JP2014234676A - 防災トイレシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の防災トイレシステムは、衛生的に使用し続けることが可能な防災トイレシステムを提供することを目的とする。【解決手段】地下水Wを採取可能な井戸2と、井戸2から地下水Wを汲み上げる手動ポンプ3と、井戸2から地下水Wを汲み上げる電動ポンプ4と、自然エネルギーを利用して発電を行う発電部5と、発電部5から供給される電気を蓄電して電動ポンプ4に電気を供給するバッテリー部6と、手動ポンプ3及び電動ポンプ4によって汲み上げられた地下水Wが流通し、地下水Wが流通する上流側から下流側に向かって下り勾配で傾斜するように地面に埋設される排水管7と、地表から排水管7と連通するトイレ部8とを備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、防災トイレシステムに関する。
地震や洪水等の災害によって、建物や住居の施設機能の低下やライフラインである上下水道の損傷等により、施設内の水洗トイレが使用できなくなる場合がある。このような場合には、小学校や公園等の避難場所にて仮設トイレが使用されている。
このような仮設トイレとして、例えば、特許文献1には、予め避難場所に設置しておく仮設トイレが挙げられている。この仮設トイレは、地表に開口している複数の縦管と、地中で縦管と接続され処理物を既設の下水管に流す排水管と、排水管の下流側の端部に配置されて閉塞することで排水管内に水を貯蓄し、開放すること排水管内の水を流出させる貯水ゲートとを備えている。そして、このような仮設トイレは、地表に面する上側開口部を塞いでいる蓋体を縦管から取り外すことで仮設トイレとして使用することができる。この仮設トイレを使用する際には、まず排水管の上流側に貯水タンク等を設置し、貯水ゲートの閉塞した状態で貯水タンク内に水を排水管内に供給し排出管内に水を溜める。その後、仮設トイレを使用後に、排水管内の汚物等の排泄物が或る程度の量となったときに、貯水ゲートを開放し、排水管内に溜めた水を流通させるとともに処理物を流して下水管に排出する。
特許4104197号公報
しかしながら、特許文献1に挙げられるような仮設トイレでは、貯水タンク等を介して排水管内に水を供給することで処理物を下水管に流しているが、貯水タンクの水が空になると貯水タンクに水を補充するか貯水タンク自体を交換する必要がある。ところが、貯水タンクは数百リットルから数千リットルの水が溜められており、交換が容易でないだけでなく、災害時には貯水タンクに補充する大量の水を確保することが難しくなり、使用ができなくなるおそれがある。さらに、排水管内に処理物が混入した水を一定期溜めておく必要があるため、においや雑菌等の衛生上の観点からも好ましくないという問題も有している。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、衛生的に使用することが可能な防災トイレシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の一態様に係る防災トイレシステムは、地下水を採取可能な井戸と、前記井戸から前記地下水を汲み上げる手動ポンプと、前記井戸から前記地下水を汲み上げる電動ポンプと、自然エネルギーを利用して発電を行う発電部と、前記発電部から供給される電気を蓄電して前記電動ポンプに電気を供給するバッテリー部と、前記手動ポンプ及び前記電動ポンプによって汲み上げられた前記地下水が流通し、前記地下水が流通する上流側から下流側に向かって下り勾配で傾斜するように地面に埋設される排水管と、地表から前記排水管と連通するトイレ部とを備えることを特徴とする。
このような防災トイレシステムによれば、自然エネルギーを利用して発電部によって発電した電気をバッテリー部に供給して蓄電することで、自然エネルギーを利用して電動ポンプを駆動させることが可能となる。そして、災害時であっても、自然エネルギーによって発電部が発電することで電気を得ることができ、バッテリー部に電気を供給し続けて蓄電することができ、電動ポンプを運転させることが可能となる。そのため、電気を安定的に得て、電動ポンプによって井戸から地下水を汲み上げることが可能となる。また、手動ポンプを電動ポンプとともに備えることで、仮にバッテリー部に蓄電されている電気の量が十分でなく電動ポンプを運転させることができない場合でも、代わりに手動ポンプによって地下水を汲み上げることで地下水を排水管に供給することが可能となる。このように、電動ポンプと手動ポンプとによって安定して地下水を汲み上げることが可能となることで、災害時であっても、地下水を安定して供給することができ、排水管内に地下水を流通させ続けて排水管内の排泄物を滞留させることなく地下水によって下水管に流すことができる。これにより、井戸から地下水を安定して汲み上げて排水管内の処理物を地下水で流すことで、衛生的に使用することが可能となる。
また、本発明の他の態様に係る防災トイレシステムは、前記発電部は、風力及び太陽光を利用して発電を行うことを特徴とする。
このような防災トイレシステムよれば、風力で発電できない日や、太陽光によって発電が難しい日でも、自然エネルギーの中でも風力と太陽光とを併用して発電部によって発電を行うことで発電量の足りない分を互いに補うことができ、より安定して発電しバッテリー部に電気を供給することが可能となる。
さらに、本発明の他の態様に係る防災トイレシステムは、前記地下水を汲み上げる揚水管を備え、前記井戸は、鉛直方向に延在して埋設された井戸ケーシングを有し、前記揚水管は、前記手動ポンプ及び前記電動ポンプに接続され、前記井戸ケーシング内を挿通していることを特徴とする。
このような防災トイレシステムによれば、手動ポンプと電動ポンプとに接続されている揚水管を使用することで、一つの揚水管で手動ポンプ及び電動ポンプを使用できる。そのため、井戸を小さく形成しながらも手動ポンプ及び電動ポンプを設置することが可能となる。したがって、細い井戸ケーシングにすることができ、井戸の掘削を容易に行うことが可能となる。
また、本発明の他の態様に係る防災トイレシステムは、前記電動ポンプが汲み上げた前記地下水を溜める貯水タンクを備え、前記貯水タンクは、内部に溜められた前記地下水が予め定めた貯水量を下回ることで前記電動ポンプを起動させ、前記予め定めた貯水量を上回ることで、前記電動ポンプを停止させることを特徴とする。
このような防災トイレシステムによれば、電動ポンプで汲み上げた地下水を溜めておくことで、使用のたびに電動ポンプの起動と停止を繰り返す必要がなくなる。即ち、圧力タンクが、予め定めた第一貯水量を下回らないように地下水を圧力タンク内に溜めておくように電動ポンプの駆動を調整している。そして、第二貯水量を超えるまで電動ポンプを一定時間駆動させて汲み上げた地下水を溜めておくことができる。したがって、使用者が使用するたびに電動ポンプを起動させて地下水を井戸から汲み上げなくとも、排水管に地下水を排出することができる。これにより、使用のたびに電動ポンプを何度も連続して起動と停止とを繰り返させる必要がなくなり、電動ポンプに電気を供給するバッテリー部の消耗を抑えることができる。
本発明の防災トイレシステムによれば、井戸から地下水を安定して汲み上げて排水管内の処理物を地下水で流すことで、衛生的に使用することが可能となる。
本発明の第一実施形態に係る防災トイレシステムを説明する模式図である。 本発明の第二実施形態に係る防災トイレシステムを説明する模式図である。
以下、本発明に係る第一実施形態の防災トイレシステム1について図1を参照して説明する。
第一実施形態の防災トイレシステム1は、地震等の災害が発生時に避難場所となる学校等に予め設けておくことで、災害時に仮設トイレとして使用するものである。図1に示すように、防災トイレシステム1は、地表から鉛直方向に設けられて地下水Wが採取可能な井戸2と、井戸2から地下水Wを汲み上げる手動ポンプ3と、同じく井戸2から地下水Wを汲み上げる電動ポンプ4と、手動ポンプ3及び電動ポンプ4に地下水Wを流通させる揚水管ユニット9とを備えている。そして、防災トイレシステム1は、自然エネルギーである風力及び太陽光を利用して発電を行う発電部5と、発電部5から供給される電気を蓄電し電動ポンプ4に電気を供給するバッテリー部6とを備えている。さらに、防災トイレシステム1は、手動ポンプ3又は電動ポンプ4によって汲み上げられた地下水Wが流通する排水管7と、地表に設けられて排水管7に連通するトイレ部8と、排水管7と接続されて既設の下水管100に地下水W等を排出する中間マンホール10とを備えている。
井戸2は、地面から地中に向かって地下水源まで貫通する穴であり、本実施形態では、例えば、30m程度の深さにある地下水Wを採取可能に設けられている。井戸2は、井戸ケーシング21が鉛直方向に延在して埋設されていることで、穴を掘削することと同時に内壁が支持されている。
井戸ケーシング21は、後述する揚水管ユニット9が挿通可能な大きさの断面形状をなす管材である。
手動ポンプ3は、井戸2から地下水Wを汲み上げるタンデム式手押しポンプである。手動ポンプ3は、地下水Wを汲み上げる手動ポンプ本体31と、手動ポンプ本体31に地下水Wの汲み上げを行わせるレバー32と、手動ポンプ本体31に設けられ地下水Wを吐出する水口33とを有している。
手動ポンプ本体31は、架台を介して地表に設置され、内部にピストンを有している。手動ポンプ本体31は、ピストンを鉛直方向上下に動かすことで水を引き上げて、後述する揚水管ユニット9を介して井戸2内の地下水Wを汲み上げている。
レバー32は、手動ポンプ3に取り付けられており、レバー32を上下方向に動かすことで、手動ポンプ本体31内のピストンを鉛直方向上下に動かしている。
水口33は、手動ポンプ本体31に取り付けられており、手動ポンプ本体31が汲み上げた地下水Wを後述する排水管7の桝部71に吐出口を向けて地下水を吐出している。
揚水管ユニット9は、手動ポンプ3の揚水管と電動ポンプ4の揚水管とが一体に形成されている揚水管であり、本実施形態では、例えば、タンデム式手動ポンプの一部として使用されている。揚水管ユニット9は、手動ポンプ3及び後述する電動ポンプ4に接続されて地下水Wを汲み上げている。具体的には、揚水管ユニット9は、手動ポンプ3に固定され鉛直方向下方に向かって地下水Wまで延在する揚水管本体91と、揚水管本体91に固定されるタンデムユニット92と、タンデムユニット92よりも鉛直方向下方で揚水管本体91に固定される水中ポンプ93とを備えている。さらに、揚水管ユニット9は、揚水管本体91から分岐して電動ポンプ4に接続される分岐揚水管94と、分岐揚水管94内の地下水Wの供給を調整し地下水Wの流通方向を調整する切替弁95とを備えている。
揚水管本体91は、手動ポンプ3の手動ポンプ本体31に接続されて鉛直方向下方に向かって地下水Wまで延在し、井戸2の井戸ケーシング21内を挿通する配管である。揚水管本体91は、地下水Wを地上の手動ポンプ本体31まで流通させている。揚水管本体91は、本実施形態では例えば、管径が40mmの管材を使用する。
タンデムユニット92は、地下水Wに浸かる位置で揚水管本体91の途中に設けられており、手動ポンプ本体31の最高揚程を向上させるために配置されている。本実施形態では、タンデムユニット92を用いることで、深さ20m以上の深井戸に対しても手動ポンプ3で地下水Wを汲み上げることを可能としている。
水中ポンプ93は、井戸2内に設けられており、タンデムユニット92よりも鉛直方向下方で地下水W中に浸かるよう配置されている。本実施形態における水中ポンプ93は、例えば、最大径100mm程度で揚程30m、吐出量20L以上の深井戸用水中ポンプを使用することが好ましい。
分岐揚水管94は、地上において揚水管本体91より水平方向に分岐して電動ポンプ4に接続されている。本実施形態では、手動ポンプ3が設置されている架台内で、揚水管本体91と接続されている。
切替弁95は、分岐揚水管94内への地下水Wの供給を調整し、揚水管ユニット9における地下水Wの流通方向を切り替えて、電動ポンプ4への地下水Wの供給量を調整している。即ち、手動ポンプ3を使用する際には、切替弁95が閉塞されることで、電動ポンプ4への地下水Wの供給を停止させて、地下水Wの流通方向を手動ポンプ3に向かう流れとする。一方、電動ポンプ4を使用する際には、切替弁95が開放されることで、電動ポンプ4に地下水Wを供給し、手動ポンプ3への地下水Wの供給を停止させて、地下水Wの流通方向を電動ポンプ4に向かう流れとする。
電動ポンプ4は、井戸2から地下水Wを汲み上げる深井戸用ポンプである。電動ポンプ4は、後述する発電部5から電気が供給されることで、揚水管ユニット9を介して地下水Wを汲み上げている。電動ポンプ4は、揚水管ユニット9の水中ポンプ93の駆動を調整する地上ユニット41と、汲み上げた水を排水管7に吐出する電動ポンプ吐出口42と、蛇口を介して吐出する水栓柱43とを有している。なお、電動ポンプ4は、450W以上の出力を有するポンプが好ましい。
地上ユニット41は、揚水管ユニット9の分岐揚水管94と接続されており、水中ポンプ93による地下水Wの汲み上げ量を調整している。地上ユニット41は、図示しないスイッチ部が操作されることによって信号が入力され、水中ポンプ93による地下水Wの吸い上げの開始及び停止や、吸い上げる量を調整している。
電動ポンプ吐出口42は、地上ユニット41に接続されており、水中ポンプ93によって汲み上げた地下水Wを後述する排水管7の桝部71に直接吐出している。
水栓柱43は、地上ユニット41に取り付けられており、ハンドルを開くことで電動ポンプ吐出口42とは別に地下水Wが蛇口から吐出される。
発電部5は、地上に設置されて自然エネルギーである風力と太陽光とを併用して利用することで発電を行っている。発電部5は、地表から鉛直方向に延在する支持部51と、風力によって発電する風力発電部52と、太陽光によって発電する太陽光発電部53と、明かりを灯火する灯火部54とを有している。
支持部51は、地面から鉛直方向に延在して円柱状をなしており、一端が地面に固定されている。
風力発電部52は、風を受けてプロペラを回転させることで風力によって発電を行う風力発電機を有している。風力発電部52は、支持部51の上端に水平面に沿って回転可能に取り付けられており、風がプロペラに対して平行にあたるよう風力発電機の位置を調整可能とされている。本実施形態における風力発電部52は、例えば、直径1200mm程度の三枚のプロペラを有し、風速2.7m/sで発電を開始する風力発電機を使用する。
太陽光発電部53は、太陽光によって発電するソーラーパネルを有している。太陽光発電部53は、風力発電部52の下方で支持部51の途中に固定されている。本実施形態における太陽光発電部53は、例えば、単結晶シリコンを用いており、大きさが1200×527×35[mm]のソーラーパネルを使用することが好ましい。
灯火部54は、図示しない灯火スイッチ部を有するLED街路灯であり、灯火スイッチ部を操作することで点灯と消灯とを切り替えている。
バッテリー部6は、発電部5が発電した電気を蓄電して、電動ポンプ4等に電力を供給している。バッテリー部6は、発電部5の支持部51に固定されている。バッテリー部6は、発電部5から供給される電気を蓄電するバッテリー部本体61と、発電部5の風力発電部52とバッテリー部本体61とを接続する風力蓄電ライン62と、発電部5の太陽光発電部53とバッテリー部本体61とを接続する太陽光蓄電ライン63と、発電部5の灯火部54とバッテリー部本体61とを接続する灯火ライン64と、バッテリー部本体61と電動ポンプ4とを接続するポンプ駆動ライン65とを有している。
バッテリー部本体61は、発電部5によって発電されて生じる電気を蓄電するディープサイクルバッテリーである。バッテリー部本体61は、支持部51の地表付近に固定されている。
風力蓄電ライン62は、風力発電部52に接続されており、風力発電部52が自然エネルギーの一つである風力によって発電した電気をバッテリー部本体61に供給している。
太陽光蓄電ライン63は、太陽光発電部53に接続されており、太陽光発電部53が自然エネルギーの一つである太陽光によって発電した電気をバッテリー部本体61に供給している。
灯火ライン64は、バッテリー部本体61に供給され蓄電された電気の一部を灯火部54に供給している。
ポンプ駆動ライン65は、バッテリー部本体61に供給され蓄電された電気の一部を電動ポンプ4の地上ユニット41に供給している。
排水管7は、手動ポンプ3及び電動ポンプ4によって汲み上げられた地下水Wを既設の中間マンホール10まで流通させている。排水管7は、手動ポンプ3の水口33や電動ポンプ4の電動ポンプ吐出口42及び水栓柱43から排出される地下水Wを受ける桝部71と、地下水Wが流通する上流側から下流側に向かって下り勾配で傾斜するよう地面に埋設されて桝部71から中間マンホール10までを接続する排水管本体72と、桝部71から排水管本体72まで連通する注水孔73と、を有している。
桝部71は、手動ポンプ3の水口33や電動ポンプ4の電動ポンプ吐出口42から排出された地下水Wを受けるコンクリート桝であり、地表から直方状に窪んで形成されている。桝部71は、手動ポンプ3や電動ポンプ4が汲み上げて、水口33や電動ポンプ吐出口42から吐出された地下水Wを飛散しないように受けている。
排水管本体72は、地面に埋設されており、桝部71で受けとめられて集められた地下水Wを中間マンホール10に向かって流通させている。具体的には排水管本体72は、桝部71近くの地表に開口部を有しており、開口部から鉛直下方に向かって貫通する鉛直管部と、鉛直管部と一体に接続されて水平方向に向かって進行方向を変更する曲管部と、曲管部に一体に接続されて中間マンホール10に向かって下り勾配で傾斜する傾斜管部と有している。排水管本体72は、地表に設けられる開口部によって、排水管本体72の中の様子を確認することが可能とされている。なお、排水管本体72の開口部は、ゴミ等の異物の侵入を防ぐために取り外し可能な蓋体で塞がれていることが好ましい。
注水孔73は、排水管本体72の鉛直管部の側面と桝部71とを連通しており、桝部71に集められた地下水Wを排水管本体72に流通させている。
トイレ部8は、地表から排水管7に連通する接続管81と、接続管81の地表の開口部分を覆うように設けられるトイレスツール82とを複数有している。
接続管81は、地表から鉛直方向に排水管7の傾斜管部まで連通する管材である。接続管81は、排水管7である傾斜管部の延在方向に沿って離間して複数箇所に配置されている。本実施形態では例えば、トイレ部8は三ケ所に配置されている。
トイレスツール82は、災害の発生していない通常時には蓋が設けられてベンチとして使用されており、使用時には蓋を外しテントのようなカバーでトイレスツール82を覆うことで個室型洋式トイレとして使用されるような公知の防災用トイレスツールである。そして、トイレスツール82は、接続管81の地表の開口部分を覆うように配置されている。
中間マンホール10は、排水管7と接続されており、排泄物W1とともに地下水Wを既設の下水管100に地下水W等を流通させている。中間マンホール10は、マンホール蓋10aを有しており、マンホール蓋10aを取り外すことで中間マンホール10内を点検可能としている。
なお、本実施形態における中間マンホール10が接続されている下水管100は、既に地中に埋設されている下水道の汚水管であり、公知の下水管である。
次に、上記構成の防災トイレシステム1の作用について説明する。
上記のような第一実施形態の防災トイレシステム1は、地震等の災害が起きた際に学校や公園等の避難所で使用される。防災トイレシステム1では、発電部5の風力発電部52が風力によって発電するとともに、太陽光発電部53が太陽光によって発電を行が行われる。発電部5で自然エネルギーである風力及び太陽光によって発電がされると、バッテリー部6の風力蓄電ライン62と太陽光蓄電ライン63とを介してバッテリー部本体61に電気が供給され蓄電される。バッテリー部6のバッテリー部本体61に蓄電された電気の一部は、灯火ライン64を介して灯火部54に供給されることで、図示していない灯火スイッチ部を操作すると、灯火部54を点灯させることが可能となる。そして、バッテリー部6に電動ポンプ4を連続運転させるために十分な電気が一定量蓄電されると、ポンプ駆動ライン65によって電動ポンプ4の地上ユニット41に電気が供給可能となる。
防災トイレシステム1を使用時には、地上ユニット41の図示しないスイッチ部を操作することで、バッテリー部6のバッテリー部本体61からポンプ駆動ライン65を介して電動ポンプ4の地上ユニット41に電気が供給される。同時に、揚水管ユニット9の切替弁95を切り替えて分岐揚水管94内に地下水Wが流通可能とする。さらに、地上ユニット41から水中ポンプ93に対して電気が供給されるとともに駆動するよう信号が出力され、水中ポンプ93は地下水Wの吸い上げを開始する。水中ポンプ93によって吸い上げられ地下水Wは、揚水管ユニット9の揚水管本体91及び分岐揚水管94内を流通して地上ユニット41まで汲み上げられて、地上ユニット41に接続された電動ポンプ吐出口42から排水管7の桝部71に吐出される。そして、地下水Wは、排水管7の桝部71から、注水孔73を介して排水管本体72に供給される。排水管本体72に供給された地下水Wは排水管本体72を流通して中間マンホール10まで排出される。
排水管7に地下水Wが流通している状態で、トイレスツール82の蓋を外すことで、トイレスツール82を洋式便座として使用する。トイレスツール82を使用することで使用者が排泄した排泄物W1は、接続管81を介して排水管7の傾斜管部に落下する。傾斜管部に落下した排泄物W1は、排水管本体72内を流通する地下水Wとともに中間マンホール10に押し流されている。中間マンホール10まで押し流された排泄物W1及び地下水Wは、下水管100に排出される。
そして、防災トイレシステム1を使用後には、地上ユニット41に接続された水栓柱43を介して電動ポンプ4が汲み上げた地下水Wを水栓柱43の蛇口からも吐出することで手等を洗うことができる。そして、地上ユニット41のスイッチ部を再び操作することで、信号が出力され、水中ポンプ93は地下水Wの吸い上げを停止する。
また、電動ポンプ4に供給する電気がバッテリー部6に十分蓄電されていない場合、手動ポンプ3のレバー32を上下方向に動かすことで手動ポンプ本体31内のピストンが作動し、中間シリンダー35を介することで深い井戸2からでも手動揚水管34を介して地下水Wを汲み上げる。この際、揚水管ユニット9の切替弁95を分岐揚水管94へ地下水Wが流通しないように切り替えておく。そして、手動ポンプ3によって汲み上げられた地下水Wは、手動ポンプ3の水口33から排水管7の桝部71に吐出され、注水孔73を介して排水管本体72に供給される。排水管本体72に供給された地下水Wは排水管本体72を流通して中間マンホール10まで排出される。
上記のような防災トイレシステム1によれば、自然エネルギーである風力や太陽光を利用して発電部5である風力発電部52や太陽光発電部53によって発電した電気をバッテリー部6のバッテリー部本体61に供給して蓄電することで、自然エネルギーを利用して電動ポンプ4を駆動させることが可能となる。即ち、自然エネルギーである風力や太陽光を利用した発電では、発電量が不安定となるため電動ポンプ4を安定して連続運転させることができない恐れがあるが、バッテリー部6で十分に蓄電してから電動ポンプ4に供給することで、電動ポンプ4に電気を安定供給して、安定して連続運転させることが可能となる。そして、災害時のように電気を確保することが難しい場合であっても、自然エネルギーである風力や太陽光によって発電部5が発電することで電気を得ることができる。そのため、災害時でもバッテリー部6に電気を供給し続けて蓄電することができ、電動ポンプ4を運転させることが可能となる。したがって、電気を安定的に得て、電動ポンプ4によって井戸2から地下水Wを汲み上げることが可能となる。
また、手動ポンプ3を電動ポンプ4とともに備えることで、仮にバッテリー部6に蓄電されている電気の量が十分でなく電動ポンプ4を運転させることができない場合でも、代わりに手動ポンプ3によって地下水Wを汲み上げることで地下水Wを排水管7に供給することが可能となる。
このように、電動ポンプ4と手動ポンプ3とによって安定して地下水Wを汲み上げることが可能となることで、災害時のように水や電気を確保することが困難な環境であっても、地下水Wを安定して供給することができ、排水管7内に地下水Wを流通させ続けて排水管7内の排泄物W1を滞留させることなく地下水Wによって下水管100に流すことができる。これにより、井戸2から地下水Wを安定して汲み上げて排水管7内の処理物を地下水Wで流すことで、排水管7内を清潔な状態としたまま、衛生的に使用し続けることが可能となる。
さらに、風が弱く十分に風力で発電できない日や、日照条件が悪く太陽光によって発電が難しい日でも、自然エネルギーの中でも風力と太陽光とを併用して発電部5の風力による風力発電部52と太陽光による太陽光発電部53とによって発電を行うことで発電量の足りない分を互いに補うことができ、より安定して発電しバッテリー部6に電気を供給することが可能となる。
また、手動ポンプ3の揚水管と電動ポンプ4の揚水管とが一体に形成されて、手動ポンプ3及び電動ポンプ4に接続されている揚水管である揚水管ユニット9を使用することで、一つの揚水管で手動ポンプ3及び電動ポンプ4を使用できるため、井戸を小さく形成しながらも手動ポンプ3及び電動ポンプ4を設置することが可能となる。したがって、細い井戸ケーシング21にすることができ、井戸2の掘削を容易に行うことが可能となる。
さらに、揚水管ユニット9を使用することで、既設の手動ポンプ3又は電動ポンプ4のみが設置されている既存の100mm程度の径で掘られている井戸2に対しても、容易に手動ポンプ3及び電動ポンプ4を併設することが可能となる。
また、電動ポンプ4に水栓柱43が設けられていることで、電動ポンプ4で汲み上げた地下水Wを排水管7に流通させる以外にも使用することができ、トイレ以外にも地下水Wを容易に利用することができる。したがって、井戸2の汲み上げを手作業で行うことなく、簡単に地下水Wを利用することができる。
さらに、手動ポンプ3で地下水Wを汲み上げて水口33から排出することで、排水管7に水を流通させる以外にも地下水Wを使用することが容易となる。したがって、電動ポンプ4が使用できないような状況であっても、簡単に地下水Wを利用することができる。
また、中間マンホール10を設置することで、既設の下水管の位置が浅い位置にある場合に、排水管7と下水管とを地下水Wを滞留させることなく流通させることができるように接続させることが可能となる。そして、排水管7の点検等も容易に実施することが可能となる。
次に、図2を参照して第二実施形態の防災トイレシステム1aについて説明する。
第二実施形態においては第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を伏して詳細な説明を省略する。この第二実施形態の防災トイレシステム1aは、貯水タンクを備える点で第一実施形態と相違する。
即ち、図2に示すように、第二実施形態では、電動ポンプ4が井戸2から汲み上げた地下水Wを排水管7に電動ポンプ吐出口42で直接排出せずに、貯水タンクに一定量の地下水Wを溜めてから排出している。第二実施形態の防災トイレシステム1aは、電動ポンプ4が汲み上げて供給した地下水Wを一定量溜めておく貯水タンクである圧力タンク200と、圧力タンク200から供給される地下水Wを排水管7に排出する水栓ロータンク300とを備えている。
圧力タンク200は、電動ポンプ4で汲み上げた地下水Wを一定量溜めておくことが可能な貯水タンクである。圧力タンク200は、内部に溜められた地下水Wの貯水量が低下すると電動ポンプ4の駆動を調整して常に一定量の地下水Wが溜められているよう自動的に調整している。具体的には、圧力タンク200は、内部に溜められた地下水Wの貯水量が予め定めた第一貯水量を下回ると電動ポンプ4の地上ユニット41を起動させ、内部に溜められた地下水Wの貯水量が予め定めた第二貯水量を上回ると電動ポンプ4の地上ユニット41を停止させている。
そして、圧力タンク200は、電動ポンプ4から供給される地下水Wが流通する圧力タンク供給管201と、圧力タンク供給管201を介して供給される地下水Wを溜めておく圧力タンク本体202とを備えている。さらに、圧力タンク200は、圧力タンク本体202に溜められている地下水Wを水栓ロータンク300に供給する圧力タンク排出管203と、圧力タンク本体202に溜められている地下水Wを水栓柱43に供給する圧力タンク分岐管204とを備えている。
圧力タンク供給管201は、電動ポンプ4に接続されており、電動ポンプ4が汲み上げた地下水Wを圧力タンク本体202まで流通させる配管と、配管に沿って配置され圧力タンク本体202からの信号に基づいて電動ポンプ4の駆動を調整する信号を電動ポンプ4に送る制御ラインとを有している。
圧力タンク本体202は、圧力タンク供給管201を介して電動ポンプ4が井戸2で汲み上げた地下水Wを一定量溜めておくタンクである。第二実施形態で用いられる圧力タンク本体202としては、例えば、地下水Wを溜めておける一定量が600リットル程度の貯水量を有するタンクが挙げられる。このような貯水タンクは、圧力空間として100リットルほど確保するため、実際の貯水量は500リットル程度となっている。そして、圧力タンク本体202は、予め定めた第一貯水量(本実施形態では例えば250リットル程度)を下回ると、貯水タンク内の圧力が下がって電動ポンプ4を起動させるよう圧力タンク供給管201の制御ラインを介して信号を送っている。そして、圧力タンク本体202は、予め定めた第二貯水量(本実施形態では例えば500リットル程度)を超える貯水量が確保できると電動ポンプ4の駆動を停止させる信号を送って電動ポンプ4を停止させ、地下水Wの供給を停止している。
圧力タンク排出管203は、圧力タンク本体202に溜められた地下水Wを後述する水栓ロータンク300に供給する配管である。
圧力タンク分岐管204は、圧力タンク排出管203から分岐する配管であり、圧力タンク本体202に溜められた地下水Wを水栓柱43に供給している。
水栓ロータンク300は、圧力タンク200に溜められた地下水Wを使用者が操作することで排水管7に排出している。水栓ロータンク300は、圧力タンク200と接続されている必要な量の地下水Wを溜めておくロータンク本体301と、ロータンク本体301に溜めてられた地下水Wを排水管7に排出するロータンク排出管302と、ロータンク排出管302からの排出を調整するロータンクレバー303とを有している。
ロータンク本体301は、圧力タンク排出管203を介して圧力タンク本体202と接続された市販のロータンクであり、使用者が排泄した排泄物W1を流すために必要な水量を一時的に溜めておくことができるようになっている。
ロータンク排出管302は、ロータンク本体301に接続されており、ロータンク本体301に一時的に溜められた地下水Wを排水管7の注水孔73に排出している。
ロータンクレバー303は、ロータンク本体301に接続されており、ロータンク排出管302からの地下水Wの排出を調整している。具体的には、ロータンクレバー303を使用者が操作し回すことで、図示しないロータンク本体301内のロータンク排出管302とロータンク本体301とを隔てる排出弁が開放され、ロータンク排出管302から地下水Wが排出される。そして、排出弁が閉塞されると同時に、図示しないロータンク本体301内の圧力タンク排出管203とロータンク本体301とを隔てる供給弁が開放され、ロータンク本体301内に再び地下水Wが必要な水量が溜められていることで、再び水栓ロータンク300を使用できるようにしている。
このような第二実施形態の防災トイレシステム1aは、電動ポンプ4で汲み上げた地下水Wを電動ポンプ吐出口42から排水管7の桝部71に直接排出せずに、圧力タンク200に地下水Wを一旦供給している。具体的には、圧力タンク200の圧力タンク本体202は、地下水の貯水量が予め定めた第一貯水量を下回ると、圧力タンク供給管201の制御ラインを介して電動ポンプ4の地上ユニット41を起動させて、電動ポンプ4に地下水Wの汲み上げを開始させる。そして、電動ポンプ4が汲み上げた地下水Wは圧力タンク供給管201の配管を介して圧力タンク本体202に供給される。圧力タンク本体202内に地下水Wが供給され、予め定めた第一貯水量を超える量の地下水Wが圧力タンク本体202内に溜められると、圧力タンク供給管201の制御ラインを介して電動ポンプ4の地上ユニット41が停止される。
圧力タンク200の圧力タンク本体202内に第一貯水量を超える量の地下水Wが溜められた状態で、水栓ロータンク300のロータンクレバー303を使用者が回すことで、ロータンク排出管302から排泄物W1を流すために必要な水量の地下水Wが排水管7の注水孔73に排出される。
また、水栓柱43のハンドルを開くことで、圧力タンク分岐管204を介して圧力タンク本体202に溜められた地下水Wが供給されて、蛇口から地下水Wが吐出される。
上記のような第二実施形態の防災トイレシステム1aによれば、電動ポンプ4で汲み上げた地下水Wを一定量溜めておくことで、使用のたびに電動ポンプ4の地上ユニット41の起動と停止を繰りかえす必要がなくなる。即ち、第二実施形態の防災トイレシステム1aにおいては、圧力タンク200が、予め地下水Wを溜めておくことが可能とされており、予め定めた第一貯水量を下回らないように地下水Wを圧力タンク本体202内に溜めておくように電動ポンプ4の駆動を調整している。そして、第二貯水量を超えるまで電動ポンプ4を一定時間駆動させて汲み上げた地下水Wを溜めておくことができる。したがって、使用者が使用するたびに電動ポンプ4を起動させて地下水Wを井戸2から汲み上げなくとも、排泄物W1を流すよう排水管7に地下水Wを排出することができる。電動ポンプ4は、起動時の消費電力が大きいため、起動と停止とを何度も繰り返すことで、電動ポンプ4に電気を供給するバッテリー部6のバッテリー部本体61の消耗させてしまう。ところが、圧力タンク200を備えていることで、電動ポンプ4を一定量の地下水Wを汲み上げるまで連続して一定時間駆動させ、その後は一定量の地下水Wがなくなるまでの時間、電動ポンプ4を起動させる必要がなくなる。これにより、使用のたびに電動ポンプ4の地上ユニット41を何度も連続して起動と停止とを繰り返させる必要がなくなり、電動ポンプ4に電気を供給するバッテリー部6のバッテリー部本体61の消耗を抑えることができる。
また、圧力タンク200の圧力タンク本体202に溜められた地下水Wを利用して水栓ロータンク300で複数の使用者による連続使用時においても、安定して排水管7に地下水Wを排出することができる。
なお、水栓ロータンク300は、第二実施形態のように圧力タンク200に対して一つだけ配置することに限定されるものではなく、例えば、各トイレ部8に配置しても良い。このようにトイレ部8のそれぞれに水栓ロータンク300が配置されることで、使用者は日常のトイレの使用と同じように防災トイレシステム1aを使用することができる。
また、貯水タンクは圧力タンクに限定されるものではなく、内部に溜められた地下水Wの貯水量を検知して電動ポンプ4を自動的に駆動させることができれば良く、例えば、内部に溜められた地下水Wの貯水量を検知して電動ポンプ4に信号を送る装置を別に有する貯水タンクであってもよい。
さらに、第二実施形態における水栓柱43は、電動ポンプ4の地上ユニット41と接続されている必要はなく、圧力タンク200から供給される地下水Wのみを吐出するようにされていても良い。
また、予め定められる第一貯水量と第二貯水量とは、使用される貯水タンクの大きさによって適宜定めればよく、例えば、第一貯水量と第二貯水量とを同じとしても良い。
さらに、貯水タンクである圧力タンク200は、手動ポンプ3と接続されていても良い。例えば、使用者が多く排出される地下水Wの量が多くなってしまう場合には、圧力タンク本体202内の地下水Wが排出され続けることで貯水量が第一貯水量を下回り続け、電動ポンプ4を連続して駆動させる必要がある。そのため、バッテリー部6のバッテリー部本体61の蓄電能力を超えてしまい電動ポンプ4を駆動できなくなってしまうおそれがある。このような場合であっても、圧力タンク200を手動ポンプ3とも接続することで、手動ポンプ3で汲み上げた地下水Wを圧力タンク本体202に供給することができる。これにより、圧力タンク200に地下水Wを安定して供給することができ、防災トイレシステム1aを安定して使用することができる。
以下、本発明の実施例として発電部5によって発電した電気を蓄電したバッテリー部6を用いて電動ポンプ4を駆動させた場合の揚水量を確認した様子を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されない。
[実施例]
発電部5である風力発電部52及び太陽光発電部53によって発電を行い、バッテリー部本体61を満充電とした状態で電動ポンプ4によって揚水試験を実施し連続使用時間と揚水量とを確認した。
[試験条件]
井戸2:深さ50m
井戸ケーシング21:径250[mm]
電動ポンプ4:100[V ]450[W] 50[Hz]
バッテリー部6:80[Ah/20HR](満充電)
風力発電部52(発電部5):三枚プロペラ直径1170[mm] 定格出力400[W] 発電開始風速2.7[m/s] 出力電圧12[Vdc]
太陽光発電部53(発電部5):公称最大動作電力85.5[W] 公称最大動作電圧18.32[V] 公称最大動作電流4.73[A] 開放電圧22.36[V] 短絡電流5.09[A] 寸法1200×527×35[mm]
[試験結果]
20Lのポリタンクを35秒で満杯とすることが確認された。また、連続して75分間にわたって地下水Wを汲み上げ続けることが確認された。
即ち、本実施例の約34L/minの地下水Wを汲み上げることが可能であることが認められた。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、クレームの範囲によってのみ限定される。
なお、本実施形態で使用されるトイレに数に限定されるものではなく、排水管7の長さや配置を変更することで、設置場所に合わせて適宜選択することが可能となる。
また、水栓レバーを有する水栓用タンク等を設けて電動ポンプ4から供給される地下水Wを一旦溜めておき、水栓レバーを操作することによって利用者が必要に応じて地下水Wを排水溝に流通させる構造としても良い。このような構造とすることで、地下水Wの使用量を抑えることができるとともに、日常生活で使用するトイレと同じ感覚で利用者は使用することができる。
また、使用されるトイレ部8は、トイレスツール82を使用したものに限定されるものではなく、接続管81を直接使用することとで和式便座のように使用しても良い。
さらに、排水管7の桝部71と排水管本体72を接続する注水孔73に開閉蓋を設けることで、手動ポンプ3で汲み上げた地下水Wを一旦、桝部71に溜める構造としても良い。このような開閉蓋を設置することで、桝部71に一定量の地下水Wを溜めてから排水管本体72に流すことができ、排水管本体72に一度に供給する地下水Wの量を増やして、排水管7が詰まることをより確実防止することができる。
また、排水管本体72の傾斜管部の中間マンホール10に向かう下り勾配の角度は、特に限定されるものではなく、設置される場所や設置するトイレ部8の数に合わせて適宜選択すれば良い。即ち、排水管本体72の傾斜管部の下り勾配を大きくすれば、地下水Wの流れる速度を上げることができ、多くの排泄物W1を一度の処理することが可能となる。
さらに、本発明の防災トイレシステム1は、公園等の公衆トイレに組み合わせて使用しても良い。このような構造とすることで、日常生活でも災害時でもいずれの環境下でも使用することができるトイレを提供することが可能となる。
また、井戸の深さが浅く、地下水Wの水面が地表から7m以内であれば、本実施形態のように揚水管ユニット9を手動ポンプ3の揚水管と電動ポンプ4の揚水管とが一体に形成されていることに限定されるものではない。即ち、例えば、手動ポンプ3と電動ポンプ4とにそれぞれ異なる揚水管を設けることで、手動ポンプ3と電動ポンプ4とを同時に使用することも可能となる。このような構成とすれば、地震等の災害時にいずれか一方の揚水管が破損しても、破損していない他方の揚水管で地下水Wを汲み上げることでき、より確実に地下水Wを汲み上げることができる。
1…防災トイレシステム W…地下水 2…井戸 21…井戸ケーシング 3…手動ポンプ 31…手動ポンプ本体 32…レバー 33…水口 4…電動ポンプ 41…地上ユニット 42…電動ポンプ吐出口 43…水栓柱 5…発電部 51…支持部 52…風力発電部 53…太陽光発電部 54…灯火部 6…バッテリー部 61…バッテリー部本体 62…風力蓄電ライン 63…太陽光蓄電ライン 64…灯火ライン 65…ポンプ駆動ライン 7…排水管 71…桝部 72…排水管本体 73…注水孔 8…トイレ部 81…接続管 82…トイレスツール 10…中間マンホール 10a…マンホール蓋 W1…排泄物 9…揚水管ユニット 91…揚水管本体 92…タンデムユニット 93…水中ポンプ 94…分岐揚水管 95…切換弁 100…下水管 200…圧力タンク 201…圧力タンク供給管 202…圧力タンク本体 203…圧力タンク排出管 204…圧力タンク分岐管 300…水栓ロータンク 301…ロータンク本体 302…ロータンク排出管 303…ロータンクレバー
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の一態様に係る防災トイレシステムは、地下水を採取可能な井戸と、前記井戸から前記地下水を汲み上げる手動ポンプと、前記井戸から前記地下水を汲み上げる電動ポンプと、自然エネルギーを利用して発電を行う発電部と、前記発電部から供給される電気を蓄電して前記電動ポンプに電気を供給するバッテリー部と、前記手動ポンプ及び前記電動ポンプによって汲み上げられた前記地下水が流通し、前記地下水が流通する上流側から下流側に向かって下り勾配で傾斜するように地面に埋設される排水管と、地表から前記排水管と連通するトイレ部とを備え、前記地下水を汲み上げる揚水管を備え、前記井戸は、鉛直方向に延在して埋設された井戸ケーシングを有し、前記揚水管は、前記手動ポンプ及び前記電動ポンプに接続され、前記井戸ケーシング内を挿通し、前記揚水管は、前記手動ポンプの揚水管と前記電動ポンプの揚水管とを一体に形成したものであり、前記井戸内の前記地下水に浸かる位置に前記手動ポンプの最高揚程を向上させるタンデムユニットと、前記揚水管における前記地下水の流通方向を切り替えて、前記電動ポンプへの前記地下水の供給量を調整する切替弁とを有し、前記発電部は、風力及び太陽光を併用して利用して発電を行うことを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の一態様に係る防災トイレシステムは、地下水を採取可能な井戸と、前記井戸から前記地下水を汲み上げる手動ポンプと、前記井戸から前記地下水を汲み上げる電動ポンプと、自然エネルギーを利用して発電を行う発電部と、前記発電部から供給される電気を蓄電して前記電動ポンプに電気を供給するバッテリー部と、前記手動ポンプ及び前記電動ポンプによって汲み上げられた前記地下水が流通し、前記地下水が流通する上流側から下流側に向かって下り勾配で傾斜するように地面に埋設される排水管と、地表から前記排水管と連通するトイレ部と前記地下水を汲み上げる揚水管と、を備え、前記井戸は、鉛直方向に延在して埋設された井戸ケーシングを有し、前記揚水管は、前記手動ポンプ及び前記電動ポンプに接続され、前記井戸ケーシング内を挿通し、前記揚水管は、前記手動ポンプの揚水管と前記電動ポンプの揚水管とを一体に形成したものであり、前記揚水管における前記地下水の流通方向を切り替えて、前記手動ポンプと前記電動ポンプとのいずれかに前記地下水を供給する切替弁と、前記手動ポンプの最高揚程を向上させるために、前記井戸内の前記地下水に浸かる位置に配置されるタンデムユニットと、を有し、前記発電部は、風力及び太陽光を併用して利用して発電を行うことを特徴とする。

Claims (4)

  1. 地下水を採取可能な井戸と、
    前記井戸から前記地下水を汲み上げる手動ポンプと、
    前記井戸から前記地下水を汲み上げる電動ポンプと、
    自然エネルギーを利用して発電を行う発電部と、
    前記発電部から供給される電気を蓄電して前記電動ポンプに電気を供給するバッテリー部と、
    前記手動ポンプ及び前記電動ポンプによって汲み上げられた前記地下水が流通し、前記地下水が流通する上流側から下流側に向かって下り勾配で傾斜するように地面に埋設される排水管と、
    地表から前記排水管と連通するトイレ部とを備えることを特徴とする防災トイレシステム。
  2. 前記発電部は、風力及び太陽光を利用して発電を行うことを特徴とする請求項1に記載の防災トイレシステム。
  3. 前記地下水を汲み上げる揚水管を備え、
    前記井戸は、鉛直方向に延在して埋設された井戸ケーシングを有し、
    前記揚水管は、前記手動ポンプ及び前記電動ポンプに接続され、前記井戸ケーシング内を挿通していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の防災トイレシステム。
  4. 前記電動ポンプが汲み上げた前記地下水を溜める貯水タンクを備え、
    前記貯水タンクは、内部に溜められた前記地下水の貯水量が予め定めた第一貯水量を下回ることで前記電動ポンプを起動させ、
    内部に溜められた前記地下水の貯水量が予め定めた第二貯水量を上回ることで、前記電動ポンプを停止させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の防災トイレシステム。
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