JP2014226152A - 処置具、処置システム、及び処置システムの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 生体組織LTが処置面に付着しにくい処置具2を提供する。【解決手段】 処置具2は、高周波電力が通電される処置部を有する手術用の処置具であって、処置部の金属電極の表面が絶縁膜に覆われている。【選択図】図3
Description
本発明は、高周波電力が通電される処置部を有する手術用の処置具、前記処置具を具備する処置システム、及び前記処置システムの制御方法に関する。
電気メス等の手術用の処置具は、生体組織に高周波電力を通電することで切開、凝固、及び止血等の処置に用いられる。
例えば、図1に示すように、特開2003−175053号公報には、それぞれに高周波通電用の金属電極が配設された一対のジョーを備え、一対のジョーで挟持した生体組織に高周波電力を通電することで、処置を行うバイポーラ鉗子が開示されている。
しかし、従来の処置具では、金属電極と生体組織とを接触しながら電力が通電されるため、焼け焦げた生体組織の一部が、処置面である金属電極の表面に付着することがあった。焼け焦げた生体組織が付着した処置面には電流が流れないため、処置能力が劣化し、処置が容易ではなくなるおそれがあった。
本発明の実施形態は、生体組織が処置面に付着しにくい処置具、及び、前記処置具を具備する処置システム、及び前記処置システムの制御方法を提供することを目的とする。
本発明の実施形態の処置具は、高周波電力が通電される処置部を有する手術用の処置具であって、前記処置部の金属電極の表面が絶縁膜に覆われている。
別の実施形態の処置システムは、高周波電力が通電される処置部を有し、前記処置部の金属電極の表面が絶縁膜に覆われている手術用の処置具と、前記高周波電力を出力する電源部と、前記高周波電力の通電効率を検出する検出部と、前記通電効率を調整する調整部と、前記検出部の検出結果に基づいて前記通電効率が向上するように前記調整部を制御する制御部と、を有する本体部と、を具備する。
また、別の実施形態の処置システムの制御方法は、電源部が出力する第1の高周波電力が、手術用処置具の処置部の金属電極表面を覆う絶縁膜を介して被処置体に通電される工程と、前記第1の高周波電力の通電効率が検出部により検出される工程と、前記第1の高周波電力の前記通電効率が所定値以上になるように調整部が調整される工程と、前記第1の高周波電力よりも大きな第2の高周波電力が、前記絶縁膜を介して前記被処置体に通電される工程と、を具備する。
本発明の実施形態によれば、生体組織が処置面に付着しにくい処置具、及び、前記処置具を具備する処置システム、及び前記処置システムの制御方法を提供できる。
<第1実施形態>
最初に、第1実施形態の処置システム1、及び処置具2について説明する。図1に示すように、処置システム1は、処置具2と、本体部3と、フットスイッチ4と、を具備する。本実施形態の処置具2は、例えば腹壁を通して処置を行うリニアタイプの外科手術用である。
最初に、第1実施形態の処置システム1、及び処置具2について説明する。図1に示すように、処置システム1は、処置具2と、本体部3と、フットスイッチ4と、を具備する。本実施形態の処置具2は、例えば腹壁を通して処置を行うリニアタイプの外科手術用である。
処置具2は、グリップ2Aと、シャフト2Bと、被処置体である生体組織LT(図2B参照)を挟持して処置を行う開閉可能な一対の処置部11(第1処置部11Aと第2処置部11B)と、を備えている。グリップ2Aは、ケーブル28を介して本体部3に接続されている。なお、処置具2から延設されたケーブル28も処置具2の一部である。術者が処置部11の開閉を操作する開閉ノブ2Cのあるグリップ2Aは、術者が握り易い形状、例えば略L字状である。グリップ2Aの一端には、処置部11と一体化し、開閉ノブ2Cの動作を処置部11に伝達するワイヤが内部に配設されたシャフト2Bが配設されている。一方、グリップ2Aの他端側は、術者に把持される把持部2Dである。
本体部3は、術者が処理条件等を設定する設定部32と処置条件等を表示する表示部37とを前面パネルに有する。そして、接続部28Tはケーブル28を介して処置具2と接続されており、接続部29Tはケーブル29を介してフットスイッチ4と接続されている。フットスイッチ4のペダルを術者が足で押圧操作することにより、本体部3から処置具2への高周波電力の出力がON/OFF制御される。なお、フットスイッチ4は必須の構成要素ではなく、術者が手元で操作するスイッチ等であってもよい。
図2A及び図2Bに示すように、処置具2の処置部11は、例えば、第2処置部11Bが第1処置部11Aに対して相対的に移動することにより開閉自在である。すなわち、図2Aに示すように、開閉ノブ2Cが術者により押圧操作されていないときには、図示しない弾性部材の付勢力により第2処置部11Bは第1処置部11Aと近接状態又は接触状態にある。これに対して、図2Bに示すように、弾性部材の付勢力よりも強い力で開閉ノブ2Cが術者により押圧操作されると、第2処置部11Bは第1処置部11Aとから離れ、処置部11は開状態となる。処置部11が開状態のときに、第1処置部11Aと第2処置部11Bとの間に挿入された生体組織LTは、術者が開閉ノブ2Cの操作をやめると、弾性部材の付勢力により第1処置部11Aの保持面11ASと第2処置部11Bの保持面11BSと間に挾まれ押圧された状態で保持される。
処置具2では、第1処置部11Aの保持面11ASは、金属電極12Aを覆う絶縁膜13Aの表面であり、第2処置部11Bの保持面11BSは、金属電極12Bを覆う絶縁膜13Bの表面である。処置具2の絶縁膜13は、焼け焦げた生体組織が付着しにくい、フッ素樹脂であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる。
なお、以下、2つある同じ機能部のそれぞれをいうときは、末尾のアルファベット1文字を省略することがある。例えば、金属電極12は、金属電極12A及び金属電極12Bのそれぞれを意味する。
以上の説明のように、処置具2は、バイポーラ型であり、処置部11が、被処置体である生体組織LTを挟持する、それぞれの表面が絶縁膜13に覆われている一対の金属電極12を有する。処置具2では、生体組織LTを挟持する処置面は、金属電極12の表面ではなく、絶縁膜13の表面である。
一方、図3に示すように、本体部3は、CPU等からなる制御部31と、設定部32と、電源部33と、検出部34と、調整部35と、を有する。
電源部33は、金属電極21、22に駆動信号、例えば周波数が100kHz以上100MHz以下の周波数で所定強度の高周波電力を出力する、例えば、高周波信号発振部とアンプとからなる。高周波電力の周波数は法令等で使用が認められている周波数から選択されることが好ましく、例えば13.56MHzである。高周波電力の波形は特に制限はないが正弦波が好ましい。
設定部32は術者が高周波電力の強度(出力値)等を設定するのに用いられるスイッチ、マウス又はキーボード等である。
制御部31は、設定部32の設定に応じた仕様の高周波電力を出力するように電源部33を制御する。
なお、検出部34及び調整部35の機能等については後述する。
なお、検出部34及び調整部35の機能等については後述する。
図4は、第1処置部11Aと第2処置部11Bとの間に生体組織LTが挟持されたときの処置システム1の最も単純な等価回路を示している。なお、既に説明したように、処置具2は、本体部3の接続部28Tを介して接続されている。
導体である生体組織LTは、抵抗値R(LT)の抵抗R1とみなされる。そして、生体組織LTと第1の電極12Aの間の第1の絶縁膜13Aは、容量がC(13A)の第1のキャパシタC1とみなされる。同様に、生体組織LTと第2の電極12Bとの間の第2の絶縁膜13Bは、容量がC(13B)の第2のキャパシタC2とみなされる。
すなわち、処置システム1の高周波電力経路の等価回路は、抵抗値R(LT)の抵抗R1と、容量がC(13A)の第1のキャパシタC1と、容量がC(13B)の第2のキャパシタC2と、が直列に接続されている。
図4から明らかなように、電源部33が直流電力を出力しても、第1のキャパシタC1及び第2のキャパシタC2があるため、生体組織LTには電力は通電されない。しかし、電源部33は高周波電力を出力するため、第1のキャパシタC1及び第2のキャパシタC2を介して、生体組織LTに電力が通電され、切開、凝固、及び止血等の処置が行われる。
そして、生体組織LTと接触している処置面が金属の従来の処置具と異なり、処置具2では、処置面11Sは、フッ素樹脂からなる絶縁膜13の表面である。
このため、処置具2は処置面11Sに焼け焦げた生体組織が付着しにくく、処置能力が劣化しない。
なお、絶縁膜13の材料は、PTFE等のフッ素樹脂に限られるものではなく、金属よりも焼け焦げた生体組織が付着しにくい非粘着性絶縁材料から適宜、選択できる。例えば、絶縁膜13は、酸化シリコン、アルミニウム酸化物(アルミナ)、ジルコニウム酸化物等の金属酸化物、窒化シリコン等の金属窒化物、非晶質硬質炭素(DLC)、チタン酸バリウム等のセラミック、又はガラスからなる。
絶縁膜13の厚さは、0.1μm以上0.1mm以下が好ましく、前記範囲以上であれば耐久性に問題が生じることがなく、前記範囲以下であれば通電効率が大きく劣化することがない。
なお、通電効率の観点からは、絶縁膜13は比誘電率εが高い材料、例えば、比誘電率εが5以上のアルミナ(ε=8.5)等を好ましく用いることができる。フッ素樹脂は比誘電率εが低いが、特に生体組織LTが焦げ付きにくく、耐久性にも優れているため、やはり好ましく用いることができる。
既に説明したように、処置システム1は、検出部34と調整部35とを有する。そして、制御部31は、検出部34の検出結果に基づいて電源部33が出力する高周波電力の通電効率が向上するように調整部35を制御する。
生体組織LTの抵抗値R(LT)、第1のキャパシタC1の容量C(13A)及び第2のキャパシタC2の容量C(13B)は、処置毎に異なり、かつ、処置の進行にともない変化するため、図4に示した等価回路は構成要素のパラメータが変化する。このため、効率的に生体組織LTに高周波電力に通電するためには、検出部34と調整部35とが必要となる。
検出部34は、高周波電力の電流実効値及び電圧実効値を検出する電流センサ及び電圧センサを含み、電流及び電圧から通電効率として、電流に対する電圧の位相差θを検出する。なお、検出部34が電流及び電圧を検出し、制御部31が位相差θを算出してもよい。
ここで、通電効率とは、電源部33が出力した高周波電力のうち、被処置体である生体組織LTに通電される電力(有効電力)の割合を意味している。そして、電圧の実効値と電流の実効値の積で算出される、見かけの電力である皮相電力に対する有効電力の割合である力率(PF:Power factor)は、cosθで示される。すなわち、位相差θ=0度では、PF=1であり、位相差θ=90度では、PF=0となる。
図5に示すように、調整部35は、容量可変インダクタ41を含み、容量可変インダクタ41のインダクタンスL(35)が変化することで、位相差θを調整する。
処置システム1の等価回路は、直列LCR回路である。電源部33が出力する高周波電力の電圧をV、電流をI、周波数をωとすると、処置システム1の回路方程式は以下の(式1)で示される。
(式1)
V = R(LT)× I + jωL(35)× I − 1/(jω×C(13A)) × I − 1/(jω×C(13B)) × I
V = R(LT)× I + jωL(35)× I − 1/(jω×C(13A)) × I − 1/(jω×C(13B)) × I
容量可変インダクタ41のインダクタンスL(35)を調整することで、処置システム1の回路(高周波電力経路)のリアクタンスを小さくできる。すなわち、処置システム1では、検出部34による位相差θの検出と、制御部31による位相差θをもとに容量可変インダクタ41の調整と、を繰り返すフィードバック制御を行うことで、位相差θを小さくできる。
位相差θが0の場合には、電源部33が高周波電力を出力する回路は、生体組織LTの抵抗R(LT)だけの回路とみなすことができる。このため、処置システム1は、電源部33が所定の電力を出力するために、高電圧の電力を出力する必要がなく、効率的に高周波電力を生体組織LTに通電できる。
<変形例>
次に、変形例の処置システム1A〜1Cについて説明する。処置システム1A〜1Cは、処置システム1と類似しているため、同じ機能の構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
次に、変形例の処置システム1A〜1Cについて説明する。処置システム1A〜1Cは、処置システム1と類似しているため、同じ機能の構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
図6に示す変形例1の処置システム1Aの調整部35Aは、可変容量キャパシタ42を有する。
可変容量キャパシタ42は、制御部31の制御により、容量が変化する。制御部31は、可変容量キャパシタ42の容量を変化させることで、位相差が0になるようにフィードバック制御する。
次に、図7に示す変形例2の処置システム1Bの調整部35Bは、電源部33Bに含まれる、電力の周波数調整部43を有する。
制御部31は位相差θを0にするように調整部35Bを制御する。例えば、位相差θが正の場合は、周波数を低下させ、位相差が負の場合には、周波数を増加させる。制御部31は、このフィードバック制御を連続して行う。
次に、図8に示す変形例3の処置システム1Cの検出部34Cは、反射率検出機能を有する。反射率はSパラメータ(散乱パラメータ)で示される透過電力に対する反射電力の比である。すなわち、検出部34Cは、例えば、透過電力と反射電力とを分離する方向性結合器を含む。
制御部31は、検出部34Cが検出した反射率が小さくなるように、容量可変インダクタ41のインダクタンスL(35)をフィードバック制御する。なお、調整部35Cは、容量可変インダクタ41、可変容量キャパシタ42、又は周波数調整部の少なくともいずれかを有していてもよい。
以上の説明のように、変形例の処置システム1A〜1Cは、電源部33が出力する高周波電力の通電効率を示す情報(位相差θ、反射率)を検知する検出部34と、検出部34の検知した情報をともに通電効率が向上するように調整部35が制御部31によりフィードバック制御されるため、処置システム1と同じ効果を有する。
処置システム1A〜1Cは、処置具2の処置用電極である金属電極12の、処置面である少なくとも一部の表面が、絶縁体からなる絶縁膜13で覆われており、絶縁膜13を介して生体組織LTに高周波電力を流すときに、電源部33からの出力の力率が1となるように制御される。
処置システム1〜1Cの制御部31のフィードバック制御は、処置部11が生体組織LTを挟持してから開始されることが好ましい。例えば、処置部11が生体組織LTを挟持すると、高周波通電経路のリアクタンスが大きく減少する。このため、検出部34は、高周波通電経路のリアクタンスの減少により、処置部11が生体組織LTを挟持したことを検知できる。
ここで、以上の図4〜図8の等価回路図では、単純に、集中定数だけで処置システムを表現していた。しかし、高周波回路では、第1の配線14Aと第2の配線14Bとの間及びケーブル28の配線間に浮遊容量等が発生する。
図9は、浮遊容量等を考慮した処置システム1の等価回路図である。ここで、容量C(28)は、第1の配線14Aと第2の配線14Bとの間の浮遊容量とケーブル28の配線間の浮遊容量の合成容量であり、インダクタンスL(28)、抵抗値R(28)は、それぞれ第1の配線14Aと第2の配線14Bとケーブル28の配線のインダクタンス、抵抗値の合計値である。
容量C(28)及びインダクタンスL(28)は、ケーブル28の曲がり状態等で変化する。このため、検出部34が、リアクタンスの変化に基づいて生体組織LTの挟持を検知すると、誤るおそれがある。
このため、処置システム1では、検出部34が検出するリアクタンスが、処置部11が生体組織LTに接触した状態(把持状態)と、接触していない状態(未把持状態)とで、大きく異なるように構成されている。すなわち、合成浮遊容量C(28)が、第1のキャパシタC1の容量C(13A)と第2のキャパシタC2の容量C(13B)との合成容量C(13)よりも、十分小さくなるように、処置具2が構成されている。
なお、合成浮遊容量C(28)は、合成容量C(13)の10%以下であることが好ましく、特に好ましくは、5%以下である。前記範囲以下であれば、ケーブル28の曲がり状態等が変化しても、フィードバック制御の開始を誤って判断することがない。また、処置中にケーブル28の曲がり状態等が変化しても、その影響が略無視できる。
合成浮遊容量C(28)を小さくするには、例えば第1の配線14Aと第2の配線14Bとの間に比誘電率εが5未満の材料からなる層、例えば、空気(ε=1)層を設けたりすることが好ましい。
逆に、合成容量C(13)を大きくするには、既に説明したように、絶縁膜13の厚さを薄くしたり、比誘電率εが5以上の材料を用いたりすることが好ましい。
回路のリアクタンスが、処置部11が生体組織LTに接触している状態と、接触していない状態と、で大きく異なる処置システムは、処置部11が生体組織LTを把持していない状態で、誤って通電効率を向上するためのフィードバック制御が開始されることがない。また、処置中のフィードバック制御が安定している。
また、合成浮遊容量C(28)に対して合成容量C(13)が大きい処置システムは、電源部33が出力した電力を、生体組織LTに通電しやすい。
<第2実施形態>
次に第2実施形態の処置システム1D及び処置システム1Dの制御方法について説明する。処置システム1Dは、処置システム1〜1Cと類似しているため、同じ機能の構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。なお、処置システム1Dの基本構成は、処置システム1〜1Cのいずれでもよい。
次に第2実施形態の処置システム1D及び処置システム1Dの制御方法について説明する。処置システム1Dは、処置システム1〜1Cと類似しているため、同じ機能の構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。なお、処置システム1Dの基本構成は、処置システム1〜1Cのいずれでもよい。
既に説明したように、処置部11が生体組織LTを把持したことを検出してから、通電効率を向上するフィードバック制御が開始される。しかし、フィードバック制御により通電効率が所定値以上になるまでには時間を要することがある。すると、処置の初期には、適切な処理が行われないおそれがある。すなわち、処置開始直後は所定の強度の電力が生体組織LTに通電されないおそれがある。
これに対して、処置システム1Dの制御方法では、生体組織LTにほとんど影響を及ぼさない弱い強度の第1の高周波電力W1でフィードバック制御を行い、通電効率が所定値以上になってから、処理開始の指示があると、実際に処置を行う強度の第2の高周波電力W2が出力される。
以下、図10のフローチャートに沿って、処置システム1Dの制御方法について説明する。
<ステップS10>
検出部34が、高周波電力通電回路のリアクタンスを検出する。リアクタンスが所定値以下になったこと(Yes)により、処置部11が生体組織LTを把持したことが検知され、ステップS11からの処理が行われる。
<ステップS11>
処置部11が生体組織LTを把持しても、フットスイッチ4が押圧操作されていない状態では、通電効率情報を取得可能な最低強度(最低出力)の電力、例えば0.1Wの第1の高周波電力W1が電源部33から出力され、被処置体である生体組織LTに通電される。なお、第1の高周波電力W1の出力値(強度)は、所定値でもよいし、術者により設定されてもよい。
検出部34が、高周波電力通電回路のリアクタンスを検出する。リアクタンスが所定値以下になったこと(Yes)により、処置部11が生体組織LTを把持したことが検知され、ステップS11からの処理が行われる。
<ステップS11>
処置部11が生体組織LTを把持しても、フットスイッチ4が押圧操作されていない状態では、通電効率情報を取得可能な最低強度(最低出力)の電力、例えば0.1Wの第1の高周波電力W1が電源部33から出力され、被処置体である生体組織LTに通電される。なお、第1の高周波電力W1の出力値(強度)は、所定値でもよいし、術者により設定されてもよい。
<ステップS12>
検出部34が第1の高周波電力W1の通電効率、例えば、力率PFを検出する。
検出部34が第1の高周波電力W1の通電効率、例えば、力率PFを検出する。
<ステップS13>
力率PFが所定値以上、例えば、0.9以上の場合(YES)には、ステップS15からの処理が行われる。一方、力率PFが所定値未満、例えば、0.9未満の場合(No)には、ステップS14の処理が行われる。
力率PFが所定値以上、例えば、0.9以上の場合(YES)には、ステップS15からの処理が行われる。一方、力率PFが所定値未満、例えば、0.9未満の場合(No)には、ステップS14の処理が行われる。
<ステップS14>
通電効率が向上し所定値以上になるまで、調整部35の調整が行われる。例えば、インダクタンスL(35)が増加又は減少するように容量可変インダクタ41が調整される。そして、再び、ステップS12の処理が行われる(フィードバック制御)。
通電効率が向上し所定値以上になるまで、調整部35の調整が行われる。例えば、インダクタンスL(35)が増加又は減少するように容量可変インダクタ41が調整される。そして、再び、ステップS12の処理が行われる(フィードバック制御)。
<ステップS15>
ステップS13において、通電効率が所定値以上の場合(YES)、制御部31の制御で、例えば、本体部3の告知部(不図示)が、音を発生する。告知部は、使用者が認識可能であれば、文字又は色で告知する表示部37であってもよいし、処置具2に内蔵された振動発生部であってもよい。
ステップS13において、通電効率が所定値以上の場合(YES)、制御部31の制御で、例えば、本体部3の告知部(不図示)が、音を発生する。告知部は、使用者が認識可能であれば、文字又は色で告知する表示部37であってもよいし、処置具2に内蔵された振動発生部であってもよい。
術者は、フットスイッチ4を押圧操作したときに、設定した処理条件の電力を生体組織LTに通電可能な状況であることを判断できる。
<ステップS16>
通電効率が所定値以上になっても、処理開始の指示があるまで、すなわち、フットスイッチ4が押圧操作されるまで、ステップS11からの処理が繰り返される。
通電効率が所定値以上になっても、処理開始の指示があるまで、すなわち、フットスイッチ4が押圧操作されるまで、ステップS11からの処理が繰り返される。
<ステップS17>
S16でフットスイッチ4が押圧操作されると、設定部32で設定された強度(電力)の第2の高周波電力W2が電源部33から出力され、生体組織LTに通電される。第2の高周波電力W2が、第1の高周波電力W1よりも大きい電力であることはいうまでもない。
S16でフットスイッチ4が押圧操作されると、設定部32で設定された強度(電力)の第2の高周波電力W2が電源部33から出力され、生体組織LTに通電される。第2の高周波電力W2が、第1の高周波電力W1よりも大きい電力であることはいうまでもない。
処置システム1Dは、処置システム1等の効果を有し、更に、処理開始の指示があったときには、通電効率が所定値以上になっているため、確実な処理が容易である。
なお、フットスイッチが押圧操作されてから、第1の高周波電力W1によるフィードバック制御が開始され、通電効率が所定値以上になったら、自動的に第2の高周波電力W2が出力されてもよい。なお、この場合にも、通電効率が所定値以上になったこと、すなわち、第2の高周波電力W2が出力を開始したこと、を術者に告知することが好ましい。
以上の説明のように、本実施形態の処置システムは、以下の工程を具備する。
手術用処置具の処置部の金属電極表面を覆う絶縁膜を介して、電源部が出力する第1の高周波電力が被処置体に通電される工程;
第1の高周波電力の通電効率が検出部により検出される工程;
第1の高周波電力の通電効率が所定値以上になるまで調整部が調整される工程;
第1の高周波電力よりも大きな第2の高周波電力が、絶縁膜を介して被処置体に通電される工程。
手術用処置具の処置部の金属電極表面を覆う絶縁膜を介して、電源部が出力する第1の高周波電力が被処置体に通電される工程;
第1の高周波電力の通電効率が検出部により検出される工程;
第1の高周波電力の通電効率が所定値以上になるまで調整部が調整される工程;
第1の高周波電力よりも大きな第2の高周波電力が、絶縁膜を介して被処置体に通電される工程。
<第3実施形態>
次に第3実施形態の処置システム1Eについて説明する。処置システム1Eは、処置システム1〜1Dと類似しているため、同じ機能の構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
次に第3実施形態の処置システム1Eについて説明する。処置システム1Eは、処置システム1〜1Dと類似しているため、同じ機能の構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
図11に示すように、処置システム1Eの処置具2Eはモノポーラ型の電気メスである。そして、処置システム1Eは、処置具2Eの処置部11Eから、被処置体である生体組織LTを含む被検体Lを介して高周波電力が通電される対極板50を具備する。
すなわち、本体部3Eの接続部28Tはケーブル28を介して処置具2Eと接続されており、接続部28RTはケーブル28Rを介して、被検体Lの表面に貼り付けられた対極板50と接続されている。
処置具2Eは、後端の操作部を進退させることで、先端の針状の処置部11Eが、突没する図示しない機構を有する。処置具2Eは、例えば、図示しない内視鏡の処置具チャンネルに挿通されて使用される。
図12に示すように、処置部11Eは、表面が絶縁膜52で覆われた針状の金属電極51からなる。絶縁膜52は、既に説明した絶縁膜13と同じ焼け焦げた生体組織が付着しにくいPTFE等からなる。挿通部チューブ53の内部に通され金属電極51は、ケーブル28Eと接続されている。
図13は、処置具2Eの処置部11Eが生体組織LTに穿刺し処置している状態を示している。処置システム1Eは、処置システム1〜1Dと同様に、絶縁膜52を介して高周波電力が生体組織LTに通電され切開等の処置が行われる。
処置システム1Eは、処置システム1〜1Dと同様に、高周波電力の通電効率を検出する検出部34と、通電効率を調整する調整部35と、検出部34の検出結果に基づいて通電効率が向上するように調整部35を制御する制御部31と、を有する。すなわち、検出部34は、高周波電力の位相差、又は、反射率を検出する。また、調整部35は、容量可変コンデンサ、容量可変インダクタ、又は、周波数調整部の少なくともいずれかを含む。
処置システム1Eは、処置システム1〜1Dと同様の構成を有し、同様の制御方法で制御される。このため、処置システム1Eは、処置システム1〜1Dと同様の効果を有する。
更に、処置システム1Eは、モノポーラ方式のため、バイポーラ方式に比べて、処置具2Eの構成が単純である。なお、処置システム1Eでは、対極板50の表面も絶縁膜で覆われていてもよい。PTFE等で表面が覆われている対極板は、表面が金属の対極板に比べて、被検者にとって違和感が少なく快適である。
なお、処置システム1〜1Eの処置具の先端の電極形状は、生検に利用するカップ形状又はスネアー用のループ形状などでも良い。
本発明は、上述した実施例等に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更、組み合わせ、及び応用が可能であることは勿論である。
1〜1E・・・処置システム、2・・・処置具、3・・・本体部、4・・・フットスイッチ、11・・・処置部、12・・・金属電極、13・・・絶縁膜、21・・・金属電極、28、29・・・ケーブル、31・・・制御部、32・・・設定部、33・・・電源部、34・・・検出部、35・・・調整部、37・・・表示部、41・・・容量可変インダクタ、42・・・可変容量キャパシタ、43・・・周波数調整部、50・・・対極板、51・・・金属電極、52・・・絶縁膜、53・・・挿通部チューブ、LT・・・生体組織
Claims (12)
- 高周波電力が通電される処置部を有する手術用の処置具であって、
前記処置部の金属電極の表面が絶縁膜に覆われていることを特徴とする処置具。 - 前記絶縁膜が、フッ素樹脂、金属酸化物、金属窒化物、非晶質硬質炭素、セラミック、又はガラスからなることを特徴とする請求項1に記載の処置具。
- 前記処置部が、被処置体を挟持する、それぞれの表面が前記絶縁膜に覆われている一対の金属電極を有することを特徴とする請求項2に記載の処置具。
- 高周波電力が通電される処置部を有し、前記処置部の金属電極の表面が絶縁膜に覆われている手術用の処置具と、
前記高周波電力を出力する電源部と、前記高周波電力の通電効率を検出する検出部と、前記通電効率を調整する調整部と、前記検出部の検出結果に基づいて前記調整部を制御する制御部と、を有する本体部と、を具備することを特徴とする処置システム。 - 前記絶縁層が、フッ素樹脂、金属酸化物、金属窒化物、非晶質硬質炭素、セラミック、又はガラスからなることを特徴とする請求項4に記載の処置システム。
- 前記検出部が、前記高周波電力の位相差、又は、反射率を検出し、
前記調整部が、容量可変コンデンサ、容量可変インダクタ、又は、周波数調整部の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項5に記載の処置システム。 - 前記処置部が、前記被処置体を挟持する、それぞれの表面が前記絶縁膜に覆われている一対の金属電極を有することを特徴とする請求項6に記載の処置システム。
- 前記処置部から前記被処置体を介して前記高周波電力が通電される対極板を具備することを特徴とする請求項6に記載の処置システム。
- 手術用処置具の処置部の金属電極表面を覆う絶縁膜を介して、電源部が出力する第1の高周波電力が被処置体に通電される工程と、
前記第1の高周波電力の通電効率が検出部により検出される工程と、
前記第1の高周波電力の前記通電効率が所定値以上になるように調整部が調整される工程と、
前記第1の高周波電力よりも大きな第2の高周波電力が、前記絶縁膜を介して前記被処置体に通電される工程と、を具備することを特徴とする処置システムの制御方法。 - 前記検出部が、前記高周波電力の位相差、又は、反射率を検出し、
前記調整部が、容量可変コンデンサ、容量可変インダクタ、又は、周波数調整部の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項9に記載の処置システムの制御方法。 - 前記検出部が、リアクタンス変化をもとに前記処置部と前記被処置体との接触を検出する工程を具備し、前記接触が検知された場合に、前記第1の高周波電力が前記被処置体に通電されることを特徴とする請求項10に記載の処置システムの制御方法。
- 前記調整部による調整により、前記通電効率が所定値以上になった場合に、その旨を告知する告知工程を具備することを特徴とする請求項11に記載の処置システムの制御方法。
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