JP2014236611A - 交流回転機の制御装置 - Google Patents
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これらの方法は、電機子抵抗、インダクタンス、誘起電圧定数といった回転機定数に基づいて数学的に演算して検出するもので、あらかじめ制御装置内に回転機定数を設定しておくことで、磁極位置や回転速度を検出することができる。
また、特に、容量が小さく電機子抵抗が大きい回転機の場合に顕著であるが、長時間運転による回転機内の温度上昇で電機子抵抗値が上昇し、運転開始時に設定した電機子抵抗定数との誤差が大きくなり、磁極位置や回転速度の検出値の誤差によって制御の安定性が低下する。
しかし、この特許文献1の場合、長時間運転による温度上昇で推定抵抗値の誤差が大きくなるという問題がある。
このため、詳しくは後述するが、ポポフの超安定理論に基づき、該当する制御回路の入出力間の伝達関数が強正実である、即ち、入出力間の位相差の絶対値がすべての周波数に対して90度以下になるという条件を満たすようオブザーバゲインHを設定している。
図1は、この発明の実施の形態1における交流回転機の制御装置の構成を示す図である。
交流回転機1は、同期電動機であって、ここでは、永久磁石を用いた同期機である。
交流回転機1には、交流回転機1の電流ベクトルを検出する電流検出手段としての電流ベクトル検出手段2と、電圧を印加するインバータ等の電力変換器が相当する電圧印加手段4が接続されている。
なお、三相電流を検出するには、電流を三相とも検出するほか、2相分を検出して三相電流の和がゼロであることを利用して三相電流を求めてもよいし、インバータ母線電流やスイッチング素子に流れる電流とスイッチング素子の状態から三相電流を演算してもよい。
座標変換器33では、推定磁極位置θ0を使って電圧指令ベクトル(vd、vq)をdq軸から静止座標の三相電圧指令ベクトル(vu、vv、vw)に変換し出力する。
制御する対象の交流回転機を永久磁石を用いた同期機とすると、その制御に用いられるαβ軸上における状態方程式は、式(1)〜(3)で表すことができる。
ここでは、αβ軸上の電圧指令ベクトルを(Vα、Vβ)、電機子反作用ベクトルを(φαs、φβs)、回転子磁束ベクトルを(φαr、φβr)、電流ベクトルを(iα、iβ)と定義し、Rは電機子抵抗、Lは電機子インダクタンス、ωrは回転子の回転速度を表す。
式(1)〜(3)から適応オブザーバを用いて交流回転機の電機子抵抗値を推定する式は、式(9)、(10)で定義することができる。ここでは、簡単のため速度推定値に誤差Δωが現れない定常状態であるとして、ωr0=ωrとしている。
図2の伝達関数の位相差の変動に着目すると、位相の変動は±90度以内に収まっており、すなわち、この伝達関数を持つ推定速度演算は安定に動作することがわかる。また、速度を変動させた場合においても、位相の変動が±90度以内であることから、速度によらず安定的に速度を推定することができる。
速度推定の演算は、前述した式(4)〜(8)に示すようにして、交流回転機1の内部状態である電流ベクトルと回転子磁束ベクトルを推定演算し、推定電流ベクトルと検出電流ベクトルの偏差と推定磁束ベクトルから推定速度を演算することができる。
図において、加減算器51は、後述する状態観測部53の出力である推定電流ベクトル(ids0、iqs0)から検出電流ベクトル(ids、iqs)を減算し、電流偏差ベクトル(e1、e2)を出力する。座標変換器52は、制御手段3の出力である三相電圧指令ベクトル(vu、vv、vw)を直交回転座標であるdq軸の電圧指令ベクトル(vds、vqs)に変換する。
なお、電圧指令ベクトル(vds、vqs)は、制御手段3の電流制御器32の出力(vd、vq)と同値であるから、(vds、vqs)=(vd、vq)として座標変換器52を省略することもできる。
行列演算器531は、電圧指令ベクトル(vds、vqs)Tに行列Bを乗算した結果を出力する。なお、Tは転置行列を表す。行列演算器532は、電流偏差ベクトル(e1、e2)Tに行列Hを乗算した結果を出力する。なお、行列演算器532に入力される推定速度ωr0は、行列H1の作成に使用するものである。
なお、行列演算器533に入力される推定速度ωr0および推定抵抗値R0は、行列Aω1の作成に使用するものである(式(17)参照)。
以上が、式(14)に相当する部分である。なお、式(14)の左辺は積分器535の入力部分に相当する。
行列演算器537は、行列C2をベクトル(φds0、φqs0、φdr0、φqr0)Tに乗算することで、推定磁束ベクトルΦr0(φdr0、φqr0)Tを出力する。この部分は式(16)に相当する。
速度推定器538は、式(18)により推定速度ωr0を出力する。
なお、オブザーバゲインH1の各ゲインh111〜h142は、例えば、特許第4672236号の第9図に記載されているように推定速度ωr0によって各ゲインの値を変更するように設定することができる。
そこで、本実施の形態1では、抵抗推定演算に更新判定部を設け、安定性が保証されない速度領域においては、抵抗推定演算を停止して新たな推定値を出力しないことで、回転動作中でも安定して抵抗値を推定できるようにする。
加減算器61は、速度観測手段5からの推定電流ベクトル(ids0、iqs0)から検出電流ベクトル(ids、iqs)を減算し、電流偏差ベクトル(e1、e2)を出力する。これは、加減算器51の動作と同等である。
乗算器62は、後述する更新判定部64が出力する更新判定信号sigを、入力である電流ベクトル偏差(e1、e2)の各要素に乗算して出力する。
推定抵抗演算部63は、更新判定信号sigを乗算した電流偏差ベクトル(e1、e2)と、推定電流ベクトル(ids0、iqs0)とから、式(19)に示すように、比例積分制御により推定抵抗値R0を演算して出力する。
先の実施の形態1では、交流回転機1の運転状態に拘わらず推定抵抗値の演算が不安定動作しないように抵抗観測手段6を動作させることができるが、抵抗推定演算によって、推定抵抗値を更新できるのは回転機の停止時のみにとどまる。従って、回転機運転開始後の温度上昇による電機子抵抗の変動も、推定速度の演算への反映は回転機の停止時毎になされるにとどまる。
そこで、この発明の実施の形態2における交流回転機の制御装置では、回転機の運転状態に拘わらず、常に、安定して抵抗推定値の演算が可能となる抵抗観測手段を提供するものである。
式(13)において抵抗推定を演算する場合の伝達関数を示した。ここで、交流回転機によって、s*I4、AR、Cは固定されているから、伝達関数を変更するには、Hのフィードバックゲインを変更する必要がある。ここで、図3に示したボード線図にかかるフィードバックゲインは、推定速度を安定して求めるために設定したものであり、抵抗を推定するために最適なゲインではない。
そこで、本実施の形態2では、抵抗を推定するために最適なフィードバックゲインを設定した適応オブザーバを作成し、速度によって不安定化しない推定抵抗値の演算ができるようにする。
加減算器81は、抵抗推定での推定電流ベクトル(Rids0、Riqs0)から検出電流ベクトル(ids、iqs)を減算し、電流偏差ベクトル(e3、e4)を出力する。行列演算器82は、電流偏差ベクトル(e3、e4)Tに行列H2を乗算した結果を出力する。なお、行列演算器82に入力される推定速度ωr0は、後述するように、行列H2の作成に使用するものである。
行列演算器84は、推定速度ωr0に、ベクトル(0、φf)Tを乗算した結果を出力する。
積分器86は、加減算器85の出力するベクトルを各要素毎に積分し、ベクトル(Rφds0、Rφqs0)Tを出力する。以上が、式(21)に相当する部分である。なお、式(21)の左辺は、積分器86の入力部分に相当する。
推定抵抗演算部88は、推定電流ベクトル(Rids0、Riqs0)と、電流偏差ベクトル(e3、e4)と推定速度ωr0とから推定抵抗値R0を演算する。
推定抵抗演算部88は、電流偏差ベクトル(e3、e4)と推定電流ベクトル(Rids0、Riqs0)とから式(24)で推定抵抗値R0を演算する推定抵抗演算器881と、推定した抵抗値を真値として速度観測手段7に返すかどうかを判別する更新判定器882とを備えている。
本実施の形態2の抵抗観測手段8の動作内容を示す式(21)〜(24)は、推定速度が定常的に一致することを前提としている。速度急変が発生すると応答速度の影響から、推定速度に過渡的に誤差が発生する場合においては、誤差(e3、e4)は、式(25)で示すように、ΔωとΔRとの合成で発生する。すなわち、誤差(e3、e4)を入力として推定抵抗値の演算を行うとΔωの分だけ誤差が発生する。先にも述べたように抵抗値に誤差が発生する場合、駆動性能が低下する。
5,7 速度観測手段、6,8 抵抗観測手段、53 状態観測部、
63,88 推定抵抗演算部、64 更新判定部、881 推定抵抗演算器、
882 更新判定器。
Claims (4)
- 制御系上位からの指令に基づき電圧指令を生成する制御手段、前記電圧指令に基づき交流回転機に電圧を印加する電圧印加手段、前記交流回転機の電流を検出し検出電流を出力する電流検出手段、前記電圧指令と前記検出電流と前記交流回転機の推定抵抗値とに基づき適応オブザーバを使用して前記交流回転機の推定速度を演算出力する速度観測手段、および前記検出電流と前記推定速度とに基づき前記推定抵抗値を演算出力する抵抗観測手段を備えた交流回転機の制御装置において、
前記速度観測手段および前記抵抗観測手段は、前記適応オブザーバを使用した演算で設定するオブザーバゲインを含む、それぞれの演算における伝達関数が安定であるための必要条件が成立する状態で、それぞれ前記推定速度および前記推定抵抗値を演算出力するようにしたことを特徴とする交流回転機の制御装置。 - 前記速度観測手段は、前記電圧指令と前記検出電流と前記推定抵抗値とに基づき第一オブザーバゲインに設定した適応オブザーバを使用して前記推定速度と推定電流とを演算出力するものとし、
前記抵抗観測手段は、前記検出電流と前記速度観測手段で演算された前記推定電流とに基づき前記推定抵抗値を演算する推定抵抗演算部、および前記推定速度に基づき前記必要条件の成立不成立を判定し、前記必要条件が成立するときのみ前記推定抵抗演算部の出力を更新する更新判定部を備えたことを特徴とする請求項1記載の交流回転機の制御装置。 - 前記速度観測手段は、前記電圧指令と前記検出電流と前記推定抵抗値とに基づき第一オブザーバゲインに設定した適応オブザーバを使用して前記推定速度を演算出力するものとし、
前記抵抗観測手段は、前記電圧指令と前記検出電流と前記推定速度とに基づき第二オブザーバゲインに設定した適応オブザーバを使用して前記推定抵抗値を演算出力することを特徴とする請求項1記載の交流回転機の制御装置。 - 前記抵抗観測手段は、前記推定速度に基づき推定加速度を演算し、前記推定加速度が所定の設定値以下のときのみ前記推定抵抗値の出力を更新する更新判定器を備えたことを特徴とする請求項3記載の交流回転機の制御装置。
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