JP2014226695A - 放電補助式レーザ孔加工装置 - Google Patents

放電補助式レーザ孔加工装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014226695A
JP2014226695A JP2013108155A JP2013108155A JP2014226695A JP 2014226695 A JP2014226695 A JP 2014226695A JP 2013108155 A JP2013108155 A JP 2013108155A JP 2013108155 A JP2013108155 A JP 2013108155A JP 2014226695 A JP2014226695 A JP 2014226695A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser
discharge
hole
irradiation
insulating substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2013108155A
Other languages
English (en)
Inventor
重俊 森
Shigetoshi Mori
重俊 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP2013108155A priority Critical patent/JP2014226695A/ja
Publication of JP2014226695A publication Critical patent/JP2014226695A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)
  • Laser Beam Processing (AREA)

Abstract

【課題】貫通孔形成処理中に、レーザ光学系に加工屑が付着し難い放電補助式レーザ孔加工装置を提供する。【解決手段】レーザ光照射によって絶縁基板に複数の貫通孔を形成し、第1および第2の電極間での放電現象により、前記貫通孔の形状を調整する、放電補助式レーザ孔加工装置であって、レーザ光を放射するレーザ光源と、前記レーザ光を照射レーザ光として、絶縁基板の貫通孔形成位置に照射するレーザ光学系と、放電を発生させる第1および第2の電極と、を有し、前記レーザ光学系は、前記照射レーザ光の出口側に保護カバーを有し、当該放電補助式レーザ孔加工装置は、さらに前記保護カバーの前記照射レーザ光の出射側に気流を生じさせる気流発生手段と、前記絶縁基板から生じる加工屑を吸引する吸引手段と、を備えることを特徴とする放電補助式レーザ孔加工装置。【選択図】図2

Description

本発明は、放電補助式レーザ孔加工装置に関する。
従来より、レーザ光源からのレーザ光を、レーザ光学系を介して絶縁基板に照射することにより、絶縁基板に貫通孔を形成するレーザ照射貫通孔形成技術が知られている(例えば特許文献1)。
米国特許第5493096号明細書 特開2000−263276号公報
前述のように、レーザ照射貫通孔形成技術では、レーザ光照射で絶縁材料を加熱し、絶縁基板に貫通孔を形成できる。
ここで、従来のレーザ照射貫通孔形成技術で形成された貫通孔は、通常、レーザ光の入射側の開口の近傍に、「ネッキング」と呼ばれる狭窄部を有する。このような貫通孔内の狭窄部では、該狭窄部と隣接する位置に比べて、貫通孔の延伸軸に対して垂直な断面の開口寸法が小さくなっている。
このようなネッキングは、貫通孔を有するガラス基板を、例えば、貫通電極付きインターポーザ等として使用する場合などに問題となるおそれがある。
また、従来のレーザ照射貫通孔形成技術では、貫通孔形成処理中に、しばしば、レーザ光学系に、絶縁基板側から生じる加工屑が付着することが認められている。レーザ光学系にそのような加工屑が付着すると、レーザ光のスループットが低下し、最悪の場合、絶縁基板に貫通孔を形成することができなくなるおそれがある。
このため、レーザ光照射によりガラス基板に貫通孔を形成する際に、狭窄部が形成され難く、貫通孔形成処理中に、レーザ光学系に加工屑が付着し難い貫通孔形成技術が要望されている。
なお、一般的なレーザ溶接技術において、レーザ光学系への加工屑の付着を防止するため、レーザ光学系の底部に保護レンズを設けるとともに、この保護レンズの下方で、高速のエアーを横向き(保護レンズと平行な方向)に吹き付ける技術が開示されている(例えば特許文献2)。
しかしながら、このような対応策は、レーザ溶接加工を実施する際には効果が認められても、貫通孔加工用のレーザ加工技術において、同様の効果が得られるかどうかは不明である。レーザ溶接加工と、貫通孔加工とでは、処理の際に発生する加工屑の量に大きな違いがあるからである。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、レーザ光照射によりガラス基板に貫通孔を形成する際に、貫通孔に従来のような大きな狭窄部が生じ難く、貫通孔形成処理中に、レーザ光学系に加工屑が付着し難い放電補助式レーザ孔加工装置を提供することを目的とする。
本発明では、レーザ光照射によって絶縁基板に複数の貫通孔を形成し、第1および第2の電極間での放電現象により、前記貫通孔の形状を調整する、放電補助式レーザ孔加工装置であって、
レーザ光を放射するレーザ光源と、
前記レーザ光を照射レーザ光として、絶縁基板の貫通孔形成位置に照射するレーザ光学系と、
放電を発生させる第1および第2の電極と、
を有し、
前記レーザ光学系は、前記照射レーザ光の出口側に保護カバーを有し、
当該放電補助式レーザ孔加工装置は、さらに
前記保護カバーの前記照射レーザ光の出射側に気流を生じさせる気流発生手段と、
前記絶縁基板から生じる加工屑を吸引する吸引手段と、
を備えることを特徴とする放電補助式レーザ孔加工装置が提供される。
ここで、本発明による放電補助式レーザ孔加工装置において、前記気流発生手段は、前記照射レーザ光の伝播方向と略交差する方向に流れる気流を生じさせてもよい。
あるいは、本発明による放電補助式レーザ孔加工装置において、前記気流発生手段は、前記照射レーザ光の伝播方向と略平行な方向に流れる気流を生じさせてもよい。
また、本発明による放電補助式レーザ孔加工装置において、前記気流発生手段は、前記保護カバーを覆うように配置されたカバー部材を有し、
該カバー部材は、開口およびガス導入口を有し、前記開口は、前記保護カバーの照射レーザ光の出口に対向して設けられてもよい。
また、本発明による放電補助式レーザ孔加工装置において、前記吸引手段は、前記絶縁基板と前記保護カバーの間に配置された吸引ノズルを有してもよい。
あるいは、本発明による放電補助式レーザ孔加工装置において、前記吸引手段は、前記レーザ光学系を取り囲むハウジングと、該ハウジングの排気口に接続された排気装置とを有してもよい。
また、本発明による放電補助式レーザ孔加工装置では、前記保護カバーを交換せずに、絶縁基板に150000個以上の貫通孔を形成可能であってもよい。
本発明では、レーザ光照射によりガラス基板に貫通孔を形成する際に、貫通孔に従来のような大きな狭窄部が生じ難く、貫通孔形成処理中に、レーザ光学系に加工屑が付着し難い放電補助式レーザ孔加工装置を提供できる。
従来のレーザ照射貫通孔形成装置の構成の一例を概略的に示した図である。 本発明の一実施例による第1の放電補助式レーザ孔加工装置の構成の一例を概略的に示した図である。 本発明の一実施例による第2の放電補助式レーザ孔加工装置の構成の一例を概略的に示した図である。 本発明の一実施例による第3の放電補助式レーザ孔加工装置の構成の一例を概略的に示した図である。 本発明の一実施例による第3の放電補助式レーザ孔加工装置の一部を模式的に示した図である。
以下、図面を参照して、本発明について説明する。
(従来のレーザ照射貫通孔形成装置について)
本発明についてより良く理解するため、まず、図1を参照して、一般的なレーザ照射貫通孔形成加工装置の構成について説明する。
図1には、従来のレーザ照射貫通孔形成装置の構成の一例を概略的に示す。
図1に示すように、従来のレーザ照射貫通孔形成装置100は、レーザ光源110と、レーザ光学系120を有する。
レーザ光源110は、レーザ光学系120に向かってレーザ光113を照射する役割を有する。レーザ光学系120は、例えば1または2以上のレンズを含む。レーザ光学系120は、レーザ光源110から照射されたレーザ光113を、絶縁基板190の貫通孔形成位置183に収束させる役割を有する。
このようなレーザ照射貫通孔形成装置100を用いて、絶縁基板190に貫通孔を形成する際には、レーザ光源110からレーザ光学系120に向かって、レーザ光113が照射される。レーザ光113は、レーザ光学系120により収束され、照射レーザ光115となる。この照射レーザ光115は、絶縁基板190の貫通孔形成位置183に照射される。
これにより、絶縁基板190の貫通孔形成位183の温度が局部的に上昇し、絶縁材料185に貫通孔が形成される。
次に、ステージ(図示されていない)を水平方向に移動させ、絶縁基板190を所定の場所に配置する。その後、同様の工程により、第2の貫通孔が形成される。
このような工程を繰り返すことにより、絶縁基板190に複数の貫通孔を形成できる。
ここで、このようなレーザ照射貫通孔形成装置100を用いて、絶縁基板190に複数の貫通孔185を形成した場合、貫通孔形成処理中に、しばしば、レーザ光学系120に、絶縁基板190側から生じる加工屑が付着するという問題が生じる。レーザ光学系120にそのような加工屑が付着すると、照射レーザ光115のスループットが低下し、最悪の場合、絶縁基板190に貫通孔を形成することができなくなるおそれがある。
そこで、このような問題に対処するため、前述の特許文献2に記載のような対応、すなわち、レーザ光学系の底部に保護レンズを設けるとともに、この保護レンズの下方で、高速のエアーを横向き(保護レンズと平行な方向)に吹き付けることが考えられる。
しかしながら、特許文献2に記載に記載の対応策は、レーザ溶接加工を実施する際には効果が認められても、貫通孔加工用のレーザ加工技術において、同様の効果が得られるかどうかは不明である。レーザ溶接加工と、貫通孔加工とでは、処理の際に発生する加工屑の量に大きな違いがあるからである。
特に、後述するような、本発明に利用される放電補助式レーザ孔加工技術では、レーザ光照射の際に加えて、放電処理の際にも、絶縁基板側から、相当の加工屑が生じる。また、放電補助式レーザ孔加工技術では、比較的高速で多数の貫通孔が形成される。従って、放電補助式レーザ孔加工技術において、貫通孔形成処理中に生じる加工屑の量は、一般的なレーザ貫通孔加工と比較しても、より多くなる。
このように、前述のような、発生する加工屑の量が少ないレーザ溶接加工を想定した対応策では、レーザ溶融式放電除去技術におけるレーザ光学系への加工屑の付着を十分に回避することは難しいという問題がある。
これに対して、本発明では、
レーザ光照射によって絶縁基板に複数の貫通孔を形成し、第1および第2の電極間での放電現象により、前記貫通孔の形状を調整する、放電補助式レーザ孔加工装置であって、
レーザ光を放射するレーザ光源と、
前記レーザ光を照射レーザ光として、絶縁基板の貫通孔形成位置に照射するレーザ光学系と、
放電を発生させる第1および第2の電極と、
を有し、
前記レーザ光学系は、前記照射レーザ光の出口側に保護カバーを有し、
当該放電補助式レーザ孔加工装置は、さらに
前記保護カバーの前記照射レーザ光の出射側に気流を生じさせる気流発生手段と、
前記絶縁基板から生じる加工屑を吸引する吸引手段と、
を備えることを特徴とする放電補助式レーザ孔加工装置が提供される。
このような本発明による放電補助式レーザ孔加工装置では、絶縁基板から生じる加工屑の少なくとも一部は、吸引手段によって吸引できる。このため、絶縁基板から発生、飛散する加工屑そのものの量が有意に抑制される。
さらに、本発明による放電補助式レーザ孔加工装置では、気流発生手段によって、保護カバーの照射レーザ光の出射領域(以下、単に「保護カバーの出射領域」と称する)の下側に、気流が形成される。この気流は、絶縁基板から生じる加工屑が保護カバーの出射領域に到達することを回避または抑制できる。
従って、これらの効果により、本発明による放電補助式レーザ孔加工装置では、貫通孔形成処理中に、絶縁基板から生じる加工屑が保護カバーの出射領域に付着することを有意に抑制できる。また、これにより、放電補助式レーザ孔加工装置の使用中に、照射レーザ光のスループットが低下し、絶縁基板に貫通孔を形成することができなくなるという問題を、有意に軽減することが可能となる。
なお、本願において、「放電補助式レーザ孔加工技術」とは、以下に示すような、絶縁基板に対するレーザ光照射によって絶縁基板の照射領域に貫通孔を形成し、その後電極間放電現象により、前記貫通孔の形状を調整する技術の総称を意味する。なお、孔形状の調整とは、レーザ光照射によって絶縁基板に複数の貫通孔を形成した際に生じるネッキングを低減することを意味する。ここで「ネッキング」とは、レーザ加工後に貫通孔内に形成され得る突出部分を意味する。
本発明では、「放電補助式レーザ孔加工技術」を利用するため、貫通孔に従来のような大きな狭窄部が生じ難いという効果が得られる。
(本発明の一実施例による放電補助式レーザ孔加工装置について)
次に、図2を参照して、本発明の一実施例による放電補助式レーザ孔加工装置について説明する。
図2には、本発明の一実施例による放電補助式レーザ孔加工装置(以下、「第1の放電補助式レーザ孔加工装置」と称する)の構成の一例を概略的に示す。第1の放電補助式レーザ孔加工装置200は、放電補助式レーザ孔加工技術により、絶縁基板に1または2以上の貫通孔を形成できる。
図2に示すように、第1の放電補助式レーザ孔加工装置200は、レーザ光源210と、レーザ光学系220と、直流高電圧電源225と、第1の電極240および第2の電極245とを有する。
レーザ光源210は、レーザ光学系220に向かってレーザ光213を照射する役割を有する。レーザ光学系120は、例えば1または2以上のレンズを含む。レーザ光学系220は、レーザ光源210から照射されたレーザ光213を、絶縁基板290の貫通孔形成位置283に収束させる役割を有する。
第1の電極240および第2の電極245は、それぞれ、導体250および255と電気的に接続されており、これらの導体250および255は、直流高電圧電源225と接続されている。
第1の電極240と第2の電極245は、形状および配置形態が異なっている。すなわち、第1の電極240は、針状の形状を有し、絶縁基板290から離して配置されている。これに対して、第2の電極245は、略平板状の形状を有し、絶縁基板290の直下に、絶縁基板290と接するように配置されている。第2の電極245は、絶縁基板290を置載するステージとしての機能を兼ねることができる。
しかしながら、これは、単なる一例であって、第2の電極245は、例えば、絶縁基板290の直下に、絶縁基板290から離して配置してもよい。また、第2の電極245は、第1の電極240と同様の針状の形状を有してもよい。この場合、第1の電極240と、絶縁基板290を挟んで対向する位置にある第2の電極との間で、一組の電極対が構成される。
なお、図2には、示されていないが、第1の放電補助式レーザ孔加工装置200は、さらに、高周波高圧電源を有してもよい。ただし、高周波高圧電源の設置は、任意である。
ここで、図2に示すように、この第1の放電補助式レーザ孔加工装置200は、さらに、気流発生手段260、および吸引手段270を有する。また、第1の放電補助式レーザ孔加工装置200において、レーザ光学系220の照射レーザ光215の出射側には、保護カバー223が設置されている。
保護カバー223は、レーザ光学系220の照射レーザ光215の出射側を保護するために設けられる。保護カバー223は、レーザ光学系220から照射される照射レーザ光215に影響を及ぼさない部材、例えばガラス等で構成される。なお、保護カバー223は、例えば、レンズ等であってもよい。
気流発生手段260は、貫通孔形成処理の際に、絶縁基板290から生じる加工屑が保護カバー223の出射領域に到達することを抑制する役割を有する。
例えば、図2の例では、気流発生手段260は、第1の端部262から気体を噴出することが可能な配管261を有する。
配管261は、第1の端部262の高さレベルが保護カバー223と絶縁基板290の間に位置するように配置される。また、配管261の第2の端部は、ガス源(図示されていない)に接続される。さらに、配管261の第1の端部262は、該第1の端部262から噴出される気体が、保護カバー223の下側の空間で、保護カバー223と略平行な方向に沿って流れるように、保護カバー223の近傍に配置される(図2の黒い矢印F1参照)。
配管261には、各種バルブおよび/または流量計などの計測器などが設置されてもよい。また、配管261が接続されるガス源の種類は、特に限られない。ガスは、例えば、空気または窒素等であってもよい。
なお、図2の例では、配管261は、一つしか示されていない。また、配管261の第1の端部262は、上面視、保護カバー223の寸法よりも大きな寸法を有する。
しかしながら、配管261の数および第1の端部262の寸法は、保護カバー223の出射領域の寸法等に応じて、任意に選定されればよい。すなわち、保護カバー223の出射領域の下側の空間に気流を供給できる限り、配管261の数および第1の端部262の寸法は、特に限られない。
一方、吸引手段270は、貫通孔形成処理の際に、絶縁基板290から生じる加工屑を吸引する役割を有する。
例えば、図2の例では、吸引手段270は、先端272が、絶縁基板290の貫通孔形成位置283の近傍に配置された吸引ノズル271を有する。吸引ノズル271の他端は、排気装置(図示されていない)に接続される。排気装置は、例えば真空ポンプ等であってもよい。
なお、当然のことながら、配管261および吸引ノズル271は、貫通孔形成処理の際に、照射レーザ光215および第1の電極240と干渉しない位置に配置される。
このような構成の第1の放電補助式レーザ孔加工装置200を用いて、絶縁基板290に貫通孔285を形成する場合、まず、絶縁基板290が両電極240、245の間に配置される。
次に、配管261に接続されたガス源の気体が、配管261の第1の端部262から噴出される。噴出された気体は、保護カバー223の出射領域の下側の空間を横断するように流れる。例えば、噴出された気体は、図2の黒い矢印F1で示すように、保護カバー223に対して略平行な方向に流れてもよい。
また、これと前後して、またはこれと同時に、吸引ノズル271に接続された排気装置(図示されていない)が作動して、吸引ノズル271の先端272から、絶縁基板290の貫通孔形成位置283の上部の空気が吸引される。
次に、この状態で、レーザ光源210からレーザ光学系220に向かって、レーザ光213が照射される。レーザ光213は、レーザ光学系220により収束され、照射レーザ光215となる。この照射レーザ光215は、レーザ光学系220の下側に位置する保護カバー223を通り、絶縁基板290の貫通孔形成位置283に照射される。
これにより、絶縁基板290の貫通孔形成位283の温度が局部的に上昇し、ここに貫通孔285が形成される。
絶縁基板290に貫通孔285が形成されることに伴い、絶縁基板の貫通孔形成位置283から、加工屑が発生する。この加工屑の少なくとも一部は、照射レーザ光215による衝撃のため、レーザ光学系220の方に進行する傾向にある。そのような加工屑がレーザ光学系220に到達すると、レーザ光学系220に付着した加工屑により、照射レーザ光215のスループットが低下するという問題が生じ得る。
しかしながら、第1の放電補助式レーザ孔加工装置200では、照射レーザ光215の照射の間、吸引ノズル271を介して、絶縁基板290の貫通孔形成位置283の上部の空気が吸引されている。このため、照射レーザ光215の照射によって生じた加工屑は、図2の白い矢印F2に示すように、吸引ノズル271によって吸引される。
また、第1の放電補助式レーザ孔加工装置200では、配管261によって、図2の黒い矢印F1に示すように、保護カバー223の出射領域の下側の空間を横断する気流が生じている。従って、仮に一部の加工屑が吸引ノズル271によって吸引されず、残留したとしても、それらの加工屑は、この気流とともに保護カバー223の下側の空間から離れた位置に搬送される。
これにより、照射レーザ光215の照射の間、発生した加工屑が保護カバー223の方に進行し、保護カバー223の出射領域に付着することが有意に抑制される。
次に、照射レーザ光215の照射後、直流高電圧電源225を用いて、両電極240、245間に直流高電圧が印加される。これにより、電極240、245間において、放電が生じる。放電は、貫通孔285を介して生じる傾向にある。これは、この位置では、抵抗が他の部分よりも低くなっているためである。放電の発生により、貫通孔285の深さ方向に沿った形状が整えられる。
放電の際にも、絶縁基板290から加工屑が発生する。
しかしながら、この間も、配管261の第1の端部262からの気体噴出、および吸引ノズル271による吸引は、継続されている。従って、前述の効果により、放電によって生じた加工屑に関しても、加工屑が保護カバー223の出射領域に付着することは、有意に抑制できる。
以上の効果により、第1の放電補助式レーザ孔加工装置200では、貫通孔形成処理中に、絶縁基板290から生じた加工屑が保護カバー223の出射領域に付着することを有意に抑制できる。また、これにより、第1の放電補助式レーザ孔加工装置200の使用中に、照射レーザ光215のスループットが低下し、絶縁基板290に貫通孔285を形成することができなくなるという問題を、有意に軽減することが可能となる。
(本発明の一実施例による別の放電補助式レーザ孔加工装置について)
次に、図3を参照して、本発明の一実施例による別の放電補助式レーザ孔加工装置について説明する。
図3には、本発明の一実施例による別の放電補助式レーザ孔加工装置(以下、「第2の放電補助式レーザ孔加工装置」と称する)の構成の一例を概略的に示す。
第2の放電補助式レーザ孔加工装置300は、基本的に、図2に示した第1の放電補助式レーザ孔加工装置200と同様の構成を有する。従って、図3に示した第2の放電補助式レーザ孔加工装置300において、図2に示した第1の放電補助式レーザ孔加工装置200と同様の部材には、図2に示した参照符号に100を加えた参照符号が使用されている。例えば、第2の放電補助式レーザ孔加工装置300は、レーザ光源310、レーザ光学系320、保護カバー323、直流高圧電源325、第1の電極340、および第2の電極345等を有する。
また、第2の放電補助式レーザ孔加工装置300は、吸引手段370として、先端372を有する吸引ノズル371を備える。吸引ノズル371の他端は、排気装置(図示されていない)に接続される。
なお、図3では、煩雑化を避けるため、図2におけるレーザ光213および照射レーザ光215は、省略されている。
ここで、この第2の放電補助式レーザ孔加工装置300は、気流発生手段としてカバー部材365を備える。
カバー部材365は、少なくとも、保護カバー323が設置されたレーザ光学系320の底部(レーザ光出射側)を取り囲むように配置される。
カバー部材365は、カバー部材365の底面に配置された開口366を有する。また、カバー部材365の上面には、ガス導入口367が配置される。
開口366は、保護カバー323の出射領域の下方に配置される。より詳しくは、開口366は、レーザ光学系320および保護カバー323から出射される照射レーザ光が、カバー部材365によって遮蔽または干渉されないような位置に配置される。
ガス導入口367には、空気または窒素等のガス源(図示されていない)が接続される。
なお、ガス導入口367の配置位置は、特に限られず、図3に示したような、カバー部材365の上面の他、例えばカバー部材365の側面に配置してもよい。
また、図3の例では、カバー部材365は、上部に蓋材368を有し、このため、カバー部材365の内部は、開口366を除き、外部環境から分離されている。ただし、カバー部材365の設置は任意である。
このような構成の第2の放電補助式レーザ孔加工装置300を用いて、絶縁基板390に貫通孔385を形成する場合、まず、絶縁基板390が両電極340、345の間に配置される。
次に、ガス導入口367に接続されたガス源の気体が、ガス導入口367を介して、カバー部材365内に供給される。供給された気体は、カバー部材365内を通り、開口366から排出される。
図3内の黒い矢印F1は、供給された気体のカバー部材365内での流れの一例を示している。この黒い矢印F1で示すように、カバー部材365内に供給された気体は、まずレーザ光学系320の側面に沿って、レーザ光学系320と平行な方向に流れ、保護カバー323の側面を通過する。次に、気体は、保護カバー323の外周側から保護カバー323の下側の空間に向かう。さらに、気体は、保護カバー323の出射領域の下側の空間において、照射レーザ光の照射方向と平行な方向に流れ、開口366から排出され、絶縁基板390の方に進行する。
カバー部材365内に気体を供給する動作の前後に、あるいはこの動作とほぼ同時に、吸引ノズル371に接続された排気装置(図示されていない)が作動して、吸引ノズル371の先端372から、絶縁基板390の貫通孔形成位置383の上部の空気が吸引される。
次に、この状態で、レーザ光源310からレーザ光学系320に向かって、レーザ光が照射される。このレーザ光は、レーザ光学系320により収束され、照射レーザ光となる。照射レーザ光は、保護カバー323を通り、絶縁基板390の貫通孔形成位置383に照射される。
これにより、絶縁基板390の貫通孔形成位383の温度が局部的に上昇し、ここに貫通孔385が形成される。
絶縁基板390に貫通孔385が形成されることに伴い、絶縁基板の貫通孔形成位置383から、加工屑が発生する。この加工屑の少なくとも一部は、照射レーザ光による衝撃のため、レーザ光学系320の方に向かって進行する。
しかしながら、第2の放電補助式レーザ孔加工装置300では、照射レーザ光の照射の間、吸引ノズル371を介して、絶縁基板390の貫通孔形成位置383の上部の空気が吸引されている。このため、照射レーザ光315の照射によって生じた加工屑は、図3の白い矢印F2に示すように、吸引ノズル371によって吸引される。
また、保護カバー323の出射領域の下側の空間では、図3の黒い矢印F1に示すように、カバー部材365の開口366を下向きに通る気流が生じている。従って、仮に一部の加工屑が吸引ノズル371によって吸引されず、残留したとしても、それらの加工屑は、この気流により、カバー部材365の開口366から離れた位置に搬送される。
このため、照射レーザ光の照射の間に発生した加工屑が保護カバー323の方に進行し、保護カバー323に付着することが有意に抑制される。
次に、照射レーザ光の照射後、直流高電圧電源325を用いて、両電極340、345間に直流高電圧が印加される。これにより、電極340、345間において、放電が生じる。放電の発生により、貫通孔385の深さ方向に沿った形状が整えられる。
なお、放電の際にも、絶縁基板390から加工屑が発生する。
しかしながら、この間も、カバー部材365の開口366を下向きに通る気流、および吸引ノズル371による吸引は、継続されている。従って、前述の効果により、放電によって生じた加工屑に関しても、加工屑が保護カバー323の出射領域に付着することは、有意に抑制できる。
従って、第2の放電補助式レーザ孔加工装置300においても、貫通孔形成処理中に、絶縁基板390から生じた加工屑が保護カバー323の出射領域に付着することを有意に抑制できる。
(本発明の一実施例によるさらに別の放電補助式レーザ孔加工装置について)
次に、図4および図5を参照して、本発明の一実施例によるさらに別の放電補助式レーザ孔加工装置について説明する。
図4および図5には、本発明の一実施例によるさらに別の放電補助式レーザ孔加工装置(以下、「第3の放電補助式レーザ孔加工装置」と称する)の構成の一例を概略的に示す。
図4は、第3の放電補助式レーザ孔加工装置400の全体概略図であり、図5は、第3の放電補助式レーザ孔加工装置400の特徴的部分の拡大図である。なお、図4および図5では、煩雑化を避けるため、図2におけるレーザ光213および照射レーザ光215に相当する部分は、省略されている。
図4に示すように、第3の放電補助式レーザ孔加工装置400は、基本的に、図2に示した第1の放電補助式レーザ孔加工装置200と同様の構成を有する。従って、図4に示した第3の放電補助式レーザ孔加工装置400において、図2に示した第1の放電補助式レーザ孔加工装置200と同様の部材には、図2に示した参照符号に200を加えた参照符号が使用されている。例えば、第3の放電補助式レーザ孔加工装置400は、レーザ光源410、レーザ光学系420、保護カバー423、直流高圧電源425、第1の電極440、および第2の電極445等を有する。
ここで、この第3の放電補助式レーザ孔加工装置400は、気流発生手段460を有し、この気流発生手段460は、カバー部材465を備える。
カバー部材465は、少なくとも、保護カバー423が設置されたレーザ光学系420の底部(レーザ光出射側)を取り囲むように配置される。
カバー部材465は、カバー部材465の底面に配置された開口466を有する。また、カバー部材465の側面には、ガス導入口467が配置される。
開口466は、保護カバー423の出射領域の下方に配置される。より詳しくは、開口466は、レーザ光学系420および保護カバー423から出射される照射レーザ光が、カバー部材465によって遮蔽または干渉されないような位置に配置される。
ガス導入口467には、空気または窒素等のガス源(図示されていない)が接続される。
なお、ガス導入口467の配置位置は、特に限られず、図4に示したような、カバー部材465の側面の他、例えばカバー部材465の上面に配置してもよい。
カバー部材465は、上部に蓋材468を有し、このため、カバー部材465の内部は、開口466を除き、外部環境から分離されている。
また、第3の放電補助式レーザ孔加工装置400は、吸引手段470を有し、この吸引手段470は、レーザ光学系420およびカバー部材465を収容するハウジング475を備える。
なお、図4に示した例では、レーザ光学系420は、ハウジング475によって完全に覆われているものの、レーザ光源410は、ハウジング475の外側に配置されている。しかしながら、レーザ光源410も、ハウジング475によって、一部または全部が覆われてもよい。
ハウジング475は、側部に排気口477を有する。この排気口は、例えば、真空ポンプのような排気装置(図示されていない)に接続される。また、ハウジング475は、底部が開放されており、絶縁基板490の表面492との間に、隙間Gが形成されている(図5参照)。隙間Gの値は、特に限られないが、例えば、0.5mm〜10.0mmの範囲である。
このような構成の第3の放電補助式レーザ孔加工装置400を用いて、絶縁基板490に貫通孔485を形成する場合、まず、絶縁基板490が両電極440、445の間に配置される。
次に、ガス導入口467に接続されたガス源の気体が、ガス導入口467を介して、カバー部材465内に供給される。供給された気体は、カバー部材465内を通り、開口466から排出される。
図5には、カバー部材465内に供給される気体の流れの一例を示す(黒い矢印F1)。
この図の黒い矢印F1で示すように、ガス導入口467を介してカバー部材465内に供給された気体は、まずレーザ光学系420の側面に沿って、レーザ光学系420と平行な方向に流れ、保護カバー423の側面を通過する。次に、気体は、保護カバー423の外周側から保護カバー423の下側の空間に向かう。さらに、気体は、保護カバー423の出射領域の下側の空間において、照射レーザ光の照射方向と略平行な方向に流れ、開口466から排出される。カバー部材465から排出された気体は、絶縁基板490の方に進行する。
一方、カバー部材465内に気体を供給する動作の前後に、あるいはこの動作とほぼ同時に、ハウジング475の排気口477に接続された排気装置(図示されていない)が作動する。これにより、絶縁基板490の貫通孔形成位置483の上部の空気が吸引される。
図5には、排気口477から気体が排出されるまでの、ハウジング475内の気体の流れの一例を示す(白い矢印F2)。
この図の白い矢印F2に示すように、排気口477を介したハウジング475内の気体の吸引のため、絶縁基板490の上部に存在する気体は、ハウジング475の側壁に沿って上昇し、その後、排気口477を通ってハウジング475外に排気される。なお、ハウジング475の底部と絶縁基板490の間には、隙間Gが設けられているため、ハウジング475内が、極端な高真空状態になることはない。
次に、この状態で、図4に示すように、レーザ光源410からレーザ光学系420に向かって、レーザ光413が照射される。このレーザ光413は、レーザ光学系420により収束され、照射レーザ光415となる。照射レーザ光415は、保護カバー423を通り、絶縁基板490の貫通孔形成位置483に照射される。
これにより、絶縁基板490の貫通孔形成位483の温度が局部的に上昇し、絶縁材料が昇華し、ここに貫通孔485が形成される。
絶縁基板490に貫通孔485が形成されることに伴い、絶縁基板490の貫通孔形成位置483から、加工屑が発生する。この加工屑の少なくとも一部は、照射レーザ光415による衝撃のため、レーザ光学系420の方に向かう傾向にある。
しかしながら、第3の放電補助式レーザ孔加工装置400において、保護カバー423の出射領域の下側の空間では、図5の黒い矢印F1に示すように、カバー部材465の開口466を下向きに通る気流が生じている。従って、この気流により、絶縁基板490の貫通孔形成位置483から生じた加工屑が、保護カバー423の出射領域に到達することが有意に抑制される。
また、第3の放電補助式レーザ孔加工装置400では、照射レーザ光415の照射の間、絶縁基板490の貫通孔形成位置483の上部の空気は、ハウジング475に設けられた排気口477を介して吸引されている。このため、照射レーザ光415の照射によって生じた加工屑は、ハウジング475内を図5の白い矢印F2に示す方向に沿って移動し、排気口477から排出される。
次に、照射レーザ光の照射後、直流高電圧電源425を用いて、両電極440、445間に直流高電圧が印加される。これにより、電極440、445間において、放電が生じる。放電の発生により、貫通孔485の深さ方向に沿った形状が整えられる。
なお、放電の際にも、絶縁基板490から加工屑が発生する。
しかしながら、この間も、カバー部材465の開口466を下向きに通る気流、およびハウジング475の排気口477を介した吸引は、継続されている。従って、前述の効果により、放電によって生じた加工屑に関しても、加工屑が保護カバー423の出射領域に付着することは、有意に抑制される。
従って、第3の放電補助式レーザ孔加工装置400においても、貫通孔形成処理中に、絶縁基板490から生じた加工屑が保護カバー423の出射領域に付着することを有意に抑制できる。
ところで、一般に、レーザ光加工によって生じた加工屑が周囲に飛散し、これらが駆動系に混入した場合、これらの加工屑によって、駆動系の速やかな動作に支障が生じる場合がある。
しかしながら、この第3の放電補助式レーザ孔加工装置400の場合、気流発生用のカバー部材465は、ハウジング475によって覆われている。このため、第3の放電補助式レーザ孔加工装置400では、カバー部材465の開口466から排出される気流によって、加工屑が周囲に飛散することが有意に抑制される。従って、この第3の放電補助式レーザ孔加工装置400では、加工屑の混入によって駆動系の動作に支障が生じるという問題を、有意に抑制できる。
次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
前述の図4に示したような構成の放電補助式レーザ孔加工装置を使用して、厚さ0.3mmのガラス基板(無アルカリガラス)に連続的に複数の貫通孔を形成した。
レーザ光源には、COレーザ源を使用した。照射レーザ光の出力は、50Wとした。放電電圧は、5000Vとした。
保護カバーには、直径26mmφのZnSeウィンドウを使用した。保護カバーの下面から、ガラス基板の表面までの距離は、20mmとした。
気流発生手段として、図4および図5に示した構造の樹脂製のカバー部材を使用した。カバー部材には、ガス導入口を設け、このガス導入口を空気源と接続した。カバー部材に供給される空気量は、約200リットル/分〜300リットル/分とした。カバー部材の保護カバーの出射領域と対向する部分には、10mmφの開口を設けた。
また、吸引手段として、レーザ光学系およびカバー部材を取り囲むアクリル製のハウジング(100mm×100mm)を使用した。ハウジングの側部に排気口を設け、ここに真空ポンプを接続した。吸引速度は、約3800リットル/分とした。なお、ハウジングの底面とガラス基板の表面との間には、約2mmの隙間Gを設け、ハウジングがガラス基板に接触しないようにした。
ガラス基板に形成される貫通孔の直径(ガラス基板の表面における開口の直径)は、70μmを目標とした。
以上のような条件で、ガラス基板に対して多数の貫通孔を形成した。
その結果、この実施例1では、150000個の貫通孔を形成した後も、保護カバーに付着する加工屑の量は少ないことが確認された。すなわち、150000個の貫通孔を形成した後も、保護カバーは、依然として良好なスループットを有することがわかった。
(実施例2)
前述の図2に示したような構成の放電補助式レーザ孔加工装置を使用して、厚さ0.3mmのガラス基板(無アルカリガラス)に連続的に複数の貫通孔を形成した。
レーザ光源には、COレーザ源を使用した。照射レーザ光の出力は、50Wとした。放電電圧は、5000Vとした。
保護カバーには、直径26mmφのガラスを使用した。保護カバーの下面から、ガラス基板の表面までの距離は、20mmとした。
気流発生手段として、図2に示したような配管を使用した。配管の一端は、空気源に接続した。配管に供給される空気量は、約200リットル/分〜300リットル/分とした。
配管は、照射レーザ光の方向に対して垂直な方向に配置した。従って、配管から噴射される空気流の方向は、保護カバーの出射領域から出射される照射レーザ光の伝播方向と略直交する方向とした。
配管の開口部の面積は、約12mmとした。配管の高さレベルは、保護カバーの底面から約13mmの位置とした。また、保護カバーを厚さ方向から見たとき、配管は、該配管の中心軸(延伸軸)が保護カバーの中心を通るようにして、保護カバーに対して配置した。
また、吸引手段として、一端が真空ポンプに接続された吸引ノズルを使用した。真空ポンプの吸引速度は、約3800リットル/分とした。なお、吸引ノズルは、先端が、絶縁基板側の貫通孔形成位置から、約30mmの距離となるように配置した。
ガラス基板に形成される貫通孔の直径(ガラス基板の表面における開口の直径)は、70μmを目標とした。
以上のような条件で、ガラス基板に対して多数の貫通孔を形成した。
その結果、この実施例2では、150000個の貫通孔を形成した後も、保護カバーに付着する加工屑の量は少ないことが確認された。すなわち、150000個の貫通孔を形成した後も、保護カバーは、依然として良好なスループットを有することがわかった。
(比較例)
前述の図1に示したような構成のレーザ照射貫通孔形成装置を使用して、厚さ0.3mmのガラス基板(無アルカリガラス)に連続的に複数の貫通孔を形成した。すなわち、この比較例では、気流発生手段および吸引手段を備えないレーザ誘導式放電加工装置を使用して、ガラス基板に貫通孔を形成した。
なお、レーザ光照射条件、および直流放電条件は、実施例1、2の場合と同様である。
その結果、この比較例では、400個の貫通孔を形成した段階で、処理を継続することができなくなることがわかった。このことから、この比較例では、比較的短期間の内に、保護カバーに多量の加工屑が付着し、保護カバーのスループットが極端に低下することが確認された。
本発明は、ガラス基板などの絶縁基板に貫通孔を形成する技術等に利用できる。
100 従来のレーザ照射貫通孔形成装置
110 レーザ光源
113 レーザ光
115 照射レーザ光
120 レーザ光学系
183 貫通孔形成位置
185 貫通孔
190 絶縁基板
200 第1の放電補助式レーザ孔加工装置
210 レーザ光源
213 レーザ光
215 照射レーザ光
220 レーザ光学系
223 保護カバー
225 直流高電圧電源
240 第1の電極
245 第2の電極
250、255 導体
260 気流発生手段
261 配管
262 第1の端部
270 吸引手段
271 吸引ノズル
272 先端
283 貫通孔形成位置
285 貫通孔
290 絶縁基板
300 第2の放電補助式レーザ孔加工装置
310 レーザ光源
320 レーザ光学系
323 保護カバー
325 直流高電圧電源
340 第1の電極
345 第2の電極
350、355 導体
365 カバー部材
360 気流発生手段
366 開口
367 ガス導入口
368 蓋材
370 吸引手段
371 吸引ノズル
372 先端
383 貫通孔形成位置
385 貫通孔
390 絶縁基板
400 第3の放電補助式レーザ孔加工装置
410 レーザ光源
413 レーザ光
415 照射レーザ光
420 レーザ光学系
423 保護カバー
425 直流高電圧電源
440 第1の電極
445 第2の電極
450、455 導体
460 気流発生手段
465 カバー部材
466 開口
467 ガス導入口
468 蓋材
470 吸引手段
475 ハウジング
477 排気口
483 貫通孔形成位置
485 貫通孔
490 絶縁基板
492 表面
G 隙間

Claims (7)

  1. レーザ光照射によって絶縁基板に複数の貫通孔を形成し、第1および第2の電極間での放電現象により、前記貫通孔の形状を調整する、放電補助式レーザ孔加工装置であって、
    レーザ光を放射するレーザ光源と、
    前記レーザ光を照射レーザ光として、絶縁基板の貫通孔形成位置に照射するレーザ光学系と、
    放電を発生させる第1および第2の電極と、
    を有し、
    前記レーザ光学系は、前記照射レーザ光の出口側に保護カバーを有し、
    当該放電補助式レーザ孔加工装置は、さらに
    前記保護カバーの前記照射レーザ光の出射側に気流を生じさせる気流発生手段と、
    前記絶縁基板から生じる加工屑を吸引する吸引手段と、
    を備えることを特徴とする放電補助式レーザ孔加工装置。
  2. 前記気流発生手段は、前記照射レーザ光の伝播方向と略交差する方向に流れる気流を生じさせる、請求項1に記載の放電補助式レーザ孔加工装置。
  3. 前記気流発生手段は、前記照射レーザ光の伝播方向と略平行な方向に流れる気流を生じさせる、請求項1に記載の放電補助式レーザ孔加工装置。
  4. 前記気流発生手段は、前記保護カバーを覆うように配置されたカバー部材を有し、
    該カバー部材は、開口およびガス導入口を有し、前記開口は、前記保護カバーの照射レーザ光の出口に対向して設けられる、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の放電補助式レーザ孔加工装置。
  5. 前記吸引手段は、前記絶縁基板と前記保護カバーの間に配置された吸引ノズルを有する、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の放電補助式レーザ孔加工装置。
  6. 前記吸引手段は、前記レーザ光学系を取り囲むハウジングと、該ハウジングの排気口に接続された排気装置とを有する、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の放電補助式レーザ孔加工装置。
  7. 前記保護カバーを交換せずに、絶縁基板に150000個以上の貫通孔を形成できる、請求項1乃至6のいずれか一つに記載の放電補助式レーザ孔加工装置。
JP2013108155A 2013-05-22 2013-05-22 放電補助式レーザ孔加工装置 Withdrawn JP2014226695A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013108155A JP2014226695A (ja) 2013-05-22 2013-05-22 放電補助式レーザ孔加工装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013108155A JP2014226695A (ja) 2013-05-22 2013-05-22 放電補助式レーザ孔加工装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014226695A true JP2014226695A (ja) 2014-12-08

Family

ID=52127017

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013108155A Withdrawn JP2014226695A (ja) 2013-05-22 2013-05-22 放電補助式レーザ孔加工装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014226695A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107803602A (zh) * 2016-09-09 2018-03-16 财团法人工业技术研究院 激光加工装置及激光加工排屑装置
WO2021230634A1 (ko) * 2020-05-12 2021-11-18 주식회사 이오테크닉스 홀 형성 장치 및 홀 형성 방법
JP2022185029A (ja) * 2017-10-25 2022-12-13 株式会社ニコン 加工装置、及び、移動体の製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107803602A (zh) * 2016-09-09 2018-03-16 财团法人工业技术研究院 激光加工装置及激光加工排屑装置
JP2022185029A (ja) * 2017-10-25 2022-12-13 株式会社ニコン 加工装置、及び、移動体の製造方法
JP7375885B2 (ja) 2017-10-25 2023-11-08 株式会社ニコン 加工装置、及び、移動体の製造方法
WO2021230634A1 (ko) * 2020-05-12 2021-11-18 주식회사 이오테크닉스 홀 형성 장치 및 홀 형성 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6647829B2 (ja) レーザ加工装置
WO2013046950A1 (ja) パウダ供給ノズルおよび肉盛溶接方法
KR101552562B1 (ko) 레이저 가공 시스템용 파티클 석션 장치 및 이를 포함한 레이저 가공 시스템
KR101882232B1 (ko) 레이져와 에어흡입공 겸용 레이져가공 스캐너 헤드
JP6124425B1 (ja) レーザ処理装置整流装置およびレーザ処理装置
JP2014226695A (ja) 放電補助式レーザ孔加工装置
KR101210653B1 (ko) 전기장을 이용한 레이저 가공장치 및 가공방법
TW200902208A (en) Device and method for machining a workpiece by means of a laser beam, comprising suction and a lateral air supply
CN108781499B (zh) 等离子发生装置
JP2004188451A (ja) レーザ加工方法および装置
JP5355349B2 (ja) レーザースクライブ装置
KR20110062886A (ko) 레이저 가공장비의 파티클 제거장치 및 이를 구비한 레이저 가공장비
JP2004167590A (ja) 加工装置
JP2013063864A (ja) ガラス板切断方法およびガラス板切断装置
JP2010147168A (ja) プラズマ処理装置
JP2009238519A (ja) プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
KR20170089918A (ko) 타겟 어셈블리
JP2006005315A (ja) プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法
TW201505501A (zh) 藉雷射光照射於玻璃基板上形成貫通孔之方法
JP2017177155A (ja) レーザ加工ヘッド
JP5325623B2 (ja) 電子源
JP3686540B2 (ja) 電子デバイスの製造方法
JP2018192478A (ja) レーザ加工装置
JP2016153529A (ja) 積層造形装置用のノズルおよび積層造形装置
JP2015070167A (ja) 光照射装置

Legal Events

Date Code Title Description
A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20150326