JP2014502911A - 物体の場所および配向を推定するシステムおよび方法 - Google Patents

物体の場所および配向を推定するシステムおよび方法 Download PDF

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Abstract

物体を回転させることおよび並進させることを含む、物体をナビゲートするために使用される磁界を生成する電磁石を備える、患者の内部で物体の位置および配向を推定するための追跡システムは、物体の位置を追跡するために使用される。物体の位置追跡は、物体をナビゲートすることと同時であるかまたは物体をナビゲートすることとインタリーブされる。ナビゲートし追跡するために同じ電磁石を使用することは、ナビゲーションシステムと位置追跡システムとの間での座標システム位置合わせを保証する。物体に取付けられる追跡センサは、電磁石によって生成される時変追跡磁界に応答して信号を生成する少なくとも1つのコイルを備える。反復アルゴリズムが使用されて、センサ信号から位置および配向が推定される。追跡用電磁石における線形時変電流は、計算された電圧波形を電磁石コイルに印加することによって生成される。
【選択図】図2B

Description

本発明は、生きている被検体の身体の内部または外部に配置される物体、たとえば医療デバイスの場所および配向を決定する方法および装置に関する。より具体的には、本発明は、コイルなどの少なくとも1つの検知要素を有するセンサにおいて、時変磁界によって誘導される電位を測定することによって種々の医療デバイス(たとえば、カテーテル、手術器具、内視鏡、非繋索式カプセルなど)の場所および配向の推定を可能にする。本発明は、物体の場所および配向を決定するために必要とされる磁界の生成をさらに改善する。
種々の会社(たとえば、Stereotaxis,Inc.;Magnetecs,Inc.)によって使用される遠隔磁気ナビゲーションシステム(Remote Magnetic Navigation systems)(RMNS)は、カテーテル留置、内視鏡検査、内視鏡カプセル(「ビデオピル」)、および他の最小侵襲的手技で使用するための新しく出現しつつある(emerging)技術である。
磁気先端を有するカテーテルは、電気生理学者がカテーテルを手作業で操作する必要なしで、患者内で操向されうる。他のロボットナビゲーション技法と違って、カテーテルは、遠位先端を磁界によって操向することによって制御される。その技術は、医師および患者の放射線に対する曝露および手技時間を減少させると共に、安全性および効率を高めた状態で脈管構造のより正確なナビゲーションを可能にすることがわかった[Pappone C and Santenelli V, Safety and efficacy of remote magnetic ablation for atrial fibrillation, J Am Coll Cardiol. 2008 Apr 22;51(16):1614-5]。さらに、遠隔磁気ナビゲーションは、アブレーションを成功裏に実施するために必要とされる温度を減少させながら、カテーテルの安定性を増加させる[Davis DR, Tang AS et al., Remote magnetic navigation-assisted catheter ablation enhances catheter stability and ablation success with lower catheter temperature, Pacing Clin Electrophysiol. 2008 Jul;31(7):893-8]。
病院内の従来のカテーテル検査室は、医師による手作業でのカテーテルの留置および操向に依存する。介入心臓学では、カテーテルが使用されて、心血管系をマッピングし、アブレーションを含む種々の方法によって、心臓関連問題の中でもとりわけ、不整脈および心房細動を補正する。患者は、CアームなどのX線透視システムの下に設置されて、カテーテルの位置決めに関するリアルタイムフィードバックを電気生理学者に与える。手作業による手技では、医師は、X線曝露のせいで、鉛エプロンを装着しなければならず、一方、RMNSの場合、オペレータは、シールドルーム内でまたはネットワークを介した別の場所で手技を行いうる。そして、アブレーションカテーテルが使用されて、心臓内の瘢痕を焼灼し、それにより、不規則な律動を補正する。アブレーション以外では、心臓病専門医は、ガイドワイヤおよびカテーテルを使用して、解剖学的構造内にステントおよび他のデバイスを留置する。遠隔磁気ナビゲーションは、患者に近接して設置された大きな電磁石を使用することによって働き、電磁石によって生成される磁界の変化が、所望の方向に向くよう患者内でカテーテルの先端を偏向させる。カテーテル自体は、医師の手の代わりに、ジョイスティックのような遠隔コントローラによって進行される。
Stereotaxisのウェブサイトによれば、2009年1月現在、全部で18,000の治験が、磁気ナビゲーションによって実施され、0.1%未満の合併症率は、手作業ナビゲーションシステムまたロボットナビゲーションシステムに関して起こる合併症のわずかな割合を示す。
別のシステムが、Magnetecs Corporationによって導入された。ロボットカテーテルガイダンス制御およびイメージング(robotic Catheter Guidance Control and Imaging)(CGCI)システムは、先端に磁石を有するカテーテルのナビゲーションを可能にする、ある空間構成の8つの固定電磁石からなる電磁アレイを特徴とする。CGCIシステムの利益は、速いカテーテル操作の能力による総合手技時間の大幅な減少、自動化カテーテルコントロールと組合せた、システムの統合化リアルタイムマルチメディアイメージングを含む。CGCI構造内の磁界は、手術室内での高価な付加的磁気シールドについての必要性をなくす。患者についてのX線に対する曝露が低減され、医師についての曝露がなくなる。CGCIシステムは、2つの標準的なコントロールモード、すなわち、手動磁気モードおよび自動磁気コントロールモードを有する。ジョイスティック制御式手動磁気モードは、心腔の周りにカテーテル先端を送る応答的方法を提供する。自動磁気モードは、オペレータにマップ場所のポイントアンドクリックターゲティングを与える。自動磁気モードでは、CGCI論理ルーチンは、標的場所への経路を計画し、最適接触方向を決定し、しっかりとしたかつ連続的な組織接触をカテーテル先端が行うまでカテーテル先端を誘導する。CGCIシステムは、カテーテル先端が選択されたマップ場所を通過するときに、カテーテル先端を可動組織と接触状態にさせるガイダンス経路を計画するための静的マップ幾何形状を使用する。(さらなる情報は、Magentecsのウェブサイトに見出すことができる、http://magnetecs.com)
これらの磁気ナビゲーションシステムは、物体の位置および配向の磁気コントロールを使用可能にするために、物体を追跡する補助追跡システムを使用する。そのため、Stereotaxis社製Niobe(登録商標)磁気ナビゲーションシステムとBiosense社製CARTO RMTシステムとの統合は、磁気操向式カテーテルの閉ループナビゲーションを使用可能にする。CARTO RMTシステムは、カテーテルの場所をリアルタイムに追跡し、この情報をNiobeシステムと共有し、医師がコントロール室からカテーテルをナビゲートすることを可能にする。(さらなる情報は、http://www.biosesewebster.com/products/navigation/cartormt.aspxで見出すことができる)。CARTO追跡システムは、いくつかの制限を有する。すなわち、CARTO追跡システムは、3つの直交コイルを有する固体センサを使用し、その固体センサは、管腔カテーテルと共にまたは非常に小さなガイドワイヤ上で使用できない。CARTO追跡システムは、電磁コイルを使用して追跡用の磁界を生成し、その磁界が磁気ナビゲーションシステムの磁気コイルに干渉する場合がある。磁気ナビゲーションシステムおよび追跡システムは追跡のために異なる磁界を使用するため、2つの座標システムを位置合わせする(すなわち、2つのシステム間の座標変換を規定する)必要性が存在する。
MRI用のEndoScout追跡システム(Robin Medical,Inc.)は、追跡用の参照磁界としてスキャナの勾配磁界を使用し、したがって、スキャナとの電磁干渉が全くなく、また、追跡システムとMRIスキャナを位置合わせする必要性が全く存在しない(さらなる情報は、www.robinmedical.comで見出すことができる)。CARTO追跡センサのように、EndoScout追跡センサは、ガイドワイヤおよび管腔カテーテルで使用できない少なくとも3つの直交マイクロコイルを含む固体センサである。
Nevoに付与された米国特許番号第6,516,213号に記載されるように、MRIスキャナにおける勾配コイルの作動は、少なくとも3つの直交コイルを有するセンサの場所および配向を推定するための必要なデータを提供する。推定プロセスは、測定センサ信号と予測(predict)センサ信号との差を最小にすることに基づく。これは、種々の最小化法、たとえば、測定信号と予測信号との差の2乗の和の最小化(最小2乗法)によって行われうる。センサコイルのそれぞれにおける測定信号は、各コイルを通る磁束の時間導関数に線形に関連する(ファラデーの電磁誘導の法則)。そのため、測定信号は、スキャナ内の勾配磁界の既知の分布、勾配作動の既知のパターン、および追跡センサの既知の幾何学的形状から計算される参照信号と比較されうる。
RothおよびNevoに付与された特許出願WO2009/087601A2にさらに記載されるように、追跡用のさらなる勾配作動が、イメージング用の勾配作動が、ある状態またはない状態で使用されて、追跡システムの性能を改善し、また、より速い更新レートによってより正確な追跡を達成する。
RothおよびNevoに付与された「method and apparatus to estimate location and orientation of objects during magnetic resonance imaging」という名称の米国出願第20100280353A1は、医療デバイス、たとえばカテーテルの場所および配向を推定するための方法を開示しており、その方法は、物体追跡のコマンドパラメータに基づいて勾配コイルの作動によって生成される磁界の瞬時値を処理することを含む。磁気共鳴イメージング(MRI)スキャナの勾配磁界に基づく追跡は、スキャナのハードウェアまたは運転モードを全く変更しない、追跡システムの受動的運転に基づく。よりより追跡性能を達成するために、カスタムMRIパルスシーケンスを生成する技法が開示される。この技法によって、スキャナのいずれの標準的なパルスシーケンスも、追跡のために特に設計された勾配作動を含むように修正されうる。これらの追跡勾配作動は、本来のシーケンスの画像品質に影響を及ぼさない方法で付加される。スキャン時間は、本来のシーケンスと同じであるかまたは勾配作動の付加のせいで長い場合がある。追跡システム自体は、全ての勾配作動(イメージング用の勾配作動および追跡用の勾配作動)を使用しうる、または、勾配の一部をなくし、カスタムパルスシーケンスに付加される特定の勾配作動にロックしうる。
Shacher他に付与された「diagnosticand therapeutic magnetic propulsion capsule and method for using the same」という名称の米国特許出願第20110301497号は、誘導式医療推進カプセルを開示し、誘導式医療推進カプセルは、外部AC/DC磁気勾配ローブ発生器と、カプセル内に収容された、独自に磁化された鉄−伝導性要素のセットとの間の強い電気磁気相互作用によって駆動される。カプセルは、人間の身体の外部の磁気誘導用磁界発生器によって、人間の身体の管腔およびキャビティを通って、かつ、医療診断手技、薬物送達手技、または他の手技について物理的接触が全くない状態でナビゲートされる。カプセルは、それぞれが異方性磁気特性を有する磁気リング、磁気ディスク、および/または磁気プレートの少なくとも2つのセットを装備する。外部勾配磁界は、オペレータのコマンドに従って身体管腔およびキャビティ内でカプセルを移動させ、傾斜させ、また回転させるのに必要とされる、勾配力および回転トルクを内部伝導性要素および磁気要素上に提供する。
システム位置合わせについての必要性をなくし、したがって、システムの精度を増加させる統合された磁気ナビゲーションおよび位置追跡システムについての必要性が存在する。
ガイドワイヤおよび管腔カテーテルの外側表面上への追跡センサの統合を可能にし、座標システム位置合わせについての必要性をなくすために、単一コイルの位置および配向を提供することが可能なシステムおよび方法についての必要性もまた存在する。
3次元空間を通して移動する物体の瞬時の場所および配向を決定するための方法および装置を提供することが本発明の一目的であり、その方法および装置は、上記観点の1つまたは複数において有利である。
本出願では、新しい追跡方法が開示される。開示される方法およびシステムが使用されて、RMNSの運転磁界の内部での物体の位置および配向を推定することができる。
本発明では、物体を回転させることおよび並進させることを含む、物体をナビゲートするために使用される磁界を生成する電磁石が使用されて、物体の位置を追跡する。物体の位置追跡を、物体をナビゲートすることと同時に行うことができる、または、物体の追跡を、物体をナビゲートすることとインタリーブすることができる。物体をナビゲートし追跡するために同じ電磁石を使用することによって、ナビゲーションシステムと位置追跡システムとの間での座標システム位置合わせについての必要性が存在しない。
本発明の例示的な実施形態によれば、瞬時磁界を測定するためのセンサは、センサに対して既知の配向の軸を有する1つまたは複数のコイルを備えるコイル組立体を備える。
本発明の例示的な実施形態によれば、センサは、既知の配向に配向した複数のセンサを備えることができ、データ処理は、ホストシステム内の電磁石のそれぞれの参照磁界マップをメモリに記憶すること、および、追跡モード電磁石作動によって生成される磁界の測定瞬時値を、電磁石の既知の参照磁界マップおよびセンサコイルの既知の相対的配向と共に処理することによって、センサの位置および配向を同時に推定することを含むことができる。
本発明の例示的な実施形態によれば、センサは、1つのコイルを含むコイル組立体を備えることができる。いくつかの実施形態では、センサ内の単一コイルは平面とすることができ、他の実施形態では、単一コイルは非平面コイルとすることができる。いくつかの実施形態では、各センサは、センサコイルの対を含み、その対内の第1のセンサコイルは、その対の第2のセンサコイルに平行であるが、横に離間される。いくつかの実施形態では、各センサは、2つ以上のセンサコイルを含み、全てのコイルは、センサ内で既知の配向と位置に位置決めされる。センサは、ホール効果センサなどの能動センサ、コイルセンサなどの受動センサ、または任意の他の適したセンサとすることができる。いくつかの実施形態では、物体は、医療診断目的または処置目的で人の身体内で移動する医療器具とすることができる。例は、身体の外部の受信機との無線通信を有するカテーテル、内視鏡、およびカプセルを含む。
本発明のさらに別の例示的な実施形態によれば、システムは、追跡モード電磁石作動信号をトリガーするためのトリガーメカニズムをさらに備えることができる。いくつかの実施形態では、追跡モード電磁石作動信号は、2峰性信号である。
いくつかの実施形態では、物体は、追跡センサならびに信号調節および信号処理リソース用の非常に制限された空間を有する摂取可能カプセルである。好ましい作動波形の1つは、三角電流波形である。具体的には、電流の線形変化が好ましい場合がある。作動電流の三角波形が、ただ1つの好ましいオプションの波形であることが留意されるべきである。三角作動波形の利点は、センサコイルに誘導される信号の、結果として得られる平坦域である。この平坦域は、たとえばナビゲーションシステムの外部磁石によって誘導される種々のアーチファクトおよび雑音を低減する。
したがって、本発明は、特別波形の入力電圧信号を大きなコイルに印加することによって、コイルベース磁界発生器の内部に線形時変磁界を生成するオプションの方法をさらに提供する。電圧信号は、以下のパラメータ、すなわち、コイル内のピーク(最小および最大)電流、これらのピーク間の時間間隔、コイルの抵抗、およびコイルのインダクタンスから計算される。
本発明の例示的な実施形態によれば、身体内の物体の位置を追跡するための方法が提供され、方法は、磁気センサを物体に取付けること、身体内の3次元空間内で前記物体を位置決めすること、追跡電磁石を使用して、前記3次元空間内で少なくとも5つの時変追跡磁界を生成することであって、前記少なくとも5つの時変追跡磁界は、3次元空間内の少なくとも2つの実質的に空間的に均一な磁界、および、3次元空間内の少なくとも3つの空間的に勾配のある磁界を含む、生成すること、前記生成された時変磁界のそれぞれについて、磁界マップを生成することであって、前記マップは、前記3次元空間内の場所に、対応する磁界ベクトルを図に記す、磁界マップを生成すること、前記少なくとも5つの時変追跡磁界に対する前記磁気センサの応答を測定すること、および、前記磁界マップおよび前記少なくとも5つの時変追跡磁界に対する前記磁気センサの前記測定された応答を使用して、前記3次元空間内の前記物体の3次元場所および少なくとも2次元配向推定することを含む。
いくつかの実施形態では、前記物体の場所および配向を推定することは、反復推定アルゴリズムを使用することを含む。
いくつかの実施形態では、場所および配向を推定することは、前記磁気センサの前記測定された応答と前記磁界マップを使用して計算される予測される応答との差を最小にすることを含む。
いくつかの実施形態では、磁気センサは少なくとも1つの磁気検出器を備える。
いくつかの実施形態では、磁気センサは、空間的に互いに変位した少なくとも2つの磁気検出器を備える。
いくつかの実施形態では、磁気センサは、互いに対して異なる配向を有する少なくとも2つの磁気検出器を備える。
いくつかの実施形態では、前記物体の場所および配向を推定することは、前記少なくとも2つの磁気検出器のそれぞれの場所を推定することを含む。
いくつかの実施形態では、物体は非硬質であり、それにより、前記少なくとも2つの磁気検出器は、前記物体が前記物体の形状を変化させるときに、2つの磁気検出器の相対的配向、および、2つの磁気検出器の相対的位置の少なくとも一方を変更する。
いくつかの実施形態では、前記非硬質物体の場所および配向を推定することは、前記非硬質物体の形状の変化を規定する少なくとも1つのパラメータを推定することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、非硬質物体は柔軟カテーテルであり、少なくとも2つの磁気検出器は、前記カテーテルに沿って既知の距離に配置され、前記非硬質物体の形状の変化を規定する前記少なくとも1つのパラメータは、前記カテーテルの屈曲性を含む。
いくつかの実施形態では、前記磁気検出器の少なくとも一方はホール効果プローブである。
いくつかの実施形態では、前記磁気検出器の少なくとも一方はコイルである。
いくつかの実施形態では、前記磁気検出器の応答を測定することは、前記時変磁界に応答して少なくとも1つのコイルに誘導される電圧を測定することを含む。
いくつかの実施形態では、方法は、ナビゲーション電磁石によってナビゲーション磁界を生成すること、および、前記ナビゲーション磁界によって誘導される力を前記物体に加えることによって前記3次元空間内で前記物体をナビゲートすることをさらに含む。
いくつかの実施形態では、前記ナビゲーション磁界の少なくとも1つおよび前記追跡磁界の少なくとも1つは、同じ電磁石によって生成される。
いくつかの実施形態では、ナビゲーション磁界および前記追跡磁界は、電磁石の同じセットによって生成される。
いくつかの実施形態では、電磁石は、ヘルムホルツコイルの少なくとも1つの対を備える。
いくつかの実施形態では、電磁石は、強磁性コアを有する電磁石の少なくとも1つの対を備える。
いくつかの実施形態では、電磁石は、前記身体の外部に、対向する電磁石の少なくとも3つの対を備え、対向する電磁石の前記3つの対のそれぞれは、前記3次元空間内で磁界のセットを生成するように構成され、前記セットのそれぞれは、均一な磁界および勾配磁界を生成することが可能である。
いくつかの実施形態では、均一磁界は、対向する電磁石の対を、前記対の各電磁石について電流が同じ方向に流れるにように作動させることによって生成される。
いくつかの実施形態では、勾配磁界は、対向する電磁石の対を、前記対の各電磁石について電流が反対方向に流れるにように作動させることによって生成される。
いくつかの実施形態では、方法は、対向する電磁石の前記対の少なくとも1つの対の電磁石を、異なる電流によって作動させることをさらに含む。
いくつかの実施形態では、電磁石の少なくとも3つの対は、他の対のそれぞれの対に対して実質的に直交して位置決めされる。
いくつかの実施形態では、反復最適化プロセスは、リアルタイムに実施されて、前記物体の瞬時の場所および配向を決定する。
いくつかの実施形態では、前記時変追跡磁界を生成することは、前記時変追跡磁界を順次生成することを含む。
いくつかの実施形態では、前記順次生成される前記時変磁界の少なくとも1つは、前記磁界が時間と共に線形に変化する少なくとも1つの継続期間からなり、前記磁気検出器の少なくとも1つは、コイルであり、それにより、前記時変磁界に対する前記磁気検出器の応答は、前記磁界が時間と共に線形に変化する前記継続期間中に実質的に一定である。
いくつかの実施形態では、物体は、身腔内の非繋索式物体である。
いくつかの実施形態では、物体は摂取可能ピルである。
いくつかの実施形態では、前記磁界が時間と共に線形に変化する継続期間は、前記物体をナビゲートするために使用される実質的に一定の磁界とオーバラップする。
いくつかの実施形態では、時変磁界は、前記磁界が時間と共に線形に変化する複数の継続期間を含む。
いくつかの実施形態では、時変磁界は三角波形を含む。
いくつかの実施形態では、時間と共に線形に変化する磁界は、前記磁界が時間と共に線形に変化する前記継続期間中に、時間的に線形に変化する電圧を前記磁気検出器の前記コイル内で生成する制御式電圧源によって生成される、時間的に線形に変化する電流によって少なくとも1つの電磁石を作動させることによって生成される。
いくつかの実施形態では、制御式電圧源は、t0<t<t1について、Vin(t)={R・(i1−i0)/(t1−t0)}・t+L・(i1−i0)/(t1−t0)+R・[i0]の電圧波形を生成するように構成され、ここで、Vin(t)は電圧時変波形であり、tは時変性があり、t0およびt1は、前記磁界が時間と共に線形に変化する前記継続期間のそれぞれの開始および終了であり、Rは、前記電磁石回路ループの総合抵抗であり、Lは、前記電磁石回路ループの総合インダクタンスであり、i0は時間t0における電流であり、i1は時間t1における電流である。
別途規定しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野において当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で述べるものと同様のまたは等価な方法および材料が、本発明の実施または試験において使用されうるが、適した方法および材料は以下で述べられる。矛盾する場合、複数の規定を含む特許明細書が規制するであろう。さらに、材料、方法、および例は、例証に過ぎず、制限的であることを意図されない。
本発明のいくつかの実施形態は、添付図面を参照して単に例として本明細書で述べられる。ここで図面を詳細に特に参照して、示す細目は、例としてのもの、また、本発明の好ましい実施形態の例証的な論議のためのものであり、最も有用であると思われ、また、本発明の原理および概念的態様の説明であると容易に理解されるものを提供するために提示される。この点に関して、本発明の基本的な理解に必要であるよりも詳細に本発明の構造的詳細を示すための試みは行われない。図面と共に考えられる説明は、本発明のいくつかの形態を実際に具現化する方法を当業者に明らかにする。
本発明の実施形態による、遠隔磁気ナビゲーションシステム(RMNS)の略ブロック図である。 追跡だけのためのRMNS電磁石の作動パターンを概略的に示す図である。 ナビゲーションと追跡の両方のためのRMNS電磁石の作動パターンを概略的に示す図である。 単一コイルを有するセンサを概略的に示す図である。 2つのセンサコイルを有するセンサを概略的に示す図である。 2つのセンサコイルを有する柔軟カテーテルを概略的に示す図である。 4つのセンサコイルを有する柔軟カテーテルを概略的に示す図である。 単一の非平面センサコイルを有するセンサを概略的に示す図である。 2つの非平面センサコイルを有するセンサを概略的に示す図である。 3対で配列された6つのセンサコイルを有するセンサの略分解3D図であり、各対内のコイルは、同じ軸に沿って実質的に配向されかつ前記軸に沿って互いから変位し、対は、その軸が互いに実質的に直交するように配向する。 追跡およびナビゲーションシステム内の電磁石対の考えられる構成を概略的に示す図である。 追跡およびナビゲーションシステム内の6つの電磁石対の考えられる構成の略正面図である。 図4B(i)に見られる追跡およびナビゲーションシステム内の6つの電磁石対の構成の略側面図である。 電磁石作動回路要素の略等価線図である。 時間の関数としての例示的な三角形電磁石作動電流を示す略グラフである。 図6Aに見られる電流を励起するのに必要とされる、時間の関数としての例示的な三角形電磁石作動電圧を示す略グラフである。 時間の関数としての例示的な非対称電磁石作動電流を示す略グラフである。 図7Aに見られる電流を励起するのに必要とされる、時間の関数としての例示的な非対称電磁石作動電圧を示す略グラフである。
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明が、その用途において、以下の説明で述べられるかまたは例によって例示される詳細に必ずしも限定されないことが理解される。本発明は、他の実施形態が可能であるかまたは種々の方法で実施または実行されることが可能である。
用語「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、および「有する(having)」は、その結合体と共に、「含むがそれに限定されない(including but not limited to)」を意味する。
用語「からなる(consisting of)」は、「含みかつそれに限定される(including and limited to)」と同じ意味を有する。
用語「実質的に〜からなる(consisting essentially of)」は、組成、方法、または構造が、さらなる成分、ステップ、および/または部品を含むことができるが、さらなる成分、ステップ、および/または部品が、特許請求される組成、方法、または構造の基本的かつ新規な特徴を実質上変更しない場合にだけそうであることを意味する。
本明細書で使用されるように、単数形「ある(a)」、「ある(an)」、および「その(the)」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数の参照を含む。たとえば、「化合物(a compound)」または「少なくとも1つの化合物(at least one compound)」は、その混合物を含む複数の化合物を含むことができる。
本出願全体を通して、本発明の種々の実施形態を、範囲フォーマットで提示することができる。範囲フォーマットでの説明は、単に便宜および簡潔さのためのものあり、本発明の範囲に関する柔軟性のない制限として解釈されるべきでないことが理解されるべきである。したがって、範囲の説明は、具体的に開示される全ての考えられる部分範囲ならびにその範囲内の個々の数値を有すると考えられるべきである。
明確さのために、別個の実施形態の文脈で述べられる本発明の特定の(certain)特徴はまた、単一の実施形態で組合せて提供することができることが認識される。逆に、簡潔さのために、単一の実施形態の文脈で述べられる本発明の種々の特徴はまた、別々に、任意の適した部分的組合せで、または適切な場合には本発明の任意の他の述べる実施形態で提供することができる。種々の実施形態の文脈で述べる特定の特徴は、その実施形態がこれらの要素なしで働かないということでない限り、これらの実施形態の本質的な特徴と考えられるべきでない。
以下で本明細書に記載する種々の図の論議では、同様の数字は同様の部品を指す。図面は、一般に、一定比例尺に従っていない。明確さのために、本質的でない要素は、図面の一部から省略された。
本発明は、遠隔磁気ナビゲーションシステム(RMNS)内の少なくとも1つのコイルを有するセンサの位置を追跡する装置、方法、およびシステムを開示し、RMNSは、生きている被検体の身体の内部で物体の位置および/または配向を操作するために作動される電磁石を有する。開示される方法、システム、および装置は、物体に取付けられた磁気センサ、たとえば1つまたは複数の小型コイルのセットを使用することによって物体の場所および配向の推定を可能にする。
例示的な実施形態は、セット内に1つのコイルだけを使用する。しかし、より複雑なコイルセット、たとえば2つ以上のコイルのセットは、追跡の精度を改善する場合がある。以下は、単一コイルセンサおよび2つ以上のコイルを有する追跡センサを開示する。
物体に取付けられる位置センサの完全な(6自由度)追跡は、センサの配向と場所の決定を必要とする。単一センサコイルの配向は、少なくとも2つの実質的に空間的に均一な時変性磁界によって決定することができ、その磁界は、実質的に異なる方向であり、コイルと磁界のそれぞれとの間の相対的配向に依存する電位をコイルに誘導する。いくつかの実施形態では、空間的に均一な時変性磁界は、実質的に互いに直交する。磁界が空間的に均一であると仮定されるため、配向の決定は、コイルの場所の事前知識を必要としない。コイルの配向が決定されると、その位置を、勾配磁界の連続的作動によって決定することができる。勾配磁界では、磁界振幅が空間内で変化する。座標系の3軸に沿って変化する3つの勾配磁界が作動されると、コイル内の誘導電圧が使用されて、コイルの位置が決定される。そのため、単一コイルの位置および配向は、3つの直交勾配磁界および少なくとも2つの直交均一磁界の連続的な印加によって決定されうる。平面コイルによる電磁誘導がコイルの軸回転によって変化しないため、平面コイルの軸回転を決定できず、したがって、追跡は、センサの5自由度(DOF)位置(3つの場所座標および2つの配向座標)を提供する。
センサの6DOF全てが必要とされる場合、非平面単一コイルが使用されうる、または、少なくとも2つのコイルが使用されうる。非平面の単一コイルの6つの未知の位置パラメータを得るために、少なくとも6つの磁界作動、たとえば実質的に異なる方向の3つの勾配磁界および実質的に異なる方向の3つの均一磁界が必要とされる。いくつかの実施形態では、勾配磁界は、実質的に互いに直交する。いくつかの実施形態では、空間的に均一な時変磁界は、実質的に互いに直交する。2つのコイルを装備するセンサが使用される場合、6つの未知の位置パラメータを決定するために、少なくとも3つの磁界作動が必要とされる。しかし、より多くの磁界作動が使用されて、未知パラメータより多い測定値を提供することができ、未知パラメータを、線形最小2乗法のようなデータの優決定セットのための方法(または、当技術分野で知られている他の最適化アルゴリズム)によって解くことができる。
本発明は、位置追跡のために(物体をナビゲートするために、すなわち、物体を移動させるかまたは物体を回転させるために主に使用される)ホストRMNSの磁界を使用する方法を提供する。そのため、他の追跡/ナビゲーションシステムの場合と同様に、ナビゲーションシステムと追跡システムとの間の座標系位置合わせを行う必要性が存在しない。当技術分野で知られているシステムでは、別個の座標系を有する別個の送信機は、ホストの座標系に位置合わせされる必要がある場合がある。本発明では、ホストシステムの磁界および追跡システムの磁界を生成するために同じ電磁石を使用することは、位置合わせのわずかな誤差が著しい追跡誤差をもたらす場合があるため、精度の著しい改善を提供する。さらに、本発明は、位置追跡のためにさらなる磁界発生器についての必要性をなくし、また、追跡システムとナビゲートシステムとの間の考えられる電磁干渉をなくす。さらなる磁界発生器をなくすことは、システムコストおよび/または複雑さを低減する場合がある。代替として、追跡用の磁界を生成するための別個の電磁石が、使用され、ホストRMNSの磁石に機械的に統合されて、追跡システムおよびRMNSの座標系の固定位置合わせが保証される。
システムおよび磁界構成
ここで図1が参照され、図1は、遠隔磁気ナビゲーションシステム(RMNS)100の概略的でかつブロックの図である。RMNS100は、作動システム40、追跡モジュール10、および物体を備える。物体16は、カテーテル、手術器具、内視鏡、非繋索式カプセル、または、生きている被検体の身体に挿入することができる任意の他のデバイスなどの医療デバイスとすることができる。作動システム40は、作動ユニット41、作動コントローラ48、作動プロセッサ44、およびディスプレイ46を含む。作動ユニット41は、実質的に互いに対向して位置決めされた電磁石42のセットを備える。生きている被検体の身体(図面の明確さのためにこの図では見られない)を、電磁石42のセット内に設置することができ、物体16を、身体上または身体内に位置決めし、追跡モジュール10で追跡することができる。作動コントローラ48は、電磁石42を制御し、電磁石42を作動させるために使用されるパラメータを変更することができる。たとえば、振幅および/または方向を、作動コントローラ48によって変更することができる。作動プロセッサ44は、追跡モジュール10からデータ20を受信し、データ50を追跡モジュール10に送出し、受信データを作動コントローラ48に送出して、受信データに基づいて作動パラメータを変更することができる。付加的にまたは別法として、作動プロセッサ44は、受信データをディスプレイ46に送出して、オペレータの視覚フィードバックによってナビゲーションのコントロールを可能にすることができる。追跡モジュール10は、追跡プロセッサ12、物体16に統合されるかまたは物体16に取付けられたセンサ14、センサ14と追跡プロセッサ12との間の電子インタフェースユニット18、および追跡出力20を備える。センサ14からのデータ14は、電子インタフェースユニット18を介して追跡プロセッサ12に送出される。これらのデータを、その後、作動プロセッサ44に送出し、その後処理し、電磁石42を作動させるために使用することができる。代替的に、これらのデータを、作動プロセッサ44に送出し、その後、ディスプレイ46を介してセンサ14の場所および/または配向を示すために使用することができる。
本発明の例示的な実施形態では、作動システム40の電磁石42は、所定シーケンスで運転して、物体16の磁気ナビゲーション(ナビゲーションモード作動)用の磁界および物体16の追跡(追跡モード作動)用の磁界を生成することができる、または、作動パターンを、ナビゲーションおよび位置追跡を可能にするように設計することができる。
電磁石42は、対向した対で位置決めされる場合、2つの異なるタイプの磁界を生成する2つの異なるモードで運転できる。
第1のモードでは、各対の両方の電磁石は、同じ方向に流れる電流によって作動され、その対の電磁石間に概ね均一の磁界をもたらす。
第2のモードでは、2つの電磁石は、反対方向に流れる電流によって作動され、各対の2つの電磁石間で磁界振幅の漸進的な変化を有する勾配磁界をもたらす。
これらの2つの磁界―均一磁界および勾配磁界―は、対向する電磁石の各対のための磁界のセットであると考えられる。電磁石作動のより一般的なパターンは、異なる振幅を有しかつ同じ方向または反対方向の電流による2つの電磁石の作動を含むことができ、2つの電磁石間に種々のパターンの磁界分布をもたらす。
位置センサの追跡を可能にするために(たとえば、Stereotaxis,Inc.のNiobeシステムの場合と同様に)電磁石の単一の可動対がRMNSによって使用される場合、その対は、処置される患者に対して異なる配向で位置決めされて、磁界の少なくとも3つのセットを生成し、磁界の各セットは、磁界の他のセットと互いに直交する成分を有する。
(Magnetecs,Inc.のCGCIシステムの場合と同様に)対向する電磁石のいくつかの対がRMNSによって使用される場合、電磁石の異なる対が、順次作動されて、磁界の少なくとも3つのセットを生成することができ、磁界の各セットは、磁界の他のセットに互いに直交する成分を有する。代替の実施形態は、ナビゲーション用と位置追跡用の別個の電磁石の使用を含み、異なる電磁石は、機械的に統合されて、電磁石の2つのセットの間に固定の幾何学的関係を提供し、したがって、2つのセット間の座標系位置合わせを保証する。
物体16の位置追跡は、ナビゲーションを可能にするために連続的に必要とされるが、ナビゲーションのために電磁石を作動させることは、長い期間の間、必要とされない場合がある、または、物体16をナビゲートするために比較的長い期間中、一定電流を使用する場合がある(定常状態作動)。ナビゲーションと連続的追跡の両方の要件に対処するために、電磁石を、2つのモード、すなわちナビゲーションモード作動および追跡モード作動で動作するよう制御することができる。ナビゲーションモード作動は、たとえばナビゲーションが磁界作動を脈動化する(たとえば、パルス幅変調(PWM)を使用する)ことによって行われる場合、位置追跡を可能にすることができる。しかし、物体を1つの場所から別の場所へ移動させるか、または、物体を回転させるために、電磁石が比較的長い期間の間、作動される場合、位置追跡を可能にするために、急速な2峰性作動を重ね合わすことができる。
本発明のいくつかの実施形態では、システム100は、ナビゲーションプロセッサおよびユーザ入力(図では見られず)をさらに備える。任意選択で、ユーザは、ユーザ入力を使用して、物体16を所望の場所および/または所望の配向になるよう指示することができる。任意選択で、ナビゲーションプロセッサ内の閉フィードバックループは、は、システム100が推定する物体16の実際の場所および/または配向を、ユーザが入力する所望のパラメータと比較し、電磁石を相応して作動させることによって、必要であるときに補正処置をとる。
図2Aは、追跡だけのためのRMNS電磁石の作動パターンを示す。上のグラフ210は、電磁石内の電流、したがって、電磁石によって発生される生成磁束を概略的に示す。異なるタイプのライン、点線211、破線212、および実線213は、順次作動される3つの異なる電磁石の作動電流を示す。異なる電磁石の作動は、振幅、傾斜、および繰返しレート(繰返し時間255の逆数)が同一である必要がないことが留意されるべきである。異なる電磁石の作動は、隣り合わない場合がある。例示的な実施形態では、異なる電磁石の作動は、干渉を回避するために非オーバラップ式である。非対称波動関数を使用することもできる。
下のグラフ230は、センサコイルで測定された電圧信号を概略的に示す。異なるタイプのライン、点線231、破線232、および実線233は、順次作動される対応する3つの異なる電磁石の作動に応答するセンサの信号を示す。
センサコイルで生成される信号は、コイルを通過する磁束の変化レートに比例することが留意されるべきである。そのため、信号は、電磁石作動の時間導関数に実質的に比例する。センサの信号の振幅は、電磁石作動の振幅、コイルサイズ、およびターン数、ならびに、電磁石に対するコイル位置および配向などの他の変数に依存する。そのため、一般に、各電磁石の作動に応答して生成される信号は異なる。グラフのスケール(時間および振幅)は単に例証のためのものであることが留意されるべきである。
図2Bは、ナビゲーションと追跡の両方のためのRMNS電磁石の作動パターンを概略的に示す。
物体が移動されるべきでなく、電磁石がナビゲーションのために作動されない場合であるが、ナビゲーション動作が必要とされるとき、追跡のための急速な2峰性作動が使用されうる。図面の明確さのために、1つの電磁石だけの作動(およびセンサ応答)がこの図に示される。
上のグラフ240は、電磁石内の電流、したがって、電磁石によって発生される生成磁束を概略的に示す。
示す例では、低振幅の追跡作動241の急速な繰返し(4つだけがマーク付けされる)が、急速に繰り返さない高振幅のナビゲーション作動242上に重ね合わされる。一般に、ナビゲーション作動は、物体16が移動されるときにだけ使用されるが、追跡作動は、物体が追跡されるときはいつでも使用される。
下のグラフ260は、センサコイルで測定された電圧信号を概略的に示す。
コイルの信号の平坦セクション(たとえば、261aおよび261b)は、電磁石作動の一定傾斜(271aおよび271b)によって引起される。複雑なコイルの信号パターン(たとえば、262)は、ナビゲーション作動の傾斜と追跡作動の傾斜が一致する272ときはいつでも生成される。
以下の説明では、追跡のために使用される電磁石は、物体ナビゲーションのために使用される同じ電磁石またはRMNSの電磁石に機械的に統合される別個の電磁石でありうる。
好ましい実施形態では、位置追跡センサは、導電性ワイヤの多くのループを有する少なくとも1つのコイルを備える。代替の磁気センサ、たとえばホール効果センサを、生成磁界を監視するために使用することができる。
対向する電磁石42の対が作動されると、時変性の空間的磁界(t,x,y,z)が生成される。ここで、x、y、xはRMNS座標系の3つの軸X、Y、Zに沿う座標であり、tは時間変数である。
電磁石によって生成される磁界を、シミュレーションによって生成される磁界マップから計算することができる、または、電磁石の作動中に複数の場所内の磁界振幅および方向を測定することによってRMNSの動作磁界内の異なる場所で測定することができる。これらのマップを、種々のフォーマットで、たとえば3つの独立変数(場所x、y、z)の関数としての3つの従属変数(磁界ベクトルのX、Y、Z方向の磁界成分)のアレイとして記憶することができる。特定の電磁石内の電流は、この電磁石によって生成される磁界の時間変化を示すため、時間と場所の関数としての磁界(t、x、y、z)は、磁界マップ値を電流時変信号で乗算することによって示されうる。
適切な動作の場合、作動プロセッサ44および追跡モジュール10が同期化されうることが好ましい。それは、各磁界作動のタイミングが好ましくはわかっており、それにより、信号231〜233の測定が、適切なタイミングで実施され、正しく解釈されて、物体の場所および/または配向をもたらすことができるということである。いくつかの実施形態では、測定は、追跡用電磁石作動の一定の線形変化271aに対応する、信号の平坦部261aの間に実施される。この同期は、図1で見られるデータ交換ライン20および/または50を使用して達成することができる。代替的に、センサコイル(または複数のセンサコイル)からの信号を監視し、タイミング情報をこれらの信号から抽出することができる。たとえば、同期化は、当技術分野で知られている位相ロックループ(PLL)回路を使用して達成することができる。これらの実施形態では、追跡モジュール10は、作動システム40と独立とすることができ、これらの場合、追跡モジュール10は、ディスプレイならびに他のユーザの入力および出力デバイスをさらに備えることができる。
いくつかの実施形態では、たとえば、物体が摂取可能カプセルである場合、同期化は、無線で、たとえば、好ましくは患者の外部になる追跡用プロセッサ12と(少なくともある程度まで)摂取可能カプセルの内部にある電子インタフェースユニット18との間のRFリンクを介して行うことができる。摂取可能カプセルの場合、センサ信号から得られる同期化は、同期化と測定データの両方のための2方向通信の代わりに、検出された情報を送信する送信機だけをカプセル内に必要とする。
作動電流の三角波形が、単に1つの好ましいオプションの波形であることが留意されるべきである。(制限はしないが)三角、正弦などのような他の波形を使用することができることが留意されるべきである。三角作動波形の利点は、センサコイルに誘導される信号の、結果として得られる平坦域261である。この平坦域は、たとえばナビゲーションシステムの外部磁石によって誘導される種々のアーチファクトおよび雑音を低減することができる。
いくつかの実施形態では、たとえば、物体が、コイルならびに信号調節および信号処理リソース用の非常に制限された空間を有する摂取可能カプセルである場合、雑音および干渉を低減することは、より重要である場合がある。
図3Aは、単一コイル142を有するセンサ14を概略的に示す図である。
一実施形態では、図3Aに示すように、センサ14は、1つの検知コイル142を備える。時変磁界(t,x,y,z)は、検知コイル142内に電位を誘導し、誘導電位Vの大きさは、ファラデーの誘導の法則によって与えられるように、コイルを通る磁束Φの時間導関数に関連する。
(1) V=−dΘ/dt
検知コイル142を通る磁束は、(t,x,y,z)で示すコイルの場所における磁界振幅、コイル面積(A)、磁界ベクトル方向と、コイルの平面に垂直な単位方向ベクトルnで表されるコイルの配向との間の角度によって決定される。
(2) Θ(t,x,y,z)=(t,x,y,z)・
ここで、・はベクトルのドット積を示す。典型的な検知コイル142は、その誘導率を増加させるために複数のワイヤターンを有するため、面積Aは、コイルの総合電磁誘導面積を示す。
式1〜2を使用することによって、時変磁界によってコイル内に誘導される電位Vpが予測されうる。
(3) Vp=−d[(t,x,y,z)・A]/dt
磁界(t,x,y,z)は、RMNSの外部電磁石の反復作動によって生成される。種々の作動パターンが使用されうる。たとえば、単一コイルセンサの場合、少なくとも5つの異なる磁界が、好ましくは、5つの未知の場所パラメータ(3つの座標および方向ベクトル)を推定するために作動される。さらなる作動が使用されて、優決定推定問題(すなわち、データ点の数が未知数の数より多い)を解くことによって追跡精度を改善できる。
たとえば、米国特許出願第2011/0301497号に開示されるRMNSシステムでは、6つの異なる電磁石が、追跡のため6つの異なる磁界を生成するために連続的に作動されうる。この場合、(t,x,y,z)磁界は、これらの6つの磁界で示されうる。
(4) (t,x,y,z)=B1(t,x,y,z)+B2(t,x,y,z)+B3(t,x,y,z)+B4(t,x,y,z)+B5(t,x,y,z)+B6(t,x,y,z)
ここで、B1、B2、…、B6は、全ての他の電磁石が作動されないときに、各電磁石の作動によって生成される磁界である。
代替のアプローチは、3対で電磁石を作動させることであり、対は2つの平行電磁石を有する。これは、高レベルの振幅の空間的変化を有する磁界(勾配磁界)または低レベルの振幅の空間的変化を有する磁界(均一磁界、通常、ヘルムホルツ磁界と呼ばれる)の発生を可能にする。これらの特定の磁界は、RMNSによって使用されるため関心があり、勾配磁界は、物体を並進させるために使用され、一方、均一磁界は、物体を回転させるために使用される。この場合、(t,x,y,z)磁界は、
(5) (t,x,y,z)=G1(t,x,y,z)+G2(t,x,y,z)+G3(t,x,y,z)+H1(t,x,y,z)+H2(t,x,y,z)+H3(t,x,y,z)
によって示されうる。
ここで、G1、G2、およびG3は、電磁石対{421,424}{422,425}{423,426}によって生成される勾配磁界であり(図4に見られる)、H1、H2、H3は、同じ対によって生成される均一磁界である。
図4Aは、追跡およびナビゲーションシステム400内の電磁石対の考えられる構成を概略的に示す図である。
患者410は、3つの対向する対{421,424};{422,425};および{423,426}で配列される電磁石412〜426によって囲まれるボア412内にその身体があるようにストレッチャ411上に位置決めされる。
任意選択で、コイル430aおよび430b(前部コイル430aだけがこの図で見ることができる)の対が、その軸が、患者410が位置決めされるボア432に平行な状態で、前記ボアの対向する側に位置決めされて、患者の長さに沿う方向に磁界を提供する。
同様の構成が図4Bに見ることができる。
図4B(i)は、追跡およびナビゲーションシステム450内の6つの電磁石の対の考えられる構成の正面図を概略的に示す。
図4B(ii)は、図4B(i)に見られる追跡およびナビゲーションシステム450内の6つの電磁石の対の構成の側面図を概略的に示す。
図4B(i)および図4B(ii)の6つのコイル構成は、
○前部コイル430aおよび後部コイル430bを備えるコイルの長手方向対と、
○上部コイル434aおよび下部コイル434bを備えるコイルの垂直対と、
○右コイル436aおよび左コイル436bを備えるコイルの水平対と
を備える。
マグネティズムの専門家が、本発明の一般的な範囲内で他の電磁石構成を設計することができることが明らかである。
場所および配向の反復推定
場所および配向の反復推定は、測定された誘導電位と、時変磁界の動作によって誘導されることが予測される電位との差の最小化に基づく。センサコイル142内の誘導電位を予測するために、センサ14の場所および配向が与えられるべきである。そのため、推定プロセスが開始すると、センサの場所および配向の初期推測は、3つの位置変数(たとえば、RMNSのデカルト座標系内のセンサ座標x、y、zおよびセンサ方向を示す単位ベクトル によって与えられる。RMNSの座標系内でコイルの場所および配向が決定されると、コイル上の予測電位は、式3によって計算され、測定電位と比較されうる(単一コイルセンサのこの提示では、コイルを中心としてセンサ座標が規定される)。
Vp(t)=−d[(t,x,y,z))・ A]/dt
コイルに誘導される実際の電位を、信号調節システムによって増幅することができるため、適切な較正が測定信号に適用されて、測定電位Vmのレベルをもたらす。
電磁石の作動中におけるセンサコイル142上の測定電位と予測電位との差(たとえば、制限はしないが、測定値と予測値との差の2乗の和)は、反復解法の最小化アルゴリズムのためのコスト関数(CF)を計算するために使用される。
(7) CF=Σ(Vm−Vp
ここで、サブインデックスiは、特定の磁界iがRMNSの電磁石によって生成され、測定値Vmが収集される時間領域を示す。
センサの場所および配向についての新しい値は、コスト関数を最小化する場所および配向を探索する標準的な最小化プロシージャ(たとえば、限定はしないが、レーベンバーグ−マルカート(Levenberg-marquardt)探索アルゴリズム)を使用することによって計算することができる。
先の説明では、コスト関数は、少なくとも5つの異なる測定値(少なくとも5つの磁界の作動中に1つのセンサコイル)に基づいており、5つの未知の場所および配向パラメータを推定するために使用されうる。未知数の数と比較して測定値の数が少ないことは、測定値の雑音のせいで不正確な追跡をもたらす場合がある。性能を改善するために、既知の相対的配向および第1のコイルから既知の距離で位置決めされる第2のコイル(たとえば、図3Bに見られる、センサ内の2つの平行コイル142、144)を使用することによって、さらなる測定値が採取されうる。
マルチコイルセンサ構成
図3Bは、2つのセンサコイル142および144を有するセンサ14’を概略的に示す。
コイル142および144は、互いに対して既知の固定の相対的距離にあり、各コイルの信号は、たとえば、コイル142および144を、2つの別個のケーブル342および344によってそれぞれ電子インタフェースユニット18に接続することによって、別々に測定することができる。コイル142および144は同一である必要はなく、それらの配向は、互いに平行でない場合があることが留意されるべきである。
第2のコイルの相対的位置が、第1のコイルに対してわかっているため、未知数の数は同じ(5つの)ままであり、一方、測定値の数は、10まで増加する。測定値のこの冗長性は、一般に、推定の精度を増加させる。
図3Cは、2つのセンサコイル142および144を有する柔軟カテーテル316を概略的に示す。
コイル142および144は、互いから既知の固定距離にあり、各コイルの信号は、たとえば、コイル142および144を、2つの別個のケーブル342および344によってそれぞれ電子インタフェースユニット18に接続することによって、別々に測定することができる。
代替の構成は、2つのコイル間で拘束された動きを可能にする。たとえば、2つのコイル142、144は、カテーテルに沿う2つのコイル間の距離が固定でかつ既知であるが、第1のコイルに対する第2のコイルの配向が、カテーテルの屈曲によって変化するように、カテーテル316の柔軟部分上に設置される。この場合、第2のコイルの配向は、追跡アルゴリズムによって決定されるさらなる変数と考えることができ、したがって、2つの配向パラメータが未知数のリストに追加され(全部で7つの未知数)、一方、第2のコイルの位置は、第1のコイルの位置、2つのコイルの配向、およびカテーテルの屈曲パターンを示す幾何学的モデルから計算されうる。
図3Aの単一コイル構成と比較すると、未知数の数は7であり、一方、測定値の数は10まで増加する。測定値のこの冗長性は、一般に、推定の精度を増加させる。
図3Dは、4つのセンサコイル142、144、146、および148を有する柔軟カテーテル399を概略的に示す。
コイル142、144、146、および148は、互いから既知の固定距離にあり、各コイルの信号は、たとえば、コイル142、144、146、および148を、別個のケーブル342、344、346、および348によってそれぞれ電子インタフェースユニット18に接続することによって、別々に測定することができる。
コイルの数が4より小さくてもよく大きくてもよいこと、コイルが同一である必要がないこと、カテーテル399の長手方向軸に対するまた互いに対するコイルの配向が異なる場合があることが留意されるべきである。
運転中に物体の形状に関する情報を提供するために、追加的なコイル146、148を、図3Dに示すように物体に沿って追加することができる。これは、心臓カテーテルアブレーションにおいて特に有用であり、アブレーションの形状が、必要とされる治療効果を達成するために制御される。互いに対して既知のある空間的関係(制約)を有するセンサコイルを追加することは、追加的な自由度の増加を超えて測定値の数を増加させることも留意されるべきである。具体的には、硬質物体の場合、未知数の数は同じままである。半硬質または半柔軟カテーテルの場合、自由度の数は、追加的コイルのそれぞれについてたった2または3(カテーテル偏向による未知の配向によって規定されるが、位置、場合によって回転はカテーテルの機械的構造によって拘束される)だけ増加する場合があり、一方、測定値の数は、5(または、5と異なる場合、測定で使用される異なる作動の数)だけ増加する。
図3Eは、単一の非平面かつ非対称センサコイル381を有するセンサ380を概略的に示す
コイルのこの特別形状は、単純な平面コイルの場合に可能でないコイルの軸の周りの回転の追跡を可能にする。非平面センサコイル381が任意の3D形状を有することができ、示す形状が単に例証のためのものであることが留意されるべきである。
図3Fは、2つの非平面センサコイル381および382を有するセンサ370を概略的に示す。
コイル381および382は、互いに対して既知の固定の相対的位置にあり、各コイルの信号は、たとえば、コイル381および382を、2つの別個のケーブル383および384によってそれぞれ電子インタフェースユニット18に接続することによって、別々に測定することができる。コイル381および382は同一である必要はなく、それらの配向は、互いに直角でない場合があることが留意されるべきである。
図3Gは、3対{361,362};{363,364};および{365,366}で配列された6つのセンサコイル361〜366を有するセンサ360の分解3D図を概略的に示し、各対内のコイルは、同じ軸に沿って実質的に配向されかつ前記軸に沿って互いから変位し、対は、その軸が互いに実質的に直交するように配向する。
センサ360は、互いに対して既知の固定の相対的位置でコイル361〜366を支持する本体367を備える。好ましくは、各コイルの信号は、たとえば、各コイルを、2つの別個のリード(図面の明確さのために、コイル366のリード368aおよび368bだけがこの図にマーク付けされる)によって電子インタフェースユニット18に接続することによって、別々に測定することができる。コイルが同一である必要がないこと、一部のコイルが抜ける場合があること、および、コイルが直列または並列に接続されて、電子インタフェースユニットへのリードの数を低減することができることが留意されるべきである。
6つ全ての場所および配向パラメータが必要とされる場合、単一の非平面コイルを有するセンサ(図3Eに見られる)を使用することができる。
代替的に、6つ全ての場所および配向パラメータが必要とされる場合、異なる配向の少なくとも2つのコイル(371および372)(図3Fに見られる)を使用することができる。
単一の非平面コイルの場合、6つの位置の未知数の推定を可能にするために、少なくとも6つの異なる磁界の作動が必要とされる。2つのコイルを有するセンサが使用されるとき、少なくとも3つの異なる磁界の作動が必要とされるが、よりより追跡性能が、より多くの作動またはより多くのコイルによって達成されうる(たとえば、図3Gに見られる)。
反復プロセスが、センサの正しい場所および配向を達成すると、測定電位と予測電位との差が小さくなり、コスト関数がその最小レベルに達することになる(コスト関数は、種々の不正確さ、たとえば、測定信号の雑音、磁界マップの不正確さ、信号調節システムの較正の不正確さ、制限された数値計算精度などによってゼロレベルに達しない場合がある)。反復プロセスは、コスト関数が十分に小さな値を達成すると、コスト関数の減少のレベルが著しく小さくなると、または、プリセットされた数の反復後に停止し、座標の最終セットが、追跡センサの更新された場所として、追跡システムからRMNSシステムへ転送される。
改善された電磁石作動
図2Aおよび図2Bで述べたように、好ましい作動波形の1つは、211〜213、241などの三角形電流信号である。具体的には、線形変化の電流271aが好ましい場合がある。したがって、本発明は、特別波形の入力電圧信号を大きな磁界生成コイルに印加することによって、コイルベース磁界発生器の内部に線形時変磁界を生成するオプションの方法をさらに提供する。
図5は、電磁石作動回路要素の等価線図500を概略的に示し、Vin(t)502は、時変電圧源であり、インダクタンスL504は電磁石のコイル(または複数のコイル)の総合インダクタンスを示し、抵抗R506は、電力源の抵抗、電磁石コイルの抵抗、電力源とコイルとの間のケーブルの抵抗、および(たとえば、過渡現象および振動を抑制するための)回路に挿入された最適に意図される抵抗器の抵抗などの、ループ内の総合抵抗を示す。
図6Aは、時間の関数としての例示的な三角形電磁石作動電流i(t)602を示すグラフ600を概略的に示す、この例の最小電流は、時間t=0およびt=Tにおけるi0=0であり、時間a・Tにおいてその最大i1に達する。ここで「a」は、非対称因子0<a<1であり、それにより、対称波形は、a=0.5であるときである。電流波形は、任意選択で、点線で概略的に示すように繰り返すことができる。
以下の図では、時間−電流スケールおよび時間−電圧スケールは任意の単位である。
三角作動波形の利点は、センサコイルに誘導される信号の、結果として得られる平坦域262である。この平坦域は、たとえばナビゲーションシステムの外部磁石によって誘導される種々のアーチファクトおよび雑音を低減することができる。作動電流の三角波形が、ただ1つの好ましいオプションの波形であることが留意されるべきである。
図5に見られるようなRL回路では、磁界生成回路504内の電流は、電圧源502の電圧に直接追従しない。制御式電流源は、制御式電圧源と比べて複雑かつ高価であることが多く、電流フィードバックループを必要とする場合がある。対照的に、制御式電圧源は、容易に商業的に入手可能であり、単純なまたは複雑な所望の出力電圧波形を生成するようプログラムされることができる。単純なまたは複雑な電圧波形を生成することが可能なプログラマブル電圧源が入手可能である。
したがって、本発明は、特別波形の入力電圧信号を大きなコイルに印加することによって、コイルベース磁界発生器の内部に線形時変磁界を生成するオプションの方法をさらに提供する。電圧信号は、以下のパラメータ、すなわち、
○それぞれコイルi0およびi1における電流ピーク(またはむしろ、電流信号がその間で線形に変化する最小電流および最大電流)、
○これらのピーク間の時間間隔T、
○非対称因子a、
○磁界生成コイルの抵抗R、および、
○磁界生成コイルのインダクタンスL
から計算される。
図6Bは、電磁石504内で電流i(t)602を励起するのに必要とされる、時間の関数としての例示的な三角形電磁石作動電圧Vin(t)702を示すグラフを概略的に示す。電圧波形は、任意選択で、点線で概略的に示すように繰り返すことができる。
例示的な実施形態によれば、電流波形602を生成するために必要とされる電圧波形702は、以下の関数であって、
○時間t=0の電圧V0で始まり、時間t=a・TのV1まで線形に増加させ、
○時間t=a・Tの電圧をV2まで急速に減少させ、
○時間t=a・TのV2から時間t=Tの電圧をV3まで線形に減少させる
関数によって与えられる。ここで、
V0=(i1・L)/(a・T)
V1=i1・R+(i1・L)/(a・T)
V2=i1・R−(i1・L)/((1−a)・T)
V3=−(i1・L)/((1−a)・T)
図7Aは、時間の関数としての例示的な非対称電磁石作動電流i(t)802を示すグラフ800を概略的に示す。
例示的な波形では、
○t=0において初期電流ia=−2であり、
○t=2において最大電流ib=3であり、
○t=3において最小電流ic=−4であり、
○t=3.5において最終電流id=0である。
図7Bは、電磁石504の電流i(t)802を励起するのに必要とされる、時間の関数としての対応する作動電圧Vin(t)902を示すグラフ900を概略的に示す。
例示的な実施形態によれば、L=0.5[H]、R=0.3[オーム]、電流波形802を励起するのに必要とされる、時間の関数としての対応する作動電圧Vin(t)902は、以下の関数であって、
○時間t=0の電圧Va=0.65で始まり、時間t=2のVb=2.15まで線形に増加させ、
○時間t=2の電圧をVc=−2.6まで急速に減少させ、
○時間t=2のVc=−2.6から時間t=3の電圧をVd=−4.7まで線形に減少させ、
○t=3の電圧をVe=2.8まで急速に増加させ、時間t=3の電圧をVe=2.8から時間t−3.5のVf=4まで線形に増加させる
関数によって与えられる。
これらのまた他の入力電圧波形は、以下の式から導出することができる。
供給電圧Vinは、
Vin=V(t)+V(t)
によって与えられる。
ここで、V(t)、コイル上の電圧は、V(t)=L・di/dtによって与えられ、V(t)=i(t)・Rである。ここで、di/dtは、電流i(t)の時間導関数である。
磁界生成コイル内で生成される磁界は、電流の比例し、
B(t)=i(t)・L/(N・A)によって与えられる。ここで、Nはコイルのターン数であり、Aはコイルの面積である。
電流波形の線形セクションのそれぞれにおいて、電流i(t)は、線形形式
i(t)=K0・t+K1で表すことができる。ここで、K0は傾斜(slop)であり、K1はt=0の電流の値である。
そのため、必要とされる電圧は、
Vin(t)=L・K0+R・(K0・t+K1)=(R・K0)・t+(R・K0+R・K1)
によって表すことができる。
ソース電圧Vin(t)もまた線形形式に従うことを見ることが明らかである。
そのため、一般的な方法で、電流i(t)=i0で時間t=0で始まり、電流i(t)=i1で時間t=t1で終わる電流波形i(t)の線形セクションの場合、i(t)は、
i(t)=K0・t+K1
として表すことができる。ここで、
K0=(i1−i0)/(t1−t0)、
K1=i0−K0・t0=i0−t0・(i1−i0)/(t1−t0)
である。
そしてそのため、電圧は、線形形式
Vin(t)=(R・K0)・t+(L・K0+R・K1)
={R・(i1−i0)/(t1−t0)}・t+L・(i1−i0)/(t1−t0)+R・[i0](t0<t<t1)
で表すことができる。
本発明は、その特定の実施形態に関して述べられたが、多くの代替、変更、および変形が当業者に明らかになることが明らかである。したがって、添付特許請求の範囲の趣旨および広い範囲内に入る全てのこうした代替、変更、および変形を包含することが意図される。本明細書で述べる全ての出版物、特許、および特許出願は、それぞれの個々の出版物、特許、または特許出願が、参照によって本明細書に組込まれることを具体的にかつ個々に指示される場合と同程度に、参照によってその全体が本明細書に組込まれる。さらに、本出願における任意の参照の引用または特定は、こうした参照が、本発明に対する従来技術として利用可能であることを容認するものとして解釈されないものとする。

Claims (33)

  1. 身体内の物体の位置を追跡するための方法であって、
    磁気センサを物体に取付けること、
    前記身体内の3次元空間内で前記物体を位置決めすること、
    追跡電磁石を使用して、前記3次元空間内で少なくとも5つの時変追跡磁界を生成することであって、前記少なくとも5つの時変追跡磁界は、
    3次元空間内の少なくとも2つの実質的に空間的に均一な磁界、および、
    3次元空間内の少なくとも3つの空間的に勾配のある磁界
    を含む、生成すること、
    前記生成された時変磁界のそれぞれについて、磁界マップを生成することであって、前記マップは、前記3次元空間内の場所に、対応する磁界ベクトルを図に記す、磁界マップを生成すること、
    前記少なくとも5つの時変追跡磁界に対する前記磁気センサの応答を測定すること、および、
    前記磁界マップおよび前記少なくとも5つの時変追跡磁界に対する前記磁気センサの前記測定された応答を使用して、前記3次元空間内の前記物体の3次元場所および少なくとも2次元配向を推定することを含む方法。
  2. 前記物体の前記場所および前記配向を前記推定することは、反復推定アルゴリズムを使用することを含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記場所および前記配向を前記推定することは、前記磁気センサの前記測定された応答と前記磁界マップを使用して計算される予測される応答との差を最小にすることを含む請求項2に記載の方法。
  4. 前記磁気センサは少なくとも1つの磁気検出器を備える請求項1に記載の方法。
  5. 前記磁気センサは、空間的に互いに変位した少なくとも2つの磁気検出器を備える請求項4に記載の方法。
  6. 前記磁気センサは、互いに対して異なる配向を有する少なくとも2つの磁気検出器を備える請求項4に記載の方法。
  7. 前記物体の前記場所および前記配向を前記推定することは、前記少なくとも2つの磁気検出器のそれぞれの場所を推定することを含む請求項5に記載の方法。
  8. 前記物体は非硬質であり、それにより、前記少なくとも2つの磁気検出器は、前記物体が前記物体の形状を変化させるときに、
    前記2つの磁気検出器の相対的配向、および、
    前記2つの磁気検出器の相対的位置
    の少なくとも一方を変更する請求項5〜7に記載の方法。
  9. 前記非硬質物体の前記場所および前記配向を前記推定することは、前記非硬質物体の形状の変化を規定する少なくとも1つのパラメータを推定することをさらに含む請求項8に記載の方法。
  10. 前記非硬質物体は柔軟カテーテルであり、
    前記少なくとも2つの磁気検出器は、前記カテーテルに沿って既知の距離に配置され、
    前記非硬質物体の形状の変化を規定する前記少なくとも1つのパラメータは、前記カテーテルの屈曲性を含む請求項9に記載の方法。
  11. 前記磁気検出器の少なくとも一方はホール効果プローブである請求項1〜10に記載の方法。
  12. 前記磁気検出器の少なくとも一方はコイルである請求項1〜10に記載の方法。
  13. 前記磁気検出器の応答を測定することは、前記時変磁界に応答して少なくとも1つのコイルに誘導される電圧を測定することを含む請求項12に記載の方法。
  14. ナビゲーション電磁石によってナビゲーション磁界を生成すること、および、
    前記ナビゲーション磁界によって誘導される力を前記物体に加えることによって前記3次元空間内で前記物体をナビゲートすることをさらに含む請求項1に記載の方法。
  15. 前記ナビゲーション磁界の少なくとも1つおよび前記追跡磁界の少なくとも1つは、同じ電磁石によって生成される請求項14に記載の方法。
  16. 前記ナビゲーション磁界および前記追跡磁界は、電磁石の同じセットによって生成される請求項15に記載の方法。
  17. 前記電磁石は、ヘルムホルツコイルの少なくとも1つの対を備える請求項1または15に記載の方法。
  18. 前記電磁石は、強磁性コアを有する電磁石の少なくとも1つの対を備える請求項1または15に記載の方法。
  19. 前記電磁石は、前記身体の外部に、対向する電磁石の少なくとも3つの対を備え、対向する電磁石の前記3つの対のそれぞれは、前記3次元空間内で磁界のセットを生成するように構成され、前記セットのそれぞれは、均一な磁界および勾配磁界を生成することが可能である請求項1または15に記載の方法。
  20. 前記均一磁界は、対向する電磁石の対を、前記対の各電磁石について電流が同じ方向に流れるように作動させることによって生成される請求項19に記載の方法。
  21. 前記勾配磁界は、対向する電磁石の対を、前記対の各電磁石について電流が反対方向に流れるように作動させることによって生成される請求項19に記載の方法。
  22. 対向する電磁石の前記対の少なくとも1つの対の電磁石を、異なる電流によって作動させることをさらに含む請求項19に記載の方法。
  23. 電磁石の前記少なくとも3つの対は、他の対のそれぞれの対に対して実質的に直交して位置決めされる請求項19に記載の方法。
  24. 前記反復最適化プロセスは、リアルタイムに実施されて、前記物体の瞬時の場所および配向を決定する請求項2に記載の方法。
  25. 前記時変追跡磁界を前記生成することは、前記時変追跡磁界を順次生成することを含む請求項1に記載の方法。
  26. 前記順次生成される前記時変磁界の少なくとも1つは、前記磁界が時間と共に線形に変化する少なくとも1つの継続期間からなり、
    前記磁気検出器の少なくとも1つは、コイルであり、それにより、前記時変磁界に対する前記磁気検出器の応答は、前記磁界が時間と共に線形に変化する前記継続期間中に実質的に一定である請求項25に記載の方法。
  27. 前記物体は、身腔内の非繋索式物体である請求項26に記載の方法。
  28. 前記物体は、摂取可能ピル(ingestible pill)である請求項17に記載の方法。
  29. 前記磁界が時間と共に線形に変化する前記継続期間は、前記物体をナビゲートするために使用される実質的に一定の磁界とオーバラップする請求項26に記載の方法。
  30. 前記時変磁界は、前記磁界が時間と共に線形に変化する複数の継続期間を含む請求項26に記載の方法。
  31. 前記時変磁界は三角波形を含む請求項30に記載の方法。
  32. 前記時間と共に線形に変化する磁界は、前記磁界が時間と共に線形に変化する前記継続期間中に、時間的に線形に変化する電圧を前記磁気検出器のコイル内で生成する制御式電圧源によって生成される、時間的に線形に変化する電流によって少なくとも1つの電磁石を作動させることによって生成される請求項26に記載の方法。
  33. 前記制御式電圧源は、t0<t<t1について、Vin(t)={R・(i1−i0)/(t1−t0)}・t+L・(i1−i0)/(t1−t0)+R・[i0]の電圧波形を生成するように構成され、
    ここで、
    Vin(t)は電圧時変波形であり、
    tは時変性があり、
    t0およびt1は、前記磁界が時間と共に線形に変化する前記継続期間のそれぞれの開始および終了であり、
    Rは、前記電磁石回路ループの総合抵抗であり、
    Lは、前記電磁石回路ループの総合インダクタンスであり、
    i0は時間t0における電流であり、
    i1は時間t1における電流である
    請求項32に記載の方法。
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