JP2014226210A - 光重合装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第3光源33では、収容室の開口側に、複数の長波長LED61により構成された第1LED群610が設けられている。また、この第1LED群610よりも収容室の奥側には、短波長LED62により構成された第2LED群620が設けられている。テーブル23が回転すると、テーブル23上の光照射体は、第1LED群610の下方および第2LED群620の下方を交互に通過する。そして、第1LED群610の下方を光照射体が通過している際、光照射体に対して、長波長光が集中的に作用し、第2LED群620の下方を光照射体が通過している際、光照射体に対して、短波長光が集中的に作用する。
【選択図】図10
Description
本発明の目的は、出射光の波長が異なる複数種の点光源から光を出射することにより形成される補綴物の質を向上させることにある。
ここで、前記第2の点光源群は、前記第1の点光源群よりも少ない数の点光源により構成され、且つ、当該第2の点光源群に含まれる点光源から出射される光の波長の方が、当該第1の点光源群に含まれる点光源から出射される光の波長よりも短いことを特徴とすることができる。この場合、第1の点光源群および第2の点光源群から出射される光により形成される補綴物の質を向上させることができる。
また、前記回転盤、および、当該回転盤上の光硬化性材料を収容する収容室を更に備え、前記収容室の側部には、開口が形成され、前記第1の点光源群および前記第2の点光源群は、前記収容室の天井部に設けられているとともに、当該第1の点光源群および当該第2の点光源群のうちの一方の点光源群の方が他方の点光源群よりも当該収容室の前記開口側に設けられ、当該他方の点光源群が当該一方の点光源群よりも当該収容室の奥側に設けられていることを特徴とすることができる。この場合、第1の点光源群および第2の点光源群のうちの一方の点光源群からの光を、収容室の開口側に配置された光硬化性材料に対してより多く照射することができるようになる。
また、前記回転盤は、一方向に回転し、前記一方向において、前記第1の点光源群よりも上流側且つ前記第2の点光源群よりも下流側には、前記予め定められた波長の光を出射する点光源が更に設けられ、前記一方向において、前記第1の点光源群よりも下流側且つ前記第2の点光源群よりも上流側には、前記予め定められた波長の光を出射する点光源が更に設けられていることを特徴とすることができる。この場合、第1の点光源群よりも上流側且つ第2の点光源群よりも下流側などに点光源が設けられていない場合に比べ、回転盤上の光硬化性材料に対し、予め定められた波長の光をより多く照射できるようになる。
図1は、本実施形態にかかる歯科技工用重合装置1(以下、単に「重合装置1」と称する)の外観斜視図である。
本実施形態にかかる重合装置1は、歯科用補綴物の元となる光硬化性材料に対して光を照射しこの光硬化性材料を硬化(重合)させることで、歯科用補綴物を生成する。なお、光硬化性材料としては、例えば、カンファーキノン等の光ラジカル重合材を挙げることができる。なお、本明細書では、以下、歯科用補綴物の元となる上記光硬化性材料を、光照射体と称する。
なお、テーブル23は円盤状に形成され、また、本実施形態では、テーブル23の直径は90mmとなっている。また、本実施形態では、テーブル23は、蓋部材21の動きに連動し、蓋部材21の開操作をすると、装置本体20の外側へ出てくるようになり、蓋部材21の閉操作をすると、装置本体20の内部に収容される。
また、LEDを用いる場合、光照射体の温度上昇を抑制できるようになる。ここで、第1光源31〜第3光源33には、ハロゲンや蛍光灯などを用いることもできるが、ハロゲンや蛍光灯から出射される光には、青色や紫色以外の色の光も含まれ、この場合、この青色や紫色以外の色の光によって、光照射体が加熱されることが起こりうる。
また、ハロゲンや蛍光灯などを用いる場合には、光照射体の硬化に寄与しない波長の光も出射されるため、エネルギーの無駄な消費が生じることとなる。
なお、本実施形態では、LEDを用いて光源を構成した態様を一例に説明したが、光源には、例えば、面発光LEDを用いるようにしてもよい。また、光源には、有機又は無機EL(Electro Luminescence)や、LD(レーザーダイオード)や、面発光LDなどを用いることもできる。
本実施形態の重合装置1では、底面225の下部に、モータを有しテーブル23を周方向に回転させる回転機構が設けられている。なお、テーブル23には、テーブル23の径方向における中央部から下方に向かって延びる回転軸が取り付けられており、本実施形態では、この回転軸が回転機構によって回転される。そして、回転軸が回転すると、テーブル23が、テーブル23の径方向における中央部を中心として回転する。
なお、本実施形態では、図1(B)に示すように、底面225に、重合装置1の奥行き方向に沿った溝227が形成されている。蓋部材21の開閉動作に伴いテーブル23が移動する際、上記回転軸は、この溝227内を移動する。
重合装置1の背面15には、重合装置1の内部の空気を外部に排出する排出ファン35が設けられている。この排出ファン35は、背面15の幅方向における中央部且つ背面15の上部に設けられている。さらに、排出ファン35の下方には、重合装置1の外部の空気の内部への取り込みに用いられる空気取り込み口36が設けられている。なお、この空気取り込み口36には、フィルタ37が取り付けられており、重合装置1の内部への異物の進入が抑制されている。
UI27には、同図に示すように、情報の表示を行う液晶パネル271が設けられている。さらに、第1光源31〜第3光源33からの光の出射/停止を行うためのスタート/ストップボタン272が設けられている。さらに、光の照射(出射)時間を設定するための時間設定用ボタン273が設けられている。この時間設定用ボタン273は、「分」を設定するための分設定用ボタン273Aと、「秒」を設定するための秒設定ボタン273Bとから構成されている。さらに、ユーザにより設定された光照射時間のメモリへの登録に用いられる登録用ボタン274が複数設けられている。
より具体的に説明すると、光照射体を構成する材料は流動性を有していることも多く、この場合、少しずつこの材料を盛る形(塗る形)で光照射体(歯科用補綴物)を形成していく。そして、この場合、一般的には、材料を盛る度に光照射を行って重合を行う予備重合という作業が繰り返される。そして、この予備重合が終了し意図した形が完成すると、最終の光照射(本重合)が長時間(例えば10分)行われる。
なお、予備重合モードでは、光照射体がテーブル23上に置かれず、光照射体がユーザの手で支えられた状態で光照射体への光照射が行われることが多くなる。かかる場合、収容室22の入口付近に光照射体が配置されることが多くなる。付言すると、収容室22には開口22A(図1(B)参照)が設けられているが、予備重合モードでは、この開口22Aの付近に、光照射体が設置されることが多くなる。
また、本実施形態では、上記にて説明したとおり、光照射時間のメモリへの登録に用いられる登録用ボタン274が設けられ、この登録用ボタン274を用いることで、本重合の時間(以下、「本重合時間」と称する)を登録できるようになっている。ところで、登録できる対象は、本重合時間に限られない。登録用ボタン274を操作することで、予備重合の時間についても登録できるようにしてもよい。
例えば、上記センサを利用してLEDの点灯処理/消灯処理を行う際には、センサによりユーザの手が検知されたらカウントを開始し、ユーザの手が検知されなくなったらカウントを終了することができる。この場合、ユーザは、予め定められた定時間ではなく、ユーザがその都度希望する時間だけ、光照射体への光照射を行うことができるようになる。
本実施形態では、同図に示すように、第1側面221と上面224とが交わる箇所に、第1側面221と上面224とを接続する第1接続面51が設けられている。また、第2側面222と上面224とが交わる箇所に、第2側面222と上面224とを接続する第2接続面52が設けられている。
ここで、第3接続面53も、第3側面223および上面224の各々に対して45°の傾きを有した状態で配置されている。また、第4接続面54も、第1側面221および第3側面223の各々に対して45°の傾きを有した状態で配置されている。さらに、第5接続面55も、第2側面222および第3側面223の各々に対して45°の傾きを有した状態で配置されている。これにより、本実施形態では、収容室22の中央部に対する集光の度合いが更に高められている。
上記では説明を省略したが、第3光源33は、ユニット化されており、本実施形態では、ユニット化されたこの第3光源33が収容室22の上部に取り付けられている。
図6に示すとおり、第3光源33には、蒸着処理が表面に施され且つ複数の凹部80が形成されたリフレクター311が設けられている。また、このリフレクター311の背後には、複数のLED(不図示)が取り付けられた基板312が設けられている。
第2光源32は、第3光源33と同様、蒸着処理が表面に施され且つ複数の凹部80が形成されたリフレクター321を有している。また、リフレクター321の背後には、複数のLED(不図示)が取り付けられた基板322が設けられている。
同図に示すように、基板312上には、LEDが複数取り付けられている。
また、本実施形態では、基板312上に、波長470nmの光を出射するLED(以下、このLEDを「長波長LED61」と称する)がまとまって配置された第1LED群610が設けられている。
なお、図8では、白丸が長波長LED61を示しており、黒丸が短波長LED62を示している。
第3光源33では、収容室22の開口22A側に、複数の長波長LED61により構成された第1LED群610が設けられている。また、この第1LED群610よりも収容室22の奥側には、短波長LED62により構成された第2LED群620が設けられている。さらに、第2LED群620の両脇のそれぞれには、3個の長波長LED61が設けられている。
また、テーブル23の回転方向(図中反時計まわり方向)において、第1LED群610よりも上流側に且つ第2LED群620よりも下流側に、3個の長波長LED61(符号10B参照)が設けられている。さらに、テーブル23の回転方向において、第1LED群610よりも下流側に且つ第2LED群620よりも上流側に、3個の長波長LED61(符号10A参照)が設けられている。
次に、重合装置1を用いて実際に重合を行った光照射体の強度試験の結果を説明する。
本重合装置1の発明者は、上記にて説明した重合装置1を用い、試験片に対し光照射を行うとともに、光照射後、試験片の強度試験を行った。なお、主な試験条件は下記のとおりである。
〔試験条件〕
・長波長LED61:波長470nm、3W(ワット)
・短波長LED62:波長405nm、2W(ワット)
・試験片:
・使用材料:クラレメディカル エプリコードDA3
・形状:幅2mm×高さ2mm×長さ25mm
・光照射時間:180秒×2(両面)
・試験片のテーブル23上における設置位置:
テーブルの中心部(回転中心)、テーブルの中心部から15mm離れた箇所に位置する円の周上(φ30の円の円周上)、テーブルの中心部から30mm離れた箇所に位置する円の周上(φ60の円の円周上)の3箇所
・第3光源33とテーブル23との離間距離:118mm
・その他の試験条件
上記3箇所の設置位置のそれぞれについて、5個の試験片を用意し(合計で15個の試験片を用意し)、上記3箇所の設置位置のそれぞれにおいて、5つの試験結果を得た。
図11は、試験結果を示した図である。
なお、図11にて横方向に延びる点線は、JIS T 6517「歯冠用硬質レジン」にて規定されている規格値を示している。
次に、2つの比較例を説明する。なお、この2つの比較例では、第3光源33における長波長LED61および短波長LED62の配置を上記実施例とは異ならせている。
比較例1では、第3光源33にて、長波長LED61および短波長LED62を図12(比較例1における第3光源33および試験結果を示した図)の(A)に示すように配置した。
具体的には、短波長LED62が1個だけ含まれた第1LED列31Dと、短波長LED62が2個含まれた第2LED列31Eとを、収容室22の奥行き方向において、交互に配置した。また、収容室22の奥行き方向において中央部に位置する第2LED列31Eにおいて、短波長LED62の数を増やし、4個の短波長LED62を設置した。
この比較例1では、上記実施例と同様に、いずれの曲げ強さも、JISの規格値を超えた。しかしながら、この比較例1では、上記実施例に比して、得られた曲げ強さのばらつきが大きくなった。また、中心部曲げ強さ、φ30曲げ強さ、φ60曲げ強さのいずれの平均値も、上記実施例における平均値よりも小さくなった。また、全平均(15個の試験片の平均)も63.54MPaとなり、実施例における全平均(67.20MPa)よりも小さくなった。
比較例2では、第3光源33にて、長波長LED61および短波長LED62を図13(比較例2における第3光源33および試験結果を示した図)の(A)に示すように配置した。具体的には、短波長LED62が3個含まれた第1LED列31Dと、短波長LED62が含まれない第2LED列31Eとを、収容室22の奥行き方向において交互に配置した。
一方で、比較例1や比較例2では、テーブル23の径方向および回転方向のいずれか一方の方向にのみ、LEDが数列分設けられており、本実施形態の構成に比べ、上記のような集中的な照射がなされにくい。
本実施形態では、図8にて示したとおり、第2LED群620を収容室22の奥側に配置し、第1LED群610を収容室22の開口22A側に配置したが、第1LED群610と第2LED群620とを入れ替え、第1LED群610を収容室22の奥側に配置し、第2LED群620を収容室22の開口22A側に配置するようにしてもよい。
また、第1LED群610および第2LED群620のうちの一方のLED群を、重合装置1の一方の側面側(例えば、第1側面13(図1(A)参照)側)に配置し、他方のLED群を重合装置1の他方の側面側(例えば、第2側面14(図1(A)参照)側)に配置するようにしてもよい。
予備重合では、主に長波長光が光照射体に照射されて予備重合が行われる。付言すると、歯科用の光照射体(光硬化性材料)の多くは、波長470nmの光によって硬化することが多い。かかる場合に、この波長470nmの光を出射する第1LED群610が収容室22の開口22A側に配置されていると、ユーザは、光照射体を収容室22の奥まで入れずに、光照射体の予備重合を行うことができるようになる。
Claims (4)
- 補綴物の形成に用いられる光硬化性材料が置かれ、予め定められた回転中心を中心に回転する回転盤と、
前記回転盤の上方に配置され、当該回転盤上の光硬化性材料に対して光を照射する照射手段と、
を備え、
前記照射手段は、
予め定められた波長の光を出射する複数個の点光源により構成され、且つ、前記回転盤の径方向および当該回転盤の回転方向のそれぞれの方向に数列分の当該点光源が配置された第1の点光源群と、
前記回転盤の回転方向において前記第1の点光源群とは異なる位置に配置され、前記予め定められた波長とは異なる波長を出射する複数個の点光源により構成され、且つ、当該回転盤の径方向および当該回転盤の回転方向のそれぞれの方向に数列分の当該点光源が配置された第2の点光源群と、
を備え、
前記回転盤が回転することにより、当該回転盤上の光硬化性材料が、前記第1の点光源群との対峙と前記第2の点光源群との対峙とを交互に繰り返すように構成された光重合装置。 - 前記第2の点光源群は、前記第1の点光源群よりも少ない数の点光源により構成され、且つ、当該第2の点光源群に含まれる点光源から出射される光の波長の方が、当該第1の点光源群に含まれる点光源から出射される光の波長よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の光重合装置。
- 前記回転盤、および、当該回転盤上の光硬化性材料を収容する収容室を更に備え、
前記収容室の側部には、開口が形成され、
前記第1の点光源群および前記第2の点光源群は、前記収容室の天井部に設けられているとともに、当該第1の点光源群および当該第2の点光源群のうちの一方の点光源群の方が他方の点光源群よりも当該収容室の前記開口側に設けられ、当該他方の点光源群が当該一方の点光源群よりも当該収容室の奥側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光重合装置。 - 前記回転盤は、一方向に回転し、
前記一方向において、前記第1の点光源群よりも上流側且つ前記第2の点光源群よりも下流側には、前記予め定められた波長の光を出射する点光源が更に設けられ、
前記一方向において、前記第1の点光源群よりも下流側且つ前記第2の点光源群よりも上流側には、前記予め定められた波長の光を出射する点光源が更に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の光重合装置。
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