCl3)δ24.90、40.65、71.01(2C)、75.05、106.44(2C)、111.39、118.48、119.36、121.98、122.30、126.86、127.44(6C)、127.88、128.09、128.40(6C)、128.48、129.97、136.33、136.56(2C)、137.31、140.69、140.92、152.54(2C)、167.12;MS(ESI)m/z C383424の計算値:582.25;測定値:605.07[M+Na]+
2. N−(2−(1H−インドール−3−イル)エチル)−3,4,5−トリヒドロキシベンズアミド(3b)
N−(2−(1H−インドール−3−イル)エチル)−3,4,5−トリヒドロキシベンズアミド、TRGA(3b)は、2dを水素添加することにより生成され、赤味を帯びた半固体として分離された(81%)。
Rf:0.489(エチルアセテート);IR(neat)νmax 3443.05、3323.46、3230.87、1649.19、1556.61;1H NMR(300MHz、CD3OD)δ3.04(t、J=7.35Hz、2H)、3.62(t、J=7.2Hz、2H)、6.85(s、2H)、6.98−7.12(m、3H)、7.34(d、J=7.4Hz、1H)、7.62(d、J=7.5Hz、1H);13C NMR(75MHz、CD3OD)δ26.29、41.90、107.78(2C)、110.32、112.18、119.34、119.58、122.28、123.38、126.36、128.19、137.90、138.02、146.57(2C)、170.34; HRMS(ESI)m/z(M+Na)+ 171624Naの計算値:335.1008、測定値:335.1003。
(実施例7:2eの合成プロセス)
(E)−N−(2−(1H−インドール−3−イル)エチル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド(2e)は、標準的なEDCカップリング法を用いて、クマル酸(150mg、0.914mmol)およびトリプタミンハイドロクロライド(215mg、1.09mmol)を縮合することにより、合成された。2eは、45%エチルアセテート含有ヘキサンを用いて溶出し、黄味を帯びた固体として分離された(178mg、64%)。Rf:0.593(80%エチルアセテート含有ヘキサン);mp:135−138℃;
IR(neat)νmax 3407.98、3367.48、3083.96、1650.95、1602.74、1442.66;1H NMR(300MHz、CD3OD)δ3.02(t、J=7.35Hz、2H)、3.60(t、J=7.2Hz、2H)、6.41(d、J=15.6Hz、1H)、6.80(d、J=8.4Hz、1H)、7.01(t、J=7.35Hz、2H)、7.09(t、J=7.35Hz、2H)、7.34(d、J=8.1Hz、1H)、7.41(d、J=8.1Hz、2H)、7.47(d、J=15.6Hz、1H)、7.59(d、J=8.4Hz、1H);13C NMR(75MHz、CD3OD)δ26.37、41.59、112.21、113.26、116.68(2C)、118.52、119.30、119.60、122.31、123.40、127.70、128.74、130.54(2C)、138.12、141.70、160.43、169.25;MS(ESI)m/z C191822の計算値:306.13;測定値:329.12[M+Na]+
(実施例8:2fの合成プロセス)
N−((1H−インドール−3−イル)メチル)−2−(1H−インドール−3−イル)エタンアミン(2f)は標準的なEDCカップリング法を用いて、トリプタミンハイドロクロライド(300mg、1.53mmol)およびインドール−3−酢酸(293mg、1.67mmol)を縮合することにより、合成された。2fは、50%エチレン含有ヘキサンを用いて溶出され、黄味を帯びた半固体として分離された(301mg、62%)。
f:0.484(90%エチルアセテート含有ヘキサン);1H NMR(300MHz、CD3OD)δ2.86(t、J=6.9Hz、2H)、3.43(t、J=7.05Hz、2H)、3.62(s、2H)、6.76(s、1H)、6.94−7.15(m、5H)、7.31(d、J=8.1Hz、1H)、7.35(d、J=8.1Hz、1H)、7.47−7.50(m、2H);13C NMR(75MHz、CD3OD)δ26.01、34.02、41.31、106.20、112.21、112.40、112.87、119.22、119.35、119.61、120.08、122.29、122.66、123.45、125.07、128.22、128.43、128.60、138.08、174.80;MS(ESI)m/z C20193Oの計算値:317.15;測定値:340.24[M+Na]+
(実施例9:MEGA(3c)の合成プロセス)
化合物3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)−N−(2−(5−メトキシ−1H−インドール−3−イル)エチル)ベンズアミド(2g)
2gは、標準的なEDCカップリング法を用いて、1b(480mg、1.09mmol)および5−メトキシトリプタミン(248mg、1.308mmol)を縮合して合成され、0.5%メタノール含有クロロホルムを用いて溶出され、白色固体として分離された(565mg、84%)。Rf:0.517(1.6%メタノール含有クロロホルム);mp:125−128℃;
IR(neat)νmax 3357.84、1637.45、1587.31、1552.59、1448.44;1H NMR(300MHz、CDCl3)δ3.03(t、J=7.05Hz、2H)、3.61(t、J=7.05Hz、2H)、3.74(s、3H)、500(s、4H)、5.05(s、2H)、6.09(bs、1H)、6.85(d、J=8.4Hz、1H)、6.93(s、2H)、6.99(s、1H)、7.05(s、1H)、7.25−7.36(m、16H)、8.05(bs、1H);13C NMR(75MHz、CDCl3)δ24.91、40.74、55.58、70.95(2C)、75.03、100.12、106.37(2C)、112.13、112.23、122.98、137.44、127.44(6C)、127.70、127.87、128.08、128.38(6C)、128.46、129.93、131.40、136.52(2C)、137.27、140.68、152.56(2C)、153.88、166.97;MS(ESI)m/z C393625の計算値:612.26;測定値:635.10[M+Na]+
3,4,5−トリヒドロキシ−N−(2−(5−メトキシ−1H−インドール−3−イル)エチル)ベンズアミド、MEGA(3c)
3cは、2gに水素添加することにより合成された(83%)。
f:0.481(90%エチルアセテート含有ヘキサン);1H NMR(300MHz、CD3OD)δ3.00(t、J=7.05Hz、2H)、3.61(t、J=7.05Hz、2H)、3.76(s、3H)、6.75(d、J=8.7Hz、1H)、6.86(s、2H)、7.07(s、1H)、7.09(s、1H)、7.22(d、J=8.7Hz、1H);13C NMR(75MHz、CD3OD)δ26.26、42.00、56.16、101.24、107.77(2C)、112.57、112.87、113.24、124.19、126.28、129.02、133.13、137.86、146.55(2C)、154.77、170.18。HRMS(ESI)m/z(M+Na)+ 181825Naの計算値:365.1113、測定値:365.1110。
(実施例10:2hの合成プロセス)
(E)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−N−(2−(5−メトキシ−1H−インドール−3−イル)エチル)アクリルアミド(2h)は、標準的なEDCカップリング法を用い、クマル酸(150mg、0.914mmol)および5−メトキシトリプタミン(207mg、1.09mmol)を縮合することにより、合成された。2hは、25%エチルアセテート含有ヘキサンを用いて溶出され、黄味を帯びた固体として分離された(181mg、59%)。
f:0.424(80%エチルアセテート含有ヘキサン);1H NMR(300MHz、CD3OD)δ2.97(t、J=6.9Hz、2H)、3.58(t、J=7.05Hz、2H)、3.78(s、3H)、6.38(d、J=15.6Hz、1H)、6.74−6.81(m、3H)、7.06(d、J=8.7Hz、2H)、7.22(d、J=8.7Hz、1H)、7.37(d,J=8.7Hz,2H)、7.47(d,J=15.9Hz,1H);13C NMR(75MHz,CD3OD)δ26.34、41.66、56.25、101.25、112.62、112.89、113.15、116.66(2C)、118.52、124.18、127.62、129.05、130.52(2C)、133.27、141.68、154.84、160.36、169.20;MS(ESI)m/z C202023の計算値:336.14;測定値:359.07[M+Na]+
(実施例11:2iの合成プロセス)
N−((1H−インドール−3−イル)メチル)−2−(5−メトキシ−1H−インドール−3−イル)エタンアミン(2i)は、標準的なEDCカップリング法を用いて、5−メトキシトリプタミン(48mg、0.25mmol)およびインドール−3−酢酸(50mg、0,28mmol)を縮合することにより合成された。2cは、50%エチルアセテート含有ヘキサンを用いて溶出し、黄味を帯びた固体として分離された(52mg、61%)。Rf:0.441(90%エチルアセテート含有ヘキサン)。
1H NMR (300MHz、CD3OD) δ2.83(t、J=7.2Hz、2H)、3.43(t、J=7.05Hz、2H)、3.62(s、2H)、3.77(s、3H)、6.73−6.76(m、2H)、6.97−7.02(m、2H)、7.06(s、1H)、7.11(t、J=7.46Hz、1H)、7.20(d、J=8.7Hz、1H)、7.36(d、J=8.1Hz、1H)、7.46(d、J=7.8Hz、1H);13C NMR (75MHz、CD3OD) δ26.06、34.02、41.16、56.26、101.22、109.23、112.36、112.53、112.66、112.88、119.33、120.03、122.61、124.23、125.03、128.43、128.90、133.27、138.05、154.86、174.75;MS(ESI)m/z C212132の計算値:347.16;測定値:370.28 [M+Na]+
(実施例12:4dの合成プロセス)
tert−ブチル−2−(5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル)エチルカルバメート(4a)
5−ヒドロキシトリプタミンハイドロクロライド(500mg、2.35mmol)のクロロホルム(10mL)溶液に、炭酸水素ナトリウム(197mg、2.35mmol)水溶液(6mL)、塩化ナトリウム(500mg)およびジ−tert−ブチルオキシカルボニル無水物(512mg、10mmol)の3mLクロロホルム溶液を、続けて加えた。当該混合物を、よく撹拌しながら3h還流した。当該水相をクロロホルムで1回洗浄し、合わせた有機相を水(20mL)および塩水(10mL)で洗浄、硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。有機層は減圧下除去された。粗残留物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精留され、4aが得られた。4aは、20%エチルアセテート含有ヘキサンを用いて溶出され、固体(621mg、95%)として分離された。
f:0.538(50%エチルアセテート含有ヘキサン);mp:55−57℃;1H NMR (300MHz、CDCl3)δ1.37(s、9H)、2.79(bs、2H)、 3.34、(bs、2H)、4.61(bs、1H)、5.56(bs、1H)、6.72(dd、J=8.7Hz、1.8 Hz、1H)、6.90(s、1H)、6.94(s、1H)、7.13(d、J=8.7Hz、1H)、8.16(bs、1H);13C NMR(75MHz、CDC13) δ25.67、28.37(3C)、40.59、79.47、103.14、111.84(2C)、111.98、123.11、127.85、131.41、149.69、156.33;MS(ESI)m/z C152023の計算値:276.14;測定値:299.14[M+Na]+
3−(2−(tert−ブトキシカルボニル)エチル)−1H−インドール−5−イル3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)ベンゾエート(4b)
4bは、3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)安息香酸(1b)(340mg、0.773mmol)およびtert−ブチル−2−(5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル)エチルカルバメート(4a)(256mg、0.927mmol)を縮合することにより合成された。4bは25%エチルアセテート含有ヘキサンを用いて溶出され、白色固体として分離された(250mg、56%)。
f:0.428(45%エチルアセテート含有ヘキサン);1H NMR(300MHz、CDCl3)δ1.43(s、9H)、2.86(t、J=7.2Hz、2H)、3.42(bs、2H)、4.63(bs、1H)、4.63(bs、1H)、5.18(s、6H)、6.77(d、J=7.5 Hz、1H)、6.99−7.03(m、2H)、7.27(s、 2H)、7.34−7.47(m、16H);13C NMR(75MHz、CDC13) δ 25.60、28.34(3C)、40.58、71.16(2C)、75.12、79.21、103.04、109.44(2C)、110.76、111.75、111.89、 112.91、123.66、127.52(6C)、127.97、128.13、128.46、128.50(6C)、131.36、134.26、136.44、137.22、142.58、144.07、149.76、152.55(2C)、156.07、165.85;MS(ESI)m/z C434227の計算値:698.29;測定値:721.18[M+Na]+
3−(2−(tert−ブトキシカルボニル)エチル)−1H−インドール−5−イル3,4,5−トリヒドロキシベンゾエート(4c)
4cは、4bの水素添加により合成され、無色半固体として分離された(79%)。Rf:0.411(5%メタノール含有クロロホルム);
1H NMR(300MHz、CD3OD) δ1.41(s、9H)、2.89(t、J =7.2Hz、2H)、3.3(t、J=7.05Hz、2H)、6.89(dd、J=10.2Hz、1.8Hz、1H)、7.135(s、2H)、7.26(s、2H)、7.36(d、J=10.2Hz、1H);13C NMR(75MHz、CD3OD) δ26.71、28.73(3C)、42.56、79.95、110.29、110.53(2C)、111.67、112.57、125.06、121.15、129.12、135.88、140.25、145.33、146.3、146.60(2C)、158.47、168.231;MS(ESI)m/z C222427の計算値:428.18;測定値451.06[M+Na]+
3−(2−アミノエチル)−1H−インドール−5−イル3,4,5−トリヒドロキシベンゾエート(4d)
0℃の、4c(50mg、0.116mmol)のCH2Cl2(100μL)溶液に、96%ギ酸(200μL)を滴下した。30分後、冷却槽を除去し、さらに1時間室温で撹拌し続けた。ギ酸を真空下除去し、残留物はメタノール(1mL)に溶解された。30%NH3水溶液を用いて、当該溶液のpHを8に調整した。アルコール部を減圧下取り除き、4dを得た。生成物は、半固体として分離された(31mg、82%)。
1H NMR(300MHz、D2O) δ2.77(t、J=6.7Hz、2H)、3.01(t、J=6.6Hz、2H)、6.73(d、J=8.7Hz、1H)、6.94(s、 2H)、7.08(bs、2H)、7.22(d、J=8.7Hz、1H);13C NMR(75MHz、CDC13) δ21.93、38.96、108.70、109.39、109.66(2C)、111.89、115.28、119.13、124.96、126.10、133.82、138.01、143.07、143.85(2C)、169.94; MS(ESI)m/z C171625の計算値:328.10;測定値:329.05[M+H]+
(実施例13:5aの合成プロセス)
丸底フラスコ内で、メラトニン(48mg、0.21mmol)を脱水CH2Cl2(3ml)に溶かした。当該反応混合物を、液体窒素を用いたアセトン槽によって−78℃に冷却した。当該冷却反応物に、三臭化ホウ素(0.12ml、12mmol)を滴下し、さらに1時間当該温度において撹拌し続けた。その後、反応混合物を室温において一晩撹拌した。反応の終了はTLCでモニターした。反応混合物を、水および10%HClを添加して反応を停止し、エチルアセテートを用いて抽出した。合わせた有機相を水(20mL)および塩水(10mL)により洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。当該有機層を減圧下除去した。粗残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、N−(2−(5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル)エチル)アセトアミド(5a)を得た。6%メタノール含有クロロホルムを用いて溶出され、赤味を帯びた半固体(20mg、45%)として分離された。
f:0.451(10%メタノール含有クロロホルム);1H NMR(300MHz、CD3OD)δ1.92(s、3H)、2.86(t、J=7.2Hz、2H)、3.44(t、 J=7.2Hz、2H)、6.67(dd、J=8.7Hz、2.22Hz、1H)、6.94(d、J=2.18Hz、1H)、7.01(s、1H)、7.16(d、J=8.5Hz、1H);13C NMR(75MHz、CD3OD) δ21.64、25.25、40.45、102.54、111.39、111.54、111.70、123.23、128.48、132.11、150.12、172.32;MS(ESI)m/z C121422の計算値:218.10;測定値:241.11[M+Na]+
(実施例14:6cの合成プロセス)
5−(3−(2−(tert−ブトキシカルボニル)エチル)−1H−インドール−5−イルオキシ)−5−オキソペンタノイックアシッド(6a)
4a(235mg、0.851mmol)、DMAP(17.5mg、0.143mmol)のTHF溶液(5mL)に、Et3N(179μL、1.276mmol)を加えた。グルタル酸無水物(126mg、1.105mmol)のTHF溶液3mLを当該溶液にゆっくりと滴下した。当該混合物をアルゴン下4時間撹拌し還流した。THFを真空状態で除去し、EtOAc5mLを加え、次いでH2Oを10mL添加し、混合物を10分撹拌した。有機相を分離し、エチルアセテート(5mL×3)で抽出した。合わせた有機相を塩水(10mL)で洗浄し、Na2SO4を用いて乾燥した。有機層を減圧下除去した。粗残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、6aが得られた。シリカゲルに45%エチルアセテート含有ヘキサンを用いて溶出され、やや赤味を帯びた半固体(245mg、74%)が分離された。
f:0.511(80%エチルアセテート含有ヘキサン);1H NMR(300MHz、 CDC13) δ1.42(s、9H)、2.09−2.14(m、2H)、2.54(t、 J=7.05Hz、2H)、2.68(t、J=7.05Hz、2H)、2.88(bs、 2H)、3.39(bs、2H)、4.67(bs、1H)、6.87(d、J= 8.4 Hz、1H)、7.00(bs、2H)、7.29(bs、1H)、8.24(bs、1H);13C NMR(75MHz、CDCl3) δ19.91、25.73、28.31(3C)、32.83、33.36、40.72、79.26、110.82、111.48(2C)、116.03、123.38、127.67、134.15、143.95、156.00、172.38、177.30; HRMS(ESI)m/z[M+Na]+ 202626Naの計算値:413.1689;測定値413.1800。
3−(2−(tert−ブトキシカルボニル)エチル)−1H−インドール−5−イル 5−(2−(5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル)エチルアミノ)−5−オキソペンタノエート(6b)
1b(187mg、0.481mmol)、5−ヒドロキシトリプタミンハイドロクロライド(112mg、0.528mmol)およびEt3N(337μL、2.40mmol)のDMF溶液(3mL)に、EDCハイドロクロライド(110mg、0.528mmol)を0℃で加えた。当該反応混合物を室温で一晩撹拌し、当該反応混合物を氷冷H2O(5mL)の添加により停止、エチルアセテート(2×5mL)で抽出した。合わせた有機相を塩水(5mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。有機層は減圧下除去した。粗残留物はシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製され、6bを得た。55%エチルアセテート含有ヘキサンをシリカゲルに用いて溶出され、やや赤味を帯びた半固体が得られた(97mg、36%)。
f:0.525(エチルアセテート);1H NMR(300MHz、CD3OD)δ1.43(s、9H)、1.97−2.07(m、2H)、2.33(t、J=7.35Hz、 2H)、2.59(t、J=7.2Hz、2H)、2.99(bs、4H)、3.32(bs、 2H)、3.49(t、J=7.2Hz、2H)、6.68(dd、J=8.7Hz、1.8Hz、1H)、6.83(dd、J=8.7Hz、1.8Hz、1H)、6.96(d、 J=1.8Hz、1H)、7.03(s、1H)、7.21−7.18(m、2H)、7.27−7.34(m、2H);13C NMR(75MHz、CD3OD)δ20.90、24.96、25.36、27.43(3C),32.94、34.71、39.87、41.04、78.57、102.20、110.15、111.05、111.19、111.37、112.46、115.10、122.94、123.10、123.70、127.65、128.65、128.10、131.70、134.52、143.70、157.09、173.14、173.78;MS(ESI)m/z C303646の計算値:548.26;測定値:571.25[M+Na]+
3−(2−アミノエチル)−1H−インドール−5−イル 5−(2−(5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル)エチルアミノ)−5−オキソペンタノエート(6C)
0℃の6b(90mg、0.164mmol)CH2Cl2溶液(200μL)に96%ギ酸(400μL)を滴下した。30分後、冷却槽を除去し、室温においてさらに1時間撹拌し続けた。ギ酸を真空下除去した。残留物をメタノール(1mL)に溶解した。30%NH3水溶液を用いて、溶液のpHを8に調整した。アルコール部を減圧化で除去した。6cは半固体として分離された(60mg、81.66%)。
1H NMR(300MHz、CD3OD)δ1.95−2.02(m、2H)、2.32(t、J=6.9Hz、2H)、2.59(t、J=6.9Hz、2H)、2.89(t、J=6.9Hz、2H)、3.08(bs、2H)、3.20(t、J=6.6Hz、2H)、3.49(t、J=6.6Hz、2H)、6.67(d、J=8.4Hz、1H)、6.87(d、J=8.7Hz、1H)、6.96(s、1H)、7.03(s、1H)、7.17(d、J=8.4Hz、1H)、7.247(s、1H)、7.30(s、1H)、7.38(d、J=8.1Hz、1H);13C NMR(75MHz、CD3OD) δ22.30、24.43、26.35、34.34、36.09、41.11、41.31、103.55、110.68、111.19、112.38、112.50、112.69、112.98、116.98、124.27、125.97、128.35、129.49、133.12、136.17、145.39、151.12、174.52、175.19; HRMS(ESI)m/z(M+H)+252844の計算値:449.2188、測定値:449.2182。
(実施例15:試験管内での鉄還元抗酸化力(FRAP)アッセイを用いた抗酸化性の決定)
当該測定を96穴マイクロプレートで行った。FRAP試薬を、10mlアセテートバッファー(200mM、pH3−6)、1mlの2,4,6−トリス(2−ピリジル)−s−トリアジン(TPTZ)溶液(40mMのHCl中10mM)、および1mlの塩化鉄溶液(20mM)を蒸留水中で混合することによって調整した。1時間、当該混合物を37℃のウォーターバス中で保温した。96穴マイクロプレートに、1−25μMの範囲の様々な濃度に溶解された(メタノール中、化合物によっては水に溶解)検討中の化合物を25μL、3組設置し、直近に調整されたFRAP溶液(175μL)を当該サンプルに添加した。マイクロプレートリーダーによって、様々な経過時間で150分まで、595nmの吸光度をモニターした。175μLのFRAP溶液および25μLメタノールまたは水の混合物の吸光度を各経過時間で測定し、吸光度変化(ΔA)を計算するために、各経過時間におけるサンプルの吸光度から減じた。経過時間tにおけるFRAP値(FRAP valuet)は次の計算式によって計算される。
Figure 2014506230
ΔatF1は、経過時間t(6分および65分)の、濃度10μMにおける検査対象のフラボノイドに関連した吸光度変化であり、ΔatFe2+は同一経過時間同一濃度における硫酸鉄に関連した吸光度変化である。(Pal C、et al.、“Free Radic Biol Med”、2010、49、2、258−267、Firuzi O、et al.、“Biochim.Biophys.Acta”、2005、1721、174−184)。
(実施例16:試験管内でのフリーラジカルの除去活性(DPPHアッセイ))
2,2−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジル(DPPH)は安定なフリーラジカルであり、水素ラジカルまたは電子を受容でき、安定した反磁性分子となる。抗酸化剤は、水素を付加することによってDPPHを除去でき、当該結果はDPPHラジカルの紫色から黄色への変色によって視覚化される(Pal C、et al.、“Free Radic Biol Med”、2010、49、2、258−267、Ben Farhat、M.、et al.、“J.Agric.Food Chem.”、2009、57、10349−10356、Han J、et al.、“Wei Sheng Yan Jiu”、2009、38、596−598)。当該アッセイシステムは、10〜100μMの範囲の様々な濃度に溶解(メタノール中、化合物によっては水に溶解)された検討化合物1mL、およびメタノール(水に80% v/v)中DPPH(0.15mM)4mlを含み、よく混合させた。当該混合物を、遮光して27℃で30分静置した。同濃度のアスコルビン酸を陽性コントロールとした。当該溶液の吸光度は517nmにおける分光測定で測定され、吸光度の減少から様々なトリプタミン誘導体の抗酸化性を定量した。
(実施例17:動物、およびインドメタシンおよびジクロフェナクにより誘発された胃損傷)
スプラギュ−ダウレイ(Sprague−Dwaley)ラット(180−220gm)を本研究において用いた。動物の各群(コントロールまたは実験用)を、24±2℃において、12時間の明暗サイクルで保持した。当該動物を、実験開始前24時間絶食させた。食物により生じる胃酸分泌の増加、およびそれにより胃損傷に影響を及ぼすことを避けるために、当該動物には水を自由に供給した。胃粘膜潰瘍は、記載の通り、インドメタシンを用いて生じさせた(Pal C、et al.、“Free Radic Biol Med”、2010、49、2、258−267, Biswas K.、et al.、“J.Biol.Chem.”、2003、278、10993−11001,Bandyopadhyay U.、et al.、 “Life Sci.”、2002、71、2845−2865)。概要を記載すると、全動物を、コントロール、インドメタシンおよびテスト化合物の群に、分けた。体重1kgあたり48mgのインドメタシンを絶食した動物に経口投与し、胃潰瘍を生じさせた。薬を用いて前処理する群には、インドメタシンを用いた潰瘍誘発30分前に、動物に腹腔内に薬を与えた(体重1kgあたり50、20、10、5、3、1mg)。コントロール群には、インドメタシンを含有しない溶媒のみ与えた。インドメタシン処理の4時間後、動物を安楽死させ、胃を回収した。粘膜損傷を潰瘍指数として数え、症状なし=0、ピンヘッド潰瘍1つ=1、と数えた。全数の合計を、潰瘍指数を示した動物の数で割った。すべての生体実験は動物倫理委員会のガイドラインに従って行われた。ジクロフェナクが誘発した胃粘膜損傷に対するSEGAの効果を見るために、胃粘膜損傷をジクロフェナクの経口投与(75mgkg-1)により発生させ、実験の残りをインドメタシンの場合に述べたのと同様の方法で行った。ジクロフェナクはインドメタシンと同様にピンヘッド潰瘍を発生させ、粘膜損傷を潰瘍指数として上述したように数えた。エタノールが誘発した胃粘膜損傷を、1mlの50%エタノールの経口投与によって発生させ(Banerjee R.K.、 “Life Sci”、2002、71、2845−2865)、4時間後当該動物を犠死させた。また寒冷抑制ストレスが誘発した胃粘膜損傷は、動物を4℃において3.5時間固定することによって発生させた(Banerjee R.K.、“Life Sci”、2002、71、2845−2865, “J Biol Chem”、2003、278、10993−11001)。
(実施例18:組織学的検査)
異なる群の動物の胃組織をまずPBS(pH7.4)で数回洗浄し、その後10%バッファーホルマリンに12時間25℃で固定した。ホルマリン固定した組織をその後乾燥させ、半薄切片を用意するためにパラフィン中に包埋した(Maity P.、et al.、“J.Biol.Chem.”、2008、283、14391−14401)。半薄切片はミクロトーンを用いて作成され、ヘマトキシリン−エンジン染色法を行うために、ポリ−L−リジンコートされたガラス面に貼付けられた。染色部分をマイクロスコープ(Leica DM−2500、ドイツ製)を用いて観測し、高解像度デジタルカメラを用いて記録した。
(実施例19:インドメタシンが誘発した胃損傷に対する、SEGAの治療効果)
胃粘膜損傷をまず投与量48mgkg-1のインドメタシン処理を行うことにより誘発させた。粘膜損傷を誘発した後4時間経過後に、動物の一部分を2つの異なった群、すなわち自然治癒およびSEGAが誘導する治癒、へ分けた(n=6)。当該時点を、治癒の0時間とした。当該時点において、SEGAが誘導する治癒群には、SEGAを50mgkg-1投与(腹腔内投与)した(当該投与量は用量−反応曲線から定めた)。SEGAを用いずにインドメタシンのみ与えた動物を、自然治癒群とした。0時間から始め、全群の胃を、上述の潰瘍指数の測定(Maity P.、et al.、“J.Biol.Chem.”、2008、283、14391−14401)および組織学的検査のために、それぞれ経過時間2時間、4時間、8時間において解剖した。
(実施例20:ミトコンドリアの分離)
商業上入手可能なキット(Biochain)を、胃粘膜細胞からのミトコンドリア分離のために用いた。概要を述べると、胃粘膜の小片を、氷冷しながらペトリ皿上で、ミトコンドリア抽出バッファーを含有した状態で十分に細かく切り刻んだ。Ultra−Turrax T−25ホモジナイザーをセルの均質化に用いた。核や破壊されていない細胞を取り除くために、均質化された物質をまず10分間800×g遠心分離し、次いで、最終的にミトコンドリアの断片を得るために15分間12000×g遠心分離した。
(実施例21:ミトコンドリア酸化ストレスの測定)
ミトコンドリア酸化ストレスは、以前より、タンパク質のカルボニル化、脂質の過酸化の測定、全チオール含有率、を測定することにより行われていた。(Pal C、et al.、“Free Radic Biol Med”、2010、49、2、258−267, Maity P.、 et al.、“J.Biol.Chem.”2009、284、3058−3068, Maity P.、et al.、“J.Biol.Chem.”、2008、283、14391−14401, Maity P.、et al.、“J.Pineal Res.”2009、46、314−323)。
ミトコンドリア酸化ストレスは、以前より、ミトコンドリアの全チオール枯渇、脂質過酸化、タンパク質のカルボニル化の測定、により研究されてきた。概要を述べると、チオールの含有量は5,5’−ジチオニトロ安息香酸(DTNB)との反応により測定され、当該反応により、412nmに測定されるTNB(チオニトロ安息香酸)の黄色の発色団が得られる。ミトコンドリアの脂質過酸化は、1mlのミトコンドリアフラクションの0.9%通常生理食塩溶液を、2mlのTBA−TCA混合物(それぞれ0.375% w/v、15% w/v)の0.25N HCl溶液に加えることにより分析され、15分間の混合および煮沸後、冷却され、遠心分離後、上澄み部の535nmの吸光度が測定された。テトラエトキシプロパンを標準とした。タンパク質カルボニルは、ジニトロフェニルヒドラジン(DNP)とカルボニル基の結合を測定する、標準的な発色定量法により測定され、362nmの吸光度が定量された。
(実施例22:カスパーゼ−9およびカスパーゼ−3活性アッセイ)
胃粘膜組織の細胞質基質フラクションから、カスパーゼ−9およびカスパーゼ−3活性は、商業上入手可能なキットを用いて測定された(Biovision、Mountain View、CA、USA、Sigmaの各社)。概要を述べると、胃粘膜はカスパーゼ分解バッファー(それぞれのキットによって提供される)により均質化された。均質物を16000×gで15分間遠心分離した。上澄液を回収し、2種類のリアクションバッファー50μl(それぞれのキットによって提供される)と混合した。さらに、カスパーゼ−3に対してはAc−DEDV−pNa(最終濃度200μM)、カスパーゼ−9に対してはLEHD−pNA(最終濃度200μM)、の基質を加えた。混合物を37℃で1時間保温し、405nmの吸光度を測定した(Maity P.、et al.、“J.Biol.Chem.”、2009、284、3058−3068, Maity P.、et al.、“J.Biol.Chem.”、2008、283、14391−14401, Maity P.、et al.、“J.Pineal Res.”、2009、46、314−323)。
(実施例23:セルの培養)
胃粘膜細胞を分離し、以前の記載(Pal C、et al.、“Free Radic Biol Med”、2010、49、2、258−267)から少し修正して培養した。ラットの胃粘膜を、100U/mlペニシリンと100μg/mlストレプトマイシンを含んだHBSS(pH7.4)の中に、切り抜いて入れた。粘膜を、その後細かく切り刻み、0.05%ヒアルロニダーゼおよび0.1%コラゲナーゼタイプIを含んだHBSS(pH7.4)中に、吊るした。懸濁液を、37℃30分、5%CO2雰囲気下で振とうさせながら保温し、その後ステリルナイロンメッシュを通して濾過した。濾過水を600×g5分間遠心分離した。細胞のペレットをHBSS(pH7.4)で洗浄し、さらに遠心分離した。当該ペレットを、10%ウシ胎児血清(FBS)および100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシンおよびゲンタマイシンを追加し、T25フラスコ内で、5mlのHans F−12メディア中、保温した。細胞を5%CO2下37℃にて培養させ、治療前と90%一致するように成長させた。当該手順に従って得られた細胞の90%は、上皮特性を有していた。
(実施例24:ミトコンドリア膜電位(ΔΨm)の測定)
ミトコンドリア膜電位(ΔΨm)を記載の通り測定した(Maity P.、et al.、 “J.Biol.Chem.”、2009、284、3058−3068, Maity P.、 et al.、“J.Biol.Chem.”、2008、283、14391−14401, Maity P.、et al.、“J.Pineal Res.”、2009、46、314−323)。ミトコンドリアは、前述の通り胃粘膜の断片から、ミトアイソレーション(Mitoisolation)キット(Biochain)を用いて分離された。各群(コントロール、インドメタシン、ジクロフェナク、およびSEGA前処理を行ったインドメタシンやジクロフェナク処理)から等量のミトコンドリア(25μg)を100μlのJC−1アッセイバッファー(550mMのKCl、50mMのATP、50mMのMgCl2、50mMの亜硫酸ナトリウム、5mMのEGTAを含む、100mMのMOPS、pH7.5)中に取り、JC1(300nM)中25℃で15分間暗所にて保温した。各サンプルの蛍光(490nmの励起、JC−1単体の530nmの発光、JC−1総量の590nmの発光)をHitachi F−7000蛍光分光計を用いて測定した。ΔΨmは590nm/530nmの蛍光比を表す。
(実施例25:ミトコンドリアの脱水素酵素活性アッセイ)
ミトコンドリア膜電位は、MTT([3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロマイド])をホルマザン色素に還元する、ミトコンドリア脱水素酵素能を測定することによって検討されてきた(Pal C、et al.、“Free Radic Biol Med”、2010、49、2、258−267)。同数の胃粘膜の初代培養細胞を、12穴プレートの各ウェルに取り(106)、コントロール、インドメタシン処理(5mM)、SEGA(50μM)に加えてインドメタシン(5mM)の処理、の3群に分けた。16時間保温後、細胞を分離し、500×g5分間遠心分離し、上澄液を廃棄した。セルペレットを新しい細胞培地に再構成した。各群から最終体積100μlの細胞培地中の同数の細胞(105細胞)を、96穴プレートに3組採取した。MTT(最終濃度0.1%)溶液を、コントロールおよび実験群の両方の各ウェルに加え、よく撹拌し、37℃で3時間、CO2恒温器で保温した。保温後、培地を慎重に吸引し、穴底部の不溶性ホルマザン結晶を、無水イソプロパノール中10%Triton X−100に加えて0.1N HClを含む、100μl MTT溶解溶液に溶解させた。MTT還元を570nm(ホルマザン色素の吸光度)において測定した。
(実施例26:ミトコンドリア内の過酸化物の測定)
コントロールおよびインドメタシン処理の両方の培養胃粘膜から得た、分離された粘膜細胞を、ミトソックスを用いたミトコンドリア内過酸化物の検出に用いた。当該方法は、過酸化物に反応する蛍光プローブであり、製品カタログ記載のプロトコルに従って行われた(Maity P.、 et al.、“J.Biol.Chem.”、2009、284、3058−3068)。細胞はそれぞれHBSS(pH7.4)を用いた蛍光プローブによって染色され、製品プロトコル記載の通り37℃15分間暗所で保温された。保温後、細胞を、HBSSを用いて3回洗浄し、蛍光顕微鏡を用いて検査した(Leica, DM−2500, Leica Microsystems)。ミトソックスによる染色は赤色フィルターを用いて視覚化された。
(実施例27:遊離鉄の測定)
コントロールおよびインドメタシン処理の両方の培養胃粘膜から得た、分離された粘膜細胞を、フェングリーンSK(Phen Green SK)を用いた遊離鉄の局在化に用いた。当該方法は、鉄に反応する蛍光プローブであり、製品カタログ記載のプロトコルに従って行われた(Maity P.、et al.、“J.Biol.Chem.”、2009、284、3058−3068)。細胞を、まずフェングリーンSK(20μm)を用いて、15分37℃暗所で保温した。保温後、当該細胞を、HBSSを用いて洗浄、続けて蛍光顕微鏡を用いて検査した(Leica,DM−2500,Leica Microsystems)。フェングリーンSKによる染色は、緑色フィルターを用いて視覚化された。
(本発明の利点)
本発明において合成した誘導体は、いくつかの利点を有している。
1. 当該誘導体は、遊離鉄をキレート化でき、ROSを除去することによって酸化ストレスを妨げ、同時に試験管内で抗アポトーシス効果を提供することができる。
2. 当該誘導体は、生体内でROSを除去するだけでなく、鉄が媒介したOHの形成を妨げる能力を有する。当該誘導体は、NSAIDsが誘発した胃粘膜細胞におけるROS媒介アポトーシス活性化を妨げることによって、胃粘膜の酸化ストレスや胃疾患を予防することができる。
3. 本発明は、胃保護効果を有する新規小分子や、胃疾患に対する新薬発見のための新規方法を提供する。

Claims (28)

  1. 一般式(1)で表され、
    Figure 2014506230
    式中、R1はOH、H、OMe、または以下の式であり、
    Figure 2014506230
    2はH、−COMe、または以下の式である化合物。
    Figure 2014506230
    Figure 2014506230
    Figure 2014506230
    もしくは
    Figure 2014506230
  2. 3,4,5−トリヒドロキシ−N−(2−(5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル)エチル)ベンズアミド;SEGA(3a);
    N−(2−(1H−インドール−3−イル)エチル)−3,4,5−トリヒドロキシベンズアミド TRGA(3b);
    3,4,5−トリヒドロキシ−N−(2−(5−メトキシ−1H−インドール−3−イル)エチル)ベンズアミド MEGA(3c);
    (E)−N−(2−(5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル)エチル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド 2b;
    (E)−N−(2−(1H−インドール−3−イル)エチル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド 2e;
    (E)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−N−(2−(5−メトキシ−1H−インドール−3−イル)エチル)アクリルアミド 2h;
    N−(2−(5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル)エチル)−2−(1H−インドール−3−イル)アセトアミド 2c;
    N−(2−(1H−インドール−3−イル)エチル)−2−(1H−インドール−3−イル)アセトアミド 2f;
    2−(1H−インドール−3−イル)−N−(2−(5−メトキシ−1H−インドール−3−イル)エチル)アセトアミド;2i;
    3−(2−アミノエチル)−1H−インドール−5−イル 3,4,5−トリヒドロキシベンゾエート GASA(4d);
    3−(2−アミノエチル)−1H−インドール−5−イル 5−(2−(5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル)エチルアミノ)−5−オキソペンタノエート 6c;または
    N−(2−(5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル)エチル)アセトアミド 5a
    である、請求項1に記載の一般式(1)で表される化合物。
  3. 化合物の構造式が以下の式で表される、請求項1に記載の一般式(1)で表される化合物。
    Figure 2014506230
  4. 前記化合物が胃疾患の治療に有用である、請求項1に記載の化合物。
  5. 前記化合物が試験管内で抗酸化性を示す、請求項1に記載の化合物。
  6. 6分、65分における鉄還元抗酸化力(FRAP)値および2,2−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジル(DPPH)アッセイにおける吸光度変化が、それぞれ1.65±0.06〜39.51±2.7、1.83±0.29〜60.61±7.3および0.107±0.02〜0.449±0.08の範囲にある、請求項1に記載の化合物。
  7. 構造式SEGA、GASA、TRGAおよびMEGAの化合物であり、潰瘍指数が30±3〜61±3の範囲にある、請求項2に記載の化合物。
  8. 薬学的に許容可能なキャリアとともに、一般式(1)で表される少なくとも1種の化合物を含む、胃疾患の治療に用いられる医薬品組成物。
  9. 一般式(1)の化合物の有効量が1mgkg-1〜50mgkg-1の範囲にある、請求項8に記載の胃疾患の治療に用いられる医薬品組成物。
  10. 一般式(1)の化合物が腹腔内投与される、請求項8に記載の胃疾患の治療に用いられる医薬品組成物。
  11. 動物の胃疾患治療用の薬を調製するための、一般式(1)の化合物の使用。
  12. 前記胃疾患が、ミトコンドリア酸化ストレスの発生、次いで胃粘膜細胞アポトーシス誘導を経過して、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)、エタノール、寒冷拘束ストレスによって誘発されたものである、請求項9に記載の使用。
  13. 一般式(1)の化合物の有効量が、1mgkg-1〜50mgkg-1の範囲にある、請求項9に記載の使用。
  14. 一般式(1)の化合物が腹腔内投与される、請求項9に記載の使用。
  15. 化合物SEGA(3a)のED50値が6〜8mgkg-1の範囲にある、請求項9に記載の使用。
  16. 構造式SEGA(3a)の化合物が、3[4,5−ジメチルチアゾール−2−イル]−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT)還元アッセイにより構成される、非毒性分子である、請求項9に記載の使用。
  17. 試験管内で培養胃粘膜細胞の損傷を防ぐ薬を調整する、一般式(1)の化合物の使用。
  18. i. トリプタミン誘導体および置換された酸を1:1.2〜1:2の比の範囲で1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カーボジイミドヒドロクロライド(EDCヒドロクロライド)を用いて縮合し、次いで構造式2a−I、4b、6bの化合物を得るために2〜3%メタノール含有クロロホルムへ溶出させて分離する工程、
    ii. 構造式3a、3b、3c、4cの化合物を得るために、構造式2a、2d、2dの化合物を水素添加する工程、
    iii. 工程(i)で得た6bまたは工程(ii)で得た4cを、10〜20%CH2Cl2およびギ酸に、0〜1℃の温度範囲で混合し、次いで25〜27℃の温度範囲で50〜80分間撹拌し、6c、4dをそれぞれ得る工程、
    を含む、請求項2に記載の構造式SEGA(3a)、2b、2c、TRGA(3b)、2e、2f、MEGA(3c)、2h、2i、4dの化合物の製造方法。
  19. トリプタミン誘導体がセロトニンハイドロクロライド(5−ヒドロキシトリプタミンハイドロクロライド)、トリプタミンハイドロクロライド、5−メトキシトリプタミン、tertブチル2−(5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル)エチルカルバメートからなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
  20. 置換された酸が3,4,5−トリス(ベンジルオキシ)安息香酸、クマル酸、インドール−3−酢酸、セロトニンハイドロクロライド(5−ヒドロキシトリプタミンハイドロクロライド)からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
  21. 前記化合物が三臭化ホウ素(BBr3)を用いメラトニンの脱メチル反応によって製造される、請求項2に記載の構造式5aの化合物の製造方法。
  22. 一般式(1)で表される少なくとも1種の化合物が有効量投与されることを含む、動物の胃疾患の治療方法。
  23. 前記胃疾患がミトコンドリアの酸化ストレスの発生、次いで胃粘膜細胞アポトーシス誘導を経過して、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)、エタノール、寒冷拘束ストレスによって誘発されたものである、請求項22に記載の方法。
  24. 一般式(1)の化合物の有効量が1mgkg-1〜50mgkg-1の範囲にある、請求項22に記載の方法。
  25. 一般式(1)の化合物が腹腔内投与される、請求項22に記載の方法。
  26. 化合物SEGA(3a)のED50値が6〜8mgkg-1の範囲にある、請求項22に記載の方法。
  27. 構造式SEGA(3a)の化合物が、3[4,5−ジメチルチアゾール−2−イル]−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT)還元アッセイにより構成される非毒性分子である、請求項22に記載の方法。
  28. 一般式(1)で表される少なくとも1種の化合物が有効量投与されることを含む、培養された胃粘膜細胞の試験管内における損傷を妨げる方法。
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