JP2014231814A - 回転ポンプ - Google Patents
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Abstract
Description
これによれば、シリンダを形成する壁部のうちの周壁部に逃がし孔が設けられており、圧縮されるポンプ内部が過圧縮になって温度が上昇することを抑制することができる。
そこで本発明の目的は、排気気体がポンプ内部へ逆流することを極力防止すると共に、ポンプ内部が過圧縮になることを極力防止し、ポンプ内部の温度上昇を抑制して信頼性を向上できると共に、運転効率を向上できる回転ポンプを提供することにある。
本発明に係る回転ポンプの一形態によれば、回転軸の片持ち端面側に設けられシリンダ内で回転するロータが、該ロータの片側に配された軸受によって前記回転軸を介して片持ち状態に支持され、気体を前記シリンダ内へ吸気して圧縮された気体を前記シリンダから排気する回転ポンプにおいて、前記シリンダの軸方向に両端を構成する端壁部のうち前記回転軸が挿通されない片持ち端面側の端壁部に、圧縮された気体の一部を逃がすことができる逃がし孔が前記回転軸の軸方向に開口して設けられている。
また、本発明に係る回転ポンプの一形態によれば、前記逃がし孔が、前記自由端側の端壁部に複数設けられていることを特徴とすることができる。
また、本発明に係る回転ポンプの一形態によれば、前記逆止弁がリード弁であることを特徴とすることができる。
また、本発明に係る回転ポンプの一形態によれば、前記ロータが鉤形の爪部を備えるクローポンプのロータであり、前記逃がし孔が設けられた前記自由端側の端壁部に前記シリンダの圧縮された気体を排気する排気口が設けられていることを特徴とすることができる。
また、本形態例のクローポンプは、シリンダ50と二つのロータ30、30とによる単位ポンプ構成10が、二つの回転軸20、20の軸方向について複数段(二段)に設けられている多段の二軸回転ポンプになっている。
本形態例では、その逃がし孔70(図4、7など参照)が、端壁部52に複数設けられている。また、その逃がし孔70が設けられた端壁部(後段シリンダの他方の端壁部52D(図4、7など参照))に、シリンダ50の圧縮された気体を排気する排気口(後段の排気口55B(図4、7など参照))が設けられている。
なお、逃がし孔70に係る形状、大きさ、数量、配置などの形態は、本形態例に限定されるものではない。例えば、多数の逃がし孔70のうち少なくとも一部(複数)が、シリンダ50の内面に帯状に連続するように溝状に加工・形成された帯溝状凹部の内底面に開口されることで、その複数の逃がし孔70が、そのシリンダ50の内面の側では、その帯溝状凹部に連通して一体化され、一つの大きな孔として機能できるようにしてもよい。この場合でも、シリンダ50の外面(排気側の面)には、後述する逆止弁(リード弁71)を、各逃がし孔70に対応させて個々に設けてもよい。
また、逃がし孔70が、端壁部52に複数設けられることで、気体圧縮の工程中において過圧縮の気体をバランスよく適時に排気でき、その機能性をより向上できる。
また、前段のポンプ本体12及び後段のポンプ本体15に備えられている各シリンダ50は、両端の端壁部52、52と周壁部53とによって形成されている。
すなわち、このサイレンサ部の構造は、常に開放している排気口(例えば後段の排気口55B)からの通常排気と、逆止弁71が開状態で逃がし孔70から排気される過圧縮防止排気との2系統の排気を合流させて消音する1つのマフラーになっており、合理的で且つ安価な構成となっている。
本形態例では、複数(二段)の単位ポンプ構成10A、10Bのうちの少なくとも一つ(単位ポンプ構成10A)が、図3に示すように、二つの回転軸20A、20Bについてロータ30A、30Bの両側に軸受40A、40B、40C、40Dを配することで両端が支持されることで構成されている。なお、本形態例によれば、単位ポンプ構成10Aが気体の流れの前段に配され、単位ポンプ構成10Bが気体の流れの後段に配された構成になっている。
このように単位ポンプ構成10Bが最終段になっている場合、一段目の単位ポンプ構成10Aのロータ30A、30Bは、容積の大きい気体が前段のシリンダ50Aに導入されるため、幅が広くてより質量の大きなものになっており、両端で支持されている。そして、最終段(本形態例では2段目)の単位ポンプ構成10Bのロータ30C、30Dは、気体が圧縮されて後段のシリンダ50Bに導入される関係から、幅が狭くてより質量の小さなものになっており、片持ち状態に支持されている。
両端支持では、荷重が分散し、質量の大きなものにも容易に対応できるため、一段目のロータ30A、30Bについては、その両端支持が適している。これに比較して、片持ち支持では、質量の大きなものには対応しにくいため、より質量の小さな最終段のロータ30C、30Dについては、片持ち支持が適している。従って、本形態例のように、多段のポンプ構造を合理的に構成することができる。
この逃がし孔70によれば、排気開放直前の容積の減少のために排気口を小さくしても大気開放側過圧縮を抑制できる。従って、この逃がし孔70は、大気開放側過圧縮を抑制することのできる過圧縮抑制機構の構成要素の一例となっている。
つまり、回転軸20A、20B(シャフト)がサイドプレートを貫通している従来のような両端支持構造の場合、逃がし孔70を配置できてもシャフトが邪魔をして逆止弁71を最適位置に配置することが困難である。これに対してサイドプレートにシャフトを貫通させない片持ち支持構造とした場合、そのような制約がなく好適に逆止弁71を配置・構成できる。なお、ポンプ構成を多段化した場合は、多段のポンプのうち最終段をサイドプレートにシャフトを貫通させない片持ち支持構造とすればよい。
端壁部52Dについては回転軸20が挿通されないため、この端壁部52Dの面においては逃がし孔70の配置に関する制約がほとんど無く、その逃がし孔70を所要の位置に適切且つ容易に設けることができる。これによっても、ポンプ性能を向上できる。
但し、シリンダの周壁部53Aに逃がし孔70を設けた場合、その深さが前述したような端壁部52に設けた場合より長くなるため、逃がし孔70としての応答性については若干劣るもの考えられる。また、シリンダの周壁部53Aに逃がし孔70を設ける場合は、その穿設位置に制約がかかり易く、前述したような端壁部52に設ける場合と比較すると若干の難点がある。例えば、ロータ幅が小さい場合は確保できる逃がし孔70の数が少なく、十分に適用できない場合もある。
本形態例では、シリンダ(後段のシリンダ50B)を構成するシリンダの壁部(後段シリンダの一方の端壁部52C、後段シリンダの他方の端壁部52D、後段の周壁部53B)であって気体の圧縮工程で圧縮空間を構成する壁部の部位(後段シリンダの他方の端壁部52Dの一部)に、圧縮された気体の一部を逃がすことができる複数の逃がし孔70が設けられている。なお、本形態例の逃がし孔70は、回転軸20A、20Bの軸方向に開口されて設けられている。
さらに、この逃がし孔70については、孔数、孔径、及び孔の面取りなどの形状を、適宜選択的に最適化すればよい。
この過圧縮抑制機構(逃がし孔70)によれば、排気流量の多い大気開放側(吸入される空気の圧力が大気圧に近い状態での運転がされる場合)の過圧縮を抑制でき、高真空となっているシリンダ内へ逃がし孔70から逆流する排気気体の進入は、逃がし孔70を塞ぐ逆止弁71による逆流抑制機構で抑制することができる。
10A 前段の単位ポンプ構成
10B 後段の単位ポンプ構成
11 オイルバスカバー
11a オイルゲージ
12 前段のポンプ本体
13 前段のサイドプレート
15 後段のポンプ本体
16 後段のサイドプレート
17 マフラーケース
17a マフラーケースの排気口
17b エスケープホース接続口
17c エスケープパイプ接続口
20 回転軸
20A 駆動回転軸
20B 従動回転軸
21 駆動歯車
22 従動歯車
23 従動プーリ
30 ロータ
30A 前段の駆動回転軸側のロータ
30B 前段の従動回転軸側のロータ
30C 後段の駆動回転軸側のロータ
30D 後段の従動回転軸側のロータ
35A 前段の吸気口
35B 後段の吸気口
36 吸気ケース
36a 吸気ケースの吸気口
40 軸受
40A 一方の駆動回転軸側の軸受
40B 一方の従動回転軸側の軸受
40C 他方の駆動回転軸側の軸受
40D 他方の従動回転軸側の軸受
43 オイルシール
45 軸シール
50 シリンダ
50A 前段のシリンダ
50B 後段のシリンダ
51A 前段の圧縮空間
51B 後段の圧縮空間
52 端壁部
52A 前段シリンダの一方の端壁部
52B 前段シリンダの他方の端壁部
52C 後段シリンダの一方の端壁部
52D 後段シリンダの他方の端壁部
53 周壁部
53A 前段の周壁部
53B 後段の周壁部
55A 前段の排気口
55B 後段の排気口
60 サイレンサ部
61 エスケープボックス
61a エスケープボックスの出口
62 エスケープパイプ
65 接続通気路
66 接続ケースの本体部
66a 通気路壁部
66b 接続ケースのベース部
66c 接続ケースの入口
66d 接続ケースの出口
67 接続ケースのカバー部
67a 接続ケースのエスケープ出口
68 エスケープホース
70 逃がし孔
71 逆止弁(リード弁)
72 逆止弁固定ボルト
72a ボルト穴
本発明に係る回転ポンプの一形態によれば、回転軸の片持ち端面側に設けられシリンダ内で回転するロータが、該ロータの片側に配された軸受によって前記回転軸を介して片持ち状態に支持され、気体を前記シリンダ内へ吸気して圧縮された気体を前記シリンダから排気する回転ポンプにおいて、前記シリンダの軸方向に両端を構成する端壁部のうち前記回転軸が挿通されない片持ち端面側の端壁部に、圧縮された気体の一部を逃がすことができる逃がし孔が前記回転軸の軸方向に開口して設けられ、前記シリンダの圧縮された気体を排気する排気口からの排気と前記逃がし孔からの排気とを合流させて消音させる空間を形成するサイレンサ部を備える。
また、本発明に係る回転ポンプの一形態によれば、前記逃がし孔が、前記自由端側の端壁部に複数設けられていることを特徴とすることができる。
Claims (8)
- 回転軸の片持ち端面側に設けられシリンダ内で回転するロータが、該ロータの片側に配された軸受によって前記回転軸を介して片持ち状態に支持され、気体を前記シリンダ内へ吸気して圧縮された気体を前記シリンダから排気する回転ポンプにおいて、
前記シリンダの軸方向に両端を構成する端壁部のうち前記回転軸が挿通されない片持ち端面側の端壁部に、圧縮された気体の一部を逃がすことができる逃がし孔が前記回転軸の軸方向に開口して設けられていることを特徴とする回転ポンプ。 - 前記シリンダと前記ロータとによる単位ポンプ構成が、前記回転軸の軸方向において複数段に設けられ、気体を最も高圧に圧縮する最終段のシリンダを構成する前記片持ち端面側の端壁部に、前記逃がし孔が設けられていることを特徴とする請求項1記載の回転ポンプ。
- 前記逃がし孔が、前記自由端側の端壁部に複数設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の回転ポンプ。
- 前記逃がし孔には、前記シリンダ内の圧力が、所定の圧力よりも高圧の場合には開き、所定の圧力よりも低圧の場合には閉じる逆止弁が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の回転ポンプ。
- 前記逆止弁がリード弁であることを特徴とする請求項4記載の回転ポンプ。
- 前記シリンダの圧縮された気体を排気する排気口からの排気と前記逃がし孔からの排気とを合流させて消音させる空間を形成するサイレンサ部を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の回転ポンプ。
- 前記ロータを備える回転軸が二つ設けられ、二つのロータ同士が微小なクリアランスを保って非接触で回転されると共に、前記二つのロータがシリンダの内面にも微小なクリアランスを保って非接触で回転されるように、前記ロータを備える二つの回転軸が軸受によって支持されて設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の回転ポンプ。
- 前記ロータが鉤形の爪部を備えるクローポンプのロータであり、前記逃がし孔が設けられた前記自由端側の端壁部に前記シリンダの圧縮された気体を排気する排気口が設けられていることを特徴とする請求項7記載の回転ポンプ。
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JP7516421B2 (ja) | 2019-05-15 | 2024-07-16 | ストラ エンソ オーワイジェイ | 接着用樹脂の使用 |
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