JP2014502540A

JP2014502540A - 二重目的の接着包帯

Info

Publication number: JP2014502540A
Application number: JP2013546382A
Authority: JP
Inventors: ロペス，ヘクターエム．アイバー，; ウェインケー．ダンシー，
Original assignee: 3M Innovative Properties Co
Current assignee: 3M Innovative Properties Co
Priority date: 2010-12-22
Filing date: 2011-12-21
Publication date: 2014-02-03
Anticipated expiration: 2031-12-21
Also published as: BR112013015886A2; KR20130132928A; WO2012088310A1; CN103260561B; US20130267925A1; EP2654639A4; CN103260561A; JP5916754B2; EP2654639A1; TW201236703A

Abstract

二重目的の接着包帯が、基材、その基材上に配置された感圧性接着剤、及びその基材に接着された吸収性パッドを備える。吸収性パッドは、熱パックを解放可能に受容するための、少なくとも１つの開放端部を有する袋を形成するように構成されている。熱管理キットは、二重目的の包帯及び熱パックを備える。
【選択図】図１

Description

発明の詳細な説明

［分野］
本発明は、熱パックを保持することもできる医療用接着包帯に関するものであり、またその医療用接着包帯及び熱パックを収容したキットに関するものである。

［背景］
感圧性の医療用テープ及び包帯が広く利用されている。医療用接着包帯は、切り傷、擦り傷、及び他の皮膚の状態又は創傷を被覆するために使用される。医療用接着包帯は通常、基材、吸収性パッド、及び包帯を定位置に保つための感圧性接着剤を備える。

温湿布又は冷湿布として使用され得る材料を備えた治療装置もまた、広範に利用されている。そのような装置は、一般には温パック又は冷パックと呼ばれるものであり、通常は、所望によって温式又は冷式のいずれの用途にも使用され得る熱ゲルなどの材料（つまり、その材料はそれぞれ熱源としても熱シンクとしても働く）を内部に有する密閉エンベロープを備える。

温パック及び冷パックは通常、治療を受ける患者によって定位置に保持される。これは患者にとって不便となることがある。したがって、皮膚に接着する温パック及び冷パックが設計されてきた。例えば、米国特許第３，８７１，３７６号（コザック（Kozak））には、吸収性の包帯材と柔軟な冷却装置との組み合わせである接着包帯が記載されており、米国特許第５，８８７，４３７号（マキシム（Maxim））には、自己粘着性冷パックが記載されており、また、国際公開第０３／０５９２１９号には、ガーゼパッドと包帯の外層との間に接着された冷パックを有する接着包帯が記載されている。これらの例の各々において、熱パックは包帯から取り外すことができないものである。

［概要］
上記を鑑みて、本発明者らは、容易に脱着可能である熱治療装置（例えば、温パック又は冷パック）を備えた接着包帯を得ることが有利となると認識している。

簡潔に言えば、一態様において、本開示は二重目的の接着包帯を提供する。その包帯は、基材、その基材上に配置された感圧性接着剤、及びその感圧性接着剤によってその基材に接着された吸収性パッドを備える。吸収性パッドは、熱パックを解放可能に受容するための、少なくとも１つの開放端部を有する袋を形成するように構成されている。

別の態様において、本開示は、本発明の接着包帯、及び封止された柔軟なエンベロープとそのエンベロープに入れられた熱剤とを備える熱パックを備える熱管理キットを提供する。

本開示の接着包帯は、熱パックを定位置に保持するために使用され得る。熱パックは、包帯から容易に取り外され得る。これにより、ユーザーは、包帯を自身の皮膚から取り外すことなく、包帯の中に別の熱パックを配置することが可能となる。例えば、ユーザーは、冷パックが過度に暖かくなり、治療上、効果的でなくなった後、（包帯を取り外すことなく）包帯から第１の冷パックを取り外し、それを第２の冷パックと交換することができる。第１の冷パックは、再び冷凍庫に置かれ、次いで、後に再度、使用されてもよい。

本開示の接着包帯は熱パックを保持するように構成されるが、依然として、通常の医療用接着包帯として使用され得る。従来の医療用接着包帯と同様に、本開示の包帯は、依然として創傷に対して非粘着性の表面を設ける一方で、吸収性を有するものである。接着包帯はしたがって、二重目的を果たす。それらは、通常の接着包帯として使用されてもよく、あるいは熱パックを定位置に保持するために使用されてもよい。加えて、本開示の接着包帯によってユーザーは有利にも、熱パックと開放創との間に別の吸収層を配置することなく、創傷を熱的に治療することが可能となる。

これらの接着包帯は、最小限の変更を伴って、従来の接着包帯を作製する既存の製造ライン上で組立て、変換、及び包装され得る。

本明細書で用いられるとき、「接着包帯」又は「包帯」は、医療用接着包帯を指すことが理解されよう。

本開示の実施形態による接着包帯。取外し式のライニングを更に備えた接着包帯。本発明の熱管理キット。使用中の本発明の熱管理キット。

［詳細な説明］
本開示の包帯１０（図１及び２を参照）の一実施形態は、基材２０、その基材の表面上にある感圧性接着剤、及び吸収性パッド３０を有する。

（基材）
多種多様な材料が、基材２０を形成するために使用され得る。基材２０は、引き裂き可能であっても引き裂き不能であってもよく、弾性的であっても非弾性的であってもよく、伸縮性であっても非伸縮性であってもよく、多孔質であっても非多孔質であってもよい。基材は、単層又は多層フィルム、不織布フィルム、多孔質フィルム、泡状フィルム、及びそれらの組み合わせの形態をなしてよい。基材はまた、例えば、充填フィルム（例えば、炭酸カルシウム充填ポリオレフィン）などの充填材料から調製されてもよい。

フィルム基材は、例えば、押出し、共押出し、溶液流延、発泡成形、不織布技術など、フィルム形成の任意の既知の方法によって作製され得る。基材２０は、加工可能となるように十分な団結性を有する限り、多種多様な厚さを有してよい。

天然若しくは合成繊維又はそれらの混合物から作られたウェブが使用され得る。織布又は不織布材料が用いられ得る。メルトブローン又はスパンボンド技術が不織布ウェブの作製に用いられ得る。

基材２０が積層体を備える実施形態において、１枚以上の付加的な層が存在してもよく、その層は通気性の液体不透過性フィルムであってもよい。通常、このフィルムは最外（すなわち最上）層である。フィルム材料の例には、ポリウレタン、ポリオレフィン、メタロセンポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルエステル、及び、クラトン・ポリマー（Kraton Polymers）から入手可能なＫＲＡＴＯＮ共重合体などのＡ−Ｂ−Ａブロック共重合体が挙げられる。いくつかの実施形態において、最外層は、外部環境から生じ得るような液体に対して実質的に不透過性であり、それでいて接着包帯が通気性となるように水蒸気を通過させるフィルムである。

基材２０は任意選択により繊維を含んでもよく、その繊維は吸収性であっても非吸収性であってもよいが、通常は非吸水性である。基材に有用な繊維構造には、多層構成、被覆構成、及び均質固体構成を挙げることができる。好適な多層繊維は好ましくは、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、及びポリウレタンから選択される１種類以上のポリマーから構成されたコアと外層とを有する。好適な被覆繊維は好ましくは、これらのポリマーから作られたコアを、そのコアに共有結合されるか、埋め込まれるか、あるいは接着された被覆と共に有する。均質な繊維は好ましくは、上に列挙したポリマーのいずれかから作られる。そのような繊維は、既知のウィービング、ニッティング、又は不織布技術を用いて基材へと形成され得る。繊維を含んだ好適な基材が、例えば、米国特許第５，６１３，９４２号（ルカスト（Lucast）ら）及び同第６，０８３，８５６号（ジョセフ（Joseph）ら）、並びに国際公開第９９／４０９５２号に開示されている。

基材はまた任意選択により、米国特許出願公開第２００７／００１０７７７号（ダンシー（Dunshee）ら）に開示されているような補強スクリムを含み得る。

（感圧性接着剤）
本開示の接着包帯において有用である好適な感圧性接着剤は、皮膚への貼り付けに有用であることが知られている。好適な類の接着剤が、例えば米国特許第６，４４１，０９２号（ガイゼルマン（Gieselman））において開示されている。１つの例が、８５重量パーセントの２−エチルヘキシルアクリレート／アクリル酸／ＡＢＰ（９６．５／３．５／０．０５の重量比）と１５重量パーセントのＡｖａｌｕｒｅＡＣ２１０アクリレート共重合体との混合物である。約５重量パーセント〜約２０重量パーセントのそのような親水性材料を含有する接着剤は、接着剤層を過度に軟化させて不所望な量の残留物を生じることなく、所望の透湿性の良好なバランスをもたらす。

有用な接着剤の他の例示的な例には、米国特許第４，１１２，１７７号（サルディット（Salditt）ら）、特に実施例１に記載されている粘着性アクリレート「皮膚層接着剤」、同第５，６４８，１６６号（ダンシー（Dunshee））、米国再発行特許２４，９０６号（ウルリッヒ（Ulrich））、米国特許第４，７３７，４１０号（カントナー（Kantner））（実施例３１を参照）、同第３，３８９，８２７号（アベレ（Abere）ら）、同第４，１１２，２１３号（ウォルドマン（Waldman））、同第４，３１０，５０９号（ベルグランド（Berglund）ら）、同第４，３２３，５５７号（ロッソ（Rosso））、同第６，０８３，８５６号（ジョセフ（Joseph）ら）、及び同第６，４９７，９４９号（ハイデ（Hyde）ら）、並びに米国特許出願公開第２００２／０１６５４７７号（ダンシー）及び同第２００２／０１９３７２４号（ステビングス（Stebbings）ら）に記載されているものが挙げられる。

感圧性接着剤は好ましくは、水蒸気を透過させて患者の快適性を向上させる。透湿性は適切な接着剤を選択することによって達成され得るが、基材に接着剤を模様塗りすることなど、高度な相対比率の透湿性を達成する他の方法が用いられ得ることも企図される。

好ましい実施形態において、接着剤の選択は、ヒトに皮膚に対して安全に使用されるもの、好ましくは、「低アレルギー性」接着剤として知られる類のものに限定される。アクリレート共重合体は、この類の接着剤である。

接着剤層の厚さは、一般には、医療用接着包帯に通常用いられるものとおよそ同じであり、利用される基材及び感圧性接着剤に応じて異なる。接着剤層の厚さは、例えば、薄い基材が用いられるときには約１２マイクロメートル程度に薄くてもよく、厚い基材が用いられるときには１００マイクロメートル程度に厚くてもよい。必要となる表面積は、感圧性接着剤の強度に依存する。

接着剤層は、当該技術分野で既知の方法を用いて基材に設けられ得る。

（吸収性パッド）
本開示の接着包帯は、吸収性パッド３０を備える。パッド３０は、熱パック５０を解放可能に受容するための、少なくとも１つの開放端部を有する袋又はポケット３２を形成するように構成されている（図３及び４を参照）。パッド３０が熱パックをしっかりと保持する限り、任意の有用な構成が用いられ得る。好ましくは、パッド３０は、熱パックが滑り込まされ得るチューブ（すなわち、２つの開放端部が存在する）を形成するように折られる。例えば、パッド３０は「ｃ字折り」の形態をなしてもよい。

通常、パッド３０は、パッド３０の全体的な形状（すなわち、パッド３０の周囲）が概ね長方形の形状をなし、基材の全体的な寸法よりも小さくなるように設けられる。パッド３０は通常、基材２０の内側の主表面上の中心に置かれる。パッド３０は、基材２０の片側又は両側に達し得る。好ましくは、基材２０の両側に達する。パッド３０は、概ね長方形であり、基材２０上の中心に置かれるが、任意の好適な形状を取ることができ、かつ／又は、所望により基材２０上の中心から外れて設置され得ることが理解されよう。パッド３０は、接着剤層によって、あるいは当該技術分野で既知の他の方法によって基材に結合され得る。

パッド３０は、熱パックの挿入のためにトンネル又はポケットを広げるのに十分な剛性及び十分な湿潤強度を有する任意の吸収性材料から作られてよい。好ましくは、パッド３０は、過度な断熱をもたらさないように、十分に薄いものである。いくつかの実施形態において、パッド３０は、約１オンス／平方ヤード（３３．９ｇ／ｍ^２）〜約１．５オンス／平方ヤード（５０．９２ｇ／ｍ^２）の最小織物重量を有するものであり、織物を２重にするように折り重ねられる。

好適なパッド材料の例には、ネット及び不織布に積層された綿のガーゼが挙げられる。多くの不織布材料は、本開示の接着包帯において使用するのに十分な剛性を有している。しかしながら、一部の不織布（例えば、４５ｇ／ｍ^２のタオル用紙）及び綿のガーゼなどの他の材料は、例えばネットで補剛される必要がある。非吸収性であり、湿潤しても強度を維持する任意のネットが利用され得る。いくつかの有用なネット用織物は、例えば、高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）などの熱可塑性樹脂から作られている。好適なネット用織物が、デルスターテクノロジー社（DelStar Technologies, Inc.）からＤｅｌｎｅｔ（登録商標）の商標名で入手可能である。有用な積層パッドがまた、デルスター社（DelStar）からＳｔｒａｔｅｘ（商標）の商標名で入手可能である。

（取外し式ライニング）
図２に示すように、本開示の接着包帯には、取外し式ライニング４０を設けることができ、取外し式ライニング４０は、包帯の内側（すなわち、皮膚に貼り付けられる面）の感圧性接着剤に接合されている。取外し式ライナー４０としての使用に好適な材料には、限定するものではないが、クラフト紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、又はこれらの材料のうちのいずれかの複合体が挙げられる。ライニングは、フルオロケミカル又はシリコーンなどの剥離剤で被膜され得る。例えば、米国特許第４，４７２，４８０号には、低表面エネルギーのペルフルオロ化合物ライナーについて記載されている。ライニングは、シリコーン剥離材料で被膜された紙、ポリオレフィンフィルム、又はポリエステルフィルムであってよい。剥離紙で被膜された市販のシリコーンの例が、ＰＯＬＹＳＬＩＫ（商標）シリコーン剥離紙及びロパレックス社（Loparex Inc.）（イリノイ州ウィローブルック（Willowbrook））から供給される他のシリコーン剥離紙である。

（寸法／構成／包装）
本開示の接着包帯は、任意の所望の構成及び寸法で作製され得る。通常、この包帯は、例えば、米国特許第Ｄ４９５，４１９号（ダンシー（Dunshee））及び同第Ｄ５７８，６５１号（ダンシー）に開示されているように概ね長方形又は菱形をなすが、他の形状が用いられてもよい。また、様々な寸法が用いられ得る。いくつかの状況において、既存の製造ラインが利用され得るように、通常の接着包帯の寸法及び構成にて本開示の接着包帯を作製することが有用となり得る。例えば、いくつかの実施形態において、本開示の長方形の接着包帯は、１９ｍｍ×７５ｍｍ又は２５ｍｍ×７５ｍｍの寸法を有してもよく、菱形の包帯は２２ｍｍ×５７ｍｍ又は２８ｍｍ×７６ｍｍの寸法を有してもよい。他の状況において、体のより広範囲を治療するために、比較的大きな熱パックを保持するように、より長い又はより大きな包帯を作製することが望ましくなり得る。そのような包帯は、例えば、通常の肘／膝用接着包帯の寸法（例えば５７ｍｍ×１０２ｍｍ）であってもよい。

本開示の接着包帯は、多数の所望の構成で包装され得る。好ましくは、それらは無菌パッケージに包装される。加えて、包帯の内側（すなわち、皮膚に貼り付けられる面）は、好ましくは、取外し式ライナー４０で被覆される。

（熱パック）
本開示の接着包帯での使用に有用な熱パック５０（図３及び４を参照）は、封止された柔軟なエンベロープと、そのエンベロープに入れられた熱剤とを備える。このエンベロープは、液体不透過性（liquid imperious）であり、かつ使用温度範囲にわたって依然として柔軟で不変である強靱な材料であるべきであり、その使用温度範囲は、例えば、冷パックとして使用されるときの凍結器の範囲の温度から、温パックとして使用されるときの高温にまで及ぶものである。このエンベロープは、好ましくは耐穿刺性であり、所望により実質的に透明であっても不透明であってもよい。現在知られている熱パックに使用されている、多くの好適なエンベロープ材料がこの熱パックに使用され得る。エンベロープは、例えば、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、セルロースエステル、セルロースエーテル、ナイロン、ポリビニルアルコールアセタール、塩化ビニル酢酸ビニル、ポリスチロール（polystyral）、メチルメタクリレートなどから調製され得る。ある好ましいエンベロープ材料が、米国特許第４，７５６，３１１号（フランシス（Francis））にて開示されているポリエチレン／ナイロン又はナイロンスクレア（sclair）積層体など、電子オーブンで加熱可能な積層材料から構成される。１つの好適なエンベロープ材料は、食品包装用に一般に入手可能である、０．０６３５ｍｍのポリエチレンに積層された０．０２５４ｍｍの二軸延伸ナイロンである。最も好ましくは、エンベロープは、ミネソタ州セントポール（St. Paul）のスリーエム社（3M Company）から商業的に入手可能である０．０２５４ｍｍポリエステル／０．０６３５ｍｍポリエチレンの積層体であるスコッチパック（Scotchpak）（商標）フィルムなど、直鎖低密度ポリエチレン／ポリエステル積層体から構成される。スコッチパック（Scotchpak）（商標）フィルムのシート２枚が、機械的に強いヒートシールによって互いに周囲を封止され得る。

エンベロープは、成形マンドレルの周りに形成及び封止されることができ、熱剤は、エンベロープが形成されるときにエンベロープの中に圧送され得る。充填されたエンベロープの上部シールは、例えば、次のエンベロープ用の下部シールが作られるのと同時に作られ得る。

熱剤は、水であっても、各種の熱源／シンク材料であってもよい。材料は、損傷部位に順応して効果的な治療処置をもたらし得るように、有効温度範囲全体にわたって望ましい程度の順応性を呈することが、所望の性能基準に含まれる。それと同時に、熱剤は、熱パックが容易に接着包帯の中に滑り込まされ得るように、十分に硬質であるかあるいは十分に剛性であるべきである。また、熱剤は、エンベロープが引き裂かれたり穿刺されたりした場合にも熱剤が容易にエンベロープから溢出しないように、十分に粘性であることが望ましい。このことは特に、開放創を処置するときに重要となる。例えば、絞り出されない限りは、エンベロープの１／８インチ（０．３２ｃｍ）の裂け目又は穴から流れ出さないように、熱剤が十分に粘性であることが望ましい。通常、熱剤は約３０，０００ｃＰ〜約１００，０００ｃＰの粘度を有する。

熱ゲル及びペーストがしばしば温及び冷パックに利用され、熱パック５０における使用に好適となり得る。水、塩、セルロース及び小麦粉を含んだ好適なペーストが、例えば米国特許第４，８６５，０１２号（ケリー（Kelley））に記載されている。既知の熱ゲルには、グリセリンを含有するゲル（例えば、米国特許第３，７８０，５３７号（スペンサー（Spencer））及び米国特許出願公開第２０１０／０２７４３３３号（ダンシー（Dunshee）ら））、プロピレングリコールを含有するゲル（例えば、米国特許第５，８４３，１４５号（ブリンク（Brink）を参照））、架橋ポリアクリルアミド及びポリアクリル酸ナトリウムなどの架橋された吸水性ポリマーを含有するゲル（米国特許第５，６９７，９６１号（キアミル（Kiamil）を参照））、並びに、ポリ（エチレンオキシド）、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アニオン性ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、無水マレイン酸−ビニルエーテル共重合体、ポリアクリル酸、エチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルエーテル、デキストラン、ゼラチン、ヒドロキシルプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチル−カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレンイミン、ハロゲン化ポリビニルアルキルピリジニウム、ポリプロリン、天然スターチ、カゼイン、プロテイン、ポリメタクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルアミン、ポリ−４−ビニルピリジン、オレフィン酸の重合モノエステル、オレフィン酸の重合ジエステル、アクリルアミド及び二官能性の重合可能な物質（例えば、二塩基酸、ジエステル又はジアミド）などの出発物質から調製された親水性ゲルが挙げられる。

好ましくは、熱剤はゲルである。熱パックが穿刺されたり引き裂かれたりしても、熱パックから流れ出にくいために、チキソトロピックゲルが特に有用である。

好適な熱剤の上述のリストは限定を意図したものではない。様々な熱剤が利用され得ることが当業者には明らかとなろう。

熱パック５０は、接着包帯の吸収性パッドで形成されたポケットの中に滑り嵌めされる、任意の所望の寸法又は形状で作製され得る。通常、熱パック５０は長方形の形状をなすが、他の形状も考えられる。驚くべきことに、治療効果／疼痛緩和が比較的小さいパックで得られ得ることが判明した。従来の熱パックは通常、約７．５ｇ／インチ^２（１．２ｇ／ｃｍ^２）の熱剤を含んでいる。いくつかの実施形態において、本開示の熱パックは、約３ｇ／インチ^２（０．４７ｇ／ｃｍ^２）〜約５ｇ／インチ^２（０．７８ｇ／ｃｍ^２）の熱剤（好ましくは、約３ｇ／インチ^２（０．４７ｇ／ｃｍ^２）〜約４ｇ／インチ^２（０．６２ｇ／ｃｍ^２）の熱剤）を含む。いくつかの実施形態において、熱パック５０は、幅が約１インチ（２．５４ｃｍ）〜２インチ（５．１ｃｍ）（好ましくは、幅が約１インチ（２．５４ｃｍ）〜１．５インチ（３．８ｃｍ））、長さが約１インチ（２．５４ｃｍ）〜４インチ（１０．２ｃｍ）（好ましくは、長さが約２インチ（５．１ｃｍ）〜４インチ（１０．２ｃｍ））である。熱パック５０は、比較的少量の熱剤を含み、それでいて治療効果を依然としてもたらすことができる。例えば、１．５インチ（３．８ｃｍ）×２インチ（５．１ｃｍ）の熱パックが、わずか約１０グラム〜約１２グラムの熱剤を含み、依然として有効となり得る。パック内の熱剤の厚さは、例えば、約０．２５インチ（０．６４ｃｍ）〜約０．７５インチ（１．９１ｃｍ）、約０．２５インチ（０．６４ｃｍ）〜約０．５インチ（１．３ｃｍ）、又は約０．３インチ（０．７６ｃｍ）〜約０．４インチ（１．０２ｃｍ）であってよい。

通常の調味料（例えば、ファーストフードレストランに見出されるケチャップ及びマスタード）の小包の寸法のエンベロープが利用されてよい。興味深いことに、実際のケチャップ及びマスタードの小包（すなわち、ケチャップ又はマスタードを含んだ小包）が冷凍され、熱パック５０として使用されてもよい。

他の実施形態において、体のより広範囲を治療するために、熱パック５０をより大きくすることが望ましくなり得る。

（熱管理キット）
本開示の接着包帯は、１つ以上の接着包帯及び１つ以上の熱パックを含んだ熱管理キットとして提供され得る。接着包帯は従来の医療用接着包帯として（つまり熱パックなしで）使用されてもよく、あるいは、熱治療のために使用されてもよい。本開示の熱管理キットを使用するために、ユーザーは、体のうちの治療を必要とする領域に接着包帯を接着し、次いで包帯上の袋の中に熱パックを滑り込ませることができる。それに代わって、ユーザーは、包帯の中に熱パックを挿入し、次いで、その熱パックを収容した包帯を、体のうちの治療を必要とする領域に接着することもできる。熱パックが過度に暖かくなった後に、ユーザーが処置（例えば冷却）を延長することを望む場合、ユーザーは容易に、包帯を取り外したり交換したりすることなく、使用済みの熱パックを引っ張り出し、新しい熱パックを挿入することができる。

本明細書で引用した刊行物の全ての開示内容は、それぞれが個々に援用された場合と同様に、その全内容が参照によって援用される。本発明に対する様々な修正形態及び代替形態が、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかとなろう。理解されたいこととして、本発明が、本明細書に記載した説明のための実施形態によって不適当に限定されることは意図されておらず、また、そのような実施形態は、本願に記載した「特許請求の範囲」によってのみ限定されるよう意図された本発明の範囲と共に、単に一例として提示したものである。

Claims

（ａ）基材、
（ｂ）前記基材上に配置された感圧性接着剤、及び
（ｃ）前記感圧性接着剤によって前記基材に接着された吸収性パッドであって、熱パックを解放可能に受容するための、少なくとも１つの開放端部を有する袋を形成するように構成されている、吸収性パッド、
を備える、二重目的の接着包帯。
前記吸収性パッドは、チューブを形成するように折られる、請求項１に記載の接着包帯。
前記吸収性パッドは、ｃ字折りに折られている、請求項１に記載の接着包帯。
前記吸収性パッドは、ネットに積層された綿のガーゼを備える、請求項１〜３のいずれか一項に記載の接着包帯。
前記吸収性パッドは、不織布材料を備える、請求項１〜３のいずれか一項に記載の接着包帯。
（ａ）基材と、該基材上に配置された感圧性接着剤と、該感圧性接着剤によって前記基材に接着された吸収性パッドとを備える接着包帯であって、前記吸収性パッドは、熱パックを解放可能に受容するための、少なくとも１つの開放端部を有する袋を形成するように構成されている、接着包帯、及び
（ｂ）封止された柔軟なエンベロープと、該エンベロープに入れられた熱剤とを備える熱パック、
を備える、熱管理キット。
前記熱パックは冷パックである、請求項６に記載の熱管理キット。
前記熱剤はゲルである、請求項６又は７に記載の熱管理キット。
前記熱剤はチキソトロピックゲルである、請求項８に記載の熱管理キット。
前記熱パックは、約３ｇ／インチ^２（０．４７ｇ／ｃｍ^２）〜約５ｇ／インチ^２（０．７８ｇ／ｃｍ^２）の熱剤を含む、請求項６〜９のいずれか一項に記載の熱管理キット。
前記熱パックは、約３ｇ／インチ^２（０．４７ｇ／ｃｍ^２）〜約４ｇ／インチ^２（０．６２ｇ／ｃｍ^２）の熱剤を含む、請求項１０に記載の熱管理キット。
前記熱パックは、幅が約１インチ（２．５４ｃｍ）〜約２インチ（５．１ｃｍ）、長さが約１インチ（２．５４ｃｍ）〜約４インチ（１０．２ｃｍ）である、請求項６〜１１のいずれか一項に記載の熱管理キット。
前記熱パックは、幅が約１インチ（２．５４ｃｍ）〜約１．５インチ（３．８ｃｍ）、長さが約２インチ（５．１ｃｍ）〜約４インチ（１０．２ｃｍ）である、請求項１２に記載の熱管理キット。
前記熱パックは、約１０グラム〜約３０グラムの熱剤を含む、請求項６に記載の熱管理キット。
前記熱パックは、約１０グラム〜約１２グラムの熱剤を含む、請求項１４に記載の熱管理キット。
前記熱剤の厚さは、約０．２５インチ（０．６４ｃｍ）〜約０．５インチ（１．３ｃｍ）である、請求項６に記載の熱管理キット。
前記熱剤の厚さは、約０．３インチ（０．７６ｃｍ）〜約０．４インチ（１．０２ｃｍ）である、請求項１６に記載の熱管理キット。
前記熱パックは、通常のファーストフード用のケチャップ又はマスタードのパケットである、請求項６に記載の熱管理キット。