JP2014227567A - 焼結用造粒原料の製造方法およびその製造設備 - Google Patents

焼結用造粒原料の製造方法およびその製造設備 Download PDF

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Abstract

【課題】ペレットフィードのような難造粒性の微粉鉄鉱石を多く使用する場合でも、造粒時に細粒や微粉が凝集して結合力の弱い粗大な擬似粒子や未造粒粒子になるのを阻止し、大きさが比較的揃った擬似粒子を造粒することのできる技術を提案する。【解決手段】少なくとも微粉鉄鉱石を含む配合原料に水分を添加してミキサーにて混合する混合工程と、混合後の配合原料を1次造粒機にて造粒する1次造粒工程と、1次造粒時に生成した擬似粒子を分級する分級工程と、分級によって生成した粗大粒子を解砕する解砕工程と、解砕によって得られる粒子と分級時の篩下細粒及び未造粒粉とともに合わせて再造粒して2次造粒粒子を得る2次造粒工程と、を有することを特徴とする焼結用造粒原料の製造方法および製造設備。【選択図】図1

Description

本発明は、ドワイトロイド式焼結機で使用される焼結用造粒原料の製造方法およびその製造設備に関する。
焼結鉱は、一般に、粉状の鉄鉱石をその他原料の他、必要に応じて副原料、凝結材等を所定量配合しその配合原料を混合・造粒し、得られたその造粒原料をドワイトロイド式焼結機に装入して焼結することで製造される。ここで、前記配合原料は、造粒時に水分が介在していることで互いに凝集し造粒粒子である擬似粒子となる。そして、擬似粒子となることで焼結機に装入された場合に、焼結機上では装入原料堆積層の通気性確保に寄与することになり、このことによって焼結が円滑に進行するようになる。
近年、焼結原料とする鉄鉱石は、高品質鉄鉱石の枯渇による低品位化、例えばスラグ成分の増加や微粉化の傾向が顕著であり、アルミナ含有量の増大、微粉比率の増大によ
る造粒性の低下が問題となっている。一方、高炉での溶銑製造コストの低減やCO発生量の低減という観点から、高炉で使用する焼結鉱としては、低スラグ比、高被還元性、高強度のものが求められている。
焼結原料用鉄鉱石を取り巻くこのような環境の下で、従来、ペレットフィードと呼ばれるペレット用高品位鉄鉱石である難造粒性の微粉鉄鉱石を使って、高品質の焼結鉱を製造するための技術が提案されている。例えば、こうした従来技術の1つに、Hybrid Pelletized Sinter法(以下、「HPS」という)がある。この技術は、ペレットフィードのような微粉鉄鉱石を多量に含む配合原料をドラムミキサーとペレタイザーとを使って造粒することにより、低スラグ比・高被還元性の焼結鉱を製造しようというものである(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5)。
特公平2-4658公報 特公平6-21297公報 特公平6-21298公報 特公平6-21299公報 特公平6-60358公報
しかしながら、ペレットフィードである微粉鉄鉱石を多量に含む配合原料を造粒すると、微粉鉄鉱石が水分を優先的に吸収するために微粉同士が凝集し、微粉鉄鉱石を多く含む結合強度の弱い粗大な擬似粒子(凝集粒子)が生成するという問題があった。その原因は、ペレットフィードのような微粉鉄鉱石は、濡れ性が同じであれば、比表面積の大きい細粒ほど水分を吸収しやすく、かつ粉体間に多くの水分を保持しやすいためと考えられる。
結合強度の弱い粗大な擬似粒子が生成すると、図1(a)に示すように、粒径が不揃いで粒度分布が広くなるため、焼結機上へ充填したときに緻密な充填構造となり、かさ密度が大きくなる。しかも、このような結合強度の弱い粗大な擬似粒子は、焼結機のパレット上に装入されたときに形成される原料充填層(堆積層)の中で圧縮されて変形しやすくなるため、該原料充填層の空隙率を下げ、ひいては通気性の悪化を招いて焼結機操業の阻害要因となる。また、該微粉鉄鉱石を配合したものは、造粒時に用いられるバインダーである生石灰使用量の増加を招き、ひいては、焼結鉱製造コストを増大させるという問題もあった。
このような問題に対しては、予備造粒技術を採用するとよいことが知られている。例えば、粒径0.5mm以下の部分が30mass%以上の焼結原料を造粒するに際して、該原料を高速攪拌機で実質的に破砕することなく剪断力を与えながら混合造粒し、このときに造粒原料の含水量を6.5〜10.0%とする焼結原料の事前処理方法(特許第2790008号)が開示されている。
この攪拌羽根を有する高速攪拌機を用いる方法は、鉄鉱石粉を破砕するのではなく剪断力を加えること及び水分の均一化と吸収水分の粒子表面への染み出しを促進することにより、粒度の均一化を図る技術である。しかし、この高速攪拌機を用いる方法では、この攪拌機に装入された全ての配合原料にこの処理を施す必要が生じて設備規模が大きくなるという問題があった。また、処理速度を上げるために滞留時間を短くすると、水分均一化に必要な時間を十分に確保できなくなるという問題もあった。さらには、破砕することなく剪断力を与えながら混合して造粒するため、細粒あるいは微粉同士が再凝集して結合強度の弱い粗大な擬似粒子となることがあり、問題の解決には不十分であった。
本発明は、ペレットフィードのような難造粒性の微粉鉄鉱石を多く使用する場合でも、造粒時に細粒や微粉が凝集して結合力の弱い粗大な擬似粒子や未造粒粒子になるのを阻止し、大きさが比較的揃った擬似粒子を造粒することのできる技術を提案する。
即ち、本発明は、図1(b)で示すように、焼結機のパレット上に装入されたときに良好な通気性を示す、所謂、粒径が比較的揃った粒度分布の狭い擬似粒子からなる焼結用造粒原料の製造方法とそのための製造設備を提案する。
発明者らは、ペレットフィードやテーリング鉱のような難造粒性の微粉鉄鉱石粉を含む配合原料を造粒する工程において、細粒や微粉が凝集して結合力の弱い粗大な擬似粒子(単に微粉等が凝集しているにすぎない凝集粒子等)が発生する他、未造粒粉を生成して大きな粒度分布をもつことで、焼結機における操業時に、パレット上の原料充填層の通気性を悪化させるという問題点を克服することを目指した。そのための方法として、本発明では、粒径の大きな粗大擬似粒子のみを分級した上でこれを解砕してから、篩下粉粒などと共に再び造粒することにより、結合力の弱い擬似粒子が製品となるのを阻止し、粒径が比較的揃った粒度分布の小さく結合強度の大きい擬似粒子からなる焼結用造粒原料を製造する方法と、そのための製造設備を提案する。
即ち、本発明は、1次造粒中に発生する結合強度が小さい粗大な擬似粒子を篩分け機等で分級してこれを解砕し、その後、分級時の篩下の細粒(未造粒粉を含む)と合わせて2次の造粒を行なう方法を提案する。一般に、配合原料はドラムミキサーやパンペレタイザー内で転動する中で次第に粒成長するが、特に、その表層付近では微粉鉄鉱石を多く配合した場合に粒径の大きい粗大な擬似粒子が生成すると共に、未造粒粉をも発生して全体としてはかなり粒度分布の幅が大きい、即ち、粗大粒から微細粒までが混在したものが生成する。
そこで、本発明では、そのようにして生成した造粒粒子のうちの結合力の弱い粗大粒子のみを対象としてこれを解砕し、かつ混合原料中に水分を均一に分配できるようにする。そのための方法として、特に、粗大粒子のみを分級して専用の解砕機、例えば、アイリッヒミキサーなどに入れて解砕し、その解砕された粒子を分級時の篩下の細粒(未造粒粉を含む)と共に2次造粒機に入れて、再度、適正な粒度(粒径の揃った粒度分布が小さいもの)の粒子に再造粒する方法である。
即ち、本発明は、第1に、少なくとも微粉鉄鉱石を含む配合原料に水分を添加してミキサーにて混合する混合工程と、混合後の配合原料を1次造粒機にて造粒する1次造粒工程と、1次造粒時に生成した擬似粒子を分級する分級工程と、分級によって生成した粗大粒子を解砕する解砕工程と、解砕によって得られる粒子と分級時の篩下細粒及び未造粒粉とともに合わせて再造粒して2次造粒粒子を得る2次造粒工程と、を有する焼結用造粒原料を製造する方法を提案する。
本発明は、第2に、少なくとも微粉鉄鉱石を含む配合原料を混合する混合機、該混合機の下流側に設置された1次造粒機、該1次造粒機の出側に配設された分級機、この分級機の出側に配設された解砕機、該分級機と解砕機との出側に配設され、分級後の解砕粒子と分級時篩下細粒とを合わせて再造粒する2次造粒機からなる焼結用造粒原料の製造設備を提案する。
前記のように構成される本発明では、
(1)分級−解砕の対象となる1次造粒時に生成する前記擬似粒子は、粒径の大きさが8mm以上の粒子であること、
(2)前記2次造粒処理は、120秒以上行なうこと、
(3)前記解砕は、アイリッヒミキサーを用いて行なうこと、
(4)前記微粉鉄鉱石は、粒径の大きさが125μm以下のペレットフィードおよび/またはテーリング鉱であること、
(5)分級−解砕後の粒子は、粒径:1mm〜8mm程度にすること、
(6)前記2次造粒工程の後に、この工程を経て製造された擬似粒子表面にコークス粉を付着させて焼結用造粒原料とする工程を設けること、
がより好ましい解決手段になると考えられる。
(1)本発明によれば、ペレットフィードやテーリング鉱のような高品位であるが難造粒性の微粉鉄鉱石を焼結用配合原料として多量に使用することができるようになり、低スラグ比で高被還元性、高強度の焼結鉱を有利に製造することができる。そのため、高炉操業においては、炉内に装入する塊コークスの使用量を低減させることができるようになる。その結果、高炉からのCO発生量の大幅な削減ができると共に生産性の向上が期待できる。しかも、高炉でのスラグ発生量が低減することにより、環境への負荷を軽減させることができる。
(2)また、本発明によれば、製造される成品焼結鉱の強度を上げることができると共に歩留を向上させることができるから、粉コークス使用量の低減が可能となる。また、焼結用配合原料中の粉コークスの使用量が少なくなることから、焼結鉱製造時のCO発生量の低減が可能になる。
(3)さらに、本発明によれば、微粉鉄鉱石の造粒時に使用される生石灰(バインダー)の使用量が削減できることから、焼結鉱の製造コストの低減を図ることができる。
従来の粒子充填層(a)と本発明の粒子充填層(b)の模式図である。 擬似粒子の構造(a、b)を示す模式図である。 本発明に係る焼結用造粒原料製造プロセス・設備の一例を示す略線図である。 微粉(PF)配合の有無による擬似粒子の粒度分布図の違いを示すグラフである。 ペレタイザー内での造粒(a)および解砕の様子を示す従来法(b)と発明法(c)との比較写真である。 粗粒・細粒を配合したときの強度測定結果の比較を示すグラフである。 従来法と本発明法で造粒したときの粒度分布図である。 本発明に適合する焼結試験での操業結果を示すグラフである。 従来法と本発明法(ペレットフィード40mass%配合時)との焼結試験での操業結果を示す比較グラフである。 従来法と本発明法(テーリング鉱20mass%配合時)との焼結試験での操業結果を示す比較グラフである。 従来法と本発明法(ペレットフィード40mass%+テーリング鉱20mass%配合時)との焼結試験での操業結果を示す比較グラフである。 各種鉄鉱石の粒度分布例を示すグラフである。
図2(a)、(b)は、擬似粒子の構造を示すものである。また、図3は、本発明に係る焼結用造粒原料製造設備例を示すものであって、配合槽1から切り出された配合原料(ペレットフィードやテーリング鉱のような微粉を含む鉄鉱石粉および副原料粉)は、まず、1次造粒機となるドラムミキサー2にて混合−造粒される。その後、その1次擬似粒子はパンペレタイザー3に送給されて造粒処理される。混合工程および造粒工程ではそれぞれ水分を添加して、所定の造粒水分になるように調整され、所定の擬似粒子が得られる。
図2(a)は、ペレットフィードのような前記の微粉鉄鉱石を多く使用した時に形成される擬似粒子のうち、鉄鉱石の細粒あるいは微粉同士だけが水分を介して凝集した状態の微粉鉄鉱石を多く含む結合力の弱い粗大な擬似粒子(凝集粒子)の例を示している。一般に、配合原料中に微粉鉄鉱石を多く含む場合、ドラムミキサーのような造粒機内で転動しながら粒状化させる際に、回転中心側の原料層表層付近に粗大な擬似粒子が偏在するようになる。これは、転動粒子同士の篩い分け効果(パーコレーション)により、細粒が下層に、粗粒が上層に偏析する現象によるものであり、このような粒子は、微粉が単に凝集したにすぎない粗大で結合力の弱い凝集擬似粒子になりやすく、粒度分布の大きい擬似粒子になりやすい。
これに対し、図2(b)は、中心部の核粒子のまわりに、粉を塗布したように付着した構造を有しかつ粒径が比較的揃った擬似粒子の例であって、本発明が目指すものである。後者の擬似粒子の方が前者の擬似粒子よりも一般的に、粒径が小さく粒径が揃った(粒度分布の小さい)強度の大きいものになることが、発明者らが行なった実験によって明らかになっている。
なお、微粉鉄鉱石を多く含む配合原料を造粒すると、前記の粗大擬似粒子(+10mm)の他、未造粒(−0.25〜+0.25mm)のものも多く生成する。その結果、粒度分布の幅が大きくなる。
図4は、平均粒径:約0.05mmのペレットフィードの配合量を0mass%と40mass%としたときの擬似粒子の粒度分布(Wet状態)を示すものである。粒度は、小さいものから−0.25mm、+0.25m、+0.5mm、+1.0mm、+1.5mm、+2.83mm、+4.75mm、+8mm、+10mm、+15mmである。この図からわかるように、ペレットフィード(PF)のような微粉鉄鉱石の配合量を40mass%とした場合は、未造粒の細粒(−0.25〜+0.25)と、粗粒(+9mm、+10mm、+15mm)の比率が増加する。
図5は、1次造粒機2内部における転動中の擬似粒子の外観写真(a)であり、配合原料転動層の表層部付近の造粒中の粒子の状態を高速度カメラで撮影したものである。図中の(b)と(c)は、従来法によるもの(b)、本発明法によるもの(c)との比較写真である。図5に示すように、ドラムミキサー2の回転運動にともない、装入された配合原料は、該ミキサー内の上方位置に持ち上げられ、やがて自重により下方に向かって落下する運動を繰り返しながら次第に大きな粒子に成長していく。
ところで、ドラムミキサー2内に装入された配合原料の転動層7は、基本的には回転胴の中心に向って動くため、その中心部に粗粒が多く集まるようになる。これは、パーコレーション現象によるものであり、その結果、転動層表層部に粗大粒が不可避に生成する。本発明では、そうした粗大な擬似粒子のみを分級して除き、これを別途解砕するために、前記1次造粒機2の後に分級用振動篩機3と解砕機4とを配設する。
なお、本発明に係る焼結用造粒原料製造設備における前記解砕機4については、解砕羽根4aの回転方向を制御することも重要になる。本発明では、前記解砕羽根4aは解砕機4本体の回転方向と逆向きとする。それは解砕後の粒子が転動時によく飛び散るようにするためである。この理由は、擬似粒子の解砕により、該擬似粒子中の水分の飛沫を転動中の原料に効率よく再配分し、かつ、解砕後の細粒や破片を再分散させることで、水分の均一化と粒径の均一化を図る上で効果的になるからである。また、この解砕機の解砕羽根4aの回転数に関しては、高速ほど解砕効率が高くなるが、過度になると解砕効果が大きくなりすぎて擬似粒子平均径が大幅に低下する場合がある。
以上説明したように、本発明では、1次造粒粒子のうち、粒度分布を大きくしている粗大擬似粒子について、これを分級−解砕して適当な大きさに再造粒することが有効であるとの知見から、そうした粗大擬似粒子、例えば10mm以上30mm未満のものをローラースクリーンや振動篩機などにて一旦分級した上で、篩上となる10mm以上の粗粒のみを専用の解砕機4、例えば、アイリッヒミキサー(高速攪拌機)などを用いて解砕し、少なくとも9mm程度以下の細粒にすることにした。
ところで、ドラムミキサーやパンペレタイザーのような1次造粒機2で造粒した1次擬似粒子のうち粗大な粒子だけを対象として、これを分級した上で別ラインの専用機(解砕機4)にて解砕するようにした理由は、分級することなく解砕造粒機のような複合機で連続的に解砕−造粒すると、細粒までもが解砕されてしまい全体として擬似粒子の平均粒径の低下を招く他、粒度分布の幅も拡大して原料層における通気性の悪化を招いて望ましくないからである。さらに、粒子径の均等性も損なわれる傾向がある。
しかも、1次造粒機(ドラムミキサー)2内で生成した配合原料転動層の表層部に現われる粒径が10mm以上の粗大な擬似粒子というのは、細粒や微粉同士が単に凝集して粗粒化した凝集粒子であって、核粒子を持たないものが多いことから結合力が弱く、そのために解砕機により比較的容易に解砕(圧壊)できるという利点もある。
このように、微粉鉄鉱石を多く含む配合原料を造粒したときに生成しやすい結合力の弱い擬似粒子は、解砕機4によって細粒(10mm未満)の大きさに解砕され、その後、分級時に篩下となる細粒・微粉と共に2次造粒機5によって再造粒に供され、図2(b)に示すような、結合強度の大きい、粒度分布が小さく粒径の揃った(均等性の大きな)造粒粒子になる。なお、この擬似粒子の表面には、最終的にはさらに図示していない別のドラムミキサーなどを利用して、凝結材(コークス粉等の固体燃料)をコーティングして焼結鉱製造用の原料である焼結用造粒原料とする。
上述したように、微粉鉄鉱石を多く含む配合原料を造粒することによって生成しやすい粗大な擬似粒子は、高水分の微粉同士が凝集して粒状化した結果として粒径が大きくなったものが多く、それ故に、こうした粒子は強度も小さく容易に解砕できるのが普通である。もし、このような結合力の弱い粗大な擬似粒子を焼結機のパレット上に一定の層厚で堆積させると、該擬似粒子に荷重(圧縮力)が加わったときに容易に圧壊され、空隙率の小さい充填構造の焼結造粒原料層となる。その結果、パレット上の造粒原料充填層は通気性の悪いものになって焼結機の操業阻害要因となる。
この点、本発明によって、1次造粒後に分級−解砕−再造粒(2次造粒)という処理工程を経て、望ましくは未造粒の粉とともに主に核粒子をもつような擬似粒子とすることができれば、本来の焼結用造粒原料として望ましい形態の擬似粒子の形成を促すことができる。
なお、前記2次造粒処理は、この処理の時間が短いと、粒成長が不十分となると共に水分の分散も不十分となるので、少なくとも120秒以上、好ましくは180秒程度以上300秒程度行なう。そうすると、造粒粒子(擬似粒子)の平均径も1.7mm〜1.8mm程度となり、焼結機の操業に当たって通気性指数(JPO)(−)は18〜19程度となって、焼成時間や生産率が大幅に改善される。
以下、実施例について説明する。この実施例に用いた主原料は、豪州産鉄鉱石50mass%および南米産鉄鉱石50mass%である。配合原料は、塩基度2.0をベースとし、例えば、ペレットフィードである微粉鉄鉱石を40mass%配合するときには、豪州産鉄鉱石と南米産鉄鉱石の上記配合割合(1:1)は変えずに振り代えることで対応した。その微粉鉄鉱石としては、テーリング鉱も一部に使用した。ここで、テーリング鉱とは、ペレットフィードを製造する過程で発生する残渣のことである。
この実施例では、図3に示すように、配合槽1から切り出した原料(水分:約5%)をミキサーにて混合し、混合後の配合原料粉を1次造粒機2にて水分(約3%)を添加して造粒して擬似粒子を得た。その擬似粒子のうちの核粒子をもたず細粒や微粉同士だけが凝集して生成した粗大な擬似粒子のみを振動篩機にて分級した。即ち、振動篩機の篩上の粒径:10mm以上の粗大粒子を、アイリッヒミキサーを好適例とする解砕機4にて1〜2mm程度の大きさのものに解砕して、該振動篩機を通過した篩下の細粒や未造粒粉と合わせて、2次造粒機5にて再造粒することで、ペレットフィードやテーリング鉱の如き微粉鉄鉱石と、この微粉鉄鉱石に優先的に吸収された水分を焼結用造粒原料中に均一に分散させて、擬似粒子の粒度分布を小さく(整粒化)すると同時に平均粒径を適正な大きさのものにすることで、焼結時の通気性の改善を図り、焼成時間の短縮と、生産性の向上を実現することを目指した。
本発明に適合する前記の方法に従ってアイリッヒミキサー4にて解砕する方法は、回転数:250rpm、羽根径:300mmの解砕羽根4aを有する高速攪拌機を用いて行なった。その解砕羽根4aの回転方向は、パンペレタイザーの回転方向とは逆方向とし、解砕羽根4aの回転面とミキサー内底面とのクリアランスを10mm〜8mmとした。その結果、粒径が10mm以上の前記粗大な擬似粒子は解砕されて、1〜8mm程度の粒子とすることができた。
図6は、本発明方法を適用して造粒した擬似粒子のうちの粗粒(27mm)と細粒(9mm)の圧縮挙動の測定結果を示す。粗粒は低荷重でも著しく変形しやすいことがわかる。また、荷重−変位曲線の最大値、即ち、最大荷重を比較しても、粗粒の方が小さいことがわかる。
図7は、従来法、発明法実施後の、擬似粒子の粒度分布の比較を示すものである。従来法に多く見られた粗大な粒子は、本発明にかかる分級−解砕−2次造粒法では減少している。即ち、後者の方法では、1.0mm〜4.75mmの細粒の比率が増加し、粒径が均一化している。また、平均粒径については、0.6〜0.7mm減少しており、本発明方法の採用が有効であることが確かめられた。
図8は、種々の焼結用造粒原料を用いた焼結試験結果を示すものである。この図に示すように、本発明に適合する方法に従い粗粒を解砕によって除いて10mm未満の細粒を多くした場合、粒度分布が小さく、焼結試験装置への装入嵩密度が低下した。その結果、焼結機の操業に当たっては平均風量が増加して焼結速度が向上し、生産率が向上していた。このことから、焼結鉱製造時にペレットフィードを使用した配合原料を用いたときの通気性は、粒度分布の影響が大きいことがわかった。
図9は、鉄鉱石中の40mass%についてはペレットフィードを配合するという条件において、従来法をベースとして、本発明方法を適用した焼結鉱製造試験結果を示すものである。この図に示すように、本発明法に基づいて製造した焼結用造粒原料を用いて製造した焼結鉱は、焼結機のパレット上に堆積させた焼結用造粒原料充填層(焼結ベッド)の装入嵩密度は小さく、生産性向上の効果が得られることがわかった。
図10は、鉄鉱石中の20mass%についてはテーリング鉱を配合するという条件において、従来法をベースとして、本発明方法を適用した焼結鉱製造試験結果を示すものである。この図に示すように、テーリング鉱を配合して本発明法に基づいて製造した焼結用造粒原料を用いて製造した焼結鉱は、図9のペレットフィードを配合した条件と同様に、焼結用造粒原料充填層(焼結ベッド)の通気性改善、生産性向上効果が得られることがわかった。
図11は、鉄鉱石中の40mass%をペレットフィード、20mass%をテーリング鉱にするという配合条件において、従来法をベースとして、本発明方法を適用した焼結鉱製造試験結果を示すものである。この図に示すように、本発明法に基づいて製造した焼結用造粒原料を用いて製造した焼結鉱は、図9、10のペレットフィードやテーリング鉱を単味で配合した条件と同様に、焼結用造粒原料充填層(焼結ベッド)の通気性改善、生産性向上効果が得られることがわかった。なお、図12は上記焼結試験で用いたペレットフィード、テーリング鉱および粉鉄鉱石の累積粒度分布を示すグラフである。
以上、説明したようにペレットフィードやテーリング鉱のような微粉鉄鉱石を使用すると、焼結生産性は低下するが、以上の焼結鉱製造試験結果から、本発明は、微粉鉄鉱石を使用しても生産性の向上に寄与できることが明らかとなった。
そして、本発明法に基づいて製造した焼結用造粒原料を用いて焼結鉱を製造すると、焼結鉱製造歩留や焼結鉱の強度の向上効果も期待できる。このことは、従来法については粒度の不均一な擬似粒子に粉コークスが被覆されるために、燃焼や着熱が不均一となって歩留が低下するが、本発明の適用により製造された焼結用造粒原料の場合、比較的均一な粒度となるため、粉コークスの賦存状態も適正化される。なお、粉コークスの外装造粒を実施しない場合は、粉コークスや石灰石の均一混合を図るためには造粒前の均−混合が必要となるが、本発明の場合、このような負担は軽減される。
本発明の技術は、焼結用造粒原料の製造のみならず、高炉用原料の製造技術としても適用が可能である。
1 配合槽
2 ドラムミキサー
3 振動篩機
4 解砕機
4a 解砕羽根
5 ドラムミキサー
6 焼結機

Claims (9)

  1. 少なくとも微粉鉄鉱石を含む配合原料に水分を添加してミキサーにて混合する混合工程と、混合後の配合原料を1次造粒機にて造粒する1次造粒工程と、1次造粒時に生成した擬似粒子を分級する分級工程と、分級によって生成した粗大粒子を解砕する解砕工程と、解砕によって得られる粒子と分級時の篩下細粒及び未造粒粉とともに合わせて再造粒して2次造粒粒子を得る2次造粒工程と、を有することを特徴とする焼結用造粒原料の製造方法。
  2. 分級−解砕の対象となる1次造粒時に生成する前記擬似粒子は、粒径の大きさが10mm以上の粒子であることを特徴とする請求項1に記載の焼結用造粒原料の製造方法。
  3. 前記2次造粒処理は、120秒以上行なうことを特徴とする請求項1または2に記載の焼結用造粒原料の製造方法。
  4. 前記解砕は、アイリッヒミキサーを用いて行なうことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の焼結用造粒原料の製造方法。
  5. 分級−解砕後の粒子は、粒径:1mm〜8mm程度にすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の焼結用造粒原料の製造方法。
  6. 前記2次造粒工程の後に、この工程を経て製造された擬似粒子表面にコークス粉を付着させて焼結用造粒原料とする工程を設けることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の焼結用造粒原料の製造方法。
  7. 少なくとも微粉鉄鉱石を含む配合原料を混合する混合機、該混合機の下流側に設置された1次造粒機、該1次造粒機の出側に配設された分級機、この分級機の出側に配設された解砕機、該分級機と解砕機との出側に配設され、分級後の解砕粒子と分級時篩下細粒とを合わせて再造粒する2次造粒機からなることを特徴とする焼結用造粒原料の製造設備。
  8. 分級−解砕の対象となる1次造粒時に生成する前記擬似粒子は、粒径の大きさが10mm以上の粒子であることを特徴とする請求項7に記載の焼結用造粒原料の製造設備。
  9. 前記2次造粒工程の後に、この工程を経て製造された擬似粒子表面にコークス粉を付着させて焼結用造粒原料とする工程を設けることを特徴とする請求項7または8に記載の焼結用造粒原料の製造設備。
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