JP2014237611A - セラミド産生促進剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロブル酸又はその塩を有効成分とする、セラミド産生促進剤、保湿剤、又は皮膚のバリア能増強又は改善剤。
【選択図】なし
Description
これまでに、減少したセラミドを外部から補給することもが試みられているが、現在のところ必ずしもその効果は十分なものではない。
また、本発明は、皮膚の保湿能を増強又は改善する、保湿剤の提供を課題とする。
また、本発明は、皮膚のバリア能を増強又は改善する、皮膚のバリア能増強又は改善剤の提供を課題とする。
さらに、本発明は、毛髪のハリ又はコシの付与や感触を改善する毛髪のハリ若しくはコシの付与剤又は毛髪の感触改善剤の提供を課題とする。
また、本発明は、ロブル酸又はその塩を有効成分とする、保湿剤に関する。
また、本発明は、ロブル酸又はその塩を有効成分とする、皮膚のバリア能増強又は改善剤に関する。
さらに、本発明は、ロブル酸又はその塩を有効成分とする、毛髪のハリ若しくはコシの付与剤、又は毛髪の感触改善剤に関する。
また、本発明によれば、皮膚の保湿能を増強又は改善する、保湿剤を提供することができる。
また、本発明によれば、皮膚のバリア能を増強又は改善する、皮膚のバリア能増強又は改善剤を提供することができる。
さらに、本発明によれば、毛髪のハリ、コシの付与又は感触を改善する、毛髪のハリ若しくはコシの付与剤又は毛髪の感触改善剤を提供することができる。
上記使用は、治療的使用(即ち医療行為)であっても非治療的使用(非医療的な行為)であってもよい。また、上記使用の対象は、ヒト、非ヒト動物、又はそれらに由来する検体であり得る。なお、前記「非治療的」とは、医療行為、すなわち治療による人体への処理行為を含まない概念である。
有効成分以外の他の成分は、剤の形態や用途等に応じて適宜選択できる。例えば、剤として成形しやすいよう、酸化チタン、炭酸カルシウム、蒸留水、乳糖、デンプン等の適当な液体または固体の賦形剤または増量剤を加えてもよい。また、他の保湿剤、皮膚老化防止剤、美白剤などの有効成分、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、増粘剤、色材種等を加えてもよい。
既知のセラミド産生促進剤としては、例えば、アセチルヒドロキシプロリン、グリチルリチン酸ジカリウム、L-カルニチン、アスコルビン酸、アスコルビルグルコシド、アスコルビルリン酸マグネシウム、dl-α-トコフェリル-dl-アスコルビルリン酸、dl-α-トコフェリルリン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸トコフェロール、L-乳酸、ビタミンC、アスパラガス抽出物、ブッチャーブルーム、ゲンクワニン、ローズマリー、ラベンダー、セージ、ナツメ、黒(赤)霊芝、トウキ、クジン、ヨクイニン、ベニュセアンヌ抽出物、ライスパワーエキスなどが挙げられる。
擬似セラミドとしては、例えば、市販のセラミドR(ユニリーバ製)、セラミドPC-104(太平洋化学製)、セラミドHO3(sederma製)、エルデュウPS-203(味の素製)、スフィンゴリピッドE(花王製)などが挙げられる。
糖セラミドとしては、例えば、グルコシルセラミド、ガラクトシルセラミド等が挙げられ、市販のものとしては、ニップンセラミド(日本製粉製)、オリザセラミド(オリザ油化製)、ニッサンN-セラミド、ネオリキッドセラミドN(日本油脂製)、こんにゃくセラミド(ユニチカ製)等が挙げられる。
これらの製剤を調製するに際しては、賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、嬌味剤、香料、被膜剤、担体、希釈剤等を適宜配合することができる。
飲食品等の種類に特に制限はなく、例えば、果汁飲料、乳飲料、茶系飲料等の飲料類、キャンディ、ドロップ、ゼリー、クッキー、チョコレート、ケーキ、ヨーグルト、ガム等の菓子類、調味料、調理油、乳製品、パン類、麺類、加工米等が挙げられる。また、錠剤(タブレット)、カプセル、顆粒、シロップ等の美容食品、健康食品等としてもよい。
<4>前記有効成分の含有量が固形分換算で0.00001質量%以上(好ましくは0.0001質量%以上)20質量%以下(好ましくは10質量%以下)である、前記<1>〜<3>のいずれか1項記載のセラミド産生促進剤、保湿剤、皮膚のバリア能増強若しくは改善剤、毛髪のハリ若しくはコシの付与剤、又は毛髪の感触改善剤。
<6>セラミド産生促進剤、保湿剤、皮膚のバリア能増強若しくは改善剤、毛髪のハリ若しくはコシの付与剤、又は毛髪の感触改善剤の製造のための、ロブル酸又はその塩の使用。
<7>ロブル酸又はその塩をセラミド産生促進剤、保湿剤、皮膚のバリア能増強若しくは改善剤、毛髪のハリ若しくはコシの付与剤、又は毛髪の感触改善剤として使用する方法。
<8>セラミド産生促進方法、保湿方法、皮膚のバリア能増強若しくは改善、毛髪のハリ若しくはコシの付与方法、又は毛髪の感触改善方法のために用いる、ロブル酸又はその塩。
<9>非治療的なセラミド産生促進方法、非治療的な保湿方法、非治療的な皮膚のバリア能増強若しくは改善方法、非治療的な毛髪のハリ若しくはコシの付与方法、又は非治療的な毛髪の感触改善方法のために用いる、ロブル酸又はその塩の使用。
<10>皮膚の保湿機能又はバリア機能の増強薬又は改善薬を製造するための、ロブル酸又はその塩の使用。
<11>ロブル酸又はその塩を用いる、セラミド産生促進方法、保湿方法、皮膚のバリア能増強若しくは改善方法、毛髪のハリ若しくはコシの付与方法、又は毛髪の感触改善方法。
<13>ロブル酸又はその塩を医薬品、医薬部外品、又は飲食品の形態で適用する、前記<5>〜<12>のいずれか1項記載の使用又は方法。
<14>ロブル酸の塩が、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、両性金属塩、アミノ酸塩又はアミン塩、好ましくはナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、アミノ酸塩又はアミン塩、より好ましくはナトリウム塩、カリウム塩又はカルシウム塩である、前記<5>〜<13>のいずれか1項記載の使用又は方法。
<15>ロブル酸又はその塩の含有量が固形分換算で0.00001質量%以上(好ましくは0.0001質量%以上)20質量%以下(好ましくは10質量%以下)である、前記<5>〜<14>のいずれか1項記載の使用又は方法。
生薬ジンギョウ(新和物産社より入手)400gを95体積%エタノール4Lに浸漬し、室温において攪拌しながら7日間抽出を行った。得られた抽出液を濾過し溶媒を留去して、残渣42.4gを得た。得られた残渣につき、酢酸エチル850mL、イオン交換水850mLを用いて液液分配を行い、酢酸エチル層を濃縮して、酢酸エチル可溶画分10.6gを得た。続いて、酢酸エチル画分10.1gをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル混合溶液で1回分取後、活性画分をさらにクロロホルム:メタノール混合溶液で2回分取)に供し、無色結晶のロブル酸575mgを得た。得られた化合物の同定は、1H-NMR及び13C-NMRにより行った。
1H-NMR(CDCL3,ppm):0.76(d,J=6Hz,3H),0.78(s,3H),0.90(d,J=6Hz,3H),0.93(s,3H),1.04(s,3H),1.07(s,3H),1.73(s,3H),2.18〜2.28(m,1H),2.35〜2.46(m,1H),4.65(bs,1H),4.85(bs,1H),5.09〜5.15(m,1H)
13C-NMR(CDCL3,ppm):17.0,17.6,19.7,21.4,23.1,23.4,23.6,24.4,26.5,28.0,28.4,28.8,31.2,31.6,33.8,33.8,37.9,39.1,39.6,39.7,39.7,41.5,42.6,50.5,59.1,113.6,124.2,139.6,147.4,179.9
ロブル酸225mg(0.511mmol)をエタノール10mLに溶解し、Pd/C(10%、和光純薬社製)30mgを添加した。水素置換を3回行ない、室温にて攪拌した。3時間半後サンプリングして1H-NMRを測定したところオレフィンが残存していた。そこで、50℃に加熱してさらに5時間半反応させた。サンプリングして1H-NMR測定したところエキソメチレン部分は完全に水素添加されていたが、環内のオレフィンは水素添加されなかった。そこで、冷却後Pd/Cをフィルター濾過し、減圧濃縮、シリカゲルカラムクロマト(ヘキサン:酢酸エチル混合系)にて精製し、下記に示す比較化合物(5)68mg(白色結晶、収率30%)を得た。得られた化合物の同定は、1H-NMRにより行った。
1H-NMR(CDCL3,ppm):0.76(d,J=6Hz,3H),0.78(s,3H),0.80(d,J=6Hz,3H),0.89(d,J=7Hz,6H),0.91(s,3H),1.01(s,3H),1.05(s,3H),2.18〜2.22(m,1H),5.10〜5.16(m,1H)
脱水テトラヒドロフラン(THF)5mLにLiAlH4150mg(3.95mmol)を加え、ロブル酸112mg(0.254mmol)の脱水THF8mL溶液を室温にて40分かけて滴下した。4時間後薄層クロマトグラフィー(TLC)にて原料の消失を確認し、ヘキサン10mL、イオン交換水5mLを加え、抽出、水洗、減圧濃縮して、反終品110mgを得た。反終品をシリカゲルカラムクロマト(クロロホルム系)にて精製し、下記に示す比較化合物(6)79mg(白色結晶、収率73%)を得た。得られた化合物の同定は、1H-NMRにより行った。
1H-NMR(CDCL3,ppm):0.77(d,J=6Hz,3H),0.78(s,3H),0.89(d,J=6Hz,3H),0.90(s,3H),1.04(s,3H),1.07(s,3H),1.72(s,3H),3.55〜3.70(m,2H),4.64(bs,1H),4.83(bs,1H),5.12(bs,1H)
ロブル酸14.6mg(0.033mmol)を20%メタノールを含有するトルエン2mLに溶解し、トリメチルシリルジアゾメタン(東京化成製、10%ヘキサン溶液)0.5mLを加え、室温で反応させた。50分後TLCで原料消失を確認し、メタノール5mLを加え、減圧濃縮した。不溶物が析出したためヘキサンに再溶解した後、メンブレンフィルター(孔径0.45μm)でろ過し、減圧濃縮して、下記に示す比較化合物(8)15mg(収率100%)を得た。得られた化合物の同定は、1H-NMRにより行った。
1H-NMR(CDCL3,ppm):0.77(d,J=6Hz,3H),0.78(s,3H),0.90(d,J=6Hz,3H),0.93(s,3H),1.04(s,3H),1.06(s,3H),1.73(s,3H),2.12〜2.23(m,1H),2.30〜2.39(m,1H),3.63(s,3H),4.64(bs,1H),4.85(bs,1H),5.09〜5.15(m,1H)
ユーカリの葉(Eucalyptus globulus Labillardiere:新和物産社より入手)40gを細切し、50体積%エタノール400mLを加え、室温・静置条件下で7日間抽出を行った。その後、濾過して、ユーカリ抽出物291mLを得た(蒸発残分3.16(w/v%))。これを50%体積エタノールで希釈し、1.0%(w/v)(エキス固形分)抽出物を調製した。
センレンシ(新和物産社より入手)40gを細切し、50体積%エタノール400mLを加え、室温、静置条件下で23日間抽出を行った。その後、濾過して、センレンシ抽出物328mLを得た(蒸発残分1.68(w/v%))。これを50%体積エタノールで希釈し、1.0%(w/v)(エキス固形分)抽出物を調製した。
培養プレートを用い、培養液(商品名:EpiLife-KG2、KURABO社製)中にて、正常ヒト表皮角化細胞(商品名:NHEK(F)、KURABO社製)を37℃、5%CO2で培養した。
その後、培養液を上皮成長因子などの増殖因子を除いたEpiLife-KG2に換え、表1に示す各成分又はコントロール溶液(50体積%エタノール)を添加した。
3日間培養した後、各々の細胞を1wellごと回収した。
また、脂質を抽出した後の細胞に0.1N NaOH、1%SDS水溶液を加え、60℃で2時間加熱することにより、タンパク質を可溶化し、室温まで冷却した後2N HClを加えて中和し、タンパク量をBCA法により定量した。
結果を表1に示す。なお、表1のセラミド量は、コントロール溶液を添加した系のセラミド量を1とした場合の相対値(n=3の平均値)を示している。
これに対して、ロブル酸を添加した系では、コントロールの系に比べてセラミド量が有意に増加した。すなわち、ロブル酸はセラミド産生促進作用を有し、セラミド産生促進剤、保湿剤、皮膚のバリア能増強若しくは改善剤、毛髪のハリ若しくはコシの付与剤、及び毛髪の感触改善剤の有効成分として有用であることがわかった。さらに、ロブル酸は、公知のセラミド産生促進剤であるユーカリ抽出物やトウセンダン抽出物と同等のセラミド産生作用を有していた。
ロブル酸を有効成分とする保湿剤、又は皮膚のバリア能増強若しくは改善剤として、下記に示す組成の化粧水、0/W(オイルインウォーター)型乳液、W/O(ウォーターインオイル)型クリーム、ジェル状化粧料、液体入浴剤、ヘアローション、ヘアトリートメントを常法により各々製造できる。
(組成) (配合:質量%)
ロブル酸 0.01
ポリエチレングリコール(商品名:PEG−1540、三洋化成社製) 1.00
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウリン酸エステル 1.50
グリセリン 2.00
パラべン 0.10
精製水 残余
(組成) (配合:質量%)
ロブル酸 0.03
ポリエチレングリコール(商品名:PEG−2000、三洋化成社製) 1.00
プルラン(商品名:プルランPT−20、林原社製) 0.40
セチルアルコール 1.00
ワセリン 2.00
スクワラン 6.00
ジメチルポリシロキサン 2.00
グリセリン 2.00
擬似セラミド(N−(3−ヘキサデシロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−N−2−ヒドロキシエチルヘキサデカミナド) 1.00
ポリオキシエチレン(10)モノオレイン酸エステル 1.00
グリセロールモノステアリン酸エステル 1.00
植物のカルス由来の酸性へテロ多糖類(チュベロース多糖1重量%水溶液)2.00
パラべン 0.20
精製水 残余
(組成) (配合:質量%)
ロブル酸 0.05
アクリル酸アルキル共重合体(商品名:ヨドゾールGH810、カネボウNSC社製)
1.30
ポリビニルピロリドン(商品名:ルビスコールK−90、BASEジャパン社製)
0.70
ジメチルポリシロキサン 10.00
メチルフェニルポリシロキサン 3.00
オクタメチルシクロテトラシロキサン 12.00
ポリオキシアルキレン変性シリコーン 5.00
1,3-ブチレングリコール 6.00
擬似セラミド(N−(3−ヘキサデシロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−N−2−ヒドロキシエチルヘキサデカミナド) 1.20
パラべン 0.20
香料 微量
精製水 残余
(組成) (配合:質量%)
ロブル酸 0.002
ポリエチレングリコール(商品名:PEG−2000、三洋化成社製) 0.50
キサンタンガム(商品名:ネオソフトXKK、興人社製) 0.20
グリセリン 3.00
エタノール 3.00
カルボキシビニルポリマー 0.50
水酸化カリウム 0.15
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.00
クエン酸 0.80
クエン酸三ナトリウム 0.80
ナイロンパウダー 1.00
パラべン 0.10
香料 微量
精製水 残余
(組成) (配合:質量%)
ロブル酸 0.0002
擬似セラミド(N−(3−ヘキサデシロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−N−2−ヒドロキシエチルヘキサデカミナド) 0.10
ミリスチン酸イソプロピル 15.00
ポリオキシエチレン(12)オレイルエーテル 10.00
ポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル 6.00
植物のカルス由来の酸性へテロ多糖類(チュベロース多糖1重量%水溶液)2.00
パラべン 0.30
香料 微量
流動パラフィン 残余
(組成) (配合:質量%)
エタノール 60.0
プロピレングリコール 2.00
メチルパラベン 0.1
香料 0.5
ロブル酸 0.3
精製水 残余
(組成) (配合:質量%)
塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 2.0
セチルステアリルアルコール 5.0
グリシン 1.0
メチルパラベン 0.1
香料 0.5
ロブル酸 0.2
精製水 残余
Claims (4)
- ロブル酸又はその塩を有効成分とする、セラミド産生促進剤。
- ロブル酸又はその塩を有効成分とする、保湿剤。
- ロブル酸又はその塩を有効成分とする、皮膚のバリア能増強又は改善剤。
- ロブル酸又はその塩を有効成分とする、毛髪のハリ若しくはコシの付与剤、又は毛髪の感触改善剤。
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