JP2014230337A - 電力設備運転計画システム及びその方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、大規模な事故などが原因となり、電力供給者の電力系統の供給力が低下する事態が生じる場合がある。
この電力系統の供給力が低下した際、供給対象の需要家側における節電運用の一環として、買電電力の削減が要請される場合がある。
また、複数の施設を有する大口の需要家においては、買電電力の削減に有利な電気設備を積極的に利用することにより、消費電力の調整が困難な施設の買電電力の削減分を補償する工夫を行う。
しかしながら、統合的運用を行う施設数が多くなり、かつ各施設における設備が多い場合、個々の施設の需要電力を低下させ、統合的な需要電量を最適化するための計算が複雑化し、容易に結果を得ることは困難となる。
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、この発明の実施形態による電力設備運転計画システム1を利用した複数施設に対する統合的な需要電力の管理を説明する図である。図2において、電力設備運転計画システム1は、2個以上の複数の施設の需要電力を統合的に管理するシステムであり、需要電力に対応する第1評価値及び第2評価値を各々異なる最適化処理を行い、各施設の設備の運転計画を作成する。この電力設備運転システム1は、ピーク調整部11、コスト調整部12、制限判定部13及び記憶部14を備えている。また、電力設備運転システム1は、施設A、施設B、施設C及び施設Dの各々における需要電力の管理を、統合的に第1の評価値及び第2の評価値を最適化して行っている。以下の実施形態の説明は、電力設備運転計画システム1が施設A、施設B、施設C及び施設Dを管理するとして説明する。施設A、施設B及び施設Cの各々には、それぞれEMS(Energy Management System;エネルギーマネジメントシステム)101、EMS102、EMS103が設けられている。施設DにはEMSが設けられていない。
そして、ピーク調整部11は、所定の第1の評価値である各時間の時間買電電力合計から最大の買電電力値である時間買電電力合計をピーク値として検出する。また、ピーク調整部11は、この時間買電電力合計のピーク値を低減する最適化処理を線形計画法などにより行い、第1の評価値の最適化処理の結果を施設毎の時間買電電力が記述された基本施設買電電力データとして出力する。ここで、ピーク調整部11は、最適化処理後における最適化されたピーク値を制限ピーク値として、制限判定部13に対して出力する。
また、コスト調整部12は、運用コストが最適化された時間毎の需要電力が示された施設需要電力データを、制限判定部13に対して出力する。
図2は、図1における施設A、施設B、施設C及び施設Dの各々の設備構成を示す図である。図2(a)は、施設Aにおける設備を示す図である。図2(b)は、施設Bにおける設備を示す図である。図2(c)は、施設Cにおける設備を示す図である。図2(d)は、施設Dにおける設備を示す図である。本実施形態においては、この図2に示した施設A、施設B、施設C及び施設Dの各々の設備の運転計画を策定することにより、第1の評価値である買電電力の最適化を行う。
施設Aには、図2(a)に示されるように、一般負荷A_1と、蓄電設備(BESS:Battery Energy Storage System)A_2と、氷蓄熱空調システム(ISAC:Ice Storage Air Conditioner)A_3と、ヒートポンプ空調機(HPC:Heat Pump Chiller)A_4とが備えられている。
蓄電設備A_2は、EMS101の制御により、予め設定された時間に電気エネルギを蓄え、蓄えた電気エネルギを予め設定された時間に必要に応じて供給するために用いられる。蓄電設備A_2は、蓄電時に、需要電力を必要として負荷設備となる。
氷蓄熱空調システムA_3は、電力が安価な夜の時間帯に、夏は氷、冬はお湯を作って蓄えておき、昼間の冷暖房を行う際に氷やお湯の温度を利用して、外調機(不図示)が取り込んだ外気を室内温度に合わせて調整する。また、氷蓄熱空調システムA_3は、蓄熱を行うために需要電力を必要とするため、蓄熱時には負荷設備となる。
ヒートポンプ空調機A_4は、負荷設備であり、内部のパイプに充填された媒体の温度を上げる加熱処理、および、媒体の温度を下げる冷却処理を行い、加熱処理あるいは冷却処理された媒体の温度を利用して、外調機(不図示)が取り込んだ外気を室内温度に合わせて調整する。
一般負荷B_1は、一般負荷A_1と同様に、部屋の照明、空調及びエレベータなどの負荷である。
ガスエンジン発電機B_2は、一般的に用いられているガスエンジンを用いた発電機であり、空気と燃料ガスとを混合させて燃料としてピストンを駆動させてエンジンを回転させて発電を行う。
蓄電設備B_3は、蓄電設備A_2と同様の構成であり、EMS102の制御により、予め設定された時間に電気エネルギを蓄え、蓄えた電気エネルギを予め設定された時間に必要に応じて供給するために用いられる。蓄電設備B_3は、蓄電を行うための充電において需要電力を必要とするため、蓄電時には負荷設備となる。
一般負荷C_1は、一般負荷A_1と同様に、部屋の照明、空調及びエレベータなどの負荷である。
ガスエンジン発電機C_2は、ガスエンジン発電機B_2と同様に、一般的に用いられているガスエンジンを用いた発電機である。
施設Dには、図2(d)に示されるように、一般負荷D_1が備えられている。
一般負荷D_1は、一般負荷A_1と同様に、部屋の照明、空調及びエレベータなどの負荷である。
図3(a)及び図3(b)の各々において、例えば1日を24分割し、すなわち1時間単位で分割し、それぞれの分割単位に対して制御を行う周期の時間として番号を付し、0時から1時を時間番号T0とし、1時から2時を時間番号T1とし、2時から3時を時間番号T2とし、…、22時から23時を時間番号T22とし、23時から0時を時間番号T23とし、1時間毎の時間買電電力合計を示している。
また、この制約条件cには、施設Bにおける蓄電設備B_3の制約条件が示されていないが、施設Bの蓄電設備B_3のbess蓄電量EB_bess(t)、蓄電設備B_3のbess充放電効率ηbess(t)、及び蓄電設備B_3のbess利用可能蓄電量Ecap_B_bess(t)が、施設Aの蓄電設備A_2と同様に設定されている。
すなわち、ピーク調整部11は、上述した目的関数、制御変数及び制約条件を使用した数理計画法により、発電設備、蓄電設備、空調熱源機を用いて、時間買電電力合計Ptotal(t)のピーク値を低減するように、各施設の1日における時間毎の電源設備運転計画である基本施設買電電力データを決定する。
上述したピーク調整部11における最適化は、ピーク値の低減を行うのみである。一方、このコスト調整部12は、施設A、施設B、施設Cの各々の施設単位において、基本施設買電電力データを元に、所定の第2の評価値に対する最適化を行う。本実施形態においては、この第2の評価値として施設の需要電力をまかなうための運用コストを設定し、各施設の運用コストが低減する最適化処理を線形計画法などにより行う。この運用コストの最適化処理においては、図3(b)におけるピーク値近傍の時間番号T10から時間番号T12の時間帯以外の時間において運用コストを最適化する運転計画を求める。
ここで、コスト調整部12は、施設A、施設B、施設Cの各々において、施設の時間毎(時間番号毎)の運用コストを算出し、この運用コストの1日における合計を求め、この合計値(後述する運用ソフト合計値Ctotal)の低減を目的とし、数理計画法を用いた最適化の演算処理を行う。すなわち、コスト調整部12は、以下の(8)式から(10)式に示す目的関数、制御変数、制約条件に基づき、数理計画法を用いて運用コストの合計値の低減の演算を行う。
また、制約条件としては、(3)式から(7)式に示す制約条件がある。
コスト調整部12は、上述した線形計画法によって求めた各施設の運転計画データにおける時間毎の需要電力における買電電力を示す施設買電電力データを、制限判定部13に対して出力する。
また、コスト調整部12は、施設買電電力データにおいて制限ピーク値を超える時間買電電力合計が検出されないとの制御情報を、制限判定部13から供給された場合、このときに求めた運転計画データを記憶部14に対して書き込んで記憶させる。
一方、施設買電電力データにおいて制限ピーク値を超える時間買電電力合計が検出された制御情報を、制限判定部13から供給された場合、各施設における運用コストの最適化を再度の行う。
制限判定部13は、すでに説明したように、コスト調整部12が最適化した1日の時間毎の時間買電電力のデータである施設買電電力データにおいて、施設A、施設B、施設C、施設Dの時間毎の時間買電電力を加算し、時間買電電力合計を求める。そして、制限判定部13は、以下の(10)式を用いた判定処理を行う。
そして、制限判定部13は、ピーク値が制限ピーク値を超えない場合、コスト調整部12の生成した運転計画を記憶部14に書き込んで記憶させ、一方、ピーク値が制限ピーク値を超えた場合、コスト調整部12に対して運用コストの最適化処理を再度行うことを指示する制御信号を出力する。
この結果、コスト調整部12は、ピーク値となった時間に制限等を加えることにより、他の時間に需要電力の需要の振り分けを行うように、再度の最適化処理を行う。
ステップS1:
ピーク調整部11は、施設A、施設B、施設C及び施設Dの各々の設備における時間毎の需要電力を記憶部14から読み出す。
また、ピーク調整部11は、施設A、施設B、施設C及び施設D毎に、時間毎の需要電力を加算して時間需要電力を求め、この時間需要電力から施設において供給できる時間毎の供給電力を減算し、各施設毎の時間買電電力を求める。
ピーク調整部11は、施設A、施設B、施設C及び施設Dの各々の時間買電電力を時間毎に加算し、各時間における時間買電電力合計を求める。
そして、ピーク調整部11は、時間番号T0から時間番号T23の各々における時間買電電力合計の最も大きい電力値をピーク値として検出する。
ピーク調整部11は、すでに述べたように、各施設における設備の需要電力の調整を行い、時間買電電力合計を低減する最適化処理を行う。すなわち、ピーク調整部11は、買電電力の最適化を行う際、ピーク値を低減する毎に、新たなピーク値を検出し、設備の需要電力をピーク値の時間から、他の時間番号の時間に振り分けることにより低減する処理を行う。
コスト調整部12は、ピーク調整部11から供給された基本施設買電電力データに基づいて、各施設における第2段階の最適化である運用コストの低減処理を行う。
このとき、コスト調整部12は、すでに説明したように、施設毎に発電設備、蓄電設備及び蓄熱設備を用いて、各施設の1日における運転コストが最低となる運転計画データの生成を行う。
そして、コスト調整部12は、運転計画データにおける需要電力における各施設毎の時間買電電力を示す施設買電電力データを、制限判定部13に対して出力する。
制限判定部13は、施設買電電力データから施設A、施設B、施設C、施設Dの各々の時間毎の時間買電電力を抽出し、時間毎に時間買電電力を加算し、時間買電電力合計を求める。
制限判定部13は、時間毎の時間買電電力合計から最大の電力値の時間買電電力合計をピーク値とする。
そして、制限判定部13は、得られたピーク値と、制限ピーク値との比較を行う。このとき、制限判定部13は、ピーク値が制限ピーク値を超えない場合、処理をステップS6へ進める。一方、制限判定部13は、ピーク値が制限ピーク値を超えた場合、再度最適化処理を行う制御信号をコスト調整部12に対して出力し、処理をステップS3へ戻す。
制限判定部13は、買電電力の制限ピーク値を超えずに運用コストの最適化ができたため、運転計画が問題ないことを示す制御信号を、コスト調整部12に対して出力する。
そして、コスト調整部12は、運転計画に問題ないことを示す制御信号が供給されると、作成した運転計画データを記憶部14に書き込んで記憶させる。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
11…ピーク調整部
12…コスト調整部
13…制限判定部
14…記憶部
101,102,103…EMS
A,B,C,D…施設
Claims (5)
- 複数の施設の需要電力を統合的に制御する電力設備運転計画システムであり、
前記施設各々の需要電力に対応する予め設定された種類の第1の評価値を所定の時間毎に求め、前記複数の施設の前記第1の評価値を時間毎に合計し、この合計値がピーク値となる時間において、当該ピーク値を低減させる最適化を行い、最適化されたピーク値を制限ピーク値とするピーク調整部と、
前記施設単位において、当該施設にある設備各々の需要電力の一部を時間毎に振り分けることにより、予め設定された種類の第2の評価値に対する最適化を行うコスト調整部と、
前記第2の評価値の最適化が行われた前記複数の施設の前記第1の評価値を時間毎に合計し、この最適化後の合計値が前記制限ピーク値を超えているか否かの判定を行う制限判定部と
を備えることを特徴とする電力設備運転計画システム。 - 前記ピーク調整部が、前記合計値がピーク値となる時間の需要電力の一部を他の時間に振り分け、前記ピーク値を低減させる最適化を行うことを特徴とする請求項1に記載の電力設備運転計画システム。
- 前記コスト調整部が前記施設に設けられており、
当該コスト調整部が、前記第2の評価値の最適化が行われた時間毎の前記第1の評価値を、前記制限判定部に対して出力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力設備運転計画システム。 - 前記制限判定部が、前記最適化後合計値が前記制限ピーク値を超えている場合、前記コスト調整部に対し、再度の最適化を行うことを指示することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電力設備運転計画システム。
- 複数の施設の需要電力を統合的に制御する電力設備運転計画システムを動作させる方法であり、
ピーク調整部が、前記施設各々の需要電力に対応する予め設定された種類の第1の評価値を所定の時間毎に求め、前記複数の施設の前記第1の評価値を時間毎に合計し、この合計値がピーク値となる時間において、当該ピーク値を低減させる最適化を行い、最適化されたピーク値を制限ピーク値とするピーク調整過程と、
コスト調整部が、前記施設単位において、当該施設にある設備各々の需要電力の一部を時間毎に振り分けることにより、予め設定された種類の第2の評価値に対する最適化を行うコスト調整過程と、
制限判定部が、前記第2の評価値の最適化が行われた前記複数の施設の前記第1の評価値を時間毎に合計し、この最適化後の合計値が前記制限ピーク値を超えているか否かの判定を行う制限判定過程と
を含むことを特徴とする電力設備運転計画方法。
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