JP2014229633A - 太陽電池およびその製造方法、ならびに太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池およびその製造方法、ならびに太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、上記のような太陽電池の光電変換部の受光面側透明電極層形成に関わる従来技術の問題点を解決し、太陽電池の変換効率を向上させること、及び太陽電池の製造コストを低減することを目的とする。
【解決手段】光電変換部と、前記光電変換部の一主面上に透明電極層と集電極をこの順に有する太陽電池であって、前記集電極は、透明電極層側から第一集電極と第二集電極をこの順に有し、前記透明電極層は、光電変換部側から非晶質の第一透明電極層と結晶質の第二透明電極層をこの順に有し、前記第一透明電極層の膜厚d1と第二透明電極層の膜厚d2が、d1>d2を満たす、太陽電池。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池およびその製造方法に関する。さらに、本発明は太陽電池モジュールに関する。
エネルギー問題や地球環境問題が深刻化する中、化石燃料にかわる代替エネルギーとして、太陽電池が注目されている。太陽電池では、半導体接合等からなる光電変換部への光照射により発生したキャリア(電子および正孔)を外部回路に取り出すことにより、発電がおこなわれる。光電変換部で発生したキャリアを効率的に外部回路へ取出すために、太陽電池の光電変換部上に集電極が設けられたものが用いられている。例えば、結晶シリコン基板上に、非晶質シリコン層および透明電極層を有するヘテロ接合太陽電池では、透明電極層上に集電極が設けられる。
非晶質シリコン薄膜や結晶質シリコン薄膜等を用いたシリコン系薄膜太陽電池や、CIGS、CIS等の化合物太陽電池、有機薄膜太陽電池、色素増感太陽電池等の薄膜太陽電池では、受光面の表面抵抗を減少させるために、光電変換部の受光面側表面に透明電極層が設けられる。
このような構成においては、透明電極層が集電極としての機能を果たし得るため、原理的には別途の集電極を設けることは不要である。しかしながら、透明電極層を構成する酸化インジウム錫(ITO)や酸化亜鉛等の導電性酸化物は、金属に比べて抵抗率が高いために、太陽電池セルの内部抵抗が高くなる問題がある。透明電極層は、結晶化させることにより抵抗率を低減できるが、それに伴い光吸収が高くなってしまい、透明電極層の抵抗率と光吸収はトレードオフの関係にある。
透明電極層による内部抵抗の増大は、透明電極層の表面に、集電極(補助電極としての金属電極)を別途形成することで解決できるため、光吸収が小さく効率よく光取り込みができる非晶質透明電極層上に集電極を形成した太陽電池などが用いられている。例えば特許文献1では、キャリア数の異なる二層の非晶質透明電極層を形成することにより光吸収を抑えつつ電気的特性を向上させる手法が開示されている。
太陽電池の集電極は、一般に、スクリーン印刷法により、銀ペーストをパターン印刷することにより形成される。この方法は、工程自体は単純であるが、銀の材料コストが大きいことや、樹脂を含有する銀ペースト材料が用いられるために、集電極の抵抗率が高くなるとの問題がある。
これらの課題を解決するための手法として、材料コストおよびプロセスコストの面で優れるめっき法により集電極を形成する方法が知られている。例えば、特許文献2〜5では、透明電極上に、銅等からなる金属層がめっき法により形成された太陽電池法が開示されている。
めっき法による集電極形成では、非中性の液体材料の中に太陽電池セルを浸漬させる工程が存在する。その際、透明電極層は導電性を有するためにめっきされてしまう。従って、透明電極層が直接液体材料に接触することを防ぎ、かつ透明電極層上の任意の場所に集電極を形成するために、透明電極層の一部を絶縁性材料(絶縁層)で保護する必要がある。
特許文献2、3の方法においては、まず、透明電極層上に、集電極の形状に対応する開口部を有するレジスト材料層(絶縁層)が形成され、透明電極層のレジスト開口部に、電気めっきにより金属層が形成される。その後、レジストが除去されることで、所定形状の集電極が形成される。
また、特許文献4では、透明電極上にSiO2等の絶縁層を設けた後、絶縁層を貫通する溝を設けて透明電極層の表面または側面を露出させ、透明電極の露出部と導通するように金属集電極を形成する方法が開示されている。具体的には、透明電極層の露出部に光めっき法等により金属シードを形成し、この金属シードを起点として電気めっきにより金属電極を形成する方法が提案されている。このような方法によれば、特許文献2,3のようにレジストを用いる必要がないため、材料コストおよびプロセスコスト面でより有利である。また、低抵抗の金属シードを設けることにより、透明電極層と集電極との間の接触抵抗を低下させることができる。
また特許文献5では、適当な粗さと多孔性を有する導電性シードを用い、該導電性ペーストの凹凸を大きくすることにより、絶縁層製膜時に、光電変換部の導電性シード以外の部分の全面を覆い、導電性シード上に不連続な開口部し、該開口部を起点としてめっき層を形成する旨が記載されている。
ここで、一般に非晶質透明電極層は耐酸性や耐アルカリ性に乏しく、それらの物質と接触することで容易に溶解し、太陽電池セル性能低下を招くことが知られている。これを解決するために、例えば、特許文献6では、透明電極層として種結晶層(非晶質と結晶質が混在)上に、該種結晶層よりも厚い結晶質層を形成することで、酸溶液やアルカリ溶液を使用するめっき時においてめっき耐性を向上できる旨が開示されている。
また特許文献7には、基板/電極/非晶質透明電極層/光電変換部を有する太陽電池に関し、透明電極層と光電変換部の間に形成するバッファー層の酸成分による透明電極層へのダメージを抑制するために、非晶質透明電極層のバッファー層に接する部分を結晶化させ、また電極側の透明電極層を非晶質のままにすることで、低抵抗で可とう性に優れたフレキシブル太陽電池を作製できる旨が記載されている。
WO2012/020682号国際公開パンフレット 特昭60−66426号公報 特開2000−58885号公報 特開2011−199045号公報 特表2013−507781号公報 特開2012−219301号公報 特開2011−181904号公報
本発明者らの検討によれば、非晶質透明電極層を絶縁層で保護した場合も、めっき液が該透明電極層上に侵入し、透明電極層が溶出し、太陽電池セル特性が低下するといった問題が生じた。
特許文献6においては、厚い結晶質層を用いることにより、めっき耐性を向上できると考えられるが、膜全体の結晶質の割合が多く、光吸収が高くなるため、太陽電池セルの性能低下を招くと考えられる。
また特許文献7では、非晶質透明電極層側(光入射側)に、めっきやスクリーン印刷等により電極(集電極)を形成する旨が記載されており、めっき液に曝される透明電極層が非晶質であるため、めっき液による腐食が生じ、光電変換特性が低下すると考えられる。
以上のように、これまでめっき液からの保護と、光吸収性の観点からは、何ら検討されていなかった。
本発明は、上記のような太陽電池の光電変換部の受光面側透明電極層形成に関わる従来技術の問題点を解決し、太陽電池の変換効率を向上させること、及び太陽電池の製造コストを低減することを目的とする。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討した結果、所定の透明電極層と集電極を用いることにより、太陽電池の変換効率が向上可能であり、さらに製造過程や長期使用での歩留まりが向上するため、低コストで太陽電池の製造が可能であることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下に関する。
光電変換部と、前記光電変換部の一主面上に透明電極層と集電極をこの順に有する太陽電池であって、前記集電極は、透明電極層側から第一集電極と第二集電極をこの順に有し、前記透明電極層は、光電変換部側から非晶質の第一透明電極層と結晶質の第二透明電極層をこの順に有し、前記第一透明電極層の膜厚d1と第二透明電極層の膜厚d2が、d1>d2を満たす、太陽電池。
前記第二透明電極層が完全結晶化されていることが好ましい。
前記第一透明電極層と第二透明電極層の膜厚がd1+d2=10〜140nmを満たし、かつ第二透明電極層の膜厚d2がd2=5〜50nmを満たすことが好ましい。
前記第一透明電極層と第二透明電極層の膜厚が0.5≧d2/(d1+d2)≧0.036を満たすことが好ましい。
前記第一透明電極層と第二透明電極層は各々金属ドーパントを含有し、前記第一透明電極層および第二電極層の金属ドーパント量を各々W1およびW2としたとき、W1=5〜15重量%、W2=0.1〜10重量%、W2<W1を満たすことが好ましい。
前記光電変換部が一導電型結晶シリコン基板の一主面上にシリコン系薄膜を有することが好ましい。
前記第一集電極と第二集電極の間に開口部が形成された絶縁層を含み、前記第一集電極は、前記絶縁層により被覆されており、前記絶縁層に設けられた前記開口部を介して前記第一集電極と第二集電極が導通されていることが好ましい。
前記第二透明電極層上にも前記絶縁層を有することが好ましい。
前記第一集電極は低融点材料を含み、前記低融点材料の熱流動開始温度T1が250℃以下であることが好ましい。
前記低融点材料が金属材料を含むことが好ましい。
前記第二集電極が銅を主成分とすることが好ましい。
前記太陽電池を備える太陽電池モジュールを用いることが好ましい。
前記太陽電池の製造方法は、光電変換部の一主面上に前記第一透明電極層と第二透明電極層をこの順に形成する透明電極層形成工程;前記透明電極層上に第一集電極が形成される第一集電極形成工程;前記第一集電極上にめっき法により第二集電極が形成されるめっき工程、をこの順に有し、前記透明電極層形成工程後、めっき工程前に、前記第二透明電極層上に絶縁層が形成される絶縁層形成工程を有することが好ましい。
第一集電極形成工程後に前記絶縁層形成工程を有し、前記絶縁層形成工程において前記絶縁層が第一集電極上に形成され、前記めっき工程において前記絶縁層に設けられた開口部を介してめっき法により第一集電極と導通する第二集電極が形成されることが好ましい。
前記第一集電極は熱流動開始温度T1が前記光電変換部の耐熱温度よりも低温である低融点材料を含み、前記絶縁層形成工程後に、前記低融点材料の熱流動開始温度T1よりも高温のアニール温度Taで加熱処理が行われることにより前記開口部が形成されることが好ましい。
前記第一集電極は熱流動開始温度T1が前記光電変換部の耐熱温度よりも低温である低融点材料を含み、前記絶縁層形成工程において、前記低融点材料の熱流動開始温度T1よりも高温の基板温度Tbで前記絶縁層が形成されることにより、絶縁層の形成と同時に前記開口部が形成される、ことが好ましい。
本発明によれば、めっき法により集電極が形成可能であるため、集電極が低抵抗化され、太陽電池の変換効率を向上することができる。また、従来技術のめっき法による集電極の形成方法では、絶縁層のパターニングプロセスが必要であるが、本発明によればパターン形成のためのレジスト等を用いずにめっき法によるパターン電極の形成が可能である。そのため、高効率の太陽電池を安価に提供することができる。
本発明の太陽電池を示す模式的断面図である。 一実施形態にかかるヘテロ接合太陽電池を示す模式的断面図である。 透明電極層の表面観察像である。 本発明の一実施形態による太陽電池の製造工程の概念図である。 図4(C)工程において、マスク等を用いることで、第一集電極上に絶縁層を形成しない場合の概念図である。 低融点材料の加熱時の形状変化の一例を示す概念図である。 低融点材料粉末の加熱時の形状変化、およびネッキングについて説明するための概念図である。 焼結ネッキングが生じた金属微粒子のSEM写真である。 めっき装置の構造模式図である。 実施例における絶縁層の光学特性を示す図である。
図1に模式的に示すように、本発明の太陽電池110は、光電変換部50の一主面上に透明電極層100と集電極70を備える。透明電極層100は、光電変換部50側から順に、非晶質の第一透明電極層101と結晶質の第二透明電極層102とを含む。集電極70は、第二透明電極層102側から順に、第一集電極71と第二集電極72とを含む。第二透明電極層102上には、絶縁層9が形成されている。本発明においては、前記透明電極層100を用いることにより、光吸収を抑制したままめっき液から光電変換部を保護することができる。
以下、本発明の一実施形態であるヘテロ接合結晶シリコン太陽電池(以下、「ヘテロ接合太陽電池」と記載する場合がある)を例として、本発明をより詳細に説明する。ヘテロ接合太陽電池は、一導電型の単結晶シリコン基板の表面に、単結晶シリコンとはバンドギャップの異なるシリコン系薄膜を有することで、拡散電位が形成された結晶シリコン系太陽電池である。シリコン系薄膜としては非晶質のものが好ましい。中でも、拡散電位を形成するための導電型非晶質シリコン系薄膜と結晶シリコン基板の間に、薄い真性の非晶質シリコン層を介在させたものは、変換効率の最も高い結晶シリコン太陽電池の形態の一つとして知られている。
図2は、本発明の一実施形態に係る結晶シリコン系太陽電池の模式的断面図である。結晶シリコン系太陽電池111は、光電変換部50として、一導電型単結晶シリコン基板1の一方の面(光入射側の面)に、導電型シリコン系薄膜3aをこの順に有する。光電変換部50の一主面側には、第一透明電極層101及び第二透明電極層102をこの順に含む透明電極層100を有する。一導電型単結晶シリコン基板1の他方の面(光入射側と反対側の面)には、導電型シリコン系薄膜3bおよび裏面側透明電極層103をこの順に有することが好ましい。光電変換部50の一主面側の透明電極層100上には、第一集電極71および第二集電極72を含む集電極70が形成されている。第二透明電極層102上には絶縁層9が形成されている。
一導電型単結晶シリコン基板1と導電型シリコン系薄膜3a,3bとの間には、真性シリコン系薄膜2a,2bを有することが好ましい。裏面側透明電極層103上には裏面金属電極8を有することが好ましい。
まず、本発明の結晶シリコン系太陽電池における、一導電型単結晶シリコン基板1について説明する。一般的に単結晶シリコン基板は、導電性を持たせるために、シリコンに対して電荷を供給する不純物を含有している。単結晶シリコン基板は、シリコン原子に電子を導入するための原子(例えばリン)を含有させたn型と、シリコン原子に正孔を導入する原子(例えばボロン)を含有させたp型がある。すなわち、本発明における「一導電型」とは、n型またはp型のどちらか一方であることを意味する。
ヘテロ接合太陽電池では、単結晶シリコン基板へ入射した光が最も多く吸収される入射側のへテロ接合を逆接合として強い電場を設けることで、電子・正孔対を効率的に分離回収することができる。そのため、光入射側のヘテロ接合は逆接合であることが好ましい。一方で、正孔と電子とを比較した場合、有効質量および散乱断面積の小さい電子の方が、一般的に移動度が大きい。以上の観点から、ヘテロ接合太陽電池に用いられる単結晶シリコン基板1は、n型単結晶シリコン基板であることが好ましい。単結晶シリコン基板1は、光閉じ込めの観点から、表面にテクスチャ構造を有することが好ましい。
テクスチャが形成された一導電型単結晶シリコン基板1の表面に、シリコン系薄膜が製膜される。シリコン系薄膜の製膜方法としては、プラズマCVD法が好ましい。プラズマCVD法によるシリコン系薄膜の形成条件としては、基板温度100〜300℃、圧力20〜2600Pa、高周波パワー密度0.004〜0.8W/cmが好ましく用いられる。シリコン系薄膜の形成に使用される原料ガスとしては、SiH、Si等のシリコン含有ガス、またはシリコン系ガスとHとの混合ガスが好ましく用いられる。
導電型シリコン系薄膜3は、一導電型または逆導電型のシリコン系薄膜である。例えば、一導電型単結晶シリコン基板1としてn型が用いられる場合、一導電型シリコン系薄膜、および逆導電型シリコン系薄膜は、各々n型、およびp型となる。p型またはn型シリコン系薄膜を形成するためのドーパントガスとしては、BまたはPH等が好ましく用いられる。また、PやBといった不純物の添加量は微量でよいため、予めSiHやHで希釈された混合ガスを用いることが好ましい。導電型シリコン系薄膜の製膜時に、CH、CO、NH、GeH等の異種元素を含むガスを添加して、シリコン系薄膜を合金化することにより、シリコン系薄膜のエネルギーギャップを変更することもできる。
シリコン系薄膜としては、非晶質シリコン薄膜、微結晶シリコン(非晶質シリコンと結晶質シリコンとを含む薄膜)等が挙げられる。中でも非晶質シリコン系薄膜を用いることが好ましい。例えば、一導電型単結晶シリコン基板1としてn型単結晶シリコン基板を用いた場合の光電変換部50の好適な構成としては、p型非晶質シリコン系薄膜3a/i型非晶質シリコン系薄膜2a/n型単結晶シリコン基板1/i型非晶質シリコン系薄膜2b/n型非晶質シリコン系薄膜3bの順の積層構成が挙げられる。この場合、前述の理由から、p層側を光入射面とすることが好ましい。
真性シリコン系薄膜2a,2bとしては、シリコンと水素で構成されるi型水素化非晶質シリコンが好ましい。単結晶シリコン基板上に、CVD法によってi型水素化非晶質シリコンが製膜されると、単結晶シリコン基板への不純物拡散を抑えつつ表面パッシベーションを有効に行うことができる。また、膜中の水素量を変化させることで、エネルギーギャップにキャリア回収を行う上で有効なプロファイルを持たせることができる。
p型シリコン系薄膜は、p型水素化非晶質シリコン層、p型非晶質シリコンカーバイド層、またはp型非晶質シリコンオキサイド層であることが好ましい。不純物拡散の抑制や直列抵抗低下の観点ではp型水素化非晶質シリコン層が好ましい。一方、p型非晶質シリコンカーバイド層およびp型非晶質シリコンオキサイド層は、ワイドギャップの低屈折率層であるため、光学的なロスを低減できる点において好ましい。
ヘテロ接合太陽電池111の光電変換部50は、導電型シリコン系薄膜3a上に透明電極層100を備える。また導電型シリコン系薄膜3b上に、透明電極層103を備えることが好ましい。透明電極層は、透明電極層形成工程により形成される。
本発明における透明電極層100は、光電変換部側から順に、非晶質の第一透明電極層101と結晶質の第二透明電極層102を有する。
本発明においては、第一透明電極層は、主として光電変換部との電気的な接続と光取り込みのために機能し、第二透明電極層は主として第一透明電極層を外部環境から保護するために機能する。
本発明において、「結晶質」とは、(1)X線回折法によって明瞭なピーク構造を有するもの、または(2)図3(a)に示すような透明電極層を用い、25℃にした10%塩酸に20秒間浸漬後、純水で洗浄を行いブロワで風乾し、表面形状を走査型電気顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で観察した時に、図3(c)に示すように、処理前後で表面状態に明確な差が出ないものを意味する。また40秒浸漬後に明確な差がでないものがより好適であり、60秒浸漬後に明確な差がでないものがさらに好適である。
例えば、透明電極層の膜厚が、10〜20nm程度と薄い場合、(1)X線回折法によって明確なピークが観測されない場合があるが、(2)の条件にて塩酸処理を行った場合に明確な差が出ないものは、結晶質と定義することができる。
(1)X線回折法による測定は、2θ/θ法により行い、2θの測定範囲を20〜80°とすることにより求めることができる。中でも、(1)X線回折法によって明瞭なピーク構造を有し、かつ上述のように(2)の条件での塩酸処理前後に表面状態に明確な差が出ないものがより好ましい。
また「非晶質」とは、上記「結晶質」以外のもの、すなわちX線回折法によりピークが観測されず、かつ、25℃にした10%塩酸に20秒間浸漬後、純水で洗浄を行いブロワで風乾し、表面形状をSEMで観察した時に、例えば図3(b1)もしくは図3(b2)に示すように、処理前後で表面状態に明確な差が出るものを意味する。全面が非晶質で覆われている場合は、図3(b1)のように全面の透明電極層が酸処理によりダメージを受ける。また、小さな結晶粒が非晶質中に存在する場合、結晶粒は酸処理によって溶けないが、図3(b2)のように結晶粒部分を残して非晶質層部分は溶ける。以上のように、塩酸処理により明確な差が出るものを非晶質と定義することができる。
本発明における結晶質は、完全結晶化されたものであることがより好ましい。完全結晶化とは、透過型電子顕微鏡による表面観察行った際、観察部位全面が結晶粒で覆われているものを意味する。
めっき工程等のめっき液と接触する可能性のある第二透明電極層を結晶質にすることで、太陽電池性能の低下及び信頼性の低下をより防ぐことが出来る。本発明における透明電極層100は、前記第一透明電極層の膜厚d1と第二透明電極層の膜厚d2が、d1>d2を満たす。非晶質の第一透明電極層と結晶質の第二透明電極層の積層構造とし、前記膜厚を満たすことで、光取り込み効果を失うことなく、めっき液の耐性が高い透明電極層を形成することができる。
第一透明電極層101と第二透明電極層102の合計膜厚:d1+d2は、透明性、導電性及び光反射低減の観点から、10nm以上140nm以下であることが好ましい。中でも導電性の観点から30nm以上が好ましく、80nm以上がより好ましい。また、光反射低減の観点から120nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。
ここで、光電変換部の一主面側に透明電極層を形成した太陽電池仕掛品に、めっき法にて集電極を形成する場合、後述のように、めっき液として一般的に中性でない非中性溶液(例えば、PH≦6.0や、8.0≦PHなど)が用いられる。この場合、導電性を有する透明電極層もめっきされてしまうため、一般的に透明電極層を絶縁層等で保護する必要がある。しかしながら絶縁層で覆った場合であっても、めっき液に曝すと透明電極層までめっき液が浸透してくる場合がある。
本発明においては、透明電極層として前記第二透明電極層を用いることにより、絶縁層9に不具合(例えば、ピンホール)が生じた場合などでも、不具合部分の下に存在する透明電極層や光電変換部へのめっき工程でのダメージをより抑制することが可能となる。
例えば、絶縁層と第一集電極の隙間や、絶縁層9に形成されたピンホールなどの微細な欠陥が存在する場合、欠陥等から侵入しためっき液は透明電極層を腐食する恐れがある。これに伴い、透明電極層が光電変換部から剥がれたり、光電変換部へのダメージが生じ得る。また後述のように、硫酸等の不揮発性非中性溶液をめっき液として用いた場合、非中性成分は揮発しにくいため、モジュール化した際などの長期信頼性が失われてしまう場合がある。
一方、本発明においては前記第二透明電極層を用いることにより、絶縁層に欠陥等が存在する場合でも、透明電極層へのめっき工程でのダメージが抑制され、透明電極層の光電変換部からの剥がれ等を抑制することができる。すなわち、第二透明電極層により、光電変換部の表面をめっき液から保護する効果が期待できる。
めっき液からの耐性をより向上させる観点から、第二透明電極層の膜厚d2は5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましく、30nm以上であることが特に好ましい。
また、光吸収によるロスを低減する観点から、d2は60nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、40nm以下であることが特に好ましい。
なお、透明電極層は、光吸収を抑制し、めっき耐性を向上させる観点から、d1+d2が0.5≧d2/(d1+d2)≧0.036が好ましく、d1+d2が0.35≧d2/(d1+d2)≧0.07がより好ましい。
透明電極層の膜厚は、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)の断面観察により求めることができる。本発明における透明電極層100は、導電性酸化物を主成分とする。導電性酸化物としては、例えば、酸化亜鉛や酸化インジウム、酸化錫を単独または混合して用いることができる。導電性、光学特性、および長期信頼性の観点から、酸化インジウムを含んだインジウム系酸化物が好ましい。
本発明における透明電極層には、金属ドーパントを添加することができる。例えば、透明電極層として酸化亜鉛が用いられる場合、金属ドーパントとしては、アルミニウムやガリウム、ホウ素、ケイ素、炭素等が挙げられる。透明電極層として酸化インジウムが用いられる場合、金属ドーパントとしては、亜鉛や錫、チタン、タングステン、モリブデン、ケイ素等が挙げられる。透明電極層として酸化錫が用いられる場合、金属ドーパントとしては、フッ素等が挙げられる。
金属ドーパントは、一主面側透明電極層100および裏面側透明電極層103の一方もしくは両方に添加することができる。特に、透明電極層100に金属ドーパントを添加することが好ましい。透明電極層100に金属ドーパントを添加することで、透明電極層自体が低抵抗化されるとともに、透明電極層100と集電極7との間での抵抗損を抑制することができる。
本発明においては、前記第一透明電極層および第二電極層の金属ドーパント量を各々W1およびW2としたとき、W2<W1を満たす、すなわちドーパント濃度は第一透明電極層101よりも第二透明電極層102の方が低いことが好ましい。
これにより、第一透明電極層が非晶質になりやすく、また第二透明電極層の結晶性をより向上させることができる。前記金属ドーパント量は、光吸収低減の観点から第一透明電極層101のドーパント濃度W1=5〜15重量%が好ましく、7〜12重量%がより好ましい。
また結晶化の観点から第二透明電極層102のドーパント濃度がW2=0.1〜10重量%が好ましく、1〜6重量%がより好ましい。
本発明において、透明電極層100は、酸化インジウムを主成分とするものが好ましく用いられる。ここで「主成分とする」とは、含有量が50重量%より多いことを意味し、70重量%以上が好ましく、85重量%以上がより好ましい。また透明電極層は利用状況に応じて、Sn,W,As,Zn,Ge,Ca,Si,C等の少なくとも一種の金属を金属ドーパントとして含むことが好ましい。中でも金属ドーパントとしてSnを用いた酸化インジウム錫(ITO)がより好ましく用いられる。
本発明における透明電極層100は、波長400〜900nmにおける透過率が65%以上であることが好ましく、70%以上がより好ましく、75%以上が特に好ましい。この範囲とすることにより、光吸収を抑制することができ、光閉じ込め効果をより向上させることができる。
本発明における透明電極層100は、光電変換部の一主面側から順に、非晶質の第一透明電極層と結晶質の第二透明電極層を有するが、本発明の機能を損なわない限り、さらに別の透明電極層を有していても良い。例えば、第一透明電極層と第二透明電極層の間に、結晶性の異なる第三透明電極層を形成することができる。本発明における裏面側の透明電極層103は、特に限定されず、第一透明電極層や第二透明電極層と同様に形成することができる。
透明電極層100の製膜方法は、特に限定されないが、スパッタ法等の物理気相堆積法や、有機金属化合物と酸素または水との反応を利用した化学気相堆積(MOCVD)法等が好ましい。いずれの製膜方法においても、熱やプラズマ放電によるエネルギーを利用することもできる。
透明電極層100作製時の基板温度は、適宜設定される。例えば、シリコン系薄膜として非晶質シリコン系薄膜が用いられる場合、200℃以下が好ましい。基板温度を200℃以下とすることにより、非晶質シリコン層からの水素の脱離や、それに伴うシリコン原子へのダングリングボンドの発生を抑制でき、結果として変換効率を向上させることができる。透明電極層の結晶性は、導電性酸化物の材料および組成、製膜条件(製膜方法、基板温度、導入ガスの種類および導入量、製膜圧力、パワー密度等)などを変更することにより、適宜に調整され得る。
中でも、製膜室内に導入される酸素量が少ない(多い)ほど、また製膜時のパワー密度を大きく(小さく)するほど、結晶質(非晶質)になる傾向がある。
ITO膜の製膜を例に挙げると、例えば、錫を1〜5重量%含有するターゲットを用い、酸素の導入量は、全ガス導入量に対して0.3体積%〜10体積%、パワー密度0.2mW/cm〜1.2mW/cmの条件で製膜が行われることが好ましい。上記範囲とすることで、結晶質の透明電極層をより容易に形成することができる。また錫を5〜10重量%含有するターゲットを用い、酸素の導入量は、全ガス導入量に対して0.3体積%〜10体積%、パワー密度0.2mW/cm〜1.2mW/cmの条件で製膜が行われることが好ましい。上記範囲とすることで、非晶質の透明電極層がより形成されやすくなる。
裏面側透明電極層103上には、裏面金属電極8が形成されることが好ましい。裏面金属電極8としては、近赤外から赤外域の反射率が高く、かつ導電性や化学的安定性が高い材料を用いることが望ましい。このような特性を満たす材料としては、銀やアルミニウム等が挙げられる。裏面金属電極層の製膜方法は、特に限定されないが、スパッタ法や真空蒸着法等の物理気相堆積法や、スクリーン印刷等の印刷法等が適用可能である。
透明電極層100上に、集電極7が形成される。集電極7は、第一集電極71と、第二集電極72とを含む。
本実施形態においては、第一集電極71と第二集電極72との間に絶縁層9が形成される。本発明の集電極7において、第二集電極72の一部は、第一集電極71に導通されている。ここで「一部が導通されている」とは、典型的には絶縁層に開口部が形成され、その開口部に第二集電極の材料が充填されていることによって、導通されている状態であり、また絶縁層9の一部の膜厚が、数nm程度と非常に薄くなる(すなわち局所的に薄い膜厚の領域が形成される)ことによって、第二集電極72が第一集電極71に導通しているものも含む。例えば、第一集電極71の低融点材料がアルミニウム等の金属材料である場合、その表面に形成された酸化被膜(絶縁層に相当)を介して第一集電極71と第二集電極72との間が導通されている状態が挙げられる。なお、本発明においては、上記以外に、図5に示すように、第一集電極の一主面側表面の全部が第二集電極に導通されていてもよい。
絶縁層9に、第一集電極71と第二集電極72とを導通させるための開口部を形成する方法は特に制限されず、レーザ照射、機械的な孔開け、化学エッチング等の方法が採用できる。一実施形態では、第一集電極71中の低融点材料を熱流動させることによって、その上に形成された絶縁層に開口部を形成する方法が挙げられる。
第一集電極71中の低融点材料の熱流動により開口を形成する方法としては、低融点材料を含有する第一集電極71上に絶縁層9を形成後、低融点材料の熱流動開始温度T1以上に加熱(アニール)して第一集電極71の表面形状に変化が生じさせ、その上に形成されている絶縁層9に開口(き裂)を形成する方法;あるいは、低融点材料を含有する第一集電極71上に絶縁層9を形成する際にT1以上に加熱することにより、低融点材料を熱流動させ、絶縁層の形成と同時に開口を形成する方法が挙げられる。
以下、第一集電極71中の低融点材料の熱流動を利用して、絶縁層に開口を形成する方法を図面に基づいて説明する。
図4は、太陽電池の光電変換部50上への集電極70の形成方法の一実施形態を示す工程概念図である。この実施形態では、まず、光電変換部50が準備される(光電変換部準備工程、図4(A))。例えば、ヘテロ接合太陽電池の場合は、前述のように、一導電型シリコン基板上に、シリコン系薄膜を備える光電変換部が準備される。
光電変換部の一主面上に、透明電極層100が形成される(透明電極層形成工程、図4(A))。透明電極層形成工程において、光電変換部側から第一透明電極層101と第二透明電極層102が形成される。低融点材料711を含む第一集電極71が形成される(第一集電極形成工程、図4(B))。第一集電極71上には、絶縁層9が形成される(絶縁層形成工程、図4(C))。絶縁層9は、第一集電極71上にのみ形成されていてもよく、透明電極層100の第一集電極71が形成されていない領域(第一集電極非形成領域)上にも形成されていてもよい。特に、本発明においては光電変換部50の表面に透明電極層が形成されているため、第一集電極非形成領域上にも絶縁層9が形成されることが好ましい。
絶縁層が形成された後、加熱によるアニール処理が行われる(アニール工程、図4(D))。アニール処理により、第一集電極71がアニール温度Taに加熱され、低融点材料が熱流動することによって表面形状が変化し、それに伴って第一集電極71上に形成された絶縁層9に変形が生じる。絶縁層9の変形は、典型的には、絶縁層への開口部9hの形成である。開口部9hは、例えばき裂状に形成される。
アニール処理により絶縁層に開口部を形成した後に、めっき法により第二集電極72が形成される(めっき工程、図4(E))。第一集電極71は絶縁層9により被覆されているが、絶縁層9に開口部9hが形成された部分では、第一集電極71が露出した状態である。そのため、第一集電極がめっき液に曝されることとなり、この開口部9hを起点として金属の析出が可能となる。このような方法によれば、集電極の形状に対応する開口部を有するレジスト材料層を設けずとも、集電極の形状に対応する第二集電極をめっき法により形成することができる。
(第一集電極)
第一集電極71は、めっき法により第二集電極が形成される際の導電性下地層として機能する層である。そのため、第一集電極は電解めっきの下地層として機能し得る程度の導電性を有していればよい。なお、本明細書においては、体積抵抗率が10−2Ω・cm以下であれば導電性であると定義する。また、体積抵抗率が、10Ω・cm以上であれば、絶縁性であると定義する。
第一集電極71の膜厚は、コスト的な観点から20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましい。一方、第一集電極71のライン抵抗を所望の範囲とする観点から、膜厚は0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。
第一集電極71は、熱流動開始温度Tの低融点材料を含む。熱流動開始温度とは、加熱により材料が熱流動を生じ、低融点材料を含む層の表面形状が変化する温度であり、典型的には融点である。高分子材料やガラスでは、融点よりも低温で材料が軟化して熱流動を生じる場合がある。このような材料では、熱流動開始温度=軟化点と定義できる。軟化点とは、粘度が4.5×10Pa・sとなる温度である(ガラスの軟化点の定義に同じ)。
低融点材料は、アニール処理において熱流動を生じ、第一集電極71の表面形状に変化を生じさせるものであることが好ましい。そのため、低融点材料の熱流動開始温度Tは、アニール温度Taよりも低温であることが好ましい。また、本発明においては、光電変換部50または透明電極層の耐熱温度よりも低温のアニール温度Taでアニール処理が行われることが好ましい。したがって、低融点材料の熱流動開始温度Tは、光電変換部または透明電極層の耐熱温度よりも低温であることが好ましい。
光電変換部または透明電極層の耐熱温度とは、当該光電変換部と透明電極層を備える太陽電池(「太陽電池セル」または「セル」ともいう)あるいは太陽電池セルを用いて作製した太陽電池モジュールの特性が不可逆的に低下する温度である。例えば、図2に示すヘテロ接合太陽電池101では、光電変換部50を構成する単結晶シリコン基板1は、500℃以上の高温に加熱された場合でも特性変化を生じ難いが、非晶質シリコン系薄膜2,3や、透明電極層6は250℃程度に加熱されると、熱劣化を生じたり、ドープ不純物の拡散を生じ、太陽電池特性の不可逆的な低下を生じる場合がある。そのため、ヘテロ接合太陽電池においては、第一集電極71は、熱流動開始温度Tが250℃以下の低融点材料を含むことが好ましい。
低融点材料の熱流動開始温度Tの下限は特に限定されない。アニール処理時における第一集電極の表面形状の変化量を大きくして、絶縁層9に開口部9hを容易に形成する観点からは、第一集電極の形成工程において、低融点材料は熱流動を生じないことが好ましい。例えば、塗布や印刷により第一集電極が形成される場合は、乾燥のために加熱が行われることがある。この場合は、低融点材料の熱流動開始温度Tは、第一集電極の乾燥のための加熱温度よりも高温であることが好ましい。かかる観点から、低融点材料の熱流動開始温度Tは、80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。
低融点材料は、熱流動開始温度Tが上記範囲であれば、有機物であっても、無機物であってもよい。低融点材料は、電気的には導電性であっても、絶縁性でも良いが、導電性を有する金属材料であることが望ましい。低融点材料が金属材料であれば、第一集電極の抵抗値を小さくできるため、電気めっきにより第二集電極が形成される場合に、第二集電極の膜厚の均一性を高めることができる。また、低融点材料が金属材料であれば、光電変換部50上の透明電極層100と集電極70との間の接触抵抗を低下させることも可能となる。
低融点材料としては、低融点金属材料の単体もしくは合金、複数の低融点金属材料の混合物を好適に用いることができる。低融点金属材料としては、例えば、インジウムやビスマス、ガリウム等が挙げられる。
第一集電極71は、上記の低融点材料に加えて、低融点材料よりも相対的に高温の熱流動開始温度Tを有する高融点材料を含有することが好ましい。第一集電極71が高融点材料を有することで、第一集電極と第二集電極とを効率よく導通させることができ、太陽電池の変換効率を向上させることができる。例えば、低融点材料として表面エネルギーの大きい材料が用いられる場合、アニール処理により第一集電極71が高温に曝されて、低融点材料が液相状態になると、図6に概念的に示すように、低融点材料の粒子が集合して粗大な粒状となり、第一集電極71に断線を生じる場合がある。これに対して、高融点材料はアニール処理時の加熱によっても液相状態とならないため、第一集電極形成材料中に高融点材料を含有することによって、図6に示すような低融点材料の粗大化による第一集電極の断線が抑制され得る。
高融点材料の熱流動開始温度Tは、アニール温度Taよりも高いことが好ましい。すなわち、第一集電極71が低融点材料および高融点材料を含有する場合、低融点材料の熱流動開始温度T、高融点材料の熱流動開始温度T、およびアニール処理におけるアニール温度Taは、T<Ta<Tを満たすことが好ましい。高融点材料は、絶縁性材料であっても導電性材料であってもよいが、第一集電極の抵抗をより小さくする観点から導電性材料が好ましい。また、低融点材料の導電性が低い場合は、高融点材料として導電性の高い材料を用いることにより、第一集電極全体としての抵抗を小さくすることができる。導電性の高融点材料としては、例えば、銀、アルミニウム、銅などの金属材料の単体もしくは、複数の金属材料を好ましく用いることができる。
第一集電極71が低融点材料と高融点材料とを含有する場合、その含有比は、上記のような低融点材料粗大化による断線の抑止や、第一集電極の導電性、絶縁層への開口部の形成容易性(第二集電極の金属析出の起点数の増大)等の観点から、適宜に調整される。その最適値は、用いられる材料や粒径の組合せに応じて異なるが、例えば、低融点材料と高融点材料の重量比(低融点材料:高融点材料)は、5:95〜67:33の範囲である。低融点材料:高融点材料の重量比は、10:90〜50:50がより好ましく、15:85〜35:65がさらに好ましい。
第一集電極71の材料として、金属粒子等の粒子状低融点材料が用いられる場合、アニール処理による絶縁層への開口の形成を容易とする観点から、低融点材料の粒径Dは、第一集電極の膜厚dの1/20以上であることが好ましく、1/10以上であることがより好ましい。低融点材料の粒径Dは、0.25μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましい。また、第一集電極71が、スクリーン印刷等の印刷法により形成される場合、粒子の粒径は、スクリーン版のメッシュサイズ等に応じて適宜に設定され得る。例えば、粒径は、メッシュサイズより小さいことが好ましく、メッシュサイズの1/2以下がより好ましい。なお、粒子が非球形の場合、粒径は、粒子の投影面積と等面積の円の直径(投影面積円相当径、Heywood径)により定義される。
低融点材料の粒子の形状は特に限定されないが、扁平状等の非球形が好ましい。また、球形の粒子を焼結等の手法により結合させて非球形としたものも好ましく用いられる。一般に、金属粒子が液相状態となると、表面エネルギーを小さくするために、表面形状が球形となりやすい。アニール処理前の第一集電極の低融点材料が非球形であれば、アニール処理により熱流動開始温度T以上に加熱されると、粒子が球形に近付くため、第一集電極の表面形状の変化量がより大きくなる。そのため、第一集電極71上の絶縁層9への開口部の形成が容易となる。
前述のごとく、第一集電極71は導電性であり、体積抵抗率が10−2Ω・cm以下であればよい。第一集電極71の体積抵抗率は、10−4Ω・cm以下であることが好ましい。第一集電極が低融点材料のみを有する場合は、低融点材料が導電性を有していればよい。第一集電極が、低融点材料および高融点材料を含有する場合は、低融点材料および高融点材料のうち、少なくともいずれか一方が導電性を有していればよい。例えば、低融点材料/高融点材料の組合せとしては、絶縁性/導電性、導電性/絶縁性、導電性/導電性が挙げられるが、第一集電極をより低抵抗とするためには、低融点材料および高融点材料の双方が導電性を有する材料であることが好ましい。
第一集電極71の材料として上記のような低融点材料と高融点材料との組合せ以外に、材料の大きさ(例えば、粒径)等を調整することにより、アニール処理時の加熱による第一集電極の断線を抑制し、変換効率を向上させることも可能である。例えば、銀、銅、金等の高い融点を有する材料も、粒径が1μm以下の微粒子であれば、融点よりも低温の200℃程度あるいはそれ以下の温度T’で焼結ネッキング(微粒子の融着)を生じるため、本発明の「低融点材料」として用いることができる。このような焼結ネッキングを生じる材料は、焼結ネッキング開始温度T’以上に加熱されると、微粒子の外周部付近に変形が生じるため、第一集電極の表面形状を変化させ、絶縁層9に開口部を形成することができる。また、微粒子が焼結ネッキング開始温度以上に加熱された場合であっても、融点T’未満の温度であれば微粒子は固相状態を維持するため、図6に示すような材料の粗大化による断線が生じ難い。すなわち、金属微粒子等の焼結ネッキングを生じる材料は、本発明における「低融点材料」でありながら、「高融点材料」としての側面も有しているといえる。
このような焼結ネッキングを生じる材料では、焼結ネッキング開始温度T’=熱流動開始温度Tと定義できる。図7は、焼結ネッキング開始温度について説明するための図である。図7(A)は、焼結前の粒子を模式的に示す平面図である。焼結前であることから、粒子は互いに点で接触している。図7(B)および図7(C)は、焼結が開始した後の粒子を、各粒子の中心を通る断面で切ったときの様子を模式的に示す断面図である。図7(B)は焼結開始後(焼結初期段階)、図7(C)は、(B)から焼結が進行した状態を示している。図7(B)において、粒子A(半径r)と粒子B(半径r)との粒界は長さaABの点線で示されている。
焼結ネッキング開始温度T’は、rとrの大きい方の値max(r,r)と、粒界の長さaABとの比、aAB/max(r,r)が、0.1以上となるときの温度で定義される。すなわち、少なくとも一対の粒子のaAB/max(r,r)が0.1以上となる温度を焼結ネッキング開始温度という。なお、図7では単純化のために、粒子を球形として示しているが、粒子が球形でない場合は、粒界近傍における粒子の曲率半径を粒子の半径とみなす。また、粒界近傍における粒子の曲率半径が場所によって異なる場合は、測定点の中で最も大きな曲率半径を、その粒子の半径とみなす。例えば、図8(A)に示すように、焼結を生じた一対の微粒子A,B間には、長さaABの粒界が形成されている。この場合、粒子Aの粒界近傍の形状は、点線で示された仮想円Aの弧で近似される。一方、粒子Bの粒界近傍は、一方が破線で示された仮想円Bの弧で近似され、他方が実線で示された仮想円Bの弧で近似される。図8(B)に示されるように、rB2>rB1であるため、rB2を粒子Bの半径rとみなす。なお、上記の仮想円は、断面もしくは表面の観察像の白黒2値化処理により境界を定め、粒界近傍の境界の座標に基づいて最小二乗法により中心座標および半径を算出する方法により、決定できる。なお、上記の定義により焼結ネッキング開始温度を厳密に測定することが困難な場合は、微粒子を含有する第一集電極を形成し、加熱により絶縁層に開口部(き裂)が生じる温度を焼結ネッキング開始温度とみなすことができる。後述するように、絶縁層形成時に加熱が行われる場合は、絶縁層形成時の基板の加熱により開口部(き裂)が生じる温度を焼成ネッキング開始温度とみなすことができる。
第一集電極の形成材料には、上記の低融点材料(および高融点材料)に加えて、バインダー樹脂等を含有するペースト等を好ましく用いることができる。また、スクリーン印刷法により形成された第一集電極の導電性を十分向上させるためには、熱処理により第一集電極を硬化させることが望ましい。したがって、ペーストに含まれるバインダー樹脂としては、上記乾燥温度にて硬化させることができる材料を用いることが好ましく、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂等が適用可能である。この場合、硬化とともに低融点材料の形状が変化し、図4(D)に示すように、アニール処理時に、低融点材料近傍の絶縁層に開口(き裂)が生じやすくなるためである。なお、バインダー樹脂と導電性の低融点材料の比率は、いわゆるパーコレーションの閾値(導電性が発現する低融点材料含有量に相当する比率の臨界値)以上になるように設定すればよい。
第一集電極71は、インクジェット法、スクリーン印刷法、導線接着法、スプレー法、真空蒸着法、スパッタ法等の公知技術によって作製できる。第一集電極71は、櫛形等の所定形状にパターン化されていることが好ましい。パターン化された第一集電極の形成には、生産性の観点からスクリーン印刷法が適している。スクリーン印刷法では、金属粒子からなる低融点材料を含む印刷ペースト、および集電極のパターン形状に対応した開口パターンを有するスクリーン版を用いて、集電極パターンを印刷する方法が好ましく用いられる。
一方、印刷ペーストとして、溶剤を含む材料が用いられる場合には、溶剤を除去するための乾燥工程が必要となる。前述のごとく、この場合の乾燥温度は、低融点材料の熱流動開始温度Tよりも低温であることが好ましい。乾燥時間は、例えば5分間〜1時間程度で適宜に設定され得る。
第一集電極は、複数の層から構成されてもよい。例えば、光電変換部表面の透明電極層との接触抵抗が低い下層と、低融点材料を含む上層からなる積層構造であっても良い。このような構造によれば、透明電極層との接触抵抗の低下に伴う太陽電池の曲線因子向上が期待できる。また、低融点材料含有層と、高融点材料含有層との積層構造とすることにより、第一集電極のさらなる低抵抗化が期待できる。
以上、第一集電極が印刷法により形成される場合を中心に説明したが、第一集電極の形成方法は印刷法に限定されるものではない。例えば、第一集電極は、パターン形状に対応したマスクを用いて、蒸着法やスパッタ法により形成されてもよい。
(絶縁層)
光電変換部の一主面側(すなわち透明電極層100上)には、絶縁層9が形成される。
ここで、第一集電極71が所定のパターン(例えば櫛形)に形成された場合、透明電極層100の表面上には、第一集電極が形成されている第一集電極形成領域と、第一集電極が形成されていない第一集電極非形成領域とが存在する。
絶縁層9は、絶縁層形成工程において、図4(C)に示すように少なくとも第一集電極非形成領域に形成される。本発明において、絶縁層9は、第一集電極非形成領域の全面に形成されていることが好ましい。絶縁層が第一集電極非形成領域の全面に形成されている場合、めっき法により第二集電極が形成される際に、光電変換部や透明電極層100をめっき液から化学的および電気的に保護することが可能となる。例えば、ヘテロ接合太陽電池のように光電変換部50の表面に透明電極層が形成されている場合は、透明電極層の表面に絶縁層が形成されることで、透明電極層とめっき液との接触が抑止され、透明電極層上への金属層(第二集電極)の析出を防ぐことができる。
本発明における絶縁層は、めっき工程前に形成されればよく、絶縁層形成工程は、透明電極層形成工程後第一集電極形成工程前、あるいは第一集電極形成工程後めっき工程前のいずれであってもよい。例えば、図5に示すように、第一集電極形成工程前に形成される場合、マスクにより第一集電極に対応する部分を保護し、第一集電極を形成する以外の部分に絶縁層を形成する方法などが挙げられる。また第一集電極形成工程後に形成される場合、少なくとも第一集電極非形成領域上に絶縁層が形成される。
この場合、絶縁層9は第一集電極形成領域上にも形成されていることが好ましい。すなわち第一集電極を被覆するように形成されることにより、後述のように、めっき液から光電変換部をより保護することができる。また、生産性の観点からも、第一集電極形成領域と第一集電極非形成領域との全体に絶縁層が形成されることがより好ましい。
絶縁層9の材料としては、電気的に絶縁性を示す材料が用いられる。また、絶縁層9は、めっき液に対する化学的安定性を有する材料であることが望ましい。めっき液に対する化学的安定性が高い材料を用いることにより、第二集電極形成時のめっき工程中に、絶縁層が溶解しにくく、透明電極層表面へのダメージが生じにくくなる。
また、第一集電極形成領域上に絶縁層9が形成されるため、絶縁層は、透明電極層との付着強度が大きいことが好ましい。透明電極層と絶縁層との付着強度を大きくすることにより、めっき工程中に、絶縁層が剥離しにくくなり、透明電極層上への金属の析出を防ぐことができる。
絶縁層9には、光吸収が少ない材料を用いることが好ましい。絶縁層9は、光電変換部50の光入射面側に形成されるため、絶縁層による光吸収が小さければ、より多くの光を光電変換部へ取り込むことが可能となる。例えば、絶縁層9が透過率90%以上の十分な透明性を有する場合、絶縁層での光吸収による光学的な損失が小さく、第二集電極形成後に絶縁層を除去することなく、そのまま太陽電池として使用することができる。そのため、太陽電池の製造工程を単純化でき、生産性をより向上させることが可能となる。絶縁層9が除去されることなくそのまま太陽電池として使用される場合、絶縁層9は、透明性に加えて、十分な耐候性、および熱・湿度に対する安定性を有する材料を用いることがより望ましい。
絶縁層の材料は、無機絶縁性材料でも、有機絶縁性材料でもよい。無機絶縁性材料としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等の材料を用いることができる。有機絶縁性材料としては、例えば、ポリエステル、エチレン酢酸ビニル共重合体、アクリル、エポキシ、ポリウレタン等の材料を用いることができる。アニール処理における第一集電極の表面形状の変化に伴って生じる界面の応力等による、絶縁層への開口の形成を容易とする観点から、絶縁層の材料は、破断伸びが小さい無機材料であることが好ましい。
このような無機材料の中でも、めっき液耐性や透明性の観点からは、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウム、サイアロン(SiAlON)、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、チタン酸バリウム、酸化サマリウム、タンタル酸バリウム、酸化タンタルフッ化マグネシウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム等が好ましく用いられる。中でも、電気的特性や透明電極層との密着性等の観点からは、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウム、サイアロン(SiAlON)、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、チタン酸バリウム、酸化サマリウム、タンタル酸バリウム、酸化タンタルフッ化マグネシウム等が好ましく、屈折率を適宜に調整し得る観点からは、酸化シリコンや窒化シリコン等が特に好ましく用いられる。なお、これらの無機材料は、化学量論的(stoichiometric)組成を有するものに限定されず、酸素欠損等を含むものであってもよい。
絶縁層9の膜厚は、絶縁層の材料や形成方法に応じて適宜設定される。絶縁層9の膜厚は、例えばアニール処理における第一集電極の表面形状の変化に伴って生じる界面の応力等によって、絶縁層に開口部が形成され得る程度に薄いことが好ましい。かかる観点から、絶縁層9の膜厚は、1000nm以下であることが好ましく、500nm以下であることがより好ましい。また、第一集電極非形成部における絶縁層9の光学特性や膜厚を適宜設定することで、光反射特性を改善し、太陽電池セル内部へ導入される光量を増加させ、変換効率をより向上させることが可能となる。このような効果を得るためには、絶縁層9の屈折率が、透明電極層100の屈折率よりも低いことが好ましい。また、絶縁層9に好適な反射防止特性を付与する観点から、膜厚は30nm〜250nmの範囲内で設定されることが好ましく、50nm〜250nmの範囲内で設定されることがより好ましい。なお、第一集電極形成領域と第一集電極非形成領域の両方に絶縁層を形成する場合、第一集電極形成領域上の絶縁層の膜厚と第一集電極非形成領域上の絶縁層の膜厚は異なっていてもよい。例えば、第一集電極形成領域では、アニール処理による開口部の形成を容易とする観点で絶縁層の膜厚が設定され、第一集電極非形成領域では、適宜の反射防止特性を有する光学膜厚となるように絶縁層の膜厚が設定されてもよい。
本発明は、光電変換部50の表面上に透明電極層(一般には屈折率:1.9〜2.1程度)を有しており、界面での光反射防止効果を高めて太陽電池セル内部へ導入される光量を増加させるために、絶縁層の屈折率は、空気(屈折率=1.0)と透明電極層との中間的な値であることが好ましい。また、太陽電池セルが封止されてモジュール化される場合、絶縁層の屈折率は、封止剤と透明電極層の中間的な値であることが好ましい。かかる観点から、絶縁層9の屈折率は、例えば1.4〜1.9が好ましく、1.5〜1.8がより好ましく、1.55〜1.75がさらに好ましい。絶縁層の屈折率は、絶縁層の材料、組成等により所望の範囲に調整され得る。例えば、酸化シリコンの場合は、酸素含有量を小さくすることにより、屈折率が高くなる。なお、本明細書における屈折率は、特に断りがない限り、波長550nmの光に対する屈折率であり、分光エリプソメトリーにより測定される値である。また、絶縁層の屈折率に応じて、反射防止特性が向上するように絶縁層の光学膜厚(屈折率×膜厚)が設定されることが好ましい。
絶縁層は、公知の方法を用いて形成できる。例えば、酸化シリコンや窒化シリコン等の無機絶縁性材料の場合は、プラズマCVD法、スパッタ法等の乾式法が好ましく用いられる。また、有機絶縁性材料の場合は、スピンコート法、スクリーン印刷法等の湿式法が好ましく用いられる。これらの方法によれば、ピンホール等の欠陥が少なく、緻密な構造の膜を形成することが可能となる。
中でも、より緻密な構造の膜を形成する観点から、絶縁層9はプラズマCVD法で形成されることが好ましい。この方法により、200nm程度の厚いものだけでなく、30〜100nm程度の薄い膜厚の絶縁層を形成した場合も、緻密性の高い構造の膜を形成することができる。
例えば、図2に示す結晶シリコン系太陽電池のように、透明電極層100の表面にテクスチャ構造(凹凸構造)を有する場合、テクスチャの凹部や凸部にも精度よく膜形成できる観点からも、絶縁層はプラズマCVD法により形成されることが好ましい。緻密性が高い絶縁層を用いることにより、めっき処理時の透明電極層へのダメージを低減できることに加えて、透明電極層上への金属の析出を防止することができる。このように緻密性が高い絶縁膜は、図2の結晶シリコン系太陽電池におけるシリコン系薄膜3のように、光電変換部50内部の層に対しても、水や酸素などのバリア層として機能し得るため、太陽電池の長期信頼性の向上の効果も期待できる。
なお、図4に示す実施形態のように、第一集電極71と第二集電極72との間に絶縁層9が形成される場合、すなわち第一集電極を覆うように第一集電極形成領域上に絶縁層が形成される場合の絶縁層9の形状は、必ずしも連続した層状でなくてもよく、島状であっても良い。なお、本明細書における「島状」との用語は、表面の一部に、絶縁層9が形成されていない非形成領域を有する状態を意味する。
本実施形態において、絶縁層9は、第一集電極71と第二集電極72との付着力の向上にも寄与し得る。例えば、下地電極層であるAg層上にめっき法によりCu層が形成される場合、Ag層とCu層との付着力は小さいが、酸化シリコン等の絶縁層上にCu層が形成されることにより、第二集電極の付着力が高められ、太陽電池の信頼性を向上することが期待される。
本実施形態においては、第一集電極71上に絶縁層が形成された後第二集電極72が形成される前にアニール処理が行われる。アニール処理時に、第一集電極71が低融点材料の熱流動開始温度Tよりも高温に加熱され、低融点材料が流動状態となるために、第一集電極の表面形状が変化する。この変化に伴って、その上に形成される絶縁層9に開口部9hが形成される。したがって、その後のめっき工程において、第一集電極71の表面の一部が、めっき液に曝されて導通するため、図4(E)に示すように、この導通部を起点として金属を析出させることが可能となる。
なお、開口部は主に第一集電極71の低融点材料711上に形成される。低融点材料が絶縁性材料の場合、開口部の直下は絶縁性であるが、低融点材料の周辺に存在する導電性の高融点材料にもめっき液が浸透するために、第一集電極とめっき液とを導通させることが可能である。
アニール処理時におけるアニール温度(加熱温度)Taは、低融点材料の熱流動開始温度Tよりも高温、すなわちT<Taであることが好ましい。アニール温度Taは、T+1℃≦Ta≦T+100℃を満たすことがより好ましく、T+5℃≦Ta≦T+60℃を満たすことがさらに好ましい。アニール温度は、第一集電極の材料の組成や含有量等に応じて適宜設定され得る。
また、前述のごとく、アニール温度Taは、光電変換部50または透明電極層の耐熱温度よりも低温であることが好ましい。光電変換部の耐熱温度は、光電変換部の構成により異なる。例えば、ヘテロ接合太陽電池や、シリコン系薄膜太陽電池のように透明電極層や非結晶質シリコン系薄膜を有する場合の耐熱温度は250℃程度である。また透明電極層の耐熱温度も250℃程度である。そのため、光電変換部が非晶質シリコン系薄膜を備えるヘテロ接合太陽電池や、シリコン系薄膜太陽電池の場合、非晶質シリコン系薄膜およびその界面での熱ダメージ抑制の観点から、アニール温度は250℃以下に設定されることが好ましい。より高性能の太陽電池を実現するためにはアニール温度は200℃以下にすることがより好ましく、180℃以下にすることがさらに好ましい。これに伴って、第一集電極71の低融点材料の熱流動開始温度Tは、250℃未満であることが好ましく、200℃未満がより好ましく、180℃未満がさらに好ましい。
なお、絶縁層への開口部の形成方法は、上記のように、絶縁層形成後にアニール処理を行う方法に限定されない。例えば、図3(C’)に示されるように、絶縁層9の形成と同時に開口部を形成することもできる。
例えば基板を加熱しながら絶縁層を形成することで、絶縁層の製膜とほぼ同時に変形部の形成が行われる。「絶縁層の製膜とほぼ同時」とは、絶縁層形成工程以外の新たな工程を有さない、絶縁層の製膜中もしくは製膜直後の状態を意味する。例えば、絶縁層の製膜終了後(加熱停止後)から基板表面温度が室温等に戻るまでの間に変形部が生じる場合などを含む。また、ある低融点材料上の絶縁層に開口部が形成される場合、該低融点材料上の絶縁層の製膜が終わった後であっても、該低融点材料周辺の絶縁層が製膜されることに追随して該低融点材料上の絶縁層に変形が生じ、開口部が形成される場合をも含む。
絶縁層の形成とほぼ同時に開口部を形成する方法としては、例えば、絶縁層形成工程において第一集電極71の低融点材料711の熱流動開始温度T1よりも高い温度Tbに基板を加熱しながら、第一集電極71上に絶縁層9を製膜する方法が用いられる。低融点材料が流動状態となっている第一集電極上に絶縁層9が製膜されるため、製膜と同時に製膜界面に応力が生じ、例えばき裂上の開口が絶縁層に形成される。
なお絶縁層形成時の基板温度Tb(以下絶縁層形成温度)とは、絶縁層の製膜開始時点の基板表面温度(「基板加熱温度」ともいう)を意味する。一般に、絶縁層の製膜中における基板表面温度の平均値は、通常、製膜開始時点の基板表面温度以上になる。従って、絶縁層形成温度Tbが、低融点材料の熱流動開始温度T1よりも高温であれば、絶縁層に開口部等の変形を形成することができる。
例えば、絶縁層9が乾式法により形成される場合は、絶縁層製膜中の基板表面温度を低融点材料の熱流動開始温度T1よりも高温とすることにより、開口部の形成を行うことができる。また、絶縁層9がコーティング等の湿式法により形成される場合は、溶媒を乾燥して製膜する際の基板表面温度を熱流動開始温度T1よりも高温とすることにより、開口部の形成を行うことができる。なお湿式法で絶縁層を形成する場合の「製膜開始時点」とは溶媒の乾燥開始時点を指す。絶縁層形成温度Tbの好ましい範囲は、前記アニール温度Taの好ましい範囲と同様である。
基板表面温度は、例えば基板表面に温度表示材(サーモラベルやサーモシールとも呼ばれる)や熱電対を貼り付けて測定することができる。また、加熱部(ヒーターなど)の温度は、基板の表面温度が所定範囲となるように適宜に調整することができる。
プラズマCVD法により絶縁層9が形成される場合、緻密な膜を形成する観点から、絶縁層形成温度Tbは、130℃以上が好ましく、140℃以上がより好ましく、150℃以上がさらに好ましい。また、絶縁層製膜時の基板表面の最高到達温度は、光電変換部または透明電極層の耐熱温度よりも低温であることが好ましい。
絶縁層形成工程においてアニール処理を行う場合、絶縁層の材料および組成、製膜条件(製膜方法、基板温度、導入ガスの種類および導入量、製膜圧力、パワー密度等)を適宜調整することにより、絶縁層に開口部を容易に形成することができる。絶縁層として酸化シリコンを用いた場合の製膜を例に挙げると、プラズマCVDが用いられることが好ましい。製膜条件としては、基板温度145℃〜250℃、圧力30Pa〜300Pa、パワー密度0.01W/cm〜0.160W/cmの条件で製膜が行われることが好ましい。
絶縁層の形成とほぼ同時に開口部が形成された後、開口部の形成が不十分な箇所がある場合等は、さらに前述のアニール処理を行っても良い。
(第二集電極)
上記のように透明電極層100上に絶縁層が形成された後、第一集電極上に第二集電極72がめっき法により形成される。また第一集電極上に開口部9を有する絶縁層が形成された場合は、第一集電極形成領域の絶縁層上に第二集電極が形成される。この際、第二集電極として析出させる金属は、めっき法で形成できる材料であれば特に限定されず、例えば、銅、ニッケル、錫、アルミニウム、クロム、銀、金、亜鉛、鉛、パラジウム等、あるいはこれらの混合物を用いることができる。
太陽電池の動作時(発電時)には、電流は主として第二集電極を流れる。そのため、第二集電極での抵抗損を抑制する観点から、第二集電極のライン抵抗は、できる限り小さいことが好ましい。具体的には、第二集電極のライン抵抗は、1Ω/cm以下であることが好ましく、0.5Ω/cm以下であることがより好ましい。一方、第一集電極のライン抵抗は、電気めっきの際の下地層として機能し得る程度に小さければよく、例えば、5Ω/cm以下にすればよい。
第二集電極は、無電解めっき法、電解めっき法のいずれでも形成され得るが、生産性の観点から、電解めっき法を用が好適である。電解めっき法では、金属の析出速度を大きくすることができるため、第二集電極を短時間で形成することができる。
電解めっき法では、第二集電極としてめっきされる金属が含まれるめっき液(非中性溶液)が使用される。非中性溶液としては、一般的に、後述のように酸性溶液が用いられる。
酸性銅めっきを例として、電解めっき法による第二集電極の形成方法を説明する。なお、ここでは第一集電極上に開口部を有する絶縁層が形成されている場合について説明する。図9は、第二集電極の形成に用いられるめっき装置10の概念図である。透明電極層上に第一集電極および開口部が形成された絶縁層を有する基板12と、陽極13とが、めっき槽11中のめっき液16に浸されている。基板12上の第一集電極71は、基板ホルダ14を介して電源15と接続されている。陽極13と基板12との間に電圧を印加することにより、絶縁層9で覆われていない第一集電極の上、すなわち絶縁層に生じた開口部を起点として、選択的に銅を析出させることができる。
酸性銅めっきに用いられるめっき液16は銅イオンを含む。例えば硫酸銅、硫酸、水を主成分とする公知の組成のものが使用可能であり、これに0.1〜10A/dmの電流を流すことにより、第二集電極である金属を析出させることができる。適切なめっき時間は、集電極の面積、電流密度、陰極電流効率、設定膜厚等に応じて適宜設定される。
第二集電極は、複数の層から構成させても良い。例えば、Cu等の導電率の高い材料からなる第一のめっき層を、絶縁層を介して第一集電極上に形成した後、化学的安定性に優れる第二のめっき層を第一のめっき層の表面に形成することにより、低抵抗で化学的安定性に優れた集電極を形成することができる。
めっき工程の後には、めっき液除去工程を設けて、基板12の表面に残留しためっき液を除去することが好ましい。めっき液除去工程を設けることによって、絶縁層9の開口部9h以外を起点として析出し得る金属を除去することができる。開口部9h以外を起点として析出する金属としては、例えば絶縁層9のピンホール等を起点とするものが挙げられる。めっき液除去工程によってこのような金属が除去されることによって、遮光損が低減され、太陽電池特性をより向上させることが可能となる。
めっき液の除去は、例えば、めっき槽から取り出された基板12の表面に残留しためっき液をエアーブロー式のエアー洗浄により除去した後、水洗を行い、さらにエアーブローにより洗浄液を吹き飛ばす方法により行うことができる。水洗の前にエアー洗浄を行い基板12表面に残留するめっき液量を低減することによって、水洗の際に持ち込まれるめっき液の量を減少させることができる。そのため、水洗に要する洗浄液の量を減少させることができるとともに、水洗に伴って発生する廃液処理の手間も低減できることから、洗浄による環境負荷や費用が低減されるとともに、太陽電池の生産性を向上させることができる。
ここで、一般に、ITO等の透明電極層や、酸化シリコン等の絶縁層は親水性であり、基板12の表面すなわち透明電極層100の表面や絶縁層9の表面の水との接触角は、10°程度あるいはそれ以下である場合が多い。一方、エアーブロー等によるめっき液の除去を容易にする観点からは、基板12の表面の水との接触角を20°以上とすることが好ましい。基板表面の接触角を大きくするために、基板12表面に撥水処理が行われてもよい。撥水処理は、例えば表面への撥水層の形成することにより行われる。撥水処理により、基板表面のめっき液に対する濡れ性を低下させることができる。
なお、絶縁層9の表面への撥水処理に代えて、撥水性を有する絶縁層9が形成されてもよい。すなわち水との接触角θ大きい(例えば20°以上)の絶縁層9が形成されることにより、別途の撥水処理工程を省略できるため、太陽電池の生産性をより向上させることができる。絶縁層に撥水性を持たせる方法としては、例えば、絶縁層の製膜条件(例えば、製膜室に導入するシリコン原料ガスと酸素原料ガスの流量比)を変更したプラズマCVD法により、絶縁層としての酸化シリコン層を製膜する方法が挙げられる。
本発明においては、集電極形成後(めっき工程後)に絶縁層除去工程が行われてもよい。特に、絶縁層として光吸収の大きい材料が用いられる場合は、絶縁層の光吸収による太陽電池特性の低下を抑制するために、絶縁層除去工程が行われることが好ましい。絶縁層の除去方法は、絶縁層材料の特性に応じて適宜選択される。例えば、化学的なエッチングや機械的研磨により絶縁層が除去され得る。また、材料によってはアッシング(灰化)法も適用可能である。この際、光取り込み効果をより向上させる観点から、第一集電極非形成領域上の絶縁層が全て除去されることがより好ましい。なお、絶縁層として光吸収の小さい材料が用いられる場合は、絶縁層除去工程が行われる必要はない。
以上、ヘテロ接合太陽電池の光入射側に集電極7が設けられる場合を中心に説明したが、裏面側にも同様の集電極が形成されてもよい。ヘテロ接合太陽電池のように結晶シリコン基板を用いた太陽電池は、電流量が大きいため、一般に、透明電極層/集電極間の接触抵抗の損失による発電ロスが顕著となる傾向がある。これに対して、本発明では、第一集電極と第二集電極を有する集電極は、透明電極層との接触抵抗が低いため、接触抵抗に起因する発電ロスを低減することが可能となる。
また、本発明は、ヘテロ接合太陽電池以外のGaAs等のシリコン以外の半導体基板が用いられる太陽電池、非晶質シリコン系薄膜や結晶質シリコン系薄膜のpin接合あるいはpn接合上に透明電極層が形成されたシリコン系薄膜太陽電池や、CIS,CIGS等の化合物半導体太陽電池、色素増感太陽電池や有機薄膜(導電性ポリマー)等の有機薄膜太陽電池のような各種の太陽電池に適用可能である。
シリコン系薄膜太陽電池としては、例えば、p型薄膜とn型薄膜との間に非晶質の真性(i型)シリコン薄膜を有する非晶質シリコン系薄膜太陽電池や、p型薄膜とn型薄膜との間に結晶質の真性シリコン薄膜を有する結晶質シリコン系半導体太陽電池が挙げられる。また、複数のpin接合が積層されたタンデム型の薄膜太陽電池も好適である。このようなシリコン系薄膜太陽電池では、透明電極層や非晶質シリコン系薄膜の耐熱性を勘案して、低融点材料の熱流動開始温度Tおよびアニール温度Taは250℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましく、180℃以下であることがさらに好ましい。
本発明の太陽電池は、実用に供するに際して、モジュール化されることが好ましい。太陽電池のモジュール化は、適宜の方法により行われる。例えば、集電極にタブ等のインターコネクタを介してバスバーが接続されることによって、複数の太陽電池セルが直列または並列に接続され、封止剤およびガラス板により封止されることによりモジュール化が行われる。
以下、図2に示すヘテロ接合太陽電池に関する実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、各実施例においては、以下の方法で測定を行った。
(評価方法)
[膜厚測定]
本実施例における薄膜の膜厚は、断面のSEM(フィールドエミッション型走査型電子顕微鏡S4800、日立ハイテクノロジーズ社製)観察により求めた。なお、SEM観察によって、第一透明電極層101と第二透明電極層102との界面を識別することは困難である。そのためこれらの層の膜厚は、それぞれ個別に膜厚推定用サンプルを製膜し(シリコン基板上に透明導伝層を製膜したもの)、それらのサンプル膜厚と製膜時間の相関を取って、製膜時間を元に膜厚の算出を行った。また膜厚は、鉛直方向を軸として測定し定義した。
[透明電極層の結晶性]
透明電極層の結晶性は、以下の(1)と(2)により評価し、いずれかを満たすものを結晶質、いずれも満たさないものを非晶質であると判断した。
(1)X線回折法
厚さ1.1mmの無アルカリガラス上に透明電極層が形成されたサンプルを用いて、X線回折法により、ピークの有無を識別することによって、透明電極層の結晶性を評価した。X線回折測定は、2θ/θ法により行い、2θの測定範囲を20〜80°とした。
(2)酸処理後SEM表面観察
絶縁層形成前の太陽電池仕掛品(光電変換部の最表面層として透明電極層を有するもの)につき、25℃にした10%塩酸に20秒、60秒浸漬後、純水で洗浄を行いブロワで風乾し、表面形状を走査型電気顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いて、倍率50,000倍で観察した、処理前後での表面状態について確認した。20秒処理で明確な差が観察できる場合は△、20秒処理で明確な差は見られず60秒処理で明確な差が出るものは○、60秒処理でも明確な差が出ないものを◎とした。
[光電変換特性]
ソーラーシミュレータにより、AM1.5の光を100mW/cmの光量で照射して、開放端電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、曲線因子(FF)および変換効率(Eff)を測定した。
(実施例1)
実施例1のヘテロ接合太陽電池を、以下のようにして製造した。
一導電型単結晶シリコン基板として、入射面の面方位が(100)で、厚みが200μmのn型単結晶シリコンウェハを用い、このシリコンウェハを2重量%のHF水溶液に3分間浸漬し、表面の酸化シリコン膜が除去された後、超純水によるリンスが2回行われた。このシリコン基板を、70℃に保持された5/15重量%のKOH/イソプロピルアルコール水溶液に15分間浸漬し、ウェハの表面をエッチングすることでテクスチャが形成された。その後に超純水によるリンスが2回行われた。原子間力顕微鏡(AFM パシフィックナノテクノロジー社製)により、ウェハの表面観察を行ったところ、ウェハの表面はエッチングが最も進行しており、(111)面が露出したピラミッド型のテクスチャが形成されていた。
エッチング後のウェハがCVD装置へ導入され、その光入射側に、真性シリコン系薄膜2aとしてi型非晶質シリコンが5nmの膜厚で製膜された。i型非晶質シリコンの製膜条件は、基板温度:150℃、圧力:120Pa、SiH/H流量比:3/10、投入パワー密度:0.011W/cmであった。
i型非晶質シリコン層2a上に、逆導電型シリコン系薄膜3aとしてp型非晶質シリコンが7nmの膜厚で製膜された。p型非晶質シリコン層3aの製膜条件は、基板温度が150℃、圧力60Pa、SiH/B流量比が1/3、投入パワー密度が0.01W/cmであった。なお、上記でいうBガス流量は、HによりB濃度が5000ppmまで希釈された希釈ガスの流量である。
次にウェハの裏面側に、真性シリコン系薄膜2bとしてi型非晶質シリコン層が6nmの膜厚で製膜された。i型非晶質シリコン層2bの製膜条件は、上記のi型非晶質シリコン層2aの製膜条件と同様であった。i型非晶質シリコン層2b上に、一導電型シリコン系薄膜3bとしてn型非晶質シリコン層が4nmの膜厚で製膜された。n型非晶質シリコン層3bの製膜条件は、基板温度:150℃、圧力:60Pa、SiH/PH流量比:1/2、投入パワー密度:0.01W/cmであった。なお、上記でいうPHガス流量は、HによりPH濃度が5000ppmまで希釈された希釈ガスの流量である。
この上に第一透明電極層101および第二透明電極層102として、各々非晶質10%酸化インジウム錫(ITO)が70nm、結晶質5%ITOが30nmの膜厚で製膜された。ターゲットとして酸化インジウムを用い、基板温度:室温、圧力:0.2Paのアルゴン雰囲気中で、0.5W/cmのパワー密度を印加して透明電極層の製膜が行われた。続けて裏面側透明電極層103として、非晶質10%ITOを同条件で80nm製膜し、裏面電極層103上に裏面金属電極8として、スパッタ法により銀が500nmの膜厚で形成された。光入射側透明電極層100上には、第一集電極71および第二集電極72を有する集電極7が以下のように形成された。
第一集電極71の形成には、低融点材料としてのSnBi金属粉末(粒径DL=25〜35μm、融点T=141℃)と、高融点材料としての銀粉末(粒径DH=2〜3μm、融点T=971℃)とを、20:80の重量比で含み、さらにバインダー樹脂としてエポキシ系樹脂を含む印刷ペーストが用いられた。この印刷ペーストを、集電極パターンに対応する開口幅(L=80μm)を有する#230メッシュ(開口幅:l=85μm)のスクリーン版を用いて、スクリーン印刷し、90℃で乾燥が行われた。
第一集電極71が形成されたウェハが、CVD装置に投入され、絶縁層9として酸化シリコン層(屈折率:1.5)が、プラズマCVD法により80nmの厚みで光入射面側に形成された。
絶縁層9の製膜条件は、基板温度:135℃、圧力133Pa、SiH/CO流量比:1/20、投入パワー密度:0.05W/cm(周波数13.56MHz)であった。この条件で光入射面側に形成された絶縁層の屈折率(n)および消衰係数(k)は図10に示す通りであった。その後、絶縁層形成後のウェハが熱風循環型オーブンに導入され、大気雰囲気において、180℃で20分間、アニール処理が実施された。
以上のようにアニール工程までが行われた基板12が、図9に示すように、めっき槽11に投入された。めっき液16には、硫酸銅五水和物、硫酸、および塩化ナトリウムが、それぞれ120g/l、150g/l、および70mg/lの濃度となるように調製された溶液に、添加剤(上村工業製:品番ESY−2B、ESY−H、ESY−1A)が添加されたものが用いられた。このめっき液を用いて、温度40℃、電流3A/dmの条件でめっきが行われ、第一集電極71上の絶縁層上に、10μm程度の厚みで第二集電極72として銅が均一に析出した。第一集電極が形成されていない領域への銅の析出はほとんど見られなかった。
その後、レーザー加工機によりセル外周部のシリコンウェハが0.5mmの幅で除去され、本発明のヘテロ接合太陽電池が作製された。
(実施例2)
第一透明電極層及び第二透明電極層を、各々非晶質10%ITOが90nm、結晶質5%ITOが10nmとした点を除いて、実施例1と同様にしてめっき工程による集電極形成までが行われた。
(参考例1)
第一透明電極層及び第二透明電極層を、非晶質10%ITOが100nmのみとした点を除いて、実施例1と同様にしてめっき工程による集電極形成までが行われた。
(参考例2)
第一透明電極層及び第二透明電極層を、各々非晶質10%ITOが10nm、結晶質5%ITOが90nmとした点を除いて、実施例1と同様にしてめっき工程による集電極形成までが行われた。
(参考例3)
第一透明電極層及び第二透明電極層を、各々結晶質5%ITOが30nm、非晶質10%ITOが70nmとした点を除いて、実施例1と同様にしてめっき工程による集電極形成までが行われた。
(比較例1)
第一透明電極層及び第二透明電極層を、非晶質10%ITOが100nmのみの一層とし、第一集電極形成用の印刷ペーストとして、低融点材料を含まない銀ペースト(すなわち金属材料粉末と銀粉末との比率を0:100としたもの)が用いられた点を除いて、実施例1と同様にして第一集電極(銀電極)71の形成までが行われた。その後、絶縁層形成工程、アニール工程、第二金属層形成工程のいずれも実施せず、この銀電極を集電極とするヘテロ接合太陽電池が作製された。
また、透明電極層の結晶性の違いによる、めっき耐性をより比較しやすくするため、実施例1、実施例2および参考例1について、通常のめっき時間の5倍以上の時間をかけて過剰めっきした時に、電極剥がれが起きるかどうかを調べた。△は密着性が悪く電極の剥がれが起こり、○は電極剥がれが起こらず、◎はより好適な密着性を有するものを指す。
上記各実施例および比較例および参考例のヘテロ接合太陽電池の作製条件および太陽電池特性(開放電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、曲線因子(FF)および変換効率(Eff)の測定結果を表1に示す。
各実施例と参考例1、および比較例1との比較から、本発明の太陽電池は、銀ペースト電極からなる集電極を有する従来の太陽電池に比べて、変換効率(Eff)が向上している。これは、実施例の太陽電池においては、集電極の抵抗が低くなり、曲線因子(FF)が向上したためと考えられる。
また、各実施例では、比較例1に比して短絡電流(Jsc)も向上している。これは、屈折率の高い透明電極層100上に、屈折率の低い絶縁層9を有するため、最表面(太陽電池の空気界面)での反射率が低下したためと考えられる。このことは、図10において、絶縁層(酸化シリコン)は太陽電池が光電変換に利用できる波長範囲において透明電極層(ITO)よりも屈折率が低く、かつ光吸収がほとんどないことからも推定できる。このように、透明性および適宜の屈折率を有する絶縁層が形成される場合は、第二導電層形成後に絶縁層が除去されずとも、高い変換特性を有する太陽電池が得られることがわかる。
実施例1、実施例2、参考例2を比較すると、第一透明電極層(非晶質層)と第二透明電極層(結晶質層)の厚みがd1>d2を満たす実施例では、d1<d2となる参考例2に比べて特性が向上した。特に、結晶質層の厚みが、参考例2(90nm)→実施例1(30nm)→実施例2(10nm)と薄くなるにつれて、電流値が向上した。これは、非晶質透明電極層は結晶質透明電極層と比較して光吸収が小さく、太陽電池セル内部に取り込める光の総量が相対的に多いためであると考えられる。
実施例1、実施例2、参考例1について、透明導電層の結晶性を調べた。非晶質層のみの参考例1では、(1)X線回折法及び(2)酸処理後SEM表面観察の両方において非晶質層の特徴を示した。参考例1では、塩酸処理後に図3(b1)に示すように明確な差が見られた。実施例1は、それぞれ(1)及び(2)において結晶質層の特徴を示し、(2)酸処理にて60秒経過後も図3(c)に示すように、明確な差が見られなかった。
実施例2では、結晶質層の厚みが10nmと薄いため、(1)X線回折法によるピークが観測されず、(2)酸処理40秒経過後に表面が少し溶解したものの、(2)酸処理にて20秒経過後には、実施例1と同様に明確な差が見られず結晶質層の特徴を示した。実施例1と2を比較すると、結晶質層の厚い実施例1は、より好適な状態であることが確認された。これは結晶質層が厚ければ厚いほど、結晶性良く結晶が成長し、結晶粒が緻密な膜が形成されるためと考えられる。
過剰めっき試験結果では、非晶質層のみ(最表面層が非晶質層)の参考例1に対し、結晶質層を有する実施例1,2ではめっき耐性がより高いことが示された。また最表面層として結晶質層が厚い実施例1(30nm)では、実施例2(10nm)に比べてめっき耐性が向上した。これは通常めっき時間よりも長い時間かけて過剰めっきした場合であっても、最表面層として結晶質層を用いることで、絶縁層と第一集電極、透明導電層界面へのめっき液侵入がより抑制でき、透明導電層へのダメージをより抑制できたため考えられる。本結果は、透明導電層の結晶性にも対応するものとなっており、結晶性が高いものほど耐めっき性が高くなっている。
従って、本発明の透明電極層を有する太陽電池を用いることにより、長時間静置後の信頼性もより向上すると考えられる。
以上、実施例を用いて説明したように、本発明によれば、二層透明電極層を用いることで、非晶質層単層の太陽電池と比べて電流値を落とす事なく、耐薬品性のある太陽電池セルを作製可能である。
1.一導電型単結晶シリコン基板
2.真性シリコン系薄膜
3.導電型シリコン系薄膜
70.集電極
71.第一集電極
711.低融点材料
72.第二集電極
8.裏面金属電極
9.絶縁層
9h.開口部
50.光電変換部
100.透明電極層
101.第一透明電極層
102.第二透明電極層
103.裏面側透明電極層
110.太陽電池
111.ヘテロ接合太陽電池
10.めっき装置
11.めっき槽
12.基板
13.陽極
14.基板ホルダ
15.電源
16.めっき液

Claims (16)

  1. 光電変換部と、前記光電変換部の一主面上に透明電極層と集電極をこの順に有する太陽電池であって、
    前記集電極は、透明電極層側から第一集電極と第二集電極をこの順に有し、
    前記透明電極層は、光電変換部側から非晶質の第一透明電極層と結晶質の第二透明電極層をこの順に有し、
    前記第一透明電極層の膜厚d1と第二透明電極層の膜厚d2が、d1>d2を満たす、太陽電池。
  2. 前記第二透明電極層が完全結晶化されている、請求項1に記載の太陽電池。
  3. 前記第一透明電極層と第二透明電極層の膜厚がd1+d2=10〜140nmを満たし、かつ第二透明電極層の膜厚d2がd2=5〜50nmを満たす、請求項1または2に記載の太陽電池。
  4. 前記第一透明電極層と第二透明電極層の膜厚が0.5≧d2/(d1+d2)≧0.036を満たす、請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池。
  5. 前記第一透明電極層と第二透明電極層は各々金属ドーパントを含有し、
    前記第一透明電極層および第二電極層の金属ドーパント量を各々W1およびW2としたとき、W1=5〜15重量%、W2=0.1〜10重量%、W2<W1を満たす、請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池。
  6. 前記光電変換部が一導電型結晶シリコン基板の一主面上にシリコン系薄膜を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池。
  7. 前記第一集電極と第二集電極の間に開口部が形成された絶縁層を含み、
    前記第一集電極は、前記絶縁層により被覆されており、
    前記絶縁層に設けられた前記開口部を介して前記第一集電極と第二集電極が導通されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池。
  8. 前記第二透明電極層上にも前記絶縁層を有する、請求項7に記載の太陽電池。
  9. 前記第一集電極は低融点材料を含み、前記低融点材料の熱流動開始温度T1が250℃以下である、請求項7または8に記載の太陽電池。
  10. 前記低融点材料が金属材料を含む、請求項9に記載の太陽電池。
  11. 前記第二集電極が銅を主成分とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の太陽電池。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の太陽電池を備える太陽電池モジュール。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法であって、
    光電変換部の一主面上に前記第一透明電極層と第二透明電極層をこの順に形成する透明電極層形成工程;
    前記透明電極層上に第一集電極が形成される第一集電極形成工程;
    前記第一集電極上にめっき法により第二集電極が形成されるめっき工程、をこの順に有し、
    前記透明電極層形成工程後、めっき工程前に、前記第二透明電極層上に絶縁層が形成される絶縁層形成工程を有する、太陽電池の製造方法。
  14. 第一集電極形成工程後に前記絶縁層形成工程を有し、
    前記絶縁層形成工程において前記絶縁層が第一集電極上に形成され、
    前記めっき工程において前記絶縁層に設けられた開口部を介してめっき法により第一集電極と導通する第二集電極が形成される、請求項13に記載の太陽電池の製造方法。
  15. 前記第一集電極は熱流動開始温度T1が前記光電変換部の耐熱温度よりも低温である低融点材料を含み、
    前記絶縁層形成工程後に、前記低融点材料の熱流動開始温度T1よりも高温のアニール温度Taで加熱処理が行われることにより前記開口部が形成される、請求項13または14に記載の太陽電池の製造方法。
  16. 前記第一集電極は熱流動開始温度T1が前記光電変換部の耐熱温度よりも低温である低融点材料を含み、
    前記絶縁層形成工程において、前記低融点材料の熱流動開始温度T1よりも高温の基板温度Tbで前記絶縁層が形成されることにより、絶縁層の形成と同時に前記開口部が形成される、請求項13〜15のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
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