JP2014241322A - 車載電力制御ユニットの金属製ケースへの制御基板の締結構造 - Google Patents

車載電力制御ユニットの金属製ケースへの制御基板の締結構造 Download PDF

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Abstract

【課題】振動の影響を低減しつつ、好適に制御基板を締結できる締結構造を提供する。
【解決手段】締結構造は、PCUケース12の内側面に設けられた筒状部14と、当該筒状部14に収容されるナット18、ナット18と螺合するボルト22等を有する。ナット18は、基端にフランジ部19を有している。Oリング30は、フランジ部19上に配置され、前記ナット18の外周面と前記筒状部14の内周面との間に詰め込まれる。取付プレート32は、筒状部14の上端開口にカシメられることで、Oリング30を介してフランジ部19を筒状部14の底面に押し付ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、車載のトランスアクスルに直載される電力制御ユニット(以下「PCU」という)の金属製ケースに制御基板を締結するための締結構造に関する。
ハイブリッド自動車や電気自動車等の電動車両が広く普及してきている。かかる電動車両には、モータに供給される電力や、ジェネレータで発電された電力を制御するためのインバータや昇降圧コンバータ等を内蔵した電力制御ユニット(以下「PCU」という)が搭載されている。PCUケース内には、通常、インバータや昇降圧コンバータ等を構成する電子部品、例えば、リアクトルやコンデンサ、スイッチング素子、当該スイッチング素子の駆動を制御する制御基板等が収容される。
近年、このPCUをトランスアクスル(以下「T/A」という)のケースの上部や側面部などに直接取り付けることが一部で提案されている(例えば特許文献1等)。T/Aは、モータジェネレータや、伝達ギヤ群等をT/Aケース内に収容してユニット化したものである。
T/Aは、モータジェネレータ等の駆動に伴い振動するため、このT/AのケースにPCUを直載すると、PCUに加わる振動のレベル、周波数がともに大きくなる。そのため、T/AケースにPCUを直載する場合、振動対策のためにPCUケースの剛性を向上する必要があった。しかし、従来のPCUケースは、樹脂からなる場合が多く、剛性を向上するためには、ケースの肉厚を増加したり、リブを追加したりする必要があったため、PCUのサイズアップという別の問題を招いていた。また、樹脂は、非導電性であり、また、熱伝導率が低いため、制御基板のGND接続や放熱のためには、バスバーやサーコンシート等の部品が別途必要であり、コストや更なるサイズの増加という問題も招いていた。
そこで、PCUケースとして、導電性を有し、剛性および伝熱性の高い金属からなるケースを用いることが考えられる。金属製ケースを用いれば、PCUケースのサイズを増加させることなく剛性を向上できる。また、制御基板を、金属製ケースの内面に直接、多点締結し、締結座面でGND接続、放熱を行えば、バスバーやサーコンシート等の部品を省略でき、コストおよびサイズの増加を防止できる。
特開2013−51848号公報 特開2001−332878号公報
しかし、制御基板を金属製のPCUケースに直接、多点締結した場合には、温度変化に伴い、制御基板に応力が発生するおそれがあった。すなわち、通常、制御基板は、ガラス繊維入りのエポキシ樹脂板上に銅箔で回路パターンを形成したプリント基板上に、回路素子を半田付けして構成される。このプリント基板と、PCUケースを構成する金属では、線膨張率が異なる。そのため、温度変化に伴い生じる金属製ケースの膨縮に、プリント基板が追従できず、当該プリント基板に面方向の応力が作用する。そして、この応力作用により、プリント基板や回路パターンが疲弊したり、プリント基板上に実装された回路素子の半田付け部がクラックしたりするおそれがあった。
なお、特許文献2には、電子部品が実装された被締結部材(基板等)を、ネジで筐体(ケース)に形成された雌ネジに螺合締結する電子機器のネジ締め構造が開示されている。この特許文献2において、ネジは、頭部と、頭部より大径のネジ無し部と、雄ネジ部と、を有した段付ネジであり、ネジの頭部と筐体の間には、Oリング等が配される。ただし、特許文献2は、T/Aに直載されたPCUケースに制御基板を締結するための技術ではなく、T/Aで生じる振動対策については、十分に検討されていない。
そこで、本発明では、T/Aに直載されるPCUの金属製ケースに制御基板を締結する締結構造であって、振動の影響を低減しつつ、好適に制御基板を締結できる締結構造を提供することを目的とする。
本発明の締結構造は、車載のトランスアクスルに直載される電力制御ユニットの金属製ケース内に制御基板を締結する締結構造であって、前記金属ケースの内側面に設けられた筒状部と、基端にフランジ部を有したナットであって、当該フランジ部が前記筒状部の底面に接するべく前記筒状部内に収容されるナットと、弾性材料からなる弾性リングであって、前記フランジ部上に配置され、前記ナットの外周面と前記筒状部の内周面との間に詰め込まれる弾性リングと、前記筒状部の先端を内側に折り曲げる、または、前記筒状部の上端開口に板材をカシメて形成されるカシメ蓋であって、前記弾性リングを介して前記フランジ部を前記筒状部の底面に押し付けるカシメ蓋と、前記制御基板に形成された取付孔を貫通して、前記ナットに螺合するボルトと、を備えることを特徴とする。
好適な態様では、前記制御基板は、前記ナットの先端面である座面に載置される。他の好適な態様では、前記ナットの先端面である座面には、前記制御基板に対する前記ナットの回転抵抗となる溝が形成されている。
他の本発明である締結構造は、車載のトランスアクスルに直載される電力制御ユニットの金属製ケース内に制御基板を締結する締結構造であって、前記金属ケースの内側面に設けられた筒状部と、その基端にフランジ部を有したボルトであって、当該フランジ部が前記筒状部の底面に接するべく前記筒状部内に収容されるボルトと、弾性材料からなる弾性リングであって、前記フランジ部上に配置され、前記ボルトの外周面と前記筒状部の内周面との間に詰め込まれる弾性リングと、前記筒状部の先端を内側に折り曲げる、または、前記筒状部の上端開口に板材をカシメて形成されるカシメ蓋であって、前記弾性リングを介して前記フランジ部を前記筒状部の底面に押し付けるカシメ蓋と、前記制御基板に形成された取付孔を貫通した前記ボルトの雄ネジと螺合するナットと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ナットが弾性リングを介して筒状部底面に押し付けられているため、当該ナットに締結された制御基板および金属製ケースが相互に面方向に移動可能となるため、両者の線膨張率の差を吸収できる。また、弾性リングにより、金属製ケースに伝わる上下振動も吸収される。結果として、振動の影響を低減しつつ、好適に制御基板を金属製ケースに締結できる。
T/Aに直載されたPCUを示す図である。 本実施形態に係る締結構造を示す図である。 制御基板の締結箇所を示す図である。 本実施形態の締結構造とリジット固定とを説明する図である。 挿入穴16に収容されたナットの斜視図である。 締結構造の他の例を示す図である。 挿入穴16に収容されたナットの斜視図である。 締結構造の他の例を示す図である。 締結構造の他の例を示す図である。
以下、本発明の実施形態である制御基板34の締結構造について図面を参照して説明する。はじめに、制御基板34が設けられる電力制御ユニット(PCU)10について、図1を参照して簡単に説明する。図1は、電動車両におけるPCU10の設置状況を示す図である。
PCU10は、ハイブリッド自動車や電気自動車等の電動車両に搭載されるユニットであり、車載のモータジェネレータに供給される電力、または、モータジェネレータで発電された電力を制御するインバータや昇降圧コンバータ等を内蔵したユニットである。本実施形態において、このPCU10は、トランスアクスル(T/A)100のケース(T/Aケース102)に直載されている。
T/A100は、二つのモータジェネレータMG1,MG2と動力源(モータやエンジン)の出力を車軸に伝達するトランスミッションTMを備えている。モータジェネレータMGおよびトランスミッションTMは、T/Aケース102に収容されて、エンジンコンパートメントに設置されている。PCU10は、図1に示す通り、このT/Aケース102の上面に直接取り付けられている。
PCU10は、アルミニウム等の金属からなるPCUケース12を有しており、その内部には、インバータや昇降圧コンバータを構成する電子部品、例えば、リアクトルやコンデンサ、スイッチング素子、および、当該スイッチング素子等を制御する制御基板34等が収容されている。これらのうち、リアクトルやコンデンサ、スイッチング素子の設置技術は、周知の公知技術であるため、ここでの説明は、省略する。以下では、制御基板34の設置技術について詳説する。
図2は、この制御基板34の締結構造を示す図である。また、図3は、制御基板34の締結箇所(取付孔40の位置)を示す図である。なお、図3では、制御基板34上に実装されている各種回路素子の図示は省略している。
制御基板34は、PCUケース12の内面に多点でボルト締結されている。各締結箇所での構造は、図2に示す通りである。すなわち、PCUケース12のうち、締結箇所に対応する位置には、略円筒形の筒状部14が突出形成されている。筒状部14の中央には、軸方向(ケース肉厚方向)に延びる挿入穴16が形成されている。なお、本実施形態では、筒状部14を、PCUケース12と一体としているが、両者は、別体として構成されてもよい。したがって、PCUケース12とは、別に形成された筒状部14を、接着や螺合により、PCUケース12に固着してもよい。この場合、筒状部14は、ナット18と擦れ合っても摩耗しないように、高硬度材料で形成したり、ナット18との当接面に摩耗防止のコーティングを施したりすることが望ましい。
挿入穴16には、鉄等の金属からなるナット18が挿入されて載置される。ナット18の中央には、軸方向に延びる雌ネジ20が形成されている。このナット18は、底部に形成されたフランジ部19と、当該フランジ部19より小径の本体部21を有している。フランジ部19の外径は、挿入穴16の内径よりも小さく、両者の間には隙間が生じている。ナット18の高さは、挿入穴16の深さよりも大きいため、本体部21の先端は、筒状部14から外側に突出している。この本体部21の先端面が、制御基板34が接する座面となる。
ナット18の本体部21には、弾性材料からなる環状弾性体、具体的には、Oリング30が挿通されている。このOリング30の内径は、フランジ部19より小径であり、外形は、フランジ部19より大径となっている。そのため、本体部21に挿通されたOリング30は、フランジ部19の上に留まり、ナット18の外周面(フランジ部19の外周面)と挿入穴16の内周面との間に詰め込まれ、両者間の隙間を維持する役割を果たす。
挿入穴16の上端開口には、取付プレート32が圧入されている。取付プレート32は、挿入穴16の内径より大きい外形と、ナット18の本体部21の外径よりも大きい内径を有した環状平板である。この取付プレート32を、挿入穴16の上端開口に圧入し、Oリング30に当たる位置まで押しつけることで、Oリング30およびフランジ部19(ひいてはナット18)が、挿入穴16内にカシメ固定される。したがって、この取付プレート32は、ナット18を筒状部14の底面に押し付けるカシメ蓋として機能する。
締結対象である制御基板34のうち、締結箇所に対応する位置には、取付孔40が形成されている。この取付孔40は、図3に示すように、基板全体に分散して複数、形成されている。各取付孔40の内径は、後述するボルト22の本体部28よりも十分に大径で、ボルト22の頭部25の外径よりも小径となっている。制御基板34の裏面には、GNDラインが形成されており、後述するナット18と接触出来るようになっている。なお、後に詳説するように、本実施形態では、各締結箇所が、PCUケース12に対してスライドできるような締結構造を採用している。ただし、このスライド可能な締結構造は、全ての締結箇所に用いられているのではなく、1カ所(例えば図3の取付孔40a)だけは、締結箇所がPCUケース12に対して動かないリジット固定の締結構造が用いられている。
制御基板34をナット18に螺合締結するためのボルト22は、頭部25と、ナット18の雌ネジ20に螺合する本体部28とを有している。制御基板34を締結する際には、本体部28を取付孔40に貫通させて当該本体部28の雄ネジを、ナット18の雌ネジ20に螺合し、ナット18の座面とボルト22の頭部25で制御基板34を挟み込む。
次に、以上のような締結構造を採用した理由について説明する。既述した通り、本実施形態では、PCU10をT/Aケース102上に直載している。この場合、モータジェネレータMG1,MG2の電力を制御するPCU10を、当該モータジェネレータMG1,MG2の近傍に設置できるため、配線を短縮でき、また、スペースを有効活用できる。しかし、その一方で、T/A100は、モータジェネレータMG1,MG2およびトランスミッションTMの駆動に伴い、高周波振動を含む振動が発生しやすい。PCU10を、かかるT/A100に直載した場合、当該PCU10に入力される振動のレベルおよび周波数ともに大きくなる。そこで、かかる振動が、制御基板34に与える影響を低減するため、高剛性のPCUケース12を採用し、さらに、制御基板34を当該高剛性のPCUケース12に多点で締結することが考えられる。
ここで、従来のPCUケース12は、樹脂で構成されていることが多く、ケース剛性を高めるためには、肉厚の増加やリブの追加が必要な場合が多い。そのため樹脂ケースで剛性を高めようとすると、ケース全体のサイズアップになることが多かった。また、近年、基板の実装密度向上により発熱密度が高くなりがちであるため効率的な放熱機構が必須であるが、制御基板34からの熱を外部に放出するためには、サーコンシート等の熱伝導率の高い材料からなる別部品が必要であった。また、樹脂ケースは、非導電性であるため、制御基板34をGND接続するためには、バスバー等の導電性材料からなる別部品を設ける必要があった。つまり、樹脂ケースを用いた場合、放熱やGND接続のために別部品が必要であり、コストアップや、更なるサイズ増加を招くおそれがあった。
そこで、本実施形態では、PCUケース12として、アルミニウムなどの金属からなる金属製ケースを採用している。PCUケース12の材料として金属を採用することにより、ケース全体のサイズアップをすることなく、高い剛性を確保することができる。また、金属は、樹脂に比して、優れた導電性、伝熱性を有する。そのため、金属製ケースそのものを、制御基板34のGND接続、放熱に利用することができる。換言すれば、金属製ケースを採用することで、他部品を追加することなく、GND接続、放熱が可能となるため、コスト増加や更なるサイズアップを防ぐことができる。
しかしながら、金属製のPCUケース12の内側面に制御基板34を多点締結した場合、PCUケース12と制御基板34との線膨張差に起因して、制御基板34に面方向の応力が作用することがある。これについて図4(b)を参照して説明する。図4(b)は、金属製のPCUケース12の内面に制御基板34を、リジット固定、すなわち、PCUケース12に対して制御基板34の締結箇所が移動しないように固定締結した場合を示すイメージ図である。
図4(b)の例では、PCUケース12の内面に雌ネジを形成したボス座50を設け、当該雌ネジに螺合するボルト22の頭部とボス座50とで制御基板34を挟み込んでいる。かかる締結構造の場合、制御基板34は、PCUケース12に対して位置固定となる。
ここで、制御基板34は、通常、銅箔で回路パターンが形成されたプリント基板上に、各種回路素子を半田付けで実装して構成される。プリント基板は、絶縁体であるガラス繊維入りエポキシ樹脂等の樹脂から構成されており、PCUケース12を構成する金属に比して線膨張率が小さい。そのため、制御基板34を、PCUケース12にリジット固定した場合、線膨張率の大きいPCUケース12の膨縮に追従できないという問題が生じる。
すなわち、車両の内部は、昼夜や夏冬、走行時と停車時とで、その温度が大きく異なる。この温度変化に伴い、線膨張率の大きい金属製のPCUケース12は膨縮し、ボス座間距離も伸縮する。一方、制御基板34を構成するプリント基板は、金属に比して線膨張率の小さい樹脂からなるため、温度変化に伴う取付孔間距離の伸縮量は、ボス座間距離の伸縮量に比して小さくなる。
例えば、冬場等、車両内部が低温になると、制御基板34は収縮するが、その制御基板34の収縮量以上に、PCUケース12が収縮する。そして、PCUケース12の収縮に伴い、当該PCUケース12に螺合されているボルト間距離が、制御基板34に形成された取付孔間距離よりも小さくなり、ボルト22が制御基板34を面方向に押圧することになる。この押圧により、制御基板34には、圧縮応力が作用し、図4(b)において、二点鎖線で示すように制御基板34に撓みが生じる。
逆に、夏場等、車両内部が高温になると、制御基板34は膨張するが、その制御基板34の膨張量以上にPCUケース12が膨張する。そして、PCUケース12の膨張に伴い、ボルト間距離が広がったボルト22が、制御基板34を面方向に押圧するため、制御基板34には、引っ張り応力が作用する。
つまり、温度変動を繰り返すことで、制御基板34には、圧縮応力と引っ張り応力が繰り返し作用することになり、制御基板34や回路パターンの疲弊、回路素子を取り付けている半田のクラック等が生じる。
本実施形態において、Oリング30を介してPCUケース12に取り付けられたナット18を用いた締結構造を採用しているのは、かかる問題を避けるためである。これについて、図4を参照して説明する。図4(a)は、本実施形態の締結構造の概略図である。
既述した通り、本実施形態では、ナット18の座面と、ボルト22の頭部25との間に、制御基板34を挟み込んでおり、この三者は、強固に締結されている。一方、ナット18は、取付プレート32による押し付け力によりPCUケース12に押しつけられているが、当該取付プレート32とナット18のフランジ部19との間には、Oリング30が介在している。このOリング30の弾性力により、上下振動が効果的に吸収できる。特に、PCU10を、T/Aケース102に直載した場合、モータジェネレータ等の駆動に伴い高周波の振動が発生するが、本実施形態では、Oリング30を介在させているため、高周波の振動も安定して吸収できる。
また、本実施形態によれば、取付プレート32の押し付け力のうち過大な部分は、Oリング30に吸収されるため、ナット18とPCUケース12との連結力は、比較的、小さい。また、ナット18の最大外周と挿入穴16の内周面との間には、ある程度の隙間が設けられている。そのため、ナット18と、当該ナット18と強固に連結されているボルト22および制御基板34は、比較的、小さい力であっても、PCUケース12に対して面方向に相対移動できる。その結果、PCUケース12と制御基板34との線膨張率の違いに起因するズレも吸収することができる。
例えば、車両の内部が低温になり、PCUケース12が収縮した場合を考える。この場合、PCUケース12に設けられた筒状部14は、図4(a)に示すように、筒状部間距離が小さくなる方向にスライド移動する。一方、ナット18は、PCUケース12との締結力が小さく、かつ、挿入穴16の内周面との間に隙間を有しているため、ナット18および当該ナット18に締結されたボルト22と制御基板34は、PCUケース12(筒状部14)に追従することなく、その場に留まる。そして、PCUケース12と制御基板34との線膨張率の違いに起因するズレは、Oリング30により吸収され、制御基板34に面方向の応力は作用しない。そして、結果として、制御基板34に形成された回路パターンの劣化や、半田クラック等を効果的に防止でき、制御基板34の信頼性を高めることができる。また、筒状部14が、スライド移動した場合でも、Oリング30が、せん断変形しながらもナット18を適正な力で押さえ続けるため、この場合であっても、上下振動を効果的に吸収できる。
また、本実施形態では、制御基板34を、鉄製のナット18の座面に直接、載置している。そのため、制御基板34で生じた熱は、熱伝動率の高い鉄製のナット18を介して、効率的にPCUケース12に伝達される。その結果、サーコンシート等の別部品を用いなくても、制御基板34の発熱を、効率的に放熱でき、ひいては、PCU10の小型化やコスト低減が可能となる。また、放熱を効率的に行えることで、制御基板34の更なる高密度化が可能となり、更なる、小型化が可能となる。
また、制御基板34の裏面に配されたGNDラインを鉄製のナット18の座面に接触させることで、バスバー等の別部品を用いなくても、GNDラインとPCUケース12とを電気的に接続することができる。結果として、PCU10の小型化、コスト低減を可能としつつも、ノイズを低減できる。
以上、説明したように、本実施形態によれば、振動の影響を低減しつつも、PCU10の信頼性を向上でき、さらには、PCU10の小型化、コスト低減も可能となる。
なお、上述した構成は、一例であり、適宜、構成を変更してもよい。例えば、図5に示すように、ナット18の座面に、径方向に延びる複数の溝18aを設けてもよい。かかる溝18aを設けることにより、ナット18の制御基板34に対する回転が効果的に防止され、螺合が緩むことが効果的に防止される。なお、溝18aの形状は、ナット18が制御基板34に対して回転する際の抵抗となり得る形状であれば、特に限定されず、例えば、網目模様等であってもよい。
また、ナット18の座面に溝18aを設ける場合には、図6に示すように、制御基板34の裏面(ナット18に対向する側の面)に、当該溝18aと係合する溝(図示せず)が形成されたワッシャ38を固着してもよい。この場合、ワッシャ38は、接着剤や半田付け等で、制御基板34に強固に固着されることが望ましい。かかるワッシャ38を設けることにより、ナット18の制御基板34に対する回転がより確実に防止される。
また、別の形態として、ナット18を、図7に示すように上面視非円形(例えば角部に円弧が形成された略長方形等)としてもよい。この場合、当該ナット18が挿入される挿入穴16も、上面視非円形(ナット18の外形と相似形)とする。かかる構成とすることで、ナット18が、挿入穴16の内部で、回転することが確実に防止され、螺合の緩みが、より確実に防止される。なお、図7に示すように、ナット18および挿入穴16を、上面視で一方向に長尺な形状とする場合には、当該長尺方向が、リジット固定される締結箇所(取付孔40a)に向かうような配置とすることが望ましい。すなわち、上述した通り、本実施形態では、複数の締結箇所のうち、一カ所だけは、ナット18と挿入穴16(PCUケース12)が相対移動しないリジット固定としている。PCUケース12は、温度変化に伴い伸縮した場合、このリジット固定箇所、例えば、図3の取付孔40aに対応する締結箇所を基準として、ナット18に対してスライド移動する。換言すれば、温度変化が生じた場合、各挿入穴16のナット18に対するスライド方向は、リジット固定位置(取付孔40aに対応する位置)と当該挿入穴16とを結ぶ直線方向になる。例えば、図3において、取付孔40bに対応する挿入穴16は、取付孔40aと取付孔40bとを結んだ矢印B方向に、取付孔40cに対応する挿入穴16は、取付孔40aと取付孔40cとを結んだ矢印C方向に、それぞれ、スライド移動する。ナット18を上面視において、一方向に長尺な形状とする場合には、当該長尺方向と挿入穴16のスライド方向を一致させる、すなわち、ナット18をリジット固定箇所に向かうような方向に長尺な形状とすることが望ましい。
また、これまでの説明では、筒状部14とは、別体の取付プレート32をカシメて、ナット18およびOリング30をPCUケース12に取り付けていたが、図8に示すように、筒状部14の先端を内側に折り曲げて、当該先端でフランジ部19を、Oリング30を介して挿入穴16の底面(PCUケース12)に押しつけ、固定するようにしてもよい。この場合、当該折り曲げ箇所が、ナット18を筒状部14の底面に押し付けるカシメ蓋として機能する。そして、かかる構成とした場合、取付プレート32が不要となるため、全体としての部品点数を低減でき、コストをより低減できる。
また、これまでの説明では、ナット18をPCUケース12に取り付ける場合を例示したが、図9に示すように、ボルト22をPCUケース12に取り付けるようにしてもよい。この場合、ボルト22は、フランジ部22a、フランジ部22aより小径の中間部22b、中間部22bより小径の雄ネジ部22cを有した段付形状とすることが望ましい。そして、フランジ部22aが下になるように、当該ボルト22をPCUケース12に形成された筒状部14の内部に設置したうえで、フランジ部22aに配置されたOリング30を介して、フランジ部22aをPCUケース12に押しつけ、ボルト22を固定する。制御基板34を取り付ける場合には、当該制御基板34の取付孔40が雄ネジ部22cを通過するように、制御基板34をセットする。そして、雄ネジ部22cにナット18を螺合させ、当該ナット18とボルト22の中間部22bとで制御基板34を挟み込む。かかる構成とすることで、制御基板34の裏面は、中間部22bと雄ネジ部22cとの段差面に接触する。この接触により、ボルト22を介したGND接続や、放熱が可能となる。また、ボルト22は、Oリング30を介した、比較的小さい力でPCUケース12に押し付けられているため、温度変化に伴いPCUケース12が伸縮したとしても、PCUケース12に追従することなく、その場に留まる。結果として、制御基板34に面方向の応力が作用しない。制御基板34の疲労劣化が生じにくいため、制御基板34の寿命や信頼性を高めることができる。
12 PCUケース、14 筒状部、16 挿入穴、18 ナット、19 フランジ部、22 ボルト、30 Oリング、32 取付プレート、34 制御基板、38 ワッシャ、40 取付孔、50 ボス座、100 T/A、102 T/Aケース。

Claims (4)

  1. 車載のトランスアクスルに直載される電力制御ユニットの金属製ケース内に制御基板を締結する締結構造であって、
    前記金属ケースの内側面に設けられた筒状部と、
    基端にフランジ部を有したナットであって、当該フランジ部が前記筒状部の底面に接するべく前記筒状部内に収容されるナットと、
    弾性材料からなる弾性リングであって、前記フランジ部上に配置され、前記ナットの外周面と前記筒状部の内周面との間に詰め込まれる弾性リングと、
    前記筒状部の先端を内側に折り曲げる、または、前記筒状部の上端開口に板材をカシメて形成されるカシメ蓋であって、前記弾性リングを介して前記フランジ部を前記筒状部の底面に押し付けるカシメ蓋と、
    前記制御基板に形成された取付孔を貫通して、前記ナットに螺合するボルトと、
    を備えることを特徴とする締結構造。
  2. 請求項1に記載の締結構造であって、
    前記制御基板は、前記ナットの先端面である座面に載置される、ことを特徴とする締結構造。
  3. 請求項1または2に記載の締結構造であって、
    前記ナットの先端面である座面には、前記制御基板に対する前記ナットの回転抵抗となる溝が形成されている、ことを特徴とする締結構造。
  4. 車載のトランスアクスルに直載される電力制御ユニットの金属製ケース内に制御基板を締結する締結構造であって、
    前記金属ケースの内側面に設けられた筒状部と、
    その基端にフランジ部を有したボルトであって、当該フランジ部が前記筒状部の底面に接するべく前記筒状部内に収容されるボルトと、
    弾性材料からなる弾性リングであって、前記フランジ部上に配置され、前記ボルトの外周面と前記筒状部の内周面との間に詰め込まれる弾性リングと、
    前記筒状部の先端を内側に折り曲げる、または、前記筒状部の上端開口に板材をカシメて形成されるカシメ蓋であって、前記弾性リングを介して前記フランジ部を前記筒状部の底面に押し付けるカシメ蓋と、
    前記制御基板に形成された取付孔を貫通した前記ボルトの雄ネジと螺合するナットと、
    を備えることを特徴とする締結構造。
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