本実施例の遊技システムは、図1に示すように、遊技場に設置された遊技機の一例であるパチンコ遊技機1と、インターネットに接続された管理サーバ900と、遊技者が携行する携帯端末901と、から構成され、パチンコ遊技機1と管理サーバ900とは、2次元コード読み取り機能及びインターネットへの接続機能を備える携帯端末901を介してデータのやり取りを行うことが可能とされている。
次に、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1について説明する。図2は、パチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図3は、パチンコ遊技機1を背面からみた背面図である。図4は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下の説明において、図2の手前側をパチンコ遊技機1の前面側、奥側を背面側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。パチンコ遊技機1は、図2に示すように、縦長の方形枠状に形成された外枠100aと、外枠100aに開閉可能に取り付けられた前面枠101と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ左側辺を中心に開閉可能に設けられている。
下扉枠103の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。例えば、打球操作ハンドル5は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドル5には、打球発射装置550が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。この上皿3の下方には、操作レバー600が揺動自在に軸支されるとともに、その上端部には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン516が設けられている。プッシュボタン516は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン516の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン516に対してなされた遊技者の操作行為を検知するボタンスイッチ516a(図4を参照)が設けられていればよい。
ガラス扉枠102の背面には、遊技盤6が前面枠101に対して着脱可能に取り付けられている。尚、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。更に、遊技盤6は、遊技領域7が遊技盤面(前面)側に形成されたベニヤ板からなり、遊技盤6の背面側には、演出表示装置9及び演出制御基板80等を含む変動表示制御ユニット(図示略)等の遊技に関連する遊技用部品が組み付けられる遊技盤ユニット250が一体的に組み付けられている(図3参照)。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の演出図柄(飾り図柄)を変動表示(可変表示)する複数の変動表示部を含む演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示部(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行う。演出図柄の変動表示を行う演出表示装置9は、パチンコ遊技機1の内部に設置された演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。
遊技盤6における右側下部位置には、第1識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aが設けられている。この実施例では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、第1特別図柄表示器8aの上方位置には、第2識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
この実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば2つの7セグメントLED等を用いて00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。また、特別図柄表示器にて行われる変動表示ゲームを特図ゲームと称することがある。
第1特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技や小当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技や小当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。尚、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間(可変表示期間)がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13a(例えば、近接スイッチ)及び第1入賞確認スイッチ13b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下側には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14a(例えば、近接スイッチ)及び第2入賞確認スイッチ14b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。尚、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第2特別図柄表示器8bの上部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう)を表示する第1特別図柄保留記憶表示部と、該第1特別図柄保留記憶表示部とは別個に設けられ、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示部と、が設けられた例えばセグメントLEDからなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示部は、第1保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示部は、第2保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。尚、この例では、第1始動入賞口13への入賞による始動記憶数及び第2始動入賞口14への入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。
また、演出表示装置9の表示画面における下部の左右2箇所には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。この第1保留記憶表示部18c及び第2保留記憶表示部18dでは、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14への有効始動入賞のうち、未だ変動表示が実行されていない有効始動入賞である保留記憶の数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、第1始動入賞口13や第2始動入賞口14を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型(丸マーク)の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を同様に丸型(丸マーク)の白色表示とする(図48及び図49参照)。また、これら保留記憶表示の表示態様は、後述するように、当該保留記憶表示による変動表示において大当りとなる可能性を予告するために、星マーク(「☆」)の保留表示に変更される場合がある。
本実施例において保留記憶数は、第1保留記憶表示部18c及び第2保留記憶表示部18dに表示される保留記憶表示(丸マークや星マーク)の数により認識できるようになっている(図48及び図49参照)。更に、この保留記憶表示が集まった表示を保留表示と称することがある。本実施例では、1個の保留記憶表示が1の保留記憶数に対応し、この保留記憶表示の数が保留記憶数に相当し、第1保留記憶表示部18c及び第2保留記憶表示部18dのそれぞれにおいて最大で4個の保留記憶表示が表示される。
また、演出表示装置9の表示画面における左下隅部には、ミニキャラA〜Fが表示されるミニキャラ表示部18aが設けられている。後述するように、このミニキャラ表示部18aに表示されるミニキャラA〜Fによって、第1保留記憶表示部18cの表示態様を変更する保留表示変更演出(ミニキャラ演出)や、遊技に関する説明をセリフを用いて行うセリフ演出が行われる(図48及び図49参照)。
また、図2に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口扉を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって大入賞口扉が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23(例えば、近接スイッチ)及び第3入賞確認スイッチ23a(例えば、フォトセンサ)で検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置20において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13や第2始動入賞口14といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置20において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第1特別図柄表示器8aの右側には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、例えば2つのランプからなる。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施例では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行われ、例えば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10の下側のランプが点灯して当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、下側のランプが点灯して当りである場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。特別図柄保留記憶表示器18の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(例えば、セグメントLEDのうち4つのセグメント)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示部を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯する表示部を1減らす。
特別可変入賞球装置20の周辺には普通入賞装置の入賞口29a〜29dが設けられ、入賞口29a,29cに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30aによって検出され、入賞口29b,29dに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30bによって検出される。各入賞口29a〜29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。尚、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14や大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
第1始動入賞口13内には、始動入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b)が設けられている。従って、この実施例では、第1始動入賞口13内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず第1始動口スイッチ13aで検出され、次いで第1入賞確認スイッチ13bで検出される。
また、第2始動入賞口14内には、始動入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b)が設けられている。従って、この実施例では、第2始動入賞口14内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず第2始動口スイッチ14aで検出され、次いで第2入賞確認スイッチ14bで検出される。
また、大入賞口内には、大入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23a)が設けられている。従って、この実施例では、大入賞口内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まずカウントスイッチ23で検出され、次いで第3入賞確認スイッチ23aで検出される。
遊技領域7には、遊技状態に応じて発光する複数の装飾LED25a,25bを有する装飾部材25L,25Rが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側の左右上下部には、効果音を発する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、回転体用LED等の各種LEDが内蔵される天ランプモジュール530と、左枠LED28b(図4参照)が内蔵される左発光部28Lおよび右枠LED28c(図4参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら回転体用LED、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。
遊技者の操作により打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(演出図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると「大当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄とは異なる所定の小当り図柄(所定表示結果)であると「小当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄及び小当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、特別可変入賞球装置20が開放される遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。
この実施例では、特図ゲームにおける確定特別図柄として「確変大当りA」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には15回のラウンド遊技が実行される第1大当り状態に移行するとともに、第1大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態並びに大当りに当選する確率を通常遊技状態に比較して高める確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御される第1確変状態に移行する。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態並びに確変状態は、所定回数(例えば、100回)の特図ゲーム(変動表示)が実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が成立したときに終了すればよい。尚、15回のラウンド遊技においては、例えば、所定時間(29秒)が経過するか或いは所定数(10球)の遊技球が入賞するかのいずれかの条件が成立するまで、特別可変入賞球装置20が開放される。
また、特図ゲームにおける確定特別図柄として「確変大当りB」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、2回のラウンド遊技が実行される第2大当り状態に移行するとともに、第2大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば、確率変動制御(確変制御)のみが行われる第2確変状態(高確率状態;低ベース高確状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや演出図柄の変動表示において、変動表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、「確変大当りA」と同様に、所定回数(例えば、100回)の特図ゲーム(変動表示)が実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が成立したときに終了すればよい。
時短状態では、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく可変入賞球装置15における可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口14を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。尚、時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。このように、時短状態において第2始動入賞口14に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口14は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態に制御されている期間と同一であればよい。また、高開放制御期間であるときには、遊技状態が高ベース中であるともいう。これに対して、高開放制御期間でないときには、遊技状態が低ベース中であるともいう。この実施例における時短状態は、低確高ベース状態とも称される遊技状態であり、通常状態は、低確低ベース状態とも称される遊技状態であり、高開放制御期間ではない確変状態である後述する潜伏確変状態は高確低ベース状態とも称される遊技状態である。
また、この実施例では、通常状態において発生した「確変大当りB」の終了後には、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない第2確変状態(潜伏確変状態;高確低ベース状態)へ移行する。また、第2確変状態において「確変大当りB」となったことに基づく第2大当り状態の終了後には、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる第1確変状態(高確高ベース状態)へ移行する。
このように確変状態のうちには、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われるものの他に、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われないもの(潜伏確変)が含まれていてもよい。また、この実施例では、確変制御の期間を、第1大当り状態並びに第2大当り状態の終了後、所定回数(例えば、100回)までの期間とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1大当り状態の終了後に時短状態にのみ移行する通常大当りを有する場合には、確変制御の期間を次の大当りまで継続するように制御しても良い。
演出表示装置9に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアでは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示(可変表示ともいう)が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示領域にて仮停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ仮停止表示もされていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が仮停止表示されているときに未だ仮停止表示もしていない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリアなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
次に、パチンコ遊技機1の背面の構造について図3、図4、及び図5を参照して説明する。図3に示すように、パチンコ遊技機1の背面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット(図示略)、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声制御基板70、ランプドライバ基板(図示略)、および球払出制御を実行する払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、遊技制御基板31や演出制御基板80は、いずれも透光性を有するアクリル板等の部材からなる基板収納ケース150,270に収納されている。
さらに、パチンコ遊技機1背面側には電源基板90が設けられている。電源基板90には、パチンコ遊技機1における遊技制御基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電源スイッチ、遊技制御基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55をクリアするためのクリアスイッチ等が設けられている。尚、この実施例では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。
なお、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、ランプやLED(発光ダイオード)などの発光体、スピーカ27等)を制御する。なお、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿3や下皿4に払い出すための装置である。
パチンコ遊技機1の背面には、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板91が設置されている。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レールを通り、カーブ樋を経て払出ケース97aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方に設けられている球切れスイッチ43が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止し、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
演出制御基板80には、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンド(図7参照)を受信し、演出表示装置9での演出表示の表示制御や効果音(演出音)の出力制御を行う演出制御用マイクロコンピュータ100等が搭載されている。
また、演出制御基板80には、パチンコ遊技機1における音量・光量を設定するための設定切替スイッチ521が搭載されている。設定切替スイッチ521は、図3及び図5に示すように、演出制御基板80にパチンコ遊技機1の背面方向を向くように配置されており、基板収納ケース270に形成された切欠部270aを介して遊技盤ユニット250の外方から操作可能となっている。よって、設定切替スイッチ521は、遊技者が操作不能であって、遊技場の関係者(店員)のみが操作可能とされた操作部である。
更に、演出制御基板80には、後述するように、遊技者が設定した遊技者設定値や遊技履歴テーブルの登録情報をクリアするクリア時間を設定するためのクリア時間切替スイッチ522が搭載されている。尚、クリア時間は、遊技球が発射されてからカウントが開始される所定の時間となっている。このクリア時間切替スイッチ522は、図3及び図5に示すように、演出制御基板80にパチンコ遊技機1の背面方向を向くように配置されており、基板収納ケース270に形成された切欠部270bを介して遊技盤ユニット250の外方から操作可能となっている。よって、クリア時間切替スイッチ522は、遊技者が操作不能であって、遊技場の関係者(店員)のみが操作可能とされた操作部である。
図4は、パチンコ遊技機1内に設置されている主基板(遊技制御基板)31等の回路構成の一例を示すブロック図である。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施例では、ROM54およびRAM55が遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用のハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路53が内蔵されている。
乱数回路53は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。乱数回路53は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54等に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560の製造時に各マイクロコンピュータに異なる数値で付与されたIDナンバを用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路53が更新する数値データの初期値として設定する機能を有しており、乱数回路53が発生する乱数のランダム性をより向上させることができるようになっている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路53から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ)や演出制御基板80(の演出制御用マイクロコンピュータ100)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路52が内蔵されている。尚、払出制御用マイクロコンピュータや演出制御用マイクロコンピュータ100にも、遊技制御用マイクロコンピュータ560とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている(図示略)。
また、払出制御基板37には、遊技球を発射する打球発射装置550と、この打球発射装置550から遊技球が発射されたことを検出する発射球検出センサ505と、が接続されている。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、発射球検出センサ505から入力される発射検出信号に基づいて遊技球が発射されたことを把握できる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。尚、この実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされている。尚、本実施例では、RAM55がバックアップ電源によりバックアップされるようになっているが、バックアップ電源を必要としないフラッシュメモリ等の不揮発性メモリによりRAM55を構成してもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。尚、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、パチンコ遊技機1において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。尚、電源監視回路を電源基板に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(例えば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14a、第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23、第3入賞確認スイッチ23a、および各入賞口スイッチ30a,30bからの検出信号を基本回路に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16や、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21や、役物(ギミック)を動作させる役物モータ17を基本回路からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報やセキュリティ信号等の情報出力信号を、図示しないターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
図4に示す遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図15に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図15に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口13を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU56により乱数回路53等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口14を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU56により乱数回路53等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値をMR3示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート32を通過した遊技球がゲートスイッチ32aによって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器10により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート32を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU56により乱数回路53等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU56がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図4に示す演出制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM122には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置9やスピーカ27など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。
また、ROM122には、後述する予告演出種別決定用テーブル(図32参照)、付与特典画像決定用テーブル(図38参照)、保留表示変更演出実行決定テーブル(図43参照)、セリフ演出実行決定テーブル(図44(A)参照)、セリフパターン決定テーブル(図44(B)参照)、特別ミニキャラ出現決定テーブル(図45参照)も格納されている。
図4に示す演出制御基板80に搭載されたRAM121には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図16(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図16(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。尚、図16(A)には図示しないが、演出制御用データ保持エリア190には、後述する遊技履歴テーブル(図17参照)が記憶される遊技履歴テーブル設定部も設けられている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板31から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施例では、図16(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)と、変動表示中の第1特図保留記憶に対応した格納領域(バッファ番号「0」に対応した領域)とが設けられている。また、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、第2特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)と、変動表示中の第2特図保留記憶に対応した格納領域(バッファ番号「0」に対応した領域)とが設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)や図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットして、主基板31から演出制御基板80へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第1特図保留記憶に対応した格納領域と第1特図保留記憶に対応した格納領域は、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて、第1特図保留記憶と第2特図保留記憶とに分けて格納できるように確保されており、変動表示中の第1特図保留記憶に対応した格納領域と変動表示中の第2特図保留記憶に対応した格納領域は、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドを対応付けて、第1特図保留記憶と第2特図保留記憶とに分けて格納できるように確保されている。
更に、本実施例の始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、保留表示変更フラグが格納できるように記憶領域が確保されている。この保留表示変更フラグは、後述する保留表示変更演出(先読み予告演出)において、演出表示装置9の第1保留記憶表示部18cに対応する各保留記憶表示の表示態様が変更の対象となっているか否かを特定するために設けられる。そして、保留表示変更フラグは、第1特図保留記憶に対応する各バッファ番号に対応付けて格納可能となっている。尚、保留表示変更フラグは、「0」または「1」の値を取り、「1」の値は、該当するバッファ番号の保留記憶表示が、保留表示変更演出において、その表示態様が変更される対象であることを示しており、「0」の値は、変更される対象ではないことを示している。
演出制御用CPU120は、第1始動入賞口への始動入賞時には、コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの第1特図保留記憶に対応する空きエントリにおける先頭(バッファ番号の最も若いエントリ)から格納していき、第2始動入賞口への始動入賞時には、コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの第2特図保留記憶に対応する空きエントリにおける先頭(バッファ番号の最も若いエントリ)から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。したがって、コマンド受信が行われれば、第1特図保留記憶または第2特図保留記憶に対応するバッファ番号「0」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。尚、図16(B)では、第1特図保留記憶に対応するバッファ番号「0」〜「3」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
図16(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、前回の変動表示が終了した保留記憶に対応した格納領域(バッファ番号「0」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図16(B)に示す格納状態において第1特図保留記憶の演出図柄の変動表示が終了した場合には、バッファ番号「0」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「1」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「0」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「2」、「3」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「1」、「2」に対応した領域にシフトされる。
始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納される始動入賞時のコマンド(始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数通知コマンド)に基づいて、保留表示変更演出(先読み予告演出)を実行するか否かが決定される。
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100で構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンド(図7参照)を受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
ここで、演出制御コマンドについて説明する。図7(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。
図7(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア9L,9C,9Rで変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する変動表示結果通知コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図7(B)に示すように、変動表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C04Hは、変動表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を示す第5変動表示結果通知コマンドである。
コマンド8F00Hは、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア9L,9C,9Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、第1始動入賞口13を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ13aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、第2始動入賞口14を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1保留記憶表示部18cなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2保留記憶表示部18dなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板31から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板31から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。
この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。コマンドC300Hは、打球発射装置550により1の遊技球が発射されたことを通知する発射通知コマンドである。コマンドC4XXHおよびコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、変動表示結果が「大当り」となるか否かや「小当り」となるか否か、大当り種別(確変や突確)の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動カテゴリコマンドである。また、コマンドC7XXHは、サブ基板を初期化するための演出制御コマンドであり、同時に、遊技制御用マイクロコンピュータ556が初期化処理を実行したことを示す演出制御コマンド(初期化指定コマンド)である。また、コマンドC8XXHは、エラーの発生とその内容(種類)を示す演出制御コマンド(エラー指定コマンド)である。また、コマンドC9XXHは、電力供給復旧時に停電復旧画面を表示するための演出制御コマンドであり、同時に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が停電復旧の処理を実行したことを示す演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。
図4に示すように、演出制御基板80は、演出制御用CPU120およびRAM121を含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。以下、演出制御基板80をサブ基板と称することがあり、演出制御用CPU120をサブCPUと称することがある。尚、RAM121は外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU120は、内蔵または外付けのROM122に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバおよび入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU120は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU120は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP262に出力する。VDP262は、演出制御用CPU120から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、中継基板77介して演出制御基板80に入力される。中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路(図示略)が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。さらに、単方向性回路であるI/Oポート部123を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。尚、本実施例では、中継基板77を設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら中継基板77を設けずに、演出制御基板80と主基板31とを直接接続するようにしても良い。また、演出制御基板80には、その時点の時刻情報やカレンダ情報等を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)124が搭載されている。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段である演出制御用CPU120が、遊技盤6に設けられているステージLED(図示略)等の各種LEDの表示制御を行うとともに、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED52、左枠LED28b、右枠LED28c並びに天ランプモジュール530内の各LEDの点灯(発光)制御を行う。
また、RAM121は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM121の一部または全部の内容は保存される。特に、演出状態に応じたデータである遊技履歴テーブル(図17参照)の登録内容は、バックアップRAMに保存される。演出状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、演出状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。尚、本実施例では、RAM121がバックアップ電源によりバックアップされるようになっているが、バックアップ電源を必要としないフラッシュメモリ等の不揮発性メモリによりRAM121を構成してもよい。
更に、前述の遊技制御用マイクロコンピュータ560と同様に、演出制御用マイクロコンピュータ100のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。尚、リセット信号がハイレベルになると演出制御用マイクロコンピュータ100等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると演出制御用マイクロコンピュータ100等は動作停止状態になる。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。また、演出制御用マイクロコンピュータ100の入力ポートには、RAM121の内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
遊技盤6側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された盤側IC基板としての装飾基板98、ステージ装飾基板99が設けられている。盤側IC基板98,99は、中継基板88を介して演出制御基板80と接続される。また、前面枠101側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された各枠側IC基板としての天ランプモジュール基板542、左前板天基板473b、右前板天基板473c、操作台基板508、枠ボタン基板509が設けられている。これら各枠側IC基板542,473b,473c,508,509は、中継基板88,89を介して演出制御基板80と接続される。
操作台基板508には、操作レバー600に設けられたレバースイッチ510a〜510d、トリガースイッチ512a、タッチセンサ513から出力される信号を検出し、信号入力に対応した所定の検知信号を出力するセンサ監視IC(図示略)と、該センサ監視ICによる検知信号が入力されるパラレル−シリアル変換IC(図示略)が搭載されており、操作レバー600の操作を演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)が検知できるようになっている。
同様に、枠ボタン基板509には、プッシュボタン516の操作を検出するボタンスイッチ516aからの出力信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板89を介して演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)に出力するパラレル−シリアル変換ICが実装されており、これらプッシュボタン516の操作を演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)が検知できるようになっている。
音声制御基板70において、音番号データは、入力ドライバ(図示略)を介して音声合成用IC(図示略)に入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路(図示略)に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM(図示略)には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。尚、音声制御基板70と演出制御基板80とを単一の制御基板にて形成しても良い。
本実施例では、図5に示すように、演出制御基板80には、演出制御用マイクロコンピュータ100、音声処理IC173、VDP262が個別に搭載されている。また、演出制御用マイクロコンピュータ100には、設定切替スイッチ521及びクリア時間切替スイッチ522がローカルに接続されており、設定切替スイッチ521及びクリア時間切替スイッチ522からの信号が演出制御用マイクロコンピュータ100に入力されるようになっている。
次に、設定切替スイッチ521について説明する。図6(B)に示すように、設定切替スイッチ521は、0〜Fまでの計16個のチャンネルを備えており、これらチャンネルをツマミ521aを回動操作することで切り替えるセレクタスイッチである。本実施例では、ホール(遊技場)の店員(関係者)等が設定切替スイッチ521のツマミ521aをチャンネル0〜Fのいずれかに切り替えた後に、パチンコ遊技機1の電源を入れることで、パチンコ遊技機1の遊技においてスピーカ27から出力される音量の初期値と、装飾LED25a,ステージ装飾LED25b,天ランプモジュール530,左枠LED28b,右枠LED28cから出力される光の光量(輝度)の初期値とが可能となっている。本実施例において、設定切替スイッチ521のツマミ521aを切り替えることで、設定される音量の初期値と光量の初期値とをホール設定値と定義する。
尚、つまみ521aを「0」に設定したときには、スピーカ27から出力される音量が無音となり、装飾LED25a等も光らなくなる。そして、つまみ521aを「1」から「F」まで回して設定するに連れて、スピーカ27から出力される音量が高くなり、装飾LED25a等の光量(輝度)が高くなる。
また、本実施例では、後述するように、演出表示装置9に表示される音量・光量調整受付け画面(図27参照)において、遊技者が操作ボタン516及び操作レバー600を操作することで、設定される音量設定値と光量設定値とを遊技者設定値(図26参照)と定義する。尚、遊技者設定値は、ホール設定値の範囲内にて設定可能としても良い。
次に、遊技機の動作について説明する。先ず、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理について簡潔に説明する。パチンコ遊技機1に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、S1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する。次に、割込モードを割込モード2に設定し、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後、RAM55をアクセス可能状態に設定する。尚、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、後述する通常の初期化処理を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う。この実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、このバックアップRAM領域のデータチェックでは、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する。そして、後述する乱数回路設定処理を実行する。尚、この実施例では、CPU56は、停電復旧指定コマンドを送信する処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う。尚、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する。
これら初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定する処理と、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定するが実施されることで、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、パチンコ遊技機1の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路53を初期設定する乱数回路設定処理を実行する。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路53にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する。この実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図18に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、パチンコ遊技機1に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。次いで、普通図柄プロセス処理を行う(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する(S30)。
この実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(S32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(S33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。尚、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様という。
この実施例では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア9L,9C,9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである所定の図柄(小当りの種別に対応する所定記号)が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の変動表示態様が「確変大当りB」である場合と同様に、演出図柄の変動表示が行われた後、所定の小当り図柄(確変大当りB図柄と同じ図柄。例えば「355」等)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である所定の図柄(記号)が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の変動表示態様という。
ここで、小当りとは、後述する確変大当りAと比較して大入賞口の開放時間が短い(この実施例では0.2秒間の開放を2回)当りである。尚、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、確変大当りBとは、確変大当りAと比較して大入賞口の開放時間が短い(この実施例では0.2秒間の開放を2回)大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させる大当りである(但し、大当り遊技後の遊技状態は時短状態にはならない、つまり、変動表示の実行条件である第2始動条件が成立しにくい状況となり、始動条件の成立状況は通常状態と共通であるため、見た目上は通常状態と変わらない)。つまり、この実施例では、確変大当りBと小当りとは、特別可変入賞球装置20の大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.2秒間の開放が2回行われると、確変状態に移行する確変大当りBであるか、確変状態に移行しない小当りであるかを識別できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
この実施例では、スーパーリーチの演出が実施されるスーパーリーチの変動パターンとしてスーパーリーチA〜Cの3つの変動パターンが設定されており、スーパーリーチA〜Cの各スーパーリーチ演出では、所定のキャラクタが登場する演出が実施される。尚、スーパーリーチA〜Cのうち、スーパーリーチCが最も出現率が低いとともに、最も大当りとなる信頼度(期待度)が高い演出であって、キャラクタとして特別キャラクタが登場するプレミア演出が実施されるスーパーリーチである。
図9は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する確変大当りA、確変大当りB)を決定する(大当り種別判定用)。(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
尚、この実施例では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施例では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定されるが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら変動パターン種別を決定せずに、変動パターンを決定するようにしても良い。
ここで、本実施例の各変動パターンについての信頼度について簡単に説明する。尚、信頼度とは、個々の変動パターンが最終的に大当りとなるときに出現する確率(最終的に大当りとなるときに表示される確率)を、当該変動パターンが出現する全確率(当該の変動パターンがハズレの場合に表示される確率と大当りとなるときに表示される確率との合計)で除した値(割合)である。
本実施例では、図8に示すように、変動パターンを、「非リーチ」の変動パターンと、「リーチ」の変動パターンと、「スーパーリーチ」の変動パターンに大別することができ、最終的に大当りとなるときには、必ずリーチまたはスーパーリーチが出現し、非リーチにて大当りとなることがないので、「非リーチ」の変動パターンの信頼度は「0」である。また、「リーチ」の変動パターンの信頼度Aは、「スーパーリーチ」の変動パターンの信頼度Bよりも低く(つまりA<B)に設定されており、スーパーリーチの変動パターンの信頼度が最も高くなっている。また、スーパーリーチについては、スーパーリーチAの信頼度α、スーパーリーチBの信頼度β、スーパーリーチCの信頼度γは、γ>β>αの順に設定されている。
図18に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(ランダム1)の大当り種別判定用乱数、(ランダム4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。尚、遊技効果を高めるために、前述の乱数以外の乱数も用いてもよい。
図10(A)は、大当り判定テーブル130aを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図10(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図10(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図10(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図10(B),(C)は、小当り判定テーブル130b,130cを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bと、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130cとがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bには、図10(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130cには、図10(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図10(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路53のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図10(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当りA、確変大当りB)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図10(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。尚、図10(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図10(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
また、本実施例では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの変動表示結果として小当り図柄が導出されるようになっているが、第2特別図柄表示器8bの変動表示結果として小当り図柄が導出されないようにしてもよい。
また、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bを用いる場合に小当りと決定される割合(1/67)は、確変大当りBに決定する割合(1/299×12/40(低確時))に比較して高く、通常状態においては、小当りが確変大当りBよりも高頻度にて発生するようになっている。
図10(D)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131aを示す説明図である。大当り種別判定テーブル131aは、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)および遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)を用いて大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブルである。つまり、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示においても、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示においても、同一の大当り種別判定テーブル131aが使用されて、大当り種別が決定される。
大当り種別判定テーブル131aは、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。尚、この実施例では、「確変大当りA」に対して28個の判定値が割り当てられ(40分の28の割合で確変大当りAと決定される)、「確変大当りB」に対して12個の判定値が割り当てられている(40分の12の割合で確変大当りBと決定される)。従って、この実施例では、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、「確変大当りB」となる確率は「確変大当りA」となる確率よりも低いが、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合とで、「確変大当りB」と決定される割合は同じである。尚、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合とで、「確変大当りB」と決定される割合を異ならせてもよい。
「確変大当りA」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態および時短状態(確変・時短状態、高確高ベース状態)に移行させる大当りである。大当り終了後、変動表示を100回終了するまで(始動回数が100回となるまで)確変状態が継続する。ただし、時短状態は、大当り終了後、変動表示を90回終了したとき(始動回数が90回となってとき)に終了して低ベース状態に移行され、高確率状態のみ変動表示を100回終了するまで(始動回数が100回となるまで)継続される。従って、この実施例では、大当り終了後、90回目の変動表示を終了してから100回目の変動表示を終了するまでの間、高確率状態のみとされ、高ベース状態とはならない(高確低ベース状態である)。
「確変大当りB」とは、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が「確変大当りA」に比べて短い2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態にのみ移行させる大当りである。大当り終了後、変動表示を所定回数(本実施例では100回)終了するまで確変状態が継続する。ただし、大当り終了後に時短状態には移行せずに低ベース状態に移行され、高確率状態のみ変動表示を100回終了するまで継続される。従って、この実施例では、確変大当りBの終了後、100回目の変動表示を終了するまでは高確率状態のみとされ、高ベース状態には移行されない(高確低ベース状態)。
つまり、「確変大当りA」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「確変大当りB」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.2秒と極めて短く(高速開放)、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施例では、その確変大当りBの大当り遊技状態の終了後には確変状態に移行されるが高ベース状態には移行しない。
尚、この実施例では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.2秒間ずつ2回行われ、「確変大当りB」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の高速開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、例え遊技者が大入賞口の開放を確認できたとしても、「確変大当りB」または「小当り」のいずれにもとづく開放なのかを特定しにくく、しかもその後の遊技状態が確変状態または通常状態のいずれに移行したかを特定することもできなくなるため、遊技者にわからないように、確変大当りBを発生させ、かつ、該大当りの終了後に遊技状態を確変状態に移行させる、つまり確変状態を潜伏させることができる。また、逆に、低確状態において確変大当りBと同様の演出制御が実施される小当りを発生させることで、該小当りの終了後は遊技状態が確変状態に移行しないので、低確状態を潜伏させることができる。
尚、ROM54には、これらの各種テーブルの外、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照される確変大当りA用変動パターン種別判定テーブル(図11(A))や、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照される確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル(図11(B))や、変動表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるはずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜B(図12(A)、(B))や、変動表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照される当り変動パターン判定テーブル(図13(A)、(B))や、変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるはずれ変動パターン判定テーブル(図14)等が記憶されており、これらのテーブルと各乱数とに基づいて変動パターンが決定される。
図11(A)は、確変大当りA用変動パターン種別判定テーブル132aを示す説明図である。確変大当りA用変動パターン種別判定テーブル132aは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
確変大当りA用変動パターン種別判定テーブル132aには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
これら判定値の数としては、図11(A)に示すように、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2に比較してスーパーCA3−3の判定値の数が多くなるように設定されており、確変大当りAとなる場合には、変動パターンとしてスーパーリーチが多く決定されるように設定されている。
また、図11(B)は、確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132bを示す説明図である。確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132bは、ランダムR並びにランダム1に基づく当り種別の判定において、確変大当りB及び小当りが決定されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。尚、この実施例では、図11(B)に示すように、確変大当りBまたは小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1と、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2のうちいずれかが決定される場合が示されている。
以上のように、本実施例では、確変大当りBの場合や小当りの場合には、確変大当りAの場合とは異なる変動パターンが決定され、スーパーリーチA〜Cが決定されない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、確変大当りBの場合や小当りの場合にも確変大当りAの場合と同様に変動パターンを決定することにより、ノーマルリーチB以外にも、スーパーリーチA〜Cが決定されるようにしても良い。尚、この場合にあっては、スーパーリーチA〜Cの演出の実行後に、確変大当りBや小当りに対応する演出図柄の組合せが表示結果として導出されることとなる。
図12(A),(B)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜Bを示す説明図である。はずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜Bは、変動表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブルA,Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7、スーパーCA2−8の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
尚、図12(A)〜(B)に示すように、この実施例では、はずれである場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、遊技状態や合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチCのいずれか)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図12(A)示す通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルA135aにおいては、超短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−0(変動時間1.25秒)や、短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−2(変動時間2.5秒)を含む非リーチCA2−3や、擬似連3回よりも変動時間が短い擬似連2回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−6に対して判定値の割り当てがないのに対し、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルB135bでは、該非リーチCA2−3に対して100〜199の判定値が割り当てられているとともに、擬似連3回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−5に代えて擬似連2回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−6に判定値が割り当てられていることにより、変動時間が短い非リーチPA1−0(変動時間1.25秒)や非リーチPA1−2(変動時間2.5秒)が決定されるようになるため、変動時間の平均時間が通常よりも短縮されることで、単位時間当たりに実施される変動回数が多くなる。
尚、図12に示す例では、遊技状態が時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルB(短縮用)135bを用いる場合を示しているが、時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、別々に用意されたはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、さらに、時短状態用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
図13(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137a〜137bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の変動表示結果が「大当り」や「小当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
図14は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138aは、変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。尚、この実施例のはずれ変動パターン判定テーブル138aでは、スーパーCA2−7には、スーパーリーチCに対応するスーパーPB3−3の変動パターンに対する判定値の割り当てが存在しないのに対し、スーパーCA2−8には、スーパーリーチCに対応するスーパーPB3−3の変動パターンに対する判定値の割り当てが存在する。つまり、この実施例では、スーパーリーチCの変動パターンは、通常において高い割合にて決定される変動表示結果であるはずれとなる場合において、スーパーCA2−8の変動パターン種別が決定されて、且つ、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)が「997」となるときにおいてのみ決定されるので、非常に希少性(プレミアム性)が高いリーチ演出に設定されている。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作について説明する。演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM121(演出制御用データ保持エリア190)には、前述したように、遊技者の遊技履歴を集計するための図17に示す遊技履歴テーブル等の各種データが記憶されている。
本実施例の遊技履歴テーブルには、図17に示すように、遊技開始時に入力されるパスワードから解析により特定される遊技履歴(前回の遊技終了までの遊技履歴)が格納される「遊技開始時」のデータ格納領域と、パスワードが入力されてからの遊技結果が随時格納されていく「現状データ」のデータ格納領域と、が設けられている。
このうち「遊技開始時」のデータ格納領域には、遊技データの引き継ぎが可能とされた兄弟機種(継承対象機種)と共通となる共通データと、当該パチンコ遊技機1の機種に固有となる固有データと、が個別に格納される。共通データは、遊技の開始時に入力されたパスワード、当該機種以外の他の機種(後述するパスワードによる遊技データの引き継ぎが可能とされた兄弟機種(継承対象機種))と共通となる選択ミニキャラ(遊技者が前回の遊技にて選択したミニキャラ)、各ミニキャラA〜Eの取得状況、各ミニキャラA〜Eのレベル、各ミニキャラA〜Eの経験値、始動回数、大当り回数(大当りA回数)及び確変回数の総発生回数等のデータから成る。また、固有データは、当該機種のパチンコ遊技機1においてのみ発生する大当りBやスーパーリーチCの総発生回数や停止図柄が「777」となる7図柄大当りの総回数や、7図柄大当りが発生する毎に出力される特典画像のID等のデータから成る。この「遊技開始時」のデータ格納領域に格納されているデータは、当該遊技中に更新されること無く保持される。
また、「現状データ」のデータ格納領域にも、図17に示すように、共通データと固有データとが格納されるようになっており、これら共通データにおける選択ミニキャラ(遊技者が現在選択中のミニキャラ)、各ミニキャラA〜Eの取得状況、各ミニキャラA〜Eのレベル、各ミニキャラA〜Eの経験値始動回数、大当り回数(大当りA回数)及び確変回数の総発生回数や、固有データにおける大当りBやスーパーリーチCの総発生回数や停止図柄が「777」となる7図柄大当りの総回数や、7図柄大当りが発生する度に出力される特典画像のうち、最も新しく出力された特典画像のIDである特典画像ID等の遊技履歴データの蓄積が、パスワードの入力の操作(図54参照)に応じて開始されることで、該開始された時点からの当該遊技における上記各データから成る遊技履歴が集計されて蓄積されるようになっている。
つまり、後述するように、所定の取得条件(図39)によりミニキャラA〜Eを取得することで、その取得状況が更新され、予告演出やリーチ演出が実施されること等の所定条件が達成される毎に、表示中のミニキャラA〜Eに経験値が加算され、経験値が所定値(例えば300)に達する毎にレベルに1が加算され、変動表示が実施される毎に総始動回数に1が加算され、大当りAが発生する毎に総大当り回数に1が加算され、大当りAや大当りBの発生後に確変状態が発生する毎に総確変回数に1が加算され、大当りBが発生する毎に総大当りB回数に1が加算され、スーパーリーチCが発生する毎に総スーパーリーチC回数に1が加算され、7図柄大当りが発生する毎に総7図柄当り回数に1が加算され、特典画像が出力される毎に、出力される特典画像の特典画像IDが出力済み特典画像IDに登録される。尚、出力済み特典画像IDには、当該パチンコ遊技機1において出力された全ての特典画像の特典画像IDが登録される。尚、各ミニキャラA〜Eのレベルは、経験値が所定値に達したことや、所定のレベルアップ条件を達成したことによって更新(アップ)される。尚、本実施例では、レベルを用いているが、これに限定されるものではなく、例えば、「称号」や「階級」等であっても良い。
尚、経験値が加算(付与)される所定条件としては、予告演出が実施されること以外に、大当り遊技状態が発生すること(大当りとなること)、リーチとなること、予告演出以外の予告演出を実施する場合であればその他の予告演出が1または複数回実行されること(今回遊技だけでなく、今回遊技+過去遊技で複数回実行されること)、所定数以上の始動回数が実施されること(今回遊技だけでなく、今回遊技+過去遊技で所定数以上実行されること)、確変大当りAが所定回数連続すること(今回遊技だけでなく、今回遊技+過去遊技で所定回数連続すること)、確変大当りBが所定回数連続すること(今回遊技だけでなく、今回遊技+過去遊技で所定回数連続すること)、小当りが所定回数連続すること(今回遊技だけでなく、今回遊技+過去遊技で所定回数連続すること)等の一部または複数の条件としても良い。
また、レベルアップ条件についても、上記した経験値が加算(付与)される所定条件として例示した条件と同様のものが例示され、これらのうちから適宜に選択して決定すれば良い。尚、これら経験値が加算(付与)される所定条件、レベルアップ条件の一部または全てに同一の条件が設定されていても良いし、これら経験値が加算(付与)される所定条件、レベルアップ条件が個別の条件となるにしても良い。
このように本実施例では遊技履歴テーブル(図17参照)に、パスワードが解析されたことで特定される前回の遊技までの遊技履歴が格納される「遊技開始時」のデータ格納領域と、当該遊技の遊技結果が集計されていく「現状データ」のデータ格納領域とを個別に設けることで、遊技終了時において、「現状データ」のデータ格納領域を参照して当該遊技が勝ちか負けかを判定する等、現状データの遊技履歴のみを容易に特定できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、「現状データ」のデータ格納領域を個別に設けずに、「遊技開始時」のデータに加算更新して蓄積するようにしても良い。
尚、「遊技開始時」のデータ格納領域に格納されているデータと「現状データ」のデータ格納領域に格納されているデータとは、2次元コードの出力時に集計され、2次元コードが出力される遊技終了時の遊技履歴のデータが特定され、該特定された遊技終了時の遊技履歴がデータと遊技開始時に入力されたパスワードとを含む2次元コードが出力される(図55参照)。
図19は、特別図柄プロセス処理として、図18に示すS26にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S101)。図20は、始動入賞判定処理として、図19のS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図20に示す始動入賞判定処理において、CPU56は、まず、第1始動入賞口13に対応して設けられた第1始動口スイッチ13aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ13aがオンであるか否かを判定する(S201)。このとき、第1始動口スイッチ13aがオンであれば(S201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S202)。CPU56は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。S202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(S202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(S203)。
S201にて第1始動口スイッチ13aがオフであるときや(S201;No)、S202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(S202;Yes)、第2始動入賞口14に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(S204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(S204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S205)。CPU56は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。S205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(S205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(S206)。
S203,S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(S207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(S208)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
S208の処理を実行した後に、CPU56は、乱数回路53や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(S209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(S210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データが格納される一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データが格納される。
特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否か、さらには変動表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を決定するために用いられる。変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが属する変動パターン種別を決定するために用いられる。CPU56は、S209の処理を実行することにより、特別図柄や演出図柄の変動表示結果や変動表示時間を含む変動表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。
S210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(S211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板80に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板80に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図18に示すS28の演出制御コマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板31から演出制御基板80に対して伝送される。
S211の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(S212)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板80に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(S213)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図18に示すS28の演出制御コマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板31から演出制御基板80に対して伝送される。
S213の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか否かを判定する(S214)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(S214でY)始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S215)、S204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(S214でN)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S216)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図21(A)は、入賞時乱数値判定処理として、図20のS212にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。本実施例において、特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図19のS110)により、特図表示結果(特別図柄の変動表示結果)を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図19のS111)において、演出図柄の変動表示態様を抽象的に分類した変動パターン種別の決定や、演出図柄の変動表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU56がS212の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄や小当り図柄を導出表示すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、演出図柄の変動表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」や「小当り」となることや、演出図柄の変動表示態様が所定表示態様であるスーパーリーチの表示態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板80の側で演出制御用CPU120などにより、後述するように、保留表示変更演出(先読み予告演出)を実行するか否かを、決定することができる。
図21(A)に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU56は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(S401)。CPU56は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
S401の処理に続いて、第1特図表示結果決定テーブル130Aまたは第2特図表示結果決定テーブル130Bを構成するテーブルデータから、始動口バッファ値(「1」または「2」)や現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルデータを選択する(S402)。その後、図20のS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(S403)。大当り判定範囲には、S402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU56が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU56が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく変動表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
S403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(S403;No)、その乱数値MR1を示す数値データが所定の小当り判定範囲内であるか否かを判定する(S404)。CPU56は、S402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「小当り」の特図表示結果に割り当てられた決定値について、大当り判定範囲の場合と同様の処理を実行することにより、乱数値MR1が小当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。S404にて小当り判定範囲内ではないと判定された場合には(S404;No)、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板80に対して送信するための設定を行う(S405)。一例として、CPU56は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「00H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。
S405の処理に続いて、S401の処理により特定された現在の遊技状態における時短制御の有無に応じて、ハズレ用の変動パターン種別判定閾値を設定する(S406)。例えば、時短制御が行われていないときには、「79」、「99」、「169」、「219」、「229」を、ハズレ用の変動パターン種別判定閾値に設定する。このうち、「79」は、合計保留記憶数にかかわらず変動パターン種別CA1−1に決定される乱数値MR3の上限値となっている。また、「99」は、合計保留記憶数が「0」または「1」であるときに、変動表示態様が「非リーチ」となる変動パターン種別に決定される乱数値MR3の上限値となっている。「199」は、合計保留記憶数が「2」〜「4」のいずれかであるときに、変動表示態様が「非リーチ」となる変動パターン種別に決定される乱数値MR3の上限値となっている。「219」は、合計保留記憶数が「5」〜「8」のいずれかであるときに、変動表示態様が「非リーチ」となる変動パターン種別に決定される乱数値MR3の上限値となっている。「229」は、合計保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチのリーチ演出が実行されない変動パターン種別に決定される乱数値MR3の上限値となっている。
尚、時短制御が行われているときには、「169」、「199」、「214」、「229」をハズレ用の変動パターン種別判定閾値に設定する。このうち、「169」は、合計保留記憶数が「0」であるときに、変動表示態様が「非リーチ」となる変動パターン種別に決定される乱数値MR3の上限値となっている。「199」は、合計保留記憶数が「1」であるときに、変動表示態様が「非リーチ」となる変動パターン種別に決定される乱数値MR3の上限値となっている。「214」は、合計保留記憶数が「2」〜「8」のいずれかであるときに、変動表示態様が「非リーチ」となる変動パターン種別に決定される乱数値MR3の上限値となっている。「229」は、合計保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチのリーチ演出が実行されない変動パターン種別に決定される乱数値MR3の上限値となっている。
このように、変動パターン種別判定閾値は、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が含まれる決定値の範囲を特定し、変動パターン種別などに応じて予め設定された複数種類の変動カテゴリのうち、いずれに決定されるかを判定するために設定される判定値となる。この実施例では、図21(B)に示すように、少なくとも変動表示結果が「ハズレ」となる場合に、合計保留記憶数にかかわらず共通して「非リーチ」の変動表示態様となる変動カテゴリと、「スーパーリーチ」の変動表示態様となる変動カテゴリと、「非リーチ」と「スーパーリーチ」以外の変動表示態様(例えばノーマルリーチ)となる「その他」の変動カテゴリと、を設け、乱数値MR3に基づいて、このような変動カテゴリに決定されるか否かを判定できればよい。
S404にて小当り判定範囲内であると判定された場合には(S404;Yes)、変動表示結果が「小当り」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板80に対して送信するための設定を行う(S407)。一例として、CPU56は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「04H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。S407の処理に続いて、小当り用の変動パターン種別判定閾値を設定する(S408)。例えば、S408の処理では、「251」を小当り用の変動パターン種別判定閾値に設定する。ここで、「251」は、変動パターン種別決定用の乱数値MR3における最大値であり、乱数値MR3は常に小当り用の変動パターン種別判定閾値以下の値となる。すなわち、変動表示結果が「小当り」となる場合に応じた変動カテゴリは1つのみ設けられて、その変動カテゴリに決定されると判定される。
S403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(S403;Yes)、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(S409)。このとき、CPU56は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別決定テーブル131を構成するテーブルデータから大当り種別決定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別決定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定する。こうしたS409の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板80に対して送信するための設定が行われる(S410)。一例として、S409にて大当り種別が「確変」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「01H」とし、大当り種別が「突確」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「03H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。S410の処理に続いて、S409の処理による判定結果に応じた変動パターン種別判定閾値を設定する(S411)。
S406,S408,S411の処理のいずれかを実行した後には、それぞれの処理にて設定された変動パターン種別判定閾値と、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データとを用いて、乱数値MR3が含まれる決定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する(S412)。
尚、S406,S408,S411の処理により、予め定められた変動パターン種別判定閾値を設定するものに代えて、変動カテゴリとしていずれの変動パターン種別に決定されるかの判定を行うようにしてもよい。その後、S412の処理による判定結果に応じた変動カテゴリコマンドを、演出制御基板80に対して送信するための設定を行ってから(S413)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図21(A)に示す入賞時乱数値判定処理では、変動表示結果が「大当り」や「小当り」となる場合でも一律に変動パターン種別決定用の乱数値MR3が含まれる決定値の範囲となる変動カテゴリの判定を行うようにしている。これに対して、変動表示結果が「大当り」や「小当り」に決定される場合には、変動カテゴリの判定を行わないようにしてもよい。この場合、変動表示結果が「大当り」または「小当り」となることに応じた図柄指定コマンドを送信するとともに、変動表示結果が「大当り」または「小当り」であるときの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
図20に示す始動入賞判定処理や図21(A)に示す入賞時乱数値判定処理では、図20におけるS211の処理を実行した後に、S212にて図21(A)に示す入賞時乱数値判定処理が実行されることで、図21(A)におけるS405,S407,S410,S413の処理を実行し、さらに図20におけるS214の処理を実行する。これらの処理が実行されてから、図18に示すS17のコマンド制御処理を実行することにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。尚、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎にS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
図19に戻り、S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU56は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
S110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。尚、特別図柄通常処理においては、第2保留記憶が存在するか否かを第1保留記憶が存在するか否かの判断よりも先に実行することにより、第2保留記憶に対応する第2特図の特図ゲームが優先して実行される。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に基づき、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S110の特別図柄通常処理やS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、S112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「確変大当りA」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「確変大当りB」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「2回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置9やスピーカ27などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知するエンディング演出を実行する処理を行う。そして、確変大当りAの場合には、時短フラグと確変フラグをセットするとともに、時短回数カウンタに時短制御を行う上限の変動回数(90)をセットし、確変回数カウンタに確変制御を行う上限の変動回数(100)をセットする。また、確変大当りBの場合には、確変フラグをセットするとともに、変回数カウンタに確変制御を行う上限の変動回数(100)をセットする。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、変動表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、変動表示結果が「小当り」となったときには、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
S119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
S120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、演出表示装置9やスピーカ27などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
次に、演出制御手段である演出制御基板80の動作を説明する。図22は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU120)が実行するサブCPUメイン処理を示すフローチャートである。
サブCPUメイン処理において、CPU120は、まず、割込禁止に設定する(Ss1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(Ss2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(Ss3)。尚、Ss2では、演出制御用マイクロコンピュータ100の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU120は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(Ss4)。Ss4の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施例で用いられる演出制御用マイクロコンピュータ100は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)(いずれも図示せず)も内蔵している。
次いで、CPU120は、RAM121をアクセス可能状態に設定し(Ss5)、バックアップ処理として、後述する電源断検出処理(図24参照)におけるSd2〜Sd4の処理が実行されているか否かを、所定のバックアップ領域にチェックデータが格納されているか否かに基づいて判定する(Ss6)。
バックアップ処理が実行されていない場合(チェックデータが格納されていない場合)は(Ss6;No)、Ss11に進み、バックアップ処理が実行されている場合(チェックデータが格納されている場合)は(Ss6;Yes)、RAM121の所定領域に設けられたバックアップデータ記憶領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(Ss8)。この実施例では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU120は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
後述する電源断検出処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはチェックデータとしてバックアップデータ記憶領域に保存される。Ss8では、算出したチェックサムとチェックデータとして保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップデータ記憶領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップデータ記憶領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、バックアップデータ記憶領域に誤ったバックアップデータが記憶されていることになるので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される後述する初期化処理(Ss11〜Ss12の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば(Ss8;Yes)、CPU120は、演出制御基板80を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理を行う。具体的には、RAM121のバックアップデータ記憶領域に格納されているバックアップデータにより、遊技者が遊技中に設定した装飾LED25a,左枠LED28b,右枠LED28c,天ランプモジュール内の各LED等の光量及びスピーカ27から発せられる音量等の設定データを復旧する(Ss9)。また、遊技履歴データの登録内容も復旧され、バックアップデータに基づいて遊技者が選択した選択ミニキャラの登録情報も復旧される。そして、RAM121のバックアップデータ記憶領域に格納されているバックアップデータをクリアする(Ss10)。そして、Ss13aの処理に移行する。
尚、本実施例では、演出制御基板80の復旧処理において遊技者が遊技中に設定した光量及び音量等の設定データを復旧した後、バックアップデータをクリアしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技者が遊技中に設定した光量及び音量等の設定データを復旧した後もバックアップデータは保持したままであっても良いし、これらバックアップデータは、SRAMに記憶されることで消えないものであっても良い。また、本実施例におけるバックアップデータとは、前述の遊技者が遊技中に設定した光量及び音量等の設定データの他、電源断検出処理が実行された時点での所定個数(例えば50個)の演出制御コマンドの受信履歴、保留記憶数、パチンコ遊技機1の電源が投入されている累計時間、遊技球の総発射数、パチンコ遊技機1におけるベースや大当り当選確率等の遊技データ、総出玉数等を含んでいる。
更に尚、本実施例では、後述する電源断検出処理(図24参照)において、電源断信号が出力されたことを検出したら、RAM121に記憶された設定データ等をバックアップデータ記憶領域に保存し、電源断復旧時において、RAM121のバックアップデータ記憶領域に格納されているバックアップデータにより、設定データ等を復旧するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、RAM121を不揮発性メモリ等の電源供給が停止されても記憶内容を保持するメモリで構成し、電源断時に、RAM121のデータをそのまま保持するものであってもよい。
初期化処理では、CPU120は、RAMクリア処理を行う(Ss11)。そして、装飾LED25a,ステージ装飾LED25b,左枠LED28b,右枠LED28c,天ランプモジュール530等におけるLEDの光量及びスピーカ27から発せられる音量等の設定データを初期化する(Ss12)。
Ss10またはSs12の処理の実行後、CPU120は、後述する電源断検出処理(図24参照)のSd4において、このバックアップ時に格納した時点のRTC124の日付データと、現在のRTC124の日付データとを比較して、現在の日付が更新されているか否かを判定する(Ss13a)。例えば、前日の営業終了時点でパチンコ遊技機1の電源が落とされ、翌営業日にパチンコ遊技機1の電源が投入されたときには、RTC124の日付データが更新されていることになる。
ここで、RTC124の日付データが更新されていない場合には(Ss13a;No)、Ss14に進む。一方、RTC124の日付データが更新されている場合には(Ss13a;Yes)、CPU120は、RTC124の時刻データにおける秒数値と、CPU120の製造ID(CPU120の製造時に各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)とに基づいて、所定の乱数値を生成する(Ss13b)。
尚、本実施例では、RTC124の秒数値とCPU120の製造IDとで乱数値を生成しており、この乱数値を用いることで、パチンコ遊技機1毎に異なるランダム性を有する乱数値を生成することができる。更に、本実施例では、RTC124の時刻データにおける秒数値と、CPU120の製造IDとに基づいて乱数値を生成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、RTC124の時刻データにおける日付の値や曜日の値を用いたり、前述のチェックサムデータなどを用いたりしてランダム性を高めた乱数値を生成するようにしてもよい。
そして、CPU120は、生成した乱数値に基づいて、後述する付与特典画像決定用テーブル(図38(B)参照)の設定を行う(Ss13c)。例えば、生成した乱数値が奇数値ならば、第1設定とし、偶数値ならば第2設定とする。
次いで、Ss13dに進み、CPU120は、遊技者のパスワード等の遊技履歴情報が遊技履歴テーブル(図17参照)に格納されているか否かを判定する。ここで、遊技履歴情報が格納されていない場合には(Ss13d;No)、Ss14に進む。一方、遊技履歴情報が格納されている場合には(Ss13d;Yes)、遊技者のパスワード等の遊技履歴情報が格納された遊技履歴テーブルをクリアし(Ss13e)、音量・光量の設定値をクリアし(Ss13f)、Ss15に進む。このようにすることで、前日の営業終了時点でパチンコ遊技機1の電源が落とされ、翌営業日にパチンコ遊技機1の電源が投入されたときには、遊技履歴情報が格納された遊技履歴テーブルがクリアされることになる。また、遊技者が設定した音量・光量の設定値が存在する場合に当該設定値がクリアされた状態でSs15の処理が行われる。
次いで、Ss14においてCPU120は、遊技者が設定した音量・光量の遊技者設定値が存在するか否かを判定する。遊技者設定値が存在する場合は(Ss14;Yes)、音量・光量を該遊技者設定値に設定し(Ss16)、遊技者設定値が存在しない場合は(Ss14;No)、Ss15に進む。
Ss15においてCPU120は、設定切替スイッチ521のセットされているチャンネルを判定することで、パチンコ遊技機1の音量・光量に、ホール設定値として該チャンネルに対応する音量の初期値及び光量の初期値を設定する。
尚、本実施例では、RTC124の日付データが更新されている場合には(Ss13a;Yes)、遊技履歴テーブルをクリアするとともに、遊技者設定値をクリアするようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技履歴情報が格納されている場合には、遊技者のパスワード等の遊技履歴情報が格納された遊技履歴テーブルをクリアするが、音量・光量の遊技者設定値が存在する場合にあっては、遊技者設定値をクリアせずにそのまま引き継いでもよい。例えば、変形例における演出制御用CPU120では、遊技履歴情報が格納されている場合には(Ss13d;Yes)、遊技者のパスワード等の遊技履歴情報が格納された遊技履歴テーブルをクリアし(Ss13e)、遊技者が設定した音量・光量の遊技者設定値が存在するか否かを判定し(Ss14)、遊技者設定値が存在する場合(Ss14;Yes)であっても、音量・光量を該遊技者設定値に設定する(Ss16)ようにしてもよい。
次に進むSs17においてCPU120は、演出図柄の変動表示中に実行される演出の決定等に使用するために演出制御基板80に搭載されている乱数回路(図示せず)を初期設定する乱数回路設定処理を実行する。
次いで、CPU120は、所定時間(例えば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(Ss20)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU120は、まず、割込禁止状態にして(Ss21)、表示用乱数更新処理(Ss22)初期値用乱数更新処理(Ss23)とを実行して、再び割込許可状態にする(Ss24)。すなわち、CPU120は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
尚、表示用乱数更新処理とは、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行するであり、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、例えば、演出図柄の変動中における演出の態様を決定するための判定用乱数を発生するためのカウンタ等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。
また、本実施例では、電断検出処理において音量・光量の遊技者設定値をバックアップすることで、電源投入時に該遊技者設定値が存在していれば、パチンコ遊技機1の音量・光量に該遊技者設定値を設定するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、電断検出処理においては、音量・光量の遊技者設定値をバックアップしないようにしても良い。この場合は、電源投入時に設定切替スイッチがセットされているチャンネルをCPU120が判定することで、各チャンネルにおける音量の初期値と光量の初期値とをパチンコ遊技機1の音量と光量に設定すれば良い。
次に、サブCPUタイマ割込処理について説明する。タイマ割込が発生すると、CPU120は、図23に示すSs30〜Ss39のサブCPUタイマ割込処理を実行する。サブCPUタイマ割込処理において、まず、RAM121の所定領域に記憶されているタイマ割込フラグをクリアし(Ss30)、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(Ss31)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU120は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップデータ記憶領域に保存する。次いで、コマンド解析処理を実行する(Ss32)。Ss32にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
Ss32にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(Ss33)。演出制御プロセス処理では、例えば演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ27からの音声出力動作、装飾LED25a及びステージ装飾LED25bといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板31から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(Ss34)その後、演出設定調整処理を実行する(Ss37)。演出設定調整処理では、パチンコ遊技機1における装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530等の装飾発光体の光量及びスピーカ27の音量の調整を遊技者の操作により受け付けて設定する。そして、演出設定調整処理の終了後は、パチンコ遊技機1において遊技球が所定時間発射されていない(非遊技状態)ことを条件に、遊技者のパスワード等の遊技履歴情報が格納された遊技履歴テーブルを無効化(クリア)するとともに、遊技者によって設定された音量・光量の設定値を無効化(クリア)し、音量・光量をホール設定値に設定する設定無効化処理(Ss38)が行われる。
次いで、CPU120は、図54(B)または図55(B)のメインメニュー画面を表示する処理を実施するメインメニュー表示処理(Ss39)、メインメニュー画面に表示された各メニューの操作受付けに応じた処理を実施するメインメニュー操作処理(Ss40)を実行する。
次いで、CPU120は、ミニキャラ表示部18aに表示されるミニキャラA〜Fを用いて行われるセリフ演出や保留表示変更演出などの補助演出を実行する補助演出制御処理を実行する(Ss41)。更に、後述するように、遊技者が選択可能な新規ミニキャラが追加された場合に、遊技者に新規ミニキャラが選択可能になったことを案内する案内表示を行う新規ミニキャラ案内処理を実行する(S42)。その後、割込許可状態に設定し(Ss39)、処理を終了する。
次に、電源断検出処理について説明する。図24は、図23に示されたサブCPUタイマ割込処理における電源断検出処理(Ss31)を示すフローチャートである。電源断検出処理では、CPU120は、先ず、電源基板90からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号の入力が有るか否かを判定する(Sd1)。電源断信号の入力が無い場合は(Sd1;No)、処理を終了し、電源断信号の入力が有る場合は(Sd1;Yes)、図26に示す音量・光量の遊技者設定データを含むバックアップデータを特定し(Sd2)、現在のRTC124の日付データを特定し(Sd3)、日付データを含むバックアップデータをRAM121に設けられたバックアップデータ記憶領域に格納する(Sd4)。そして、バックアップデータを復旧させるときに用いるチェックデータを前述したように作成し、バックアップデータ記憶領域に格納した後(Sd5)、パチンコ遊技機1が電断するまでいずれの処理も実行しないループ処理に移行する。
次に、設定無効化処理について説明する。図25は、図23に示されたサブCPUタイマ割込処理における設定無効化処理を示すフローチャートである。設定無効化処理では、CPU120は、先ず、打球発射装置550により1の遊技球が発射されたことを通知する発射通知コマンドを技制御用マイクロコンピュータ560から受信したか否かを判定する(Sr1)。ここで、発射通知コマンドの受信がある場合には(Sr1;Yes)、Sr10に進み、設定無効化タイマに所定時間をセットし、設定無効化処理を終了する。
尚、Sr10の所定時間は、遊技球が最後に発射された後、遊技履歴テーブル及び音量・光量の遊技者設定値を無効化(クリア)するまでの時間を規定するものであり、前述したクリア時間切替スイッチ522(図6(A)参照)を操作することによって、遊技場の関係者(店員)が任意に設定した時間となる。例えば、クリア時間切替スイッチ522を「60分」として設定すると、設定無効化タイマにセットされる所定時間は、「60分」となる。また、本実施例では、パチンコ遊技機1の起動時に、クリア時間切替スイッチ522によって設定されている時間が、設定無効化タイマにセットされる所定時間となっており、パチンコ遊技機1の起動後には、クリア時間切替スイッチ522の操作を無効として、設定無効化タイマにセットされる所定時間の設定変更を受け付けないようになっている。尚、パチンコ遊技機1の起動後であっても、クリア時間切替スイッチ522の操作による設定無効化タイマにセットされる所定時間の設定変更を受け付けるようにしてもよい。
一方、発射通知コマンドの受信がない場合には(Sr1;No)、演出制御プロセスフラグを参照し、該演出制御プロセスフラグが変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応した値であるか否かを判定する(Sr2)。つまり、Sr2では、大当り遊技中または小当り遊技中ではなく、演出図柄の変動が実行されていない状態であるか否かを判定する。ここで、演出制御プロセスフラグが変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応した値でない場合は(Sr2;No)、設定無効化処理を終了し、演出制御プロセスフラグが変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応した値である場合は(Sr2;Yes)、設定無効化タイマの値を1減算更新し(Sr3)、設定無効化タイマの値が0であるか否かを判定する(Sr4)。
Sr4においてCPU120は、設定無効化タイマの値が0でない場合は(Sr4;No)、設定無効化処理を終了し、設定無効化タイマの値が0である場合は(Sr4;Yes)、後述するメインメニュー操作処理(図28参照)のS759にてセットされる携帯連動モードフラグがセットされているか否かを判定する(Sr5)。ここで、携帯連動モードフラグがセットされていない場合は(Sr5;No)、Sr8に進む。一方、携帯連動モードフラグがセットされている場合は(Sr5;Yes)、遊技者のパスワード等の遊技履歴情報が格納された遊技履歴テーブルを無効化(クリア)し(Sr6)、携帯連動モードフラグをクリアし(Sr7)、Sr8に進む。
Sr8においてCPU120は、スピーカ27からの音出力の音量と装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530の光量に遊技者による遊技者設定値が有るか否かを判定する。尚、遊技者設定値が有るか否かは、図26に示すように、RAM121の所定領域に遊技者設定値が記憶されているか否かで判定すれば良い。遊技者設定値が無い場合は(Sr8;No)、設定無効化処理を終了し、遊技者設定値が有る場合は(Sr8;Yes)、図26に示す遊技設定値として記憶されている音量・光量を無効化(クリア)するとともに、該遊技設定値に替えて、音量・光量を、ホール設定値の音量・光量に設定し(Sr9)、設定無効化処理を終了する。
このように、非遊技状態である場合に、遊技履歴テーブル及び音量・光量の遊技者設定値をクリアすることで、遊技者がパチンコ遊技機1における遊技を終了した後、遊技者や遊技場の店員が特別な操作を行うことなく、パチンコ遊技機1の音量・光量をホール設定値に戻すことができるので、パチンコ遊技機1の利便性を向上できる上、次の遊技者がパチンコ遊技機1で遊技を開始したとしても、遊技履歴テーブルにおける前の遊技者の各種登録情報や、前の遊技者が設定した音量・光量の設定値が引き継がれてしまうことを抑制することができる。
また、本実施例では、非遊技状態が一定期間継続することで設定無効化タイマが0となると、遊技者設定値として記憶されている音量・光量の設定値をクリアし、音量・光量をホール設定値に設定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、非遊技状態中に日付が変わった場合は、該非遊技状態が一定期間継続していなくとも、遊技履歴テーブル及び遊技者設定値をクリアするとともに、音量・光量をホール設定値に設定するようにしても良い。
本実施例のパチンコ遊技機1では、パスワードの入力やバーコードの出力を行うことで、遊技者が、遊技を行うことで変化させた演出パラメーラや、各ミニキャラA〜Eのレベル等や、大当り回数等の遊技情報を、同一機種である他のパチンコ遊技機1や、兄弟機種のパチンコ遊技機に引き継ぐことができる。
具体的には、図54(A)に示すデモ画面が表示中にプッシュボタン516を長押しすると、図54(B)に示すメニュー画面が表示される。尚、図54(B)に示すメニュー画面には、「パスワード入力」の選択項目と、「音量・光量調整」の選択項目と、「終了」の選択項目とが表示される。
このメニュー画面から「パスワード入力」を選択すると、図54(C)に示すパスワード入力画面が表示される。そして、管理サーバ900にて発行されたパスワードを入力することにより、遊技により変化した各ミニキャラA〜Eレベル、経験値、総始動回数や総大当り回数等の遊技履歴を引き継いで遊技を行うことが、同一機種のみならず、兄弟機種(継承対象機種)でも可能となる。
パスワードは、前述したように、機種を特定可能な機種情報や各ミニキャラA〜Eのレベル等や大当り回数等の同一機種並びに兄弟機種において共通な共通データと、大当りBやスーパーリーチCの総発生回数や停止図柄が「777」となる7図柄大当りの総回数や、7図柄大当りが発生する毎に出力される特典画像のID等の個々の機種において固有の固有データとを含む2進数データを、所定配列の2進数データに対応付けられた所定長(本実施例では16文字)の記号列に変換したものである。
尚、遊技者がパスワードを入力すると、後述する携帯連動モードフラグがセットされる。この状態で、デモ画面が表示中にプッシュボタン516を長押しすると、図55(B)に示すメニュー画面が表示されるようになっている。尚、図55(B)に示すメニュー画面には、「音量・光量調整」の選択項目と、「ミニキャラ選択」の選択項目と、「遊技終了操作」の選択項目と、「獲得特典画像表示」の選択項目と、「終了」の選択項目とが表示される。
図54(B)または図55(B)に示すメニュー画面は、メインメニュー表示処理(Ss39)が実施されることによって、演出表示装置9に表示される。
本実施例のメインメニュー表示処理において演出制御用CPU120は、まず、保留記憶数が0であるか否かを判定するとともに、保留記憶数が0である場合には、変動表示中でも大当り中でもない状態であるか否かを、演出制御プロセスフラグが変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応する値であるか否かにより判定する。
保留記憶数が0ではないか、或いは、演出制御プロセスフラグが変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応する値ではない場合(例えば、変動表示中である場合)には、メインメニュー画面、メインメニュー画面における「パスワード入力」のメニュー操作により表示されるパスワード受付け画面(図54(C))、メインメニュー画面における「音量・光量調整」のメニュー操作により表示される音量・光量調整受付け画面(図27参照)、メインメニュー画面における「ミニキャラ選択」のメニュー操作により表示されるミニキャラ選択受付け画面(図56(B)参照)、メインメニュー画面における「獲得特典画像表示」のメニュー操作により表示される獲得特典画像一覧表示画面(図57(B)参照)、メインメニュー画面における「遊技終了操作」のメニュー操作により表示される2次元コードの出力画面(図55(C))のいずれかの画面が表示中であるか否かが判定され、いずれかの画面が表示中である場合には、該表示中の画面操作を無効とするとともに、表示中の画面表示を終了してデモ画面またはデモ画面となる前の演出図柄の表示結果画面等に表示を戻した後、当該処理を終了する。
一方、メインメニュー画面、メインメニュー画面における「パスワード入力」のメニュー操作により表示されるパスワード受付け画面(図54(C))、メインメニュー画面における「音量・光量調整」のメニュー操作により表示される音量・光量調整受付け画面(図27参照)、メインメニュー画面における「ミニキャラ選択」のメニュー操作により表示されるミニキャラ選択受付け画面(図56(B)参照)、メインメニュー画面における「獲得特典画像表示」のメニュー操作により表示される獲得特典画像一覧表示画面(図57(B)参照)、メインメニュー画面における「遊技終了操作」のメニュー操作により表示される遊技終了2次元コードの出力画面(図55(C))のいずれかの画面が表示中でない場合には、当該処理を終了する。
また、保留記憶数が0ではなく、且つ、演出制御プロセスフラグが変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応する値ではない場合、つまり、変動表示中でも大当りや小当り中でもない場合には、既に図54(B)または図55(B)に示すメインメニュー画面を表示中であるか否かを判定し、メインメニュー画面を表示中である場合には、当該処理を終了することにより、メインメニュー画面の表示を継続する一方、メニュー画面を表示していない場合には、プッシュボタン516が所定操作されているか、例えば、1秒以上の期間に亘って連続してプッシュボタン516が押圧操作されている状態である長押し操作がされているか否かを判定する。尚、これら長押し操作の有無の判定は、例えば、プッシュボタン516の操作開始時点において、プッシュボタン516の操作解除によりリセットされる1秒の判定タイマをセットしておき、該判定タイマがタイマアップしたか否かにより判定すれば良い。
尚、本実施例のデモ画面には、図54(A)に示すように、「ボタンを長押しするとメニュー画面が表示されます」というメッセージが表示画面の下部に表示されており、プッシュボタン516を長押しするとメニュー画面を表示できることが遊技者に報知(案内)されるようになっている。
遊技者が、メインメニュー画面を表示させるためにプッシュボタン516を長押し操作した場合には、図54(B)のメインメニュー画面の表示を演出表示装置9において開始した後、該メインメニュー画面における操作レバー600やプッシュボタン516の操作を有効化した後、当該処理を終了する。このように、操作を有効化されることで、表示が開始されたメインメニュー画面における各メニュー項目の選択を受付けが、後述するメインメニュー操作処理にて実施される。
つまり、本実施例では、変動表示中でも大当り中でも小当り中でもない状態においてプッシュボタン516を長押し操作することによって、メインメニュー画面が表示されるとともに、該表示された画面における操作レバー600やプッシュボタン516の操作が有効化されることで、遊技者が、パスワードの入力や2次元コードの出力(表示)等を実施できるとともに、これらの実施中であっても、保留記憶数が存在するか、或いは、保留記憶数が存在しなくても変動表示中である場合、すなわち、演出表示装置9において演出表示等が実行される可能性がある場合には、各種画面の表示が終了されて、図54(B)または図55(B)のメニュー画面が表示されることがないので、これらメニュー画面の表示や、メニュー画面内のメニュー選択による処理によって演出表示等に支障が生じることを回避できる。
尚、本実施例では、演出表示等への影響を防止するために、いち早くメインメニュー画面等の表示を終了させることを目的として保留記憶数が0であるか否かを判定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら保留記憶数が0であるか否かを判定せずに、演出制御プロセスフラグが変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応する値であるか否かの判定のみを実施するようにしても良い。
尚、本実施例のメインメニュー画面では、「パスワード入力」、「音量・光量調整」、「ミニキャラ選択」、「遊技終了操作」、「獲得特典画像表示」のメニュー項目が表示されるようになっており、Ss40のメインメニュー操作処理(図28参照)においては、該メニュー画面において操作レバー600の傾倒操作及びプッシュボタン516の操作により、いずれのメニューが選択されたか否かを判定し、選択されたメニューに応じた処理を実施する。
このメインメニュー画面において、操作レバー600が左側に傾倒操作されることで左側のメニュー項目に移動し、操作レバー600が右側に傾倒操作されることで右側のメニュー項目に移動し、操作レバー600が上側に傾倒操作されることで上側のメニュー項目に移動し、操作レバー600が下側に傾倒操作されることで下側のメニュー項目に移動する。そして、プッシュボタン516が操作されることで反転表示されているメニュー項目が選択される。
メインメニュー操作処理では、図28に示すように、メインメニュー画面に含まれる「パスワード入力」のメニュー項目が選択されたか否か(S740)、「獲得特典画像表示」のメニュー項目が選択されたか否か(S741)、「ミニキャラ選択」のメニュー項目が選択されたか否か(S742)、「遊技終了操作」のメニュー項目が選択されたか否か(S743)、「音量・光量調整」のメニュー項目が選択されたか否か(S744)、「獲得特典画像表示」のメニュー項目が選択された場合に表示される図57(B)に示す獲得特典画像一覧表示画面を表示中であるか否か(S745)、「パスワード入力」のメニュー項目が選択された場合に表示される図54(C)に示すパスワード受付け画面を表示中であるか否か(S746)、「ミニキャラ選択」のメニュー項目が選択された場合に表示される図56(B)に示すミニキャラ選択受付け画面を表示中であるか否か(S747)、「遊技終了操作」のメニュー項目が選択された場合に表示される図55(C)に示す遊技終了2次元コードの出力画面を表示中であるか否か(S748)、「音量・光量調整」のメニュー項目が選択された場合に表示される図27に示す音量・光量調整受付け画面を表示中であるか否か(S749)、および、「終了」のメニュー項目が選択されたか否か(S750)を判定する。
S740〜S750のいずれの判定もNoである場合には、当該処理を終了し、いずれか判定がYesであれば、対応する処理を実行する。
具体的に、S740の判定がYesである場合、つまり「パスワード入力」のメニュー項目が選択された場合には、S752に進み、図54(C)に示すパスワード受付け画面の表示を開始して当該処理を終了する。尚、このパスワード受付け画面の表示の開始により、次のタイマ割込においては、S746においてYesと判定されることになる。
また、S741の判定がYesである場合、つまり「獲得特典画像表示」のメニュー項目が選択された場合には、S753に進み、獲得特典画像用の2次元コードを生成する。具体的には、S753において演出制御用CPU120は、遊技履歴テーブル(図17参照)の出力済み特典画像IDに対応付けて登録された特典画像IDに基づいて遊技者が遊技中に獲得した全て特典画像の特典画像IDを特定する。
また、演出制御用CPU120は、遊技者が携帯端末901を用いて管理サーバ900にアクセスして特典画像の取得(ダウンロード)等を行うために必要なURL等の情報等を含んだ2次元コードを生成する。そして、該生成した2次元コードを含む図57(B)に示す獲得特典画像一覧表示画面の表示を開始し、当該処理を終了する。尚、この獲得特典画像一覧表示画面の表示の開始により、次のタイマ割込においては、S745においてYesと判定されることになる。
また、S742の判定がYesである場合、つまり「ミニキャラ選択」のメニュー項目が選択された場合には、S766に進み、図56(B)に示すミニキャラ選択受付け画面の表示を開始して当該処理を終了する。尚、このミニキャラ選択受付け画面の表示の開始により、次のタイマ割込においては、S747においてYesと判定されることになる。
また、S743の判定がYesである場合、つまり「遊技終了操作」のメニュー項目が選択された場合には、S755に進んで、遊技終了2次元コードを生成する。
具体的に、S755において演出制御用CPU120は、図17に示す遊技履歴テーブルの「現状データ」の格納領域に集計されている各データを、「遊技開始時」の格納領域に記憶されている各対応データに加算して(パスワード入力時のみ)、当該遊技終了時における遊技履歴を特定し、該特定した遊技終了時における遊技履歴(遊技終了時に選択ミニキャラ、各ミニキャラA〜Eの取得状況、各ミニキャラA〜Eのレベル、各ミニキャラA〜Eの経験値、始動回数、大当り回数、確変回数、7図柄大当り回数、出力済み特典画像ID等のデータ)や、遊技開始時に入力されたパスワード(パスワード入力時のみ)等を含む遊技終了2次元コードを生成する。
そして、S756に進み、該生成した2次元コードを含む図55(C)に示す遊技終了2次元コード出力画面の表示を開始した後、当該処理を終了する。尚、この2次元コードの出力画面の表示を開始により、次のタイマ割込においては、S748においてYesと判定されることになる。
また、S744の判定がYesである場合、つまり「音量・光量調整」のメニュー項目が選択された場合には、S767に進み、図27に示す音量・光量調整受付け画面の表示を開始して当該処理を終了する。尚、この音量・光量調整受付け画面の表示の開始により、次のタイマ割込においては、S749においてYesと判定されることになる。
また、S745の判定がYesである場合、つまり獲得特典画像一覧表示画面が表示中である場合には、S768に進んで、プッシュボタン516の操作があるか否かを判定し、プッシュボタン516の操作が無ければ当該処理を終了することで獲得特典画像一覧表示画面の表示を継続する一方、プッシュボタン516の操作が有ればS769に進んで、獲得特典画像一覧表示画面の表示を終了し、当該処理を終了する。
また、S746の判定がYesである場合、つまりパスワード受付け画面が表示中である場合には、S757に進んで、パスワードの入力を受付けるパスワード受付け処理を実行する。
このパスワード受付け処理においては、図54(C)に示すように、パスワード受付け画面において操作レバー600を操作することで文字が移動し、トリガースイッチ512aを操作することで、手前に表示されている文字が選択される。
また、本実施例のパスワード受付け処理では、1文字選択する毎に、次の文字が選択可能となる。また、「1文字戻る」が手前に表示されている状態でトリガースイッチ512aを操作することで、手前の文字を再度選択可能となる。そして、16文字のパスワードを選択すると、決定欄に移動し、「1文字戻る」以外の文字が手前に表示されている状態でプッシュボタン516を操作することで、パスワードが決定(入力完了)される。
そして、入力されたパスワードが正規のパスワードであるか否かを認証し(S758)、正規のパスワードであると認証された場合には、正規のパスワードの入力完了と判断されてS759に進んで、パスワードの解析によって特定された前回の遊技履歴の各データを、遊技履歴テーブルの「遊技開示時」の格納領域に、該当するデータとして格納し、かつ携帯連動モードフラグをセットし、遊技履歴テーブルの「現状データ」への遊技履歴の集計(蓄積)が開始される(S760)。そして、パスワード受付け画面の表示を終了して(S761)、当該処理を終了する。尚、入力されたパスワードが正規のパスワードであると認証されたときには、パスワード入力OK画面を表示するようにしても良い。
尚、入力されたパスワードが正規のパスワードであると認証されなかった場合には、例えば、入力NG画面を所定期間において表示した後、再度、パスワードが入力されていない初期状態のパスワード受付け画面を表示するようにすれば良い。
また、S747の判定がYesである場合、つまりミニキャラ選択受付け画面が表示中である場合には、S770に進んで、ミニキャラ選択受付け処理を実行する。このミニキャラ選択受付け処理では、図56(B)に示すミニキャラ選択受付け画面において、操作レバー600を操作することで、遊技者が希望するミニキャラを選択し、プッシュボタン516を操作することで、選択されたミニキャラが決定されるようになっている。そして、S771に進んで、ミニキャラ選択受付け画面の表示を終了し、S772に進んで、演出表示装置9のミニキャラ表示部18a(図2参照)に対するミニキャラの表示が開始され、当該処理を終了する。尚、ミニキャラ選択受付け処理において、後述する新規ミニキャラ案内表示出力フラグがセットされている場合には、新しく取得したミニキャラを含めてミニキャラの選択が行えるようにし、ミニキャラ選択受付け画面の終了とともに新規ミニキャラ案内表示出力フラグをクリアする。
また、S748の判定がYesである場合、つまり遊技終了2次元コードの出力画面が表示中である場合には、S762に進んで、プッシュボタン516が操作されたか否かを判定し、プッシュボタン516の操作が無ければ当該処理を終了することで遊技終了2次元コードの出力画面の表示を継続する一方、プッシュボタン516の操作が有ればS763に進んで、表示中の2次元コードの出力画面の表示の終了、遊技者のパスワード等の遊技履歴情報が格納された遊技履歴テーブルを無効化(クリア)、及び携帯連動モードフラグをクリア等を行う遊技終了処理を実行する。
そして、S764に進んで、CPU120は、スピーカ27からの音出力の音量と装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530の光量に遊技者による遊技者設定値が有るか否かを判定する。遊技者設定値が無い場合は、当該処理を終了し、遊技者設定値が有る場合は、S765に進んで、図26に示す遊技設定値として記憶されている音量・光量を無効化(クリア)するとともに、該遊技設定値に替えて、音量・光量を、ホール設定値の音量・光量に設定し、遊技終了2次元コードの出力画面の表示を終了し(S765+)、当該処理を終了する。
また、S749の判定がYesである場合、つまり音量・光量調整受付け画面が表示中である場合には、S773に進んで、音量・光量調整受付け処理を実行する。この音量・光量調整受付け処理では、図27に示す音量・光量調整受付け画面において、操作レバー600を操作することで、遊技者が希望する音量または光量を選択し、プッシュボタン516を操作することで、選択された音量または光量が決定されるようになっている。そして、S774に進んで、選択された音量または光量を遊技者設定値に設定し(図26参照)、音量・光量調整受付け画面の表示を終了し(S775)、当該処理を終了する。
また、S750の判定がYesである場合、つまり、「終了」メニュー項目が選択された場合には、S751に進んで、メインメニュー画面の表示を終了して、基本画面(メニュー画面に移行する前の通常画面)に戻って、当該処理を終了するようになっている。
図29は、演出制御プロセス処理(S709)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず第1保留記憶表示部18cと第2保留記憶表示部18dにおける保留記憶表示を更新する保留表示更新処理を実行する(S799)そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。尚、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。尚、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S800):コマンド解析処理でセットされる変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされているか否かにより変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングなどを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りまたは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
本実施例の保留表示更新処理において、演出制御用CPU120は、まず、図16(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの始動口入賞指定データに、第2始動入賞を示す「B200(H)」のデータが記憶されている数に基づいて、第2始動入賞に対応する保留記憶数(第2特図保留記憶数)を特定する。
そして、特定した第2特図保留記憶数の保留表示を第2保留記憶表示部18dに表示する。具体的には、図16(B)に示す始動時受信コマンドバッファに示すように第2特図保留記憶数が1つであれば、1つの丸マーク(「○」)の保留表示を第2保留記憶表示部18dに表示する。第2特図保留記憶数が2つであれば2つの丸マークの保留表示を第2保留記憶表示部18dに表示する。第2特図保留記憶数が3つであれば3つの丸マークの保留表示を第2保留記憶表示部18dに表示する。第2特図保留記憶数が4つであれば4つの丸マークの保留表示を第2保留記憶表示部18dに表示する。
次いで、演出制御用CPU120は、図16(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの始動口入賞指定データに、第1始動入賞を示す「B100(H)」のデータが記憶されている数に基づいて、第1始動入賞に対応する保留記憶数(第1特図保留記憶数)を特定する。
そして、特定した第1特図保留記憶数の保留表示を第1保留記憶表示部18cに表示する。具体的には、第1特図保留記憶数が1つであれば1つの丸マーク(「○」)の保留表示を第1保留記憶表示部18cに表示する。図16(B)に示す始動時受信コマンドバッファに示すように第1特図保留記憶数が2つであれば、2つの丸マークの保留表示を第1保留記憶表示部18cに表示する。第1特図保留記憶数が3つであれば3つの丸マークの保留表示を第1保留記憶表示部18cに表示する。第1特図保留記憶数が4つであれば4つの丸マークの保留表示を第1保留記憶表示部18cに表示する。
このように保留表示更新処理を実行することで、第2保留記憶表示部18dに表示されている保留記憶表示は、第2特図の保留記憶に基づく変動表示が終了する毎に1個減算更新され、次の第2特図の保留記憶に基づく変動表示が開始される。そして、第2特図の保留記憶に基づく変動表示が終了した時点で第2保留記憶表示部18dに保留記憶表示が無い場合は、第1保留記憶表示部18cに表示されている保留記憶表示が1個減算更新され、第1特図の保留記憶に基づく変動表示が開始される。
尚、新たに始動入賞が発生した場合は、該始動入賞が第1始動入賞口13への入賞であれば第1保留記憶表示部18cの表示が最大4個までの範囲で1個増加更新され、該始動入賞が第2始動入賞口14への入賞であれば第2保留記憶表示部18cの表示が最大4個までの範囲で1増加更新される。
このようにすることにより、遊技者は、新たな始動入賞が発生したときに、その始動入賞が、第1特図に対応する第1特図保留記憶であるか、第1特図よりも小当りになりやすい第2特図に対応する第2特図保留記憶であるかを識別できるようになっている。
また、演出制御用CPU120は、各バッファ番号に対応付けて格納されている保留表示変更フラグを参照し、保留表示変更フラグがセットされている場合(「1」が格納されている場合)には、前述した丸マーク(「○」)の保留表示に代えて、星マーク(「☆」)の保留表示を行う。この星マークの保留表示は、大当りとなる可能性が高い変動パターンに対応する保留表示がある場合に、そのことを示唆する先読み予告演出であって、後述する保留表示変更演出が実行されるときに、ミニキャラが保留表示の表示態様を変更する際に用いる表示態様である(図48参照)。尚、後述するように、全ての保留表示が星マークの表示態様になる場合もある(図49参照)。
図30は、図29に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(S821)。変動パターン指定コマンドは、特別図柄プロセス処理において変動開始時に決定される変動パターンを指定するコマンドであり、図8に示す変動パターンのうちのいずれの変動パターンを実行するかを指定するためのコマンドである。
次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S822)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、この実施例では、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りAに該当する表示結果2指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が奇数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りB或いは小当りに該当する表示結果3〜8指定コマンドである場合においては、停止図柄として、予めチャンス目として設定されている図柄の複数の組合せ(例えば「135」、「334」、「787」…などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが、はずれに該当する表示結果1指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(はずれ図柄)を決定する。尚、演出図柄の組合の中には、はずれ図柄並びにチャンス目の双方に含まれるものが存在し、小当りの場合とはずれの場合とで同一の停止図柄となる場合が存在する。
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。よって、確変大当りBと小当りにおいては、同一の停止図柄が決定される場合があり得る。
次いで、演出制御用CPU120は、図31に示す予告決定処理を実施して、当該変動表示において予告演出を実行するか否かを決定する(S823)。尚、本実施例では、予告決定処理において、後述するようにキャラクタが登場するキャラクタ予告演出のみを決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの予告演出として、キャラクタ予告演出以外のその他の態様の予告演出、例えば、予告画像が段階的に変化するステップアップ予告や、所定のキャラクタの一群が表示領域を横切る群予告等の実行を決定するようにしても良く、これら異なる態様の予告演出を決定する場合には、予告演出を開始するタイミングが予告演出の態様に応じて異なるので、後述する予告演出開始待ちタイマに、予告演出の態様に応じた異なる期間を設定すれば良い。
本実施例の予告決定処理において演出制御用CPU120は、まず、変動表示結果と変動パターンとを特定する(S831)。変動表示結果は、変動開始時において主基板31から送信される変動表示結果(はずれ、確変大当りA、確変大当りB、小当り)を指定するための表示結果指定コマンドを格納するための表示結果指定コマンド格納領域に記憶されている表示結果指定コマンドにより特定することができる。また、変動パターンは、前述したように、変動パターン指定コマンド格納領域に記憶されている変動パターン指定コマンドにて特定できる。尚、本実施例では、予告演出の対象が、大当り(確変大当りA、確変大当りB)、スーパーリーチA〜Cであるので、具体的には、変動表示結果が大当り(確変大当りA、確変大当りB)であるのか否かを表示結果指定コマンドにより特定し、変動パターンがスーパーリーチA〜Cであるのか否かを変動パターン指定コマンドにて特定すれば良い。
そして、予告決定用乱数を抽出するとともに、図32に示す予告演出種別決定用テーブルを用いて予告演出の実行の有無と、実行する場合の予告演出の種別とを決定する(SS832)。
尚、本実施例では、予告決定用乱数は、1〜100の範囲の乱数とされていて1〜100の範囲のいずれかの値が抽出される。つまり、予告決定用乱数の判定値数の1〜100の範囲の100個とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら予告決定用乱数の範囲等は適宜に決定すれば良い。また、これら予告決定用乱数を生成するための予告決定用乱数カウンタがRAM121に設定されており、該予告決定用乱数カウンタが乱数更新処理にてタイマ割込毎に更新される。
本実施例の予告演出種別決定用テーブルは、図32に示すように、予告演出に対応する予告演出種別決定用テーブルから構成されている。
尚、本実施例では、予告演出として、白いマスクとパンツをまとったキャラクタKが登場する予告演出A(図47(B2)参照)と、赤いマスクとパンツをまとったキャラクタKが登場する予告演出B(図47(B3)参照)が実行可能とされている。
そして、各予告演出A〜Bに対しては、各予告演出A〜Bが実行されることに対して付与される経験値が、図32に示すように設定されている。尚、この経験値は、予告演出が実行されるときに、ミニキャラ表示部18aに表示されている各ミニキャラA〜Fの経験値として付与される。例えば、ミニキャラAを遊技者が選択して表示中である場合には、遊技履歴テーブル(図17参照)のミニキャラAの経験値に対応付けて格納される経験値に加算される。
また、予告演出Aの実行には「5」の経験値が付与され、予告演出Bの実行には「20」の経験値が付与される。つまり、白系のキャラクタKによる予告演出Aよりも、赤系のキャラクタKによる予告演出Bが実行されたときの方が、付与される経験値が大きくなるように設定されている。尚、これら各予告演出A〜Bに対応する経験値の加算は、後述するように、予告演出の終了時において、遊技履歴テーブルの「現状データ」の経験値に加算されるようにしている。
予告演出種別決定用テーブルにおいては、図32に示すように、「予告演出A」、「予告演出B」、「予告なし」のそれぞれに対して、変動表示結果が大当りとなる場合、変動パターンがスーパーリーチCはずれである場合、変動パターンがスーパーリーチA,Bはずれである場合、のそれぞれに異なる判定値が、図32に示す判定値数となるように、割り当てられている。
具体的には、変動表示結果が大当りとなる場合については、「予告演出A」に対して25個の判定値が割り当てられ、「予告演出B」に対して65個の判定値が割り当てられ、「予告なし」に対して10個の判定値が割り当てられている。また、変動パターンがスーパーリーチCはずれである場合については、「予告演出A」に対して60個の判定値が割り当てられ、「予告演出B」に対して20個の判定値が割り当てられ、「予告なし」に対して20個の判定値が割り当てられている。また、変動パターンがスーパーリーチA,Bはずれである場合については、「予告演出A」に対して35個の判定値が割り当てられ、「予告演出B」に対して35個の判定値が割り当てられ、「予告なし」に対して30個の判定値が割り当てられている。
このように判定値が割り当てられていることにより、当該変動表示において大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれとなる場合よりも予告演出が実行され易くなるとともに、赤系の演出である「予告演出B」が実行され易くなっている。また、プレミアム演出であり、ミッションクリアの対象であるスーパーリーチCはずれである場合については、白系の演出である「予告演出A」が実行され易くなっている。スーパーリーチA,Bはずれである場合については、「予告なし」が、大当りとなる場合やスーパーリーチCはずれの場合よりも決定されやすくなっている。
図32に示すように予告演出種別決定用テーブルが設定されていることにより、当該変動表示において大当りとなる場合には、スーパーリーチA〜Cはずれとなる場合に比較して、赤系の演出である「予告演出B」が決定され易くなるように設定されているとともに、スーパーリーチCはずれである場合については、その他のスーパーリーチA,Bはずれである場合よりも、白系の演出である「予告演出A」が決定され易くなるように設定されている一方、当該変動表示においてスーパーリーチA,Bはずれとなる場合には、いずれの次数の予告演出においても赤系の演出(「予告演出B」)と白系の演出(「予告演出A」)とが等しい割合で決定されることにより、大当りとなる場合やスーパーリーチCはずれとなる場合に比較して、同じ色系の予告演出が決定されにくいように設定されている。
図31に戻り、S833においては、S832において、いずれかの予告演出の実行を決定したか否か、つまり「予告演出A」〜「予告演出B」のいずれかを決定したか否かを判定する。
「予告演出A」〜「予告演出B」のいずれの予告演出も決定していない場合、つまり、「予告なし」を決定した場合には、当該予告決定処理を終了する一方、「予告演出A」〜「予告演出B」のいずれかを決定した場合には、S834に進んで、決定した予告演出の種別をRAM121の所定領域に記憶する。尚、この場合、「予告なし」が記憶される場合があり得る。
そして、S835に進んで、予告実行決定フラグをセットした後、当該予告決定処理を終了する。
図30に戻り、S823の予告決定処理の後に演出制御用CPU120は、予告実行決定フラグがセットされているか否か、つまり、S823の予告決定処理において「予告演出A」〜「予告演出B」のいずれかの予告演出が決定されたか否かを判定する。
予告実行決定フラグがセットされている場合には、S824aに進んで、予告演出開始待ちタイマに、予告演出開始までの期間として本実施例の予告演出であるキャラクタ予告演出に対応する期間を設定し、予告実行決定フラグをクリアして(S824b)、S825に進み。一方、予告実行決定フラグがセットされていない場合には、S824a経由することなくS825に進む。
これら予告演出開始までの期間としては、本実施例では、キャラクタKが登場する予告演出が開始されるタイミングの前に、キャラクタKが登場することの前兆を示す演出(図示略)が実施され、該前兆を開始するタイミングが予告演出の開始タイミングとされているので、予告演出を開始するまでの期間よりも短い期間が設定され、これら予告演出の開始タイミングは、予告演出の開始から実行される予告演出のプロセステーブルに基づいて特定されて予告演出が開始されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら前兆の演出を予告演出において実施しない場合にあっては、予告演出の開始タイミングが予告演出の開始タイミングとなるので、予告演出の開始タイミングまでの期間を予告演出開始待ちタイマに設定すれば良い。
S825において演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S826)。
尚、プロセステーブルには、演出表示装置9の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのランプ制御実行データ、スピーカ27から出力する音の制御するための音制御実行データや、プッシュボタン516や操作レバー600の操作を制御するための操作制御実行データ等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27、操作部(プッシュボタン516、操作レバー600等))の制御を実行する(S827)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP262に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声制御基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
尚、この実施例では、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S828)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(S828+)。尚、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU120は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、VDP262がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置9に出力し、演出表示装置9が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S829)。
図33は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(S840A,S840B,S840C)。また、演出制御用CPU120は、予告演出開始待ちタイマがセットされている(予告演出を行うことに決定されている)か、または予告実行中フラグがセットされている(予告演出の実行中である)場合には(S841でYes)、図34に示す予告演出処理を実行する(S842)。予告実行決定フラグも予告実行中フラグもセットされていない場合には、S842の予告演出処理を実施することなく、S843に進む。
S843において演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(S844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S845)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S846)。
また、変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(S847)、演出制御用CPU120は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S848)。そのようにして、演出表示装置9において、演出図柄の変動制御が実現される。VDP262は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置9に出力する。そのようにして、演出表示装置9において、演出図柄の変動における背景画像、保留表示、キャラクタ画像および演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(S849)。
また、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(S850)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S852)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S851でY)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S852)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
尚、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、S843の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイムアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データやランプ制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。
図34は、予告演出処理の一例を示すフローチャートである。予告演出処理において、演出制御用CPU120は、予告実行中フラグがセットされているか否か、つまり、予告演出が開始されている場合であるか否かを判定する。
予告実行中フラグがセットされていない場合には、予告演出開始待ちタイマのタイマ値が1以上か否かを判定する(S501+)。ここで、予告演出開始待ちタイマのタイマ値が1以上である場合には、S502に進む。一方、予告演出開始待ちタイマのタイマ値が1以上でない場合には、処理を終了する。
S502において、演出制御用CPU120は、予告演出開始待ちタイマの値を−1する。尚、予告演出開始待ちタイマは、演出図柄変動開始処理において、予告演出を行うことに決定されたときに、プロセステーブルの選択においてセットされる(図30におけるS824a参照)。予告演出開始待ちタイマがタイムアウトしていなければ(S503;No)、処理を終了する。予告演出開始待ちタイマがタイムアウトしている場合、つまり、予告演出の開始タイミングである場合には(S503;Yes)、S511に移行する。
S511では、演出制御用CPU120は、予告演出の実行中であることを示す予告実行中フラグをセットする。また、予告演出に該当する予告演出期間に相当する値を予告期間タイマにセットする(S513)。
次いで、演出制御用CPU120は、実行する予告演出(予告演出A〜予告演出B)に対応した予告演出プロセステーブルを読み出して選択した後(S515)、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1における予告プロセスタイマをスタートさせる(S517)。尚、本実施例では、各予告演出(予告演出A〜予告演出B)の全ての組み合わせに対応する予告演出プロセステーブルが、予めROM122に記憶されている。
そして演出制御用CPU120は、選択した予告演出プロセステーブルの最初のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種装飾LED25および演出用部品としてのスピーカ27、プッシュボタン516、操作レバー600)の制御を開始する(S518)。
予告実行中フラグがセットされている場合には、図35のS520に進んで、予告演出プロセステーブルに基づいて予告演出の開始タイミングであるか否かを判定し、予告演出の開始タイミングでない場合には、S523に進んで、予告演出プロセステーブルに基づいて予告演出の終了タイミングであるか否かを判定し、第1次予告演出の終了タイミングでない場合には、S525に進む。
つまり、図35の処理においては、予告演出の開始タイミングと終了タイミングとを予告演出プロセステーブルに基づいて判定し、各タイミングに対応した処理を実行する。
具体的には、図35に示すように、予告演出の開始タイミングである場合には、S520でYesと判定されてS521に進み、予告演出の種別(予告演出Aまたは予告演出B)が記憶されているか否かを判定する。
予告演出の種別(予告演出Aまたは予告演出B)が記憶されている場合には、S522に進んで記憶されている種別(予告演出Aまたは予告演出B)の演出を、予告演出プロセステーブルに基づいて開始する。一方、予告演出の種別(予告演出Aまたは予告演出B)が記憶されていない場合、つまり、予告演出について「予告なし」が記憶されている場合には、S522を経由することなくS523に進む。尚、本実施例では、S521でNoの場合に、S523に進むようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、S525に進むようにしても良い。
また、予告演出の終了タイミングである場合には、S523でYesと判定されてS524に進み、実行中の予告演出を終了してS525に進む。
次に、S525において演出制御用CPU120は、予告演出のプロセスを変更するための予告プロセスタイマの値を−1する。そして、予告演出期間の終了を計時するための予告期間タイマの値を−1する(S526)。予告期間タイマがタイムアウト(値が0になる)した場合には(S527;Yes)、予告実行中フラグをクリアして予告演出を終了し(S532)、携帯連動モードフラグがセットされているか否かを判定する(S533)。ここで、携帯連動モードフラグがセットされていない場合には(S533;No)、当該処理を終了する。一方、携帯連動モードフラグがセットされている場合には(S533;Yes)、予告演出の種別に基づいて付加される経験値を特定し(S534)、該特定した経験値を、遊技履歴テーブル(図17参照)におけるミニキャラの経験値に加算する更新処理を実行する(S535)。尚、遊技履歴テーブルの経験値に加算されるミニキャラは、前述したミニキャラ選択受付け処理において遊技者から受け付けて、ミニキャラ表示部18aに表示されているミニキャラとなっている。
次いで、S537に進み、演出制御用CPU120は、ミニキャラ取得条件が成立したか否かを判定する。本実施例における通常ミニキャラA〜Eは、所定の取得条件を満たすことで、遊技者が選択してミニキャラ表示部18aに表示できるようになっている。例えば、図39に示すように、ミニキャラA及びBは、初期設定で遊技者が取得(選択)できる。ミニキャラC〜Eは、取得条件1または取得条件2を満たすことで、遊技者が取得(選択)できる。例えば、ミニキャラCは、変動回数を500回達成するか、取得済みのいずれかのミニキャラのレベルが1になることで、遊技者が取得(選択)できる。ミニキャラDは、変動回数を750回達成するか、取得済みのいずれかのミニキャラのレベルが7になることで、遊技者が取得(選択)できる。ミニキャラEは、変動回数を1000回達成するか、取得済みのいずれかのミニキャラのレベルが77になることで、遊技者が取得(選択)できる。このように、本実施例では、各ミニキャラA〜Eに対応してそれぞれの取得条件が異なっている。尚、特別ミニキャラFは、遊技者が取得(選択)できないミニキャラとなっている。
そして、S537において演出制御用CPU120は、遊技履歴テーブル(図17参照)を参照し、取得済みのミニキャラに対応するレベルが取得条件2(図39参照)のいずれかを満たすか否か、即ち新しく取得条件を満たすミニキャラがあるか否かを判定する(S537)。新しく取得条件を満たすミニキャラがない場合には(S537;No)、当該予告演出処理を終了する。一方、新しく取得条件を満たすミニキャラがある場合には(S537;Yes)、新規ミニキャラ案内表示出力フラグをセットし(S538)、当該予告演出処理を終了する。
前述のS527において演出制御用CPU120は、予告期間タイマがタイムアウトしていない場合(S527;No)には、演出制御用CPU120は、予告プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(S528)。予告プロセスタイマがタイムアウトしていたら、予告演出の予告プロセスデータの切り替えを行う(S529)。すなわち、予告演出プロセステーブルにおける次に設定されている予告プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S530)。また、その次に設定されている予告演出プロセスデータに含まれる表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データ、入力制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更し(S531)、当該予告演出処理を終了する。
このように予告演出処理が実施されることによる予告演出の態様について、図47を用いて説明すると、先ず、図47(A)に示すように、保留記憶を消費することで演出表示装置9の表示画面において演出図柄の変動が開始される。そして、予告演出が開始されて、図示しない前兆演出が実施された後、予告演出の開始タイミングとなると、予告演出の種別として予告演出Aが決定されて記憶されている場合には、図47(B2)に示すように、白のマスクとパンツとをまとったキャラクタKが登場する演出が、予告演出の終了タイミングまで実行される。また、次予告演出の種別として予告演出Bが決定されて記憶されている場合には、図47(B3)に示すように、赤のマスクとパンツとをまとったキャラクタKが登場する演出が、予告演出の終了タイミングまで実行される(図47(C)参照)。尚、予告演出の種別が記憶されていない場合(「予告なし」の場合)には、図47(B1)に示すように、キャラクタKが登場する演出が実施されずに、演出図柄の変動が継続して実行される。
尚、図47(B2)並びに図47(B3)には示していないが、白のマスクとパンツとをまとったキャラクタKの場合(予告演出Aの場合)には、経験値として「経験値5獲得」が表示され、赤のマスクとパンツとをまとったキャラクタKの場合(予告演出Bの場合)には、経験値として「経験値20獲得」が表示されることで、当該予告演出の実行によって獲得(付与)される経験値が報知されることがある。そして、前述したように、遊技履歴テーブル(図17参照)におけるミニキャラの経験値に加算する更新処理が実行されることで、当該獲得された経験値は、演出表示装置9に表示中のミニキャラAの経験値として付与される。
次に、演出図柄変動停止処理を図36に基づいて説明する。図36は、図29の演出制御プロセス処理におけるS803の演出図柄変動停止処理の処理内容を示すフロー図である。
演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU120は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S861)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをクリアし(S862)、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(S863)。
次いで、記憶されている予告演出の種別を消去した後、停止図柄の表示期間に相当する停止表示タイマに、停止表示時間(例えば、3秒)に対応するカウント値をセットしてタイマカウントをスタートさせ(S864)、当該演出図柄変動停止処理を終了する。
一方、確定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、S861にてNoと判定されてS870に進み、S869にてセットされた停止表示タイマのタイマカウント中であるか否かを判定する。タイマカウント中でない場合には、当該演出図柄変動停止処理を終了する。タイマカウント中である場合には、S871に進んで、停止表示タイマを−1した後、マイナス後の停止表示タイマがタイマアップ(カウンタが0)したか否かを判定する(S872)。
ここで、停止表示タイマがタイマアップしていない場合には、当該演出図柄変動停止処理を終了することで、S863で表示された停止図柄の表示が継続される。一方、停止表示タイマがタイマアップしている場合には、S873に進んで、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認する。大当りまたは小当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認できる。尚、この実施例では、演出図柄表示結果格納領域に格納されている停止図柄のデータによっても、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新し(S881)、当該演出図柄変動停止処理を終了する。大当りまたは小当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を当り表示処理(S804)に応じた値に更新し(S874)、S875に進む。
S875において演出制御用CPU120は、パスワードの入力の選択による携帯連動モードフラグがセットされているか否かを判定する。ここで、携帯連動モードフラグがセットされていない場合には、当該演出図柄変動停止処理を終了する。一方、携帯連動モードフラグがセットされている場合には、S876に進んで、導出表示された停止図柄が「777」となる7図柄大当りの図柄であるか否かを判定する。ここで、7図柄大当りの図柄でない場合には、S879に進む。一方、7図柄大当りの図柄である場合には、獲得特典画像表示フラグをセットし(S877)、S879に進む。
S879において演出制御用CPU120は、遊技履歴テーブル(図17参照)を参照し、現状データに対応する総始動回数の項目に格納されている値、つまり現状データにおける変動回数が、ミニキャラの取得条件1(図39参照)のいずれかを満たすか否かを判定する。具体的には、変動回数が500回を達成していればミニキャラCを取得でき、変動回数が750回を達成していればミニキャラDを取得でき、変動回数が1000回を達成していればミニキャラDを取得できる。
尚、本実施例では、大当りまたは小当りとすることに決定されている場合に進むS879において、演出制御用CPU120は、ミニキャラの取得条件1のいずれかを満たすか否かを判定するようになっているが、大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合、つまりはずれが決定されている場合であっても、演出制御用CPU120は、ミニキャラの取得条件1のいずれかを満たすか否かを判定し、ミニキャラの取得条件1を満たせば新規ミニキャラを取得できるようにしてもよい。
ここで、新しく取得条件を満たすミニキャラがない場合には(S879;No)、当該演出図柄変動停止処理を終了する。一方、新しく取得条件を満たすミニキャラがある場合には(S879;Yes)、新規ミニキャラ案内表示出力フラグをセットし(S880)、当該演出図柄変動停止処理を終了する。
尚、この実施例では、演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、演出図柄(飾り図柄)の変動(変動表示)を終了させる(S861,S863参照)。しかし、受信した変動パターン指定コマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、演出図柄(飾り図柄)の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
次に、当り表示処理を図37〜図38に基づいて説明する。図38(A)は、演出制御基板80の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図42に示すように、本実施例では、演出制御基板80の側において、付与特典画像決定用の乱数値SR0を示す数値データが、カウント可能に制御される。また、付与特典画像決定用乱数を生成するための乱数カウンタがRAM121に設定されており、前述した乱数更新処理にてタイマ割込毎に更新される。
図37は、図29の演出制御プロセス処理におけるS804の当り表示処理の処理内容を示すフロー図である。当り表示処理において、演出制御用CPU120は、当り画面表示中タイマがカウント中であるか否かを判定する(S885)。ここで、当り画面表示中タイマがカウント中である場合には(S885;Yes)、S893に進む。一方、当り画面表示中タイマがカウント中でない場合には(S885;No)、S886に進む。
S886において演出制御用CPU120は、確変大当りA開始指定コマンド、確変大当りB指定コマンド、または小当り開始指定コマンドのいずれかを受信したか否かを判定する。ここで、いずれの当り開始指定コマンドも受信していない場合には(S886;No)、当該当り表示処理を終了する。いずれかの当り開始指定コマンドを受信した場合には(S886;Yes)、S887に進む。
S887において演出制御用CPU120は、獲得特典画像表示フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、獲得特典画像表示フラグがセットされていない場合には(S887;No)、S892に進んで、当り画面を演出表示装置9に表示し、当該当り表示処理を終了する。獲得特典画像表示フラグがセットされている場合には(S887;Yes)、S888に進む。
S888において演出制御用CPU120は、獲得特典画像表示フラグをクリアする。次いで、演出制御用CPU120は、遊技履歴テーブル(図17参照)に格納された出力済み特典画像IDと、付与特典画像決定テーブル(図38(B)参照)とに基づいて、出力すべき獲得特典画像の特典画像IDを特定する(S889)。
このS889における獲得特典画像の出力までの処理内容を詳述する。本実施例では、付与特典画像決定用テーブルが予めROM122に記憶されている。この付与特典画像決定用テーブルには、図38(B)に示すように、各特典画像IDに対応付けて判定値が割り当てられている。そして、判定値の割り当てパターンには、特典画像IDのP001からP010まで昇順で判定値が小さくなっていく第1設定と、P001からP010まで昇順で判定値が大きくなっていく第2設定との2種類の割り当てパターンがある。例えば、前述した第1設定になっている場合には、判定値(決定割合)が最も大きい(19/100)P001の特典画像IDが決定され易く、判定値(決定割合)が最も小さい(1/100)P010の特典画像IDが決定され難くなっている。また、第2設定になっている場合には、判定値(決定割合)が最も大きい(19/100)P010の特典画像IDが決定され易く、判定値(決定割合)が最も小さい(1/100)P001の特典画像IDが決定され難くなっている。
尚、本実施例では、理解を助けるために付与される特典画像を10種類としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、それ以外の数の種類、例えば100種類の特典画像を付与するものであってもよい。
演出制御用CPU120は、付与特典画像決定用の乱数値SR0を抽出するとともに、当該乱数値SR0と図38(B)に示す付与特典画像決定用テーブルとに基づき出力する特典画像の特典画像IDを決定する。尚、本実施例では、付与特典画像決定用の乱数値SR0は、1〜100の範囲の乱数とされていて1〜100の範囲のいずれかの値が抽出される。更に尚、乱数値SR0は、付与特典画像決定用乱数の判定値数の1〜100の範囲の100個とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら付与特典画像決定用乱数の範囲等は適宜に決定すれば良い。
ここで、演出制御用CPU120は、決定した特典画像IDが既に出力済み特典画像IDとして遊技履歴テーブル(図17参照)に登録されている場合には、再度特典画像IDを決定する処理を行い、未だ出力されていない特典画像IDが決定されるまで当該処理を繰り返す。このようにすることで、遊技者が既に獲得した特典画像が繰り返し付与されてしまうことを防止できる。
尚、本実施例では、未だ出力されていない特典画像IDが決定されるまで当該処理を繰り返すようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、付与特典画像決定テーブルにおいて、1の特典画像IDが決定された場合には、次の決定処理において、既に決定された特典画像ID以外の他の特典画像IDの判定値を生成し直し、他の特定画像IDのみを用いて付与される特典画像IDを決定するようにしてもよい。また、特典画像IDの判定値を生成し直すときも、各設定によって取得しやすい特典画像を異ならせるようにしてもよい。更に、予め各組み合わせの抽選テーブルを用意しておいてもよい。
また、本実施例では、停止図柄が「777」となる7図柄大当り画面が表示される際に、遊技において獲得できる特典として特典画像及び特典画像を取得(ダウンロード)するための2次元コードが出力されるようになっている。尚、本実施例では、7図柄大当り画面の表示と同時に1枚の特典画像が表示される(図52(D)参照)。また、遊技者は、管理サーバ900を介してダウンロードした特典画像を携帯端末901の待ち受け画面や壁紙等にして用いることができる。
多数の特典画像がある場合に、全ての特典画像を獲得するためには、少なくとも特典画像の数と同じ回数の7図柄大当り画面を表示させる必要があり、例えば、10種類の特典画像がある場合には、7図柄大当り画面を少なくとも10回表示させる必要があり、100種類の特典画像がある場合には、7図柄大当り画面を少なくとも100回表示させる必要がある。ここで、特典画像IDをランダムに抽出してしまうと、多数回の遊技を行っても遊技者が入手し難い特典画像が生じてしまうことがあるため、本実施例では、各特典画像IDの判定値に偏りのある付与特典画像決定用テーブルを設け、更に、第1設定と第2設定とにより判定値が切り替わるようにすることで、遊技者が全ての特典画像を獲得し易いようにしている。
尚、本実施例では、パチンコ遊技機1に電源が投入されるときに、付与特典画像決定用テーブルが第1設定または第2設定のいずれかに決定されるようになっており(図22のサブCPUメイン処理のSs13c参照)、主に遊技場の開店時の電源投入時に、第1設定または第2設定が切り替わるようになっている。
図37に戻り、演出制御用CPU120は、当該特定画像IDから特定される特典画像と、遊技者が携帯端末901を用いて管理サーバ900にアクセスして当該特典画像の取得(ダウンロード)等を行うために必要なURL等の情報等を含んだ2次元コードとを含む当り画面を演出表示装置9に表示する(S890)。尚、演出制御用CPU120は、当該当り画面にて出力した特定画像の特典画像IDを出力済み特典画像IDとして遊技履歴テーブル(図17参照)に格納する。
更に尚、本実施例では、当り画面において特典画像と該特典画像に対応する2次元コードが出力されるようになっているが、当り画面では、特典画像と2次元コードを出力せずに、遊技終了操作が行われたときに、当該パチンコ遊技機1において獲得した全ての特典画像と該特典画像に対応する2次元コードとを出力するようにしてもよい。また、当り画面における2次元コードの出力と遊技終了操作が行われたときの2次元コードの出力とのいずれか一方のみを表示するようにしてもよい。
S891において演出制御用CPU120は、当り画面表示中タイマに、出力した当り画面の表示時間に対応するカウント値をセットしてタイマカウントをスタートし、当該当り表示処理を終了する。
前述したS885において当り画面表示中タイマがカウント中である場合に進むS893では、演出制御用CPU120は、当り画面表示中タイマを1減算し、当り画面表示中タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S894)。ここで、当り画面表示中タイマがタイマアウトしていない場合には(S894;No)、当該当り表示処理を終了する。一方、当り画面表示中タイマがタイマアウトした場合には(S894;Yes)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(図29のS806参照)に応じた値に更新し(S895)、当該当り表示処理を終了する。
次に、補助演出制御処理を図40〜図45に基づいて説明する。図42は、演出制御基板80の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図42に示すように、本実施例では、演出制御基板80の側において、セリフ演出実行決定用の乱数値SR1、セリフパターン決定用の乱数値SR2、保留表示変更演出実行決定用の乱数値SR3、特別ミニキャラ出現決定用の乱数値SR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。また、これらセリフ演出実行決定用乱数、保留表示変更演出実行決定用乱数、特別ミニキャラ出現決定用乱数を生成するための乱数カウンタがRAM121に設定されており、前述した乱数更新処理にてタイマ割込毎に更新される。
図40は、図23のサブCPUタイマ割込処理におけるSs41の補助演出制御処理の処理内容を示すフロー図である。補助演出制御処理において、演出制御用CPU120は、補助演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S900)。ここで、補助演出実行中フラグがセットされている場合には(S900;Yes)、S930に進む。一方、補助演出実行中フラグがセットされていない場合には(S900;No)、S901に進む。
S901において演出制御用CPU120は、デモ画面が表示中であるか否かを判定する。ここで、デモ画面が表示中である場合には(S901;Yes)、当該補助演出制御処理を終了する。一方、デモ画面が表示中でない場合には(S901;No)、S902に進む。
S902において演出制御用CPU120は、大当り演出またはリーチ演出期間であるか否かを判定する。大当り演出またはリーチ演出期間である場合は(S902;Yes)、該補助演出制御処理を終了する。一方、大当り演出またはリーチ演出期間でない場合は(S902;No)、S902+に進む。
S902+において演出制御用CPU120は、遊技履歴テーブルを参照して選択中のミニキャラがあるか否かを判定する。ここで、選択中のミニキャラがない場合には(S902+;No)、該補助演出制御処理を終了する。一方、選択中のミニキャラがある場合には(S902+;Yes)、S903に進む。
S903において演出制御用CPU120は、前述したミニキャラ選択受付け画面(図56(B)参照)において遊技者が選択し、該選択中のミニキャラ(A〜E)を演出表示装置9におけるミニキャラ表示部18aに表示する。尚、各ミニキャラ(A〜E)のデフォルトの表示態様となる基本表示データが予めROM122に記憶されており、この基本表示データの内容でミニキャラが表示される。本実施例では、ミニキャラAが選択されているものとして以下に説明する。また、演出制御用CPU120は、遊技履歴テーブル(図17参照)に基づいて、表示中のミニキャラAのレベル及び経験値を、当該ミニキャラAの近傍に表示する(図48(A)参照)。
次いで、演出制御用CPU120は、第1始動口入賞指定コマンドの受信があるか否かを判定する(S904)。ここで、第1始動口入賞指定コマンドの受信がない場合には(S904;No)、該補助演出制御処理を終了する。一方、第1始動口入賞指定コマンドの受信がある場合には(S904;Yes)、S905に進む。
S905において演出制御用CPU120は、時短フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、時短フラグがセットされている場合には(S905;Yes)、該補助演出制御処理を終了する。一方、時短フラグがセットされていない場合には(S905;No)、S906に進む。尚、本実施例では、第1始動入賞口への始動入賞があったとき、かつ時短フラグがセットされていない低ベース状態であるときに、保留表示変更演出(先読み演出)を実行するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2始動入賞口への始動入賞があったときに保留表示変更演出(先読み演出)を実行するようにしてもよいし、高ベース状態のときに保留表示変更演出(先読み演出)を実行してもよいし、高ベース状態中に第2始動入賞口への始動入賞があったときに保留表示変更演出(先読み演出)を実行するようにしてもよい。
S906において演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ(図16(B)参照)における各保留記憶のバッファ番号に対応する変動カテゴリコマンドを参照し、新たな始動入賞の保留記憶のバッファ番号に対応して、スーパーリーチの変動カテゴリコマンドが記憶されているか否かを判定する。ここで、スーパーリーチの変動カテゴリコマンドが記憶されていない場合には(S906;No)、S909に進む。スーパーリーチの変動カテゴリコマンドが記憶されている場合には(S906;Yes)、S907に進む。尚、本実施例では、新たな始動入賞の保留記憶のバッファ番号に対応して、スーパーリーチの変動カテゴリコマンドが記憶されているか否かを判定するようにしているが、保留記憶のいずれかのバッファ番号に対応して、スーパーリーチの変動カテゴリコマンドが記憶されているか否かを判定するようにしてもよい。
S907において演出制御用CPU120は、スーパーリーチの変動カテゴリコマンドが記憶されているバッファ番号に対応する保留表示を、保留表示変更演出の対象として特定し、S908に進む。
S908において演出制御用CPU120は、図48(C)または図49(C)に示すように、ミニキャラA〜Fが保留表示の表示態様を丸マークから星マークに変更する演出である保留表示変更演出を実行するか否かを判定する。
当該判定では、演出制御用CPU120は、保留表示変更演出実行決定用の乱数値SR3を抽出するとともに、該乱数値SR3と図43に示す保留表示変更演出実行決定テーブルとに基づき保留表示変更演出の実行の有無を決定する。尚、本実施例では、保留表示変更演出実行決定用の乱数値SR3は、1〜100の範囲の乱数とされていて1〜100の範囲のいずれかの値が抽出される。更に尚、乱数値SR3は、保留表示変更演出実行決定用乱数の判定値数の1〜100の範囲の100個とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら保留表示変更演出実行決定用乱数の範囲等は適宜に決定すれば良い。
また、本実施例の保留表示変更演出実行決定テーブルでは、図43に示すように、変動パターンが「スーパーリーチ(はずれ)」の項目に対応付けて、「保留表示変更演出実行なし」に対して75個の判定値が割り当てられ、「保留表示変更演出実行あり」に対して25個の判定値が割り当てられている。また、変動パターンが「スーパーリーチ(大当り)」の項目に対応付けて、「保留表示変更演出実行なし」に対して0個の判定値が割り当てられ、「保留表示変更演出実行あり」に対して100個の判定値が割り当てられている。つまり、変動パターンが「スーパーリーチ(大当り)」である場合には、必ず保留表示変更演出が実行されるようになっている。ここで、保留表示変更演出を実行しない場合には(S908;No)、S909に進む。一方、保留表示変更演出を実行した場合には(S908;Yes)、S910aに進む。
S910aにおいて演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ(図16(B)参照)を参照し、第1特図保留記憶数が2以上であるか否かを判定する。ここで、第1特図保留記憶数が2以上でない場合には(S910a;No)、S915に進む。一方、第1特図保留記憶数が2以上である場合には(S910a;Yes)、ミニキャラAの表示を、遊技者が選択できない特別ミニキャラFの表示に変更するか否かを判定する(S910b)。
当該判定では、演出制御用CPU120は、特別ミニキャラ出現決定用の乱数値SR4を抽出するとともに、該乱数値SR4と図45に示す特別ミニキャラ出現決定テーブルとに基づき特別ミニキャラFの変更の有無を決定する。尚、本実施例では、特別ミニキャラ出現決定用の乱数値SR4は、1〜100の範囲の乱数とされていて1〜100の範囲のいずれかの値が抽出される。更に尚、乱数値SR4は、特別ミニキャラ出現決定用乱数の判定値数の1〜100の範囲の100個とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら特別ミニキャラ出現決定用乱数の範囲等は適宜に決定すれば良い。
更に、本実施例の特別ミニキャラ出現決定テーブルでは、図45に示すように、「特別ミニキャラ出現なし」の項目に対応付けて90個の判定値が割り当てられ、「特別ミニキャラ出現あり」の項目に対応付けて10個の判定値が割り当てられている。ここで、特別ミニキャラFの表示に変更する場合は(S910b;Yes)、S911に進む。一方、特別ミニキャラFの表示に変更しない場合は(S910b;No)、S915に進む。
S911において演出制御用CPU120は、演出表示装置9におけるミニキャラ表示部18aに表示中のミニキャラAを特別ミニキャラFの表示に変更する(図49参照)。尚、特別ミニキャラFの表示とは、実際にミニキャラ表示部18aに表示する処理のみならず、ミニキャラ表示部18aに表示される設定のミニキャラを、遊技者が選択したミニキャラAから特別ミニキャラFに変更する処理を含む。当該変更後にS915に進む。
S915において演出制御用CPU120は、表示中のミニキャラに対応する保留表示変更演出を決定し、S917に進む。尚、演出制御用CPU120は、S915にて表示中のミニキャラに対応する保留表示変更演出を決定するときに、保留表示の個数や、第1特図保留記憶の保留表示によってそれぞれ異なる演出パターンであって、対象となっている保留表示に対応する演出パターンを決定する。
また、前述のS907がNoの場合、またはS908がNoの場合に進むS909において、演出制御用CPU120は、演出表示装置9に表示中のミニキャラAが遊技に関する説明をセリフを用いて行うセリフ演出を行うか否かを判定する。
当該判定では、演出制御用CPU120は、セリフ演出実行決定用の乱数値SR1を抽出するとともに、該乱数値SR1と図44(A)に示すセリフ演出実行決定テーブルとに基づきセリフ演出の実行の有無を決定する。尚、本実施例では、セリフ演出実行決定用の乱数値SR1は、1〜100の範囲の乱数とされていて1〜100の範囲のいずれかの値が抽出される。更に尚、乱数値SR1は、セリフ演出実行決定用乱数の判定値数の1〜100の範囲の100個とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらセリフ演出実行決定用乱数の範囲等は適宜に決定すれば良い。
また、本実施例のセリフ演出実行決定テーブルでは、図44(A)に示すように、「セリフ演出実行なし」の項目に対応付けて99個の判定値が割り当てられ、「セリフ演出実行あり」の項目に対応付けて1個の判定値が割り当てられている。
ここで、セリフ演出を行わない場合は(S909;No)、該補助演出制御処理を終了する。一方、セリフ演出を行う場合は(S909;Yes)、S916に進む。
S916において演出制御用CPU120は、複数のセリフパターンから実行するセリフ演出に用いるセリフパターンをランダムに決定する。当該決定では、演出制御用CPU120は、セリフパターン決定用の乱数値SR2を抽出するとともに、該乱数値SR2と図44(B)に示すセリフパターン決定テーブルとに基づき、いずれのセリフパターンを用いてセリフ演出を行うかを決定する。尚、本実施例では、セリフパターン決定用の乱数値SR2は、1〜100の範囲の乱数とされていて1〜100の範囲のいずれかの値が抽出される。更に尚、乱数値SR2は、セリフパターン決定用乱数の判定値数の1〜100の範囲の100個とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらセリフパターン決定用乱数の範囲等は適宜に決定すれば良い。
また、本実施例のセリフパターン決定テーブルでは、図44(B)に示すように、各セリフパターン、例えば、「保留表示が星に変わるとアツイぞ!!」や「保留表示が変わるかも」や「チャンス!」などが記憶されており、各セリフパターンに対応付けて、共通の判定値(5個)が割り当てられている。つまりいずれのセリフパターンも同一確率で決定されるようになっている。尚、本実施例では、ランダムにセリフパターンが決定されるようになっているが、パチンコ遊技機1の遊技状態や保留記憶に対応する変動パターンに応じて、セリフパターンの判定値を変更するようにしてもよい。
ここで、演出制御用CPU120は、複数のセリフパターンから実行するセリフ演出に用いるセリフパターンをランダムに決定し、当該決定されたセリフ演出を決定し、S917に進む。
尚、本実施例では、セリフパターンをランダムに決定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、前述したS906において保留記憶のいずれかのバッファ番号に対応してスーパーリーチの変動カテゴリコマンドが記憶されている場合に、そのことを示唆するセリフパターンを決定するようにしてもよいし、当該変動の抽選結果に基づいてセリフパターンを決定するようにしてもよい。
S917において演出制御用CPU120は、補助演出実行中フラグをセットし、前述のS915で決定された保留表示変更演出(補助演出)、またはS916で決定されたセリフ演出(補助演出)に対応した補助演出プロセステーブルを読み出して選択した後(S918)、当該補助演出に該当する補助演出実行期間に相当する値を補助演出期間タイマにセットする(S919)。尚、本実施例では、各補助演出に対応する予告演出プロセステーブルが、予めROM122に記憶されている。
次いで、演出制御用CPU120は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1における予告プロセスタイマをスタートさせる(S920)。そして、演出制御用CPU120は、選択した補助演出プロセステーブルの最初のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種装飾LED25および演出用部品としてのスピーカ27、プッシュボタン516、操作レバー600)の制御を開始する(S921)。
前述のS900において補助演出実行中フラグがセットされている場合に進むS930では、図41に示すように、演出制御用CPU120は、大当り演出またはリーチ演出期間であるか否かを判定する。大当り演出またはリーチ演出期間である場合は(S930;Yes)、補助演出実行中フラグをクリアして補助演出を終了(中止)し(S942)、該補助演出制御処理を終了する。一方、大当り演出またはリーチ演出期間でない場合は(S930;No)、S931に進む。
S931において演出制御用CPU120は、補助演出のプロセスを変更するための補助演出プロセスタイマの値を−1する。そして、補助演出期間の終了を計時するための補助演出期間タイマの値を−1する(S932)。
次いで、演出制御用CPU120は、補助演出期間タイマがタイムアウト(値が0になる)したか否かを判定する(S933)。ここで、補助演出期間タイマがタイムアウト(値が0になる)した場合には(S933;Yes)、補助実行中フラグをクリアして補助演出を終了する(S532)。一方、補助演出期間タイマがタイムアウト(値が0になる)していない場合には(S933;No)、S934に進む。
次いで、演出制御用CPU120は、補助演出プロセスタイマがタイムアウトしたか否か判定する(S934)。ここで、補助演出プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には(S934;No)、S937に進む。一方、補助演出プロセスタイマがタイムアウトしている場合には(S934;Yes)、補助演出のプロセスデータの切り替えを行い(S935)、補助演出プロセステーブルにおける次に設定されている予告プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S936)。
S937において演出制御用CPU120は、補助演出のプロセステーブルを参照し、保留表示の変更タイミングか否かを判定する。尚、各補助演出プロセステーブルには、各補助演出中に保留表示の表示態様を丸マークから星マークへ変更する(図48(C)及び図49(C)参照)。この変更タイミングは、該各補助演出の実行タイミングに該当するプロセスタイマ値に対応した制御データとして記述されている。尚、この変更タイミングは、例えば、保留表示変更演出において、表示中のミニキャラ(A〜F)が所定のアクションを実行したタイミングであって、あたかもミニキャラ(A〜F)が保留表示の表示態様を丸マークから星マークへ変更したかのように見えるタイミングが設定されている。ここで、保留表示の変更タイミングでない場合には(S937;No)、S941に進む。一方、保留表示の変更タイミングである場合には(S937;Yes)、S938に進む。
S938において演出制御用CPU120は、特別ミニキャラFがミニキャラ表示部18aに表示中か否かを判定する。ここで、特別ミニキャラFが表示中である場合には(S938;Yes)、始動入賞時受信コマンドバッファ(図16(B)参照)において、第1特図保留記憶の保留表示の全てのバッファ番号に対応付けられている保留表示変更フラグに「1」をセットする(S940)。一方、特別ミニキャラFが表示中でない場合には(S938;No)、始動入賞時受信コマンドバッファ(図16(B)参照)において、スーパーリーチの変動カテゴリコマンドが対応付けて記憶されているバッファ番号に対応付けられている保留表示変更フラグに「1」をセットする(S939)。
尚、S939またはS940にて保留表示変更フラグをセットされたバッファ番号に対応する保留表示は、前述した保留表示更新処理(図29参照)において、丸マーク(「○」)の保留表示に代えて、星マーク(「☆」)の保留表示に変更される処理が行われる。
S941において演出制御用CPU120は、次に設定されている補助演出プロセスデータに含まれる表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データ、入力制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更し、当該予告演出処理を終了する。
図46は、図23のサブCPUタイマ割込処理におけるSs42の新規ミニキャラ案内処理の処理内容を示すフロー図である。新規ミニキャラ案内処理において、演出制御用CPU120は、新規ミニキャラ案内表示出力フラグがセットされているか否かを判定する(St1)。ここで、新規ミニキャラ案内表示出力フラグがセットされていない場合には(St1;No)、当該新規ミニキャラ案内処理を終了する。一方、新規ミニキャラ案内表示出力フラグがセットされている場合には(St1;Yes)、新規ミニキャラ案内表示中タイマがカウント中か否かを判定する(St2)。
ここで、新規ミニキャラ案内表示中タイマがカウント中である場合には(St2;Yes)、St8に進む。一方、新規ミニキャラ案内表示中タイマがカウント中でない場合には(St2;No)、St3に進む。
St3において演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグが演出図柄変動中処理に対応する値であるか否かを判定する。ここで、演出制御プロセスフラグが演出図柄変動中処理に対応する値でない場合には(St3;No)、St5に進む。一方、演出制御プロセスフラグが演出図柄変動中処理に対応する値である場合には(St3;Yes)、St4に進む。次いで、St4において演出制御用CPU120は、リーチ演出期間であるか否かを判定する。
ここで、リーチ演出期間である場合には(St4;Yes)、演出制御プロセスフラグが演出図柄変動開始処理に対応する値であるか否かを判定し(St5)、演出制御プロセスフラグが演出図柄変動開始処理に対応する値でなければ、当該新規ミニキャラ案内処理を終了し、演出制御プロセスフラグが演出図柄変動開始処理に対応する値であれば、St6に進む。
一方、リーチ演出期間でない場合には(St4;No)、新規ミニキャラ案内(図50(B)または図51(D)参照)の表示を開始し(St6)、新規ミニキャラ案内表示中タイマに表示時間に対応するカウント値をセットしてタイマカウントをスタートし(St7)、当該新規ミニキャラ案内処理を終了する。
前述のSt2がYesの場合であるときに進むSt8において、演出制御用CPU120は、プッシュボタン516の操作があるか否かを判定する。ここで、プッシュボタン516の操作がない場合には(St8;No)、St9に進む。一方、プッシュボタン516の操作がある場合には(St8;Yes)、St13に進む。
St13において演出制御用CPU120は、ミニキャラ選択受付け処理を実行する。尚、このミニキャラ選択受付け処理では、図50(C)または図51(E)に示すミニキャラ選択受付け画面において、操作レバー600を操作することで、遊技者が希望するミニキャラを選択し、プッシュボタン516を操作することで、選択されたミニキャラが決定されるようになっている。そして、演出制御用CPU120は、選択されたミニキャラを演出表示装置9のミニキャラ表示部18aに表示し(St14)、St11に進む。
St9において演出制御用CPU120は、新規ミニキャラ案内表示中タイマを1減算し、新規ミニキャラ案内表示中タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(St10)。ここで、新規ミニキャラ案内表示中タイマがタイマアウトした場合には(St10;Yes)、St11に進む。一方、新規ミニキャラ案内表示中タイマがタイマアウトしていない場合には(St10;No)、新規ミニキャラ案内の表示を継続し、当該新規ミニキャラ案内処理を終了する。
St11において演出制御用CPU120は、新規ミニキャラ案内の表示を終了し、新規ミニキャラ案内表示出力フラグをクリアし(St12)、当該新規ミニキャラ案内処理を終了する。
尚、ミニキャラ選択受付け処理において図50(C)または図51(E)に示すミニキャラ選択受付け画面を表示中に、リーチ演出期間が開始されたら、遊技者が操作中であるか否かにかかわらず、ミニキャラ選択受付け処理及びミニキャラ選択受付け画面を強制的に終了するようにしてもよい。
以上のように各種処理が実施されることにより、本実施例では、図47から図52に示す演出、及び図53に示すような各タイミングで各処理が実施される。
本実施例の補助演出では、図48(A)に示すように、演出表示装置9のミニキャラ表示部18aに遊技者が選択したミニキャラAが表示される。このミニキャラAは、デモ画面の表示中、リーチ演出中、または大当り演出中以外のときに、演出表示装置9に表示され続けられるものであり、変動表示中及び非変動表示中であってもミニキャラAは表示される。
そして、このミニキャラAを用いてセリフ演出が実行される。このセリフ演出は、音声または吹き出しの表示により、遊技に関する説明をセリフを用いて行う演出であり、図48(B)に示すように、「保留表示が星に変わるとアツイぞ!!」のセリフや、図49(A)に示すように、「保留表示が変わるかも」のセリフをミニキャラAが発する演出となっている。
また、このミニキャラAを用いて保留表示変更演出が実行される。例えば、図48(C)に示すように、ミニキャラAが所定のアクションを実行する演出とともに、保留表示が通常の表示態様である丸マークから星マークに変化される。この星マークの保留表示が、大当りとなる可能性が高い変動パターンに対応する保留表示であることを示唆する先読み予告演出となっている。
更に、演出表示装置9に表示されるミニキャラを、遊技者が選択したミニキャラA(図49(A))から、遊技者が選択不可能な特別ミニキャラFに変更する演出がなされる(図49(B))。この特別ミニキャラFは、突然登場するので、遊技者の意外性を喚起できる。そして、この特別ミニキャラFを用いて保留表示変更演出が実行される。例えば、図49(C)に示すように、特別ミニキャラFが所定のアクションを実行する演出とともに、全ての保留表示が通常の表示態様である丸マークから星マークに変化される。これらの星マークの保留表示が、大当りとなる可能性が高い変動パターンに対応する保留表示であることを示唆する先読み予告演出となっている。尚、本実施例では、特別ミニキャラFによる保留表示変更演出を先読み予告演出として実行するようにしているが、先読み予告演出とは無関係な演出であってもよく、特別ミニキャラFによる保留表示変更演出を大当りとなる可能性が高い変動パターンに対応する保留表示が存在しない場合でも実行されるようにしてもよい。
図51及び図53(A)に示すように、スーパーリーチ演出が実行され(図51(A)及び図51(B))、スーパーリーチ演出の終了されたときに(図51(C))、新規ミニキャラの取得条件が成立している場合、例えば、ミニキャラAのレベルアップがなされた場合(または変動回数が取得条件に達した場合)には、次の変動開始時に、新規ミニキャラ案内表示画面が表示される(図51(D))。ここで、遊技者がプッシュボタン516を操作することで、ミニキャラ選択受付け画面(図51(E))の表示を開始し、操作レバー600を操作することで、遊技者が希望するミニキャラを選択し、プッシュボタン516を操作することで、選択されたミニキャラが決定されるようになっている。そして、選択されたミニキャラCの表示が開始される(図51(F))。尚、本実施例では、ミニキャラ選択受付け画面(図51(E))の表示を開始したときに、新規に選択可能となったミニキャラCが初期設定で選択されており、遊技者は、操作レバー600を操作することなく、プッシュボタン516を操作するだけで、新規にミニキャラCを選択することができる。更に尚、新規に選択可能となったミニキャラC以外にも、それ以前に選択可能であったミニキャラA及びBも表示されており、当該ミニキャラAまたはBを選択することもできる。尚、新規ミニキャラの取得条件が成立しているのに、保留記憶がなく、次の変動開始がなされない場合には、前述したメインメニュー操作処理(図28参照)のミニキャラ選択受付け画面において新規ミニキャラの選択が行えるようになっている。
図47に示すように、変動表示が開始された後(図47(A))、予告演出が開始され、予告演出Aまたは予告演出Bが決定されている場合には、予告演出中の予告演出の開始タイミングとなった時点で、予告演出A(図47(B2))または予告演出B(図47(B3))が開始されることにより、白系または赤系のキャラクタKが表示される。尚、予告演出Aまたは予告演出Bが決定されていない場合には、予告演出の開始タイミングとなっても、予告演出は開始されない(図47(B1))。予告演出の終了タイミングとなった時点で予告演出は終了し(図47(C))、リーチ状態となってリーチ演出が実行される。
図50及び図53(B)に示すように、予告演出が終了されたときに(図50(A))、新規ミニキャラの取得条件が成立している場合、例えば、ミニキャラAのレベルアップがなされた場合には、新規ミニキャラ案内表示画面が表示される(図50(B))。ここで、遊技者がプッシュボタン516を操作することで、ミニキャラ選択受付け画面(図50(C))の表示を開始し、操作レバー600を操作することで、遊技者が希望するミニキャラを選択し、プッシュボタン516を操作することで、選択されたミニキャラが決定されるようになっている。そして、選択されたミニキャラCの表示を開始し、リーチ演出に移行する(図50(D))。尚、本実施例では、ミニキャラ選択受付け画面(図50(C))の表示を開始したときに、新規に選択可能となったミニキャラCが初期設定で選択されており、遊技者は、操作レバー600を操作することなく、プッシュボタン516を操作するだけで、新規にミニキャラCを選択することができる。更に尚、新規に選択可能となったミニキャラC以外にも、それ以前に選択可能であったミニキャラA及びBも表示されており、当該ミニキャラAまたはBを選択することもできる。
図52に示すように、スーパーリーチ演出が実行され(図52(A)から図52(C))、停止図柄が「777」となる7図柄大当りとなったときには(図52(D))、その大当り画面において7図柄大当り画面の表示と同時に1枚の特典画像が表示される。当該7図柄大当り画面が所定期間表示された後、ラウンド演出が開始される(図52(E))。
尚、本実施例では、前述した図37に示す当り表示処理のS889において、演出制御用CPU120は、遊技履歴テーブル(図17参照)に格納された出力済み特典画像IDと、付与特典画像決定テーブル(図38(B)参照)とに基づいて、出力すべき獲得特典画像の特典画像IDを特定しているが、付与特典画像決定テーブル(図38(B)参照)を用いずに獲得特典画像の特典画像IDを決定するようにしてもよい。
例えば、図60に示す変形例に示すように、特典画像の付与順序を予め設定した特典画像付与順序テーブルを用いてもよい。この特典画像付与順序テーブルには、各特典画像を特定する特典画像IDに対応付けて、当該特典画像をいずれの順番で出力するかを示す付与順序A〜Cが登録されている。本変形例では、P001からP010まで10種類の特典画像IDに対応して、1番から10番までの付与順序が登録されており、P001からP010まで昇順で順序づけられた付与順序Aと、P005からP010を経てP001からP004まで順序づけられた付与順序Bと、P010からP001まで昇順で順序づけられた付与順序Cとの3種類の付与順序が登録されている。そして、演出制御用CPU120は、設定された付与順序A〜Cに基づいて特典画像を順番に出力するようにする。
尚、パチンコ遊技機1に電源が投入されるときにいずれかの付与順序A〜Cに決定されるようになっており、主に遊技場の開店時の電源投入時に付与順序A〜Cが切り替わるようになっている。更に、各付与順序A〜Cが設定される確率は均等な割合になっている。例えば、多数の特典画像がある場合に、全ての特典画像を獲得するためには、少なくとも特典画像の数と同じ回数の7図柄大当り画面を表示させる必要があり、10種類の特典画像がある場合には、7図柄大当り画面を少なくとも10回表示させる必要がある。ここで、付与順序が一定であると、付与順序が最後の方の特典画像は表示され難くなるため、そのような表示され難い特典画像が生じないようにするために、本変形例では、複数の付与順序A〜Cを設定しておき、この付与順序A〜Cを適宜切り替えるようにしている。
尚、本実施例では、リーチ状態が発生する前の期間において予告演出を実行するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予告演出の実行タイミングを、リーチ状態となった後のリーチ演出中の所定タイミングとしても良い。
また、これら予告演出の実行タイミングを、例えば、変動パターンが擬似連の変動パターンであって、仮停止や再変動を伴う場合には、演出図柄の仮停止のタイミングや再変動のタイミングとしても良い。
ここで、管理装置の一例である管理サーバ900について説明すると、管理サーバ900は、CPU、RAMなどを備えた一般的なサーバコンピュータにて構成されており、インターネットを介して携帯端末901からアクセス可能とされており、遊技履歴の管理や、パスワードの発行などを行う。
管理サーバ900は、遊技者の情報を管理する遊技者データベースや各遊技履歴が登録される遊技履歴データベース及び遊技者に対して付与される特典データを格納する特典データベースを備えている。
遊技者データベースは、図59(A)に示すように、遊技者を個々に識別可能であって、該遊技者が使用する携帯端末901に固有に付与された端末ID(SIMデータ)に対応付けて、該遊技者に対して発行されたパスワード、選択ミニキャラ、各ミニキャラの取得状況、各ミニキャラのレベル、各ミニキャラの経験値、総始動回数(共通データ)、総大当り回数(共通データ)、総確変回数(共通データ)、総7図柄大当り回数、総獲得特典画像ID等の各種データが格納されている。
また、遊技履歴データベースは、図59(B)に示すように、遊技を行った遊技者の所有する携帯端末901の端末ID(SIMデータ)及び遊技日時に対応して、当該遊技の遊技にて入力されたパスワードと、当該遊技における選択ミニキャラ、各ミニキャラの取得状況、当該遊技終了時の各ミニキャラのレベル当該遊技終了時の、各ミニキャラの経験値、当該遊技での始動回数、当該遊技での大当り回数、当該遊技での確変回数、当該遊技での7図柄大当り回数、当該遊技での獲得特典画像ID等のデータが格納されている。
特典データベースは、特典画像を識別可能な特典画像IDに対応して、特典データの格納場所などが格納されている。尚、これら特典は、携帯端末901にデータとして残ることで繰返し利用できるものであっても良いし、携帯端末901にデータとして記憶できずに、一時的にだけ視聴できるものであっても良い。
また、本実施例では、前記したように、特典を、携帯端末901の待ち受け画面や壁紙等やキャラ画像等のデジタルコンテンツ(デジコン)とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの特典を、ポイント数等に応じて懸賞に応募できる権利を付与するもの、つまり、直接的に特典を付与するものではなく、特典を獲得できる権利を付与するものであっても良いし、本実施例のように潜伏状態が発生する機種の遊技機であれば、いずれの遊技状態(高確であるか、低確であるか)を画像表示などによって教唆する権利を付与するもの、すなわち、遊技において有利となるものを付与するようにしても良い。
次に、パスワードを発行し、パチンコ遊技機1にて遊技を行う際の管理サーバ900及びパチンコ遊技機1の動作を、図58に基づいて説明する。
図58に示すように、携帯端末901から新たなパスワードの発行要求がなされると、管理サーバ900は、発行要求を行った携帯端末の端末識別情報が、遊技者データベースに登録されている端末識別情報と一致するか否かを判定し、一致する端末ID(端末識別情報)がない場合には、発行不可としてその旨を携帯端末901に対して通知する。尚、このように、一致する端末ID(端末識別情報)がない場合において所定の登録ページを配信して、利用登録を促すようにしても良い。
一方、発行要求を行った携帯端末901の端末IDが、遊技者データベースに登録されている端末IDと一致した場合には、端末IDに対応するレベル、総始動回数、総大当り回数等の遊技履歴に基づく履歴情報を遊技者データベースから取得してパスワードを発行する。
パスワードは、所定のパスワードの解析手順と逆の手順にて生成される。まずは、該当する端末IDの各ミニキャラのレベル、総始動回数、総大当り回数等の履歴情報を取得し、取得したデータ(履歴情報)に基づいて96ビットの値を作成する。この際、共通データについては60ビット、固有データについては36ビットを割り当てる。
次いで、作成した96ビットの値を6ビット毎に分断し、10進数に置き換え、置き換えた値をパスワード解析テーブルに基づいて文字に置き換えることにより、16文字のパスワードを生成する。
次いで、遊技者データベースの該当する端末IDに登録されているパスワード、すなわち前回発行されたパスワードと一致するか否かを判定し、一致する場合には、前述した手順にて前回のパスワードと一致しないと判定されるまで、再度パスワードを生成する。
管理サーバ900は、前回のパスワードと一致しないパスワードを発行し、発行要求を行った携帯端末901に送信するとともに、遊技者データベースにおいて発行要求を行った携帯端末の端末IDに対応するパスワードを今回発行したパスワードに更新する。
パスワードの発行要求に応じてパスワードが発行されると携帯端末901には、発行されたパスワードが表示されることとなり、遊技者は表示されたパスワードをパチンコ遊技機1に入力する。そしてパスワードが入力されたパチンコ遊技機1では、前述のように入力されたパスワードを解析し、パスワードが認証されると、パスワードから特定される選択ミニキャラ、各ミニキャラの取得状況、各ミニキャラのレベル、各ミニキャラの経験値、総始動回数、総大当り回数等の履歴情報がパチンコ遊技機1の遊技履歴テーブルの「遊技開始時」の格納領域の各データに反映されることにより、管理サーバ900にて管理されている選択ミニキャラ、各ミニキャラの取得状況、各ミニキャラのレベル、各ミニキャラの経験値、総始動回数、総大当り回数等の履歴情報を引き継いで遊技を行うことが可能となる。この際、入力されたパスワードも遊技履歴テーブルに格納される。
そして遊技者が遊技を終了し、前述した図55(B)に示すメニュー画面から「遊技終了操作」を選択することで遊技履歴テーブルに格納されているパスワードと遊技履歴の各データ、つまり、選択ミニキャラ、各ミニキャラの取得状況、各ミニキャラのレベル、各ミニキャラの経験値、総始動回数、総大当り回数、総確変回数等を取得し、これらのデータと、更新ページの所在を示すURLと、から2次元コードが生成され、演出表示装置9に表示されるとともに、遊技履歴テーブルが初期化される。
遊技者は、携帯端末901にて表示された2次元コードを読み取り、2次元コードから解析された遊技履歴、パスワード、当該遊技において獲得した特典画像ID、及び携帯端末901の端末IDを含む更新要求を管理サーバ900に対して行うことにより、2次元コードにて取得した遊技履歴を管理サーバ900の遊技者データベースに反映させることができる。
携帯端末901から更新要求がされると、管理サーバ900は、更新要求を行った携帯端末の端末IDが、遊技者データベースに登録されている端末IDと一致するか否かを判定し、一致する端末IDがない場合には、更新不可としてその旨を携帯端末901に対して通知する。
一方、更新要求を行った携帯端末901の端末IDが、遊技者データベースに登録されている端末IDと一致した場合には、更新要求から特定されるパスワードを、更新要求から特定される端末IDに対応付けて遊技者データベースに登録されているパスワードと照合する。そして、更新要求から特定されるパスワードと、遊技者データベースに登録されているパスワードと、が一致した場合には、パスワードを発行した遊技者であると認証し、認証OKである場合には、更新要求から特定される遊技履歴に基づいて遊技者データベースの該当する端末IDの対応する項目を更新するとともに、該端末ID及び遊技日時(現在の日時データ)に対応付けて更新要求から特定される遊技履歴を遊技履歴データベースに登録した後、更新要求を行った携帯端末901に対して更新完了を通知する。
尚、この際、特典画像IDが追加されている場合には、追加されている特典画像IDを遊技履歴データベースに登録する特典画像追加処理が行われ、遊技者が携帯端末901を用いて獲得した特典画像をダウンロードできるようにする。
また、本実施例では、パチンコ遊技機1においてミニキャラA〜Eに経験値を付与してレベルアップする形態を例示しているが、例えば、予告演出A〜Bや変動回数の実行履歴を含む遊技履歴がシンボル化された2次元バーコードをパチンコ遊技機1で表示出力するようにしておき、これら予告演出A〜Bや変動回数の実行履歴とに基づいて、管理サーバ900側においてミニキャラA〜Eに経験値を付与し、該付与した経験値に基づいてミニキャラA〜Eのレベルを更新(レベルアップ)してもよい。
一方、認証結果が認証NGである場合には、更新不可としてその旨を携帯端末901に対して通知する。
以上、本実施例におけるパチンコ遊技機1によれば、図48に示すように、遊技者が選択したミニキャラAを用いて保留表示変更演出が実行されることで、遊技者が選択したミニキャラA(特定画像)が作用することで保留表示の表示態様を変更できるので、遊技機の興趣を向上できる。
尚、前記実施例では、いずれのミニキャラA〜Eを用いた演出であっても、保留表示が丸マークから星マークに変更する演出で統一させているが、ミニキャラA〜Eごとに異なる変更態様であってもよく、例えば、ミニキャラAでは、保留表示を三角形に変化させるが、ミニキャラBでは、保留表示を四角形に変化させるようにしてもよい。
尚、前記実施例では、ミニキャラ(特定画像)が所定のアクションを実行すると同時に、保留表示が通常の表示態様である丸マークから星マークに変化されるようになっており、ミニキャラが恰も保留表示に接触して作用している演出がなされているが、ミニキャラが保留表示に接触するアクションのみならず、ミニキャラが保留表示から離れた位置で所定のアクションを行うようにしてもよいし、ミニキャラが保留表示が変化することを示す態様で表示されるようにしてもよい。例えば、ミニキャラが看板等を掲げて、その直後に保留表示が変化されるような演出であってもよい。
尚、前記実施例では、いずれのミニキャラA〜Eを用いた演出であっても、保留表示変更演出を実行するか否かを決定する決定割合が同一となっているが、ミニキャラA〜Eごとに異なる決定割合で保留表示変更演出を実行するか否かを決定するようにしてもよい。ミニキャラAでは、保留表示変更演出を実行する確率が高くなるようにし、ミニキャラBでは、保留表示変更演出を実行する確率が低くなるように決定割合を構成してもよい。
尚、前記実施例では、ミニキャラ選択受付け画面(図50(C)及び図51(E))において、新規に選択可能となったミニキャラC以外にも、それ以前に選択可能であったミニキャラA及びBも選択可能としているが、新規に選択可能となったミニキャラCのみをミニキャラ選択受付け画面に表示して、当該新規に選択可能となったミニキャラCのみを受け付けるようにしてもよい。
尚、前記施例では、リーチ演出期間であるときには、ミニキャラ選択受付け画面(図50(C)及び図51(E))を表示しないようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、リーチ演出期間であっても、新規ミニキャラ案内表示画面が表示され、新規ミニキャラを選択できるようにしてもよい。
尚、前記実施例では、獲得した特典画像の2次元コードが演出表示装置9に出力されることで、遊技者が所持する携帯端末901等の情報機器にて特典を容易に確認できるが、演出表示装置9に出力される特典特定情報は、2次元コードに限られず、パスワード等の文字列や数字列であってもよいし、その他の音声通信などの通信手段によりパチンコ遊技機1から携帯端末901等の情報機器に送信する情報であってもよい。特典特定情報を出力するときに、遊技者が特典特定情報の出力手段を適宜選択できるようにしてもよい。
尚、前記実施例では、電源投入時に生じる乱数値により付与特典画像決定用テーブルの設定がなされるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技者がパスワードをパチンコ遊技機1に入力したときに、該パスワードに含まれる特典画像の獲得状況を解析し、該遊技者の特典画像の獲得状況に応じて付与特典画像決定用テーブルの設定を変更するようにしてもよい。このようにすれば、遊技者の特典画像の獲得状況により付与特典画像決定用テーブルの設定が変わることで、遊技者が全ての特典画像を獲得し易くできる。
尚、前記実施例によれば、演出制御用CPU120が、図22に示すサブCPUメイン処理のSs13aにおいて現在日付が更新されているときに、遊技履歴テーブル(図17参照)をクリアするようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の態様で遊技履歴テーブルをクリアするようにしてもよい。例えば、パチンコ遊技機1に電源が供給され続けている状態において、日付データが更新された時点で、遊技履歴テーブルをクリアするものであってもよい。
尚、本実施例では、遊技者がパスワードを入力後にミニキャラの選択が行えるとともに、その後の補助演出が実行される構成となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技者が希望するミニキャラを選択していない場合には、デフォルトで所定のミニキャラが選択されており、パスワードを入力した時点で、この所定のミニキャラの表示が開始され、補助演出が実行されるようにしてもよい。また、前日の営業終了時点でパチンコ遊技機1の電源が落とされ、翌営業日にパチンコ遊技機1の電源が投入されたときには、遊技履歴情報が格納された遊技履歴テーブルがクリアされるが、このときに、デフォルトの選択ミニキャラとして遊技履歴テーブルに登録しておき、その後の演出を実行するようにしてもよい。
変形例におけるパチンコ遊技機1では、遊技場の店員が任意に設定できる所定時刻になった時点で遊技履歴テーブル(図17参照)をクリアするようにしてもよく、例えば、営業終了後や営業開始前等の遊技者が入れ替わることがほぼ確定している所定時刻(例えば、午前2時等)になったときに、遊技履歴テーブルをクリアするように設定しておき、この所定時刻になったときに、演出制御用CPU120が遊技履歴テーブルをクリアするようにしてもよい。このようにすることで、遊技場の店員が演出状態の遊技履歴テーブルの選択ミニキャラの登録情報(設定情報)をいちいち消去する手間の発生を防ぐことができる。更に、1の遊技者から受付けた設定が不必要に引き継がれて遊技の興趣が低下してしまうことを防ぐことができる。更に、常時、日付データが更新されているか否かの判定と、電源投入時に日付データが更新されているか否かの判定を両方実行するようにして、いずれか一方の条件が成立したときに遊技履歴テーブルをクリアするものであってもよい。
尚、前記実施例によれば、パチンコ遊技機1の電源投入時において、RTC124の日付データが更新されている場合には、遊技履歴テーブルをクリアするとともに、遊技者設定値をクリアするようになっているが、遊技履歴テーブルのみをクリアし、遊技者設定値は、クリアせずにそのまま引き継いでもよく、このようにすることで、遊技者が設定した異なる設定のうち、例えば、引き継ぐことが適切でない遊技履歴テーブル(第1設定)については、RTC124の日付データが更新されている場合に(初期化条件が成立したときに)初期化されるので、引き継ぐことが適切でない設定が引き継がれて遊技の興趣が低下してしまうことを防ぐことができる。
尚、前記実施例では、予告演出を、スーパーリーチはずれとなる場合または変動表示結果が大当りとなるときにおいてのみ実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら以外の変動パターンの場合、例えば、ノーマルリーチはずれや、擬似連の変動パターン等において、予告演出を実行するようにしても良い。
尚、本実施例では、図22に示すサブCPUメイン処理において、RTC124の日付データが更新されている場合には、遊技履歴テーブルをクリアするとともに、音量・光量の遊技者設定値をクリアするようになっており、かつ図25に示す設定無効化処理において、所定時間遊技球が発射されていない場合に、遊技履歴テーブルをクリアするとともに、音量・光量の遊技者設定値をクリアするようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技履歴テーブル及び音量・光量の遊技者設定値をクリアする条件を、日付データが更新されている場合、または、所定時間遊技球が発射されていない場合のいずれか一方としてもよい。また、いずれかの条件が満たされた場合に、クリアされる対象が異なるようにしてもよく、例えば、所定時間遊技球が発射されていない場合には、遊技履歴テーブルのクリアのみを行い、日付データが更新されている場合には、遊技履歴テーブル及び音量・光量の遊技者設定値の双方をクリアするようにしてもよい。
また、前記実施例では、パスワードの入力や、操作予告における操作によって、遊技履歴テーブルにおける「現状データ」への遊技履歴の更新記憶による蓄積を開始する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これら遊技履歴の更新記憶については常に実施しておき、パスワードの入力や、操作予告における操作が実施された時点の遊技履歴を開始時点の遊技履歴として記憶し、遊技終了時点における遊技履歴と開始時点の遊技履歴との差から、当該遊技者の遊技履歴を特定するようにしても良い。
また、前記実施例では、管理サーバ900を用いた形態を例示したが、これら管理サーバ900は必須のものではなく、例えば、遊技履歴の管理を、管理サーバ900に代えて携帯端末(携帯電話機)901が実施するものであっても良いし、遊技履歴の管理をパチンコ遊技機1のみで実施するもの(複数の遊技の遊技履歴を管理しないもの)であっても良い。尚、遊技履歴の管理をパチンコ遊技機1のみで実施する場合における「遊技履歴の出力」としては、例えば、メニュー画面に表示される「遊技履歴」の項目を遊技者が選択することで、当該パチンコ遊技機1における自分の遊技履歴を表示出力すれば良い。
つまり、前記実施例で示した構成を様々に組み合わせて遊技システム、遊技機、管理手段を構成することが可能である。例えば、前記実施例で示した遊技システムは、(1)遊技機が2次元コードを出力、(2)遊技機が経験値を付与、(3)管理サーバ900が経験値を付与、(4)遊技機が特典を決定、(5)サーバが特典を決定、(6)サーバが特典を付与、という6つの構成のうち、(1)遊技機が2次元コードを出力、(2)遊技機が経験値を付与、(5)サーバが特典を決定、(6)サーバが特典を付与、という4つの構成を有する形態を例示したが、例えば、(2)遊技機が経験値を付与する構成を(3)管理サーバ900が経験値を付与する構成形態としても良いし、(1)、(3)、(5)、(6)の構成形態としても良い。
尚、前記実施例で示した遊技システムの各構成要素は、少なくとも2次元コードを出力する構成がパチンコ遊技機1側で備えるべき構成であることを除いて、パチンコ遊技機1側と管理サーバ900側とのいずれに備えていてもよい。つまり、特典(特典)を付与する構成が、管理サーバ900側であっても良いし、携帯端末(携帯電話機)901側であっても良いし、パチンコ遊技機1側であっても良い。
また、前記実施例では、パチンコ遊技機1が兄弟機種(継承対象機種)間で遊技データの引き継ぎが可能となっているが、兄弟機種間で遊技データの引き継ぎができないものであってもよい。更に、単一のパチンコ遊技機1のみで経験値の付与や特典の付与を行うようにし、当該遊技データを2次元コードやパスワード等として出力して、次回の遊技において同一のパチンコ遊技機1にパスワード等を入力することで、当該パチンコ遊技機1のみで前回の遊技データを引き継いで遊技を行うようにしてもよい。
また、前記実施例では、特典として特典画像を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの特典を所定数のコインやポイント(管理サーバ900においてデジタルコンテンツと交換するための価値データ)等としても良いし、大当り後の遊技状態が、潜伏状態(高確低ベース状態)であるか否かを報知することであっても良い。尚、これら潜伏状態(高確低ベース状態)であるか否かを報知する特典を付与する場合には、遊技機において報知するだけではなく、遊技機において潜伏状態(高確低ベース状態)であるか否かを報知するための2次元コードを表示して、該2次元コードを携帯端末(携帯電話機)901に記憶された所定のアプリケーションプログラム(アプリ)で読み取ることで、これらの報知を携帯端末(携帯電話機)901において実施するもの、つまり、潜伏状態(高確低ベース状態)であるか否かを報知することによる特典の付与を携帯端末(携帯電話機)901において実施するものであっても良い。
また、前記実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU103は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU56の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、遊技者に景品として遊技球が払い出され、遊技者は払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われるパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。