JP2014229452A - ナトリウム二次電池正極材料、該ナトリウム二次電池正極材料の製造方法、該ナトリウム二次電池正極材料を用いるナトリウム二次電池用電極、該ナトリウム二次電池用電極を備えるナトリウム二次電池、及び該ナトリウム二次電池を用いる電気機器 - Google Patents

ナトリウム二次電池正極材料、該ナトリウム二次電池正極材料の製造方法、該ナトリウム二次電池正極材料を用いるナトリウム二次電池用電極、該ナトリウム二次電池用電極を備えるナトリウム二次電池、及び該ナトリウム二次電池を用いる電気機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2014229452A
JP2014229452A JP2013107429A JP2013107429A JP2014229452A JP 2014229452 A JP2014229452 A JP 2014229452A JP 2013107429 A JP2013107429 A JP 2013107429A JP 2013107429 A JP2013107429 A JP 2013107429A JP 2014229452 A JP2014229452 A JP 2014229452A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
secondary battery
sodium secondary
sodium
positive electrode
electrode material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013107429A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6187903B2 (ja
Inventor
理樹 片岡
Masaki Kataoka
理樹 片岡
向井 孝志
Takashi Mukai
孝志 向井
境 哲男
Tetsuo Sakai
哲男 境
章博 吉澤
Akihiro Yoshizawa
章博 吉澤
剣志 井上
Kenshi Inoue
剣志 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2013107429A priority Critical patent/JP6187903B2/ja
Publication of JP2014229452A publication Critical patent/JP2014229452A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6187903B2 publication Critical patent/JP6187903B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】従来に比して高い充放電容量を有するとともに高い容量維持率を有するナトリウム二次電池を提供する。【解決手段】組成式Nax(MnyCo1−y−zNiz)O2で表されるナトリウム含有遷移金属酸化物からなり、組成比が、0.5<x≰1.0、0.60≰y≰0.80、0.05≰z≰0.20、0.05≰1−y−z≰0.25であることを特徴とするナトリウム二次電池正極材料とする。【選択図】図3

Description

本発明は、高い充放電容量を有するとともに高い容量維持率を有するナトリウム二次電池正極材料、該ナトリウム二次電池正極材料の製造方法、該ナトリウム二次電池正極材料を用いるナトリウム二次電池用電極、該ナトリウム二次電池用電極を備えるナトリウム二次電池、及び該ナトリウム二次電池を用いる電気機器に関する。
リチウムイオン電池は高いエネルギー密度を有する二次電池であることから、携帯電話やノートパソコン等の小型電源や、電気自動車等の大型電源としても実用化されており、今後もさらに需要の拡大が期待される。
しかしながら、電荷担体であるリチウムは希少金属であり、またその資源が南米や中国に偏在しているため、原料価格が高く、原料の安定供給にも不安がある。
そのリチウム二次電池に代わる次世代二次電池として、ナトリウム二次電池の検討がなされている。ナトリウムは海水中に豊富に含まれ、地球上で6番目に多い元素であり、安価で、入手しやすい元素でもある。つまり、リチウム資源に恵まれない我が国では、非常に魅力的な元素といえる。また、負極の集電体は、リチウムイオン電池では銅箔であるが、ナトリウムイオン電池では安価なアルミニウム箔が使用できるというメリットもある。また、ナトリウムは、リチウムと同様のアルカリ金属元素であり、性質が似ており、ナトリウムイオン電池の理論自体は、古くから検討されている。
ナトリウム二次電池正極材料として、特許文献1には、NaMn1−b (MはFeまたはNi)で表され、Na:Mn:M1のモル比a:(1−b):bが、aは0.5を超え1未満の範囲の値であり、bは0.001以上0.5以下の範囲の値であるナトリウム含有遷移金酸化物が開示されている。
しかし、特許文献1記載においては、段落[0074]の表1における実施例4の金属酸化物は初期放電容量は162mAh/gであるものの、初期放電容量に対する10サイクル目の放電容量維持率は76%と低い値となっている。一方、実施例3の金属酸化物は前記放電容量維持率は85%であるものの、初期放電容量は141mAh/gと低い値となっており、初期放電容量及び容量維持率ともに十分な値を示すものは開示されていない。
特許文献2には、NaLiMn2±αを含み、前記Mは、鉄、コバルトおよびニッケルよりなる群から選択される1種以上を含み、前記aは0.6以上1.1以下であり、前記bは0以上0.5以下であり、前記xと前記yとの和は0.9以上1.1以下であり、前記αは0以上0.1以下である酸化物からなるナトリウム二次電池正極材料が開示されている。
特許文献2記載の正極材料は、図5に示されるように、初期放電容量は169mAh/gであるものの、容量維持率については検証されていない。
非特許文献1には、リチウム二次電池において既に実用化されている三元系正極のLiをNaに置き換えたNaNi1/3Mn1/3Co1/3で表される酸化物を正極材料として用いると、120mAh/g程度の可逆容量が得られることが報告されている。
しかし、非特許文献1記載の正極材料もまた、初期放電容量及び容量維持率ともに十分とはいえなかった。
ナトリウムイオンはリチウムイオンと比較して、イオン半径が約1.3倍大きいため、充放電に伴う正極材料の体積膨張・収縮変化が大きく、ナトリウムイオンの吸蔵量も少なくなる。従って、これら従来のナトリウム二次電池においては、十分な充放電容量と、十分な容量維持率が得られていないのが現状である。
特開2009−209037号公報 特開2007−287661号公報
Chemistry of Materials,24,1846−1853(2012)
本発明は、上記従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、従来に比して高い充放電容量を有するとともに高い容量維持率を有するナトリウム二次電池を提供することにある。
本発明のナトリウム二次電池正極材料は、組成式Na(MnCo1−y−zNi)Oで表されるナトリウム含有遷移金属酸化物からなり、組成比が、0.5<x≦1.0、0.60≦y≦0.80、0.05≦z≦0.20、0.05≦1−y−z≦0.25であることを特徴とするナトリウム二次電池正極材料である。
本発明のナトリウム二次電池正極材料は、前記組成比が、0.65≦y≦0.80、0.10≦z≦0.20、0.10≦1−y−z≦0.25であることがより好ましい。
本発明のナトリウム二次電池正極材料によれば、上記した特定の組成とすることにより、従来のナトリウム二次電池に比して高い充放電容量を有するとともに高い容量維持率を有するナトリウム二次電池を提供することができる。
具体的には、上記した特定の組成とすることにより、初期放電容量が150mAh/g以上、且つ15サイクル目の容量維持率((15サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100)が80%以上とすることができる。この「初期放電容量150mAh/g」という値は、リチウム二次電池の初期放電容量に匹敵するものである。また、「容量維持率(15th/1st)80%」という値も従来のナトリウム二次電池よりも優れており、本発明はこのように高い充放電容量と高い容量維持率の両方を備えている点で非常に優れた正極材料である。
本発明のナトリウム二次電池正極材料の製造方法は、Na(MnCo1−y−zNi)O(ただし式中、0.5<x≦1.0、0.65≦y≦0.80、0.05≦z≦0.20、0.05≦1−y−z≦0.25)で表される組成となるように、ナトリウム化合物とマンガン、コバルト及びニッケルを含む化合物とを混合して、この混合物を500〜1000℃で焼成することによって合成することを特徴とするナトリウム二次電池正極材料の製造方法である。
本発明のナトリウム二次電池正極材料の製造方法において、前記yが0.65≦y≦0.80、前記zが0.10≦z≦0.20、前記1−y−zが0.10≦1−y−z≦0.25の範囲であることが好ましい。
本発明のナトリウム二次電池正極材料の製造方法において、焼成温度が700〜900℃であることが好ましく、800〜900℃であることがより好ましい。
本発明のナトリウム二次電池正極材料の製造方法において、焼成時の雰囲気における酸素濃度が10〜30体積%であることが好ましい。また、焼成時の雰囲気においてガスがフローしていることが好ましい。
本発明のナトリウム二次電池正極材料の製造方法によれば、上記した特定の組成とし、さらに焼成温度を上記した特定の範囲とし、また焼成時の雰囲気を制御することにより、従来のナトリウム二次電池に比して高い充放電容量を有するとともに高い容量維持率を有するナトリウム二次電池を提供することができる。
本発明のナトリウム二次電池用電極は、活物質として、請求項1又は2に記載のナトリウム二次電池用正極材料、又は請求項3〜6のいずれかに記載のナトリウム二次電池用正極材料の製造方法で得られたナトリウム二次電池用正極材料を用いる。
本発明のナトリウム二次電池用電極によれば、従来のナトリウム二次電池に比して、高い充放電容量を有するとともに高い容量維持率を有するナトリウム二次電池を提供することができる。
本発明のナトリウム二次電池は、上記ナトリウム二次電池用電極からなる正極を備える。
本発明のナトリウム二次電池は、SnまたはSn化合物を含む負極を備えることが好ましい。
本発明のナトリウム二次電池によれば、従来のナトリウム二次電池に比して高い充放電容量を有するとともに高い容量維持率を有するナトリウム二次電池を提供することができる。
本発明のナトリウム二次電池は電気機器に用いることができる。
本発明によれば、組成式Na(MnCo1−y−zNi)Oで表されるナトリウム含有遷移金属酸化物からなり、組成比が、0.5<x≦1.0、0.60≦y≦0.80、0.05≦z≦0.20、0.05≦1−y−z≦0.25であることを特徴とするナトリウム二次電池正極材料であることにより、従来に比して高い充放電容量を有するとともに高い容量維持率を有するナトリウム二次電池を提供することができる。
試料A、G、J、K、L、M、Nのマンガン(Mn)の原子数比と初期放電容量の関係を示すグラフである。 Mn−Co−Niの組成において、150mAh/g以上の高初期放電容量を示す領域と、15サイクル目の容量維持率(15th/1st)が80%以上の高容量維持率を示す領域とを示すグラフである。 試料Jと同じ組成で製造時の焼成温度が異なる正極材料を用いたナトリウム二次電池の放電容量とサイクル数の関係を示すグラフである。 試料Jと同じ組成で焼成温度700℃で合成した正極材料を用いたナトリウム二次電池の充放電曲線である。 試料Jと同じ組成で焼成温度900℃で合成した正極材料を用いたナトリウム二次電池の充放電曲線である。 試料Jと同じ組成で焼成温度600℃、700℃、800℃で合成した各ナトリウム含有遷移金属酸化物のXRDパターンである。 試料Jと同じ組成で焼成温度(a)900℃、(b)700℃で合成した各ナトリウム含有遷移金属酸化物の電子顕微鏡写真である。
以下、本発明のナトリウム二次電池正極材料、該ナトリウム二次電池正極材料の製造方法、該ナトリウム二次電池正極材料を用いるナトリウム二次電池用電極、該ナトリウム二次電池用電極を備えるナトリウム二次電池、及び該ナトリウム二次電池を用いる電気機器の実施形態について説明する。
本発明のナトリウム二次電池正極材料は、組成式Na(MnCo1−y−zNi)Oで表されるナトリウム含有遷移金属酸化物からなり、前記組成式のNa原子数比xが0.5<x≦1.0、Mn原子数比yが0.60≦y≦0.80、Ni原子数比zが0.05≦z≦0.20、Co原子数比1−y−zが0.05≦1−y−z≦0.25である。また、前記組成式のMn原子数比yが0.65≦y≦0.80、Ni原子数比zが0.10≦z≦0.20、Co原子数比1−y−zが0.10≦1−y−z≦0.25であることがより好ましい。
この組成の範囲である正極材料を活物質として用いることにより、従来に比して高い充放電容量を有するとともに高い容量維持率を有するナトリウム二次電池とすることができる。具体的には、初期放電容量150mAh/g以上、且つ15サイクル目の容量維持率(15th/1st)80%以上とすることができ、さらには初期放電容量200mAh/g以上とすることができる。
マンガン(Mn)原子数比yが0.6より小さい場合は、十分な初期放電容量が得られないため好ましくない。マンガン(Mn)原子数比yが0.8より大きい場合は、初期放電容量は大きくなるが、容量維持率が低下するため好ましくない。
また、ニッケル(Ni)原子数比zが0.05より小さい場合は、十分な初期放電容量が得られないため好ましくない。一方、ニッケル(Ni)原子数比zが0.20より大きい場合は、十分な容量維持率が得られないため好ましくない。これは、ニッケル(Ni)は下記式で表される酸化還元をするため、高容量化のためには有効であるが、Naの挿入脱離量が大きくなることによって構造の安定性が低下するためであると考えられる。
また、コバルト(Co)原子数比1−y−zが0.05より小さい場合は、十分な容量維持率が得られないため好ましくない。一方、コバルト(Co)原子数比1−y−zが0.25より大きい場合は、充放電領域が高電位化するため、電池のエネルギー密度を向上できるが、電解液の分解も起こりやすいため、十分な寿命特性が得られにくいため好ましくない。
また、ナトリウム(Na)原子数比xが0.5以下の場合は、層状化合物を形成するためのNa源が不十分であるため、合成時に単一相が得られにくいため好ましくない。一方、ナトリウム(Na)原子数比xが1を超える場合は、未反応のナトリウム化合物が活物質中に残存しやすいため好ましくない。
<正極材料の製造方法>
次に、本発明のナトリウム二次電池正極材料の製造方法について説明する。
本発明のナトリウム二次電池正極材料は、Na(MnCo1−y−zNi)Oで表されるナトリウム含有遷移金属酸化物からなるものであり、このナトリウム含有遷移金属酸化物は、原料として、ナトリウム金属或いはナトリウム化合物の少なくとも1種、マンガン金属或いはマンガン化合物の少なくとも1種、コバルト金属或いはコバルト化合物の少なくとも1種、ニッケル金属或いはニッケル化合物の少なくとも1種を、Na(MnCo1−y−zNi)O(ただし式中、Na原子数比xが0.5<x≦1.0、Mn原子数比yが0.65≦y≦0.80、Ni原子数比zが0.05≦z≦0.20、Co原子数比1−y−zが0.05≦1−y−z≦0.25)で表される化学組成となるように、秤量及び混合して、この混合物を焼成することによって合成することができる。
より好ましくは、本発明のナトリウム二次電池正極材料を形成するナトリウム含有遷移金属酸化物は、原料として、ナトリウム金属或いはナトリウム化合物の少なくとも1種、マンガン金属或いはマンガン化合物の少なくとも1種、コバルト金属或いはコバルト化合物の少なくとも1種、ニッケル金属或いはニッケル化合物の少なくとも1種を、Na(MnCo1−y−zNi)O(ただし式中、Na原子数比xが0.5<x≦1.0、Mn原子数比yが0.65≦y≦0.80、Ni原子数比zが0.10≦z≦0.20、Co原子数比1−y−zが0.05≦1−y−z≦0.25)で表される化学組成となるように、秤量及び混合して、この混合物を焼成することによって合成することができる。
焼成温度は、500〜1000℃の範囲とすることができ、700〜900℃の範囲であることがより好ましく、800〜900℃の範囲であることがさらに好ましい。この焼成温度とすることにより、従来に比して高い充放電容量を有するとともに高い容量維持率を有するナトリウム二次電池正極材料を得ることができる。焼成温度が500℃未満であると、焼成時間が長くなり、実用性に欠ける。一方、焼成温度が1000℃を超えると結晶粒が大きくなりやすく、充放電時における放電容量と容量維持率が低下するので好ましくない。
焼成時の雰囲気は、非酸素雰囲気下(例えば、還元雰囲気、不活性雰囲気など)でも構わないが、酸素存在下(例えば、空気中、酸素含有窒素雰囲気など)であることが好ましい。酸素の濃度は、10〜30体積%の範囲であることがより好ましく、15〜25体積%であることがさらに好ましい。なお、焼成時の雰囲気は、常にフローしていることが好ましい。
フロー時のガス流量は、特に限定しないが、正極材料の均一性から、ガス流量は10〜500mL/minであることが好ましい。
上述した酸素濃度となるように焼成時の雰囲気を制御することで、正極材料の酸素欠損が少なくなり、高い充放電容量を有するナトリウム二次電池正極材料を得ることができる。酸素濃度が10体積%未満であると、焼成時の酸素供給量が不十分で試料が均一に合成しにくく、逆に、酸素濃度が30体積%を超えると、過剰な酸化雰囲気となりやすく、目的の化合物が得られない場合がある。
ナトリウム原料としては、ナトリウム(金属ナトリウム)及びナトリウム化合物の少なくとも1種を用いる。ナトリウム化合物としては、ナトリウムを含有するものであれば特に制限されず、例えばCHCOONa、CHCOONa・3HO等の酢酸塩、NaNO等の硝酸塩、NaOHなどの水酸化物、NaO、Na等の酸化物、NaCO等の炭酸塩等が挙げられる。或いはすでにナトリウムマンガン酸化物、ナトリウムニッケル酸化物となっている化合物等が挙げられる。
マンガン原料としては、マンガン(金属マンガン)及びマンガン化合物の少なくとも1種を用いる。マンガン化合物としては、マンガンを含有するものであれば特に制限されず、例えばMnO、Mn、Mn、MnO等の酸化物、MnOH、MnOOH等の水酸化物等が挙げられる。
コバルト原料としては、コバルト(金属コバルト)及びコバルト化合物の少なくとも1種を用いる。コバルト化合物としては、コバルトを含有するものであれば特に制限されず、例えばCoO、Co、Co等の酸化物等が挙げられる。或いはすでにマンガンコバルト化合物となっている水酸化物等が挙げられる。
ニッケル原料としては、ニッケル(金属ニッケル)及びニッケル化合物の少なくとも1種を用いる。ニッケル化合物としては、ニッケルを含有するものであれば特に制限されず、例えばNiO等の酸化物、NiOH、NiOOH等の水酸化物等が挙げられる。或いはすでにマンガンニッケル化合物となっている水酸化物、マンガンコバルトニッケル化合物となっている水酸化物等が挙げられる。
先ず、これらを含む混合物を調製する。各構成元素の混合割合は、Na(MnCo1−y−zNi)O(ただし式中、Na原子数比xが0.5<x≦1.0、Mn原子数比yが0.60≦y≦0.80、Ni原子数比zが0.05≦z≦0.20、Co原子数比1−y−zが0.05≦1−y−z≦0.25)の化学組成となるように混合する。或いはNa(MnCo1−y−zNi)O(ただし式中、Na原子数比xが0.5<x≦1.0、Mn原子数比yが0.65≦y≦0.80、Ni原子数比zが0.10≦z≦0.20、Co原子数比1−y−zが0.10≦1−y−z≦0.25)の化学組成となるように混合することがより好ましい。また、加熱時にナトリウムは揮発しやすいので、若干過剰の仕込み量とした方がよく、好ましくは、0.6<x≦1.0の範囲とすればよい。また、混合方法は、これらを均一に混合できる限り特に限定されず、例えばミキサー等の公知の混合機を用いて、湿式又は乾式で混合すればよい。
次いで、混合物を焼成する。焼成温度は上記した範囲とする。焼成雰囲気は特に限定されず、通常は酸化性雰囲気又は大気中で実施すればよい。
焼成時間は、焼成温度等に応じて適宜変更することができる。冷却方法も特に限定されないが、通常は自然放冷(炉内放冷)又は徐冷とすればよい。
焼成後は、必要に応じて焼成物を公知の方法で粉砕し、さらに上記の焼成工程を実施してもよいが、ナトリウムの揮発を抑えるためには、1回の焼成とすることが好ましい。なお、粉砕の程度は、焼成温度などに応じて適宜調節すればよい。
<正極の製造方法>
本発明のナトリウム二次電池用電極は、本発明のナトリウム二次電池正極材料及びバインダー、必要に応じて導電助剤を含むことができる。
例えば、上記正極材料に加えてバインダーおよび必要に応じて添加される導電助剤等を含有させた混合物(正極合剤)に、適当な溶剤(N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、水、アルコール、キシレン、トルエン等)を加えて十分に混練して得られる正極活物質合剤ペースト組成物、正極活物質合剤スラリー等を、集電体表面に塗布、乾燥し、更にプレスすることで、集電体表面に正極活物質含有層を形成し、第一半電池の正極とすることができる。
半電池の正極は、活物質とバインダーと必要に応じて添加される導電助剤との合計を100重量%とした場合、バインダーを1〜25%含むことが好ましい。
バインダーの材料としては、通常使用されるものであれば制約はないが、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリフッ化ビニリデン(PolyVinylidene DiFluoride;PVDF)、ポリイミド(PI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリル、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン酢酸共重合体(EVA)等の材料を一種単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
上記の水系バインダーのうち、CMCが好適に用いられる。CMCをバインダーとして用いると、正極の高温耐久性が向上するだけでなく、出力特性も改善される。
これは、CMCは高温の電解液中で膨潤しないため、電極抵抗の上昇を抑えるとともに、結合力が弱まらないからであると考えられる。
水系バインダーは、さらにアクリル樹脂を含有することがより好ましい。
水系バインダーのみでも、十分な正極特性は得られるが、アクリル樹脂を含有させることで、充放電にともなう体積膨張・収縮を抑制し、正極のサイクル寿命特性が向上する。
しかし、アクリル樹脂の含有量が多すぎると、イオン導電性と電子伝導性が乏しくなり、十分なレート特性が得られなくなる。また、少なすぎると、十分な結着力を得られない。
従って、アクリル樹脂を含有する場合、CMC100重量%に対して10〜50重量%含有することが好ましく、15〜30重量%含有することがさらに好ましい。
導電助剤は、通常用いられているもの、例えばアセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)、黒鉛、カーボンファイバー、カーボンチューブ、グラフェン、非晶質炭素等の炭素材料を、一種単独で用いてもよいし、または二種以上を併用してもよい。より好ましくは、上記炭素材料の導電助剤に、導電性の3次元網目構造を形成できるもの(例えば、フレーク状の導電材(フレークアルミニウム粉、フレークステンレス粉等)、カーボンファイバー、カーボンチューブ、非晶質炭素等)が添加されていることが好ましい。導電性の3次元網目構造が形成されていれば、十分な集電効果が得られるとともに、Na吸蔵・放出時の電極の体積膨張を効果的に抑制できる。
集電体は、電子伝導性を有し、保持した負極材料に通電し得る材料であれば特に限定されない。例えば、C、Ti、Cr、Mo、Ru、Rh、Ta、W、Os、Ir、Pt、Au、Al等の導電性物質、これら導電性物質の二種類以上を含有する合金(例えば、ステンレス鋼)を使用し得る。電気伝導性が高く、電解液中の安定性と耐酸化性がよい観点から、集電体としてはC、Al、ステンレス鋼等が好ましく、さらに材料コストの観点からAl等が好ましい。
集電体の形状には、特に制約はないが、箔状基材、三次元基材などを用いることができる。ただし、三次元基材(発泡メタル、メッシュ、織布、不織布、エキスパンド等)を用いると、集電体との密着性に欠けるようなバインダーであっても高い容量密度の電極が得られる。加えて、高率充放電特性も良好になる。
なお、箔状の集電体であっても、予め、集電体表面上にプライマー層を形成することで高容量化を図ることができる。プライマー層は、活物質層と集電体との密着性が良好で、且つ導電性を有しているものであればよい。例えば、炭素系導電助剤を混ぜ合わせた結着材を集電体上に0.1μm〜50μmの厚みで塗布することでプライマー層を形成できる。
プライマー層用の導電助剤は、炭素粉末が好ましい。金属系の導電助剤であると、容量密度を上げることは可能だが、入出力特性が悪くなる。導電助剤が炭素系であればCMCを用いて容量密度を上げることが可能であり、且つ入出力特性がよくなる。炭素系導電助剤としては、KB、AB、VGCF、グラファイト、グラフェン、カーボンチューブ等が挙げられ、これらの一種を用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。このうち、導電性とコストの観点から、KBまたはABが好ましい。
プライマー層用の結着剤は、炭素系導電助剤を結着できるものであれば、その種類は問わない。ただし、PVA、CMC、アルギン酸ナトリウム等の水系バインダーを用いてプライマー層を形成すると、活物質層を形成する際に、プライマー層が溶け、効果が顕著に発揮されないことが多い。そのため、このような水系バインダーを用いる際は、予めプライマー層を架橋するとよい。架橋材としては、ジルコニア化合物、ホウ素化合物、チタン化合物などが挙げられ、プライマー層用スラリー形成時にバインダー量に対して0.1〜20質量%添加するとよい。
このようにして作製されたプライマー層は、箔状の集電体で、CMCを用いて容量密度を上げることが可能なだけでなく、高い電流で充放電を行っても、分極が小さくなり高率充放電特性が良好になる。
なお、プライマー層は箔状の集電体だけに効果があるのではなく、三次元基材でも同様の効果がある。
上述の工程で製造した電極によれば、ナトリウム二次電池用の正極として機能する。
<負極>
本発明のナトリウム二次電池用正極に組み合わせる負極は、ナトリウムイオン電池で使用される負極であればよく、ナトリウムの吸蔵および放出が可能な負極活物質を含有する電極であればよい。
例えば、ハードカーボン、Mg、Al、Si、P、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、W、PbおよびBiから選択される一種以上の元素、これらの元素を用いた合金或いは酸化物、ハロゲン化物、カルコゲン化物などであればよい。
なかでも、ナトリウムの吸蔵および放出が可能な負極活物質(Y)、Naαβおよびバインダーを含有するものであることが好ましい。ただし、Xは、F、Cl、Br、I、O、S、SeおよびTeから選択される一種以上の元素、αは1〜2、βは1〜5である。
ここで、ナトリウムの吸蔵および放出が可能な負極活物質(Y)は、初期の充電においてナトリウムイオンを吸蔵することができ、且つ、その後の充放電時においてナトリウムイオンを吸蔵・放出することができるものであれば特に限定はされない。例えば、Na、ハードカーボン、Mg、Al、Si、P、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、W、PbおよびBiから選択される一種以上の元素、これらの元素を用いた合金が好ましい。
負極活物質(Y)は、放電プラトーの領域が0〜1V(対ナトリウム電位)の範囲内に観測でき、且つその放電容量が高いことが好ましく、上記の例のうち、Sn、Ge、Sb等が好ましく、合金としては、A1−Ge、Si−Ge、Si−Sn、Zn−Sn、Ge−Ag、Ge−Sn、Ge−Sb、Ag−Sn、Ag−Ge、Sn−Sb、Sn−CuおよびSn−Ni等の各組み合わせ等が好ましい。なお、負極活物質(Y)は2種以上使用しても何ら問題ない。
Naαβは、初期の充電(ナトリウムイオン吸蔵の過程)で、ナトリウム化合物となり、その後の充放電過程で電気化学的に反応しないもの、すなわち、ナトリウム還元され、バッファ層に分解した化合物である。このバッファ層は、ナトリウムイオンの吸蔵・放出の過程で、負極材料の体積変化を抑制する働きをするものである。バッファ層としては、ナトリウムイオン導電性を有する物質が好ましい。
上記の目的を達成できる材料であれば、特に制約はないが、Naαβとしては、ハロゲン化ナトリウム(NaF、NaCl、NaBr、NaIなど)、カルコゲンナトリウム(NaO、Na、Na、NaS、NaSe、NaTeなど)、チッ化ナトリウム(NaN)、チッ化リン酸ナトリウム(NaPON)、シュウ酸ナトリウム(Na)、NaC1O、NaA1Cl、NaSO、NaNO、NaPO、NaSiO、NaVO、NaGeO、NaSiO、NaZrO、NaMoO、NaA1F、NaNi、NaBF、NaCFSO等が挙げられ、これらの一種以上を使用することができる。しかし、チッ化ナトリウム(NaN)、チッ化リン酸ナトリウム(NaPON)、シュウ酸ナトリウム(Na)、NaC1O、NaA1Cl、NaSO、NaNO、NaPO、NaSiO、NaVO、NaGeO、NaZrO、NaMoO、NaA1F、NaNi、NaBF、NaCFSO等はかさ密度が大きいため、電池容量密度の向上が難しい。そのため、Naαβは、ハロゲン化ナトリウム(NaF、NaCl、NaBr、NaIなど)、カルコゲンナトリウム(NaO、Na、Na、NaS、NaSe、NaTeなど)が好ましい。
また、上記の目的を達成できる材料の放電プラトーは0.2〜0.6Vで、ハードカーボン負極の0V付近の放電プラトーと比べて高い。負極の放電プラトーが高くなると、電池全体のエネルギー密度が低下するが、一方で、ナトリウムの析出電位以上の電位で充放電ができるため、デンドライト析出する可能性が低くなり安全性の面で好ましい。
ナトリウムの吸蔵および放出が可能な負極活物質(Y)と、Naαβは単に混ぜ合わせただけの状態で存在していることよりも、分子レベルで混合されていることが好ましい。
ここで、「YとNaαβが分子レベルで均一に混合されている」とは、Yαβをナトリウム還元すると、YとNaαβに分解され、YとNaαβが均一に混合された状態を意味する。
YとNaαβが分子レベルで均一に混合していることで、充放電によるYの膨張・収縮応力を効果的に緩和できる。
本発明に係るナトリウム二次電池用の負極は、上記の負極活物質およびNaαβに加え、バインダーを含む。バインダーの種類は特に制約はなく、例えば、PVdFなどの一般によく利用されているバインダーを採用することができるが、二次電池の放電容量を向上させる観点からは、ポリイミドを含むバインダーを用いるのが好ましい。本発明に係るナトリウム二次電池用の負極には、上記のほか、導電性を向上するため、必要に応じて導電助剤を含んでもよい。導電助剤の種類は特に制約はなく、例えば、KB、AB、グラファイト、VGCF、Cu粉、Al粉、Ni粉等の一般によく利用されている導電助剤を含有させてもよい。
本発明に係るナトリウム二次電池用の負極においては、下記(1)式で求められるTが0.10〜0.85の範囲であることが好ましい。Tがこの範囲にある負極であれば、放電容量が良好であり、サイクル寿命も良好である。Tの下限は、0.40とするのがより好ましく、さらに好ましいのは0.50である。Tの上限は、0.75とするのが好ましく、さらに好ましいのは0.70である。
T=M/(M+M) (1)
ただし、(1)式中の各記号の意味は下記の通りである。
:負極活物質(Y)のモル数(mol)
:Naαβのモル数(mol)
なお、Tが0.50以上の場合、活物質質量当たりの放電容量を200〜400mAh/g程度の良好な範囲としつつ、長寿命の負極が得られる。一方、Tが0.50未満の場合、サイクル寿命が若干劣るものの、活物質質量当たりの放電容量が300〜500mAh/gと高い負極が得られる。
本発明のナトリウム二次電池用の負極に用いる集電体としては、特に限定されないが、例えば、Cu、Al、Ni、Cr、TiもしくはFeまたはこれらの合金を用いることができる。このうち、コストまたは製造の容易性などを考慮すると、Cu、Al、Feもしくはこれらの合金を用いるのが好ましい。但し、負極材料として、S、F、Cl、Br、Iなどを含有させると、熱処理によって集電体を腐食するため、耐腐食性の強いAlもしくはAl合金またはステンレス鋼を用いるのが好ましい。例えば、SnSを負極活物質とする場合、集電体にCuを使用すると、熱処理により硫化銅が生成し、集電体の強度が極端に低下し、電極として機能しない場合がある。
本発明に係るナトリウムイオン電池に用いられる負極は、例えば、下記の(1)〜(3)の工程を経て製造することができる。
(1)Yαβ〔但し、YはSnまたはGeの一種または二種、XはF、Cl、Br、I、O、S、SeおよびTeから選択される一種以上の元素、αは1〜2、βは1〜5〕と、バインダーとを含むスラリーを得る工程、
(2)前記スラリーをアルミニウム集電体に塗布し、これに熱処理を行って負極前駆体を得る工程、および、
(3)前記負極前駆体の活物質層上に金属ナトリウムを圧着した後、20〜150℃の温度で1時間以上保持する熱処理を行う工程。
ここで、Yαβとしては、初期の充電の過程で、上記のようなバッファ層のみに分解する化合物よりも、バッファ層に加えてナトリウムイオンを吸蔵・放出することができる物質に分解する化合物がより好ましい。このため、Yαβとしては、例えば、SnO、SnO、SnCなどの酸化物、SnS、SnSなどのカルコゲン化物、SnF、SnCl、SnI、SnIなどのハロゲン化物、SnSeなどのセレン化物、SnTeなどのテルル化物等が挙げられる。中でもSnのフッ化物および硫化物の一方または両方を用いるのが好ましい。また、βが大きいと、放電容量を大きくできるとともに、サイクル寿命を向上させることができる。よって、βは2以上とすることが好ましい。中でも、サイクル寿命が特に良好であるのは、SnS、SnSおよびSnFである。
αβは、特に、Sn化合物であることが好ましい。具体的には、SnO、SnO、SnS、SnS、SnSe、SnSe、SnTe、SnTe、SnF、SnCl、SnBr、SnI、などが挙げられる。これは、初期の充電時にNa還元され、分子レベルで均一に混合した活物質(Y)とバッファ層(Naαβ)が構築され、さらにバッファ層(Naαβ)がイオン導電性に優れるため、サイクル寿命が良好であるという理由による。
ここで、負極活物質前躯体として、Yαβを用いた場合は、初期不可逆容量が大きくなるという問題がある。この初期不可逆容量が大きいと、全電池を作製しても正常に動作しないことがある。そのため、負極にはあらかじめナトリウムをドープし、容量補償していることが好ましい。ナトリウムのドープ方法としては、特に制限されないが、例えば、(i)負極集電体上の本発明の負極材料がない部分に金属ナトリウムを貼り付け、注液することでローカルセルを形成し、負極活物質中にナトリウムをドープする方法、(ii)本発明の負極材料上に蒸着やスパッタにより金属ナトリウムを成膜し、固相反応で本発明の負極材料中にナトリウムをドープする方法、(iii)電池構成前の負極に、電解液中で電気化学的にナトリウムをドープする方法、(iv)本発明で使用する複合粉末の作製の際に金属ナトリウムを加え混合処理することで、本発明の負極材料中にナトリウムをドープする方法、等の方法が挙げられる。
ただし、上記(i)では、局部的に金属ナトリウムが存在するため、負極全域に均一にナトリウムイオンが拡散しにくい。上記(ii)では、蒸着装置やスパッタ装置等の大掛かりな装置が必要となり、生産性に改善の余地がある。上記(iii)では、予めナトリウムドープ用の電池を構成する必要がある。上記(iv)では、得られる負極材料がナトリウム化しているため、軟らかく取り扱いが困難であり、また通常雰囲気中(湿度のある空気中)でスラリーを作製できない傾向がある。
このような問題点を解消するためには、スラリーをアルミニウム集電体に塗布し、これに熱処理を行って得た負極前駆体の活物質層上に直接、金属ナトリウム箔を圧着した後、熱処理するのが有効である。これにより、特殊な装置を用いることなく、負極全域に均一にナトリウムイオンをドープすることができる。なお、金属ナトリウム箔の厚さは、取り扱いの容易さと均一にナトリウムイオンをドープできることを考慮し、金属ナトリウム箔は1〜30μmのものを用いることが好ましく、5〜20μmのものを用いることがより好ましい。
ナトリウムイオンをドープするための熱処理の条件としては、低温でも負極材料にナトリウムドープすることは可能であるが、反応速度が遅いため、20〜150℃で、少なくとも1時間以上とすることが好ましい。この熱処理は、電解液中で行うのが良い。加熱温度をこの条件とすれば、電極自身にダメージを与えず、また電解液を蒸発させずに、ナトリウムイオンをドープすることができる。なお、熱処理温度の下限は、30℃とするのが好ましく、上限は90℃とするのが好ましい。
上述の構成の電極によれば、ナトリウム二次電池用の負極として機能する。
<電池>
本発明のナトリウム二次電池用電極からなる正極を用い、本発明のナトリウム二次電池とすることができる。
本発明のナトリウム二次電池は、上記正極と、上記負極を用いることができる。
電解液は、その溶媒として、特に限定されないが、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネートのような環状カーボネート系、テトラヒドロフランなどのエーテル系、ヘキサンなどの炭化水素系、γ−ブチルラクトンなどのラクトン系、などを用いることができる。このうち、レート特性の観点から、EC系電解液を備えることが好ましい。
通常、ECは常温では固体であるため、EC単独では電解液としての機能を果たさない。しかし、PC、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)などとの混合溶媒とすることで、常温でも使用可能な電解液として機能する。
EC系の電解液の溶媒としては、EC(エチレンカーボネート)‐DEC(ジエチレンカーボネート)、EC‐DMC(ジメチルカーボネート)が好適に用いられ、特にEC‐DECが好適に用いられる。
電解液の支持塩としては、特に限定されないが、ナトリウム二次電池に一般的に使用される塩を用いることができる。例えば、NaPF、NaBF、NaClO、NaTiF、NaVF、NaAsF、NaSbF、NaCFSO、Na(CSON、NaB(C、NaB10Cl10、NaB12Cl12、NaCFCOO、Na、NaNO、NaSO、NaPF(C、NaB(C、およびNa(CFSOCなどの塩を用いることができる。なお、上記塩のうち1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
このうち、六フッ化リン酸ナトリウム(NaPF)、過塩素酸ナトリウム(NaClO)、四フッ化ホウ酸ナトリウム(NaBF)などが好適に用いられ、特にNaPFが好適に用いられる。NaPFを塩として用いることで、正極の放電容量とサイクル寿命を改善し、負極のサイクル寿命を改善する効果が高まる。また、電解液の濃度(溶媒中の塩の濃度)は、特に限定されないが、0.1〜3mol/Lであることが好ましく、0.5〜2mol/Lであることが更に好ましい。
ナトリウム二次電池の構造としては、特に限定されないが、積層式電池、捲回式電池などの既存の電池形態・構造に適用できる。
上述の構造のナトリウム二次電池によれば、以下の化学式(1)〜(3)に示す充放電反応により、二次電池として機能する。以下の化学式(1)は、本発明の正極の主な充放電反応を示す。次に、化学式(2)および(3)は、本発明の負極の主な充放電反応を示す。
本発明のナトリウム二次電池は、移動体通信機器や携帯用電子機器などの電気機器に用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<ナトリウムマンガンコバルトニッケル複合酸化物の合成>
純度99%以上の炭酸ナトリウム(NaCO)粉末と、酸化マンガン(II,III)(Mn)と、ニッケルマンガンコバルト水酸化物(NiMnCo)OHを、Na:(Mn+Co+Ni)=1:1の原子数比、及びMn、Co、Niが表1に示す原子数比となるように秤量した。これらを乳鉢中で混合したのち、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉を用いて、空気中900℃で10時間焼成した。その後、電気炉中で自然放冷し、ナトリウムマンガンコバルトニッケル複合酸化物を得た。
<試験1:各試料の初期放電容量と容量維持率の比較>
得られたNa(MnyCo1−y−zNiz)Oの充放電特性を測定した。
正極組成は、活物質90質量%、AB5質量%およびPVdFバインダー5質量%を混合してスラリー状の合剤を調製し、厚さ20μmのアルミニウム箔上に塗布・乾燥後、ロールプレス機により、アルミニウム箔と塗膜とを密着接合させ、次いで、加熱処理(減圧中、180℃、1時間以上)した。対極として、試験電極計算容量の約50倍の容量を有している金属ナトリウム箔を用い、セパレータとしてガラスフィルタ、電解液として1mol/L NaPF(EC:DEC=1:1 vol.%)を具備したコインセル(CR2032)を作製した。各試料の初期放電容量と15サイクル時の容量維持率を表2に示す。
表2の結果から、試料A、B、C、D、E、J、K、L、M、Nで150mAh/g以上の高い初期放電容量が得られた。特に試料Jでは200mAh/g以上の非常に高い初期放電容量が得られた。この結果から、Mnを原子数比で約65%以上含み、Niを必須構成として含む組成の遷移金属酸化物が高い初期放電容量を得られることがわかる。
図1は、それぞれコバルト(Co)とニッケル(Ni)を含みマンガン(Mn)の原子数比が異なる試料A、G、J、K、L、M、Nのマンガン(Mn)の原子数比と初期放電容量の関係を示すグラフである。
このグラフから、初期放電容量150mAh/gを達成するには、マンガン(Mn)の原子数比を約60%以上とすればよいといえる。
また、試料A、B、D、F、J、Mで15サイクル後でも80%以上の高い容量維持率が得られた。この結果から、Coを必須構成として含有し、且つNiの原子数比が約25%以下の組成において、高い容量維持率を達成できることがわかる。
この理由としては、Coは高電位で酸化還元するため、高電位まで構造を安定化できると考えられる。また、Niは下記式で表される酸化還元をするため、高容量化のためには有効であるが、Naの挿入脱離量が大きくなることにより構造の安定性が低下すると考えられる。
図2は、Mn−Co−Niの組成において、150mAh/g以上の高初期放電容量を示す領域と、15サイクル目の容量維持率(15th/1st)が80%以上の高容量維持率を示す領域とを示すグラフである。
上記試験の結果により、表2に示すように高初期放電容量領域と高容量維持率領域が存在する。高い初期放電容量を有し且つ高い容量維持率を有する組成範囲は、図2に示す高初期放電容量領域と高容量維持率領域が重なる範囲である。
この両領域が重なる範囲から、Na(MnCo1−y−zNi)Oで表されるナトリウム含有遷移金属酸化物において、Na原子数比xが0.5<x≦1.0、Mn原子数比yが0.60≦y≦0.80、Ni原子数比zが0.05≦z≦0.20、Co原子数比1−y−zが0.05≦1−y−z≦0.25の範囲において、高初期放電容量と高容量維持率をともに達成できることがわかる。
150mAh/g以上の初期放電容量と80%以上の容量維持率(15th/1st)の両方を達成できたのは、試料A、B、D、J、Mであった。特に試料Jは、初期放電容量と容量維持率のどちらも従来の材料と比較して非常に優れた値を示した。
<試験2:異なる焼成温度で作製した試料のサイクル特性>
次に、ナトリウムマンガンコバルトニッケル複合酸化物を合成する際の焼成温度の違いによる容量維持率への影響を調べた。試料の組成は表1の試料Jと同じ組成で行った。結果を表3及び図3に示す。
表3に示すように、焼成温度が高くなるに従い、40サイクル後の容量維持率が向上した。初期放電容量は800℃で焼成した時、最も高い220mAh/gを示した。
この結果から、高い初期放電容量且つ高い容量維持率を得るためには、焼成温度は700〜900℃が好ましく、800〜900℃がより好ましいといえる。
<試験3:異なる焼成温度で作製した試料の充放電曲線>
次に、試料Jと同じ組成で700℃焼成した試料(J−2)と、試料Jと同じ組成で900℃焼成した試料(J−4)の充放電曲線を図4,5に示す。
図4,5に示すように、900℃焼成した試料(J−4)の方が、700℃焼成した試料(J−2)よりも充放電時の分極が小さかった。これは高温焼成した方が結晶性が高いためと考えられる。
<異なる焼成温度で作製した試料のXRDパターンと電子顕微鏡写真(SEM写真)>
また、表3に示す焼成温度600℃、700℃、800℃で得られた試料(J−1、J−2、J−3)を、X線回折測定器(MAC Science社製、CuKα1線λ=1.54056Å)を用いてX線回折測定を行い、結晶性を評価した。さらに、700℃焼成した試料(J−2)及び900℃焼成した試料(J−4)の結晶を電子顕微鏡写真(SEM)を用いて確認した。XRDパターンを図6に、SEM写真を図7に示す。
XRDパターンを見ると、焼成温度により合成物の結晶構造が変化したことがわかる。800℃焼成試料(J−3)は15°付近のピークの幅が小さく、600℃焼成試料(J−1)、700℃焼成試料(J−2)に比べ、結晶性が高いことがわかる。
また、SEM写真を見ても、900℃焼成試料(J−4)の方が700℃焼成試料(J−2)よりも結晶性が高いことがわかる。
このことから、焼成温度が高くなるほど結晶性の高い試料を得られることがわかる。
高い結晶性を有すると、結晶内のイオン伝導性の向上や界面の抵抗が低下するため、電池特性の向上に寄与する。
<試験4:焼成時における雰囲気の最適化>
次に、試料Aと同じ組成で、焼成時の雰囲気を表4に示すガスを用いたこと以外は試料Aと同じ条件で試料A−1〜A−4を作製し、これら試料を正極材料として試験1と同じ条件で初期放電容量を測定した。なお、焼成温度は900℃とした。表4に初期の放電容量をまとめる。
なお、焼成時における「フロ―あり」とは、ガス流量の値を100mL/minにしたものである。
表4に示したように、焼成雰囲気を20%酸素―80%窒素(フローあり)で作製した試料(A−1)は、フローなしの試料(A−2)と比較して、初期放電容量が向上することが分かった。また、焼成雰囲気を5%酸素―95%窒素(フローなし)で作製した試料(A−3)と、40%酸素―60%窒素(フローなし)で作製した試料(A−4)は、20%酸素―80%窒素(フローなし)で作製した試料(A−2)と比較して、初期放電容量が低下した。したがって、焼成時の酸素濃度は、5%を超え、40未満の範囲内が好ましいことわかる。
これらの結果から、高い初期放電容量を得るためには、焼成時の雰囲気中の酸素量が重要な因子であることがわかる。
<試験5:全電池による試験>
上記Jを活物質とし、正極組成は、活物質90質量%、AB5質量%、CMC2.5質量%、アクリル樹脂2.5質量%を混合してスラリー状の合剤を調製し、厚さ20μmのアルミニウム箔上に塗布・乾燥後、ロールプレス機により、アルミニウム箔と塗膜とを密着接合させ、次いで、加熱処理(減圧中、160℃、10時間以上)した。
対極として、SnSを負極活物質前躯体として用い、負極活物質前躯体80質量%、KB2質量%、PIバインダー18質量%を混合してスラリー状の合剤を調製し、厚さ40μmのアルミニウム箔上に塗布・乾燥後、ロールプレス機により、アルミニウム箔と塗膜とを密着接合させ、次いで、加熱処理(減圧中、230℃、1時間以上)した。続いて、負極活物質層上に10μmの金属ナトリウム箔を圧着した後、50℃の電解液(1mol/LのNaPF/EC:DEC(50:50vol%))中で2時間熱処理し、不可逆容量分のナトリウムをドープした。
上記正極、負極および電解液として1mol/L NaPF(EC:DEC=1:1 vol.%)を用いて、ナトリウムイオン全電池(公称容量2mAh)のコインセルを作製し、30℃環境下でカットオフ電位1−4.4Vで充放電を行ったところ、電池として機能することを確認した。
本発明は、移動体通信機器、携帯用電子機器、電動自転車、電動二輪車、電気自動車等の主電源に好適に利用されるものである。

Claims (12)

  1. 組成式Na(MnCo1−y−zNi)Oで表されるナトリウム含有遷移金属酸化物からなり、
    組成比が、0.5<x≦1.0、0.60≦y≦0.80、0.05≦z≦0.20、0.05≦1−y−z≦0.25であることを特徴とするナトリウム二次電池正極材料。
  2. 前記組成比が、0.65≦y≦0.80、0.10≦z≦0.20、0.10≦1−y−z≦0.25であることを特徴とする請求項1記載のナトリウム二次電池正極材料。
  3. ナトリウム金属或いはナトリウム化合物の少なくとも1種、マンガン金属或いはマンガン化合物の少なくとも1種、コバルト金属或いはコバルト化合物の少なくとも1種、ニッケル金属或いはニッケル化合物の少なくとも1種を、Na(MnCo1−y−zNi)O(ただし式中、0.5<x≦1.0、0.65≦y≦0.80、0.05≦z≦0.20、0.05≦1−y−z≦0.25)で表される化学組成となるように混合し、この混合物を500〜1000℃で焼成することによって合成することを特徴とするナトリウム二次電池正極材料の製造方法。
  4. 前記yが0.65≦y≦0.80、前記zが0.10≦z≦0.20、前記1−y−zが0.10≦1−y−z≦0.25の範囲であることを特徴とする請求項3記載のナトリウム二次電池正極材料の製造方法。
  5. 前記焼成温度が700〜900℃であることを特徴とする請求項3又は4記載のナトリウム二次電池用正極材料の製造方法。
  6. 前記焼成温度が800〜900℃であることを特徴とする請求項5記載のナトリウム二次電池用正極材料の製造方法。
  7. 焼成時の雰囲気における酸素濃度が10〜30体積%であることを特徴とする請求項3乃至6いずれかに記載のナトリウム二次電池用正極材料の製造方法。
  8. 焼成時の雰囲気においてガスがフローしていることを特徴とする請求項3乃至7いずれかに記載のナトリウム二次電池用正極材料の製造方法。
  9. 活物質として、請求項1又は2に記載のナトリウム二次電池正極材料、又は請求項3〜8のいずれかに記載のナトリウム二次電池正極材料の製造方法で得られたナトリウム二次電池正極材料を含むことを特徴とするナトリウム二次電池用電極。
  10. 請求項9に記載のナトリウム二次電池用電極からなる正極を備えることを特徴とするナトリウム二次電池。
  11. SnまたはSn化合物を含む負極を備えることを特徴とする請求項10に記載のナトリウム二次電池。
  12. 請求項10または11に記載のナトリウム二次電池を用いることを特徴とする電気機器。
JP2013107429A 2013-05-21 2013-05-21 ナトリウム二次電池正極材料の製造方法 Expired - Fee Related JP6187903B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013107429A JP6187903B2 (ja) 2013-05-21 2013-05-21 ナトリウム二次電池正極材料の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013107429A JP6187903B2 (ja) 2013-05-21 2013-05-21 ナトリウム二次電池正極材料の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014229452A true JP2014229452A (ja) 2014-12-08
JP6187903B2 JP6187903B2 (ja) 2017-08-30

Family

ID=52129133

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013107429A Expired - Fee Related JP6187903B2 (ja) 2013-05-21 2013-05-21 ナトリウム二次電池正極材料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6187903B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016110991A (ja) * 2014-11-27 2016-06-20 学校法人東京理科大学 ナトリウム二次電池用正極及びナトリウム二次電池
CN108493396A (zh) * 2018-04-12 2018-09-04 上海空间电源研究所 一种o3型钠离子电池层状正极材料、其制备方法及用途
CN111435740A (zh) * 2019-01-11 2020-07-21 宁德时代新能源科技股份有限公司 正极活性材料、正极片及钠离子电池
CN115536072A (zh) * 2022-10-24 2022-12-30 沈阳国科金能科技有限公司 一种锰铁基Na0.67Mn0.9Fe0.1O2钠离子电池正极材料的改性方法
WO2023127894A1 (ja) 2021-12-28 2023-07-06 株式会社ルネシス 正極活物質、正極合剤及び二次電池

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007287661A (ja) * 2006-03-20 2007-11-01 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質二次電池
WO2008114515A1 (ja) * 2007-03-22 2008-09-25 Sanyo Electric Co., Ltd. 非水電解質二次電池
JP2009209038A (ja) * 2008-02-06 2009-09-17 Sumitomo Chemical Co Ltd 複合金属酸化物およびナトリウム二次電池
WO2012035648A1 (ja) * 2010-09-17 2012-03-22 株式会社日立製作所 非水電解液二次電池用活物質および非水電解液二次電池

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007287661A (ja) * 2006-03-20 2007-11-01 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質二次電池
WO2008114515A1 (ja) * 2007-03-22 2008-09-25 Sanyo Electric Co., Ltd. 非水電解質二次電池
JP2009209038A (ja) * 2008-02-06 2009-09-17 Sumitomo Chemical Co Ltd 複合金属酸化物およびナトリウム二次電池
WO2012035648A1 (ja) * 2010-09-17 2012-03-22 株式会社日立製作所 非水電解液二次電池用活物質および非水電解液二次電池

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016110991A (ja) * 2014-11-27 2016-06-20 学校法人東京理科大学 ナトリウム二次電池用正極及びナトリウム二次電池
CN108493396A (zh) * 2018-04-12 2018-09-04 上海空间电源研究所 一种o3型钠离子电池层状正极材料、其制备方法及用途
CN111435740A (zh) * 2019-01-11 2020-07-21 宁德时代新能源科技股份有限公司 正极活性材料、正极片及钠离子电池
WO2023127894A1 (ja) 2021-12-28 2023-07-06 株式会社ルネシス 正極活物質、正極合剤及び二次電池
CN115536072A (zh) * 2022-10-24 2022-12-30 沈阳国科金能科技有限公司 一种锰铁基Na0.67Mn0.9Fe0.1O2钠离子电池正极材料的改性方法
CN115536072B (zh) * 2022-10-24 2023-08-11 沈阳国科金能科技有限公司 一种锰铁基Na0.67Mn0.9Fe0.1O2钠离子电池正极材料的改性方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6187903B2 (ja) 2017-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6028285B2 (ja) ナトリウム二次電池正極材料、該ナトリウム二次電池用正極材料の製造方法、該ナトリウム二次電池用正極材料を用いるナトリウム二次電池用電極、該ナトリウム二次電池用電極を備える非水系ナトリウム二次電池、及び該非水系ナトリウム二次電池を用いる電気機器
JP6177345B2 (ja) リチウム二次電池用負極活物質及びその製造方法
JP4082214B2 (ja) 非水電解質二次電池とその正極活物質
KR101622352B1 (ko) 리튬 이차 전지용 양극 활물질, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지
WO2000031812A9 (en) Lithium based phosphates for use in lithium ion batteries and method of preparation
JP2017130359A (ja) 電極材料の製造方法及び蓄電装置の製造方法
KR102358675B1 (ko) 리튬 이차 전지용 양극 활물질의 제조 방법
JP7207261B2 (ja) 正極活物質の製造方法、及びリチウムイオン電池の製造方法
JPWO2003069702A1 (ja) リチウム二次電池用の粒子状正極活物質
TW202032838A (zh) 非水電解質二次電池用負極活性物質及其製造方法
JP7022730B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質、その製造方法およびこれを含むリチウム二次電池
JP6187903B2 (ja) ナトリウム二次電池正極材料の製造方法
KR101319380B1 (ko) 고체 전해질, 상기 고체 전해질을 포함하는 리튬 이차 전지, 상기 고체 전해질용 입자의 제조방법 및 고체 전해질용 입자
CN112751025A (zh) 正极活性物质、其制备方法及包括其的可再充电锂电池
CN114256450A (zh) 用于锂二次电池的正极活性物质及其制造方法
JP2012174535A (ja) 電極活物質、及び当該電極活物質を負極に含有する金属二次電池
JP5625028B2 (ja) 非水二次電池
EP3149793A1 (en) Anode compositions for rechargeable batteries and methods of making same
JP2001185146A (ja) リチウム二次電池
JP2013206616A (ja) リチウムイオン二次電池用正極活物質およびその製造方法
WO2013129150A1 (ja) 電極活物質、この電極活物質を用いた電極及び二次電池
JP2020158335A (ja) リチウム金属複合酸化物粉末の製造方法
JP2013004401A (ja) 非水系二次電池用正極活物質及びその製造方法並びに非水系二次電池
KR20120044651A (ko) 리튬 이차 전지용 양극 활물질, 이의 제조 방법 및 이를 이용한 리튬 이차 전지
CA2950251C (en) Silicon material and negative electrode of secondary battery

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160520

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160506

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170414

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170628

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170721

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6187903

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees