JP2014505015A - 多発性硬化症(ms)の新規の治療 - Google Patents

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Abstract

本発明は、多発性硬化症(MS)の治療に使用される以下の式(I):
【化1】

(式中、R又はRはH、−CH、−CHCH、−CHCHCH、及び−CHCHCHCHから選択される基であるか、又はともにシクロプロピル環、シクロブチル環、シクロペンチル環、若しくはシクロヘキシル環を形成することができ、Rは−COOH、−COOR、−CONH、−CONHR、−CONR、−CONHSO、−COO−(CH−CHOH、−COO−(CH−ONO、−COO−PhOCH−C−COO−(CH−ONO、テトラゾリル、及び−COOHバイオアイソスターから選択される基であり、R又はRは−Cl、−F、−Br、−I、−CF、−OCF、−SCF、−OCH、−OCHCH、−CN、−CH=CH、−CHOH、及び−NOから選択される基であり、R又はRは−CH、−CHCH、−CHCHCH、及び−CHCHCHCHから選択される基であり、m又はnは0、1、2、及び3から選択される整数である)による化合物のR−エナンチオマー又は該化合物のニトロ変異体、及び該化合物の薬学的に許容可能な塩、好ましくはタレンフルルビル(R−フルルビプロフェン)の使用に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、多発性硬化症(MS)の治療に使用される以下の式(I):
(式中、R又はRはH、−CH、−CHCH、−CHCHCH、及び−CHCHCHCHから選択される基であるか、又はともにシクロプロピル環、シクロブチル環、シクロペンチル環、若しくはシクロヘキシル環を形成することができ、Rは−COOH、−COOR、−CONH、−CONHR、−CONR、−CONHSO、−COO−(CH−CHOH、−COO−(CH−ONO、−COO−PhOCH−C−COO−(CH−ONO、テトラゾリル、及び−COOHバイオアイソスターから選択される基であり、R又はRは−Cl、−F、−Br、−I、−CF、−OCF、−SCF、−OCH、−OCHCH、−CN、−CH=CH、−CHOH、及び−NOから選択される基であり、R又はRは−CH、−CHCH、−CHCHCH、及び−CHCHCHCHから選択される基であり、m又はnは0、1、2、及び3から選択される整数である)による化合物のR−エナンチオマー又は該化合物のニトロ変異体、及び該化合物の薬学的に許容可能な塩、好ましくはタレンフルルビル(R−フルルビプロフェン)の使用に関する。
MSは中枢神経系(CNS)に影響を与える慢性炎症性脱髄疾患である。この疾患の最も一般的な初期経過は、予測不能な発作(再発)の後に、疾患活動性の新たな徴候を伴わない相対的な寛解期が続くことを特徴とする再発寛解亜型である。
急性発作を起こした患者、再発寛解亜型の患者、進行亜型の患者に、及びMSの様々な予後を管理するのに様々な治療法が用いられる。治療法の主要目的は、発作後の機能回復、新たな発作の予防、及び身体障害の予防である。
以下の治療法を多発性硬化症の症例に用いることができる:インターフェロンβ1a及びインターフェロンβ1b、ガラティラメル、ミトキサントロン、ナタリズマブ(インテグリンα4β1に対するモノクローナル抗体)及び急性発作の治療のための糖質コルチコイド。FTY−720(フィンゴリモド、近年医療用に認可を受けたスフィンゴシン−1−ホスフェートアナログ)、クラドリビン(免疫抑制薬)、テリフルノミド(免疫抑制薬)及びファンプリジン(4−アミノピリジン、カリウムチャネル阻害薬)が臨床開発中である。加えて、HMG−CoA還元酵素阻害薬及び或る特定のカンナビノイドの有効性が実験によって研究されてきた。
再発寛解型MSの治療に薬物フィンゴリモド及び登録を受けたナタリズマブを用いた研究により得られた多くの有望な結果にもかかわらず、治癒は起こらず、最良でも発作頻度が低減し、またこれにより神経学的欠損が遅延するだけである。
一次進行型MSの場合、効果的な治療は知られていない。さらに、利用可能な薬物による(drug-based)治療法(β−インターフェロン、ガラティラメル、ミトキサントロン、ナタリズマブ)は全て、相当な毒性を引き起こす。
タレンフルルビル(R−フルルビプロフェン)(化学名(R)−2−(2−フルオロ−4−フェニルフェニル)プロピオン酸)は、アルツハイマー病の治療の有力な候補物質として2008年に試験された。それにもかかわらず、認知機能の不十分な改善が見られたことから、この指示薬の更なる開発は中止された。
R−フルルビプロフェンは、例えばイブプロフェン及びナプロキセンとともに、2−アリールプロピオン酸(プロフェン)群に属するものである。イブプロフェンと同様に、R−フルルビプロフェンは、活性因子がS−エナンチオマーであると考えられる市販のラセミフルルビプロフェンの副生成物である。フルルビプロフェンは現在、転移性前立腺がんの治療のための臨床試験中である。
Cardozo et al.(非特許文献1)は、排尿筋不安定を伴う女性の症例(特発性の27症例、及び多発性硬化症に続発した3症例)におけるプロスタグランジン合成酵素阻害薬であるフルルビプロフェン及びプラシーボの二重盲検交差試験を説明している。膀胱充満中に排尿筋圧が上昇するにつれて(0.01未満のP)、頻度、切迫度、及び切迫性尿失禁が全て、フルルビプロフェンによって有意に低減した(それぞれ、0.001未満のP、0.025未満のP、及び0.025未満のP)。しかしながら、副作用がプラシーボを摂取した5人に対して、フルルビプロフェンを摂取した13人の患者において生じた(0.025未満のP)。試験後、19人の患者がフルルビプロフェンの継続を希望した。フルルビプロフェンは突発性排尿筋不安定に有用な治療であり、ほとんどの患者で忍容性が良好である。
特許文献1は、疼痛を伴うニューロパチーの治療用の薬物の生産のための鏡像異性的に純粋なタレンフルルビル及び/又はその薬学的に耐容性の塩若しくは誘導体の使用を説明している。特許文献1とは対照的に、本発明は、多発性硬化症の神経免疫学的病状の治療のための、並びにしたがって運動機能の喪失及び免疫介在性脱髄に起因する神経変性の進行の抑制のためのR−フルルビプロフェンの使用に関する。中枢神経系におけるミエリン形成細胞の自己免疫発作によるものである脱髄の抑制は、神経因性疼痛様の現象を伴う侵害受容系の中枢介在性の過敏性を含み得る他の神経学的MS関連症状の低減を伴い得る。しかしながら、神経損傷(外傷性、炎症性、代謝性、虚血性、毒性の神経損傷等)により引き起こされ、特許文献1に記載される神経因性疼痛は主として、損傷した侵害受容ニューロン又は二次侵害受容ニューロンの過興奮により引き起こされる。一部の形態は齧歯類モデルにおける小膠細胞の活性化に関連するが、この小膠細胞の活性化は機構及び局在性の両方に関して多発性硬化症における全身的な広域の免疫の活性化とは大きく異なる。
さらに、神経因性疼痛は自己免疫疾患ではなく、神経因性疼痛の治療のための特許文献1に記載されるR−フルルビプロフェンの有効性及び使用は、本明細書に記載の免疫調節特徴とは異なる機構を介するものである。R−フルルビプロフェンによる神経因性疼痛の低減は多くの場合、軸索損傷後に起こる不適応なニューロン変化の抑制に起因するものであり、多発性硬化症におけるR−フルルビプロフェンの有効性は多くの場合、T細胞に対する免疫調節効果に起因し、それによりニューロンの髄鞘の自己免疫介在性の破壊、すなわち乏突起膠細胞及びシュワン細胞の破壊が抑制される。このミエリン破壊が視床皮質路、すなわち上行疼痛経路において起こる場合、MSにおける中枢神経因性疼痛の症状が引き起こされ得る。一方で、R−フルルビプロフェンは二次的に、MS患者においてこの形態の神経因性疼痛又はその進行を低減することができる。しかしながら要約すると、神経因性疼痛(例えばほとんどの場合、外傷、帯状疱疹感染、糖尿病又は虚血によって引き起こされる)におけるR−フルルビプロフェンの有効性では、その免疫調節効果、並びにMSにおける免疫介在性のミエリン破壊及び運動機能の喪失の本明細書に記載される抑制の予測は不可能であった。
したがって本発明は、神経系の自己免疫疾患である多発性硬化症における免疫調節及び運動機能の維持のためのR−フルルビプロフェンの新規使用に基づくものであり、末梢神経の外傷、炎症、代謝性機能障害又は虚血によって最も高い頻度で引き起こされる侵害受容ニューロンの過興奮の抑制又は反転のためのR−フルルビプロフェンの使用に関する。
Barkhof et al.(非特許文献2)はMRTにおけるMS病変の数及びサイズに対するイブプロフェンの効果を調べている。Barkhof et al.は、同時に投与したβ−インターフェロンの効果は同時投薬治療には本質的に影響を受けないことを説明している。
米国特許出願公開第2009−0162421号
Cardozo LD, Stanton SL, Robinson H, Hole D. Evaluation offlurbiprofen in detrusor instability. Br Med J. 1980 Feb 2;280(6210):281-2 Barkhof F, van Waesberghe JH, Uitdehaag BM, Polman CH. Ibuprofendoes not suppress active multiple sclerosis lesions on gadolinium-enhanced MRimages. Ann Neurol. 1997 Dec;42(6):982
上記を鑑みて、MS、特に一次進行型MSに対する新規の効果的な治療の開発に対して継続した要求が存在する。
本発明の第1の態様において、本発明のこの目的は、多発性硬化症(MS)の治療に使用される以下の式(I):
(式中、R又はRはH、−CH、−CHCH、−CHCHCH、及び−CHCHCHCHから選択される基であるか、又はともにシクロプロピル環、シクロブチル環、シクロペンチル環、若しくはシクロヘキシル環を形成することができ、Rは−COOH、−COOR、−CONH、−CONHR、−CONR、−CONHSO、−COO−(CH−CHOH、−COO−(CH−ONO、−COO−PhOCH−C−COO−(CH−ONO、テトラゾリル、及び−COOHバイオアイソスターから選択される基であり、R又はRは−Cl、−F、−Br、−I、−CF、−OCF、−SCF、−OCH、−OCHCH、−CN、−CH=CH、−CHOH、及び−NOから選択される基であり、R又はRは−CH、−CHCH、−CHCHCH、及び−CHCHCHCHから選択される基であり、m又はnは0、1、2、及び3から選択される整数である)による化合物のR−エナンチオマー又は該化合物のニトロ変異体、例えば(R)−2−(2−フルオロ−ビフェニル−4−イル)プロピオン酸4−ニトロオキシブチルエステル、及び該化合物の薬学的に許容可能な塩により解決される。
好ましくは、RはHから選択される。更に好ましいのは、
(R)−2−(2−フルオロ−4−フェニルフェニル)プロピオン酸、
(R)−2−(2−フルオロ−ビフェニル−4−イル)プロピオン酸4−ニトロオキシブチルエステル、
(R)−1、1’−ビフェニル)−4−酢酸2−フルオロ−α−メチル−4−ヒドロキシブチルエステル、
(R)−3−[4−(2−フルオロ−α−メチル−[1、1’−ビフェニル]−4−アセチルオキシ)−3−メトキシフェニル]−2−プロペン酸4−ニトロオキシブチルエステル、
(R)−2−メチル−2(2−フルオロ−4’−トリフルオロメチルビフェン−4−イル)プロピオン酸、
(R)−2−メチル−2(2−フルオロ−4’−シクロヘキシルビフェン−4−イル)プロピオン酸、
(R)−2−(2−フルオロ−3’,5’−ビス(クロロ)ビフェン−4−イル)プロピオン酸アミド、
(R)−2−(2−フルオロ−4’−トリフルオロメチルビフェン−4−イル)プロピオン酸、
(R)−2−(2−フルオロ−3’−トリフルオロメチルビフェン−4−イル)プロピオン酸、
(R)−2−(2−フルオロ−3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェン−4−イル)プロピオン酸、
(R)−2−(4’−シクロヘキシル−2−フルオロビフェン−4−イル)プロピオン酸、
(R)−2−(2−フルオロ−1、1’−ビフェニル−4−イル)−2−メチルプロパン酸、及び、
(R)−5−[1−(2−フルオロ−ビフェニル−4−イル)−1−メチル−エチル]−2H−テトラゾール、
からなる群から選択される本発明による化合物の使用である。
更に好ましいのは、多発性硬化症(MS)の治療に使用されるR−フルルビプロフェン又はニトロ−R−フルルビプロフェンである。また更に好ましいのは、多発性硬化症(MS)の治療用の薬剤の生産のための上記の化合物、好ましくはR−フルルビプロフェン又はニトロ−R−フルルビプロフェンの使用である。本発明の別の態様は、多発性硬化症(MS)を治療する方法であって、それを必要とする患者に、治療的に効果的な量の本発明による化合物、好ましくはR−フルルビプロフェン又はニトロ−R−フルルビプロフェンを投与することを含む、方法に関する。本発明による治療法の主要目的は、発作後の機能回復、新たな発作の予防、及び身体障害の予防である。このため、本治療は好ましくは、疼痛を伴うニューロパチーの治療とは異なる、すなわち好ましくは疼痛を伴うニューロパチーの治療を含まない治療に関するものである。
本発明に関連して、治療は本明細書に記載されるMSの疾患症状の予防的な治療及び/又は実際の治療の両方を含むものとし、該疾患症状は該治療を用いて緩和及び/又は更に完全に除去することができる。
本発明は、プロフェン化合物のR−エナンチオマー、すなわちR−フルルビプロフェンが、マウスにおける多発性硬化症のEAEモデル(EAE:実験的自己免疫性脳脊髄炎)での麻痺の発生を低減/阻害し、小膠細胞のMOG誘発性の活性化及び腰部脊髄における免疫細胞の浸潤をほぼ完全に遮断するという驚くべき発見に基づくものである。そのため、ヒトの状況とマウスモデルとの類似性から、ヒト患者においてタレンフルルビル(R−フルルビプロフェン)の少なくとも同程度の効果が期待される。
そのS−異性体とは対照的に、R−フルルビプロフェンはシクロオキシゲナーゼを阻害せず、プロスタグランジン合成に対する影響がない。高い1日投与量及び長期の治療法であっても、本質的毒性は知られていない。このため、本発明の別の態様は、シクロオキシゲナーゼを阻害することなく、プロスタグランジン合成に対する影響のない、多発性硬化症(MS)を治療する方法であって、それを必要とする患者に、治療的に効果的な量の本発明による化合物、好ましくはR−フルルビプロフェン又はニトロ−R−フルルビプロフェンを投与することを含む、方法に関する。本発明の更に別の態様は、シクロオキシゲナーゼの阻害に起因する、上記治療に関与する毒性を抑制及び/又は低減することにより改善された、多発性硬化症(MS)を治療する方法であって、それを必要とする患者に、治療的に効果的な量の本発明による化合物、好ましくはR−フルルビプロフェン又はニトロ−R−フルルビプロフェンを投与することを含む、方法に関する。
R−フルルビプロフェンはアルツハイマー病における潜在的な治療法として試験されたが、最終的に任意の重大な効果は示さなかった。さらに、Barkhof et al.(上記を参照されたい)はMSに対するイブプロフェンの個々の効果を排除しており、このため当業者はフルルビプロフェン、すなわち上記の式(I)に示される化合物もMSにおいて効果がないと予測すると考えられる。
好ましくは、治療対象のMSは再発寛解型MS又は進行型MSである。
高い1日投与量及び長期の治療法であっても、R−フルルビプロフェンの本質的毒性は知られていない。このため、概して治療対象のMSの症状に対して有益な効果を示す、任意の投与量の本発明による化合物、好ましくはR−フルルビプロフェン又はニトロ−R−フルルビプロフェンを使用することができる。それぞれの有効投与量は当業者及び/又は担当医によって容易に決定することができる。好ましいのは、剤形当たり50mg〜3000mg、好ましくは100mg〜1500mg、より好ましくは300mg〜1200mgの量で与えられる、本発明による化合物、好ましくは本発明によるR−フルルビプロフェン又はニトロ−R−フルルビプロフェンの使用である。更に好ましいのは、1日に付き治療対象の患者の体重1kg当たり5mg〜体重1kg当たり15mgの投与量で与えられる本発明による上記化合物、好ましくはR−フルルビプロフェン又はニトロ−R−フルルビプロフェンの使用である。
概して、本発明による化合物、好ましくはR−フルルビプロフェン又はニトロ−R−フルルビプロフェンを、任意の好適かつ効果的な方法で、例えば経口で、直腸に又は注射によって患者に与えることができる。経口が好ましい。さらに、本発明による化合物、好ましくはR−フルルビプロフェン又はニトロ−R−フルルビプロフェンを、任意の好適かつ効果的な薬学的に許容可能な形態、例えば錠剤、カプセル、糖衣錠、粉末、坐剤、ゲルの形態で及び/又は注射用溶液として患者に与えることができる。
本発明による化合物、好ましくはR−フルルビプロフェン又はニトロ−R−フルルビプロフェンを、単独で又はMSの治療法及び/又は治療に利用可能な他の化合物及び治療と合わせて使用することができる。好ましくは、神経学的な症候性のものに効果がある。この組合せは化合物及び治療の同時の又は間隔を空けた使用を包含する。この組合せはMSの治療法及び/又は治療に利用可能な化合物及び治療の任意の相乗効果も包含する。したがって、本発明の別の態様は、例えばインターフェロンβ1a若しくはインターフェロンβ1b、ガラティラメル、ミトキサントロン、ナタリズマブ、糖質コルチコイド、フィンゴリモド、クラドリビン、テリフルノミド、ファンプリジン、HMG−CoA還元酵素阻害薬又はカンナビノイド等のMSに対する少なくとも1つの更なる治療薬と合わせて与えられる、本発明による化合物、好ましくは本発明によるR−フルルビプロフェン又はニトロ−R−フルルビプロフェンの使用である。好ましいのは、インターフェロンβ1a又はインターフェロンβ1bである。
次いで、本発明の別の態様は、多発性硬化症(MS)の症状、好ましくは神経学的欠損を治療、特に低減する方法であって、本明細書に記載されるように、それを必要とする患者に、治療的に効果的な量の本発明による化合物、好ましくはR−フルルビプロフェン又はニトロ−R−フルルビプロフェンを投与することを含む、方法に関する。
次いで、本発明の更に別の態様は、多発性硬化症、例えば再発寛解型MSにおける発作の頻度、発生、及び/又は重症度を低減する方法であって、本明細書に記載されるように、それを必要とする患者に、治療的に効果的な量の本発明による化合物、好ましくはR−フルルビプロフェン又はニトロ−R−フルルビプロフェンを投与することを含む、方法に関する。
多発性硬化症のEAEモデルにおいて、R−フルルビプロフェン(飲用水で9mg/日)で処理したマウスが麻痺を示さなかったのに対して、同時にプラシーボで処理した対照動物は不全対麻痺から四肢不全麻痺を発症し、終了基準に準拠して屠殺しなければならなかった。R−フルルビプロフェンで処理した動物では、小膠細胞の活性化又は白質のT細胞浸潤は遠位脊髄、すなわちEAEの病理免疫学的徴候の主要位置ではほとんど検出されることがなかった。髄鞘のT細胞介在性の破壊及び軸索の直接損傷が神経学的欠損の原因である。
EAEにおけるR−フルルビプロフェンの効果の生物学的機構は一部しか知られていない。R−フルルビプロフェンは、脂質シグナル分子の複雑な調節及び転写因子(例えばNF−κB及びPPAR等)の調節、並びにそれにより神経免疫学的伝達の免疫調節及び変化をもたらす。したがって、適度な調節効果によって化合物の有益な効果/毒性プロファイルが説明される。
上述のように、現在利用可能な投薬治療ではMSは治癒せず、発作の低減及び進行の抑制を達成することができるにすぎない。一次進行型(非再発寛解型)MSの一部の症例では、利用可能な効果的治療法が存在しない。該疾患は麻痺の増大をもたらし、最終的には死に至る。加えて、患者は痙縮及び疼痛伝導性ニューロン又は中枢における神経免疫学的損傷により疼痛を患う。
本発明による化合物、好ましくはR−フルルビプロフェン又はニトロ−R−フルルビプロフェンの主な利点はその低い毒性であり、これはR−フルルビプロフェンで十分立証されている。高齢患者において長期の治療法を用いても、重大な副作用は生じなかった。通常、軽度の副作用では治療法は中止しない。
R−フルルビプロフェンで処理した動物に見られる神経学的症状及び神経免疫学的病状の低減は相当なものであった。そのため、本発明による化合物、好ましくはR−フルルビプロフェン又はニトロ−R−フルルビプロフェンが、MSの患者においても症状を低減することが推測される。
C57BL6/Jマウスにおける多発性硬化症のEAEモデルでのR−フルルビプロフェン(9mg/kg/d 経口)の効果を示す R−フルルビプロフェン(9mg/kg/d 経口)又はプラシーボで処理したC57BL/6マウスにおけるMOG35−55の(von)注射の3週間後の脊髄(腰部)での小膠細胞の活性化を示す R−フルルビプロフェン(9mg/kg/d 経口)(図3A)又はプラシーボ(図3B)による処理の際のMOG35−55の注射の3週間後の腰部脊髄の後角におけるT細胞浸潤を示す。図中英語 図3A:EAE ca. 3 weeks Vehicle treatment EAE およそ3週間 ビヒクル処理 図3B:EAE ca. 3 weeks RFlurbi treatment EAE およそ3週間 R−フルルビプロフェン処理 同上 R−フルルビプロフェン処理の開始に応じた多発性硬化症のEAEモデルにおける臨床スコアの経時変化を示す。図中英語:Start: Day 1 開始:1日目Start Day 5 開始:5日目Start Day 8 開始:8日目EAE-Scores EAEスコアDays after MOG MOG後の日数Vehicle ビヒクルR-Flurbi R−フルルビプロフェンR-Flurbi: no EAE R−フルルビプロフェン:EAEなしR-Flurbi: Reduction R−フルルビプロフェン:低減 多発性硬化症のEAEモデルにおける神経炎症の画像化を示す。 多発性硬化症のEAEモデルにおける脊髄でのCD4+/CD25+ T細胞のフローサイトメトリー分析を示す。図中英語:% of CD3 gated 分類されたCD3の%Vehicle ビヒクルRflurbi R−フルルビプロフェン 多発性硬化症のEAEモデルにおけるIL10+ T細胞及びFoxP3+ T細胞のフローサイトメトリー分析を示す。図中英語:Vehicle ビヒクルR-Flurbi R−フルルビプロフェンCD25pos_IL 10low-high CD25陽性_IL10低−高Counts カウント 同上 多発性硬化症のEAEモデルにおける視神経での脱髄の免疫蛍光分析を示す。図中英語:Naive Control ナイーブ対照EAE-Vehicle EAE−ビヒクルEAE-R-Flurbiprofen EAE−R−フルルビプロフェンMyelin Basic Protein ミエリン塩基性タンパク質Neurofilament 神経フィラメントStart of treatment 5 days after MOG35-55immunization MOG35−55免疫付与の5日後に処理開始
これより本発明を、添付の図面を参照して以下の例で説明するが、これに限定するものではない。本発明の目的上、本明細書で引用される参考文献は全て、その全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
図1はC57BL6/Jマウスにおける多発性硬化症のEAEモデルでのR−フルルビプロフェン(9mg/kg/d 経口)の効果を示す。実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)を、200μlのCFA中の100μgのMOG35−55の皮下注射、その後の200ngの百日咳毒素(PTX)の腹腔内注射により誘導した。2日後、PTX注射を繰り返した。R−フルルビプロフェンを飲用水(1日に付き225μg/4ml)で経口適用した(n=6)。対照群にはプラシーボを与えた(n=9)。侵害受容挙動を運動機能障害の徴候前でのみ研究した。物理的痛覚過敏、熱的痛覚過敏(上部、左側のy軸)及び冷感異痛(下部)を測定した。痛覚過敏は神経免疫学的活性化の初期徴候である。運動機能を標準的な採点システムに基づき検出した:スコア0.5:尾部の遠位性不全麻痺;スコア1:尾部の完全麻痺;スコア1.5:尾部の不全麻痺及び後肢の軽度の不全麻痺;スコア2.0:片方の後肢の重度の不全麻痺;スコア2.5:後肢の中度の不全対麻痺;スコア3.0:両方の後肢の完全麻痺;スコア3.5:両方の後肢の完全麻痺及び片方の前肢の不全麻痺;スコア4:完全麻痺(四肢麻痺)、瀕死状態又は死亡。動物をスコア3.5から屠殺した。全ての試験を処理についての情報が与えられなかった観察者により行った。R−フルルビプロフェンは初期に検出可能であった痛覚過敏を低減し、運動機能障害の発症を完全に阻害した(P<0.05)。R−フルルビプロフェンで処理した動物は、観察期間中に脱髄の徴候を示さなかった。プラシーボ群では、全ての動物が2.5〜3.5のスコアに達した。
図2はR−フルルビプロフェン(9mg/kg/d 経口)又はプラシーボで処理したC57BL/6マウスにおけるMOG35−55の(von)注射の3週間後の脊髄(腰部)での小膠細胞の活性化を示す。組織学的検査のために、マウスの心臓内に4%パラホルムアルデヒドを灌流させ、組織を調製し、PFAで後固定させ(post-fixed)、20%スクロース中での保存により凍結物(cryo-artifacts)から保護した。組織をOCTに包埋させ、クリオトームで切断した(16μm)。免疫染色を、小膠細胞マーカーIba−1に特異的に指向性を有する一次抗体を使用して行った。ニューロンを、抗NeuNを用いて検出した。蛍光色素で標識した二次抗体による染色後、Zeissの蛍光顕微鏡を使用して撮像した。R−フルルビプロフェンで処理した動物では、小膠細胞の活性化を検出することはできなかった。すなわち、脊髄は全く病理的変化を示さず、健常な対照動物と異ならなかった。これに対して、プラシーボで処理したEAE動物は小膠細胞の大規模な活性化及び増殖を示した。
図3はR−フルルビプロフェン(9mg/kg/d 経口)(図3A)又はプラシーボ(図3B)による処理の際のMOG35−55の注射の3週間後の腰部脊髄の後角におけるT細胞浸潤を示す。調製は上記のように行った。T細胞を、抗CD3抗体を使用して検出した。前角及び後角における白質へのT細胞浸潤はR−フルルビプロフェンによる処理によりほぼ完全に阻害された。
図4はR−フルルビプロフェン処理の開始に応じた多発性硬化症のEAEモデルにおける臨床スコアの経時変化を示す。EAEはC57BL6マウスにおいてMOG35−55ペプチド及び百日咳毒素の注射により誘導した。ビヒクル又はR−フルルビプロフェン(9mg/kg/d 経口)処理はMOGによる免疫付与日(1日目)又は免疫付与の5日後若しくは8日後に開始した。臨床EAEスコアを図1に記載のように評価した。R−フルルビプロフェンで処理した動物は、治療法を1日目に開始した場合にはEAEを発症せず、治療をMOG注射の5日後又は8日後に開始した場合にはEAEスコアを有意に低減した。スコア下面積×経時変化をt検定によって統計的に分析した(P<0.05)。
図5は多発性硬化症のEAEモデルにおける神経炎症の画像化を示す。近赤外線画像化(マエストロイメージングプラットフォオーム)を、MOG35−55ペプチド及び百日咳毒素の注射によるEAEの誘導の3日後から開始して、ビヒクル又はR−フルルビプロフェン(9mg/kg/d 経口)で処理したC57BL6マウスにおけるProSense 680の静脈注射の3日後に行った。ProSense 680はカテプシンの蛍光基質であり、炎症の分析を可能にするものである。A:ProSenseを注射しない対照マウス。B:ビヒクル処理。C:R−フルルビプロフェンによる処理。
図6は多発性硬化症のEAEモデルにおける脊髄でのCD4+/CD25+ T細胞のフローサイトメトリー分析を示す。C57BL6マウスを、MOG35−55ペプチド及び百日咳毒素の注射によるEAEの誘導の3日後から開始して、ビヒクル又はR−フルルビプロフェン(9mg/kg/d 経口)で処理した。動物が1.5〜2の臨床スコアに達してから、単一細胞懸濁液を腰部脊髄分節から調製した。T細胞の分析を、細胞表面マーカータンパク質に指向性を有する特異的抗体を用いてフローサイトメーター(BDのFACS Conto II)で行った。T細胞をCD3により同定し、続いてCDマーカーの発現に従ってT細胞のサブタイプに分類した(gated)。R−フルルビプロフェンで処理した動物はより多くの数のCD4+/CD25+ T細胞を示し、このことからEAEにおいて保護機能を有するより多くの数の制御性T細胞が示唆された。
図7は多発性硬化症のEAEモデルにおけるIL10+ T細胞及びFoxP3+ T細胞のフローサイトメトリー分析を示す。C57BL6マウスを、MOG35−55ペプチド及び百日咳毒素の注射によるEAEの誘導の3日後から開始して、ビヒクル又はR−フルルビプロフェン(9mg/kg/d 経口)で処理した。動物が1.5〜2の臨床スコアに達してから、単一細胞懸濁液を脾臓から調製した。T細胞の分析を、細胞表面マーカータンパク質に指向性を有する特異的抗体を用いてフローサイトメーター(BDのFACS Conto II)で行った。T細胞をCD3により同定し、続いてT細胞のサブタイプに分類した。細胞内サイトカインの分析のために、ビヒクル又はR−フルルビプロフェンで処理したEAEマウス由来の脾細胞を37℃で2時間、50ng/mlのPMA+500ng/mlのイオノマイシン、その後37℃で2時間、10μg/mlのブレフェルジンAで刺激し、サイトカインの放出を抑制した。R−フルルビプロフェンで処理したマウスは、より高い割合のCD4+/CD25+/FoxP3+制御性T細胞及び抗炎症性IL−10の産生の増大を示した。
図8は多発性硬化症のEAEモデルにおける視神経での脱髄の免疫蛍光分析を示す。C57BL6マウスを、MOG35−55ペプチド及び百日咳毒素の注射によるEAEの誘導の5日後から開始して、ビヒクル又はR−フルルビプロフェン(9mg/kg/d 経口)で処理した。動物が1.5〜2の臨床スコアに達してから、マウスの心臓内にリン酸緩衝生理食塩水を灌流させ、その後4%PFA固定を行った。視神経を取り出し、後固定し、20%スクロース中で一晩凍結保護し、クリオトームで切断した。切片をミエリン塩基性タンパク質に指向性を有する抗体とインキュベートし、神経マーカー抗体NeuNを用いて対比染色した。分析を蛍光顕微鏡(ZeissのAxiovert)で行った。画像によって、R−フルルビプロフェン処理がビヒクルで処理したマウスと比較してニューロン線維の周りの髄鞘の破壊を大幅に低減することが示される。

Claims (8)

  1. 多発性硬化症(MS)の治療に使用される以下の式(I):
    (式中、
    又はRはH、−CH、−CHCH、−CHCHCH、及び−CHCHCHCHから選択される基であるか、又はともにシクロプロピル環、シクロブチル環、シクロペンチル環、若しくはシクロヘキシル環を形成することができ、
    は−COOH、−COOR、−CONH、−CONHR、−CONR、−CONHSO、−COO−(CH−CHOH、−COO−(CH−ONO、−COO−PhOCH−C−COO−(CH−ONO、テトラゾリル、及び−COOHバイオアイソスターから選択される基であり、
    又はRは−Cl、−F、−Br、−I、−CF、−OCF、−SCF、−OCH、−OCHCH、−CN、−CH=CH、−CHOH、及び−NOから選択される基であり、
    又はRは−CH、−CHCH、−CHCHCH、及び−CHCHCHCHから選択される基であり、
    m又はnは0、1、2、及び3から選択される整数である)による化合物のR−エナンチオマー又は該化合物のニトロ変異体、及び該化合物の薬学的に許容可能な塩。
  2. R−フルルビプロフェン(タレンフルルビル)又はニトロ−R−フルルビプロフェンから選択される、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記MSが再発寛解型MS又は進行型MSである、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 50mg〜3000mg、又は100mg〜1500mgの量で与えられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 1日につき体重1kg当たり5mg〜体重1kg当たり15mgの投与量で与えられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  6. 経口で、直腸に又は注射によって投与される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
  7. 錠剤、カプセル、糖衣錠、粉末、坐剤、ゲル又は注射用溶液の形態で与えられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  8. 例えばインターフェロンβ1a若しくはインターフェロンβ1b、ガラティラメル、ミトキサントロン、ナタリズマブ、糖質コルチコイド、フィンゴリモド、クラドリビン、テリフルノミド、ファンプリジン、HMG−CoA還元酵素阻害薬又はカンナビノイド等のMSに対する少なくとも1つの更なる治療薬と合わせて与えられる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
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