JP2014239088A - 照明光学系、照明方法、並びに露光方法及び装置 - Google Patents

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Yutaka Ichihara
裕 市原
小松田 秀基
Hideki Komatsuda
秀基 小松田
陽司 渡邉
Yoji Watanabe
陽司 渡邉
井上 馨
Kaoru Inoue
馨 井上
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【課題】可干渉性の高い光を使用する場合に、被照射面におけるスペックルパターンの影響を低減する。【解決手段】光源10からの照明光ILでレチクル面Raを照明する照明光学系ILSにおいて、光源10からの光の角度分布を変化させて射出する回折光学素子13Aと、回折光学素子13Aから射出される光の角度分布を、MFL(マイクロフライアイレンズ)20の入射面20Iで位置分布に変換する集光光学系17と、集光光学系17を介した光の光路に配置されるMFL20と、回折光学素子13Aと集光光学系17との間に配置されて、回折光学素子13Aから射出される光を、照明光学系ILSの光軸AXIに垂直な方向にほぼ連続的にシフト量を不規則に変化させながらシフトさせる光束シフト光学系14と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、被照射面を照明する照明技術、この照明技術を用いる露光技術、及びこの露光技術を用いるデバイス製造技術に関する。
半導体素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するためのリソグラフィー工程で使用される露光装置においては、電子デバイスの微細化に対応して解像度を高めるために、露光用の照明光(露光光)の波長は短波長化しており、最近では、露光光としてKrF(波長248nm)又はArF(波長193nm)のエキシマレーザ光が使用されている。しかしながら、このようなレーザ光は、水銀ランプの輝線等と比べると可干渉性(例えば空間コヒーレンス)が高く、被照射面でいわゆるスペックルパターンによる照度むらが生じる恐れがある。
そこで、露光光としてレーザ光を用いる従来の露光装置の照明光学系においては、光源から射出されてオプティカルインテグレータとしての例えばフライアイレンズに入射するレーザ光の光路に、そのレーザ光を複数の光束に分岐し、分岐された複数の光束に互いに異なる遅延時間を与え、これらの異なる遅延時間が与えられた複数の光束を合成する光学系を設けることによって、被照射面におけるスペックルパターンを低減していた(例えば、特許文献1参照)。
米国特許第6,238,063号明細書
従来のようにフライアイレンズに入射するレーザ光の光路に、分岐された複数の光束間に異なる遅延時間を与えて合成する光学系を設置するだけでは、被照射面においてスペックルパターンによって生じる照度むらのうちで、特に高い空間周波数の成分を十分には低減できない恐れがある。
さらに、最近では、露光光用のレーザ光として、エキシマレーザ光の他に、固体レーザ光源から出力されるレーザ光(固体レーザ光)又はこのレーザ光を波長変換して得られる光を使用することも検討されている。しかしながら、このような固体レーザ光又はこれを波長変換して得られる光は、一般にエキシマレーザ光よりも可干渉性(例えば空間コヒーレンス)が高いため、従来の光学系ではスペックルパターンの影響を十分には低減できない恐れがある。
本発明の態様は、このような事情に鑑み、可干渉性の高い光を使用する場合に、被照射面におけるスペックルパターンの影響を低減することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、光源からの光で被照射面を照明する照明光学系において、その光源からの光の角度分布を変化させて射出する複数の角度分布変更部を照明光路を横切る第1面に並列に配置した第1光学部材と、その第1光学部材から射出される光の角度分布を、照明光路を横切る第2面で位置分布に変換する第2光学部材と、その第2光学部材を介した光の光路に配置されるオプティカルインテグレータと、その第1光学部材とその第2光学部材との間に配置されて、その第1光学部材から射出される光のうち少なくとも一部の光をその照明光学系の光軸に垂直な方向に動的にシフトさせる第1シフト部材と、を備える照明光学系が提供される。
第2の態様によれば、光源からの光で被照射面を照明する照明光学系において、その光源からの光の角度分布を変化させて射出する複数の角度分布変更部を照明光路を横切る第1面に並列に配置した第1光学部材と、その第1光学部材から射出される光の角度分布を、照明光路を横切る第2面で位置分布に変換する第2光学部材と、その第2光学部材を介した光の光路に配置されるオプティカルインテグレータと、そのオプティカルインテグレータに入射する光のうち少なくとも一部の光の角度を動的に変化させる第1角度制御部と、を備える照明光学系が提供される。
第3の態様によれば、露光光源からの光でパターンを照明し、その露光光源からの光でそのパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光装置において、本発明の態様の照明光学系を備え、その照明光学系からの光でそのパターンを介して基板を露光する露光装置が提供される。
第4の態様によれば、光源からの光で被照射面を照明する照明方法において、その光源からの光を照明光路を横切る第1面上の複数の第1領域に入射させ、該複数の第1領域に入射する光の角度分布をそれぞれ変化させることと、その角度分布が変化した光の少なくとも一部の光を該光の光軸に垂直な方向に動的にシフトさせることと、その光軸に垂直な方向にシフトした光を光学的にフーリエ変換することと、その光学的にフーリエ変換された光を、照明光路を横切る第2面上の複数の第2領域に入射させ、該複数の第2領域に入射する光の角度分布をそれぞれ変化させることと、その複数の第2領域を通過した複数の光を、その被照射面において少なくとも一部が重畳するように集光することと、を含む照明方法が提供される。
第5の態様によれば、光源からの光で被照射面を照明する照明方法において、その光源からの光を照明光路を横切る第1面上の複数の第1領域に入射させ、該複数の第1領域に入射する光の角度分布を変化させることと、その角度分布が変化した光を光学的にフーリエ変換することと、その光学的にフーリエ変換された光を、照明光路を横切る第2面上の複数の第2領域に入射させ、該複数の第2領域に入射する光の角度分布をそれぞれ変化させることと、その複数の第2領域を通過した複数の光を、その被照射面において少なくとも一部が重畳するように集光することと、その第2面に入射する光のうち少なくとも一部の光の角度を動的に変化させることと、を含む照明方法が提供される。
第6の態様によれば、露光光源からの光でパターンを照明し、その露光光源からの光でそのパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光方法において、本発明の態様の照明方法を用いてその露光光源からの光でそのパターンを照明する露光方法が提供される。
第7の態様によれば、本発明の態様の露光装置又は露光方法を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、そのパターンが形成されたその基板を処理することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の態様によれば、例えば第1シフト部材又は第1角度制御部を用いて、オプティカルインテグレータ又は第2面に入射する光の角度を変化させることができるため、このように角度が変化した光を用いて、積算して被照射面を照明することによって、被照射面においてスペックルパターンによって生じる積算光量むらのうちで、特に高い空間周波数成分を大きく低減できる。このため、可干渉性の高い光を使用する場合にスペックルパターンの影響を低減できる。
(A)は第1の実施形態に係る露光装置を示す図、(B)、(C)、及び(D)は、それぞれ図1(A)中の光束シフト光学系による互いに異なる光束のシフトの状態を示す図である。 (A)は照明瞳面における光強度分布の一例を示す図、(B)は照明瞳面における光強度分布の他の例を示す図である。 (A)、(B)、及び(C)はそれぞれ図1(A)の光束のシフト量が互いに異なる状態の照明光学系の要部を簡略化して示す図である。 (A)は実施形態に係るレチクル面の光強度分布の一例を示す図、(B)は図4(A)の分布の空間周波数分布を示す図、(C)は比較例に係るレチクル面の光強度分布を示す図、(D)は図4(C)の分布の空間周波数分布を示す図である。 照明方法を含む露光方法の一例を示すフローチャートである。 (A)は変形例に係る照明光学系を示す図、(B)は図6(A)中の遅延光学系を示す図である。 (A)は図6(A)の照明光学系の要部を簡略化して示す図、(B)は図7(A)のレチクル面の光強度分布の一例を示す図、(C)は図7(B)の分布の空間周波数分布を示す図である。 別の変形例に係る照明光学系を示す図である。 (A)は図8の照明光学系の要部を簡略化して示す図、(B)は図9(A)のレチクル面の光強度分布の一例を示す図、(C)は図9(B)の分布の空間周波数分布を示す図である。 (A)は第2の実施形態に係る照明光学系を示す図、(B)は図10(A)の照明光学系の要部を簡略化して示す図である。 電子デバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態につき図1(A)〜図5を参照して説明する。
図1(A)は、本実施形態に係るスキャニングステッパー(スキャナー)よりなる走査露光型の露光装置(投影露光装置)EXの構成を示す。図1(A)において、露光装置EXは、露光用の照明光(露光光)ILを発生する光源10と、光源10からの照明光ILでレチクルR(マスク)のパターン面(以下、レチクル面という)Raを照明する照明光学系ILSと、レチクルRの位置及び速度を制御するレチクルステージRSTと、レチクルRのパターンの像を半導体ウエハ(以下、単にウエハという)Wの表面に投影する投影光学系PLとを備えている。さらに、露光装置EXは、ウエハWの位置及び速度を制御するウエハステージWSTと、装置全体の動作を統括制御するコンピュータよりなる主制御系35と、照明光学系ILSの動作を制御する照明制御部36と、その他の制御系等とを備えている。なお、照明制御部36は、主制御系35を構成するコンピュータのソフトウェア上の機能でもよい。
以下、図1(A)において、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1(A)の紙面に平行にX軸を、図1(A)の紙面に垂直にY軸を取って説明する。露光時のレチクルR及びウエハWの走査方向は、Y軸に平行な方向(Y方向)である。
本実施形態において、光源10としては、一例として、固体レーザ光源、又は固体レーザ光源とこの固体レーザ光源から射出されるレーザ光の高調波等を生成する波長変換部とを含む光源装置が使用されている。一例として、固体レーザ光源としては、Nd:YAGレーザ光源、又は半導体レーザ光源とエルビウム等をドープした光ファンバー増幅器とを組み合わせた光源が使用できる。また、波長変換部としては、高調波、和周波数、及び/又は差周波数の光を発生する部分、及び/又は波長可変レーザ光源を含む装置が使用できる。
一例として、半導体レーザ光源と光ファンバー増幅器とを組み合わせた光源から射出される波長1544nmのレーザ光の8倍高調波を生成することによって、波長193nm(ArFエキシマレーザと同じ波長)のレーザ光を生成できる。同様に、波長990nmのレーザ光の4倍高調波を生成することによって、波長248nm(KrFエキシマレーザと同じ波長)のレーザ光を生成できる。また、Nd:YAGレーザ光源から出力される波長1064nmのレーザ光(基本波)の2倍高調波(波長532nm)から波長可変レーザによって波長772nmのレーザ光を生成し、このレーザ光の4倍高調波を生成することで、波長193nmのレーザ光を生成できる。このように固体レーザ光源、又は固体レーザ光源と波長変換部とを含む光源から射出されるレーザ光は一般にパルス光であり、可干渉性(例えば空間コヒーレンス)がエキシマレーザ光に比べて高くなっている。そのパルス光のパルス幅は例えば1ns〜数10nsであり、そのパルス光の周波数は例えば数10kHz〜1MHz程度である。
本実施形態の光源10は、一例として固体レーザ光源と波長変換部とを含む光源であり、光源10からは波長193nm(又は248nm等でもよい)でパルス幅が1ns程度で周波数が数100kHz〜1MHz程度であり、かつ可干渉性がエキシマレーザ光に比べて高いパルスレーザ光よりなる照明光ILが射出される。なお、そのような固体レーザ光源と波長変換部とを含む光源の一例は、例えば国際公開第2001/020651号に開示されている。
光源10から射出された所定の偏光状態(例えば直線偏光)のパルスレーザ光よりなる照明光ILは、ビームエキスパンダ11により光束の断面形状が所望の形状に変換された後、光路折り曲げ用のミラー12及び偏光状態を制御するための偏光光学系(不図示)を介して光軸AXIに沿って、照明条件切り替え装置8の一部に入射する。照明条件切り替え装置8は、光軸AXIに平行な軸(ここではX軸に平行な軸)の回りに回転可能なターレット板31と、ターレット板31の回転中心の回りにほぼ等角度間隔で固定され、互いに異なる照明条件を設定するための複数の回折光学素子(Diffractive Optical Element: DOE)13A,13B等と、ターレット板31を指定された角度だけ回転するロータリーエンコーダを内蔵した駆動部30Aと、を備えている。照明制御部36が、主制御系35の制御のもとで駆動部30Aによるターレット板31の回転を制御する。図1(A)では、ターレット板31に固定された回折光学素子13A,13Bだけが図示されているが、ターレット板31には他の回折光学素子(不図示)も固定されている。駆動部30Aは、照明光学系ILSを支持するフレーム(不図示)に固定されている。
一例として、回折光学素子13A及び13Bは、それぞれいわゆる4極照明及び輪帯照明を設定するために使用される。そのため、回折光学素子13A及び13Bは、それぞれ入射した照明光ILを回折してファーフィールドに、光軸AXIに関してほぼ対称にZ方向(レチクル面のX方向に対応する方向)及びY方向に偏心した4箇所の領域で光量が大きくなる回折光のパターン、及び輪帯状の領域で光量が大きくなる回折光のパターンを形成する。他の不図示の複数の回折光学素子は、例えば通常照明、2極照明、又は小さいコヒーレンスファクタ(σ値)の照明(小σ照明)等を設定するために使用される。
回折光学素子13A,13B等は、それぞれ照明光ILを透過する矩形のガラス基板の一面に、ファーフィールドに形成する回折光のパターンに応じた種々の凹凸の回折パターン(種々のピッチの回折格子)をエッチング等で形成することによって製造できる。それらの回折パターンは、計算機ホログラム(Computer Generated Hologram: CGH) から形成することも可能である。また、その回折パターンとして、位相分布型のホログラム、キノフォーム(Kinoform)、又は振幅分布型のホログラムも使用可能である。例えば回折光学素子13Aは、図3(A)に示すように、互いに射出される回折光の角度分布が異なる複数の回折部13Aa,13Ab等(角度分布変更部又は第1領域)を、光軸AXIに垂直な配置面13Iに沿って(照明光路を横切る方向)配列したものとみなすことができる。
図1(A)において、照明条件切り替え装置8によって照明光ILの光路(照明光路)に配置された任意の回折光学素子(図1(A)では回折光学素子13A)を介して回折された照明光ILは、光束シフト光学系14に入射する。光束シフト光学系14は、光軸AXIに垂直な面に対して互いに同じ角度で傾斜した状態で照明光路上に配置された、互いに同じ形状の光透過性の2枚の平行平板ガラス(ハービング)15A,15Bと、これらの平行平板ガラス15A,15Bを互いに異なる回転周波数で光軸AXIの回りに連続的に回転駆動する2つの駆動部16A,16Bと、を有する。平行平板ガラス15A,15Bの回転周波数は、互いに整数倍の関係にもならないように設定されている。駆動部16A,16Bは照明制御部36によって制御される。平行平板ガラス15A,15Bは互いに異なる回転周波数で、かつ互いに非整数倍の回転周波数で回転するため、平行平板ガラス15A,15Bの相対角度は0度を中心として所定範囲内で、ある短い時間の範囲内では連続的にほぼ非周期的(ランダム)に変動する。そして、平行平板ガラス15A,15Bを通過した後の照明光ILは、光軸AXIに垂直な方向に、その連続的に(継続して)ほぼ非周期的に変動する相対角度に応じた量だけシフトして射出される。言い換えると、光束シフト光学系14は、入射する照明光ILを光軸AXIに垂直な方向に動的にシフトさせて射出する。
例えば図1(B)に実線の位置、又は点線の位置15AR,15BRで示すように、平行平板ガラス15A,15Bが対称に傾斜したときは、平行平板ガラス15A,15Bに入射する照明光ILは、実質的にシフトすることなく射出される。一方、図1(C)に示すように、平行平板ガラス15A,15Bが光軸AXIに対して右回りに傾斜してほぼ平行になったときは、平行平板ガラス15A,15Bに入射する照明光ILは、Z方向(光軸AXIに垂直な方向)に−δ(角度δは、平行平板ガラス15Aの屈折率、厚さ、及び傾斜角によって定まる値)だけシフトして射出される。これに対して、図1(D)に示すように、平行平板ガラス15A,15Bが光軸AXIに対して左回りに傾斜してほぼ平行になったときは、照明光ILはZ方向(上方)にδだけシフトして射出される。
図1(A)において、光束シフト光学系14の平行平板ガラス15A,15Bを通過した照明光ILは、前群レンズ系17a、凹の円錐面を持つ第1プリズム18aと凸の円錐面を持つ第2プリズム18bとからなるアキシコン系18、及び後群レンズ系17bを介して、オプティカルインテグレータとしてのマイクロフライアイレンズ(以下、MFLという。)20を照明する。前群レンズ系17a及び後群レンズ系17bから、所定範囲で焦点距離が連続的に可変のズームレンズ(変倍光学系)よりなる集光光学系17が構成されている。
集光光学系17は、回折光学素子13Aの射出面とMFL20の入射面20Iとをほぼ光学的にフーリエ変換の関係にしている。すなわち、集光光学系17は、回折光学素子13Aからある角度φa(光軸AXIに対する角度)で射出される光を、入射面20Iにおいて、光軸AXIからその角度φaに応じて定まる距離の位置に集光することによって、回折光学素子13Aから射出される光の角度分布を、照明光路を横切る入射面20Iでの位置分布に変換している。
回折光学素子13A(又は他の回折光学素子)から射出される照明光ILは、集光光学系17及びアキシコン系18を介してMFL20の入射面20Iにおいて、所定形状の照射領域(回折光学素子13Aの場合には4極状の領域)に集光される。その照射領域の全体的な大きさは、集光光学系17の焦点距離に依存して変化する。照明制御系36が例えばスライド機構を含む駆動部30Bを介して前群レンズ系17aを光軸AXIに沿って移動することで、集光光学系17の焦点距離が所望の値に制御される。
また、アキシコン系18において、照明制御系36が例えばスライド機構を含む駆動部30Cを介して第2プリズム18bを光軸AXIに沿って移動することで、プリズム18a及び18bの光軸AXIに沿った間隔、ひいてはこの間隔に応じて回折光学素子13A等から射出された光束の入射面20Iにおける光軸AXIに対して半径方向の位置を制御できる。なお、アキシコン系18は省略することが可能であり、集光光学系17の焦点距離は固定でもよい。
MFL20は、多数の正屈折力を持つ微小なレンズエレメント(微小レンズ)20aを縦横に稠密に配列したものであり、MFL20の射出側焦点面又はこの近傍の面が照明光学系ILSの瞳面(以下、照明瞳面という)IPPとなる。照明瞳面IPPは、照明光学系ILSの射出瞳が形成される面と光学的に共役である。照明瞳面IPPには、MFL20の波面分割によって多数の二次光源(光源像)よりなる面光源が形成される。
MFL20は、多数の微小レンズを並列に配置したものであるため、入射面20Iにおける大局的な光強度分布がそのまま射出面である照明瞳面IPPに伝達される。このため、入射面20Iに形成される照明光ILの任意の光強度分布がほぼそのまま照明瞳面IPPにおける光強度分布となり、入射面20Iは照明瞳面IPPと等価な面である。一例として、照明光路に回折光学素子13Aが設置されているときには、照明瞳面IPPには、図2(A)に示すように、4極の領域41A,41B,41C,41Dで光量が大きくなる光強度分布が形成される。一方、照明光路に回折光学素子13Bが設置されているときには、照明瞳面IPPには、図2(B)に示すように、輪帯状の領域42で光量が大きくなる光強度分布が形成される。
ただし、図1(A)のMFL20の入射面20Iに入射する照明光の開き角に比べて、照明瞳面IPPの二次光源から射出される照明光の開き角は大きくなっている。すなわち、集光光学系17によって空間的に(光学的に)フーリエ変換された光は、MFL20の入射面20I上の多数のレンズエレメント20a(第2領域)に入射し、各レンズエレメント20aから射出される光の角度分布がより広い範囲になるように変化している。
なお、MFL20の代わりにフライアイレンズを使用してもよい。また、フライアイレンズとして、例えば米国特許第6,913,373号明細書に開示されているシリンドリカル・マイクロフライアイレンズを用いてもよい。
また、一例として、照明瞳面IPP又はこの近傍の面に、照明瞳面IPPにおける光強度分布を最終的に規定するための可変の開口絞り(以下、照明σ絞りという)22が設置されている。照明σ絞り22は、例えばコヒーレンスファクタ(σ値)が1以上となる領域を遮光してもよい。さらに、照明σ絞り22は、4極照明時には、図2(A)の領域41A〜41Dを含む複数の領域にのみ開口が形成された絞り部材と交換されてもよく、輪帯照明時には、図2(B)の領域42を含む領域及びこの領域内の細い連結部以外の部分にのみ開口が形成された絞り部材と交換されてもよい。このように照明σ絞り22又は絞り部材を使用する場合でも、回折光学素子13A,13B等によって、照明光ILの光強度分布を設定することによって、照明光ILの利用効率を高く維持できるとともに、入射面20Iに入射する段階での照明光ILの光強度分布をより均一にできる。
なお、回折光学素子13A,13B等によって、照明瞳面IPPにおける光強度分布を高精度に設定できる場合には、照明σ絞り22及びそれらの絞り部材を省略することができる。
MFL20及び照明σ絞り22を通過した照明光ILは、第1リレーレンズ23、レチクルブラインド24(視野絞り)、第2リレーレンズ25、光路折り曲げ用のミラー26、及びコンデンサ光学系27を介して、レチクル面Raの矩形の照明領域を重畳的に照明する。ビームエキスパンダ11、照明条件切り替え装置8(回折光学素子13A,13B等)、光束シフト光学系14、集光光学系17、アキシコン系18、MFL20、及び照明σ絞り22からコンデンサ光学系27までの光学部材を含んで照明光学系ILSが構成されている。レチクル面Raは、レチクルブラインド24の配置面と光学的に共役である。照明光学系ILSの各光学部材は、不図示のフレームに支持されている。
照明光学系ILSからの照明光ILのもとで、レチクルRの照明領域内のパターンは、両側(又はウエハ側に片側)テレセントリックの投影光学系PLを介して、ウエハWの一つのショット領域の露光領域(照明領域と光学的に共役な領域)に所定の投影倍率(例えば1/4〜1/100の縮小倍率)で投影される。投影光学系PLは、屈折系又は凹面反射鏡等を含む反射屈折系である。投影光学系PLの瞳面(以下、投影瞳面という)又はその近傍には開口絞りASが設置されている。投影瞳面は、照明瞳面IPPと光学的に共役である。ウエハW(基板)は、リシコン等の半導体よりなる直径が200〜450mm程度の円板状の基材の表面にフォトレジスト(感光材料)を所定の厚さで塗布したものを含む。
また、レチクルRが通常のレチクル(マスク)である場合、投影光学系PLの投影倍率は例えば1/4倍であり、照明光学系ILSの開口数NAIL(被照射面側の開口数)は例えば1/4程度である。本実施形態では、レチクルRの代わりに、多数の傾斜角又は反射面の法線方向の位置が可変の微小なミラー要素(反射要素)のアレイを有する空間光変調器(spatial light modulator: SLM )が使用される場合も想定している。この場合には、例えばその多数の微小なミラー要素のアレイと投影光学系PLとの間にビームスプリッター(不図示)が設置され、このビームスプリッターで反射された光がミラー要素のアレイに入射し、ミラー要素のアレイで反射された光がそのビームスプリッターを介して投影光学系PLに入射する。そのような空間光変調器としては、例えば欧州特許公開第779530号明細書、又は米国特許第6,900,915号明細書等に開示されているものを使用可能である。
また、レチクルRの代わりに空間光変調器を使用する場合、個々のミラー要素が例えば数μm角の大きさであるため、ウエハWに例えば数10nmのオーダーのパターンを形成するためには、投影光学系PLの投影倍率(物体面から像面に対する倍率)は1/100倍程度にする必要がある。仮に投影倍率を1/100倍とすると、投影光学系PLの像面側の開口数NAPLはほぼ1であるため、投影光学系PLの物体面側の開口数NAPLinはほぼ1/100となる。この場合でも、σ値(=NAIL/NAPLin)は最大値が1であるため、照明光学系ILSの開口数NAILはほぼ1/100程度と極端に低くなる。このように照明光学系ILSの開口数が低くなると、仮に照明光路に拡散板を配置しても、照明光IL(可干渉性の高いパルスレーザ光)によって、投影光学系PLの物体面のパターン面(被照射面)に形成されるスペックルパターンの影響を十分には低減できない恐れがある。そこで、本実施形態では、回折光学素子13A等と集光光学系17との間に光束シフト光学系14を配置している(詳細後述)。
例えばレチクルRを使用する場合、レチクルRは、レチクルステージRSTのXY平面と平行な上面に吸着保持され、レチクルステージRSTは、レチクルベース(不図示)の上面にY方向に等速移動可能に、かつ少なくともX方向、Y方向、及びZ軸に平行な軸の回り(θz方向)に微動可能に載置されている。レチクルステージRSTの位置情報(回転角も含む)は、レチクルステージ駆動系37内のレーザ干渉計によって計測されている。レチクルステージ駆動系37は、その計測情報及び主制御系35からの制御情報に基づいて、不図示の駆動機構を介してレチクルステージRSTの位置及び速度を制御する。なお、レチクルRの代わりに空間光変調器を使用する場合には、空間光変調器の多数の微小なミラー要素のパターンをY方向に次第にシフトさせればよいため、投影光学系PLの物体面側の走査用のステージは省略できる。
一方、ウエハWは、不図示のウエハホルダを介してウエハステージWSTの上部に吸着保持され、ウエハステージWSTは、ウエハベース(不図示)の上面にX方向、Y方向に移動可能に載置されている。ウエハステージWSTの位置情報(回転角も含む)は、ウエハステージ駆動系38内のレーザ干渉計又は回折格子を用いるエンコーダ装置によって計測されている。ウエハステージ駆動系38は、その計測情報及び主制御系35からの制御情報に基づいて、不図示の駆動機構を介してウエハステージWSTの位置及び速度を制御する。また、レチクルRのアライメントを行うためのレチクルアライメント系(不図示)及びウエハWのアライメントを行うためのウエハアライメント系(不図示)が備えられている。
レチクルRを使用する露光時には、照明条件を設定した後、ウエハWのアライメントの結果に基づいて、ウエハステージWSTをX方向、Y方向に移動することで、ウエハWが走査開始位置に移動(ステップ移動)する。そして、照明光学系ILSからの照明光ILのもとで、レチクルRの照明領域内の回路パターンの投影光学系PLによる像でウエハWの一つのショット領域を露光しつつ、レチクルステージRSTを介して照明領域に対してY方向にレチクルRを移動する動作と、ウエハステージWSTを介して露光領域に対してウエハWを対応する方向に移動する動作とを同期して行う。この走査露光動作によって、ウエハWの当該ショット領域にレチクルRのパターンの像が転写露光される。そのステップ移動と走査露光とを繰り返すステップ・アンド・スキャン動作によって、ウエハWの全部のショット領域にレチクルRのパターンの像が転写露光される。レチクルRの代わりに空間光変調器を使用する場合には、空間光変調器で形成するパターンを走査方向に移動させ、そのパターンの移動に同期してウエハWを連続して走査方向に移動することで、ウエハWの一連のショット領域に回路パターンの像を露光できる。
次に、本実施形態の照明光学系ILS中の光束シフト光学系14の動作につき詳細に説明する。なお、以下では、投影光学系PLはレチクルRのパターンの像をウエハWに投影するものとして説明するが、実際にはレチクルRの代わりに空間光変調器を使用してもよい。この場合、照明光学系ILSの開口数NAILは例えば1/100程度と極端に低くなることがある。
図3(A)〜(C)は図1(A)の照明光学系ILSの回折光学素子13AからレチクルRまでの部分を簡略化して示す。図3(A)〜(C)において、図1(A)中のアキシコン系18は省略されているが、以下の説明は、アキシコン系18が配置されていても適用される。さらに、回折光学素子13Aから射出される光束は、回折光学素子13Aの配置面の1点から射出される光束がMFL20の入射面20Iにどのように入射するかを示すための仮想的な光束であり、以下の説明は回折光学素子13A以外の任意の回折光学素子が設置されていても適用される。
まず、図3(A)において、回折光学素子13Aに可干渉性の高いパルス光よりなる照明光ILが入射し、光束シフト光学系14での光束のシフトがない場合、回折光学素子13Aから点線で示す光束A11が射出される。この光束A11によって入射面20I、ひいては照明瞳面IPPにレーザ光のスペックルパターンが形成され、レチクル面Raの照明領域IAはそのスペックルパターンに応じた照度むらB11を持つ照明光ILで照明される。
その後、光束シフト光学系14で上方にδの光束シフトが生じると、回折光学素子13Aから射出される光束A12は、光束シフト光学系14でシフトされ、集光光学系17を介して入射面20Iに、光束A11に対して傾斜して入射する。このため、入射面20I、ひいては照明瞳面IPPには、光束A11の場合とは異なるレーザ光のスペックルパターンが形成され、レチクル面Raの照明領域IAは照度むらB11とは異なる照度むらB12を持つ照明光ILで照明される。さらに、図3(B)に示すように、光束シフト光学系14で下方にδの光束シフトが生じると、回折光学素子13Aから射出される光束A13は、光束シフト光学系14でシフトされ、集光光学系17を介して入射面20Iに光束A12とほぼ対称に傾斜して入射する。このため、入射面20I、ひいては照明瞳面IPPには、光束A11及びA12の場合とは異なるレーザ光のスペックルパターンが形成され、レチクル面Raの照明領域IAは照度むらB11,B12とは異なる照度むらB13を持つ照明光ILで照明される。
ただし、光束シフト光学系14による光束シフトが生じても、その光束シフトが生じた光束の入射面20Iにおける入射位置は変化しないため、スペックルパターンが無い場合には、照明瞳面IPPにおける光強度分布は目標とする分布に固定されている。また、入射面20Iに対する照明光ILの入射角に応じてスペックルパターンの状態が変化しても、種々の入射角の照明光ILによって生じるスペックルパターンを積算すれば、平均化によってほぼ均一な光強度分布が得られることになる。
本実施形態では、光束シフト光学系14において、ほぼ照明光ILがパルス発光される毎に照明光ILに対して動的に異なる方向及びシフト量の光束シフトが生じるため、レチクル面Raの照明領域IAは、照明光ILがパルス的に照射される毎に、互いに異なる状態のスペックルパターンに応じた照度むらB11〜B13等を持つ光束で照射される。また、照明光ILの周波数が例えば数100kHz〜1MHz程度であれば、レチクルRのパターンの投影光学系PLを介したウエハWに対する露光は、例えば数千〜数万パルスの積算露光で行われる。従って、光束シフト光学系14によって次第に変化するスペックルパターンに応じた照度むらを持つ多くのパルス光でウエハWを積算露光することによって、ウエハWにおける露光量むらは極めて小さくなり、スペックルパターンの影響が大きく低減される。なお、本実施形態の露光装置EXは走査露光方式であるため、露光中に、レチクルRとウエハWとの投影光学系PLに対する相対位置(ひいては、照明領域IAに対するウエハWの相対位置)は次第に変化し、照明領域IAを走査方向に横切る多数の位置の像がウエハW上の同じ点に数千〜数万パルスで積算露光されるため、平均化効果によってさらにスペックルパターンの影響は軽減される。
図4(A)は、パルス発光される照明光ILを光束シフト光学系14で動的にシフトさせながらレチクルRの照明領域IAを照明した場合に、その照明領域IAのパルス発光毎の光強度分布を積算して得られる光強度分布(積算光量分布)の一例を、本発明者がシミュレーションによって求めたものである。図4(A)の横軸は照明領域IAの中心に対するある方向(X方向とする)の位置X(mm)、縦軸はその位置Xにおける光強度の相対値(相対強度)である。また、図4(B)は、図4(A)の光強度分布を空間的にフーリエ変換して得られる空間周波数分布を示す。図4(B)の横軸はX方向の空間周波数(/mm)、縦軸はその空間周波数における振幅(相対振幅)である。
また、そのシミュレーションの条件は、図3(C)に示すように、回折光学素子13Aに入射する照明光ILの光束の幅Dを7mm、集光光学系17の焦点距離f1を1000mm、集光光学系17の後側焦点位置と入射面20Iとのずれ量Δf1を100mm、MFL20の各レンズエレメント20aの焦点距離fFEを70mm、各レンズエレメント20aの幅pFEを0.7mmとして、照明光ILの空間コヒーレンスはほぼ1であるとした。また、照明σ絞り22の開口の半径は、σ値でほぼ0.14に相当する値として、光束シフト光学系14による照明光ILの直交する2方向のシフト量をそれぞれ±0.25mmの範囲内でパルス発光毎にランダムであるとして、積算露光パルス数を400パルスとした。
また、図3(A)の照明光学系ILSから光束シフト光学系14を除いた構成(以下、比較例という)の照明光学系を用いた場合に、同じ条件でシミュレーションを行った結果が図4(C)の光強度分布及び図4(D)の空間周波数分布である。この場合、望ましい光強度分布は、位置Xに関係なく一定の光強度になる分布であり、図4(A)(実施形態)及び図4(C)(比較例)の光強度分布において、平均値からのずれが光強度のむら又は光強度のノイズに相当する。図4(A)と図4(C)との比較より、本実施形態の光強度分布は、高い空間周波数領域(高周波領域)の成分(ノイズ)が少ないように見える。実際に、図4(B)(本実施形態)と図4(D)(比較例)との比較より、本実施形態の光強度分布は、空間周波数がほぼ1(/mm)以上の高周波領域B1のノイズが大幅に低減していることが分かる。従って、本実施形態の光束シフト光学系14を用いて矢印A1で示すように動的に照明光ILをシフトしながらレチクルRの照明領域IAをパルス照射し、パルス照射毎の光強度分布を積算することによって、比較例に比べて、特に高周波領域B1のノイズ(光強度分布のむら)を大幅に低減できることが分かる。
次に、本実施形態の露光装置EXの照明光学系ILSを用いた照明方法を含む露光方法の一例につき図5のフローチャートを参照して説明する。この動作は主制御系35によって制御される。まず、図5のステップ102において、図1(A)のレチクルステージRSTにレチクルRがロードされ、照明条件切り替え装置8によってレチクルRの照明条件に応じた回折光学素子(例えば回折光学素子13A)が照明光路に設置され、レチクルRのアライメントが行われる(ステップ104)。そして、ウエハステージWSTにフォトレジストの塗布された未露光のウエハWがロードされ、ウエハWのアライメントが行われる(ステップ106)。
その後、光源10からの照明光ILのパルス発光が開始され(ステップ108)、照明光ILが回折光学素子13Aに照射され、回折光学素子(DOE)13Aの複数の回折部13Aa,13Abでそれぞれ照明光ILの角度分布が照明条件に対応した分布に変換され(ステップ110)、回折光学素子13Aを通過した照明光ILがほぼパルス発光毎に光束シフト光学系14によって動的にシフトされる(ステップ112)。そして、光軸AXIに垂直な方向にシフトされた照明光ILが、アキシコン系18及び集光光学系17を介してMFL20の入射面20Iに集光され(ステップ114)、集光された照明光ILがMFL20の各レンズエレメント20aでそれぞれ角度分布が広がるように変換され(ステップ116)、MFL20を通過した照明光ILが第1リレーレンズ23〜コンデンサ光学系27を介してレチクル面Raの照明領域IAを照明する(ステップ118)。そして、照明光ILのもとでレチクルRのパターンの投影光学系PLによる像でウエハWの各ショット領域が走査露光され(ステップ120)、ウエハWの露光終了後に光源10の照明光ILの発光が停止され、ウエハWがアンロードされる(ステップ122)。
その後、次のウエハに露光する場合には(ステップ124)、ステップ106〜122の照明及び露光の動作が繰り返される。なお、ステップ112の光束シフト光学系14による照明光ILのシフトは、ほぼ光源10からの照明光ILのパルス発光が行われる毎に、そのシフト量が不規則に変化するように連続して行われる。この照明方法を含む露光方法によれば、ほぼパルス光の発光毎に回折光学素子13Aを通過した照明光IL(パルス光)を光束シフト光学系14によって異なるシフト量でシフトさせ、シフトされたパルス光で集光光学系17、MFL20、及び第1リレーレンズ23〜コンデンサ光学系27を介してレチクル面Raを照明している。このため、パルス発光毎にMFL20の入射面20I(照明瞳面IPP)に形成されるレーザ光のスペックルパターンの状態(光強度分布)が大きく異なっている。そして、このようにスペックルパターンの状態が大きく異なる多くのパルス光で、レチクル面Raのパターン及び投影光学系PLを介してウエハWの各点を積算して露光している。このため、照明光ILの可干渉性(例えば空間コヒーレンス)が高く、かつ照明光学系ILSの開口数が極端に低い場合でも、パルス発光毎に入射面20I(照明瞳面IPP)に形成されるスペックルパターンの影響を大きく低減させて、ウエハWの各点での積算露光量のむらが極めて小さくなり、レチクルRのパターンの像をウエハWの各ショット領域の全面に高精度(高い解像度で)に露光できる。
上述のように本実施形態の露光装置EXは、露光用の光源10からの照明光IL(露光光)でレチクル面Ra(被照射面)を照明する照明光学系ILSを備えている。そして、照明光学系ILSは、光源10からの光の角度分布を変化させて射出する複数の回折部13Aa,13Ab等(角度分布変更部)を照明光路を横切る配置面13I(第1面)に並列に配置した回折光学素子13A(第1光学部材)と、回折光学素子13Aから射出される光の角度分布を、照明光路を横切るように配置されたMFL(マイクロフライアイレンズ)20の入射面20I(第2面)で位置分布に変換する集光光学系17(第2光学部材)と、集光光学系17を介した光の光路に配置されるMFL20(オプティカルインテグレータ)と、を備えている。さらに、照明光学系ILSは、回折光学素子13Aと集光光学系17との間に配置されて、回折光学素子13Aから射出される全部の光(少なくとも一部の光でもよい)を、照明光学系ILSの光軸AXIに垂直な方向にほぼ連続的にシフト量を不規則に変化させながら(動的に)シフトさせる光束シフト光学系14(第1シフト部材)を備えている。
また、本実施形態の照明方法は、光源10からの照明光ILでレチクル面Raを照明する照明方法である。この照明方法は、光源10からの光を配置面13I上の回折光学素子13Aの複数の回折部13Aa,13Ab(第1領域)に入射させ、複数の回折部13Aa,13Abに入射する光の角度分布をそれぞれ変化させるステップ110と、その角度分布が変化した光を光軸AXIに垂直な方向に動的にシフトさせるステップ112と、そのシフトした光を光学的にフーリエ変換するステップ114と、を有する。さらに、その照明方法は、その光学的にフーリエ変換された光を、入射面20I上のMFL20の複数のレンズエレメント20a(第2領域)に入射させ、このレンズエレメント20aに入射する光の角度分布をそれぞれ変化させるステップ116と、複数のレンズエレメント20aを通過した複数の光を、レチクル面Raにおいて少なくとも一部が重畳するように集光するステップ118と、を有する。
本実施形態の照明光学系ILS又は照明方法によれば、光束シフト光学系14を用いて、照明光ILをシフトさせることによって、さらに集光光学系17を通過した照明光ILのMFL20又は入射面20Iに入射する際の角度が変化して、MFL20又は入射面20Iにおけるスペックルパターンの状態(光強度分布)が動的に変化する。そして、スペックルパターンの状態が動的に変化した照明光ILを用いて連続して(積算して)レチクル面Raを照明することによって、積算効果によって、レチクル面Raにおける積算光量分布(ウエハWに対する積算露光量分布に対応する)のむら(ばらつき)のうちで特に高い空間周波数成分を大きく低減できる。このため、可干渉性の高い照明光ILを使用する場合であっても、スペックルパターンによって生じる被照射面上での照度むらの影響を大きく低減できる。さらに、照明光学系ILSの開口数が極端に低い場合でも、照明光ILのスペックルパターンの影響を大きく低減できる。
また、本実施形態の露光装置EXを用いる露光方法は、光源10からの照明光ILで例えばレチクルRのパターンを照明し、照明光ILでそのパターン及び投影光学系PLを介してウエハW(基板)を露光する露光方法において、本実施形態の照明方法(ステップ108〜118)を用いて照明光ILでそのパターンを照明している。その露光装置EX又は露光方法によれば、その照明光ILの多くのパルス光でレチクルRのパターンを介してウエハWの各点を積算露光しているため、各パルス光で生じるスペックルパターンの影響を大幅に低減させて、ウエハWの露光量分布を均一にして、ウエハWの全面に高い露光精度でレチクルRのパターンの像を露光できる。
なお、上記の実施形態では以下のような変形が可能である。
まず、図6(A)の第1変形例の照明光学系ILSAで示すように、回折光学素子13A等(以下、回折光学素子13Aとする)と集光光学系17との間に配置されて、光束を矢印A1で示すようにシフトさせる光束シフト光学系14とともに、光源10と回折光学素子13Aとの間に配置されて、回折光学素子13Aに入射する照明光ILの全部(少なくとも一部でもよい)の角度を連続的にほぼ不規則に(動的に)変化させる角度制御用の遅延光学系45(第2角度制御部)を備えることが好ましい。なお、図6(A)及び後述の図7(A)において図1(A)及び図3(A)に対応する部分には同一又は類似の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図6(A)はこの変形例の光源10、照明光学系ILSA、及び照明制御部36を示す。この照明光学系ILSAは、図1(A)の露光装置EXにおいて照明光学系ILSの代わりに使用可能である。図6(A)において、回折光学素子13Aと集光光学系17との間にある光束シフト光学系14は、図1(A)中の光束シフト光学系14と同じ構成の入射する光束を動的に光軸AXIに垂直な方向にシフトさせる光学系である。
また、光源10から射出された可干渉性の高いパルスレーザ光よりなる照明光ILは、ビームエキスパンダ11及びミラー12を介して光軸AXIに平行に(ここではX軸に平行に)遅延光学系45に入射する。そして、遅延光学系45でほぼ不規則に所定の遅延時間を隔てて、かつ代表的に入射方向A31,A32,A33で示すように順次互いに異なる入射角(光軸AXIに対する角度)となったパルスレーザ光よりなる照明光ILが回折光学素子13Aに入射する。
図6(B)は、図6(A)中の遅延光学系45の構成例を示す。図6(B)において、入射する照明光ILの回折光学素子13Aまでの光路上で光軸AXIに沿って、交互に光軸AXIに対するハーフミラー面(又は偏光ビームスプリッター面)の角度が右回りに45度及び左回りに45度となるように、ハーフミラー46A,46B,46C,46D,46E、及び偏光ビームスプリッター(以下、PBSという)47が配置されている。この場合、入射する照明光ILはPBS47に対してP偏光(PBS47を透過する直線偏光)であり、ハーフミラー46A〜46E及びPBS47(第3光学部材)を直列に透過した照明光ILは、回折光学素子13Aに垂直に(光軸AXIに平行に)入射する。
また、入射する照明光ILからハーフミラー46Aで−Z方向に分岐された光束は、リレー光学系50A、2枚の互いにほぼ直交するようにX軸に対してほぼ45度で傾斜したミラー48A,48B、及びリレー光学系50Bを介してハーフミラー46Bに入射し、ハーフミラー46Bで+Z方向に分岐された光束は、リレー光学系50C、2枚の互いにほぼ直交するようにX軸に対してほぼ45度で傾斜したミラー48C,48D、及びリレー光学系50Dを介してハーフミラー46Cに入射する。そして、ハーフミラー46Cで−Z方向に分岐された光束は、2枚のほぼ直交するようにX軸に対してほぼ45度で傾斜したミラー48E,48Fを介してハーフミラー46Dに入射し、ハーフミラー46Dで+Z方向に分岐された光束は、2枚のほぼ互いに直交するようにX軸に対してほぼ45度で傾斜したミラー48G,48Hを介してハーフミラー46Eに入射する。そして、ハーフミラー46Eで−Z方向に分岐された光束は、2枚のほぼ互いに直交するようにX軸に対してほぼ45度で傾斜したミラー48I,48J(第4光学部材)、及び偏光方向を90度回転するための1/4波長板49を介してPBS47に入射し、1/4波長板49を介してPBS47に入射した光束はPBS47で反射されて回折光学素子13Aに入射する。
また、例えばハーフミラー46Eで分岐された光束IL1がミラー48I,48J及びPBS47を介して回折光学素子13Aに入射するときの入射角(光軸AXIに対する角度)をΔφとすると、一例としてΔφが0.03/16deg程度になり、かつ光束IL1が回折光学素子13A上の予め定められた照射領域に入射するように、ミラー48J(第5光学部材)の位置及び角度が調整される。そして、ハーフミラー46Dで分岐された光束IL2が、ミラー48G,48Hを介して回折光学素子13Aの照射領域に入射するときの入射角が例えば2Δφになるようにミラー48Hの位置及び角度が調整される。このとき、光束IL2からハーフミラー46Eで−Z方向に分岐された光束IL3は、ミラー48I,48J及びPBS47を介して回折光学素子13Aに入射角3Δφで入射する。同様に、ミラー48F,48D,48Bの位置及び角度は、ミラー48F,48D,48Bを介して回折光学素子13Aの照射領域に入射する光束IL4等の入射角がそれぞれ4Δφ、8Δφ、及び−16Δφ(逆方向に傾斜した角度)になるように設定される。これによって、5個のハーフミラー46A〜46で分岐及び/合成された32(=25)個の光束が互いに異なる入射角で、回折光学素子13Aの照射領域に入射する。
また、この変形例において、一例として、光源10から射出される照明光ILを周波数が数100kHz〜1MHzで、パルス幅がほぼ1nsのパルスレーザ光であるとする。このとき、光束cは3×108m/sであるため、1ns(=10-9s)に光が進む距離はほぼ0.3m(30cm)である。また、光軸AXIからミラー48I,48J、ミラー48G,48H、ミラー48E,48F、ミラー48C,48D、ミラー48A,48Bまでの距離をそれぞれL1、L2、L3、L4、及びL5とすると、ハーフミラー46A〜46Eによって分岐された32個のパルス光の光路長の差は2L1、(2L2−2L1)、(2L3−2L2)、(2L4−2L3)、及び(2L5−2L4)のいずれかの和となる。このとき、ハーフミラー46A〜46Eによって分岐された32個のパルス光が回折光学素子13A上で時間的に重ならないようにそれらのパルス光間に遅延時間を与えるためには、それらの光路長の差が30cm以上であればよい。そこで、一例として、距離Lj(j=1〜5)はそれぞれ少なくとも15cm、2×15cm、4×15cm、…、16×15cm(30cm×2j-1 )に設定されている。
この構成によって、図6(B)に示すように、遅延光学系45に所定周波数(周期Tinとする)で入射した各パルス光A4(照明光IL)から、それぞれ光強度が1/32で、回折光学素子13Aに対する入射角が互いに異なるとともに、次第に大きい遅延時間が付与されて時間的に重ならない32個のパルス光A41,A42,…,A432が出力される。32個のパルス光A41〜A432が発生する時間ΔTはほぼ32ns程度で、この時間ΔTは周期Tinに比べてかなり短い時間である。なお、遅延光学系45は、入射する各パルス光からそれぞれ32個のパルス光を生成しているが、遅延光学系45では、入射する各パルス光からそれぞれ少なくとも2個の互いに角度が異なり、かつ時間的にほぼ重ならないパルス光を生成すればよい。
次に、この変形例の照明光学系ILSA中の角度制御用の遅延光学系45及び光束シフト光学系14の動作につき詳細に説明する。照明光学系ILSAの開口数NAILも例えば1/4程度から例えば1/100程度と極端に低くなってもよい。
図7(A)は図6(A)の照明光学系ILSAの遅延光学系45からレチクルRまでの部分を簡略化して示す。図7(A)において、遅延光学系45に可干渉性の高いパルス光よりなる照明光ILが入射し、遅延光学系45から照明光ILから分岐された第1のパルス光が例えば入射方向A31に沿って回折光学素子13Aに入射する。この第1のパルス光によって回折光学素子13Aから発生する回折光は、光束シフト光学系14及び集光光学系17を介してMFL20の入射面20Iに入射し、この回折光によって入射面20I、ひいては照明瞳面IPPにレーザ光のスペックルパターンが形成され、レチクル面Raの照明領域IAはそのスペックルパターンに応じた照度むらを持つ照明光ILで照明される。
その後、遅延光学系45より照明光ILから分岐された時間的に重ならない第2、第3〜第32のパルス光が例えば入射方向A32、A32等の互いに異なる方向から回折光学素子13Aに入射する。そして、これらの第2〜第32のパルス光によって回折光学素子13Aから発生する回折光は、それぞれ光束シフト光学系14及び集光光学系17を介してMFL20の入射面20Iに入射し、これらの回折光によってレチクル面Raの照明領域IAはそのスペックルパターンに応じた互いに異なる照度むらを持つ照明光ILで照明される。この変形例の照明光学系ILSAを用いる照明方法では、図5のフローチャートにおいて、ステップ108とステップ110との間に、光源10から発生されて回折光学素子13Aに入射する照明光ILの角度を遅延光学系45によって動的に変化させるステップ126が追加される。
この変形例において、遅延光学系45から回折光学素子13Aに入射する複数のパルス光は入射角が互いに異なっているため、これらのパルス光によって回折光学素子13Aから発生する回折光はMFL20の入射面20I上での入射位置がわずかに異なっている。しかしながら、この入射位置のずれ量は極めて小さいため、無視することが可能である。ただし、その入射位置をより正確に規定したい場合には、照明σ絞り22において、光強度分布のうちの光強度を大きくしたい部分にのみ開口を形成しておいてもよい。
また、遅延光学系45から入射する複数のパルス光によってレチクル面Raに生じるスペックルパターンは互いに異なっているため、レチクルR及び投影光学系PLを介してウエハW(図1(A)参照)を、例えば数千〜数万パルスの照明光ILで積算露光することによって、平均化効果でウエハWにおける露光量むらは極めて小さくなり、スペックルパターンの影響が大きく低減される。なお、その数千〜数万パルスとは遅延光学系45に入射する段階での照明光ILのパルス数であり、この変形例ではその照明光ILの各パルス光からそれぞれ32個のパルス光が生成されている。このため、積算露光のパルス数も図1(A)の実施形態に比べて32倍となり、より大きい平均化効果が得られるため、スペックルパターンの影響がより大きく低減される。
さらに、この変形例では、光束シフト光学系14によるスペックルパターンの影響の低減も行われているため、照明光ILの可干渉性が高い場合でも、照明光学系ILSAの開口数が極端に低い場合でも、スペックルパターンの影響を大きく低減できる。
図7(B)は、パルス発光される照明光ILを遅延光学系45で動的に角度を変えて回折光学素子13Aに入射させ、さらに回折光学素子13Aから発生する回折光を光束シフト光学系14で動的にシフトさせながらレチクルRの照明領域IAを照明した場合に、その照明領域IAのパルス発光毎の光強度分布を積算して得られる光強度分布の一例を、本発明者がシミュレーションによって求めたものである。図7(B)の横軸は照明領域IAの位置X(mm)、縦軸はその位置Xにおける光強度の相対値(相対強度)である。また、図7(C)は、図7(B)の光強度分布を空間的にフーリエ変換して得られる空間周波数分布を示す。
また、そのシミュレーションの条件は、図4(A)の場合と同じであるが、パルス光毎の入射角の変化を±0.03degの範囲内でランダムとしている。ここでは、遅延光学系45を用いて32個のビーム角度を規則的に変化させることに加え、光束シフト光学系14でも角度をランダムに変化させることによって実現している。例えば、図1(B)、(C)、(D)に示した2枚の平行平板の表裏面が互いに非平行となるように全体としてくさび形状にして、光束シフト光学系14によって角度をランダムに変化させても良い。また、そのシミュレーションにおいて、積算露光パルス数を遅延光学系45から射出されるパルス光の段階で9216(=288×32)パルスとした。図7(B)と図4(A)との比較より、この変形例によれば、レチクル面での光強度分布はより均一になっていることが分かる。実際に、図7(C)と図4(B)との空間周波数成分の比較より、この変形例によれば、ほぼ0.1〜5(/mm)程度の低い空間周波数領域(低周波領域)のノイズも大きく低減されていることが分かる。ビーム角度をランダムに変化させることによって、レチクル面での強度分布は全体的に横シフトする。それによって、比較的低周波のノイズ成分を取り除くことができる。従って、この変形例によれば、光束のシフトと入射角変化とを組み合わせたことで、高周波領域から低周波領域までの広い範囲のノイズ(光強度分布のむら)を大幅に低減できることが分かる。
次に、図8の第2変形例の照明光学系ILSBで示すように、回折光学素子13A等(以下、回折光学素子13Aとする)と集光光学系17との間に配置されて、光束を矢印A1で示すようにシフトさせる光束シフト光学系14(第1シフト部材)とともに、光源10と回折光学素子13Aとの間に配置されて、光束シフト光学系14と同様に光束を矢印A5で示すように動的にシフトさせる光束シフト光学系51(第2シフト部材)を備えてもよい。ここで、回折光学素子13Aが非周期的な構造を持っている場合には、入射する光の光束シフトによって照射される面が変わった時に、回折光の強度むらがその光束シフトの前後で変化する必要がある。なお、図8及び後述の図9(A)において図1(A)及び図3(A)に対応する部分には同一又は類似の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図8はこの変形例の光源10、照明光学系ILSB、及び照明制御部36を示す。この照明光学系ILSBは、図1(A)の露光装置EXにおいて照明光学系ILSの代わりに使用可能である。図8において、光束シフト光学系51は、図1(A)の光束シフト光学系14と同様に、例えば光軸AXIに対して傾斜した2枚の平行平板ガラスを互いに異なる回転周波数で回転することによって、入射する照明光ILを光軸AXIに垂直な方向に連続的にほぼ不規則に(動的に)シフトさせる。また、この変形例では、光源10からの照明光ILを光束シフト光学系51に導くビームエキスパンダ11Aは、ビーム径を小さくしている。この他の構成は図1(A)の実施形態と同様である。
次に、この変形例の照明光学系ILSB中の光束シフト光学系51の動作につき詳細に説明する。照明光学系ILSBの開口数NAILも例えば1/4程度から例えば1/100程度と極端に低くなってもよい。
図9(A)は図8の照明光学系ILSBの光束シフト光学系51からレチクルRまでの部分を簡略化して示す。図9(A)において、光束シフト光学系51に小さい幅Dの可干渉性の高いパルス光よりなる照明光ILが光軸AXIに平行に入射し、光束シフト光学系51から次第にZ方向の位置がずれた光束A51,A52,…,A55が順次、光軸AXIに平行に回折光学素子13Aに入射する。そして、光束A51によって回折光学素子13Aから発生する回折光は、光束シフト光学系14及び集光光学系17を介してMFL20の入射面20Iに入射し、この回折光によって入射面20I、ひいては照明瞳面IPPにレーザ光のスペックルパターンが形成され、レチクル面Raの照明領域IAはそのスペックルパターンに応じた照度むらを持つ照明光ILで照明される。
その後、Z方向にシフトした光束A52,A53等が順次、回折光学素子13Aに入射する。そして、光束によって回折光学素子13Aから発生する回折光は、それぞれ光束シフト光学系14及び集光光学系17を介してMFL20の入射面20Iに入射し、これらの回折光によってレチクル面Raの照明領域IAは互いに異なる照度むらで照明される。
この変形例において、光束シフト光学系51から回折光学素子13Aに入射する複数の光束A51,A52等は光軸AXIに平行であるため、これらの光束によって回折光学素子13Aから発生する回折光のMFL20の入射面20I上での入射位置は、回折光学素子13Aの回折パターンに応じて規定される位置に固定されているが、入射角が異なっている。このため、入射面20I、ひいては照明瞳面IPPに形成されるスペックルパターンが互いに異なっている。
このように光束シフト光学系51から入射する複数のパルス光によってレチクル面Raに生じるスペックルパターンは互いに異なっているため、レチクルR及び投影光学系PLを介してウエハW(図1(A)参照)を、例えば数千〜数万パルスの照明光ILで積算露光することによって、平均化効果でウエハWにおける露光量むらは極めて小さくなり、スペックルパターンの影響が大きく低減される。さらに、この変形例では、光束シフト光学系14によるスペックルパターンの影響の低減も行われているため、照明光ILの可干渉性が高い場合でも、照明光学系ILSBの開口数が極端に低い場合でも、スペックルパターンの影響を大きく低減できる。
図9(B)は、パルス発光される照明光ILを光束シフト光学系51で動的にシフトさせて回折光学素子13Aに入射させ、さらに回折光学素子13Aから発生する回折光を光束シフト光学系14で動的にシフトさせながらレチクルRの照明領域IAを照明した場合に、その照明領域IAのパルス発光毎の光強度分布を積算して得られる光強度分布(積算光量分布)の一例を、本発明者がシミュレーションによって求めたものである。図9(B)の横軸は照明領域IAの位置X(mm)、縦軸はその位置Xにおける光強度の相対値(相対強度)である。また、図9(C)は、図9(B)の光強度分布を空間的にフーリエ変換して得られる空間周波数分布を示す。
また、そのシミュレーションの条件は、図4(A)の場合と同様であるが、この変形例では、光束シフト光学系51に入射する照明光ILの幅Dを0.5mmとして、回折光学素子13Aに入射する際の光束シフト光学系51における光束のシフト量を直交する2方向でそれぞれ±3.06mmの範囲を8等分及び4等分した量に設定し、回折光学素子13Aから射出された後の光束シフト光学系14における光束のシフト量を直交する2方向でそれぞれ±0.138mmの範囲を7等分した量に設定した。また、積算露光パルス数を1568とした。図9(B)と図4(A)との比較より、この変形例によれば、レチクル面での光強度分布はより均一になっていることが分かる。実際に、図9(C)と図4(B)との空間周波数成分の比較より、この変形例によれば、ほぼ0.1〜5(/mm)程度の低い空間周波数領域(低周波領域)のノイズも大きく低減されていることが分かる。これは回折光学素子13Aへの入射光束シフトによって、MFL20の入射面20I上の強度分布が全体的に変化し、積算露光によって低周波のノイズ成分を取り除くことができるためである。従って、この変形例によれば、積算露光によって、高周波領域から低周波領域までの広い範囲のノイズ(光強度分布のむら)を大幅に低減できることが分かる。
また、上記の実施形態又はその変形例において、光束シフト光学系14,51の代わりに、例えば光軸に対して傾斜した1枚の平行平板ガラスを非周期的に回転させる機構、又は光軸に対して傾斜した3枚以上の平行平板ガラスを互いに異なる回転周波数で回転させる機構を使用してもよい。さらに、光束シフト光学系14,51の代わりに、例えば1枚の平行平板ガラスの光軸に対する傾斜角を不規則に変化させる機構を使用してもよい。このように光束シフト光学系14,51の代わりに、光束をシフトできる任意の機構を使用できる。
また、光束シフト光学系14等を用いて光束を連続的にシフトさせる代わりに、光束を間欠的にほぼ不規則にシフトさせてもよい。
[第2の実施形態]
第2の実施形態につき図10(A)及び(B)を参照して説明する。なお、図10(A)及び(B)において図1(A)及び図3(A)に対応する部分には同一又は類似の符号を付してその詳細な説明を省略する。図10(A)は本実施形態に係る露光装置に備えられた露光用の光源10、光源10からの照明光ILでレチクル面を照明する照明光学系ILSC、及び照明光学系ILSCの動作を制御する照明制御部36を示す。この照明光学系ILSCは、図1(A)の露光装置EXにおいて照明光学系ILSの代わりに使用可能である。
図10(A)において、照明光学系ILSCは照明条件切り替え装置8Aを備え、照明条件切り替え装置8Aは、ターレット板31に設けられた複数の回折光学素子13A,13B等と、ターレット板31を回転駆動する駆動部30Aと、駆動部30A及びターレット板31を全体として光軸AXIに平行な軸を中心として直交する2方向に所定範囲で連続的にほぼ不規則に(動的に)振動させる駆動部30Dと、を備えている。駆動部30Dは例えばボイスコイルモータ等から構成できる。照明制御部36は、駆動部30Aを介して照明光路に照明条件に応じた回折光学素子(ここでは回折光学素子13Aとする)を設置し、露光中に、連続して駆動部30Dを介して照明光路上の回折光学素子13Aを光軸AXIに垂直な方向に連続的にほぼ不規則に(動的に)シフトさせる。一例として、駆動部30Dは、回折光学素子13Aを不規則に振動させる。また、本実施形態では、回折光学素子13Aと集光光学系17との間には光束シフト光学系14等は設けられていない。この他の構成は図1(A)の実施形態と同様である。
本実施形態において、照明光学系ILSC中の回折光学素子13A(又は他の回折光学素子でもよい)をシフトさせることの作用につき説明する。本実施形態においても、照明光学系ILSCの開口数NAILは例えば1/4程度から例えば1/100程度と極端に低くなってもよい。
図10(B)は図10(A)の照明光学系ILSCの回折光学素子13AからレチクルRまでの部分を簡略化して示す。図10(B)において、ある時刻に回折光学素子13Aに可干渉性の高いパルス光よりなる照明光ILが光軸AXIに平行に入射し、回折光学素子13Aから回折光A21が発生する。回折光A21は、集光光学系17を介してMFL20の入射面20Iに入射し、この回折光によって入射面20I、ひいては照明瞳面IPPにレーザ光のスペックルパターンが形成され、レチクル面Raの照明領域IAはそのスペックルパターンに応じた照度むらを持つ照明光ILで照明される。
本実施形態では、回折光学素子13Aは矢印A2で示すように振動しているため、その後、回折光学素子13Aに可干渉性の高い別のパルス光よりなる照明光ILが入射する際には、回折光学素子13Aは光軸AXIに垂直な方向にδだけシフトしている。このため、回折光学素子13Aから発生する回折光A22は、先に発生した回折光A21に対して光軸AXIに垂直な方向にδだけシフトして集光光学系17に入射する。このため、回折光A22は、集光光学系17を介してMFL20の入射面20Iの照射領域(回折光A21と同じ照射領域)に入射する際の入射角が異なっている。従って、この回折光A22によって入射面20I、ひいては照明瞳面IPPに回折光A21の場合とは異なるスペックルパターンが形成され、レチクル面Raの照明領域IAはその異なるスペックルパターンに応じた照度むらを持つ照明光ILで照明される。
このように、回折光学素子13Aの位置がシフトする毎に、図1(A)の光束シフト光学系14によって照明光ILを光軸AXIに垂直な方向にシフトさせる場合と同様に、回折光学素子13Aから発生して入射面20Iに入射する回折光(パルス光)の入射角が変化してスペックルパターンの状態(光強度分布)が変化する。従って、本実施形態によれば、照明光学系ILSCからの照明光ILでレチクルRを介してウエハを積算露光することによって、第1の実施形態と同様に、照明光ILの可干渉性が高い場合でも、照明光学系ILSBの開口数が極端に低い場合でも、スペックルパターンの影響を大きく低減できる。
このように本実施形態の照明光学系ILSCは、光源10からの照明光ILの角度分布を変化させて射出する回折光学素子13A(第1光学部材)と、回折光学素子13Aから射出される照明光ILの角度分布を、入射面20Iで位置分布に変換する集光光学系17(第2光学部材)と、集光光学系17を介した照明光ILの光路に配置されるMFL20と、MFL20に入射する照明光ILの角度を動的に変化させる駆動部30D(第1角度制御部)と、を備えている。
本実施形態の照明光学系ILSC又は照明方法によれば、駆動部30Dを用いて回折光学素子13Aを光軸AXIに垂直な方向に動的にシフトさせることによって、MFL20に入射する照明光ILの角度を動的に変化させているため、MFL20又は入射面20Iにおけるスペックルパターンの状態が動的に変化する。そして、スペックルパターンの状態が動的に変化した照明光ILを用いて継続して(積算して)レチクル面Raを照明することによって、積算効果によって、レチクル面Raにおける積算光量分布のむらのうちで特に高い空間周波数成分を大きく低減できる。このため、可干渉性の高い照明光ILを使用する場合であっても、スペックルパターンによって生じる被照射面上での照度むらの影響を大きく低減できる。このため、可干渉性の高い照明光ILを使用する場合であっても、照明光学系ILSCの開口数が極端に低い場合であっても、レチクル面Raにおけるスペックルパターンの影響を大きく低減できる。
なお、この第2の実施形態の照明光学系ILSCにおいて、光源10と回折光学素子13Aとの間に図6(A)の遅延光学系45と同様の、回折光学素子13Aに入射する照明光ILの角度を動的に変化させる第2角度制御部を配置してもよい。これによって、スペックルパターンの影響をより大きく低減できる。
また、この第2の実施形態の照明光学系ILSCにおいて、光源10と回折光学素子13Aとの間に図8の光束シフト光学系51と同様の、回折光学素子13Aに入射する照明光ILをシフトする光束シフト部を配置してもよい。これによって、スペックルパターンの影響をより大きく低減できる。
さらに、この第2の実施形態の照明光学系ILSCにおいて、回折光学素子13Aと集光光学系17との間に図1(A)の光束シフト光学系14と同様の、回折光学素子13Aから発生する回折光をシフトする光束シフト部を配置してもよい。これによって、スペックルパターンの影響をより大きく低減できる。この場合に、光源10と回折光学素子13Aとの間に、さらに遅延光学系45又は光束シフト光学系51を配置してもよい。
なお、上記の第1、第2の実施形態、及びこれらの変形例において、回折光学素子13A等の代わりに、それぞれ直交する2軸の回りの傾斜角が可変の多数の微小なミラー要素(反射要素)のアレイを有する空間光変調器(spatial light modulator: SLM )を使用してもよい。この場合には、空間光変調器(第1光学部材)の個々のミラー要素、又は所定の複数のミラー要素が、それぞれ光源からの光の角度分布を変化させて射出する角度分布変更部となり、これら複数の角度分布変更部がミラー要素のアレイの配列面(第1面)に配列されている。
また、その空間光変調器として、それぞれ反射面の法線方向の位置が可変の多数の微小なミラー要素のアレイを有する空間光変調器を使用してもよい。
また、上記の第1、第2の実施形態、及びこれらの変形例においては、光源10から射出される照明光ILはパルスレーザ光である。しかしながら、照明光ILとしては、連続光(例えば連続的に出力されるレーザ光)を使用してもよい。
また、照明光学系ILS〜ILSCは、オプティカルインテグレータとしてMFL20(フライアイインテグレータ)の代わりにロッドレンズ(内面反射型インテグレータ)を用いて構成してもよい。この場合にも、光束シフト光学系14等を用いることでスペックルパターンの影響を低減できる。
また、上記の実施形態の露光装置EX又は露光方法を用いて半導体デバイス等の電子デバイス(又はマイクロデバイス)を製造する場合、電子デバイスは、図11に示すように、電子デバイスの機能・性能設計を行うステップ221、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ222、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造してレジストを塗布するステップ223、前述した実施形態の露光装置又は露光方法によりマスクのパターンを基板(感応基板)に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ224、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)225、並びに検査ステップ226等を経て製造される。
従って、このデバイス製造方法の基板処理ステップ224は、上記の実施形態の露光装置又は露光方法を用いて所定のパターンを介して基板を露光(形成)する露光工程と、そのパターンが露光(形成)された基板を処理することとを含んでいる。その露光装置又は露光方法によれば、露光用の照明光の可干渉性が高い場合でもスペックルパターンの影響を低減できるため、電子デバイスを高精度に製造できる。
なお、本発明は、上述の走査露光型の露光装置で露光する場合の他に、ステッパー等の一括露光型の露光装置で露光する場合にも適用できる。さらに、本発明は、例えば米国特許出願公開第2007/242247号明細書、又は欧州特許出願公開第1420298号明細書等に開示されている液浸型露光装置で露光する場合にも適用できる。また、本発明は、投影光学系を使用しないプロキシミティ方式の露光装置にも適用可能である。
また、本発明は、半導体デバイスの製造プロセスへの適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置の製造プロセスや、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems:微小電気機械システム)、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスの製造プロセスにも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグラフィ工程を用いて製造する際の、製造工程にも適用することができる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
EX…露光装置、R…レチクル、PL…投影光学系、W…ウエハ、ILS〜ILSC…照明光学系、13A,13B…回折光学素子、14…光束シフト光学系、17…集光光学系、20…MFL(マイクロフライアイレンズ)、22…照明σ絞り、45…遅延光学系、51…光束シフト光学系、30D…駆動部

Claims (21)

  1. 光源からの光で被照射面を照明する照明光学系において、
    前記光源からの光の角度分布を変化させて射出する複数の角度分布変更部を照明光路を横切る第1面に並列に配置した第1光学部材と、
    前記第1光学部材から射出される光の角度分布を、照明光路を横切る第2面で位置分布に変換する第2光学部材と、
    前記第2光学部材を介した光の光路に配置されるオプティカルインテグレータと、
    前記第1光学部材と前記第2光学部材との間に配置されて、前記第1光学部材から射出される光のうち少なくとも一部の光を前記照明光学系の光軸に垂直な方向に動的にシフトさせる第1シフト部材と、
    を備えることを特徴とする照明光学系。
  2. 前記第1シフト部材は、前記光軸に対して傾斜して配置されるとともに回転駆動される少なくとも一つの平行平板を含むことを特徴とする請求項1に記載の照明光学系。
  3. 光源からの光で被照射面を照明する照明光学系において、
    前記光源からの光の角度分布を変化させて射出する複数の角度分布変更部を照明光路を横切る第1面に並列に配置した第1光学部材と、
    前記第1光学部材から射出される光の角度分布を、照明光路を横切る第2面で位置分布に変換する第2光学部材と、
    前記第2光学部材を介した光の光路に配置されるオプティカルインテグレータと、
    前記オプティカルインテグレータに入射する光のうち少なくとも一部の光の角度を動的に変化させる第1角度制御部と、
    を備えることを特徴とする照明光学系。
  4. 前記第1角度制御部は、前記第1光学部材を前記光軸に垂直な方向に動的に移動させる機構を含むことを特徴とする請求項3に記載の照明光学系。
  5. 前記第1光学部材に入射する光のうち少なくとも一部の光の角度を動的に変化させる第2角度制御部を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の照明光学系。
  6. 前記第2角度制御部は、
    前記光源からの光より複数の光束を分岐する第3光学部材と、
    分岐された前記複数の光束間に互いに異なる遅延時間を付与する第4光学部材と、
    前記複数の光束を互いに異なる角度で傾斜させて前記第1の光学部材に導く第5光学部材と、を有することを特徴とする請求項5に記載の照明光学系。
  7. 前記第1光学部材に入射する光のうち少なくとも一部の光を前記光軸に垂直な方向に動的にシフトさせる第2シフト部材を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の照明光学系。
  8. 前記第2シフト部材は、前記光軸に対して傾斜して配置されるとともに回転駆動される少なくとも一つの平行平板を含むことを特徴とする請求項7に記載の照明光学系。
  9. 前記光源からの光はパルス発光されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の照明光学系。
  10. 露光光源からの光でパターンを照明し、前記露光光源からの光で前記パターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光装置において、
    請求項1乃至9のいずれか一項に記載の照明光学系を備え、
    前記照明光学系を用いて前記露光光源からの光で前記パターンを照明する露光装置。
  11. 光源からの光で被照射面を照明する照明方法において、
    前記光源からの光を照明光路を横切る第1面上の複数の第1領域に入射させ、該複数の第1領域に入射する光の角度分布をそれぞれ変化させることと、
    前記角度分布が変化した光の少なくとも一部の光を該光の光軸に垂直な方向に動的にシフトさせることと、
    前記光軸に垂直な方向にシフトした光を光学的にフーリエ変換することと、
    前記光学的にフーリエ変換された光を、照明光路を横切る第2面上の複数の第2領域に入射させ、該複数の第2領域に入射する光の角度分布をそれぞれ変化させることと、
    前記複数の第2領域を通過した複数の光を、前記被照射面において少なくとも一部が重畳するように集光することと、
    を含むことを特徴とする照明方法。
  12. 前記光を前記光軸に垂直な方向にシフトさせるために、前記光を前記光軸に対して傾斜して配置されるとともに回転駆動される少なくとも一つの平行平板に通すことを特徴とする請求項11に記載の照明方法。
  13. 光源からの光で被照射面を照明する照明方法において、
    前記光源からの光を照明光路を横切る第1面上の複数の第1領域に入射させ、該複数の第1領域に入射する光の角度分布を変化させることと、
    前記角度分布が変化した光を光学的にフーリエ変換することと、
    前記光学的にフーリエ変換された光を、照明光路を横切る第2面上の複数の第2領域に入射させ、該複数の第2領域に入射する光の角度分布をそれぞれ変化させることと、
    前記複数の第2領域を通過した複数の光を、前記被照射面において少なくとも一部が重畳するように集光することと、
    前記第2面に入射する光のうち少なくとも一部の光の角度を動的に変化させることと、
    を含むことを特徴とする照明方法。
  14. 前記光の角度を動的に変化させるために、前記光源からの光の角度分布を変化させるための光学部材を前記光軸に垂直な方向に動的に移動させることを特徴とする請求項13に記載の照明方法。
  15. 前記光源からの光の角度分布を変化させる前に、前記光源からの光のうち少なくとも一部の光の角度を動的に変化させることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか一項に記載の照明方法。
  16. 前記光源からの光の角度分布を変化させる前に、前記光の角度を動的に変化させるために、
    前記光源からの光より複数の光束を分岐し、
    分岐された前記複数の光束間に互いに異なる遅延時間を付与し、
    前記複数の光束を互いに異なる角度で傾斜させることを特徴とする請求項15に記載の照明方法。
  17. 前記光源からの光の角度分布を変化させる前に、前記光源からの光のうち少なくとも一部の光を前記光軸に垂直な方向に動的にシフトさせることを特徴とする請求項11乃至16のいずれか一項に記載の照明方法。
  18. 前記光源からの光はパルス発光されることを特徴とする請求項11乃至17のいずれか一項に記載の照明方法。
  19. 露光光源からの光でパターンを照明し、前記露光光源からの光で前記パターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光方法において、
    請求項11乃至18のいずれか一項に記載の照明方法を用いて前記露光光源からの光で前記パターンを照明する露光方法。
  20. 請求項10に記載の露光装置を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、
    前記パターンが形成された前記基板を処理することと、
    を含むデバイス製造方法。
  21. 請求項19に記載の露光方法を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、
    前記パターンが形成された前記基板を処理することと、
    を含むデバイス製造方法。
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