本発明は、軟弱地盤の安定、地山支保、トンネル支保工、構築物の基礎、構築物の基礎補強、液状化防止、遮水用地中壁、地下水湧水防止などを目的として用いられる地盤改良工法のうち、ノズルから硬化材液を高圧で噴射して改良域を造成する改良域造成方法に関する。
ロッド先端のノズルから硬化材液を高圧で噴射しながらロッドを所定の長さ引き抜いて地盤に改良域を造成する工法の従来技術としては、JSG工法やスーパージェット工法などがある。何れの工法も同一造成平面地盤において1箇所のノズルから硬化材液ジェット噴流を噴射しながらロッドを一定速度で所定回数回転させて円形の改良域を造成する工程と、数cmから10cmのステップ幅ロッドを引き上げる引上工程を繰り返して、所定の長さの円柱状改良域を造成している。昨今では、半円改良域や扇形改良域を造成する工法も増えてきているが、少ない噴射ノズル数と簡単な工程で長方形改良域や矩形改良域に近似した形状の改良域を無駄なく造成する工法はなかった。
また、従来工法では同一造成平面地盤の所定域に対して1方向からのみ硬化剤液ジェット噴流が噴射されるため、礫や小石を含む地盤においては未改良域が発生しやすく、工法の適用が困難な場合が発生している。
以上のような先行技術では、従来工法にない複雑な形状の改良域(複数の扇形改良域が連接造成された形状)を造成するとしているが、同一造成平面上で複数の扇形改良域を連接造成した形状を造成する造成工程において、特許文献1ではロッド先端に3箇所から6箇所の噴射ノズルを設置して同一造成平面地盤でロッドの揺動回転を30度から60度の範囲で1往復以上行うことで複数の扇形改良域を連接造成した形状の改良域を造成している。
しかし、先行技術の造成工程において、ロッドの先端に多くの噴射ノズルを有することは使用装置類のコストアップだけでなく、噴射量の増大によるコストアップにもつながり、かつ、3箇所から6箇所の噴射ノズルが同一回転軸を持つように配置されているため同一造成平面地盤の所定域に対して1方向からのみ硬化剤液ジェット噴流が噴射されるので、礫や小石を含む地盤においては未改良域が発生する可能性もある。
そこで本発明は、地中に挿入したロッドの先端部の噴射ノズルより硬化材液ジェット噴流を高圧で噴射して対象地盤と混練して改良域を造成する工法において、ロッドの先端部に、硬化剤液ジェット噴流を高圧でロッド平面方向(周方向)に所定角度で噴射する2箇所以上の複数の噴射ノズルを異なる回転軸を持つように配置し、同一造成平面地盤で、前記複数の噴射ノズルから硬化剤液ジェット噴流を噴射しながらロッドを回転もしくは所定角度回転することで、同一造成平面地盤の所定域に複数の硬化剤液ジェット噴流をそれぞれ異なる噴射角度(噴射方向)から噴射して地盤と混練し、円形改良域もしくは所定角度の扇形改良域を造成することを特徴とした。
これによれば、同一造成平面地盤の所定改良域各所において、複数の噴射ノズルからごく短時間差で別々の噴射角度(別々の噴射方向)から硬化剤液ジェット噴流が噴射されるので、改良径(ロッドから改良体先端までの平面方向距離)が大きくできるだけでなく、礫や小石混じりの地盤においても未改良域の発生を減少させることができ、所定改良域の混練状況と改良体品質が向上する。
また本発明は、地中に挿入したロッドの先端部の噴射ノズルより硬化材液ジェット噴流を高圧で噴射して対象地盤と混練して改良体を造成する工法において、ロッドの先端部に、硬化剤液ジェット噴流を高圧でロッド平面方向(周方向)に所定角度で噴射する2箇所の噴射ノズルAと噴射ノズルBを異なる回転軸を持つように配置し、同一造成平面地盤で、噴射ノズルから硬化剤液ジェット噴流を噴射しながらロッドを所定角度回転もしくは所定角度揺動することで、同一造成平面地盤の所定域に噴射ノズルAから噴射された硬化剤液ジェット噴流aと噴射ノズルBから噴射された硬化剤液ジェット噴流bをそれぞれ異なる噴射角度(噴射方向)から噴射して地盤と混練し、硬化剤液ジェット噴流aのみにより造成された改良域イと、硬化剤液ジェット噴流aと硬化剤液ジェット噴流bの双方により造成された改良域ロと、硬化剤液ジェット噴流bのみにより造成された改良域ハが一体形成された複合改良域を造成することと、複合改良域の改良域ロが、改良域イと改良域ハよりも改良径(ロッドから改良域先端までの平面方向距離)が大きいことを特徴とした。
これによれば、従来なかった形状の複合改良域(例えば噴射ノズル個数より多い扇形改良域が一体形成された複合改良域)が、ロッドを所定角度回転するだけで容易に造成することができる上、複合改良域は必要な部分だけ改良径(ロッドから改良体先端までの平面方向距離)を大きく造成することができ、かつその改良径の調節もノズル径や配置個数の選択により自在なため、連結配置に造成することで格子状配置に適した複数の扇形改良域が一体化した複合改良域の造成が容易となる。また、ロッドを所定角度揺動すれば、硬化剤液ジェット噴流の飛距離がさらに伸びるので、より改良径(ロッドから改良体先端までの平面方向距離)の大きな複合改良域が容易に造成できる。
また、相互に異なる回転軸を持つように複数の噴射ノズルが配置されているため、造成される複合改良域のロッド近傍の改良幅(壁厚)は、ロッド1の回転角度だけでなく、噴射ノズルAと噴射ノズルBの配置位置やロッド水平方向(周方向)への配置角度等に応じて厚くすることができる。
さらに本発明は、噴射ノズルに加えて、ロッドの先端部に、硬化剤液または液体のジェット噴流を高圧でロッド平面方向(周方向)に所定角度で噴射して連接改良域を造成する連接用噴射ノズルを所定個数配置し、連接用噴射ノズルから噴射される硬化剤液または液体のジェット噴流で、複合改良域に一部重複または連接して複合改良域と一体形成される所定形状の連接改良域を造成することを特徴とした。
これによれば、連接改良域によってロッド近傍の改良域の改良幅(壁厚)が厚くできるので、所定幅(例えば50cmから100cm)で所定長さ(例えば1.5mから4m)を有するような略長方形改良域も容易に造成することができる。
さらにまた本発明は、円形改良域もしくは所定角度の扇形改良域もしくは複合改良域もしくは連接改良域をロッド引上げ方向に所定回数造成を繰り返して積層させ、所定形状で所定長の柱状改良体を造成することを特徴とした。
これによれば、円柱状改良体や扇形柱状改良体や複合改良域柱状改良体や略長方形柱状改良体が、短時間に容易な工程で造成できる。
本発明によると、相互に異なる回転軸を持つように配置された硬化剤液ジェット噴流を高圧でロッド平面方向に所定角度で噴射する2箇所以上の複数の噴射ノズルをロッドの先端部に有しているので、ロッドを一回転もしくは所定角度回転するだけで、同一造成平面地盤には2本以上の硬化剤液ジェット噴流がそれぞれ異なる噴射角度(噴射方向)から短時間差をもって噴射されて所定域を混練改良するため、短い造成時間で確実に改良域を造成できる。
また、同一造成平面地盤には2本以上の硬化剤液ジェット噴流がそれぞれ異なる噴射角度(噴射方向)から短時間差をもって噴射されるので、先に噴射される硬化剤液ジェット噴流が切削混練した地盤を短時間差で後から噴射される硬化剤液ジェット噴流が再度切削混練するので、後から噴射される硬化剤液ジェット噴流の飛距離が長くなるので、造成される改良域の改良径(ロッドから改良域先端までの平面方向距離)が大きくなる。
また礫や小石混じりの地盤において従来工法の同一回転軸からの(一方向からの)硬化剤液ジェット噴流では礫や小石の陰に未改良域が発生していたが、本発明ではロッドを一回転もしくは所定角度回転するだけで、同一造成平面地盤には2本以上の硬化剤液ジェット噴流がそれぞれ異なる噴射角度(噴射方向)から噴射されるので、礫や小石の陰にも硬化剤液ジェット噴流が到達しやすく、礫や小石混じりの地盤においてもより確実に所定形状の改良域を造成することができる。
また同一造成平面地盤には2本以上の硬化剤液ジェット噴流がそれぞれ異なる噴射角度(噴射方向)から噴射されるので、所定形状の改良域の切羽部の混練状況が良くなり、改良域切羽部の改良品質が安定する。
またさらに、ロッドの先端部に、硬化剤液ジェット噴流を高圧でロッド平面方向(周方向)に所定角度で噴射する2箇所以上の複数の噴射ノズルを異なる回転軸を持つように配置されているので、ロッドを回転もしくは所定角度回転する際に、ロッドの回転回数を複数回にしたり揺動回転にすることで、同一造成平面地盤の所定域での硬化剤液ジェット噴流による混練回数を増やせば、造成される改良域の改良径(ロッドから改良域先端までの平面方向距離)をさらに大きくすることも容易である。
また本発明によると、ロッドの先端部に、硬化剤液ジェット噴流を高圧でロッド平面方向(周方向)に所定角度で噴射する2箇所以上の複数の噴射ノズルを異なる回転軸を持つように配置するが、そのために損なわれる1本1本の硬化剤液ジェット噴流のロッド平面方向への到達飛距離はごく僅かであり、複数の硬化材液ジェット噴流がそれぞれ異なる噴射角度(噴射方向)から噴射される改良域の所定範囲においては改良径(ロッドから改良域先端までの平面方向距離)は伸長する。
また本発明では、同一造成平面地盤でロッドを一回転もしくは所定角度回転するだけで、所定形状の改良域を造成できるが、ロッドを二回転や三回転の複数回回転、もしくはロッドを所定角度揺動もしくは所定角度複数回揺動させることにより、改良域の改良径(ロッドから改良域先端までの平面方向距離)はより伸長するので、改良範囲を容易に拡大することができる。また、改良域の改良体強度の向上にも利用できる。
また本発明によると、硬化剤液ジェット噴流aのみにより造成された改良域イと、硬化剤液ジェット噴流aと硬化剤液ジェット噴流bの双方により造成された改良域ロと、硬化剤液ジェット噴流bのみにより造成された改良域ハが一体形成された複合改良域を改良域ロが、改良域イと改良域ハよりも改良径(ロッドから改良域先端までの平面方向距離)が大きく造成できるので、ロッドの片道の所定角度の回転だけで、噴射ノズル個数である2個より多い3個の造成域イ、造成域ロ、造成域ハの3つの概ね扇形の造成域が一体造成された複合改良域が造成できることになる上、相互に異なる回転軸を持つ噴射ノズルAと噴射ノズルBを先端部に有するロッドを所定角度の回転することで造成される複合形改良域はロッド中心より計測した場合、所定角度より大きな角度を有する大きさを有するので、短時間でロッド回転角度より大きな角度の改良域を有する複合改良域を効率よく造成することができる。さらに、複合改良域は造成範囲が限定されるため、周辺地盤及び周辺の地中構造物等に与える影響が少ない上、施工日数や硬化剤使用量や排泥量も減少するため経済的である。
また本発明によると、前記造成域ロが、造成域イと造成域ハよりも造成径(ロッドから造成域先端までの水平距離)が大きい複合改良域を造成できるので、格子状改良域を形成する壁状改良域としても適用されることに適し、かつ形状と大きさの設定が、噴射ノズルの個数と配置、ロッドの回転角度と回転速度、硬化材液ジェット噴流の噴射圧力や随伴させるエアーや水などの有無とその圧力などの組み合わせによって自在に可能である。
また本発明により従来からの円形改良域や扇形改良域の他に、複数の扇形改良域が一体化した複合改良域や略長方形改良域という新しい改良体形状のバリエーションを加えることができるので、無駄のない設計施工により環境への負荷も軽減しながら材料の減少や施工コスト低減や工期短縮という効果が期待できる。
さらに本発明によると、連接改良域によってロッド近傍の改良域の改良幅(壁厚)が厚くできるので、所定幅(例えば30cmから100cm程度)で所定長さ(例えば1.5mから4m)を有するような略長方形改良域も容易に造成することができるので、止水壁や液状化防止用の格子状形成が無駄なく容易に可能である。
また本発明によると、円形改良域もしくは所定角度の扇形改良域もしくは複合改良域もしくは連接改良域をロッド引上げ方向に所定回数繰り返し造成して積層させ、所定長の柱状改良体を造成するので、円柱状改良体や扇形状改良体や複合改良域柱状体や略長方形柱状改良体が短時間に容易な工程で造成でき、かつこれら各形状の柱状改良体を連結造成することで、所定範囲の地盤を全域改良や、四角格子状や六角格子状などの部分改良に容易に適用できる。
本発明により造成される所定形状の改良域や改良体は多様な形状を構成できるだけでなく、止水目的や液状化対策や仮設土留壁などの地盤改良で広い用途に対応でき、また他形状の平板改良体等と組み合わせることで、より複雑な構造を持つ改良域の形成に活用することができる。
本発明を実行する装置の概略構成を示す図である。
本発明の実施例で、ロッド先端部の概略図である。
本発明の実施例で、ロッド先端部の概略図である。
本発明の実施例で、改良域造成過程を示す図である。
本発明の実施例で、改良域造成過程を示す図である。
本発明の実施例で、改良域造成過程を示す図である。
本発明の実施例で、造成される改良域を示す図である。
従来技術の実施例で、ロッド先端部の概略図である。
従来技術の実施例で、改良域造成過程を示す図である。
本発明の実施例で、造成される改良域を示す図である。
本発明の実施例で、ロッド先端部の概略図である。
本発明の実施例で、改良域造成過程を示す図である。
本発明の実施例で、改良域造成過程を示す図である。
本発明の実施例で、改良域造成過程を示す図である。
本発明の実施例で、造成される改良域を示す図である。
本発明の実施例で、造成される改良域を示す図である。
本発明の実施例で、ロッド先端部の概略図である。
本発明の実施例で、ロッド先端部の概略図である。
本発明の実施例で、造成される改良域を示す図である。
本発明の実施例で、造成される改良域を示す図である。
本発明に用いる施工マシン11は、ロッド1の所定位置を把持して、所定挿入速度および所定引上げ速度でロッド1を所定速度で所定距離挿入または引上げる挿入引上げ手段と、ロッド1を所定速度で回転および所定角度回転および所定角度揺動できる回転手段とを有しており、これら手段をリアルタイムで管理し、プログラムに沿って実行できる管理装置を接続してもよい。施工マシン11でロッド1を対象地盤21の所定深度に挿入した状態の例を図1に示す。尚、ロッド1の地上側最上部にはスイベルが接続され、地上のプラントから硬化材液、圧縮空気、水などが専用のホースを介してスイベルからロッド1の内部へと送られている。
本発明に用いるロッド1は、先端の側面に2個以上の周方向に硬化剤液ジェット噴流を噴射する噴射ノズル2を有している。噴射ノズル2を1箇所構成するノズル数は口径の大きいものが1個でも2個でも3個でもよく、口径の小さいものが複数個でもよい。噴射ノズル2の相互配置は、回転時に中心軸が相互に異なるようにノズルの向きが調整して設置されているが、設置される位置は、縦位置(垂直方向位置)が同一でも良いし同一でなくてもよく、また横位置(水平方向位置)が同一でも良いし同一でなくてもよいが、それぞれの噴射ノズル2から噴射される硬化剤液ジェット噴流が相互に衝突することなく、ロッドを所定角度回転した際に、同一造成平面地盤の所定域をそれぞれ異なる噴射角度(噴射方向)から噴射されるように配置されている。
ロッド1の断面形状は円形または四角形または六角形等いずれでもよく、噴射ノズル2が位置する先端部だけ大きさや形状や素材を変えてもよい。また、内部には硬化材液、圧縮空気、水の通路をそれぞれ必要数有しており、二重管または三重管または四重管または多孔管いずれの構造でもよい。また内部にはその他に排泥用通路や通信用通路を適宜設けることもある。ロッド1の表面には、方向確認管理用の垂直目印や、挿入または引上げ距離管理用として水平目印を凹部形成による線状や点状、塗料やシールによる線状や点状で記すこともある。
(第1実施態様)
次に、本改良域造成方法によって改良域を造成する第1実施態様の実施例について、図2〜図9を用いて説明する。本実施例では、円形改良域と円柱状改良体を造成する実施例を説明する。
本実施例に用いるロッド1を図2に示す。ロッド1は直径が14cmの円形で、先端部に噴射ノズル2Aと噴射ノズル2Bを有しており、それぞれのノズル口径は同一で内径4.2mmを有し、ここで噴射ノズル2Aは、ロッド1の中心軸Jから周方向放射直線に対して時計回りに30°噴射方向を傾けて配置されており、噴射ノズル2Bは、ロッド1の中心軸Jから周方向放射直線に対して反時計回りに30°噴射方向を傾けて配置されている。
噴射ノズル2Aと噴射ノズル2Bの両方から硬化剤液ジェット噴流を40Mpaの圧力で圧縮空気を随伴させた際の噴射ノズル2Aからの硬化材液ジェット噴流aと噴射ノズル2Bからの硬化剤液ジェット噴流bの状況を図3に示した。ここで硬化剤液ジェット噴流aと硬化剤液ジェット噴流bは相互に接触することなく、ロッド平面方向に対して所定角度(ロッド1の中心軸Jから周方向放射直線に対して硬化剤液ジェット噴流aは時計回りに30°の角度、ロッド1の中心軸Jから周方向放射直線に対して、硬化剤液ジェット噴流bは反時計回りに30°の角度)で噴射されている。通常砂地盤において、噴射ノズル2から40Mpaの圧力で噴射される硬化剤液ジェット噴流の到達距離はロッドから改良域先端までの平面方向距離で通常1.5m前後であるが、本実施例の各図においては、描画スペースの関係から硬化材液ジェット噴流aと硬化材液ジェット噴流bの到達距離および改良径(ロッドから改良域先端までの平面方向距離)を短く図示している。尚、以下では既にロッド1が地中に挿入されているものとする。
図2のロッド1を同一造成平面地盤で時計回りに360°回転させた場合の噴射ノズル2Aからの硬化剤液ジェット噴流aの状況を図4に示した。ここでは硬化剤液ジェット噴流の噴射方向を明確に示すため、硬化剤液ジェット噴流aは45°刻みで図示したが、図示されていない硬化剤液ジェット噴流aによってロッド1の周囲には円形改良域31Aが形成されている。このときロッド1の回転軸は中心軸Jであるが、噴射ノズル2Aの回転軸はその配置からロッド1の回転軸と異なっている。
同様に、図2のロッド1を同一造成平面地盤で時計回りに360°回転させた場合の噴射ノズル2Bからの硬化剤液ジェット噴流bの状況を図5に示した。ここでは硬化剤液ジェット噴流bの噴射方向を明確に示すため、硬化剤液ジェット噴流は45°刻みで図示したが、図示されていない硬化剤液ジェット噴流bによってロッド1の周囲には円形改良域31Bが形成されている。このときロッド1の回転軸は中心軸Jであるが、噴射ノズル2Bの回転軸はその配置からロッド1の回転軸と異なっており、噴射ノズル2Aの回転軸とも異なっている。
図4と図5を重ねた様子を図6に示す。噴射ノズル2Aから噴射される硬化剤液ジェット噴流aと噴射ノズル2Bから噴射される硬化剤液噴流bは同時に交差することはなく、短時間差をもって複数角度(複数方向)から円形改良域31Aおよび円形改良域31Bを形成するので、円形改良域Aおよび円形改良域31Bの域内に礫や玉石があった場合でも、複数角度(複数方向)から硬化剤液ジェット噴流aと硬化材液ジェット噴流bが噴射されるため、未改良域が発生しにくい。また、先行して造成される円形改良域31Bの後に短時間差をおいて円形改良域Aが造成されていくため、噴射ノズル2Aからの硬化剤液ジェット噴流aは円形改良域31Bの混練された(硬化剤液により液状化された)地盤に噴射されるために噴射ノズル2Aからの硬化剤液ジェット噴流aの到達距離が図4および図6より長くなる。そのため、円形改良域31Aの改良径は円形改良域31Bの改良径より大きく造成されるので、実際には図6の円形改良域31Aと円形改良域31Bの1.5m前後の改良径(ロッドから改良域先端までの平面方向距離)より大きな1.8m前後の改良径(ロッドから改良域先端までの平面方向距離)を有する図7のような円形改良域31Cが造成される。
もし、ロッド1に複数の噴射ノズルAと噴射ノズルBがあったとしても、図8のように噴射ノズルAと噴射ノズルBが同じ回転軸を持つように設置されていたら、同一造成平面地盤でロッド1を1回転もしくは何回転しようとも、図9のように噴射ノズルAから噴射される硬化剤液ジェット噴流aと噴射ノズルBから噴射される硬化剤液ジェット噴流bは、同一造成平面地盤の所定域に対しては短時間差をもって単一方向に(同一地点から同一方向に)噴射されるため飛距離の伸長には効果があるものの異なる噴射角度(噴射方向)からの混練は出来ず、円形改良域31Aと円形改良域31Bの域内に礫や玉石があった場合は背面部に未改良域が発生しやすい。尚、図8ではロッドの中心軸Jと同一の回転軸を持つように噴射ノズルAと噴射ノズルBを配置した例を示しているが、もしロッドの中心軸Jと異なる回転軸を持つように噴射ノズルAと噴射ノズルBを配置したとしても、噴射ノズルAと噴射ノズルBが同一の回転軸を持つように配置した場合は図9と同様の円形改良域31Aと円形改良域31Bを造成することとなる。
図7の円形改良域31Cと同様の造成工程を、ロッド1を地上方向へ5cm〜10cm程度のステップ幅で引上げながら所定回数繰り返すことで、図10のような円柱状改良体32を造成することができる。
尚、本実施例では、ロッド平面方向(周方向)に対して水平に噴射ノズル2を配置したが同一造成平面地盤を造成するものなら上下に角度をつけて配置してもよく、またロッド1に配置する噴射ノズルの個数を2箇所としているが、3箇所や4箇所でもよく、またその際のノズル配置は、回転軸をそれぞれが異なるようにしてもよいし所定箇所だけ異なるようにしてもよく、噴射ノズル1箇所当りを構成するノズル個数も1個でもよいし、2個以上でもよい。またそれぞれのノズル径も4.2mmでなくてもよいし同一である必要もない。噴射ノズル2のノズル径と個数は必要とする改良域の形状と改良径に合わせて自在に設定できる。
また造成形状も円形改良域および円柱状改良体の実施例を示したが、扇形改良域や扇柱状改良体もロッド1を所定角度の回転することで可能であり、またステップ毎に実施例のようにロッド1を一回転だけするのでなく、二回転三回転することで改良域の改良径(ロッドから改良域先端までの平面方向距離)を大きくしてもよい。また、同一造成平面地盤は水平面に限らず垂直面(ロッド操作は水平状)に設けて造成してもよく、また噴射ノズル2Aと噴射ノズル2Bの配置を軸方向にずらすことによって螺旋面(ロッド操作は螺旋状)やジグザグ面(ロッド操作はジグザグ状)に同一造成平面地盤を設定して造成することもできる。
(第2実施態様)
次に、本改良域造成方法によって改良域を造成する第2実施態様の実施例について、図11〜図16を用いて説明する。本実施例では、ロッド1を所定角度(45°)回転させて複数の扇形改良域が一体化した複合改良域と複合改良域柱状改良体を造成する実施例を説明する。
本実施例に用いるロッド1を図11に示す。ロッド1は直径が14cmの円形で、先端部に噴射ノズル2Aと噴射ノズル2Bを有しており、それぞれのノズル口径は同一で内径4.2mmを有し、ここで噴射ノズル2Aは、ロッド1の中心軸Jから周方向放射直線に対して時計回りに30°噴射方向を傾けて配置されており、噴射ノズル2Bは、ロッド1の中心軸Jから周方向放射直線に対して反時計回りに30°噴射方向を傾けて配置されている。そのため硬化剤液ジェット噴流aと硬化剤液ジェット噴流bは相互に接触することなく、ロッド平面方向に対して所定角度(ロッド1の中心軸Jから周方向放射直線に対して硬化剤液ジェット噴流aは時計回りに30°の角度、ロッド1の中心軸Jから周方向放射直線に対して、硬化剤液ジェット噴流bは反時計回りに30°の角度)で噴射される。また通常砂地盤において、噴射ノズル2から40Mpaの圧力で噴射される硬化剤液ジェット噴流aと硬化剤液ジェット噴流bの到達距離はロッドから改良域先端までの平面方向距離で通常1.5m前後であるが、本実施例の各図においては、描画スペースの関係から硬化材液ジェット噴流aと硬化材液ジェット噴流bの到達距離および改良径(ロッドから改良域先端までの平面方向距離)を短く図示している。
図11のロッド1を所定深度の同一造成平面地盤において時計方向に45°回転させた場合の噴射ノズル2Aからの硬化剤液ジェット噴流aの状況を図12に示した。図12にあるように噴射ノズル2Aからの硬化剤液ジェット噴流aによりロッド1の同一造成平面地盤の所定域に扇形改良域41Aが形成されている。このときロッド1の回転軸は中心軸Jであるが、噴射ノズル2Aの回転軸はその配置からロッド1の回転軸と異なっている。
同様に図2のロッド1を時計方向に45°回転させた場合の噴射ノズル2Bからの硬化剤液ジェット噴流bの状況を図13に示した。図13にあるように噴射ノズル2Bからの硬化剤液ジェット噴流bによりロッド1平面方向の同一造成平面地盤の所定域に所定方向に扇形改良域41Bが形成されている。このときロッド1の回転軸は中心軸Jであるが、噴射ノズル2Bの回転軸はその配置からロッド1の回転軸と異なっており、噴射ノズル2Aの回転軸とも異なっている。
図12と図13を重ねた状態を図14に示す。噴射ノズルAから噴射された硬化剤液ジェット噴流aのみにより造成された改良域イと、噴射ノズル2Aから噴射された硬化剤液ジェット噴流aと噴射ノズルBから噴射された硬化剤液ジェット噴流bの双方により造成された改良域ロと、噴射ノズル2Bからの硬化剤液ジェット噴流bのみにより造成された改良域ハが一体形成された、扇形改良域Aと扇形改良域Bよりなる複合改良域42aが造成できる。このとき噴射ノズル2Aの回転軸と噴射ノズル2Bの回転軸はその配置から相互に異なっている。
また改良域ロは、噴射ノズル2Bから噴射された硬化剤液ジェット噴流bで混練された(硬化剤液により液状化された)地盤に短時間差をおいて噴射ノズル2Aから噴射された硬化剤液ジェット噴流aが混練されるので、噴射ノズル2Aからの硬化剤液ジェット噴流aの到達距離が長くなり、改良域ロの改良径(ロッドから改良域先端までの平面方向距離、本実施例では噴射圧力が40Mpaの場合で1.8m前後)は改良域イと改良域ハの改良径(本実施例では噴射圧力が40Mpaの場合で1.5m前後)より大きく造成されるため、実際には図15のような形状と大きさの複合改良域42bが造成される。
図15で造成した複合改良域42bと同様の造成工程を、ロッド1を地上方向へ5cm〜10cm程度のステップ幅で引上げながら所定回数繰り返すことで、図16のような複合改良域柱状改良体43を造成することができる。
尚、本実施例では、ロッド平面方向(周方向)に対して水平に噴射ノズル2を配置したが同一造成平面地盤を造成するものなら上下に角度をつけて配置してもよく、またロッド1に配置する噴射ノズルの個数を2箇所としているが、3箇所や4箇所でもよく、またその際のノズル配置は、回転軸をそれぞれが異なるようにしてもよいし所定箇所だけ異なるようにしてもよく、噴射ノズル1箇所当りを構成するノズル個数も1個でもよいし、2個以上でもよい。またそれぞれのノズル径も4.2mmでなくてもよいし同一である必要もない。噴射ノズル2のノズル径と個数は必要とする改良域の形状と改良径に合わせて自在に設定できる。
本実施例ではロッド1を45°回転して複合改良域42bを造成したが、所望する改良域の形状や大きさに合わせて回転角度は自在に設定すればよく、さらにロッド1を45°揺動することで、複合改良域42bを一体形成する改良域イと改良域ロと改良域ハのそれぞれの改良径(ロッドから改良域先端までの平面方向距離)は図15の複合改良域42bよりさらに大きく造成することもできる。また、同一造成平面地盤は水平面に限らず垂直面(ロッド操作は水平状)に設けて造成してもよく、また噴射ノズル2Aと噴射ノズル2Bの配置を軸方向にずらすことによって螺旋面(ロッド操作は螺旋状)やジグザグ面(ロッド操作はジグザグ状)に同一造成平面地盤を設定して造成することもできる。
(第3実施態様)
次に、本改良域造成方法によって改良域を造成する第3実施態様の実施例について、図17〜図20を用いて説明する。本実施例では、図17に示したロッド1を用いる。ロッド1は直径が14cmの円形で、先端部に噴射ノズル2Aと噴射ノズル2Bと連接用噴射ノズル3を有しており、それぞれのノズル口径は噴射ノズル2Aと噴射ノズル2Bが内径4.2mm、連接用噴射ノズル3が内径3.5mmである。ここで噴射ノズル2Aは、ロッド1の中心軸Jから周方向放射直線に対して時計回りに30°噴射方向を傾けて配置されており、噴射ノズル2Bは、ロッド1の中心軸Jから周方向放射直線に対して反時計回りに30°噴射方向を傾けて配置されており、連接用噴射ノズル3はロッド1の中心軸Jから周方向放射直線に対して反時計回りに30°噴射方向を傾けて配置されている。
図18に、図17のロッド1の噴射ノズル2Aと噴射ノズル2Bと連接用噴射ノズル3から硬化剤液ジェット噴流を40Mpの圧力で圧縮空気を随伴させた際の硬化剤液ジェット噴流の状況を示した。ここで硬化剤液ジェット噴流aと硬化剤液ジェット噴流bと硬化剤液ジェット噴流cは相互に接触することなく、ロッド平面方向に対して所定角度(ロッド1の中心軸Jから周方向放射直線に対して噴射ノズル2Aは時計回りに30°、噴射ノズル2Bは、ロッド1の中心軸Jから周方向放射直線に対して反時計回りに30°、連接用噴射ノズル3はロッド1の中心軸Jから周方向放射直線に対して反時計回りに30°)で噴射されている。通常砂地盤において、噴射ノズル2Aと噴射ノズル2Bから40MPの圧力で噴射される硬化剤液ジェット噴流aと硬化剤液ジェット噴流bの到達距離はロッドから改良域先端までの平面方向距離で通常1.5m前後、連接用噴射ノズル3から40Mpaの圧力で噴射される噴射される硬化剤液ジェット噴流cの飛距離は1.1m前後であるであるが、本実施例の各図においては、描画スペースの関係から硬化材液ジェット噴流aと硬化材液ジェット噴流bと硬化材液ジェット噴流cの到達距離および改良域イ〜改良域二の改良径(ロッドから改良域先端までの平面方向距離)を短く図示している。
本実施例では、図17のロッド1を所定角度(45°)回転させて複合改良域42と連接改良域51が一体形成された略長方形改良域61と略長方形柱状改良体62を造成する実施例を説明する。尚、以下では既にロッド1が地中に挿入されているものとする。
図17のロッド1を所定深度の同一造成平面地盤において、ロッド1の噴射ノズル2Aと噴射ノズル2Bと連接用噴射ノズル3から硬化剤液ジェット噴流を40Mpaの圧力で圧縮空気を随伴させた際の硬化剤液ジェット噴流aと硬化材液ジェット噴流bと硬化材液ジェット噴流cを噴射しながら時計方向に45°回転させた場合の改良状況を図19に示した。図19にあるように噴射ノズルAから噴射された硬化剤液ジェット噴流aのみにより造成された改良域イと、噴射ノズルAから噴射された硬化剤液ジェット噴流aと噴射ノズルBから噴射された硬化剤液ジェット噴流bの双方により造成された改良域ロと、噴射ノズルBからの硬化剤液ジェット噴流bのみにより造成された改良域ハと、連接用噴射ノズル3から噴射された硬化剤液ジェット噴流cのみにより造成された改良域二(連接改良域51)が造成さる。ここで、改良域ロは噴射ノズルBから噴射された硬化剤液ジェット噴流bにより混練された改良域に短時間差で噴射ノズルAから噴射された硬化剤液ジェット噴流aが混練されて造成されるため、その改良径は1.8m前後となり、改良域イと改良域ハの造成径は1.5m前後、改良域二の造成径は1.1m前後であり、改良域イ〜改良域ハからなる複合改良域に連接して改良域二からなる連接改良域51が一体化した略長方形改良域61が造成できる。
このときロッド1の回転軸は中心軸Jであるが、噴射ノズル2Aの回転軸と噴射ノズル2Bの回転軸
はその配置からロッド1の回転軸と異なっており、かつ噴射ノズル2Aの回転軸と噴射ノズル2Bの回転軸もその配置から相互に異なっているが、噴射ノズル2Bの回転軸と連接用噴射ノズル3の回転軸は同一である。
このように、連接用噴射ノズル3を設けることにより、略長方形改良域61が短時間に容易に形成できるだけでなく、通常の扇形の改良域で改良幅(壁厚)の不足が問題となるロッド1近傍の改良幅(壁厚)も簡単に大きくすることができる。
図19で造成した略長方形改良域61と同様の造成工程を、ロッド1を地上方向へ5cm〜10cm程度のステップ幅で引上げながら所定回数繰り返すことで、図20のような所定長の略長方形柱状改良体62を造成することができる。
尚、本実施例では、ロッド平面方向(周方向)に対して水平に噴射ノズル2と連接用噴射ノズル3を配置したが、同一造成平面地盤を造成するものなら上下に角度をつけて配置してもよく、また本実施例では噴射ノズル2を2箇所、連接用噴射ノズル3を1箇所配置したが、造成したい形状に応じて追加設置してもよい。また噴射ノズル2と連接用噴射ノズル3について、1箇所当りを構成するノズル個数を1個としたが、2個以上でもよい。また噴射ノズル2のノズル径も4.2mmでなくてもよいし同一である必要もない。連接用噴射ノズル3のノズル径についても3.5mmでなくてもよい。噴射ノズル2と連接用噴射ノズル3のノズル径と個数は必要とする改良域の形状と改良径に合わせて自在に設定できる。
また造成形状もロッド1を45°回転して造成した略長方形改良域61および略長方形柱状改良体62の実施例を示したが、回転角度は所望する改良域の形状や大きさに合わせて自在に設定すればよく、様々な断面形状の造成が可能である。またロッド1を同一造成平面地盤において揺動することで略長方形改良域61および略長方形柱状改良体62の改良径(ロッド1から改良域先端までの平面方向距離)を大きくすることができる。また揺動回数も一回でなく、二回、三回繰り返してさらに改良域の改良径をさらに大きくしてもよい。また噴射ノズル2Aと噴射ノズル2Bと連接用噴射ノズル3の配置を軸方向にずらすことによって螺旋面(ロッド操作は螺旋状)やジグザグ面(ロッド操作はジグザグ状)に同一造成平面地盤を設定して造成することもできる。
本発明の実施例においては、硬化剤液を噴射する場合について説明したが、土壌改良剤や骨材や特殊繊維を混入した硬化剤液や、アスファルト液であってもよい。また硬化剤液の噴射圧力も実施例は40Mpaを用いた例を記載しているが、他の噴射圧力であってよいし、また、改良域の造成時のロッド1の回転方向は時計回りに限らず反時計回りでもよい。
また、地盤に対してロッド1を所望する方向に挿入することにより、垂直方向の他、水平方向あるいは斜め方向などの方向に所定形状の改良域を造成してもよい。
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
本発明は、地中での改良域造成方法に関連する産業で利用される。
1…ロッド、2…噴射ノズル、3…連接用噴射ノズル、11…施工マシン、21…対象地盤、31…円形改良域、41…扇形改良域、42…複合改良域、43…複合改良域柱状改良体、51…連接改良域、61…略長方形改良域、62…略長方形柱状改良体
しかし、先行技術の造成工程において、ロッドの先端に多くの噴射ノズルを有することは使用装置類のコストアップだけでなく、噴射量の増大によるコストアップにもつながり、かつ、3箇所から6箇所の噴射ノズルがロッドの中心軸から周方向放射直線に対して所定角度噴射方向を傾けずに配置されているため同一造成平面地盤の所定域に対して1方向からのみ硬化剤液ジェット噴流が噴射されるので、礫や小石を含む地盤においては未改良域が発生する可能性もある。
そこで本発明は、地中に挿入したロッドの先端部の噴射ノズルより硬化材液ジェット噴流を高圧で噴射して対象地盤と混練して改良体を造成する工法において、ロッドの先端部に、硬化剤液ジェット噴流を高圧で周方向に所定角度で噴射する噴射ノズルAと噴射ノズルBを有し、かつ噴射ノズルAはロッドの中心軸から周方向放射直線に対して時計回りに所定角度噴射方向を傾けて配置し、噴射ノズルBはロッドの中心軸から周方向放射直線に対して反時計回りに所定角度噴射方向を傾けて配置することで、
同一造成平面地盤で、前記噴射ノズルAと噴射ノズルBから硬化剤液ジェット噴流aと硬化剤液ジェット噴流bを噴射しながらロッドを所定角度回転もしくは所定角度揺動した際に、硬化剤液ジェット噴流aのみが噴射されて造成された改良域イと、硬化剤液ジェット噴流aと硬化剤液ジェット噴流bがそれぞれ異なる所定の噴射角度で噴射されて複合造成された改良域ロと、硬化剤液ジェット噴流bのみが噴射されて造成された改良域ハが一体形成された複合改良域を造成することと、改良域ロの周方向への形状と大きさの設定が可能であることを特徴とした。
これによれば、噴射ノズルAはロッドの中心軸から周方向放射直線に対して時計回りに所定角度噴射方向を傾けて配置し、噴射ノズルBはロッドの中心軸から周方向放射直線に対して反時計回りに所定角度噴射方向を傾けて配置されているため、複合改良域の改良域ロは、噴射ノズルAと噴射ノズルBからそれぞれ所定の噴射角度で硬化剤液ジェット噴流aと硬化剤液ジェット噴流bが噴射されて複合造成されるので、改良域ロの改良径(ロッドから改良体先端までの平面方向距離)が大きくできるだけでなく、礫や小石混じりの地盤においても礫や小石背部の地盤に硬化剤液ジェット噴流が到達しやすくなるため未改良域の発生を減少させることができ、混練状況と改良体品質が向上すると共に強度の向上にも利用できる。また、噴射ノズルAと噴射ノズルBをそれぞれ配置するロッドの中心軸から周方向放射直線に対する角度とロッドの回転角度の設定を組み合わせることにより、改良域イと改良域ロと改良域ハの造成範囲は限定され、かつ改良域ロの周方向への形状と大きさの設定が可能であるため、壁状改良域としての適用に適している。さらにまた、複雑な形状の複合改良域(例えば噴射ノズル個数より多い扇形改良域が一体形成された複合改良域)が、ロッドを所定角度片道回転するだけで容易に造成できる上、複合改良域は改良域ロの改良径(ロッドから改良体先端までの平面方向距離)を大きく造成することができ、かつその改良径の調節もノズル径や配置個数の選択により自在なため、連結配置に造成することで格子状配置に適した複数の扇形改良域が一体化した複合改良域の造成が容易となる。また、ロッドを所定角度揺動すれば、硬化剤液ジェット噴流の飛距離がさらに伸びるので、より改良径(ロッドから改良体先端までの平面方向距離)の大きな複合改良域が容易に造成できる。
また、噴射ノズルAはロッドの中心軸から周方向放射直線に対して時計回りに所定角度噴射方向を傾けて配置し、噴射ノズルBはロッドの中心軸から周方向放射直線に対して反時計回りに所定角度噴射方向を傾けて配置されているため、造成される複合改良域のロッド近傍の改良幅(壁厚)は、ロッド1の回転角度だけでなく、噴射ノズルAと噴射ノズルBの配置位置や周方向への配置角度等に応じて厚くすることができる。
さらに本発明は、前記噴射ノズルAと前記噴射ノズルBに加えて、ロッドの先端部に、硬化剤液ジェット噴流を高圧で周方向に所定角度で噴射する一個以上の噴射ノズルをロッドの中心軸から周方向放射直線に対して時計回りもしくは反時計回りに所定角度噴射方向を傾けて配置したことを特徴とした。
これによれば、噴射ノズルAと噴射ノズルBで造成される改良域イと改良域ロと改良域ハからなる複合改良域に加えて、必要と改良域の形状と改良径に合わせて噴射ノズルを自在に設定できるので、より複雑な形状を有する複合改良域の造成も容易となる。また噴射ノズルの個数を増やすことで、ロッド近傍の改良域の改良幅(壁厚)が厚くできるので、所定幅(例えば50cmから100cm)で所定長さ(例えば1.5mから4m)を有するような略長方形改良域も容易に造成することができる。
さらにまた本発明は、複合改良域をロッド引上げ方向に所定回数造成を繰り返して積層させ、所定形状で所定長の複合改良域柱状改良体を造成することを特徴とした。
これによれば、複合改良域柱状改良体が、短時間に容易な工程で造成できる。
礫や小石混じりの地盤において従来工法の一方向からの硬化剤液ジェット噴流では礫や小石の陰に未改良域が発生していたが、本発明ではロッドを所定角度回転もしくは所定角度揺動するだけで、同一造成平面地盤には2本の硬化剤液ジェット噴流がそれぞれ異なる所定の噴射角度から噴射される改良域ロを複合造成するので、礫や小石の陰にも硬化剤液ジェット噴流が到達しやすく、礫や小石混じりの地盤においてもより確実に改良域ロを造成することができる。
また同一造成平面地盤には2本の硬化剤液ジェット噴流がそれぞれ異なる所定の噴射角度から噴射される改良域ロを複合造成するので、改良域ロの切羽部の混練状況が良くなり、改良域ロの切羽部の改良品質が安定する。
またさらに、ロッドの先端部に、硬化剤液ジェット噴流を高圧で周方向に所定角度で噴射する2箇所の複数の噴射ノズルAと噴射ノズルBを噴射ノズルAはロッドの中心軸から周方向放射直線に対して時計回りに所定角度噴射方向を傾けて配置し、噴射ノズルBはロッドの中心軸から周方向放射直線に対して反時計回りに所定角度噴射方向を傾けて配置されているので、ロッドの回転回数を複数回揺動回転にすることで、地盤の所定域での硬化剤液ジェット噴流aと硬化剤液ジェット噴流bによる混練回数を増やせば、造成される複合改良域の改良域イと改良域ロと改良域ハの各改良径(ロッドから改良域先端までの平面方向距離)をさらに大きくすることも容易である。
また本発明では、同一造成平面地盤でロッドを一回転もしくは所定角度回転するだけで、所定形状の複合改良域を造成できるが、ロッドを二回転や三回転の複数回回転、もしくはロッドを所定角度揺動もしくは所定角度複数回揺動させることにより、改良域の改良径(ロッドから改良域先端までの平面方向距離)はより伸長するので、改良範囲を容易に拡大することができる。また、複合改良域の改良体強度の向上にも利用できる。
また本発明によると、硬化剤液ジェット噴流aのみが噴射されて造成された改良域イと、硬化剤液ジェット噴流aと硬化剤液ジェット噴流bがそれぞれ異なる所定の噴射角度で噴射されて複合造成された改良域ロと、硬化剤液ジェット噴流bのみが噴射されて造成された改良域ハが一体形成された複合改良域を改良域ロが、改良域イと改良域ハよりも改良径(ロッドから改良域先端までの平面方向距離)が大きく造成できるので、ロッドの片道の所定角度の回転だけで、噴射ノズル個数である2個より多い3個の造成域イ、造成域ロ、造成域ハの3つの概ね扇形の造成域が一体造成された複合改良域が造成できることになる。さらに、複合改良域は造成範囲が限定されるため、周辺地盤及び周辺の地中構造物等に与える影響が少ない上、施工日数や硬化剤使用量や排泥量も減少するため経済的である。
また本発明によると、前記造成域ロが、周方向への形状と大きさの設定が可能であるため、本発明による複合改良域は格子状改良域を形成する壁状改良域としても適用されることに適し、かつ形状と大きさの設定が、噴射ノズルの個数と配置、ロッドの回転角度と回転速度、硬化材液ジェット噴流の噴射圧力や随伴させるエアーや水などの有無とその圧力などの組み合わせによって自在に可能である。
また本発明により従来からの扇形改良域の他に、複数の扇形改良域が一体化した複合改良域や略長方形改良域という新しい改良体形状のバリエーションを加えることができるので、無駄のない設計施工により環境への負荷も軽減しながら材料の減少や施工コスト低減や工期短縮という効果が期待できる。
さらに本発明によると、前記噴射ノズルAと前記噴射ノズルBに加えて、ロッドの先端部に、硬化剤液ジェット噴流を高圧で周方向に所定角度で噴射する一個以上の噴射ノズルをロッドの中心軸から周方向放射直線に対して時計回りもしくは反時計回りに所定角度噴射方向を傾けて配置することでロッド近傍の改良域の改良幅(壁厚)が厚くできるので、所定幅(例えば30cmから100cm程度)で所定長さ(例えば1.5mから4m)を有するような略長方形改良域も容易に造成することができるので、止水壁や液状化防止用の格子状形成が無駄なく容易に可能である。
また本発明によると、複合改良域をロッド引上げ方向に所定回数造成を繰り返して積層させ、所定長の複合改良域柱状改良体を造成するので、複合改良域柱状改良体が短時間に容易な工程で造成でき、かつこれら各形状の柱状改良体を連結造成することで、所定範囲の地盤を全域改良や、四角格子状や六角格子状などの部分改良に容易に適用できる。
本発明により造成される所定形状の複合改良域や複合改良域柱状改良体は多様な形状を構成できるだけでなく、止水目的や液状化対策や仮設土留壁などの地盤改良で広い用途に対応でき、また他形状の平板改良体等と組み合わせることで、より複雑な構造を持つ改良域の形成に活用することができる。
本発明に用いるロッド1は、先端の側面に2個以上の周方向に硬化剤液ジェット噴流を噴射する噴射ノズル2を有している。噴射ノズル2を1箇所構成するノズル数は口径の大きいものが1個でも2個でも3個でもよく、口径の小さいものが複数個でもよい。噴射ノズル2の相互配置は、一つはロッドの中心軸から周方向放射直線に対して時計回りに所定角度噴射方向を傾けて配置し、他の一つはロッドの中心軸から周方向放射直線に対して反時計回りに所定角度噴射方向を傾けて配置され、回転時に中心軸が相互に異なるようにノズルの向きが調整されているが、設置される位置は、縦位置(垂直方向位置)が同一でも良いし同一でなくてもよく、また横位置(水平方向位置)が同一でも良いし同一でなくてもよいが、それぞれの噴射ノズル2から噴射される硬化剤液ジェット噴流が相互に衝突することなく、ロッドを所定角度回転した際に、同一造成平面地盤の所定域をそれぞれ異なる噴射角度(噴射方向)から噴射されるように配置されている。
次に、本発明と従来方法の噴射ノズル配置と噴射ノズルから噴射される硬化剤液ジェット噴流の比較について、図2〜図10を用いて説明する。
本発明のロッド1を図2に示す。ロッド1は直径が14cmの円形で、先端部に噴射ノズル2Aと噴射ノズル2Bを有しており、それぞれのノズル口径は同一で内径4.2mmを有し、ここで噴射ノズル2Aは、ロッド1の中心軸Jから周方向放射直線に対して時計回りに30°噴射方向を傾けて配置されており、噴射ノズル2Bは、ロッド1の中心軸Jから周方向放射直線に対して反時計回りに30°噴射方向を傾けて配置されている。
図2のロッド1を同一造成平面地盤で時計回りに360°回転させた場合の噴射ノズル2Aからの硬化剤液ジェット噴流aの状況を図4に示した。ここでは硬化剤液ジェット噴流の噴射方向を明確に示すため、硬化剤液ジェット噴流aは45°刻みで図示したが、図示されていない硬化剤液ジェット噴流aによってロッド1の周囲には円形改良域31Aが形成されている。
同様に、図2のロッド1を同一造成平面地盤で時計回りに360°回転させた場合の噴射ノズル2Bからの硬化剤液ジェット噴流bの状況を図5に示した。ここでは硬化剤液ジェット噴流bの噴射方向を明確に示すため、硬化剤液ジェット噴流は45°刻みで図示したが、図示されていない硬化剤液ジェット噴流bによってロッド1の周囲には円形改良域31Bが形成されている。
もし、従来工法のようにロッド1に複数の噴射ノズルAと噴射ノズルBがあったとしても、図8のように噴射ノズルAと噴射ノズルBが設置されていたら、同一造成平面地盤でロッド1を1回転もしくは何回転しようとも、図9のように噴射ノズルAから噴射される硬化剤液ジェット噴流aと噴射ノズルBから噴射される硬化剤液ジェット噴流bは、同一造成平面地盤の所定域に対しては短時間差をもって単一方向に(同一地点から同一方向に)噴射されるため飛距離の伸長には効果があるものの異なる噴射角度(噴射方向)からの混練は出来ず、円形改良域31Aと円形改良域31Bの域内に礫や玉石があった場合は背面部に未改良域が発生しやすい。尚、図8ではロッドの中心軸Jから周方向放射直線の上に噴射ノズルAと噴射ノズルBを配置した例を示しているが、もしロッドの中心軸Jから周方向放射直線に対して所定角度噴射方向を傾けて噴射ノズルAと噴射ノズルBを配置したとしても、噴射ノズルAと噴射ノズルBが同一の傾きを持つように配置した場合は図9と同様の円形改良域31Aと円形改良域31Bを造成することとなる。
尚、本説明では、周方向に対して水平に噴射ノズル2を配置したが同一造成平面地盤を造成するものなら上下に角度をつけて配置してもよく、またロッド1に配置する噴射ノズルの個数を2箇所としているが、3箇所や4箇所でもよく、またその際のノズル配置は、回転軸をそれぞれが異なるようにしてもよいし所定箇所だけ異なるようにしてもよく、噴射ノズル1箇所当りを構成するノズル個数も1個でもよいし、2個以上でもよい。またそれぞれのノズル径も4.2mmでなくてもよいし同一である必要もない。噴射ノズル2のノズル径と個数は必要とする改良域の形状と改良径に合わせて自在に設定できる。
(第1実施態様)
次に、本改良域造成方法によって改良域を造成する第1実施態様の実施例について、図11〜図16を用いて説明する。本実施例では、ロッド1を所定角度(45°)回転させて複数の扇形改良域が一体化した複合改良域と複合改良域柱状改良体を造成する実施例を説明する。
図11のロッド1を所定深度の同一造成平面地盤において時計方向に45°回転させた場合の噴射ノズル2Aからの硬化剤液ジェット噴流aの状況を図12に示した。図12にあるように噴射ノズル2Aからの硬化剤液ジェット噴流aによりロッド1の同一造成平面地盤の所定域に扇形改良域41Aが形成されている。
同様に図2のロッド1を時計方向に45°回転させた場合の噴射ノズル2Bからの硬化剤液ジェット噴流bの状況を図13に示した。図13にあるように噴射ノズル2Bからの硬化剤液ジェット噴流bによりロッド1平面方向の同一造成平面地盤の所定域に所定方向に扇形改良域41Bが形成されている。
図12と図13を重ねた状態を図14に示す。硬化剤液ジェット噴流aのみが噴射されて造成された改良域イと、硬化剤液ジェット噴流aと硬化剤液ジェット噴流bがそれぞれ異なる所定の噴射角度で噴射されて複合造成された改良域ロと、硬化剤液ジェット噴流bのみが噴射されて造成された改良域ハが一体形成された扇形改良域Aと扇形改良域Bよりなる複合改良域42aが造成できる。
また改良域ロは、噴射ノズル2Bから噴射された硬化剤液ジェット噴流bで混練された(硬化剤液により液状化された)地盤に短時間差をおいて噴射ノズル2Aから噴射された硬化剤液ジェット噴流aが混練されるので、改良域ロの周方向への形状と大きさの設定が可能であるだけでなく、噴射ノズル2Aからの硬化剤液ジェット噴流aの到達距離が長くなり、改良域ロの改良径(ロッドから改良域先端までの平面方向距離、本実施例では噴射圧力が40Mpaの場合で1.8m前後)は改良域イと改良域ハの改良径(本実施例では噴射圧力が40Mpaの場合で1.5m前後)より大きく造成されるため、実際には図15のような形状と大きさの複合改良域42bが造成される。
(第2実施態様)
次に、本改良域造成方法によって改良域を造成する第2実施態様の実施例について、図17〜図20を用いて説明する。本実施例では、図17に示したロッド1を用いる。ロッド1は直径が14cmの円形で、先端部に噴射ノズル2Aと噴射ノズル2Bと連接用噴射ノズル3を有しており、それぞれのノズル口径は噴射ノズル2Aと噴射ノズル2Bが内径4.2mm、連接用噴射ノズル3が内径3.5mmである。ここで噴射ノズル2Aは、ロッド1の中心軸Jから周方向放射直線に対して時計回りに30°噴射方向を傾けて配置されており、噴射ノズル2Bは、ロッド1の中心軸Jから周方向放射直線に対して反時計回りに30°噴射方向を傾けて配置されており、連接用噴射ノズル3はロッド1の中心軸Jから周方向放射直線に対して反時計回りに30°噴射方向を傾けて配置されている。
図18に、図17のロッド1の噴射ノズル2Aと噴射ノズル2Bと連接用噴射ノズル3から硬化剤液ジェット噴流を40Mpaの圧力で圧縮空気を随伴させた際の硬化剤液ジェット噴流の状況を示した。ここで硬化剤液ジェット噴流aと硬化剤液ジェット噴流bと硬化剤液ジェット噴流cは相互に接触することなく、ロッド平面方向に対して所定角度(ロッド1の中心軸Jから周方向放射直線に対して噴射ノズル2Aは時計回りに30°、噴射ノズル2Bは、ロッド1の中心軸Jから周方向放射直線に対して反時計回りに30°、連接用噴射ノズル3はロッド1の中心軸Jから周方向放射直線に対して反時計回りに30°)で噴射されている。通常砂地盤において、噴射ノズル2Aと噴射ノズル2Bから40MPaの圧力で噴射される硬化剤液ジェット噴流aと硬化剤液ジェット噴流bの到達距離はロッドから改良域先端までの平面方向距離で通常1.5m前後、連接用噴射ノズル3から40Mpaの圧力で噴射される噴射される硬化剤液ジェット噴流cの飛距離は1.1m前後であるであるが、本実施例の各図においては、描画スペースの関係から硬化材液ジェット噴流aと硬化材液ジェット噴流bと硬化材液ジェット噴流cの到達距離および改良域イ〜改良域二の改良径(ロッドから改良域先端までの平面方向距離)を短く図示している。
尚、本実施例では、周方向に対して水平に噴射ノズル2と連接用噴射ノズル3を配置したが、同一造成平面地盤を造成するものなら上下に角度をつけて配置してもよく、また本実施例では噴射ノズル2を2箇所、連接用噴射ノズル3を1箇所配置したが、造成したい形状に応じて追加設置してもよい。また噴射ノズル2と連接用噴射ノズル3について、1箇所当りを構成するノズル個数を1個としたが、2個以上でもよい。また噴射ノズル2のノズル径も4.2mmでなくてもよいし同一である必要もない。連接用噴射ノズル3のノズル径についても3.5mmでなくてもよい。噴射ノズル2と連接用噴射ノズル3のノズル径と個数は必要とする改良域の形状と改良径に合わせて自在に設定できる。