JP2014224720A - 疲労損傷評価方法、疲労損傷評価システムおよび疲労損傷評価装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】寿命の初期段階における疲労損傷率の精度を向上させ、寿命評価の精度を高くすること。【解決手段】疲労損傷あるいはクリープ疲労損傷に基づく構造物の損傷を微小き裂の進展とみなして、該微小き裂の進展を予測することにより前記構造物の寿命を評価する方法において、微小き裂長さの総和をΣa、疲労損傷率をφfとした場合、log(Σa)=A・φf+B(A,B:定数)の関係で求められるマスターカーブを用い、前記微小き裂長さの総和Σaは、最大長さの微小き裂を含んだ2本以上の微小き裂長さの総和から求めることを特徴とする疲労損傷評価方法。【選択図】図1
Description
本発明は、ボイラの配管や管寄せなど耐熱鋼が使用されている部位において、高温で曲げ荷重などが作用することによって部位の表面に疲労損傷あるいはクリープ疲労損傷が生じる構造物に対し、その構造物の寿命を評価する方法、システムおよび装置に関する。
従来の疲労損傷あるいはクリープ疲労損傷による構造物の寿命の評価方法では、一般的に微小き裂進展法が用いられており、特に対象とする構造物の最大の微小き裂長さと疲労損傷率との関係を求めることにより、前記構造物の疲労損傷による寿命が評価される。すなわち、具体的には対象となる構造物表面における微小き裂長さのうち最長のもの一本をレプリカ法などによって採取し、予め求めておいた最大の微小き裂長さと疲労損傷率との関係を線図で表したマスターカーブを用いて疲労損傷率を求め、寿命を評価する。この微小き裂は構造物の寿命のごく初期から、すなわち、構造物の運転初期から、発生し始めるため、構造物の余寿命を微小き裂の挙動に基づいて評価する方法は有効である。
しかしながら、特に高温における耐熱鋼の疲労損傷では、耐熱鋼の表面に一結晶粒界長さ程度の微小き裂が多数発生し、それらが成長・合体して破損することが多い(非特許文献1,2)。
しかしながら、特に高温における耐熱鋼の疲労損傷では、耐熱鋼の表面に一結晶粒界長さ程度の微小き裂が多数発生し、それらが成長・合体して破損することが多い(非特許文献1,2)。
図3は従来より知られているレプリカ法で採取することで観察した構造物表面での微小き裂の経時変化を模式的に示す図であり、図3Aは初期の状態を示す図、図3Bは図3Aの状態から時間が経った状態を示す図、図3Cは図3Bの状態から時間が経った状態を示す図、図3Dは図3Cの状態から時間が経った状態を示す図である。なお、図3において、観察した視野は同一箇所を想定した。
図3Aにおいて、初期には多数の微小き裂01が発生する。このときのき裂長さは全て一結晶粒界長さ程度である。図3Bにおいて、図3Aの状態から時間が経つと、前記発生していた微小き裂01に新たに発生した微小き裂02も加えて約半数が成長している。一部には大きく成長した微小き裂03があり、約半数がほとんど成長していない。ここまでが構造物の寿命の初期段階であるとみなせる。
図3Aにおいて、初期には多数の微小き裂01が発生する。このときのき裂長さは全て一結晶粒界長さ程度である。図3Bにおいて、図3Aの状態から時間が経つと、前記発生していた微小き裂01に新たに発生した微小き裂02も加えて約半数が成長している。一部には大きく成長した微小き裂03があり、約半数がほとんど成長していない。ここまでが構造物の寿命の初期段階であるとみなせる。
図3Cにおいて、図3Bの状態から時間が経つと、特に数本の微小き裂04が成長し、その他はほとんど成長していない。また、前記成長したものの中で特に一本の微小き裂05のみが長く成長している。この段階では既に余寿命40〜50%の中期段階に入ったとみなせる。図3Dにおいて、図3Cの状態から時間が経つと、前記特に成長した一本の微小き裂05はさらに成長しているが、微小き裂の全体数が減少していることから、微小き裂05は他のき裂04と合体したものとみなせる。その他にも、前記最長のものに比べれば小さいが成長した微小き裂06や、成長することで他のき裂02と合体したき裂07も存在している。この段階では、微小き裂は自らの成長、他との合体を繰り返して成長していき疲労損傷に至る後期に入ったとみなせる。
このように、疲労寿命後半では、単独の微小き裂が最大の微小き裂として成長している。よって、従来のように最大の微小き裂長さから寿命評価を行った場合、微小き裂長さの増加量は、疲労寿命後半については実際の微小き裂の成長状態を反映しているが、構造物の寿命の初期では、複数の微小き裂が同時に成長するため、実際の微小き裂の成長状態を反映しておらず、実際の成長状態に比べて小さくなる。このため、微小き裂進展法による寿命評価における従来の評価精度は、特に寿命の初期において低くなる。
図2は従来の耐熱鋼における疲労損傷率と最大の微小き裂長さとの関係(マスターカーブ)を示した図である。ここで、縦軸は最大き裂長さa(mm)、横軸は疲労損傷率φf、である。
図2において、疲労損傷率が約0.3未満ではマスタカーブの傾きは微小であり、約0.3以上では傾きは増加している。このように、初期における最大の微小き裂長さと疲労損傷率との関係(マスターカーブ)の傾きが微小であることが寿命の初期で評価精度が低い原因になっている。
図2において、疲労損傷率が約0.3未満ではマスタカーブの傾きは微小であり、約0.3以上では傾きは増加している。このように、初期における最大の微小き裂長さと疲労損傷率との関係(マスターカーブ)の傾きが微小であることが寿命の初期で評価精度が低い原因になっている。
ボイラなどの通常の定期検査は2年毎に行われ、初期段階での疲労損傷率の増加の状態を精度よく把握できれば、次回の定期検査時での取替え工事等の計画を立案可能となる。しかしながら、従来方法では、初期段階については微小変化しか捉えられないため誤差の影響を受けやすく、次の定期検査時になってはじめて、余寿命が少ないことが判明して次々回の定期検査前に取り替えが必要であることが判明するといった場合も考えられる。
疲労損傷評価の精度を向上させる方法として単位面積あたりのき裂長さの和、いわゆる、き裂長さ密度を測定する方法(特許文献1)もある。しかしながら、この方法では、対象としている面積中にある全ての微小き裂の長さを測定し和を取る必要があり、多くの労力を必要とする場合がある。また、ほとんど進展しない下位の微小き裂まで測定するため、見かけ上のき裂長さ密度の変化率が小さくなる課題も残る。
桜井茂雄,藤山一成、「機器構造部品の安全性設計・予防保全における信頼性工学適用 6.火力発電機器・プラントの予防保全への適用」、材料、日本材料学会、2001年6月、第50巻、第6号、p.665‐670
北村隆行,多田直哉,大谷隆一、「クリープ疲労微小き裂発生・成長の数値シミュレーションによる高温構造材料の余寿命診断方法」、日本機械学会論文集(A編)、日本機械学会、1991年8月、第57巻、第540号、p.1732‐1737
ボイラの配管や管寄せなど耐熱鋼が使用されている構造物の疲労損傷評価方法に関して、従来から一般的に適用されている最大の微小き裂長さと疲労損傷率との関係を用いた微小き裂進展法による疲労損傷評価方法では、寿命の初期段階における疲労損傷率が実際より低く算出されるため、精度の高い寿命評価が行えないという課題が存在する。
そこで、本発明では、寿命の初期段階における疲労損傷率の精度を向上させ、寿命評価の精度を高くすることを技術的課題とする。
そこで、本発明では、寿命の初期段階における疲労損傷率の精度を向上させ、寿命評価の精度を高くすることを技術的課題とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の疲労損傷評価方法は、
疲労損傷あるいはクリープ疲労損傷に基づく構造物の損傷を微小き裂の進展とみなして、該微小き裂の進展を予測することにより前記構造物の寿命を評価する方法において、微小き裂長さの総和をΣa、疲労損傷率をφfとした場合、log(Σa)=A・φf+B(A,B:定数)の関係で求められるマスターカーブを用い、前記微小き裂長さの総和Σaは、最大長さの微小き裂を含んだ2本以上の微小き裂長さの総和から求めることを特徴とする。
疲労損傷あるいはクリープ疲労損傷に基づく構造物の損傷を微小き裂の進展とみなして、該微小き裂の進展を予測することにより前記構造物の寿命を評価する方法において、微小き裂長さの総和をΣa、疲労損傷率をφfとした場合、log(Σa)=A・φf+B(A,B:定数)の関係で求められるマスターカーブを用い、前記微小き裂長さの総和Σaは、最大長さの微小き裂を含んだ2本以上の微小き裂長さの総和から求めることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の疲労損傷評価方法において、
前記2本以上の微小き裂長さの総和は、最大長さの微小き裂を含み、該最大長さの微小き裂から長い順に2本以上10本以下の微小き裂長さの総和であることを特徴とする。
前記2本以上の微小き裂長さの総和は、最大長さの微小き裂を含み、該最大長さの微小き裂から長い順に2本以上10本以下の微小き裂長さの総和であることを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項3に記載の発明の疲労損傷評価システムは、
最大長さの微小き裂を含んだ2本以上の微小き裂の長さの総和と疲労損傷率との関係である予め求められたマスターカーブを記憶する手段と、疲労損傷の評価対象の構造物についての微小き裂の観察を行う観察装置と、前記観察装置で観察された微小き裂において最大長さの微小き裂を含む2本以上の微小き裂の長さの総和と前記マスターカーブとに基づいて前記構造物の疲労損傷率を計算する手段と、前記構造物の疲労損傷率に基づいて前記構造物の寿命を評価する手段とを備えたことを特徴とする。
最大長さの微小き裂を含んだ2本以上の微小き裂の長さの総和と疲労損傷率との関係である予め求められたマスターカーブを記憶する手段と、疲労損傷の評価対象の構造物についての微小き裂の観察を行う観察装置と、前記観察装置で観察された微小き裂において最大長さの微小き裂を含む2本以上の微小き裂の長さの総和と前記マスターカーブとに基づいて前記構造物の疲労損傷率を計算する手段と、前記構造物の疲労損傷率に基づいて前記構造物の寿命を評価する手段とを備えたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の疲労損傷評価システムにおいて、
最大長さの微小き裂を含み該最大長さの微小き裂から長い順に2本以上10本以下の微小き裂の長さの総和と疲労損傷率との関係である予め求められたマスターカーブを記憶する前記記憶する手段と、前記観察装置で観察された微小き裂において最大長さの微小き裂を含み該最大長さの微小き裂から長い順に2本以上10本以下の微小き裂の長さの総和と前記マスターカーブとに基づいて前記構造物の疲労損傷率を計算する前記計算する手段とを備えたことを特徴とする。
最大長さの微小き裂を含み該最大長さの微小き裂から長い順に2本以上10本以下の微小き裂の長さの総和と疲労損傷率との関係である予め求められたマスターカーブを記憶する前記記憶する手段と、前記観察装置で観察された微小き裂において最大長さの微小き裂を含み該最大長さの微小き裂から長い順に2本以上10本以下の微小き裂の長さの総和と前記マスターカーブとに基づいて前記構造物の疲労損傷率を計算する前記計算する手段とを備えたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の疲労損傷評価システムにおいて、
疲労試験が行われた測定対象物についての微小き裂の観察を行う観察装置と、前記測定対象物の疲労損傷率に関する情報を取得する手段と、前記観察装置で観察された微小き裂において最大長さの微小き裂を含む2本以上の微小き裂の長さの総和と前記測定対象物に基づく疲労損傷率とに基づいて最大長さの微小き裂を含んだ2本以上の微小き裂の長さの総和と疲労損傷率との関係であるマスターカーブを作成する手段と、前記作成されたマスターカーブを記憶する前記記憶する手段とを備えたことを特徴とする。
疲労試験が行われた測定対象物についての微小き裂の観察を行う観察装置と、前記測定対象物の疲労損傷率に関する情報を取得する手段と、前記観察装置で観察された微小き裂において最大長さの微小き裂を含む2本以上の微小き裂の長さの総和と前記測定対象物に基づく疲労損傷率とに基づいて最大長さの微小き裂を含んだ2本以上の微小き裂の長さの総和と疲労損傷率との関係であるマスターカーブを作成する手段と、前記作成されたマスターカーブを記憶する前記記憶する手段とを備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項6に記載の発明の疲労損傷評価装置は、
最大長さの微小き裂を含んだ2本以上の微小き裂の長さの総和と疲労損傷率との関係である予め求められたマスターカーブを記憶する手段と、疲労損傷の評価対象の構造物についての微小き裂に関する情報を取得する手段と、前記構造物の微小き裂において最大長さの微小き裂を含む2本以上の微小き裂の長さの総和と前記マスターカーブとに基づいて前記構造物の疲労損傷率を計算する手段と、前記構造物の疲労損傷率に基づいて前記構造物の寿命を評価する手段とを備えたことを特徴とする。
最大長さの微小き裂を含んだ2本以上の微小き裂の長さの総和と疲労損傷率との関係である予め求められたマスターカーブを記憶する手段と、疲労損傷の評価対象の構造物についての微小き裂に関する情報を取得する手段と、前記構造物の微小き裂において最大長さの微小き裂を含む2本以上の微小き裂の長さの総和と前記マスターカーブとに基づいて前記構造物の疲労損傷率を計算する手段と、前記構造物の疲労損傷率に基づいて前記構造物の寿命を評価する手段とを備えたことを特徴とする。
(作用)
ボイラの配管や管寄せなど耐熱鋼が使用されている構造物において、高温で曲げ荷重などが作用すると、耐熱鋼が使用されている部位の表面に疲労損傷あるいはクリープ疲労損傷が生じる場合がある。そのような疲労損傷が生じる構造物の寿命を評価する方法として、従来は、一般的に微小き裂進展法が用いられており、特に対象とする構造物の最大の微小き裂長さと疲労損傷率との関係(マスターカーブ)を求めることにより前記構造物の疲労損傷による寿命を評価している。しかしながら従来の評価方法では精度が低下する。その原因は、図2に示すように、疲労損傷率が0.3(寿命が約30%)以前のごく初期においては、疲労損傷率に対する微小き裂長さの傾きが小さく、疲労損傷率が増加しても微小き裂長さがほとんど増加しないことにある。
ボイラの配管や管寄せなど耐熱鋼が使用されている構造物において、高温で曲げ荷重などが作用すると、耐熱鋼が使用されている部位の表面に疲労損傷あるいはクリープ疲労損傷が生じる場合がある。そのような疲労損傷が生じる構造物の寿命を評価する方法として、従来は、一般的に微小き裂進展法が用いられており、特に対象とする構造物の最大の微小き裂長さと疲労損傷率との関係(マスターカーブ)を求めることにより前記構造物の疲労損傷による寿命を評価している。しかしながら従来の評価方法では精度が低下する。その原因は、図2に示すように、疲労損傷率が0.3(寿命が約30%)以前のごく初期においては、疲労損傷率に対する微小き裂長さの傾きが小さく、疲労損傷率が増加しても微小き裂長さがほとんど増加しないことにある。
すなわち、従来は、微小き裂長さの進展状況において、測定した微小き裂長さが、傾きが急増する疲労損傷率が約0.3に対応する微小き裂長さに達したかどうかの把握が難しい。その上、微小き裂長さに測定誤差が生じると、対応する疲労損傷率が大きく変化するため、微小き裂長さの測定誤差の影響を大きく受けることになる。よって、従来の評価方法では、精度の高い寿命評価が難しい。火力発電用ボイラの予防保全の観点から考えると、次の定期検査までに十分な寿命を残していることが重要であり、疲労損傷による寿命の初期から中期へ移行する段階(特に、疲労損傷率が約0.5(寿命が約50%)以前)における精度向上は重要である。
ボイラの配管や管寄せなど耐熱鋼が使用されている構造物において表面に疲労損傷あるいはクリープ疲労損傷を生じる場合、寿命の初期に一結晶粒界長さ程度の微小なき裂が多数発生し、疲労損傷の進行に伴い微小き裂が成長・合体して進展する。疲労寿命の初期において最大の微小き裂長さの成長率(マスターカーブの傾き)が図2に示したように減少する原因は、最大の微小き裂以外の複数の微小き裂(例えば、2番目に長い微小き裂や3番目に長い微小き裂、またはその他の微小き裂)が成長することにある。本発明のように、最大の微小き裂長さを含み長い方から順に2本以上の微小き裂長さの総和を疲労損傷評価方法の指標として用いれば、最大の微小き裂以外の微小き裂長さの成長も考慮できることから評価精度は向上する。その上で、総和する微小き裂の本数は、少ないと予測精度が低下し、多いと計算に時間を要する。よって、総和する微小き裂の本数は、2本以上10本以下が好適であり、現実的には、総和する微小き裂の本数は、最終的に合体して1本になる4〜5本程度が特に適当と考えられる。
請求項1に記載の発明によれば、寿命の初期段階における疲労損傷率の精度を向上させ、寿命評価の精度を高くすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、2本以上の微小き裂の長さの総和が10本より多い微小き裂の長さの総和である場合に比べて計算量を少なくすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、寿命の初期段階における疲労損傷率の精度を向上させ、寿命評価の精度の高いシステムを提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、2本以上の微小き裂の長さの総和が10本より多い微小き裂の長さの総和である場合に比べて計算量を少なくすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、寿命の初期段階における疲労損傷率の精度を向上させ、寿命評価の精度の高いシステムを提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の効果に加えて、2本以上の微小き裂の長さの総和が10本より多い微小き裂の長さの総和である場合に比べて計算量を少なくすることができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の効果に加えて、マスターカーブを作成することができる。
請求項6に記載の発明によれば、寿命の初期段階における疲労損傷率の精度を向上させ、寿命評価の精度の高い装置を提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の効果に加えて、マスターカーブを作成することができる。
請求項6に記載の発明によれば、寿命の初期段階における疲労損傷率の精度を向上させ、寿命評価の精度の高い装置を提供することができる。
本発明の具体的な実施例を以下に示す。
図4は微小き裂長さと疲労損傷率の関係の一例を示す図である。
図4には、耐熱鋼である11Cr鋼のΦ10mm丸棒試験片の低サイクル疲労(試験温度:650℃)において、試験片表面に観察された微小き裂長さと疲労損傷率の関係を示す。本実施例では最終的に1本のき裂に成長した4本の微小き裂に注目して微小き裂長さを測定した。微小き裂長さは疲労試験を所定回数で中断してレプリカ法により観察し、疲労損傷率は中断時の回数と破断寿命の比で計算した(疲労損傷率=中断時の回数/破断寿命)。なお、レプリカ法とは、測定対象物の表面組織などをレプリカ膜(アセチルセルロースフィルムなど)に転写させて、測定対象物の代わりに、レプリカ膜を光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡などで観察して、測定対象物の表面組織などを観察する方法をいう。4本の微小き裂(図4中に▲、◆、●、■で示す)は疲労損傷率の増加に伴ってそれぞれ成長し、最終的には合体して1本のき裂となり、更に成長して破断していることが図4から分る。
図4には、耐熱鋼である11Cr鋼のΦ10mm丸棒試験片の低サイクル疲労(試験温度:650℃)において、試験片表面に観察された微小き裂長さと疲労損傷率の関係を示す。本実施例では最終的に1本のき裂に成長した4本の微小き裂に注目して微小き裂長さを測定した。微小き裂長さは疲労試験を所定回数で中断してレプリカ法により観察し、疲労損傷率は中断時の回数と破断寿命の比で計算した(疲労損傷率=中断時の回数/破断寿命)。なお、レプリカ法とは、測定対象物の表面組織などをレプリカ膜(アセチルセルロースフィルムなど)に転写させて、測定対象物の代わりに、レプリカ膜を光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡などで観察して、測定対象物の表面組織などを観察する方法をいう。4本の微小き裂(図4中に▲、◆、●、■で示す)は疲労損傷率の増加に伴ってそれぞれ成長し、最終的には合体して1本のき裂となり、更に成長して破断していることが図4から分る。
図5は図4の微小き裂長さと疲労損傷率の関係の一例を従来方法で整理した図である。
図5には、図4に示した微小き裂の成長を、従来方法である最大の微小き裂長さと疲労損傷率の関係で整理したものを示す。図5において疲労損傷率が0.3以下では傾き(=微小き裂長さ増分/疲労損傷率増分)が小さい領域があることが分る。この領域では傾きが小さいため、微小き裂長さの測定誤差の影響を受けやすく、疲労損傷率の評価精度が低下することが予想される。
図5には、図4に示した微小き裂の成長を、従来方法である最大の微小き裂長さと疲労損傷率の関係で整理したものを示す。図5において疲労損傷率が0.3以下では傾き(=微小き裂長さ増分/疲労損傷率増分)が小さい領域があることが分る。この領域では傾きが小さいため、微小き裂長さの測定誤差の影響を受けやすく、疲労損傷率の評価精度が低下することが予想される。
図6は図4の微小き裂長さと疲労損傷率の関係の一例を本発明の方法で整理した図である。
図6には、図4に示したき裂の成長を、本発明の方法である微小き裂長さの総和と疲労損傷率の関係で整理したものを示す。疲労損傷率が0.3以下における傾きが、従来方法である図5の傾きに比べて大きく改善(約3倍)されていることが分る。このことより、本発明の方法では従来方法に比べて、特に疲労損傷率が小さな領域において傾きが大きくなるので、微小き裂長さの進行状況が把握できるとともに、測定誤差の影響を受けにくく、疲労損傷率の推定精度を大きく向上させることができる。
図6には、図4に示したき裂の成長を、本発明の方法である微小き裂長さの総和と疲労損傷率の関係で整理したものを示す。疲労損傷率が0.3以下における傾きが、従来方法である図5の傾きに比べて大きく改善(約3倍)されていることが分る。このことより、本発明の方法では従来方法に比べて、特に疲労損傷率が小さな領域において傾きが大きくなるので、微小き裂長さの進行状況が把握できるとともに、測定誤差の影響を受けにくく、疲労損傷率の推定精度を大きく向上させることができる。
また、発明者は、本発明におけるマスターカーブは、微小き裂の長さの総和をΣa(mm)、疲労損傷率をφfとしてY=log(Σa),X=φfとした場合は次式(1)に示すような線形の式で表現できることを見出した。すなわち、縦軸に微小き裂の長さの総和をとり、横軸に疲労損傷率を取った片対数グラフ上では、図6に示すように、前記マスターカーブを直線として表現できることを見出した。
Y=A・X+B…式(1)
なお、本実施例では、式(1)は、図4で示した最終的に1本のき裂に成長した、最大長さの微小き裂を含んだ4本の微小き裂に基づいており、A=1.502、B=-0.658に設定される。また、本実施例では、Σaは最大長さの微小き裂を含んだ4本の微小き裂の長さの総和に対応する。
Y=A・X+B…式(1)
なお、本実施例では、式(1)は、図4で示した最終的に1本のき裂に成長した、最大長さの微小き裂を含んだ4本の微小き裂に基づいており、A=1.502、B=-0.658に設定される。また、本実施例では、Σaは最大長さの微小き裂を含んだ4本の微小き裂の長さの総和に対応する。
図1は本発明の耐熱鋼における疲労損傷率と微小き裂長さとの関係(マスターカーブ)の一例を示した図である。
図1には、本発明の耐熱鋼における疲労損傷率と微小き裂長さとの関係(マスターカーブ)の一例を示した図を示す。図1を用いることで、微小き裂長さの総和からマスターカーブに対応する疲労損傷率が導かれ、余寿命を求めることが出来る。すなわち、本実施例では、測定対象の耐熱鋼についてレプリカ法により観察して4本の微小き裂の長さの総和を測定すれば、図1のマスターカーブを用いて、前記総和に対応する疲労損傷率を精度良く導くことが可能となる。
図1には、本発明の耐熱鋼における疲労損傷率と微小き裂長さとの関係(マスターカーブ)の一例を示した図を示す。図1を用いることで、微小き裂長さの総和からマスターカーブに対応する疲労損傷率が導かれ、余寿命を求めることが出来る。すなわち、本実施例では、測定対象の耐熱鋼についてレプリカ法により観察して4本の微小き裂の長さの総和を測定すれば、図1のマスターカーブを用いて、前記総和に対応する疲労損傷率を精度良く導くことが可能となる。
図7は本発明の疲労損傷評価方法が適用された疲労損傷評価システムの説明図である。
本発明の疲労損傷評価方法が適用された疲労損傷評価システムの構成を例示する。
図7において、疲労損傷評価方法が適用された実施例の疲労損傷評価システムSは、観察装置の一例としての顕微鏡Mを有する。前記顕微鏡Mは、レプリカ法で採取されたレプリカ膜を観察することで、間接的に、マスターカーブ作成用の試験片や、疲労損傷評価対象の構造物などの測定対象物の表面を観察する。顕微鏡Mには、疲労損傷評価装置の一例であり、情報処理装置の一例としてのクライアントパソコンPCが電気的に接続されており、顕微鏡Mが観察する画像がクライアントパソコンPCに入力される。実施例の前記クライアントパソコンPCは、いわゆる、コンピュータ装置により構成されており、コンピュータ本体H1と、表示器の一例としてのディスプレイH2と、キーボードH3やマウスH4等の入力装置、図示しないハードディスクドライブ等により構成されている。
本発明の疲労損傷評価方法が適用された疲労損傷評価システムの構成を例示する。
図7において、疲労損傷評価方法が適用された実施例の疲労損傷評価システムSは、観察装置の一例としての顕微鏡Mを有する。前記顕微鏡Mは、レプリカ法で採取されたレプリカ膜を観察することで、間接的に、マスターカーブ作成用の試験片や、疲労損傷評価対象の構造物などの測定対象物の表面を観察する。顕微鏡Mには、疲労損傷評価装置の一例であり、情報処理装置の一例としてのクライアントパソコンPCが電気的に接続されており、顕微鏡Mが観察する画像がクライアントパソコンPCに入力される。実施例の前記クライアントパソコンPCは、いわゆる、コンピュータ装置により構成されており、コンピュータ本体H1と、表示器の一例としてのディスプレイH2と、キーボードH3やマウスH4等の入力装置、図示しないハードディスクドライブ等により構成されている。
図8は実施例のクライアントパソコンの機能をブロック図(機能ブロック図)で示した説明図である。
図8において、前記クライアントパソコンPCのコンピュータ本体H1の制御部は、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な起動処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータ及びプログラムを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM等に記憶された起動プログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)ならびにクロック発振器等を有しており、前記ROM及びRAM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
前記構成のクライアントパソコンPCは、前記ハードディスクドライブやROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
前記制御部には、基本動作を制御する基本ソフト、いわゆる、オペレーティングシステムOS、アプリケーションプログラムとしての疲労損傷評価プログラム、その他の図示しないソフトウェアが記憶されている。
図8において、前記クライアントパソコンPCのコンピュータ本体H1の制御部は、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な起動処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータ及びプログラムを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM等に記憶された起動プログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)ならびにクロック発振器等を有しており、前記ROM及びRAM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
前記構成のクライアントパソコンPCは、前記ハードディスクドライブやROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
前記制御部には、基本動作を制御する基本ソフト、いわゆる、オペレーティングシステムOS、アプリケーションプログラムとしての疲労損傷評価プログラム、その他の図示しないソフトウェアが記憶されている。
(実施例の疲労損傷評価プログラムAP1)
疲労損傷評価プログラムAP1は、下記の機能手段(プログラムモジュール)を有する。
疲労損傷評価プログラムAP1は、下記の機能手段(プログラムモジュール)を有する。
(マスターカーブの作成手段C1)
マスターカーブの作成手段C1は、画像情報の取得手段C1Aと、破断回数の取得手段C1B、計算開始条件の判別手段C1Cと、計算情報の取得手段C1Dと、微小き裂の選定手段C1Eと、微小き裂の計算手段C1Fと、マスターカーブの生成手段C1Gと、マスターカーブの記憶手段C1Hとを有する。マスターカーブの作成手段C1は、キーボードH3やマウスH4により、マスターカーブの作成の入力があった場合に実行される。なお、実施例では、マスターカーブの作成手段C1は、耐熱鋼である11Cr鋼のΦ10mm丸棒試験片の低サイクル疲労(試験温度:650℃)において、疲労試験を所定回数で中断してレプリカ法により観察し、疲労損傷率は中断時の回数と破断寿命の比(疲労損傷率=中断時の回数/破断寿命)で計算して、マスターカーブを作成する。具体的には、各手段C1A〜C1Eを実行して作成する。
マスターカーブの作成手段C1は、画像情報の取得手段C1Aと、破断回数の取得手段C1B、計算開始条件の判別手段C1Cと、計算情報の取得手段C1Dと、微小き裂の選定手段C1Eと、微小き裂の計算手段C1Fと、マスターカーブの生成手段C1Gと、マスターカーブの記憶手段C1Hとを有する。マスターカーブの作成手段C1は、キーボードH3やマウスH4により、マスターカーブの作成の入力があった場合に実行される。なお、実施例では、マスターカーブの作成手段C1は、耐熱鋼である11Cr鋼のΦ10mm丸棒試験片の低サイクル疲労(試験温度:650℃)において、疲労試験を所定回数で中断してレプリカ法により観察し、疲労損傷率は中断時の回数と破断寿命の比(疲労損傷率=中断時の回数/破断寿命)で計算して、マスターカーブを作成する。具体的には、各手段C1A〜C1Eを実行して作成する。
画像情報の取得手段C1Aは、キーボードH3やマウスH4により画像情報の取得開始の入力があった場合に、顕微鏡Mにセットされたレプリカ膜の画像と、前記レプリカ膜の採取時の中断時の回数とを取得する。そして、画像情報の取得手段C1Aは、画像と中断時の回数とを対応づけて記憶する。なお、中断時の回数はキーボードH3から入力される。
破断回数の取得手段C1Bは、キーボードH3やマウスH4により破断回数の入力開始の入力があった場合に、疲労試験において試験片が破断した時の試験回数である破断寿命の回数を取得して記憶する。破断寿命の回数は、キーボードH3により入力される。
計算開始条件の判別手段C1Cは、キーボードH3やマウスH4によりマスターカーブの計算開始の入力があった場合に、マスタカーブの作成開始の条件の一例として、所定数以上の複数の画像情報が記憶され且つ破断回数が記憶されているか否かを判別する。実施例では、所定数として、10が設定されているが、マスターカーブが作成可能であれば任意の複数の数を所定数として設定可能である。また、計算開始条件の判別手段C1Cは、所定数以上の複数の画像情報が記憶されていないと判別した場合には、画像情報を更に取り込む必要があるとのエラー表示をディスプレイH2に表示する。また、計算開始条件の判別手段C1Cは、破断回数が記憶されていないと判別した場合には、破断回数を入力するように促すエラー表示をディスプレイH2に表示する。
計算開始条件の判別手段C1Cは、キーボードH3やマウスH4によりマスターカーブの計算開始の入力があった場合に、マスタカーブの作成開始の条件の一例として、所定数以上の複数の画像情報が記憶され且つ破断回数が記憶されているか否かを判別する。実施例では、所定数として、10が設定されているが、マスターカーブが作成可能であれば任意の複数の数を所定数として設定可能である。また、計算開始条件の判別手段C1Cは、所定数以上の複数の画像情報が記憶されていないと判別した場合には、画像情報を更に取り込む必要があるとのエラー表示をディスプレイH2に表示する。また、計算開始条件の判別手段C1Cは、破断回数が記憶されていないと判別した場合には、破断回数を入力するように促すエラー表示をディスプレイH2に表示する。
計算情報の取得手段C1Dは、キーボードH3やマウスH4により計算開始の入力があった場合に、マスターカーブ作成時に使用する微小き裂の本数nを取得して記憶する。マスターカーブ作成時に使用する微小き裂の本数nは、キーボードH3により入力される。
微小き裂の選定手段C1Eは、計算情報の取得手段C1Cが情報を取得すると、画像情報の取得手段C1Aが取得した画像毎に、画像を処理して画像上の微小き裂を特定する。そして、微小き裂の選定手段C1Eは、画像情報の取得手段C1Aが取得した画像毎に、特定された全ての本数i分の微小き裂について長さa1(mm),a2(mm),…,an(mm),…,ai(mm)を測定して、最大長さa1の微小き裂を含み、該最大長さの微小き裂から長い順に、使用する本数として入力された本数n分の微小き裂を選定する。
微小き裂の計算手段C1Fは、微小き裂が選定されると、画像情報の取得手段C1Aが取得した画像毎に、選定された微小き裂の長さの総和a1+a2+…+an=Σa(mm)を計算し、その常用対数log(Σa)を計算する。また、微小き裂の計算手段C1Eは、微小き裂が選定されると、画像情報の取得手段C1Aが取得した画像毎に、疲労損傷率φfを破断寿命の回数に対する中断時の回数の比として計算する。すなわち、微小き裂の計算手段C1Fは、微小き裂が選定されると、画像情報の取得手段C1Aが取得した画像毎に、選定された微小き裂の長さの総和の常用対数log(Σa)と、疲労損傷率φfとを計算する。
マスターカーブの生成手段C1Gは、微小き裂の総和の常用対数log(Σa)と、疲労損傷率φfとに基づいてマスターカーブを生成する。実施例のマスターカーブの生成手段C1Fは、マスターカーブを、Y=log(Σa),X=φfとして前記線形の式(1)が満たされる関係として生成する。式(1)中の定数A、Bは最小二乗法で計算する。
マスターカーブの記憶手段C1Hは、計算された定数A,Bを記憶して、式(1)で表現されるマスターカーブを記憶する。
マスターカーブの記憶手段C1Hは、計算された定数A,Bを記憶して、式(1)で表現されるマスターカーブを記憶する。
(疲労損傷率の計算手段C2)
疲労損傷率の計算手段C2は、開始条件の判別手段C2Aと、画像情報の取得手段C2Bと、微小き裂の選定手段C2Cと、疲労損傷率の算出手段C2Dと、評価手段C2Eとを有する。疲労損傷率の計算手段C2は、キーボードH3やマウスH4により、疲労損傷率の計算を開始する入力があった場合に実行される。
疲労損傷率の計算手段C2は、開始条件の判別手段C2Aと、画像情報の取得手段C2Bと、微小き裂の選定手段C2Cと、疲労損傷率の算出手段C2Dと、評価手段C2Eとを有する。疲労損傷率の計算手段C2は、キーボードH3やマウスH4により、疲労損傷率の計算を開始する入力があった場合に実行される。
開始条件の判別手段C2Aは、キーボードH3やマウスH4により疲労損傷率の計算開始の入力があった場合に、疲労損傷率の計算開始の条件の一例として、マスターカーブが記憶されているか否かを判別する。そして、開始条件の判別手段C2Aは、マスターカーブが記憶されていないと判別した場合には、マスターカーブの作成を促すエラー表示をディスプレイH2に表示して、疲労損傷率の計算の処理を終了する。
画像情報の取得手段C2Bは、キーボードH3やマウスH4により画像情報の取得開始の入力があった場合に、顕微鏡Mにセットされたレプリカ膜の画像を取得する。なお、画像情報の取得手段C2Bでは、顕微鏡Mにセットされたレプリカ膜は、測定対象の構造物から採取される。
画像情報の取得手段C2Bは、キーボードH3やマウスH4により画像情報の取得開始の入力があった場合に、顕微鏡Mにセットされたレプリカ膜の画像を取得する。なお、画像情報の取得手段C2Bでは、顕微鏡Mにセットされたレプリカ膜は、測定対象の構造物から採取される。
微小き裂の選定手段C2Cは、画像情報の取得手段C2Bにより画像情報が取得されると、取得した画像を処理して画像上の微小き裂を特定する。そして、微小き裂の選定手段C2Cは、特定された全ての本数j分の微小き裂について長さb1(mm),b2(mm),…,bn(mm),…,bj(mm)を測定して、最大長さb1の微小き裂を含み、該最大長さの微小き裂から長い順に、マスターカーブが作成された本数n分の微小き裂を選定する。
疲労損傷率の算出手段C2Dは、微小き裂の選定手段C2Cにより微小き裂が選定されると、選定された微小き裂の長さの総和b1+b2+…+bn=Σb(mm)を計算し、その常用対数log(Σb)を計算する。そして、疲労損傷率の算出手段C2Dは、微小き裂の長さの総和の常用対数log(Σb)に基づいて、記憶されたマスターカーブから、疲労損傷率φfを算出する。なお、疲労損傷率φfはディスプレイH2に表示する。よって、疲労損傷率の算出手段C2Dでは、全ての微小き裂ではなくて、選定された本数の微小き裂にのみ基づいて処理が行われており、処理が軽減されている。
評価手段C2Eは、疲労損傷率の算出手段C2Dにより疲労損傷率φfが算出されると、算出された疲労損傷率φfに基づいて、測定対象の構造物の寿命を評価する。実施例1の評価手段C2Eは、一例として、疲労損傷率φfが0.3未満の場合には、構造物の疲労損傷がほとんど進んでいない初期段階にあり、寿命はほとんど減っていないと評価する。そして、初期段階であることを示す画像をディスプレイH2に表示する。また、実施例1の評価手段C2Eは、一例として、疲労損傷率φfが0.3以上0.5未満の場合には、疲労損傷が初期から中期への移行段階にあり、寿命は十分に残されていると評価する。そして、初期から中期への移行段階であることを示す画像をディスプレイH2に表示する。さらに、実施例1の評価手段C2Eは、一例として、疲労損傷率φfが0.5以上の場合には、疲労損傷が中期以降の段階であり、寿命が少なくなりつつあると評価する。そして、中期以降の段階であることを示す画像をディスプレイH2に表示する。
(実施例のフローチャートの説明)
次に、実施例1の前記クライアントパソコンPCの各プログラムの処理の流れをフローチャートを使用して説明する。
次に、実施例1の前記クライアントパソコンPCの各プログラムの処理の流れをフローチャートを使用して説明する。
(実施例のマスターカーブの作成処理の説明)
図9は実施例のマスターカーブの作成処理のフローチャートである。
図10は実施例のマスターカーブの作成処理のフローチャートであり、図9の続きのフローチャートである。
図9、図10のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記制御部のROM等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は前記制御部の他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
図9は実施例のマスターカーブの作成処理のフローチャートである。
図10は実施例のマスターカーブの作成処理のフローチャートであり、図9の続きのフローチャートである。
図9、図10のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記制御部のROM等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は前記制御部の他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
図9、図10に示すフローチャートは、前記クライアントパソコンPCにおいて、疲労損傷評価プログラムAP1が起動された場合に開始される。
図9のST1において、マスターカーブの作成の入力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST2に進み、ノー(N)の場合はST1を繰り返す。
ST2において、画像の取得開始の入力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST3に進み、ノー(N)の場合はST7に進む。
ST3において、レプリカ膜の画像を取得する。そして、ST4に進む。
ST4において、中断時の回数の入力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST5に進み、ノー(N)の場合はST4を繰り返す。
ST5において、中断時の回数を記憶する。そして、ST6に進む。
ST6において、レプリカ膜の画像と中断時の回数とを対応づけて記憶する。そして、ST2に戻る。
図9のST1において、マスターカーブの作成の入力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST2に進み、ノー(N)の場合はST1を繰り返す。
ST2において、画像の取得開始の入力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST3に進み、ノー(N)の場合はST7に進む。
ST3において、レプリカ膜の画像を取得する。そして、ST4に進む。
ST4において、中断時の回数の入力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST5に進み、ノー(N)の場合はST4を繰り返す。
ST5において、中断時の回数を記憶する。そして、ST6に進む。
ST6において、レプリカ膜の画像と中断時の回数とを対応づけて記憶する。そして、ST2に戻る。
ST7において、破断回数の入力開始の入力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST8に進み、ノー(N)の場合は図10に示すST10に進む。
ST8において、破断回数の入力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST9に進み、ノー(N)の場合はST8を繰り返す。
ST9において、破断回数を記憶する。そして、ST2に戻る。
図10のST10において、マスターカーブの計算開始の入力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST11に進み、ノー(N)の場合は図9のST2に戻る。
ST11において、所定数以上の複数の画像情報が記憶されているか否かを判別する。なお、実施例では、10以上の画像情報が記憶されているか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST12に進み、ノー(N)の場合はST24に進む。
ST12において、破断回数が記憶されているか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST13に進み、ノー(N)の場合はST25に進む。
ST8において、破断回数の入力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST9に進み、ノー(N)の場合はST8を繰り返す。
ST9において、破断回数を記憶する。そして、ST2に戻る。
図10のST10において、マスターカーブの計算開始の入力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST11に進み、ノー(N)の場合は図9のST2に戻る。
ST11において、所定数以上の複数の画像情報が記憶されているか否かを判別する。なお、実施例では、10以上の画像情報が記憶されているか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST12に進み、ノー(N)の場合はST24に進む。
ST12において、破断回数が記憶されているか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST13に進み、ノー(N)の場合はST25に進む。
ST13において、マスターカーブの作成時に使用する微小き裂の本数nの入力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST14に進み、ノー(N)の場合はST13を繰り返す。
ST14において、微小き裂の本数nを記憶する。そして、ST15に進む。
ST15において、画像の取得順が1番目の画像情報を読み込む。そして、ST16に進む。
ST16において、画像を処理して画像の微小き裂を特定する。そして、ST17に進む。
ST17において、画像の各微小き裂の長さを測定する。そして、ST18に進む。
ST14において、微小き裂の本数nを記憶する。そして、ST15に進む。
ST15において、画像の取得順が1番目の画像情報を読み込む。そして、ST16に進む。
ST16において、画像を処理して画像の微小き裂を特定する。そして、ST17に進む。
ST17において、画像の各微小き裂の長さを測定する。そして、ST18に進む。
ST18において、画像のn本の微小き裂を選定する。そして、ST19に進む。
ST19において、画像の微小き裂の総和の長さの常用対数を計算する。そして、ST20に進む。
ST20において、画像の疲労損傷率を計算する。そして、ST21に進む。
ST21において、全ての記憶した画像情報の処理が終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST22に進み、ノー(N)の場合はST26に進む。
ST22において、マスターカーブを生成する。そして、ST23に進む。
ST23において、マスターカーブを記憶する。そして、図9のST1に戻る。
ST19において、画像の微小き裂の総和の長さの常用対数を計算する。そして、ST20に進む。
ST20において、画像の疲労損傷率を計算する。そして、ST21に進む。
ST21において、全ての記憶した画像情報の処理が終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST22に進み、ノー(N)の場合はST26に進む。
ST22において、マスターカーブを生成する。そして、ST23に進む。
ST23において、マスターカーブを記憶する。そして、図9のST1に戻る。
ST24において、所定数以上の複数の画像情報の取得を促すエラー表示をディスプレイH2に表示する。そして、図9のST2に戻る。
ST25において、破断回数の入力を促すエラー表示をディスプレイH2に表示する。そして、図9のST2に戻る。
ST26において、画像の取得順が次の画像情報を読み込む。そして、ST16に戻る。
ST25において、破断回数の入力を促すエラー表示をディスプレイH2に表示する。そして、図9のST2に戻る。
ST26において、画像の取得順が次の画像情報を読み込む。そして、ST16に戻る。
(実施例の疲労損傷率の計算処理の説明)
図11は実施例の疲労損傷率の計算処理のフローチャートである。
図11のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記制御部のROM等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は前記制御部の他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
図11は実施例の疲労損傷率の計算処理のフローチャートである。
図11のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記制御部のROM等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は前記制御部の他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
図11に示すフローチャートは、前記クライアントパソコンPCにおいて、疲労損傷評価プログラムAP1が起動された場合に開始される。
図11のST31において、疲労損傷率の計算開始の入力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST32に進み、ノー(N)の場合はST31を繰り返す。
ST32において、マスターカーブが記憶されているか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST33に進み、ノー(N)の場合はST42に進む。
ST33において、画像の取得開始の入力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST34に進み、ノー(N)の場合はST33を繰り返す。
ST34において、レプリカ膜の画像を取得する。そして、ST35に進む。
ST35において、画像を処理して画像の微小き裂を特定する。そして、ST36に進む。
図11のST31において、疲労損傷率の計算開始の入力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST32に進み、ノー(N)の場合はST31を繰り返す。
ST32において、マスターカーブが記憶されているか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST33に進み、ノー(N)の場合はST42に進む。
ST33において、画像の取得開始の入力があったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST34に進み、ノー(N)の場合はST33を繰り返す。
ST34において、レプリカ膜の画像を取得する。そして、ST35に進む。
ST35において、画像を処理して画像の微小き裂を特定する。そして、ST36に進む。
ST36において、画像の各微小き裂の長さを測定する、そして、ST37に進む。
ST37において、画像のn本の微小き裂を選定する。そして、ST38に進む。
ST38において、画像の微小き裂の長さの総和の常用対数を計算する。そして、ST39に進む。
ST39において、マスタカーブに基づいて、疲労損傷率を算出する。そして、ST40に進む。
ST40において、疲労損傷率に基づいて寿命を評価する。そして、ST41に進む。
ST41において、疲労損傷率と寿命の評価をディスプレイH2に表示する。そして、ST31に戻る。
ST42において、マスタカーブの作成を促すエラー表示をディスプレイH2に表示する。そして、ST31に戻る。
ST37において、画像のn本の微小き裂を選定する。そして、ST38に進む。
ST38において、画像の微小き裂の長さの総和の常用対数を計算する。そして、ST39に進む。
ST39において、マスタカーブに基づいて、疲労損傷率を算出する。そして、ST40に進む。
ST40において、疲労損傷率に基づいて寿命を評価する。そして、ST41に進む。
ST41において、疲労損傷率と寿命の評価をディスプレイH2に表示する。そして、ST31に戻る。
ST42において、マスタカーブの作成を促すエラー表示をディスプレイH2に表示する。そして、ST31に戻る。
よって、実施例のシステムSでは、疲労損傷評価プログラムAP1が起動された場合にマスターカーブの作成処理が実行される場合、図9、図10に示すフローチャートに沿った処理が実行される。したがって、疲労試験に基づく複数の微小き裂に基づいてマスターカーブが作成される。また、実施例のシステムSでは、疲労損傷評価プログラムAP1が起動された場合に疲労損傷率の計算処理が実行される場合、図11に示すフローチャートに沿った処理が実行される。したがって、測定対象物の構造物に基づく複数の微小き裂に基づいて前記マスタカーブから疲労損傷率が計算される。そして、計算された疲労損傷率に基づき、測定対象物の構造物の寿命が評価される。このとき、前記マスターカーブでは、疲労損傷率の初期段階における傾きが従来の構成に比べて大きくなっている。よって、実施例のシステムSでは、寿命の初期段階における疲労損傷率の精度が向上して、寿命評価の精度が高くなっている。
なお、実施例のシステムSでは、マスターカーブの作成処理を実行する場合、試験開始から破断までの一回の疲労試験に基づいてマスターカーブを作成する構成を例示したが、これに限定されず、試験開始から破断までの複数回の疲労試験に基づいてマスターカーブを作成する構成が可能である。例えば、試験開始から破断までの複数回の疲労試験に基づく画像や破断回数などを入力可能にして、各疲労試験の結果の平均を取ったり、統計処理したりして、実際に使用する1つのマスターカーブを作成する構成も可能である。
また、実施例のシステムSでは、マスターカーブが作成された場合には、マスターカーブは修正されない構成を例示したが、これに限定されない。例えば、追加の疲労試験を行って追加の疲労試験に基づく画像や破断回数などを入力可能にして、元のマスターカーブに関するデータと、追加のデータとに基づいて、元のマスターカーブを修正して使用するなど、いわば、学習機能を持たせて、疲労損傷の計算に使用するマスターカーブを作成する構成も可能である。
さらに、実施例のシステムSでは、マスターカーブの作成処理を実行する場合、疲労損傷率に関わらず、設定された本数nの微小き裂を選定して、マスターカーブを作成する構成を例示したが、これに限定されない。例えば、疲労損傷率が0.5未満については、設定された本数nの微小き裂の長さの和の常用対数をとり、疲労損傷率が0.5以上については、最大の微小き裂単独の長さの常用対数をとって、マスターカーブを作成する構成など、疲労損傷率の値によって、選定する本数nを変更してマスターカーブを作成する構成が可能である。
また、実施例のシステムSでは、顕微鏡Mから取得した画像を処理して自動的に微小き裂を特定、選定して、微小き裂の長さの和の常用対数を計算する構成が望ましいが、これに限定されない。例えば、顕微鏡Mの画像における微小き裂を特定、選定した後の情報をクライアントパソコンPCに入力可能として、クライアントパソコンPCが入力された情報を処理してマスターカーブを作成したり、マスターカーブに基づく疲労損傷率を計算する構成も可能である。
C1A 疲労損傷率に関する情報を取得する手段
C1G マスターカーブを作成する手段
C1H マスターカーブを記憶する手段
C2D 構造物の疲労損傷率を計算する手段
C2E 構造物の寿命を評価する手段
M 観察装置
S 疲労損傷評価システム
PC 疲労損傷評価装置
C1G マスターカーブを作成する手段
C1H マスターカーブを記憶する手段
C2D 構造物の疲労損傷率を計算する手段
C2E 構造物の寿命を評価する手段
M 観察装置
S 疲労損傷評価システム
PC 疲労損傷評価装置
Claims (6)
- 疲労損傷あるいはクリープ疲労損傷に基づく構造物の損傷を微小き裂の進展とみなして、該微小き裂の進展を予測することにより前記構造物の寿命を評価する方法において、微小き裂長さの総和をΣa、疲労損傷率をφfとした場合、log(Σa)=A・φf+B(A,B:定数)の関係で求められるマスターカーブを用い、前記微小き裂長さの総和Σaは、最大長さの微小き裂を含んだ2本以上の微小き裂長さの総和から求めることを特徴とする疲労損傷評価方法。
- 前記2本以上の微小き裂長さの総和は、最大長さの微小き裂を含み、該最大長さの微小き裂から長い順に2本以上10本以下の微小き裂長さの総和であることを特徴とする請求項1に記載の疲労損傷評価方法。
- 最大長さの微小き裂を含んだ2本以上の微小き裂の長さの総和と疲労損傷率との関係である予め求められたマスターカーブを記憶する手段と、
疲労損傷の評価対象の構造物についての微小き裂の観察を行う観察装置と、
前記観察装置で観察された微小き裂において最大長さの微小き裂を含む2本以上の微小き裂の長さの総和と前記マスターカーブとに基づいて前記構造物の疲労損傷率を計算する手段と、
前記構造物の疲労損傷率に基づいて前記構造物の寿命を評価する手段と
を備えたことを特徴とする疲労損傷評価システム。 - 最大長さの微小き裂を含み該最大長さの微小き裂から長い順に2本以上10本以下の微小き裂の長さの総和と疲労損傷率との関係である予め求められたマスターカーブを記憶する前記記憶する手段と、
前記観察装置で観察された微小き裂において最大長さの微小き裂を含み該最大長さの微小き裂から長い順に2本以上10本以下の微小き裂の長さの総和と前記マスターカーブとに基づいて前記構造物の疲労損傷率を計算する前記計算する手段と
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の疲労損傷評価システム。 - 疲労試験が行われた測定対象物についての微小き裂の観察を行う観察装置と、
前記測定対象物の疲労損傷率に関する情報を取得する手段と、
前記観察装置で観察された微小き裂において最大長さの微小き裂を含む2本以上の微小き裂の長さの総和と前記測定対象物に基づく疲労損傷率とに基づいて最大長さの微小き裂を含んだ2本以上の微小き裂の長さの総和と疲労損傷率との関係であるマスターカーブを作成する手段と、
前記作成されたマスターカーブを記憶する前記記憶する手段と、
を備えたことを特徴とする請求項3または4に記載の疲労損傷評価システム。 - 最大長さの微小き裂を含んだ2本以上の微小き裂の長さの総和と疲労損傷率との関係である予め求められたマスターカーブを記憶する手段と、
疲労損傷の評価対象の構造物についての微小き裂に関する情報を取得する手段と、
前記構造物の微小き裂において最大長さの微小き裂を含む2本以上の微小き裂の長さの総和と前記マスターカーブとに基づいて前記構造物の疲労損傷率を計算する手段と、
前記構造物の疲労損傷率に基づいて前記構造物の寿命を評価する手段と、
を備えたことを特徴とする疲労損傷評価装置。
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- 2013-05-15 JP JP2013103365A patent/JP2014224720A/ja active Pending
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