JP2014226209A - 光重合装置 - Google Patents

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Yutaro Suzuki
雄太郎 鈴木
幸則 三畑
Yukinori Mitsuhata
幸則 三畑
俊一 地頭江
Shunichi Jitoue
俊一 地頭江
川西 利明
Toshiaki Kawanishi
川西  利明
孝士 金子
Takashi Kaneko
孝士 金子
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【課題】補綴物の生成に用いられる光重合装置における冷却むらを生じにくくする。【解決手段】排出ファン35によって空気が排出されるのに伴い、空気取り込み口36を通じ、空気が重合装置1内に導入される。そして、この空気は、収容室22、第3板材63と外装カバーとの間の空間、第3光源33が設置され且つ第1板材61〜第4板材64により囲まれている空間(収容室22の上部に位置する空間)に対して順に供給され、最後に、重合装置1の外部に排出される。【選択図】図9

Description

本発明は、光重合装置に関する。
特許文献1には、回転台の上方に形成される歯科補綴物を配置可能な領域である重合領域に対して硬化のための光を照射する複数のLED光源が設けられた歯科技工用重合装置が開示されている。
特開2013−17616号公報
ここで、歯科などで用いられる補綴物は、例えば、光硬化性材料に光を照射しこの光硬化性材料を硬化させる光重合装置により生成されるが、この光重合装置では、光源などで発生した熱が筐体内に放出されることがあり、この場合、外部の空気を筐体内へ供給し筐体内の冷却を行う必要がある。
ところで、補綴物の生成に用いられる光重合装置はコンパクトに作られることが多く、これに伴い筐体内の余剰スペースが小さくなりやすい。また、光硬化材料への光の照射は多方向から行う必要があり、この場合、光源などの発熱源が複数且つ分散した状態で設けられる。そして、このように比較的狭いスペースに発熱源が分散配置されていると、空気を筐体内に単に供給しただけでは冷却むらが生じやすくなる。
本発明の目的は、補綴物の生成に用いられる光重合装置における冷却むらを生じにくくすることにある。
かかる目的のもと、本発明が適用される光重合装置は、筐体と、前記筐体内に設けられ、補綴物の形成に用いられる光硬化性材料が収容される収容室と、前記収容室に収容される光硬化性材料に向けて、当該収容室が備える内面のうちの少なくとも二面の方向から光を照射する光源と、前記二面の各々に対応するように複数設けられ、前記収容室の外部に、前記光源からの熱を放出する複数の熱放出部と、前記筐体内に形成されるとともに前記複数の熱放出部の各々に対応するように設けられ、当該熱放出部からの熱が放出される複数の熱放出空間と、前記複数の熱放出空間を順に経由するように設けられ、当該熱放出空間内の空気を前記筐体の外部へ排出する空気流通路と、を備える光重合装置である。
ここで、前記空気流通路は、前記収容室も経由するように設けられていることを特徴とすることができる。この場合、収容室内の熱も空気流通路を利用して筐体の外部に排出できるようになる。
また、前記複数の熱放出空間には、第1の熱放出空間と、当該第1の熱放出空間よりも上方に位置する第2の熱放出空間とが含まれ、前記空気流通路は、前記第1の熱放出空間を経た後に前記第2の熱放出空間に達するように設けられていることを特徴とすることができる。この場合、空気流通路が第2の熱放出空間を経た後に第1の熱放出空間に達する構成に比べ、空気の流れをより円滑なものとすることができる。
また、前記複数の熱放出空間のうちの少なくとも一つの熱放出空間は、断面形状が矩形状となるように形成され、四隅を有し、前記空気流通路は、前記一つの熱放出空間に対して上流側からの空気を供給する際、前記四隅のうちの何れか一つの隅に対して空気の供給を行うとともに、当該一つの熱放出空間から排出される空気を下流側へ移動させ、前記一つの熱放出空間からの空気の前記排出は、前記一つの隅の対角にある隅から行われることを特徴とすることができる。この場合、一つの熱放出空間のより広い範囲に対し、空気流通路によって送られてきた空気を供給できるようになる。
また、前記複数の熱放出空間には、第1の熱放出空間と、前記空気流通路による空気の移動方向において当該第1の熱放出空間よりも下流側に配置された第2の熱放出空間とが含まれ、前記第1の熱放出空間には、当該第1の熱放出空間の内部と前記筐体の外部とを通じさせる開口が設けられていることを特徴とすることができる。この場合、第2の熱放出空間における冷却効率を高めることができるようになる。
本発明によれば、補綴物の生成に用いられる光重合装置における冷却むらを生じにくくすることができる。
本実施形態にかかる歯科技工用重合装置の外観斜視図である。 背面側から重合装置を眺めた場合の斜視図である。 図1(A)にて示したUIを拡大して表示した図である。 重合装置の装置構成を説明するための図である。 収容室の入口側から収容室の内部の状態を示した図である。 重合装置の内部構造を説明するための斜視図である。 図6(B)における矢印VII方向から重合装置を眺めた場合の図である。 図6(B)の矢印VIII方向から重合装置を眺めた場合の斜視図である。 重合装置内の空気の流れを説明するための図である。 図1(B)におけるX−X線における断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態にかかる歯科技工用重合装置1(以下、単に「重合装置1」と称する)の外観斜視図である。
本実施形態にかかる重合装置1は、歯科用補綴物の元となる光硬化性材料に対して光を照射しこの光硬化性材料を硬化(重合)させることで、歯科用補綴物を生成する。なお、光硬化性材料としては、例えば、カンファーキノン等の光ラジカル重合材を挙げることができる。なお、本明細書では、以下、歯科用補綴物の元となる上記光硬化性材料を、光照射体と称する。
同図(A)に示すように、重合装置1は、筐体の一部として機能する外装カバー30が設けられている。また、重合装置1は、直方体状に形成されており、上面11、底面12、第1側面13、第2側面14、背面15、前面16を備えている。さらに、重合装置1は、同図(A)に示すように、装置本体20と、この装置本体20に対して開閉可能に取り付けられた蓋部材21とから構成されている。なお、蓋部材21には、窓部21Aが設けられており、この窓部21Aを通じ、重合装置1の内部を視認できるようになっている。
ここで、蓋部材21は、図中下端部に設けられたヒンジ(不図示)を介して装置本体20に対して取り付けられており、蓋部材21の上部側を手前側に引っ張ることで、同図(B)に示すように、蓋部材21が手前側に回転する。なお、蓋部材21が手前側に引っ張られると、同図(B)に示すように、光照射体が収容される収容室22が現れる。
また、同図(B)に示すように、装置本体20のうちの蓋部材21と対峙する箇所には、ゴム製の板状部材24が取り付けられている。これにより、装置本体20と蓋部材21と間に隙間が形成されることが防止され、重合装置1の内部の光が外部に漏れ出すことが抑制される。なお、板状部材24は、緩衝材としての役割も有しており、蓋部材21が閉じられた際に装置本体20に加わる衝撃が緩和される。また、本実施形態では、蓋部材21は金属材料を含んで構成され、また、板状部材24は磁性を有している。このため、蓋部材21が閉じられると、蓋部材21は板状部材24により保持される。
また、本実施形態では、蓋部材21が手前側に引っ張られ蓋部材21の開操作がユーザにより行われると、同図(B)に示すように、円盤状のテーブル23が現れる。ここで、本実施形態では、光照射体の収容室22への収容は、円盤状のテーブル23に光照射体がまず置かれ、その後、このテーブル23が収容室22内へ移動することで行われる。なお、テーブル23は、蓋部材21の動きに連動し、蓋部材21の開操作をすると、装置本体20の外側へ出てくるようになり、蓋部材21の閉操作をすると、装置本体20の内部に収容される。
ここで、収容室22は、直方体状に形成されている。さらに、収容室22には、同図(B)に示すように、第1側面221、第1側面221の反対側に位置する第2側面222(図1では不図示)、収容室22の奥に位置する第3側面223(図1では不図示)、上面224(図1では不図示)、および、底面225が設けられている。
また、収容室22には、第1光源31〜第3光源33が設けられている。ここで、第1光源31は、第1側面221に設けられている。第2光源32は、第2側面222に設けられている。第3光源33は、上面224に設けられている。本実施形態では、この第1光源31〜第3光源33から光照射体に対して光が照射され、光照射体の重合が行われる。付言すると、本実施形態では、収容室22が有する複数の内面(第1側面221〜第3側面223、上面224、底面225)のうちの三面(第1側面221、第2側面222、上面224)の方向から(三面が設けられている箇所の各々から)、光照射体への光出射が行われるようになっている。
なお、第1光源31〜第3光源33の各々には、複数のLED(発光ダイオード、Light Emitting Diode)が設けられており、本実施形態では、LEDから出射された光を用いて光照射体の重合を行う。ここで、LEDを用いる場合、ハロゲンや蛍光灯などを用いる場合に比べ光源の長寿命化が可能となる。
また、LEDを用いる場合、光照射体の温度上昇を抑制できるようになる。ここで、第1光源31〜第3光源33には、ハロゲンや蛍光灯などを用いることもできるが、ハロゲンや蛍光灯から出射される光には、青色や紫色以外の色の光も含まれ、この場合、この青色や紫色以外の色の光によって、光照射体が加熱されることが起こりうる。
付言すると、市販されている歯科用の光照射体(光硬化性材料)の多くは、波長の短い青色や紫色の光で硬化するが、ハロゲンや蛍光灯から出射される光には、青色や紫色以外の色の光も含まれ、この青色や紫色以外の色の光によって、光照射体が加熱されることが起こりうる。
また、ハロゲンや蛍光灯などを用いる場合には、光照射体の硬化に寄与しない波長の光も出射されるため、エネルギーの無駄な消費が生じることとなる。
一方で、本実施形態のように、LEDを用いる場合、特定の波長の光のみを光照射体に照射可能となり、加熱の問題を回避可能となる。また、エネルギーの効率的な使用が可能となる。
なお、本実施形態では、LEDを用いて光源を構成した態様を一例に説明したが、光源には、例えば、面発光LEDを用いるようにしてもよい。また、光源には、有機又は無機EL(Electro Luminescence)や、LD(レーザーダイオード)や、面発光LDなどを用いることもできる。
図1(B)を参照し、重合装置1についてさらに説明する。
本実施形態の重合装置1では、底面225の下部に、モータを有しテーブル23を周方向に回転させる回転機構が設けられている。なお、テーブル23には、テーブル23から下方に向かって延びる回転軸が取り付けられており、本実施形態では、この回転軸が回転機構によって回転される。また、本実施形態では、図1(B)に示すように、底面225に、重合装置1の奥行き方向に沿った溝227が形成されている。蓋部材21の開閉動作に伴いテーブル23が移動する際、上記回転軸は、この溝227内を移動する。
また、本実施形態では、図1(A)に示すように、前面16の上部に、ユーザへの情報の表示を行うとともにユーザによる操作を受け付けるユーザインタフェース(UI)27が設けられている。さらに、本実施形態では、第2側面14に、重合装置1の外部の空気(外気)の重合装置1の内部への導入に用いられる空気導入口28が設けられている。なお、この空気導入口28は、第1側面13にも設けられている(図2参照)。
図2は、背面15側から重合装置1を眺めた場合の斜視図である。
重合装置1の背面15には、重合装置1の内部の空気を外部に排出する排出ファン35が設けられている。この排出ファン35は、背面15の幅方向における中央部且つ背面15の上部に設けられている。さらに、排出ファン35の下方には、重合装置1の外部の空気の内部への取り込みに用いられる空気取り込み口36が設けられている。なお、この空気取り込み口36には、フィルタ37が取り付けられており、重合装置1の内部への異物の進入が抑制されている。さらに、図示は省略するが、フィルタ37の背後には(空気取り込み口36内には)、重合装置1の内部(収容室22の内部)に空気を送り込む給気ファンが設けられている。なお、本実施形態では、排出ファン35および給気ファンの二つのファンを用い、重合装置1内への空気の供給、および、重合装置1からの空気の排出を行うが、排出ファン35の出力などによっては、排出ファン35のみで、空気の供給および空気の排出を行うことができる。また、本実施形態では、重合装置1の背面15に、電源スイッチ38、電源ケーブルが接続されるコネクタ39が設けられている。
図3は、図1(A)にて示したUI27を拡大して表示した図である。
UI27には、同図に示すように、情報の表示を行う液晶パネル271が設けられている。さらに、第1光源31〜第3光源33からの光の出射/停止を行うためのスタート/ストップボタン272が設けられている。さらに、光の照射(出射)時間を設定するための時間設定用ボタン273が設けられている。この時間設定用ボタン273は、「分」を設定するための分設定用ボタン273Aと、「秒」を設定するための秒設定ボタン273Bとから構成されている。さらに、ユーザにより設定された光照射時間のメモリへの登録に用いられる登録用ボタン274が複数設けられている。
また、UI27には、予備重合が行われる際にユーザにより押圧される予備重合用ボタン275が設けられている。上記では説明を省略したが、本実施形態では、蓋部材21が開かれている状態にて、スタート/ストップボタン272が押圧された場合には、第1光源31〜第3光源33からの光の出射は行われないようになっている。一方で、本実施形態では、蓋部材21が開かれている状態にて予備重合用ボタン275が押圧された場合、第3光源33から光が出射されるようになっている。
ユーザによっては、蓋部材21を開放したままで、光照射体に対する光照射を行いたい場合があり、このような場合に、予備重合用ボタン275がユーザにより押圧される。
より具体的に説明すると、光照射体を構成する材料は流動性を有していることも多く、この場合、少しずつこの材料を盛る形(塗る形)で光照射体(歯科用補綴物)を形成していく。そして、この場合、一般的には、材料を盛る度に光照射を行って重合を行う予備重合という作業が繰り返される。そして、この予備重合が終了し意図した形が完成すると、最終の光照射(本重合)が長時間(例えば10分)行われる。
このような作業工程において、予備重合用ボタン275が設けられていると、重合の度に蓋部材21の開閉操作を行う必要がなくなり、蓋部材21を開いたままでの光照射を行うことができるようになる。
なお、予備重合モードでは、光照射体がテーブル23上に置かれず、光照射体がユーザの手で支えられた状態で光照射体への光照射が行われることが多くなる。かかる場合、収容室22の入口付近に光照射体が配置されることが多くなる。このような場合、収容室22の奥側にあるLEDを点灯させても、このLEDからの光は光照射体に達しにくくなる。このため、予備重合用ボタン275が押された場合には、LEDのうちの収容室22の奥側に位置するLEDを点灯しないようにしたり、出力を落としたりする処理を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、予備重合用ボタン275が押されることでLEDが点灯する構成を一例に説明したが、ユーザの手を検知するセンサ(フォトセンサ、超音波センサ等)を設け、ユーザの手がセンサにより検知された場合にLEDを点灯するようにしてもよい。この場合、ユーザの作業性が向上する。
また、本実施形態では、上記にて説明したとおり、光照射時間のメモリへの登録に用いられる登録用ボタン274が設けられ、この登録用ボタン274を用いることで、本重合の時間(以下、「本重合時間」と称する)を登録できるようになっている。ところで、登録できる対象は、本重合時間に限られない。登録用ボタン274を操作することで、予備重合の時間についても登録できるようにしてもよい。
また、本実施形態では、液晶パネル271に、照射時間についての表示がなされるが、この際、時間が次第に減るカウントダウン(減算)方式で表示を行う。ところで、カウントダウン方式に限られず、例えば、予備重合が行われるときにはカウントアップ(増算)方式で時間の表示を行うようにしてもよい。
例えば、上記センサを利用してLEDの点灯処理/消灯処理を行う際には、センサによりユーザの手が検知されたらカウントを開始し、ユーザの手が検知されなくなったらカウントを終了することができる。この場合、ユーザは、予め定められた定時間ではなく、ユーザがその都度希望する時間だけ、光照射体への光照射を行うことができるようになる。
また、本実施形態では、図4(重合装置1の装置構成を説明するための図)に示すように、プログラム制御されたCPUにより構成された制御部41が設けられている。ここで、この制御部41は、UI27からの信号を受け付ける。また、UI27および第1光源31〜第3光源33に対して制御信号を出力し、UI27における表示制御および第1光源31〜第3光源33の点灯制御を行う。また、本実施形態では、制御部41、UI27、第1光源31〜第3光源33に電力を供給する電源42が設けられている。
図5は、収容室22の入口側から収容室22の内部の状態を示した図である。付言すると、図5では、第1側面221〜第3側面223、および、上面224を表示している。
本実施形態では、同図に示すように、第1側面221と上面224とが交わる箇所に、第1側面221と上面224とを接続する第1接続面51が設けられている。また、第2側面222と上面224とが交わる箇所に、第2側面222と上面224とを接続する第2接続面52が設けられている。
ここで、第1接続面51は、第1側面221および上面224の各々に対して45°の傾きを有した状態で配置されている。また、第2接続面52も、第2側面222および上面224の各々に対して45°の傾きを有した状態で配置されている。これにより、本実施形態では、第1接続面51および第2接続面52が設けられていない構成に比べ、収容室22の中央部に対する集光の度合いを高めることができるようになる。
さらに、本実施形態では、第3側面223と上面224とを接続する第3接続面53、第1側面221と第3側面223とを接続する第4接続面54、第2側面222と第3側面223とを接続する第5接続面55が設けられている。
ここで、第3接続面53も、第3側面223および上面224の各々に対して45°の傾きを有した状態で配置されている。また、第4接続面54も、第1側面221および第3側面223の各々に対して45°の傾きを有した状態で配置されている。さらに、第5接続面55も、第2側面222および第3側面223の各々に対して45°の傾きを有した状態で配置されている。これにより、本実施形態では、収容室22の中央部に対する集光の度合いが更に高められている。
また、本実施形態では、図1(B)に示すように、底面225と第1側面221とを接続する第6接続面56も、底面225および第1側面221の各々に対して45°の傾きを有した状態で配置されている。また、底面225と第2側面222(図5参照)とを接続する第7接続面57も、底面225および第2側面222の各々に対して45°の傾きを有した状態で配置されている。
さらに説明すると、本実施形態では、第1側面221、第2側面222、上面224、底面225に加え、第1接続面51、第2接続面52、第6接続面56、第7接続面57が設けられていることによって、収容室22の外縁の断面形状が八角形となっている。付言すると、上下方向に沿い且つ重合装置1の幅方向に沿った面における断面形状が、八角形となっている。これにより、本実施形態では、収容室22の外縁の断面形状が矩形となっている場合に比べ、収容室22の中央部に対する集光の度合いが高められている。
なお、上記では説明を省略したが、第1側面221、第2側面222、第3側面223、上面224、底面225、第1接続面51〜第7接続面57には、アルミニウムの蒸着を行っており、これらの面は、第1光源31〜第3光源33から出射された光を収容室22の内部側に向けて反射するリフレクターとしての機能も有している。
また、第1側面221、第2側面222、および、上面224には、図5に示すように、凹部80が複数設けられており、LEDは、この凹部80内に収容されている。さらに、第1側面221、第2側面222、および、上面224には、図5に示すように、透明の保護カバー81が取り付けられている。これにより、第1側面221、第2側面222、上面224およびLEDに対し、汚れが付着することが防止される。なお、この保護カバー81は、取り外し可能(交換可能)な状態で設けられている。
図6は、重合装置1の内部構造を説明するための斜視図である。付言すると、図6では、外装カバー30(図1(A)参照)を取り外した状態の重合装置1を図示している。
同図(A)に示すように、重合装置1の内部には、重合装置1の幅方向に沿って延びる第1板材61および第2板材62が設けられている。ここで、本実施形態では、第1板材61の方が第2板材62よりも重合装置1の手前側に配置されている。さらに、重合装置1の奥行き方向に沿って延びる第3板材63および第4板材64が設けられている。ここで、第3板材63および第4板材64は、第1板材61と第2板材62との間に設けられ、また、第1板材61および第2板材62に対して固定されている。
同図(A)に示すように、第3板材63のうちの第1板材61側には、矩形状の貫通孔63Aが形成されている。さらに、第3板材63のうちの第2板材62側には、矩形状の第1切り欠き63Bが設けられている。なお、この第1切り欠き63Bは、第3板材63の中央部(第3板材63の高さ方向における中央部)から下縁にかけて設けられている。さらに、第3板材63のうちの第1板材61側には、略形状の第2切り欠き63Cが設けられている。ここで、この第2切り欠き63Cは、第3板材63の上部に設けられている。
なお、図6(A)に示すように、第4板材64に対しても、貫通孔64A、第1切り欠き(図6では不図示)、第2切り欠き64Cが設けられている。
さらに、本実施形態の重合装置1では、重合装置1の幅方向に沿って配置され且つ第3板材63および第4板材64に取り付けられ、第3光源33(図6(B)参照)を下方から支持する支持フレーム65が設けられている。なお、この支持フレーム65のうちの第1板材61側の端部にはスリットSLが形成されており、本実施形態では、収容室22内の空間と、支持フレーム65よりも上方に位置する空間とが、スリットSLを介し通じている。
図6(B)は、第1光源31〜第3光源33を含む各種部品を第3板材63等に取り付けた状態を示している。
第3板材63に対しては、同図に示すように、第1回路基板71、第2回路基板72、および、第1光源31が取り付けられる。ここで、第1光源31については、第3板材63のうちの貫通孔63A(図6(A)参照)が設けられている部分に取り付けられる。また、第1回路基板71は、第1切り欠き63Bの上部に取り付けられる。また、第2回路基板72は、第3板材63のうち、貫通孔63A(図6(A)参照)が設けられている部分の下方に取り付けられる。
また、第4板材64に対しても、第2光源32、および、回路基板(図6(B)では不図示)が取り付けられる。ここで、第2光源32は、図6(B)に示すように、第4板材64のうち、貫通孔64A(図6(A)参照)が設けられている部分に取り付けられる。また、回路基板は、図6(B)において、第4板材64の裏面に取り付けられる。また、本実施形態では、支持フレーム65(図6(A)参照)に対し、第3光源33が取り付けられる。
図7は、図6(B)における矢印VII方向から重合装置1を眺めた場合の図である。付言すると、図7は、外装カバー30が取り外された状態における重合装置1の左側面図である。
上記にて説明したとおり、また、図7に示すとおり、第3板材63に対しては、第1回路基板71、第2回路基板72、および、第1光源31が取り付けられる。ここで、上記では説明を省略したが、第1光源31には、LEDを支持する基板31Aと、この基板31Aの背後に配置され放熱を促すヒートシンク(放熱用部材)31Bとが設けられている。ここで、このヒートシンク31Bは、第1光源31の熱を収容室22の外部に放出する熱放出部として捉えることができる。
ヒートシンク31Bは、第3板材63と外装カバー30(図1(A)参照)との間の空間(以下、「板材/カバー空間」と称することがある)に配置されており、本実施形態では、第1光源31にて発生した熱が、第1の熱放出空間の一例としてのこの板材/カバー空間に放出される。なお、第1回路基板71および第2回路基板72にて発生した熱も、板材/カバー空間に放出される。
また、本実施形態では、上記にて説明したとおり、また、図7に示すように、第3板材63に対し、第1切り欠き63Bおよび第2切り欠き63Cが形成されている。これにより、本実施形態では、第1切り欠き63Bおよび第2切り欠き63Cが形成されている部分において、第3板材63よりも内側に位置する空間と第3板材63よりも外側に位置する空間とが通じるようになっている。
図8は、図6(B)の矢印VIII方向から重合装置1を眺めた場合の斜視図である。付言すると、図8は、外装カバー30が取り外された状態における重合装置1の右側面図である。
第3板材63と同様、第4板材64に対しても、回路基板75が取り付けられている。また、第4板材64には第2光源32が取り付けられている。ここで、この第2光源32には、第1光源31と同様、LEDを支持する基板32A、この基板32Aの背後に配置され放熱を促すヒートシンク(放熱用部材)32Bが設けられている。なお、第4板材64では、第1回路基板71(図7参照)に相当する回路基板は設けられておらず、第2回路基板72に相当する回路基板のみが設けられている。
また、第4板材64には、第3板材63と同様、第1切り欠き64Bおよび第2切り欠き64Cが設けられている。これにより、第4板材64側においても、第1切り欠き64Bおよび第2切り欠き64Cが形成されている部分において、第4板材64よりも内側に位置する空間と第4板材64よりも外側に位置する空間とが通じるようになっている。
次に、図9(重合装置1内の空気の流れを説明するための図)を参照し、重合装置1内の空気の流れについて説明する。なお、以下の説明では、第3板材63側における空気の流れを主に説明するが、第4板材64側における空気の流れも、第3板材63側における空気の流れと同様となっている。
ここで、本実施形態では、排出ファン35(図9(B)参照)および給気ファン(不図示)によって、空気取り込み口36(図9(B)参照)を通じ、空気が重合装置1内に導入される。そして、重合装置1内に導入された空気の一部は、収容室22を通った後、スリットSL(図6(A)参照)を通り、第3光源33が設置され且つ第1板材61〜第4板材64により囲まれている空間(収容室22の上部に位置する空間、以下、「第3光源設置空間」と称する)に供給され、第3光源33の冷却が行われる。また、重合装置1内に導入された空気の他の一部は、収容室22、上記板材/カバー空間、第3光源設置空間に対して順に供給され、最後に、重合装置1の外部に排出される。
付言すると、本実施形態では、重合装置1内に導入された空気の一部は、収容室22を経由して上方へ向かい第3光源設置空間に供給され、そして、第3光源設置空間に設けられた排出ファン35によって、重合装置1の外部へ排出される。また、重合装置1内に導入された空気の他の一部は、収容室22、板材/カバー空間、第3光源設置空間を順に経由するように設けられた空気流通路によって、これらの空間に対して供給される。そして、この空気も、第3光源設置空間に設けられた排出ファン35によって、重合装置1の外部へ排出される。これにより、重合装置1内の冷却が行われるようになる。
ここで、例えば、本実施形態のように空気流通路を形成せず、単に排気口からの廃熱を行う構成であると、重合装置1内に、空気が供給されにくくなる部位が生じやすくなる。そして、この場合は、冷却むらが発生しやすくなる。
さらに説明すると、重合装置1はコンパクトに作られることが多く、これに伴い、重合装置1の内部の余剰スペースは小さくなる。また、光照射体への光の照射は多方向から行う必要があり、この場合、第1光源31〜第3光源33のように、光源が複数且つ分散した状態で設けられる。そして、このように比較的狭いスペースに発熱源となる光源が分散配置されると、冷却むらが生じやすくなる。
一方で、本実施形態では、重合装置1内に導入された空気は、予め定められた経路に沿って移動し、また、この空気は、発熱源である光源などが収容された板材/カバー空間、第3光源設置空間の各々に順次供給される。これにより、発熱源が設けられている箇所に対して外気がより確実に供給され、発熱源の各々がより確実に冷却されるようになる。これにより、本実施形態の重合装置1では、冷却むらが生じにくくなる。
以下、収容室22、板材/カバー空間、第3光源設置空間を空気が順に通過していく際の空気の流れを詳細に説明する。
本実施形態では、まず、排出ファン35(図9(B)参照)および給気ファン(不図示)によって、空気取り込み口36(図9(B)参照)を通じ、空気が重合装置1内に導入される。そして、導入された空気は、図9(A)の符号9Aに示すように、収容室22を通った後、溝227を通り、底面225の下方に移動する。なお、本実施形態では、収容室22を空気が通ることで、収容室22の内部が冷却される。
その後、底面225の下方に移動した空気は、図9(A)の符号9Bに示すように、第3板材63に形成された第1切り欠き63Bを通じ、板材/カバー空間へ供給される。その後、この空気は、図9(B)の符号9Cに示すように、第1切り欠き63Bとは対角の位置にある第2切り欠き63Cへ向かう。この際、第1回路基板71、第2回路基板72、第1光源31が冷却される。
付言すると、本実施形態では、板材/カバー空間は、鉛直方向に沿う面であって重合装置1の奥行き方向に沿った面における断面の形状が略矩状となっており、四隅を有している。そして、本実施形態では、この四隅のうちの一つの隅(図中、左下の隅)に対し、上流側からの空気が供給されるようになっている。さらに、本実施形態では、この供給に伴い、板材/カバー空間から空気が排出されるようになるが、この排出が、上記一つの隅の対角にある隅(図中、右上の隅)から行われるようになっている。
このように、空気の供給箇所と排出箇所とが対角の位置関係にある場合、第3板材63上の発熱源(第1回路基板71、第2回路基板72、第1光源31)の冷却を効果的に行うことができるようになる。ここで、例えば、第1切り欠き63Bが第2切り欠き63Cと同じ側(図9(B)にて符号9Dで示す側)にあったり、第2切り欠き63Cが第1切り欠き63Bと同じ側(符号9Eで示す側)にあったりすると、対角の位置関係にある場合に比べ、空気(外気)が供給される領域が小さくなる。本実施形態のように、対角の位置関係にあると、より広い範囲に空気が供給されるようになる。
また、本実施形態では、板材/カバー空間に対し空気を供給する際に、この板材/カバー空間の下部(鉛直方向における下部)から空気を供給し、この板材/カバー空間の上部(鉛直方向における上部)から空気を排出する。これにより、板材/カバー空間内における空気の流れを円滑なものとしている。
ここで、板材/カバー空間の上部から空気を供給し下部から空気を排出する場合、上昇しようとする空気(加熱されることにより上昇流となった空気)を下方に向けて強制的に送る形となり、空気の流れが乱れやすくなる。一方で、本実施形態では、上昇しようとする空気が向かう方向に向けてこの空気を送る形となり、空気がより円滑に移動するようになる。
また、本実施形態では、空気の移動方向において、板材/カバー空間よりも下流側に第3光源設置空間が配置されるととともに、板材/カバー空間よりも上方に第3光源設置空間が配置される構成となっており、これにより、空気の流れを円滑なものとしている。
ここで、例えば、上方に位置する第3光源設置空間から下方に位置する板材/カバー空間に向かって空気が移動する構成であると、上記と同様、上昇しようとする空気を下方に向けて強制的に送る形となり、空気の流れが乱れやすくなる。本実施形態のように、下流側に位置する第3光源設置空間が上方に配置されていると、空気がより円滑に移動するようになる。
図9を参照し、重合装置1内の空気の流れを更に説明する。
板材/カバー空間を空気が通過した後、本実施形態では、この空気は、第2切り欠き63Cに達する。そして、この空気は、図9(A)の符号9Dに示すように、第2切り欠き63Cを通じて、第2の熱放出空間の一例としての第3光源設置空間に入り込む。
そして、この空気は、図9(A)に示すように、第3光源33を通過した後に、排出ファン35へ到達する。そして、この空気は、排出ファン35によって重合装置1の外部に排出される。なお、上記では説明を省略したが、図9(A)に示すように、第3光源33にも、熱放出部として機能するヒートシンク(放熱用部材)33Bが設けられている。
ここで、本実施形態では、第3光源33を挟み排出ファン35が設けられている側とは反対側に第2切り欠き63Cが設けられた構成となっている。これにより、本実施形態では、空気の移動方向において、第3光源33よりも上流側に、空気が供給されるようになる。そして、この場合、供給された空気が第3光源33を通過するようになる。ここで、第2切り欠き63Cが、排出ファン35が設けられている側と同じ側に設けられていると、第3光源33へ空気が供給されにくくなり、第3光源33の冷却効率が低下する。
さらに、本実施形態では、図9(B)に示すように(図2も参照)、第2切り欠き63Cの近くに空気導入口28が設けられており、第2切り欠き63Cに向かう空気に対して、新たな空気が追加で供給される。付言すると、本実施形態の板材/カバー空間には、板材/カバー空間と重合装置1の外部とを通じさせる開口の一例としての空気導入口28が設けられており、この空気導入口28を通じ、板材/カバー空間へ外気が導入される。これにより、第3光源33(第3光源設置空間)に対し、より冷えた空気が供給される。
ここで、本実施形態では、空気は、収容室22、板材/カバー空間を経て、第3光源33に達する。このため、第3光源33に供給される空気は既に加熱されており、第3光源33の冷却効率は低下しやすくなる。本実施形態のように、空気導入口28を設けた場合、加熱された空気に対して加熱されていない空気が追加で供給されるため、空気の温度が低下し、空気導入口28が設けられていない場合に比べ、第3光源33の冷却効率が高まる。
なお、本実施形態では、図9(B)に示すように、第1回路基板71に対峙する箇所に空気導入口28を設けている。この場合、第1回路基板71に対して空気(外気)が直接当たるようになり、第1回路基板71の冷却効率が高まる。
また、本実施形態では、図10(図1(B)におけるX−X線における断面図)に示すように、溝227を、装置本体20の奥行き方向における中央部よりも手前側(図中、下側)に形成している。ここで、中央部よりも奥側(図中、上側)まで溝227が形成されていると、重合装置1の奥側にて(空気取り込み口36により近い位置にて)、底面225の下方に空気が移動してしまう。
かかる場合、収容室22の手前側への空気の供給量が低下し、これに伴い、収容室22の手前側の冷却効率が低下する。一方で、本実施形態のように、溝227が、装置本体20の奥行き方向における中央部よりも手前側に形成されていると、収容室22の手前側へ、より多くの空気が移動してくるようになる。そして、この場合、収容室22の手前側の冷却効率が上がる。
また、本実施形態では、溝227を利用することで、底面225の下方へ空気を移動させている。この場合、専用の空気穴などを底面225に形成せずに、底面225の下方への空気の移動を実現できる。
1…歯科技工用重合装置、22…収容室、28…空気導入口、30…外装カバー、31…第1光源、31B…ヒートシンク、32…第2光源、33…第3光源、33B…ヒートシンク

Claims (5)

  1. 筐体と、
    前記筐体内に設けられ、補綴物の形成に用いられる光硬化性材料が収容される収容室と、
    前記収容室に収容される光硬化性材料に向けて、当該収容室が備える内面のうちの少なくとも二面の方向から光を照射する光源と、
    前記二面の各々に対応するように複数設けられ、前記収容室の外部に、前記光源からの熱を放出する複数の熱放出部と、
    前記筐体内に形成されるとともに前記複数の熱放出部の各々に対応するように設けられ、当該熱放出部からの熱が放出される複数の熱放出空間と、
    前記複数の熱放出空間を順に経由するように設けられ、当該熱放出空間内の空気を前記筐体の外部へ排出する空気流通路と、
    を備える光重合装置。
  2. 前記空気流通路は、前記収容室も経由するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光重合装置。
  3. 前記複数の熱放出空間には、第1の熱放出空間と、当該第1の熱放出空間よりも上方に位置する第2の熱放出空間とが含まれ、
    前記空気流通路は、前記第1の熱放出空間を経た後に前記第2の熱放出空間に達するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光重合装置。
  4. 前記複数の熱放出空間のうちの少なくとも一つの熱放出空間は、断面形状が矩形状となるように形成され、四隅を有し、
    前記空気流通路は、前記一つの熱放出空間に対して上流側からの空気を供給する際、前記四隅のうちの何れか一つの隅に対して空気の供給を行うとともに、当該一つの熱放出空間から排出される空気を下流側へ移動させ、
    前記一つの熱放出空間からの空気の前記排出は、前記一つの隅の対角にある隅から行われることを特徴とする請求項1に記載の光重合装置。
  5. 前記複数の熱放出空間には、第1の熱放出空間と、前記空気流通路による空気の移動方向において当該第1の熱放出空間よりも下流側に配置された第2の熱放出空間とが含まれ、
    前記第1の熱放出空間には、当該第1の熱放出空間の内部と前記筐体の外部とを通じさせる開口が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光重合装置。
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