JP2014238948A - 二次電池のインピーダンスの評価方法 - Google Patents

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昌幸 板垣
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Abstract

【課題】二次電池のインピーダンスを測定する。
【解決手段】本発明による評価方法は、(1)二次電池に定電流Iを印加して、前記二次電池を充電または放電するステップを有し、さらに、前記(1)のステップ中に、(2)任意のタイミングで、前記二次電池に電流入力信号I(t)を印加し、電圧応答信号V(t)を取得するステップであって、前記電流入力信号I(t)は、前記定電流Iに矩形波I(t)を重畳することにより得られるステップと、(3)電流入力信号I(t)および前記電圧応答信号V(t)をフーリエ変換して、それぞれ、第1の周波数領域データP(ω)および第2の周波数領域データP(ω)を取得するステップと、(4)前記第1および第2の周波数領域データから、前記二次電池の所望の充電深度または放電深度でのインピーダンススペクトルを計算するステップと、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池のインピーダンスの評価方法に関する。
充電による繰り返し使用が可能な蓄電池、すなわち二次電池は、各種用途において広く使用されている。特に、リチウムイオン二次電池は、小型、大容量で起電力が高い等の特徴があり、例えば、通信機器(例えば携帯電話、スマートフォン)、AV機器(例えば携帯型ゲーム機)、情報機器(例えばパーソナルコンピュータ)、および自動車(例えばハイブリッド車、電気自動車)など、幅広い分野で広く使用されている。
二次電池は、充電/放電を繰り返すうちに特性が劣化する。また、劣化した二次電池を使用し続けると、短絡や発熱などにより、大きな事故につながる場合がある。このため、二次電池に対しては、開発段階または定期的に、充放電曲線などの電池特性を評価することの重要性が指摘されている。また、最近では、電池特性として、単なる充放電曲線に留まらず、二次電池の内部抵抗(例えばインピーダンス)を評価することも検討されている。
ここで、各種電池特性の評価は、二次電池の充電過程中または放電過程中に、一度に実施することが効率的である。
しかしながら、これまで、充電特性(または放電特性)と内部抵抗など、複数の電池特性を一度に合わせて評価する方法はあまり知られていない。このため、電池の内部抵抗を評価する際には、いったん二次電池の充電または放電を中断してから、測定を実施しなければならないという問題がある。
また、この場合、内部抵抗の評価結果のばらつきを少なくし、測定精度を高めるためには、二次電池の充電または放電を停止してから二次電池が安定するまで、十分に時間を空けてから、内部抵抗の測定を実施する必要がある(例えば30分〜1時間など)。しかしながら、このような対応では、二次電池の充電または放電の完了までに、相当の時間がかかってしまう。これは、例えば、電気自動車など、充電に長い時間をかけることが難しい場合に、大きな問題となり得る。
また、前述のような方法で測定された内部抵抗の測定結果は、二次電池のいわば静的な状態、すなわち平衡状態での挙動に相当する。従って、得られた結果は、二次電池が実際に使用される状態(充電過程または放電過程)における内部抵抗を正確に反映していない可能性がある。
このような背景から、迅速かつ正確に、二次電池の内部抵抗を評価することが可能な方法が要望されている。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、従来に比べてより迅速に、実際の使用環境に近い状態で、二次電池のインピーダンスを測定することが可能な評価方法を提供することを目的とする。
本発明では、二次電池のインピーダンスの評価方法であって、
(1)二次電池に定電流Iを印加して、前記二次電池を充電または放電するステップを有し、
さらに、前記(1)のステップ中に、
(2)任意のタイミングで、前記二次電池に電流入力信号I(t)を印加し、電圧応答信号V(t)を取得するステップであって、前記電流入力信号I(t)は、前記定電流Iに矩形波I(t)を重畳することにより得られるステップと、
(3)電流入力信号I(t)をフーリエ変換して、第1の周波数領域データP(ω)を取得し、前記電圧応答信号V(t)をフーリエ変換して、第2の周波数領域データP(ω)を取得するステップと、
(4)前記第1および第2の周波数領域データから、以下の式により、前記二次電池の所望の充電深度または放電深度でのインピーダンススペクトルを計算するステップと、

Z(ω)=P(ω)/P(ω) (1)式

を有することを特徴とする評価方法が提供される。
ここで、本発明による評価方法は、前記二次電池に過充電または過放電が生じないように実施されても良い。
また、本発明による評価方法において、前記定電流Iが正の場合、前記矩形波I(t)は、前記重畳の間、前記電流入力信号I(t)が前記定電流Iを上回らないように選定され、
前記定電流Iが負の場合、前記矩形波I(t)は、前記重畳の間、前記電流入力信号I(t)が前記定電流Iを下回らないように選定されても良い。
また、本発明による評価方法において、前記矩形波I(t)は、前記定電流Iの印加を一時的に停止することにより形成されても良い。
また、本発明による評価方法において、前記矩形波I(t)は、ダブルパルスであっても良い。
また、本発明による評価方法において、前記矩形波I(t)は、単位波形の複数の繰り返しを有しても良い。
また、本発明による評価方法は、さらに、
(5)前記インピーダンススペクトルZ(ω)から得られる前記二次電池の一つの特性パラメータを、所定の値と比較するステップ
を有しても良い。
この場合、前記所定の値は、前記二次電池の使用前に得られたインピーダンススペクトルZ(ω)から得られる前記二次電池の一つの特性パラメータ、または前記二次電池の一つの特性パラメータの閾値であっても良い。
本発明では、従来に比べてより迅速に、実際の使用環境に近い状態で、二次電池のインピーダンスを測定することが可能な評価方法を提供することができる。
本発明による第1の評価方法のフローの一例を模式的に示した図である。 二次電池に定電流Iを印加した際の電流Iおよび電圧Vの経時変化を模式的に示した図である。 本発明による第1の評価方法の一工程において使用されるデータおよび得られるデータの一例を模式的に示した図である。 本発明による第1の評価方法において使用され得る矩形波の一例を模式的に示した図である。 本発明による第1の評価方法において使用され得る矩形波の一例を模式的に示した図である。 本発明による第1の評価方法において使用され得る矩形波の一例を模式的に示した図である。 本発明による第1の評価方法において使用され得る矩形波の一例を模式的に示した図である。 本発明による第1の評価方法において使用され得る矩形波の一例を模式的に示した図である。 本発明による第1の評価方法の一工程において得られるデータの一例を模式的に示した図である。 本発明による第1の評価方法の一工程において得られるデータの一例を模式的に示した図である。 本発明による第2の評価方法のフローの一例を模式的に示した図である。 二次電池に対して定電流Iを通電させた際の電流Iおよび電圧Vの経時変化を模式的に示した図である。 本発明による第2の評価方法の一工程において使用されるデータおよび得られるデータの一例を模式的に示した図である。 本発明による第2の評価方法の一工程において得られるデータの一例を模式的に示した図である。 本発明による第2の評価方法の一工程において得られるデータの一例を模式的に示した図である。 実施例において想定した二次電池の等価回路を示した図である。 二次電池に印加される電流入力信号I(t)(>0)の波形を示したグラフである。 二次電池に図17に示した電流入力信号I(t)を入力した際に得られる電圧応答信号V(t)の波形を示したグラフである。 電流入力信号I(t)のフーリエ変換によって得られた第1の周波数データP(ω)(図19(a))、および電圧応答信号V(t)のフーリエ変換によって得られた第2の周波数データP(ω)(図19(b))である。 第1の周波数データP(ω)および第2の周波数データP(ω)から計算されたインピーダンススペクトル(ナイキストプロット)である。
以下、図面を参照して、本発明について詳しく説明する。
本発明では、二次電池のインピーダンスの評価方法であって、
(1)二次電池に定電流Iを印加して、前記二次電池を充電または放電するステップを有し、
さらに、前記(1)のステップ中に、
(2)任意のタイミングで、前記二次電池に電流入力信号I(t)を印加し、電圧応答信号V(t)を取得するステップであって、前記電流入力信号I(t)は、前記定電流Iに矩形波I(t)を重畳することにより得られるステップと、
(3)電流入力信号I(t)をフーリエ変換して、第1の周波数領域データP(ω)を取得し、前記電圧応答信号V(t)をフーリエ変換して、第2の周波数領域データP(ω)を取得するステップと、
(4)前記第1および第2の周波数領域データから、以下の式により、前記二次電池の所望の充電深度または放電深度でのインピーダンススペクトルを計算するステップと、

Z(ω)=P(ω)/P(ω) (1)式

を有することを特徴とする評価方法が提供される。
なお、各周波数ωは、周波数fとω=2πfの関係にある。従って、P(ω)およびP(ω)は、それぞれ、P(f)およびP(f)とも表記でき、その場合、(1)式で計算されるZ(ω)は、Z(f)と表記できることに留意する必要がある。
前述のように、これまで、二次電池の充電または放電過程中に、二次電池の内部抵抗を同時に測定することは難しく、このため、二次電池の内部抵抗測定は、充電または放電をいったん中断させてから、実施する必要があった。
しかしながら、このような内部抵抗の測定方法では、内部抵抗の測定前に、二次電池の電圧状態が安定するまで十分に時間を空ける必要がある(例えば30分〜1時間など)。
このため、二次電池の充電または放電をいったん中断させて内部抵抗の測定を実施すると、二次電池の充電または放電が完了するまでに、相当の時間がかかってしまうという問題がある。
また、このような方法で測定された内部抵抗の測定結果は、二次電池の平衡状態での挙動に相当する。従って、得られた結果は、二次電池が実際に使用される状態(充電過程または放電過程)における内部抵抗を正確に反映していない可能性がある。
これに対して、本発明では、二次電池に定電流Iを印加して、二次電池を充電または放電する過程中に、いわばin−situで、二次電池のインピーダンスが測定される。このため、本発明では、例えば、二次電池の充電曲線または放電曲線の測定と、内部抵抗の測定を、一度に行うことができる。
従って、本発明では、内部抵抗の測定を実施することにより、二次電池の充電が完了するまでに必要な時間が延びてしまうという問題を有意に抑制することができる。また、本発明では、内部抵抗の測定を実施するため、二次電池の放電、すなわち使用を中断する必要性も有意に回避することができる。
また、本発明では、インピーダンス測定は、充電過程中または放電過程中の二次電池に対して実施される。このため、従来のような平衡状態で得られる内部抵抗値とは異なり、測定された結果は、被測定対象である二次電池の実際の使用状態(充電過程または放電過程)における挙動を、より正確に反映したものとなる。従って、本発明では、二次電池の内部抵抗をより正確に評価することができる。
なお、本発明では、二次電池の内部抵抗を表す指標として、インピーダンススペクトルを採用する。
インピーダンススペクトルを内部抵抗の測定指標とすることにより、二次電池の内部抵抗を非破壊で測定することができる。また、二次電池の内部抵抗を、電解液抵抗、電荷移動抵抗、および界面抵抗など、各パラメータ特性毎に分離評価することが可能になる。また、内部抵抗を、アノード側成分およびカソード側成分に分離して評価することも可能となる。
なお、所望の充電深度または放電深度でのインピーダンスを求めることは重要である。ここで、充電深度とは、完全に放電した二次電池を完全に充電するために必要な電気量を100%としたとき、二次電池の充電過程において、実際に二次電池に流した電気量の割合を意味する。一方、放電深度とは、完全に充電した二次電池を完全に放電するために必要な電気量を100%としたとき、二次電池の放電過程において、実際に二次電池に流した電気量の割合を意味する。二次電池のインピーダンスは、充電深度および放電深度により変化するため、二次電池の性能評価またはモニタリングのためには、所定の充電深度または放電深度でのインピーダンスを求め、インピーダンススペクトルから得られるパラメータを相対的に評価することが重要である。
(本発明の一実施例による二次電池のインピーダンスの評価方法について)
次に、図1〜図10を参照して、本発明の一実施例による二次電池のインピーダンスの評価方法(以下、単に「(本発明による)第1の評価方法」と称する)について説明する。
図1には、本発明による第1の評価方法の模式的なフロー図を示す。また、図2、図3、図9、ならびに図10には、本発明による第1の評価方法の一工程において使用され、および/または得られるデータの一例を模式的に示す。さらに、図4〜図8には、本発明による第1の評価方法において使用され得る矩形波の一例を模式的に示す。
図1に示すように、本発明による第1の評価方法は、
(1)二次電池に定電流Iを印加して、前記二次電池を充電するステップ(S110)と、
(2)前記(1)中の任意のタイミングで、前記二次電池に電流入力信号I(t)を印加し、電圧応答信号V(t)を取得するステップであって、前記電流入力信号I(t)は、前記定電流Iに矩形波I(t)を重畳することにより得られるステップ(S120)と、
(3)電流入力信号I(t)をフーリエ変換して、第1の周波数領域データP(ω)を取得し、前記電圧応答信号V(t)をフーリエ変換して、第2の周波数領域データP(ω)を取得するステップ(S130)と、
(4)前記第1および第2の周波数領域データから、以下の式により、前記二次電池の所望の充電深度でのインピーダンススペクトルを計算するステップ(S140)と、

Z(ω)=P(ω)/P(ω) (1)式

を有する。
以下、各ステップについて詳しく説明する。
(ステップS110)
まず、評価対象となる二次電池が準備される。二次電池の種類は、特に限られない。二次電池は、例えば、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム二次電池、ニッケル亜鉛二次電池、ニッケル水素二次電池、リチウム空気電池、リチウムイオンキャパシタ、およびリチウムイオン二次電池等であっても良い。なお、リチウムイオン二次電池には、リチウムポリマー二次電池、リチウム硫黄二次電池等が含まれる。
なお、二次電池は、被給電装置から取り外した状態であっても良く、あるいは被給電装置に装着した状態のままであっても良い。
次に、二次電池に対して、定電流Iが印加され、二次電池が充電される。
図2には、二次電池に対して、定電流Iを印加した際の電流Iおよび電圧Vの経時変化を模式的に示す。図2(a)は、二次電池の電流変化挙動を示し、図2(b)は、二次電池の電圧変化挙動を示している。
なお、この図2の例では、定電流Iは正の値であると仮定している(I>0)。
この場合、定電流Iの印加により二次電池が充電されるため、図2(b)に示すように、二次電池の電圧Vは、時間とともに徐々に上昇する。
定電流Iの値は、特に限られず、使用される二次電池の種類および容量等に応じて、適宜決定される。例えば、携帯電話等に使用される小型のリチウムイオン二次電池の場合、定電流Iの値は、数mA〜数Aの範囲であっても良い。
また、このステップS110の際に、図2(b)に示すような二次電池の充電曲線(電圧−時間曲線)が取得されても良い。なお、二次電池の充電は、過充電とならない時間で完了される。
(ステップS120)
前述のステップS110の期間中の任意のタイミングにおいて、定電流Iに矩形波I(t)が重畳される。すなわち、二次電池に対して、定電流Iに矩形波I(t)が重畳された電流入力信号I(t)が印加される。また、電流入力信号I(t)印加により生じる電圧応答信号V(t)が測定される。
図3には、二次電池に対して、電流入力信号I(t)を印加した際の電圧Vの変化(電圧応答信号V(t))を模式的に示す。図3(a)は、二次電池への電流入力信号I(t)を示しており、図3(b)は、二次電池の電圧応答信号V(t)を示している。
図3(a)に示す例では、充電過程中の二次電池に対して、時間tにおいて、矩形波I(t)が重畳されている。矩形波I(t)は、図3(a)の丸枠内に拡大して示すように、マイナス側のステップ状波形を有する。従って、電流入力信号I(t)は、ほとんどの時間において、電流値がIで一定であるものの、時間tにおいて一時的に電流値が低下する。
このような電流入力信号I(t)の印加によって、二次電池には、図3(b)に示すような電圧応答信号V(t)が生じる。すなわち、電圧応答信号V(t)は、時間tにおいて、電圧値が一時的に不連続的に変化(低下)する。ステップS120では、このような電圧応答信号V(t)が取得される。
ここで、本願において、「矩形波」とは、必ずしも波形が時間に対して正確な長方形で表される電流波形のみを意味するものではない。
図4〜図7には、本願において使用され得る「矩形波」の一例を模式的に示す。
図4において、矩形波10は、時間tp1における時間軸(横軸)に対して電流値が実質的に垂直に低下する第1の部分(「初期部分」ともいう)12と、時間軸に対して電流値が実質的に一定となる第2の部分(「中間部分」とも言う)14と、時間tp2における時間軸に対して電流値が実質的に垂直に上昇する第3の部分(「最終部分」とも言う)16とを有する。
しかしながら、高精度の波形発生装置(パルスジェネレータ等)を使用しても、実際の測定系において、このような「理想的な」矩形波10を発生させることは難しい場合が多い。
次に、図5に示す矩形波20は、時間tp1から時間tp3までの範囲の電流値が時間に対して実質的に低下する初期部分22と、時間tp3から時間tp2までの範囲の時間軸に対して電流値が実質的に一定となる中間部分24と、時間tp2における時間軸に対して電流値が実質的に垂直に上昇する最終部分26とを有する。
また、図6に示す矩形波30は、時間tp1における時間軸に対して電流値が実質的に垂直に低下する初期部分32と、時間tp1から時間tp3までの範囲の時間軸に対して電流値が実質的に一定となる中間部分34と、時間tp3から時間tp2までの範囲の電流値が時間に対して実質的に上昇する最終部分36とを有する。
さらに、図7に示す矩形波40は、時間tp1から時間tp3までの範囲の電流値が時間に対して実質的に低下する初期部分42と、時間tp3から時間tp4までの範囲の時間軸に対して電流値が実質的に一定となる中間部分44と、時間tp4から時間tp2までの範囲の電流値が時間に対して実質的に上昇する最終部分46とを有する。
この他にも、矩形波I(t)として、各種形態を選定し得ることは、当業者には明らかである。例えば、図4〜図7において、矩形波10〜40は、各部分が直線状に示されている。しかしながら、本願において、矩形波I(t)は、初期部分および/または最終部分が時間に対して曲線状に変化しても良い。また、矩形波I(t)は、中間部分の一部に、時間に対して変動する部分を含んでも良い。
従って、本願において「矩形波」とは、少なくとも、時間軸に対して実質的に水平な中間部分(例えば、中間部分14、24、34、44)を有する波形の総称を意味する。
なお、矩形波I(t)において、パルス幅(すなわち、時間tp1〜tp2の期間の長さ)は、特に限られない。矩形波I(t)のパルス幅は、例えば、1μs〜1ksの範囲であっても良く、10μs〜100sの範囲であることが好ましい。
また、矩形波I(t)の中間部分14、24、34、44における電流値は、0(ゼロ)であっても良い。このような中間部分14、24、34、44の電流値が0となるような矩形波I(t)は、例えば、充電中の二次電池に通電される定電流Iを一時的に遮断することにより簡単に形成することができ、すなわち、波形発生装置を使用せずに発生させることができる。このため、このような矩形波I(t)を使用する場合、第1の評価方法を実施するための装置を簡略化することが可能となる。
さらに、第1の評価方法において、定電流Iに矩形波I(t)が重畳されるタイミング、すなわち時間tは、二次電池の充電期間中であれば、特に限られない。すなわち、この第1の評価方法では、二次電池のインピーダンス測定を、充電期間中の任意のタイミングで実施することができる。
さらに、第1の評価方法において、図3〜図7に示す例では、各矩形波I(t)は、マイナス側(各図の下側)に変化する波形を有する。
矩形波I(t)がこのような形状を有する場合、二次電池の充電中に、定電流Iに矩形波I(t)を重畳し、この入力電流を二次電池に印加しても、これにより二次電池に所定の値を超える電気量が供給されることはない。従って、この第1の評価方法では、インピーダンス評価のために、二次電池に過充電が生じることを有意に抑制することができる。
なお、同様の観点から言えば、矩形波I(t)は、いわゆる「ダブルパルス」波形を有しても良い。
図8には、そのようなダブルパルス波形を有する矩形波I(t)の一例を模式的に示す。
図8に示すように、この矩形波60は、マイナス側(下向き)およびプラス側(上向き)の、2つのステップ状部分を有する。より具体的には、矩形波60は、時間tp1における時間軸に対して電流値が実質的に垂直に低下する初期部分62と、時間tp1から時間tp3までの範囲の時間軸に対して電流値が実質的に一定となる第1の中間部分64と、時間tp3における時間軸に対して電流値が実質的に垂直に上昇する上昇部分66と、時間tp3から時間tp2までの範囲の時間軸に対して電流値が実質的に一定となる第2の中間部分67と、時間tp2における時間軸に対して電流値が実質的に垂直に低下する最終部分69とを有する。
なお、前述のように、中間部分64、67を除く各部分62、66、69は、時間軸に対して非垂直であっても良く、各部分62、66、69は、曲線状であっても良い。また、第1の中間部分64と第2の中間部分67の時間長さは、実質的に同一であっても、異なっていても良い。さらに、初期部分62の変化量(減少量)は、最終部分69の変化量(減少量)と同一であっても異なっていても良い。
矩形波I(t)がこのようなダブルパルス波形を有する場合も、第1の中間部分64の期間および電流値(高さ)、ならびに第2の中間部分67の期間および電流値(高さ)等を適正に選定することにより、二次電池に過充電が生じることを有意に抑制することができる。例えば、図8において、時間tp3〜時間tp2の期間に二次電池に供給される電気量Qが、時間tp1〜時間tp3の期間における「不足する」電気量Qを超えないように矩形波60を形状を定めることにより、二次電池に過充電が生じることを有意に抑制することができる。
また、矩形波I(t)が図4〜図7に示すような「マイナス側」のパルス波形10、20、30、40を有する場合、厳密には、インピーダンスの測定時には、二次電池に対する定電流Iのみの印加による充電時に比べて、供給される電気量は、幾分小さくなる。例えば、図4に示した矩形波10の例では、矩形波10の面積に相当する電気量が、通常の充電過程に比べて「減少」することになる。
このため、二次電池の充電過程においてインピーダンスの測定を実施した場合、厳密には、インピーダンス測定を実施せずに、単に充電のみを実施した場合に比べて、ごく僅かではあるが、充電完了までにより長い時間が必要となる。
しかしながら、矩形波I(t)としてダブルパルス波形60を適用した場合、図8に示した各波形部分62、64、66、67、69の値を適正に選定することにより、そのような「減少」する電気量を少なくすることができ、さらには「減少」する電気量を実質的にゼロにすることが可能となる。
このため、ダブルパルス波形60では、インピーダンス測定によって、二次電池の充電時間が長くなることをより確実に回避することが可能となる。
以上の記載では、定電流Iが印加された二次電池に対して、単一のサイクルを有する(1サイクルで構成された)矩形波I(t)を重畳、印加する場合を例に、本発明による第1の評価方法の特徴について説明した。
しかしながら、本発明による第1の評価方法において、インピーダンス測定の際に二次電池に印加される矩形波I(t)は、1サイクルのみで構成されたものに限られない。
例えば、矩形波I(t)は、複数の繰り返し波形で構成されても良い。すなわち、例えば、図4〜図8において示した矩形波10、20、30、40、または60を波形の一サイクル(一単位)としたとき、矩形波I(t)は、そのような一サイクルの複数回の繰り返しを有しても良い。
そのような複数回のサイクルの繰り返しを有する矩形波I(t)を使用した場合、積分効果により、インピーダンス測定結果の精度が向上する。
なお、サイクルの繰り返し回数は、測定精度の観点からは多い方が好ましいが、あまりに繰り返し数が多くなると、インピーダンスの測定および評価に必要な時間が長くなる。このため、サイクルの繰り返し数は、2回〜10回の範囲であることが好ましい。
(ステップS130)
次に、電流入力信号I(t)が、以下の(2)式によってフーリエ変換され、第1の周波数領域データP(ω)が取得される。
Figure 2014238948
ここで、jは、虚数単位であり、ωは、角周波数であり、tは、時間である。なお、P(ω)は複素数であり、図9(a)には強度の絶対値のωに対するプロットが模式的に示されている。
また、電圧応答信号V(t)が、以下の(3)式によってフーリエ変換され、第2の周波数領域データP(ω)が取得される。なお、P(ω)は複素数であり、図9(b)には強度の絶対値のωに対するプロットが模式的に示されている。
Figure 2014238948
各信号のフーリエ変換には、市販のコンピュータ内に保管されたフーリエ変換ソフトウェアまたは高速フーリエ変換(FFT)ソフトウェア等が使用されても良い。あるいは、各信号のフーリエ変換には、測定系に別途設けられた高速フーリエ変換(FFT)装置などを使用しても良い。
図9には、フーリエ変換によって得られる第1の周波数領域データP(ω)(図9(a))、および第2の周波数領域データP(ω)(図9(b))の一例を模式的に示す。
(ステップS140)
次に、ステップS130で取得された第1の周波数領域データP(ω)、および第2の周波数領域データP(ω)から、以下の(1)式を用いて、二次電池の所望の充電深度でのインピーダンススペクトルが計算される:

Z(ω)=P(ω)/P(ω) (1)式

図10には、(1)式によって得られる二次電池のインピーダンススペクトルの一例を模式的に示す。図10において、横軸Z'は、インピーダンス実数部を示し、縦軸Z"は、インピーダンス虚数部を示している。従って、インピーダンスは、

Z=Z'−jZ" (4)式

で示される複素数である。
以上の工程により、二次電池のインピーダンスを測定することができる。また、インピーダンスの評価後には、ステップS110における二次電池の充電過程が継続され、二次電池が充電される。
このような本発明による第1の評価方法では、二次電池に定電流Iを印加して二次電池を充電する過程中に、いわばin−situで、二次電池のインピーダンスを測定することができる。すなわち、本発明による第1の評価方法では、内部抵抗の測定を実施する際に、二次電池の充電を停止する必要がない。このため、第1の評価方法では、二次電池の充電または放電が完了するまでに必要な時間が延びてしまうという問題を有意に抑制することができる。
また、第1の評価方法では、インピーダンス測定は、充電過程中の二次電池に対して実施される。このため、従来のような平衡状態で得られる内部抵抗値とは異なり、測定されたインピーダンス結果は、二次電池の実際の使用状態における挙動を、より正確に反映したものとなる。従って、第1の評価方法では、二次電池の内部抵抗をより正確に評価することができる。
(追加のステップ)
以上のステップS110〜ステップS140により、二次電池のインピーダンスを評価することができる。ただし、本発明による第1の評価方法では、ステップS140の後に、さらに、
(1)式により得られたインピーダンススペクトルZ(ω)から得られる二次電池の少なくとも一つの特性パラメータを、所定の値と比較するステップ(ステップS150)
を実施しても良い。
このようなステップS150を実施することにより、二次電池の劣化の状態を把握したり、二次電池の劣化の状態をモニタリングしたりすることができる。
例えば、ステップS140で測定されたインピーダンススペクトルZ(ω)は、未使用の二次電池のインピーダンススペクトルと比較されても良い。
これにより、二次電池の劣化状態、さらには二次電池の交換のタイミングを把握することができる。例えば、ステップS140で測定されたインピーダンススペクトルZ(ω)から得られる各種パラメータ(例えば、電解液抵抗、電荷移動抵抗、界面抵抗、アノード側抵抗、および/またはカソード側抵抗など)が、未使用の二次電池の値と大きくかけ離れた場合、この二次電池を備える装置を使用する使用者に対して警告を発することにより、二次電池の使用を中断させたり、二次電池の交換を促したりすることが可能となる。
あるいは、測定されたインピーダンススペクトルZ(ω)から得られる特性データは、予め定められた閾値と比較されても良い。この場合も、例えば、ステップS140で測定されたインピーダンススペクトルZ(ω)から得られる特性データが閾値を超えた(または下回った)際に、使用者に対して警告を発することで、二次電池の使用を中断させたり、二次電池の交換を促したりすることが可能となる。
(本発明の一実施例による二次電池のインピーダンスの別の評価方法について)
次に、図11を参照して、本発明の一実施例による二次電池のインピーダンスの別の評価方法(以下、「(本発明による)第2の評価方法」と称する)について説明する。
図11には、本発明による第2の評価方法の模式的なフロー図を示す。
図11に示すように、本発明による第2の評価方法は、
(1)二次電池に定電流Iを通電して、前記二次電池を放電するステップ(S210)と、
(2)前記(1)中の任意のタイミングで、前記二次電池に電流入力信号I(t)を印加し、電圧応答信号V(t)を取得するステップであって、前記電流入力信号I(t)は、前記定電流Iに矩形波I(t)を重畳することにより得られるステップ(S220)と、
(3)電流入力信号I(t)をフーリエ変換して、第1の周波数領域データP(ω)を取得し、前記電圧応答信号V(t)をフーリエ変換して、第2の周波数領域データP(ω)を取得するステップ(S230)と、
(4)前記第1および第2の周波数領域データから、以下の式により、前記二次電池の所望の放電深度でのインピーダンススペクトルを計算するステップ(S240)と、

Z(ω)=P(ω)/P(ω) (1)式

を有する。
以下、各ステップについて詳しく説明する。
(ステップS210)
まず、二次電池に対して定電流Iが通電され、二次電池が放電される。
図12には、二次電池に対して、定電流Iが通電された際の電流Iおよび電圧Vの経時変化を模式的に示す。図12(a)は、二次電池の電流変化挙動を示し、図12(b)は、二次電池の電圧変化挙動を示している。
なお、この図12の例では、定電流Iは負の値であると仮定している(I<0)。
この場合、定電流Iの通電により二次電池が放電されるため、図2(b)に示すように、二次電池の電圧Vは、時間とともに徐々に低下する。
定電流Iの値は、特に限られず、使用される二次電池の種類、容量、および二次電池に接続された負荷等に応じて、適宜決定される。例えば、携帯電話等に使用される小型のリチウムイオン二次電池の場合、定電流Iの絶対値は、数mA〜数Aの範囲であっても良い。
また、このステップS210の際に、図12(b)に示すような二次電池の放電曲線(電圧−時間曲線)が取得されても良い。なお、二次電池の放電は、過放電とならない時間で完了される。
(ステップS220)
前述のステップS210の期間中の任意のタイミングにおいて、定電流Iに矩形波I(t)が重畳される。すなわち、二次電池に対して、定電流Iに矩形波I(t)が重畳された電流入力信号I(t)が印加される。また、電流入力信号I(t)印加により生じる電圧応答信号V(t)が測定される。
図13には、二次電池に対して、電流入力信号I(t)を印加した際の電圧Vの変化(電圧応答信号V(t))を模式的に示す。図13(a)は、二次電池への電流入力信号I(t)を示しており、図13(b)は、二次電池の電圧応答信号V(t)を示している。
図13(a)に示す例では、放電過程中の二次電池に対して、時間tにおいて、矩形波I(t)が重畳されている。矩形波I(t)は、図13(a)の丸枠内に拡大して示すように、プラス側のステップ状波形を有する。従って、電流入力信号I(t)は、ほとんどの時間において、電流値がIで一定であるものの、時間tにおいて一時的に電流値が増加する(電流の絶対値が減少する)。
このような電流入力信号I(t)の印加によって、二次電池には、図13(b)に示すような電圧応答信号V(t)が生じる。すなわち、電圧応答信号V(t)は、時間tにおいて、電圧値が一時的に不連続的に変化(低下)する。ステップS220では、このような電圧応答信号V(t)が取得される。
第2の評価方法においても、定電流Iに矩形波I(t)が重畳されるタイミング、すなわち時間tは、二次電池の放電期間中であれば、特に限られず、このため二次電池のインピーダンス測定は、二次電池の放電期間中の任意のタイミングで実施することができる。
また、第2の評価方法において、矩形波I(t)は、図13(a)に示すように、プラス側(図13の上側)に変化する波形を有しても良い。
この場合、二次電池の放電中に、定電流Iに矩形波I(t)を重畳しても、これにより二次電池から所定の値を超える電気量が放出されることはない。従って、この第2の評価方法では、インピーダンス評価のために、二次電池に過放電が生じることを有意に抑制することができる。
このような第2の評価方法においても、例えば前述の図4〜図8等に示した各種波形を有する矩形波を適用することができる。ただし、この第2の評価方法の場合、矩形波I(t)の波形は、図4〜図8に示した各波形が上下に反転された形態であることが好ましい。
なお、前述のように、インピーダンス測定の際に二次電池に印加される矩形波I(t)は、1サイクルのみで構成されたものに限られず、矩形波I(t)は、複数の繰り返し波形で構成されても良い。
(ステップS230)
次に、電流入力信号I(t)が、以下の(2)式によってフーリエ変換され、第1の周波数領域データP(ω)が取得される。
Figure 2014238948
ここで、ωは、角周波数であり、tは、時間である。
また、電圧応答信号V(t)が、以下の(3)式によってフーリエ変換され、第2の周波数領域データP(ω)が取得される。
Figure 2014238948
各信号のフーリエ変換には、市販のコンピュータ内に保管されたフーリエ変換ソフトウェアまたは高速フーリエ変換(FFT)ソフトウェア等が使用されても良い。あるいは、各信号のフーリエ変換には、測定系に別途設けられた高速フーリエ変換(FFT)装置などを使用しても良い。
図14には、フーリエ変換によって得られた第1の周波数領域データP(ω)(図14(a))、および第2の周波数領域データP(ω)(図14(b))の一例を模式的に示す。なお、P(ω)とP(ω)は共に複素数であり、図14にはそれぞれの強度の絶対値のωに対するプロットが模式的に示されている。
(ステップS240)
次に、ステップS230で取得された第1の周波数領域データP(ω)、および第2の周波数領域データP(ω)から、以下の(1)式を用いて、所望の放電深度における二次電池のインピーダンススペクトルが計算される:

Z(ω)=P(ω)/P(ω) (1)式

図15には、(1)式によって得られる二次電池のインピーダンススペクトルの一例を模式的に示す。図15において、横軸Z'は、インピーダンス実数部を示し、縦軸Z"は、インピーダンス虚数部を示している。従って、インピーダンスは、

Z=Z'−jZ" (4)式

で示される複素数である。
以上の工程により、放電過程中の二次電池のインピーダンスを測定することができる。また、インピーダンスの評価後には、ステップS210における二次電池の放電過程が継続され、二次電池が最終段階まで放電される。
第2の評価方法では、二次電池に定電流Iを通電して二次電池を放電する過程中に、いわばin−situで、二次電池のインピーダンスを測定することができる。すなわち、第2の評価方法では、内部抵抗の測定を実施する際に、二次電池の放電を停止する必要がない。このため、第2の評価方法では、二次電池の放電曲線を取得するために必要な時間が長くなってしまうという問題を有意に抑制することができる。
また、第2の評価方法では、インピーダンス測定は、放電過程中の二次電池に対して実施される。このため、従来のような平衡状態で得られる内部抵抗値とは異なり、測定されたインピーダンス結果は、二次電池の実際の使用状態における挙動を、より正確に反映したものとなる。従って、第2の評価方法においても、二次電池の内部抵抗をより正確に評価することが可能となる。
(追加のステップ)
なお、図11には示されていないが、第2の評価方法においても、ステップS240の後に、さらに、
(1)式により得られたインピーダンススペクトルZ(ω)から得られる二次電池の少なくとも一つの特性パラメータを、所定の値と比較するステップ
を実施しても良い。
以下、本発明の実施例について説明する。
二次電池を模擬した等価回路を用いて、前述の第1の評価方法と同様の手順でインピーダンス計算を実施した。
インピーダンスの評価は、数値計算ソフトウェア(MATLAB:MathWorks社製)を用いて実施した。
図16には、計算に使用した二次電池の等価回路を示す。図16に示すように、この等価回路80は、電解液抵抗82と、電荷移動抵抗84と、電気二重層容量86とで構成されている。電解液抵抗82は0.1Ωとし、電荷移動抵抗84は1Ωとし、電気二重層容量86は1×10−3Fと仮定した。
フーリエ変換の条件は、以下の通りである:
・窓関数 なし
・サンプリング時間 1μs
図17には、二次電池に印加される電流入力信号I(t)(>0)の形状を示す。この図に示すように、電流入力信号I(t)は、2Aの定電流Iに、マイナス側(−0.5A)の矩形波(パルス幅=5秒)を重畳して構成されたものである。
図18には、二次電池にこのような電流入力信号I(t)を入力した際に得られる出力計算結果、すなわち電圧応答信号V(t)の波形の拡大図を示す。
次に、電流入力信号I(t)をフーリエ変換し、第1の周波数データP(f)を取得した。同様に、電圧応答信号V(t)をフーリエ変換し、第2の周波数データP(f)を取得した。第1の周波数データP(f)および第2の周波数データP(f)は複素数であり、それぞれの強度の絶対値を、図19(a)および図19(b)に示した。
さらに、第1の周波数データP(f)および第2の周波数データP(f)を用いて、(1)'式から、二次電池のインピーダンススペクトルを計算した。

Z(f)=P(f)/P(f) (1)'式

得られた結果(ナイキストプロット)を、図20に示す。
この図に示すように、インピーダンススペクトルは、略半円状の軌跡を示し、円の直径から、二次電池の電荷移動抵抗は、1Ωであることが計算された。
本発明は、例えば、通信機器、AV機器、情報機器、および自動車などに使用されている二次電池等に適用することができる。
10 矩形波
12 第1の部分(初期部分)
14 第2の部分(中間部分)
16 第3の部分(最終部分)
20 矩形波
22 初期部分
24 中間部分
26 最終部分
30 矩形波
32 初期部分
34 中間部分
36 最終部分
40 矩形波
42 初期部分
44 中間部分
46 最終部分
60 矩形波
62 初期部分
64 第1の中間部分
66 上昇部分
67 第2の中間部分
69 最終部分
80 等価回路
82 電解液抵抗
84 電荷移動抵抗
86 電気二重層容量

Claims (8)

  1. 二次電池のインピーダンスの評価方法であって、
    (1)二次電池に定電流Iを印加して、前記二次電池を充電または放電するステップを有し、
    さらに、前記(1)のステップ中に、
    (2)任意のタイミングで、前記二次電池に電流入力信号I(t)を印加し、電圧応答信号V(t)を取得するステップであって、前記電流入力信号I(t)は、前記定電流Iに矩形波I(t)を重畳することにより得られるステップと、
    (3)電流入力信号I(t)をフーリエ変換して、第1の周波数領域データP(ω)を取得し、前記電圧応答信号V(t)をフーリエ変換して、第2の周波数領域データP(ω)を取得するステップと、
    (4)前記第1および第2の周波数領域データから、以下の式により、前記二次電池の所望の充電深度または放電深度でのインピーダンススペクトルを計算するステップと、

    Z(ω)=P(ω)/P(ω) (1)式

    を有することを特徴とする評価方法。
  2. 当該評価方法は、前記二次電池に過充電または過放電が生じないように実施されることを特徴とする請求項1に記載の評価方法。
  3. 前記定電流Iが正の場合、前記矩形波I(t)は、前記重畳の間、前記電流入力信号I(t)が前記定電流Iを上回らないように選定され、
    前記定電流Iが負の場合、前記矩形波I(t)は、前記重畳の間、前記電流入力信号I(t)が前記定電流Iを下回らないように選定されることを特徴とする請求項1または2に記載の評価方法。
  4. 前記矩形波I(t)は、前記定電流Iの印加を一時的に停止することにより形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の評価方法。
  5. 前記矩形波I(t)は、ダブルパルスであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の評価方法。
  6. 前記矩形波I(t)は、単位波形の複数の繰り返しを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の評価方法。
  7. さらに、
    (5)前記インピーダンススペクトルZ(ω)から得られる前記二次電池の一つの特性パラメータを、所定の値と比較するステップ
    を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の評価方法。
  8. 前記所定の値は、前記二次電池の使用前に得られたインピーダンススペクトルZ(ω)から得られる前記二次電池の一つの特性パラメータ、または前記二次電池の一つの特性パラメータの閾値であることを特徴とする請求項7に記載の評価方法。
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