JP2014501803A - フッ化ビニル重合およびフッ化ビニルポリマーの水分散液 - Google Patents

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Abstract

開始剤と、25℃で約0.05重量%未満の臨界ミセル濃度を有するハロゲン不含界面活性剤と、を含有する水性重合媒体中でフッ化ビニルを重合することを含む、フッ化ビニルポリマーを製造する方法。ハロゲン不含界面活性剤は、水性重合媒体の重量に対して約0.1重量%未満の量で水性重合媒体中に存在する。水性重合媒体はハロゲン含有界面活性剤を本質的に含まない。水相の重量に対して約5〜約40重量%の範囲で存在するフッ化ビニルポリマー粒子であって、約20ミクロン未満のD(50)を有する、フッ化ビニルポリマー粒子と、水相の重量に対して0.1重量%未満の量で水分散液中に存在する、ハロゲン不含界面活性剤と、を含む水分散液。

Description

本発明は、水性重合媒体におけるフッ化ビニルの重合およびフッ化ビニルポリマー水分散液に関する。
ポリフッ化ビニル(PVF)は、様々な保護および装飾用途にフィルム状で使用される。実証されたその耐候性および保湿バリア性のために、ポリフッ化ビニルは、太陽電池モジュール用の後板の保護層として使用するのに特に望ましい。
PVFを製造するためのフッ化ビニル(VF)の重合は一般に、重合媒体としての水中で、かつ2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリドおよび2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)ジヒドロクロリドなどの水溶性有機アゾ型開始剤を用いて、非常に微細なポリマー粒子の、高流動性水分散液またはスラリーを生成することによって行われている。開始剤が水溶性であり、かつモノマーの水溶性が限定されている、この種類の重合は、乳化重合と呼ばれることが多い。
PVFは、界面活性剤を用いない乳化重合方法で製造されている。この種類の方法では、かなりの制限および問題に遭遇している。PVF水分散液を生成するバッチプロセスにおいて、PVF固形分は一般に、約15重量%以下に制限されている。固形分を増加しようと試みた場合には、凝塊(廃棄物として廃棄しなければならない未分散ポリマー)が生じ、かつ/または望ましくない粒子凝集体が形成し、それによって、その分散液から製造されるフィルムに欠陥を生じ得る。PVF一次粒子の凝集体のスラリーを生成する連続プロセスにおいて、遭遇する重大な問題は、形成されるポリマー粒子の広い粒径分布である。PVFは一次粒子の凝集体のスラリーとして製造されることが望ましく、その凝集体はサイズ範囲6〜11μmであり、そのため濾過によって水性媒体からPVFを分離することが可能となる。しかしながら、連続PVF重合プロセスにおいて、より大きなかなりの量の粒子の凝集体が形成され、その一部は400μmと大きなサイズであり得る。30μmを超える粒子など、より大きな粒子は、PVFポリマー樹脂から形成されるポリフッ化ビニルに欠陥を生じさせ、反応器のスケーリングの原因となり、反応器のクリーニングのために定期的に停止することが必要となる。粒径を制御する試みに、一般的なアプローチは、プロセスによって生成されるPVF固形分を制限することであった。これは反応器の容量を必然的に制限し、大きな粒子の形成の予防に部分的にのみ成功することが分かっている。
界面活性剤の添加が、形成されるポリマー粒子の安定を助け、重合プロセスを改善し得ることは、乳化重合の分野で知られている。テトラフルオロエチレンおよび/または他の過フッ素化モノマーを含有するフルオロポリマーについては、一般に非テロゲン性(non−telogenic)であり、かつ重合反応を抑制しないことから、ペルフルオロオクタン酸アンモニウム(APFO)などの陰イオンフッ素系界面活性剤が通常使用されている。カチオン性有機アゾ型開始剤が使用されるポリフッ化ビニル重合については、開始剤と不溶性錯塩を形成するであろうことから、陰イオンフッ素系界面活性剤を使用することができない。Uscholdによる米国特許第5,229,480号明細書には、フッ化ビニルの重合における使用に関して、式F(CFCFRNHX(式中、Rは、CHCHCHおよびCHCCHのうちの少なくとも1つから選択され、nは、3〜5の整数であり、Xは、開始剤またはポリマーラジカルによる攻撃を受けやすい水素原子を含まないアニオンである)の陽イオンフッ素系界面活性剤が開示されている。しかしながら、APFOに関して提起されている環境問題のため、かつフッ素系界面活性剤が高価であることから、ハロゲン不含界面活性剤を用いた重合プロセスが望ましいであろう。
様々なハロゲン不含非イオンおよび陽イオン界面活性剤が市販されており、炭化水素ポリマー、例えば、ポリスチレン、スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリ酢酸ビニル等の乳化重合において有用であることが知られている。かかる多くの材料の例は、D.C.Blackley,Emulsion Polymerization,Halsted Press,New York,N.Y.,1975,pp308−318に記述されている。Blackleyによって記述されている非イオン界面活性剤は、エチレンオキシドのオリゴマーから誘導される親水性セグメントを含有する。炭化水素ポリマー重合で一般に使用される量でフッ化ビニルの重合に使用された場合に、これらの界面活性剤は有機アゾ型開始剤と適合性であるが、PVFの一般的な用途において有用ではない低分子量PVF生成物が低収率で生成される。塩化ドデシルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウムまたは臭化セチルピリジニウムなどの一般的な陽イオン界面活性剤は、炭化水素ポリマー重合において有用であるとBlackleyによって記述されている。これらの界面活性剤も有機アゾ型開始剤と適合性であるが、Uscholdによる米国特許第5,229,480明細書には、この種類の界面活性剤を使用することによって、低下した収率で低分子量のPVFが生成され、ポリマーが非常に望ましくない黄色となる原因になる場合が多いことが示されている。
本発明は、フッ化ビニルの重合中に水性媒体に少ない量で用いられる、非常に低い臨界ミセル濃度を有するハロゲン不含界面活性剤によって、固形分レベルを高めることができ、かつ/またはフッ化ビニルポリマー分子量に対する著しい有害作用を及ぼすことなく、製造されるフッ化ビニルポリマーの粒径分布を制御することができるという発見に基づく。
本発明の方法は、開始剤と、25℃で約0.05重量%未満の臨界ミセル濃度を有するハロゲン不含界面活性剤と、を含有する水性重合媒体中でフッ化ビニルを重合することによって、フッ化ビニルポリマーを製造することに関する。ハロゲン不含界面活性剤は、水性重合媒体の重量に対して約0.1重量%未満の量で水性重合媒体中に存在する。水性重合媒体は、ハロゲン含有界面活性剤を本質的に含まない。
好ましくは、ハロゲン不含界面活性剤は、界面活性剤の臨界ミセル濃度を超える量で水性重合媒体中に存在する。
水相の重量に対して約5〜約40重量%の範囲で存在するフッ化ビニルポリマー粒子であって、約20ミクロン未満のD(50)を有する、フッ化ビニルポリマー粒子と、水相の重量に対して0.1重量%未満の量で水分散液中に存在する、ハロゲン不含界面活性剤と、を含む水分散液。
界面活性剤を使用することなく、連続プロセスで製造されたポリフッ化ビニル粒子の粒径分布のグラフ表示である(比較例3)。 本発明に従って連続プロセスで製造されたポリフッ化ビニル粒子の粒径分布のグラフ表示である(実施例9)。 本発明に従って連続プロセスで製造されたポリフッ化ビニル粒子の粒径分布のグラフ表示である(実施例11)。
フッ化ビニルポリマー
本出願で使用される「フッ化ビニルポリマー」とは、フッ化ビニルホモポリマーならびにモノマーとしてフッ化ビニルを含有するコポリマーを意味する。フッ化ビニルコポリマーにおいて、コモノマーは、フッ化ビニルと重合する多種多様なフッ素化モノマーおよび非フッ素化モノマーのいずれかを含み得る。好ましいフッ素化モノマーとしては、フルオロオレフィン、フッ素化ビニルエーテル、およびフッ素化ジオキソールが挙げられる。フルオロオレフィンの例は、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブチレン、およびパーフルオロブチルエチレンである。フッ素化ビニルエーテルの例は、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、およびパーフルオロ(メチルビニルエーテル)である。フッ素化ジオキソールの例は、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール(PDD)およびパーフルオロ−2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン(PMD)である。官能性をフッ化ビニルポリマーに導入するモノマー、例えばフッ化スルホニル(スルホン酸に対して加水分解性)、カルボン酸エステル(カルボン酸に対して加水分解性であり、かつアルコールに対して還元可能である)、ニトリル、シアン酸、カルバミン酸、およびホスホン酸などの官能基を有するフッ素化ビニルエーテルも用いてもよい。
好ましくは、フッ化ビニルポリマーは、フッ化ビニルモノマー単位を少なくとも約90重量%含む。好ましい一実施形態において、フッ化ビニルポリマーはフッ化ビニルホモポリマーを含む。
ハロゲン不含界面活性剤
本発明の重合プロセスで使用される界面活性剤は、25℃で約0.05重量%未満の臨界ミセル濃度(CMC)を有するハロゲン不含界面活性剤である。
「ハロゲン不含界面活性剤」とは、界面活性剤分子中の炭素に共有結合するハロゲンを含まない界面活性剤を意味する。ハロゲンは、例えばカチオン基を有する界面活性剤において対イオンとして存在し得る。「ハロゲン不含界面活性剤」という用語の中に含まれる界面活性剤の種類としては、限定されないが、以下にさらに詳細に説明される、シロキサン界面活性剤および炭化水素界面活性剤が挙げられる。
本出願で使用される「臨界ミセル濃度」(CMC)とは、以下の試験法で記述される手順を用いて、25℃の水中で測定された臨界ミセル濃度を意味する。好ましくは、ハロゲン不含界面活性剤は、25℃で約0.01重量%未満のCMCを有する。界面活性剤のCMCが低いと、重合または連鎖移動の抑制などの競争反応が、PVFポリマー分子量に対して著しい有害作用を及ぼさないように十分に低い濃度で界面活性剤を使用することが可能になると考えられる。したがって、本発明の方法において、一定のパーセンテージの固形分については、形成される一次粒子の粒径は、ハロゲン不含界面活性剤の存在下でより小さく、使用されるハロゲン不含界面活性剤の量によって制御することができ、つまり、ハロゲン不含界面活性剤の量が水性媒体中で増加するにしたがって、一次粒子のサイズが減少する。これは、ハロゲン不含界面活性剤によって形成されたミセルの数が濃度に伴って増加し、フッ化ビニルポリマー粒子のより多くの核生成部位が提供されるため、起こると考えられる。核生成部位のこの増加によって、コロイド的により安定である小さな粒子が生じる。その結果、より高い固形分の分散液を調製することができる。
本発明の方法で使用するのに好ましい界面活性剤は、約10未満、さらに好ましくは約7未満の親水親油バランス(HLB)を有する。好ましいHLB範囲は約1〜約7である。
本発明の方法の好ましい形態において、ハロゲン不含界面活性剤は非イオン性である。非イオン界面活性剤は荷電基を含有しないが、例えば長鎖炭化水素基またはプロピレンオキシドの重合によって形成されるセグメントであり得る疎水性部分を有する。非イオン界面活性剤の親水性部分は一般に、エチレンオキシドの重合から形成されるセグメントによって提供される。
用いられるハロゲン不含界面活性剤は好ましくは、炭化水素界面活性剤である。「炭化水素界面活性剤」とは、界面活性剤中の炭素原子に結合する一価置換基の100%が水素であることを意味する。
好ましくは、ハロゲン不含界面活性剤は芳香族基を含まない。
適切な非イオン界面活性剤の好ましい群は、アルキレンオキシド単位のポリマーブロックを有する群である。好ましくは、非イオン界面活性剤は、エチレンオキシドのポリマーブロックとプロピレンオキシドのポリマーブロックを含む。この種類の適切な炭化水素非イオン界面活性剤の例は、BASF Corporation(Florham Park,NJ)からPluronic(登録商標)シリーズおよびPluronic(登録商標)Rシリーズとして供給されている二官能性ブロックコポリマーである。Pluoronic(登録商標)シリーズの一例は、2つのポリエチレンオキシドブロックの間にポリプロピレンオキシドブロックを有するPluronic(登録商標)L92である。Pluronic(登録商標)Rシリーズは、2つのポリプロピレンオキシドブロックの間にポリエチレンオキシドブロックが挟まれた逆の配置を有する。この種類の特に有用な炭化水素非イオン界面活性剤は、以下に示されるPluronic(登録商標)31R1である:
Pluronic(登録商標)31R1(m〜26,n〜8)
Figure 2014501803
この種類の更なる炭化水素非イオン界面活性剤は、BASFによって商標Tetronic(登録商標)で販売されており、プロピレンオキシドとエチレンオキシドをエチレンジアミンに逐次的に付加することから誘導される四官能性ブロックコポリマーである。この種類の2つの適切な炭化水素非イオン界面活性剤は、以下の構造:
Figure 2014501803
で表されるTetronic(登録商標)701およびTetronic(登録商標)150R1であり、上記式中、PEOおよびPPOは、ポリエチレンオキシドブロックおよびポリプロピレンオキシドブロックをそれぞれ表す。
炭化水素非イオン界面活性剤の他の適切な群は、0.05重量%未満のCMC値を有する分枝状脂肪族アルコールエトキシレートである。Dow Chemical Co.(Midland,MI)によって販売されているTergitol(登録商標)15−Sシリーズは、この種の界面活性剤を含む。かかる界面活性剤の適切な例は、Tergitol(登録商標)15−S−7である。
上述の様々な適切な界面活性剤の混合物を本発明に従って使用することができる。
開始剤
本発明で使用される開始剤は、好ましくは水溶性ラジカル開始剤である。好ましい開始剤は、そのポリマー中に陽イオン末端基を生成する。開始剤の好ましい1つの種類は、水溶性有機アゾ開始剤、例えば2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリドおよび2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)ジヒドロクロリドである。2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリドは、Wako Chemical Co.(Richmond,VA)からV−50として入手可能である。2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)ジヒドロクロリドは、Wako Chemical CoからVA−044として入手可能である。
プロセス
例えば、米国特許第2,419,008号明細書、米国特許第2,419,010号明細書、米国特許第2,510,783号明細書、米国特許第2,599,300号明細書、米国特許第5,229,480号明細書、米国特許第6,242,547号明細書および米国特許第6,403,740号明細書に開示される方法で用いられるような、水溶性開始剤を用いたフッ化ビニルポリマーの水性乳化重合に関して当技術分野で公知の装置および基本手順を用いて、このプロセスを行うことができる。フッ化ビニルポリマーの重合に通常用いられる重合温度を本発明の実施において用いることができる。適切な温度範囲は約60〜約100℃である。フッ化ビニルポリマーの重合で使用されることが知られている重合圧力を使用することができ、使用される装置およびプロセスの種類に応じて異なる。約2kPa(300psi)〜約70kPa(10,000psi)の圧力を用いることができる。得られるフッ化ビニル分散液の固形分は、約5〜約40重量%であり得る。
所望の場合には、本発明の方法はバッチプロセスで行うことができる。「バッチプロセス」という用語は、水、フッ化ビニル、コモノマー(使用する場合)、開始剤および界面活性剤を含むすべての材料が最初に、容器に装入されるプロセスと、水、フッ化ビニル、コモノマー(使用する場合)、および界面活性剤などの重合を開始するのに必要な材料が最初に装入されるが、モノマー、コモノマー(使用する場合)および開始剤などの更なる成分を添加して重合を維持してもよい、攪拌オートクレーブなどの容器で行われるプロセスとの両方を含むことを意味する。バッチプロセスが使用される場合、フッ化ビニルポリマーは好ましくは、水分散液の形態で得られる。得られたフッ化ビニル分散液の固形分は、約10〜約40重量%、好ましくは約20〜約35重量%であり得る。バッチプロセスにおいて本発明の方法を用いる場合、その重合によって、生成されるフルオロポリマーの全重量に対して、好ましくは約3重量%未満の凝塊(未分散フッ化ビニルポリマー)、さらに好ましくは約1重量%未満の凝塊が生成される。分散液中のフッ化ビニルの粒子は、好ましくは約100〜約400nmの粒径D(50)、さらに好ましくは200〜300nmを有する。好ましくは、生成されるフッ化ビニルポリマーの総体積に対して1.0体積%未満のフッ化ビニルポリマー凝集体が、約20ミクロンを超える粒径を有する。
すべての必要な成分が攪拌容器に連続的に供給され、温度、圧力および成分濃度に関して、容器の条件が一般に定常状態で維持されるように、生成物が連続的に除去される、連続プロセスも用いることができる。フッ化ビニルポリマーは一般に、フッ化ビニルポリマーの一次粒子の凝集体を含有するスラリーの形態で連続プロセスから得られる。重合プロセスでポリマーがさらされる高せん断条件のために、一次粒子の凝集体が形成される。得られるフッ化ビニルポリマースラリーの固形分は、約5〜約20重量%、好ましくは約7〜約12重量%であり得る。連続プロセスを用いる場合、得られる凝集体は、濾過による水性媒体の水からの分離が容易となるサイズ範囲、例えば6〜11μmであること、かつ狭い粒径分布を有することが好ましい。好ましくは、生成されるフッ化ビニルポリマの総体積に対して1.0体積%未満のフッ化ビニルポリマー凝集体が、約30ミクロンを超える粒径を有する。さらに好ましくは、生成されるフッ化ビニルポリマの総体積に対して0.8体積%未満のフッ化ビニルポリマー凝集体が、約30ミクロンを超える粒径を有する。
本発明の方法において、媒体の重量に対して約0.1重量%未満の量で存在するように、ハロゲン不含界面活性剤を水性重合媒体に添加する。存在する界面活性剤の量は、重合が開始されるときに、水性重合媒体の重量に基づいてバッチプロセスにおいて決定され、つまり、重合開始前に水性媒体に添加されたハロゲン不含界面活性剤の量から決定される。連続プロセスについては、界面活性剤の量は、反応器に導入される水性重合媒体中の界面活性剤の量に基づいて決定される。好ましくは、ハロゲン不含界面活性剤は、水性重合媒体の重量に対して約0.07重量%未満の量で媒体中に存在する。さらに好ましくは、ハロゲン不含界面活性剤は、水性重合媒体の重量に対して約0.03重量%未満の量で媒体中に存在する。界面活性剤の臨界ミセル濃度を超える量でハロゲン不含界面活性が存在することも好ましく、したがって、本発明のこの形態に関しては、CMCに基づく界面活性剤量の下限は、用いられる特定の界面活性剤のCMCによって異なるだろう。界面活性剤は、CMCの少なくとも約2倍、さらに好ましくはCMCの3倍の量で存在することが好ましい。
本発明の方法において、水性重合媒体は、ハロゲン含有界面活性剤を本質的に含まない。「ハロゲン含有界面活性剤」とは、界面活性剤の炭素原子に共有結合したハロゲンを含有する界面活性剤、例えばフッ素系界面活性剤を意味する。「ハロゲン含有界面活性剤を本質的に含まない」とは、ハロゲン含有界面活性剤が、水性重合媒体の重量に対して約0.005重量%未満、さらに好ましくは約0.001重量%未満の量で存在することを意味する。
本発明は、フッ化ビニル重合のバッチプロセスにおいて有利に用いられ、フッ化ビニル分子量に対して著しい有害作用を及ぼすことなく、生成される分散液の固形分を増加することができる。連続プロセスにおいて、フッ化ビニルポリマーフィルムに欠陥を生じさせることが知られている大きな凝集体の低減を含む、既知のプロセスの広い粒径分布を制御することができる。
本発明の方法に従って製造されたフッ化ビニルポリマーは、既知のプロセスによって製造されたフッ化ビニルポリマーと同様に使用することができ、コーティングおよびフィルムを製造するのに特に有用である。フッ化ビニルポリマーのコーティングおよびフィルムは、適切な有機液体媒体中のフッ化ビニルポリマーの有機液体分散液(オルガノゾル)または溶液を使用して、フィルムキャスティングまたはコーティングプロセスにおいて製造することができる。さらに、有機溶媒中のフッ化ビニルポリマーの分散液は、溶媒補助押出しプロセス(solvent aided extrusion processes)を用いてフィルムに加工することができる。コーティングおよびフィルム製造用の有機液体中のかかる分散液または溶液の調製については、強い攪拌、イオン強度の増加、凍結および解凍、およびその組み合わせなど、様々な方法のいずれかによって、バッチプロセスで製造されたフッ化ビニルポリマーの水分散液を水分散液から単離することができる。連続プロセスで製造されたフッ化ビニルポリマーは、濾過によって水性媒体から単離することができる。
有機液体分散液および溶液を調製するのに有用な有機液体は、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)および炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、メチルエチルケトン(MEK)およびテトラヒドロフラン(THF)などの極性有機溶媒である。かかる分散液または溶液は一般に、適切な有機液体に乾燥樹脂状のフッ化ビニルポリマーを分散または溶解することによって形成される。分散液を製造するために、フッ化ビニルポリマー、特に連続プロセスで製造されたポリマーの粉砕またはミリングが、コーティングまたはフィルム製造に適した、小さい、かつ均一な粒径を有する分散液を製造するのに一般に必要である。本発明に従って連続プロセスで製造されたフッ化ビニルポリマーの粒径分布が改善されることから、大きな粒子の凝集体が形成される量が少なくなり、その結果、規格を満たすための粉砕時間を大幅に減少することができる。
本発明は、以下の実施例によってさらに説明され、バッチプロセスと連続プロセスの両方によってフッ化ビニルが重合される。
試験法
溶融温度(T)は、Q20 DSC(TA Instruments,New Castle,DE)を使用して示差走査熱量測定(DSC)によって決定される。報告される溶融温度は、DSC曲線における吸熱の最低値である。
粒径は、Horiba LA−910光散乱粒径分析器(Horiba Instruments,Ann Arbor,MI)を使用して光散乱によって、水中の希薄分散液で決定される。試料チャンバ内に提供される試料は、望ましい範囲にあるように装置によって示されるシグナルを得るために必要に応じて希釈される。粒径はD(50)として報告される。D(50)は、体積粒径分布に基づく中央粒径、つまり母集団の50体積%がその粒径未満に属する粒径である。図1、図2および図3は、連続重合実施例の3つの粒径分布のグラフ表示を表す。そのグラフは、対数目盛上の度数に対する粒径のプロットであり、分布における粒子の累積体積%を示す曲線を含む。粒径のいずれかの範囲に対して存在する粒子の累積体積%は、その範囲の終端でのこの曲線上の値の差である。
臨界ミセル濃度(CMC)は、DuNouy張力計(リング法)を用いて、一連の溶液の表面張力を測定することによって25℃の脱イオン水中で測定される。対数目盛上の濃度に対する表面張力のプロットによって、CMCと定義される明確な途切れを示す、2つの垂直なセグメントと共に線が得られる。CMCを正確に位置付けるために、直線セグメントを最小二乗法によってフィッティングし、各セグメントの等式が得られる。交点を見つけるために、その等式を同時に解き、その点でのCMCと表面張力が得られる。
界面活性剤
CMCと上記の試験法によって測定されたCMCでの表面張力値と共に、実施例で使用されたハロゲン不含界面活性剤を以下の表1に示す。
Figure 2014501803
実施例1〜8および比較例1〜2
これらの実施例から、フッ化ビニルモノマーの重合にバッチプロセスでハロゲン不含界面活性剤を使用して、ポリマー中に陽イオン末端基を生成する開始剤の存在下にて、ポリフッ化ビニルが生成されることが実証されている。
実施例1〜8および比較例1〜2の重合は、脱イオン水500mLおよび表2で指定される量の非イオン界面活性剤が1L攪拌ステンレス鋼オートクレーブに装入される、バッチ手順によって行われる。使用される界面活性剤のCMCを表1に報告する。オートクレーブは交互に3回加圧され、窒素でベントされ、脱気される。オートクレーブの内容物を80℃に上昇させる。シリカゲルカラムにVFガスを通すことによって、重合抑制剤を含まずスクラビングされたフッ化ビニルモノマーを容器に装入して、ゲージ圧力2.76MPa(400psig)を得て、水中の開始剤2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(V−50,Wako Chemical Co.)0.10gを添加する。圧力低下が確認されたらすぐに、2.76MPaにて一定圧力を維持する速度で、更なるVFを添加し、水中の2.0%V−50溶液0.17mL/分を重合中に容器に添加する。所望の量のモノマーが供給されて、反応器内で目的のポリマー固形分が達成されるまで、モノマーおよび開始剤の供給を続ける。各実施例において使用された反応器の液体中の界面活性剤の濃度と共に、作業圧力を達成し、かつ所望のポリマー固形分を達成するための、プレチャージとして供給されたVFの量を特定するデータを表2に示す。圧力を維持するためのVF供給の速度、供給時間、および重合中に得られた固形分もまた表2に示す。
重量が完了したら、反応器の内容物を約30℃に冷却し、余分なVFをベントする。生成物分散液を排出する。分散液を凍結凝固(freeze coagulating)し、固形分を水相から濾過することによって、ポリマーが単離される。ベントされた循環エアオーブン内で100℃にて濾過ケークを乾燥させる。その乾燥ポリマーを使用して、溶融温度を決定する。粒径は、分散液で決定される。試験法および計測は、試験法のセクションで上述されている。ポリマーのデータを表2に報告する。
表2を参照すると、本発明の方法から、粒子がD(50)の値を有する分散液粒子、および同様な分子構造を示す狭い範囲内に溶融温度を有するPVF樹脂が生成される。さらに、表2のデータから、本発明の方法で使用されるハロゲン不含界面活性剤を添加することによって、ハロゲン不含界面活性剤を使用しない比較例1と実施例1〜8を比較すると、生成されるPVFの固形分重量%が25〜90%増加し得る。比較例2から、ハロゲン不含界面活性剤を添加することなく、PVFの固形分重量%を25%増加しようとする試みの効果が実証されている。比較例2の方法によって凝塊95重量%が生じたが、比較例1の方法では、ポリマー固形分は低かったが、凝塊0重量%となった。
Figure 2014501803
実施例9〜11および比較例3
これらの実施例から、ポリマー中に陽イオン末端基を生成する開始剤とハロゲン不含界面活性剤の存在下にて、連続プロセスでPVFを製造するためのフッ化ビニルモノマーの重合が実証されている。
200ガロン攪拌オートクレーブ内でのVFの連続乳化重合において、炭化水素非イオン界面活性剤Pluronic(登録商標)31R1を使用する。Pluronic(登録商標)31R1のCMCを表1に示す。重合の条件を表3に示す。脱イオン水および開始剤2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)ジヒドロクロリド(VA−044,Wako Chemical Co.)を反応器に指定の速度で供給する。反応器の出口で減圧弁を操作することによって、圧力を制御する。水供給物を予熱することによって、反応器内の温度を設定する。重合抑制剤を含まず蒸留されたVFを、反応器に供給する前に水と混合する。重合が開始したら、水の入口温度をゆっくりと下げ、重合の熱を相殺する。水の入口温度とVF供給のバランスをとることによって、所望の反応器温度が維持される。所望の固形分が得られるまで、VF供給を増加し、それは入口温度と反応器温度の差によって判断される。生成物分散液を回収して、界面活性剤の存在下で製造されたPVFと比較するための、界面活性剤の非存在下にて製造された材料が得られる。表3の実施例9〜11に対して指定される濃度が得られるような速度で、水入口供給物に界面活性剤を添加する。比較例3では界面活性剤を添加しない。
試験法のセクションで上述されるように、各界面活性剤濃度で回収された分散液の試料を粒径について分析した。各試料の粒子サイズは、体積分布中央値として報告される。約800nmを超える粒径は、一次粒子の凝集体であると考えられる。図1〜図3は、反応器の水性供給物に添加されたPluronic(登録商標)31R1の量に対して0重量%(比較例3)、0.004重量%(実施例9)および0.02重量%(実施例11)で回収された試料で得られた粒径分布を示す。界面活性剤を使用しない比較例3に相当する図1は、3つのピークを示し、0.29ミクロンで中央に位置する第1ピークは試料の材料の6%を占める。第2ピークは9.5ミクロンで中央に位置し、材料の91.5%を占める。第3ピークはかなり広く、約260ミクロンで中央に位置し、400ミクロンまで及び、材料の2.5%を占める。すべての粒子のD(50)は16.6ミクロンであり、36.4ミクロンの標準偏差を有する。後者の数字は粒径分布の広さを表す。これらのデータを表3に示す。Pluronic(登録商標)31R1 0.004重量%で製造された実施例9の材料の粒径分布を比較例3と比較すると、ごくわずかな大きな粒子を除くすべてがなくなった。より小さなサイズの粒子を表すピークの位置は、より小さな粒径にわずかにシフトしており、そのピークの相対的高さが増加した。すべての粒子のD(50)は、16.6ミクロンから8.45ミクロンミクロンへと減少し、標準偏差は36.4ミクロンから16.6ミクロンに減少した。実施例9のグラフデータを図2に示す。Pluronic(登録商標)31R1 0.020重量%で製造された実施例11の結果から、40ミクロンを超える粒子が全く存在しないことが分かる。その結果を図3に図示する。表3に示される粒子分布データは、より小さな粒径へとさらにシフトした。D(50)は7.43ミクロンに減少し、標準偏差はわずか4.65ミクロンであった。これは、様々な用途用の保護または装飾フィルムへとキャストされるオルガノゾルを調製するために使用されるPVFの著しい品質の向上を表す。粒径が小さくなると、特に100ミクロンを超える粒子がなくなると、オルガノゾル調製のためのミリング時間が減り、キャストプロセス中にフィルムの欠陥を引き起こすゲルが減少する。
これらの実施例の各々から得られるポリマーは、フィルタープレスにおける濾過によって単離され、窒素でスイープしながら真空オーブン内で80℃にて乾燥させる。実施例9〜11および比較例3で製造されたポリマーの融点は、試験法のセクションで記述されるように決定され、互いの実験誤差内であり、ポリマー調製のために使用される条件下にて界面活性剤が分子構造への影響を示さないことが示されている。
Figure 2014501803
実施例12〜14および比較例4
これらの実施例から、ポリマー中で陽イオン末端基を生成する開始剤とハロゲン不含界面活性剤の存在下にて、連続プロセスで異なる反応器固形分重量%にてPVFを製造するための、フッ化ビニルモノマーの重合が実証されている。
200ガロン攪拌オートクレーブ内でのVFの連続乳化重合において、炭化水素非イオン界面活性剤Pluronic(登録商標)31R1を使用する。Pluronic(登録商標)31R1のCMCを表1に示す。重合の条件を表4に示す。脱イオン水および開始剤2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)ジヒドロクロリド(VA−044,Wako Chemical Co.)を反応器に指定の速度で供給する。反応器に供給される開始剤溶液の濃度は、所望の反応器固形分重量%を得るために便宜上調節される。反応器の出口で減圧弁を操作することによって、圧力を制御する。水供給物を予熱することによって、反応器内の温度を設定する。重合抑制剤を含まず蒸留されたVFを、反応器に供給する前に水と混合する。重合が開始したら、水の入口温度をゆっくりと下げ、重合の熱を相殺する。水の入口温度とVF供給のバランスをとることによって、所望の反応器温度が維持される。所望の固形分重量%が得られるまで、VF供給を増加し、それは入口温度と反応器温度の差によって判断される。生成物分散液を回収して、界面活性剤の存在下で製造されたPVFと比較するための、界面活性剤の非存在下にて製造された材料が得られる。表4の実施例12〜14に対して指定される濃度が得られるような速度で、水入口供給物に界面活性剤を添加する。比較例4では界面活性剤を添加しない。
反応器内で各固形分重量%条件にて回収された分散液の試料を、試験法のセクションで上述されるように粒径について分析する。各試料の粒径は、各固形分重量%条件に対して体積分布中央値として示す。約800nmを超える粒径は、一次粒子の凝集体であると考えられる。Pluronic(登録商標)31R1を含まないベースライン事例を除いて、各場合におけるPluronic(登録商標)31R1の量は0.02重量%であった。ベースライン事例を除いて、固形分6.5重量%〜8.0重量%で製造されたポリマーは、20ミクロンを超える粒子を含まなかった。界面活性剤を使用しないベースライン事例は、直径約300ミクロンまでの粒径を有した。粒子の平均直径および体積平均を表4に示す。これは、様々な用途用の保護または装飾フィルムへとキャストされるオルガノゾルを調製するために使用されるPVFの著しい品質の向上を表す。粒径が小さくなると、特に40ミクロンを超える粒子がなくなると、オルガノゾル調製のためのミリング時間が減り、キャストプロセス中にフィルムの欠陥を引き起こすゲルが減少する。
これらの実施例の各々から得られたポリマーは、フィルタープレスでの濾過によって単離され、Fluid Energy Corp.(Telford,PA)製のトロイダル・ドライヤーで80〜125℃にて空気でスイープしながら乾燥させる。実施例12〜14および比較例4で製造されたポリマーの融点は、試験法のセクションで記述されるように決定され、互いの実験誤差内であり、ポリマー製造に使用される条件下にて界面活性剤が分子構造への影響を示さないことが示されている。炭酸プロピレン中の40%PVFとガラスビーズとの混合物をペイント振盪機で15分間ミリングすることによって調製されたオルガノゾル分散液から、フィルムがキャストされる。このようにして得られた引張り特性も、反復試験試料に関して計算された標準偏差の精度限界内にある。Multi Station Load Frame Q Test/500LP(MTS Systems Corp.,Eden Prairie,MN)を使用して、厚さ1ミルのフィルムでASTM D638に従って、機械的性質を測定し、各フィルムの5つの測定値の平均を表す。破断ひずみを除いて、フィルムの機械的性質は、界面活性剤の存在に影響を受けない。他の機械的性質について測定された値の類似性から、界面活性剤が分子量を損なわないことが示唆されている。界面活性剤の非存在下にてポリマーで作られたフィルム試料のより短い破断ひずみについて考えられる1つの説明は、フィルムに大きな凝集体が存在すると、凝集体付近の領域で応力が集中し、大きな凝集体を持たないフィルムよりも短いひずみでフィルムの破断が起こることであり得る。
Figure 2014501803

Claims (21)

  1. 開始剤と、25℃で約0.05重量%未満の臨界ミセル濃度を有するハロゲン不含界面活性剤と、を含有する水性重合媒体中のフッ化ビニルを重合することを含む、フッ化ビニルポリマーを製造する方法であって、前記ハロゲン不含界面活性剤が、前記水性重合媒体の重量に対して約0.1重量%未満の量で前記水性重合媒体中に存在し、前記水性重合媒体が、ハロゲン含有界面活性剤を本質的に含まない、方法。
  2. 前記ハロゲン不含界面活性剤が、前記ハロゲン不含界面活性剤の前記臨界ミセル濃度を超える量で前記水性重合媒体中に存在する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ハロゲン不含界面活性剤が、0.07重量%未満の量で前記水性重合媒体中に存在する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ハロゲン不含界面活性剤が、0.03重量%未満の量で前記水性重合媒体中に存在する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記ハロゲン不含界面活性剤が、25℃で約0.01重量%未満の臨界ミセル濃度を有する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記ハロゲン不含界面活性剤が、前記ハロゲン不含界面活性剤の前記臨界ミセル濃度を超える量で前記水性重合媒体中に存在する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記開始剤が、前記ポリマー中に陽イオン末端基を生成する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記開始剤が水溶性有機アゾ開始剤である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記界面活性剤が非イオン性である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記界面活性剤が炭化水素界面活性剤である、請求項1に記載の方法。
  11. 前記界面活性剤が、アルキレンオキシド単位のポリマーブロックを含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記界面活性剤が、エチレンオキシドのポリマーブロックとプロピレンオキシドのポリマーブロックを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記界面活性剤が、芳香族基を含まない、請求項1に記載の方法。
  14. 生成される前記フッ化ビニルポリマーが、少なくとも90重量%のフッ化ビニル単位を含む、請求項1に記載の方法。
  15. 生成される前記フッ化ビニルポリマーが、ポリフッ化ビニルホモポリマーである、請求項1に記載の方法。
  16. 前記方法がバッチプロセスであり、かつフッ化ビニルポリマー粒子の水分散液を生成する、請求項1に記載の方法。
  17. フッ化ビニルの前記重合によって、生成されるフッ化ビニルポリマーの全重量に対して約3重量%未満の凝塊が生成される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記方法が連続プロセスであり、かつ生成される前記フッ化ビニルポリマーが、フッ化ビニルポリマー一次粒子の凝集体を含む、請求項1に記載の方法。
  19. 生成されるフッ化ビニルポリマーの総体積に対して1.0体積%未満の前記フッ化ビニルポリマー凝集体が、約30ミクロンを超える粒径を有する、請求項18に記載の方法。
  20. 水相の重量に対して約5〜約40重量%の範囲で存在するフッ化ビニルポリマー粒子であって、約20ミクロン未満のD(50)を有する、フッ化ビニルポリマー粒子と;
    水相の重量に対して0.1重量%未満の量で水分散液中に存在する、ハロゲン不含界面活性剤と;
    を含む、水分散液。
  21. 前記フッ化ビニルポリマー粒子が、水相の重量に対して約7〜約12重量%の範囲で存在する、請求項20に記載の水分散液。
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