JP2014226354A - ストーマ袋の内部消臭用パック - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明はストーマ袋から排泄物の排出時に於ける悪臭成分の拡散が低減され、且つそれに伴う不快感が軽減されると共に便器に排泄物と一緒に流すことが出来るストーマ袋の内部消臭用パックを提供することを目的とする。【解決手段】水溶紙でパック本体1を形成し、該パック本体1の内部に、ポリフェノールを多く含む植物抽出物から作られた天然素材から成るパウダー状の消臭剤2を入れ、水溶性接着剤3で密封したものと成す。また消臭剤2の消臭成分として、緑茶,コーヒー生豆,ゴボウの天然由来の消臭素材から作ると良い。又、パック本体1をスティック状に形成し、その内部に消臭剤2を0.8〜1.5グラム入れたものとするのが好ましく、水溶性接着剤3として、水溶性ポリビニルアルコールを用いるのが良い。【選択図】図2
Description
本発明は人工肛門のストーマからストーマ袋を通して収集された便の臭気を消臭するために、ストーマ袋の内に入れて便の臭気成分を効率良く消臭すると共に便と一緒に便器に流すことが出来るストーマ袋の内部消臭用パックに関する。
一般にストーマ袋(パウチとも言う)は、腹部に固定される開口部(排泄物受入口)と内部に集めて溜った排泄物を排出させるための排出口を有するものである。このストーマ袋の交換時や排泄物を便器に排出する際或いは装着時には、排泄物から強い臭気が発生するので、排出時に排泄物の臭気によって周囲の人に不快感を与えてしまうと共に装着者自身も不快感を持つ場合が多かった。このため、ストーマ袋の排出口の付近に消臭剤を設けたものやストーマ袋の内部に粉末状又は液状の消臭剤を直接入れて使用されているのが現状である。
このストーマ袋の排泄物を排出時やストーマ袋をきれいに清掃する時は、ストーマ袋は装着者から離れずに上記処理が行わる。つまり、片手でストーマ袋を持ちながらの処理作業となるため、手間と時間が掛かるものであった。特に消臭剤が袋の中に入れたものは、袋を切り裂き、その中の消臭剤をストーマ袋の内部に入れなければならなかった。この場合には、片手でストーマ袋を持ちながら且つ他方の片手で袋を切り裂くと共にその中身をストーマ袋の内部に入なければならず面倒な作業であった。更に切り裂いた袋はゴミとして処分しなければならなかった。
尚、特開2007−229301で提案されている「ストーマ装具」には、排泄物の排出処理及び洗浄の取扱いが容易で、消臭効果が優れ、患者の負担を軽減させることが記載されている。これはパウチ(ストーマ袋)内に排泄物固化シートを配置し、フランジ(排泄物受入口)とパウチとの間に排泄物固化シートを介在させることにより、パウチ内の排泄物を固化させるものであった。しかしながら、特開2007−229301は物品が本発明品と異なり、且つ、本発明のように、便の臭気成分を効率良く消臭すると共に便と一緒に便器に流す記載は、特開2007−229301には何処にもないと共にそのような発想もないものであった。
本発明はストーマ袋から排泄物の排出時の悪臭成分の拡散が低減され、且つそれに伴う不快感が軽減されると共に便器に排泄物と一緒に流すことが出来るストーマ袋の内部消臭用パックを提供することを目的とする。
本発明は上記現状に鑑み成されたものであり、つまり、水溶紙でパック本体を形成し、該パック本体の内部に、ポリフェノールを多く含む植物抽出物から作られた天然素材から成るパウダー状の消臭剤を入れ、水溶性接着剤で密封したものと成す。また水溶紙の裏面全体に水溶性合成樹脂シートを貼着させ、その周囲を熱圧着してパック本体を形成させたものとしても良い。更に消臭剤の消臭成分として、緑茶,コーヒー生豆,ゴボウの天然由来の消臭素材から作ると良い。又、パック本体をスティック状に形成し、その内部に消臭剤を0.8〜1.5グラム入れたものとするのが好ましい。尚、本発明で言う「天然由来の消臭素材」とは、緑茶やコーヒー生豆などの天然素材を主成分として得られた消臭素材を指すものとする。また前記パウダー状には、微粉末だけでなく、それよりも大きな粒子の粉末状のものも含むものとする。
請求項1のように水溶紙でパック本体(1)を形成し、該パック本体(1)の内部に、ポリフェノールを多く含む植物抽出物から作られた天然素材から成るパウダー状の消臭剤(2)を入れ、水溶性接着剤(3)で密封することにより、ポリフェノールを多く含む植物抽出物から作られた天然素材であるパウダー状の消臭剤(2)を、水溶紙のパック本体(1)で包装されているため、本発明品はストーマ袋(6)から排泄物の排出時の悪臭成分の拡散が低減され、且つそれに伴う不快感が軽減されると共に便器に排泄物と一緒に流すことができ、極めて簡単に用いることができ、その保管も簡単なものとなり、利便性が極めて良好なものとなるのである。
請求項2のように裏面全体に防湿用の水溶性合成樹脂シート(4)が貼着された水溶紙の周囲を熱圧着してパック本体(1)に形成すると共に該パック本体(1)の内部に、ポリフェノールを多く含む植物抽出物から作られた天然素材から成るパウダー状の消臭剤(2)を密閉させることにより、請求項1と同様の効果が得られると共に、パック本体(1)の表面が防湿用水溶性合成樹脂シート(4)で被覆されるため、内部の消臭剤(2)が湿気から守られるものとなり、且つ、防湿用水溶性合成樹脂シート(4)が熱溶着の役目を果たすものとなる。
請求項3に示すように消臭剤(2)の消臭成分として、緑茶,コーヒー生豆,ゴボウの天然由来の消臭素材から作られたものを用いることにより、その消臭成分が、緑茶,コーヒー生豆,ゴボウの天然由来の消臭素材から作られるため、便の臭気に対する消臭効果の効き目が長時間に渡って維持可能なものとなる。
請求項4に示すようにパック本体(1)をスティック状に形成して、その内部に消臭剤(2)を0.8〜1.5グラム入れることにより、取扱いや保管が極めて簡単なものとなる。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。(1)は図1に示すようなスティック状に形成された水溶紙製のパック本体であり、該パック本体(1) の周囲は後述する水溶性接着剤(3)によって密封されている。このパック本体(1) の形成方法は、2つに折曲して周囲を貼着するか、或いは2枚重ねたものの周囲を貼着させたものとしても良い。更のその貼着方法としては、前記水溶性接着剤(3)を図2のように塗布して用いるか、或いは水溶紙の裏面全体に後述する水溶性合成樹脂シート(4)を貼着させ、その周囲を図3に示すように熱圧着させたものとしても良い。尚、水溶紙としては、医療用検査台紙や播種シートなどに使用されている水溶紙と同質のものを用いると良い。このパック本体(1)は便の水分で溶解される。
(2)はパック本体(1)の内部に収納された消臭剤であり、該消臭剤(2)の消臭成分としては、ポリフェノールを多く含む植物抽出物から作られたパウダー状の天然素材、特には緑茶,コーヒー生豆,ゴボウの天然由来の消臭素材から作られたものを用いるのが好ましい。特には高砂香料工業株式会社の天然由来消臭剤で登録商標名「デオアタック」や商品名「GTEXT POWDER」などを用いるのが好ましい。この「デオアタック」はコーヒー生豆から抽出した高濃度ポリフェノールと、ゴボウ酵素を組合せた新しい消臭素材であり、特に硫黄系の悪臭に対して消臭効果が優れたものである。前記消臭剤(2)の収納量としては、0.8〜1.5グラムをパック本体(1)の内部に入れると良いが、好ましくは、1.2〜1.4グラムの範囲が特に良い。この時、消臭剤(2)の収納量を0.8グラム以下にすると、消臭効果の持続時間に問題を生じる恐れがあり、また1.5グラム以上にすると、コスト高となって採算性が悪化する恐れを生じる。
(3)はパック本体(1)の周囲に塗布して密封するための水溶性接着剤であり、該水溶性接着剤(3)としては、水溶性PVA(ポリビニルアルコール)を用いるのが好ましい。(4)は図3に示すようにパック本体(1)の裏面全体に貼着された防湿用の水溶性合成樹脂シートであり、これは水溶紙を折り曲げて周囲を熱圧着してパック本体(1)に形成する接着剤の役目と共にパウダー状の消臭剤(2)の防湿性を確保するための役目を果たしている。前記水溶性合成樹脂シート(4)としては、水溶性PVA(ポリビニルアルコール)を用いるのが良い。尚、図3に示す前記パック本体(1)の一片を水の上に置いて浸したところ、15秒前後で溶けて沈殿した。(5)は本発明品を複数個入れるためのアルミ蒸着した合成樹脂製の包装袋であり、該包装袋(5)の開口部にはチャックテープが設けられている。この包装袋(5)は遮光性と防湿性を有している。(6)はストーマ袋であり、該ストーマ袋(6)には、腹部に固定される排泄物受入口(開口部)と排出口が少なくとも設けられている。このストーマ袋(6)は市販されているものを用いれば良い。尚、使い捨てもストーマ袋(6)も含むものとする。
次に本発明品の使用方法について説明する。予め図4に示す包装袋(5)からパック本体(1)を1個取出しておく。また予め図5に示すようなストーマ袋(6)が患者に装着されている場合、ストーマ袋(6)が排泄物でいっぱいになった時は、便器の前まで行き、先ず始めに下側の排出口を便器に向けて開く。そして内部の排泄物を空にすると共に排出口内側をきれいにする。次にパック本体(1)1個を排出口から矢印のようにストーマ袋(6)の内部に入れる。その後、排出口の端部を折畳んで面ファフナーで止めて排出口を閉鎖させる。尚、この時は、従来と同様にストーマ袋(6)の洗浄処理や患者の皮膚の拭取り洗浄などが行われる。又、前記パック本体(1)は、始めに装着する時からストーマ袋(6)の内部に収納してから使用すると良い。
本発明品をストーマ袋(6)の内部に収納させた後は、従来と同様にストーマ袋(6)が使用され、排泄物が排泄物受入口から入って来ると、大便の水分によってパック本体(1)が滲み、パウダー状の消臭剤(2)が水分を吸収する。すると、消臭剤(2)は揮発性成分がストーマ袋(6)の内部に充満すると共に便の臭気成分を消臭させるのである。尚、本発明で使用される消臭成分は、水分が含浸されて始めて消臭効果を発揮するものである。また前記パウダー状の消臭剤(2)は、一気に表面が水に滴ると、内部が固まって、水分が内部まで浸透しにくくなるため、消臭効果のバラツキを生じ易くなり、充分に満足する消臭効果が得られない恐れがあった。
又、この時、水分がパック本体(1)の表面に広がりながら滲むと共にパック本体(1)の表面が徐々に溶解するので、より有効にパウダー状の消臭剤(2)が水分を吸収し、消臭効果が大いに発揮されるものとなる。尚、この時、本発明品は、ストーマ袋(6)の内部に消臭剤(2)を入れるだけの従来方法と比べ、パック本体(1)の周囲の溶け具合が緩やかであるため、消臭効果が有効に発揮されるものとなり、従来の数倍の時間に渡って消臭効果が維持出来るものとなった。
このようにして本発明品をストーマ袋(6)の内部に簡単に片手で入れることができ、且つ、長時間に渡って消臭効果が維持できるため、ストーマ袋(6)の内部に溜った排泄物を排出する際やストーマ袋(6)の交換時には、排泄物の悪臭成分の拡散が低減され、且つその後の処理も快適に行え、更に便器に排泄物と一緒に本発明品も流すことが出来るので、ゴミにならず手間の掛からない重宝なものとなるのである。尚、本発明品をストーマ袋(6)以外に、ポータブルトイレなどの消臭用として使用しても良い。
1 パック本体
2 消臭剤
3 水溶性接着剤
4 水溶性合成樹脂シート
2 消臭剤
3 水溶性接着剤
4 水溶性合成樹脂シート
Claims (4)
- 水溶紙でパック本体(1)を形成し、該パック本体(1)の内部に、ポリフェノールを多く含む植物抽出物から作られた天然素材から成るパウダー状の消臭剤(2)を入れ、水溶性接着剤(3)で密封したことを特徴とするストーマ袋の内部消臭用パック。
- 裏面全体に防湿用の水溶性合成樹脂シート(4)が貼着された水溶紙の周囲を熱圧着してパック本体(1)に形成すると共に該パック本体(1)の内部に、ポリフェノールを多く含む植物抽出物から作られた天然素材から成るパウダー状の消臭剤(2)を密閉させたことを特徴とするストーマ袋の内部消臭用パック。
- 前記消臭剤(2)の消臭成分が、緑茶,コーヒー生豆,ゴボウの天然由来の消臭素材から作られた請求項1又は2記載のストーマ袋の内部消臭用パック。
- 前記パック本体(1)がスティック状に形成され、その内部に消臭剤(2)が0.8〜1.5グラム入れられた請求項1又は2記載のストーマ袋の内部消臭用パック。
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