JP2014227676A - 建設機械の作業判定システム、建設機械及び作業判定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原動機E、走行装置11、作業装置30、操作装置26L等を有する建設機械の作業判定システムであって、操作装置26L等から入力された操作信号Sf,Ss,Stを判定する操作信号判定装置57cと、操作装置26L等から操作信号が入力されなかった無操作時間Tiを演算する無操作時間演算装置57dと、走行操作信号Stのみが入力された走行単独操作時間Tt’を演算する走行単独操作時間演算装置57eと、作業操作信号Sfのみが入力された作業単独操作時間Tf’を演算する作業単独操作時間演算装置57fと、Ti,Tt’,Tf’を基に建設機械の作業内容を判定する作業判定装置57iとを備える。
【選択図】 図6
Description
1.建設機械
図1は本発明に係る作業判定システムを適用する建設機械の側面図である。
作業装置30を下してバケット33の先端を地山の位置Vの辺りに移動させる。この動作を「掘削位置決め動作」と記載する。
アーム32及びバケット33をクラウド方向32a,33aに回動させてバケット33内に土砂を掻き込む。この動作を「掘削動作」と記載する。このとき、十分に掘削できなければ再度アーム32及びバケット33を動かして掘削位置を若干ずらして掘削動作をする。この動作は掘削位置決め動作と掘削動作の組み合わせである。
バケット33に十分な土砂が入ったらブーム上げ動作と旋回動作、必要であればアームダンプ動作を同時に実行する。例えば油圧ショベル1の右側(紙面に直交する方向の奥側)に配置したダンプトラック(不図示)のベッセルに土砂を積み込む場合を例に挙げると、ベッセルの上方まで作業装置30を上げながら右旋回することになる。これは一般にフロント上げ旋回動作といって油圧ショベルではよく見られる複合動作であり、本願明細書では便宜的に「積込動作」と記載する。
ベッセルの上方で、必要に応じてアーム32をダンプ方向32bに回動させつつバケット33をダンプ方向33bに回動させ、バケット33内の土砂をベッセルに放土する。この動作を「放土動作」と記載する。
図2は運転室22内の運転席周りを上から見た模式図である。
図3は油圧アクチュエータを駆動する油圧システムを模式的に表した油圧回路図である。同図では、例えばブームシリンダ34に関する部分を抜き出して例示してあるが、他の油圧アクチュエータに関する部分も同様の構成である。
油圧ショベル1を動作させたか否かは、操作装置26L,26R,27L,27Rからの操作信号を検出することで判定することができる。
作業判定システムは、建設機械(ここでは油圧ショベル1)の稼働情報を独自方式で取得し、取得した情報を基に作業内容を判定して、運転者、管理者、サービスマン、その他建設機械の利用、管理、提供、製造、修理等に関連する者(以下「運転者等」という)に判定結果を含む稼働データ(以下、適宜「レポート」という)を適宜の形式で提供するものである。以下、稼働データ取得の手順(図6及び図7で後述)を油圧ショベル1に搭載した車載マイコンで、作業内容判定手順(図8で後述)をサーバで実行し、レポートの提供を情報提供装置(モニタ、プリンタ、スピーカ等の各種出力装置)で実行する場合の構成を例示する。
車載マイコン50は、入力インタフェイス51、RTC52、電源装置53、記憶装置54、GPS55、通信装置56、演算処理装置57、及び出力インタフェイス58を備えている。次に各装置の機能について簡単に説明する。
入力インタフェイス51は、電源信号Sp、作業操作信号Sf、旋回操作信号Ss、走行操作信号St、原動機稼働信号Seを含む油圧ショベル1の稼働信号を入力しデジタル信号化するものである。つまり、この入力インタフェイス51を介することで、各信号はONであれば「1」、そうでなければ「0」の値に変換される。信号Sf,Ss,Stは、それぞれ作業操作信号検出器40f、旋回操作信号検出器40s、走行操作信号検出器40tからの入力信号である。原動機稼働信号Seを出力する原動機稼働検出器40eは、油圧ショベル1の原動機E(図3参照)がディーゼルエンジンである場合にはフライホイール等の回転部分の歯車に取り付けた電磁ピックアップを用いることができる。また、多くの油圧ショベルのエンジン制御で採用されている電子ガバナのコントローラからの電圧又はCAN等の通信回路からのエンジン回転数のデータを受信して原動機稼働信号Seとすることもできる。車載マイコン50に電源信号Spを出力する電源供給切換器40pにはキースイッチを用いることができる。キースイッチは閉状態のときに車載マイコン50に電源を供給するスイッチであり、開状態になると車載マイコン50への電源供給が遮断されて電源信号SpがOFFになる。
RTC(リアルタイムクロック)52は車載マイコン50の時計であり、RTC52が刻む時刻(日付を含む)を基に車載マイコン50のデータ処理に使用する時刻、例えば“電源が入った時刻は2012年6月22日5:00:40”という記録が残る。電源が供給されない間もRTC52の時計機能は継続する。
電源装置53には、電源供給切換器40pによって電源供給が遮断された場合に、演算処理装置57によるプログラム処理により所定の条件が満たされてから車載マイコン50の各構成要素への電源供給を停止し、次に電源供給切換器40pによって電源供給がされるまで待機する機能がある。この機能によって、例えば作業の終了又は中断の際に電源供給切換器40pで電源が切られても演算処理装置57や通信装置56等への電源供給が確保され、各処理部の所定の処理が遂行される。
記憶装置54には、演算処理装置57が実行するプログラム、車載マイコン50に入力された各データ、演算処理装置57の演算データ、各データの時刻等を格納する記憶領域が含まれている。
GPS55はGPS衛星Lからの油圧ショベル1の現在の位置データを受信し取得するものである。本実施の形態は位置情報を活用する例ではないので、GPS55は省略することもできる。
通信装置56は、離れた場所(例えば事務所)にあるサーバ60等との間でデータを授受するための装置であり、記憶装置54に一時記憶されたデータは通信装置56を介してサーバ60に送信される。通信装置56には、携帯電話や衛星通信機器、無線装置等を用いることができる。
出力インタフェイス58は、通信装置56の他、外部の端末X(パーソナルコンピュータや携帯端末等)との間でデータを授受するためのもので、記憶装置54に格納されたデータや入力インタフェイス51への入力データやGPS55で受信した位置情報の現在のデータ等を有線通信又は無線通信(赤外線通信等)により端末Xに出力する機能を持つ。通信装置56が使えない地域では、この出力インタフェイス58を介して車載マイコン50を端末Xに接続することで、車載マイコン50からデータをダウンロードすることができる。この端末Xを有線通信、無線通信、又はインターネットによってサーバ60と接続することで、端末Xを介して車載マイコン50とサーバ60との間でデータを授受することができる。
演算処理装置57は、電源供給の開始をトリガとして記憶装置54内のプログラムに従って稼働データ取得の手順(後の図6参照)を実行し、電源供給の終了をトリガとして稼働データ送信の手順(後の図7参照)を実行し処理を終了するものである。一連の手順を実行するために、演算処理装置57には、電源入り時間演算装置57a、原動機稼働時間演算装置57b、操作信号判定装置57c、無操作時間演算装置57d、走行単独操作時間演算装置57e、作業単独操作時間演算装置57fの各処理部が含まれている。
サーバ60は、油圧ショベル1から離れた場所に設置されていて、入出力インタフェイス61、記憶装置62、及び演算処理装置63を備えている。各装置の機能について簡単に説明する。
入力インタフェイス61は、通信装置65や情報提供装置66、端末X等との間で有線通信、無線通信、又はインターネット等によってデータを授受するための装置である。通信装置65は、通信装置56と同等の装置であり、通信装置56との間で無線通信によってデータを授受するものである。情報提供装置66は、運転者等に作業内容のレポートを提供する装置であり、表示装置、プリンタ、スピーカ等を含み、出力態様については特に限定されない。
記憶装置62には、演算処理装置63が実行するプログラム、サーバ60に入力された各データ、演算処理装置63の演算データ等を格納する記憶領域が含まれている。
演算処理装置63は、車載マイコン50で取得された情報を記憶装置62内のプログラムに従って処理し、油圧ショベル1の行った作業内容を判定する機能を果たす(後述する図8参照)。一連の手順を実行するために、演算処理装置63には、操作時間演算装置63a、作業時間演算装置63b、作業判定装置63c、及びレポート作成装置63eの各処理部が含まれている。
次に作業判定システムによる油圧ショベル1の作業判定処理について説明する。作業判定処理は、稼働データ取得の手順、及び取得した稼働データに基づく作業内容判定の手順に大別される。ただ、本実施の形態の場合、前者を車載マイコン50で実行し、後者をサーバ60で実行する例であるため、車載マイコン50によるサーバ60への稼働データ送信の手順が間に入る。
図6は本発明の第1の実施の形態に係る作業判定システムによる稼働データ取得手順を表すフローチャートである。同図の手順は車載マイコン50の演算処理装置57により実行される手順である。また、この手順は、電源供給切換装置40pにより電源信号SpがOFFにされるまでの間、ステップS102−ステップS110の手順を設定周期(この例では1秒周期)でサンプリングして無操作時間Ti、走行単独操作時間Tt’、作業単独操作時間Tf’を計時する手順である。本願明細書では、稼働データ取得手順を開始してから稼働データ送信手順に移行するまでの1期間を便宜的に「セッション」と呼ぶ。本実施の形態は、車載マイコン50の電源が入ってから切れるまでの間(電源入り時間T0)を1つのセッションとする例である。
前述したように電源供給切換装置40pが閉状態になって入力インタフェイス51に入力される電源信号SpがONになると、車載マイコン50は、記憶装置54のプログラムに従って演算処理装置57により図6の手順を開始する。
同図の手順を開始すると、演算処理装置57は、まずRTC52及びGPS55から現在の時刻及び位置情報を取得して作業開始時の時刻と場所のデータとして記憶装置54に保存する。また、演算処理装置57は、各時間T0,T1,Ti,Tf’,Ts’,Tt’を全てリセットして0(ゼロ)にする。
続くステップS102において、演算処理装置57は、電源入り時間演算装置57aにより電源入り時間T0に1秒(操作信号のサンプリング周期)を加算し、電源が入ってからの経過時間をカウントアップする(T0=T0+1)。
ステップS103に手順を移すと、演算処理装置57は、原動機稼働信号Seが1(稼働中)か0(停止中)を判定し、原動機Eが停止していると判定した場合には操作信号の判定手順をバイパスしてステップ111に手順を移す。原動機Eが停止している場合、油圧ポンプP1,P2が動いておらず操作装置26L,26R,27L,27Rから操作信号が入力され得ないからである。反対に、原動機Eが稼働していると判定した場合、演算処理装置57はステップS104に手順を移し、原動機運転時間演算装置57bによって原動機稼働時間T1を1秒カウントアップする(T1=T1+1)。原動機稼働時間T1をカウントアップしたら、演算処理装置57は、ステップS104からステップS105に手順を移す。
ステップS105では、演算処理装置57は、操作装置26L,26R,27L,27Rからの操作信号Sf,Ss,Stを基に、操作判定装置57cによって無操作状態であるか否かを判定する。すなわち、操作信号Sf,Ss,Stがいずれも入力されなかったか否かを判定し、いずれの入力もなかった場合(Sf=Ss=St=0の場合)にはステップS106に手順を移し、無操作時間演算装置57dによって無操作時間Tiを1秒カウントアップする(Ti=Ti+1)。反対に、操作信号Sf,Ss,Stのいずれか1種でも入力があった場合(Sf,Ss,Stの少なくとも1つが1であった場合)には、演算処理装置57はステップS105からステップS107に手順を移す。
ステップS107では、演算処理装置57は、操作装置26L,26R,27L,27Rから入力された操作信号が走行操作信号Stのみか否かを操作判定装置57cによって判定する。入力された操作信号が走行操作信号Stのみであった場合(St=1,Sf=Ss=0の場合)にはステップS108に手順を移し、走行単独操作時間演算装置57eによって走行単独操作時間Tt’を1秒カウントアップする(Tt’=Tt’+1)。それ以外の場合には、演算処理装置57はステップS107からステップS109に手順を移す。
ステップS109では、演算処理装置57は、操作装置26L,26R,27L,27Rから入力された操作信号が作業操作信号Sfのみか否かを操作判定装置57cによって判定する。入力された操作信号が作業操作信号Sfのみであった場合(Sf=1,St=Ss=0の場合)にはステップS110に手順を移し、作業単独操作時間演算装置57fによって作業単独操作時間Tf’を1秒カウントアップする(Tf’=Tf’+1)。それ以外の場合には、演算処理装置57はステップS109からステップS111に手順を移す。
ステップS111では、演算処理装置57は、電源が切られたか否か、すなわち電源供給切換装置40pが開状態に切り換わって電源信号SpがOFFになったか否かを判定する。電源が入っていれば、演算処理装置57はステップS111からステップS102に手順を移し、電源が入っている限りステップS102−S111の毎秒処理を繰り返し実行する。電源が切れていれば、演算処理装置57は図6の稼働データ取得手順を終了し、ステップS111から図7のステップS112に手順を移して稼働データ送信手順に移行する。
図7は本発明の第1の実施の形態に係る作業判定システムによる稼働データ送信手順を表すフローチャートである。同図の手順は、電源信号SpがOFFになった場合に、演算処理装置57により記憶装置54のプログラムに従って1サイクルだけ実行される処理であり、この手順によって1セッション分の稼働データがサーバ60に送信される。
ステップS112では、演算処理装置57は、RTC52及びGPS55から現在時刻と現在位置を作業終了時のデータとして取得し記憶装置54に保存する。
続くステップS113では、演算処理装置57は、送信する全データをまとめて記憶装置54に保存する。具体的には、(1)作業開始時の時刻及び位置、(2)作業終了時の時刻及び位置、(3)電源入り時間T0(本例ではセッションの時間と同義)、(4)原動機稼働時間T1、(5)無操作時間Ti、(6)走行単独操作時間Tt’、(7)作業単独操作時間Tf’の7種類のデータを記憶装置54に格納する。
続くステップS114では、演算処理装置57は、通信装置56を介して上記の(1)−(7)の7種類のデータをサーバ60に送信し、ステップS115で電源装置53により車載マイコン50の電源を切断して図7の手順を終了する。
図8は本発明の第1の実施の形態に係る作業判定システムによる作業内容判定手順を表すフローチャートである。同図の手順は、サーバ60において記憶装置62のプログラムに従って演算処理装置63によって逐次または一定の時間間隔で繰り返し実行される処理である。
演算処理装置63は、図8の手順を開始すると、まずステップS151で車載マイコン50からの稼働データの受信があったか否かを判定する。受信がなければ、演算処理装置63は待機してステップS151の手順を繰り返す。車載マイコン50から稼働データを受信したら、演算処理装置63はステップS151からステップS152に手順を移す。
ステップS152では、演算処理装置63は次のデータ処理を実行する。
続くステップS153に手順を移すと、演算処理装置63はレポート作成処理を実行し、レポートを情報提供装置66に出力する。レポートの具体的な内容には、車載マイコン50から受信したデータ(1)−(7)に加えて、(8)操作時間T2、(9)作業時間To、(10)作業内容の判定結果が含まれる。作業内容の判定結果の出力態様としては、「掘削」「積込」といった作業名称を出力する態様(後の図9参照)、評価係数Rを出力する態様(後の図10参照)、又はその双方を出力する態様が考えられる。ステップS153の手順を終えたら、演算処理装置63は、図8の手順を終了する。
図9は情報提供装置66による本実施の形態に係るレポートの出力の一態様を表した図である。
図43−図45は比較例に係る作業判定手順を表すフローチャートである。図43−図45は本実施の形態の図6−図8と対応する図である。
前述したように、油圧ショベルの典型的な作業では、「掘削位置決め動作」→「掘削動作」→「ダンプへの積込動作又は放土動作」が繰り返され、走行装置11を駆動して掘削位置や掘削場所を変える。掘削場所の変更は頻繁に発生するが、多くの場合は数回地山を掘削して機体側方に放土又はダンプトラックに積み込んだ後、バケット33の幅程度だけ横に移動して掘削積込作業を再開する。この場合の走行動作は短距離で時間も短い。また、同一の現場内で掘削場所の変更に伴って離れた場所に移動する場合もある。この場合の走行動作は長時間である。加えて、走行用の操作装置27L,27Rにはペダル27b(図2参照)が備わっていて、通常は足による操作が主体となる。そのため、掘削や積込の作業中に無意識に足に力が入ってペダル27bを踏み込んでしまう場合がある。但し、踏込量が小さいために方向流量制御弁の作動には至らないため、又は方向流量制御弁が作動しても走行用油圧モータ13の駆動には至らないため、無意識にペダル7bを踏み込んでいることに運転者が気付かないことが多い。このような場合でも走行操作信号Stが検出されると、比較例では走行操作時間Ttが加算される。意図しない走行操作や実効を伴わない走行操作の時間が計時されると、作業判定の妥当性を欠いてしまう。
本実施の形態が第1の実施の形態と相違する点はセッションの設定であり、本実施の形態は、セッションに時間を設定し電源入り時間T0中に設定時間ΔT0(=セッション)の周期で作業内容を判定する例である。ハード構成は第1の実施の形態と同様である。具体的には、演算処理装置57(図5参照)は、電源が入ってから切れるまでの間、無操作時間演算装置57d、走行単独操作時間演算装置57e、及び作業単独操作時間演算装置57fに演算処理をΔT0周期で実行させ、作業判定装置63cにΔT0単位の作業内容を判定させる。
図11は本発明の第2の実施の形態に係る作業判定システムによる稼働データ取得手順を表すフローチャートである。同図の手順は車載マイコン50の演算処理装置57により実行される手順である。
スタートの手順を含めて、ステップS201−S210,S213の手順は第1の実施の形態のステップS101−111とそれぞれ同様である。但し、本実施の形態はセッションを設定時間ΔT0(例えば0.1時間)としているため、セッション経過時間ΔTの他、後述する合計無操作時間Ti(M)、合計走行単独操作時間Tt’(M)、合計掘削操作時間TD(M)、及び合計積込操作時間TL(M)がステップS201でリセットする項目に追加されている点、ステップS202で電源入り時間T0に加えてセッション経過時間ΔTがカウントアップされる点、ステップS206,S208,S210とステップS213の間にステップS211,S212の手順が追加されている点で、第1の実施の形態と相違する。
ステップS211では、演算処理装置57は、セッション経過時間ΔTが設定時間ΔT0にまだ達していないか否か(ΔT<ΔT0か否か)を判定し、セッション経過時間ΔTの値がΔT0に満たない場合(ΔT<ΔT0)はステップ213に手順を移す。反対に、セッション経過時間ΔTの値がΔT0である場合(ΔT=ΔT0)には、演算処理装置57はステップS212の手順を実行し、ステップS212の手順の実行後、ステップ213に手順を移す。
図12は本発明の第2の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位の作業判定及び稼働データの送信手順を表すフローチャートである。同図の手順は車載マイコン50の演算処理装置57により実行される手順である。
同図の手順を開始すると、ステップS212aにおいて、演算処理装置57は、RTC52及びGPS55から現在の時刻及び位置情報を取得して、セッションの時刻及び場所のデータとして記憶装置54に保存する。また、続くステップS212bでは、演算処理装置57は、前回ステップS212の手順が実行された時の原動機稼働時間T1(=前回原動機稼働時間T1’)、無操作時間Ti(前回無操作時間Ti’)を用いて、現在のセッション中の原動機稼働時間ΔT1、無操作時間ΔTi、操作時間ΔT2、作業時間ΔToを演算する。
ステップS212cでは、演算処理装置57は、作業判定装置57iによって現セッション中の原動機稼働時間ΔT1に占める無操作時間ΔTiの割合(ΔTi/ΔT1)が設定値Ri(例えば20%)より大きいか否かを判定する。ΔTi/ΔT1>Riであれば、演算処理装置57は手順をステップS212dに移し、作業内容を表すフラグFに無操作状態Iをセットする。また、現セッションは無操作状態であったこととして、電源入り後の合計の無操作時間である合計無操作時間Ti(M)にΔTを加算する(Ti(M)=Ti(M)+ΔT)。ΔTi/ΔT1≦Riであれば、演算処理装置57は手順をステップS212eに移す。
ステップS212eでは、演算処理装置57は、作業判定装置57iによって現セッション中の操作時間ΔT2に占める走行単独操作時間Tt’の割合(Tt’/ΔT2)が設定値Rt(例えば30%)より大きいか否かを判定する。Tt’/ΔT2>Rtであれば、演算処理装置57は手順をステップS212fに移し、作業内容を表すフラグFに走行作業Tをセットする。また、現セッションは走行主体であったこととして、電源入り後の合計の走行単独操作時間である合計走行単独操作時間Tt’(M)にΔTを加算する(Tt(M)=Tt(M)+ΔT)。Tt’/ΔT2≦Rtであれば、演算処理装置57は手順をステップS212gに移す。
ステップS212gでは、演算処理装置57は、作業判定装置57iによって現セッション中の作業時間ΔToに占める作業単独操作時間Tf’の割合(Tf’/ΔTo)が設定値Rf(例えば35%)より大きいか否かを判定する。Tf’/ΔTo>Rfであれば、演算処理装置57は手順をステップS212hに移し、フラグFに掘削作業Dをセットする。また、現セッションは掘削主体であったこととして、電源入り後の合計の掘削操作時間である合計掘削操作時間TD(M)にΔTを加算する(TD(M)=TD(M)+ΔT)。Tf’/ΔTo≦Rfであれば、演算処理装置57は手順をステップS212iに移し、フラグFに積込作業Lをセットする。また、現セッションは積込主体であったこととして、電源入り後の合計の積込操作時間である合計積込操作時間TL(M)にΔTを加算する(TL(M)=TL(M)+ΔT)。
ステップS212d,S212f,S212h,S212iのいずれかの手順を実行した後、演算処理装置57は手順をステップS212kに移し、ステップS212aで取得した時刻及び位置情報、並びにステップS212c−S212iで判定した作業内容Fをサーバ60に送信する。その後、ステップS212kに手順を移してΔT,Tt’,Tf’をリセットし(ΔT=Tt’=Tf’=0)、現在の原動機稼働時間T1及び無操作時間Tiを次回のステップS212の処理に用いる前回原動機稼働時間T1’及び前回無操作時間Ti’として記憶装置54に保存してステップS212の手順を終える。
図13は本発明の第2の実施の形態に係る作業判定システムによる電源入り時間単位の稼働データ送信手順を表すフローチャートである。同図の手順は、車載マイコン50の電源が切られた場合に図11のステップS213から移行して実行される手順であり、第1の実施の形態の図7の手順に相当する。
図14は本発明の第2の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位のデータ処理手順を表すフローチャートである。同図の手順はサーバ60の演算処理装置63により実行される手順である。また、この手順は、サーバ60が稼働している間、例えば逐次または一定の時間間隔で繰り返し実行されていて、車載マイコン50で上記のステップS212jの手順(セッション単位の稼働データの送信)が実行される度に実行される。したがって、1セッション毎に実行される処理である。
図15は本発明の第2の実施の形態に係る作業判定システムによる電源入り時間単位のデータ処理手順を表すフローチャートである。同図の手順もサーバ60の演算処理装置63により実行される手順である。
本実施の形態においても、無操作時間Ti、走行単独操作時間Tt’、作業単独操作時間Tf’を基に作業内容を判定しているので、前述した実施の形態と同様の効果が得られる。また、本実施の形態の場合、第1の実施の形態と同様の効果に加えて次の効果が得られる。
本の実施の形態が第2の実施の形態と相違する点はセッション単位のデータ処理の態様であり、他の点は第2の実施の形態と同様である。第2の実施の形態では、ΔT0毎に車載マイコン50から送られてくる時刻、位置、作業内容フラグFを図示しない地図上に都度表示することに触れたが、本実施の形態ではレポート形式で出力する。車載マイコン50による処理やサーバ60による電源入り時間単位のデータ処理は第2の実施の形態と同様である。但し、技術的に特別な意味はないが、本実施の形態では作業内容の判定をサーバ60側で判定している。
図17のステップS351は図14のステップS251と同様である。セッション毎に車載マイコン50からの稼働データを受け取ると、演算処理装置63は、ステップS352に手順を移す。
ステップS352では、演算処理装置63は、地図情報作成装置63eによって油圧ショベル1の位置情報Pnを稼働現場の地図データに照合し、地図データ上で油圧ショベル1の位置する区画を判別する。
ステップS353では、演算処理装置63は、作業フラグFの値によってセッションの主たる作業内容を判別し、当該セッションの時間を主たる作業内容に充てられた時間とみなして、作業内容別の操作時間における該当する作業内容の祖差時間にセッションの時間を丸ごと加算する。具体的には、F=Iならこのセッションの時間ΔT(ここでは0.1時間)は無操作であったとして、作業内容別無操作時間ΔTiに0.1時間を加算し(ΔTi(M)=0.1時間)、他の作業内容別操作時間(走行操作時間ΔTt(M)、掘削操作時間ΔTD(M)、積込操作時間ΔTL(M))には加算しない。F=T,F=D,F=Lの場合も同じ要領である。
ステップS354では、演算処理装置63はセッション毎に時刻、作業内容フラグF、作業場所のデータを情報提供装置66に出力する。このステップS354の手順を終えて、演算処理装置63は手順を終了する。
本実施の形態が他の実施の形態と相違する点はセッションの設定である。ハード構成は他の実施の形態と同様である。例えば油圧ショベルの場合、一定の作業場所で作業を継続する間は、作業の進捗に伴って掘削位置をずらすために若干(例えば1m以下)の移動を挟んだとしても土砂を積み込むダンプトラック等との位置関係や地山の性状はさほど変化しない。その一方で、作業場所を一定距離(例えば数m)以上移動して作業再開する場合には、地山の性状やダンプトラックとの位置関係等の条件が変わり、移動の前後で作業内容が変化し得る。本実施の形態はこの点に着目して作業場所毎に作業判定する例である。
図20は本発明の第4の実施の形態に係る作業判定システムによる稼働データ取得手順を表すフローチャートである。
電源が入ると、演算処理装置57は、まずステップS401でRTC52及びGPS55から現在時刻と現在位置の情報を読み出し、これを最初のセッションS(1)の開始時のデータとして記憶装置54に保存する。セッションS(1)の開示時のデータは、すなわち作業開始時のデータに等しい。また、演算処理装置57は、各種計測時間(レポート作成のための積算値を含む)をリセットして値を0(ゼロ)にする。ここでリセットされる値は、セッション中の経過時間ΔT、電源入り時間T0、原動機稼働時間T1、無操作時間Ti、走行単独操作時間Tt’、作業単独操作時間Tf’、合計電源入り時間ΣT0、合計原動機稼働時間ΣT1、合計無操作時間ΣTi、合計走行単独操作時間ΣTt’、合計作業単独操作時間ΣTf’、合計掘削操作時間ΣTD、合計積込操作時間ΣTL、及び走行操作時間Tnである。
ステップS401−S410,S417の手順は、第2の実施の形態におけるステップS201−S210,S213(図11参照)の手順とそれぞれほぼ同様である。異なる点は、ステップS406,S408−S410とステップS417との間の手順が、セッションの経過時間を判定するものから走行操作信号Stの継続的入力があったか否かを判定する手順(ステップS411−S416)に変わっている点である。ステップS411−S416の手順を次に説明する。
ステップS409で作業単独操作か否かを判定した結果、作業単独操作ではないと判定された場合、走行単独操作ではないが、無操作でも作業単独操作でもないため走行操作を含む複合操作である可能性がある。したがって、この例では、ステップS409の判定が満たされない場合、演算処理装置57は、ステップS411に手順を移して操作判定装置57cにより操作信号がONか否か(St=1か否か)を判定する。例えば走行装置11と作業装置30の複合動作を指示する操作であって走行操作信号StがONである場合には(St=1)、演算処理装置57は手順をステップS412に移す。反対に、例えば旋回体20と作業装置30の複合動作又は旋回体20の単独動作を指示する操作であって走行操作信号StがOFFである場合には(St=0)、演算処理装置57は手順をステップS416に移す。
演算処理装置57は、走行操作信号StがONである場合(St=1)、ステップ412で走行操作時間Tnをカウントアップする。この手順は、ステップS411で走行操作信号StがONであると判定された場合の他、ステップS407で走行単独操作であると判定された場合にも実行される。走行操作時間Tnをカウントアップしたら、演算処理装置57は、ステップS413に手順を移して走行祖差時間Tnが設定時間Tn0(例えば3秒)になったか否かを判定する。走行操作時間Tnが設定時間Tn0に満たない場合、演算処理装置57はステップS417に手順を移す。Tn=Tn0の場合、設定時間Tn0継続して走行操作がなされた、すなわち作業場所が変更されたものと判断し、演算処理装置57は、ステップS417に手順を移す前にステップS414(図21)の手順を実行して現在のセッションで得られた稼働データをサーバ60に送信する。
図21は本発明の第4の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位の作業判定及び稼働データの送信手順を表すフローチャートである。
図21の手順は現在のセッションの終了処理であると同時に次のセッションの開始処理でもある。電源が入ってからi番目のセッションS(i)、言い換えればi番目の作業場所での作業が終了して図21の手順に移行したとして、演算処理装置57は、まずステップS412aで次のセッションS(i+1)の開示時の時刻及び位置のデータとして現在の時刻及び位置情報をRTC52及びGPS55から取得して記憶装置54に保存する。
続くステップS412bでは、演算処理装置57はセッションS(i)のデータ処理を実行する。具体的には、操作時間T2(=T1−Ti)、作業時間To(=T2−Tt’)、評価係数R(Tf’/To)を演算する。本実施の形態の場合、原動機稼働時間T1、無操作時間Ti、作業単独操作時間Tf’はいずれもセッション終了時に後のステップS412fでリセットされる値であるため、これらを基に演算される操作時間T2、作業時間To、評価係数Rも現在のセッションにおける値である。
ステップS412dでは、演算処理装置57はセッションS(i)の稼働データを通信装置56からサーバ60に送信する。送信される稼働データは、(a)開始時刻、(b)開始時の油圧ショベル1の位置、(c)電源入り時間T0、(d)原動機稼働時間T1、(e)無操作時間Ti、(f)操作時間T2、(g)走行単独操作時間Tt’、(h)掘削操作時間TD、(i)積込操作時間TLの9項目である。これら9項目は全てセッションS(i)に関する情報である。
ステップS412dでは、演算処理装置57は、電源入り時間T0単位の稼働データとして電源が入ってから現在までの各時間の積算値を求める。ここで演算される積算値は、電源入り時間の積算値ΣT0、原動機稼働時間の積算値ΣT1、無操作時間の積算値ΣTi、走行単独操作時間の積算値ΣTt’、掘削操作時間の積算値ΣTD、及び積込操作時間の積算値ΣTLである。
ステップS412fでは、演算処理装置57は、セッションS(i)の終了処理の手順として時間計測のための各時間をリセットし(ΔT=T0=T1=Ti=Tf’=Tt’=0)、セッションカウンタiをカウントアップして(i=i+1)図20の手ステップS417に手順を移行する。これにより次のセッションS(i+1)が図20の手順で開始される。
図22は本発明の第4の実施の形態に係る作業判定システムによる電源入り時間単位の稼働データ送信手順を表すフローチャートである。
同図の手順は、車載マイコン50の電源が切られた場合に図20のステップS417から移行して実行される手順である。演算処理装置57は、まずステップS418で現在の(最後の)セッションS(f)の終了時、すなわち作業終了時の時刻及び位置のデータとして現在の時刻及び位置情報をRTC52及びGPS55から取得して記憶装置54に保存する。
続くステップS419−S422の手順は図21のステップS412b−S412eの手順と同様である。これら手順を実行することによって、その後の移動を伴わない作業終了時のセッション分の稼働データもそれ以前のセッションの稼働データと同じように処理され、セッション分の稼働データがサーバ60に送信され(ステップS421)、各時間の積算値が求められる(ステップS422)。
ステップS423では、演算処理装置57は、これまでの手順で得られた電源入り時間T0を通しての稼働データをサーバ60に送信し、ステップS424で電源装置53により車載マイコン50の電源を切断して図22の手順を終了する。ステップS423で送信される稼働データは、ステップS422で演算した各積算値、具体的には(C)合計電源入り時間ΣT0、(D)合計原動機稼働時間ΣT1、(E)合計無操作時間ΣTi、(F)合計走行単独操作時間ΣTt’、(G)合計掘削操作時間ΣTD、(H)合計積込操作時間ΣTLに、(A)ステップS401で取得した作業開始時の時刻及び位置、及び(B)ステップS418で取得した作業終了時の時刻及び位置を加えたものである。
図23は本発明の第4の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位のデータ処理手順を表すフローチャートである。
図24は本発明の第4の実施の形態に係る作業判定システムによる電源入り時間単位のデータ処理手順を表すフローチャートである。
図25及び図26は本実施の形態における情報提供装置66による出力例を表した図で、図25は電源入り時間全体の作業内容を総括的に報告する例、図26は時系列に沿ってセッション単位で作業内容を報告する例である。
本の実施の形態は一定の時間間隔でセッションを分ける点で第2の実施の形態と共通するが、セッションの区切りが時刻と同期する点で第2の実施の形態と相違する。ハード構成は他の実施の形態と同様である。
図27は本発明の第5の実施の形態に係る作業判定システムによる稼働データ取得手順を表すフローチャートである。同図の手順は第2の実施の形態の図11の手順に対応する手順であり、車載マイコン50の演算処理装置57により実行される手順である。
本実施の形態では、時刻を時・分・秒で管理し、分の値が0となる条件でセッションを分ける場合を例示する。すなわち、演算処理装置57は、第2の実施の形態ではステップS201(図11参照)でセッション経過時間ΔTをリセットしたのに対し、本実施の形態ではセッションカウンタCの初期値を設定する。
10≦M<20の場合、C=(M−10)×60+S;
20≦M<30の場合、C=(M−20)×60+S;
30≦M<40の場合、C=(M−30)×60+S;
40≦M<50の場合、C=(M−40)×60+S;
50≦Mの場合は、C=(M−50)×60+S
例えば、現在の時刻が8時5分20秒であれば、0≦M<10であるため、C=M×60+S=5×60+20=320となる。
演算処理装置57は、第2の実施の形態ではステップS202(図11参照)でセッション経過時間ΔTをカウントアップしたのに対し、本実施の形態ではセッションカウンタCをカウントアップする(C=C+1)。ΔTと同様、毎秒処理によってCもセッション中は毎秒1ずつ加算されていく。
演算処理装置57は、第2の実施の形態ではステップS211(図11参照)でセッション経過時間ΔTが設定時間ΔT0になったか否かを判定したのに対し、本実施の形態ではステップS511でセッションカウンタCがまだ設定値C0に達していないか否かを判定する。Cの値が設定値C0未満である場合(C<C0)、演算処理装置57は、ステップS511からステップS513に手順を移して電源が入っているか否かを判定し、Cの値が設定値C0である場合(C=C0)、ステップS511からステップS512に手順を移してセッション毎の稼働データの送信処理を実行する。C0の値は適宜変更可能であるが、ここではC=600とする。この場合、C=C0の条件下では、時刻の分の値が0(0分、10分、20分、30分、40分、50分のいずれか)となる。したがって、本実施の形態では電源が入っている間、毎時0分、10分、20分、30分、40分、50分と定時かつ10分間隔でセッション単位の稼働データがサーバ60に送信される。なお、例えばRTC52の精度によりセッションの区切りが正確な時刻とずれる場合はあるが、その程度の誤差は作業判定やレポートの結果に影響しないので許容される。
図28は本発明の第5の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位の作業判定及び稼働データの送信手順を表すフローチャートである。同図の手順は第4の実施の形態の図21の手順に対応する手順であり、車載マイコン50の演算処理装置57により実行される手順である。図28のステップS512a−S512fの手順は、ステップS511(図27参照)でC=C0となる度に実行されるものであるが、手順の内容は第4の実施の形態のステップS412a−S412f(図21参照)と同様である。異なる点は、ステップS512fでセッション経過時間ΔTに代えてセッションカウンタCをリセットしている点である(C=0)。図28の手順によりセッション毎に稼働データがサーバ60に送信される。
図29は本発明の第5の実施の形態に係る作業判定システムによる電源入り時間単位の稼働データ送信手順を表すフローチャートである。同図の手順は第4の実施の形態の図22の手順に対応する手順であり、車載マイコン50の演算処理装置57により実行される手順である。図29のステップS514−S520の手順は、電源が切られた場合にステップS513(図27参照)から移行して実行されるものであるが、手順の内容は第4の実施の形態のステップS418−S424(図22参照)と同様である。図29の手順により電源入り時間T0を通した総括的な稼働データがサーバ60に送信される。
図30は本発明の第5の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位のデータ処理手順を表すフローチャートである。同図の手順は第4の実施の形態の図23の手順に対応する手順であり、サーバ60の演算処理装置63により実行される手順である。図30のステップS551−S553の手順は、車載マイコン50からのセッション毎の稼働データを受け取る度に実行されるものであるが、手順の内容は第4の実施の形態のステップS451−S453(図23参照)と同様である。図30の手順によりセッション毎の作業レポートが逐次作成される。
図31は本発明の第5の実施の形態に係る作業判定システムによる電源入り時間単位のデータ処理手順を表すフローチャートである。同図の手順は第4の実施の形態の図24の手順に対応する手順であり、サーバ60の演算処理装置63により実行される手順である。図31のステップS561,S562の手順は、車載マイコン50からの電源入り時間T0を通した総括的な稼働データを受け取った場合に実行されるものであるが、手順の内容は第4の実施の形態のステップS461,S462(図24参照)と同様である。図31の手順により電源入り時間T0を通した総括的な作業レポートが作成される。
本実施の形態においても、無操作時間Ti、走行単独操作時間Tt’、作業単独操作時間Tf’を基に作業内容を判定しているので、前述した各実施の形態と同様の効果が得られる。
本実施の形態は第5の実施の形態と同趣旨の実施の形態であるが、セッションの切り換え、すなわち時刻の判定方式が第5の実施の形態と異なる。
図35は本発明の第6の実施の形態に係る作業判定システムによる稼働データ取得手順を表すフローチャートである。同図の手順は第5の実施の形態の図27の手順に対応する手順であり、車載マイコン50の演算処理装置57により実行される手順である。
第5の実施の形態ではセッションカウンタCを利用したが、本実施の形態では時間帯フラグCTを用いる。ステップS601ではセッションカウンタCの初期値を設定する代わりに、電源が入った時刻を基に時間帯フラグCTを設定する。時間帯フラグCTは例えば次のような条件で設定する。
10≦M<20の場合、CT=1;
20≦M<30の場合、CT=2;
30≦M<40の場合、CT=3;
40≦M<50の場合、CT=4;
50≦M<60の場合、CT=5
例えば現在時刻が8時5分20秒なら、0≦M<10であるためCT=0といった要領である。
ステップS611では、時間帯がまだ変わっていないか否かを判定する。判定条件は時間帯フラグCTによって異なり、例えば次の通りである。
CT=1の場合、M<20か否か;
CT=2の場合、M<30か否か;
CT=3の場合、M<40か否か;
CT=4の場合、M<50か否か;
CT=5の場合、M<60か否か
先の例(CT=0)では時刻8時9分59秒まではステップS611の判定が満たされているので、演算処理装置57は、ステップS611からステップS613に手順を移してセッションにおける操作信号の判定処理(毎秒処理)を継続する。一方、8時10分00秒になって時間帯が8時0分台から8時10分台に変わったら、ステップS611で判定が満たされなくなり、演算処理装置57はステップS611からステップS612に手順を移す。
図36は本発明の第6の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位の作業判定及び稼働データの送信手順を表すフローチャートである。同図の手順は第5の実施の形態の図28の手順に対応する手順であり、車載マイコン50の演算処理装置57により実行される手順である。
ステップS612gは、要するに次のセッションの時間帯フラグCTを設定する手順である。時間帯が変わって図36の手順に移行してきているので、図35の手順に戻って次のセッションで操作信号を判定処理する場合には時間帯フラグCTの値を更新する必要がある。更新は次のようにローテーションするだけである。
CT=1の場合、CT=2;
CT=2の場合、CT=3;
CT=3の場合、CT=4;
CT=4の場合、CT=5;
CT=5の場合、CT=0
先の例(CT=0)では、CT=0のセッションが終了したので、演算処理装置57はCT=1として図35の手順に戻る。これによって操作信号の判定処理が10分繰り返され、8時20分(M=20)になったら再び図36の手順が実行されて次のセッション分の稼働データがサーバ60に送信される。
本実施の形態が他の実施の形態と相違する点は、掘削操作時間TDと積込操作時間TLの決め方にある。前述した各実施の形態では評価係数Rを算出してその値に応じて掘削及び積込を判定する例を説明したが、本実施の形態では作業単独操作時間Tf’をそのまま掘削操作時間TDとし(TD=Tf’)、操作時間T2(原動機稼働時間T1−無操作時間Ti)から走行単独操作時間Tt’及び掘削操作時間TDを除いた時間を積込操作時間TLとする(TL=T2−Tt’−TD=T1−Ti−Tt’−TD)。
図42は本発明の第8の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位の作業判定及び稼働データの送信手順を表すフローチャートである。同図の手順は第7の実施の形態の図37の手順に対応する手順である。
以上の各実施の形態において、電源入り時間T0を通した稼働データは、電源が切れる度に車載マイコン50から送信される態様としたが、サーバ60からの要求に応じて車載マイコン50からサーバ60に送信される構成とすることもできる。また、RTC52と電源装置53の機能によって特定の時刻(例えば午前0時)に自動的に車載マイコン50の電源が入ってサーバ60に送信される構成とすることもできる。後者の場合、特定時刻に稼働データを受信して一日単位のレポートを作成したい場合に有用である。
11 走行装置
26L,26R,27L,27R 操作装置
30 作業装置
55 GPS(位置情報取得装置)
57,63 演算処理装置
57b 原動機稼働時間演算装置
57c 操作信号判定装置
57d 無操作時間演算装置
57e 走行単独操作時間演算装置
57f 作業単独操作時間演算装置
57i,63c 作業判定装置
57k,63e レポート作成装置
66 情報提供装置
E 原動機
R 評価係数
Sf 作業操作信号
Ss 旋回操作信号
St 走行操作信号
T1 原動機稼働時間
T2 操作時間
Tf’ 作業単独操作時間
Ti 無操作時間
Tt’ 走行単独操作時間
TD 掘削操作時間
TL 積込操作時間
Tn 設定時間(一定時間)
ΔT0 設定時間
Claims (10)
- 原動機、走行装置、作業装置、並びにこれら走行装置及び作業装置の動作を指示する操作装置を有する建設機械の作業判定システムであって、
前記操作装置から入力された操作信号を判定する操作信号判定装置と、
前記操作装置から操作信号が入力されなかった無操作時間を演算する無操作時間演算装置と、
前記走行装置に対する操作信号のみが入力された走行単独操作時間を演算する走行単独操作時間演算装置と、
前記作業装置に対する操作信号のみが入力された作業単独操作時間を演算する作業単独操作時間演算装置と、
前記無操作時間、前記走行単独操作時間、前記作業単独操作時間を基に前記建設機械の作業内容を判定する作業判定装置と
を備えたことを特徴とする作業判定システム。 - 請求項1の作業判定システムにおいて、前記作業内容の判定結果を含む稼働データを提供する情報提供装置を備えたことを特徴とする作業判定システム。
- 請求項2の作業判定システムにおいて、
前記原動機の稼働時間を演算する原動機稼働時間演算装置を備え、
前記作業判定装置は、前記原動機の稼働時間から前記無操作時間を除いた操作時間、前記走行単独操作時間、及び前記作業単独操作時間を基に、前記操作時間における作業内容を更に判定することを特徴とする作業判定システム。 - 請求項3の作業判定システムにおいて、前記作業判定装置は、前記操作時間と前記作業単独操作時間とを基に評価係数を演算し、この評価係数に応じて作業内容を判定することを特徴とする作業判定システム。
- 請求項3の作業判定システムにおいて、前記作業判定装置は、作業単独操作時間を掘削操作時間と判定し、前記走行単独操作時間と前記掘削操作時間とを前記操作時間から除いた時間を積込操作時間と判定することを特徴とする作業判定システム。
- 請求項1−5のいずれかの作業判定システムにおいて、電源の遮断、設定時間、又は一定時間以上の走行操作信号の入力をセッションの区切りとし、前記作業判定装置に前記セッション毎の作業内容を判定させる演算処理装置を備えたことを特徴とする作業判定システム。
- 請求項6の作業判定システムにおいて、
前記建設機械の位置情報を取得する位置情報取得装置と、
作業判定結果に位置情報を付加して前記情報提供装置に出力するレポート作成装置と
を備えたことを特徴とする作業判定システム。 - 前記原動機、前記走行装置、前記作業装置、前記操作装置、及び請求項1の作業判定システムを備えたことを特徴とする建設機械。
- 原動機、走行装置、作業装置、並びにこれら走行装置及び作業装置の動作を指示する操作装置を有する建設機械の作業判定方法であって、
前記操作装置から操作信号が入力されなかった無操作時間、前記走行装置に対する操作信号のみが入力された走行単独操作時間、及び前記作業装置に対する操作信号のみが入力された作業単独操作時間を基に、前記建設機械の作業内容を判定することを特徴とする作業判定方法。 - 請求項1の作業判定方法において、前記原動機の稼働時間から前記無操作時間を除いた操作時間、前記走行単独操作時間、及び前記作業単独操作時間を基に、前記操作時間における作業内容を更に判定することを特徴とする作業判定方法。
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