JP2014229728A - 太陽電池の製造方法 - Google Patents

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伍根 藩
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航三 藤原
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Abstract

【課題】高エネルギー変換効率の結晶系Si太陽電池の実現に対して、熱処理による寄生欠陥の再分布と増殖と、表面受光面付近の空乏層再結合と、裏面電極BSF領域の再結合とを極端に抑制でき、裏面BSFの形成工程における太陽電池特性の低下を抑制し、Si結晶の性能を最大限に引き出すことができる太陽電池の製造方法を提供する。【解決手段】低温、短時間、低温度勾配の拡散熱処理による裏面BSF層および裏面電極の製造技術を用いた太陽電池の製造方法であって、裏面にAlペーストを塗布したSi結晶基板の温度を450℃?50℃に維持した後、Si結晶基板を加熱して、Si結晶基板の温度を760℃〜830℃の最高到達温度まで上昇させた後、冷却する。また、このときのSi結晶基板の加熱から冷却を開始するまでの焼成時間を11秒以上、30秒以下とする。【選択図】図2

Description

本発明は、太陽電池の基板として利用される単結晶や多結晶などの各種結晶系Si(シリコン)太陽電池の製造方法に関する。
世界規模のエネルギー問題を解決するため、太陽電池の研究開発が活発に行われている。近年では、実用的に最も多く利用されている結晶系Siの他に、有機物質や化合物半導体や量子ドットなど様々な物質・形態の太陽電池の研究が行われているが、エネルギー変換効率、太陽電池製造コスト、安全性、資源の豊富さなどを総合的に考えると、将来的にも結晶系Si太陽電池が主流であり続けると予測できる。
実用太陽電池用のSi結晶は、チョクラルスキー法で作製されるSi単結晶インゴットや、キャスト法で作製されるSi多結晶インゴットや、電磁鋳造法(EMC)で作製される長尺多結晶インゴットや、単結晶種結晶を用いてキャスト法で作製されるモノライク結晶インゴットであり、これらのインゴットから厚さ200ミクロンメートル程度の薄板が切り出され、太陽電池の基板材料として利用されている。これらSi結晶材料を用いた太陽電池が、現在の実用太陽電池生産量の8割以上を占めている。また、これらのSi結晶のほとんどは、III族元素であるB(ボロン)がドープされたp型半導体の結晶である。
実用的には、エネルギー変換効率が17%未満の太陽電池が市場の大部分を占めている。しかしながら、Si太陽電池産業のさらなる発展には、更なる電力コストの低減が必要であり、そのためには太陽電池の変換効率を、Si結晶太陽電池の理論限界値である28%に近づけなければならない。
変換効率17%以上の太陽電池を安定して提供するためには、Si結晶自体の品質を改善することの他に、実際のSi結晶に適応した太陽電池製造技術を開発しなければならない。
通常、p型Si結晶を基板に用いた太陽電池の構造は、n/n/p/p(p++)型のダイオードとなっている。一般的な太陽電池の製造過程において、基板表面(受光面)からP(リン)などのV族元素をドープすることで、基板表面から一定の深さまでn型半導体層が形成されている。これにより表面近傍にpn接合が形成される。
p型Si結晶表面のpn接合の作製方法としては、基板表面にP(リン)などのV族元素を塗布した基板を780℃〜850℃の低温で、5秒〜30秒の極短時間の熱処理を施す方法があり、これにより太陽電池のエネルギー変換効率が大幅に改善されることが示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、一般的にSi結晶の裏面には、Al(アルミニウム)ペーストなどの導電性ペーストが焼成され、裏面BSF(Back Surface Field)層および裏面電極が形成されている。この裏面BSF層を作製する理由を以下に示す。
裏面BSF層を作製する理由について、従来の考え方に従って説明する。通常、表面から太陽光が入射されると、p型Si結晶の内部で電子と正孔のペアが形成される。p型Si結晶の内部で形成された電子は少数キャリアと呼ばれ、pn接合まで到達すると外部の回路の電流源となる。また、裏面近傍で生成した少数キャリア(電子)は、裏面電極の方へ拡散しようとするが、このときp層である裏面BSF層が存在することにより、少数キャリアがはね返され、表面近傍のpn接合まで達すると電流となる。裏面BSF層は、通常はAlペーストなどの導電性ペーストをSi結晶の裏面(pn接合を形成した面と反対の面)に塗布して焼成することにより、p型ドーパントであるAlをSi結晶基板の裏面から内部へ拡散させることにより作製されている。内部に拡散せずに、裏面に残ったAlは裏面電極として利用される。
この裏面BSF層の作製方法としては、Alペーストの焼成条件として、870℃で1分間、900℃で1分間、950℃で3分間、または1020℃で5分間の熱処理を行う方法がある(例えば、特許文献2参照)。
また、導電性ペーストの焼成条件として、450℃以上の最高焼成温度で焼成する焼成工程と、その最高焼成温度からの冷却過程の250℃以上の温度領域において、7.5℃/秒以下の冷却速度を所定時間維持する維持工程とを備える方法も開示されている(例えば、特許文献3参照)。また、焼成工程の後、10℃/秒以上の冷却速度で100℃以下まで冷却する冷却工程と、この冷却工程の後、250℃以上の温度領域で所定時間維持する方法も開示されている(例えば、特許文献3参照)。さらに、焼成工程において、より好ましくは500℃以上で数十秒〜数十分程度焼成することも示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2013−42042号公報 特開2006−140282号公報 特開2008−244166号公報
しかしながら、特許文献2または3に示されている焼成条件では、空間的な寄生欠陥分布が存在する現実のSi結晶に対して最適な焼成条件とはなっていないため、この工程において、太陽電池の特性低下が起こる。もしくは、Si結晶が本来備えている特性を最大限引き出すことができないという問題が残る。また、焼成時間が長いため、太陽電池の製造効率も低くなる。これらの問題を解決するためには、現実のSi結晶の特徴を理解しなければならない。以下に、各種製造技術で作製される現実のSi結晶の特徴について説明する。
現実のSi結晶は、空間的に不均一に転位・ボイド欠陥・不純物(ナノ欠陥)・点欠陥・粒界・応力などからなる寄生欠陥分布(密度)が存在する。また、例えばドーピング濃度を反映する抵抗率分布などのマイクロドメイン・マクロドメインが存在する。さらに、原料や成長装置に起因する酸素やリン(P)などの不純物、及び成長条件に起因する空孔(Vac.)や空孔複合体(Vac−Vac.)が存在し、それらはn型ドーパントと同等の性質を持つため、結果的に、p型ドーパントとして結晶成長時に添加されるボロン(B)と、原料や成長装置から結晶中に取り込まれるりん(P)や酸素などのn型ドーパントとが混在した結晶(n型に補償されたp型結晶)となっている。ボロンと酸素との結合B−Oペアによるディープレベル準位も、空間的に不均一に分布されている。
このような寄生欠陥が空間的に不均一に分布した現実のSi結晶では、特許文献2または3に記載されている裏面BSF(裏面電極)の形成方法では、裏面BSF層が厚くなること、または、熱処理中にp型Si結晶中の寄生欠陥の再分布または増殖が起こることにより、Si結晶の特性を最大限に引き出した高効率太陽電池の実現は不可能であるという課題があった。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、寄生欠陥が空間的に不均一に分布している現実のSi結晶に対して、裏面BSFの形成工程における太陽電池特性の低下を抑制し、Si結晶の性能を最大限に引き出すことができる太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、現実のSi結晶の性能を最大限に引き出すことができる裏面BSF層の形成方法について、従来の考え方とは異なり、p型Si結晶中の多数キャリアである正孔に着目して発案されたものである。以下に、本発明の基となる考え方を述べる。
p型Si結晶の裏面近傍では、多数キャリアである正孔が裏面電極まで到達することにより、電流となる。ここでいう正孔は、光照射により生成した正孔と、もともとp型Si結晶中に存在する多数キャリアである正孔とを併せて考えている。従来の高温または長時間の裏面BSF層の焼成条件では、裏面に塗布したAlペースト(導電性ペースト)が裏面から内部の深い位置まで拡散するため、裏面BSF層が厚くなってしまう。裏面BSF層が厚いと、p型Si結晶内部の正孔が厚い裏面BSF層を通って裏面電極まで拡散する過程で、厚い裏面BSF層中で再結合して消滅する確率が大きくなってしまうため、太陽電池の変換効率が低下してしまう。従って、裏面BSF層の厚みを極限まで薄くすることにより、正孔の消滅を極限まで抑制し、Si結晶の性能を最大限に引き出すことを考えた。
本発明に係る太陽電池の製造方法は、Si結晶の裏面にBSF層および裏面電極を作製するためのAlペーストの焼成方法(裏面δBSF焼成技術)である。本方法は、太陽電池用Si結晶基板の裏面にBSF層および裏面電極を形成する工程において、裏面にAlペーストを塗布したSi結晶基板の温度を450℃±50℃に維持した後、前記Si結晶基板を加熱して、前記Si結晶基板の温度を760℃〜830℃の最高到達温度まで上昇させた後、冷却し、前記Si結晶基板の加熱から冷却を開始するまでの焼成時間を11秒以上、30秒以下とすることを特徴とする。
本発明に係る太陽電池の製造方法は、温度勾配拡散によりAlをSi結晶の裏面から数十nm〜数百nmの深さまで拡散させ、裏面BSF層を極端に薄くし、かつ、裏面BSF/Si結晶界面に急峻な濃度勾配を形成することにより、基板Si結晶内部に存在する、あらゆる欠陥におけるキャリアの消滅や損失を防止することができる。
本発明に係る太陽電池の製造方法では、p層である裏面BSF層(p−p++構造)とp型Si結晶との界面(p/p界面)に急峻なエネルギー障壁を形成することができる。
また、本発明に係る太陽電池の製造方法により、P層である裏面BSF層とp型Si結晶との界面に急峻な濃度勾配を形成することができる。なお、焼成時間とは、450℃±50℃に維持されたSi結晶基板をさらに加熱し始めてから、最高到達温度に達した後、冷却し始めるまでの時間である。
本発明に係る太陽電池の製造方法は、使用するSi基板がp型の半導体Si単結晶基板またはp型のSi多結晶基板のどちらであってもよく、どのような製造方法で得られた結晶でもよい。また、使用する基板がp型の薄膜Si結晶基板または薄膜アモルファスSi基板であってもよい。さらに、これらのSi基板の表面に他の物質を積層させた基板やSi基板の表面に量子ドット構造やナノワイヤー構造を堆積した基板であってもよい。本発明による極短時間の拡散熱処理時間で裏面BSFを形成させた太陽電池は、従来の数十秒〜数十分の拡散熱処理時間で裏面BSFを形成させた太陽電池に比べて、高効率な特性が得られるだけでなく、裏面BSFプロセスにかかる時間を大幅に短縮することができる。
また、本発明に係る太陽電池の製造方法は、前記Si結晶基板の裏面にAlペーストを塗布する工程を、前記Si結晶基板の表面にpn接合を作製した後に実施してもよく、前記Si結晶基板の表面のpn接合と裏面の前記BSF層および前記裏面電極とを、一回の同一熱処理により作製してもよい。
本発明によれば、太陽電池基板結晶内部の欠陥を増大させることなく、p型Si結晶中の多数キャリアである正孔と、光照射によって発生する少数キャリアおよび正孔とを高効率に光電流に寄与させ、太陽電池の変換効率を向上させることができる太陽電池の製造方法を提供することができる。本発明によれば、寄生欠陥が空間的に不均一に分布している現実のSi結晶に対して、裏面BSFの形成工程における太陽電池特性の低下を抑制し、Si結晶の性能を最大限に引き出すことができる太陽電池の製造方法を提供することができる。本発明により、太陽電池の短絡電流密度と開放電圧が増加するため、エネルギー変換効率が従来プロセスを施した太陽電池と比較して1%以上向上する。
(a)従来の方法で裏面BSFを作製した太陽電池のバンド構造図、(b)本発明の実施の形態の太陽電池の製造方法による裏面δBSF焼成技術で作製した太陽電池のバンド構造図である。 同じ抵抗値のCZ基板に対して、従来の裏面電極作製技術を用いて作製した太陽電池と、本発明の実施の形態の太陽電池の製造方法による裏面δBSF焼成技術を用いて作製した太陽電池の(a)I−V曲線、(b)外部量子効率の波長依存性を示すグラフである。 単結晶(CZ)、多結晶(MC)、Mono結晶(MLC)に対して、従来法および本発明の実施の形態の太陽電池の製造方法による裏面δBSF焼成技術で作製した太陽電池の変換効率と、電流変調4探針抵抗値測定技術(CMR法)で得られるIth−Iパラメーターとの相関を示すグラフである。 本発明の実施の形態の太陽電池の製造方法に関し、(a)裏面BSF層の焼成工程において、最高到達温度を820℃に固定し、焼成時間を5秒から40秒まで変化させて裏面BSF層を焼成した各太陽電池の変換効率の測定結果、(b)焼成時間を20秒に固定して、最高到達温度を755℃から840℃の間の様々な温度に設定して裏面BSF層を焼成した各太陽電池の変換効率の測定結果を示すグラフである。
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明による、Alペーストを塗布したSi結晶の裏面温度を450℃±50℃に維持した後、760℃〜830℃の最高到達温度まで上昇させてから冷却するまでの焼成時間を11秒以上30秒以下という極短時間で行う方法により、裏面BSF層を作製することにより、太陽電池特性が向上する理由をバンド構造を用いて説明した図である。図1(a)は、従来の所定温度で数十秒〜数十分という長時間の拡散時間により裏面BSF層を作製した場合のバンド図であり、図1(b)は本発明により裏面BSF層を作製した場合のバンド図である。
図1(a)に示すように、拡散時間が長い、または拡散熱処理温度が高い従来の方法では、p型Si結晶の裏面に塗布したAlペーストあるいは導電性ペーストの主成分がp型Si結晶内部に拡散することによって、裏面BSFとSi結晶との界面になだらかな濃度勾配が形成されるため、p/p界面のエネルギー障壁がなだらかになり、裏面BSF層が厚くなってしまう。p型Si結晶内部に存在する正孔の一部は、裏面BSF層に取り込まれて再結合してしまう。一方、図1(b)に示すように、本発明による極短時間の拡散熱処理では、裏面BSFとSi結晶との界面の濃度勾配が急峻であり、つまり、p/p界面のエネルギー障壁が急峻であるため、裏面BSF層を極限まで薄くすることができ、正孔が裏面BSF層で再結合して消滅するのを防ぐことができる。
本発明の効果を実証するために、本発明および従来法を用いて太陽電池を作製し、太陽電池特性を比較した。以下に、詳細な実験について説明する。
抵抗率2.6Ωcm、基板厚さ約400μmのp型Si(100)単結晶基板を1.8cm角にカットし、太陽電池試作用の基板とした。基板表面のテクスチャー構造は作製せず、鏡面表面のまま用いた。基板表面をHF:HNO、10%HF溶液および純水で洗浄した後、P(リン)を含むOCD(Ohka Coat Diffusion P−59230)溶液をスピンコートにより塗布した。Si結晶基板表面のpn接合プロセスは820℃で10秒間という極短時間の拡散熱処理プロセス(δエミッタ技術)を用いた。熱処理後、全ての基板において、ITOを用いた単層反射防止膜(75−80nm)をスパッタによって成膜した。
その後、Si結晶基板の裏面にAlペーストを塗布した後、Si結晶基板を加熱して裏面BSF層および裏面電極を焼成した。焼成条件は、Alペーストを塗布したSi結晶基板を450℃の温度に維持した後、Si結晶基板の温度を795℃まで上昇させ、その後、冷却を開始してSi結晶基板の温度を室温まで下げた。この工程において、450℃から795℃まで温度を上昇させてから、冷却を開始するまでの焼成時間を、従来法である60秒としたものと、本発明による15秒としたものを作製した。Si結晶基板の厚み方向の温度勾配は1℃/mm以下に制御した。その後、受光面にAgフィンガー電極を作製して太陽電池とした。
各太陽電池の電流−電圧特性(I−V曲線)を測定し、変換効率を比較した。また、結晶品質と太陽電池特性との相関を得ることができる変調電流4探針抵抗値測定技術(CMR法)を用いた評価も行った。
図2は、同じ抵抗値のCZ基板に対して、従来法で裏面BSFを作製した太陽電池(δ emitter + Conv.BSF)と本発明により裏面BSFを作製した太陽電池(δ emitter + δBSF)のI−V曲線(図2(a))および外部量子効率(External quantum efficiency)の波長依存性(図2(b))を示すグラフである。本発明による方法で裏面BSFを作製することにより、外部量子効率が全波長領域で向上し、短絡電流密度および開放電圧の値が改善され、太陽電池のエネルギー変換効率が1%以上向上した。本発明による短時間で焼成した裏面BSFにより、キャリアの再結合や結晶内部の寄生欠陥の再分布と増殖を極端に抑制できたことは明らかである。
図3は、様々な抵抗値の、基板厚さのSi単結晶(CZ)、Si多結晶(MC)、Si−Mono結晶(MLC)に対して、従来法で裏面BSFを作製した太陽電池(δ emitter + Conv.BSF)の変換効率(Conversion efficiency)と、電流変調4探針抵抗値測定技術(CMR法)で得られるIth−Iパラメーターとの相関を示している。また、本発明による効果を実証するために、Si単結晶(CZ)に対して、本発明により裏面BSFを作製した太陽電池(δ emitter + δBSF)の変換効率とIth−Iパラメーターとの相関も示した。尚、CMR法で得られるIth−Iパラメーターの値は、結晶の品質に対応しており、本発明と従来法との比較はIth−Iの値が0.3以上の高品質結晶に対して行った。図3に示すように、比較を行った全ての領域(Ith−I値)で、本発明により裏面BSFを作製した太陽電池で顕著な変換効率の向上が確認された。Si多結晶(MC)またはSi−Mono結晶(MLC)を用いた太陽電池においても同様の効果が得られることは自明である。
次に、より最適な焼成条件の範囲を決めるために、Alペーストの焼成工程における最高到達温度または焼成時間を変化させて裏面BSF層を作製し、それぞれの太陽電池の変換効率を調べた。
Alペーストを塗布したSi結晶の裏面温度を500℃に維持した後、Si結晶基板を最高到達温度である820℃まで加熱し、Si結晶基板の冷却を開始するまでの焼成工程において、500℃の維持温度から最高到達温度までSi結晶基板を加熱後、Si結晶基板の冷却を開始するまでの焼成時間を5秒から40秒まで変化させて裏面BSF層を焼成し、それぞれの太陽電池の変換効率を測定した。
図4(a)は、各焼成時間で裏面BSF層を焼成した各太陽電池の変換効率を測定した結果である。焼成時間が10秒以下の時は、変換効率が低く、また、30秒より長時間の焼成時間においても、変換効率の低下が起こった。焼成時間が10秒以下ではSi結晶基板の裏面に塗布したAlの拡散が十分に起こらないため変換効率が悪くなる。また、焼成時間が30秒より長くなるとSi結晶基板中の欠陥の増殖が促進され、また、Si結晶基板の裏面におけるAlの濃度勾配が緩やかになり、裏面BSF層が厚くなってしまうため、少数キャリアの再結合が起こり、変換効率が悪くなる。
次に、焼成時間を20秒に固定して、最高到達温度を755℃から840℃の間の様々な温度に設定して裏面BSF層を焼成し、それぞれの太陽電池の変換効率を測定した。
図4(b)は、各最高到達温度で裏面BSF層を焼成した各太陽電池の変換効率を測定した結果である。最高到達温度が760℃より低い温度では、変換効率が低く、また、最高到達温度が830℃よりも高温になると、変換効率の低下が起こった。最高到達温度が760℃より低いと、Alの拡散がほとんど起こらないため、裏面BSF層を形成させることが困難であり変換効率が悪くなる。また、最高到達温度が830℃より高温になると、Si結晶基板中の欠陥の増殖が促進され、また、Alの早い拡散によりSi結晶基板の裏面におけるAlの濃度勾配が緩やかになり、裏面BSF層が厚くなってしまうため、少数キャリアの再結合が起こり、変換効率が悪くなる。
上記のように、本発明による裏面BSFの作製方法においては、焼成時間と最高到達温度が太陽電池の変換効率に影響を及ぼすことは明らかであり、最高到達温度は760℃以上830℃以下、焼成時間は11秒以上30秒以下にする必要がある。また、最高到達温度まで加熱する前のSi結晶基板の維持温度に関しては、低い温度で維持すると、短時間で最高到達温度まで加熱させることが困難となるため、少なくとも400℃以上に維持することが望ましい。また、維持温度が高すぎると、Alペーストが酸化されたり、AlペーストとSi結晶基板が反応したりするため、500℃を越えない温度で維持することが望ましい。
本実験では、太陽電池の製造工程において、Si結晶表面のp−n接合(表面受光面のδエミッタ技術)の作製を行った後で、裏面BSF(裏面δBSF焼成技術)の作製を行ったため、2段階の熱処理工程を用いたが、両者を同時に行うことも可能である。
上記2段階の表裏面における熱処理工程を同時に行えば、寄生欠陥の再分布と増殖をさらに抑制できるばかりでなく、2回目の裏面熱処理の工程で懸念される表面エミッタの再拡散(エミッタ破壊)による変換効率の低下を避けることもでき、太陽電池の変換効率が従来技術に比べて数%向上することも可能となる。また、太陽電池の製造効率も向上する。
また、本発明による裏面BSF層の作製方法は、Si結晶基板の表面に量子ドット構造やナノワイヤー構造を作製した基板や、Si結晶基板の表面にGeなどの他の物質を積層させた基板においても効果が得られることは自明である。

Claims (4)

  1. 太陽電池用Si結晶基板の裏面にBSF(Back Surface Field)層および裏面電極を形成する工程において、
    裏面にAlペーストを塗布したSi結晶基板の温度を450℃±50℃に維持した後、前記Si結晶基板を加熱して、前記Si結晶基板の温度を760℃〜830℃の最高到達温度まで上昇させた後、冷却し、
    前記Si結晶基板の加熱から冷却を開始するまでの焼成時間を11秒以上、30秒以下とすることを
    特徴とする太陽電池の製造方法。
  2. 前記Si結晶基板は、Si単結晶またはSi多結晶を主材料とするSi系結晶基板、または、Si系結晶基板の表面に他の物質を積層させた結晶基板、または、Si系結晶基板の表面にナノドット構造やナノワイヤー構造を堆積させた結晶基板のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の太陽電池の製造方法。
  3. 前記Si結晶基板の裏面にAlペーストを塗布する工程を、前記Si結晶基板の表面にpn接合を作製した後に実施することを特徴とする請求項1または2記載の太陽電池の製造方法。
  4. 前記Si結晶基板の表面のpn接合と裏面の前記BSF層および前記裏面電極とを、一回の同一熱処理により作製することを特徴とする請求項1または2記載の太陽電池の製造方法。
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