JP2014239161A - 端子ボックス - Google Patents

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慎治 中園
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Abstract

【課題】十分な放熱を行うための製造コストを低減できる端子ボックスを得ること。
【解決手段】端子ボックスは、太陽電池モジュールの出力部を構成する端子ボックスであって、第1の出力端子および第1の入力端子に接続された第1の端子板と、第2の出力端子および第2の入力端子に接続された第2の端子板と、第3の入力端子に接続された第3の端子板と、前記第1の端子板と前記第3の端子板とを接続する第1のバイパスダイオードと、前記第2の端子板と前記第3の端子板とを接続する第2のバイパスダイオードと、前記第1の端子板と前記第2の端子板を接続する第3のバイパスダイオードとを備え、前記第1のバイパスダイオードと前記第2のバイパスダイオードと前記第3のバイパスダイオードとは、それぞれ、ワイドバンドギャップ半導体を主成分とする材料で形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、端子ボックスに関する。
太陽光発電システムでは、家屋の屋根上に敷設した複数の太陽電池モジュールからの直流電力をインバータ等を介して各電器製品に供給する。複数の太陽電池モジュールは、各太陽電池モジュールの裏側に配置された端子ボックスを介して、モジュール連結ケーブルにて直列に接続される。
太陽電池モジュールでは、一般に太陽電池セルが直列に接続されたストリングが複数封止されて作製されており、そのストリングからの出力リード線が端子ボックス内に引き出されている。端子ボックスは、ストリングから引き出された出力リード線が一端に接続されるとともに他端にモジュール連結ケーブルが接続される複数枚の端子板と、各端子板間に架け渡されるバイパスダイオードとを備えている。
バイパスダイオードは、発電できない太陽電池セルをバイパスして保護するためのものである。すなわち、太陽電池モジュールの上に樹木や建物の影がかかったり、落ち葉が載ったりすると、それによって太陽光を遮られた太陽電池セルは発電することができなくなる。発電できない太陽電池セルは抵抗となるため、もしそこに電流が流れると発熱して温度上昇し、放置しておけば太陽電池セルの破壊に至ってしまう(ホットスポット現象)。このような発電できない太陽電池セルが存在する時、バイパスダイオードは、その発電できない太陽電池セルをバイパスして、他の正常な太陽電池セルで発電された電流を流すことができるので、発電できない太陽電池セルでの温度上昇を回避することができる。
特許文献1には、1つのストリングに対して並列接続されたバイパスダイオードと3つのストリングに対して並列接続された更なるダイオードとが配置された接続ボックスにおいて、バイパスダイオードと更なるダイオードとの各々がプリント回路板のプリント導体の金属面に接していることが記載されている。これにより、特許文献1によれば、バイパスダイオードと更なるダイオードとの各々を流れる電流による発生熱の大部分を吸収するとともに滞留及び放射によって熱を大気中に消散させるとされている。
ところで、発電できない太陽電池セルが存在してバイパスダイオードが動作する場合、バイパスダイオードには他の正常な多数の太陽電池セルで発電された電流(一般的に5〜10Aの大電流)が流れるため、順方向電流×順方向電圧による損失(電力消費)が発生し、それに伴う発熱が生じることになる。そして、この熱を十分に逃がすことが出来ないと、バイパスダイオードの定格温度を超えて破壊に至る可能性がある。
特許文献2には、第1端子板及び第2端子板が第1バイパスダイオードで接続され、第2端子板及び第3端子板が第2バイパスダイオードで接続された端子ボックス装置において、放熱面積が第3端子板、第1端子板、第2端子板の順に大きくなるように、第1乃至第3端子板の形状を形成することが記載されている。これにより、特許文献1によれば、熱の伝達経路および放熱経路を考慮して第1乃至第3端子板の温度をほぼ均一にできるので、第1および第2バイパスダイオードの温度が過度に上昇することがないとされている。
特開2000−315808号公報 特開2006−269803号公報
特許文献1に記載の技術において、バイパスダイオードと更なるダイオードとの各々に大電流(例えば、5〜10A)を流した場合、プリント導体の放熱面が片面に限られているとともにプリント導体の厚さが非常に薄く熱抵抗が大きいので、バイパスダイオードと更なるダイオードとの各々を流れる電流による発生熱を十分に逃がすことができないと考えられる。この熱を十分に逃がすことが出来ないと、バイパスダイオードと更なるダイオードとの各々の定格温度を超えて破壊に至る可能性がある。
また、仮に、特許文献1に記載の技術においてプリント導体の放熱性を上げることを考えた場合、プリント導体の放熱面積を増やすことが必要であるが、プリント回路板の面積が限られており、プリント導体の放熱面積を増やすことが困難である。また、プリント導体はメッキ処理で形成されていると考えられるため、プリント導体にフィン構造を設けることも困難である。すなわち、特許文献1に記載の技術では、プリント導体の放熱性を上げることが困難であり、大電流が流れた場合に十分な放熱を行うことが困難である。
一方、特許文献2に記載の端子ボックス内では、端子板の面積を広くし、その端子板にバイパスダイオードの素子本体を接触させる構造が採用されている。パイパスダイオードで発生した熱はこの端子板を介して放熱される。また、放熱性を向上させるために端子板にフィン構造(波状の放熱部)を設けることも提案されている。
特許文献2に記載の技術では、端子板の放熱性を上げるために、端子板の面積を広くすることや端子板にフィン構造を設けることが必要である。そのため、端子板の材料の使用量が多くなったり、フィン構造を設けるための加工費が多くかかったりする上に、その端子板を収納するために端子ボックスの容積が大きくなってしまい、またそれに伴って端子ボックス内の充電部を絶縁するために端子ボックス内に充填するポッティング材の使用量も多く必要となる可能性がある。すなわち、特許文献1に記載の技術では、端子ボックスの容積を小さくしにくく、材料使用量が増大しやすいため、端子ボックスの製造コストを低減することが困難である。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、十分な放熱を行うための製造コストを低減できる端子ボックスを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の1つの側面にかかる端子ボックスは、太陽電池モジュールの出力部を構成する端子ボックスであって、第1の出力端子および第1の入力端子に接続された第1の端子板と、第2の出力端子および第2の入力端子に接続された第2の端子板と、第3の入力端子に接続された第3の端子板と、前記第1の端子板と前記第3の端子板とを接続する第1のバイパスダイオードと、前記第2の端子板と前記第3の端子板とを接続する第2のバイパスダイオードと、前記第1の端子板と前記第2の端子板を接続する第3のバイパスダイオードとを備え、前記第1のバイパスダイオードと前記第2のバイパスダイオードと前記第3のバイパスダイオードとは、それぞれ、ワイドバンドギャップ半導体を主成分とする材料で形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、バイパスダイオードがワイドバンドギャップ半導体を主成分とする材料で形成されているので、バイパスダイオードの発熱自体を低減できるとともに耐熱温度を上昇できるので、端子板の放熱性を向上させる必要性を低減できる。これにより、端子板の面積を小さくできるとともに、端子板にフィン構造を設ける必要がなくなる。端子板の面積を小さくできるので、端子板の材料の使用量を低減できる。また、端子板の面積を小さくできるので、端子板を収容するための筐体の容積を低減でき、筐体内に充填するポッティング材の使用量を低減できる。さらに、端子板にフィン構造を設ける必要がなくなるため、端子板の加工費を低減できる。すなわち、端子ボックスの容積を小さくでき、材料使用量を低減できることに加えて、材料の加工費を低減できるため、十分な放熱を行うための端子ボックスの製造コストを低減できる。
図1は、実施の形態1にかかる端子ボックスが適用された太陽電池モジュールの構成を示す図である。 図2は、実施の形態1にかかる端子ボックスの構成を示す図である。 図3は、実施の形態1にかかる端子ボックスのポッティング材充填前の様子を示す図である。 図4は、実施の形態1にかかる端子ボックスのポッティング材充填後の様子を示す図である。 図5は、実施の形態2にかかる端子ボックスの構成を示す図である。 図6は、実施の形態2にかかる端子ボックスの構成を示す図である。 図7は、実施の形態3にかかる端子ボックスの構成を示す図である。 図8は、実施の形態3にかかる端子ボックスの構成を示す図である。 図9は、実施の形態4にかかる端子ボックスの構成を示す図である。 図10は、実施の形態4にかかる端子ボックスの構成を示す図である。
以下に、本発明にかかる端子ボックスの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
まず、実施の形態1にかかる端子ボックス100について図1〜図4を用いて説明する。図1は、端子ボックス100が適用された太陽電池モジュール1の構成を示す図である。図2は、端子ボックス100における各構成の配置関係を示す図である。図3は、端子ボックス100におけるポッティング材充填前の実装構成を示す図である。図4は、端子ボックス100におけるポッティング材充填後の実装構成を示す図である。
太陽光発電システム(図示せず)では、家屋の屋根上に敷設した複数の太陽電池モジュール1からの直流電力をインバータ等を介して各電器製品に供給する。複数の太陽電池モジュール1は、各太陽電池モジュール1の裏側に配置された端子ボックス100を介して、モジュール連結ケーブルCA1,CA2にて直列に接続される。
太陽電池モジュール1では、例えば、図1に示すように、直列に接続された複数の太陽電池セルSC−1〜SC−2kが封止されて作製されており、その太陽電池セルSC−1〜SC−2kからの出力リード線LL1〜LL3が端子ボックス100内に引き出されている。
例えば、直列に接続された複数の太陽電池セルSC−1〜SC−kは太陽電池ストリングSS−1を構成し、直列に接続された複数の太陽電池セルSC−(k+1)〜SC−2kは太陽電池ストリングSS−2を構成する。太陽電池ストリングSS−1は、中継リード線LL4を介して太陽電池ストリングSS−2に直列に接続されている。太陽電池ストリングSS−1は、+側端子が出力リード線LL1に接続され、−側端子が中継リード線LL4を介して出力リード線LL3に接続されている。太陽電池ストリングSS−2は、+側端子が中継リード線LL4を介して出力リード線LL3に接続され、−側端子が出力リード線LL2に接続されている。
端子ボックス100は、筐体101(図2,3参照)、複数枚の端子板TP1〜TP3、バイパスダイオードD1〜D3、及びポッティング材PM(図4参照)を備える。
筐体101は、複数枚の端子板TP1〜TP3及びバイパスダイオードD1〜D3を収容する。また、筐体101には、出力リード線LL1〜LL3やモジュール連結ケーブルCA1,CA2を通すための複数の開口が形成されている。筐体101は、例えば図3に示すように、内側筐体1011及び外側筐体1012を有していてもよい。内側筐体1011及び外側筐体1012のそれぞれは、例えば、絶縁体(例えば、絶縁性の樹脂)で形成されていてもよいし、表面に絶縁膜がコーティングされた導電体(例えば、鉄などの金属)で形成されていてもよい。
端子板(第1の端子板)TP1は、入力端子(第1の入力端子)IT1を介して出力リード線LL1が一端に接続され、出力端子(第1の出力端子)OT1を介して+側のモジュール連結ケーブルCA1が他端に接続されている。また、端子板TP1は、バイパスダイオードD1を介して端子板TP3が接続され、バイパスダイオードD3を介して端子板TP2が接続されている。端子板TP1は、例えば図3に示すように、導電体(例えば、銅などの金属)で形成された導電板TP11を有する。導電板TP11は、例えば、両面(図3の手前側の面及び奥行側の面)が放熱面として機能するとともに、熱抵抗を抑制するのに適した厚さを有する。
端子板(第2の端子板)TP2は、入力端子(第2の入力端子)IT2を介して出力リード線LL2が一端に接続され、出力端子(第2の出力端子)OT2を介して−側のモジュール連結ケーブルCA2が他端に接続されている。また、端子板TP2は、バイパスダイオードD2を介して端子板TP3が接続され、バイパスダイオードD3を介して端子板TP1が接続されている。端子板TP2は、例えば図3に示すように、導電体(例えば、銅などの金属)で形成された導電板TP21を有する。導電板TP21は、例えば、両面(図3の手前側の面及び奥行側の面)が放熱面として機能するとともに、熱抵抗を抑制するのに適した厚さを有する。
端子板TP3は、入力端子(第3の入力端子)IT3を介して出力リード線LL3が一端に接続されている。また、端子板TP3は、端子板TP1及び端子板TP2の間に配され、バイパスダイオードD1を介して端子板TP1が接続され、バイパスダイオードD2を介して端子板TP2が接続されている。端子板TP3は、例えば、導電体(例えば、銅などの金属)で形成された導電板TP31を有する。導電板TP31は、例えば、両面(図3の手前側の面及び奥行側の面)が放熱面として機能するとともに、熱抵抗を抑制するのに適した厚さを有する。
導電板TP11は、例えば、導電板TP31側に突出した第1の接続部と、導電板TP31側に突出した第2の接続部とを有する。導電板TP21は、例えば、導電板TP31側に突出し導電板TP31の近傍まで延びた第1の接続部と、導電板TP21側に突出した第2の接続部とを有する。導電板TP31は、例えば、導電板TP11側に突出した第1の接続部と、導電板TP21側に突出した第2の接続部とを有する。
バイパスダイオード(第1のバイパスダイオード)D1は、端子板TP1及び端子板TP3の間に架け渡されており、端子板TP1と端子板TP3とを接続している。すなわち、バイパスダイオードD1は、カソードが端子板TP1に接続され、アノードが端子板TP3に接続されている。バイパスダイオードD1は、例えば、図2に示すように、1つのダイオードD11を有し、図3に示すように、ダイオードD11を含むパッケージPCK1の状態で筐体101内に実装される。パッケージPCK1の端子電極PCK1aは、パッケージPCK1内でダイオードD11のカソードに接続され、実装状態において導電板TP11の第1の接続部に接続される。パッケージPCK1の端子電極PCK1bは、パッケージPCK1内でダイオードD11のアノードに接続され、実装状態において導電板TP31の第1の接続部に接続される。
また、バイパスダイオードD1は、端子板TP1に熱的に接触している。すなわち、パッケージPCK1の図3における奥行側の面は導電板TP11に接しており、ダイオードD11で発生した熱がパッケージPCK1を介して導電板TP11に伝達されるように構成されている。パッケージPCK1は、例えば、熱伝導性の良好な絶縁性の樹脂で形成されている。
バイパスダイオード(第2のバイパスダイオード)D2は、端子板TP3及び端子板TP2の間に架け渡されており、端子板TP3と端子板TP2とを接続している。すなわち、バイパスダイオードD2は、カソードが端子板TP3に接続され、アノードが端子板TP2に接続されている。バイパスダイオードD2は、例えば、図2に示すように、1つのダイオードD12を有し、図3に示すように、ダイオードD12を含むパッケージPCK2の状態で筐体101内に実装される。パッケージPCK2の端子電極PCK2aは、パッケージPCK2内でダイオードD12のカソードに接続され、実装状態において導電板TP31の第2の接続部に接続される。パッケージPCK2の端子電極PCK2bは、パッケージPCK2内でダイオードD12のアノードに接続され、実装状態において導電板TP21の第1の接続部に接続される。
また、バイパスダイオードD2は、端子板TP2に熱的に接触している。すなわち、パッケージPCK2の図3における奥行側の面は導電板TP21に接しており、ダイオードD12で発生した熱がパッケージPCK2を介して導電板TP21に伝達されるように構成されている。パッケージPCK2は、例えば、熱伝導性の良好な絶縁性の樹脂で形成されている。
バイパスダイオード(第3のバイパスダイオード)D3は、端子板TP1及び端子板TP2の間に架け渡されており、端子板TP1と端子板TP2とを接続している。すなわち、バイパスダイオードD3は、カソードが端子板TP1に接続され、アノードが端子板TP2に接続されている。バイパスダイオードD3は、例えば、図2に示すように、1つのダイオードD13を有し、図3に示すように、ダイオードD13を含むパッケージPCK3の状態で筐体101内に実装される。パッケージPCK3の端子電極PCK3aは、パッケージPCK3内でダイオードD13のカソードに接続され、実装状態において導電板TP11の第2の接続部に接続される。パッケージPCK3の端子電極PCK3bは、パッケージPCK3内でダイオードD13のアノードに接続され、実装状態において導電板TP21の第2の接続部に接続される。
また、バイパスダイオードD3は、端子板TP1に熱的に接触している。すなわち、パッケージPCK3の図3における奥行側の面は導電板TP11に接しており、ダイオードD13で発生した熱がパッケージPCK3を介して導電板TP11に伝達されるように構成されている。パッケージPCK3は、例えば、熱伝導性の良好な絶縁性の樹脂で形成されている。
なお、導電板TP11には、図3に示すように、一端側に入力端子IT1として機能する端子部TP11aが接続され、他端側に出力端子OT1として機能する端子部TP11bが接続されている。導電板TP11、端子部TP11a、端子部TP11bは、機械的に一体の部材となっていてもよい。導電板TP21には、図3に示すように、一端側に入力端子IT2として機能する端子部TP21aが接続され、他端側に出力端子OT2として機能する端子部TP21bが接続されている。導電板TP21、端子部TP21a、端子部TP21bは、機械的に一体の部材となっていてもよい。導電板TP31には、図3に示すように、一端側に入力端子IT3として機能する端子部TP31aが接続されている。導電板TP31、端子部TP31aは、機械的に一体の部材となっていてもよい。
ポッティング材PMは、図3に示す実装状態にある複数枚の端子板TP1〜TP3及びバイパスダイオードD1〜D3を覆うように筐体101内(内側筐体1011内)に充填される。すなわち、ポッティング材PMは、バイパスダイオードD1〜D3とバイパスダイオードD1〜D3に接続される端子板TP1〜TP3の接続部とを少なくとも覆うように充填される。これにより、ポッティング材PMは、筐体101内(内側筐体1011内)の充電部(複数枚の端子板TP1〜TP3)の周囲を絶縁させる。ポッティング材PMは、例えば図4に示すように、透明絶縁性の樹脂が用いられる。
このような端子ボックス100では、バイパスダイオードD1〜D3が、発電できない太陽電池セルをバイパスして保護するように動作する。すなわち、太陽電池モジュール1の上に樹木や建物の影がかかったり、落ち葉が載ったりすると、それによって太陽光を遮られた太陽電池セルは発電することができなくなる。発電できない太陽電池セルは抵抗となるため、もしそこに電流が流れると発熱して温度上昇し、放置しておけば太陽電池セルの破壊に至ってしまう(ホットスポット現象)。このような発電できない太陽電池セルが存在する時、バイパスダイオードは、その発電できない太陽電池セルをバイパスして、他の正常な太陽電池セルで発電された電流を流すことができる。
例えば、太陽電池ストリングSS−1中に発電できない太陽電池セルが存在する場合、太陽電池ストリングSS−2で発電された電力に応じた電流を、太陽電池ストリングSS−1をバイパスするようにバイパスダイオードD1に流す。
あるいは、例えば、太陽電池ストリングSS−2中に発電できない太陽電池セルが存在する場合、太陽電池ストリングSS−1で発電された電力に応じた電流を、太陽電池ストリングSS−2をバイパスするようにバイパスダイオードD2に流す。これにより、発電できない太陽電池セルでの温度上昇を回避することができる。
あるいは、例えば、太陽電池ストリングSS−1中と太陽電池ストリングSS−2中との両方に発電できない太陽電池セルが存在する場合、他の太陽電池モジュール1から−側のモジュール連結ケーブルCA2を介して流れてくる電流を、太陽電池ストリングSS−1,SS−2の両方をバイパスするようにバイパスダイオードD3に流す。これにより、発電できない太陽電池セルでの温度上昇を回避することができる。
ここで、仮に、バイパスダイオードD3が設けられていない場合を考える。この場合、太陽電池ストリングSS−1中と太陽電池ストリングSS−2中との両方に発電できない太陽電池セルが存在する場合に、他の太陽電池モジュール1から−側のモジュール連結ケーブルCA2を介して流れてくる電流は、バイパスダイオードD1及びバイパスダイオードD2の両方を流れる。これにより、バイパスダイオードD1及びバイパスダイオードD2の両方が発熱するので、端子ボックス100における発熱量が増大する可能性がある。
それに対して、実施の形態1では、上記のように、太陽電池ストリングSS−1中と太陽電池ストリングSS−2中との両方に発電できない太陽電池セルが存在する場合に、発熱するバイパスダイオードはバイパスダイオードD3の1個となり、バイパスダイオードD1及びバイパスダイオードD2の両方が発熱する場合より発熱量を抑えることができる。
ところで、発電できない太陽電池セルが存在してバイパスダイオードD1〜D3が動作する場合、バイパスダイオードD1〜D3には他の正常な太陽電池セルで発電された電流(一般的に5〜10Aの大電流)が流れるため、順方向電流×順方向電圧による損失(電力消費)が発生し、それに伴う発熱が生じることになる。そして、この熱を十分に逃がすことが出来ないと、バイパスダイオードD1〜D3の定格温度を超えて破壊に至る可能性がある。
ここで、仮に、ダイオードD11〜D13がシリコンを主成分とする材料で形成されている場合について考える。この場合、ダイオードD11〜D13に5〜10Aの大電流が流れると、ダイオードD11〜D13が顕著に発熱するので、端子板TP1〜TP3の面積を大きくするとともに端子板TP1〜TP3にフィン構造を設けることで端子板TP1〜TP3の放熱性を向上させる必要がある。このとき、端子板TP1〜TP3の面積を大きくするので、端子板TP1〜TP3の材料の使用量が多くなる傾向にある。また、端子板TP1〜TP3の面積を大きくするので、端子板TP1〜TP3を収容するための筐体101(内側筐体1011)の容積が大きくなってしまい、筐体101内(内側筐体1011内)に充填するポッティング材PMの使用量が多くなる傾向にある。さらに、端子板TP1〜TP3にフィン構造を設けるため、端子板TP1〜TP3の加工費が多くかかる傾向にある。すなわち、端子ボックス100の容積を小さくしにくく、材料使用量が増大しやすいことに加えて、材料の加工費が増大しやすいため、端子ボックス100の製造コストを低減することが困難である。
そこで、本実施の形態では、ダイオードD11〜D13としてシリコンを主成分とする材料で形成されたダイオードに代えて、ワイドバンドギャップ半導体を主成分とする材料で形成されたダイオードを用いることで、バイパスダイオードD1〜D3の発熱自体を低減するとともに耐熱温度を上昇させ、端子板TP1〜TP3の放熱性を向上させる必要性を低減させることを目指す。
具体的には、バイパスダイオードD1〜D3に含まれるダイオードD11〜D13としては、例えばSiCなどのワイドバンドギャップ半導体により作成されたダイオードを使用する。以下では、SiCを主成分とする材料で形成されたダイオードD11〜D13を、SiCダイオードD11〜D13として説明する。
SiCダイオードD11〜D13は、Siダイオードと比べて、ON抵抗が小さいため、同じ電流を流した場合の導通損失が小さくなる。すなわち、バイパス電流を流した際の発熱が少なくなる。SiCはまた、Siに比べてより高温での動作が可能であるという特徴も有する。すなわち、SiCダイオードD11〜D13の最大定格動作温度以下に抑えられるのであれば、SiダイオードをバイパスダイオードD1〜D3に用いた場合と比べて、バイパスダイオード用の放熱構造(端子板TP1〜TP3)の放熱能力を下げることも可能である。
したがって、SiCダイオードD11〜D13を太陽電池モジュール1のバイパスダイオードD1〜D3として使用すれば、バイパス動作した際の発熱が小さくなるとともに放熱構造の放熱能力を低減することも可能であるため、Siダイオードを用いる場合と比べて、放熱用に面積を広くしていた端子板TP1〜TP3の面積を小さくすることができる。また、端子板TP1〜TP3の放熱効果を上げるために設けられていたフィン構造も不要となる。また、端子板TP1〜TP3の面積を小さくでき、フィン構造も不要となるので、端子ボックス100の容積が少なくて済み、ポッティング材PMの使用量も削減できる。
また、ダイオードの特性や太陽電池モジュール1の使用環境を選定することによって、バイパスダイオードD1〜D3を端子板TP1〜TP3に熱接触させて端子板TP1〜TP3から放熱させる構造をとらなくても、単純にバイパスダイオードD1〜D3からの直接放熱で使用(ダイオードのTj<Tjmaxを確保)することも可能となる(その場合は端子板TP1〜TP3での放熱を不要としてもよいため、端子板TP1〜TP3を拡大する必要もなくなる)。
ダイオードD11〜D13の寿命を延ばすためにディレーティングをとる必要がある場合は、ダイオードD11〜D13のパッケージPCK1〜PCK3の周辺に伝熱性の優れたポッティング材PMを充填し、それによる放熱効果でダイオードD11〜D13のジャンクション温度を低減することができる。
さらにディレーティングを大きくとって信頼性を高めるのであれば、SiCダイオードD11〜D13をそれぞれ端子板TP1〜TP3に熱接触させて放熱効果を上げることも可能である。
以上のように、実施の形態1では、端子ボックス100において、バイパスダイオード(第1のバイパスダイオード)D1が、端子板(第1の端子板)TP1と端子板(第3の端子板)TP3とを接続する。バイパスダイオード(第2のバイパスダイオード)D2が、端子板(第2の端子板)TP2と端子板(第3の端子板)TP3とを接続する。バイパスダイオード(第3のバイパスダイオード)D3が、端子板(第1の端子板)TP1と端子板(第2の端子板)TP2とを接続する。これにより、端子板TP1,TP3間に接続された太陽電池ストリングSS−1中と端子板TP3,TP2間に接続された太陽電池ストリングSS−2中との両方に発電できない太陽電池セルが存在する場合に、発熱するバイパスダイオードの個数を(例えば1個に)低減でき、端子ボックス100における発熱量の増加を抑制することができる。
また、実施の形態1では、端子ボックス100において、バイパスダイオードD1〜D3に含まれるダイオードD11〜D13が、それぞれ、ワイドバンドギャップ半導体を主成分とする材料で形成されている。これにより、バイパスダイオードD1〜D3に含まれるダイオードD11〜D13の発熱自体を低減できるとともに耐熱温度を上昇できるので、端子板TP1〜TP3の放熱性を向上させる必要性を低減できる。これにより、端子板TP1〜TP3の面積を小さくできるとともに、端子板TP1〜TP3にフィン構造を設ける必要がなくなる。端子板TP1〜TP3の面積を小さくできるので、端子板TP1〜TP3の材料の使用量を低減できる。また、端子板TP1〜TP3の面積を小さくできるので、端子板TP1〜TP3を収容するための筐体101(内側筐体1011)の容積を低減でき、筐体101内(内側筐体1011内)に充填するポッティング材PMの使用量を低減できる。さらに、端子板TP1〜TP3にフィン構造を設ける必要がなくなるため、端子板TP1〜TP3の加工費を低減できる。すなわち、端子ボックス100の容積を小さくでき、材料使用量を低減できることに加えて、材料の加工費を低減できるため、十分な放熱を行うための端子ボックス100の製造コストを低減できる。
また、実施の形態1では、ポッティング材PMが、バイパスダイオードD1〜D3とバイパスダイオードD1〜D3に接続される端子板TP1〜TP3の接続部とを少なくとも覆うように筐体101内に充填される。これにより、ポッティング材PMに伝熱性の優れた材料を用いれば、バイパスダイオードD1からD3の熱をポッティング材PMにより放熱できるので、端子板TP1〜TP3の放熱性を下げることが容易になり、端子板TP1〜TP3の面積を容易に小さくできる。
また、実施の形態1では、バイパスダイオードD1〜D3が、接続する2つの端子板の何れかに熱的に接触している。これにより、バイパスダイオードD1〜D3の熱を、熱的に接触している端子板TP1,TP2により放熱できる。
なお、実施の形態1では、バイパスダイオードD1,D3が端子板TP1に熱的に接触し、バイパスダイオードD2が端子板TP2に熱的に接触している場合について例示しているが、バイパスダイオードD1が端子板TP1に熱的に接触し、バイパスダイオードD2,D3が端子板TP2に熱的に接触していてもよい。
実施の形態2.
次に、実施の形態2にかかる端子ボックス100jについて説明する。以下では、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態1では、複数の太陽電池ストリングをバイパスするバイパスダイオードが1個の場合について例示的に説明しているが、実施の形態2では、複数の太陽電池ストリングをバイパスするバイパスダイオードを複数個設ける。
具体的には、端子ボックス100jは、図5及び図6に示すように、バイパスダイオードD4jをさらに備える。すなわち、端子ボックス100jでは、端子板TP1j及び端子板TP2jの間に接続されるバイパスダイオードD3,D4jを2個並列接続した構成としている。図5は、端子ボックス100jにおける各構成の配置関係を示す図である。図5は、端子ボックス100jにおけるポッティング材充填前の実装構成を示す図である。
端子板TP1jの導電板TP11jは、導電板TP31側に突出した第2の接続部が端子板TP2jの導電板TP21jの近傍まで延びている。なお、端子板TP2jの導電板TP21jの第2の接続部が端子板TP1jの導電板TP11jの近傍まで延びている点は、実施の形態1と同様である。
バイパスダイオード(第4のバイパスダイオード)D4jは、端子板TP1j及び端子板TP2jの間に架け渡されており、端子板TP1jと端子板TP2jとを接続している。すなわち、バイパスダイオードD4jは、カソードが端子板TP1jに接続され、アノードが端子板TP2jに接続されている。バイパスダイオードD4jは、例えば、図5に示すように、1つのダイオードD14を有し、図6に示すように、ダイオードD14を含むパッケージPCK4jの状態で筐体101内に実装される。パッケージPCK4jの端子電極PCK4aは、パッケージPCK4j内でダイオードD14のカソードに接続され、実装状態において導電板TP11jの第2の接続部に接続される。パッケージPCK4jの端子電極PCK4bは、パッケージPCK4j内でダイオードD14のアノードに接続され、実装状態において導電板TP21jの第2の接続部に接続される。
また、バイパスダイオードD4jは、端子板TP2に熱的に接触している。すなわち、パッケージPCK4jの図6における奥行側の面は導電板TP21jに接しており、ダイオードD14で発生した熱がパッケージPCK4jを介して導電板TP21jに伝達されるように構成されている。パッケージPCK4jは、例えば、熱伝導性の良好な絶縁性の樹脂で形成されている。
図5及び図6に示すように、端子板TP1j及び端子板TP2jの間にダイオードD13,D14を並列接続した場合、個々のダイオードD13,D14における特性の違いにより、ON抵抗すなわちON電圧の小さい側により多くの電流が流れようとする。多くの電流が流れる側のダイオードは当然損失が大きくなるため発熱し温度が上昇する。
ここで、仮に、並列接続されるダイオードがSiダイオードである場合、SiダイオードのON電圧は負の温度係数を持つため、温度が上昇するに伴い、そのON電圧が小さくなる。するとさらに電流が流れ易くなるため、Siダイオードの並列接続において流れる電流が偏ってしまうことになる。つまり、並列接続により、電流を半分ずつに分流させ、それぞれのダイオードの定格電流を下げるという試みは全く同一の特性のダイオードを使わない限り困難であり、それは実際には不可能である。
それに対して、SiCダイオードのON電圧は温度係数が正という特性を有している。SiCダイオードを並列接続した場合も、個々のダイオードにおける特性の違いはあるので最初はON電圧の小さい側により多くの電流が流れ始める。そして、多くの電流が流れる側のダイオードはやはり発熱し温度が上昇するのだが、SiCダイオードのON電圧は正の温度係数を持つため、温度が上昇するに伴い、そのON電圧が大きくなる。するとそのダイオードへは電流が流れにくくなるため、結局並列接続したダイオード間で電流がバランスすることになる。
すなわち、SiCダイオードD13,D14を並列接続すれば、電流をおおよそ半分ずつに分流させることができるため、ダイオードの定格電流を下げることが可能となる。つまり、より安価なダイオードをバイパスダイオードとして使用可能になる。
以上のように、実施の形態2では、端子ボックス100jにおいて、端子板(第1の端子板)TP1j及び端子板(第2の端子板)TP2jの間に並列接続されるバイパスダイオード(第3のバイパスダイオード、第4のバイパスダイオード)D3,D4jに含まれるダイオードD13,D14が、それぞれ、ワイドバンドギャップ半導体を主成分とする材料で形成されている。これにより、並列接続された2つのダイオードの間で電流を容易にバランスできる。これにより、各ダイオードの定格電流を下げることが可能となり、許容電流の小さいダイオードを使用できるので、各バイパスダイオードD3,D4jをより安価に構成できる。
また、実施の形態2では、端子ボックス100jにおいて、バイパスダイオード(第1のバイパスダイオード)D1とバイパスダイオード(第3のバイパスダイオード)D3が端子板(第1の端子板)TP1に熱的に接触している。バイパスダイオード(第2のバイパスダイオード)D2とバイパスダイオード(第4のバイパスダイオード)D4が端子板(第2の端子板)TP2に熱的に接触している。これにより、端子板TP1及び端子板TP2の間で熱的に接触しているバイパスダイオードの数を均等にすることでき、端子板TP1及び端子板TP2からの放熱量を容易にバランスできる。これにより、各放熱板の面積をさらに小さくできるので、端子板TP1j〜TP3を収容するための筐体101(内側筐体1011)の容積をさらに低減でき、筐体101内(内側筐体1011内)に充填するポッティング材PMの使用量をさらに低減できる。
実施の形態3.
次に、実施の形態3にかかる端子ボックス100kについて説明する。以下では、実施の形態1及び実施の形態2と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態1及び実施の形態2では、各バイパスダイオードが2つの端子板TP1,TP2の何れかに熱的に接触している場合について例示的に説明しているが、実施の形態3では、各バイパスダイオードを共通の端子板に熱的に接触させる。
具体的には、端子ボックス100kは、図7及び図8に示すように、端子板TP1〜TP3に代えて端子板TP1k〜TP3kを備える。各バイパスダイオードD1〜D3は、いずれも、端子板TP3kに熱的に接触させられている。図7は、端子ボックス100kにおける各構成の配置関係を示す図である。図8は、端子ボックス100kにおけるポッティング材充填前の実装構成を示す図である。
バイパスダイオードD1は、端子板TP3kに熱的に接触している。すなわち、パッケージPCK1の図8における奥行側の面は導電板TP31kに接しており、ダイオードD11で発生した熱がパッケージPCK1を介して導電板TP31kに伝達されるように構成されている。
バイパスダイオードD2は、端子板TP3kに熱的に接触している。すなわち、パッケージPCK2の図8における奥行側の面は導電板TP31kに接しており、ダイオードD12で発生した熱がパッケージPCK2を介して導電板TP31kに伝達されるように構成されている。
バイパスダイオードD3は、端子板TP3kに熱的に接触している。すなわち、パッケージPCK3の図8における奥行側の面は導電板TP31kに接しており、ダイオードD13で発生した熱がパッケージPCK3を介して導電板TP31kに伝達されるように構成されている。
本発明では、バイパス電流が流れる場合、バイパスダイオードD1〜D3のうちどれか1個にしか流れないので、発生する熱は均等であると見なすことができる。したがって、共通の端子板TP3kで放熱できる。
実施の形態1及び実施の形態2では、少なくとも2枚の端子板を放熱用にそのサイズを大きくしている(図3、図6参照)が、実施の形態3では、放熱用の端子板を1個に減らすことができる。また、各バイパスダイオードD1〜D3にSiCダイオードを使用することにより、さらにサイズを小さくすることができる。
例えば、図8に示すように、端子板TP3kの導電板TP31kを、パッケージPCK1〜PCK3に対応した逆T字形状にすることができる。さらに、放熱用でない端子板TP1k,TP2kの導電板TP11k,TP21kを、導電板TP31kの形状に応じたスリム化された形状にすることができる。
例えば、端子板TP1kの導電板TP11kは、導電板TP31k側に突出した第2の接続部が導電板TP31kに離間しながら導電板TP31kに沿ってパッケージPCK3の端子電極PCK3aまで延びている。端子板TP2kの導電板TP21kは、導電板TP31k側に突出した第2の接続部が導電板TP31kに離間しながら導電板TP31kに沿ってパッケージPCK3の端子電極PCK3bまで延びている。
以上のように、実施の形態3では、端子ボックス100kにおいて、バイパスダイオード(第1のバイパスダイオード)D1とバイパスダイオード(第2のバイパスダイオード)D2とバイパスダイオード(第3のバイパスダイオード)D3とが、共通の端子板TP3kに熱的に接触している。これにより、放熱用の端子板の枚数を(例えば、1枚に)低減でき、放熱用でない端子板の面積を低減できるので、端子板TP1k〜TP3kを収容するための筐体101(内側筐体1011)の容積をさらに低減でき、筐体101内(内側筐体1011内)に充填するポッティング材PMの使用量をさらに低減できる。
なお、実施の形態3では、複数のバイパスダイオードD1〜D3を熱的に接触させる共通の端子板が端子板3kである場合について例示しているが、複数のバイパスダイオードD1〜D3を熱的に接触させる共通の端子板は、端子板3kである代わりに、端子板1k又は端子板2kであってもよい。
実施の形態4.
次に、実施の形態4にかかる端子ボックス100pについて説明する。以下では、実施の形態3と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態3では、共通の端子板に熱的に接触させる複数のバイパスダイオードを互いに別のパッケージで実装する場合について例示的に説明しているが、実施の形態4では、共通の端子板に熱的に接触させる複数のバイパスダイオードを共通のパッケージで実装する。
具体的には、端子ボックス100pは、図9及び図10に示すように、端子板TP1〜TP3に代えて端子板TP1p〜TP3pを備える。複数のバイパスダイオードD1〜D3を含むパッケージPCK4pは、端子板TP3pに熱的に接触させられている。図9は、端子ボックス100pにおける各構成の配置関係を示す図である。図10は、端子ボックス100pにおけるポッティング材充填前の実装構成を示す図である。
複数のバイパスダイオードD1〜D3を含むパッケージPCK4pとして、図9に示すようなダイオードブリッジDBのパッケージPCK4pを用いることができる。ダイオードブリッジDBのパッケージPCK4pは、1個のパッケージ内に4個のダイオードを封止しブリッジ構成としたものである。
すなわち、ダイオードブリッジDBのパッケージPCK4pに含まれる4個のダイオードのうちの3個のダイオードD11〜D13を、それぞれ、バイパスダイオードD1〜D3として用いることができる。そして、パッケージPCK4p内にある4個のダイオードのうちの本構成に不要なダイオードD15をパッケージPCK4pの外部で短絡させる。ダイオードブリッジDBのパッケージPCK4pは、共通の端子板TP3pの導電板TP31pに熱的に接触させている。これにより、複数のバイパスダイオードを1パッケージ化して実装できるので、端子ボックス100pの組み立て性を改善できる。
例えば、ダイオードブリッジDBのパッケージPCK4pとして、図10に示すような、丸型のパッケージを用いることができる。この場合、端子板TP1pの導電板TP11pを逆L字型に形成してパッケージPCK4pの端子電極PCK4paに接続でき、端子板TP2pの導電板TP21pをF字型に形成してパッケージPCK4pの端子電極PCK4pb,4pdにそれぞれ接続できる。また、端子板TP3pの導電板TP31pをパッケージPCK4pの端子電極PCK4pcに接続できる。
以上のように、実施の形態4では、端子ボックス100pにおいて、バイパスダイオード(第1のバイパスダイオード)D1とバイパスダイオード(第2のバイパスダイオード)D2とバイパスダイオード(第3のバイパスダイオード)D3とは、1つのパッケージPCK4p内にダイオード素子を封止しブリッジ構成としたダイオードブリッジDBを用いて構成されている。これにより、共通の端子板に熱的に接触させる複数のバイパスダイオードD1〜D3を共通のパッケージで実装できるので、端子ボックス100pの組み立て性を改善できる。
以上のように、本発明にかかる端子ボックスは、太陽光発電システムに有用である。
100,100j,100k,100p 端子ボックス、D1〜D3,D4j バイパスダイオード、TP1〜TP3,TP1j,TP2j,TP1k〜TP3k,TP1p〜TP3p 端子板。

Claims (5)

  1. 太陽電池モジュールの出力部を構成する端子ボックスであって、
    第1の出力端子および第1の入力端子に接続された第1の端子板と、
    第2の出力端子および第2の入力端子に接続された第2の端子板と、
    第3の入力端子に接続された第3の端子板と、
    前記第1の端子板と前記第3の端子板とを接続する第1のバイパスダイオードと、
    前記第2の端子板と前記第3の端子板とを接続する第2のバイパスダイオードと、
    前記第1の端子板と前記第2の端子板とを接続する第3のバイパスダイオードと、
    を備え、
    前記第1のバイパスダイオードと前記第2のバイパスダイオードと前記第3のバイパスダイオードとは、それぞれ、ワイドバンドギャップ半導体を主成分とする材料で形成されている
    ことを特徴とする端子ボックス。
  2. 前記第1の端子板と前記第2の端子板とを接続する第4のバイパスダイオードをさらに備え、
    前記第4のバイパスダイオードは、ワイドバンドギャップ半導体を主成分とする材料で形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の端子ボックス。
  3. 前記第1のバイパスダイオードと前記第3のバイパスダイオードとは、前記第1の端子板に熱的に接触し、
    前記第2のバイパスダイオードと前記第4のバイパスダイオードとは、前記第2の端子板に熱的に接触する
    ことを特徴とする請求項2に記載の端子ボックス。
  4. 前記第1のバイパスダイオードと前記第2のバイパスダイオードと前記第3のバイパスダイオードとは、前記第1の端子板と前記第2の端子板と前記第3の端子板とのうちのいずれかである共通の端子板に熱的に接触する
    ことを特徴とする請求項1に記載の端子ボックス。
  5. 前記第1のバイパスダイオードと前記第2のバイパスダイオードと前記第3のバイパスダイオードとは、1つのパッケージ内にダイオード素子を封止しブリッジ構成としたダイオードブリッジを用いて構成されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の端子ボックス。
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