JP5940488B2 - 建設機械の作業判定システム、建設機械及び作業判定方法 - Google Patents

建設機械の作業判定システム、建設機械及び作業判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、建設機械の作業内容を判定する作業判定システム、これを備えた建設機械及び作業判定方法に関する。
建設機械の分野では、作業装置や走行装置、旋回装置等の各装置の動作を指示する操作信号を基に、作業時間、走行時間、旋回時間等の稼働データを取得するものがある(特許文献1等参照)。
特許第3836726号公報
しかし、建設機械の動作には、単一のアクチュエータのみによるものの他、複数のアクチュエータを同時に動かす複合動作が含まれる。油圧ショベルを例に挙げると、フロント作業装置を上げ動作させつつ旋回体を駆動してトラックの荷台等へ土砂を積み込む作業(積込作業)が一例である。駆動する装置が同じだから作業内容が同じであるとも限らない。例えば走行装置を駆動する場合には、現場内で目的の作業場所に移動する場合の他、継続的な掘削作業の過程で掘削位置を徐々にずらしていく場合等も含まれる。
したがって、各装置の操作時間を単純に積算していくと、それら積算値は合計すると建設機械の稼働時間を上回ってしまう。そのため、装置別の各操作時間の積算値を見たところで建設機械が主にどのような作業に用いられたのかを判別することは難しい。
本発明の目的は、建設機械の作業内容の把握を容易化することができる作業判定システム、建設機械及び作業判定方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、原動機、走行装置、作業装置、並びにこれら走行装置及び作業装置の動作を指示する操作装置を有する建設機械の作業判定システムであって、前記操作装置から入力された操作信号を判定する操作信号判定装置と、前記操作装置から操作信号が入力されなかった無操作時間を演算する無操作時間演算装置と、前記走行装置に対する操作信号のみが入力された走行単独操作時間を演算する走行単独操作時間演算装置と、前記作業装置に対する操作信号のみが入力された作業単独操作時間を演算する作業単独操作時間演算装置と、前記無操作時間、前記走行単独操作時間、前記作業単独操作時間を基に前記建設機械の作業内容を判定する作業判定装置とを備えたことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記作業内容の判定結果を含む稼働データを提供する情報提供装置を備えたことを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明において、前記原動機の稼働時間を演算する原動機稼働時間演算装置を備え、前記作業判定装置は、前記原動機の稼働時間のうちの前記無操作時間を除いた操作時間、前記走行単独操作時間、及び前記作業単独操作時間を基に、前記操作時間における作業内容を更に判定することを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明において、前記作業判定装置は、前記操作時間と前記作業単独操作時間とを基に評価係数を演算し、この評価係数に応じて作業内容を判定することを特徴とする。
第5の発明は、第3の発明において、前記建設機械は油圧ショベルであり、前記作業判定装置は、作業単独操作時間を掘削操作時間と判定し、前記走行単独操作時間と前記掘削操作時間とを前記操作時間から除いた時間を積込操作時間と判定することを特徴とする。
第6の発明は、第−第5のいずれか1つの発明において、電源の遮断、設定時間、又は一定時間以上の走行操作信号の入力をセッションの区切りとし、前記作業判定装置に前記セッション毎の作業内容を判定させる演算処理装置を備えたことを特徴とする。
第7の発明は、第6の発明において、前記建設機械の位置情報を取得する位置情報取得装置と、作業判定結果に位置情報を付加して前記情報提供装置に出力するレポート作成装置とを備えたことを特徴とする。
第8の発明は、前記原動機、前記走行装置、前記作業装置、前記操作装置、及び第1の発明に係る作業判定システムを備えたことを特徴とする建設機械。
第9の発明は、原動機、走行装置、作業装置、並びにこれら走行装置及び作業装置の動作を指示する操作装置を有する建設機械の作業判定方法であって、前記操作装置から操作信号が入力されなかった無操作時間、前記走行装置に対する操作信号のみが入力された走行単独操作時間、及び前記作業装置に対する操作信号のみが入力された作業単独操作時間を基に、前記建設機械の作業内容を判定することを特徴とする。
第10の発明は、第の発明において、前記原動機の稼働時間のうちの前記無操作時間を除いた操作時間、前記走行単独操作時間、及び前記作業単独操作時間を基に、前記操作時間における作業内容を更に判定することを特徴とする。
本発明によれば、建設機械の妥当性のある作業内容の判定をすることができ、作業内容を容易に把握することができる。
本発明に係る作業判定システムを適用する建設機械の側面図である。 図1に示した建設機械の運転室内の運転席周りを上から見た模式図である。 図1に示した建設機械の油圧アクチュエータを駆動する油圧システムを模式的に表した油圧回路図である。 図1に示した建設機械の操作装置からの操作信号を検出する操作信号検出システムの模式的な回路図である。 本発明の第1の実施の形態に係る作業判定システムの機能ブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る作業判定システムによる稼働データ取得手順を表すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る作業判定システムによる稼働データ送信手順を表すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る作業判定システムによる作業内容判定手順を表すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る作業判定システムによるレポートの出力の一例を表した図である。 本発明の第1の実施の形態に係る作業判定システムによるレポートの出力の他の例を表した図である。 本発明の第2の実施の形態に係る作業判定システムによる稼働データ取得手順を表すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位の作業判定及び稼働データの送信手順を表すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る作業判定システムによる電源入り時間単位の稼働データ送信手順を表すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位のデータ処理手順を表すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る作業判定システムによる電源入り時間単位のデータ処理手順を表すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る作業判定システムによるレポートの出力の一例を表した図である。 本発明の第3の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位のデータ処理手順を表すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係る作業判定システムによるレポートの出力の一例を表した図である。 稼働現場の区画を表した図である。 本発明の第4の実施の形態に係る作業判定システムによる稼働データ取得手順を表すフローチャートである。 本発明の第4の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位の作業判定及び稼働データの送信手順を表すフローチャートである。 本発明の第4の実施の形態に係る作業判定システムによる電源入り時間単位の稼働データ送信手順を表すフローチャートである。 本発明の第4の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位のデータ処理手順を表すフローチャートである。 本発明の第4の実施の形態に係る作業判定システムによる電源入り時間単位のデータ処理手順を表すフローチャートである。 本発明の第4の実施の形態に係る作業判定システムによるレポートの出力の一例を表した図である。 本発明の第4の実施の形態に係る作業判定システムによるレポートの出力の他の例を表した図である。 本発明の第5の実施の形態に係る作業判定システムによる稼働データ取得手順を表すフローチャートである。 本発明の第5の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位の作業判定及び稼働データの送信手順を表すフローチャートである。 本発明の第5の実施の形態に係る作業判定システムによる電源入り時間単位の稼働データ送信手順を表すフローチャートである。 本発明の第5の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位のデータ処理手順を表すフローチャートである。 本発明の第5の実施の形態に係る作業判定システムによる電源入り時間単位のデータ処理手順を表すフローチャートである。 本発明の第5の実施の形態に係る作業判定システムによるレポートの出力の一例を表した図である。 本発明の第5の実施の形態に係る作業判定システムによるレポートの出力の他の例を表した図である。 本発明の第5の実施の形態に係る作業判定システムによるレポートの出力の更に他の例を表した図である。 本発明の第6の実施の形態に係る作業判定システムによる稼働データ取得手順を表すフローチャートである。 本発明の第6の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位の作業判定及び稼働データの送信手順を表すフローチャートである。 本発明の第7の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位の作業判定及び稼働データの送信手順を表すフローチャートである。 本発明の第7の実施の形態に係る作業判定システムによる電源入り時間単位の作業判定及び稼働データの送信手順を表すフローチャートである。 本発明の第7の実施の形態に係る作業判定システムによるレポートの出力の一例を表した図である。 本発明の第7の実施の形態に係る作業判定システムによるレポートの出力の他の例を表した図である。 本発明の第7の実施の形態に係る作業判定システムによるレポートの出力の更に他の例を表した図である。 本発明の第8の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位の作業判定及び稼働データの送信手順を表すフローチャートである。 比較例に係る作業判定手順を表すフローチャートである。 比較例に係る作業判定手順を表すフローチャートである。 比較例に係る作業判定手順を表すフローチャートである。 比較例のレポート結果を表す図である。
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
1.建設機械
図1は本発明に係る作業判定システムを適用する建設機械の側面図である。
図1では建設機械として油圧ショベルを例示している。同図に示した油圧ショベル1は、走行体10、走行体10上に旋回可能に設けた旋回体20、及び旋回体20に俯仰動可能に設けた作業装置(フロント作業機)30を備えている。
走行体10は、左右一対の走行装置(クローラ)11及び走行装置フレーム12、左右の走行装置11をそれぞれ駆動する走行用油圧モータ13、並びに走行用油圧モータ13の減速機等を備えている。走行装置11及び走行装置フレーム12についてはそれぞれ左側のもののみ同図に示す。
旋回体20は、旋回フレーム21、運転室22、動力室23、カウンタウェイト24を有している。旋回フレーム21は、走行装置フレーム12上に旋回輪を介して搭載されていて、旋回用油圧モータ(不図示)を駆動することで鉛直軸20aを中心にして旋回し、これによって旋回体20が旋回する。運転室22は旋回体20の前部、カウンタウェイト24は後端部、動力室23は旋回体20とカウンタウェイト24の間に位置するように、それぞれ旋回フレーム21に搭載されている。
作業装置30は、ブーム31、アーム32、バケット33を備えた多関節構造の掘削作業機である。ブーム31は旋回体20の旋回フレーム21に上下方向(上方向31a及び下方向31b)に俯仰動可能にピン等で連結されている。アーム32はブーム31の先端部に前後方向(クラウド方向32a及びダンプ方向32b)に回動可能にピン等で連結されている。バケット33はアーム32の先端部に前後方向(クラウド方向33a及びダンプ方向33b)回動可能にピン等で連結されている。そして、ブーム31、アーム32及びバケット33は、ブームシリンダ34、アームシリンダ35及びバケットシリンダ36でそれぞれ駆動される。ブームシリンダ34、アームシリンダ35及びバケットシリンダ36は油圧シリンダである。
作業装置30の基本動作を簡単に説明する。例えばブームシリンダ34を後述する油圧制御システムによって伸ばすとブーム31が上方向31aに回動し、作業装置30全体が上がる。このことから一般的にブーム31の動作方向は上下で表され、上方向31aへの動作はブーム上げ動作、下方向31bへの動作はブーム下げ動作と称される。アーム32及びバケット33は、それぞれアームシリンダ35及びバケットシリンダ36を伸ばすとクラウド方向32a,33aに回動し、運転室22の前方にある土砂(一般的には運転室22よりも低位置の地山の土砂)を掻き込む方向に動作する。反対にアームシリンダ35及びバケットシリンダ36を縮めるとアーム32及びバケット33はダンプ方向32b,33bに回動する。掘削作業時にはこれらの動作をブーム上げ動作及びブーム下げ動作と組み合わせて指示することが多く、バケット33に土砂を掻き込んだ後、ブーム31を上げてアーム32及びバケット33をダンプさせてダンプトラックのベッセル等(不図示)に放土する。
次に、作業装置30を用いた油圧ショベル1の典型的な一作業例として、油圧ショベル1の下方の地山を掘削して土砂をトラックのベッセル等に積み込む作業について簡単に説明する。
・手順1
作業装置30を下してバケット33の先端を地山の位置Vの辺りに移動させる。この動作を「掘削位置決め動作」と記載する。
・手順2
アーム32及びバケット33をクラウド方向32a,33aに回動させてバケット33内に土砂を掻き込む。この動作を「掘削動作」と記載する。このとき、十分に掘削できなければ再度アーム32及びバケット33を動かして掘削位置を若干ずらして掘削動作をする。この動作は掘削位置決め動作と掘削動作の組み合わせである。
・手順3
バケット33に十分な土砂が入ったらブーム上げ動作と旋回動作、必要であればアームダンプ動作を同時に実行する。例えば油圧ショベル1の右側(紙面に直交する方向の奥側)に配置したダンプトラック(不図示)のベッセルに土砂を積み込む場合を例に挙げると、ベッセルの上方まで作業装置30を上げながら右旋回することになる。これは一般にフロント上げ旋回動作といって油圧ショベルではよく見られる複合動作であり、本願明細書では便宜的に「積込動作」と記載する。
・手順4
ベッセルの上方で、必要に応じてアーム32をダンプ方向32bに回動させつつバケット33をダンプ方向33bに回動させ、バケット33内の土砂をベッセルに放土する。この動作を「放土動作」と記載する。
以上の手順1−4を繰り返すことによって、掘削した土砂がトラックのベッセル等に積み込まれる。
2.操作装置
図2は運転室22内の運転席周りを上から見た模式図である。
図2に示したように、運転室22内には運転席25があり、運転者は運転席25に座って操作装置を操作することによって油圧ショベルを運転する。操作装置には、左右の操作装置26L,26R及び27L,27Rが含まれる。左右の操作装置26L,26Rは、作業装置30の動作及び旋回体20の旋回動作を指示するレバー装置である。左右の操作装置27L,27Rは、それぞれ左右の走行装置11の動作を指示するレバー装置である。同図に例示した操作装置の配置は多くの油圧ショベルで採用されている。
走行操作用の操作装置27L,27Rは運転席25の前方に位置していて、上部のノブ27aを手で前後に操作することも下部のペダル27bを足で踏んで前後に操作することもできる。この例では操作装置27L,27Rを共に前に倒せば左右の走行装置11の各走行用油圧モータ13が正転し、操作装置27L,27Rの操作量に応じた速度で油圧ショベル1が前進する。このとき、右の操作装置27Rに対して左の操作装置27Lの操作量が小さくすれば左右の走行用油圧モータ13の回転速度差によって油圧ショベル1は前進しながら進行方向を左方向に変化させる。操作装置27L,27Rを共に後(手前)に倒せば左右の走行用油圧モータ13が逆転し、操作装置27L,27Rの操作量に応じた速度で油圧ショベル1が後進する。左右の操作装置27L,27Rを異なる方向に操作すれば、左右の走行用油圧モータ13が互いに逆方向に回転し、ピボットターン等の動作出力がなされる。
操作装置26L,26Rは運転席25のそれぞれ左右に位置している。右の操作装置26Rはブーム31とバケット33の動作を指示するためのレバー装置であり、左の操作装置26Lはアーム32と旋回体20の動作を指示するためのレバー装置である。つまり、操作装置26L,26Rは、1本で2つの自由度を制御する複合レバーである。
右の操作装置26Rを前に操作するとブームシリンダ34が縮んで操作量に応じた速度でブーム31が下方向31bに動き、後(手前)に操作するとブームシリンダ34が伸びて操作量に応じた速度でブーム31が上方向31aに動く。また、操作装置26Rを右に操作するとバケットシリンダ36が縮んで操作量に応じた速度でバケット33がダンプ方向33bに回動し、左に操作するとバケットシリンダ36が伸びて操作量に応じた速度でバケット33がクラウド方向33aに回動する。ブーム31とバケット33の同時操作も可能であり、例えば操作装置26Rを右後に操作すればブーム上げ動作とバケットダンプ動作が同時に実行される。
同様に、左の操作装置26Lを左に操作するとアームシリンダ35が伸びて操作量に応じた速度でアーム32がダンプ方向32bに回動し、右に操作するとアームシリンダ35が縮んで操作量に応じた速度でアーム32がクラウド方向32aに回動する。操作装置26Lを前に操作すると旋回モータが正転して操作量に応じた速度で旋回体20が右に旋回し、後(手前)に操作すると旋回モータが逆転して操作量に応じた速度で旋回体20が左に旋回する。勿論、アーム32と旋回体20の複合動作を指示することもできる。
3.油圧システム
図3は油圧アクチュエータを駆動する油圧システムを模式的に表した油圧回路図である。同図では、例えばブームシリンダ34に関する部分を抜き出して例示してあるが、他の油圧アクチュエータに関する部分も同様の構成である。
図3に示したように、操作装置26Rにはパイロット弁26Ra,26Rbが備わっている。パイロット弁26Ra,26Rbは比例減圧弁であり、レバー操作によってプッシャ26Pcが押下されると、パイロットポンプ(油圧ポンプ)P2を発生源として押下量(レバー操作量)に対応する大きさの操作信号(パイロット圧)Pa,Pbを出力する機能を持つ。
パイロット弁26Ra,26Rbの出力は、ブーム31に対する圧油の流量及び方向を制御する方向流量制御弁28のそれぞれ入力ポート28a,28bに入力される。また、方向流量制御弁28にはPポート、Tポート、Aポート、Bポートが備わっている。Pポート、Tポート、Aポート、Bポートは、それぞれ油圧ポンプP1、タンクT、ブームシリンダ34のボトム側油室、ロッド側油室に接続されている。油圧ポンプP1,P2は原動機Eで駆動される。本実施の形態において原動機Eはエンジン(内燃機関)とする。
例えば、操作装置26Rでブーム上げ動作を指示すると、操作量に応じた操作信号Paがパイロット弁26Raから出力される。このとき、反対側の操作信号Pbはタンク圧のままであるため、方向流量制御弁28の入力ポート28aの油圧の上昇に対応して油圧ポンプP1からの作動油がPポート及びAポートを介してブームシリンダ34のボトム側油室に供給され、その結果ブームシリンダ34が伸びてブーム31が上がる。伸長動作に伴ってブームシリンダ34のロッド側油室から排出される作動油は、方向流量制御弁28のBポート及びTポートを経由してタンクTに戻る。
上記の油圧ポンプP1、パイロットポンプP2、原動機E、タンクT、方向流量制御弁28等は、旋回体20の動力室23に収容されている。他の油圧アクチュエータの油圧システムは特に説明しないが、ブームシリンダ34の油圧システムと同様である。
4.操作信号検出システム
油圧ショベル1を動作させたか否かは、操作装置26L,26R,27L,27Rからの操作信号を検出することで判定することができる。
図4は操作装置26L,26R,27L,27Rからの操作信号を検出する操作信号検出システムの模式的な回路図である。同図では、操作装置26L,26R,27L,27Rから出力された操作信号を、作業装置30の動作を指示する作業操作信号Sf、走行装置11の動作を指示する走行操作信号St、旋回体20の動作を指示する旋回操作信号Ssの3種に代表させて検出する場合を例示している。
例示した操作信号検出システムには、先に説明したパイロット弁26Ra,26Rbに、パイロット弁26Rc,26Rd,26La−26Ld,27Ra,27Rb,27La,27Lbを加えた12個のパイロット弁が備わっている。パイロット弁26Rc,26Rdは、パイロット弁26Ra,26Rbと同様に右の操作装置26Rに備えられていて、操作装置26Rの操作によってバケットダンプ、バケットクラウドを指示する操作信号をそれぞれ出力するものである。パイロット弁26La,26Lb,26Lc,26Ldは、左の操作装置26Lに備えられていて、操作装置26Lの操作によってアームダンプ、アームクラウド、旋回右、旋回左を指示する操作信号をそれぞれ出力するものである。パイロット弁27Ra,27Rbは、右走行用の操作装置27Rに備えられていて、操作装置27Rの操作によって右走行装置13の前進、後進を指示する操作信号をそれぞれ出力するものである。パイロット弁27La,27Lbは、左走行用の操作装置27Lに備えられていて、操作装置27Lの操作によって左走行装置13の前進、後進を指示する操作信号をそれぞれ出力するものである。
ブーム動作に関するパイロット弁26Ra,26Rbから対応する方向流量調整弁28に接続するパイロットライン(図3参照)は、それぞれ分岐してシャトル弁41に接続している。同じように、バケット動作に関するパイロット弁26Rc,26Rdから対応する方向流量調整弁(不図示)に接続するパイロットラインは、それぞれ分岐してシャトル弁42に接続している。アーム動作に関するパイロット弁26La,26Lbのパイロットラインはそれぞれ分岐してシャトル弁43に接続している。更に、シャトル弁41,42の出力線はシャトル弁44に、シャトル弁43,44の出力線はシャトル弁45に、シャトル弁45の出力線は作業操作信号検出器40fに接続している。この回路では、作業装置30の動作を指示する少なくとも1種の操作信号が操作装置26L,26Rから出力された場合、最大の信号が選択されて作業操作信号検出器40fに入力される。要するに、操作装置26L,26Rから出力された操作信号がブーム31、アーム32、バケット33のいずれのどちら向きの動作を指示した信号であったかに関係なく、一律に作業操作信号Sfとして作業操作信号検出器40fで検出される。
同じ要領で、旋回動作に関するパイロット弁26Lc,26Ldのパイロットラインはそれぞれ分岐してシャトル弁46に接続している。シャトル弁46の出力線は旋回操作信号検出器40sに接続している。この回路では、旋回動作を指示する操作信号が操作装置26Lから出力された場合、左右どちら向きの旋回動作を指示した信号であったかに関係なく、一律に旋回操作信号Ssとして旋回操作信号検出器40sで検出される。
同様に、右走行動作に関するパイロット弁27Ra,27Rbのパイロットラインはそれぞれ分岐してシャトル弁47に接続している。左走行動作に関するパイロット弁27La,27Lbのパイロットラインはそれぞれ分岐してシャトル弁48に接続している。そして、シャトル弁47,48の出力線はシャトル弁49に、シャトル弁49の出力線は走行操作信号検出器40tに接続している。この回路では、走行動作を指示する操作信号が操作装置27L,27Rから出力された場合、左右どちらの走行装置13のどちら向きの動作を指示した信号であったかに関係なく、一律に走行操作信号Stとして走行操作信号検出器40tで検出される。
操作信号検出器40f,40s,40tは圧力スイッチである。圧力スイッチは油圧を入力としてON/OFFの電圧信号を発生させるもので、この例の場合にはパイロット圧力の大きさが、前述した方向流量制御弁を作動させて油圧アクチュエータ(ブームシリンダ34等)が作動し始める値(又はそれよりも若干少し低く設定した値)に達した場合に設定電圧(例えば5V程度)のON信号を出力し、当該値に至らない場合に設定電圧(0Vに近い値)のOFF信号を出力するように設定されている。
従って、作業装置30の何らかの動作が指示された場合には作業操作信号SfはONとなり、作業装置30の動作が何ら指示されない場合には作業操作信号SfがOFFとなる。同様に、旋回操作信号Ssは、旋回動作が指示されればONとなり、指示されなければOFFとなる。走行操作信号Stも、走行動作が指示されればONとなり、指示されなければOFFとなる。
5.作業判定システム
作業判定システムは、建設機械(ここでは油圧ショベル1)の稼働情報を独自方式で取得し、取得した情報を基に作業内容を判定して、運転者、管理者、サービスマン、その他建設機械の利用、管理、提供、製造、修理等に関連する者(以下「運転者等」という)に判定結果を含む稼働データ(以下、適宜「レポート」という)を適宜の形式で提供するものである。以下、稼働データ取得の手順(図6及び図7で後述)を油圧ショベル1に搭載した車載マイコンで、作業内容判定手順(図8で後述)をサーバで実行し、レポートの提供を情報提供装置(モニタ、プリンタ、スピーカ等の各種出力装置)で実行する場合の構成を例示する。
図5は本発明の第1の実施の形態に係る作業判定システムの機能ブロック図である。
同図に示した作業判定システムの機能は、上記の通り車載マイコン50、サーバ60及び情報提供装置70に分担されている。
(5−1)車載マイコン50
車載マイコン50は、入力インタフェイス51、RTC52、電源装置53、記憶装置54、GPS55、通信装置56、演算処理装置57、及び出力インタフェイス58を備えている。次に各装置の機能について簡単に説明する。
・入力インタフェイス51
入力インタフェイス51は、電源信号Sp、作業操作信号Sf、旋回操作信号Ss、走行操作信号St、原動機稼働信号Seを含む油圧ショベル1の稼働信号を入力しデジタル信号化するものである。つまり、この入力インタフェイス51を介することで、各信号はONであれば「1」、そうでなければ「0」の値に変換される。信号Sf,Ss,Stは、それぞれ作業操作信号検出器40f、旋回操作信号検出器40s、走行操作信号検出器40tからの入力信号である。原動機稼働信号Seを出力する原動機稼働検出器40eは、油圧ショベル1の原動機E(図3参照)がディーゼルエンジンである場合にはフライホイール等の回転部分の歯車に取り付けた電磁ピックアップを用いることができる。また、多くの油圧ショベルのエンジン制御で採用されている電子ガバナのコントローラからの電圧又はCAN等の通信回路からのエンジン回転数のデータを受信して原動機稼働信号Seとすることもできる。車載マイコン50に電源信号Spを出力する電源供給切換器40pにはキースイッチを用いることができる。キースイッチは閉状態のときに車載マイコン50に電源を供給するスイッチであり、開状態になると車載マイコン50への電源供給が遮断されて電源信号SpがOFFになる。
・RTC52
RTC(リアルタイムクロック)52は車載マイコン50の時計であり、RTC52が刻む時刻(日付を含む)を基に車載マイコン50のデータ処理に使用する時刻、例えば“電源が入った時刻は2012年6月22日5:00:40”という記録が残る。電源が供給されない間もRTC52の時計機能は継続する。
・電源装置53
電源装置53には、電源供給切換器40pによって電源供給が遮断された場合に、演算処理装置57によるプログラム処理により所定の条件が満たされてから車載マイコン50の各構成要素への電源供給を停止し、次に電源供給切換器40pによって電源供給がされるまで待機する機能がある。この機能によって、例えば作業の終了又は中断の際に電源供給切換器40pで電源が切られても演算処理装置57や通信装置56等への電源供給が確保され、各処理部の所定の処理が遂行される。
・記憶装置54
記憶装置54には、演算処理装置57が実行するプログラム、車載マイコン50に入力された各データ、演算処理装置57の演算データ、各データの時刻等を格納する記憶領域が含まれている。
・GPS55
GPS55はGPS衛星Lからの油圧ショベル1の現在の位置データを受信し取得するものである。本実施の形態は位置情報を活用する例ではないので、GPS55は省略することもできる。
・通信装置56
通信装置56は、離れた場所(例えば事務所)にあるサーバ60等との間でデータを授受するための装置であり、記憶装置54に一時記憶されたデータは通信装置56を介してサーバ60に送信される。通信装置56には、携帯電話や衛星通信機器、無線装置等を用いることができる。
・出力インタフェイス58
出力インタフェイス58は、通信装置56の他、外部の端末X(パーソナルコンピュータや携帯端末等)との間でデータを授受するためのもので、記憶装置54に格納されたデータや入力インタフェイス51への入力データやGPS55で受信した位置情報の現在のデータ等を有線通信又は無線通信(赤外線通信等)により端末Xに出力する機能を持つ。通信装置56が使えない地域では、この出力インタフェイス58を介して車載マイコン50を端末Xに接続することで、車載マイコン50からデータをダウンロードすることができる。この端末Xを有線通信、無線通信、又はインターネットによってサーバ60と接続することで、端末Xを介して車載マイコン50とサーバ60との間でデータを授受することができる。
・演算処理装置57
演算処理装置57は、電源供給の開始をトリガとして記憶装置54内のプログラムに従って稼働データ取得の手順(後の図6参照)を実行し、電源供給の終了をトリガとして稼働データ送信の手順(後の図7参照)を実行し処理を終了するものである。一連の手順を実行するために、演算処理装置57には、電源入り時間演算装置57a、原動機稼働時間演算装置57b、操作信号判定装置57c、無操作時間演算装置57d、走行単独操作時間演算装置57e、作業単独操作時間演算装置57fの各処理部が含まれている。
電源入り時間演算装置57aは、電源が入ってから切れるまでの時間、すなわち電源信号SpがONになってからOFFになるまでの時間(以下「電源入り時間T0」という)を演算する機能を果たす。
原動機稼働時間演算装置57bは、原動機Eの稼働時間(以下「原動機稼働時間T1」という)を演算する機能を果たす。
操作信号判定装置57cは、操作装置26L,26R,27L,27Rから入力された操作信号、厳密には作業操作信号検出器40f、旋回操作信号検出器40s、及び走行操作信号検出器40tからの信号を基に操作バターンを判定する機能を果たす。具体的には、操作装置26L,26R,27L,27Rが操作されたか否か、操作された場合には、走行装置11の動作のみを指示する操作であったか、作業装置30のみの動作を指示する操作であったか、それ以外の動作を指示する操作であったかを判定する。
無操作時間演算装置57dは、操作装置26L,26R,27L,27Rから操作信号が入力されなかった時間(以下「無操作時間Ti」という)を演算する機能を果たす。
走行単独操作時間演算装置57eは、走行装置11に対する操作信号のみが入力された時間(以下「走行単独操作時間Tt’」という)を演算する機能を果たす。
作業単独操作時間演算装置57fは、作業装置30に対する操作信号のみが入力された時間(以下「作業単独操作時間Tf’」という)を演算する機能を果たす。
(5−2)サーバ60
サーバ60は、油圧ショベル1から離れた場所に設置されていて、入出力インタフェイス61、記憶装置62、及び演算処理装置63を備えている。各装置の機能について簡単に説明する。
・入力インタフェイス61
入力インタフェイス61は、通信装置65や情報提供装置66、端末X等との間で有線通信、無線通信、又はインターネット等によってデータを授受するための装置である。通信装置65は、通信装置56と同等の装置であり、通信装置56との間で無線通信によってデータを授受するものである。情報提供装置66は、運転者等に作業内容のレポートを提供する装置であり、表示装置、プリンタ、スピーカ等を含み、出力態様については特に限定されない。
・記憶装置62
記憶装置62には、演算処理装置63が実行するプログラム、サーバ60に入力された各データ、演算処理装置63の演算データ等を格納する記憶領域が含まれている。
・演算処理装置63
演算処理装置63は、車載マイコン50で取得された情報を記憶装置62内のプログラムに従って処理し、油圧ショベル1の行った作業内容を判定する機能を果たす(後述する図8参照)。一連の手順を実行するために、演算処理装置63には、操作時間演算装置63a、作業時間演算装置63b、作業判定装置63c、及びレポート作成装置63eの各処理部が含まれている。
操作時間演算装置63aは、原動機稼働時間T1から無操作時間Tiを差し引いて、操作装置26L,26R,27L,27Rのいずれか1つでも操作された時間(以下「操作時間T2」という)を演算する機能を果たす。
作業時間演算装置63bは、操作時間T2と走行単独操作時間Ttを基に単独又は旋回体20とともに作業装置30を動作させた時間(以下「作業時間To」という)を演算する機能を果たす。
作業判定装置63cは、無操作時間Ti、走行単独操作時間Tt’、作業単独操作時間Tf’を基に油圧ショベル1の作業内容を判定する機能を果たす。
レポート作成装置63eは、作業内容のレポート(判定結果を含む稼働データ)を情報提供装置66に出力したり、作業判定結果に位置情報を付加して情報提供装置66に出力して作業履歴を地図に重ねて表示させたりする機能を果たす。
なお、油圧ショベル1の作業内容の判定処理を車載マイコン50側で実行する場合には、図5に点線で示したように、サーバ60の演算処理装置63の各要素を車載マイコン50側の演算処理装置57に含めても良い。反対に、特に図示していないが、油圧ショベル1の稼働データの取得の手順からサーバ60側で実行する場合には、車載マイコン50の演算処理装置57の各要素をサーバ60側の演算処理装置63に含め、入力インタフェイス51に入力された稼働データが時刻情報とともに通信装置56又は出力インタフェイス58を介して逐次又は所定条件下(一定時間間隔、所定時刻、電源OFF時等)でサーバ60に送信される構成とすることも考えられる。
6.作業判定処理
次に作業判定システムによる油圧ショベル1の作業判定処理について説明する。作業判定処理は、稼働データ取得の手順、及び取得した稼働データに基づく作業内容判定の手順に大別される。ただ、本実施の形態の場合、前者を車載マイコン50で実行し、後者をサーバ60で実行する例であるため、車載マイコン50によるサーバ60への稼働データ送信の手順が間に入る。
以下、稼働データ取得手順、稼働データ送信手順、作業内容判定手順を順に説明していく。
(1)稼働データ取得手順
図6は本発明の第1の実施の形態に係る作業判定システムによる稼働データ取得手順を表すフローチャートである。同図の手順は車載マイコン50の演算処理装置57により実行される手順である。また、この手順は、電源供給切換装置40pにより電源信号SpがOFFにされるまでの間、ステップS102−ステップS110の手順を設定周期(この例では1秒周期)でサンプリングして無操作時間Ti、走行単独操作時間Tt’、作業単独操作時間Tf’を計時する手順である。本願明細書では、稼働データ取得手順を開始してから稼働データ送信手順に移行するまでの1期間を便宜的に「セッション」と呼ぶ。本実施の形態は、車載マイコン50の電源が入ってから切れるまでの間(電源入り時間T0)を1つのセッションとする例である。
・スタート
前述したように電源供給切換装置40pが閉状態になって入力インタフェイス51に入力される電源信号SpがONになると、車載マイコン50は、記憶装置54のプログラムに従って演算処理装置57により図6の手順を開始する。
・ステップS101
同図の手順を開始すると、演算処理装置57は、まずRTC52及びGPS55から現在の時刻及び位置情報を取得して作業開始時の時刻と場所のデータとして記憶装置54に保存する。また、演算処理装置57は、各時間T0,T1,Ti,Tf’,Ts’,Tt’を全てリセットして0(ゼロ)にする。
・ステップS102
続くステップS102において、演算処理装置57は、電源入り時間演算装置57aにより電源入り時間T0に1秒(操作信号のサンプリング周期)を加算し、電源が入ってからの経過時間をカウントアップする(T0=T0+1)。
・ステップS103,S104
ステップS103に手順を移すと、演算処理装置57は、原動機稼働信号Seが1(稼働中)か0(停止中)を判定し、原動機Eが停止していると判定した場合には操作信号の判定手順をバイパスしてステップ111に手順を移す。原動機Eが停止している場合、油圧ポンプP1,P2が動いておらず操作装置26L,26R,27L,27Rから操作信号が入力され得ないからである。反対に、原動機Eが稼働していると判定した場合、演算処理装置57はステップS104に手順を移し、原動機運転時間演算装置57bによって原動機稼働時間T1を1秒カウントアップする(T1=T1+1)。原動機稼働時間T1をカウントアップしたら、演算処理装置57は、ステップS104からステップS105に手順を移す。
・ステップS105,S106
ステップS105では、演算処理装置57は、操作装置26L,26R,27L,27Rからの操作信号Sf,Ss,Stを基に、操作判定装置57cによって無操作状態であるか否かを判定する。すなわち、操作信号Sf,Ss,Stがいずれも入力されなかったか否かを判定し、いずれの入力もなかった場合(Sf=Ss=St=0の場合)にはステップS106に手順を移し、無操作時間演算装置57dによって無操作時間Tiを1秒カウントアップする(Ti=Ti+1)。反対に、操作信号Sf,Ss,Stのいずれか1種でも入力があった場合(Sf,Ss,Stの少なくとも1つが1であった場合)には、演算処理装置57はステップS105からステップS107に手順を移す。
・ステップS107,S108
ステップS107では、演算処理装置57は、操作装置26L,26R,27L,27Rから入力された操作信号が走行操作信号Stのみか否かを操作判定装置57cによって判定する。入力された操作信号が走行操作信号Stのみであった場合(St=1,Sf=Ss=0の場合)にはステップS108に手順を移し、走行単独操作時間演算装置57eによって走行単独操作時間Tt’を1秒カウントアップする(Tt’=Tt’+1)。それ以外の場合には、演算処理装置57はステップS107からステップS109に手順を移す。
・ステップS109,S110
ステップS109では、演算処理装置57は、操作装置26L,26R,27L,27Rから入力された操作信号が作業操作信号Sfのみか否かを操作判定装置57cによって判定する。入力された操作信号が作業操作信号Sfのみであった場合(Sf=1,St=Ss=0の場合)にはステップS110に手順を移し、作業単独操作時間演算装置57fによって作業単独操作時間Tf’を1秒カウントアップする(Tf’=Tf’+1)。それ以外の場合には、演算処理装置57はステップS109からステップS111に手順を移す。
・ステップS111
ステップS111では、演算処理装置57は、電源が切られたか否か、すなわち電源供給切換装置40pが開状態に切り換わって電源信号SpがOFFになったか否かを判定する。電源が入っていれば、演算処理装置57はステップS111からステップS102に手順を移し、電源が入っている限りステップS102−S111の毎秒処理を繰り返し実行する。電源が切れていれば、演算処理装置57は図6の稼働データ取得手順を終了し、ステップS111から図7のステップS112に手順を移して稼働データ送信手順に移行する。
(2)稼働データ送信手順
図7は本発明の第1の実施の形態に係る作業判定システムによる稼働データ送信手順を表すフローチャートである。同図の手順は、電源信号SpがOFFになった場合に、演算処理装置57により記憶装置54のプログラムに従って1サイクルだけ実行される処理であり、この手順によって1セッション分の稼働データがサーバ60に送信される。
・ステップS112
ステップS112では、演算処理装置57は、RTC52及びGPS55から現在時刻と現在位置を作業終了時のデータとして取得し記憶装置54に保存する。
・ステップS113
続くステップS113では、演算処理装置57は、送信する全データをまとめて記憶装置54に保存する。具体的には、(1)作業開始時の時刻及び位置、(2)作業終了時の時刻及び位置、(3)電源入り時間T0(本例ではセッションの時間と同義)、(4)原動機稼働時間T1、(5)無操作時間Ti、(6)走行単独操作時間Tt’、(7)作業単独操作時間Tf’の7種類のデータを記憶装置54に格納する。
・ステップS114,S115
続くステップS114では、演算処理装置57は、通信装置56を介して上記の(1)−(7)の7種類のデータをサーバ60に送信し、ステップS115で電源装置53により車載マイコン50の電源を切断して図7の手順を終了する。
(3)作業内容判定手順
図8は本発明の第1の実施の形態に係る作業判定システムによる作業内容判定手順を表すフローチャートである。同図の手順は、サーバ60において記憶装置62のプログラムに従って演算処理装置63によって逐次または一定の時間間隔で繰り返し実行される処理である。
・ステップS151
演算処理装置63は、図8の手順を開始すると、まずステップS151で車載マイコン50からの稼働データの受信があったか否かを判定する。受信がなければ、演算処理装置63は待機してステップS151の手順を繰り返す。車載マイコン50から稼働データを受信したら、演算処理装置63はステップS151からステップS152に手順を移す。
・ステップS152
ステップS152では、演算処理装置63は次のデータ処理を実行する。
まず、演算処理装置63は、操作時間演算装置63aにより、1セッション(電源入り時間T0)の間に操作装置26L,26R,27L,27Rの少なくとも1つが操作されていた時間(操作時間T2)を演算する。ここでは、操作時間T2は、原動機稼働時間T1と無操作時間Tiの差分として求められる(T2=T1−Ti)。
次に、演算処理装置63は、作業時間演算装置63bにより、操作時間T2から走行単独操作時間Tt’の差分をとって作業時間Toを求める(To=T2−Tt’)。
最後に、演算処理装置63は、作業判定装置63cにより、作業内容を判定する。この例では、作業時間To中の操作の傾向によりセッションの作業内容を総括的に判定する。具体的には、まず作業内容を表す評価係数Rとして作業時間Toに占める作業単独操作時間Tf’の割合(%)を求める(R=Tf’/To)。そして、評価係数Rの値に応じて、作業装置30の操作が主に掘削動作を指示するものであったか積込動作を指示するものであったかを判定する。具体的には、Rが設定値R0(例えば35%)より大きい場合(R>R0の場合)は作業内容を掘削作業、R0以下の場合(R≦R0の場合)は積込作業と判定する。設定値R0は、経験則から設定することができるが、油圧ショベル1の大きさや稼働現場における地山の性状等に応じて、現場ごと機械ごとに調整することができる。
・ステップS153
続くステップS153に手順を移すと、演算処理装置63はレポート作成処理を実行し、レポートを情報提供装置66に出力する。レポートの具体的な内容には、車載マイコン50から受信したデータ(1)−(7)に加えて、(8)操作時間T2、(9)作業時間To、(10)作業内容の判定結果が含まれる。作業内容の判定結果の出力態様としては、「掘削」「積込」といった作業名称を出力する態様(後の図9参照)、評価係数Rを出力する態様(後の図10参照)、又はその双方を出力する態様が考えられる。ステップS153の手順を終えたら、演算処理装置63は、図8の手順を終了する。
以上のように、演算処理装置57は、電源入り時間T0を通して無操作時間演算装置57d、走行単独操作時間演算装置57e、及び作業単独操作時間演算装置57fに時間演算を実行させる。また、演算処理装置63は、作業判定装置63cに電源入り時間T0を通しての主たる作業内容を総括的に判定させる。
7.レポート
図9は情報提供装置66による本実施の形態に係るレポートの出力の一態様を表した図である。
図9の例では、6月20日は8:00から17:00まで作業し、6月21日には8:00から13:00まで作業をした後、休憩などで一旦電源を切って再度15:00から19:30まで作業をしていることが分かる。また、6月20日に作業装置30を動かした時間(作業時間To)4.7時間は主に積込作業に費やされ、6月21日の午前の作業時間To(=2.6時間)は主に掘削作業、同日の午後の作業時間To(=3.5時間)は主に積込作業に費やされたことが一目で分かる。
図10は情報提供装置66による本実施の形態に係るレポートの出力の他の態様を表した図である。
図10の例は図9の例と同一のデータを異なる出力態様にしたものである。具体的には作業内容を名称ではなく評価係数Rで表している。評価係数Rを出力することで、評価係数Rに実際の作業内容を対比することができ、油圧ショベル1及びその稼働現場に対応した適正な設定値R0を検討することができる。
8.比較例
図43−図45は比較例に係る作業判定手順を表すフローチャートである。図43−図45は本実施の形態の図6−図8と対応する図である。
この比較例では、図43に示すように、作業操作信号Sfが入力された場合、それが走行操作信号Stや旋回操作信号Ssと同時入力されたものであるか単独で入力されたものであるかを問わず、作業操作時間Tfをカウントアップする(ステップS907,S908)。旋回操作信号Ssの処理(ステップS909,S910)、走行操作信号Stの処理(ステップS911,S912)も同様である。他のステップS901−S906,S913については、本実施の形態のステップS101−S106,S111とそれぞれ同様である。但し、比較例では走行単独操作時間Tt’、作業単独操作時間Tf’をカウントせず、代わりに走行操作時間Tt、作業操作時間Tf、旋回操作時間Tsをカウントするので、ステップS901におけるリセット項目がステップS101と異なっている。
また、稼働データ送信手順では、図44に示したように、(1)作業開始時の時刻及び位置情報、(2)作業終了時の時刻及び位置情報、(3)電源入り時間T0、(4)原動機稼働時間T1、(5)無操作時間Ti、(6)作業操作時間Tf、(7)旋回操作時間Ts、(8)走行操作時間Ttの8種類のデータを送信する(ステップS915)。ステップS914,S916,S917は本実施の形態のステップS112,S114,S115と同様である。
そして、図45に示すように、レポート作成処理(ステップS952)において、油圧ショベル1で取得された稼働データを基にサポートを作成する。レポートの項目は、(1)作業開始時刻、(2)作業終了時刻、(3)電源入り時間T0、(4)原動機稼働時間T1、(5)操作時間T2(=T1−Ti)、(6)無操作時間Ti、(7)走行操作時間Tt、(8)旋回操作時間Ts、(9)作業操作時間Tf、(10)走行操作比率Rt、(11)旋回操作比率Rs、(12)作業操作比率Rfの12項目である。走行操作比率Rt(%)は、操作時間T2に占める走行操作時間Ttの割合(Rt=Tt/T2)である。旋回操作比率Rs(%)は、操作時間T2に占める旋回操作時間Tsの割合(Rs=Ts/T2)である。作業操作比率Rf(%)は、操作時間T2に占める作業操作時間Tfの割合(Rf=Tf/T2)である。ステップS951は本実施の形態のステップS151と同様である。
図46は比較例のレポート結果を表す図である。
図46のレポートは図9及び図10と同一データを基にしたものであるが、走行操作比率Rt、旋回操作比率Rs、作業操作比率Rfを合計すると100%を大きく超えている。前述したように油圧ショベルでは操作装置を複合的に操作する頻度が高いためである。したがって、図46の例の各操作比率Rt,Rs,Rfを見ても、運転者等は、作業内容、作業種類を推定することは難しい。特に大きな作業現場では、数十台、数百台の建設機械が稼働することも珍しくなく、それら建設機械の作業内容を図46のようなレポートから1台毎に推定することは多大な労力を要し実際のところ困難である。
9.効果
前述したように、油圧ショベルの典型的な作業では、「掘削位置決め動作」→「掘削動作」→「ダンプへの積込動作又は放土動作」が繰り返され、走行装置11を駆動して掘削位置や掘削場所を変える。掘削場所の変更は頻繁に発生するが、多くの場合は数回地山を掘削して機体側方に放土又はダンプトラックに積み込んだ後、バケット33の幅程度だけ横に移動して掘削積込作業を再開する。この場合の走行動作は短距離で時間も短い。また、同一の現場内で掘削場所の変更に伴って離れた場所に移動する場合もある。この場合の走行動作は長時間である。加えて、走行用の操作装置27L,27Rにはペダル27b(図2参照)が備わっていて、通常は足による操作が主体となる。そのため、掘削や積込の作業中に無意識に足に力が入ってペダル27bを踏み込んでしまう場合がある。但し、踏込量が小さいために方向流量制御弁の作動には至らないため、又は方向流量制御弁が作動しても走行用油圧モータ13の駆動には至らないため、無意識にペダル7bを踏み込んでいることに運転者が気付かないことが多い。このような場合でも走行操作信号Stが検出されると、比較例では走行操作時間Ttが加算される。意図しない走行操作や実効を伴わない走行操作の時間が計時されると、作業判定の妥当性を欠いてしまう。
そこで、本実施の形態では“走行単独操作”の概念を導入し、運転者が意図的に走行動作を指示した時間として、走行操作時間Ttに代えて走行単独操作時間Tt’を計測することとした。通常の掘削積込作業において一般的に走行操作は他の操作と同時に行われないので走行単独操作時間Tt’と走行操作時間Ttとの間に大差は生じない場合が多いが、特殊な作業では大差が生じ得る。例えば湿地で走行装置11が泥に埋もれた場合やトレーラから油圧ショベル1を下す場合等では、地山や斜面に作業装置30を掛けて機体のバランスを取りながら走行する場合がある。また、バケット33にワイヤで部材を吊るすクレーン作業では、吊り荷の高さ調整のために作業装置30を操作しながら長距離を移動走行することもある。しかし、いずれの場合も例外的な操作であり、走行単独操作時間Tt’をレポートの項目に入れることは有意義である。
次に、何らかの操作した時間(操作時間T2)から走行単独操作時間Tt’を除いた時間を作業時間To(=T2−Tt’)と定義した。油圧ショベル1の作業は掘削積込作業が主であり、走行単独動作の時間は主たる作業のために必要な移動時間とする考えに基づく。作業時間Toは油圧ショベル1が純粋に掘削動作や積込動作をした時間の合計である。
また、前述したように油圧ショベル1の典型的な作業は「掘削位置決め動作」→「掘削動作」→「ダンプへの積込動作または放土動作」の繰り返しである。詳述すると、油圧ショベル1の位置を固定した状態で作業装置30と旋回体20を同時に動かして目標の地山にバケット33を移動させ、作業装置30のみを動かしてバケット33に土砂を掻き入れた後、作業装置30と旋回体20を同時に動かして土砂をダンプに積み込んだり地面に放土したりする。しかし、同じ一連の動作でも、例えば地山が固い又は発破が不十分なためにバケット33に土砂が十分入るまでに掘削動作を繰り返し行わなければならない場合には、作業時間Toに占める作業単独操作時間Tf’の割合が大きくなる。反対に、例えばブルドーザで集積されたルーズな土砂や軟らかい地山の場合、少ない掘削動作でバケット33に十分な土砂が入るので作業単独操作時間Tf’の割合は相対的に下がる。
そこで、本実施の形態では評価係数R(%)を導入し、作業単独操作時間Tf’が作業時間ToのR0(%)以上であれば主たる作業が掘削作業であり、それ以下であれば主たる作業が積込作業であったと判定することとした。
以上の処理によって出力された判定結果を含む稼働情報のレポートは図9及び図10に例示した通りであり、比較のために例示した図46のレポートに比べて項目が少なくシンプルで見易い。そして、走行単独操作時間Tt’の値により特異な走行時間がないことを確認すれば、作業時間Toと作業内容欄(又は評価係数R欄)により一見して容易かつ直接的に油圧ショベル1の作業内容を把握することができる。
また、操作装置26L,26R,27L,27Rは、ブーム31の上げ/下げ、アーム32のダンプ/クラウド、バケット33のダンプ/クラウド、旋回体20の旋回右/旋回左、右の走行装置13の前進/後進、左の走行装置13の前進/後進の12種の操作信号(パイロット圧)を出力し得る。油圧ショベル1の操作状況の記録のために12種全ての信号線に圧力センサや圧力スイッチ等の検出器を設置すること、また12種全ての操作信号について必要な演算処理を実行することは、センサやケーブルのコスト面でも演算処理の面でも負担が大きい。それに対し、本実施の形態では図4に示したように12種の信号を走行操作信号St、旋回操作信号Ss、作業操作信号Sfの3種にまとめる構成を採用したことにより、車載マイコン50の処理負担を軽減することができ、センサやケーブル等の部品点数を抑制することができる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態が第1の実施の形態と相違する点はセッションの設定であり、本実施の形態は、セッションに時間を設定し電源入り時間T0中に設定時間ΔT0(=セッション)の周期で作業内容を判定する例である。ハード構成は第1の実施の形態と同様である。具体的には、演算処理装置57(図5参照)は、電源が入ってから切れるまでの間、無操作時間演算装置57d、走行単独操作時間演算装置57e、及び作業単独操作時間演算装置57fに演算処理をΔT0周期で実行させ、作業判定装置63cにΔT0単位の作業内容を判定させる。
なお、本実施の形態では、車載マイコン50側で作業判定までの処理を実行し、サーバ60は車載マイコン50から受け取ったデータを基にレポートを作成する例を説明する。具体的には、車載マイコン50による稼働データ取得の手順(図11)、セッション単位の作業判定及び稼働データの送信手順(図12)、電源入り時間T0単位の稼働データの送信手順(図13)、サーバ60によるセッション単位のデータ処理手順(図14)、電源入り時間T0単位のデータ処理手順(図15)を実行する。各手順について順次説明する。
(1)稼働データ取得手順
図11は本発明の第2の実施の形態に係る作業判定システムによる稼働データ取得手順を表すフローチャートである。同図の手順は車載マイコン50の演算処理装置57により実行される手順である。
・ステップS201−S210,S213
スタートの手順を含めて、ステップS201−S210,S213の手順は第1の実施の形態のステップS101−111とそれぞれ同様である。但し、本実施の形態はセッションを設定時間ΔT0(例えば0.1時間)としているため、セッション経過時間ΔTの他、後述する合計無操作時間Ti(M)、合計走行単独操作時間Tt’(M)、合計掘削操作時間TD(M)、及び合計積込操作時間TL(M)がステップS201でリセットする項目に追加されている点、ステップS202で電源入り時間T0に加えてセッション経過時間ΔTがカウントアップされる点、ステップS206,S208,S210とステップS213の間にステップS211,S212の手順が追加されている点で、第1の実施の形態と相違する。
・ステップS211,S212
ステップS211では、演算処理装置57は、セッション経過時間ΔTが設定時間ΔT0にまだ達していないか否か(ΔT<ΔT0か否か)を判定し、セッション経過時間ΔTの値がΔT0に満たない場合(ΔT<ΔT0)はステップ213に手順を移す。反対に、セッション経過時間ΔTの値がΔT0である場合(ΔT=ΔT0)には、演算処理装置57はステップS212の手順を実行し、ステップS212の手順の実行後、ステップ213に手順を移す。
(2)セッション単位の作業判定及び稼働データの送信手順
図12は本発明の第2の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位の作業判定及び稼働データの送信手順を表すフローチャートである。同図の手順は車載マイコン50の演算処理装置57により実行される手順である。
・ステップS212a,S212b
同図の手順を開始すると、ステップS212aにおいて、演算処理装置57は、RTC52及びGPS55から現在の時刻及び位置情報を取得して、セッションの時刻及び場所のデータとして記憶装置54に保存する。また、続くステップS212bでは、演算処理装置57は、前回ステップS212の手順が実行された時の原動機稼働時間T1(=前回原動機稼働時間T1’)、無操作時間Ti(前回無操作時間Ti’)を用いて、現在のセッション中の原動機稼働時間ΔT1、無操作時間ΔTi、操作時間ΔT2、作業時間ΔToを演算する。
現セッション中の原動機稼働時間ΔT1は、原動機稼働時間演算装置57bによって現在の原動機稼働時間T1と前回原動機稼働時間T1’との差で求められる(ΔT1=T1−T1’)。通常、原動機Eは稼働状態にあるため、基本的にΔT1の値はセッションの長さ(設定時間ΔT0)に一致する。
現セッション中の無操作時間ΔTiは、無操作時間演算装置57dによって現在の無操作時間Tiと前回無操作時間Ti’の差で求められる(ΔTi=Ti−Ti’)。また、現セッション中の操作時間ΔT2は、操作時間演算装置57gによってΔT1とΔTiの差で求められる(ΔT2=ΔT1−ΔTi)。現セッション中の作業時間ΔToは、作業時間演算装置57hによって操作時間ΔT2と走行単独時間Tt’の差で求められる(ΔTo=ΔT2−Tt’)。なお、本実施の形態では、後述するステップS212kでセッション経過時間ΔTとともに、走行単独操作時間Tt’、作業単独操作時間Tf’がリセットされるため、走行単独操作時間Tt’と作業単独操作時間Tf’の値は1セッション中の値となる。
・ステップS212c,S212d
ステップS212cでは、演算処理装置57は、作業判定装置57iによって現セッション中の原動機稼働時間ΔT1に占める無操作時間ΔTiの割合(ΔTi/ΔT1)が設定値Ri(例えば20%)より大きいか否かを判定する。ΔTi/ΔT1>Riであれば、演算処理装置57は手順をステップS212dに移し、作業内容を表すフラグFに無操作状態Iをセットする。また、現セッションは無操作状態であったこととして、電源入り後の合計の無操作時間である合計無操作時間Ti(M)にΔTを加算する(Ti(M)=Ti(M)+ΔT)。ΔTi/ΔT1≦Riであれば、演算処理装置57は手順をステップS212eに移す。
セッション中のΔTi/ΔT1が設定値Riより大きければセッションを通じて無操作であったとみなすことの意味を説明する。原動機Eが稼働していて無操作状態が設定値Ri以下であれば一時的に操作レバーから手を放しただけで次の操作に移行する状態にあったと判断して合計無操作時間Ti(M)をカウントアップせず、無操作状態がRiを超える場合には休憩や待機による操作中断と考えてこのセッション(ΔT0=6分間)は総括して無操作時間Tiとする。セッションの作業内容を総括的に判定しセッション時間単位でカウントアップするので、サンプリング周期でカウントされる無操作時間Tiとは値が異なり得るが、作業の概要を把握するには問題なく、シンプルでより分かり易い。
・ステップS212e,S212f
ステップS212eでは、演算処理装置57は、作業判定装置57iによって現セッション中の操作時間ΔT2に占める走行単独操作時間Tt’の割合(Tt’/ΔT2)が設定値Rt(例えば30%)より大きいか否かを判定する。Tt’/ΔT2>Rtであれば、演算処理装置57は手順をステップS212fに移し、作業内容を表すフラグFに走行作業Tをセットする。また、現セッションは走行主体であったこととして、電源入り後の合計の走行単独操作時間である合計走行単独操作時間Tt’(M)にΔTを加算する(Tt(M)=Tt(M)+ΔT)。Tt’/ΔT2≦Rtであれば、演算処理装置57は手順をステップS212gに移す。
Tt’/ΔT2>Rtという条件は通常の掘削積込作業では基本的に満たされないので、Tt’/ΔT2>Rtとなった場合には作業場所を変えるために長距離移動したものと判定し、他の操作があったとしてもセッション全体としては主に走行作業に充てられたものと考えられる。
・ステップS212g−S212i
ステップS212gでは、演算処理装置57は、作業判定装置57iによって現セッション中の作業時間ΔToに占める作業単独操作時間Tf’の割合(Tf’/ΔTo)が設定値Rf(例えば35%)より大きいか否かを判定する。Tf’/ΔTo>Rfであれば、演算処理装置57は手順をステップS212hに移し、フラグFに掘削作業Dをセットする。また、現セッションは掘削主体であったこととして、電源入り後の合計の掘削操作時間である合計掘削操作時間TD(M)にΔTを加算する(TD(M)=TD(M)+ΔT)。Tf’/ΔTo≦Rfであれば、演算処理装置57は手順をステップS212iに移し、フラグFに積込作業Lをセットする。また、現セッションは積込主体であったこととして、電源入り後の合計の積込操作時間である合計積込操作時間TL(M)にΔTを加算する(TL(M)=TL(M)+ΔT)。
ここで、Tf’/ΔTo>Rfという条件が満たされた場合、走行単独操作時間Tt’を除いた作業時間ΔToに占める作業単独操作時間Tf’が多いことから掘削操作が主体であったものと考えられる。一方、条件が満たされない場合、作業時間ΔToに占める作業単独操作時間Tf’が少ないことから、積込操作(旋回との複合操作)が主体であったものと考えられる。
ステップS212g,S212hに関連して油圧ショベルの作業について補足すると、固い地山の掘削や溝掘り等の作業では作業装置30及び旋回体20の複合操作と作業装置30の単独動作とを比べると、作業単独操作時間Tf’が大きくなる。一方、ルーズな土砂を対象とした積込作業の場合、作業装置30及び旋回体20の同時操作で掘削位置にバケット33を移動させ、作業単独操作で土砂をバケット33に入れ、次に作業装置30を上げながら旋回操作してダンプ上で放土するという作業の繰り返しとなるので、複合操作の割合が高くなる。一般的に掘削や積込の作業のサイクルタイムは15〜20秒であり、掘削放土作業やダンプ1台当たりの積込作業は各々約2分程度かかるため、本実施の形態ではセッションのインターバル(設定時間ΔT0)を6分間とする場合を例示した。セッションを6分程度としておけば、セッション内で作業内容が大きく変化することはあまりないので、セッション単位で作業内容を判定するのに適当である。もっとも、油圧ショベル1の大きさや対象となる現場の土石の種類などで適正値は変化し得るので、設定時間ΔT0、各閾値Ri,Rt,Rfは適宜変更可能である。
・ステップS212j,S212k
ステップS212d,S212f,S212h,S212iのいずれかの手順を実行した後、演算処理装置57は手順をステップS212kに移し、ステップS212aで取得した時刻及び位置情報、並びにステップS212c−S212iで判定した作業内容Fをサーバ60に送信する。その後、ステップS212kに手順を移してΔT,Tt’,Tf’をリセットし(ΔT=Tt’=Tf’=0)、現在の原動機稼働時間T1及び無操作時間Tiを次回のステップS212の処理に用いる前回原動機稼働時間T1’及び前回無操作時間Ti’として記憶装置54に保存してステップS212の手順を終える。
(3)電源入り時間単位の稼働データ送信手順
図13は本発明の第2の実施の形態に係る作業判定システムによる電源入り時間単位の稼働データ送信手順を表すフローチャートである。同図の手順は、車載マイコン50の電源が切られた場合に図11のステップS213から移行して実行される手順であり、第1の実施の形態の図7の手順に相当する。
図13の手順では、演算処理装置57は、通信装置56を介して電源入り時間T0中の稼働データをサーバ60に送信する(ステップS215)。この例で車載マイコン50からサーバ60に送信する稼働データには、(1)作業開始時の時刻及び位置情報、(2)作業終了時の時刻及び位置情報、(3)電源入り時間T0、(4)原動機稼働時間T1、(5)無操作時間Ti、(6)合計無操作時間Ti(M)、(7)合計走行単独操作時間Tt’(M)、(8)合計掘削操作時間TD(M)、(9)合計積込操作時間TL(M)が含まれる。
他のステップS214,S216,S217については図7のステップS112,S114,S115と同様である。
(4)セッション単位のデータ処理手順
図14は本発明の第2の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位のデータ処理手順を表すフローチャートである。同図の手順はサーバ60の演算処理装置63により実行される手順である。また、この手順は、サーバ60が稼働している間、例えば逐次または一定の時間間隔で繰り返し実行されていて、車載マイコン50で上記のステップS212jの手順(セッション単位の稼働データの送信)が実行される度に実行される。したがって、1セッション毎に実行される処理である。
図14の手順において、ステップS251の手順は図8のステップS151の手順と同様であり、車載マイコン50からセッション毎に送られてくる稼働データを受信したら、演算処理装置63は、ステップS252の手順を実行して図14の手順を終える。ステップS252では、演算処理装置63は、レポート作成装置63eによってGPS55の位置情報に対応する地図上の位置にプロットし、その位置に時刻や作業内容(掘削/積込)と表示するレポートを作成する。作成されたレポートは、情報提供装置66に出力される。
(5)電源入り時間単位のデータ処理手順
図15は本発明の第2の実施の形態に係る作業判定システムによる電源入り時間単位のデータ処理手順を表すフローチャートである。同図の手順もサーバ60の演算処理装置63により実行される手順である。
図15の手順において、ステップS261の手順は図8のステップS151の手順と同様であり、車載マイコン50から電源OFF時に送られてくる稼働データを受信したら、演算処理装置63は、ステップS262の手順を実行し、ステップS263の手順を実行して図15の手順を終える。ステップS262では、演算処理装置63は、車載マイコン50から送信されてきた稼働データを基にレポートを作成する。レポートに含まれる項目は、車載マイコン50がステップS215(図13参照)で送信した項目である。ステップS263の手順は図8のステップS153の手順と同様である。
(6)効果
本実施の形態においても、無操作時間Ti、走行単独操作時間Tt’、作業単独操作時間Tf’を基に作業内容を判定しているので、前述した実施の形態と同様の効果が得られる。また、本実施の形態の場合、第1の実施の形態と同様の効果に加えて次の効果が得られる。
図16は情報提供装置66による本実施の形態に係るレポートの出力の一態様を表した図である。
図16の例も図9に例示したレポートと同一のデータに基づいている。同図のレポートでは、作業時間To(=T1−Ti)が「無操作」「走行単独操作」「掘削操作」「積込操作」といった4つの作業内容別に分類してあり、4つの作業内容の時間を合計すると原動機稼働時間T1に一致する(Ti(M)+Tt(M)+TD(M)+TL(M)=T1)。したがって、数時間の操作に対して一目でどの作業をどれくらいしたかが把握できる。
ここで、無操作時間がTiとTi(M)で異なっている。レポートの1行目と3行目では合計無操作時間Ti(M)は値を持っているのに対して2行目では0(ゼロ)である。すなわち、2行目の作業では操作装置から一定時間以上手を放すようなことが殆どなく直ぐに次の作業に取り掛かっていたものと想像される。単純に無操作時間を検出して積算する場合には、作業中に検出される細切れの無操作時間も計測されてしまって実作業に沿わないレポート結果となり得るところ、本実施の形態によればそのようなことが起こり難く、レポートの妥当性が向上する。
また、合計走行単独操作時間Tt’(M)に着目すると、図46に例示した比較例の走行操作時間Ttの差が小さい箇所と大きい箇所が生じている。これは1行目と3行目の作業では走行用の操作装置27L,27Rと操作装置26L,26Rとの複合操作を殆どしておらず、2行目の作業では複動操作をしたことによるものである。前述した通り、走行しながら他の動作を同時にするのは油圧ショベルとしては本来的なことではなく、例えばバケット33で荷を吊るクレーン作業や地面の均し作業のような特殊な使われ方である。
本実施の形態によれば、セッションを時間で区切って一定の時間間隔で自動的に作業判定することで、各セッションにおける作業の違いについてより細かく把握することができる。
(第3の実施の形態)
本の実施の形態が第2の実施の形態と相違する点はセッション単位のデータ処理の態様であり、他の点は第2の実施の形態と同様である。第2の実施の形態では、ΔT0毎に車載マイコン50から送られてくる時刻、位置、作業内容フラグFを図示しない地図上に都度表示することに触れたが、本実施の形態ではレポート形式で出力する。車載マイコン50による処理やサーバ60による電源入り時間単位のデータ処理は第2の実施の形態と同様である。但し、技術的に特別な意味はないが、本実施の形態では作業内容の判定をサーバ60側で判定している。
図17は本発明の第3の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位のデータ処理手順を表すフローチャートであり、第2の実施の形態の図14に対応する図である。
・ステップS351
図17のステップS351は図14のステップS251と同様である。セッション毎に車載マイコン50からの稼働データを受け取ると、演算処理装置63は、ステップS352に手順を移す。
・ステップS352
ステップS352では、演算処理装置63は、地図情報作成装置63eによって油圧ショベル1の位置情報Pnを稼働現場の地図データに照合し、地図データ上で油圧ショベル1の位置する区画を判別する。
・ステップS353
ステップS353では、演算処理装置63は、作業フラグFの値によってセッションの主たる作業内容を判別し、当該セッションの時間を主たる作業内容に充てられた時間とみなして、作業内容別の操作時間における該当する作業内容の祖差時間にセッションの時間を丸ごと加算する。具体的には、F=Iならこのセッションの時間ΔT(ここでは0.1時間)は無操作であったとして、作業内容別無操作時間ΔTiに0.1時間を加算し(ΔTi(M)=0.1時間)、他の作業内容別操作時間(走行操作時間ΔTt(M)、掘削操作時間ΔTD(M)、積込操作時間ΔTL(M))には加算しない。F=T,F=D,F=Lの場合も同じ要領である。
・ステップS354
ステップS354では、演算処理装置63はセッション毎に時刻、作業内容フラグF、作業場所のデータを情報提供装置66に出力する。このステップS354の手順を終えて、演算処理装置63は手順を終了する。
図18は本実施の形態のレポート例である。
図18の例では、各セッションの稼働データは1行にまとまっている。欄300a−300cには、ステップS351で車載マイコン50からサーバ60が受信したセッション毎の稼働データが時系列に沿って表示されている。サーバ60が受け取るセッション毎の稼働データは、RTC52の時刻、GPS55の位置情報、作業内容フラグFである。時刻欄300aの時刻データは、作業開始時刻(t0)からΔT0間隔で増加している。位置データ欄300bには、油圧ショベル1の緯度及び経度の位置情報が入力されている。位置情報は緯度及び経度からなる座標データであり、Pn=(Xn,Yn)で表される。作業内容欄300cには、作業内容フラグFの値が入力されている。
作業場所欄300eは、油圧ショベル1が位置する稼働現場内の区画を表している。油圧ショベル1が位置する稼働現場内の区画は、例えば地図やGPSを用いて予め測定しておいた稼働現場の地図データをマス目状に区画して各区画に100a,100b,100c・・・と番号を付けておき(図19参照)、油圧ショベル1の位置情報Pnを地図データと照合することで判別できる。
作業内容別操作時間欄300dは、該当するセッションが主としてどの作業に充てられたのかを表す欄である。表示上は、作業内容別の各操作時間、この例では、無操作時間ΔTi(M)、走行単独操作時間ΔTt(M)、掘削操作時間ΔTD(M)、積込操作時間ΔTL(M)のいずれかの欄にセッションの時間ΔTが入力され、他の欄に入力されるデータは0(ゼロ)である。作業内容別操作時間の各欄を時系列順に(この例では縦方向に)加算してゆくと、電源が入ってからの作業内容別の操作時間、つまり合計無操作時間Ti(M)、合計走行単独操作時間Tt’(M)、合計掘削操作時間TD(M)、合計積込操作時間TL(M)のレポートの値と等しくなる。
なお、作業内容別操作時間欄300dは、車載マイコン50側ではなくサーバ60側で実行するという第2の実施の形態との役割分担の違いを明示する目的で便宜上例示したものであって図18のレポートに必須の項目ではない。つまり図18に例示したレポートは時刻欄300a、作業内容欄300c及び作業場所欄300e(又は位置情報欄300b)に表示項目を絞ることができ、極めて簡易で見易く分かり易いものとすることができる。
本実施の形態においても、無操作時間Ti、走行単独操作時間Tt’、作業単独操作時間Tf’を基に作業内容を判定しているので、前述した各実施の形態と同様の効果が得られる。また、本実施の形態の場合、時系列に沿って油圧ショベル1の作業を把握することができるメリットが大きい。例えば、図18のレポートを見ると、区画100bで原動機Eを始動させてから2セッション程度の時間を準備作業(機械の点検や作業予定のチェック等)に費やした後、2セッション近く走行して区画100cに移動し、区画100cで3セッション程度の時間を主に掘削作業に費やし、その後1セッション近く走行して区画100dに移動し、区画100dで主に積込作業を1セッション、続いて掘削作業を1セッション、再び積込作業を2セッション程度行っていたことが分かる。また、区画100dでの計4セッションにわたる掘削積込作業の過程で作業場所が区画100eに移っていたことも読み取れる。区画が変わっているのでこの間に走行操作をしたことになるが、このような掘削積込作業の過程で掘削位置をずらすために必然的に生じる走行操作であって移動走行を意図しない走行操作は直接的に記録されていない。作業内容を把握する上で過剰な情報が適正に省かれ、レポートの視認性が向上している。
(第4の実施の形態)
本実施の形態が他の実施の形態と相違する点はセッションの設定である。ハード構成は他の実施の形態と同様である。例えば油圧ショベルの場合、一定の作業場所で作業を継続する間は、作業の進捗に伴って掘削位置をずらすために若干(例えば1m以下)の移動を挟んだとしても土砂を積み込むダンプトラック等との位置関係や地山の性状はさほど変化しない。その一方で、作業場所を一定距離(例えば数m)以上移動して作業再開する場合には、地山の性状やダンプトラックとの位置関係等の条件が変わり、移動の前後で作業内容が変化し得る。本実施の形態はこの点に着目して作業場所毎に作業判定する例である。
具体的には、本実施の形態は、設定時間の継続的走行操作をセッションの区切りとし、電源が入ってから切れるまでの間、無操作時間演算装置57d、走行単独操作時間演算装置57e、及び作業単独操作時間演算装置57fにセッション毎に演算させ、作業判定装置63cにセッション毎の作業内容を判定させる。
なお、本実施の形態では、車載マイコン50側で作業判定までの処理を実行し、サーバ60は車載マイコン50から受け取ったデータを基にレポートを作成する例を説明する。具体的には、稼働データ取得の手順(図20)、セッション単位の作業判定手順(図21)、及び電源入り時間T0単位の稼働データの送信手順(図22)を車載マイコン50で実行し、セッション単位のデータ処理手順(図23)、電源入り時間T0単位のデータ処理手順(図24)をサーバ60で実行する。各手順について順次説明する。
(1)稼働データ取得手順
図20は本発明の第4の実施の形態に係る作業判定システムによる稼働データ取得手順を表すフローチャートである。
・ステップS401
電源が入ると、演算処理装置57は、まずステップS401でRTC52及びGPS55から現在時刻と現在位置の情報を読み出し、これを最初のセッションS(1)の開始時のデータとして記憶装置54に保存する。セッションS(1)の開示時のデータは、すなわち作業開始時のデータに等しい。また、演算処理装置57は、各種計測時間(レポート作成のための積算値を含む)をリセットして値を0(ゼロ)にする。ここでリセットされる値は、セッション中の経過時間ΔT、電源入り時間T0、原動機稼働時間T1、無操作時間Ti、走行単独操作時間Tt’、作業単独操作時間Tf’、合計電源入り時間ΣT0、合計原動機稼働時間ΣT1、合計無操作時間ΣTi、合計走行単独操作時間ΣTt’、合計作業単独操作時間ΣTf’、合計掘削操作時間ΣTD、合計積込操作時間ΣTL、及び走行操作時間Tnである。
・ステップS402−S410,S417
ステップS401−S410,S417の手順は、第2の実施の形態におけるステップS201−S210,S213(図11参照)の手順とそれぞれほぼ同様である。異なる点は、ステップS406,S408−S410とステップS417との間の手順が、セッションの経過時間を判定するものから走行操作信号Stの継続的入力があったか否かを判定する手順(ステップS411−S416)に変わっている点である。ステップS411−S416の手順を次に説明する。
・ステップS411
ステップS409で作業単独操作か否かを判定した結果、作業単独操作ではないと判定された場合、走行単独操作ではないが、無操作でも作業単独操作でもないため走行操作を含む複合操作である可能性がある。したがって、この例では、ステップS409の判定が満たされない場合、演算処理装置57は、ステップS411に手順を移して操作判定装置57cにより操作信号がONか否か(St=1か否か)を判定する。例えば走行装置11と作業装置30の複合動作を指示する操作であって走行操作信号StがONである場合には(St=1)、演算処理装置57は手順をステップS412に移す。反対に、例えば旋回体20と作業装置30の複合動作又は旋回体20の単独動作を指示する操作であって走行操作信号StがOFFである場合には(St=0)、演算処理装置57は手順をステップS416に移す。
・ステップS412−S416
演算処理装置57は、走行操作信号StがONである場合(St=1)、ステップ412で走行操作時間Tnをカウントアップする。この手順は、ステップS411で走行操作信号StがONであると判定された場合の他、ステップS407で走行単独操作であると判定された場合にも実行される。走行操作時間Tnをカウントアップしたら、演算処理装置57は、ステップS413に手順を移して走行祖差時間Tnが設定時間Tn0(例えば3秒)になったか否かを判定する。走行操作時間Tnが設定時間Tn0に満たない場合、演算処理装置57はステップS417に手順を移す。Tn=Tn0の場合、設定時間Tn0継続して走行操作がなされた、すなわち作業場所が変更されたものと判断し、演算処理装置57は、ステップS417に手順を移す前にステップS414(図21)の手順を実行して現在のセッションで得られた稼働データをサーバ60に送信する。
なお、ステップS405で無操作と判定された場合、ステップS409で作業単独操作と判定された場合、及びステップS411で操作信号StがOFFであると判定された場合、つまり走行操作信号Stの入力がない場合には、演算処理装置57は、ステップS417に手順を移す前にステップS415又はS416で走行操作時間Tnをリセットしてゼロにする。継続的走行操作状態にないためである。
(2)セッション単位の作業判定及び稼働データの送信手順
図21は本発明の第4の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位の作業判定及び稼働データの送信手順を表すフローチャートである。
・ステップS412a
図21の手順は現在のセッションの終了処理であると同時に次のセッションの開始処理でもある。電源が入ってからi番目のセッションS(i)、言い換えればi番目の作業場所での作業が終了して図21の手順に移行したとして、演算処理装置57は、まずステップS412aで次のセッションS(i+1)の開示時の時刻及び位置のデータとして現在の時刻及び位置情報をRTC52及びGPS55から取得して記憶装置54に保存する。
・ステップS412b,S412c
続くステップS412bでは、演算処理装置57はセッションS(i)のデータ処理を実行する。具体的には、操作時間T2(=T1−Ti)、作業時間To(=T2−Tt’)、評価係数R(Tf’/To)を演算する。本実施の形態の場合、原動機稼働時間T1、無操作時間Ti、作業単独操作時間Tf’はいずれもセッション終了時に後のステップS412fでリセットされる値であるため、これらを基に演算される操作時間T2、作業時間To、評価係数Rも現在のセッションにおける値である。
また、ステップS412cでは、評価係数Rに基づいて作業時間Toが主に掘削作業に充てられたのか積込作業に充てられたのかを判定する。判定の方法については第1の実施の形態のステップS152(図8参照)と同様である。
・ステップS412d
ステップS412dでは、演算処理装置57はセッションS(i)の稼働データを通信装置56からサーバ60に送信する。送信される稼働データは、(a)開始時刻、(b)開始時の油圧ショベル1の位置、(c)電源入り時間T0、(d)原動機稼働時間T1、(e)無操作時間Ti、(f)操作時間T2、(g)走行単独操作時間Tt’、(h)掘削操作時間TD、(i)積込操作時間TLの9項目である。これら9項目は全てセッションS(i)に関する情報である。
・ステップS412e
ステップS412dでは、演算処理装置57は、電源入り時間T0単位の稼働データとして電源が入ってから現在までの各時間の積算値を求める。ここで演算される積算値は、電源入り時間の積算値ΣT0、原動機稼働時間の積算値ΣT1、無操作時間の積算値ΣTi、走行単独操作時間の積算値ΣTt’、掘削操作時間の積算値ΣTD、及び積込操作時間の積算値ΣTLである。
・ステップS412f
ステップS412fでは、演算処理装置57は、セッションS(i)の終了処理の手順として時間計測のための各時間をリセットし(ΔT=T0=T1=Ti=Tf’=Tt’=0)、セッションカウンタiをカウントアップして(i=i+1)図20の手ステップS417に手順を移行する。これにより次のセッションS(i+1)が図20の手順で開始される。
(3)電源入り時間単位の稼働データ送信手順
図22は本発明の第4の実施の形態に係る作業判定システムによる電源入り時間単位の稼働データ送信手順を表すフローチャートである。
・ステップS418
同図の手順は、車載マイコン50の電源が切られた場合に図20のステップS417から移行して実行される手順である。演算処理装置57は、まずステップS418で現在の(最後の)セッションS(f)の終了時、すなわち作業終了時の時刻及び位置のデータとして現在の時刻及び位置情報をRTC52及びGPS55から取得して記憶装置54に保存する。
・ステップS419−S422
続くステップS419−S422の手順は図21のステップS412b−S412eの手順と同様である。これら手順を実行することによって、その後の移動を伴わない作業終了時のセッション分の稼働データもそれ以前のセッションの稼働データと同じように処理され、セッション分の稼働データがサーバ60に送信され(ステップS421)、各時間の積算値が求められる(ステップS422)。
・ステップS423,S424
ステップS423では、演算処理装置57は、これまでの手順で得られた電源入り時間T0を通しての稼働データをサーバ60に送信し、ステップS424で電源装置53により車載マイコン50の電源を切断して図22の手順を終了する。ステップS423で送信される稼働データは、ステップS422で演算した各積算値、具体的には(C)合計電源入り時間ΣT0、(D)合計原動機稼働時間ΣT1、(E)合計無操作時間ΣTi、(F)合計走行単独操作時間ΣTt’、(G)合計掘削操作時間ΣTD、(H)合計積込操作時間ΣTLに、(A)ステップS401で取得した作業開始時の時刻及び位置、及び(B)ステップS418で取得した作業終了時の時刻及び位置を加えたものである。
(4)セッション単位のデータ処理手順
図23は本発明の第4の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位のデータ処理手順を表すフローチャートである。
図21のステップS412dで車載マイコン50から送信されるセッション毎の稼働データを受け取ると、演算処理装置63は、ステップS451からステップS452に手順を移し、送信されてきた新たなセッション分の稼働データを情報提供装置66にレポートとして出力する。出力する稼働データは、前述した項目(a)−(i)である。演算処理装置63は、その後ステップS453を実行して同図の手順を終える。ステップS453は、第3の実施の形態のステップS352(図17参照)と同様の手順である。
(5)電源入り時間単位のデータ処理手順
図24は本発明の第4の実施の形態に係る作業判定システムによる電源入り時間単位のデータ処理手順を表すフローチャートである。
図22のステップS423で車載マイコン50から送信される電源入り時間T0の総括的な稼働データを受け取ると、演算処理装置63は、ステップS461からステップS462に手順を移し、送信されてきた電源入り時間T0の稼働データを基に必要な項目を適宜演算し、情報提供装置66にレポートとして出力し図24の手順を終える。出力する稼働データは、例えば作業の日付、作業開始時刻、作業終了時刻、合計電源入り時間ΣT0、合計原動機稼働時間ΣT1、合計操作時間ΣT2(=ΣT1−ΣTi)、合計無操作時間ΣTi、合計走行単独操作時間ΣTt’、合計掘削操作時間ΣTD、合計積込操作時間ΣTLである。
(6)効果
図25及び図26は本実施の形態における情報提供装置66による出力例を表した図で、図25は電源入り時間全体の作業内容を総括的に報告する例、図26は時系列に沿ってセッション単位で作業内容を報告する例である。
本実施の形態においても、無操作時間Ti、走行単独操作時間Tt’、作業単独操作時間Tf’を基に作業内容を判定しているので、前述した各実施の形態と同様の効果が得られる。例えば図25に示したように、走行単独操作時間Tt’、掘削操作時間TD、及び積込操作時間TLを足し合わせると操作時間T2(6.5時間)と等しくなっている。したがって、作業内容が一見して把握できる。
また、本実施の形態の場合、掘削積込時に掘削位置をずらすための走行に比べて作業場所を移す際には走行操作が長くなる点に着目し、設定時間以上の継続的走行操作Stをセッションの区切りにすることで、油圧ショベル1の実作業内容を把握する上で妥当性の高い稼働データを得ることができる。
例えば、図26の時刻欄400aの各セッションの開始時刻は、油圧ショベル1の各移動先における作業開始時刻を表していて、第3の実施の形態のレポートにおける時刻欄300a(図18参照)と違って不定間隔である。例えば6行目の開始時刻14時0分8秒のセッションのデータを見ると、原動機稼働時間2時間(欄400c)のうち走行単独操作時間Tt’(欄400e)が0.3時間もあり、その結果、区画100dで稼働していた油圧ショベル1が開始時刻16時0分8秒の次のセッションでは区画100eに移動していることが分かる(欄400h)。
第2の実施の形態のように一定の時間間隔でセッションを分ける場合、作業場所よりも時間帯を重視して稼働データを確認したい場合に効果的だが、反面、作業場所を変更しなくても一定時間置きにセッションが更新されるため、作業場所毎にざっと稼働データを確認したい場合には同じ作業場所のデータが複数のセッションに分かれてしまう分だけ煩雑になる。また、セッションの途中で移動した場合には移動先の作業場所における作業開始時刻が曖昧になる。その点、本実施の形態の場合、作業場所を変更せずにする作業について1つのセッションにまとめた総括的な稼働データを一目で確認できるので、作業場所毎の稼働データの確認に便利である。
また、本実施の形態では、走行操作が設定時間Tn0(例えば3秒)継続した場合にセッションを分ける場合を例示したが、設定時間Tn0の長さは適宜変更可能である。例えば設定時間Tn0を短縮した場合、より短い距離の移動でセッションが分かれるので、それだけセッションが分かれる頻度が高くなり、例えばリアルタイムで稼働データを確認する場合に有用である。GPS55の位置情報を利用して地図上に逐次表示する場合にも有用である。反対に設定時間Tn0を長くした場合、セッションが分かれる頻度が低下するので、大雑把に稼働データを確認したい場合に有用であり、取得されるデータ容量も減少する。
なお、図26の例では、掘削操作時間TD(欄400f)と積込操作時間TL(欄400g)の双方を表示しているので、両者の大小関係を基に、例えば地山が固くて掘削作業に時間が割かれているとか、掘削作業は軽負荷だが放土場所やダンプトラック等の場所に対して掘削位置が遠い(例えば深い溝を掘削している)等の理由で積込作業に時間が割かれている等といったことが推測し易い。
また、説明の便宜上、欄400b欄にGPS55による位置情報(座標情報)をレポートに表示した例を示したが、この表示は基本的に不要であり、GPS55による位置情報は稼働データを地図上に重ねて表示する場合や欄400hの区画判定のために用いられる。
(第5の実施の形態)
本の実施の形態は一定の時間間隔でセッションを分ける点で第2の実施の形態と共通するが、セッションの区切りが時刻と同期する点で第2の実施の形態と相違する。ハード構成は他の実施の形態と同様である。
(1)稼働データ取得手順
図27は本発明の第5の実施の形態に係る作業判定システムによる稼働データ取得手順を表すフローチャートである。同図の手順は第2の実施の形態の図11の手順に対応する手順であり、車載マイコン50の演算処理装置57により実行される手順である。
図27のステップS501−S513の手順は第2の実施の形態のステップ201−S213(図11参照)の手順に対応している。相違する点は、セッション経過時間ΔTをセッションカウンタCに代えた点である。セッションカウンタCもタイマの一種であるが、区別のために便宜上呼び分ける。セッション経過時間ΔTは、現在時刻に関係なく電源が入った時にリセットされ(初期値=0にセットされ)、その後ΔT0の時間周期でセッションを区切ったのに対し、セッションカウンタCは、電源が入った時刻に応じて初期値が設定され、その後も時刻でセッションを区切るために利用される。このセッションカウンタCの導入によって、ステップS501,S502,S511,S512の手順が第2の実施の形態のステップS201,S202,S211,S212(図11参照)と異なるところがある。これら手順の異なる点のみ次に説明していく。
・ステップS501
本実施の形態では、時刻を時・分・秒で管理し、分の値が0となる条件でセッションを分ける場合を例示する。すなわち、演算処理装置57は、第2の実施の形態ではステップS201(図11参照)でセッション経過時間ΔTをリセットしたのに対し、本実施の形態ではセッションカウンタCの初期値を設定する。
例えば、現在時刻(時、分、秒)が(H,M,S)だとする。H,M,Sは整数で、それぞれ0≦H≦23,0≦M≦59,0≦S≦59の範囲の値である。本実施の形態では、これらH,M,Sを用いてセッションカウンタCの初期値を次の条件で設定する。
0≦M<10の場合、C=M×60+S;
10≦M<20の場合、C=(M−10)×60+S;
20≦M<30の場合、C=(M−20)×60+S;
30≦M<40の場合、C=(M−30)×60+S;
40≦M<50の場合、C=(M−40)×60+S;
50≦Mの場合は、C=(M−50)×60+S
例えば、現在の時刻が8時5分20秒であれば、0≦M<10であるため、C=M×60+S=5×60+20=320となる。
なお、この例では、稼働データ取得手順以外の手順は第3の実施の形態を踏襲しているため、ステップS501でリセットする項目に合計電源入り時間ΣT0、合計原動機稼働時間ΣT1、合計無操作時間ΣTi、合計走行単独操作時間ΣTt’、合計作業単独操作時間ΣTf’、合計掘削操作時間ΣTD、合計積込操作時間ΣTLが含まれている(ΣT0=ΣT1=ΣTi=ΣTt’=ΣTf’=ΣTD=ΣTL=0)。
・ステップS502
演算処理装置57は、第2の実施の形態ではステップS202(図11参照)でセッション経過時間ΔTをカウントアップしたのに対し、本実施の形態ではセッションカウンタCをカウントアップする(C=C+1)。ΔTと同様、毎秒処理によってCもセッション中は毎秒1ずつ加算されていく。
・ステップS511,S512
演算処理装置57は、第2の実施の形態ではステップS211(図11参照)でセッション経過時間ΔTが設定時間ΔT0になったか否かを判定したのに対し、本実施の形態ではステップS511でセッションカウンタCがまだ設定値C0に達していないか否かを判定する。Cの値が設定値C0未満である場合(C<C0)、演算処理装置57は、ステップS511からステップS513に手順を移して電源が入っているか否かを判定し、Cの値が設定値C0である場合(C=C0)、ステップS511からステップS512に手順を移してセッション毎の稼働データの送信処理を実行する。C0の値は適宜変更可能であるが、ここではC=600とする。この場合、C=C0の条件下では、時刻の分の値が0(0分、10分、20分、30分、40分、50分のいずれか)となる。したがって、本実施の形態では電源が入っている間、毎時0分、10分、20分、30分、40分、50分と定時かつ10分間隔でセッション単位の稼働データがサーバ60に送信される。なお、例えばRTC52の精度によりセッションの区切りが正確な時刻とずれる場合はあるが、その程度の誤差は作業判定やレポートの結果に影響しないので許容される。
図27の手順は電源が入っている間毎秒処理されるので、電源が入った時のセッションカウンタCの初期値が320の場合、278秒でC=600となる。
(2)セッション単位の作業判定及び稼働データの送信手順
図28は本発明の第5の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位の作業判定及び稼働データの送信手順を表すフローチャートである。同図の手順は第4の実施の形態の図21の手順に対応する手順であり、車載マイコン50の演算処理装置57により実行される手順である。図28のステップS512a−S512fの手順は、ステップS511(図27参照)でC=C0となる度に実行されるものであるが、手順の内容は第4の実施の形態のステップS412a−S412f(図21参照)と同様である。異なる点は、ステップS512fでセッション経過時間ΔTに代えてセッションカウンタCをリセットしている点である(C=0)。図28の手順によりセッション毎に稼働データがサーバ60に送信される。
(3)電源入り時間単位の稼働データ送信手順
図29は本発明の第5の実施の形態に係る作業判定システムによる電源入り時間単位の稼働データ送信手順を表すフローチャートである。同図の手順は第4の実施の形態の図22の手順に対応する手順であり、車載マイコン50の演算処理装置57により実行される手順である。図29のステップS514−S520の手順は、電源が切られた場合にステップS513(図27参照)から移行して実行されるものであるが、手順の内容は第4の実施の形態のステップS418−S424(図22参照)と同様である。図29の手順により電源入り時間T0を通した総括的な稼働データがサーバ60に送信される。
(4)セッション単位のデータ処理手順
図30は本発明の第5の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位のデータ処理手順を表すフローチャートである。同図の手順は第4の実施の形態の図23の手順に対応する手順であり、サーバ60の演算処理装置63により実行される手順である。図30のステップS551−S553の手順は、車載マイコン50からのセッション毎の稼働データを受け取る度に実行されるものであるが、手順の内容は第4の実施の形態のステップS451−S453(図23参照)と同様である。図30の手順によりセッション毎の作業レポートが逐次作成される。
(5)電源入り時間単位のデータ処理手順
図31は本発明の第5の実施の形態に係る作業判定システムによる電源入り時間単位のデータ処理手順を表すフローチャートである。同図の手順は第4の実施の形態の図24の手順に対応する手順であり、サーバ60の演算処理装置63により実行される手順である。図31のステップS561,S562の手順は、車載マイコン50からの電源入り時間T0を通した総括的な稼働データを受け取った場合に実行されるものであるが、手順の内容は第4の実施の形態のステップS461,S462(図24参照)と同様である。図31の手順により電源入り時間T0を通した総括的な作業レポートが作成される。
(6)効果
本実施の形態においても、無操作時間Ti、走行単独操作時間Tt’、作業単独操作時間Tf’を基に作業内容を判定しているので、前述した各実施の形態と同様の効果が得られる。
図32−図34はそれぞれ本実施の形態によるレポートの例を表す図である。図32の例はセッション毎の稼働データを表示した例である。毎時0分から10分までの期間、10分から20分までの期間・・・等といった時間帯で稼働データを確認することができる。この例ではプログラムのデバッグのためにセッション終了時刻を表示しているが、一般的に表示する必要はない。他の項目については既述した通りである。また、図32の例では情報量が多過ぎる場合には、例えば図33のように、一日単位、又は午前・午後単位に稼働データをまとめて総括的な表示とすることもできる。午前・午後の間の各時間帯の稼働データをざっと確認したい場合には、例えば図34のように30分毎又は1時間毎といった要領で稼働データをある程度まとめることで、例えば午後1時台はどのような作業をしていたかとか、3時台前半はどのような作業をしていたか、といったことを確かめる上で有用である。他の実施の形態でも同様だが、サーバ60にはセッション毎の稼働データが格納されているので運転者等の要求に応じてレポートの表示態様を変更することは容易である。
(第6の実施の形態)
本実施の形態は第5の実施の形態と同趣旨の実施の形態であるが、セッションの切り換え、すなわち時刻の判定方式が第5の実施の形態と異なる。
(1)稼働データ取得手順
図35は本発明の第6の実施の形態に係る作業判定システムによる稼働データ取得手順を表すフローチャートである。同図の手順は第5の実施の形態の図27の手順に対応する手順であり、車載マイコン50の演算処理装置57により実行される手順である。
図35のステップS601−S613は前の実施の形態のステップS501−S513(図27参照)とそれぞれ対応しているが、ステップS601,S602,S611,S612のみステップS501,S502,S511,S512と異なっている。ステップS601,S602,S611,S612でステップS501,S502,S511,S512と相違する部分のみ次に説明する。
・ステップS601,S602
第5の実施の形態ではセッションカウンタCを利用したが、本実施の形態では時間帯フラグCTを用いる。ステップS601ではセッションカウンタCの初期値を設定する代わりに、電源が入った時刻を基に時間帯フラグCTを設定する。時間帯フラグCTは例えば次のような条件で設定する。
0≦M<10の場合、CT=0;
10≦M<20の場合、CT=1;
20≦M<30の場合、CT=2;
30≦M<40の場合、CT=3;
40≦M<50の場合、CT=4;
50≦M<60の場合、CT=5
例えば現在時刻が8時5分20秒なら、0≦M<10であるためCT=0といった要領である。
セッションカウンタCと異なり、時間帯フラグCTはセッション終了まで変化しない。よって、第5の実施の形態のステップS502と異なり、ステップS602でカウントアップされるのは電源入り時間T0のみである。
・ステップS611
ステップS611では、時間帯がまだ変わっていないか否かを判定する。判定条件は時間帯フラグCTによって異なり、例えば次の通りである。
CT=0の場合、M<10か否か;
CT=1の場合、M<20か否か;
CT=2の場合、M<30か否か;
CT=3の場合、M<40か否か;
CT=4の場合、M<50か否か;
CT=5の場合、M<60か否か
先の例(CT=0)では時刻8時9分59秒まではステップS611の判定が満たされているので、演算処理装置57は、ステップS611からステップS613に手順を移してセッションにおける操作信号の判定処理(毎秒処理)を継続する。一方、8時10分00秒になって時間帯が8時0分台から8時10分台に変わったら、ステップS611で判定が満たされなくなり、演算処理装置57はステップS611からステップS612に手順を移す。
ステップS612については、次のセッション単位の作業判定及び稼働データの送信手順で説明する。
(2)セッション単位の作業判定及び稼働データの送信手順
図36は本発明の第6の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位の作業判定及び稼働データの送信手順を表すフローチャートである。同図の手順は第5の実施の形態の図28の手順に対応する手順であり、車載マイコン50の演算処理装置57により実行される手順である。
図36のステップS612a−S612fは前の実施の形態のステップS512a−S512f(図28参照)とそれぞれ同様の手順であるが、ステップS612fではリセット項目からセッションカウンタCが省略されている。図28の手順と異なる点は、ステップS612fの後、図36の手順を終えてステップS613(図35)の手順に移行する前に、ステップS612gを実行する点である。ステップS612gの手順を次に説明する。
・ステップS612g
ステップS612gは、要するに次のセッションの時間帯フラグCTを設定する手順である。時間帯が変わって図36の手順に移行してきているので、図35の手順に戻って次のセッションで操作信号を判定処理する場合には時間帯フラグCTの値を更新する必要がある。更新は次のようにローテーションするだけである。
CT=0の場合、CT=1;
CT=1の場合、CT=2;
CT=2の場合、CT=3;
CT=3の場合、CT=4;
CT=4の場合、CT=5;
CT=5の場合、CT=0
先の例(CT=0)では、CT=0のセッションが終了したので、演算処理装置57はCT=1として図35の手順に戻る。これによって操作信号の判定処理が10分繰り返され、8時20分(M=20)になったら再び図36の手順が実行されて次のセッション分の稼働データがサーバ60に送信される。
本実施の形態によっても第5の実施の形態と同様の動作を実現でき、同様の効果を得ることができる。
(第7の実施の形態)
本実施の形態が他の実施の形態と相違する点は、掘削操作時間TDと積込操作時間TLの決め方にある。前述した各実施の形態では評価係数Rを算出してその値に応じて掘削及び積込を判定する例を説明したが、本実施の形態では作業単独操作時間Tf’をそのまま掘削操作時間TDとし(TD=Tf’)、操作時間T2(原動機稼働時間T1−無操作時間Ti)から走行単独操作時間Tt’及び掘削操作時間TDを除いた時間を積込操作時間TLとする(TL=T2−Tt’−TD=T1−Ti−Tt’−TD)。
例としてこの作業判定手順を第5の実施の形態に適用した場合を説明する。第5の実施の形態における図27−図31のうち掘削/積込の作業判定の手順を含まない図27、図30及び図31の手順については本実施の形態を適用しても処理内容は変わらないため説明を省略し、図28及び図29に対応する手順のみ次に説明する。
図37は本発明の第7の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位の作業判定及び稼働データの送信手順を表すフローチャートである。同図の手順は第5の実施の形態の図28の手順に対応する手順であり、車載マイコン50の演算処理装置57により実行される手順である。図37のステップS712a,S712c,S712eの手順は図28のステップS512a,S512d,S512fとそれぞれ同様の手順であるが、本実施の形態では評価係数Rは算出せず、ステップS712bで、原動機稼働時間T1、無操作時間Ti、作業単独操作時間Tf’、走行単独操作時間Tt’を基に、掘削操作時間TD(=Tf’)、積込操作時間TL(=T2−Tt’−TD=T1−Ti−Tt’−TD)を算出している点で異なる。合計積込操作時間ΣTLについても、ステップS712dで同じ方法により算出している(ΣTL=ΣT1−ΣTi−ΣTt’−ΣTD)。ΣTDはΣTf’と同義である。他は図28と同様である。
図38は本発明の第7の実施の形態に係る作業判定システムによる電源入り時間単位の作業判定及び稼働データの送信手順を表すフローチャートである。同図の手順は第5の実施の形態の図29の手順に対応する手順であり、車載マイコン50の演算処理装置57により実行される手順である。図38のステップS714,S716,S718,S719の手順は図29のステップS514,S517,S519,S520とそれぞれ同様の手順であるが、本実施の形態では評価係数Rは算出せず、ステップS715でステップS712b(図37参照)と同様に掘削操作時間TD、積込操作時間TLを算出している点で異なる。合計積込操作時間ΣTLについても、ステップS717でステップS712d(図37参照)と同様に算出している。他は図29と同様である。
本実施の形態においては、上記のように作業単独操作時間Tf’を掘削操作時間TD、操作時間T2から走行単独操作時間Tt’及び掘削操作時間TDを除いた時間を積込操作時間TLとしている。この点について次に説明する。
まず、走行操作は作業場所を変更する場合の他、他の操作と合わせてされる場合がある。例えばバケット33を地面に突き機体を支えつつ走行して油圧ショベル1を台車に対して乗降させたり湿地から脱出させたりする作業、法面作業の均し作業等が例である。しかし、これら複合操作による作業は作業場所を変更する目的のものではなく、また油圧ショベルの本来的な作業とは異なる作業、或いは稀な作業であるため考慮から外しこととし、本実施の形態では走行単独操作時間Tt’を意図的な作業場所の変更に伴う走行操作時間として扱う。
次に、作業装置30を用いた作業では、掘削位置にバケット33を移動させるときは作業装置30と旋回体20を同時に動作させることが多いが、掘削作業そのものでは基本的に旋回操作はせず作業装置30のみを動かす。このことから、本実施の形態では作業単独操作時間Tf’をそのまま掘削操作時間TDとして扱う。
そして、この前提下では、操作時間T2から走行単独操作時間Tt’と掘削操作時間TD(作業単独操作時間Tf’)を除いた時間は、主に旋回及び作業の複合操作時間か旋回単独操作時間のいずれかと考えられる。これら作業はバケット33に入った土砂を放土する作業やダンプトラックへの土砂の積込作業に対応する。
したがって、作業単独操作時間Tf’を掘削操作時間TD、操作時間T2から走行単独操作時間Tt’及び掘削操作時間TDを除いた時間を積込操作時間TLとする作業判定でも、一定の妥当性が期待できる。そして、この場合に得られる各作業内容別時間についても、無操作時間Ti、走行単独操作時間Tt’、作業単独操作時間Tf’を基に、操作時間=走行作業+掘削作業+積込作業という結果が得られる。したがって、前の各実施の形態と同様の効果が得られる。
図39−図41はそれぞれ本実施の形態によるレポートの例を表す図であり、第5の実施の形態のレポート例(図32−図34)にそれぞれ対応している。第5の実施の形態と比較すると、作業内容別の操作時間の比率が若干変わっているところも見受けられる。実作業と判定結果とを照合しつつ、いずれの判定方法が建設機械や作業現場に適しているかが選択できる。
(第8の実施の形態)
図42は本発明の第8の実施の形態に係る作業判定システムによるセッション単位の作業判定及び稼働データの送信手順を表すフローチャートである。同図の手順は第7の実施の形態の図37の手順に対応する手順である。
本実施の形態は前2つの実施の形態を組み合わせた例であり、ステップS812a−S812dは第7の実施の形態のステップS712a−S712d(図37参照)、ステップS812e,S812fは第6の実施の形態のステップS612f,S612g(図36参照)とそれぞれ同様である。この例のように前に説明した第1−第7の実施の形態は適宜組み合わせることができ、組み合わせによって前の実施の形態の各効果を適宜得ることができる。
(その他)
以上の各実施の形態において、電源入り時間T0を通した稼働データは、電源が切れる度に車載マイコン50から送信される態様としたが、サーバ60からの要求に応じて車載マイコン50からサーバ60に送信される構成とすることもできる。また、RTC52と電源装置53の機能によって特定の時刻(例えば午前0時)に自動的に車載マイコン50の電源が入ってサーバ60に送信される構成とすることもできる。後者の場合、特定時刻に稼働データを受信して一日単位のレポートを作成したい場合に有用である。
また、演算処理装置57による操作信号の判定を毎秒処理とした、すなわち作業判定処理システムによる操作信号のサンプリング周期を1秒とした場合を例に挙げて説明したが、サンプリング周期は適宜変更可能である。サンプリング周期を短くした場合には作業判定の基となるデータが増えるので作業内容の判定精度の向上が期待でき、長くしても要求される精度上特に問題なければ作業内容処理システムの処理負担を軽減することができる。更には、サンプリング周期毎に作業内容別の操作時間をカウントアップする計時方法に限らず、例えば操作信号の判定結果から、入力パターンの変化した時刻を取得していき、時刻の差分をとって作業内容別の操作時間を計時する方法も考えられる。
また、図4に示したように、走行装置11、旋回体20及び作業装置30の動作を指示する各操作信号として、3種の操作信号St,Ss,Sfを車載マイコン50に入力する構成を例示したが、このようにまとめず、左走行装置の前進を指示する信号、右旋回を指示する信号、ブーム上げ動作を指示する信号、バケットクラウドを指示する信号・・・等の個々の信号を直接車載マイコン50に入力し、車載マイコン50側で走行操作信号St、作業操作信号Sf、旋回操作信号Ssのいずれに該当するのかを判断する構成とすることもできる。
また、稼働データ取得手順からレポート作成手順を含めた一連の作業判定手順を車載マイコン50とサーバ60とで分担して実行する場合を例に挙げて説明したが、車載マイコン50とサーバ60の役割分担については適宜変更可能である。また、車載マイコン50かサーバ60のいずれか一方で一連の作業判定手順を実行する構成とすることも考えられる。例えば、油圧ショベル1の運転室22の車載モニタを情報提供装置66として、一連の手順を車載マイコン50で全て実行し車載モニタにレポートを出力する構成とすることもできる。また、レポート作成の手順までを車載マイコン50で実行し、サーバ60にレポートを送信する構成も考えられる。この場合、サーバ60で多数の油圧ショベル1を管理する場合にはサーバ60の負担を軽減できるメリットがある。反対に、油圧ショベル1では操作信号を処理せず、検出された操作信号を逐次サーバ60に送信し、サーバ60側で操作信号の判定の手順から実行する構成も考えられる。この場合には、車載マイコン50の負担が軽減される。
また、油圧ショベル1を本発明に係る作業判定システムの適用対象として例示したが、ホイールローダやクレーン等の他の建設機械にも本発明は適用し得る。また、クローラ式の建設機械に限らず、ホイール式の建設機械にも本発明は適用可能である。さらに、原動機Eとしてエンジン(内燃機関)を用いた建設機械を適用対象として例示したが、電動モータを原動機とする建設機械にも本発明は適用可能である。
さらに、パイロット操作式の操作装置を搭載した建設機械を適用対象とし、パイロット圧(油圧信号)を操作信号とする場合を例に挙げて説明したが、例えば電気レバー装置等の電気操作式の操作装置を搭載した建設機械を適用対象とすることもでき、この場合には操作信号は電気信号となる。また、建設機械がリモコン操作される場合もあり、このような場合でも本発明は適用可能である。この場合には無線信号を操作信号として受信することで同様の処理をすることができ、更にはサーバ60に繋げた受信機をリモコンの信号の到達距離の範囲内に設置しておけば、車載マイコン50を経由せずにリモコンの操作信号を直接サーバ60に送信することも可能である。この場合、作業判定システムの構成要素としての車載マイコン50は省略し得る。
1 油圧ショベル(建設機械)
11 走行装置
26L,26R,27L,27R 操作装置
30 作業装置
55 GPS(位置情報取得装置)
57,63 演算処理装置
57b 原動機稼働時間演算装置
57c 操作信号判定装置
57d 無操作時間演算装置
57e 走行単独操作時間演算装置
57f 作業単独操作時間演算装置
57i,63c 作業判定装置
57k,63e レポート作成装置
66 情報提供装置
E 原動機
R 評価係数
Sf 作業操作信号
Ss 旋回操作信号
St 走行操作信号
T1 原動機稼働時間
T2 操作時間
Tf’ 作業単独操作時間
Ti 無操作時間
Tt’ 走行単独操作時間
TD 掘削操作時間
TL 積込操作時間
Tn 設定時間(一定時間)
ΔT0 設定時間

Claims (10)

  1. 原動機、走行装置、作業装置、並びにこれら走行装置及び作業装置の動作を指示する操作装置を有する建設機械の作業判定システムであって、
    前記操作装置から入力された操作信号を判定する操作信号判定装置と、
    前記操作装置から操作信号が入力されなかった無操作時間を演算する無操作時間演算装置と、
    前記走行装置に対する操作信号のみが入力された走行単独操作時間を演算する走行単独操作時間演算装置と、
    前記作業装置に対する操作信号のみが入力された作業単独操作時間を演算する作業単独操作時間演算装置と、
    前記無操作時間、前記走行単独操作時間、前記作業単独操作時間を基に前記建設機械の作業内容を判定する作業判定装置と
    を備えたことを特徴とする作業判定システム。
  2. 請求項1の作業判定システムにおいて、前記作業内容の判定結果を含む稼働データを提供する情報提供装置を備えたことを特徴とする作業判定システム。
  3. 請求項2の作業判定システムにおいて、
    前記原動機の稼働時間を演算する原動機稼働時間演算装置を備え、
    前記作業判定装置は、前記原動機の稼働時間のうちの前記無操作時間を除いた操作時間、前記走行単独操作時間、及び前記作業単独操作時間を基に、前記操作時間における作業内容を更に判定することを特徴とする作業判定システム。
  4. 請求項3の作業判定システムにおいて、前記作業判定装置は、前記操作時間と前記作業単独操作時間とを基に評価係数を演算し、この評価係数に応じて作業内容を判定することを特徴とする作業判定システム。
  5. 請求項3の作業判定システムにおいて、前記建設機械は油圧ショベルであり、前記作業判定装置は、作業単独操作時間を掘削操作時間と判定し、前記走行単独操作時間と前記掘削操作時間とを前記操作時間から除いた時間を積込操作時間と判定することを特徴とする作業判定システム。
  6. 請求項−5のいずれか1項の作業判定システムにおいて、電源の遮断、設定時間、又は一定時間以上の走行操作信号の入力をセッションの区切りとし、前記作業判定装置に前記セッション毎の作業内容を判定させる演算処理装置を備えたことを特徴とする作業判定システム。
  7. 請求項6の作業判定システムにおいて、
    前記建設機械の位置情報を取得する位置情報取得装置と、
    作業判定結果に位置情報を付加して前記情報提供装置に出力するレポート作成装置と
    を備えたことを特徴とする作業判定システム。
  8. 前記原動機、前記走行装置、前記作業装置、前記操作装置、及び請求項1の作業判定システムを備えたことを特徴とする建設機械。
  9. 原動機、走行装置、作業装置、並びにこれら走行装置及び作業装置の動作を指示する操作装置を有する建設機械の作業判定方法であって、
    前記操作装置から操作信号が入力されなかった無操作時間、前記走行装置に対する操作信号のみが入力された走行単独操作時間、及び前記作業装置に対する操作信号のみが入力された作業単独操作時間を基に、前記建設機械の作業内容を判定することを特徴とする作業判定方法。
  10. 請求項の作業判定方法において、前記原動機の稼働時間のうちの前記無操作時間を除いた操作時間、前記走行単独操作時間、及び前記作業単独操作時間を基に、前記操作時間における作業内容を更に判定することを特徴とする作業判定方法。
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