JP2014241245A - 電池モジュールおよび電池モジュールの製造方法 - Google Patents

電池モジュールおよび電池モジュールの製造方法 Download PDF

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博人 西口
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達典 岡田
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Abstract

【課題】消炎素子の目詰まりによるモジュール内の圧力上昇を防止するとともに、排気ガス中の火花を除去することのできる電池モジュールを得ることができる。【解決手段】電池モジュール内の単電池(10)に異常が発生した場合にガス放出弁(12)から排出される排気ガスが排気ダクト(30)を経由して集気バッグ(50)に捕集される際に通過する消炎素子(32)を複数箇所に分散して配置するとともに、複数の消炎素子の配置を排気ダクトの上流側から下流側に進むにしたがって消炎効果が高くなるように構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、異常時に単電池内で排気ガスが発生した場合であっても、消炎素子の目詰まりによるモジュール内の圧力上昇を防止するとともに、排気ガス中の火花の発生を抑制することのできる電池モジュールおよびその製造方法に関するものである。
一般的なリチウムイオン二次電池は、リチウムを含む複合金属酸化物を活物質として含む正極と、炭素材料を負極活物質として含む負極と、正負極間を絶縁するポリオレフィン多孔膜セパレータと、非水系電解液とが容器に封入されて構成される。また、リチウムイオン二次電池は、高エネルギー密度および高出力密度を満たすので、電子機器用途の小型のものから車両用途およびスマートグリッド蓄電用途の大型のものまで幅広く使用されている。
しかしながら、リチウムイオン二次電池は、高エネルギー密度および高出力密度であるので、仮に使用方法を誤り異常が発生すれば、急激な膨張現象が生じる可能性がある。例えば、過充電によって電解液が分解したり、外部から与えられた局所的な衝撃等が影響して生じた短絡によって瞬時に多量の電流が流れたりすることで発熱する。また、このような発熱または分解反応によって発生したガスによって電池内圧が高くなれば、電池が膨れ、急激な膨張現象が生じてしまう。
そこで、従来では、リチウムイオン二次電池(単電池)に安全弁を設け、異常時に発生したガスを電池内から電池モジュールの外部へ排出することで電池内圧の上昇を防止する構造が提案されている。
具体的には、単電池に設けられた安全弁から排出された排気ガスを、ガス吸収剤に吸着させた上で、外部のガス回収袋で回収する構造がある(例えば、特許文献1参照)。また、単電池に設けられた安全弁から排出された排気ガス中に火花が生じないように、火花トラップ(消炎素子)が設けられるとともに、排気ガスを冷却した上で大気中に排出する構造がある(例えば、特許文献2参照)。
特開2012−243519号公報 特開2008−117765号公報
しかしながら、従来技術には以下のような課題がある。
特許文献1に記載の従来技術においては、電池内で発生した排気ガスを安全弁から排出する際に、液状の電解液が噴出したり、電極等の固形物が噴出したりすることがあり、ガス吸収材にこれらが詰まることがある。したがって、このように目詰まりしたガス吸収剤に排気ガスを吸着させる際、排気ガスがスムーズに流れず、結果として、モジュール内の圧力(電池内圧)が上昇する可能性があるという問題点があった。
また、特許文献2に記載の従来技術においては、排気ガス中に火花が生じないように火花トラップが設けられるとともに、排気ガスが冷却されるが、大気中に排出される際のガス濃度が高濃度になってしまう可能性があるという問題点があった。
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、消炎素子の目詰まりによるモジュール内の圧力上昇を防止するとともに、排気ガス中の火花の発生を抑制することのできる電池モジュールおよび電池モジュールの製造方法を得ることを目的とする。
本発明における電池モジュールは、複数の単電池がセパレータを介して組み付けられた電池モジュールであって、複数の単電池のそれぞれは、電池内部で発生した排気ガスの圧力があらかじめ設定した第1閾値圧力に達すれば開くガス放出弁が設けられており、ガス放出弁が開いた場合に電池内部で発生した排気ガスを流れ込ませるための排気ガス導入部が複数の単電池のそれぞれに対応して設けられ、ガス放出弁および排気ガス導入部を介して複数の単電池のそれぞれと接続される排気ダクトと、排気ダクト内に分散配置して設けられた複数の消炎素子と、排気ダクトの一端に接続され、複数の単電池のそれぞれに対応した排気ガス導入部から排気ダクト内に流れ込み、複数の消炎素子の少なくとも1つを通過した排気ガスを捕集する集気バッグと、を備え、複数の消炎素子は、排気ダクトの上流側から下流側に進むにしたがって、排気ガス中の火花を除去するための消炎効果が高くなるようにして分散配置されているものである。
本発明における電池モジュールの製造方法は、複数の単電池のそれぞれから流れ込む排気ガスを集気バッグに捕集するために、複数の単電池のそれぞれと集気バッグとを、排気ダクトを介して接続する工程の前工程として、排気ダクトの上流側から下流側に進むにしたがって、排気ガス中の火花を除去するための消炎効果が高くなるように、排気ダクトの内部に複数の消炎素子を分散配置することで排気ダクトを製造する工程を備えるものである。
本発明によれば、電池モジュール内の単電池に異常が発生した場合にガス放出弁から排出される排気ガスが排気ダクトを経由して集気バッグ内に捕集される際に通過する消炎素子を複数箇所に分散して配置するとともに、複数の消炎素子の配置を排気ダクトの上流側から下流側に進むにしたがって消炎効果が高くなるように構成する。これにより、消炎素子の目詰まりによるモジュール内の圧力上昇を防止するとともに、排気ガス中の火花を除去することのできる電池モジュールおよび電池モジュールの製造方法を得ることができる。
本発明の実施の形態1における電池モジュールの外観構成を示す説明図である。 本発明の実施の形態1における電池モジュールの内部構成を示す説明図である。 本発明の実施の形態1における電池モジュールの内部構成の別例を示す説明図である。 本発明の実施の形態1における電池モジュールの排気ダクトに接続される集気バッグの通常時の様子を示す説明図である。 本発明の実施の形態2における電池モジュールの内部構成を示す説明図である。
以下、本発明による電池モジュールおよび電池モジュールの製造方法を、好適な実施の形態にしたがって図面を用いて説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、この電池モジュールは、例えば、車両用または蓄電システムとして使用される。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における電池モジュールの外観構成を示す説明図である。この図1における電池モジュールは、電池端子11を有する複数の単電池10、複数のセパレータ20、排気ダクト30、2枚の端板40および集気バッグ50を備える。
また、電池モジュールにおいて、複数の単電池10が組み付けられた構成となっており、各単電池10の間には、電気的な接触を防ぐためにセパレータ20が設けられている。また、端部においては、単電池10と、後述する端板40との間にセパレータ20が設けられている。
なお、単電池10としては、例えば、角形リチウムイオン二次電池を用いればよい。また、セパレータ20としては、各単電池10の間で電気的な接触を防ぐための絶縁性の板であればよく、例えば、樹脂板、樹脂で皮膜した金属板または樹脂板および金属板を組み合わせた板を用いればよい。
排気ダクト30は、各単電池10の電池端子11と接触しないように、各単電池10の上部において、各単電池10と接続されている。さらに、排気ダクト30は、その一端に伸縮性の集気バッグ50が接続されている。このような構成を備えることで、各単電池10内で発生した排気ガスは、この排気ダクト30内を流れ、最終的に集気バッグ50に捕集される。
端板40は、セパレータ20を介して、組み付けられた単電池10の両側(両端側)に設けられており、電池モジュールを固定する。また、これらの両側から適度な面圧を印加することによって、振動等による電池モジュールの不具合を低減するとともに、電池サイズが膨らむといった単電池10の変動が生じないように状態を保持することができる。なお、端板40を用いる代わりに、電池モジュールを筐体に入れて面圧を印加せずに固定するようにしてもよい。
次に、各単電池10および排気ダクト30の接続構造と、排気ダクト30および集気バッグ50の接続構造との詳細について、図2を参照しながら説明する。図2は、本発明の実施の形態1における電池モジュールの内部構成を示す説明図である。なお、図2は、先の図1におけるY−Y’断面図に相当する。
各単電池10の上部には、ガス放出弁12が設けられており、排気ダクト30には、各単電池10と接続できるように、排気ガス導入部31が設けられている。また、ガス放出弁12および排気ガス導入部31を介して、各単電池10と、排気ダクト30とが接続される際には、気密性を高めるためにシール部材60が用いられる。さらに、ガス放出弁12が開けば、排気ガス導入部31から排気ダクト30内に排気ガスが流れ込む。
なお、ガス放出弁12は、閾値圧力がかかると機械的に開く弁であり、単電池10内で発生した排気ガスの圧力(単電池10の内圧)がこの閾値圧力に達すれば開く。また、閾値圧力においては、ガス放出弁12として用いる弁の種類に応じて所望の圧力値をあらかじめ設定することができる。
排気ダクト30内には、複数の消炎素子32が設けられており、排気ダクト30内に流れ込む排気ガスは、この消炎素子32を通過しながら集気バッグ50に向かって流れる。そして、前述したように、消炎素子32を通過した排気ガスが集気バッグ50に捕集されることとなる。
消炎素子32は、ガス放出弁12から排出される排気ガス中の火花を除去するために用いられるものであり、排気ガスが流れる向きに対して、mmオーダー以下の貫通孔を有している。排気ガスがこの貫通孔を通過すれば、通過後の排気ガス中の火花が除去される。
なお、消炎素子32としては、例えば、耐熱性の無機材料、またはこのような無機材料を複数配合した材料を押出成形または焼結等をさせて多孔質の板状としたものが用いられる。このような無機材料の一例として、例えば、Al2O3(酸化アルミニウム)、ZrO2(酸化ジルコニウム)、SiO2(酸化珪素)、TiO2(酸化チタン)、MgO(酸化マグネシウム)、SnO2(酸化錫)およびZnO2(酸化亜鉛)等といった金属酸化物等が挙げられる。また、消炎素子32に前述したガス吸収剤としての機能を併せて持たせてもよい。
また、消炎素子32として、銅、アルミ、鉄およびステンレス等といった金属、またはこれらを合金化した金属をメッシュ形状としたものを用いてもよいし、これらの金属板を波板形状にして渦状に巻く等したものを用いてもよい。
ここで、ガス放出弁12から排気ガスが排出される以外にも、液状の電解液または電極を構成する固形物(以下、電池内容物と称す)がともに噴出された場合、電池内容物が影響して、消炎素子の貫通孔の目詰まりが生じる可能性がある。
したがって、集気バッグ50の入口付近に消炎素子32を1個だけしか配置しなければ、各単電池10から発生した排気ガスがすべて1個の消炎素子32を通過することとなる。また、このような場合、1個の消炎素子32で排気ガス中の火花を抑制するために、消炎効果を高める必要があるので、素子厚みを厚くせざるを得ない。そのため、すぐにその消炎素子32の貫通孔の目詰まりが生じてしまい、結果として、排気ガスがスムーズに流れないので、モジュール内の圧力が上昇する可能性がある。
そこで、本願発明では、排気ダクト30内に複数の消炎素子32(32(1)〜32(n))を分散配置することで、消炎素子32の貫通孔の目詰まりが生じることを抑制している。
また、排気ダクト30の上流側に位置する単電池10からの排気ガスが集気バッグ50に流れ込むまでに、消炎素子32(1)〜32(n)を通過することとなり、上流側に位置する単電池10からの排気ガスほど通過する消炎素子32の個数が多い。
したがって、排気ダクト30の最上流側に位置する消炎素子32(1)の素子厚みが最も薄く、上流側から下流側に進むにしたがって、素子厚みが厚くなっていき、最下流側に位置する消炎素子32(n)の素子厚みが最も厚くなるように構成している。すなわち、排気ダクト30の上流側から下流側に進むにしたがって、消炎素子32の消炎効果が大きくなるように構成している。
このように構成することで、消炎素子32(1)〜32(n)の素子厚みを同じ厚みにする場合と比べて、貫通孔の目詰まりが生じることをより抑制することが可能となる。なお、図2における排気ダクト30内に設けられる消炎素子32のそれぞれの貫通孔の目の粗さ(貫通孔の径である貫通孔径)については、同等となるように構成している。
排気ダクト30内の消炎素子32を以上のような配置構成にすることで、消炎素子32の貫通孔の目詰まりの発生を抑制することができる。また、消炎素子32の素子厚みが厚いほど消炎効果が大きいので、上流側において液状または固体状の内容物を濾しとりながら消炎した場合に消炎機能が不十分で火花が残っていても、下流側の消炎素子32で完全に除去することができる。したがって、火花が発生していない状態で排気ガスが集気バッグ50内に捕集されることとなる。
また、図3は、本発明の実施の形態1における電池モジュールの内部構成の別例を示す説明図である。この図3に示すように、排気ダクト30の最上流側に位置する消炎素子32(1)の貫通孔径が最も大きく、上流側から下流側に進むにしたがって、貫通孔径が小さくなっていき、最下流側に位置する消炎素子32(n)の貫通孔径が最も小さくなるように構成してもよい。
図3に示すような構成とすることで、複数の消炎素子32のそれぞれの素子厚みを排気ダクト30の上流側から下流側に進むにしたがって厚くした場合と同様の効果が得られる。また、このような構成にした場合、排気ダクト30の上流側から下流側に進むにしたがって、消炎素子32の消炎効果が大きくなる。なお、複数の消炎素子32の素子厚みについては、すべて同等となるように構成することもできるが、先の図2と同様に、排気ダクト30の上流側から下流側に進むにしたがって厚くなるように構成してもよい。
なお、ガス放出弁12から排出される高温の排気ガスまたは噴出される電解液等の電池内容物によって排気ダクト30が簡単に破壊されないように、排気ダクト30として、金属材料または耐熱、耐薬品性の高い樹脂材料で構成されたものが用いられることが好ましい。また、このような金属材料の一例として、例えば、ステンレス、アルミニウム、銅、ニッケルおよび鉄等といった金属が挙げられる。また、このような樹脂材料の一例として、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PTFE(四フッ化エチレン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)およびフッ素樹脂等といった樹脂が挙げられる。
また、排気ダクト30が金属製の場合、さらに樹脂材料で金属材料を被覆するように構成してもよい。このように排気ダクト30の構成材料として、樹脂または樹脂で被覆した金属を用いることによって、排気ダクト30を介した各単電池10の間の電気的な接触を確実に防止することができる。
また、排気ダクト30にヒートシンクを設けることで排気ダクト30の放熱性能を高め、排気ガスの温度を速やかに下げて消炎効果をより高めた構造としてもよい。
また、各単電池10の電池端子11を保護するための端子保護カバーを設けてもよい。このような端子保護カバーを設けることで、電池端子11が異物と接触したり、異物を介して各電池端子11の間が短絡したりすることを防止することができる。さらに、各単電池10の上部に設けられる排気ダクト30とは別々に端子保護カバーを設けてもよいし、これらを一体化させたものを設けてもよい。
また、排気ダクト30を各単電池10に接続するときにガス放出弁12からの排気ガスが漏れなく排気ダクト30内に流れ込むように、排気ガス導入部31の位置が決定されている。さらに、ガス放出弁12からの排気ガスが周囲に漏れ出さず速やかに排気ダクト30に流れ込むように、排気ガス導入部31と、単電池10とが接触する位置においては、フッ素ゴム、ブチルゴム、アクリルゴムおよびシリコンゴム等といった材料からなるシール部材60を用いることが好ましい。
また、ガス放出弁12から排出される高温の排気ガスまたは噴出される電解液等の電池内容物によって集気バッグ50が簡単に破壊されないように、集気バッグ50として、耐熱性、耐薬品性を有する材料で構成されたものが用いられることが好ましい。また、このような材料の一例として、例えば、PET、PTFE、PPSおよびフッ素樹脂等といった樹脂フィルムならびに樹脂フィルムに金属蒸着を施してより機密性を高めたもの等が挙げられる。このような材料で構成された集気バッグ50を設けることで、排気ダクト30内を流れる排気ガスが集気バッグ50内に捕集される(蓄えられていく)ので、外部への急激な排気ガスの排出を防止することができる。
次に、図4は、本発明の実施の形態1における電池モジュールの排気ダクト30に接続される集気バッグ50の通常時の様子を示す説明図である。集気バッグ50は、通常時(電池モジュール内の単電池10に異常が発生していない時)において、この図4に示すように、蛇腹状に折り畳まれている。
なお、集気バッグ50は、図4に示すような、蛇腹状に折り畳まれている場合に限定されず、例えば、渦巻き状に畳んでもよい。また、単電池10の内圧が上昇して排気ガスが集気バッグ50に捕集される際には、集気バッグ50が即座に膨らむ構造であることが好ましい。
また、電池モジュールを筐体内に設置する際、集気バッグ50が筐体外部に位置するようにすれば、電池モジュールの設計自由度を向上させることができる。さらに、電池モジュールを設置したシステム(例えば、車両システム等)の外部で集気バッグ50が膨らむ構造とすれば、集気バッグ50によってシステムの空間設計に影響を与えることがないようにすることができる。
以上、本実施の形態1によれば、電池モジュール内の単電池に異常が発生した場合にガス放出弁から排出される排気ガスが排気ダクトを経由して集気バッグ内に捕集される際に通過する消炎素子を複数箇所に分散して配置するとともに、複数の消炎素子の配置を排気ダクトの上流側から下流側に進むにしたがって消炎効果が高くなるように構成する。これにより、消炎素子の目詰まりによるモジュール内の圧力上昇を防止するとともに、排気ガス中の火花を除去することができる。また、排気ガスは、上流側から下流側に進むにしたがって消炎効果が高くなるように複数の消炎素子が設けられた排気ダクト内を流れて最終的に集気バッグ内に捕集されるので、排気ガスが外部に排出されることがない。
実施の形態2.
先の実施の形態1では、集気バッグ50内に排気ガスが捕集される場合について説明した。これに対して、本発明の実施の形態2では、集気バッグ50に設けられた排気弁51から捕集された排気ガスが内圧に応じて外部に排出される場合について説明する。
図5は、本発明の実施の形態2における電池モジュールの内部構成を示す説明図である。本実施の形態2における電池モジュールは、先の実施の形態1と同様の構成に加え、さらに、集気バッグ50に排気弁51が設けられている。なお、図5においては、先の図2における電池モジュールの集気バッグ50に排気弁51を設ける場合を例示しているが、図3に対しても、同様に適用可能である。
排気弁51は、逆止機構を有する弁であり、その逆止効果によって外部から排気ダクト30内への水分または不純物の進入が防止される。さらに、この排気弁51は、ガス放出弁12と同様に、閾値圧力がかかると機械的に開く弁であり、集気バッグ50内の圧力(排気ガスの圧力)がこの閾値圧力に達すれば開く。なお、閾値圧力においては、排気弁51として用いる弁の種類に応じて所望の圧力値をあらかじめ設定することができる。
排気ガスが排気ダクト30を経由して集気バッグ50内に流れ込むと、集気バッグ50が膨らみ、単電池10の内圧の上昇が抑制される。また、多量の排気ガスが発生し、集気バッグ50内の圧力が閾値圧力にまで上昇した場合、排気弁51が開き、排気ガスが外部へと排出される。その後、集気バッグ50内の排気ガスが一定量排出され、集気バッグ50内の圧力が閾値圧力未満にまで下がった場合、排気弁51は、機械的に再び閉まり、排気ガスの外部への排出が停止される。
ここで、排気弁51が設けられた集気バッグ50を電池モジュールに備えることなく、大気中(外部)に排気ガスを排出した場合、大気中におけるガス濃度が急激に上昇し高濃度となってしまう可能性がある。これに対して、本実施の形態2では、集気バッグ50内の排気ガスが閾値圧力に達した場合に排気弁51が開くことで排出されるので、前述した場合と比べて、ガス濃度の上昇が緩やかとなるので、高濃度の排気ガスが排出されることがない。
この結果、単電池10の内圧の上昇によって生じる電池モジュールの破損を抑制することができるとともに、外部へ排出される際の排気ガスの濃度上昇が緩やかになり、高濃度の排気ガスの外部への排出を防止することができる。
以上、本実施の形態2によれば、集気バッグに設けられた排気弁から捕集された排気ガスが内圧に応じて、集気バッグから外部に排出されることにより、排気ガスが外部へ排出される際の排気ガスの濃度上昇が緩やかになり、急激にガス濃度が高濃度の状態になることを防止することができる。
なお、本実施の形態1、2では、本願発明における電池モジュールの一例を示したに過ぎず、実施の形態1、2で示した内容に限定されるものではない。また、図面は、簡略化して書かれており、寸法および形状は、必ずしも正確ではない。
また、本実施の形態1、2における電池モジュールを製造する場合においては、集気バッグ50が一端に接続された排気ダクト30を製造するダクト製造ステップと、ガス放出弁12を有する複数の単電池10がセパレータ20を介して組み付けられた電池モジュールに対してダクト製造ステップで製造した排気ダクト30を接続するダクト接続ステップとを備えることを技術的特徴としている。
また、ダクト製造ステップは、排気ダクト30の一端に集気バッグ50を接続する第1ステップと、排気ダクト30と、複数の単電池10のそれぞれとを接続するための排気ガス導入部31を設ける第2ステップと、排気ダクト30の上流側から下流側に進むにしたがって、排気ガス中の火花を除去するための消炎効果が高くなるように、排気ダクトの内部に複数の消炎素子を分散配置する第3ステップとを有する。
また、本実施の形態1、2では、排気ダクト30の各排気ガス導入部31の間に各消炎素子32を配置する場合を例示したが、これに限定されない。すなわち、排気ダクト30の上流側から下流側に進むにしたがって、消炎素子32の消炎効果が大きくなるように、集気バッグ50の入口付近に1個の消炎素子32と、これとは異なる少なくとも1個の消炎素子32を排気ダクト内に配置すればよく、各排気ガス導入部31の間のすべてに消炎素子32を配置しなくても同様の効果が得られる。
また、実施の形態1、2では、ガス放出弁12および排気弁51の別例として、別途設けられた圧力センサによって検出される圧力に応じて開度が制御されるようにそれぞれの弁を電磁弁等によって構成しても同様の効果が得られる。
また、本実施の形態1、2では、リチウムイオン二次電池に適用する場合について例示したが、本願発明は、リチウムイオン二次電池だけでなく、リチウム/二酸化マンガン電池等の一次電池、その他の二次電池に対しても適用しても同様の効果が得られる。
10 単電池、11 電池端子、12 ガス放出弁、20 セパレータ、30 排気ダクト、31 排気ガス導入部、32 消炎素子、40 端板、50 集気バッグ、51 排気弁、60 シール部材。

Claims (5)

  1. 複数の単電池がセパレータを介して組み付けられた電池モジュールであって、
    前記複数の単電池のそれぞれは、
    電池内部で発生した排気ガスの圧力があらかじめ設定した第1閾値圧力に達すれば開くガス放出弁が設けられており、
    前記ガス放出弁が開いた場合に前記電池内部で発生した前記排気ガスを流れ込ませるための排気ガス導入部が前記複数の単電池のそれぞれに対応して設けられ、前記ガス放出弁および前記排気ガス導入部を介して前記複数の単電池のそれぞれと接続される排気ダクトと、
    前記排気ダクト内に分散配置して設けられた複数の消炎素子と、
    前記排気ダクトの一端に接続され、前記複数の単電池のそれぞれに対応した排気ガス導入部から前記排気ダクト内に流れ込み、前記複数の消炎素子の少なくとも1つを通過した前記排気ガスを捕集する集気バッグと、
    を備え、
    前記複数の消炎素子は、前記排気ダクトの上流側から下流側に進むにしたがって、前記排気ガス中の火花を除去するための消炎効果が高くなるようにして分散配置されている
    電池モジュール。
  2. 請求項1に記載の電池モジュールにおいて、
    分散配置された前記複数の消炎素子は、前記排気ダクトの上流側から下流側に進むにしたがって前記消炎効果を高めるために、前記排気ダクト内で下流側に配置される消炎素子ほど、素子厚みが厚くなるように構成されている
    電池モジュール。
  3. 請求項1または2に記載の電池モジュールにおいて、
    分散配置された前記複数の消炎素子は、前記排気ダクトの上流側から下流側に進むにしたがって前記消炎効果を高めるために、前記排気ダクト内で下流側に配置される消炎素子ほど、前記排気ガスが通過する貫通孔の径が小さくなるように構成されている
    電池モジュール。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の電池モジュールにおいて、
    前記集気バッグ内に捕集された前記排気ガスの圧力があらかじめ設定した第2閾値圧力に達すれば開く排気弁を備え、
    前記排気弁は、逆止機構を有しており、前記集気バッグに設けられる
    電池モジュール。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の電池モジュールを製造する方法であって、
    前記複数の単電池のそれぞれから流れ込む排気ガスを前記集気バッグに捕集するために、前記複数の単電池のそれぞれと前記集気バッグとを、前記排気ダクトを介して接続する工程の前工程として、
    前記排気ダクトの上流側から下流側に進むにしたがって、前記排気ガス中の火花を除去するための消炎効果が高くなるように、前記排気ダクトの内部に前記複数の消炎素子を分散配置することで前記排気ダクトを製造する工程
    を備える電池モジュールの製造方法。
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